JP2005337353A - 油圧シリンダ装置およびこの油圧シリンダ装置を使用した射出成形機の射出ユニット - Google Patents

油圧シリンダ装置およびこの油圧シリンダ装置を使用した射出成形機の射出ユニット Download PDF

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浩司 久保田
Yoshito Yamamoto
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Abstract

【課題】 制御が容易で、大容量の設備にも対応可能な油圧シリンダ装置を提供する。
【解決手段】 移動体側ロッド(24)の移動に追従してピストン(14)が油圧で移動するので、ピストン(14)に結合された駆動ロッド(15)が大きな軸力を発生する。開閉弁(22,23)の移動速度よりも大きな速度でピストン(14)が移動した場合に、開閉弁(22,23)が開かれてピストンに設けられた作動油通路を介してシリンダ(11)の油室の油圧が抜ける。したがって、ピストン(14)は常に開閉弁(22,23)つまり移動体側ロッド(24)の移動に追随して、移動体側ロッド(24)と同じ速度で移動することになる。移動体側ロッドを移動させる力に比して格段に大きな力で駆動ロッド(15)が駆動され、しかも、駆動ロッド(15)が移動体側ロッド(24)に追従して移動される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、特に大容量の油圧駆動手段として好適な油圧シリンダ装置およびその油圧シリンダ装置を使用した射出成形機の射出ユニットに関するものである。
射出スクリュを射出駆動するためのアクチュエータとして油圧シリンダを用いた射出成形装置が実用されている。上記油圧シリンダは、駆動力をバランスさせるために、射出シリンダの両側に対称平行に配設されかつ同時駆動される。(例えば、特許文献1参照)
溶融樹脂の射出工程では、まず、射出スクリュを回転しながら低速で後進させる。これにより、射出シリンダの中に送り込まれた樹脂材料が溶融可塑化されながらスクリュ先端に貯溜される。そして、樹脂貯溜量が一定量に達したとき、射出スクリュの回転を止め、ついで、射出スクリュを高速で前進させて、溶融樹脂を射出シリンダ先端のノズルから金型キャビティ内に射出する。
以前の射出成形装置においては、射出スクリュの進退は一定速の低速溶融可塑化と一定速の高速射出の繰り返しで用が足りていた。しかし、現在では、射出成形品の薄肉化や射出高速化のために、射出速度の段階的な制御と型内圧制御が求められるようになっている。
樹脂の射出には大きな力を必要とするので、射出スクリュを駆動するには、径の大きな油圧シリンダを用いて、このシリンダに多量の作動油を急速に流す必要がある。射出の高速化には、大容量の油圧源と大容量の切換弁を必要とするので、作動油の重量によるイナーシャの影響等のために、制御の指示に対する油圧シリンダの応答が遅れることになる。したがって、射出工程における射出速度等の微妙な制御は難しく、また、制御のための周辺機能部品のコストが高くなる。
そこで、近年では、精度の高い射出制御を実現するために、電動モータによって駆動されるボールねじ等を用いた機械的な射出スクリュ駆動手段等が導入されるようになってきた。しかし、ボールねじは荷重が制限され、しかも、このボールねじを多数設置した場合には、荷重分担の確実性が必要となる。また、ボールネジを用いた射出スクリュ駆動手段は、構造が複雑でコストも高くなる。
特公昭55−24986号公報
上記のように、従来の油圧シリンダによる射出等の駆動装置は、射出成形品の薄肉化や射出高速化のための射出速度の微妙な制御が難しく、しかも、大容量の油圧射出駆動機構の制御手段はコストが高くなる。
一方、電動モータ駆動のボールねじ、またはボールねじナットを使用した機械的な射出駆動手段は、速度制御は容易であるものの、ボールねじが荷重に制限を受けるという欠点がある。また、大容量のボールねじは高価であり、しかも多数のボールねじを使用する場合は、構造が複雑となると共に、ボールねじ軸の同期回転やボールねじナットの荷重平均化のための制御手段が必要になるため、設備コストが嵩むことになる。
本発明は、このような状況に鑑み、大容量の油圧シリンダと電動モータ駆動の機械的な駆動手段とを組み合わせた制御が容易で、大容量の設備にも対応可能な油圧シリンダ装置を提供することを目的としている。
また、本発明は、上記油圧シリンダ装置を使用して、回流する作動油量の減少、リリーフ油量の減少、および油圧運転のエネルギの節減を図るようにした射出成形機の射出ユニットを提供することを目的としている。
本発明に係る油圧シリンダ装置は、油圧シリンダと、前記油圧シリンダ内に摺動可能に設けられ、その一方および他方の側にそれぞれ形成された前記シリンダの第1および第2の油室を連通させる作動油通路を形成したピストンと、前記油圧シリンダの一方の側蓋に摺動可能に貫通され、前記ピストンに相対変位可能に結合された移動体側ロッドと、前記移動体側ロッドに設けられ、該移動体側ロッドと前記ピストンの相対変位によって前記作動油通路を開閉する開閉弁を前記ピストンとの間で構成する弁体と、前記油圧シリンダの他方の側蓋に摺動可能に貫通され、前記ピストンに固定結合された駆動ロッドと、
前記移動体側ロッドを進退移動させるアクチュエータと、前記第2の油室に作動油を供給し、前記作動油通路を介して前記作動油を還流させるように構成された油圧発生手段と、を備え、前記開閉弁は、前記弁体が前記一方の側蓋の方向に移動するときの速度よりも前記ピストンが同方向に移動する速度が大きい場合に、その速度差によって生じる前記相対変位によって開かれるように、かつ、前記油圧発生手段が停止された状態で前記弁体が前記他方の側蓋の方向に移動するときに開かれるように構成されていることを特徴としている。
前記移動体側ロッドの径と駆動ロッドの径を等しく設定して、前記ピストンの両側の受圧面積を等しくすることが望ましい。また、前記開閉弁は、ポペット弁あるいはカップ弁で構成してもよい。
前記移動体側ロッドを進退移動させるアクチュエータは、回転駆動されるボールねじ軸と、該ボールねじ軸に螺合するボールねじナットとを備え、該ボールねじナットの直線運動を前記移動体側ロッドに伝達するように構成することができる。
前記油圧発生手段は、油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出された作動油を還流させる閉鎖配管回路と、を備えることができる。前記油圧ポンプは、前記一方の側蓋の方向に移動する前記弁体に対して前記ピストンを追従して移動させ得る流量の作動油を発生するように、前記アクチュエータと連携して運転される。
本発明に係る油圧シリンダ装置は、油圧シリンダと、前記油圧シリンダ内に摺動可能に設けられ、その一方および他方の側にそれぞれ形成された前記シリンダの第1および第2の油室を連通させる作動油通路を形成したピストンと、
前記油圧シリンダの一方の側蓋に摺動可能に貫通され、前記ピストンに相対変位可能に結合された移動体側ロッドと、前記移動体側ロッドに設けられ、該移動体側ロッドと前記ピストンの相対変位によって前記作動油通路を開閉する第1および第2の開閉弁を前記ピストンとの間でそれぞれ構成する第1および第2の弁体と、前記油圧シリンダの他方の側蓋に摺動可能に貫通され、前記ピストンに固定結合された駆動ロッドと、前記移動体側ロッドを進退移動させるアクチュエータと、前記第1および第2の油室に選択的に作動油を供給し、前記作動油通路を介して前記作動油を還流させるように構成された油圧発生手段と、を備え、前記第1の開閉弁は、前記第1の弁体が前記一方の側蓋の方向に移動するときの速度よりも前記ピストンが同方向に移動する速度が大きい場合に、その速度差によって生じる前記相対変位によって開かれるように構成され、前記第2の開閉弁は、前記第2の弁体が前記他方の側蓋の方向に移動するときの速度よりも前記ピストンが同方向に移動する速度が大きい場合に、その速度差によって生じる前記相対変位によって開かれるように構成されている、ことを特徴としている。
前記移動体側ロッドの径と駆動ロッドの径を等しく設定して、前記ピストンの両側の受圧面積を等しくすることが望ましい。前記第1および第2の開閉弁はポペット弁で構成することができる。また、前記第1および第2の開閉弁の一方をカップ弁で構成し、他方をカップ弁もしくはポペット弁で構成しても良い。
前記移動体側ロッドを進退移動させるアクチュエータは、回転駆動されるボールねじ軸と、該ボールねじ軸に螺合するボールねじナットとを備え、該ボールねじナットの直線運動を前記移動体側ロッドに伝達するように構成することができる。
実施の形態において、前記油圧発生手段は、油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出された作動油を還流させる閉鎖配管回路と、を備え、前記油圧ポンプは、前記弁体に対して前記ピストンを追従して移動させ得る流量の作動油を発生するように前記アクチュエータと連携して運転される。
本発明に係る射出成形機の射出ユニットは、射出シリンダに対して平行対称に設けられた一対の油圧シリンダ装置を備え、これらの油圧シリンダ装置により溶融樹脂射出のための射出スクリュを前後進させるように構成された射出成形機の射出ユニットであって、前記一対の油圧シリンダ装置は、油圧シリンダと、前記油圧シリンダ内に摺動可能に設けられ、その一方および他方の側にそれぞれ形成された前記シリンダの第1および第2の油室を連通させる作動油通路を形成したピストンと、前記油圧シリンダの一方の側蓋に摺動可能に貫通され、前記ピストンに相対変位可能に結合された移動体側ロッドと、前記移動体側ロッドに設けられ、該移動体側ロッドと前記ピストンの相対変位によって前記作動油通路を開閉する開閉弁を前記ピストンとの間で構成する弁体と、前記油圧シリンダの他方の側蓋に摺動可能に貫通され、前記ピストンに固定結合された駆動ロッドと、前記移動体側ロッドを進退移動させるアクチュエータと、前記第2の油室に作動油を供給し、前記作動油通路を介して前記作動油を還流させるように構成された油圧発生手段と、を備える。前記開閉弁は、前記弁体が前記一方の側蓋の方向に移動するときの速度よりも前記ピストンが同方向に移動する速度が大きい場合に、その速度差によって生じる前記相対変位によって開かれるように、かつ、前記油圧発生手段が停止された状態で前記弁体が前記他方の側蓋の方向に移動するときに開かれるように構成される。
また、本発明に係る射出成形機の射出ユニットは、射出シリンダに対して平行対称に設けられた一対の油圧シリンダ装置を備え、これらの油圧シリンダ装置により溶融樹脂射出のための射出スクリュを前後進させるように構成された射出成形機の射出ユニットであって、前記第1の油圧シリンダ装置が通常の油圧シリンダ装置の構造を有し、前記第2の油圧シリンダ装置が、油圧シリンダと、前記油圧シリンダ内に摺動可能に設けられ、その一方および他方の側にそれぞれ形成された前記シリンダの第1および第2の油室を連通させる作動油通路を形成したピストンと、前記油圧シリンダの一方の側蓋に摺動可能に貫通され、前記ピストンに相対変位可能に結合された移動体側ロッドと、前記移動体側ロッドに設けられ、該移動体側ロッドと前記ピストンの相対変位によって前記作動油通路を開閉する第1および第2の開閉弁を前記ピストンとの間でそれぞれ構成する第1および第2の弁体と、前記油圧シリンダの他方の側蓋に摺動可能に貫通され、前記ピストンに固定結合された駆動ロッドと、前記移動体側ロッドを進退移動させるアクチュエータと、前記第1および第2の油室に選択的に作動油を供給し、前記作動油通路を介して前記作動油を還流させるように構成された油圧発生手段と、を備える。前記第1の開閉弁は、前記第1の弁体が前記一方の側蓋の方向に移動するときの速度よりも前記ピストンが同方向に移動する速度が大きい場合に、その速度差によって生じる前記相対変位によって開かれるように構成され、前記第2の開閉弁は、前記第2の弁体が前記他方の側蓋の方向に移動するときの速度よりも前記ピストンが同方向に移動する速度が大きい場合に、その速度差によって生じる前記相対変位によって開かれるように構成される。
本発明に係る油圧シリンダ装置によれば、移動体側ロッドの移動に追従してピストンが油圧で移動するので、ピストンに結合された駆動ロッドが大きな軸力を持つことができる。また、開閉弁の移動速度よりも大きな速度でピストンが移動した場合に、該開閉弁が開かれてピストンに設けられた作動油通路を介してシリンダの油室の油圧が抜けて、上記軸力が失われることになるので、ピストンは常に開閉弁つまり移動体側ロッドの移動に追随して、移動体側ロッドと同じ速度で移動することになる。したがって、移動体側ロッドを移動させる力に比して格段に大きな力で駆動ロッドを駆動することができ、しかも、駆動ロッドを移動体側ロッドに追従させて移動させることができる。このように、本発明の油圧シリンダ装置は、速度制御の可能な倍力直線追従移動手段としての機能を有する。
開閉弁が1つ設けられた構成によれば、ピストンを上記とは逆の方向に移動させる場合、油圧発生手段を停止した状態で移動体側ロッドを上記とは逆の方向に移動させればよい。この場合、ピストンは移動体側ロッドに押されて移動されることになる。
例えば、射出成形装置の射出工程では、射出時に強大な力を必要とし、射出スクリュを回転しながら樹脂の可塑化送りをするときは弱い力(射出の約1/10)で充分である。したがって、このような力配分を必要とする設備に本発明の油圧シリンダ装置を適用すれば、動力エネルギの節約を図ることできる。
開閉弁が2つ設けられた構成によれば、ピストンを双方向に追随させ、かつ、双方向の軸力を増幅することができる。
開閉弁としては、ポペット弁やカップ弁を用いることができる。ポペット弁は、弁座とのシールが容易である。一方、カップ弁は、自動調心機能を持たせる必要があるものの、シール長さが長いので作動油量が大きい場合に適合している。
油圧発生手段は、作動油を還流させる閉鎖配管回路を備えるので、前記移動体側ロッドの径と駆動ロッドの径を等しく設定して、ピストンの両側の受圧面積を等しくすることにより、小容量のリザーブタンクを設けるだけで対応することができる。したがって、運転コストが低減される。
前述した油圧シリンダ装置を射出シリンダに対して平行対称に設けた本発明に係る射出成形機の射出ユニットによれば、射出スクリュを高精度で速度制御することが可能となり、また、高圧作動油の浪費が抑制され、かつ油圧駆動エネルギが低減されるという効果が得られる。
また、前述した油圧シリンダ装置を1つ使用した本発明に係る射出成形機の射出ユニットによれば、上記射出ユニットの効果に加えて、製造コストを低減できるという効果が得られる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係る油圧シリンダ装置の第1の実施形態を示す側面断面図である。
この図1に示す油圧シリンダ装置10の油圧シリンダ11は、シリンダ本体11aと、このシリンダ本体11aの一端側(駆動ロッド側)に固設されたシリンダ側蓋12と、シリンダ本体11aの他端側(操作ロッド側)に固設されたシリンダ側蓋13とによってシリンダ室を形成している。
ピストン14は、油圧シリンダ11内を摺動する。シリンダ側蓋12には、駆動ロッド15が摺動可能に貫通している。この駆動ロッド15は、一端がピストン14に結合されるとともに、他端が作用体(被駆動体)16に結合されている。なお、符号17は、シリンダ側蓋12における駆動ロッド15の摺動部に施されたシールリングを、また、符号21は、ピストン14の摺動部に施されたシールリングをそれぞれ示している。
ピストン14には、ポペット形弁体23の弁座を有する弁座板22が固設され、この弁座板22とピストン14の凹部とによって弁体23を収容する中空室部が形成されている。
シリンダ側蓋13には、ピストン14を中心として上記駆動ロッド15と反対の方向に延びる筒状の移動体側ロッド24が摺動可能に貫通している。移動体側ロッド24は、駆動ロッド15と同じ外径を有し、その一端部は上記弁体23に設けられた雄ねじ24aに螺合している。したがって、移動体側ロッド24が図示の位置まで左行しているときには、弁体23が上記弁座板22の弁座に当接し、また、移動体側ロッド24が図示の位置から右行するに伴って弁体23が上記弁座板22の弁座から離されることになる。
このように、弁体23は上記弁座板22の弁座とともに開閉弁(ポペット弁)を構成している。符号18は、シリンダ側蓋13における移動体側ロッド24の摺動部に施されたシールリングを示している。
弁体23は小軸23aを備え、この小軸23aを駆動ロッド15の端部15aの軸心上に設けられた穴に嵌合することによって該駆動ロッド15の軸心に位置合わせされている。弁体23の側面23bと駆動ロッド15の端部15bとの隙間が上記開閉弁の開弁時の隙間に対応することになる。上記弁体23の小軸23aには、油抜き孔23cが形成されている。
シリンダ11の外側に位置した移動体側ロッド24の他端部は、ボールねじ軸25に螺合したボールねじナット26に結合されている。ボールねじ軸25は、シリンダ側蓋13に取付けられたボールねじ支台27にボールベアリング28を介して支持されている。したがって、このボールねじ軸25は、回転自在で、かつ、軸方向の動きが拘束されている。このボールねじ軸25は、大歯車31と小歯車33を介してサーボモータ32により駆動される。
油圧ポンプ36は、サーボモータ37で駆動される。この油圧ポンプ36から吐出される高圧の作動油は、油圧配管および管継ぎ手35を経て油圧シリンダ11の駆動ロッド15側のシリンダ室に送られる。駆動ロッド15と移動体側ロッド24は同じ外径を有するので、ピストン14の両側の受圧面積は同じである。したがって、理論的には油圧系統に満たされた作動油の量は一定であるが、温度変化による膨張、漏れ等による油圧配管内の不足油量を補うためにリザーブタンク39が備えられている。符号40は油圧計を、また、符号38は逆止弁をそれぞれ示している。
油圧ポンプを駆動するサーボモータ37と、ボールねじ軸25を駆動するサーボモータ32は比例同調運転される。すなわち、ピストン14が油圧で駆動されているときに、油圧ポンプ36の吐出油に基づくピストン14の移動速度がボールねじ軸25で駆動されるボールねじナット26の移動速度と一致するように、つまり、ピストン14がボールねじナット26に追随して移動するように、両サーボモータ32、37が比例同調運転される。
次に、この油圧シリンダ装置10の作用を説明する。
サーボモータ37によって油圧ポンプ36を駆動すると、該油圧ポンプ36から吐出された作動油が実線矢印で示した方向に送られる。このとき、弁座板22の弁座と弁体23との間に隙間が形成されていると、つまり、上記開閉弁が開かれていると、作動油が通路14aを介してピスン14を通り抜けることから、該ピストン14に油圧が作用しない。
図示しない制御装置は、作用体16の位置、移動速度を制御するためのプログラムを内蔵している。この制御プログラムに従ってサーボモータ32が作動され、それによってボールねじ軸25が回転して移動体側ロッド24が矢印Aの方向に引張されると、弁体23が図における左方向に移動して開閉弁が閉じられる。
これに伴って、シリンダ1の右側の油室内に油圧が発生するので、該ピストン14が左方向に移動する。このとき、ピストン14が行き過ぎると、開閉弁が開かれてシリンダの右側の油室と左側の油室の油圧がバランスするので、ピストン14を動かす力が無くなる。このようにして、ピストン14は、行き過ぎが抑制されながら、弁体23が取付けられた移動体側ロッド24に追随して移動する。
ピストン14には、作用体16の負荷に比例した油圧が発生する。したがって、ボールねじ軸25、ボールねじナット26(移動体)はピストン14の移動速度の制御を担当し、油圧シリンダ11、油圧ピストン14は作用体16による負荷を担うことになる。
ピストン14を逆方向に移動させたいときは、油圧ポンプ36を停止して作動油の回流を止める一方、サーボモータ32を逆回転してボールねじナット26を矢印A方向とは逆の方向に送る。これにより、移動体側ロッド24の一端に設けられた弁体23の側面23bが駆動側ロッド15の端面15bに当接するので、該駆動側ロッド15が右方向(破線で示した矢印方向)に押されて作用体16を移動させることになる。このとき、油圧シリンダ11の右方の油室内の作動油は、弁座板22の弁座と弁体23の間の隙間を素通りするので、油圧によるピストン14の押し力は発生しない。
この第1の実施の形態に係る油圧シリンダ装置10は、このように作用するので、例えば、射出成形装置の射出スクリュを駆動する油圧駆動手段として好適である。なぜなら、射出成形装置の射出工程では、射出時に強大な力を必要とし、射出スクリュを回転しながら樹脂の可塑化送りをするときは弱い力(射出の約1/10)で充分であるからである。したがって、上記油圧シリンダ装置10は、このような力配分を必要とする設備に用いる駆動手段として最適である。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る油圧シリンダ装置20の要部を示す側面断面図である。この図2において、図1に示す構成要素と共通する要素には、同一の参照符号を付してある。以下においては、この共通要素についての説明を省略する。
図2において、移動体側ロッド45は、ピストン41に近い位置に細径部45aを有し、この細径部45aの先端に球面座44がボルト47によって取付けられている。この球面座44には、その球面に合致する窪み、つまり、該球面の曲率と同じ曲率の窪みを有するカップ形弁体43が傾斜自在に係合している。弁体43がピストン41の弁座41aと当接すると、シリンダ11の左右の油室に通じる作動油通路が閉じられる。このとき、球面座44の球面と弁体43の窪みの接触による自動調心作用により弁体43のエッジの全周が弁座41aに接することになるので、上記作動油通路を確実に締め切ることができる。
図2において、上半分の弁体43は開動作状態にあり、また、下半分の弁体43は閉動作状態にある。ピストン41は、弁体43の取付けの都合で、ピストン41の本体と駆動ロッド46の取付け部42とに分割されている。取付け部42は、油の通路42aが形成され、また、この取付け部42には駆動ロッド46のねじ部46aが螺着されている。
この第2の実施形態に係る油圧シリンダ装置20は、弁体43と弁座41aとで構成される開閉弁(カップ弁)、およびその構造に係わる周辺の要素以外は前記第1の実施形態に係る油圧シリンダ装置10と同一であり、また、基本的作用において、第1の実施形態に係る油圧シリンダ装置10と共通している。
弁体43と弁座41aとで構成されたカップ弁としての開閉弁を備えるこの第2の実施形態に係る油圧シリンダ装置20は、該開閉弁が開いたときの通路面積が大きいので、ピストン41を移動体側ロッド45と弁体43に即座に追随させたい場合、また、油圧を使用しないでピストン41を逆方向移動させたい場合に特に有効である。
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態に係る油圧シリンダ装置30を示す側面断面図である。この油圧シリンダ装置30が第1の実施形態の油圧シリンダ装置10と異なる点は、ピストン14の中心部の貫通孔を外側と内側から交番に開閉可能な一対のポペット形弁体52、53が移動体側ロッド54の先端に設けられていることである。上記弁体52で構成される開閉弁と上記弁体53で構成される開閉弁の内の1つが塞がれたとき、塞がれた側のピストンの側面に油圧が作用する。ピストン14は、弁体52、53の開閉動作によってその両側の油圧がバランスされながら移動し、これにより、移動体に追随して作用体16が駆動される。そして、ピストンの油圧作用側を切り換えることにより、押し引き両側方向の移動が実現される。
図3に示すように、この油圧シリンダ装置30は、ピストン14に付設された弁座板51と、この弁座板51の貫通孔51aの外側縁部の弁座と内側縁部の弁座に交番に当接させるべく移動体側ロッド54の先端部に設けた上記ポペット形弁体52、53と、油圧回路に設けた切換弁56と、を備えた構成を有する。この構成以外の構成は、第1の実施形態に係る油圧シリンダ装置10の構成と同様であるので、それについての説明を省略する。なお、図3においては、第1の実施形態の油圧シリンダ装置10の構成要素と共通する要素に同一の参照符号を付してある。
図3において、前記第1の実施形態の移動体側ロッド24に対応する移動体側ロッド54は、ピストン14に近い位置に細径部54aを有し、この細径部54aに相対向する上記弁体52、53を備える弁部材が嵌合されかつナット55により固定されている。上述したように、ピストン14に付設された弁座板51の貫通孔51aの外側と内側の縁部は、それぞれ上記弁体52と弁体53の弁座を構成している。
移動体側ロッド54は、先端に小軸54bを備えている。小軸54bは、駆動ロッド15の端部中心に形成された穴に嵌合され、これによって弁体52、53の軸心が駆動ロッド15の軸心、つまり、シリンダ11の軸心に合わせられる。上記小軸54bには、点線で示す油抜き孔が形成されている。
この実施の形態では、対向する一対のポペット形弁体52、53を備えているが、これらの一方、または、双方をカップ形弁体に置き換えても同じ機能を得ることができる。もちろん、その場合には、カップ形弁体に対応する弁座が設けられる。
油圧ポンプ36から吐出される高圧の作動油は、電磁切換弁56、油圧配管および管継ぎ手35を経て、油圧シリンダ11の左右の油室のいずれか一方に送られる。
駆動ロッド15と移動体側ロッド54は同じ外径を有するので、ピストン14の左右の受圧面積は同じである。したがって、理論的には油圧系統に満たされた作動油の量は一定であるが、この実施の形態においても、温度変化による膨張、漏れ等による油圧配管内の不足油量を補うためにリザーブタンク39が備えられている。符号40は油圧計を、また、符号38は逆止弁をそれぞれ示している。
以下、この油圧シリンダ装置30の作用を説明する。
切換弁56が図3の切換え位置に作動されている場合、作動油が実線矢印の方向に送られる。このとき、弁座板51の弁座と弁体53との間に隙間があると、作動油がその隙間を通り抜けることから、ピストン14に油圧が作用しない。
上記制御装置は、作用体16の位置、移動速度を制御するためのプログラムを内蔵している。この制御プログラムに従ってサーボモータ32が作動され、それによってボールねじ軸25が回転して移動体側ロッド24が矢印Aの方向に引張されると、弁体53が図における左方向に移動して弁座に当接する。つまり、弁体53を備える第1の開閉弁(ポペット弁)が閉じられる。
この結果、ピストン14の右側の油室内に油圧が発生して、該ピストン14が左方向に移動する。このとき、ピストン14が行き過ぎると上記第1の開閉弁が開かれてシリンダの右側の油室と左側の油室の油圧がバランスするので、ピストン14を動かす力が無くなる。このようにして、ピストン14は、行き過ぎが抑制されながら、移動体側ロッド24に追随して移動する。
ピストン14には、作用体16の負荷に比例した油圧が発生する。したがって、ボールねじ軸25、ボールねじナット26を含む移動体は、ピストン14の移動速度の制御を担当し、油圧シリンダ11、油圧ピストン14は作用体16による負荷を担うことになる。
次に、上記制御装置によって切換弁56が図3の位置とは異なる側の位置に切り換えられると、作動油が破線矢印の方向に送られる。このとき、弁座板51の弁座と弁体52との間に隙間があると、作動油がその隙間を通り抜けることから、ピストン14に油圧が作用しない。
サーボモータ32が逆回転されると、ボールねじ軸25も逆回転するので、移動体側ロッド54が破線矢印Bの方向に移動される。これにより、弁体52が右方向に移動されるので、この弁体52が弁座に当接する。つまり、弁体52を弁要素とする第2の開閉弁(ポペット弁)が閉じられる。
この結果、ピストン14の左側の油室内に油圧が発生して、該ピストン14は右方向に移動するが、ピストン14が行き過ぎると上記第2の開閉弁が開かれてシリンダの右側の油室と左側の油室の油圧がバランスするので、ピストン14を動かす力は無くなる。このようにして、ピストン14は、弁体52の開閉作用で移動体ロッド54に追随して右方向移動動作をする。
この第3の実施の形態においても、油圧ポンプ36を駆動するサーボモータ37と、ボールねじ軸25を駆動するサーボモータ32は比例同調運転される。すなわち、ピストン14が油圧で駆動されているときに、油圧ポンプ36の吐出油に基づくピストン14の移動速度がボールねじ軸25で駆動されるボールねじナット26の移動速度と一致するように、つまり、ピストン14がボールねじナット26に追随して移動するように、両サーボモータ32、37が比例同調運転される。
この第3の実施形態に係る油圧シリンダ装置30は、移動体ロッド54の僅かな移動力(図における左方向移動力および右方向移動力双方)を、強大な油圧力に変換することができるので、作用体16を移動体ロッド54と同じ距離だけ同じ速度で移動させることが可能である。
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態に係る射出成形機の射出ユニットの断面図および油圧系統ブロック図である。また、図6は、上記射出ユニット1の射出工程における射出スクリュのストロークに対する射出速度、油圧ポンプ吐出流量および油圧を示す特性曲線図である。
図4に示す射出ユニット1には、図1に示した油圧シリンダ装置10または図2に示した油圧シリンダ装置20が用いられている。
射出ユニット1は、射出シリンダ2、該シリンダ2に回転かつ進退可能に挿入された射出スクリュ3、射出シリンダ2を固設支持する固定台4および固定台4に対して近接離反する摺動台5と、を備えている。
摺動台5には、射出スクリュ3を回転可能に支持しかつ該射出スクリュ3の軸方向移動を規制する軸受が内蔵され、また、射出スクリュ駆動モータ6が取付けられている。
固定台4の両側、つまり、射出シリンダ2を中心する対称位置には、油圧シリンダ装置10(20)がそれぞれ該射出シリンダ2に平行する形態で固定配設されている(括弧内は、図2の油圧シリンダ装置20に係る参照番号である)。前述したように、油圧シリンダ装置10(20)は、サーボモータ32によって駆動されるボールねじ軸25と、このボールねじ軸25に螺合するボールねじナット26によって移動体側ロッド24(45)を駆動するように構成されている。なお、油圧シリンダ装置10(20)のシリンダ11は固定台4に一体形成しても良い。
次に、この射出ユニット1の油圧系統を説明する。制御装置147には、射出ユニット1を制御するプログラムが内蔵されている。インバータ48は、制御装置147の制御プログラムに基づく指示に従った電力をACモータ37aに供給して、該ACモータ37aの回転を制御する。油圧ポンプ36はこのACモータ37aによって駆動される。なお、インバータ48とACモータ37aの組合せに代えて、サーボモータを用いても良い。
符号58は油圧ポンプ36の過負荷を防止するためのリリーフ弁を、符号57は2方向電磁開閉弁を、また、符号40は油圧を検出する油圧計をそれぞれ示している。
上記一対の油圧シリンダ装置10(20)におけるシリンダ11の右方および左方の油室には、それぞれ油圧配管71および72が結合されている。また、配管72には、逆止弁38を介してリザーブタンク39が分岐接続されている。
次に、この射出ユニット1を用いた樹脂射出工程について説明する。
射出スクリュ3の射出前進時には、射出スクリュ3が略一定速度に制御される。そして、溶融樹脂が図示しない金型のキャビティに充満されてから樹脂の流動性が失われるまでの間は、該キャビティ内の圧力制御(型内圧制御)が実行される。それ以後、樹脂が固化するまでは圧力保持が行われて、射出の前進方向の制御が終了する。
図6は、充填工程とそれに続く保圧工程における、射出スクリュ3の射出ストロークSに対する射出速度V、油圧ポンプの吐出流量Fおよび油圧Pの変化をそれぞれ例示した特性曲線図である。
充填工程では、サーボモータ32を所定回転速度で回転させて、弁体23(43)を指定された速度で移動させる。このとき、弁体23(43)にピストン14(41)を追随させるため、該ピストン14(41)の移動速度が弁体(23または43)の移動速度より少し速められるように作動油の供給量、つまり、油圧ポンプ36の回転速度が制御される。なお、ピストン14(41)に作用する作動油の余剰分は弁体23(43)を通過することになる。
一方、保圧制御時には、弁体23(43)にサーボモータ32の回転トルクを加えた状態で、型内圧が保持されるように油圧ポンプ36を回転させて圧力制御を行う。
射出スクリュ3が後退する樹脂可塑化貯溜時には、油圧ポンプ36を停止する。そして、移動体側ロッド24(45)の端部を駆動ロッド15(46)の端部に当接させて、移動体側ロッド24(45)により直接駆動ロッド15(46)を後進させる。このとき、移動体側ロッド24(45)に備えられている弁体23(弁体43)は開いた状態にあるので、シリンダ11の左右の油室の作動油は自由に流通し、その結果、ピストン14(41)には油圧力が作用しない。
なお、各油圧シリンダ装置10(20)のサーボモータ32相互は、電気的に、もしくはそれら間に巻掛けた図示しないチエンまたは歯付きベルト等によって機械的に同期運転される。
(第5の実施形態)
図5は、本発明の第5の実施形態に係る射出成形機用射出ユニットの断面図および油圧系統ブロック図である。
図5に示す射出ユニット50には、図3に示した油圧シリンダ装置30が用いられている。
射出ユニット50は、射出シリンダ2、該シリンダ2に回転かつ進退可能に挿入された射出スクリュ3、射出シリンダ2を固設支持する固定台4および固定台4に対して近接離反する摺動台5と、を備えている。
摺動台5には、射出スクリュ3を回転可能に支持しかつ該射出スクリュ3の軸方向移動を規制する軸受が内蔵され、また、射出スクリュ駆動モータ6が取付けられている。
固定台4の両側、つまり、射出シリンダ2を中心する対称位置には、それぞれ上記油圧シリンダ装置30と油圧シリンダ装置64が該射出シリンダ2に平行する形態で固定配設されている。
前述したように、油圧シリンダ装置30は、サーボモータ32によって駆動されるボールねじ軸25と、このボールねじ軸25に螺合するボールねじナット26によって移動体側ロッドを駆動するように構成されている。
一方、油圧シリンダ装置64は、シリンダ本体11a'、シリンダ側蓋66およびシリンダ側蓋12を有する油圧シリンダ11'と、ピストン65とを備えた一般的な構造を有している。
次に、この射出ユニット1の油圧系統を説明する。制御装置60には、射出ユニット50を制御するプログラムが内蔵されている。インバータ48は、制御装置147の制御プログラムに基づく指示に従った電力をACモータ37aに供給して、該ACモータ37aの回転を制御する。油圧ポンプ36はこのACモータ37aによって駆動される。
上記油圧シリンダ装置30、64におけるシリンダ11、11'の右方および左方の油室には、それぞれ油圧配管71および72が結合されている。
符号58は油圧ポンプ36の過負荷を防止するためのリリーフ弁を、符号61は油圧ポンプ36と配管71、72間に介在された4方向電磁開閉弁を、符号40は油圧を検出する油圧計を、また、符号63は配管71に接続された電磁リリーフ弁をそれぞれ示している。
各油圧シリンダ装置30、64は、油圧配管71、72によって上記のように結合されているので、油圧シリンダ装置30のシリンダ11における左右の油室の油圧は、油圧シリンダ装置64のシリンダ11'における左右の油室の油圧とそれぞれ等しくなる。
したがって、油圧シリンダ装置30のピストン14が移動体側ロッド54(図3参照)に追従して移動する場合、油圧シリンダ装置64のピストン65がピストン14と同じ力で同方向に作動し、その結果、摺動台5、つまり、スクリュ3が円滑に進退される。
上記油圧シリンダ装置30においては、射出の全工程に亙って、移動体側ロッド54の移動にピストン14が追従するように油圧ポンプ36の回転速度が制御される。なお、油圧ポンプ36には、油圧シリンダ装置10,64の双方を作動できる容量のものが使用される。
次に、この射出ユニット50を用いた樹脂射出工程について説明する。
射出スクリュ3の射出前進時には、射出スクリュ3が略一定速度に制御される。そして、溶融樹脂が図示しない金型のキャビティに充満されてから樹脂の流動性が失われるまでの間は、該キャビティ内の圧力制御(型内圧制御)が実行される。それ以後、樹脂が固化するまでは圧力保持が行われて、射出の前進方向の制御が終了する。
射出スクリュ3の速度制御と保圧制御は、第4の実施形態の場合と同様であるので、図6の特性曲線図をその制御に適用することができる。
充填工程では、サーボモータ32を所定回転速度で回転させて、弁体52、53を指定された速度で移動させる。このとき、弁体52、53にピストン14を追随させるため、該ピストン14の移動速度が弁体52、53の移動速度より少し速められるように作動油の供給量、つまり、油圧ポンプ36の回転速度が制御される。なお、ピストン14に作用する作動油の余剰分は弁体52を備える開閉弁もしくは弁体53を備える開閉弁を通過することになる。
一方、型内圧制御時および圧力保持の時は、弁体52、53にサーボモータ32の回転トルクを加えた状態で、型内圧を保持するように油圧ポンプ36が回転制御される。
射出スクリュ3が後退する樹脂可塑化貯溜時には、油圧シリンダ装置30、64に射出スクリュ3を後退させる油圧が発生するように4方向電磁切換弁61が切換えるとともに、油圧調整用の電磁リリーフ弁63によって油圧配管71側に背圧を掛ける。そして、サーボモータ32を逆方向に低速で回転させるとともに、弁体52、53の移動速度に見合った低速で油圧ポンプ36を回してピストン14を弁体52,53の移動、つまり移動体側ロッド54の移動に追随させる。
油圧シリンダ装置30、64には、常に等圧かつ等方向の油圧が作用する。したがって、油圧シリンダ装置30のピストン14と油圧シリンダ装置64のピストン65には、方向および大きさが等しい油圧力が作用し、その結果、摺動台5を介して射出スクリュ3がバランス良く前後進される。
この第5の実施形態に係る射出ユニット50によれば、射出スクリュ3の速度を制御するためのボールねじ機構を有した油圧シリンダ装置として油圧シリンダ装置30を1つ設ければよいので、コストを低減することができる。また、樹脂可塑化貯溜時における射出スクリュ3の回転に伴って該射出スクリュ3の後進力が大きくなると、ピストン14、65に引き力が作用することになるが、その場合でも、油圧配管71に背圧を掛けているので、油圧シリンダ装置30を適当な正圧を掛けた状態で正常に制御することができる。
本発明の第1の実施形態に係る油圧シリンダ装置の側面断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る油圧シリンダ装置の側面断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る油圧シリンダ装置の側面断面図である。 図1または図2の油圧シリンダ装置を備えた本発明に係る射出ユニットの実施の形態を示す断面図および油圧系統ブロック図である。 図3の油圧シリンダ装置を備えた本発明に懸かる射出ユニットの他の実施の形態を示す断面図および油圧系統ブロック図である。 図4および図5の射出ユニットの射出工程における射出スクリュのストロークに対する射出速度、油圧ポンプ吐出流量、および油圧の変化を例示した特性曲線図である。
符号の説明
1 射出ユニット
2 射出シリンダ
3 射出スクリュ
4 固定台
5 摺動台
10 油圧シリンダ装置
11,11' 油圧シリンダ
12 シリンダ側蓋
13 シリンダ側蓋
14 ピストン
15 駆動ロッド
16 作用体(被駆動体)
22 弁座板
23 弁体
24 移動体側ロッド
25 ボールねじ軸
26 ボールねじナット
32 サーボモータ
36 油圧ポンプ
41 ピストン
42 ピストン継手
43 弁体
45 移動体側ロッド
46 駆動ロッド
147 制御装置
48 インバータ
50 射出ユニット
51 弁座板
52 弁体(外側)
53 弁体(内側)
54 移動体側ロッド
56 切換弁
57 2方向切換弁
58 リリーフ弁
60 制御装置
61 4方向切換弁
63 油圧調整リリーフ弁

Claims (14)

  1. 油圧シリンダと、
    前記油圧シリンダ内に摺動可能に設けられ、その一方および他方の側にそれぞれ形成された前記シリンダの第1および第2の油室を連通させる作動油通路を形成したピストンと、
    前記油圧シリンダの一方の側蓋に摺動可能に貫通され、前記ピストンに相対変位可能に結合された移動体側ロッドと、
    前記移動体側ロッドに設けられ、該移動体側ロッドと前記ピストンの相対変位によって前記作動油通路を開閉する開閉弁を前記ピストンとの間で構成する弁体と、
    前記油圧シリンダの他方の側蓋に摺動可能に貫通され、前記ピストンに固定結合された駆動ロッドと、
    前記移動体側ロッドを進退移動させるアクチュエータと、
    前記第2の油室に作動油を供給し、前記作動油通路を介して前記作動油を還流させるように構成された油圧発生手段と、を備え、
    前記開閉弁は、前記弁体が前記一方の側蓋の方向に移動するときの速度よりも前記ピストンが同方向に移動する速度が大きい場合に、その速度差によって生じる前記相対変位によって開かれるように、かつ、前記油圧発生手段が停止された状態で前記弁体が前記他方の側蓋の方向に移動するときに開かれるように構成されていることを特徴とする油圧シリンダ装置。
  2. 前記移動体側ロッドの径と駆動ロッドの径を等しく設定して、前記ピストンの両側の受圧面積を等しくしたことを特徴とする請求項1に記載の油圧シリンダ装置。
  3. 前記開閉弁がポペット弁であることを特徴とする請求項1または2に記載の油圧シリンダ装置。
  4. 前記開閉弁がカップ弁であることを特徴とする請求項1または2に記載の油圧シリンダ装置。
  5. 前記移動体側ロッドを進退移動させるアクチュエータは、回転駆動されるボールねじ軸と、該ボールねじ軸に螺合するボールねじナットとを備え、該ボールねじナットの直線運動を前記移動体側ロッドに伝達するように構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の油圧シリンダ装置。
  6. 前記油圧発生手段は、油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出された作動油を還流させる閉鎖配管回路と、を備え、
    前記油圧ポンプは、前記一方の側蓋の方向に移動する前記弁体に対して前記ピストンを追従して移動させ得る流量の作動油を発生するように、前記アクチュエータと連携して運転されることを特徴とする1〜5のいずれかに記載の油圧シリンダ装置。
  7. 油圧シリンダと、
    前記油圧シリンダ内に摺動可能に設けられ、その一方および他方の側にそれぞれ形成された前記シリンダの第1および第2の油室を連通させる作動油通路を形成したピストンと、
    前記油圧シリンダの一方の側蓋に摺動可能に貫通され、前記ピストンに相対変位可能に結合された移動体側ロッドと、
    前記移動体側ロッドに設けられ、該移動体側ロッドと前記ピストンの相対変位によって前記作動油通路を開閉する第1および第2の開閉弁を前記ピストンとの間でそれぞれ構成する第1および第2の弁体と、
    前記油圧シリンダの他方の側蓋に摺動可能に貫通され、前記ピストンに固定結合された駆動ロッドと、
    前記移動体側ロッドを進退移動させるアクチュエータと、
    前記第1および第2の油室に選択的に作動油を供給し、前記作動油通路を介して前記作動油を還流させるように構成された油圧発生手段と、を備え、
    前記第1の開閉弁は、前記第1の弁体が前記一方の側蓋の方向に移動するときの速度よりも前記ピストンが同方向に移動する速度が大きい場合に、その速度差によって生じる前記相対変位によって開かれるように構成され、
    前記第2の開閉弁は、前記第2の弁体が前記他方の側蓋の方向に移動するときの速度よりも前記ピストンが同方向に移動する速度が大きい場合に、その速度差によって生じる前記相対変位によって開かれるように構成されている、
    ことを特徴とする油圧シリンダ装置。
  8. 前記移動体側ロッドの径と駆動ロッドの径を等しく設定して、前記ピストンの両側の受圧面積を等しくしたことを特徴とする請求項7に記載の油圧シリンダ装置。
  9. 前記第1および第2の開閉弁がポペット弁であることを特徴とする請求項7または8に記載の油圧シリンダ装置。
  10. 前記第1および第2の開閉弁の一方がカップ弁であり、他方がカップ弁もしくはポペット弁であることを特徴とする請求項7または8に記載の油圧シリンダ装置。
  11. 前記移動体側ロッドを進退移動させるアクチュエータは、回転駆動されるボールねじ軸と、該ボールねじ軸に螺合するボールねじナットとを備え、該ボールねじナットの直線運動を前記移動体側ロッドに伝達するように構成されていることを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の油圧シリンダ装置。
  12. 前記油圧発生手段は、油圧ポンプと、該油圧ポンプから吐出された作動油を還流させる閉鎖配管回路と、を備え、
    前記油圧ポンプは、前記弁体に対して前記ピストンを追従して移動させ得る流量の作動油を発生するように前記アクチュエータと連携して運転されることを特徴とする7〜11のいずれかに記載の油圧シリンダ装置。
  13. 射出シリンダに対して平行対称に設けられた一対の油圧シリンダ装置を備え、これらの油圧シリンダ装置により溶融樹脂射出のための射出スクリュを前後進させるように構成された射出成形機の射出ユニットであって、前記一対の油圧シリンダ装置が、
    油圧シリンダと、
    前記油圧シリンダ内に摺動可能に設けられ、その一方および他方の側にそれぞれ形成された前記シリンダの第1および第2の油室を連通させる作動油通路を形成したピストンと、
    前記油圧シリンダの一方の側蓋に摺動可能に貫通され、前記ピストンに相対変位可能に結合された移動体側ロッドと、
    前記移動体側ロッドに設けられ、該移動体側ロッドと前記ピストンの相対変位によって前記作動油通路を開閉する開閉弁を前記ピストンとの間で構成する弁体と、
    前記油圧シリンダの他方の側蓋に摺動可能に貫通され、前記ピストンに固定結合された駆動ロッドと、
    前記移動体側ロッドを進退移動させるアクチュエータと、
    前記第2の油室に作動油を供給し、前記作動油通路を介して前記作動油を還流させるように構成された油圧発生手段と、を備え、
    前記開閉弁は、前記弁体が前記一方の側蓋の方向に移動するときの速度よりも前記ピストンが同方向に移動する速度が大きい場合に、その速度差によって生じる前記相対変位によって開かれるように、かつ、前記油圧発生手段が停止された状態で前記弁体が前記他方の側蓋の方向に移動するときに開かれるように構成されている
    ことを特徴とする射出成形機の射出ユニット。
  14. 射出シリンダに対して平行対称に設けられた一対の油圧シリンダ装置を備え、これらの油圧シリンダ装置により溶融樹脂射出のための射出スクリュを前後進させるように構成された射出成形機の射出ユニットであって、
    前記第1の油圧シリンダ装置が通常の油圧シリンダ装置の構造を有し、前記第2の油圧シリンダ装置が、
    油圧シリンダと、
    前記油圧シリンダ内に摺動可能に設けられ、その一方および他方の側にそれぞれ形成された前記シリンダの第1および第2の油室を連通させる作動油通路を形成したピストンと、
    前記油圧シリンダの一方の側蓋に摺動可能に貫通され、前記ピストンに相対変位可能に結合された移動体側ロッドと、
    前記移動体側ロッドに設けられ、該移動体側ロッドと前記ピストンの相対変位によって前記作動油通路を開閉する第1および第2の開閉弁を前記ピストンとの間でそれぞれ構成する第1および第2の弁体と、
    前記油圧シリンダの他方の側蓋に摺動可能に貫通され、前記ピストンに固定結合された駆動ロッドと、
    前記移動体側ロッドを進退移動させるアクチュエータと、
    前記第1および第2の油室に選択的に作動油を供給し、前記作動油通路を介して前記作動油を還流させるように構成された油圧発生手段と、を備え、
    前記第1の開閉弁は、前記第1の弁体が前記一方の側蓋の方向に移動するときの速度よりも前記ピストンが同方向に移動する速度が大きい場合に、その速度差によって生じる前記相対変位によって開かれるように構成され、
    前記第2の開閉弁は、前記第2の弁体が前記他方の側蓋の方向に移動するときの速度よりも前記ピストンが同方向に移動する速度が大きい場合に、その速度差によって生じる前記相対変位によって開かれるように構成されている、
    ことを特徴とする射出成形機の射出ユニット。
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