JP2005353493A - 燃料電池用セルモジュール及びその製造方法、並びに燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 中空形状の電解質膜の内面及び外面に電極である触媒層を設けた燃料電池用セルモジュールに担持された触媒金属の電極反応への有効利用を可能とし、前記セルモジュールと前記集電材とが互いに配置される時の印加圧力が少ない場合でも、それらの間の電気的接続が充分になされるような構造を提供する。
【解決手段】 中空電解質膜11の内面及び外面に配置された一対の電極13、17、および前記一対の電極13、17にそれぞれ接続する集電材14、18を有し、前記中空電解質膜11の内面又は外面のうち少なくとも一方の電極は、電極触媒32を担持したナノ柱状体31を有し、該ナノ柱状体31は集電材14、18上に設けられていると共に少なくとも一部が前記電解質膜11に配向していることを特徴とする、燃料電池用セルモジュールである。
【選択図】 図3

Description

本発明は、燃料電池の発電セルとして好適なセルモジュール、特に中空形状の電解質膜を有するセルモジュール及びその製造方法、並びに該セルモジュールを単セルとして用いた燃料電池に関する。
燃料電池は、燃料と酸化剤を電気的に接続された2つの電極に供給し、電気化学的に燃料の酸化を起こさせることで、化学エネルギーを直接電気エネルギーに変換する。火力発電とは異なり、カルノーサイクルの制約を受けないので、高いエネルギー変換効率を示す。固体高分子電解質型燃料電池は、電解質として固体高分子電解質膜を用いる燃料電池であり、小型化が容易であること、低い温度で作動すること、などの利点があることから、特に携帯用、移動体用電源として注目されている。
固体高分子電解質型燃料電池では、水素を燃料とした場合、アノードでは(1)式の反応が進行する。
→ 2H + 2e …(1)
(1)式で生じる電子は、外部回路を経由し、外部の負荷で仕事をした後、カソードに到達する。そして、(1)式で生じたプロトンは、水と水和した状態で、固体高分子電解質膜内をアノード側からカソード側に、電気浸透により移動する。
また、酸素を酸化剤とした場合、カソードでは(2)式の反応が進行する。
2H + (1/2)O + 2e → HO …(2)
カソードで生成した水は、主としてガス拡散層を通り、外部へと排出される。
このように、燃料電池では、水以外の排出物がなく、クリーンな発電装置である。
従来、固体高分子電解質型燃料電池としては主に、平面状の固体高分子電解質膜の一面にアノード及び他面にカソードとなる触媒層を設け、得られた平面状の膜・電極接合体の両側にさらにそれぞれガス拡散層を設け、最後に平面状のセパレータで挟みこむことによって作製される平型の単セルを、複数積層することで得られる燃料電池スタックを有するものが開発されてきた。
固体高分子電解質型燃料電池の出力密度向上のために、固体高分子電解質膜としては非常に膜厚の薄いプロトン伝導性高分子膜が用いられている。この膜厚はすでに100μm以下のものが主流であり、さらなる出力密度向上のためにさらに薄い電解質膜を用いたとしても、単セルの厚みを現在のものより劇的に薄くすることはできない。同様に、触媒層、ガス拡散層及びセパレータ等についてもそれぞれ薄膜化が進んでいるが、それらすべての部材の薄膜化によっても、単位体積当たりの出力密度の向上には限界がある。従って、小型化の要求に対しても、今後充分に応えられなくなることが予想される。
また、前記セパレータには、通常、耐腐食性に優れたシート状のカーボン材料を用いる。このカーボン材料自体も高価であるが、さらに、平面状の膜・電極接合体の面全体にほぼ均一に燃料ガス及び酸化剤ガスを行き渡らせるために、前記セパレータの面上には、通常、ガス流路となる溝を微細加工するので、その加工によって、セパレータは非常に高価になってしまい、燃料電池の製造原価を押し上げていた。
以上の問題の他にも、平型の単セルには、前記ガス流路から燃料ガス及び酸化剤ガスが漏れ出さないように幾層にもスタックされた単セルの周縁を確実にシールすることが技術的に難しいこと、平面状の膜・電極接合体のたわみや変形に起因して発電効率が低下してしまうことがあることなど、多くの問題がある。
近年、中空状電解質膜の内面側と外面側にそれぞれ電極を設けたセルモジュールを基本的な発電単位とする固体高分子電解質型燃料電池が開発されている。(例えば、特許文献1〜5参照)。
通常このような中空形状のセルモジュールを有する燃料電池では、平型で使用されるセパレータに相当する部材は使用する必要がない。そして、その内面と外面とにそれぞれ異なった種類のガスを供給して発電するので、特別にガス流路を形成する必要もない。従って、その製造においては、コストの低減が見込まれる。さらに、セルモジュールが3次元形状であるので、平型の単セルに比べて体積に対する比表面積が大きくとれ、体積当たりの発電出力密度の向上が見込める。
燃料電池の出力密度を向上させるための一手段として、三相界面の制御が考えられる。電極反応は、電極触媒とプロトン伝導性物質が接し、かつ反応ガスが供給される部分、即ち三相界面で起こると考えられるが、従来から三相界面の設計は困難であって、例えば、電極触媒がプロトン伝導性物質中に埋もれ反応ガスの供給が妨げられたり、逆に電極触媒がプロトン伝導性物質から離れた位置に担持され、プロトン伝導性物質からのプロトン供給又はプロトン伝導性物質へのプロトン供与が妨げられたりしていた。これらのことから、高価な貴金属触媒が有効に利用されないという課題があった。
また、アノード側の三相界面での電極反応で発生した電子は、集電材を通り、カソード側の三相界面に到達し、そこでの電極反応に使われるので、電解質膜と集電材との間の導通が良好であることが不可欠である。
セルから導通を取る方法としては、平型の単セルからなるスタックでは、単セル同士を積み重ね、比較的強い圧力を印加して押し合わせる方法が一般的である。そして、その印加される圧力により、前記膜・電極接合体とガス拡散層及びセパレータ間が密着し、効果的に導通されている。
一方、中空形状のセルモジュールは、平型の単セルで集電材の役割を果し、セルとセルを電気的に接続するセパレータを省いて構成されるため、別途、集電材を必要とする。
上記特許文献1では、集電材としてTi線を用い、それをPt担持電極に取り付けることが開示されている。特許文献2に開示されている円柱状の電気化学素子では、その端部同士を導電性接続パターンで電気的に接続していることが開示されている。また、特許文献3に開示されているチューブ状の燃料電池では、触媒層に接続された外部端子が集電材である。特許文献4では、触媒層にリード線を用いて集電電極を接続することが開示されている。そして、特許文献5では、線状の負極端子、正極端子をそれぞれ取り付けることが開示されている。
特開平9−223507号公報 特開2002−158015号公報 特開2002−260685号公報 特開2002−289220号公報 特開2002−124273号公報
上述したように、中空形状のセルモジュールにおいても、前記三相界面を制御し、その電極触媒を有効に利用できるように設計することは困難である。
また、中空形状のセルモジュールは、平型と違い、電極と集電材の接触性を高めるための面圧を付与しにくい形状及び構造を有するため、導通が不十分となりやすい。
特に特許文献1〜5に記載されているように集電材として線材を用いる場合には、電極と集電材の間の接触面積が小さいため、面圧不足により、導通が不十分となる傾向がさらに大きい。
このような事情に鑑み、本発明の第1の目的は、中空形状の電解質膜であってその内面及び外面に電極である触媒層を設けたものを基本構成要素とする燃料電池用セルモジュール及び当該セルモジュールを有する燃料電池において、担持された触媒金属の電極反応への有効利用を可能とすることを目的としている。
また、本発明の第2の目的は、電極を設けた中空電解質膜の上に集電材を配置する時の圧力の印加量が少ない又はほとんどない場合でも、それらの間の電気的接続が充分になされるような構造を有するセルモジュール及びその製造方法、並びにそのセルモジュールを有する燃料電池を提供することを目的とする。
以上の問題を解決するために、本発明に係る燃料電池用セルモジュールは、中空電解質膜の内面及び外面に配置された一対の電極、および前記一対の電極にそれぞれ接続する集電材を有し、前記中空電解質膜の内面又は外面のうち少なくとも一方の電極は、電極触媒を担持したナノ柱状体を有し、該ナノ柱状体は集電材上に設けられていると共に少なくとも一部が前記電解質膜に配向していることを特徴としている。
このように燃料電池用セルモジュールには、電極触媒金属を担持し且つ電解質膜に配向するナノ柱状体が集電材上に設けられており、その集電材上のナノ柱状体が集合した領域、特に電解質膜に配向した部分は、電極触媒金属を高密度担持させた電極として機能する。また、燃料電池での電極反応は、電極触媒とプロトン伝導性物質とが接しさらに反応ガスが供給される部分、即ち三相界面にて起こるが、本発明にかかるセルモジュールでは、電極触媒金属を担持したナノ柱状体を中空電解質膜に配向して電極を構成するようにしたので、発電に際し供給される反応ガスは、三相界面付近まで容易に到達し、均一に拡散される。従って、担持された電極触媒金属を電極反応に有効に利用することができる。
また、前記集電材が1本又は2本以上の導電性ファイバーからなり、各導電性ファイバーは中空電解質膜の長手方向に整列されている燃料電池用セルモジュールでは、集電効果が高まるので好ましい。
そして、前記中空電解質膜の内面又は外面のうち少なくとも一方に、電極触媒を担持したナノ柱状体を設けた前記集電材を介してさらに別の集電材を有する燃料電池用セルモジュールによれば、前記ナノ柱状体を設けた集電材を、別の集電材が支持し、しっかりと固定することができる。
特に、前記ナノ柱状体の長さが200μm以上であるようにすること、及び/又は、前記ナノ柱状体が前記電解質膜の膜面に略垂直に配向されているようにすることで、よりガス供給が良好に行われるようになり、担持された電極触媒金属を電極反応に有効に利用することができ、且つ、セルモジュールと集電材との電気的接続をより良好にすることができる。
前記電極触媒金属が白金又は白金と他の金属とからなる合金であることが、電極反応活性が高いという観点から好ましい。
前記ナノ柱状体の表面にプロトン伝導性物質を有する場合には、三相界面が多く形成され、担持された電極触媒金属を電極反応に有効に利用することができる。
前記プロトン伝導性物質の上に撥水化材をさらに有する場合には、電極反応で生成する生成水が三相界面から効率的に排除され、三相界面が形成される部位を多く保つことができる。
前記電極触媒金属の粒子径が前記ナノ柱状体の外径以下である場合には、単位体積当たりの反応に有効な触媒表面を大きくすることとなるので好ましい。
前記プロトン伝導性物質の厚みを1〜70μmとすることにより、三相界面を多く形成することができ、担持された電極触媒金属を電極反応に有効に利用することができる。
本発明に係る燃料電池用セルモジュールを備えた燃料電池は、中空電解質膜を有し、且つ、各構成部材間の電気的接続が良好なので、高い発電出力を示す。
本発明に係る燃料電池用セルモジュールは、表面にナノ柱状体を設けた第一の集電材を第一の中空導電体の外周面に固定する第一の集電材固定工程と、
前記第一の集電材のナノ柱状体に電極触媒を担持する第一の電極触媒担持工程と、
電極触媒担持後の第一の集電材上に電解質を塗布して中空状電解質膜を形成する電解質膜形成工程と、
表面にナノ柱状体を設けた第二の集電材を前記中空状電解質膜の外周面に固定する第二の集電材固定工程と、
前記第二の集電材のナノ柱状体に電極触媒を担持する第二の電極触媒担持工程と、
電極触媒担持後の第二の集電材上に第二の中空導電体を固定する第二の中空導電体固定工程と、を有する方法で製造することができる。
この製造方法においては、前記第一の集電材固定工程及び/又は前記第二の集電材固定工程において集電材を中空導電体上に融着又は接着剤により固定するか、あるいは、前記第一の集電材固定工程及び/又は前記第二の集電材固定工程において集電材を中空導電体上に塗布により固定することが好ましい。
本発明に係る燃料電池用セルモジュールでは、第一及び/又は第二の集電材上のナノ柱状体が設けられた領域が、集電材と一体化した電極として機能する。また、このナノ柱状体を有する電極においては、ナノ柱状体上に高密度担持された電極触媒金属とその付近の三相界面へ、反応ガスが効率よく到達する。従って、担持された電極触媒金属が電極反応に有効に働き、高い発電効率を示す。
また、本発明のセルモジュールでは、触媒を担持したナノ柱状体の一端が前記集電材に接合されている。そして、その他端が中空電解質膜に配向されており効果的に接触するので、電極と集電材及び中空電解質膜の間の電荷の受け渡しが円滑に行われる。従って、外部からの面圧を付加しにくい中空電解質膜を有するセルモジュールであっても、電極と集電材との電気的接続を良好にでき、セルモジュールの内部抵抗を小さくすることができる。従って、本発明の中空電解質膜を有するセルモジュールは高い発電効率を示し、そのセルモジュールを集合させて形成した燃料電池は、発電効率に優れた燃料電池となる。
以下、図面を参照して、本発明の燃料電池用セルモジュール及び燃料電池の実施形態について詳細に説明する。但し、本発明においては下記の実施形態に制限されるものではない。
(第1実施形態)
図1は、中空形状のフッ素系イオン交換樹脂膜(中空電解質膜)と、その内面側及び外面側に一対の電極を配置し、さらに各電極に集電材を接続したセルモジュールの概略斜視図であって、一部を切断して内部を確認できるようにしている。図2は、本実施形態のセルモジュールの、長手方向に沿った(図1中B−B線に沿った)切断面を示す概略断面図である。また、図3は、図1において点線で囲った領域Aの拡大図であって、図1中のC−C線に沿った切断面の断面を示している。
図1、図2及び図3から分かるように、この第一実施形態のセルモジュール10は、両端が開口している中空形状(チューブ形状)のセルモジュールであり、チューブ状のフッ素系イオン交換樹脂膜11の内側に、第一のカーボンファイバー層(CNT固定化集電材)12と第一のSUS管15がこの順序で配置され、一方、チューブ状のフッ素系イオン交換樹脂膜11の外側に第二のカーボンファイバー層(CNT固定化集電材)16と第二のSUS管19がこの順序で配置されている。そして、前記第一のSUS管15及び第二のSUS管19には、それぞれ導線21,22が取り付けられている。
図1及び図3に示すように、第二のカーボンファイバー層16は、電極触媒金属32を担持したカーボンナノチューブ(ナノ柱状体)31を表面に設けたカーボンファイバー40を、チューブ状中空電解質膜の外面に、長手方向と平行となるように敷き詰めて形成されたものであり、カーボンナノチューブ31が集合してなる第二の電極(外面側電極)17と、カーボンファイバー40が集合してなる第二の集電材(外面側集電材)18とが一体化した部分である。一方、第一のカーボンファイバー層12も、第二のカーボンファイバー層16と同様の構成を有し、図3において括弧書きで併記したように、カーボンナノチューブ31が集合してなる第一の電極(内面側電極)13と、カーボンファイバー40が集合してなる第一の集電材(内面側集電材)14とが一体化した部分である。
また、第一のSUS管15は、第一のカーボンファイバー層12を補強すると共に集電機能を補助するためにチューブ内面側に付加された支持集電材である。同様に、第二のSUS管19は、第二のカーボンファイバー層16を補強すると共に集電機能を補助するためにチューブ外面側に付加された支持集電材である。
従って、この場合、中空電解質膜の内側には、第一のカーボンファイバー層(CNT固定化集電材)12と第一のSUS管15とにより、電極及び集電材が一体化した部分が構成され、同様に、中空電解質膜の外側には、第二のカーボンファイバー層16と第二のSUS管19とにより、電極及び集電材が一体化した部分が構成される。
前記中空電解質膜(本実施形態ではフッ素系イオン交換樹脂膜11)は、その形状が中空形状であるという特徴があり、特に本実施形態では両端が開口したチューブ状である。中空形状であることで、様々な利点が得られる。特に大きな利点はセパレータが不要であること、及び、発電に有効な電極面積が大きくとれることである。
チューブ状中空電解質膜11の外径は特に制限されるものではないが、外径は0.01〜10mmであることが好ましく、0.1〜1mmであることがさらに好ましく、0.1〜0.5mmであることが特に好ましい。チューブ状中空電解質膜11の外径が0.01mm未満のものは、現時点では技術的な問題で製造することが難しく、一方、その外径が10mmを越えるものでは、占有体積に対する表面積があまり大きくならないため、得られるセルモジュールの単位体積当たりの発電出力を向上させる効果が十分に得られない場合がある。
フッ素系イオン交換樹脂膜11は、プロトン伝導性の向上の点からは薄い方が好ましいが、あまりに薄すぎるとガスを隔離する機能が低下し、非プロトン水素の透過量が増大してしまう。しかしながら、従来の平型の燃料電池用単セルを積層した燃料電池と比べると、本発明に係る中空形状のセルモジュールを多数集めることにより作製された燃料電池では発電に有効な電極面積が大きくとれるので、やや厚みのある膜を用いた場合でも充分な出力を示す。かかる観点から、フッ素系イオン交換樹脂膜11の厚みは、一般的に10〜100μmであり、より好ましくは50〜60μmであり、さらに好ましくは50〜55μmである。
また、上記の外径と膜厚の好ましい範囲から、内径の好ましい範囲は0.01〜10mmであり、より好ましくは0.1〜1mmであり、さらに好ましくは0.1〜0.5mmである。
前記フッ素系イオン交換樹脂膜11としては、一部又は全部の水素がフッ素で置換されたポリオレフィン骨格を有する重合体で、且つ、側鎖にプロトン交換基を有するものが好適である。好ましいプロトン交換基としては、スルホン酸基、ホスホン酸基、及び、リン酸基などが挙げられる。特に好ましいフッ素系イオン交換樹脂は、スルホン酸基を有するパーフルオロカーボンの重合体(パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマー)である。パーフルオロカーボンスルホン酸ポリマーには、例えば米国デュポン社製ナフィオンや旭硝子社製フレミオン等のように市販されているものもある。
上記フッ素系イオン交換樹脂膜を形成する重合体の重量平均分子量は、耐久性の観点から、5000以上であることが好ましい。
本実施形態では、中空電解質膜11としてフッ素系イオン交換樹脂膜11を使用しているが、本発明に係るセルモジュール10は中空形状であり、従来の平型の単セルに比べて比表面積が大きいので、フッ素系イオン交換樹脂膜よりプロトン伝導度の低い中空電解質膜を用いても対体積比での出力密度の大きい燃料電池を作製することができる。従って、プロトン伝導性を有する中空電解質膜11であれば良く、様々なものが適用できる。また、燃料電池の構成によっては、例えば、本発明を固体酸化物燃料電池に適用した場合や、水酸化物イオンを電荷担体とする固体高分子型燃料電池に適用した場合などでは、酸素イオンや水酸化物イオンなどの他の電荷担体となるイオンを伝導する中空電解質膜でもよい。
具体的に上記フッ素系交換樹脂膜以外のプロトン伝導性を有する中空電解質膜の例を示すと、スルホン酸基を有するポリスチレン系陽イオン交換膜などのポリオレフィンのような炭化水素を骨格として少なくともスルホン酸基、ホスホン酸基、及び、リン酸基等のプロトン交換基のうちから一種を有するもの、特表平11−503262号公報などに開示されている、ポリベンズイミダゾール、ポリピリミジン、ポリベンゾオキサゾールなどの塩基性高分子に強酸をドープした塩基性高分子と強酸との複合体からなる固体ポリマー電解質膜、ハイドロゲル化リン酸ガラス(春日敏宏、燃料電池、VOL.3、No.3、69頁、2004等参照)、多孔質性ガラスからなるプロトン伝導体(例えば、野上正行、化学と工業、第57巻、第4号、410頁、2004年)などの無機質のプロトン伝導体などが挙げられる。また、多孔質ガラスの細孔中に有機化合物を導入しプロトン伝導性を付与したもの(蔵岡孝治、菊川敬、矢澤哲夫、化学と工業、第57巻、第1号、41頁、2004年)などの有機−無機ハイブリッド固体電解質膜も使用可能である。
CNT固定化集電材であるカーボンファイバー層12,16は、複数のカーボンファイバーが、セルモジュール10の長手方向に沿って整列されて構成されているものである。このカーボンファイバー層12,16には、セルモジュール内面側の第一のSUS管15とフッ素系イオン交換樹脂膜11との間の第一のカーボンファイバー層12と、セルモジュール外面側の第二のSUS管19とフッ素系イオン交換樹脂膜11との間の第二のカーボンファイバー層16とがあり、第一のカーボンファイバー層12を形成する複数のカーボンファイバーは第一のSUS管15の外面側に敷き詰められた状態で融着されることで、しっかりと固定されている。一方、第二のカーボンファイバー層16を形成する複数のカーボンファイバーは前記フッ素系イオン交換樹脂膜11の外面側に敷き詰められて固定され、さらにその外面側を前記第二のSUS管19によって押し付けられることによってしっかりと固定されている。
なお、本実施形態では上述したように、CNT固定化集電材としてカーボンファイバー層12,13を適用した例を示しているが、導電性を有する材料であって且つその表面にカーボンナノチューブなどのナノ柱状体を固定化して保持できるものを含んでなる層であればなんでもよい。例えば、カーボンクロス、カーボンペーパーなどのカーボン製多孔質体、Au、Pt、Ag、Al、Cu、Fe、Ni、Cr、Ta、Ti、Zr、Sm、Inなどの金属又はステンレス鋼などのそれらの合金からなる金属ワイヤの集合体、ニッケルフェルトなどの各種金属又は金属合金からなる金属フェルトや金属メッシュ或いは金属発泡体などの金属製多孔質体、導電性樹脂の線状材の集合体、導電性樹脂からなるクロス又は発泡体などの導電性樹脂多孔質体、さらには、表面を金属又は導電性樹脂等でコートした多孔質体でもよい。耐腐食性に優れるという観点から、これらの中でも、カーボンファイバー、カーボンクロス、カーボンペーパーなどのカーボン製材料、Ti又はNiなどの耐腐食性に優れた金属のワイヤ又は多孔質体、各種ステンレスなどの耐腐食性に優れた金属合金のワイヤ又は多孔質体が好ましく、特にナノ柱状体の保持性の点からカーボンファイバーの集合体が好ましい。
次に、図3に基づいて、第二のカーボンファイバー層16の微視的構造及びフッ素系イオン交換樹脂膜11との電気的接続について説明する。なお、第一のカーボンファイバー層12の微視的構造は第二のカーボンファイバー層16とほぼ同様であり、また、そのフッ素系イオン交換樹脂膜11との電気的接続についてもほぼ同様なので、それらの説明は省略する。
図3に示すように、第二のカーボンファイバー層16を形成するカーボンファイバー40の周囲には、ほぼ垂直に、長さ約500μm、外径約10nmのカーボンナノチューブ31がその一端で接合している。この接合されているカーボンナノチューブ31のうちの一部は、フッ素系イオン交換樹脂膜11方向に略垂直に配向している。また、フッ素系イオン交換樹脂膜11に配向しているカーボンナノチューブ31のさらに一部が、フッ素系イオン交換樹脂膜11上に形成されている直径5〜10nmの孔20にはまり込んだ状態で接合されている場合もある。孔20にはまり込んだこれらのカーボンナノチューブ31は、一端がカーボンファイバーに接合し、他端が電解質膜に接合し、配向状態を安定に保っている。
カーボンナノチューブ31は、200μm以上の長さとするのが望ましい。その長さが200μm未満になるとカーボンファイバー層12,16とフッ素系イオン交換樹脂膜11との間隔が狭くなりすぎるため、反応ガス成分の供給、拡散量が低下して発電効率が低下することがある。
本実施形態ではナノ柱状体として、カーボンナノチューブ(CNT)31を用いた例を示したが、例えばナノガラスなどナノサイズの径を有する細長い形状の微細構造を持つ物質ならばなんでもよい。寸法は一般的には、細長い形状の平均径((長径+短径)/2)が100nm以下で、その平均径のアスペクト比は10以上のものであり、中でも平均径が10〜50nmかつ平均径のアスペクト比は100以上であることが好ましい。このように、ナノサイズ径をもつ細長い形状の物質(ナノ柱状体)に触媒が担持されていると、その表面での担持量が多くなる。さらに、本発明では、ナノ柱状体を中空電解質膜に配向しているので、ナノ柱状体全体が中空電解質膜に埋もれてしまうことがなく、電極反応に有効な触媒表面が大きい。このようなナノ柱状体としては、単層及び多層のカーボンナノチューブやカーボンナノホーン、ガラスナノ柱状体、セラミックナノ柱状体、金属ナノ柱状体、高分子ナノ柱状体等が挙げられる。そして、単層及び多層構造カーボンナノチューブ又はカーボンナノホーンは高い電気伝導性を合わせ持つことから好ましく、カーボンナノチューブ等のナノチューブが特に好ましい。
カーボンナノチューブ31は、アーク放電法やレーザー蒸着法、カーボンナノチューブを生成するための触媒金属(以下、「CNT生成触媒金属」という)を用い、これに炭化水素系ガスや水素系ガスを供給する等して合成するCVD法、高温・高圧条件下において一酸化炭素の不均化反応(CO+CO→C+CO)を起こさせて合成するHiPco法(P. Nikolaev, M.J.Bronikowski, R.K. Bradley, F. Rohmund, D.T. Colbert, K.A. Smith, R.E. Smalley, Chem. Phys. Lett. 313 (1999) 91-97.等参照)など、公知の合成法を利用して生成することができる。
カーボンナノチューブ31の各々には、その表面に電池反応を起こさせる電極触媒金属32として平均粒径2nmの白金(Pt)が担持されている。直線状のカーボンナノチューブ31を担体とすることで、表面積が広く確保されて電極触媒金属32が高密度担持されると共に、発電中に水が過剰に発生する条件下でも、ガスの三相界面への供給、拡散性が得られ、大きな電圧低下(濃度過電圧)が生じないようになっている。
また、電極触媒金属32の平均粒子径は、カーボンナノチューブ31の外径以下のサイズであることが好ましく、1〜3nm程度の範囲とするのが有効である。1nm未満では、現実的に作製が困難であり、触媒金属の有効面が現出しにくくなり、3nmより大きいと触媒効率が低下してしまい、燃料電池とした時に高い電圧は得られにくい。
本実施形態の電極触媒金属32はPtであるが、本発明に係るセルモジュール10は中空形状であり、従来の平型の単セルに比べて単位体積当たりの電極面積が大きく、且つ、電極触媒を細長いナノチューブの表面に担持させ担持密度を大きくすることができるので、電極触媒としてPtより活性の低い触媒を用いても対体積比での出力密度の大きい燃料電池を形成することができる。従って、触媒材料としては、アノード(燃料極)において水素などの燃料ガス又はメタノールなどの液体燃料の酸化反応、又は、カソード(空気極)において酸素などの酸化剤の還元反応に触媒作用を有するものであれば良く、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスニウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属、又はそれらの合金から選択することができる。好ましくは、Pt、及びPtと例えばRuなど他の金属とからなる合金である。
なお、カーボンナノチューブ31の表面へのPt(電極触媒金属32)の担持は、例えば、塩化白金酸や白金硝酸溶液等の白金薬液のアルコール等の溶剤希釈液などを用いて行うことができ、その詳細については後述する。
図3に示すように、電極触媒金属32が担持されたカーボンナノチューブ31の外周には、更にナフィオン溶液(Aldrich Chemical社)を塗布することによって、ナフィオン層33が設けられており、このナフィオン層33がプロトン伝導性物質として機能し、ナノ柱状体付近でのプロトンの伝導性及びフッ素系イオン交換樹脂膜11との接合強度が確保されるようになっている。
本実施形態では、このように、プロトン伝導性物質としてナフィオンを用いているが、プロトン伝導性を有する皮膜形成可能な材料であればよく、好ましくは、前記中空電解質膜と同じ材料が用いられる。
また、ナフィオン層33等のプロトン伝導性物質の厚みは、1〜70nmであることが好ましく、10〜30nmであることがさらに好ましい。この厚みが1nm未満であると、前記カーボンナノチューブに担持された電極触媒金属へのプロトンの供給又は該電極触媒金属からのプロトンの供与が充分に行われないおそれがある。一方、この厚みが70nmを超えると、プロトン伝導性物質がカーボンナノチューブを覆い過ぎてしまい、そこに担持される電極触媒金属へのガスの供給が困難になってしまうおそれがある。
また、カーボンナノチューブ31上のナフィオン層33の上には更にポリテトラフルオロエチレン(撥水化材;PTFE)よりなる撥水層として機能するPTFE層34が設けられており、電池反応で生じた生成水などの排出性を確保できるようになっている。PTFE層34はナフィオン層33の表面の少なくとも一部に形成されていればよく、さらに、一部のPTFEがナフィオン層33内部に侵入していてもよい。
撥水化材としては、フッ素系樹脂の少なくとも一種を適宜選択して用いるのが好適であるが、特に限定されるものではない。上記のポリテトラフルオロエチレン以外に、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン、エチレン−テトラフルオロエチレンポリマー等も効果的な化合物として挙げることができる。また、複数種を併用してもよい。
上記カーボンファイバー層12,16は、電極として機能すると共に、集電材としても機能するので、必ずしも集電体を別途付加する必要はないが、強度や集電能力が十分でない場合がある。そこで本実施形態では図1及び図2に示すように、カーボンファイバー層12,16を強固に固定しつつ、集電効果を高めるために、SUS管15,19を支持集電材として使用する。即ち、中空電解質膜の内側に配置される第一のSUS管15は、その外面側に第一のカーボンファイバー層12を融着した状態でしっかりと固定しつつ、電極反応で発生した電荷を集電し、導線21を介して外部回路と電荷のやり取りを行う。また、中空電解質膜の外側に配置される第二のSUS管19は、フッ素系イオン交換樹脂膜11の外面側に設けられた第二のカーボンファイバー層16をカバーすることでしっかりと固定しつつ、電極反応で発生した電荷を集電し、導線22を介して外部回路と電荷のやり取りを行う。
本実施形態では、支持集電材として、中空導電体であるSUS管14,15を使用しているが、導電性の材料であって、CNT固定化集電材を支持できるものであれば特に限定されない。このような導電性材料としては、各種金属又はそれらの合金が好ましく、例えば、Ag、Al、Cu、Fe、Ni、Cr、Ta、Ti、Zr、Sm、In等の金属、又は各種ステンレス鋼などのそれらの合金が好適である。各種金属材料の中では、特に耐蝕性に優れることから、ステンレスやチタンが好ましい。また、表面をAu、Pt、導電性樹脂等によりコートした金属やプラスチック、ガラス、セラミックスなどでも良い。TiB、ZrB系などの導電性セラミックスも使用できる。また、製造中につぶれない程度の強度を有するカーボン材料も使用できる。そして、非導電性の材料中に導電性材料を分散させることで導電性を発現させた材料も好適である。
本実施形態の支持集電材である第一及び第二のSUS管は、全体的には中空形状の管状であり、且つ、その壁面部には反応ガスを透過させる多数の細かい孔(図示せず)を有している。このように剛性をもつ管状の中空導電体は、CNT固定化集電材を確実に固定することができ、且つ、その大きな表面積を有する壁面部を通じて効率的に集電できるので支持集電材として好ましい。
また、剛性をもつ管状の中空導電体を、第一の支持集電材として中空電解質膜の内面側に用いる場合には、積層のための基体として利用可能であり、例えば、中空導電体の第一のCNT固定化集電材や電解質膜などを順次、塗布等の方法で形成することができる。従って、この場合には、セルモジュール10を容易に作製することができるという利点もある。
上述した中空導電体の壁面部の孔は、燃料ガスや酸化剤ガス等の反応ガス及び又はメタノール等の液体燃料が、中空導電体の径方向に通過する空隙である。このような空隙を有する中空導電体の例としては、各種材料からなる多孔質導電体や、密に巻かれたバネからなる管状のコイル形状の導電体を挙げることができる。
上記支持集電体としては、多孔質の中空導電体が好ましく、耐腐食性及び入手しやすさの観点から特にSUS管であることが好ましい。
ただし、外側の支持集電材はセルモジュール10作製時の基体としては利用されないので、第二のカーボンファイバー層16を外側から押さえつける作用があればよい。従って、多孔質の中空導電体以外の任意の形状の導電性材料も好適に使用可能である。外側の支持集電材としては、例えば、線状のワイヤ状、粗に巻かれたスプリングワイヤ状、粗い網目状などを用いてもよい。
なお、必要に応じて、カーボンファイバー層(CNT固定化集電材)12,16とSUS管(中空導電体)15,19の間を、例えばAgペーストなどの導電性接着剤で接合してもよい。
また、本実施形態では、中空電解質膜の内面側及び外面側に共にカーボンファイバー層12,16、すなわちCNT固定化集電材(ナノチューブを有する電極と集電材とが一体化した部分)を設けた例を示したが、片面側だけにCNT固定化集電材を設けても良い。
以下、カーボンナノチューブ(CNT)生成触媒を用いて、CNT固定化集電材の基体であるカーボンファイバー上に単層カーボンナノチューブを成長させる場合を例に、ナノ柱状体を集電材上に設ける方法の一例を示す。
まず、必要に応じて、基体洗浄工程を行う。基体洗浄工程では、カーボンナノチューブを生成させるために使用する基体(本実施形態ではカーボンファイバー)の表面を洗浄する。例えば、基体であるカーボンファイバーを真空にした電気炉中で加熱処理することにより洗浄を行うことができる。
次に、CNT生成触媒担持工程を行い、基体にCNT生成触媒金属を担持してカーボンナノチューブの生成に用いるCNT生成触媒担持体(CNT生成触媒担持カーボンファイバー)を作製する。具体的な方法については特に制限はなく、例えば、基体の上に蒸着などによりFe等の所望のCNT生成触媒金属を均一に微粒化して担持させることでCNT生成触媒担持体とすることができる。
CNT生成触媒金属としては、Fe以外にPd、Co、Ni、W、Mo、Mn又はこれらの合金などが挙げられる。本実施形態の基体はカーボンファイバーであるが、上述した他の集電材を使用してもよい。本発明では、基体の上に蒸着によりFeからなるCNT生成触媒金属を所望の厚み(4nm)となるように均一に担持させてCNT生成触媒担持体を作製する。
次に、カーボンナノチューブ生成工程を行う。カーボンナノチューブ生成工程では、CNT生成触媒担持体を真空の空間に配置すると共にカーボンナノチューブの生成に適した所定温度に加熱された状態とし、該CNT生成触媒担持体にナノチューブの原料ガス(炭化水素系ガス、アルコール系ガス、及び水素系ガス等)を供給することで、前記CNT生成触媒担持体上にカーボンナノチューブを生成させて、CNT固定化集電材(CNT固定化カーボンファイバー)を作製する。供給にあたり原料ガスの流量や反応温度、滞在温度を調整する、CNT生成触媒金属の大きさ(粒子径)を変えること、あるいは生成されたカーボンナノチューブを更に1500〜1850℃の温度領域で加熱すること、等によりカーボンナノチューブのチューブ径を制御することができる。また、原料ガスを例えばイオン銃等を用いてイオン化するなど、原料ガスの性状を、生成させようとするカーボンナノチューブの層構造や径、長さ等の形状、配向性に合わせて制御することも有用である。
CNT生成触媒担持体の表面における原料ガスの流速を、2mm/sec以上とすることによって、200μm以上のカーボンナノチューブを効率よく生成させることができる。
原料ガス供給時のCNT生成触媒担持体の温度は、400℃以上とすることが好ましい。CNT生成触媒担持体の温度が上記範囲であると、量産レベルの生成速度を達成でき、また、径や長さ、配向性の均一なカーボンナノチューブを安定的に生成させることができる。特にCNT生成触媒担持体の温度を500℃〜1000℃とすることによって、均質なカーボンナノチューブをより効率よく生成させることができる。また、本工程における真空状態としては、一般に10−3〜10Pa程度が望ましい。
原料ガスには、炭化水素系ガスやアルコール系ガス(CH系ガス)、水素ガス(H系ガス)が含まれる。具体的には、炭化水素系ガス及びアルコール系ガスから選択される少なくとも一種、あるいは炭化水素系ガス及びアルコール系ガスから選択される少なくとも一種と水素系ガスから選択される少なくとも一種の両方を(場合によりガス化して)用いることができる。前記炭化水素系ガスの炭化水素成分としては、炭素数1〜6の炭化水素(例えばメタン、エタン、アセチレン、ベンゼン等)が好適に挙げられ、前記アルコール系ガスとしては、例えばメタノール、エタノール等が好適に挙げられる。CH系あるいはH系の原料が液相もしくは固相状態である場合には、予め気相にして供給することができる。また、CH系ガスとH系ガスとの混合系の場合、その混合比(CH系:H系)は、1:1〜1:20(分圧比あるいは流量比)が好ましい。
また、前記カーボンナノチューブ生成工程の後、必要に応じて、CNT固定化集電材の後処理工程を行う。例えば、生成されたカーボンナノチューブを、更に1500〜1850℃で加熱することによりチューブ径を調整する処理を行うことができる。また、カーボンナノチューブを空気中で再び500〜600℃程度に加熱(空気酸化処理)したり、あるいは塩酸、王水等を用いた酸処理などを行うことにより、チューブ端を開口(キャップオープン)させることができる。また、前記酸処理では、前記キャップオープンさせる処理に加えて、カーボンナノチューブの生成後に行うCNT生成触媒金属の除去処理、付着したアモルファスカーボン等の煤を除去する処理、などを行うことが可能である。
このようにして生成させたカーボンナノチューブは、基体であるカーボンファイバーの表面からほぼ垂直に立っており、カーボンファイバーの断面は円形であるので、カーボンナノチューブはカーボンファイバーを核として外側に向けて放射状に延びている。
次にセルモジュール10の作製方法の一例を示す。
セルモジュール10は、
(1)第一のSUS管(第一の中空導電体)を用意し、その外面側にCNT固定化カーボンファイバーを敷き詰めて接合し、第一のカーボンファイバー層を形成する第一のCNT固定化集電材固定工程と、
(2)その接合したカーボンファイバー上のカーボンナノチューブにPt(電極触媒金属)を担持する第一の電極触媒担持工程と、
(3)第一のカーボンファイバー層の外面側にフッ素系イオン交換樹脂膜11を形成する電解質膜形成工程と、
(4)その形成したイオン交換樹脂膜11の外面側にCNT固定化カーボンファイバーを敷き詰めて接合し、第二のカーボンファイバー層を形成する第二のCNT固定化集電材固定工程と、
(5)その接合したカーボンファイバーにPt(電極触媒金属)を担持する第二の電極触媒担持工程と、
(6)Ptを担持させた第二のカーボンファイバー層を外側から押さえつけて固定する第二のSUS管を設ける第二の支持集電材固定工程(本実施形態のように中空導電体固定工程とすることが好ましい)を行って作製される。
また、カーボンナノチューブ31の上にプロトン伝導性物質を設け、さらにその上に撥水化材を設ける付与工程(7)は、必要に応じて、前記第一の電極触媒担持工程(2)と電解質膜形成工程(3)との間、及び/又は、前記第二の電極触媒担持工程(5)と第二の支持集電材接合工程(6)との間に行うことができる。
第一のCNT固定化集電材固定工程(1)では、セルモジュール10の内面側に配置する第一のSUS管15を用意し、その外面側に前記CNT固定化カーボンファイバーを敷き詰めて接合することで、第1中間体を作製する。第一のSUS管には、必要に応じ洗浄や、表面処理などの前処理を行っても良い。CNT固定化カーボンファイバーを敷き詰める方法には特に制限はないが、次に接合する際の接合方法を融着によるものとする場合には、仮止めすることが好ましい。例えば、接着材を用いて仮止めしたり、各種溶媒でSUS管を濡らしその上にCNT固定化カーボンファイバーを載せた状態で乾燥させることで該カーボンファイバーをSUS管上に仮に配置したり、前記CNT固定化カーボンファイバーでSUS管を取り巻く際に粘着テープで巻いたり又は紐状材料で縛って仮止めすることができる。予め、カーボンファイバーをその繊維方向に沿って集合させ、粘着剤などを用いて仮にまとめておくと、SUS管14上に敷き詰めるのが容易になり好ましい。
このようにしてSUS管15上に敷き詰めたCNT固定化カーボンファイバーを、そのSUS管15上に接合して第一のカーボンファイバー層12(第一のCNT固定化集電材)を形成し第1中間体とする。この接合方法は特に限定されるものではないが、導電性接着剤による接着、又は、本実施形態のように第一の中空導電体を金属製のものとした場合には融着によることが好ましい。SUS管15へのCNT固定化カーボンファイバーの融着は、例えば、プラズマ法、高周波加熱、抵抗溶接等で行うことができる。
第一の電極触媒担持工程(2)では、上記第一のCNT固定化集電材固定工程(1)で作製した第1中間体のカーボンファイバー40上のカーボンナノチューブ31にPt(電極触媒金属32)を担持させて、第2中間体を作製する。カーボンナノチューブ31の表面へのPtの担持は、湿式法、乾式法のいずれの方法によっても行うことができる。湿式法による場合には、エタノール等のアルコール中に塩化白金酸や白金硝酸溶液等の白金薬液を適量溶解させた溶液を前記第1中間体に塗工した後、水素雰囲気中で150℃以上に加熱処理する方法が望ましい。塗工は、例えば、溶液中に第1中間体を浸漬する、あるいは第1中間体の外面に滴下、噴霧(スプレー)等するなどして好適に行うことができる。また、乾式法による場合には、電子ビーム蒸着法やスパッタリング法、静電塗装法などが望ましい。
次に、必要に応じて、Ptが担持されたカーボンナノチューブ31にナフィオン溶液(プロトン伝導性物質)を付与して層厚約10nmのナフィオン層33を形成する付与工程を行う。この場合、その後の転写においてPtが担持され且つナフィオン層33が設けられたカーボンナノチューブ31が転写される。
また付与工程(7)を設けるときには、上記のようにナフィオン層33を形成すると共に、更に形成されたナフィオン層33上にポリテトラフルオロエチレン(PTFE;撥水化材)溶液を付与してPTFE層34を更に設けることが好ましい。
付与工程(7)でのナフィオン層33及びPTFE層34の形成は、ナフィオン溶液(プロトン伝導性物質の溶液)及びPTFE溶液(撥水化材の溶液)を用い、塗布法、浸漬法などの公知の方法により行うことができる。特に、精細なカーボンナノチューブの一本一本の表面に均一に付与できる点で特に浸漬法が好ましい。
本実施形態では、ナフィオンがプロトン伝導性物質であり、予め重合体であるものを溶媒に溶解させ、その溶液を塗工後乾燥することでナフィオン層33、即ちプロトン伝導性物質層33を設けているが、他の物質及び他の形成方法でプロトン伝導性物質層33を設けても良い。例えば、前記付与工程で、ナフィオン溶液の代わりに、スチレンスルホン酸モノマーの溶液を用意し、各種重合開始剤等の添加物を必要に応じて加えた重合組成物溶液を用い、その液をカーボンナノチューブ31を生成させたCNT生成触媒担持体に塗布し、必要に応じて乾燥させた後、紫外線などの放射線の照射又は加熱により重合させることでプロトン伝導性物質層33を形成してもよい。このように、カーボンナノチューブ31の表面に、いわゆる「オンサイト重合」で形成したプロトン伝導性物質層33は密着性に優れるので好ましい。このオンサイト重合により形成されたプロトン伝導性物質層33上にも、撥水化材溶液を塗布し、撥水層34を設けることが好ましい。
上記のようにしてPtを担持させ、さらに必要に応じてナフィオン層33及びPTFE層34を設けた第2中間体を作製した後、次に電解質膜形成工程(3)を行い、その第2中間体のさらに外面側にフッ素系イオン交換樹脂膜11を形成して第3中間体を作製する。この形成方法は特に制限されない。例えば本実施形態のように、中空電解質膜としてフッ素系イオン交換樹脂膜11を使用する場合には、エタノール等の低級アルコールを主成分とする溶媒に溶解させたフッ素系イオン交換樹脂溶液を用意し、例えば、噴霧法、転写法、スクリーン印刷法、ローリング法等によって行える。あるいは、予め用意したフッ素系イオン交換樹脂膜を前記第2中間体の外面側に巻き、その巻いた状態を保ちながら該フッ素系イオン交換樹脂膜11のガラス転移点温度以上の温度を加えることで軟化させ、その後冷却することで接合(ホットプレス)し、第3中間体としてもよい。
この電解質膜形成工程(3)は、使用する固体電解質の種類によってその方法が大きく異なるが、基本的には公知の方法に従って行い、必要に応じて改変すれば良い。本実施形態の第2中間体には熱及び酸に不安定な物質が使われていないため、その上に、ほとんどの公知の電解質膜を形成し第3中間体とすることができる。例えば、特表平11−503262号公報などに開示されている、ポリベンズイミダゾール、ポリピリミジン、ポリベンゾオキサゾールなどの塩基性高分子に強酸をドープした塩基性高分子と強酸との複合体からなる固体ポリマー電解質膜は、前記第2中間体上に塩基性高分子膜をまず形成し、次にその塩基性高分子に強酸を作用させればよく、また、ハイドロゲル化リン酸ガラス(春日敏宏、燃料電池、VOL.3、No.3、69頁、2004等参照)などの無機質のプロトン伝導体を適用する場合には、アルカリあるいはアルカリ土類金属もしくは亜鉛などのイオンが配位する直線構造を持つリン酸カルシウムガラスの粉末と蒸留水を所定の比率で混合し熟成させることで得られる透明なゲル状物質を、前記第2中間体の外面に塗布し次に加熱工程を行って硬化させるとともに含水層状結晶を析出させて流動性の無い結晶−ゲル複合体を形成させ、第3中間体を得ることができる。他にも例えば多孔質性ガラスからなるプロトン伝導体(例えば、野上正行、化学と工業、第57巻、第4号、410頁、2004年)を使用する場合には、原料としてSi(OC、PO(OCH,Zr(OCなどのアルコキシドを用い、それらを水溶液中で加水分解後、前記第2中間体の外面側に塗布し、次に400〜800℃で加熱処理することでSiOを主成分とする多孔質ガラスを形成し第3中間体とすれば良い。また、多孔質ガラスの細孔中に有機化合物を導入しプロトン伝導性を付与したもの(蔵岡孝治、菊川敬、矢澤哲夫、化学と工業、第57巻、第1号、41頁、2004年)などの有機−無機ハイブリッド固体電解質膜を使用する場合は、SiO、NaCO、HBO、Al(OH)を調合し1200〜1400℃で溶融させたものを、前記第2中間体外面側に塗布し、次に800〜1100℃で熟成してホウケイ酸ガラスを成形し、500〜600℃で加熱処理を行うことで前記ホウケイ酸ガラスに対して分相処理を行って多孔質ガラスとし、さらにメルカプトプロピルトリメトキシシランなどの有機ケイ素化合物を溶解させた溶液中に浸漬させ、加熱還流することでシランカップリング反応を起こさせて前記多孔質ガラスを有機−無機ナノハイブリッド固体電解質膜とし、最後に酸化処理を行うことでプロトン伝導性を発現させて第3中間体を作製することとしてもよい。
第二のCNT固定化集電材固定工程(4)では、前記第3中間体のフッ素系イオン交換樹脂膜11のさらに外面側にCNT固定化カーボンファイバーを敷き詰めて接合し、第4中間体を作製する。
ナノ柱状体は、それ自体が多くの物質に対して弱い付着性を持つので、本実施形態の場合、CNT固定化カーボンファイバーをフッ素イオン交換樹脂膜11等の電解質膜上に敷き詰めることで接合して第二のカーボンファイバー層13を形成させ、第4中間体とすることができる。また、無機質のプロトン伝導体を使用する場合のように、ナノ柱状体の付着性だけでは接合が不十分な場合には、例えば導電性接着剤を用いてCNT固定化集電材構成要素を接着してもよい。
第一のCNT固定化集電材固定工程でSUS管上にCNT固体化カーボンファイバーを固定する場合には融着が非常に有効であるが、第二のCNT固定化集電材固定工程で融着を行おうとすると電解質膜が劣化しやすいので、ナノ柱状体の付着力を利用するか又は接着剤のように融着以外の方法を行うことが好ましい。
第二の電極触媒担持工程(5)では、前記第4中間体の第二のカーボンファイバー層16を構成するカーボンファイバー上のカーボンナノチューブ31にPt(電極触媒金属32)を担持させて、第5中間体を作製する。この方法は前記第一の電極触媒担持工程(2)で行う方法と同様の方法で行える。また、付与工程(7)を行ってもよいことも同様である。
第二の支持集電材固定工程(本実施形態では好ましい形態である第二の中空導電体固定工程)(6)では、前記第5中間体の外側に、中空導電体である第二のSUS管15を設けて、セルモジュール10を作製する。この方法としては、例えば、第二のSUS管を加熱等により膨張させ、その中空部内に上記第5中間体を挿入し、次に冷却して接合する方法等を挙げることができる。また、第二の支持集電材にバネ形状のものを用いる場合は、バネを拡げた状態で上記第5中間体をそのバネの内側に挿入し、バネの拡がりを元に戻す方法等を挙げることができる。
また、カーボンシートなどのシート状導電性材料を第二の支持集電材として使用する場合には、そのシート状導電性材料内面となる面に導電性接着剤を塗布した後、前記第5中間体を巻くことで接着して作製することができる。
なお、ここで説明したセルモジュールの作製方法は、様々な変形が可能である。
例えば、前記CNT固定化集電材の構成要素(ここでは個々のCNT固定化カーボンファイバー)上に予め電極触媒を担持させ、その電極触媒を担持させたCNT固定化集電材を使用して、第一のCNT固定化集電材固定工程(1)及び/又は第二のCNT固定化集電材固定工程(4)を行うことで、第一の電極担持工程(2)及び/又は第二の電極触媒担持工程(5)を省くことができる。
ここまでに説明した本実施形態の両端が開口したチューブ状(中空形状)のセルモジュール10では、その内部に水素を含む燃料ガス又はメタノール等の液体燃料、チューブ外部に酸素を含む酸化剤ガスを供給することで発電させることができるが、内側と外側の電極を互いに交換することにより、逆に内部に酸素を含む酸化剤ガス、チューブ外部に水素を含む燃料ガス又はメタノール等の液体燃料を供給することで発電することもできる。
また、本発明に係るセルモジュールとしては、一端が閉じている中空形状のセルモジュールも使用できる。この場合、セルモジュールの中空内部の一端が閉じているため、その中空内部に導入する反応ガスはチューブ内で消費しきることが好ましい。一般的に酸化剤ガスとして使用される空気中の真の反応ガスである酸素は、空気中に1/3以下しか含まれておらず、電極反応で酸素を全て消費した場合でも、後には窒素を主成分とする非反応性ガスが残される。従って、一端が閉じている中空形状のセルモジュールを使用する場合には、中空内部に導入する反応ガス又は反応液体を燃料ガスとし、外部側に空気などの酸化剤ガスを供給することが好ましい。
また、本発明における中空形状とはチューブ状に限られず、中空部を有し、当該中空部に反応ガスを流入させることで内面側の電極に電気化学反応に必要な反応成分を供給することができるものであればよい。
図4は、以上のようにして作製したセルモジュールを集合させて、燃料電池とした状態を説明する図である。実際に燃料電池60として使用する時には、適当な数のセルモジュール10を並列につないでセルモジュール集合体61とし、さらに適当な数のセルモジュール集合体61を直列につなぐことにより必要な出力を得る。
本実施形態のセルモジュール10によれば、CNT固定化集電材であるカーボンファイバー層12,16のカーボンファイバー40上に生成させたカーボンナノチューブ31上に電極触媒金属32を担持させ、且つ、その一部が中空電解質膜11に配向されて固定されているので、電極触媒金属32が電極面積比で高密度担持され、且つ、発電に際し供給される反応ガスは、カーボンナノチューブ31上に形成された三相界面付近まで容易に到達し、均一に拡散される。従って、カーボンファイバー40上のカーボンナノチューブ31を生成させた領域、そのなかでも特に中空電解質膜11に配向された部分は電極13,17として機能し、担持された電極触媒金属32は電極反応に効率よく利用される。
また、本実施形態のセルモジュール10では、図3に示すように、カーボンナノチューブ31がカーボンファイバー40の表面にその一端が接合され、その他端が前記中空電解質膜11に配向された状態で効果的に接触している。従って、中空電解質膜11を用いているために集電材16,17とその他のセルモジュール10の構成部材との間に外部からの面圧を付加しにくい構造であるにもかかわらず、電解質膜11と第一の電極13と第一の集電材14の間、及び、電解質膜11と第二の電極17と第二の集電材18の間に、良好な電気的接続を確保することができる。従って、本発明に係る燃料電池用セルモジュールは内部抵抗が小さく、発電効率が高い。また、本発明に係るセルモジュールを基本発電単位として有する燃料電池は高い発電効率を示す。
なお、本発明においては、カーボンナノチューブに比べ、電気伝導性に劣るナノガラスなどのナノ柱状体を用いる場合でも、セルモジュールと集電材との電気的接続は良好である。その理由は次のように推測される。
ナノ柱状体は、微視的には中空電解質膜と集電材間にほぼ垂直に多数乱立している。しかも、このナノ柱状体表面は良好な水の伝達路として作用しうる。ナノ柱状体上で集電材の近傍にある電極触媒は、ナノ柱状体表面からイオンを供給され気相から反応ガスを供給されることで電極反応を行い、発生した電荷は集電材へとホッピング等の機構で移動する。つまりナノ柱状体により、集電材の近傍に反応場が形成されることで、生じた電荷がホッピング等によりすぐに集電材に移動できるので、セルモジュールと集電材との電気的接続が良好になっていると考えられる。
(第2実施形態)
本発明のセルモジュールの第2の実施形態を図5を参照して説明する。本実施形態は、第1実施形態のセルモジュールにおいて、CNT固定化集電材であるカーボンファイバー層を形成するカーボンファイバーを短い長さのカーボンファイバー断片で構成したものである。なお、発電のための燃料は、第1実施形態で使用した燃料を用いることができ、第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照符号を付してその詳細な説明を省略する。
図5に示すセルモジュール70は、チューブ状のフッ素系イオン交換樹脂膜11の内側に、第一のカーボンファイバー層(CNT固定化集電材)72と第一のSUS管15がこの順序で配置され、一方、チューブ状のフッ素系イオン交換樹脂膜11の外側に第二のカーボンファイバー層(CNT固定化集電材)16と第二のSUS管19がこの順序で配置されている。そして、前記第一のSUS管15及び第二のSUS管19には、それぞれ導線21,22が取り付けられている。
前記カーボンファイバー層72、73は、多数の長さの短いカーボンファイバーが層状に且つ密に接合されて構成されたものである。個々のカーボンファイバー断片には、前記第1実施形態のカーボンファイバーと同様に、その表面に電極触媒を担持したカーボンナノチューブが形成されている。そして、前記第1実施形態の場合と同様、カーボンファイバー断片上のカーボンナノチューブの一部は、前記フッ素系イオン交換樹脂膜11に配向された状態で接合している。カーボンファイバー断片の長さは10mm以下であることが、次に述べる溶剤への分散性の観点から好ましく、また同時に1mm以上であることが、カーボンナノチューブ生成の基体として使用する場合の取り扱い易さの観点から好ましい。
カーボンファイバー層72,73において、カーボンファイバー断片上のカーボンナノチューブを生成させた領域、そのなかでも特に中空電解質膜11に配向された部分は電極13,17として機能し、カーボンナノチューブを生成させる基体であるカーボンファイバー断片は、集電材14,18として機能する。また、カーボンファイバー層72、73にそれぞれ隣接して配置される第一及び第二のSUS管15,19は、カーボンファイバー層72,73を補強すると共に集電機能を補助するために付加された支持集電材である。
従って、この場合、中空電解質膜の内側には、第一のカーボンファイバー層72と第一のSUS管15とにより、電極及び集電材が一体化した部分が構成され、同様に、中空電解質膜の外側には、第二のカーボンファイバー層76と第二のSUS管19とにより、電極及び集電材が一体化した部分が構成される。
次に本実施形態のセルモジュール70の作製方法を説明する。
前記第一のカーボンファイバー層72を中空導電体である第一のSUS管15上に形成し第1中間体を作製するには、例えば、まずカーボンナノチューブをその表面に生成させたカーボンファイバー断片を溶剤に分散させ、必要に応じ各種の添加剤を加えることでCNT固定化カーボンファイバー層形成用組成物を準備し、予め用意した第一のSUS管の外面側に前記CNT固定化カーボンファイバー層形成用組成物を塗工する第一のCNT固定化集電材塗工工程(1’)を行えばよい。溶剤として用いる液体には特に制限はないが、アセトンなどが好適であり、添加剤としては、導電性接着剤に使用される成分である導電性フィラー、バインダーである各種熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又はそれらバインダーの前駆体物質及びナフィオンなどが好適に用いられる。
次に第1実施形態と同様に、第1中間体のカーボンファイバー層72に含まれるカーボンファイバー断片上のカーボンナノチューブにPt(電極触媒金属)を担持する第一の電極触媒担持工程(2)を行い第2中間体を作製し、さらに第1実施形態と同様に、第2中間体のさらに外面側にフッ素系イオン交換樹脂膜11を形成する電解質膜形成工程(3)を行って第3中間体を作製する。
この第3中間体の表面に前記第一のCNT固定化集電材塗工工程(1’)と同様の工程である第二のCNT固定化集電材塗工工程(4’)を行って、イオン交換樹脂膜11のさらに外面側に第二のカーボンファイバー層73を有する第4中間体を作製する。
その後、第1実施形態と同様に、第4中間体のカーボンファイバー層73に含まれるカーボンファイバー断片上のカーボンナノチューブにPt(電極触媒金属)を担持する第二の電極触媒担持工程(5)を行い第5中間体を作製し、最後に第1実施形態と同様に、前記第5中間体を外側から固定する第二のSUS管を設ける第二の中空導電体(支持集電材)固定工程(6)を行うことによって作製される。また、カーボンナノチューブの上にプロトン伝導性物質を設け、さらにその上に撥水化材を設ける付与工程(7)は、必要に応じて、前記第二の電極触媒担持工程(2)と電解質膜形成工程(3)との間、及び/又は、前記第二の電極触媒担持工程(5)と第二の中空導電体固定工程(第二の支持集電材固定工程)(6)との間に行うことができることも前記第1実施形態と同様である。
そして、カーボンファイバー断片上に予め電極触媒を担持させ、それを使用して前記第一のCNT固定化集電材塗工工程(1’)及び/又は第二のCNT固定化集電材塗工工程(4’)を行うことにより、第一の電極触媒担持工程(2)及び/又は第二の電極触媒担持工程(5)を省くことができることも第1実施形態と同様である。
このように、第2実施形態では、カーボンファイバー断片を、カーボンナノチューブを生成させる基体として使用し、且つ、CNT固定化集電材の構成要素として使用する。カーボンファイバー断片は、溶媒に分散させることができるので、塗布法でSUS管などの導電性部材上に、CNT固定化集電材であるカーボンファイバー層を容易に形成することができる。
なお、第2実施形態では、CNT固定化集電材の構成要素がカーボンファイバー断片である例を示したが、他の導電性材料、例えば金属ファイバー断片、金属ワイヤ断片などでもよい。または、粉状のカーボン、金属、導電性セラミックなどでもよい。
第1実施形態のセルモジュールの概略斜視図。 第1実施形態のセルモジュールの、長手方向に沿った切断面を示す概略断面図。 図1において点線で囲った領域Aの拡大図であって、図1中のC−C線に沿った切断面を示す図。 セルモジュールを集合させて燃料電池とした状態の概略説明図。 第2実施形態のセルモジュールの概略斜視図。
符号の説明
10…セルモジュール
11…フッ素系イオン交換樹脂膜(中空電解質膜)
12…第一のカーボンファイバー層(第一のCNT固定化集電材)
13…第一の電極(内面側電極)
14…第一の集電材(内面側集電材)
15…第一のSUS管(第一の中空導電体、内面側支持集電体)
16…第二のカーボンファイバー層(第二のCNT固定化集電材)
17…第二の電極(外面側電極)
18…第二の集電材(外面側集電材)
19…第二のSUS管(第二の中空導電体、外面側支持集電体)
20…孔
21…導線
22…導線
31…カーボンナノチューブ
32…電極触媒金属
33…ナフィオン層(プロトン伝導性物質層)
34…PTFE層(撥水層)
40…カーボンファイバー
51…導線
52…導線
60…燃料電池
61…セルモジュール集合体
70…セルモジュール
72…第一のカーボンファイバー層(第一のCNT固定化集電材)
73…第二のカーボンファイバー層(第二のCNT固定化集電材)

Claims (14)

  1. 中空電解質膜の内面及び外面に配置された一対の電極、および前記一対の電極にそれぞれ接続する集電材を有し、
    前記中空電解質膜の内面又は外面のうち少なくとも一方の電極は、電極触媒を担持したナノ柱状体を有し、該ナノ柱状体は集電材上に設けられていると共に少なくとも一部が前記電解質膜に配向していることを特徴とする、燃料電池用セルモジュール。
  2. 前記集電材は1本又は2本以上の導電性ファイバーからなり、各導電性ファイバーは中空電解質膜の長手方向に整列されている請求項1に記載の燃料電池用セルモジュール。
  3. 前記中空電解質膜の内面又は外面のうち少なくとも一方に、電極触媒を担持したナノ柱状体を設けた前記集電材を介してさらに別の集電材を有する、請求項1又は2に記載の燃料電池用セルモジュール。
  4. 前記ナノ柱状体の長さが200μm以上である、請求項1乃至3のいずれかに記載の燃料電池用セルモジュール。
  5. 前記ナノ柱状体が前記中空電解質膜の膜面に略垂直に配向されている、請求項1乃至4のいずれかに記載の燃料電池用セルモジュール。
  6. 前記電極触媒が白金又は白金と他の金属とからなる合金である、請求項1乃至5のいずれかに記載の燃料電池用セルモジュール。
  7. 前記ナノ柱状体の表面にプロトン伝導性物質を有する、請求項1乃至6のいずれかに記載の燃料電池用セルモジュール。
  8. 前記プロトン伝導性物質の上に撥水化材をさらに有する、請求項7に記載の燃料電池用セルモジュール。
  9. 前記電極触媒の粒子径が前記ナノ柱状体の外径以下である、請求項1乃至8のいずれかに記載の燃料電池用セルモジュール。
  10. 前記プロトン伝導性物質の厚みが1〜70μmである、請求項7乃至9のいずれかに記載の燃料電池用セルモジュール。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の燃料電池用セルモジュールを備えた燃料電池。
  12. 表面にナノ柱状体を設けた第一の集電材を第一の中空導電体の外周面に固定する第一の集電材固定工程と、
    前記第一の集電材のナノ柱状体に電極触媒を担持する第一の電極触媒担持工程と、
    電極触媒担持後の第一の集電材上に電解質を塗布して中空状電解質膜を形成する電解質膜形成工程と、
    表面にナノ柱状体を設けた第二の集電材を前記中空状電解質膜の外周面に固定する第二の集電材固定工程と、
    前記第二の集電材のナノ柱状体に電極触媒を担持する第二の電極触媒担持工程と、
    電極触媒担持後の第二の集電材上に第二の中空導電体を固定する第二の中空導電体固定工程と、を有することを特徴とする燃料電池用セルモジュールの製造方法。
  13. 前記第一の集電材固定工程及び/又は前記第二の集電材固定工程において集電材を中空導電体上に融着又は接着剤により固定する請求項12に記載の燃料電池用セルモジュールの製造方法。
  14. 前記第一の集電材固定工程及び/又は前記第二の集電材固定工程において集電材を中空導電体上に塗布により固定する請求項12に記載の燃料電池用セルモジュールの製造方法。
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