JP2005352806A - コーティング設備の制御プログラムおよび制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】操作が容易で使いやすい、コーティング設備用の制御プログラムと制御システムの提供。
【解決手段】コンピュータとその表示装置とを通してコーティング設備の運転を制御し監視するために、コーティング設備の手動運転用に「機器操作」と「手動運転モニター」の2つの表示画面を設ける。「機器操作」画面には、コーティング設備のON/OFF制御のみの各要素機器の作動操作と状態を集約し、「手動運転モニター」画面には、制御パラメータを要する各要素機器の作動操作および状態と、パラメータ入力値および計測値を表示する。これら画面は、操作者の選択に応じてコンピュータの表示装置上に表示される。
【選択図】図2
【解決手段】コンピュータとその表示装置とを通してコーティング設備の運転を制御し監視するために、コーティング設備の手動運転用に「機器操作」と「手動運転モニター」の2つの表示画面を設ける。「機器操作」画面には、コーティング設備のON/OFF制御のみの各要素機器の作動操作と状態を集約し、「手動運転モニター」画面には、制御パラメータを要する各要素機器の作動操作および状態と、パラメータ入力値および計測値を表示する。これら画面は、操作者の選択に応じてコンピュータの表示装置上に表示される。
【選択図】図2
Description
本発明は、基体表面に被膜を形成するコーティング設備を制御するプログラムとシステムに関する。
物理蒸着(PVD)法や、化学蒸着(CVD)法、プラズマ援用化学蒸着(PCVD)法などによって被膜を形成するコーティング設備が普及している。これらの設備の制御は、従来の手動方式から、シーケンサやパーソナルコンピュータを用いた自動制御方式に変わっている。
自動制御方式は、従来の手動方式に比べて、複雑な制御が可能であり、多層膜や傾斜機能膜などの被覆が容易に行える。特に、これらの複雑な操作を無人で、正確に、繰り返して行えるところに自動化の利点がある。
自動制御方式は、従来の手動方式に比べて、複雑な制御が可能であり、多層膜や傾斜機能膜などの被覆が容易に行える。特に、これらの複雑な操作を無人で、正確に、繰り返して行えるところに自動化の利点がある。
一方、自動化が進むにつれて、制御機能が増える傾向にある。それに伴って、次第にコーティング設備の手動運転、自動運転ともに操作が複雑になり、運転方法の修得も難しくなる。
また、近年はコーティング設備が大型化し、コーティング設備のための排気装置や蒸発源などの管理すべき機器の数が増えて、操作の難しさに拍車をかけている。
また、近年はコーティング設備が大型化し、コーティング設備のための排気装置や蒸発源などの管理すべき機器の数が増えて、操作の難しさに拍車をかけている。
一般的には、このように操作すべき機器と制御項目が多くなると、制御システムは、制御用の入力画面を整理し、入力ページ数を増すことになる。ところが、ページ数の増加は、それだけ多くの画面操作・入力操作を伴い、運転方法の修得が難しくなり、操作トレーニングの時間も増大する。
コーティング設備の場合、運転に必要なパラメータ数が多くなると、パラメータ設定は4〜8頁に及ぶ複数画面を次々に開いて行うこともある。このような操作は時間がかかり、運転を煩雑にする。
コーティング設備の場合、運転に必要なパラメータ数が多くなると、パラメータ設定は4〜8頁に及ぶ複数画面を次々に開いて行うこともある。このような操作は時間がかかり、運転を煩雑にする。
そのため、できるだけ少ない画面で、視覚的に判断しやすく、制御対象設備の運転を容易にコントロールできる制御システムが望ましい。
このような観点から、複数機器の区分管理データを同一画面上に表示する機械モニター画面の構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
実用新案登録第3079973号
このような観点から、複数機器の区分管理データを同一画面上に表示する機械モニター画面の構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、コーティング設備のような機器の場合には、設備のコンパクトさが求められ、大きな画面を用いることができない。そのため、すべての制御機能を1つの画面に表示すると、文字やボタンが小さくなって、誤操作の原因にもなり、実用的には使いにくいという問題が生じる。
また、コーティング設備の自動運転は、予め入力したパターンに従って進行するが、その条件データの入力は制御機器が多いほど、また運転パターンが複雑になるほど面倒になり、入力ミスを生じ易くなる。そこで、より簡便な条件データの入力方法が必要であるのみならず、自動運転に入る前に、入力した条件ファイルの事前チェックを行うことが望ましい。
本発明は、操作が容易で使いやすい、コーティング設備用の制御プログラムと制御システムの提供を目的とする。
本発明の別の目的は、自動運転用の入力データを運転前に点検することができるコーティング設備用の制御プログラムと制御システムを提供することである。
本発明の別の目的は、自動運転用の入力データを運転前に点検することができるコーティング設備用の制御プログラムと制御システムを提供することである。
本発明による、コーティング設備の運転を、この設備に接続したコンピュータとその表示装置とを通して制御し監視するための制御プログラムは、コーティング設備の手動運転用に「機器操作」と「手動運転モニター」の2つの表示画面を設けている。「機器操作」画面は、コーティング設備のON/OFF制御のみの各要素機器の作動操作と状態を表示し、「手動運転モニター」画面は、制御パラメータを要する各要素機器の作動操作および状態と、パラメータ入力値および計測値を表示する。制御プログラムは、これら画面をコンピュータの表示装置に選択表示する。
本発明の他の態様による、コーティング設備の運転を制御し監視する制御システムは、コーティング設備に接続したコンピュータと、その表示装置とを有する。表示装置は、少なくとも、コーティング設備の手動運転用の、ON/OFF制御のみの各要素機器の作動操作と状態を表示する「機器操作」画面、および制御パラメータを要する各要素機器の作動操作および状態とパラメータ入力値および計測値を表示する「手動運転モニター」画面と、コーティング設備の自動運転用の、コーティング処理の条件データを入力するための「編集」画面と、自動運転中にコーティング設備の各要素機器の状態を示す「自動運転モニター」および「機器操作」画面と、入力された条件データに従ってコンピュータ上で行うコーティング設備の自動運転のシミュレーション結果を表示する「シミュレーション」画面と、コンピュータを通して計測したコーティング設備の運転データを表示する「グラフ」画面とを有する。
上記構成によると、コーティング設備の手動運転用の操作機能と状態表示を「手動モニター」画面および「機器操作」画面の2つに整理集約することにより、運転時に開く画面を少なくして、操作にかかる時間を減らすことが可能である。また、ON/OFF制御のみの機器操作と、制御パラメータを要する機器操作とを、別々の画面上でそれぞれ集中的に行うので、入力が容易であり、入力ミスが少なく、従来に比べて操作性を格段に向上させることができる。
上記制御プログラムは、さらにコーティング処理の条件データを入力するための「編集」画面を設けて、この画面に基づいてコンピュータに入力された条件データに従ってコーティング設備を自動運転する。この「編集」画面は、コーティング設備の自動運転に必要な項目を「手動運転モニター」画面に追加した形式であることが好ましい。
このような「編集」画面によると、要素機器が多い場合や複雑なコーティング処理を行う場合など多くのデータを入力する際にも、手動操作感覚で順を追って行うことができ、入力操作が非常に容易である。
このような「編集」画面によると、要素機器が多い場合や複雑なコーティング処理を行う場合など多くのデータを入力する際にも、手動操作感覚で順を追って行うことができ、入力操作が非常に容易である。
前記制御プログラムは、さらに、自動運転中にコーティング設備の各要素機器の状態を示す「自動運転モニター」と「機器操作」画面を表示してもよい。
上記制御プログラムは、さらに「シミュレーション」画面を設け、入力された条件データに従ってコーティング設備の自動運転のシミュレーションをコンピュータ上で行い、その結果を「シミュレーション」画面に表示することが好ましい。
このシミュレーション機能により、コーティング工程を仮想的に実施して、事前に入力パラメータや処理時間を確認することが可能であり、安心して自動運転を行える。
上記制御プログラムは、さらに「シミュレーション」画面を設け、入力された条件データに従ってコーティング設備の自動運転のシミュレーションをコンピュータ上で行い、その結果を「シミュレーション」画面に表示することが好ましい。
このシミュレーション機能により、コーティング工程を仮想的に実施して、事前に入力パラメータや処理時間を確認することが可能であり、安心して自動運転を行える。
上記制御プログラムは、さらに「グラフ」画面を設け、コンピュータを通してコーティング設備の運転データを計測し、この計測データをコンピュータの記憶手段に記録するとともに「グラフ」画面に表示することができる。
コーティング設備の運転記録は、製品の品質保証に関わるトレーサビリティの観点からも重要である。上記構成によると、設備の自動および手動運転の記録をとって、運転状況をデータまたはグラフとして確認することができる。
コーティング設備の運転記録は、製品の品質保証に関わるトレーサビリティの観点からも重要である。上記構成によると、設備の自動および手動運転の記録をとって、運転状況をデータまたはグラフとして確認することができる。
上記制御プログラムは、さらにコーティング設備の各要素機器と同等の応答をするシミュレーターを内蔵してもよい。
このような構成の制御プログラムは、コンピュータのみでコーティング設備の作動をシミュレーション可能である。そこで、このプログラムをコーティング設備とは別のパーソナルコンピュータにインストールして、現場を離れた場所で、データ入力やシミュレーションなどの操作訓練や、運転記録データの再現ができる。また、このようなパーソナルコンピュータ上で自動運転の条件ファイルを事前に用意し、コーティング設備に移して、コーティング設備の運転を非常に効率的に行うことができる。
このような構成の制御プログラムは、コンピュータのみでコーティング設備の作動をシミュレーション可能である。そこで、このプログラムをコーティング設備とは別のパーソナルコンピュータにインストールして、現場を離れた場所で、データ入力やシミュレーションなどの操作訓練や、運転記録データの再現ができる。また、このようなパーソナルコンピュータ上で自動運転の条件ファイルを事前に用意し、コーティング設備に移して、コーティング設備の運転を非常に効率的に行うことができる。
以上のように、本発明の制御プログラムと制御システムにより、コーティング設備の訓練から稼働にわたる幅広い段階において、運転制御の操作性と利便性を格段に向上させるとともに、操作の信頼性を高めることができる。
そのため、コーティング設備の運転効率を高めて運転コストを下げることができ、ひいてはこの設備による製品の品質向上とコスト低減に寄与するものである。
そのため、コーティング設備の運転効率を高めて運転コストを下げることができ、ひいてはこの設備による製品の品質向上とコスト低減に寄与するものである。
次に、本発明の骨子を一層詳しく説明する。
本発明者たちは、前述の課題を解決するために、コーティング設備に最適な制御の検討を行った。コーティング設備において、制御を要するのは、真空排気機器、圧力計測装置、冷却水供給、ワーク回転、シャッターなどのON/OFF制御のみの機器と、各種電源、ガス供給システム、温度調節機器などの制御パラメータを与えて制御する機器に分類される。ON/OFF制御のみの機器は、物理的に動く部分を有する装置群でもある。
本発明者たちは、前述の課題を解決するために、コーティング設備に最適な制御の検討を行った。コーティング設備において、制御を要するのは、真空排気機器、圧力計測装置、冷却水供給、ワーク回転、シャッターなどのON/OFF制御のみの機器と、各種電源、ガス供給システム、温度調節機器などの制御パラメータを与えて制御する機器に分類される。ON/OFF制御のみの機器は、物理的に動く部分を有する装置群でもある。
そこで、本発明では、「機器操作」画面を設けて、ON/OFF制御のみの機器を制御するための機能をこの画面に集約した。これにより、真空排気、ガス供給、冷却水供給、ワーク回転、シャッター動作を1つの画面で集中的に制御できる。この画面には、コーティング設備の機器配置を示す略図を表示し、各機器の操作を行うための操作ボタンを、操作対象が視覚的に容易に判断できるように機器配置略図上に置いて、スイッチ操作が実行されるごとにON/OFF状態の表示を行うようにする。
これにより、視覚的に設備全体の作動状況を把握でき、各機器の基本的な機能を知る者であれば、誰でも簡単に真空排気などの動作をさせることができるようになる。そのための制御プログラムに、シーケンス的に運転してはいけない機器を動作させようとした場合の動作制限や警告表示などを、基本的な動作として組み込むことは言うまでもない。
これにより、視覚的に設備全体の作動状況を把握でき、各機器の基本的な機能を知る者であれば、誰でも簡単に真空排気などの動作をさせることができるようになる。そのための制御プログラムに、シーケンス的に運転してはいけない機器を動作させようとした場合の動作制限や警告表示などを、基本的な動作として組み込むことは言うまでもない。
制御パラメータを与えて制御する機器については、「モニター」画面を設けて、この画面にそれら機器の操作を集約する。「モニター」画面は、手動操作用の手動運転モニター画面と、自動運転時に機器の状態を監視するための自動運転モニター画面を用意する。自動運転モニター画面は、基本的にコーティング進行状況の監視や中断動作を行うのみのものである。
一方、手動運転モニター画面では、機器の出力電圧や電流、あるいはガス供給量などのパラメータを、画面上のテンキーを使って入力する動作を行う。また、手動運転モニター画面では、各パラメータの現在値や設定値を表示して、操作中でもそれらの確認を行うことができるようにする。さらに、設備電源のON/OFFも手動運転モニター画面から行えるようにする。これにより、エッチングやコーティング処理中の電源操作を、機器操作画面に切り替えずに行うことができ、操作性が非常に高くなる。基本的には、これら「モニター」画面と「機器操作」画面のわずか2画面でコーティング設備の運転ができ、非常に操作性が高くなる。
一方、手動運転モニター画面では、機器の出力電圧や電流、あるいはガス供給量などのパラメータを、画面上のテンキーを使って入力する動作を行う。また、手動運転モニター画面では、各パラメータの現在値や設定値を表示して、操作中でもそれらの確認を行うことができるようにする。さらに、設備電源のON/OFFも手動運転モニター画面から行えるようにする。これにより、エッチングやコーティング処理中の電源操作を、機器操作画面に切り替えずに行うことができ、操作性が非常に高くなる。基本的には、これら「モニター」画面と「機器操作」画面のわずか2画面でコーティング設備の運転ができ、非常に操作性が高くなる。
続いて、図面に示す実施例に基づいて、本発明を説明する。
図示の実施例は、本発明の制御システムをPVDコーティング設備に適用した例であり、図1は、同設備に備わる機器と、それらを操作するための制御システムの系統を概略的に示している。
制御システムは、タッチパネル式の表示画面を備えたパネルコンピュータを含んでいる。このパネルコンピュータは、図1から判るように、コーティング処理に必要な機器をDIO、GPIB、RS422などのインターフェイスを介して制御し、また、機器によってはその応答を確認して、プロセスの進行状況や異常をモニターする。
図示の実施例は、本発明の制御システムをPVDコーティング設備に適用した例であり、図1は、同設備に備わる機器と、それらを操作するための制御システムの系統を概略的に示している。
制御システムは、タッチパネル式の表示画面を備えたパネルコンピュータを含んでいる。このパネルコンピュータは、図1から判るように、コーティング処理に必要な機器をDIO、GPIB、RS422などのインターフェイスを介して制御し、また、機器によってはその応答を確認して、プロセスの進行状況や異常をモニターする。
各機器の制御とモニターは、パネルコンピュータのタッチパネルに表示する複数の画面を用いて行うが、それら画面の構成を図2に示す。同図に見られるように、操作画面は、手動運転モニター画面(以下、「手動モニター」画面)、自動運転モニター画面(以下、「自動モニター」画面)、ステータス(「機器操作」)画面、「編集」画面、「グラフ」画面、そして「シミュレーション」画面から成る。さらに、それぞれの画面を図3〜図8に詳細に示している。
コンピュータを介してこのような操作を実施する本発明の制御プログラムないしソフトウェアは、本実施例では、Windows(登録商標) NTのオペレーティングシステム環境で動作するものとしている。なお、制御操作は、タッチパネル、キーボードおよびマウスのいずれからでも行うことができる。
コンピュータを介してこのような操作を実施する本発明の制御プログラムないしソフトウェアは、本実施例では、Windows(登録商標) NTのオペレーティングシステム環境で動作するものとしている。なお、制御操作は、タッチパネル、キーボードおよびマウスのいずれからでも行うことができる。
図3は、「手動モニター」画面を示している。各画面は、図3の画面下側に配置したボタンの選択に応じて表示される。
「手動モニター」画面には、パラメータを与えて運転するすべての機器の操作項目ボックス、それらの現在値と設定値の表示ボックス、および設定値を入力するためのキー列が設けられ、この画面からすべての機器の操作が可能である。操作や入力が可能なパラメータのボックスは黄色が点灯し、不必要な操作を避けるようになっている。各機器の出力設定は、当該機器の計測値を表示する黄色ボタンを選択し、緑色に反転させてからテンキーにて入力する。入力完了後は、黄色表示の出力表示状態に戻る。画面上の機器のデータは、各パラメータの現在の計測値を示しており、この機器情報をモニターしつつ、画面上のテンキーや、コンピュータに接続したキーボードからパラメータを入力することができる。また、機器の異常を知らせるアラームなどの情報も、このモニター画面に表示される。
「手動モニター」画面には、パラメータを与えて運転するすべての機器の操作項目ボックス、それらの現在値と設定値の表示ボックス、および設定値を入力するためのキー列が設けられ、この画面からすべての機器の操作が可能である。操作や入力が可能なパラメータのボックスは黄色が点灯し、不必要な操作を避けるようになっている。各機器の出力設定は、当該機器の計測値を表示する黄色ボタンを選択し、緑色に反転させてからテンキーにて入力する。入力完了後は、黄色表示の出力表示状態に戻る。画面上の機器のデータは、各パラメータの現在の計測値を示しており、この機器情報をモニターしつつ、画面上のテンキーや、コンピュータに接続したキーボードからパラメータを入力することができる。また、機器の異常を知らせるアラームなどの情報も、このモニター画面に表示される。
図4は、手動運転状態の「機器操作」画面を示している。
「機器操作」画面には、コーティング設備の真空排気系、ガス供給系、給排水系、ワーク回転や、シャッター移動など、機械的な動きを伴う操作を集約している。この画面では、機器操作の他に、冷却水や真空度などの状態のモニターも行っている。各機器の操作ボックスは、目視でも感覚的に判りやすいように、各機器のライン構成を示す略図上に配置している。対象機器のうちで操作可能なものおよびON状態の機器はタッチパネル画面上に色調を変えて表示し、誤操作を防止するとともに、操作性をも高めている。
全電源のON/OFFボタンと真空ゲージのON/OFFボタンは、操作の簡便さを高めるために、「手動モニター」画面と「機器操作」画面の双方に設け、いずれからも操作可能としている。
「機器操作」画面には、コーティング設備の真空排気系、ガス供給系、給排水系、ワーク回転や、シャッター移動など、機械的な動きを伴う操作を集約している。この画面では、機器操作の他に、冷却水や真空度などの状態のモニターも行っている。各機器の操作ボックスは、目視でも感覚的に判りやすいように、各機器のライン構成を示す略図上に配置している。対象機器のうちで操作可能なものおよびON状態の機器はタッチパネル画面上に色調を変えて表示し、誤操作を防止するとともに、操作性をも高めている。
全電源のON/OFFボタンと真空ゲージのON/OFFボタンは、操作の簡便さを高めるために、「手動モニター」画面と「機器操作」画面の双方に設け、いずれからも操作可能としている。
コーティング設備の全ての手動操作は、基本的には、上述の「手動モニター」画面と「機器操作」画面を用いて可能である。従って、従来のように3つ以上の画面を用いて操作する制御方法に比べ、操作性を格段に改善することができる。
なお、手動操作においても、好ましくない動作や、設備の故障などの対応した各種のインターロックが働いていることは言うまでもない。
なお、手動操作においても、好ましくない動作や、設備の故障などの対応した各種のインターロックが働いていることは言うまでもない。
一方、コーティング設備の自動運転は後述する「編集」画面から入力した条件ファイルにしたがって実施される。従って、自動運転がスタートすると、基本的に手動操作を行う必要はない。
ただし、小さな機器トラブルに対処するため、自動運転の保持停止と真空測定用ゲージのフィラメント交換のみは自動運転中でも行うことができるように、操作画面を作成している。自動運転の進行状況は、図5に示した「自動モニター」画面と、図6に示した「機器操作」画面に表示される。
ただし、小さな機器トラブルに対処するため、自動運転の保持停止と真空測定用ゲージのフィラメント交換のみは自動運転中でも行うことができるように、操作画面を作成している。自動運転の進行状況は、図5に示した「自動モニター」画面と、図6に示した「機器操作」画面に表示される。
図7は、前述の自動運転に用いる条件ファイルの「編集」画面を示している。
この「編集」画面は、図3の「手動モニター」画面と同様な構成であり、加熱、エッチング、コーティングなど多くの処理工程のデータをステップごとに入力するようになっている。「編集」画面は、図3の「手動モニター」画面と比べて、ワーク回転ON/OFFとシャッタON/OFFのボタンを有する点が主な相違であり、手動運転モードではこの機能は「機器操作」画面にある。このような「編集」画面は、「手動モニター」画面と同様な構成の画面を使って条件ファイルを入力するので、手動運転感覚でデータ入力を行うことができ、その作業を格段に容易にする。また、既存の条件データファイルを読み込み、これを修正して、入力作業をさらに簡略化することもできる。
この「編集」画面は、図3の「手動モニター」画面と同様な構成であり、加熱、エッチング、コーティングなど多くの処理工程のデータをステップごとに入力するようになっている。「編集」画面は、図3の「手動モニター」画面と比べて、ワーク回転ON/OFFとシャッタON/OFFのボタンを有する点が主な相違であり、手動運転モードではこの機能は「機器操作」画面にある。このような「編集」画面は、「手動モニター」画面と同様な構成の画面を使って条件ファイルを入力するので、手動運転感覚でデータ入力を行うことができ、その作業を格段に容易にする。また、既存の条件データファイルを読み込み、これを修正して、入力作業をさらに簡略化することもできる。
次に、「グラフ」画面について説明する。
コーティング作業の運転記録は、製品情報のトレーサビリティの観点からも重要である。本実施例の制御システムでは、コーティング設備における全ての測定情報を任意に決定可能な時間間隔でサンプリングし、データファイルとして記録し、図8に示す「グラフ」画面に表示できる。この画面のグラフ表示は関連する項目ごとに4つの部分に分け、それぞれのパラメータで線色や線種を変えるとともに、表示または非表示を選択できるようにすることで、データが交錯する場合でも見やすいようにしている。
コーティング作業の運転記録は、製品情報のトレーサビリティの観点からも重要である。本実施例の制御システムでは、コーティング設備における全ての測定情報を任意に決定可能な時間間隔でサンプリングし、データファイルとして記録し、図8に示す「グラフ」画面に表示できる。この画面のグラフ表示は関連する項目ごとに4つの部分に分け、それぞれのパラメータで線色や線種を変えるとともに、表示または非表示を選択できるようにすることで、データが交錯する場合でも見やすいようにしている。
続いて、図9を参照して、「シミュレーション」画面を説明する。
一般的に、自動運転に必要な条件データは、データ数が多いほど入力ミスの可能性も増える。従って、新しい条件でコーティング装置を運転する場合、運転者には、期待通りに動作してくれるかどうか、常に不安がつきまとう。
本例の制御システムでは、作成した条件ファイルに基づいてシステム上で運転シミュレーションを行い、その結果を図9の「シミュレーション」画面にグラフ表示して、運転の進行状況を予め把握ができるようにしている。この機能により、入力データの確認を事前に行うことができ、誤入力を防止するとともに、操作者の安心感を高めることができる。
なお、コーティング作業における真空到達時間と冷却時間は装荷ワーク量やコーティング室の状態で変化し、事前に正確に決定することはできないので、シミュレーションには、従来の経験から得られた値を用いている。
一般的に、自動運転に必要な条件データは、データ数が多いほど入力ミスの可能性も増える。従って、新しい条件でコーティング装置を運転する場合、運転者には、期待通りに動作してくれるかどうか、常に不安がつきまとう。
本例の制御システムでは、作成した条件ファイルに基づいてシステム上で運転シミュレーションを行い、その結果を図9の「シミュレーション」画面にグラフ表示して、運転の進行状況を予め把握ができるようにしている。この機能により、入力データの確認を事前に行うことができ、誤入力を防止するとともに、操作者の安心感を高めることができる。
なお、コーティング作業における真空到達時間と冷却時間は装荷ワーク量やコーティング室の状態で変化し、事前に正確に決定することはできないので、シミュレーションには、従来の経験から得られた値を用いている。
本例の制御プログラムは、上述したように、タッチパネル式のコンピュータから各機器要素を制御するように構成している。
そこで、その利点を利用して、制御プログラムを一部変更し、上述した制御システムとは別のパーソナルコンピュータにインストールし、実際のコーティング設備と同じ動作をさせることができる。この場合、別のコンピュータには制御すべき機器要素が接続されていないので、変更例のソフトウェアには、それら機器と同様な応答をするシミュレータを追加して、動作環境を整えている。これにより、パーソナルコンピュータ上で、事前に条件ファイルを作成し、この条件ファイルに基づいてコーティング処理を擬態することができる。
そこで、その利点を利用して、制御プログラムを一部変更し、上述した制御システムとは別のパーソナルコンピュータにインストールし、実際のコーティング設備と同じ動作をさせることができる。この場合、別のコンピュータには制御すべき機器要素が接続されていないので、変更例のソフトウェアには、それら機器と同様な応答をするシミュレータを追加して、動作環境を整えている。これにより、パーソナルコンピュータ上で、事前に条件ファイルを作成し、この条件ファイルに基づいてコーティング処理を擬態することができる。
このほかに、手動操作、シミュレーション、ファイル操作など全てのことを、コーティング設備で行うのと同様に、別のパーソナルコンピュータ上で実行可能であるので、コーティング設備の教育訓練の大部分が、実際の設備を使わずに机上でできる。
また、事前にコーティング処理の条件ファイルをパーソナルコンピュータ上で作成し、これをフロッピー(登録商標)ディスクや、LANなどの通信機器を用いてコーティング設備に送ることにより、現場での条件ファイルの入力作業を大幅に簡略化することができる。
また、事前にコーティング処理の条件ファイルをパーソナルコンピュータ上で作成し、これをフロッピー(登録商標)ディスクや、LANなどの通信機器を用いてコーティング設備に送ることにより、現場での条件ファイルの入力作業を大幅に簡略化することができる。
本発明の実施例では、パネルコンピュータを用いた例を示したが、同様な制御系やソフトウェアはシーケンサを用いて、あるいはシーケンサとコンピュータを組み合わせて用いるなどの方式にても可能であることは言うまでもない。
Claims (7)
- コーティング設備の運転を、この設備に接続したコンピュータとその表示装置とを通して制御し監視するための制御プログラムにおいて、
コーティング設備の手動運転用に「機器操作」と「手動運転モニター」の2つの表示画面を設け、コーティング設備のON/OFF制御のみの各要素機器の作動操作と状態を「機器操作」画面に表示し、制御パラメータを要する各要素機器の作動操作および状態と、パラメータ入力値および計測値を「手動運転モニター」画面に表示して、これら画面をコンピュータの表示装置に選択表示することを特徴とする制御プログラム。 - 請求項1に記載の制御プログラムであって、さらにコーティング処理の条件データを入力するための「編集」画面を表示装置に選択表示し、この画面に基づいてコンピュータに入力された条件データに従ってコーティング設備を自動運転し、「編集」画面が、コーティング設備の自動運転に必要な項目を前記「手動運転モニター」画面に追加した形式である、制御プログラム。
- 請求項2に記載の制御プログラムであって、さらに、自動運転中にコーティング設備の各要素機器の状態を示す「自動運転モニター」と「機器操作」画面をコンピュータの表示装置に選択表示する、制御プログラム。
- 請求項2または3に記載の制御プログラムであって、さらに「シミュレーション」画面を設け、入力された条件データに従ってコーティング設備の自動運転のシミュレーションをコンピュータ上で行い、その結果を「シミュレーション」画面に表示する、制御プログラム。
- 請求項1から4のいずれか一項に記載の制御プログラムであって、さらに「グラフ」画面を設け、コンピュータを通してコーティング設備の運転データを計測し、この計測データをコンピュータの記憶手段に記録するとともに「グラフ」画面に表示する、制御プログラム。
- 請求項1から5のいずれか一項に記載の制御プログラムであって、さらにコーティング設備の各要素機器と同等の応答をするシミュレーターを内蔵した、制御プログラム。
- コーティング設備の運転を制御し監視する制御システムであって、コーティング設備に接続したコンピュータと、その表示装置とを有し、該表示装置が、少なくとも、
コーティング設備の手動運転用の、ON/OFF制御のみの各要素機器の作動操作と状態を表示する「機器操作」画面、および制御パラメータを要する各要素機器の作動操作および状態と、パラメータ入力値および計測値を表示する「手動運転モニター」画面と、
コーティング設備の自動運転用の、コーティング処理の条件データを入力するための「編集」画面と、
自動運転中にコーティング設備の各要素機器の状態を示す「自動運転モニター」および「機器操作」画面と、
上記入力された条件データに従ってコンピュータ上で行うコーティング設備の自動運転のシミュレーション結果を表示する「シミュレーション」画面と、
コンピュータを通して計測したコーティング設備の運転データを表示する「グラフ」画面とを有する、制御システム。
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JP (1) | JP2005352806A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015207210A (ja) * | 2014-04-22 | 2015-11-19 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 操業支援装置 |
CN114114989A (zh) * | 2021-10-26 | 2022-03-01 | 深圳市思泰宇科技有限公司 | 一种智能调节型中封式切角覆膜机快速换型用控制*** |
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2004
- 2004-06-11 JP JP2004173427A patent/JP2005352806A/ja not_active Withdrawn
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JP2015207210A (ja) * | 2014-04-22 | 2015-11-19 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 操業支援装置 |
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