JP2005344101A - ゴム組成物およびその用途 - Google Patents

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Masaaki Kawasaki
川崎  雅昭
Toshiyuki Tsutsui
俊之 筒井
Tetsuo Tojo
哲夫 東條
Takashi Shirata
白田  孝
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Abstract

【課題】押出成形性に優れ、加硫速度が速く、しかも加硫後の強度などの機械的特性に優れるゴム組成物およびその用途を提供すること。
【解決手段】(a)エチレンと、(b)炭素数3〜20のα-オレフィンと、(c)メタロセン系触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエンと、(d)当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が1分子内に2個存在する非共役ポリエン
とのランダム共重合体ゴムであって、単位(a)と単位(b)とを90/10〜40/60〔(a)/(b)〕のモル比で含有し、単位(c)を0.1〜10モル%の量で含有し、単位(d)を0.
1〜3モル%の量で含有し、極限粘度[η]が0.1〜10dl/gの範囲にあり、13
−NMRスペクトルにおける強度比D(Tαβ/Tαα)が0.5以下であるエチレン系共重合体ゴムと、補強剤、軟化剤、加硫剤の内の少なくとも1種以上の成分とが含まれている。
【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン系共重合体ゴムおよび該共重合体ゴムが含まれた加硫可能なゴム組成物並びに該ゴムの製造方法に関し、さらに詳しくは押出成形性、耐熱老化性、低温柔軟性に優れ、しかも加硫速度が速く、機械的物性に優れた新規なエチレン系共重合体ゴム、ゴム組成物並びに該ゴムの製造方法に関する。
従来より、エチレン・プロピレン・ポリエン共重合体ゴムは、耐候性、耐オゾン性、耐熱老化性などに優れており、自動車工業材料、電線用材料、建築・土木資材、工業用材料などに広く用いられている。
このような用途に用いられるエチレン・プロピレン・ポリエン共重合体ゴムとしては、例えば、成形性に優れ、加硫速度が速く、しかも加硫強度に優れていることが望まれている。
このようなエチレン・プロピレン・ポリエン共重合体ゴムとしてはエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・ジ
シクロペンタジエン共重合体ゴム、エチレン・プロピレン・1,4-ヘキサジエン共重合体ゴムなどが知られている。これらのうちでもエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノル
ボルネン共重合体ゴムは、他の不飽和性エチレン系共重合体ゴムに比べ、加硫速度が速い。
しかしながらこのエチレン・プロピレン・5-エチリデン-2-ノルボルネン共重合体ゴム
には、押出成形性に劣るという問題点がある。
このため、押出成形性に優れ、加硫速度が速く、しかも加硫強度などの機械的特性に優れたエチレン系共重合体ゴムの出現が望まれている。
なお、本願出願人は、特開平5-262827号公報(特願平4-275871号)において、エチレンとα-オレフィンと7-メチル-1,6-オクタジエン(MOD)とからなるラ
ンダム共重合ゴムであって、(i)エチレン/α-オレフィン(モル比)が40/60〜90/10、(ii)MOD含量が0.4〜25モル%、(iii)135℃デカリン中での極限粘度
[η]が0.1dl/g<[η]<8dl/g、(iv)強度比D(Tαβ/Tαα)が0.5以下、(v)B値1.00〜1.50、(vi)Tgが−53℃である3元系のエチレン・α-オレフィン・ジエン共重合ゴムを提案した。
この3元系の共重合ゴムは、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む第IVB族遷移金属(ジルコニウム化合物)および有機アルミニウムオキシ化合物からなる遷移金属系触媒の存在下に得られており、複数種のオレフィンを高活性で共重合させており、狭い組成分布と優れた低温柔軟性を有するものであった。
しかしながら、この3元系の共重合ゴムにおいても、加硫強度等の機械的物性、押出成形性、加硫速度のバランス、低温における柔軟性、耐熱老化性の点などで更なる改良の余地があった。
また、本願出願人は、特開昭63-8408号公報において、エチレンと、炭素数3〜
10のα-オレフィンおよびポリエンの5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)および5-ビ
ニル-2-ノルボルネン(VNB)をランダム共重合して得られるエチレン共重合体ゴムであり
、(a)エチレン/α-オレフィン(モル比)が50/50〜95/5、(b)ENBおよびV
NBの含有モル比率(ENB/VNB)が1/1〜45/1、(c)ヨウ素価が2〜50、(d)13
5℃デカリリン中で測定した極限粘度[η]が0.7〜6.0dl/g、(e)Q値(Mw
/Mn)が6より大であるエチレン・α-オレフィン・ポリエンランダム共重合ゴムにつ
いて提案した。
この共重合ゴムは、炭化水素溶媒中で、可溶性バナジウム化合物および有機アルミニウム化合物の存在下に、上記各成分をランダム共重合して得られており、従来のものに比して、押出成形性、加硫速度、加硫強度のバランスが良好であり、形状保持性も良好であった。しかしながら加硫強度、低温における柔軟性、耐熱老化性などの点で更なる改良の余地があった。
このため押出成形性に優れ、加硫速度が速く、しかも加硫強度などの機械的特性、低温における柔軟性、耐熱老化性に優れたエチレン系共重合体ゴムの出現が望まれている。また、エチレンと炭素数3以上のα-オレフィンと1分子中に重合可能な二重結合を1個の
み有する非共役ポリエンと、1分子中に重合可能な二重結合を2個有する非共役ポリエンとを、高活性で、かつα-オレフィンを高い転化率で重合させることができるような共重
合体(ゴム)の製造方法の出現が望まれている。
特開平5-262827号公報(特願平4-275871号) 特開昭63-8408号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決しようとするものであって、押出成形性に優れ、加硫速度が速く、しかも加硫強度などの機械的特性、低温における柔軟性、耐熱老化性に優れたエチレン系共重合体ゴム、該共重合体ゴムを含有するゴム組成物並びに該ゴムの製造方法を提供することを目的としている。
本発明に係る不飽和性エチレン系共重合体ゴムは、
(a) エチレンと、(b) 炭素数3〜20のα-オレフィンと、(c) 炭素・炭素二重 結合のうちメタロセン系触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエンと、(d)炭素・炭素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重
結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエンと、
のランダム共重合体ゴムであって、
(i) エチレンから導かれる単位(a)と、炭素数3〜20のα-オレフィンから導かれる単位(b)とを、90/10〜40/60〔(a)/(b)〕のモル比で含有し、
(ii) 炭素・炭素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内
に1個のみ存在する非共役ポリエンから導かれる単位(c)を0.1〜10モル%の量で含
有し、
(iii) 炭素・炭素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエンから導かれる単位(d)を0.1〜3モル%の量で含有し、
(iv) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が、0.1〜10dl/gの範囲にあり、
(v) 13C−NMRスペクトルにおけるTαβのTααに対する強度比D(Tαβ/Tαα)が0.5以下であることを特徴としている。
本発明の好ましい態様においては、該エチレン系共重合体ゴムは、(vi)13C−NMRスペクトルおよび下記の式から算出して求めたB値が1.0〜2.0であることが望ましい。
B値=[POE]/(2・[PE ]・[PO ])
(式中、[PE ]は、ランダム共重合体ゴム中の(a) エチレンから導かれる単位の含有モル分率であり、
[PO ]は、ランダム共重合体ゴム中の(b) α- オレフィンから導かれる単位の含有モル分率であり、
[POE]は、ランダム共重合体ゴムにおける全ダイアド(dyad)連鎖数に対するα- オレフィン・エチレン連鎖数の割合である。)。
また、本発明のエチレン系共重合体ゴムは、上記(iv)で測定される極限粘度[η]と、これと同一重量平均分子量(光散乱法による)であるエチレン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の極限粘度[η]blank との比で定義されるgη*値(=[η]/[η]Blank)が0.9以下であることが望ましい。
また本発明のエチレン系共重合体ゴムは、上記(iv)で測定される極限粘度[η]と、このエチレン系共重合体ゴムのゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC:140℃、o-ジクロロベンゼン溶媒)を測定することにより求められる、エチレン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体換算の極限粘度[η]blank'との比g'(=[η
]/[η]blank')が0.9以下であることが好ましい。
また、上記(b)α-オレフィンの炭素数が4以上であることが好ましく、DSCで求めたガラス転移温度Tgが−45℃以下、さらに好ましくは−50℃以下、特に好ましくは−55℃以下であることが好ましい。
本発明に係るエチレン系共重合体ゴムの製造方法では、(a) エチレンと、(b)炭素数3
〜20のα-オレフィンと、(c) 炭素・炭素二重 結合のうちメタロセン系触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエンと、(d)炭素・炭
素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエンとを、
メタロセン系触媒の存在下にランダム共重合することにより、上記のようなエチレン系共重合体ゴムを製造している。
このメタロセン系触媒は、下記式[III]または[IV]で示されるメタロセン化合物を
含むことが好ましい。
Figure 2005344101
[式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属であり、
11およびR12は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基また
はリン含有基であり、
13およびR14は、それぞれ炭素原子数1〜20のアルキル基であり、
1 およびX2 は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であり、
Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7 )−、−P(O)(R7 )−、−BR7 −または−AlR7 −である。(ただし、R7は水素原子、ハ
ロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。)]、
Figure 2005344101
[式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属であり、
21は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基または−NR2、−SR、−OSiR3、−SiR3 または−PR2基(Rは、ハロゲン原子、
炭素原子数1〜10のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリール基)であり、
22〜R28は、上記のR21と同様であるか、あるいは隣接するR22〜R28がそれらの結合する原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成していてもよく、
3 およびX4 は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、OH基、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基であり、
Zは、
Figure 2005344101
−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=NR29、=CO、=PR29 または=P(O)R29である。(ただし、R29およびR30は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のフルオロアリール基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基または炭素原子数7〜40のアルキルアリール基であるか、またはR29とR30とは、それぞれそれらの結合する原子とともに環を形成してもよく、M2 は、珪素、ゲルマニウムまたはスズの原子である。)]。
本発明に係るゴム組成物は、上記記載のエチレン系共重合体ゴムと、下記(a)、(b)、(c)の内の少なくとも1種以上の成分とが含まれている。
(a)該エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して300重量部以下の量の補強剤、
(b)該エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して200重量部以下の量の軟化剤、
(c)加硫剤。
上記のような本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、押出成形性に優れ、加硫速度が速く、しかも加硫後の強度(加硫強度)などの機械的特性に優れている。
なお、本明細書中においては、エチレン系共重合体ゴムの語は、特にその趣旨に反しない限り、未加硫物、加硫物の両者を含む意味で用いる。また、該ゴムをエチレン系共重合体、共重合体などともいう。
本発明によれば、押出成形性に優れ、加硫速度が速く、しかも加硫強度などの機械的特性、低温柔軟性、耐熱老化性等にも優れたエチレン系共重合体ゴムおよび該共重合体ゴムを含有するゴム組成物が得られる。
また、本発明に係るエチレン共重合体ゴムの製造方法によれば、従来の製造方法では達成することができなかったエチレンと、炭素数3以上のα-オレフィンと、1分子中に1
個の重合可能な二重結合を有する非共役ポリエンと、1分子中に2個の重合可能な二重結合を有する非共役ポリエンとを、高活性で、かつα-オレフィンを高い転化率で、しかも
優れたランダム共重合性で共重合させ、高分子量の共重合体を得ることができる。また本発明に係るエチレン共重合体ゴムの製造方法は、高温での重合活性に優れているので、該共重合体ゴムを効率よく製造することができる。
以下、本発明に係るエチレン系共重合体ゴムおよび該共重合体ゴムが含まれた加硫可能なゴム組成物並びに該ゴムの製造方法について具体的に説明する。
エチレン系共重合体ゴム
本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、
(a) エチレンと、(b) 炭素数3〜20のα-オレフィンと、(c) 炭素・炭素二重結合の
うちメタロセン系触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエンと、(d)炭素・炭素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重
結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエンと、のランダム共重合体である。
このようなランダム共重合体ゴムを形成する際に用いられる(ii)炭素数3〜20のα−オレフィンとしては、具体的には、
プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメ
チル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-エチル-1-ヘキセン、3-エチル-1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられ、好ましくはプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンが用いられ、さらに好ましくは、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンなど炭素数が4以上のα-オレフィンが望ましい。特にα-オレフィンがこのような炭素数4以上のものであるエチレン系共重合体ゴムでは、耐熱老化性、低温特性、圧縮永久歪が良好な加硫物を付与しうる傾向がある。これらのα-オレフィンは、単独であるいは2種以上組み合
わせて用いられていてもよい。
本発明においては、非共役ポリエンとしては、炭素・炭素二重結合のうち後述するメタロセン系触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン(c)と、
炭素・炭素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン(d)とが用いられるが(以下、両者をまとめて単に「非共役ポ
リエン」とも言う)、
このうち、メタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が1分子中に1個のみ存在する非共役ポリエン(c)には、両末端がビニル基(CH2=CH−)である鎖状ポリエンは含まれない。このような非共役ポリエン(c)において2個以上の炭素・炭素二重結合が存
在する場合には、1個の炭素・炭素二重結合のみは、分子末端にビニル基として存在し、他の炭素・炭素二重結合(C=C)は、分子鎖(主鎖、側鎖を含む)中に内部オレフィン構造の形で存在していることが好ましい。このような非共役ポリエン(c)としては、下記
のような脂肪族ポリエン、脂環族ポリエンなどが挙げられる。
脂肪族系の非共役ポリエン(c)としては、具体的には、例えば、
1,4-ヘキサジエン、1,5-ヘプタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-ノナジエン、1,8-デカジエン、1,12- テトラデカジエン、
3-メチル-1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエ
ン、4-エチル-1,4-ヘキサジエン、3,3-ジメチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘプ
タジエン、5-エチル-1,4-ヘプタジエン、5-メチル-1,5-ヘプタジエン、6-メチル-1,5-ヘ
プタジエン、5-エチル-1,5-ヘプタジエン、
4-メチル-1,4-オクタジエン、5-メチル-1,4-オクタジエン、4-エチル-1,4-オクタジエ
ン、5-エチル-1,4-オクタジエン、5-メチル-1,5-オクタジエン、6-メチル-1,5-オクタジ
エン、5-エチル-1,5-オクタジエン、6-エチル-1,5-オクタジエン、6-メチル-1,6-オクタ
ジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、6-エチル-1,6-オクタジエン、6-プロピル-1,6-オ
クタジエン、6-ブチル-1,6-オクタジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、
4-メチル-1,4-ノナジエン、5-メチル-1,4-ノナジエン、4-エチル-1,4-ノナジエン、5-
エチル-1,4-ノナジエン、5-メチル-1,5-ノナジエン、6-メチル-1,5-ノナジエン、5-エチ
ル-1,5-ノナジエン、6-エチル-1,5-ノナジエン、6-メチル-1,6-ノナジエン、7-メチル-1,6-ノナジエン、6-エチル-1,6-ノナジエン、7-エチル-1,6-ノナジエン、7-メチル-1,7-ノ
ナジエン、8-メチル-1,7-ノナジエン、7-エチル-1,7-ノナジエン、
5-メチル-1,4-デカジエン、5-エチル-1,4-デカジエン、5-メチル-1,5-デカジエン、6-
メチル-1,5-デカジエン、5-エチル-1,5-デカジエン、6-エチル-1,5-デカジエン、6-メチ
ル-1,6-デカジエン、6-エチル-1,6-デカジエン、7-メチル-1,6-デカジエン、7-エチル-1,6-デカジエン、7-メチル-1,7-デカジエン、8-メチル-1,7-デカジエン、7-エチル-1,7-デ
カジエン、8-エチル-1,7-デカジエン、8-メチル-1,8-デカジエン、9-メチル-1,8-デカジ
エン、8-エチル-1,8-デカジエン、
6-メチル-1,6-ウンデカジエン、9-メチル-1,8-ウンデカジエンなどが挙げられる。本発明においては、これらの脂肪族ポリエンを1種または2種以上組み合わせて用いることができる。好ましくは7-メチル-1,6-オクタジエンなどが用いられる。
上記脂環族ポリエンとしては、1個の炭素・炭素二重結合(不飽和結合)を有する脂環部分と、内部オレフィン結合(炭素・炭素二重結合)を有する鎖状部分とから構成されるポリエンがあげられ、具体的には、例えば、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、5-プロピリデン-2-ノルボルネン、5-ブチリデン-2-ノルボルネンなどが挙げられ、5-エチ
リデン-2-ノルボルネン(ENB)が好ましく用いられる。
その他の脂環族ポリエンとしては、具体的には、例えば、2-メチル-2,5-ノルボルナジ
エン、2-エチル-2,5-ノルボルナジエンなどが挙げられる。
本発明においては、これらの非共役ポリエン(c)を1種または2種以上組合わせて用い
ることができる。
炭素・炭素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン(d)としては、具体的には、例えば、5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)、5-アリル-2-ノルボルネン等の5-アルケニル-2-ノルボルネン;
2,5-ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)、ノルボルナジエン、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]デカ-3,8-ジエン等の脂環族ポリエン;
1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン等のα,ω-ジエン等などが挙げられる。
これらの内では、5-アルケニル-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、2,5-ノルボ
ルナジエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエンが好ましく、特に5-ビニル-2-ノルボル
ネン(VNB)が好ましく用いられる。
本発明に係るエチレン系共重合体ゴム(単に、共重合体、エチレン系共重合体ともいう)では、上記のような(a)エチレン、(b)α−オレフィン、(c)炭素・炭素二重結合のうち
当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン、および(d)炭素・炭素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、
1分子内に2個存在する非共役ポリエンのそれぞれの単量体((a)、(b)、(c)、(d))から誘導される成分単位が、ランダムに配列して結合し、非共役ポリエンに起因する分岐構造を有するとともに、主鎖は、実質的に線状構造となっている。この共重合体(ゴム)が実質的に線状構造を有しており実質的にゲル状架橋構造を有しないことは、該共重合体が有機溶媒に溶解し、不溶分を実質的に含まないことにより確認することができる。たとえば極限粘度[η]を測定する際に、該共重合体が135℃、デカリンに完全に溶解することにより確認することができる。
成分単位量
本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、(a)エチレンから誘導される成分単位(エチ
レン単位)と、(b)炭素数3〜20のα−オレフィンから誘導される成分単位(α-オレフ
ィン単位)とを、モル比((a)/(b))で90/10〜40/60、好ましくは85/15〜50/50、さらに好ましくは82/18〜55/45の量で含有している。
本発明においては、(a)成分/(b)成分(モル比)が90/10を超えると樹脂状となる傾向があり、40/60未満では低温特性が低下する傾向がある。
なお、本発明に係るエチレン系共重合体ゴムにおいては、上記(a)エチレンから誘導さ
れる成分単位量と、上記(b)炭素数3〜20のα−オレフィンから誘導される成分単位量
とは上記(a)成分/(b)成分(モル比)を満たす限り特に限定されないが、本発明に係るエチレン系共重合体ゴムでは、エチレン単位とα-オレフィン単位の合計を100モル%と
するとき、(a)エチレンから誘導される成分単位を、通常90〜40モル%、好ましくは
85〜50モル%、さらに好ましくは82〜55モル%の量で、
(b)炭素数3〜20のα−オレフィンから誘導される成分単位を、通常10〜60モル
%、好ましくは15〜50モル%、さらに好ましくは18〜45モル%の量で含有していることが望ましい。
また本発明に係るエチレン系共重合体ゴム中には、(c)炭素・炭素二重結合のうち後述
するようなメタロセン系触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエンから誘導される成分単位を0.1〜10モル%、好ましくは0.2〜8モル%、さらに好ましくは0.5〜5モル%の量で含有している。この(c)成分単位
量が0.1モル%未満では、硫黄加硫が困難になる傾向があり、10モル%を超えると耐環境老化性が低下する傾向がある。
また、本発明に係るエチレン系共重合体ゴム中には、(d)炭素・炭素二重結合のうち後
述するようなメタロセン系触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエンから誘導される成分単位を0.1〜3モル%、好ましくは0.2〜2.5モル%、さらに好ましくは0.3〜2.0モル%の量で含有している。この(d)成分
単位量が0.1モル%未満では、優れた押出加工性が発現しにくくなる傾向があり、3モル%を超えるとゲル状架橋重合体が生成する傾向がある。
なお、本発明に係るエチレン系共重合体ゴムにおいては、上記(c)成分と(c)成分とのモル比((c)成分/(d)成分)が、1/3〜30/1、好ましくは1/2〜20/1、さらに好ましくは1/1〜10/1となることが望ましい。上記範囲を外れると、加硫速度と加工性のバランスが悪くなる傾向がある。
極限粘度[η]
本発明おいては、エチレン系共重合体ゴムの135℃デカリン中 で測定される極限粘
度[η]は、0.1〜10dl/g、好ましくは0.5〜5dl/g、さらに好ましくは
0.8〜4dl/gの範囲にある。
この極限粘度が0.1dl/g未満では、加硫後の強度(加硫強度)に劣る傾向があり、10dl/gを超えると加工性が低下する傾向がある。
ヨウ素価(IV値)
本発明においては、エチレン系共重合体ゴムのヨウ素価は、0.5〜50、好ましくは1〜40特に好ましくは5〜35であることが望ましい。
上記のようなヨウ素価のエチレン系共重合体ゴムは、加硫速度が速く、高速加硫が可能である。
D値(Tαβ/Tαα)
本発明においては、D値すなわち、エチレン系共重合体ゴム(A)の13C−NMRスペクトルにおける、Tααに対するTαβの強度(面積)比D(Tαβ/Tαα)は、0.5以下、特に0.3以下であることが望ましい。
なお、このランダム共重合体ゴムの強度比D値は、ランダム共重合体ゴムを構成するα- オレフィンの種類によって異なる。
ここで、13C−NMRスペクトルにおけるTαβおよびTααは、それぞれ炭素数3以上のα- オレフィンから導かれる単位中のCH2 のピーク強度であり、下記に示すように第3級炭素に対する位置が異なる2種類のCH2を意味している。
Figure 2005344101
ランダム共重合体ゴムの強度比Dは、下記のようにして求めることができる。
ランダム共重合体ゴムの13C−NMRスペクトルを、たとえば日本電子(株)製 JE
OL−GX270 NMR測定装置を用いて、試料濃度5重量%のヘキサクロロブタジエン/d6-ベンゼン=2/1(体積比)の混合溶液を、67.8MHz、25℃にてd6-ベンゼン(128ppm )基準で測定する。
13C−NMRスペクトルの解析は、基本的にリンデマンアダムスの提案(Analysis Chemistry43, p1245(1971))、J.C.Randall(Review Macromolecular Chemistry Physics,C29, 201(1989))に従って行なった。
ここで上記の強度比Dについて、(a)エチレン/(b)αオレフィン(プロピレン)/(c):(5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB))/(d):(5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB))四元共重合体ゴムを例にとってより具体的に説明する。
この共重合体ゴムの13C−NMRスペクトルでは、45〜46ppm に現われるピークがTααに、また32〜33ppm に現われるピークがTαβに帰属される。
強度比Dは、それぞれのピーク部分の積分値(面積)比で算出される。
このようにして求められた強度比Dは、一般にプロピレンの1,2付加反応に続いて2,1付加反応が起こる割合、またはプロピレンの2,1付加反応に続いて1,2付加反応が起こる割合を示す尺度と考えられている。したがって、この強度比D値が大きいほど、α- オレフィン(プロピレン)の結合方向が不規則であること示している。逆にD値が小さいほど、α- オレフィンの結合方向が規則的であることを示しており、規則性が高いと分子鎖は集合しやすく、加硫したランダム共重合体ゴムは強度などが優れる傾向にあって好ましい。
なお、本発明では、後述するように特定の第IVB族メタロセン系触媒を用いてエチレン(a)とα- オレフィン(b)と2種の非共役ポリエン(c)、(d)とを共重合させることにより、上記強度比Dが通常0.5以下であるランダム共重合体ゴムを得ることが好ましい。なお、たとえばバナジウムなどの第VB族メタロセン系触媒の存在下に、(a)エチレンと(b)プロピレンと(c):(5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB))と(d):(5-ビニル-2-ノルボルネ
ン(VNB))とを共重合させると、上記強度比Dが0.5以下であるエチレン・プロピレン
・ENB・VNB四元共重合体ゴムが得られないことがある。このことは、プロピレン以
外のα- オレフィンについても同様である。
B値
エチレン系共重合体ゴムは、13C−NMRスペクトルおよび下記の式から求められるB値が1.0〜2.0であることが望ましい。
B値=[POE]/(2・[PE ]・[PO ])
(式中、[PE ]は、ランダム共重合体ゴム中の(a) エチレンから導かれる単位の含
有モル分率であり、
[PO ]は、ランダム共重合体ゴム中の(b) α- オレフィンから導かれる単
位の含有モル分率であり、
[POE]は、ランダム共重合体ゴムにおける全ダイアド(dyad)連鎖数に対
するα- オレフィン・エチレン連鎖数の割合である。)
このB値は、共重合体ゴム中におけるエチレンとα- オレフィンとの分布状態を表わす指標であり、J.C.Randall (Macromolecules, 15, 353(1982))、J.Ray(Macromolecules, 10,773 (1977)) らの報告に基づいて求めることができる。
上記のB値が大きいほど、エチレンあるいはα- オレフィンのブロック的連鎖が短くなり、エチレンおよびα- オレフィンの分布が一様であり、共重合体ゴムの組成分布が狭いことを示している。なおB値が1.00よりも小さくなるほど共重合体ゴムの組成分布は広くなり、このような共重合体ゴムは、組成分布の狭い共重合体ゴムと比べて、たとえば加硫した場合には強度などの物性を充分に発現しないことがある。
なお本発明では、後述するように好ましくは特定の第IVB族メタロセン系触媒を用いてエチレンとα- オレフィンと2種の特定の非共役ポリエンとを共重合させることにより、上記B値が1.0〜2.0であるランダム共重合体ゴムを得ているが、たとえばチタン系非メタロセン系触媒の存在下に、エチレンとα- オレフィンと非共役ポリエンとを共重合させても、エチレン・α- オレフィン・2種の非共役ポリエンからなり、かつ上記範囲のB値を有する四元系の共重合体ゴムを得ることはできない。
gη *
本発明においては、エチレン系共重合体ゴムは、さらに、(iv)上記エチレン系共重合体ゴムの135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]と、これと同一重量平均分子量(光散乱法による)であるエチレン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体の極限粘度[η]blankとの比で定義されるgη*値(=[η]/[η]Blank)が0.9
以下、好ましくは0.2〜0.85、より好ましくは0.4〜0.8であることが好ましい。このgη*値が0.9を超えると、分子中の長鎖分岐の形成量が少なく、加工性が低
下する傾向がある。たとえば、形状保持性が低下する、表面粗度の値が大きくなる、押出肌が悪くなる、押出量が多くできないなどの点にあらわれる。
上記[η]blankは、このエチレン・プロピレン・非共役ポリエン4元共重合体(エチ
レン系共重合体ゴム)について、光散乱法により求めた重量平均分子量Mwを粘度平均分子量Mvに置き換え、式(I)より計算して求める。
[η]Blank=7.2×10-4Mv0.667・・・・(I)
g'値
本発明のエチレン系共重合体ゴムは、上記極限粘度[η]と、このエチレン系共重合体ゴムのゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC:140℃、o−ジクロロベンゼン溶媒)を測定することにより求められる、エチレン含量が70モル%の直鎖エチレン・プロピレン共重合体換算の極限粘度[η]blank'との比g'(=[η]/[η]blank')
が0.9以下、好ましくは0.2〜0.85、より好ましくは0.4〜0.8であることが望ましい。このg'値が0.9を超えると、分子中の長鎖分岐の形成量が少なく、加工
性が低下する傾向がある。たとえば、形状保持性が低下する、表面粗度の値が大きくなる、押出肌が悪くなる、押出量が多くできないなどの点にあらわれる。
上記[η]blank'は、まずエチレン系共重合体ゴムのGPC測定を行い、各フラクションのポリスチレン換算分子量Mi-PStを得る。
次に、Mi-PStを、
式 [η]i-PSt・Mi-PSt=[η]i-EPR・Mi-EPR、および
[η]i-PSt=1.37×10-4i-PSt 0.686
[η]i-EPR=7.2×10-4i-EPR 0.667の式を用いて、EPR換算分子量Mi-EPRに変換する。
次に変換したMi-EPRを式(II)によりフラクション別の[η]i-blank'に変換する

[η]i-blank'=7.2×10-4i-EPR 0.667・・・・(II)
ここで、添字のiは、GPCによって分別された各フラクションを示す。次に変換した[η]i-blank'を次式(III)により計算して[η]blank' を求める。
[η]blank'=Σωi・[η]i-blank'/Σωi・・・・(III)
ここで、ωは重量分率を示す。このようにして[η]blank'を計算し、[η]との比からg'を求める。
本発明により得られるエチレン系共重合体ゴムは、上記のようにgη*値またはg'値が1よりもかなり小さく、分子中に長鎖分岐が形成されていることを示している。このようなランダム共重合ゴムは、加工性に優れている。
Tg値
本発明のエチレン系共重合体ゴムは、DSC(示差走査型熱量計)で求めたガラス転移温度Tgが−45℃以下、好ましくは−50℃以下、特に好ましくは−55℃以下であることが望ましい。
このようにTgが−45℃以下であるエチレン系ランダム共重合体ゴムを用いると、低温柔軟性に優れた加硫ゴムを付与しうるゴム組成物を得ることができる。
上記のような本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、押出成形性に優れ、加硫速度が速く、しかも加硫強度等の機械的特性に優れている。
本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、未加硫のまま用いられてもよく、また後述するような加硫方法により加硫して加硫状態で用いられてもよいが、加硫状態で用いられるとその特性が一層発揮される。
また本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、単独で加硫されて用いられてもよく、また他のゴム材料と共加硫されて用いられてもよい。
このエチレン系共重合体ゴムは、加硫速度が速いため加硫剤を多量に用いなくても従来のエチレン系共重合体ゴムに比べて短い時間であるいは低温で加硫することができ、加硫ゴムを生産性よく製造することができる。
本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、特に、天然ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴムなどのジエン系ゴムとの共加硫性に優れており、エチレン系共重合体ゴムとジエン系ゴムとの共加硫物は、ジエン系ゴムが本来有する優れた機械的特性、耐摩耗性、耐動的疲労性、耐油性を有するとともに耐候性、耐オゾン性、耐熱老化性などにも優れている。
エチレン系共重合体ゴムの製造
上記のような本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、(a)エチレンと、(b)炭素数3〜20のα−オレフィンと、(c)炭素・炭素二重 結合のうちメタロセン系触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエンと、(d)炭素・炭素二
重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエンとを、好ましくは、メタロセン系触媒の存在下にランダム共重合させることにより製造される。
本発明で用いられるメタロセン系触媒は、メタロセン化合物[A]を含有すること以外は特に限定されず、たとえばメタロセン化合物[A]と、有機アルミニウムオキシ化合物[B]および/またはメタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物[C]とから形成されてもよい。また、メタロセン化合物[A]と、有機アルミニウムオキシ化合物[B]および/またはイオン対を形成する化合物[C]とともに有機アルミニウム化合物[D]とから形成されてもよい。
以下に本発明において、メタロセン系触媒を形成する際に用いられる各成分について説明する。
メタロセン化合物[A]
本発明で用いられるメタロセン化合物[A]としては、下記の一般式[I]で示される
化合物が挙げられる。
MLx ・・・[I]
式[I]中、Mは周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属であり、具体的にはジルコニ
ウム、チタンまたはハフニウムであり、xは遷移金属の原子価である。
Lは、遷移金属に配位する配位子であり、これらのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子であり、このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子としては、たとえば、
シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n-またはi-プロピルシクロペンタジエニル基、n-、i-、sec-、t-、ブチルシクロペンタジエニル基、ヘキシルシクロペンタジエニル基、オクチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、トリメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、メチルエチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、メチルヘキシルシクロペンタジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル基、エチルブチルシクロペンタジエニル基、エチルヘキシルシクロペンタジエニル基、メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル基などのアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジエニル基、さらに
インデニル基、4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基などが挙げられる。
これらの基は、ハロゲン原子、トリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
これらのうちでは、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好ましい。
式[I]で示される化合物が配位子Lとしてシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上有する場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基同士は、エチレン、プロピレンなどのアルキレン基、イソプロピリデン、ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基、シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基などの置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外のLとしては、炭素数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルホン酸含有基(−SO3a )、ハロゲン原子または水素原子(ここで、Ra はアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基またはハロゲン原子またはアルキル基で置換されたアリール基である。)などが挙げられる。
炭素数1〜12の炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基などが挙げられ、より具体的には、
メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基、
シクロペンチル基、シクロヘキシル基などのシクロアルキル基、
フェニル基、トリル基などのアリール基、
ベンジル基、ネオフィル基などのアラルキル基が挙げられる。
また、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基、ペントキシ基、ヘキソキシ基、オクトキシ基などが挙げられる。
アリーロキシ基としては、フェノキシ基などが挙げられ、
スルホン酸含有基(−SO3a )としては、メタンスルホナト基、p-トルエンスルホナト基、トリフルオロメタンスルホナト基、p-クロルベンゼンスルホナト基などが挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
上記式で表されるメタロセン化合物は、たとえば遷移金属の原子価が4である場合、より具体的には下記式[II]で表される。
2 k3 l4 m5 nM …[II]
式[II]中、Mは上記遷移金属であり、R2 はシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R3 、R4 およびR5 は、それぞれ独立にシクロペンタジエニル骨格を有する基または上記一般式[I]中のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外のLと
同様である。kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4である。
以下に、Mがジルコニウムであり、かつシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも2個含むメタロセン化合物を例示する。
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド、
ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェノキシモノクロリド、
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(n-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(t-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(n-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(sec-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(イソブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド、
ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナト)、
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ビス(1-メチル-3-エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメ
タンスルホナト)、
ビス(1-メチル-3-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロ
メタンスルホナト)、
ビス(1-メチル-3-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメ
タンスルホナト)、
ビス(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3-エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3-プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3-ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-メチル-3-オクチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(1-エチル-3-ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(メチルベンジルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(エチルヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ビス(メチルシクロヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどを例示することができる。
上記の1,3−位置換シクロペンタジエニル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置換えた化合物を本発明で用いることもできる。
また上記式[II]において、R2 、R3 、R4 およびR5 の少なくとも2個、例えばR2
およびR3 がシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、この少なくとも2個の基はアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置換シリレン基などを介し
て結合されているブリッジタイプのメタロセン化合物を例示することもできる。このときR4 およびR5 はそれぞれ独立に式[I]中で説明したシクロペンタジエニル骨格を有す
る配位子以外のLと同様である。
このようなブリッジタイプのメタロセン化合物としては、
エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト)、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナト)、
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(p-クロルベンゼンスルホナト)、
エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウ
ムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、
ジメチルシリレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド、
ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリ
ド、
ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、
メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
さらに、下記式[A]で示される特開平4-268307号公報に記載のメタロセン化
合物が挙げられる。
メタロセンが式[A]:
Figure 2005344101
[式[A]中、M1は周期律表の第IVb、第Vbまたは第VIb族の金属であり、
具体的には、例えば、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムを挙げることができる。
1およびR2は、互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、炭素原子数1〜10好ましくは1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜10好ましくは1〜3のアルコキシ基、炭素原子数6〜10好ましくは6〜8のアリール基、炭素原子数6〜10好ましくは6〜8のアリールオキシ基、炭素原子数2〜10好ましくは2〜4のアルケニル基、炭素原子数7〜40好ましくは7〜10のアリールアルキル基、炭素原子数7〜40好ましくは7〜12のアルキルアリール基、炭素原子数8〜40好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、またはハロゲン原子好ましくは塩素原子である。
3およびR4は、互いに同じでも異なっていても良く、水素原子、ハロゲン原子好ましくは弗素原子、塩素原子または臭素原子、ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜10好ましくは1〜4のアルキル基、炭素原子数6〜10好ましくは6〜8のアリール基、−NR10 2、−SR10、−OSiR10 3、−SiR10 3または−PR10 2基であり、その際R10はハロゲン原子好ましくは塩素原子、または、炭素原子数1〜10好ましくは1〜3のアルキル基、または炭素原子数6〜10好ましくは6〜8のアリール基である。
3およびR4は特に水素原子であることが好ましい。
5およびR6は互いに同じでも異なっていてもよく、好ましくは同じであり、R5およ
びR6は水素原子でないという条件のもとでR3およびR4について記載した意味を有する
。R5およびR6は、好ましくはハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基またはトリフルオロメチル基等が挙げられ、メチル基が好ましい。
7は、下記:
Figure 2005344101
=BR11、=AlR11、−Ge−、−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=
NR11、=CO、=PR11または=P(O)R11であり、その際R11、R12およびR13は互いに同じでも異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10好ましくは1〜4のアルキル基さらに好ましくはメチル基、炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基好ましくはCF3基、炭素原子数6〜10好ましくは6〜8のアリール基、炭素原子
数6〜10のフルオロアリール基好ましくはペンタフルオロフェニル基、炭素原子数1〜10好ましくは1〜4のアルコキシ基特に好ましくはメトキシ基、炭素原子数2〜10好ましくは2〜4のアルケニル基、炭素原子数7〜40好ましくは7〜10のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、または炭素原子数7〜40好ましくは7〜12のアルキルアリール基であり、また「R11とR12」また
は「R11とR13」とは、それぞれそれらが結合する炭素原子と一緒になって環を形成してもよい。
2は珪素、ゲルマニウムまたは錫、好ましくは珪素またはゲルマニウムである。
7は、=CR1112、=SiR1112、=GeR1112、−O−、−S−、=SO、
=PR11または=P(O)R11であることが好ましい。
8およびR9は互いに同じであっても異なっていてもよく、R11について記載したと同じ意味を有する。
mおよびnは互いに同じであっても異なっていてもよく、0、1または2、好ましくは0または1であり、m+nは0、1または2、好ましくは0または1である。
上記条件を充たす特に好ましいメタロセンを下記(i)〜(iii)に示す。
Figure 2005344101
[上記式(i)、(ii)及び(iii)中、M1はZrまたはHfであり、R1およびR2はメチ
ル基または塩素原子であり、R5およびR6はメチル基、エチル基またはトリフルオロメチル基であり、R8 、R9、R11およびR12が上記の意味を有する。]
このような式(i)、(ii)及び(iii)で示される化合物の内でも、下記の化合物が特に好ましい。
rac-エチレン(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド、
rac-ジメチルシリレン(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド、
rac-ジメチルシリレン(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジメチル、
rac-エチレン-(2-メチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジメチル、
rac-フェニル(メチル)シリレン-(2ーメチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド、
rac-ジフェニル-シリレン-(2ーメチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライ
ド、
rac-メチルエチレン-(2ーメチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド、
rac-ジメチルシリレン-(2ーエチル-1-インデニル)2-ジルコニウム-ジクロライド。このようなメタロセンの製造方法については、従来より公知の方法にて製造することができる(例:特開平4-268307号公報参照)。
本発明では、下記式[B]で示される遷移金属化合物(メタロセン化合物)を用いることもできる。
Figure 2005344101
式[B]中、Mは周期律表第IVa 、Va、VIa 族の遷移金属原子を示し、具体的には 、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムである。
1 およびR2 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基を示し、具体的には、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子;
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどのアルキル基、ビニル、プロペニル、シクロヘキセニルなどのアルケニル基、ベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピルなどのアリールアルキル基、フェニル、トリル、ジメチルフェニル、トリメチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ビフェニル、ナフチル、メチルナフチル、アントラセニル、フェナントリルなどのアリール基などの炭素数1から20の炭化水素基;
前記炭化水素基にハロゲン原子が置換したハロゲン化炭化水素基;
メチルシリル、フェニルシリルなどのモノ炭化水素置換シリル、ジメチルシリル、ジフェニルシリルなどのジ炭化水素置換シリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリル、トリシクロヘキシルシリル、トリフェニルシリル、ジメチルフェニルシリル、メチルジフェニルシリル、トリトリルシリル、トリナフチルシリルなどのトリ炭化水素置換シリル、
トリメチルシリルエーテルなどの炭化水素置換シリルのシリルエーテル、
トリメチルシリルメチルなどのケイ素置換アルキル基、トリメチルシリルフェニルなどのケイ素置換アリール基、
などのケイ素含有基;
ヒドロオキシ基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなどのアルコキシ基、フェノキシ、メチルフェノキシ、ジメチルフェノキシ、ナフトキシなどのアリローキシ基、フェニルメトキシ、フェニルエトキシなどのアリールアルコキシ基などの酸素含有置換基;
前記酸素含有基の酸素がイオウに置換した置換基などのイオウ含有基;
アミノ基、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジシクロヘキシルアミノなどのアルキルアミノ基、フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノ、ジナフチルアミノ、メチルフェニルアミノなどのアリールアミノ基またはアルキルアリールアミノ基などの窒素含有基;
ジメチルフォスフィノ、ジフェニルフォスフィノなどのフォスフィノ基などのリン含有基である。
これらのうちR1 は炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチル、プロピルの炭素数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。またR2 は水素、炭化水素基が好ま
しく、特に水素あるいは、メチル、エチル、プロピルの炭素数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。
3 、R4 、R5 およびR6 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示し、このうち水素、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基であることが好ましい。R3 とR4 、R4 とR5 、R5 とR6 のうち少なくとも1組は、それらが結合して炭素原子と一緒になって、単環の芳香族環を形成していてもよい。
また芳香族環を形成する基以外の基は、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基が2種以上ある場合には、これらが互いに結合して環状になっていてもよい。なおR6 が芳香族基以外の置換基である場合、水素原子であることが好ましい。
ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基として、具体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例示できる。
3 とR4 、R4 とR5 、R5 とR6 のうち少なくとも1組が互いに結合して形成する単環の芳香族環を含む、Mに配位する配位子としては以下に示すようなものが挙げられる。
Figure 2005344101
これらのうち上記式(1)で示されるものが好ましい。
前記芳香族環はハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基で置換されていてもよい。
前記芳香族環に置換するハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基としては、前記R1 およびR2 と同様の基が例示できる。
1 およびX2 は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基を示し、具体的には、
前記R1 およびR2 と同様のハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基が例示できる。
イオウ含有基としては、前記R1 、R2 と同様の基、およびメチルスルホネート、トリフルオロメタンスルフォネート、フェニルスルフォネート、ベンジルスルフォネート、p-トルエンスルフォネート、トリメチルベンゼンスルフォネート、トリイソブチルベンゼンスルフォネート、p-クロルベンゼンスルフォネート、ペンタフルオロベンゼンスルフォネートなどのスルフォネート基、メチルスルフィネート、フェニルスルフィネート、ベンジルスルフィネート、p-トルエンスルフィネート、トリメチルベンゼンスルフィネート、ペンタフルオロベンゼンスルフィネートなどのスルフィネート基が例示できる。
Yは、炭素数1〜20の2価の炭化水素基、炭素数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR7 −、−P(R7)−、−P(O)(R7)−、−BR7 −または−AlR7 −[ただし、R7は水素原子、ハロゲン原子、炭素数
1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基]を示し、具体的には、
メチレン、ジメチルメチレン、1,2-エチレン、ジメチル-1,2- エチレン、1,3-トリメチレン、1,4-テトラメチレン、1,2-シクロヘキシレン、1,4-シクロヘキシレンなどのアルキレン基、ジフェニルメチレン、ジフェニル-1,2- エチレンなどのアリールアルキレン基などの炭素数1から20の2価の炭化水素基;
クロロメチレンなどの上記炭素数1から20の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;
メチルシリレン、ジメチルシリレン、ジエチルシリレン、ジ(n-プロピル)シリレン、ジ(i-プロピル)シリレン、ジ(シクロヘキシル)シリレン、メチルフェニルシリレン、ジフェニルシリレン、ジ(p-トリル)シリレン、ジ(p-クロロフェニル)シリレンなどのアルキルシリレン、アルキルアリールシリレン、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2-ジシリレン、テトラフェニル-1,2- ジシリレン などのアルキルジシリレン、アルキルアリールジシリレン、アリールジシリレン基などの2価のケイ素含有基;
上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲルマニウム含有基;
上記2価のケイ素含有基のケイ素をスズに置換した2価のスズ含有基置換基などであり、
7 は、前記R1 、R2 と同様のハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
このうち2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基であることが好ましく、さらに2価のケイ素含有基であることが好ましく、このうち特にアルキルシリレン、アルキルアリールシリレン、アリールシリレンであることが好ましい。
以下に上記式[B]で表される遷移金属化合物の具体的な例を示す。
Figure 2005344101
Figure 2005344101
Figure 2005344101
本発明では、上記のような化合物においてジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
前記遷移金属化合物は、通常ラセミ体としてオレフィン重合用触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
このような遷移金属化合物のインデン誘導体配位子は、たとえば下記の反応ルートで、通常の有機合成手法を用いて合成することができる。
Figure 2005344101
本発明で用いられるこの遷移金属化合物は、これらインデン誘導体から既知の方法、たとえば特開平4−268307号公報に記載されている方法により合成することができる。
本発明においては、また下記式[C]で示される遷移金属化合物(メタロセン化合物)を用いることもできる。
Figure 2005344101
式[C]中、M、R1、R2、 R3 、R4 、R5 およびR6としては、前記式[B]の場合と同様なものが挙げられる。
3 、R4 、R5 およびR6 のうち、R3 を含む2個の基が、アルキル基であることが好ましく、R3 とR5 、またはR3 とR6 がアルキル基であることが好ましい。このアルキル基は、2級または3級アルキル基であることが好ましい。また、このアルキル基は、ハロゲン原子、ケイ素含有基で置換されていてもよく、ハロゲン原子、ケイ素含有基としては、R1 、R2 で例示した置換基が挙げられる。
3 、R4 、R5 およびR6 で示される基のうち、アルキル基以外の基は、水素原子であることが好ましい。
炭素数1〜20の炭化水素基としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、sec-ブチル、tert- ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、ドデシル、アイコシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの直鎖状、分岐上アルキル基および環状アルキル基;
ベンジル、フェニルエチル、フエニルプロピル、トリルメチルなどのアリールアルキル基などが挙げられ、2重結合、3重結合を含んでいてもよい。
またR3 、R4 、R5 およびR6 から選ばれる2種の基が互いに結合して芳香族環以外の単環あるいは多環を形成していてもよい。
ハロゲン原子として、具体的には、前記R1 およびR2 と同様の基が例示できる。
1 、X2、YおよびR7としては、前記式[B]の場合と同様のものが挙げられる。
以下に上記式[C]で示されるメタロセン化合物(遷移金属化合物)の具体的な例を示す。
rac-ジメチルシリレン-ビス(4,7-ジメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロ リド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2,4,7-トリメチル-1- インデニル)ジルコニウムジ クロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2,4,6-トリメチル-1- インデニル)ジルコニウムジ クロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2,5,6-トリメチル-1- インデニル)ジルコニウムジ クロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2,4,5,6-テトラメチル-1- インデニル)ジルコニウ ムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2,4,5,6,7-ペンタメチル-1- インデニル)ジルコニ ウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-n- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(4-i-プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニ ウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- メチル-6-i- プロピル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-5- メチル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6- ジ(i- プロピル)-1-インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6- ジ(i- プロピル)-7-メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- ブチル-7- メチル-1- インデニル) ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-sec- ブチル-7- メチル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4,6- ジ(sec- ブチル)-1-インデニル)ジ ルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-tert-ブチル-7- メチル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- シクロヘキシル-7- メチル-1- インデニル)
ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- ベンジル-7- メチル-1- インデニル) ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニルエチル-7- メチル-1- インデニル)
ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニルジクロルメチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- クロロメチル-7- メチル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- トリメチルシリルメチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- トリメチルシロキシメチル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジエチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、
rac-ジ(i- プロピル) シリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1-インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(n- ブチル) シリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ( シクロヘキシル) シリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン-ビス(2-メチル-4- ジ(i- プロピル)-1-インデニル)ジ ルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p- トリル) シリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p- クロロフェニル) シリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジル
コニウムジブロミド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジル
コニウムジメチル、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジル
コニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジル
コニウム-ビス(メタンスルホナト)、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジル
コニウム-ビス(p-フェニルスルフィナト)、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-3- メチル-4-i- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-エチル-4-i- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジル
コニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-フェニル-4-i- プロピル-6- メチル-1- インデニル)ジ
ルコニウムジクロリド。
本発明では、上記のような化合物においてジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
上記遷移金属化合物は、通常ラセミ体として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
このような遷移金属化合物のインデン誘導体配位子は、たとえば前記と同様の反応ルートで、通常の有機合成手法を用いて合成することができる。
また上記の式[C]で示される遷移金属化合物(メタロセン化合物)は、これらインデン誘導体から既知の方法、たとえば特開平4−268307号公報に記載の方法により合成することができる。
本発明では、また下記の式[D]で示される遷移金属化合物(メタロセン化合物)を用いこともできる。
Figure 2005344101
式[D]中、M、R1、X1 、X2およびYとしては、前記式[B]あるいは前記式[C]の場合と同様のものが挙げられる。
このうち、R1としては、炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチル、プ
ロピル、ブチルの炭素数1〜4の炭化水素基であることが好ましい。
また、X1 、X2としては、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基であることが
好ましい。
2 は、炭素数6〜16のアリール基を示し、具体的には、
フェニル、α-ナフチル、β-ナフチル、アントラセニル、フェナントリル、ピレニル、アセナフチル、ペリナフテニル(フェナレニル)、アセアントリレニルなどである。これらのうちフェニル、ナフチルであることが好ましい。これらのアリール基は、前記R1 と同様のハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基で置換されていてもよい。
以下に上記式[D]で示される遷移金属化合物(メタロセン化合物)の具体的な例を示す。
rac-ジメチルシリレン-ビス(4-フェニル-1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4−フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(α-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(β-ナフチル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(1-アントラセニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(2-アントラセニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(9-アントラセニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(9-フェナントリル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(p-フルオロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(ペンタフルオロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(p-クロロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(m-クロロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(o-クロロフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(o,p-ジクロロフェニル) フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(p-ブロモフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(p-トリル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(m-トリル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(o-トリル)-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(o,o'-ジメチルフェニル)-1-インデニル) ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(p-エチルフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(p-i-プロピルフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(p-ベンジルフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(p-ビフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(m-ビフェニル)-1-インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(p-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4-(m-トリメチルシリルフェニル)-1-インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-エチル−4-フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、
rac-ジフェニルシリレン-ビス(2-エチル-4-フェニル-1-インデニル)ジルコニウムジク
ロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-フェニル-4-フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-n-プロピル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウム
ジクロリド、
rac-ジエチルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ-(i-プロピル)シリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ-(n-ブチル)シリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、
rac-ジシクロヘキシルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-トリル)シリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-エチレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルゲルミル-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルスズ-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジブロミド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムジメチル、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムクロリドSO2Me、
rac-ジメチルシリレン-ビス(2-メチル-4- フェニル-1- インデニル)ジルコニウムクロリドOSO2Meなど。
本発明では、上記のような化合物においてジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
このような式[D]で示される遷移金属化合物は、Journal of Organometallic Chem.288(1985)、第63〜67頁、ヨーロッパ特許出願公開第0,320,762 号明細書および実施例に準じて、たとえば下記のようにして製造することができる。
Figure 2005344101
1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基を示し、
2は、炭素数6〜16のアリール基を示し、具体的には、
フェニル、α-ナフチル、β-ナフチル、アントラセニル、フェナトリル、ピレニル、アセナフチル、ペリナフテニル(フェナレニル)、アセアントリレニルなどである。
このような遷移金属化合物[D]は、通常ラセミ体として用いられるが、R体またはS体を用いることもできる。
また本発明では、下記式[E−1]で示されるメタロセン化合物を用いることもできる。
aMX2 ・・・・[E−1]
(Mは、周期率表第IV族またはランタニド系列の金属であり、
a は、非局在化π結合基の誘導体であり、金属M活性サイトに拘束幾何形状を付与しており、
Xは、それぞれ独立に水素、ハロゲンまたは20以下の炭素、ケイ素またはゲルマニウムを含有する炭化水素基、シリル基またはゲルミル基である。)
このような式[E−1]で示される化合物のうちでも、具体的に、下記式[E−2]で示される化合物が好ましい。
Figure 2005344101
Mはチタン、ジルコニウムまたはハフニウムであり、Xは、上記と同様である。
CpはMにπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタジエニル基またはその誘導体である。
Zは酸素、イオウ、ホウ素または周期率表第IVA族の元素(例えばシリコン、ゲルマニウム、スズ)であり、
Yは窒素、リン、酸素またはイオウを含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成してもよい。
このような式[E−2]で示される化合物としては、具体的に、
(ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン)
チタンジクロリド、
((t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイル)チタンジクロリド、
(ジベンジル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン
)チタンジクロリド、
(ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン)
ジベンジルチタン、
(ジメチル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン)
ジメチルチタン、
((t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイル)ジベンジルチタン、
((メチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイル)ジネオペンチルチタン、
((フェニルホスフィド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)メチレン)ジ
フェニルチタン、
(ジベンジル(t-ブチルアミド)(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シラン
)ジベンジルチタン、
(ジメチル(ベンジルアミド)(η5-シクロペンタジエニル)シラン)ジ(トリメチルシリル)チタン、
(ジメチル(フェニルホスフィド)−(テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)シ
ラン)ジベンジルチタン、
((テトラメチル-η5-シクロペンタジエニル)-1,2-エタンジイル)ジベンジルチタン、
(2-η5-(テトラメチル-シクロペンタジエニル)-1-メチル-エタノレート(2-))ジベ
ンジルチタン、
(2-η5-(テトラメチル-シクロペンタジエニル)-1-メチル-エタノレート(2-))ジメ
チルチタン、
(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-9H-フルオレン-9-イル)シクロヘキサノレート(2-))ジメチルチタン、
(2-((4a,4b,8a,9,9a−η)-9H-フルオレン-9-イル)シクロヘキサノレート(2-))ジベンジルチタンなどが挙げられる。
本発明では、上記のようなメタロセン化合物は、2種以上組合わせて用いることもできる。
上記説明においては、メタロセン化合物としてチタン化合物について例示したが、チタンを、ジルコニウムまたはハフニウムに置換えた化合物を例示することもできる。
これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明では、上記メタロセン化合物[E−1]および[E−2]としては、中心の金属原子がジルコニウムであり、少なくとも2個のシクロペンタジエニル骨格を含む配位子を有するジルコノセン化合物が好ましく用いられる。なお前記メタロセン化合物[II]では、中心の金属原子がチタンであることが好ましい。
本発明においては、上記のようなメタロセン化合物のうち、巾広い範囲にわたる長鎖分岐度の制御のしやすさの点、および活性、α-オレフィンの転化率、生成重合体の分子量
、ランダム性、重合温度の点から特に下記の一般式[III] または[IV]で示される化合物が好ましく用いられる。
一般式[III] で示されるメタロセン化合物は、上記式[C]で示される化合物の一部であり、また、一般式[IV]で示されるメタロセン化合物は、上記式[B]で示される化合物の一部である。
Figure 2005344101
式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムである。
11およびR12
11およびR12は、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲンで置換されていてもよい炭素原子数1〜20の炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基であり、
炭素原子数1〜20のアルキル基としては、たとえば、メチル基、エチル基、プロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert- ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、アイコシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等のアルキル基、
ビニル基、プロペニル基、シクロヘキセニル基等のアルケニル基、
ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアリールアルキル基、
フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ビフェニル基、α- またはβ- ナフチル基、メチルナフチル基、アントラセニル基、フェナントリル基、ベンジルフェニル基、ピレニル基、アセナフチル基、フェナレニル基、アセアントリレニル基、テトラヒドロナフチル基、インダニル基、ビフェニリル基等のアリール基などが挙げられる。
これらの炭化水素基は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲン原子、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基などの有機シリル基で置換されていてもよい。
酸素含有基としては、具体的には、
ヒドロオキシ基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、
フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ナフトキシ基等のアリロキシ基、
フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基等のアリールアルコキシ基などが挙げられる。
イオウ含有基としては、具体的には、
前記酸素含有基の酸素をイオウに置換した置換基、
メチルスルホネート基、トリフルオロメタンスルフォネート基、フェニルスルフォネート基、ベンジルスルフォネート基、p-トルエンスルフォネート基、トリメチルベンゼンスルフォネート基、トリイソブチルベンゼンスルフォネート基、p-クロルベンゼンスルフォネート基、ペンタフルオロベンゼンスルフォネート等のスルフォネート基、
メチルスルフィネート基、フェニルスルフィネート基、ベンゼンスルフィネート基、p-トルエンスルフィネート基、トリメチルベンゼンスルフィネート基、ペンタフルオロベンゼンスルフィネート等のスルフィネート基
などが挙げられる。
窒素含有基としては、具体的には、
アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、
フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジナフチルアミノ基等のアリールアミノ基またはメチルフェニルアミノ基等のアルキルアリールアミノ基などが挙げられる。
リン含有基としては、具体的には、ジメチルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィノ基などが挙げられる。
11は、これらのうちでも炭化水素基であることが好ましく、特にメチル基、エチル基、プロピル基の炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。
またR12は、水素原子、炭化水素基であることが好ましく、特に水素原子あるいは、メチル基、エチル基、プロピル基の炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。
13 およびR 14
13およびR14は、上記に例示したような炭素原子数1〜20のアルキル基である。
13は、2級または3級アルキル基であることが好ましい。
14は、2重結合、3重結合を含んでいてもよい。
1 およびX 2
1 およびX2 は、互いに同一でも、異なっていてもよく、水素原子、ハロゲン原子、上記に例示したような炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基またはイオウ含有基であり、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。

Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2 −、−NR15−、−P(R15)−、−P(O)(R15)−、−BR15−または−AlR15−[ただし、R15は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基またはアルコキシ基]であり、具体的には、
メチレン基、ジメチルメチレン基、1,2-エチレン基、ジメチル-1,2- エチレン基、1,3-トリメチレン基、1,4-テトラメチレン基、1,2-シクロヘキシレン基、1,4-シクロヘキシレン基等のアルキレン基、ジフェニルメチレン基、ジフェニル-1,2-エチレン基等のアリー
ルアルキレン基などの炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基;
クロロメチレン等の上記炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基をハロゲン化したハロゲン化炭化水素基;
メチルシリレン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジ(n-プロピル)シリレン基、ジ(i-プロピル)シリレン基、ジ(シクロヘキシル)シリレン基、メチルフェニルシリレン基、ジフェニルシリレン基、ジ(p-トリル)シリレン基、ジ(p-クロロフェニル)シリレン等のアルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、アリールシリレン基、テトラメチル-1,2- ジシリル基、テトラフェニル-1,2- ジシリル基等のアルキルジシリル基、アルキルアリールジシリル基、アリールジシリル基などの2価のケイ素含有基;
上記2価のケイ素含有基のケイ素をゲルマニウムに置換した2価のゲルマニウム含有基などが挙げられる。
15は、前記と同様の水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。
これらのうち、Yは、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン基、アルキルアリールシリレン基、アリールシリレン基であることが特に好ましい。
以下に上記一般式[III] で表わされるメタロセン化合物の具体的な例を示す。
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- エチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-sec- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- ペンチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-n- ヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- シクロヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- メチルシクロヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- フェニルエチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- フェニルジクロルメチル-1-インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- クロロメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- トリメチルシリルメチル-1-インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- トリメチルシロキシメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジエチルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(i-プロピル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(n-ブチル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(シクロヘキシル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1-インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,7-ジメチル-4- エチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-トリル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレン- ビス(2,7-ジメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- エチル-1- インデニル)ジルコニウムジブロミド
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- エチル-1- インデニル)ジルコニ
ウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-sec- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- ペンチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-n- ヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- シクロヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- メチルシクロヘキシル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- トリメチルシリルメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- トリメチルシロキシメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- フェニルエチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- フェニルジクロルメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- クロルメチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジエチルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(i-プロピル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1-インデニ
ル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(n-ブチル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(シクロヘキシル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-t- ブチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジフェニルシリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4- エチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-トリル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジ(p-クロロフェニル)シリレン- ビス(2,3,7-トリメチル-4-i- プロピル-1- イ
ンデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジメチル、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムメチルクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム- ビス(メタンスルホナト)、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウム- ビス(p-フェニルスルフィナト)、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-3- メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-エチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-フェニル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)チタニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス(2-メチル-4-i- プロピル-7- メチル-1- インデニル)ハフニウムジクロリドなど。
これらの中で、4位にi-プロピル基、sec-ブチル基、tert- ブチル基などの分岐アルキル基を有する化合物が、特に好ましい。
本発明では、通常、前記遷移金属化合物のラセミ体がオレフィン重合用触媒成分として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
上記のような遷移金属化合物は、インデン誘導体から既知の方法たとえば特開平4−268307号公報に記載されている方法により合成することができる。
本発明で好ましく用いられる下記式[IV]で示される化合物は、EP−549900号およびカナダ−2084017号の明細書に記載されている。
Figure 2005344101
式中、Mは、周期律表第IVB族の遷移金属原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムであり、特に好ましくはジルコニウムである。R21は、互いに同じでも異なっていてもよく、
水素原子、
ハロゲン原子、好ましくはフッ素原子または塩素原子、
ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、
炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、
−NR2、−SR、−OSiR3、−SiR3 または−PR2 基(ただし、Rはハロゲン原子、好ましくは塩素原子、炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基または炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基)である。
22〜R28は、同一でも異なっていてもよく、R21と同様の原子または基であり、これらR22〜R28のうち隣接する少なくとも2個の基は、それらの結合する原子とともに、芳香族環または脂肪族環を形成していてもよい。
3 およびX4 は、互いに同じでも異なっていてもよく、
水素原子、ハロゲン原子、OH基、
炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基、
炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルコキシ基、
炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、
炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリールオキシ基、
炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4のアルケニル基、
炭素原子数7〜40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基、
炭素原子数7〜40、好ましくは7〜12のアルキルアリール基、
炭素原子数8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケニル基である。
Zは、
Figure 2005344101
−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=NR29、=CO、=PR29 または=P(O)R29である。
ただし、R29およびR30は、互いに同一でも異なっていてもよく、
水素原子、ハロゲン原子、
炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルキル基、特に好ましくはメチル基、
炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基、好ましくはCF3 基、
炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基、
炭素原子数6〜10のフルオロアリール基、好ましくはペンタフルオロフェニル基、
炭素原子数1〜10、好ましくは1〜4のアルコキシ基、特に好ましくはメトキシ基、
炭素原子数2〜10、好ましくは2〜4のアルケニル基、
炭素原子数7〜40、好ましくは7〜10のアリールアルキル基、
炭素原子数8〜40、好ましくは8〜12のアリールアルケニル基、
炭素原子数7〜40、好ましくは7〜12のアルキルアリール基である。
またR29とR30とは、それぞれ、それらの結合する原子とともに環を形成してもよい。
2 は、珪素、ゲルマニウムまたはスズである。
上述のアルキル基は、直鎖状のまたは枝分かれしたアルキル基であり、ハロゲン(ハロゲン化)はフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子であり、特に好ましくはフッ素原子または塩素原子である。
このような式[IV]で示される化合物のうちでも、
Mは、ジルコニウムまたはハフニウムであり、
21は、互いに同じであり、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、
22〜R28は、互いに同一でも異なっていてもよく、水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基であり、
3 およびX4 は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜3のアルキル基またはハロゲン原子であり、
Zは、
Figure 2005344101
(M2 はケイ素であり、R29およびR30は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜4のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリール基である。)
である化合物が好ましく、
置換基R22およびR28は、水素原子であり、R23〜R27は、炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子である化合物がより好ましい。
さらには、Mは、ジルコニウムであり、
21は、互いに同一で炭素原子数1〜4のアルキル基であり、
22およびR28は、水素原子であり、
23〜R27は、同一でも異なっていてもよく、
炭素原子数1〜4のアルキル基または水素原子であり、
3 およびX4 は、いずれも塩素原子であり、
Zは、
Figure 2005344101
(M2 は、ケイ素であり、R29およびR30は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素原子数1〜4のアルキル基または炭素原子数6〜10のアリール基である。)
である化合物が好ましく、特に、
Mは、ジルコニウムであり、
21は、メチル基であり、
22〜R28は、水素原子であり、
3 およびX4 は、塩素原子であり、
Zは、
Figure 2005344101
(M2 は、ケイ素であり、R29およびR30は、互いに同一でも異なっていてもよく、メチル基またはフェニル基である)である化合物が好ましい。
以下にこのような式[II]で示されるメタロセン化合物を数例示す。
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4,5- アセナフトシクロペンタジエニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-ジメチルシリレン- ビス{1-(2,3-6-トリメチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2-メチル-4,5- アセナフトシクロペンタジエニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(4,5-ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2,6-ジメチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリド、
rac-メチルフェニルシリレン- ビス{1-(2,3-6-トリメチル-4,5- ベンゾインデニル)}ジルコニウムジクロリドなど。
また、上記のような化合物中のジルコニウムを、チタニウムまたはハフニウムに代えた化合物を挙げることもできる。
本発明では、式[III] または[IV]で示されるメタロセン化合物のラセミ体が触媒成分として好ましく用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
上記のようなメタロセン化合物は、2種以上組合わせて用いることもできる。また上記のようなメタロセン化合物は、粒子状担体化合物と接触させて用いることもできる。
担体化合物としては、Si O2 、Al23 、B23 、MgO、ZrO2 、CaO、Ti
2 、ZnO、Zn2O、SnO2 、BaO、ThOなどの無機担体化合物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、スチレン-ジビニルベンゼン
共重合体などの樹脂を用いることができる。これらの担体化合物は、二種以上組み合わせて用いることもできる。
これらメタロセン化合物は、炭化水素あるいはハロゲン化炭化水素に希釈して用いてもよい。
次に、本発明でメタロセン系触媒(周期律表第IV族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン対を形成する化合物と、からなる触媒)を形成する際に用いられる有機アルミニウムオキシ化合物およびイオン対を形成する化合物について説明する。
有機アルミニウムオキシ化合物[B]
本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物は、従来公知のアルミノオキサンであってもよく、またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。
このような従来公知のアルミノオキサンは、具体的には、下記一般式で表される。
Figure 2005344101
(上記一般式において、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であり、好ましくはメチル基、エチル基、とくに好ましくはメチル基であり、mは2以上、好ましくは5〜40の整数である。)
ここで、このアルミノオキサンは式(OAl(R1))で表わされるアルキルオキシアルミニウム単位および式(OAl(R2))で表わされるアルキルオキシアルミニウム単位[ここで、R1 およびR2 はRと同様の炭化水素基を例示することができ、R1 およびR2 は相異なる基を表わす]からなる混合アルキルオキシアルミニウム単位から形成されていてもよい。
従来公知のアルミノオキサンは、たとえば下記のような方法によって製造され、通常、芳香族炭化水素溶媒の溶液として回収される。
(1) 吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などを懸濁した芳香族炭化水素溶媒に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して反応させて芳香族炭化水素溶媒の溶液として回収する方法。
(2) ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフランなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水(水、氷または水蒸気)を作用させて芳香族炭化水素溶媒の溶液として回収する方法。
これらの方法のうちでは、(1) の方法を採用するのが好ましい。
アルミノオキサンの溶液を製造する際に用いられる有機アルミニウム化合物としては、後述するような有機アルミニウム化合物が挙げられる。
本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、たとえば、アルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含有化合物とを接触させる方法、あるいは上記のような有機アルミニウム化合物と水とを接触させる方法などによって得ることができる。
本発明で用いられるベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物では、該化合物を赤外分光法(IR)によって解析して、1220cm-1付近における吸光度(D1220)と、1260cm-1付近における吸光度(D1260)との比(D1260/D1220)が、0.09
以下、好ましくは0.08以下、特に好ましくは0.04〜0.07の範囲にあることが望
ましい。
上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、下記式で表されるアルキルオキシアルミニウム単位を有すると推定される。
Figure 2005344101
式中、R7 は炭素数1〜12の炭化水素基である。このような炭化水素基として、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基などを例示することができる。これらの中でメチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
このベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、上記式で表わされるアルキルオキシアルミニウム単位の他に、下記式で表わされるオキシアルミニウム単位を含有していてよい。
Figure 2005344101
式中、R8 は炭素数1〜12の炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、水酸基、ハロゲンまたは水素原子である。
また該R8 および上記式中のR7 は互いに異なる基を表わす。
オキシアルミニウム単位を含有する場合には、アルキルオキシアルミニウム単位を30モル%以上、好ましくは50モル%以上、特に好ましくは70モル%以上の割合で含むアルキルオキシアルミニウム単位を有する有機アルミニウムオキシ化合物が望ましい。
なお本発明で用いられる有機アルミニウムオキシ化合物は、少量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有していてもよい。
メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物[C]
本発明で用いられるメタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物[C]としては、特表平1−501950号公報、特表平1−502036号公報、特開平3−179005号公報、特開平3−179006号公報、特開平3−207703号公報
、特開平3−207704号公報、US−547718号公報などに記載されたルイス酸、イオン性化合物およびボラン化合物、カルボラン化合物を挙げることができる。
ルイス酸としては、Mg含有ルイス酸、Al含有ルイス酸、B含有ルイス酸などが挙げられ、これらのうちB含有ルイス酸が好ましい。ホウ素原子を含有するルイス酸としては、具体的には、下記一般式で表わされる化合物を例示することができる。
BR1 2 3
(式中、R1 2 およびR3 は、それぞれ独立して、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基、またはフッ素原子を示す。)
上記一般式で表わされる化合物としては、具体的には、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4-フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5-ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4-フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p-トリル)ボロン、トリス(o-トリル)ボロン、トリス(3,5-ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。これらのうちでは、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロンが特に好ましい。
本発明で用いられるイオン性化合物は、カチオン性化合物とアニオン性化合物とからなる塩である。アニオンは前記メタロセン化合物[A]と反応することによりメタロセン化合物[A]をカチオン化し、イオン対を形成することにより遷移金属カチオン種を安定化させる働きがある。そのようなアニオンとしては、有機ホウ素化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニオンなどがあり、比較的嵩高で遷移金属カチオン種を安定化させるアニオンが好ましい。カチオンとしては、金属カチオン、有機金属カチオン、カルボニウムカチオン、トリピウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、アンモニウムカチオンなどが挙げられる。具体的には、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、N,N-ジメチルアンモニウムカチオン、フェロセニウムカチオンなどを例示することができる。
本発明においては、有機ホウ素化合物アニオンを有するイオン性化合物が好ましい。具体的には、
トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(o,p-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(m,m-ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(o-トリル)ホウ素、トリ(n-ブチル)アンモニウムテトラ(4-フルオロフェニル)ホウ素等のトリアルキル置換アンモニウム塩、
N,N-ジメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N-ジエチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素等のN,N-ジアルキルアニリニウム塩、
ジ(n-プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素等のジアルキルアンモニウム塩、
トリフェニルホスフォニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(メチルフェニル)ホスフォニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(ジメチルフェニル)ホスフォニウムテトラ(フェニル)ホウ素等のトリアリールホスフォニウム塩などが挙げられる。
本発明では、ホウ素原子を含有するイオン性化合物として、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス
(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートも挙げることができる。
また、以下のようなホウ素原子を含有するイオン性化合物も例示できる。(なお、以下に列挙するイオン性化合物における対向イオンは、トリ(n-ブチル)アンモニウムであるが、これに限定されない。)
アニオンの塩、たとえば
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ノナボレート、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]デカボレート、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ウンデカボレート、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ドデカボレート、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]デカクロロデカボレート、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ドデカクロロドデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- カルバドデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウム-1- トリメチルシリル-1- カルバデカボレート、トリ(n-ブチル)アンモニウムブロモ-1- カルバドデカボレートなど、さらには下記のようなボラン化合物、カルボラン化合物などを挙げることができる。これらの化合物は、ルイス酸、イオン性化合物として用いられる。
ボラン化合物、カルボラン錯化合物、およびカルボランアニオンの塩としては、たとえば
デカボラン(14)、
7,8-ジカルバウンデカボラン(13)、
2,7-ジカルバウンデカボラン(13)、
ウンデカハイドライド-7,8- ジメチル-7,8- ジカルバウンデカボラン、
ドデカハイドライド-11-メチル-2,7- ジカルバウンデカボラン、
トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(14)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム6-カルバデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム7-カルバウンデカボレート(13)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム7,8-ジカルバウンデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウム2,9-ジカルバウンデカボレート(12)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムドデカハイドライド-8- メチル7,9-ジカルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド8-エチル-7,9- ジカルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8- ブチル-7,9- ジカルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-8- アリル-7,9- ジカルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-9- トリメチルシリル-7,8- ジカルバウンデカボレート、
トリ(n-ブチル)アンモニウムウンデカハイドライド-4,6- ジブロモ-7- カルバウンデカボレートなどが挙げられる。
カルボラン化合物、およびカルボランの塩としては、たとえば
4-カルバノナボラン(14)、
1,3-ジカルバノナボラン(13)、
6,9-ジカルバデカボラン(14)、
ドデカハイドライド-1- フェニル-1,3- ジカルバノナボラン、
ドデカハイドライド-1- メチル-1,3- ジカルバノナボラン、
ウンデカハイドライド-1,3- ジメチル-1,3- ジカルバノナボランなどが挙げられる。
さらに、以下のような化合物も例示できる。(なお、以下に列挙するイオン性化合物における対向イオンは、トリ(n-ブチル)アンモニウムであるが、これに限定されない。)
金属カルボランの塩および金属ボランアニオン、たとえば
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-1,3- ジカルバノナボレート)コバルテート(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)フェレート(鉄酸塩)(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)コバルテート(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)ニッケレート(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)キュブレート(銅酸塩)(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)アウレート(金属塩)(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8- ジメチル-7,8-ジカルバ
ウンデカボレート)フェレート(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ノナハイドライド-7,8- ジメチル-7,8-ジカルバ
ウンデカボレート)クロメート(クロム酸塩)(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(トリブロモオクタハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレート)コバルテート(III)、
トリ(n-ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイドライドジカルバドデカボレート)コバルテート(III)、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケレート(III)、
トリス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカボレート)クロメート(III)、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカボレート)マンガネート(IV)、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカボレート)コバルテート(III)、
ビス[トリ(n-ブチル)アンモニウム]ビス(ウンデカハイドライド-7- カルバウンデカボレート)ニッケレート(IV)などが挙げられる。
上記のような化合物[C]は、2種以上組合わせて用いることもできる。
有機アルミニウム化合物[D]
本発明で用いられる有機アルミニウム化合物[D]は、たとえば下記一般式(a) で示すことができる。
5 nAlX3-n ・・・(a)
(式中、R5 は炭素原子数1〜12の炭化水素基であり、Xはハロゲン原子または水素原子であり、nは1〜3である。)
上記式(a) において、R5 は炭素原子数1〜12の炭化水素基、たとえばアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基であり、具体的には、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリル基などである。
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には、
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリ2-エチルヘキシルアルミニウム等のトリアルキルアルミニム、
イソプレニルアルミニウム等のアルケニルアルミニウム、
ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、ジイソプロピルアルミニウムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムブロミド等のジアルキルアルミニウムハライド、
メチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリド、イソプロピルアルミニウムセスキクロリド、ブチルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセスキハライド、
メチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、イソプロピルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウムジブロミド等のアルキルアルミニウムジハライド、
ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライドなどが挙げられる。
また、有機アルミニウム化合物[D]として、下記の式(b) で表わされる化合物を用いることもできる。
5 nAlY3-n ・・・(b)
(式中、R5 は、上記式(a) におけるR5 と同様であり、Yは、−OR6 基、−OSiR7 3 基、−OAlR8 2 基、−NR9 2 基、−SiR10 3 基 または−N(R11)AlR12 2 基であり、
nは1〜2であり、
6 、R7 、R8 およびR12は、メチル基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などであり、
9 は、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリメチルシリル基などであり、
10およびR11は、メチル基、エチル基などである。)
このような有機アルミニウム化合物としては、具体的には、以下のような化合物が挙げられる。
(i) R5 n Al(OR63-n で表わされる化合物、たとえばジメチルアルミニウムメトキシド、ジエチルアルミニウムエトキシド、ジイソブチルアルミニウムメトキシドなど。
(ii)R5 n Al(OSiR7 33-n で表わされる化合物、たとえば
(C252 Al(OSi(CH33 )、
(iso-C492 Al(OSi(CH33)、
(iso-C492 Al(OSi(C253)など。
(iii) R5 nAl(OAlR8 23-n で表わされる化合物、たとえば
(C252Al(OAl(C252)、
(iso-C492Al(OAl(iso-C492)など。
(iv)R5 nAl(NR9 23-n で表わされる化合物、たとえば
(CH32Al(N(C252)、
(C252Al(NH(CH3))、
(CH32Al(NH(C25))、
(C252Al[N(Si(CH332]、
(iso-C492Al[N(Si(CH332] など。
(v) R5 nAl(SiR10 33-n で表わされる化合物、たとえば
(iso-C492Al(Si(CH33)など。
本発明では、これらのうちでもR5 3Al 、R5 nAl(OR63-n 、R5 nAl(OA
lR8 23-n で表わされる有機アルミニウム化合物を好適な例として挙げることができ
、R5 がイソアルキル基であり、n=2である化合物が特に好ましい。これらの有機アルミニウム化合物は、2種以上組合わせて用いることもできる。
本発明で用いられるメタロセン系触媒は、上記のようなメタロセン化合物[A]を含んでおり、たとえば上記したようにメタロセン化合物[A]と、有機アルミニウムオキシ化合物[B]とから形成することができる。また、メタロセン化合物[A]と、メタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物[C](イオン性化合物)とから形成されてもよく、さらにメタロセン化合物[A]とともに、有機アルミニウムオキシ化合物[B]とメタロセン化合物[A]とが反応してイオン対を形成する化合物[C]とを併用することもできる。また、これらの態様において、さらに有機アルミニウム化合物[D]を併用することが特に好ましい。
本発明では、上記メタロセン化合物[A]は、重合容積1リットル当り、遷移金属原子に換算して、通常、約0.00005〜0.1ミリモル、好ましくは約0.0001〜0.05ミリモルの量で用いられる。
また有機アルミニウムオキシ化合物[B]は、遷移金属原子1モルに対して、アルミニウム原子が、通常、約1〜10,000モル、好ましくは10〜5,000モルとなるような量で用いることができる。
イオン性化合物すなわちメタロセン化合物[A]と反応してイオン対を形成する化合物[C]は、遷移金属原子1モルに対して、ボロン原子が、通常、約0.5〜20モル、好ましくは1〜10モルとなるような量で用いられる。
さらに有機アルミニウム化合物[D]は、有機アルミニウムオキシ化合物[B]中のアルミニウム原子またはイオン対を形成する化合物[C]中のボロン原子1モルに対して、通常、約0〜1,000モル、好ましくは約0〜500モルとなるような量で必要に応じて用いられる。
上記のようなメタロセン系触媒を用いて、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、2種の非共役ポリエンとを共重合させると、優れた重合活性で(a)エチレン・(b)α- オレフィン・(c)非共役ポリエン・(d)非共役ポリエン四元エチレン系共重合体ゴム(エチレン系共重合体ゴム)を得ることができる。
なお、バナジウム系触媒などの第VB族遷移金属化合物系触媒を用いて、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、上記2種の非共役ポリエン(c)(d)とを共重合させても十分な重合活性で共重合体ゴムを得ることができないことがある。
一方、本発明のようにメタロセン系触媒を用いると、2種の非共役ポリエンは、ノルボルネン環含有ポリエン類に限定されることがなく、前述したような各種ポリエン、たとえば7-メチル-1,6- オクタジエン等のメチルオクタジエン(MOD)などの鎖状非共役ポリエン類も共重合させることができる。
本発明では、エチレン(a)と、炭素原子数3〜20のα- オレフィン(b)と、2種の非共役ポリエン(c)および(d)とを共重合させる際に、メタロセン系触媒を構成する上記メタロセン化合物[A]、有機アルミニウムオキシ化合物[B]、イオン対を形成する化合物[
C]、さらには有機アルミニウム化合物[D]をそれぞれ別々に重合反応器に供給してもよいし、また予めメタロセン化合物[A]を含有するメタロセン系触媒を調製してから共重合反応に供してもよい。
またメタロセン系触媒を調製する際には、触媒成分と反応不活性な炭化水素溶媒を用いることができ、不活性炭化水素溶媒としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン等の脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、エチレンクロリド、クロルベンゼン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を用いることができる。これらの炭化水素溶媒は、単独で、あるいは組合わせて用いることができる。
上記メタロセン化合物[A]、有機アルミニウムオキシ化合物[B]、イオン対を形成する化合物[C]および有機アルミニウム化合物[D]は、通常−100〜200℃、好ましくは−70〜100℃で混合接触させることができる。
本発明では、エチレン(a)と、炭素原子数3〜20のα- オレフィン(b)と、2種の非共役ポリエン(c)および非共役ポリエン(d)との四元共重合反応は、通常40〜200℃、好ましくは50〜150℃、特に好ましくは60〜120℃、さらに好ましくは70〜120℃で、大気圧〜100kg/cm2 、好ましくは大気圧〜50kg/cm2 、特に好ましくは大気圧〜30kg/cm2 の条件下で行なうことができる。
この共重合反応は、種々の重合方法で実施することができるが、溶液重合により行なうことが好ましい。この際重合溶媒としては、上記のような炭化水素溶媒を用いることができ、またプロピレン等のα-オレフィンを溶媒として用いてもよい。
共重合は、バッチ式、半連続式、連続式のいずれの方法においても行なうことができるが、連続式で行なうことが好ましい。さらに重合を反応条件を変えて2段以上に分けて行なうこともできる。
また反応時間(共重合が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なるが、通常、5分〜5時間、好ましくは10分〜3時間程度である。
また、本発明で用いられるエチレン系共重合体ゴムは、上述したような方法により得られるが、このエチレン系共重合体ゴムの分子量は、重合温度などの重合条件を変更することにより調節することができ、また水素(分子量調節剤)の使用量を制御することにより調節することもできる。
本発明においては、有機アルミニウムオキシ化合物または上記イオン性化合物は、上述した担体化合物に担持させて用いることもできる。
上記のようにしてエチレン(a)、α−オレフィン(b)および上記非共役ポリエン(c)およ
び(d)を共重合させると、エチレン系共重合体ゴムは通常これを含む重合液として得られ
る。この重合液は、常法により処理され、エチレン系共重合体ゴムが得られる。
エチレン系共重合体ゴムのグラフト変性物
本発明に係るエチレン系共重合体ゴムは、該エチレン系共重合体ゴムに極性モノマーをグラフト重合させることにより、変性して用いることができる。
本発明のグラフト変性されたエチレン系共重合体ゴム(グラフト変性エチレン系共重合
体ゴムともいう)は、ラジカル開始剤の存在下あるいは不存在下に、上記のようなエチレン系共重合体ゴムと、後述するような極性モノマーとを反応させることにより得ることができる。
極性モノマーとしては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、芳香族ビニル化合物、不飽和カルボン酸あるいはその誘導体、ビニルエステル化合物、塩化ビニルなどが挙げられる。
具体的には、水酸基含有エチレン性不飽和化合物としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシ−プロピル(メタ)アクリレート、3-ク
ロロ-2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタンモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2-(6-ヒドロキシヘキサノイルオキシ)エチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル;10-ウンデセン-1-オール、1-オクテン-3-オール、2-メタノールノルボルネン、ヒドロ
キシスチレン、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、N-メチロールアクリルアミド、2-(メタ)アクロイルオキシエチルアシッドフォスフェート、グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、アリロキシエタノール、2-ブテン-1,4-ジオール、グリセリンモノアルコールなどが挙げられる。
アミノ基含有エチレン性不飽和化合物は、エチレン性二重結合とアミノ基を有する化合物であり、このような化合物としては、次式で表わされるアミノ基または置換アミノ基を少なくとも1種類有するビニル系単量体を挙げることができる。
Figure 2005344101
式中、R1は水素原子、メチル基またはエチル基であり、R2は、水素原子、炭素数1〜12、好ましくは炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜12、好ましくは6〜8のシクロアルキル基である。なお上記のアルキル基、シクロアルキル基は、さらに置換基を有してもよい。
このようなアミノ基含有エチレン性不飽和化合物としては、具体的には、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸プロピルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸フェニルアミノエチルおよびメタクリル酸シクロヘキシルアミノエチルなどのアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル系誘導体類;N-ビニルジエチルアミンおよびN-アセチルビニルアミンなどのビニルアミン系誘導体類;アリルアミン、メタクリルアミン、N-メチルアクリルアミン、N,N-ジメチルアクリルアミン、およびN,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミンなどのアリルアミン系誘導体;アクリルアミドおよびN-メチルアクリルアミドなどのアクリルアミド系誘導体;p-アミノスチレンなどのアミノスチレン類;6-アミノヘキシルコハク酸イミド、2-アミノエチルコハク酸イミドなどが用いられる。
エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物は、1分子中に重合可能な不飽和結合およびエ
ポキシ基を少なくとも1個以上有するモノマーであり、このようなエポキシ基含有エチレン性不飽和化合物としては、具体的には、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなど、
マレイン酸のモノおよびジグリシジルエステル、フマル酸のモノおよびジグリシジルエステル、クロトン酸のモノおよびジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸のモノおよびジグリシジルエステル、イタコン酸のモノおよびジグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸のモノおよびジグリシジルエステル、シトラコン酸のモノおよびジグリシジルエステル、エンド-シス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸(ナジック
TM)のモノおよびジグリシジルエステル、エンド-シス-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2-メチル-2,3-ジカルボン酸(メチルナジック酸TM)のモノおよびジグリシジルエステル、アリルコハク酸のモノおよびジグリシジルエステルなどのジカルボン酸モノおよびジアルキルグリシジルエステル(モノグリシジルエステルの場合のアルキル基の炭素数1〜12)、p-スチレンカルボン酸のアルキルグリシジルエステル、アリルグリシジルエーテル、2-メチルアリルグリシジルエーテル、スチレン-p-グリシジルエーテル、3,4-エポキ
シ-1-ブテン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ブテン、3,4-エポキシ-1-ペンテン、3,4-エポキシ-3-メチル-1-ペンテン、5,6-エポキシ-1-ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキシ
ドなどを例示することができる。
芳香族ビニル化合物としては、下記式で表わされる化合物が挙げられる。
Figure 2005344101
上記式において、R1およびR2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素原子数1〜3のアルキル基を表わし、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基およびイソプロピル基を挙げることができる。また、R3は炭素原子数1〜3の炭化水素基またはハロゲン
原子を表わし、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基およびイソプロピル基並びに塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子などを挙げることができる。また、nは通常は0〜5、好ましくは1〜5の整数を表す。
このような芳香族ビニル化合物の具体的な例としては、スチレン、α-メチルスチレン
、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-クロロスチレン、m-クロロスチレンおよびp-クロロメチルスチレン、4-ビニルピリジン、2-ビニルピリジン、5-エチル-2-ビニルピリジン、2-メチル-5-ビニルピリジン、2-イソプロペニルピリジン、2-ビニルキノリン、3-ビニルイソキノリン、N-ビニルカルバゾール、N-ビニルピロリドンなどを挙げることができる。
不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン酸などの不飽和カ
ルボン酸、またはこれらの酸無水物あるいはこれらの誘導体(例えば酸ハライド、アミド、イミド、エステルなど)が挙げられる。具体的な化合物の例としては、塩化マレニル、マレニルイミド、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン-5,6-ジカルボン酸無水物、マレイン酸ジ
メチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジ
メチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ[2,2,1]ヘ
プト-2-エン-5,6-ジカルボン酸ジメチル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、メタクリル酸アミノエチルおよびメタクリル酸アミノプロピルなどを挙げることができる。これらの中では、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート、メタクリル酸アミノプロピルが好ましい。
ビニルエステル化合物の例としては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n-酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサティック酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、p-t-ブチル安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニルなどを挙げることができる。
上記極性モノマーは、上記エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して、通常は、0.1〜100重量部、好ましくは0.5〜80重量部の量で使用される。
ラジカル開始剤としては、有機過酸化物あるいはアゾ化合物などを挙げることができる。
有機過酸化物の具体的な例としては、ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキ
サイド、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ビス(t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)バラレート、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシベンゾエート、アセチルパーオキサイド、イソブチリルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイドおよび2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、m-トルイルパーオキサイドなどを挙げることができる。また、アゾ化合物としてはアゾイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチロニトリルなどを挙げることができる。
このようなラジカル開始剤は、上記エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して、一般には、0.001〜10重量部の量で使用されることが望ましい。
ラジカル開始剤は、そのままエチレン系共重合体ゴムおよび極性モノマーと混合して使用することもできるが、このラジカル開始剤を少量の有機溶媒に溶解して使用することもできる。ここで使用される有機溶媒としては、ラジカル開始剤を溶解し得る有機溶媒であれば特に限定することなく使用することができる。このような有機溶媒としては、ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素溶媒;ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナンおよびデカンなどの脂肪族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンおよびデカヒドロナフタレンのようなの脂環族炭化水素系溶媒;クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素およびテトラクロルエチレンなどの塩素化炭化水素;メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノールおよびtert-ブタノール
などのアルコール系溶媒;アセトン、メチルエチルケトンおよびメチルイソブチルケトンなどのケトン系溶媒;酢酸エチルおよびジメチルフタレートなどのエステル系溶媒;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ-n-アミルエーテル、テトラヒドロフランおよびジ
オキシアニソールのようなエーテル系溶媒を挙げることができる。
また本発明において、エチレン系共重合体ゴムをグラフト変性するに際して、還元性物質を用いてもよい。還元性物質は、得られるグラフト変性エチレン系共重合体ゴムにおけるグラフト量を向上させる作用を有する。
還元性物質としては、鉄(II)イオン、クロムイオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、パラジウムイオン、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン、ヒドラジンなどのほか、−SH
、−SO3H、−NHNH2、−COCH(OH)−などの基を含む化合物が挙げられる。
このような還元性物質としては、具体的には、塩化第一鉄、重クロム酸カリウム、塩化コバルト、ナフテン酸コバルト、塩化パラジウム、エタノールアミン、ジエタノールアミン、N,N-ジメチルアニリン、ヒドラジン、エチルメルカプタン、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などが挙げられる。
上記の還元性物質は、上記のエチレン系共重合体ゴム100重量部に対して、通常は、0.001〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部の量で使用される。エチレン系共重合体ゴムのグラフト変性は、従来公知の方法で行うことができ、例えばエチレン系共重合体ゴムを有機溶媒に溶解し、次いで極性モノマーおよびラジカル開始剤などを溶液に加え、70〜200℃、好ましくは80〜190℃の温度で、0.5〜15時間、好ましくは1
〜10時間反応させることにより行われる。
エチレン系共重合体ゴムをグラフト変性する際に用いられる有機溶媒は、エチレン系共重合体ゴムを溶解し得る有機溶媒であれば特に限定することなく使用することができる。
このような有機溶媒としては、前述したベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒などが挙げられる。
また、押出機などを使用して、無溶媒で、エチレン系共重合体ゴムと極性モノマーとを反応させて、グラフト変性エチレン系共重合体ゴムを製造することができる。反応温度は、通常エチレン系共重合体ゴムの融点以上、具体的には120〜250℃の範囲である。このような温度条件下における反応時間は、通常0.5〜10分間である。
このようにして調製されたグラフト変性エチレン系共重合体ゴム中における極性モノマーから誘導されるグラフト基のグラフト量は、通常は0.1〜50重量%、好ましくは0.2〜30重量%の範囲内にある。
このようにして得られた変性エチレン系共重合体ゴムは、金属および極性樹脂との接着性に優れる。また、該変性エチレン系共重合体ゴムを極性樹脂とブレンドすることにより、その耐衝撃性、低温耐衝撃性を改良することができる。
また変性エチレン系共重合体ゴムを(変性エチレン系ランダム共重合体)成型して得られた成形体では、その成形体表面への印刷性、塗装性に優れている。また、ポリオレフィンにガラス繊維、無機化合物などの充填剤と共に該変性エチレン系共重合体ゴム(変性エチレン系ランダム共重合体)をブレンドすることにより、充填剤の分散性が改良された樹脂組成物を得ることができる。このようにすれば、充填剤を配合する場合の利点が保持され、しかも機械強度が向上した樹脂組成物を得ることができる。
加硫可能なゴム組成物
上記のようなエチレン系共重合体ゴムを含有する本発明に係るゴム組成物は、加硫可能なゴム組成物であり(以下、加硫可能なゴム組成物ともいう)、未加硫のままでも用いることもできるが、加硫物として用いるとより一層優れた特性を発現することができる。
本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、加硫剤を使用して加熱する方法、あるいは加硫剤を用いずに電子線を照射する方法により加硫することができる。
本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、エチレン系共重合体ゴムとともに目的に応じて他の成分を適宜含有することができるが、エチレン系共重合体ゴムを、全ゴム組成物中20重量%以上好ましくは25重量%以上の量で含有していることが望ましい。ゴム組成物
中におけるエチレン系共重合体ゴムの含有量がこの範囲にある場合に、ゴム組成物としての良好な物性が発現する。
また他の成分としては、たとえば補強剤、無機充填剤、軟化剤、抗酸化剤(安定剤)、加工助剤、さらには発泡剤、発泡助剤などの発泡系を構成する化合物、可塑剤、着色剤、難燃剤、他のゴム配合剤などの種々の薬剤などを挙げることができる。他の成分は、用途に応じてその種類、含有量が適宜選択されるが、これらのうちでも特に補強剤、無機充填剤、軟化剤などを用いることが好ましく、以下に、より具体的に示す。
補強剤および無機充填剤
補強剤としては、具体的に、SRF、GPF、FEF、MAF、HAF、ISAF、SAF、FT、MTなどのカーボンブラック、これらカーボンブラックをシランカップリング剤などで表面処理したもの、シリカ、活性化炭酸カルシウム、微粉タルク、微粉ケイ酸などが挙げられる。
無機充填剤としては、具体的に、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、タルク、クレーなどが挙げられる。
本発明に係るゴム組成物は、補強剤および/または無機充填剤を、エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して、通常300重量部以下、好ましくは10〜300重量部、さらに好ましくは10〜200重量部の量で含有することができる。
このような量の補強剤を含有するゴム組成物からは、引張強度、引裂強度、耐摩耗性などの機械的性質が向上された加硫ゴムが得られる。
また無機充填剤を上記のような量で配合すると、加硫ゴムの他の物性を損なうことなく硬度を高くすることができ、またコストを引き下げることができる。
軟化剤
軟化剤としては、従来ゴムに配合されている軟化剤が広く用られ、具体的に、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリンなどの石油系軟化剤、
コールタール、コールタールピッチなどのコールタール系軟化剤、
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、ヤシ油などの脂肪油系軟化剤、
トール油、サブ、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリンなどのロウ類、
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ラウリン酸亜鉛などの脂肪酸および脂肪酸塩、
石油樹脂、アタクチックポリプロピレン、クマロンインデン樹脂などの合成高分子物質などが用いられる。
これらのうちでも石油系軟化剤が好ましく、特にプロセスオイルが好ましい。
本発明に係るゴム組成物は、上記のような軟化剤を、エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して通常200重量部以下、好ましくは10〜200重量部、さらに好ましくは10〜150重量部、特に好ましくは10〜100重量部の量で含有することができる。
抗酸化剤
本発明に係るゴム組成物は、抗酸化剤を含有していると材料寿命を長くすることができて好ましい。この抗酸化剤としては、具体的に、
フェニルナフチルアミン、4,4'-(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N'-ジ-2-ナフチル-p-フェニレンジアミンなどの芳香族第二アミン系安定剤、
2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール、テトラキス-[メチレン-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンなどのフェノール系安定剤、
ビス[2-メチル-4-(3-n-アルキルチオプロピオニルオキシ)-5-t-ブチルフェニル]スルフィドなどのチオエーテル系安定剤、
2-メルカプトベンゾイミダゾールなどのベンゾイミダゾール系安定剤、
ジブチルジチオカルバミン酸ニッケルなどのジチオカルバミン酸塩系安定剤、
2,2,4-トリメチル-1,2- ジヒドロキノリンの重合物などのキノリン系安定剤などが挙げられる。これらは2種以上併用することもできる。
このような抗酸化剤は、エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して、10重量部以下好ましくは5重量部以下、特に好ましくは3重量部以下の量で適宜用いることができる。
加工助剤
加工助剤としては、一般的に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く使用することができる。具体的には、リシノール酸、ステアリン酸、パルチミン酸、ラウリン酸などの酸、これら高級脂肪酸の塩たとえばステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムまたはエステル類などが挙げられる。
加工助剤は、エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して、10重量部以下好ましくは5重量部以下の量で適宜用いることができる。
加硫剤
また本発明に係るゴム組成物を加熱により加硫する場合には、ゴム組成物中に通常加硫剤、加硫促進剤、加硫助剤などの加硫系を構成する化合物を配合する。
加硫剤としては、イオウ、イオウ系化合物および有機過酸化物などを用いることができる。
イオウの形態は特に限定されず、たとえば粉末イオウ、沈降イオウ、コロイドイオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウなどを用いるこができる。
イオウ系化合物としては、具体的には、塩化イオウ、二塩化イオウ、高分子多硫化物、モルホリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジメチルジチオカルバミン酸セレンなどが挙げられる。
また有機過酸化物としては、具体的には、
ジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-アミルパーオキサイド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシン)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)-ヘキサン、α,α'-ビス(t-ブチルパーオキシ-m-イソプロピル)ベンゼン、t-ブチルヒドロパ
ーオキサイドなどのアルキルパーオキサイド類、
t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシピバレート、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t-ブチルパーオキシネオデカノエート、t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t-ブチルパーオキシフタレートなどのパーオキシエステル類、
ジシクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類が挙げられる。これらは2種以上組合わせて用いてもよい。
これらのうちでは、1分半減期温度が130℃〜200℃である有機過酸化物が好ましく、具体的にジクミルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキサイド、ジ-t-ブチルパーオキシ-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、t-ブチルクミルパーオキサイド、ジ-t-アミルパーオキサイド、t-ブチルヒドロパーオキサイドなどが好ましい。
本発明では、上記のような各種加硫剤のうちでも、イオウまたはイオウ系化合物、特にイオウを用いると優れた特性のゴム組成物を得ることができるため好ましい。
加硫剤がイオウまたはイオウ系化合物であるときには、エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して、0.1〜10重量部好ましくは0.5〜5重量部の量で用いることができる。
また加硫剤が有機過酸化物であるときには、エチレン系共重合体ゴム100グラムに対して、0.0003〜0.05モル好ましくは0.001〜0.03モルの量で用いることができる。
加硫促進剤
また加硫剤としてイオウまたはイオウ化合物を用いる場合には、加硫促進剤を併用することが好ましい。
加硫促進剤としては、具体的に、
N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド(CBS)、N-オキシジエチ
レン-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N-ジイソプロピル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミドなどのスルフェンアミド系化合物、
2-メルカプトベンゾチアゾール(MBT)、2-(2,4-ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2-(2,6-ジエチル-4-モルホリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチ
アジルジスルフィドなどのチアゾール系化合物、
ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソニトリルグアニジン、オルソニトリルバイグアナイド、ジフェニルグアニジンフタレートなどのグアニジン化合物、
アセトアルデヒド−アニリン反応物、ブチルアルデヒド−アニリン縮合物、ヘキサメチレンテトラミン、アセトアルデヒドアンモニアなどのアルデヒドアミンまたはアルデヒド−アンモニア系化合物、
2-メルカプトイミダゾリンなどのイミダゾリン系化合物、チオカルバニリド、ジエチルチオユリア、ジブチルチオユリア、トリメチルチオユリア、ジオルソトリルチオユリアなどのチオユリア系化合物、
テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド(TMTD)、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド(DPTT)などのチウラム系化合物、
ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジ-n-ブチルジ
チオカルバミン酸亜鉛、エチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ブチルフェニルジチオカルバミン酸亜鉛、ジメチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジメチルジチオカルバミン酸セレン、ジメチルジチオカルバミン酸テルルなどのジチオ酸塩系化合物、
ジブチルキサントゲン酸亜鉛などのザンテート系化合物、
亜鉛華などが挙げられる。
上記のような加硫促進剤は、エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して、0.1〜
20重量部好ましくは0.2〜10重量部の量で用いることが望ましい。
加硫助剤
また加硫剤として有機過酸化物を用いる場合には、加硫助剤(多官能性モノマー)を有機過酸化物1モルに対して0.5〜2モル好ましくはほぼ等モルの量で併用することが好ま
しい。
加硫助剤としては、具体的には、
イオウ、p-キノンジオキシムなどのキノンジオキシム系化合物、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートなどの(メタ)アクリレート系化合物、
ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレートなどのアリル系化合物、m-フェニレンビスマレイミドなどのマレイミド系化合物、
ジビニルベンゼンなどが挙げられる。
発泡剤
本発明に係るゴム組成物は、発泡剤、発泡助剤などの発泡系を構成する化合物を含有する場合には、発泡成形することができる。
発泡剤としては、一般的にゴムを発泡成形する際に用いられる発泡剤を広く使用することができ、具体的には、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無機発泡剤、N,N'-ジメチル-N,N'-ジニトロソ
テレフタルアミド、N,N'-ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどのニトロソ化合物、
アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリル、アゾジアミノベンゼン、バリウムアゾジカルボキシレートなどのアゾ化合物、ベンゼンスルホニルヒドラジド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p'-オキシビス(ベンゼンスルホ
ニルヒドラジド)、ジフェニルスルホン-3,3'-ジスルホニルヒドラジドなどのスルホニルヒドラジド化合物、カルシウムアジド、4,4-ジフェニルジスルホニルアジド、p-トルエンスルホルニルアジドなどのアジド化合物が挙げられる。
これらのうちでは、ニトロソ化合物、アゾ化合物、アジド化合物が好ましい。発泡剤は、エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して、0.5〜30重量部好ましくは1〜2
0重量部の量で用いることができる。このような量で発泡剤を含有するゴム組成物からは、見かけ比重0.03〜0.8g/cm3 の発泡体を製造することができる。
また発泡剤とともに発泡助剤を用いることもでき、発泡助剤を併用すると、発泡剤の分解温度の低下、分解促進、気泡の均一化などの効果がある。このような発泡助剤としては、サリチル酸、フタル酸、ステアリン酸、しゅう酸などの有機酸、尿素またはその誘導体などが挙げられる。
発泡助剤は、エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して0.01〜10重量部好ま
しくは0.1〜5重量部の量で用いることができる。
他のゴム
本発明に係るゴム組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、公知の他のゴムを含んでいてもよい。
このような他のゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)などのイソプレン系ゴム、ブタジエンゴム(BR)、スチレン- ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル- ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)などの共役ジエン系ゴムを挙げることができる。
さらに従来公知のエチレン・α−オレフィン系共重合ゴムを用いることもでき、たとえばエチレン・プロピレンランダム共重合体(EPR)、前記のエチレン系共重合体ゴム以外のエチレン系共重合体例えばEPDMなどを用いることができる。
本発明に係る加硫可能なゴム組成物は、エチレン系共重合体ゴムおよび上記のような他の成分から、一般的なゴム配合物の調製方法によって調製することができる。たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、インターミックスのようなインターナルミキサー類を用いて、エチレン系共重合体ゴムおよび他の成分を、80〜170℃の温度で3〜10分間混
練した後、必要に応じて加硫剤、加硫促進剤または加硫助剤などを加えて、オープンロールなどのロ−ル類あるいはニーダーを用いて、ロール温度40〜80℃で5〜30分間混練した後、分出しすることにより調製することができる。このようにして通常リボン状またはシート状のゴム組成物(配合ゴム)が得られる。上記のインターナルミキサー類での混練温度が低い場合には、加硫剤、加硫促進剤、発泡剤などを同時に混練することもできる。
加硫ゴム
本発明に係るゴム組成物の加硫物(加硫ゴム)は、上記のような未加硫のゴム組成物を、通常、押出成形機、カレンダーロール、プレス、インジェクション成形機、トランスファー成形機など種々の成形法よって所望形状に予備成形し、成形と同時にまたは成形物を加硫槽内に導入して加熱するか、あるいは電子線を照射することにより加硫して得ることができる。
上記ゴム組成物を加熱により加硫する場合には、熱空気、ガラスビーズ流動床、UHF(極超短波電磁波)、スチーム、LCM(熱溶融塩槽)などの加熱形態の加熱槽を用いて、150〜270℃の温度で1〜30分間加熱することが好ましい。
また加硫剤を使用せずに電子線照射により加硫する場合は、予備成形されたゴム組成物に、0.1〜10MeV、好ましくは0.3〜2MeVのエネルギーを有する電子線を、吸収線量が0.5〜35Mrad、好ましくは0.5〜10Mradになるように照射すればよい。
成形・加硫に際しては、金型を用いてもよく、また金型を用いないでもよい。
金型を用いない場合には、ゴム組成物は通常連続的に成形・加硫される。
上記のように成形・加硫された加硫ゴムは、ウェザーストリップ、ドアーグラスランチャンネル、窓枠、ラジエータホース、ブレーキ部品、ワイパーブレード、防振ゴムなどの自動車工業部品、ゴムロール、ベルト、パッキン、ホースなどの工業用ゴム製品、アノードキャップ、グロメットなどの電気絶縁材、建築用ガスケット、土木用シートなどの土木建材用品、ゴム引布などの用途に用いることができる。
また発泡剤を含有するゴム配合物を加熱発泡させて得られる加硫発泡体は、断熱材、クッション材、シーリング材などの用途に用いることができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何等限定されるものではない。
なお、測定条件は以下の通り。
[i]比重測定:
加硫したチューブ状スポンジの上部から20mm×20mmの試験片を打ち抜き、表面の汚れをアルコールで拭き取る。この試験片を25℃の雰囲気下で自動比重計(東洋精機製作所製:M−1型)に取り付け、空気中と純水中の質量の差から比重測定を行った。
[ii]引張試験:
加硫したチューブ状スポンジの上部を長さ方向にJIS K 6301(1989年)に記載されている3号型ダンベルで打ち抜いて試験片を得た。該試験片を用いて同じくJIS K 6301第3項に規定されている方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行ない、引張破断点応力TB(kg/cm2)と、引張破断点伸びEB(%)を測定した。
加硫ゴムシートを打ち抜いて上記3号ダンベルで打ち抜いて試験片を得た以外は、上記
と同様にして引張破断点応力TB(kg/cm2)と、引張破断点伸びEB(%)を測定し
た。
[ii]圧縮永久歪試験:
加硫したチューブ状スポンジを30mmに切断し、圧縮永久歪測定金型に取り付ける。試験片の高さが荷重をかける前の高さの1/2になるように圧縮し、金型ごと70℃のギヤーオーブン中に200時間熱処理した。30分間放冷後、試験片の高さを測定し以下の計算式で圧縮永久歪を算出した。
Figure 2005344101
0:試験片の試験前の高さ
1:試験片を熱処理し、30分間放冷した後の試験片の高さ
2:試験片の測定金型に取り付けた状態での高さ
[実施例4、実施例6〜8および比較例2の場合]
圧縮永久歪試験は、JIS K 6301 に準拠して、−40℃で22時間後の低温圧
縮永久歪(CS)を求めた。
何れの場合も、低温圧縮永久歪が小さいほど低温柔軟性が良好である。
[iv]形状保持性の測定:
加硫したチューブ状スポンジ断面の高さと幅の比を測定し、形状保持率とした。
Figure 2005344101
L:チューブ状スポンジの高さ
D:チューブ状スポンジの幅
[v]表面粗度の測定:
スポンジの表面粗度は、触針式表面粗度測定器を用いて、スポンジの上面の凹凸を数値化して表した。実際には、上記のようにして得られたチューブ状スポンジゴムを長さ50mmに切断して、抜き取り部分の内で最高から10番目までの凸部分の高さの総和(h1
)から最低から10番目までの凹部分の高さの総和(h2)を差し引いた値(h1−h2
を10で除して算出した値を、スポンジゴムの表面粗度とした。
[vi]硬さ試験(Hs硬度):
硬さ試験は、JIS K 6301に準拠して、スプリング硬さHs(JISA 硬度)
を測定した。
[vii]老化試験:
老化試験は、125℃で168時間空気加熱老化試験を行い、老化前の物性に対する保持率、すなわち引張強度保持率[AR(TB)]、伸び保持率[AR(EB)]および硬度の変化[AH](JIS A)を求めた。
[viii]押出性の評価:
配合ゴムを、直径3mmの円形の口金を装着した押出機(シリンダー温度70℃で、ヘッド温度80℃、ダイス温度90℃)を用い、押出速度30m/分で押し出して、押出肌を下記評価基準により評価した。また10秒間に押出した配合ゴムの量を押出量とした。
[押し出し性5段階評価の基準]
各段階の評価は、ASTM D 2230−77の表面肌の平滑性の採点基準Bに準拠し、最高を5、最低を1(押出成形時にメルトフラクチャーを起こす。)として行った。
[ix]ガラス転移温度Tg:
エチレン系共重合体ゴムのガラス転移温度Tgは、示差走査型熱量計(DSC)で測定した。このガラス転移温度は、エチレン系共重合体ゴムの低温柔軟性の指標となる。
* DSCによるTgの測定における温度サイクル
試料を常温(25℃)から20℃/分の速度で180℃まで昇温してこの温度(180℃)で2分間保った後、この試料を−20℃/分の速度で−80℃まで冷却してこの温度(−80℃)で2分間保持し、その後再びこの試料を20℃/分の速度で昇温して試料のガラス転移温度Tgを求めた。
攪拌翼を備えた容量4リットルのガラス製重合器を用いて、連続的にエチレンとプロピレンと5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)と5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)との四元共重合反応を行った。
すなわち、まず重合器上部から重合器内に、脱水精製されたトルエンを毎時1.2リットルの量で、(1,3-ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドのトルエン溶液(Zr:0.1ミリモル/リットル)を毎時0.4リットルの量で、メチルアルミノキサン(MAO)のトルエン溶液(Al:33.3ミリモル/リットル)を毎時1.2リットルの量で、ENBとVNBとの混合トルエン溶液(ENBとVNBの合計:21.7ミリリットル/リットル、ENB/VNB=5.5(体積比))を毎時1.2リットルの量で、それぞれ連続的に供給した。
また、重合器上部から重合器内に、エチレンを毎時200リットルの量で、プロピレンを毎時200リットルの量で、それぞれ連続的に供給した。
この共重合反応は、20℃で、かつ反応混合物の平均滞留時間が30分(すなわち重合スケール2リットル)となるように行った。
得られたポリマー溶液は、連続的に重合器下部から抜き出し、メタノールをこれに少量添加することにより重合反応を停止させた。
得られたポリマー溶液を(上記重合反応を停止させるに必要なメタノール量に比べて)大過剰のメタノール中に投入することにより、ポリマーを析出させ、濾過により回収した。
次いで、ポリマーに安定剤[ポリマー約100g当たり30mgの「Irganox1010」チバガイギー製および60mgの「Mark329K」(旭電化製)]を混合した後、120℃で減圧下に一晩乾燥した。
以上の操作で、エチレン・プロピレン・ENB・VNB四元共重合体が毎時116gの量で得られた。
得られた共重合体は、エチレン単位とプロピレン単位とのモル比が71/29であり、ENB単位とVNB単位とのモル比(ENB単位/VNB単位)が5.8であり、極限粘度[η]が2.7dl/gであり、ヨウ素価(IV値)が19.5であり、13C−NMRスペクトルにおけるTααに対するTαβの強度比(Tαβ/Tαα)が0.01未満であり、gη*値が0.55であり、g'値が0.61であり、ガラス転移温度Tgは−46℃であり、B値は1.1であった。
次いで、上記エチレン・プロピレン・ENB・VNB四元共重合体と、表1に示す活性
亜鉛華、ステアリン酸、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、カーボンブラックおよびオイルを1.7リットルのバンバリーミキサーを用いて混練した。
次いで、14インチロール(F/B=50/50℃)を用いて、加硫剤および表1に示す上記成分以外の他の成分(残余分)を、上記のように混練して得られた混練物に添加して混練して、配合ゴム(ゴム組成物)を得た。
次いで、この配合ゴムを、チューブ状ダイス(内径10mm、肉厚1mm)を装着した60mm押出機を用いてダイス温度80℃、シリンダー温度60℃の条件で押し出して、チューブ状に成形した。
該未加硫のチューブ状成形体の表面粗度は8であった。
得られたこの成形体を220℃の熱空気加硫槽中で6分間加硫を行ってスポンジゴムを得た。
得られたスポンジ状加硫ゴム物性を測定したところ、
その比重(密度)は0.49(g/cm3)であり、
引張破断点応力(TB)は24kg/cm2であり、
引張破断点伸び(EB)は270%であり、
圧縮永久歪は28%であり、
形状保持性は83%であった。
結果を併せて表4に示す。
また、エチレン・プロピレン・ENB・VNB四元共重合体の合成条件等を表2〜3に併せて示す。
また、ゴム組成物の配合組成を併せて表1に示す。
Figure 2005344101
実施例1において、原料、反応条件などを表2〜3に示すように変えた以外は、実施例1と同様に共重合反応を実施した。
また得られた共重合体について、実施例1と同様にゴム組成物を調製し、加硫物性などを求めた。
結果を表4に示す。
なお、実施例4の引張試験、硬さ試験、圧縮永久歪試験は、後述する実施例6と同様にして行い、結果を表8に示す。
[比較例1]
エチレン含量が70モル%であり、ヨウ素価が22であり、極限粘度[η]が2.7dl/gのエチレン・プロピレン・ENB共重合体をVO(OC25)Cl2/(C251.5AlCl1.5触媒を用いて公知の方法で合成した。
このエチレン・プロピレン・ENB共重合体を用いて実施例1と同様にゴム組成物を調製し、加硫し、実施例1と同様に各種物性を測定した。結果を表4に併せて示す。
なお、表中の略号は以下のとおり。
MAO:メチルアルミノキサン、VNB:5-ビニル-2-ノルボルネン、ENB:5-エチリ
デン-2-ノルボルネン、NBD:ノルボルナジエン、OCPD:ジシクロペンタジエン、
MOD:7-メチル-1,6-オクタジエン。
ジエン−1:
炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエン(c)。
ジエン−2:
炭素・炭素二重結合のうちメタロセン触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエン(d)。
Figure 2005344101
Figure 2005344101
Figure 2005344101
充分に窒素置換された内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサンを0.6リットルの量で、1-オクテン(オクテン-1)を0.4リットルの量で、ENBを1
0ミリリットルの量で、VNBを2.5ミリリットルの量でそれぞれ装入した。
次いで、エチレンを8kg/cm2−Gになるまで導入した。
その後、トリイソブチルアルミニウム1ミリモルおよびrac-ジメチルシリレンビス
{1-(4-イソプロピル-2,7-ジメチルインデニル)}ジルコニウムジクロリド0.004ミリモルとメチルアルミノキサン(MAO)1.2ミリモル(アルミニウム原子換算)をトルエン中で予備混合したものを窒素で圧入することにより重合を開始した。
その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を8kg/cm2−Gに保ち
、70℃で1時間重合を行った。
少量のメタノールを系内に添加することにより、重合を停止した後、未反応のモノマーをパージした。
得られたポリマー溶液を(上記重合反応を停止させるに必要なメタノール量に比べて)大過剰のメタノール中に投入することにより、ポリマーを析出させた。
ポリマーを濾過により回収し、安定剤[ポリマー約100g当たり30mgの「Irganox1010」チバガイギー製および60mgの「Mark329K」(旭電化製)]を混合した後、120℃で減圧下に一晩乾燥した。
その結果、エチレン単位と1-オクテン単位のモル比(エチレン単位/1-オクテン単位)が74.9/25.1であり、ENB単位とVNB単位とのモル比(ENB単位/VNB単位)が4.5であり、極限粘度[η]が2.2dl/gであり、ヨウ素価が12.5であり、13C-NMRスペクトルにおけるTααに対するTαβの強度比D値(Tαβ/T
αα)が0.01未満であり、gη*値が0.58であり、g'値は0.64であり、ガラス転移温度Tgは−58℃であり、B値は1.1であるエチレン・1−オクテン・ENB・VNB共重合体を56g/時間の量で得た。
次いで、上記共重合体と下記表5に示す配合剤を用いて、実施例1と同様にして配合ゴム(ゴム組成物)を得た。
Figure 2005344101
この配合ゴムを、平板状ダイス(寸法:高さ2mm、幅30mm)を装着した60mm押出機を用いて、ヘッド温度80℃、ダイス温度70℃、シリンダー温度60℃の条件で押し出して、シート状に成形した。
該未加硫のシート状成形体の押出肌は4であり、押出量は180cm/10秒であった

次いで、この未加硫シート状成形体を160℃で10分間加硫して、厚さ2mmの架橋ゴムシートを得た。
この架橋ゴムシートを用いて、各種物性試験を行った。
得られた架橋ゴムシートの物性を測定したところ、
引張破断点応力(TB)は80kg/cm2であり、
引張破断点伸び(EB)は540%であり、
Hs硬度は64であり、
耐熱老化性のうち引張強度保持率AR(TB)は103%であり、
伸び保持率AR(EB)は99%であり、
硬さの変化AHは+2であり、
圧縮永久歪(低温柔軟性)は10%であった。
結果を併せて表8に示す。
また、エチレン・1-オクテン・ENB・VNB四元共重合体の合成条件等を表6〜7に併せて示す。
実施例6において、ENBの量を15ml、VNBの量を3.5mlにそれぞれ変更した以外は、実施例6と同様にしてエチレン系共重合体ゴムを製造した。
その結果、エチレン単位とオクテン-1単位とのモル比(エチレン単位/オクテン-1単位)が、75.5/24.5であり、ENB単位とVNB単位とのモル比(ENB単位/VNB単位)が、4.7であり、極限粘度[η]が2.0dl/gであり、ヨウ素価(IV値)が16.5であり、13C−NMRスペクトルにおけるTαβのTααに対する強度比D(Tαβ/Tαα)が0.01未満であり、gη*値が0.52であり、g'値が0.59であり、ガラス転移温度Tgは−57℃であり、B値は1.1であるあるエチレン・オクテン-1・ENB・VNB共重合体(ゴム)が48g/時間の量で得られた。
この共重合体を用いて、実施例6と同様にゴム組成物を調製し、物性を求めた。
結果を表8に示す。
またこの共重合体の合成条件等を表6〜7に併せて示す。
実施例6において、オクテン-1をブテン-1に変え、ブテン-1を0.24Nl仕込んだ以外は実施例と同様にしてエチレン系共重合体ゴムを製造した。
その結果、エチレン単位とブテン−1単位とのモル比(エチレン単位/ブテン-1単位)が、78/22であり、ENB単位とVNB単位とのモル比(ENB単位/VNB単位)が、3.8であり、極限粘度[η]が2.1dl/gであり、ヨウ素価(IV値)が14.5であり、13C−NMRスペクトルにおけるTαβのTααに対する強度比D(Tαβ/Tαα)が0.01未満であり、
gη*値が0.53であり、g'値は0.58であり、ガラス転移温度Tgは−55℃であり、B値は1.1であるエチレン・ブテン-1・ENB・VNB共重合体(ゴム)が65g/時間の生成量で得られた。
この共重合体を用いて、実施例6と同様にゴム組成物を調製し、物性を求めた。
結果を表8に示す。
またこの共重合体の合成条件等を表6〜7に併せて示す。
[比較例2]
実施例6において、ジエンとして、ENBのみを用い、1-オクテンを用いるかわりに、プロプレンを初期圧力5kg/cm2・Gとなるように仕込み、次いで、エチレンを8k
g/cm2・Gとなるまで導入して、重合温度70℃を80℃に変更した以外は、実施例
6と同様にして、エチレン・プロピレン・ENB共重合体ゴムを製造した。
その結果、エチレン単位とプロピレン単位とのモル比(エチレン単位/プロピレン単位)が、70/30であり、極限粘度[η]が2.1dl/gであり、ヨウ素価(IV値)が14であり、13C-NMRスペクトルにおけるTαβのTααに対する強度比D(Tα
β/Tαα)が0.01未満であり、gη*値が0.97であり、g'値が0.98であり、ガラス転移温度Tgが−49℃であり、B値が1.1であるエチレン・プロピレン・ENB3元共重合体(ゴム)が40g/時間の量で得られた。
この共重合体を用いて、実施例6と同様にゴム組成物を調製し、物性を求めた。
結果を表8に示す。
またこの共重合体の合成条件等を表6〜7に併せて示す。
Figure 2005344101
Figure 2005344101
Figure 2005344101

Claims (14)

  1. (a) エチレンと、(b) 炭素数3〜20のα-オレフィンと、(c) 炭素・炭素二重結合の
    うちメタロセン系触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエンと、(d)炭素・炭素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重
    結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエンと、のランダム共重合体ゴムであって、
    (i) エチレンから導かれる単位(a)と、炭素数3〜20のα-オレフィンから導かれる単位(b)とを、90/10〜40/60〔(a)/(b)〕のモル比で含有し、
    (ii) 炭素・炭素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子
    内に1個のみ存在する非共役ポリエンから導かれる単位(c)を0.1〜10モル%の量で含有し、
    (iii) 炭素・炭素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に2個存在する非共役ポリエンから導かれる単位(d)を0.1〜3モル%の量で含有し

    (iv) 135℃デカリン中で測定される極限粘度[η]が、0.1〜10dl/gの範囲にあり、
    (v) 13C−NMRスペクトルにおけるTαβのTααに対する強度比D(Tαβ/Tαα)が0.5以下であるエチレン系共重合体ゴムと、
    下記(a)、(b)、(c)の内の少なくとも1種以上の成分と、
    が含まれていることを特徴とするゴム組成物:
    (a)該エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して300重量部以下の量の補強剤、
    (b)該エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して200重量部以下の量の軟化剤、
    (c)加硫剤。
  2. 上記エチレン系共重合体ゴムにおいて、炭素・炭素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子内に1個のみ存在する非共役ポリエンから導かれる単位(c)と、
    上記 炭素・炭素二重結合のうち当該触媒で重合可能な炭素・炭素二重結合が、1分子
    内に2個存在する非共役ポリエンから導かれる単位(d)のモル比((c)成分/(d)成分)が
    、1/3〜30/1であることを特徴とする請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 上記エチレン系共重合体ゴムにおいて、(b)α-オレフィンの炭素数が4以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 上記エチレン系共重合体ゴムは、DSCで求めたガラス転移温度Tgが−45℃以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のゴム組成物。
  5. 発泡剤を、前記エチレン系共重合体ゴム100重量部に対して0.5〜30重量部の量で含んでなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のゴム組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物を加硫させて得られることを特徴とする加硫ゴム。
  7. 請求項6に記載のゴム組成物を加硫発泡させて得られることを特徴とする加硫発泡体。
  8. 請求項6に記載の加硫ゴムからなる自動車工業部品。
  9. 請求項6に記載の加硫ゴムからなる工業用ゴム部品。
  10. 請求項6に記載の加硫ゴムからなる電気絶縁材。
  11. 請求項6に記載の加硫ゴムからなる土木建材用品。
  12. 請求項7に記載の加硫発泡体からなる断熱材。
  13. 請求項7に記載の加硫発泡体からなるクッション材。
  14. 請求項7に記載の加硫発泡体からなるシーリング材。
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