JP2005348584A - 圧粉磁心部品およびその製造方法、ならびに圧粉磁心およびその製造方法 - Google Patents

圧粉磁心部品およびその製造方法、ならびに圧粉磁心およびその製造方法 Download PDF

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和弘 広瀬
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康浩 遠藤
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良治 水谷
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和高 立松
Kenji Harada
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Abstract

【課題】 コイルの変形や破損を防止でき、かつ良好な性能を発揮する圧粉磁心部品およびその製造方法、ならびに圧粉磁心およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 圧粉磁心部品14の製造方法は、軟磁性粉末を加圧成形することによって鍔部付きティース部4を形成する工程と、鍔部付きティース部4のティース部2にコイル6を組み付ける工程と、コイル6が組み付けられた鍔部付きティース部4をダイ32内に配置するとともに、軟磁性粉末5aを加圧成形してヨーク部5を形成する工程とを備え、ダイ32はコイル6の鍔部側の端面6aの一部を受けるよう構成されており、ダイ32を用いた加圧成形時においては、加圧成形時のコイル6の変形を防止するための保護層7がコイル6の少なくとも鍔部側の端面6aに形成されている。
【選択図】 図8

Description

この発明は、一般的には、圧粉磁心部品およびその製造方法、ならびに圧粉磁心およびその製造方法に関し、より特定的には、複数個が周方向に配列されて圧粉磁心を形成する圧粉磁心部品およびその製造方法、ならびに圧粉磁心およびその製造方法に関する。
従来、電動機のステータコアなどとして用いられる磁心は、複数枚の電磁鋼板材を積層し、その積層体にコイルを巻き付けることによって作製されている。しかしこの場合、コイルを巻き付ける手間が生じる上、電磁鋼板材のばりにコイルが接触し、コイルが損傷するおそれが生じる。また、電磁鋼板材の特性上、コイルを巻き付ける部分のコーナー部を湾曲させることができない。このため、コイルが有する線径により、コイルが大きなオーバーハングを持った状態に巻き付けられるという問題が生じる。
そこでこのような問題を解決すべく、電動機のステータコアなどとして用いられる磁心を、軟磁性粉末の成形体から作製することが行なわれている。これに関して、たとえば特表2003−507991号公報には、電気機械の電機子セグメントを製造する方法が開示されている(特許文献1)。
図13および図14は、特許文献1に開示された電機子セグメントを製造する方法の工程を示す断面図である。図13を参照して、銅線を複数回、螺旋状に巻いてコイル106を作製し、そのコイル106を予備圧縮する。次に、コイル106をダイ121の成形用凹部に設置する。コイル106が設置された成形用凹部に強磁性粒子を充填し、コイル106とともに強磁性粒子を加圧成形する。これにより、図14に示すコイル106とコア部分107とを含む電機子セグメント115を形成する。その後、複数個の電機子セグメント115を組み立てて、電機子を完成させる。
また別に、特開昭56−58764号公報には、コイル線が軟磁性材料の微粉末に完全に埋め込まれた状態に形成されたコア付き電磁部品が開示されている(特許文献2)。
特表2003−507991号公報 特開昭56−58764号公報
しかし、特許文献1に開示されているように、コイル106と強磁性粒子とを同時に加圧成形した場合、加圧成形時の圧縮力がコイル106に直接加わるため、コイル106が変形したり破損したりするおそれが生じる。
また特許文献1では、図14に示すようにコア部分107の鍔部107aがコイル106の鍔部側端面106aより小さくなっている。このため、図13に示すダイ121を用いた加圧成形時には、図15に示すようにコイル106が加圧成形時の圧縮力により鍔部107aとダイ121とパンチ122との隙間内へ伸びるように変形し破損する。
また図15に示すようなコイル106の変形破損を防止するために、図14にて破線で示すように、鍔部107aをコイル106の鍔部側端面106aいっぱいに(つまり全面に)広げることが考えられる。しかし、鍔部107aをこのような形状とする場合、複数個の電機子セグメント115を組み立てようとすると、図16で示すように電機子セグメント115の鍔部107a同士が接触または干渉しあって(図中の2点鎖線P1で囲む部分)、両者を組み合わせることができない。また、隣り合う電機子セグメント115間で鍔部107a同士が接触すると、磁気回路がその接触位置で閉じてしまい、電機子の磁気的特性が大幅に劣化してしまう。
また、特許文献2に開示されたコア付き電磁部品では、コイル線が軟磁性材料の微粉末に埋まっているため、形成される磁気回路が閉回路となる。この場合、インダクタなどの電子部品用途に使用するのであれば問題ないが、モーターとして使用する際には、磁気的特性の劣化が問題となる。
そこでこの発明の目的は、上記の課題を解決することであり、コイルの変形や破損を防止でき、かつ良好な性能を発揮する圧粉磁心部品およびその製造方法、ならびに圧粉磁心およびその製造方法を提供することである。
この発明に従った圧粉磁心部品は、複数個が周方向に配列して接続されることによって圧粉磁心を構成する圧粉磁心部品であって、周方向に延在し、複数個の圧粉磁心部品を周方向に配列した場合に環状に連なるヨーク部と、ヨーク部からヨーク部の半径方向に突出するティース部と、ティース部の突出側先端にて周方向に張り出した鍔部と、ティース部に組み付けられたコイルとを備え、コイルの鍔部側の端面は鍔部よりも周方向に広がっており、かつ加圧成形時におけるコイルの変形を防止するための保護層がコイルの少なくとも鍔部側の端面に形成されていることを特徴とするものである。
また、この発明に従った圧粉磁心部品の製造方法は、複数個が周方向に配列して接続されることによって圧粉磁心を構成する圧粉磁心部品の製造方法であって、軟磁性粉末を加圧成形することによって、ティース部とティース部の一方端にて周方向に張り出した鍔部とを有する鍔部付きティース部を形成する工程と、鍔部付きティース部のティース部にコイルを組み付ける工程と、コイルが組み付けられた鍔部付きティース部を金型内に配置するとともに、軟磁性粉末を金型内であってティース部の他方端側に充填し加圧成形することによってティース部の他方端側にヨーク部を形成する工程とを備え、金型がコイルの鍔部側の端面の一部を受けるよう構成されており、その金型を用いた加圧成形時においては、加圧成形時のコイルの変形を防止するための保護層がコイルの少なくとも鍔部側の端面に形成されていることを特徴とするものである。
この発明に従った圧粉磁心部品およびその製造方法によれば、コイルを組み付ける前に予め鍔部付きティース部が加圧成形により形成されているため、コイル組み付け後にこの鍔部付きティース部を成形する必要はない。このため、コイル組み付け後の加圧成形はヨーク部を形成できる程度の比較的低い圧力で行うことも可能となる。よって、コイル組み付け後の加圧成形によりコイルが変形したり破損したりすることを抑制することができる。
また加圧成形時のコイルの変形を防止するための保護層がコイルの少なくとも鍔部側の端面に形成されている。コイル組み付け後の加圧成形時には、この保護層が金型と鍔部との間の隙間に流れ込み隙間を埋めるため、コイルがこの隙間内へ伸びるように変形することを防止することができ、コイルの変形や破損を防止することができる。
またコイルが上記隙間内へ伸びるように変形することを防止できるので、鍔部をコイルの鍔部側の端面いっぱいに広げて形成する必要がない。このため、複数個の圧粉磁心部品を周方向に配列して接続する場合に、隣り合う圧粉磁心部品の鍔部同士が互いに接触したり干渉したりすることを防止でき、良好な性能を発揮する圧粉磁心を製造することができる。
また保護層がコイルの少なくとも鍔部側の端面に形成されているため、コイル組み付け後の加圧成形時にコイルと金型(または鍔部)が直接接することはない。よって、この加圧成形時にコイルが金型(または鍔部)と直接擦れて破損することを防止することができる。
上記の圧粉磁心部品において好ましくは、保護層は、コイルの鍔部側の端面以外に、ヨーク部形成側の端面、内周面および外周面の少なくとも1面に形成されている。これにより、コイルのヨーク部形成側の端面がヨーク形成用の軟磁性粉末と直接擦れることを防止でき、またコイルの内周面がティース部と直接擦れることを防止でき、またコイルの外周面が金型と直接擦れることを防止できる。
上記の圧粉磁心部品において好ましくは、保護層には、樹脂、ロウ、セラミックスシート、紙、および樹脂シートよりなる群から選ばれる1種以上が用いられる。これにより、加圧成形時の条件などに応じて保護層に適切なものを選択することができる。
上記の圧粉磁心部品において好ましくは、保護層はJIS(Japanese industrial standard)に規定の針入度が1以上の材質である。これにより、加圧成形時の加熱などにより保護層が容易に軟化するため、隙間内へ容易に流れ込む。また、これらの樹脂は流動し柔らかくなるため、加圧成形時にコイルに加えられる圧縮力を緩和し、コイルの変形や破損を防止する。また、金型から成形体を抜き出すことも容易となる。
また上記の圧粉磁心部品を複数個、周方向に配列し、隣り合う位置で互いに接続することにより圧粉磁心を製造することができる。
以上説明したように、この発明に従えば、コイルの変形や破損を防止でき、かつ良好な性能を発揮する圧粉磁心部品およびその製造方法ならびに圧粉磁心およびその製造方法を提供することができる。
この発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、この発明の一実施の形態におけるステータコアを有する電動機の正面図である。
図1を参照して、電動機1は、リング状のステータコア15と、ステータコア15の内周側に配置された円柱状のローターコア11とを備える。ローターコア11は、中心部に回転軸13を有する。ローターコア11が回転軸13を中心に回転することによって、電動機1から回転運動が出力される。ローターコア11の周縁には、所定の角度ごとに永久磁石12が埋め込まれている。
ステータコア15は、複数の軟磁性粒子が互いに接合されることによって形成されている。ステータコア15は、複数個のステータコア部品10を周方向に配列し、隣り合う位置で互いに接続することによって構成されている。つまり、ステータコア部品10は、リング状に延在するステータコア15を所定の角度ごとに分割した分割体の1つによって構成されている。複数個のステータコア部品10を互いに接続する手段は、たとえば、ステータコア部品10に成形され、互いに嵌め合わされる凹凸部分であっても良いし、リング部材への焼き嵌めであっても良い。
ステータコア部品10は、周方向に延在するヨーク部5と、ヨーク部5からヨーク部5の内周側に突出する鍔部付きティース部4とから構成されている。鍔部付きティース部4は、ヨーク部5に接続されたティース部2と、ティース部2の先端に設けられ、ローターコア11の外周面に向い合って位置する鍔部3とから構成されている。複数個のステータコア部品10をステータコア15とした場合に、ヨーク部5は、ローターコア11の回転中心を中心として環状に延在する。
ティース部2の周りには、コイル6が設けられている。コイル6は、絶縁被膜によって覆われた螺旋状に延びる導線によって形成されている。導線は、ティース部2の表面から離れる方向に多層に巻かれている。導線は、たとえば銅から形成されており、その直径は、0.3mmから3mm程度である。絶縁被膜は、たとえば一般的なエナメル(琺瑯)から形成されており、その厚みは30μm程度である。
このコイル6とステータコア部品10とにより圧粉磁心部品14が構成されている。
コイル6の鍔部側の端面6aは鍔部3よりも周方向に広がっている(つまり周方向に突き出している)。また、後述するコイル6の組み付け後の加圧成形時におけるコイル6の変形を防止するための保護層7がコイル6の表面に形成されている。この保護層7はコイル6の少なくとも鍔部側の端面6aに形成されている。この保護層7は、鍔部側の端面6a以外に、コイル6のヨーク部形成側の端面6b、内周面6cおよび外周面6dの少なくとも1面に形成されていることが好ましく、コイル6の全表面に形成されていることがさらに好ましい。
この保護層7は、たとえば樹脂、ロウ、セラミックスシート、紙、および樹脂シートのそれぞれの単独よりなっていてもよく、またこれらの任意の組合せよりなっていてもよい。
また保護層7に樹脂もしくはロウを用いる場合には、その樹脂もしくはロウはJIS K 2235−5.4に規定される針入度が1以上の軟質樹脂であることが好ましい。この軟質樹脂としては、炭化水素系ワックス、脂肪酸・高級アルコール系ワックス、アミド系ワックス、エステル系ワックスや石鹸などが考えられる。また、この軟質樹脂の具体例としては、高級脂肪酸と高級1価アルコールとからなる固形エステル、鯨ロウ(パルミチン酸ヘキサデシル)、蜜ロウ(セロチン酸、パルミチン酸エステル類などの混合物)、シナロウ、石ロウ(パラフィン)、木ロウなどが挙げられる。また上記針入度が1以上の材質は軟質樹脂に限られず、これ以外の材質であってもよい。
また保護層7にセラミックスシートを用いる場合には、たとえばAl23−SiO2を60〜98質量%、珪酸塩ガラスを2〜40質量%含む材質(融点:1500℃以上、かさ比重:約0.18g/cm3、水や有機溶剤に不溶)を用いることができる。
図2は、図1中のステータコアの表面に観察される組織を拡大して示した模式図である。図2を参照して、ステータコア部品10を構成する複数の軟磁性粒子23は、金属磁性粒子21と、金属磁性粒子21の表面を取り囲む絶縁被膜22とを有する。複数の軟磁性粒子23の間には、有機物24が介在している。軟磁性粒子23の各々は、有機物24によって接合されていたり、軟磁性粒子23が有する凹凸の噛み合わせによって接合されている。
金属磁性粒子21は、たとえば、鉄(Fe)、鉄(Fe)−シリコン(Si)系合金、鉄(Fe)−窒素(N)系合金、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)系合金、鉄(Fe)−炭素(C)系合金、鉄(Fe)−ホウ素(B)系合金、鉄(Fe)−コバルト(Co)系合金、鉄(Fe)−リン(P)系合金、鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)系合金および鉄(Fe)−アルミニウム(Al)−シリコン(Si)系合金などから形成することができる。金属磁性粒子21は、金属単体でも合金でもよい。
絶縁被膜22は、たとえば、金属磁性粒子21をリン酸処理することによって形成されている。また好ましくは、絶縁被膜22は、酸化物を含有する。この酸化物を含有する絶縁被膜22としては、リンと鉄とを含むリン酸鉄の他、リン酸マンガン、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、リン酸アルミニウム、酸化シリコン、酸化チタン、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの酸化物絶縁体を使用することができる。絶縁被膜22は、図中に示すように1層に形成されていても良いし、多層に形成されていても良い。
絶縁被膜22は、金属磁性粒子21間の絶縁層として機能する。金属磁性粒子21を絶縁被膜22で覆うことによって、ステータコア15の電気抵抗率ρを大きくすることができる。これにより、金属磁性粒子21間に渦電流が流れるのを抑制して、渦電流に起因する鉄損を低減させることができる。
有機物24としては、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ポリアミド、熱可塑性ポリアミドイミド、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミドまたはポリエーテルエーテルケトンなどの熱可塑性樹脂や、全芳香族ポリエステル、全芳香族ポリイミドまたは高分子量ポリエチレンなどの非熱可塑性樹脂や、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸カルシウム、パルミチン酸リチウム、パルミチン酸カルシウム、オレイン酸リチウムまたはオレイン酸カルシウムなどの高級脂肪酸を用いることができる。また、これらを互いに混合して用いることもできる。なお、高分子量ポリエチレンとは、分子量が10万以上のポリエチレンをいう。
有機物24は、複数の軟磁性粒子23の間を強固に接合して、ステータコア15の強度を向上させる。また、有機物24は、ステータコア15を得るための加圧成形時に潤滑剤として機能する。これにより、軟磁性粒子23同士が擦れ合って、絶縁被膜22が破壊されることを防止する。
次に、本実施の形態におけるステータコアの製造方法について説明する。
図3は、図1中に示すステータコアの製造方法の工程を示すフローチャートである。図4〜図10は、図3中に示す製造方法の各工程を説明するための説明図である。
図3を参照して、まず、ティース部予備成形工程(S100)を実施する。図4(A)を参照して、図2中に示す軟磁性粒子23と有機物24とを混合した軟磁性粉末4aを金型に入れ、たとえば700MPaから1500MPaまでの圧力で加圧成形して軟磁性粉末4aを圧縮する。この際、加圧成形する雰囲気は、不活性ガス雰囲気または減圧雰囲気とすることが好ましい。この場合、大気中の酸素によって軟磁性粉末4aが酸化されるのを抑制できる。これにより、図4(B)に示すようにティース部2と、そのティース部2の一方端において張り出した鍔部3とを有する鍔部付きティース部4を作製する。
また別に、図3中のコイル作製工程(S101)を実施し、図5中に示すコイル6を作製する。コイル6は、絶縁被膜によって覆われた導線を用いて、螺旋状に形成される。導線は、たとえば銅から形成されており、その直径は、0.3mmから3mm程度である。絶縁被膜は、たとえば一般的なエナメル(琺瑯)から形成されており、その厚みは30μm程度である。
コイル6の作製に関してより詳細に述べると、コイル6が形成される螺旋状の形状には、ステータコア15の半径方向からコイル6を見た場合の形状が円形のもののみならず、楕円形や矩形のものも含まれる。また、導線の巻き方は、整列巻きおよび乱巻きのいずれであっても良い。
図11(A)〜(C)は、コイルの各種形態を示す斜視図である。たとえば、導線として平角型のものを用いた場合、図11(A)および(B)にそれぞれ示すように、エッジワイズ巻きコイルおよびフラットワイズ巻きコイルのいずれを利用することもできる。図11(A)に示すエッジワイズ巻きコイルの場合、導線41の端末は、コイルの上下端に引き出される。図11(B)に示すフラットワイズ巻きコイルの場合、平角型の導線42を折り返しておき、折り返した位置を内周端として導線42を巻回することで、導線42の両端末を外周側に引き出すことができる。さらに、図11(C)に示すように、丸線状の導線43による乱巻きコイルを利用することもできる。この場合、導線43の巻回が容易で、導線43の端末を所望の位置から引き出すことができる。
このコイル6に、図3中の保護層(WAX)モールド工程(S102)が実施される。これにより、図6に示すようにコイル6の表面に、保護層7が形成される。この保護層7は、後述するコイル組み付け後の加圧成形時におけるコイルの変形を防止するためのものである。この保護層7はコイル6の少なくとも鍔部側の端面6aに形成される。また、保護層7は、鍔部側端面6a以外に、コイル6のヨーク部形成側の端面6b、内周面6cおよび外周面6dの少なくとも1面以上に形成されることが好ましく、コイル6の全表面に形成されることがさらに好ましい。また、保護層7は、上述したように、たとえば樹脂、ロウ、セラミックスシート、紙、および樹脂シートのそれぞれの単独よりなっていてもよく、またこれらの任意の組合せよりなっていてもよい。
保護層7として樹脂などの柔らかいものを用いる場合には、コイル6を鍔部付きティース部4へ装着する時に掛かる力や、加圧成形時にコイル6に加えられる圧縮力を緩和し、コイル6の変形や破損を防止することができる。また、保護層7としてセラミックスなどを用いる場合には、コイル6を鍔部付きティース部4へ装着する時や加圧成形時にコイル6が他の部材(鍔部付きティース部4、ダイ、ヨーク部形成用の軟磁性粉末)に対して擦れることを防止でき、それによりコイル6の変形や破損を防止することができる。
次に、図3中のコイル組み付け工程(S103)を実施する。図7を参照して、鍔部付きティース部4のティース部2にコイル6を挿通することによって、鍔部付きティース部4にコイル6を組み付ける。
次に、図3中のプレス成形工程(S104)を実施する。図8を参照して、コイル6が組み付けられた鍔部付きティース部4がダイ32の凹部32a内にセッティングされる。この際、コイル6の鍔部側の端面6aの一部は保護層7を介してダイ32の段部32bに受けられる。ダイ32の内部であってティース部2の鍔部3側とは反対側(他方側)にヨーク部形成用の軟磁性粉末5aが投入される。このヨーク部形成用の軟磁性粉末5aは、ティース部予備成形工程(S100)で用いたものと同様のものである。
この状態で、鍔部3側からは下パンチ33により、またヨーク部形成用の軟磁性粉末5a側からは上パンチ34により加圧して加圧成形を行う。このときの圧力は、たとえば700MPa以上1500MPa以下の圧力とする。また、この際、加圧成形する雰囲気が不活性ガス雰囲気または減圧雰囲気であることが好ましいのは、ティース部予備成形工程(S100)と同様である。
図9を参照して、上記の加圧成形により、軟磁性粉末5aが圧縮されて、周方向に弧状に延びるヨーク部5が作製されるとともに、このヨーク部5は鍔部付きティース部4に接合される。これにより、コイル6とステータコア部品10とからなる圧粉磁心部品14が形成される。
次に、図3中の周方向組み立て工程(S105)を実施する。図10を参照して、複数個の圧粉磁心部品14が周方向に配列して接続されることによって、コイル6を備えたステータコア15が形成される。なお、図10においては図面の簡略化のためコイルの図示を省略している。
最後に、図3中に示す焼鈍工程(S106)を実施する。この際、先の工程で得られたステータコア15を、軟磁性粉末5aに設けられた絶縁被膜22の熱分解温度およびコイル6に設けられた絶縁被膜の熱分解温度のうち低い方の温度未満で熱処理を行なう。たとえば、軟磁性粉末5aに設けられた絶縁被膜22およびコイル6に設けられた絶縁被膜がそれぞれ、リン酸被膜およびエナメルから形成されている場合には、エナメルの熱分解温度である180℃未満の温度で1時間以上、熱処理を行なう。
この熱処理によって、軟磁性粉末5aおよびコイル6のいずれに設けられた絶縁被膜も劣化させることなく、ステータコア15の内部に存在する内部応力や歪みを緩和することができる。これにより、ステータコア15の磁気的特性を向上させることができる。以上に説明した工程により、図1中に示すステータコア15が完成する。
なお、コイル組み付け工程(S103)の前に、軟磁性粉末4a(図4)に設けられた絶縁被膜22の熱分解温度未満の温度で、鍔部付きティース部4を熱処理する工程(S107)を実施しても良い。
また保護層7は、その材質によっては、上記の焼鈍工程(S106)における加熱や電動機使用時の発熱により溶け出す場合があり、この場合には保護層7はコイル6の表面に残らない。しかし、セラミックスシートのような材質を用いれば、図1に示すように保護層7は上記の焼鈍工程(S106)における加熱や電動機使用時の発熱によっても溶け出さず残っている。
この実施の形態におけるステータコアおよびその製造方法によれば、コイル6を組み付ける前に予め鍔部付きティース部4が加圧成形により形成されているため、コイル6の組み付け後にこの鍔部付きティース部4を成形する必要はない。このため、コイル6の組み付け後の加圧成形はヨーク部5を形成できる程度の比較的低い圧力で行うことが可能となる。よって、コイル6の組み付け後の加圧成形によりコイル6が変形したり破損したりすることを抑制することができる。
また加圧成形時のコイル6の変形を防止するための保護層7がコイル6の少なくとも鍔部側端面6aに形成されている。コイル6の組み付け後の加圧成形時には、図12に示すように保護層7がダイ32と下パンチ33と鍔部3との間の隙間に流れ込みその隙間を埋めるため、コイル6がこの隙間内へ伸びるように変形することを防止することができ、コイル6の変形や破損を防止することができる。
またコイル6が上記隙間内へ伸びるように変形することを防止できるので、鍔部3をコイル6の鍔部側端面6aいっぱいに広げて形成する必要がない。このため、複数個のステータコア部品10を周方向に配列して接続する場合に、隣り合うステータコア部品10の鍔部3同士が互いに接触したり干渉したりすることを防止でき、良好な性能を発揮するステータコア15を製造することができる。
また保護層7がコイル6の少なくとも鍔部側端面6aに形成されているため、コイル6の組み付け後の加圧成形時にコイル6にダイ32、下パンチ33または鍔部3が直接接することはない。よって、この加圧成形時にコイル6がダイ32、下パンチ33または鍔部3と直接擦れて破損することを防止することができる。
なお、上記においては図1に示すようにロータコア11がステーターコア15の内周側に位置するインナーロータの構成について説明したが、本発明はロータコアがステーターコアの外周側に位置するアウターロータの構成にも同様に適用することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明の一実施の形態におけるステータコアを有する電動機の正面図である。 図1中のステータコアの表面に観察される組織を拡大して示した模式図である。 図1中に示すステータコアの製造方法の工程を示すフローチャートである。 図3中に示す製造方法のティース部予備成形工程(S100)を説明するための説明図である。 図3中に示す製造方法のコイル作製工程(S101)を説明するための説明図である。 図3中に示す製造方法の保護層(WAX)モールド工程(S102)を説明するための説明図である。 図3中に示す製造方法のコイル組み付け工程(S103)を説明するための説明図である。 図3中に示す製造方法のプレス成形工程(S104)を説明するための説明図である。 図3中に示す製造方法のプレス成形工程(S104)により製造された圧粉磁心部品の説明図である。 図3中に示す製造方法の周方向組み立て工程(S105)を説明するための説明図である。 コイルの各種形態を示す斜視図であり、(A)はエッジワイズ巻きコイル、(B)はフラットワイズ巻きコイル、(C)は乱巻きコイルを示す。 この発明の一実施の形態における作用効果を説明するための図である。 特許文献1に開示された電機子セグメントを製造する方法の第1工程を示す断面図である。 特許文献1に開示された電機子セグメントを製造する方法の第2工程を示す断面図である。 特許文献1に開示された電機子セグメントの製造方法における問題を説明するための第1の図である。 特許文献1に開示された電機子セグメントの製造方法における問題を説明するための第2の図である。
符号の説明
1 電動機、2 ティース部、3 鍔部、4a 軟磁性粉末、4 鍔部付きティース部、5 ヨーク部、5a 軟磁性粉末、6 コイル、6a 鍔部側端面、6b ヨーク部形成側端面、6c 内周面、6d 外周面、7 保護層、10 ステータコア部品、11 ローターコア、12 永久磁石、13 回転軸、14 圧粉磁心部品、15 ステータコア、21 金属磁性粒子、22 絶縁被膜、23 軟磁性粒子、24 有機物、32 ダイ、32a 凹部、32b 段部、 33 下パンチ、34 上パンチ、41,42,43 導線。

Claims (7)

  1. 複数個が周方向に配列して接続されることによって圧粉磁心を構成する圧粉磁心部品であって、
    周方向に延在し、複数個の圧粉磁心部品を周方向に配列した場合に環状に連なるヨーク部と、
    前記ヨーク部から前記ヨーク部の半径方向に突出するティース部と、
    前記ティース部の突出側先端にて周方向に張り出した鍔部と、
    前記ティース部に組み付けられたコイルとを備え、
    前記コイルの前記鍔部側の端面は前記鍔部よりも周方向に広がっており、かつ加圧成形時における前記コイルの変形を防止するための保護層が前記コイルの少なくとも前記鍔部側の端面に形成されている、圧粉磁心部品。
  2. 前記保護層は、前記コイルの前記鍔部側の端面以外に、前記ヨーク部形成側の端面、内周面および外周面の少なくとも1面 に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の圧粉磁心部品。
  3. 前記保護層には、樹脂、ロウ、セラミックスシート、紙、および樹脂シートよりなる群から選ばれる1種以上を用いることを特徴とする、請求項1または2に記載の圧粉磁心部品。
  4. 前記保護層はJISに規定の針入度が1以上の材質であることを特徴とする、請求項1〜3に記載の圧粉磁心部品。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の圧粉磁心部品を複数個、周方向に配列し、隣り合う位置で互いに接続して形成された、圧粉磁心。
  6. 複数個が周方向に配列して接続されることによって圧粉磁心を構成する圧粉磁心部品の製造方法であって、
    軟磁性粉末を加圧成形することによって、ティース部と前記ティース部の一方端にて周方向に張り出した鍔部とを有する鍔部付きティース部を形成する工程と、
    前記鍔部付きティース部の前記ティース部にコイルを組み付ける工程と、
    前記コイルが組み付けられた前記鍔部付きティース部を金型内に配置するとともに、軟磁性粉末を前記金型内であって前記ティース部の他方端側に充填し加圧成形することによって前記ティース部の他方端側にヨーク部を形成する工程とを備え、
    前記金型は前記コイルの前記鍔部側の端面の一部を受けるよう構成されており、前記金型を用いた前記加圧成形時においては、前記加圧成形時の前記コイルの変形を防止するための保護層が前記コイルの少なくとも前記鍔部側の端面に形成されている、圧粉磁心部品の製造方法。
  7. 請求項6に記載の圧粉磁心部品の製造方法により製造された圧粉磁心部品を複数個、周方向に配列し、隣り合う位置で互いに接続する、圧粉磁心の製造方法。
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