JP2005344177A - 磁性粉末の製造方法および磁気記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 微小な平均粒子サイズを有し、とくに高密度磁気記録の可能な磁気特性を有する磁性粉末の製造方法および磁気記録媒体を提供すること。
【解決手段】 界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒およびアルカリ水溶液または酸化剤水溶液を混合して形成した逆ミセル溶液(I)と、界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒、希土類元素含有化合物水溶液および遷移金属化合物水溶液とを混合して形成した逆ミセル溶液(II)とを混合し、希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子を形成し、前記希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子の表面を、アルカリ土類金属水酸化物層で被覆し、これを加熱し、気相還元および徐酸化した後、さらに還元拡散法を施し、5〜15nmの粒子を得る。窒化物は、その後窒化反応に施す。本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に前記磁性粉末および結合剤を含有する磁性層を有する。
【選択図】 なし
【解決手段】 界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒およびアルカリ水溶液または酸化剤水溶液を混合して形成した逆ミセル溶液(I)と、界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒、希土類元素含有化合物水溶液および遷移金属化合物水溶液とを混合して形成した逆ミセル溶液(II)とを混合し、希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子を形成し、前記希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子の表面を、アルカリ土類金属水酸化物層で被覆し、これを加熱し、気相還元および徐酸化した後、さらに還元拡散法を施し、5〜15nmの粒子を得る。窒化物は、その後窒化反応に施す。本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持体上に前記磁性粉末および結合剤を含有する磁性層を有する。
【選択図】 なし
Description
本発明は、磁性粉末の製造方法および磁気記録媒体に関するものである。本発明の磁性粉末を磁性層の成分とする磁気記録媒体は、とくに磁気抵抗効果を利用したMRヘッドを備えたシステムに好適に適用することができる。
最近の高密度磁気記録システムには、磁気抵抗効果を利用した高感度な再生ヘッド(MRヘッド)が使用されるようになってきた。この場合、システムノイズは、磁気記録媒体に由来するノイズに支配される。磁気記録媒体に由来するノイズを低減するため強磁性粒子の微細化が進められているが、強磁性粒子を微細化するのに伴って熱揺らぎの影響を受け易くなり、磁化遷移領域の安定性が問題となることが推定されている。
磁化の安定性は、KuV/kT(Kuは磁気異方性定数、Vは粒子体積、kはボルツマン定数、Tは絶対温度)で評価されており、KuV/kTは50〜70以上であることが好ましい。
磁化の安定性は、KuV/kT(Kuは磁気異方性定数、Vは粒子体積、kはボルツマン定数、Tは絶対温度)で評価されており、KuV/kTは50〜70以上であることが好ましい。
熱揺らぎの課題を克服するため、大きな異方性定数をもつ磁性材料を使用することが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。候補の磁性材料としては、CoPt、Co3Pt、CoCrXY(X=Ta、Pt、Y=Nb、B)、FePd、FePt、MnAl、SmCoが例示されている。
磁気記録密度向上に有望な磁性粒子の素材としては、CuAu型またはCu3Au型強磁性規則化合金がある。前記強磁性規則化合金は規則化時に発生する歪みのために結晶磁気異方性が大きく、磁性粒子のサイズを小さくしても硬磁性を示すことが知られている。強磁性を示す磁性粒子は液相法や気相法などにより作製されるが、特に、液相法で作製された直後の磁性粒子は、不規則相で面心立方晶の構造を有している。
CuAu型またはCu3Au型の面心立方晶は通常、軟磁性または常磁性を示すので、記録媒体用には適していない。磁気記録媒体に必要な95.5kA/m(1200Oe)以上の保磁力を有する強磁性規則化合金を得るには、不規則相から規則相へ変態する変態温度以上でアニール処理を施す必要がある。
サン(S.Sun)らは、単分散FePtナノ粒子と強磁性FePtナノ結晶超格子に関する発表を行っている(例えば、非特許文献2参照)。サン(S.Sun)らは、安定化と酸化防止のためfcc構造のFePt粒子(非磁性)をオレイン酸とオレイルアミンで表面処理した後、これをSiO2/Si基板に塗布し、窒素中550℃で30分間熱処理し、オレイン酸とオレイルアミンを炭化し、FePtに固着させるとともにfct構造のFePtに相変化させて強磁性を発現させた炭素被覆超微粒子磁性体(炭素被覆超微粒子ナノサイズ磁性体)凝集体を得て、その記録再生特性を報告している。FePtは有望な磁性材料ではあるが、希少金属元素であるPtを使用するのが欠点である。
熱揺らぎの課題を克服するため、大きな異方性定数をもつ磁性材料として希土類永久磁石が知られている。特許文献1〜6には、粒子サイズを単磁区以下の大きさとしかつ粒子径をそろえ、大きな抗磁力を得る製造方法が提案されている。しかしながら得られている粒子サイズは0.1〜数μmであり、記録波長と粒子サイズを考慮すると高密度磁気記録媒体用には使用できない。
平均粒子サイズが5〜200nmの粒状ないし楕円状の希土類−鉄−ホウ素系磁性粉末、希土類−鉄−半金属系磁性粉末が特許文献7〜12に提案されている。出発酸化物を水素還元して希土類−鉄−ホウ素系磁性粉末、希土類−鉄−半金属系磁性粉末を得ている。希土類元素の還元電位は−2.3〜−2.5Vであり、遷移金属の還元に使用する水素ガス、CO、CH4系還元ガスでは還元できない。対象の希土類元素よりも還元電位が低い金属を混合し加熱することで還元することが可能となる。アルカリ金属の還元電位は、Liは−3.04V、Naは−2.71V、Kは−2.93V、アルカリ土類金属の還元電位は、Mgは−2.37V、Caは−2.87V、Srは−2.89V、Baは−2.91Vであり、これらを希土類元素含有物と混合し不活性ガス中で加熱することで、粒子中の希土類元素を還元し合金化することができる。取り扱いの安全性及びコストの面から金属カルシウムの使用が最も好適である。
平均粒子サイズが5〜200nmの粒状ないし楕円状の希土類−鉄−ホウ素系磁性粉末、希土類−鉄−半金属系磁性粉末が特許文献7〜12に提案されている。出発酸化物を水素還元して希土類−鉄−ホウ素系磁性粉末、希土類−鉄−半金属系磁性粉末を得ている。希土類元素の還元電位は−2.3〜−2.5Vであり、遷移金属の還元に使用する水素ガス、CO、CH4系還元ガスでは還元できない。対象の希土類元素よりも還元電位が低い金属を混合し加熱することで還元することが可能となる。アルカリ金属の還元電位は、Liは−3.04V、Naは−2.71V、Kは−2.93V、アルカリ土類金属の還元電位は、Mgは−2.37V、Caは−2.87V、Srは−2.89V、Baは−2.91Vであり、これらを希土類元素含有物と混合し不活性ガス中で加熱することで、粒子中の希土類元素を還元し合金化することができる。取り扱いの安全性及びコストの面から金属カルシウムの使用が最も好適である。
D.Meller, A.Moser, L.Folks, et al、IEEE Trans. Magnetics,36,10(2000)
S.Sun, C.B.Murray, D.Weller, L.Folks, A.Moser、Science,287,1989(2000)
特開平11−189811号公報
特開平11−241104号公報
特開2003−297660号公報
特開平10−144509号公報
特開2001−140005号公報
特開2004−18932号公報
特開2001−181754号公報
特開2002−50508号公報
特開2002−50509号公報
特開2002−56518号公報
特開2002−121027号公報
特開2003−100507号公報
本発明の目的は、微小な平均粒子サイズを有し、とくに高密度磁気記録の可能な磁気特性を有する磁性粉末の製造方法を提供することである。
また本発明の別の目的は、MRヘッドを備えたシステムにとくに好適に適用することができる、該磁性粉末を磁性層の成分とする磁気記録媒体を提供することである。
また本発明の別の目的は、MRヘッドを備えたシステムにとくに好適に適用することができる、該磁性粉末を磁性層の成分とする磁気記録媒体を提供することである。
本発明は、以下の通りである。
(1)界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒と、アルカリ水溶液またはアルカリ水溶液と酸化剤水溶液とを混合して形成した逆ミセル溶液(I)と、
界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒と、希土類元素含有化合物水溶液と、遷移金属化合物水溶液とを混合して形成した逆ミセル溶液(II)と
を混合し、希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子を形成し、前記希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子の表面を、アルカリ土類金属水酸化物層で被覆し、これを加熱し、気相還元および徐酸化した後、さらに還元拡散法を施すことを特徴とする、平均粒子サイズが5〜15nmである希土類−遷移金属系合金磁性粉末の製造方法。
(2) 界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒と、アルカリ水溶液またはアルカリ水溶液と酸化剤水溶液とを混合して形成した逆ミセル溶液(I)と、
界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒と、希土類元素含有化合物水溶液と、遷移金属化合物水溶液とを混合して形成した逆ミセル溶液(II)と
を混合し、希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子を形成し、前記希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子の表面を、アルカリ土類金属水酸化物層で被覆し、これを加熱し、気相還元および徐酸化し、還元拡散法を施し、さらに窒化することを特徴とする、平均粒子サイズが5〜15nmである希土類−遷移金属−窒素系磁性粉末の製造方法。
(3)非磁性支持体上に磁性粉末および結合剤を含有する磁性層を有する磁気記録媒体において、前記磁性粉末が、前記(1)に記載の製造方法により得られた希土類−遷移金属系合金磁性粉末であることを特徴とする磁気記録媒体。
(4)非磁性支持体上に磁性粉末および結合剤を含有する磁性層を有する磁気記録媒体において、前記磁性粉末が、前記(2)に記載の製造方法により得られた希土類−遷移金属−窒素系磁性粉末であることを特徴とする磁気記録媒体。
(1)界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒と、アルカリ水溶液またはアルカリ水溶液と酸化剤水溶液とを混合して形成した逆ミセル溶液(I)と、
界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒と、希土類元素含有化合物水溶液と、遷移金属化合物水溶液とを混合して形成した逆ミセル溶液(II)と
を混合し、希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子を形成し、前記希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子の表面を、アルカリ土類金属水酸化物層で被覆し、これを加熱し、気相還元および徐酸化した後、さらに還元拡散法を施すことを特徴とする、平均粒子サイズが5〜15nmである希土類−遷移金属系合金磁性粉末の製造方法。
(2) 界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒と、アルカリ水溶液またはアルカリ水溶液と酸化剤水溶液とを混合して形成した逆ミセル溶液(I)と、
界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒と、希土類元素含有化合物水溶液と、遷移金属化合物水溶液とを混合して形成した逆ミセル溶液(II)と
を混合し、希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子を形成し、前記希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子の表面を、アルカリ土類金属水酸化物層で被覆し、これを加熱し、気相還元および徐酸化し、還元拡散法を施し、さらに窒化することを特徴とする、平均粒子サイズが5〜15nmである希土類−遷移金属−窒素系磁性粉末の製造方法。
(3)非磁性支持体上に磁性粉末および結合剤を含有する磁性層を有する磁気記録媒体において、前記磁性粉末が、前記(1)に記載の製造方法により得られた希土類−遷移金属系合金磁性粉末であることを特徴とする磁気記録媒体。
(4)非磁性支持体上に磁性粉末および結合剤を含有する磁性層を有する磁気記録媒体において、前記磁性粉末が、前記(2)に記載の製造方法により得られた希土類−遷移金属−窒素系磁性粉末であることを特徴とする磁気記録媒体。
本発明によれば、平均粒子サイズが5〜15nmという微小なサイズを有し、とくに高密度磁気記録の可能な磁気特性を有する磁性粉末が得られる。
また本発明によれば、MRヘッドを備えたシステムにとくに好適に適用することができる磁気記録媒体を提供することができる。
また本発明によれば、MRヘッドを備えたシステムにとくに好適に適用することができる磁気記録媒体を提供することができる。
以下、本発明をさらに説明する。
本発明の製造方法により得られた磁性粉末は、強磁性を有するとともに、平均粒子サイズが5〜15nmという超微粒子であり、かつ抗磁力が125〜400kA/mと高い値を示す。したがって、高密度磁気記録の可能な磁気特性を有し、これを磁性層に有する磁気記録媒体は、MRヘッドを備えたシステムにとくに好適に適用することができる。
また、飽和磁化σsは、40〜105A・m2/kgが好ましく、50〜100A・m2/kgがさらに好ましい。
本発明の製造方法により得られた磁性粉末は、強磁性を有するとともに、平均粒子サイズが5〜15nmという超微粒子であり、かつ抗磁力が125〜400kA/mと高い値を示す。したがって、高密度磁気記録の可能な磁気特性を有し、これを磁性層に有する磁気記録媒体は、MRヘッドを備えたシステムにとくに好適に適用することができる。
また、飽和磁化σsは、40〜105A・m2/kgが好ましく、50〜100A・m2/kgがさらに好ましい。
高密度磁気記録媒体用の磁性粉末は微粒子かつ粒度分布が小さいことが必須であるが、このためには磁性粉末を製造するための出発物(希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子)の粒度分布を小さくすることが必要である。このような出発物は、気相法や液相法により製造することができるが、量産性および単分散性に優れることを考慮すると、液相還元法が好ましい。液相還元法は、従来から知られている種々の方法を適用することができるが、液相還元法のなかでも粒径が制御しやすく単分散性に優れる逆ミセル法が特に好ましい。
本発明の製造方法においては、まず、界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒と、アルカリ水溶液またはアルカリ水溶液と酸化剤水溶液とを混合して形成した逆ミセル溶液(I)と、界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒、希土類元素含有化合物水溶液および遷移金属化合物水溶液を混合して形成した逆ミセル溶液(II)とを混合し、希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子を形成する。
本発明において、逆ミセルとは、界面活性剤の親水性基に囲繞された微小球体中に当該水溶液が封入された構造が非水溶性有機溶媒中に分散されている状態をいう。
本発明において、逆ミセルとは、界面活性剤の親水性基に囲繞された微小球体中に当該水溶液が封入された構造が非水溶性有機溶媒中に分散されている状態をいう。
逆ミセル溶液(I)において、前記界面活性剤としては、油溶性界面活性剤が用いられる。具体的には、スルホン酸塩型(例えば、エーロゾルOT(和光純薬製))、4級アンモニウム塩型(例えば、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド)、エーテル型(例えば、ペンタエチレングリコールドデシルエーテル)などが挙げられる。非水溶性有機溶媒中の界面活性剤量は、20〜200g/リットルであることが好ましい。
前記界面活性剤を溶解する非水溶性有機溶媒として好ましいものは、アルカン、エーテルおよびアルコール等が挙げられる。アルカンとしては、炭素数7〜12のアルカン類であることが好ましい。具体的には、ヘプタン、オクタン、イソオクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等が好ましい。エーテルとしては、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等が好ましい。アルコールとしては、エトキシエタノール、エトキシプロパノール等が好ましい。
アルカリ水溶液中の成分としては、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類水酸化物、アンモニア水、尿素、アミン系化合物を単独で使用、または2種以上を併用することが好ましい。これらのなかでアルカリ水溶液はNH4OH、尿素、アミン系化合物を含む水溶液が好ましい。なお、KOH、NaOHを使用すると、KまたはNaの塩が出発原料内に残留するので、磁性粉末の耐食性を劣化させるので好ましくない。水溶液中のアルカリ成分量は、金属塩の中和量に対して、1.0〜5倍量であることが好ましい。酸化剤水溶液としては、硝酸塩、過塩素酸塩、過酸化水素水を単独で使用、または2種以上を併用することが好ましい。この場合もカチオンとしてKまたはNaを含まないことがこのましく、アンモニウム塩が好ましい。酸化剤水溶液中の酸化剤量は、金属塩1モルに対し、1.1〜10モルであることが好ましい。
ここで、逆ミセル溶液(I)溶液中の水と界面活性剤との質量比(水/界面活性剤)は、20以下となるようにすることが好ましい。質量比が20を超えると、沈殿が起きやすく、粒子も不揃いとなりやすいといった問題が生じることがある。該質量比は、15以下とすることが好ましく、0.5〜10とすることがより好ましい。
次に、逆ミセル溶液(II)を調製する。逆ミセル溶液(II)における界面活性剤および非水溶性有機溶媒の条件(使用する物質、濃度等)については、逆ミセル溶液(I)の場合と同様である。
なお、逆ミセル溶液(II)の成分は、逆ミセル溶液(I)と同種のものまたは異種のものを使用することができる。また、逆ミセル溶液(II)中の水と界面活性剤との質量比も逆ミセル溶液(I)の場合と同様であり、逆ミセル溶液(I)の質量比と同一としてもよく、異なっていてもよい。
なお、逆ミセル溶液(II)の成分は、逆ミセル溶液(I)と同種のものまたは異種のものを使用することができる。また、逆ミセル溶液(II)中の水と界面活性剤との質量比も逆ミセル溶液(I)の場合と同様であり、逆ミセル溶液(I)の質量比と同一としてもよく、異なっていてもよい。
希土類元素含有化合物水溶液において、希土類元素の使用量は、遷移金属元素に対し、0.10〜0.13モル%であるのが好ましい。
なお本発明で使用される希土類元素は、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbまたはLuであり、中でも好ましくは、Sm,Nd,Tbである。
なお本発明で使用される希土類元素は、Sc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,YbまたはLuであり、中でも好ましくは、Sm,Nd,Tbである。
遷移金属化合物水溶液において、遷移金属化合物は主に遷移金属塩として使用され、その濃度は遷移金属塩濃度として、0.1〜1000μmol/mlであることが好ましく、1〜200μmol/mlであることがより好ましい。
遷移金属としては、強磁性を示す、Fe,Co,Niが好ましい。
遷移金属としては、強磁性を示す、Fe,Co,Niが好ましい。
続いて、調製した逆ミセル溶液(I)と(II)とを混合し、希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子を形成する。混合方法としては、特に限定されるものではないが、還元反応の均一性を考慮して、逆ミセル溶液(II)を撹拌しながら、逆ミセル溶液(I)を添加して混合するのが好ましい。
混合終了後、中和または酸化反応を進行させることになるが、その際の温度は、10〜35℃の範囲で、一定の温度とすることが好ましい。
還元温度が10℃未満では、反応の進行が遅くなり、反応が不均一になるといった問題が生じ、35℃を超えると、凝集または沈殿が起こりやすく系が不安定となることがある。好ましい還元温度は15〜30℃であり、より好ましくは20〜30℃である。
ここで、前記「一定温度」とは、設定温度をT(℃)とした場合、当該TがT±3℃の範囲にあることをいう。なお、このようにした場合であっても、当該Tの上限および下限は、上記温度(10〜35℃)の範囲にあるものとする。
混合終了後、中和または酸化反応を進行させることになるが、その際の温度は、10〜35℃の範囲で、一定の温度とすることが好ましい。
還元温度が10℃未満では、反応の進行が遅くなり、反応が不均一になるといった問題が生じ、35℃を超えると、凝集または沈殿が起こりやすく系が不安定となることがある。好ましい還元温度は15〜30℃であり、より好ましくは20〜30℃である。
ここで、前記「一定温度」とは、設定温度をT(℃)とした場合、当該TがT±3℃の範囲にあることをいう。なお、このようにした場合であっても、当該Tの上限および下限は、上記温度(10〜35℃)の範囲にあるものとする。
中和または酸化反応の時間は、逆ミセル溶液の量等により適宜設定する必要があるが、1〜30分とすることが好ましく、3〜20分とすることがより好ましい。
中和または酸化反応は、粒径分布の単分散性に大きな影響を与えるため、できるだけ高速攪拌しながら行うことが好ましい。好ましい攪拌装置は高剪断力を有する攪拌装置であり、詳しくは、攪拌羽根が基本的にタービン型あるいはパドル型の構造を有し、さらに、その羽根の端もしくは、羽根と接する位置に鋭い刃を付けた構造であり、羽根をモーターで回転させる攪拌装置である。具体的には、ディゾルバー(特殊機化工業製)、オムニミキサー(ヤマト科学製)、ホモジナイザー(SMT製)などの装置が有用である。これらの装置を用いることにより、単分散な粒子を安定な分散液として合成することができる。
前記逆ミセル溶液(I)および(II)の少なくともいずれかに、極性基を1〜3個有する少なくとも1種の分散剤を、作製しようとする希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子1モル当たり、0.001〜10モル添加することが好ましい。
かかる分散剤を添加することで、より単分散で、凝集の無い粒子を得ることが可能となる。添加量が、0.001モル未満では、希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子の単分散性をより向上できない場合があり、10モルを超えると凝集が起こる場合がある。
前記分散剤としては、希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子表面に吸着する基を有する有機化合物が好ましい。具体的には、アミノ基、カルボキシ基、スルホン酸基またはスルフィン酸基を1〜3個有するものであり、これらを単独または併用して用いることができる。
構造式としては、R−NH2、NH2−R−NH2、NH2−R(NH2)−NH2、R−COOH、COOH−R−COOH、COOH−R(COOH)−COOH、R−SO3H、SO3H−R−SO3H、SO3H−R(SO3H)−SO3H、R−SO2H、SO2H−R−SO2H、SO2H−R(SO2H)−SO2Hで表される化合物であり、式中のRは直鎖、分岐または環状の飽和、不飽和の炭化水素である。
構造式としては、R−NH2、NH2−R−NH2、NH2−R(NH2)−NH2、R−COOH、COOH−R−COOH、COOH−R(COOH)−COOH、R−SO3H、SO3H−R−SO3H、SO3H−R(SO3H)−SO3H、R−SO2H、SO2H−R−SO2H、SO2H−R(SO2H)−SO2Hで表される化合物であり、式中のRは直鎖、分岐または環状の飽和、不飽和の炭化水素である。
反応終了後、熟成することも好ましく、反応後の溶液を熟成温度まで昇温する。前記熟成温度は、30〜90℃で一定の温度とすることが好ましく、その温度は、前記反応の温度より高くする。また、熟成時間は、5〜180分とすることが好ましい。またTi、Bなど希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子の安定性を高める元素を出発物に添加することがこのましい。
中和または酸化反応終了後の反応物は、水と1級アルコールとの混合溶液で洗浄し、不純物を除去するのがよい。洗浄で用いる前記1級アルコールとしては、特に限定されるものではないが、メタノール、エタノール等が好ましい。体積混合比(水/1級アルコール)は、10/1〜2/1の範囲にあることが好ましく、5/1〜3/1の範囲にあることがより好ましい。水の比率が高いと、界面活性剤が除去されにくくなることがあり、逆に1級アルコールの比率が高いと、凝集を起こしてしまうことがある。洗浄後、溶剤置換し水系とする。
続いて、希土類元素含有遷移金属化合物粒子の表面を、アルカリ土類金属水酸化物層で被覆する。この被覆により、後述する気相還元を均一に行うことができ、かつ還元拡散法で希土類元素を合金化するにあたり、還元速度を制御しかつ粒子間の焼結を防止することができる。アルカリ土類金属水酸化物は、中でもCa(OH)2が好適である。このアルカリ土類金属水酸化物層の被覆は、例えば希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子に、アルカリ土類金属水酸化物およびNH4OHのようなアルカリ水溶液を添加し混合することによって可能である。なお、アルカリ水溶液は、NH4OH水溶液以外にも、KOH、NaOHの水溶液が考えられるが、これらを使用すると、KまたはNaの塩が出発原料内に残留し、磁性粉末の耐食性を劣化させるので好ましくない。
アルカリ土類金属水酸化物の被覆量は希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子:アルカリ土類金属水酸化物の質量比として、1:0.3〜1:5が好ましい。さらに好ましくは1:0.5〜1:3である。アルカリ土類金属水酸化物の質量比が0.3未満では、被覆厚みが少なく、後述する還元拡散法で合金化するとき焼結防止効果が乏しく、5を超えると磁性粉末を回収するときの回収効率が劣り好ましくない。
アルカリ土類金属水酸化物の被覆量は希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子:アルカリ土類金属水酸化物の質量比として、1:0.3〜1:5が好ましい。さらに好ましくは1:0.5〜1:3である。アルカリ土類金属水酸化物の質量比が0.3未満では、被覆厚みが少なく、後述する還元拡散法で合金化するとき焼結防止効果が乏しく、5を超えると磁性粉末を回収するときの回収効率が劣り好ましくない。
次に、アルカリ土類金属水酸化物層で被覆された粒子は、加熱された後、遷移金属酸化物の気相還元および徐酸化に施される。
遷移金属の気相還元の前に行われる加熱は、被覆したアルカリ土類金属水酸化物を酸化するために行う。例えばアルカリ土類金属水酸化物としてCa(OH)2を使用した場合、酸化によってCaOに変化させれば、続く気相還元において生成した水を吸収し、均一な気相還元反応を進行させることができる。この酸化反応は、アルカリ土類金属水酸化物層で被覆された粒子を分離・乾燥した後、空気中550℃以上、例えば550〜600℃で加熱すればよい。
気相還元は、常法に従い、前記酸化反応を行った後窒素置換し、水素還元することにより達成される。この還元反応条件は、例えば温度375〜550℃、時間0.5〜6時間が好ましい。
徐酸化は、気相還元後、粒子を窒素置換し冷却し、雰囲気の酸素濃度を例えば0.15vol%から5.0vol%まで温度を制御しながら上昇させ、最後に例えば温度40〜90℃で加熱静置することにより、粒子表面に酸化層を設けることにより行われる。徐酸化を行うことにより、後述する還元拡散法における激しい反応を適度に抑制することができる。
遷移金属の気相還元の前に行われる加熱は、被覆したアルカリ土類金属水酸化物を酸化するために行う。例えばアルカリ土類金属水酸化物としてCa(OH)2を使用した場合、酸化によってCaOに変化させれば、続く気相還元において生成した水を吸収し、均一な気相還元反応を進行させることができる。この酸化反応は、アルカリ土類金属水酸化物層で被覆された粒子を分離・乾燥した後、空気中550℃以上、例えば550〜600℃で加熱すればよい。
気相還元は、常法に従い、前記酸化反応を行った後窒素置換し、水素還元することにより達成される。この還元反応条件は、例えば温度375〜550℃、時間0.5〜6時間が好ましい。
徐酸化は、気相還元後、粒子を窒素置換し冷却し、雰囲気の酸素濃度を例えば0.15vol%から5.0vol%まで温度を制御しながら上昇させ、最後に例えば温度40〜90℃で加熱静置することにより、粒子表面に酸化層を設けることにより行われる。徐酸化を行うことにより、後述する還元拡散法における激しい反応を適度に抑制することができる。
続いて、上記で得られた粒子は、好ましくは0.05〜100μm程度のサイズに粉砕され、還元拡散法に施され、希土類元素を合金化する。本発明における還元拡散法は、例えば前記の特許文献1にも記載され、当業界でよく知られた反応である。還元拡散法に用いられる金属は、用いた希土類元素よりも還元電位が負である金属である。
希土類元素よりも還元電位が負である金属還元剤は、粒状または粉末状で使用されるが、特にコストの観点からは粒度4メッシュ以下の粒状金属カルシウムが好適である。これらの還元剤は、反応当量(希土類元素酸化物を還元するのに必要な化学量論量であり、遷移金属が一部酸化されている場合はこれを還元するに必要な量を含む)の1.1〜5倍量、好ましくは1.5〜3倍量である。反応温度は900〜1200℃、反応時間は10〜100分、反応雰囲気は不活性ガス雰囲気が好ましい。
このとき、反応生成物は、副生するCaO、未反応の過剰Ca、および生成した磁性粉末の混合物であって、これらが複合した塊状態である。この生成物を冷却水中に投入して、CaOおよび金属CaをCa(OH)2懸濁物として磁性粉末から除去する。さらに残留するCa(OH)2は、磁性粉末を酢酸あるいは塩酸で洗浄することにより除去される。塊状態の生成物は、冷却水に投入されたとき金属Caの水による酸化および副生CaOの水和反応により、塊状態が崩壊し微粉化が進行する。水洗の後期に磁性粉末に強固に吸着する有機物を添加することも好ましい。吸着させる有機物は、磁気記録媒体製造途中に添加される脂肪酸(pKaは4.2以上)よりもpKaが小さい極性基を含有する有機物およびその塩が好ましい。pKaが4以下の官能基としては、PO(OH)2、OPO(OH)2、SO3H、CONHOH、SO2NHOHなどがある。吸着量は粒子表面を完全に被覆する量が好ましいが、表面の一部を被覆していても、効果が認められる。
希土類元素よりも還元電位が負である金属還元剤は、粒状または粉末状で使用されるが、特にコストの観点からは粒度4メッシュ以下の粒状金属カルシウムが好適である。これらの還元剤は、反応当量(希土類元素酸化物を還元するのに必要な化学量論量であり、遷移金属が一部酸化されている場合はこれを還元するに必要な量を含む)の1.1〜5倍量、好ましくは1.5〜3倍量である。反応温度は900〜1200℃、反応時間は10〜100分、反応雰囲気は不活性ガス雰囲気が好ましい。
このとき、反応生成物は、副生するCaO、未反応の過剰Ca、および生成した磁性粉末の混合物であって、これらが複合した塊状態である。この生成物を冷却水中に投入して、CaOおよび金属CaをCa(OH)2懸濁物として磁性粉末から除去する。さらに残留するCa(OH)2は、磁性粉末を酢酸あるいは塩酸で洗浄することにより除去される。塊状態の生成物は、冷却水に投入されたとき金属Caの水による酸化および副生CaOの水和反応により、塊状態が崩壊し微粉化が進行する。水洗の後期に磁性粉末に強固に吸着する有機物を添加することも好ましい。吸着させる有機物は、磁気記録媒体製造途中に添加される脂肪酸(pKaは4.2以上)よりもpKaが小さい極性基を含有する有機物およびその塩が好ましい。pKaが4以下の官能基としては、PO(OH)2、OPO(OH)2、SO3H、CONHOH、SO2NHOHなどがある。吸着量は粒子表面を完全に被覆する量が好ましいが、表面の一部を被覆していても、効果が認められる。
また本発明では、還元拡散法を施した後の磁性粉末を、さらに窒化してもよい。窒化条件としては、窒素ガス、水素を少量含有する窒素ガス、アンモニアガスあるいはアンモニアと水素の混合ガス中、粉末を400〜600℃に加熱する条件が挙げられる。
このようにして製造された本発明の磁性粉末は、平均粒子サイズが5〜15nm(好ましくは6〜12nm、更に好ましくは7〜12nm)であり、分散性に優れている。本発明の磁性粉末の形状は特に制限はないが、通常、粒状である。
また本発明は、非磁性支持体上に磁性粉末および結合剤を含有する磁性層を有する磁気記録媒体において、この磁性粉末が、前記の製造方法で得られた磁性粉末である磁気記録媒体を提供するものである。
このような磁気記録媒体の作成には通常の塗布型磁気記録媒体の製法を適用することができる。本発明の磁気記録媒体における磁性層の結合剤樹脂は、従来公知の熱可塑系樹脂、熱硬化系樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用できる。熱可塑系樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が1000〜200000、好ましくは10000〜100000、重合度が約50〜1000程度のものである。
このような磁気記録媒体の作成には通常の塗布型磁気記録媒体の製法を適用することができる。本発明の磁気記録媒体における磁性層の結合剤樹脂は、従来公知の熱可塑系樹脂、熱硬化系樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用できる。熱可塑系樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が1000〜200000、好ましくは10000〜100000、重合度が約50〜1000程度のものである。
このような結合剤樹脂としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコ−ル、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラ−ル、ビニルアセタ−ル、ビニルエ−テル、等を構成単位として含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。
また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂としてはフェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコ−ン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネ−トプレポリマ−の混合物、ポリエステルポリオ−ルとポリイソシアネ−トの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等があげられる。
前記の結合剤樹脂に、より優れた磁性粉末の分散効果と磁性層の耐久性を得るためには必要に応じ、COOM、SO3M、OSO3M、P=O(OM)2、O−P=O(OM)2、(以上につきMは水素原子、またはアルカリ金属塩基)、OH、NR2、N+R3(Rは炭化水素基)エポキシ基、SH、CN、などから選ばれる少なくとも1つ以上の極性基を共重合または付加反応で導入するのが好ましい。このような極性基の量は10-1〜10-8モル/gであり、好ましくは10-2〜10-6モル/gである。
本発明の磁気記録媒体に用いられる結合剤樹脂は、磁性粉末に対し、5〜50質量%の範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲で用いられる。塩化ビニル系樹脂を用いる場合は5〜100質量%、ポリウレタン樹脂を用いる場合は2〜50質量%、ポリイソシアネ−トは2〜100質量%の範囲でこれらを組み合わせて用いるのが好ましい。
本発明において、ポリウレタン樹脂を用いる場合はガラス転移温度が−50〜100℃、破断伸びが100〜2000%、破断応力は0.05〜10kg/mm2(0.49〜98MPa)、降伏点は0.05〜10kg/mm2(0.49〜98MPa)が好ましい。
本発明に用いるポリイソシアネ−トとしては、トリレンジイソシアネ−ト、4−4’−ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ナフチレン−1,5−ジイソシアネ−ト、o−トルイジンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、トリフェニルメタントリイソシアネ−ト等のイソシアネ−ト類、また、これらのイソシアネ−ト類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネ−ト等を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製、コロネートL、コロネ−トHL、コロネ−ト2030、コロネ−ト2031、ミリオネ−トMRミリオネ−トMTL、武田薬品社製、タケネ−トD−102,タケネ−トD−110N、タケネ−トD−200、タケネ−トD−202、住友バイエル社製、デスモジュ−ルL、デスモジュ−ルIL、デスモジュ−ルN、デスモジュ−ルHL、等がありこれらを単独または硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合せでもちいることができる。
本発明の磁気記録媒体の磁性層中には、通常、潤滑剤、研磨剤、分散剤、帯電防止剤、分散剤、可塑剤、防黴剤等などを始めとする種々の機能を有する素材をその目的に応じて含有させる。
本発明の磁性層に使用する潤滑剤としては、ジアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5個)、ジアルコキシポリシロキサン(アルコキシは炭素数1〜4個)、モノアルキルモノアルコキシポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5個、アルコキシは炭素数1〜4個)、フェニルポリシロキサン、フロロアルキルポリシロキサン(アルキルは炭素数1〜5個)などのシリコンオイル;グラファイト等の導電性微粉末;二硫化モリブデン、二硫化タングステンなどの無機粉末;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン塩化ビニル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン等のプラスチック微粉末;α−オレフィン重合物;常温で固体の飽和脂肪酸(炭素数10から22);常温で液状の不飽和脂肪族炭化水素(n−オレフィン二重結合が末端の炭素に結合した化合物、炭素数約20);炭素数12〜20個の一塩基性脂肪酸と炭素数3〜12個の一価のアルコールから成る脂肪酸エステル類、フルオロカーボン類等が使用できる。
上記の中でも飽和脂肪酸と脂肪酸エステルが好ましく、両者を併用することがより好ましい。脂肪酸エステルの原料となるアルコールとしてはエタノール、ブタノール、フェノール、ベンジルアルコール、2−メチルブチルアルコール、2−ヘキシルデシルアルコール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、s−ブチルアルコール等の系モノアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ソルビタン誘導体等の多価アルコールが挙げられる。同じく脂肪酸としては酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ベヘン酸、アラキン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、パルミトレイン酸等の脂肪族カルボン酸またはこれらの混合物が挙げられる。
脂肪酸エステルとしての具体例は、ブチルステアレート、s−ブチルステアレート、イソプロピルステアレート、ブチルオレエート、アミルステアレート、3−メチルブチルステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−ヘキシルデシルステアレート、ブチルパルミテート、2−エチルヘキシルミリステート、ブチルステアレートとブチルパルミテートの混合物、ブトキシエチルステアレート、2−ブトキシ−1−プロピルステアレート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルをステアリン酸でアシル化したもの、ジエチレングリコールジパルミテート、ヘキサメチレンジオールをミリスチン酸でアシル化してジオールとしたもの、グリセリンのオレエート等の種々のエステル化合物を挙げることができる。
さらに、磁気記録媒体を高湿度下で使用するときしばしば生ずる脂肪酸エステルの加水分解を軽減するために、原料の脂肪酸及びアルコールの分岐/直鎖、シス/トランス等の異性構造、分岐位置を選択することがなされる。
これらの潤滑剤は結合剤100質量部に対して0.2〜20質量部の範囲で添加される。
これらの潤滑剤は結合剤100質量部に対して0.2〜20質量部の範囲で添加される。
潤滑剤としては、更に以下の化合物を使用することもできる。即ち、シリコンオイル、グラファイト、二硫化モリブデン、窒化ほう素、弗化黒鉛、フッ素アルコール、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステル、二硫化タングステン等である。
本発明の磁性層に用いられる研磨剤としては、一般に使用される材料でα、γアルミナ、溶融アルミナ、コランダム、人造コランダム、炭化珪素、酸化クロム(Cr2O3)、ダイヤモンド、人造ダイヤモンド、ザクロ石、αFe2O3等が使用される。これらの研磨剤はモース硬度が6以上である。具体的な例としては住友化学社製、AKP−10、AKP−15、AKP−20、AKP−30,AKP−50、AKP−1520、AKP−1500、HIT- 50、HIT60A、HIT60G、HIT70、HIT80、HIT82、HIT-100、日本化学工業社製、G5、G7、S−1、酸化クロムK 、上村工業社製UB40B、不二見研磨剤社製WA8000、WA10000、LANDS社製LS600F 0/-1/4、東名ダイヤ社製 MD-200、MD-150、MD-100、MD-70、IRM 0-1/4F、IRM 0-1/4FF、GE社製 0-1/10、0-1/4、DuPont社製 マイポレックス 1/10QG、同 1/8QG、戸田工業社製TF100、TF140、TF180などが上げられる。平均粒子径が0.05〜1μmのものが効果的であり、好ましくは0.05〜0.5μmである。
研磨剤を単体で使用するだけでなく、2種類以上の研磨剤を併用することも好適で、微粒子ダイヤモンドの場合は他の研磨剤と併用することで、磁性粉末に対する添加量を0.1%程度に減少することができる。これら研磨剤の合計量は磁性粉末100質量部に対して1〜20質量部、望ましくは1〜15質量部の範囲で添加される。1質量部より少ないと十分な耐久性が得られず、20質量部より多すぎると表面性、充填度が劣化する。これら研磨剤は、あらかじめ結合剤で分散処理したのち磁性塗料中に添加してもかまわない。
研磨剤を単体で使用するだけでなく、2種類以上の研磨剤を併用することも好適で、微粒子ダイヤモンドの場合は他の研磨剤と併用することで、磁性粉末に対する添加量を0.1%程度に減少することができる。これら研磨剤の合計量は磁性粉末100質量部に対して1〜20質量部、望ましくは1〜15質量部の範囲で添加される。1質量部より少ないと十分な耐久性が得られず、20質量部より多すぎると表面性、充填度が劣化する。これら研磨剤は、あらかじめ結合剤で分散処理したのち磁性塗料中に添加してもかまわない。
本発明の磁気記録媒体の磁性層中には、前記磁性粉末の他に帯電防止剤として導電性粒子を含有することもできる。しかしながら最上層としての磁性層の飽和磁束密度を最大限に増加させるためにはできるだけ最上層への添加は少なくし、最上層以外の塗布層に添加するのが好ましい。帯電防止剤としては特に、カーボンブラックを添加することは、媒体全体の表面電気抵抗を下げる点で好ましい。本発明に使用できるカ−ボンブラックはゴム用ファ−ネス、ゴム用サ−マル、カラ−用ブラック、導電性カーボンブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。比表面積は5〜500m2/g、DBP吸油量は10〜1500ml/100g、粒子径は5〜300nm、PHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/cm3、が好ましい。本発明に用いられるカ−ボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製、BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800,700、VULCAN XC−72、旭カ−ボン社製、#80、#60,#55、#50、#35、三菱化学社製、#3030B、#3040B、#3050B、#3230B、#3350B、#9180B、#2700、#2650、#2600、#2400B、#2300、#950B、#900,#1000,#95、#30,#40、#10B、MA230、MA220、MA77、コロンビアンカ−ボン社製、CONDUCTEX SC、RAVEN 150、50、40,15、ライオンアグゾ社製ケッチェンブラックEC、ケッチェンブラックECDJ−500、ケッチェンブラックECDJ−600などが挙げられる。カ−ボンブラックを分散剤などで表面処理したり、カーボンブラックを酸化処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カ−ボンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。磁性層にカ−ボンブラックを使用する場合は磁性粉末に対する量は0.1〜30質量%で用いることが好ましい。さらに下記の非磁性層には全非磁性粉体に対し3〜20質量%含有させることが好ましい。
一般的にカ−ボンブラックは帯電防止剤としてだけでなく、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカ−ボンブラックにより異なる。従って本発明に使用されるこれらのカ−ボンブラックは、その種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目的に応じて使い分けることはもちろん可能である。使用できるカーボンブラックは例えば「カ−ボンブラック便覧」カ−ボンブラック協会編を参考にすることができる。
本発明の磁気記録媒体には、磁性層の下層に非磁性層を形成することもできる。その場合の非磁性層は、非磁性粉末を結合剤樹脂中に分散した層である。その非磁性層に使用される非磁性粉末には、種々のものが使用できる。例えば、α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、ベーマイト、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、ゲ−タイト、コランダム、窒化珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどが単独または組合せで使用される。微細で粒度がそろっているものとして、α−酸化鉄、ゲ−タイト、酸化チタン、酸化亜鉛、ベーマイトが好適である。これら非磁性粉末の粒子サイズは0.01〜1μが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。使用する結合剤樹脂との相互作用を大きくし分散性を改良するために、使用する非磁性粉末が表面処理されていてもよい。表面処理物としては、シリカ、アルミナ、ジルコニア、シリカ−アルミナなどの無機物により処理でも、カップリング剤による処理でもよい。タップ密度は0.3〜2g/cm3、含水率は0.1〜5質量%、pHは2〜11、比表面積は5〜150m2/g、が好ましい。前記非磁性粉末の形状は針状、球状、サイコロ状、板状のいずれでも良い。本発明により得られる磁気記録媒体の下層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100、HIT−80、戸田工業製α−酸化鉄DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPN−550RX、DBN−450BX、DBN−650RX、DAN−850RX、石原産業製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、チタン工業製酸化チタンSTT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、テイカ製酸化チタンMT−100SMT−100T、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−100F、MT−500HD、堺化学製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業製酸化鉄DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM、TiO2 P25、宇部興産製100A、500A、及びそれを焼成したものが挙げられる。
非磁性支持体上に2層以上の塗布層を形成させることも高記録密度の磁気記録媒体を製造するうえで有効であり、同時塗布方式は超薄層の磁性層を作り出すことができるので生産効率が優れている。その同時塗布方式としてウェット・オン・ウェット方式の具体的な方法としては、
(1)磁性塗料で一般的に用いられるグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、 エクストルージョン塗布装置によりまず下層を塗布し、その層がまだ湿潤状態にあるうちに、例えば、特公平1−46186号公報、特開昭60−238179合公報及び特開平2−265672号公報に開示されている非磁性支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により上層を塗布する方法、
(2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17971号公報及び特開平 2−265672号公報に開示されているような塗布液通液スリットを二つ内蔵した塗布ヘッドにより、下層の塗布液及び上層の塗布液をほぼ同時に塗布する方法、
(3)特開平2−174965号公報に開示されているバックアップロール付きエ クストルージョン塗布装置により、上層及び下層をほぼ同時に塗布する方法、
等が挙げられる。
等が挙げられる。
ウェット・オン・ウェット方式で塗布する場合、磁性層用塗布液と非磁性層用塗布液の流動特性はできるだけ近い方が、塗布された磁性層と非磁性層の界面の乱れがなく厚さが均一な厚み変動の少ない磁性層を得ることができる。塗布液の流動特性は、塗布液中の粉末粒子と結合剤樹脂の組み合わせに強く依存するので、特に、非磁性層に使用する非磁性粉末の選択に留意する必要がある。また、非磁性層を形成した後、該非磁性層上に磁性層を形成してもよい。この方法は界面の乱れをさらに小さくすることができるので、薄層の磁性層を形成するとき好ましい方法である。
本発明の磁気記録媒体の非磁性支持体は、通常、3〜100μm、テ−プ状で使用する時は望ましくは2〜15μm、フレキシブルディスクとして使用する場合は20〜80μmが好ましく、非磁性支持体状に設ける非磁性層は、0.5〜3.0μm、好ましくは0.5〜2.5μmである。また、前記磁性層及び前記非磁性層以外の他の層を目的に応じて形成することは、前記磁性層を最上層にして、前記非磁性層をその下層にする構成である限り許される。例えば、非磁性支持体と下層の間に密着性向上のための下塗り層を設けてもかまわない。この厚みは0.01〜0.7μm、好ましくは0.05〜0.5μmである。また、非磁性支持体性の磁性層側と反対側にバックコ−ト層を設けてもかまわない。この厚みは0.1〜1.0μm、好ましくは0.2〜0.8μmである。これらの中間層、バックコ−ト層は公知のものが使用できる。円盤状磁気記録媒体の場合、両面もしくは片面に上記層構成を設けることができる。
磁性層の厚さは、0.01〜0.15μm、さらに好ましくは0.02〜0.10μmである。
磁気テープの場合、抗磁力Hcは、125〜440kA/mが好ましく、130〜350kA/mがさらに好ましく、角型比(SQ)は、0.75〜0.90が好ましく、0.80〜0.90がさらに好ましく、SFDは、0.25〜0.50が好ましく、0.25〜0.47がさらに好ましく、Mr・δ(残留磁化×磁性層厚)は、1.0〜30mT・μmが好ましく、2.0〜25mT・μmがさらに好ましく、中心線平均表面粗さRaは、0.05〜2.5nmが好ましく、0.07〜2.0nmがさらに好ましい。
磁気ディスクの場合、抗磁力Hcは、120〜440kA/mが好ましく、130〜350kA/mがさらに好ましく、角型比(SQ)は、0.50〜0.60が好ましく、0.51〜0.58がさらに好ましく、SFDは、0.25〜0.70が好ましく、0.25〜0.60がさらに好ましく、Mr・δ(残留磁化×磁性層厚)は、1.0〜30mT・μmが好ましく、2.0〜25mT・μmがさらに好ましく、中心線平均表面粗さRaは、0.05〜2.5nmが好ましく、0.07〜2.0nmがさらに好ましい。
磁性層の厚さは、0.01〜0.15μm、さらに好ましくは0.02〜0.10μmである。
磁気テープの場合、抗磁力Hcは、125〜440kA/mが好ましく、130〜350kA/mがさらに好ましく、角型比(SQ)は、0.75〜0.90が好ましく、0.80〜0.90がさらに好ましく、SFDは、0.25〜0.50が好ましく、0.25〜0.47がさらに好ましく、Mr・δ(残留磁化×磁性層厚)は、1.0〜30mT・μmが好ましく、2.0〜25mT・μmがさらに好ましく、中心線平均表面粗さRaは、0.05〜2.5nmが好ましく、0.07〜2.0nmがさらに好ましい。
磁気ディスクの場合、抗磁力Hcは、120〜440kA/mが好ましく、130〜350kA/mがさらに好ましく、角型比(SQ)は、0.50〜0.60が好ましく、0.51〜0.58がさらに好ましく、SFDは、0.25〜0.70が好ましく、0.25〜0.60がさらに好ましく、Mr・δ(残留磁化×磁性層厚)は、1.0〜30mT・μmが好ましく、2.0〜25mT・μmがさらに好ましく、中心線平均表面粗さRaは、0.05〜2.5nmが好ましく、0.07〜2.0nmがさらに好ましい。
本発明で使用される非磁性支持体には特に制限はなく、通常使用されているものを用いることができる。非磁性支持体を形成する素材の例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン等の各種合成樹脂のフィルム、およびアルミニウム箔、ステンレス箔などの金属箔を挙げることができる。
本発明の目的を有効に達成するには、非磁性支持体の表面粗さは、中心線平均表面粗さRa(カットオフ値0.25mm)で0.03μm以下、望ましく0.02μm以下、さらに望ましく0.01μm以下である。また、これらの非磁性支持体は単に前記中心線平均表面粗さが小さいだけではなく、1μm以上の粗大突起がないことが好ましい。また表面の粗さ形状は必要に応じて非磁性支持体に添加されるフィラ−の大きさと量により自由にコントロ−ルされるものである。これらのフィラ−の一例としては、Ca,Al、Si、Tiなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機樹脂微粉末があげられる。本発明に用いられる非磁性支持体のウエブ走行方向のF−5値は好ましくは5〜50kg/mm2(49〜490MPa)、ウエブ幅方向のF−5値は好ましくは3〜30kg/mm2(29.4〜294MPa)であり、ウエブ長手方向のF−5値がウエブ幅方向のF−5値より高いのが一般的であるが、特に幅方向の強度を高くする必要があるときはその限りでない。
また、支持体のウエブ走行方向および幅方向の100℃30分での熱収縮率は好ましくは3%以下、さらに望ましくは1.5%以下、80℃30分での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに望ましくは0.5%以下である。破断強度は両方向とも5〜100kg/mm2(49〜980MPa)、弾性率は100〜2000kg/mm2(0.98〜19.6GPa)が望ましい。
本発明で用いられる有機溶媒は任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノ−ル、エタノ−ル、プロパノ−ル、ブタノ−ル、イソブチルアルコ−ル、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノール、などのアルコ−ル類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコ−ル等のエステル類、グリコ−ルジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、などのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン、等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが使用できる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は必要ならば磁性層と中間層でその種類、量を変えてもかまわない。第一層に揮発性の高い溶媒をもちい表面性を向上させる、第一層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性をあげる、第二層の溶解性パラメ−タの高い溶媒を用い充填度を上げるなどがその例としてあげられるがこれらの例に限られたものではないことは無論である。
本発明の磁気記録媒体は、前記磁性粉末と結合剤樹脂、及び必要ならば他の添加剤と共に有機溶媒を用いて混練分散し、磁性塗料を非磁性支持体上に塗布し、必要に応じて配向、乾燥して得られる。
本発明の磁気記録媒体の磁性塗料を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていてもかまわない。本発明に使用する磁性体、結合剤、カ−ボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。
磁性塗料の混練分散に当たっては各種の混練機が使用される。例えば、二本ロールミル、三本ロールミル、ボールミル、ペブルミル、トロンミル、サンドグラインダー、ゼグバリ(Szegvari)、アトライター、高速インペラー分散機、高速ストーンミル、高速衝撃ミル、ディスパー、ニーダ、高速ミキサー、ホモジナイザー、超音波分散機などを用いることができる。
本発明の目的を達成するためには、これまでに公知である製造技術を一部の工程として用いることができることはもちろんであるが、混練工程では連続ニ−ダや加圧ニ−ダなど強い混練力をもつものを使用するのがよい。これにより高いBrを得ることができる。連続ニ−ダまたは加圧ニ−ダを用いる場合は磁性粉末と結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結合剤の30%以上が好ましい)が、磁性粉末100質量部に対し15〜500質量部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開昭64−79274号公報に記載されている。本発明では、特開昭62−212933号公報に示されるような同時重層塗布方式を用いることによりより効率的に生産することが出来る。
本発明の磁気記録媒体の磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m2以下、さらに好ましくは10mg/m2以下であり、磁性層に含まれる残留溶媒が非磁性層に含まれる残留溶媒より少ないほうが好ましい。
磁性層が有する空隙率は下層、最上層とも好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは10容量%以下である。非磁性層の空隙率が磁性層の空隙率より大きいほうが好ましいが非磁性層の空隙率が5容量%以上であれば小さくてもかまわない。
本発明の磁気記録媒体は下層と最上層を有することができるが、目的に応じ下層と最上層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易に推定されることである。例えば、最上層の弾性率を高くし走行耐久性を向上させると同時に下層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りを良くするなどである。
このような方法により、支持体上に塗布された磁性層は必要により層中の磁性粉末を配向させる処理を施したのち、形成した磁性層を乾燥する。又必要により表面平滑化加工を施したり、所望の形状に裁断したりして、本発明の磁気記録媒体を製造する。以上の最上層用の組成物および下層用の組成物を溶剤と共に分散して、得られた塗布液を非磁性支持体上に塗布し、配向乾燥して、磁気記録媒体をえる。
磁性層の0.5%伸びでの弾性率はウエブ塗布方向、幅方向 とも望ましくは 100〜2000kg/mm2(0.98〜19.6GPa)、破断強度は望ましくは1〜30kg/mm2(9.8〜294MPa)、磁気記録媒体の弾性率はウエブ塗布方向、幅方向とも望ましくは 100〜1500kg/mm2(0.98〜14.7GPa)、残留伸びは望ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は望ましくは1%以下、さらに望ましくは0.5%以下、もっとも望ましくは0.1%以下である。
本発明の磁気記録媒体は、ビデオ用途、データ記録用途などのテープであってもデータ記録用途のフレキシブルディスクや磁気ディスクであってもよいが、ドロップ・アウトの発生による信号の欠落が致命的となるデジタル記録用途の媒体に対しては特に有効である。更に、下層を非磁性層とし、最上層の厚さを0.3μm以下とすることにより、電磁変換特性が高い、オーバーライト特性が優れた、高密度で大容量の磁気記録媒体を得ることができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例によって制限されるものではない。
<磁性粉末の製造例>
アルカリ土類金属水酸化物層で被覆された希土類元素含有遷移金属水酸化物粒子の製造例1
高純度N2ガス中で、次の操作を行った。アンモニア0.028モルを純水160mlに溶解したアルカリ水溶液に、エーロゾルOT 108gとデカン800mlとオレイルアミン20mlとを混合したアルカン溶液を添加、混合して逆ミセル溶液(I)を調製した。
アルカリ土類金属水酸化物層で被覆された希土類元素含有遷移金属水酸化物粒子の製造例1
高純度N2ガス中で、次の操作を行った。アンモニア0.028モルを純水160mlに溶解したアルカリ水溶液に、エーロゾルOT 108gとデカン800mlとオレイルアミン20mlとを混合したアルカン溶液を添加、混合して逆ミセル溶液(I)を調製した。
0.01モルの硝酸第1鉄(Fe(NO3)2・9H2O)、0.00118モルの硝酸サマリウム(Sm(NO3)3・6H2O)を純水120mlに溶解した金属塩水溶液に、エーロゾルOT 54gとデカン400mlとを混合したアルカン溶液を添加、混合して逆ミセル溶液(II)を調製した。
逆ミセル溶液(I)を22℃でオムニミキサー(ヤマト科学製)で高速攪拌しながら、逆ミセル溶液(II)を3分間かけて添加した。マグネチックスターラーで攪拌しながら8分後、50℃に昇温して30分間熟成した。室温まで冷却し、冷却後大気中に取出した。逆ミセルを破壊するために、水500mlとメタノール500mlとの混合溶液を添加して水相と油相とに分離した。油相側に希土類元素含有遷移金属水酸化物粒子が分散した状態が得られた。油相側を水600mlとメタノール200mlとの混合溶液で5回洗浄した。
その後、メタノールを2000ml添加して該粒子にフロキュレーションを起こさせて沈降させた。上澄み液を除去して、ヘプタン100mlを添加して再分散した。
さらに、メタノール1000ml添加による沈降とヘプタン100ml分散との沈降分散を2回繰り返し、メタノールを添加して粒子を沈降させた。上澄みを除去し、次に水1000mlを添加し分散、沈降、上澄み除去を2回繰り返した。
さらに、メタノール1000ml添加による沈降とヘプタン100ml分散との沈降分散を2回繰り返し、メタノールを添加して粒子を沈降させた。上澄みを除去し、次に水1000mlを添加し分散、沈降、上澄み除去を2回繰り返した。
得られた希土類元素含有遷移金属水酸化物粒子(出発物)について、組成の分析を行った。組成は、反応して得られた粒子を塩酸で溶解し、ICP(誘導結合高周波プラズマ発光分析法)で測定し算出した。実験誤差内で添加した遷移金属、希土類元素が含有されていた。
得られた粒子を純水中に再分散し、0.1モルのCaCl2・6H2Oを純水に溶解したものを添加し、ついでNH4OHで中和し、粒子表面にCa(OH)2を形成した。沈殿物をろ過・水洗し、次いで120℃で乾燥した。乾燥物を乾式粉砕した。
アルカリ土類金属水酸化物層で被覆された希土類元素含有遷移金属水酸化物粒子の製造例2
高純度N2ガス中で、次の操作を行った。アンモニア0.029モルを純水160mlに溶解したアルカリ水溶液に、エーロゾルOT 108gとデカン800mlとオレイルアミン20mlとを混合したアルカン溶液を添加、混合して逆ミセル溶液(I)を調製した。
高純度N2ガス中で、次の操作を行った。アンモニア0.029モルを純水160mlに溶解したアルカリ水溶液に、エーロゾルOT 108gとデカン800mlとオレイルアミン20mlとを混合したアルカン溶液を添加、混合して逆ミセル溶液(I)を調製した。
0.003モルの硝酸第1鉄(Fe(NO3)2・9H2O)、0.006モルの硝酸第2鉄(Fe(NO3)3・9H2O)、0.00106モルの硝酸サマリウム(Sm(NO3)3・6H2O)を純水120mlに溶解した金属塩水溶液に、エーロゾルOT 54gとデカン400mlとを混合したアルカン溶液を添加、混合して逆ミセル溶液(II)を調製した。
逆ミセル溶液(I)を25℃でオムニミキサー(ヤマト科学製)で高速攪拌しながら、逆ミセル溶液(II)を2分間かけて添加した。マグネチックスターラーで攪拌しながら8分後、60℃に昇温して150分間熟成した。室温まで冷却し、冷却後大気中に取出した。逆ミセルを破壊するために、水500mlとメタノール500mlとの混合溶液を添加して水相と油相とに分離した。油相側に反応物が分散した状態が得られた。油相側を水600mlとメタノール200mlとの混合溶液で5回洗浄した。
その後、メタノールを2000ml添加して得られた反応物にフロキュレーションを起こさせて沈降させた。上澄み液を除去して、ヘプタン100mlを添加して再分散した。
さらに、メタノール1000ml添加による沈降とヘプタン100ml分散との沈降分散を2回繰り返し、メタノールを添加して反応物粒子を沈降させた。上澄みを除去し、次に水1000mlを添加し分散、沈降、上澄み除去を2回繰り返した。
さらに、メタノール1000ml添加による沈降とヘプタン100ml分散との沈降分散を2回繰り返し、メタノールを添加して反応物粒子を沈降させた。上澄みを除去し、次に水1000mlを添加し分散、沈降、上澄み除去を2回繰り返した。
得られた反応物粒子について、組成の分析を行った。組成は、反応して得られた反応物を塩酸で溶解し、ICP(誘導結合高周波プラズマ発光分析法)で測定し算出した。実験誤差内で添加した遷移金属、希土類元素が含有されていた。
得られた反応物粒子を純水中に再分散し、0.1モルのCaCl2・6H2Oを純水に溶解したものを添加し、ついでNH4OHで中和し、粒子表面にCa(OH)2を形成した。沈殿物をろ過・水洗し、次いで120℃で乾燥した。乾燥物を乾式粉砕した。
アルカリ土類金属水酸化物層で被覆された希土類元素含有遷移金属酸化物粒子の製造例3
高純度N2ガス中で、次の操作を行った。硝酸アンモニウム0.075モルを純水160mlに溶解した酸化剤水溶液に、エーロゾルOT 108gとデカン800mlとオレイルアミン20mlとを混合したアルカン溶液を添加、混合して逆ミセル溶液(I)を調製した。
高純度N2ガス中で、次の操作を行った。硝酸アンモニウム0.075モルを純水160mlに溶解した酸化剤水溶液に、エーロゾルOT 108gとデカン800mlとオレイルアミン20mlとを混合したアルカン溶液を添加、混合して逆ミセル溶液(I)を調製した。
0.01モルの硝酸第1鉄(Fe(NO3)2・9H2O)、0.00118モルの硝酸サマリウム(Sm(NO3)3・6H2O)、尿素0.1モルを純水120mlに溶解した金属塩水溶液に、エーロゾルOT 54gとデカン400mlとを混合したアルカン溶液を添加、混合して逆ミセル溶液(II)を調製した。逆ミセル溶液(II)を95℃に加熱し30分保持したあと室温に冷却した。
逆ミセル溶液(I)を25℃でオムニミキサー(ヤマト科学製)で高速攪拌しながら、逆ミセル溶液(II)を3分間かけて添加した。マグネチックスターラーで攪拌しながら8分後、70℃に昇温して150分間熟成した。室温まで冷却し、冷却後大気中に取出した。逆ミセルを破壊するために、水500mlとメタノール500mlとの混合溶液を添加して水相と油相とに分離した。油相側に希土類元素含有遷移金属酸化物粒子が分散した状態が得られた。油相側を水600mlとメタノール200mlとの混合溶液で5回洗浄した。
その後、メタノールを2000ml添加して該粒子にフロキュレーションを起こさせて沈降させた。上澄み液を除去して、ヘプタン100mlを添加して再分散した。
さらに、メタノール1000ml添加による沈降とヘプタン100ml分散との沈降分散を2回繰り返し、メタノールを添加して粒子を沈降させた。上澄みを除去し、次に水1000mlを添加し分散、沈降、上澄み除去を2回繰り返した。
さらに、メタノール1000ml添加による沈降とヘプタン100ml分散との沈降分散を2回繰り返し、メタノールを添加して粒子を沈降させた。上澄みを除去し、次に水1000mlを添加し分散、沈降、上澄み除去を2回繰り返した。
得られた希土類元素含有遷移金属酸化物粒子について、組成の分析を行った。組成は、反応して得られた粒子を塩酸で溶解し、ICP(誘導結合高周波プラズマ発光分析法)で測定し算出した。実験誤差内で添加した遷移金属、希土類元素が含有されていた。
得られた粒子を純水中に再分散し、0.1モルのCaCl2・6H2Oを純水に溶解したものを添加し、ついでNH4OHで中和し、粒子表面にCa(OH)2を形成した。沈殿物をろ過・水洗し、次いで120℃で乾燥した。乾燥物を乾式粉砕した。
気相還元、徐酸化、拡散還元反応および窒化処理
前記各製造例で得られた粉体(100バッチ反応を繰り返し得られた粉体の全量)を円筒式の電気炉にいれ、円筒を回転しつつ空気中で600℃で1時間加熱し、表面のCa(OH)2をCaOに変化させた。ついで窒素雰囲気とし、温度を480℃とし、水素に切り替え480℃で6時間反応させ、遷移金属を還元した。還元で生成した水は被覆しているCaOにも吸収され、均一に還元反応が進行した。雰囲気を窒素とし、50℃まで冷却し、次いで空気を混合して酸素濃度を0.15vol%とし徐酸化を開始し、5.0vol%まで徐々に増加させた.このとき品温が90℃を超えないように表面酸化処理を行い、5.0vol%で80℃で2時間保持し,粒子表面に表面酸化層を形成した。
上記で得られた徐酸化後の粉体8gに、粒径約4mm以下の粒状金属Ca 1.5gを混合し、鋼製のトレーにいれ不活性ガス雰囲気炉にセットした。炉内を真空排気した後、窒素気流中で600℃にて30分加熱し、雰囲気をアルゴンとしアルゴン気流中で1000℃で30分保持した後、室温まで冷却したあと、温度を525℃とし、一度真空排気し窒素気流中で4時間保持し窒化反応した後、室温まで冷却した。
前記各製造例で得られた粉体(100バッチ反応を繰り返し得られた粉体の全量)を円筒式の電気炉にいれ、円筒を回転しつつ空気中で600℃で1時間加熱し、表面のCa(OH)2をCaOに変化させた。ついで窒素雰囲気とし、温度を480℃とし、水素に切り替え480℃で6時間反応させ、遷移金属を還元した。還元で生成した水は被覆しているCaOにも吸収され、均一に還元反応が進行した。雰囲気を窒素とし、50℃まで冷却し、次いで空気を混合して酸素濃度を0.15vol%とし徐酸化を開始し、5.0vol%まで徐々に増加させた.このとき品温が90℃を超えないように表面酸化処理を行い、5.0vol%で80℃で2時間保持し,粒子表面に表面酸化層を形成した。
上記で得られた徐酸化後の粉体8gに、粒径約4mm以下の粒状金属Ca 1.5gを混合し、鋼製のトレーにいれ不活性ガス雰囲気炉にセットした。炉内を真空排気した後、窒素気流中で600℃にて30分加熱し、雰囲気をアルゴンとしアルゴン気流中で1000℃で30分保持した後、室温まで冷却したあと、温度を525℃とし、一度真空排気し窒素気流中で4時間保持し窒化反応した後、室温まで冷却した。
上記で得られた徐酸化後の粉体8gに、粒径約4mm以下の粒状金属Ca 1.5gを混合し、鋼製のトレーにいれ不活性ガス雰囲気炉にセットした。炉内を真空排気した後、窒素気流中で600℃にて30分加熱し、雰囲気をアルゴンとしアルゴン気流中で1000℃で30分保持した後、室温まで冷却した。
回収処理
前記で得られた反応生成物を純水中に入れ、CaOおよび金属カルシウムをCa(OH)2懸濁液として粉体から分離した。得られたスラリーを攪拌、デカンテーションにより、アルカリ土類金属等の水酸化物を除去した。本操作を5回繰り返し、3質量%の酢酸溶液中で洗浄し、残留するCa(OH)2を除去した。純水で洗浄を2回行ったあと、真空乾燥し磁性粉末を回収した。
前記で得られた反応生成物を純水中に入れ、CaOおよび金属カルシウムをCa(OH)2懸濁液として粉体から分離した。得られたスラリーを攪拌、デカンテーションにより、アルカリ土類金属等の水酸化物を除去した。本操作を5回繰り返し、3質量%の酢酸溶液中で洗浄し、残留するCa(OH)2を除去した。純水で洗浄を2回行ったあと、真空乾燥し磁性粉末を回収した。
前記で得られた磁性粉末の形状、平均粒子サイズ、変動係数、Hc、σsを表1に示す。なお、得られた粉体の磁気特性は、振動試料型磁力計(東英工業製)を使用し、外部磁界796kA/mで測定した。
また、粉体の平均粒子サイズおよび分布は、高分解能透過型電子顕微鏡写真をとり、500個計測し、統計処理を行い、平均粒子サイズは体積平均で求めた。粒子形態は、粒状であるが、この粒状とは平均軸比(平均針状比)が1.0〜1.5程度であることを示す。
また、粉体の平均粒子サイズおよび分布は、高分解能透過型電子顕微鏡写真をとり、500個計測し、統計処理を行い、平均粒子サイズは体積平均で求めた。粒子形態は、粒状であるが、この粒状とは平均軸比(平均針状比)が1.0〜1.5程度であることを示す。
製造例4〜6
製造例1〜3で得られた粒子に気相還元・徐酸化、還元拡散処理および回収処理を上記と同様に実施した。ただし、窒化処理は行わなかった。得られた磁性粉の特性を表1に示す。
製造例1〜3で得られた粒子に気相還元・徐酸化、還元拡散処理および回収処理を上記と同様に実施した。ただし、窒化処理は行わなかった。得られた磁性粉の特性を表1に示す。
製造例7(比較例)
高純度N2ガス中で、次の操作を行った。アンモニア0.028モルを純水160mlに溶解したアルカリ水溶液を作成し、22℃としてオムニミキサー(ヤマト科学製)で高速攪拌しながら、0.01モルの硝酸第1鉄(Fe(NO3)2・9H2O)、0.00118モルの硝酸サマリウム(Sm(NO3)3・6H2O)とを純水120mlに溶解した金属塩水溶液を3分かけて添加した。マグネチックスターラーで攪拌しながら8分後、50℃に昇温して30分間熟成した。室温まで冷却し、冷却後大気中に取出した。純水を使用しデカンテーションを3回行い不純物を除去した。得られた共沈物を塩酸で溶解し,ICP(誘導結合高周波プラズマ発光分析法)で組成分析を行った。組成は、実験誤差内で添加した遷移金属、希土類元素が含有されていた。得られた合金粒子を純水中に再分散し、0.1モルのCaCl2・6H2Oを純水に溶解したものを添加し、ついでNH4OHで中和し、Sm化合物含有鉄微粒子表面にCa(OH)2を形成した。沈殿物をろ過・水洗し、次いで120℃で乾燥した。乾燥物を乾式粉砕した。
気相還元・徐酸化、還元拡散処理、窒化処理、回収処理を上記と同様に実施した。得られた磁性粉の特性を表1に示す。表1に示すように粒子サイズが大きく、粒子サイズの変動係数が大きく、磁気記録媒体用磁性粉末としては使用するのは好ましくない。
高純度N2ガス中で、次の操作を行った。アンモニア0.028モルを純水160mlに溶解したアルカリ水溶液を作成し、22℃としてオムニミキサー(ヤマト科学製)で高速攪拌しながら、0.01モルの硝酸第1鉄(Fe(NO3)2・9H2O)、0.00118モルの硝酸サマリウム(Sm(NO3)3・6H2O)とを純水120mlに溶解した金属塩水溶液を3分かけて添加した。マグネチックスターラーで攪拌しながら8分後、50℃に昇温して30分間熟成した。室温まで冷却し、冷却後大気中に取出した。純水を使用しデカンテーションを3回行い不純物を除去した。得られた共沈物を塩酸で溶解し,ICP(誘導結合高周波プラズマ発光分析法)で組成分析を行った。組成は、実験誤差内で添加した遷移金属、希土類元素が含有されていた。得られた合金粒子を純水中に再分散し、0.1モルのCaCl2・6H2Oを純水に溶解したものを添加し、ついでNH4OHで中和し、Sm化合物含有鉄微粒子表面にCa(OH)2を形成した。沈殿物をろ過・水洗し、次いで120℃で乾燥した。乾燥物を乾式粉砕した。
気相還元・徐酸化、還元拡散処理、窒化処理、回収処理を上記と同様に実施した。得られた磁性粉の特性を表1に示す。表1に示すように粒子サイズが大きく、粒子サイズの変動係数が大きく、磁気記録媒体用磁性粉末としては使用するのは好ましくない。
製造例8(比較例)
高純度N2ガス中で、次の操作を行った。アンモニア0.029モルを純水160mlに溶解したアルカリ水溶液を作成し、25℃としてオムニミキサー(ヤマト科学製)で高速攪拌しながら、0.003モルの硝酸第1鉄(Fe(NO3)2・9H2O)、0.006モルの硝酸第2鉄(Fe(NO3)3・9H2O)、0.00106モルの硝酸サマリウム(Sm(NO3)3・6H2O)を純水120mlに溶解した金属塩水溶液を2分かけて添加した。マグネチックスターラーで攪拌しながら8分後、60℃に昇温して150分間熟成した。室温まで冷却し、冷却後大気中に取出した。純水を使用しデカンテーションを3回行い不純物を除去した。得られた共沈物を塩酸で溶解し、ICP(誘導結合高周波プラズマ発光分析法)で組成分析を行った。組成は、実験誤差内で添加した遷移金属、希土類元素が含有されていた。得られた合金粒子を純水中に再分散し、0.1モルのCaCl2・6H2Oを純水に溶解したものを添加し、ついでNH4OHで中和し、Sm化合物含有鉄微粒子表面にCa(OH)2を形成した。沈殿物をろ過・水洗し、次いで120℃で乾燥した。乾燥物を乾式粉砕した。
気相還元・徐酸化、還元拡散処理、窒化処理、回収処理を上記と同様に実施した。得られた磁性粉の特性を表1に示す。表1に示すように粒子サイズが大きく、粒子サイズの変動係数が大きく、磁気記録媒体用磁性粉末としては使用するのは好ましくない。
高純度N2ガス中で、次の操作を行った。アンモニア0.029モルを純水160mlに溶解したアルカリ水溶液を作成し、25℃としてオムニミキサー(ヤマト科学製)で高速攪拌しながら、0.003モルの硝酸第1鉄(Fe(NO3)2・9H2O)、0.006モルの硝酸第2鉄(Fe(NO3)3・9H2O)、0.00106モルの硝酸サマリウム(Sm(NO3)3・6H2O)を純水120mlに溶解した金属塩水溶液を2分かけて添加した。マグネチックスターラーで攪拌しながら8分後、60℃に昇温して150分間熟成した。室温まで冷却し、冷却後大気中に取出した。純水を使用しデカンテーションを3回行い不純物を除去した。得られた共沈物を塩酸で溶解し、ICP(誘導結合高周波プラズマ発光分析法)で組成分析を行った。組成は、実験誤差内で添加した遷移金属、希土類元素が含有されていた。得られた合金粒子を純水中に再分散し、0.1モルのCaCl2・6H2Oを純水に溶解したものを添加し、ついでNH4OHで中和し、Sm化合物含有鉄微粒子表面にCa(OH)2を形成した。沈殿物をろ過・水洗し、次いで120℃で乾燥した。乾燥物を乾式粉砕した。
気相還元・徐酸化、還元拡散処理、窒化処理、回収処理を上記と同様に実施した。得られた磁性粉の特性を表1に示す。表1に示すように粒子サイズが大きく、粒子サイズの変動係数が大きく、磁気記録媒体用磁性粉末としては使用するのは好ましくない。
製造例9(比較例)
高純度N2ガス中で、次の操作を行った。0.01モルの硝酸第1鉄(Fe(NO3)2・9H2O)、0.00118モルの硝酸サマリウム(Sm(NO3)3・6H2O)、尿素0.1モルとを純水120mlに溶解した金属塩水溶液を95℃に加熱し30分保持したあと室温に冷却した。
硝酸アンモニウム0.075モルを純水160mlに溶解した水溶液を作成し、25℃としてオムニミキサー(ヤマト科学製)で高速攪拌しながら、上記の反応液を3分かけて添加した。マグネチックスターラーで攪拌しながら8分後、70℃に昇温して150分間熟成した。室温まで冷却し、冷却後大気中に取出した。純水を使用しデカンテーションを3回行い不純物を除去した。得られた共沈物を塩酸で溶解し、ICP(誘導結合高周波プラズマ発光分析法)で組成分析を行った。組成は、実験誤差内で添加した遷移金属、希土類元素が含有されていた。得られた合金粒子を純水中に再分散し、0.1モルのCaCl2・6H2Oを純水に溶解したものを添加し、ついでNH4OHで中和し、Sm化合物含有酸化鉄微粒子表面にCa(OH)2を形成した。沈殿物をろ過・水洗し、次いで120℃で乾燥した。乾燥物を乾式粉砕した。
気相還元・徐酸化、還元拡散処理、窒化処理、回収処理を上記と同様に実施した。得られた磁性粉の特性を表1に示す。表1に示すように粒子サイズが大きく、粒子サイズの変動係数が大きく、磁気記録媒体用磁性粉末としては使用するのは好ましくない。
高純度N2ガス中で、次の操作を行った。0.01モルの硝酸第1鉄(Fe(NO3)2・9H2O)、0.00118モルの硝酸サマリウム(Sm(NO3)3・6H2O)、尿素0.1モルとを純水120mlに溶解した金属塩水溶液を95℃に加熱し30分保持したあと室温に冷却した。
硝酸アンモニウム0.075モルを純水160mlに溶解した水溶液を作成し、25℃としてオムニミキサー(ヤマト科学製)で高速攪拌しながら、上記の反応液を3分かけて添加した。マグネチックスターラーで攪拌しながら8分後、70℃に昇温して150分間熟成した。室温まで冷却し、冷却後大気中に取出した。純水を使用しデカンテーションを3回行い不純物を除去した。得られた共沈物を塩酸で溶解し、ICP(誘導結合高周波プラズマ発光分析法)で組成分析を行った。組成は、実験誤差内で添加した遷移金属、希土類元素が含有されていた。得られた合金粒子を純水中に再分散し、0.1モルのCaCl2・6H2Oを純水に溶解したものを添加し、ついでNH4OHで中和し、Sm化合物含有酸化鉄微粒子表面にCa(OH)2を形成した。沈殿物をろ過・水洗し、次いで120℃で乾燥した。乾燥物を乾式粉砕した。
気相還元・徐酸化、還元拡散処理、窒化処理、回収処理を上記と同様に実施した。得られた磁性粉の特性を表1に示す。表1に示すように粒子サイズが大きく、粒子サイズの変動係数が大きく、磁気記録媒体用磁性粉末としては使用するのは好ましくない。
<塗料の作製>
下記例中、「部」との表示は「重量部」を示す。
磁性液処方 1
磁性粉末(表2に示す) 100部
結合剤樹脂
塩化ビニル共重合体 14部
(−SO3K基を1×10-4eq/g含有、重合度 300)
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1、−SO3Na基:1×10-4eq/g含有)
α−アルミナ(平均粒子径:0.10μm) 2部
カ−ボンブラック(平均粒子径:30nm) 5部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 2部
メチルエチルケトン 125部
シクロヘキサノン 125部
下記例中、「部」との表示は「重量部」を示す。
磁性液処方 1
磁性粉末(表2に示す) 100部
結合剤樹脂
塩化ビニル共重合体 14部
(−SO3K基を1×10-4eq/g含有、重合度 300)
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1、−SO3Na基:1×10-4eq/g含有)
α−アルミナ(平均粒子径:0.10μm) 2部
カ−ボンブラック(平均粒子径:30nm) 5部
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 2部
メチルエチルケトン 125部
シクロヘキサノン 125部
磁性液処方 2
磁性粉末(表3に示す) 100部
結合剤樹脂
塩化ビニル共重合体 15部
(−SO3K基を1×10-4eq/g含有、重合度 300)
ポリエステルポリウレタン樹脂 6部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1、−SO3Na基:1×10-4eq/g含有)
α−アルミナ(平均粒子径:0.10μm) 2部
カ−ボンブラック(平均粒子径:30nm) 5部
ブチルステアレート 10部
ブトキシエチルステアレート 5部
イソヘキサデシルステアレート 2部
ステアリン酸 3部
メチルエチルケトン 125部
シクロヘキサノン 125部
磁性粉末(表3に示す) 100部
結合剤樹脂
塩化ビニル共重合体 15部
(−SO3K基を1×10-4eq/g含有、重合度 300)
ポリエステルポリウレタン樹脂 6部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1、−SO3Na基:1×10-4eq/g含有)
α−アルミナ(平均粒子径:0.10μm) 2部
カ−ボンブラック(平均粒子径:30nm) 5部
ブチルステアレート 10部
ブトキシエチルステアレート 5部
イソヘキサデシルステアレート 2部
ステアリン酸 3部
メチルエチルケトン 125部
シクロヘキサノン 125部
非磁性液処方 1
針状ヘマタイト 80部
(BET法による比表面積:65m2/g、
平均長軸長:0.10μm、平均針状比:7、
pH:8.8、アルミ処理:Al2O3として1質量%)
カーボンブラック 20部
(平均粒子径:17nm、
DBP吸油量:80ml/100g、
BET法による表面積:240m2/g、pH7.5)
結合剤樹脂
塩化ビニル共重合体 13部
(−SO3K基を1×10-4eq/g含有、重合度 300)
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1、−SO3Na基:1×10-4eq/g含有)
フェニルフォスフォン酸 3部
ブチルステアレート 3部
ステアリン酸 3部
メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 280部
針状ヘマタイト 80部
(BET法による比表面積:65m2/g、
平均長軸長:0.10μm、平均針状比:7、
pH:8.8、アルミ処理:Al2O3として1質量%)
カーボンブラック 20部
(平均粒子径:17nm、
DBP吸油量:80ml/100g、
BET法による表面積:240m2/g、pH7.5)
結合剤樹脂
塩化ビニル共重合体 13部
(−SO3K基を1×10-4eq/g含有、重合度 300)
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1、−SO3Na基:1×10-4eq/g含有)
フェニルフォスフォン酸 3部
ブチルステアレート 3部
ステアリン酸 3部
メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 280部
非磁性液処方 2
針状ヘマタイト 80部
(BET法による比表面積:65m2/g、
平均長軸長:0.10μm、平均針状比:7、
pH:8.8、アルミ処理:Al2O3として1質量%)
カーボンブラック 20部
(平均粒子径:17nm、
DBP吸油量:80ml/100g、
BET法による表面積:240m2/g、pH7.5)
結合剤樹脂
塩化ビニル共重合体 15部
(−SO3K基を1×10-4eq/g含有、重合度 300)
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1、−SO3Na基:1×10-4eq/g含有)
フェニルフォスフォン酸 3部
α−アルミナ(平均粒子径:0.15μm) 2部
カ−ボンブラック(平均粒子径:30nm) 5部
ブチルステアレート 10部
ブトキシエチルステアレート 5部
イソヘキサデシルステアレート 2部
ステアリン酸 3部
メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 280部
針状ヘマタイト 80部
(BET法による比表面積:65m2/g、
平均長軸長:0.10μm、平均針状比:7、
pH:8.8、アルミ処理:Al2O3として1質量%)
カーボンブラック 20部
(平均粒子径:17nm、
DBP吸油量:80ml/100g、
BET法による表面積:240m2/g、pH7.5)
結合剤樹脂
塩化ビニル共重合体 15部
(−SO3K基を1×10-4eq/g含有、重合度 300)
ポリエステルポリウレタン樹脂 5部
(ネオペンチルグリコール/カプロラクトンポリオール/MDI
=0.9/2.6/1、−SO3Na基:1×10-4eq/g含有)
フェニルフォスフォン酸 3部
α−アルミナ(平均粒子径:0.15μm) 2部
カ−ボンブラック(平均粒子径:30nm) 5部
ブチルステアレート 10部
ブトキシエチルステアレート 5部
イソヘキサデシルステアレート 2部
ステアリン酸 3部
メチルエチルケトンとシクロヘキサノン1:1混合溶剤 280部
上記の磁性液処方1、2および非磁性液処方1、2のそれぞれについて、磁性粉体もしくは顔料、ポリ塩化ビニル、フェニルフォスフォン酸と処方量の50質量%の各溶剤をニーダーで混練したのち、ポリウレタン樹脂と残りの成分を加えてサンドグラインダーで分散した。得られた分散液にイソシアネートを非磁性液には15部、磁性液には14部を加え、さらにそれぞれにシクロヘキサノン30部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層形成用および磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調製した。
<テープの作成:実施例1〜3および比較例1〜3>
得られた下層非磁性層用の塗布液1(非磁性液処方1に基づく)を厚さ7μmのポリエチレンテレフタレート支持体上に乾燥後の厚さが1.5μmとなるように塗布し、さらにその直後下層非磁性層用塗布層がまだ湿潤状態にあるうちに、磁性液処方1による磁性層の塗布量を制御することで乾燥後の磁性層厚みが0.075μmとなるように湿式同時重層塗布を行い、両層がまだ湿潤状態にあるうちに配向装置を通過させ長手配向した。この時の配向磁石は希土類磁石(表面磁束600mT)を通過させた後ソレノイド磁石(磁束密度1T)中を通過させ、ソレノイド内で配向が戻らない程度まで乾燥しさらに磁性層を乾燥し巻き取った。その後金属ロールより構成される7段カレンダーでロール温度を90℃にしてカレンダー処理を施して、ウェブ状の磁気記録媒体を得、それを6.45mm幅にスリットして6.45mmビデオテープのサンプルを作成した。振動試料型磁力計(東英工業製)を使用し、印加磁界796kA/mで配向方向に平行にサンプルの磁気特性を測定した。比較例1は抗磁力が大きすぎ、SFDが計算できなかった。さらに表面粗さを測定した。表面粗さは、WYKO社(USアリゾナ州)製の光干渉3次元粗さ計「TOPO−3D」を使用し250μm角の試料面積を測定した。測定値の算出にあたっては、傾斜補正、球面補正、円筒補正等の補正をJIS−B0601に従って実施し、中心面平均粗さRaを表面粗さの値とした。
結果を表2に示す。
得られた下層非磁性層用の塗布液1(非磁性液処方1に基づく)を厚さ7μmのポリエチレンテレフタレート支持体上に乾燥後の厚さが1.5μmとなるように塗布し、さらにその直後下層非磁性層用塗布層がまだ湿潤状態にあるうちに、磁性液処方1による磁性層の塗布量を制御することで乾燥後の磁性層厚みが0.075μmとなるように湿式同時重層塗布を行い、両層がまだ湿潤状態にあるうちに配向装置を通過させ長手配向した。この時の配向磁石は希土類磁石(表面磁束600mT)を通過させた後ソレノイド磁石(磁束密度1T)中を通過させ、ソレノイド内で配向が戻らない程度まで乾燥しさらに磁性層を乾燥し巻き取った。その後金属ロールより構成される7段カレンダーでロール温度を90℃にしてカレンダー処理を施して、ウェブ状の磁気記録媒体を得、それを6.45mm幅にスリットして6.45mmビデオテープのサンプルを作成した。振動試料型磁力計(東英工業製)を使用し、印加磁界796kA/mで配向方向に平行にサンプルの磁気特性を測定した。比較例1は抗磁力が大きすぎ、SFDが計算できなかった。さらに表面粗さを測定した。表面粗さは、WYKO社(USアリゾナ州)製の光干渉3次元粗さ計「TOPO−3D」を使用し250μm角の試料面積を測定した。測定値の算出にあたっては、傾斜補正、球面補正、円筒補正等の補正をJIS−B0601に従って実施し、中心面平均粗さRaを表面粗さの値とした。
結果を表2に示す。
<フレキシブルディスクの作成:実施例4〜6および比較例4〜6>
得られた下層非磁性層用処方2の塗布液を厚さ68μmのポリエチレンテレフタレート支持体上に乾燥後の厚さが1.5μmとなるように塗布、乾燥後、磁性液処方2による磁性層用塗布液を用いて磁性層の塗布量を調整させることにより乾燥後の磁性層厚み0.09μmの磁性層を形成し、磁性層がまだ湿潤状態にあるうちに中心磁界強度398kA/mの同極対抗希土類磁石中を通過させ、長手方向に配向した後、周波数50Hzで磁場強度24kA/m、ついで周波数50Hzで12kA/mである2つの磁場強度交流磁場発生装置の中を通過させランダム配向処理を行った。これにより配向度比98%以上を得ることができた。
もう片方の支持体面にも同様に塗布、配向し、乾燥後、7段のカレンダーで温度90℃、線圧300kg/cm(294kN/m)にて処理を行った。3.7吋に打ち抜き、サーモ処理(70℃ 24時間)を行い塗布層の硬化処理を促進させ、研磨テープでバーニッシュ処理をおこない、表面の突起を削る後処理を行った。振動試料型磁力計(東英工業製)を使用し、印加磁界796kA/mで支持体の長手方向に平行にサンプルの磁気特性を測定した。比較例4は抗磁力が大きすぎ、SFDが計算できなかった。さらに表面粗さを測定した。表面粗さは、WYKO社(USアリゾナ州)製の光干渉3次元粗さ計「TOPO−3D」を使用し250μm角の試料面積を測定した。測定値の算出にあたっては、傾斜補正、球面補正、円筒補正等の補正をJIS−B0601に従って実施し、中心面平均粗さRaを表面粗さの値とした。
結果を表3に示す。
得られた下層非磁性層用処方2の塗布液を厚さ68μmのポリエチレンテレフタレート支持体上に乾燥後の厚さが1.5μmとなるように塗布、乾燥後、磁性液処方2による磁性層用塗布液を用いて磁性層の塗布量を調整させることにより乾燥後の磁性層厚み0.09μmの磁性層を形成し、磁性層がまだ湿潤状態にあるうちに中心磁界強度398kA/mの同極対抗希土類磁石中を通過させ、長手方向に配向した後、周波数50Hzで磁場強度24kA/m、ついで周波数50Hzで12kA/mである2つの磁場強度交流磁場発生装置の中を通過させランダム配向処理を行った。これにより配向度比98%以上を得ることができた。
もう片方の支持体面にも同様に塗布、配向し、乾燥後、7段のカレンダーで温度90℃、線圧300kg/cm(294kN/m)にて処理を行った。3.7吋に打ち抜き、サーモ処理(70℃ 24時間)を行い塗布層の硬化処理を促進させ、研磨テープでバーニッシュ処理をおこない、表面の突起を削る後処理を行った。振動試料型磁力計(東英工業製)を使用し、印加磁界796kA/mで支持体の長手方向に平行にサンプルの磁気特性を測定した。比較例4は抗磁力が大きすぎ、SFDが計算できなかった。さらに表面粗さを測定した。表面粗さは、WYKO社(USアリゾナ州)製の光干渉3次元粗さ計「TOPO−3D」を使用し250μm角の試料面積を測定した。測定値の算出にあたっては、傾斜補正、球面補正、円筒補正等の補正をJIS−B0601に従って実施し、中心面平均粗さRaを表面粗さの値とした。
結果を表3に示す。
上記結果から、本発明により製造された微細な磁性粉末を含有する磁性層を有する磁気記録媒体は、表面粗さが小さく、高密度記録特性に優れていることが分かる。
Claims (4)
- 界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒と、アルカリ水溶液またはアルカリ水溶液と酸化剤水溶液とを混合して形成した逆ミセル溶液(I)と、
界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒と、希土類元素含有化合物水溶液と、遷移金属化合物水溶液とを混合して形成した逆ミセル溶液(II)と
を混合し、希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子を形成し、前記希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子の表面を、アルカリ土類金属水酸化物層で被覆し、これを加熱し、気相還元および徐酸化した後、さらに還元拡散法を施すことを特徴とする、平均粒子サイズが5〜15nmである希土類−遷移金属系合金磁性粉末の製造方法。 - 界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒と、アルカリ水溶液またはアルカリ水溶液と酸化剤水溶液とを混合して形成した逆ミセル溶液(I)と、
界面活性剤を含む非水溶性有機溶媒と、希土類元素含有化合物水溶液と、遷移金属化合物水溶液とを混合して形成した逆ミセル溶液(II)と
を混合し、希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子を形成し、前記希土類元素含有遷移金属水酸化物または酸化物粒子の表面を、アルカリ土類金属水酸化物層で被覆し、これを加熱し、気相還元および徐酸化し、還元拡散法を施し、さらに窒化することを特徴とする、平均粒子サイズが5〜15nmである希土類−遷移金属−窒素系磁性粉末の製造方法。 - 非磁性支持体上に磁性粉末および結合剤を含有する磁性層を有する磁気記録媒体において、前記磁性粉末が、請求項1に記載の製造方法により得られた希土類−遷移金属系合金磁性粉末であることを特徴とする磁気記録媒体。
- 非磁性支持体上に磁性粉末および結合剤を含有する磁性層を有する磁気記録媒体において、前記磁性粉末が、請求項2に記載の製造方法により得られた希土類−遷移金属−窒素系磁性粉末であることを特徴とする磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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WO2016009926A1 (ja) * | 2014-07-17 | 2016-01-21 | 国立大学法人東京大学 | 磁性合金粒子が担持された磁性材料及び該磁性材料の製造方法 |
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-
2004
- 2004-06-04 JP JP2004166651A patent/JP2005344177A/ja active Pending
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JPWO2016009926A1 (ja) * | 2014-07-17 | 2017-05-25 | 国立大学法人 東京大学 | 磁性合金粒子が担持された磁性材料及び該磁性材料の製造方法 |
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