JP2005343419A - 4輪駆動車の前輪回転制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン2からの動力を後輪15及び前輪回転制御装置29を介して操向自在な前輪14に伝え、該前輪回転制御装置29を第一連結装置51と第二連結装置52より構成して選択的に連結可能とし、該第一連結装置51は後輪駆動部からの入力手段と前記前輪14に動力を伝達する出力軸55とを直結可能とし、第二連結装置52は入力手段と前記出力軸55の間で伝達トルクを変更可能とするとともに、後輪駆動部と前輪駆動部にそれぞれ回転数検知手段を配置し、ステアリング機構に操舵角検知手段を配置し、第二連結装置に伝達トルク変更手段を配置して制御部64と接続し、旋回時における前輪と後輪の変速比を旋回角に応じた変速比となるように伝達トルク変更手段を制御し、前記伝達トルク変更手段を電磁バルブ63と油圧シリンダにより構成した。
【選択図】図3
Description
従来、4輪駆動車の操向時には、図5で示すように、内輪差によって前後車輪の旋回半径R1・R2・R3・R4が相違し、そのため、実際の前車輪の走行速度と後車輪の走行速度との比(実際速度比)を、両者がスリップすることなく旋回走行した場合の走行速度比(理論速度比)に一致させなければ、前車輪にスリップが発生し、旋回半径が大きくなったり、タイヤの摩耗を促進したり、農用トラクタの場合は上記スリップによって圃場の地面を荒らしたりする問題があった。
ところが、理論速度比は、前車輪の操舵角度が大きくなるに従って無段階的に大きくなるものであるにもかかわらず、上記の増速機構では、図7で示すように、実際速度比が段階的に変速されるので、前記スリップ防止が不完全であるという欠点があった。
そこで、前輪の周速が上記論理速度比に一致するように、トランスミッションと前輪デフの間に無段変速機を配置した技術(例えば、特許文献2参照)や電磁パウダー式のクラッチを配置した技術(例えば、特許文献3参照)が公知となっている。
そこで、本発明は簡単な構成のトルク伝達可能なクラッチを利用して、作業時におけるいかなる旋回時においても理論速度比に合わせた旋回速度となるようにしようとするものである。
請求項1の如く構成することにより、旋回時には前輪が適正旋回速度に制御されることになり、前輪がスリップすることを防止できる。したがって、スリップに起因する旋回半径が大きくなったり、タイヤの摩耗を促進したり、農用トラクタの場合にはスリップによって圃場面が荒らされることがなく、スリップに起因する各種弊害を防止することができる。
本発明の解決すべき課題及び手段は以上の如くであり、次に添付の図面に示した本発明の一実施例を説明する。図1は本発明の前輪回転制御装置を装備したトラクタの側面図、図2は駆動伝達経路を示すスケルトン図、図3は本発明の前輪回転制御装置の制御ブロック図、図4は制御フローチャート図である。
図1において、エンジンフレーム1上にエンジン2が配置され、該エンジン2をボンネット3にて覆い、該ボンネット3の後部のダッシュボード4上に操向手段となるハンドル5を突出している。該ハンドル5の後方に座席シート6を配設し、該座席シート6の側部に主変速レバー7が配置され、該座席シート6やハンドル5等が配設されている部分を操縦部9としている。
また、ミッションケース13の前下部に前輪動力取出ケース17が設けられ、該前輪動力取出ケース17より前方に伝動軸19を介してフロントアクスルケース20に動力を伝え、該フロントアクスルケース20に支持した前輪14を駆動可能する構成としている。
前記エンジン2の出力軸の後部にメインクラッチ11を介して前後進切換機構22が設けられ、該前後進切換機構22の後方に主変速機構23が設けられ、その後部に副変速機構24が設けられ、更にその後部にクリープ変速機構25が設けられ、変速後の走行用の動力がドライブ軸30に伝達される。一方、前記エンジン2の出力軸の動力はパイプ軸31内の伝動軸32にも伝えられ、該伝動軸32の後端よりPTO変速機構26を介してミッションケース13の後端に設けたPTO軸27に動力を伝達可能としている。
また、前記ドライブ軸30上に前輪駆動歯車40と前輪増速歯車41が固設され、該前輪駆動歯車40または前輪増速歯車41より本発明の前輪回転制御装置29を介して出力軸55より前記伝動軸19に伝え、該電動軸19前端よりフロントアクスルケース20内のフロントデフ装置43に動力が伝達され、該フロントデフ装置43より両側のデフヨーク軸44L・44Rを介して最終減速機構45・45を介して前輪14・14を駆動するようにしている。
図3に示すように、前輪回転制御装置29は前側の第一連結装置51と後側の第二連結装置52と、回転数を検知する手段と、連結装置を駆動する手段、つまり、伝達トルク変更手段と制御部64等から構成されている。該第一連結装置51及び第二連結装置52は多板式の油圧クラッチより構成されている。第一連結装置51はクラッチケース56に設けた摩擦板と入力手段となる第一入力歯車57のボス部の外周に設けた摩擦板を交互に配置し、クラッチケース56内に設けた油圧シリンダに圧油を送油してピストンを摺動させて摩擦板を圧接させることで第一入力歯車57からクラッチケース56を介して出力軸55に後輪と同速で駆動できるようにしている。
なお、本実施例では伝達トルク変更手段として油圧クラッチを用い、該油圧クラッチに電磁比例弁等を介して送油する油圧を調節して、または、電磁バルブをPWM制御により油圧を調節してピストンの押圧力を変更して伝達トルクを変更する構成としているが、油圧クラッチの代わりに電磁クラッチやパウダークラッチ等を用いることも可能であり、後輪部の入力手段から前輪駆動部の出力軸55に動力を伝達する手段として、伝達トルクを変更できるものであればよい。
まず、切換スイッチ59が前輪変速に切り替えられると(S100)、後輪15の回転数(周速)を検知するために、エンジンから後輪15への動力伝達経路途中に配置されるドライブ軸30の回転数をセンサー60で検知し、その検知した値を読み込んでメモリに記憶させる。また、前輪14の回転数(周速)を検知するために、前輪14への動力伝達経路途中に配置する出力軸55の回転数をセンサー61で検知し、その検知した値を読み込んでメモリに記憶させる。また、操舵角度を検知するためにハンドル5の回動角度を角度センサー69で検知し、その検出値を読み込みメモリに記憶させる(S101)。センサー60で検知した後輪15の速度とセンサー61で検知した前輪14の速度から現状の速度比α1を演算する(S102)。このとき略直進状態においては増速する必要がないので、つまり、速度比α1がα3(不感帯となるα3=1+閾値)よりも小さい値のときは、前輪14と後輪15が同周速で駆動されるように、設定速度比α3と現実の速度比α1を比較し(S103)、α3以下のときは第一連結装置51の電磁バルブ62を作動させて、直結状態とする(104)。
現実の速度比がα3よりも大きい場合には、角度センサー69の検出値θ1から図7に示すマップから理論速度比α2を演算する(S105)。そして、現実の速度比α1と理論速度比α2との差β1を求める(106)。
β1がβ2よりも小さい場合(S109)は現実の速度比α1が理論速度比α2よりも小さい、つまり、旋回するためにハンドルを切っている状態や旋回時に地面から抵抗を受けている状態等において、前輪14の周速が操舵角により決まる周速よりも遅くなっているときには増速する必要があり、第二連結装置52の伝達トルクを増加するように制御する。つまり、現実の速度比α1と理論速度比α2の差に応じたトルクを増加し、理論速度比α2となるように第二連結装置52を接続する(S110)。この伝達トルクを制御するために、電磁バルブ63は油圧シリンダに圧油を送油して油圧シリンダ内の圧力を増加してピストンが摩擦板を押圧して伝達トルクを増加させる。なお、このとき第一連結装置51が作動中であるならば伝達トルクは減少させる(図示せず)。
また、伝達トルク変更手段は、電磁バルブ62・63を切り換えて油圧シリンダを作動させる構成であるため、従来から変速機構に用いられている油圧式クラッチを利用することができ、簡単な構成で、コンパクトにミッションケース内に配置することができ、部品の種類を統一できて、組立や制御や管理等がやり易くなる。
14 前輪
15 後輪
29 前輪回転制御装置
51 第一連結装置
52 第二連結装置
55 出力軸
60・61 センサー
63 電磁バルブ
64 制御部
69 角度センサー
Claims (3)
- エンジンからの動力を変速後に後輪、及び、前輪回転制御装置を介して操向自在な前輪に伝え、該前輪回転制御装置を第一連結装置と第二連結装置より構成し、該第一連結装置は後輪駆動部から前記前輪への動力を等速で伝達可能とし、第二連結装置は後輪駆動部から増速して動力を伝達可能とし、該第一連結装置及び第二連結装置にはそれぞれ伝達トルク変更手段を配置して制御部と接続するとともに、前記後輪駆動部と前輪駆動部にはそれぞれ回転数検知手段を、ステアリング機構には操舵角検知手段をそれぞれ配置して制御部と接続し、旋回時における前輪と後輪の変速比を旋回角に応じた変速比となるように前記伝達トルク変更手段を制御したことを特徴とする4輪駆動車の前輪回転制御装置。
- 前記制御部は、旋回時において、エンジンの動力で前輪を駆動している場合には、前輪と後輪の変速比を旋回角に応じた変速比となるように、第二連結装置の伝達トルク変更手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の4輪駆動車の前輪回転制御装置。
- 前記制御部は、旋回時において、前輪の回転力がエンジンから前輪を回転させる回転力よりも上回る場合には、前輪と後輪の変速比を旋回角に応じた変速比となるように第一連結装置の伝達トルク変更手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の4輪駆動車の前輪回転制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004168540A JP2005343419A (ja) | 2004-06-07 | 2004-06-07 | 4輪駆動車の前輪回転制御装置 |
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Family Applications (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US20140297150A1 (en) * | 2013-03-28 | 2014-10-02 | Honda Motor Co., Ltd. | Driving force distribution control apparatus for four-wheel drive vehicle and driving force distribution control method for four-wheel drive vehicle |
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2004
- 2004-06-07 JP JP2004168540A patent/JP2005343419A/ja active Pending
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