JP2005329553A - ポリエステル成形品、その製造方法、およびicキャリアケース - Google Patents

ポリエステル成形品、その製造方法、およびicキャリアケース Download PDF

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Abstract

【課題】 延伸工程をなくしても、高い耐熱性、寸法安定性を有するポリエステル成形品を物性のバラつきが出ないように得ることができる製造方法およびICキャリアケース等に適したポリエステル成形品を提供する。
【解決手段】 テレフタル酸成分とテトラメチレングリコール成分を主成分とし、総変性量が3〜20モル%であり、炭素数2以上のポリエーテルグリコール成分を0.5〜6モル%含み、固有粘度0.55〜1.40dl/gのポリエステル樹脂(A)40〜99.9質量%と、テレフタル酸成分とエチレングリコール成分を主成分とし、固有粘度0.55〜1.40dl/gのポリエステル樹脂(B)0.1〜60質量%とを含む樹脂組成物(A+B=100質量%)を製膜したポリエステルシート11を、延伸することなく、ロール状金型15を用いて連続的に、真空成形、圧空成形、真空圧空成形またはプレス成形により所望の形状に成形する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、ポリエステル成形品、その製造方法、およびICキャリアケースに関する。
近年、電車の乗車用カード、電話の通話用カード、クレジットカードなど、ICチップを組み込んだカードの需要が激増している。このICチップは、カードに実装される寸前まで、ICチップが収納される複数の凹みを一定間隔で有するテープ状のICキャリアケースに収納され、ICキャリアケースごと搬送されている。
このICキャリアケースとしては、従来、耐熱性、帯電防止性の点から金属テープが使用されてきた。しかしながら、ICチップカードの需要の爆発的な拡大に伴い、ICキャリアケースにも低コスト化が求められるようになってきている。この要求に対し、ICキャリアケースの樹脂化が検討され、ポリイミド、ポリシアノアリールエーテル、ポリエステル等からなるICキャリアケースが提案されている。中でも、機械特性、耐薬品性、電気特性、耐熱性に優れるポリエステルからなるICキャリアケースはよく検討されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載されたICキャリアケースは、二軸延伸したポリエステルシートをベースとするものであり、その製造において延伸工程が必要となるため、製造が煩雑であり、得られるICキャリアケースがコスト高になるという問題があった。
また、従来のICキャリアケースの製造には、図2に示すような製造装置が用いられていた。この製造装置は、テープ状のポリエステルシート21を送り出す供給ロール22と、ポリエステルシート21を加熱する加熱ヒーター23と、凹部24が等間隔で複数形成された金型25(下型)と、凹部24に対応した凸部26が形成された金型27(上型)とを具備して概略構成されるものである。この製造装置において、供給ロール22から送り出されたポリエステルシート21は、加熱ヒーター23で加熱され後、金型25、27に送られ、これら金型間でプレスされることにより、ICチップ収納用の凹部28が所定間隔で形成されたICキャリアケース29が得られる。
しかしながら、この製造装置においては、加熱ヒーター23に近い金型の部分と、加熱ヒーター23から遠い金型の部分とでは、加熱ヒーター23で加熱されてから金型で成形されるまでの時間が異なってくるため、成形直前のポリエステルシート21に温度分布のムラが生じ、得られるICキャリアケース29の物性にバラつきが出て、歩留まりが悪くなるという問題があった。
特開2001−301099号公報
よって、本発明の目的は、延伸工程をなくしても、高い耐熱性(寸法安定性)を有する、ICキャリアケース等に適したポリエステル成形品を、物性のバラつきが出ないように得ることができる製造方法、およびこの製造方法によって得られる高い耐熱性、寸法安定性を有する、ICキャリアケース等のポリエステル成形品を提供することにある。
本発明者らは、上述の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、特定の組成を有するポリエステル樹脂樹脂組成物を、特定の条件において成形することで課題が解決されることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明のポリエステル成形品の製造方法は、下記条件(i)〜(iv)を満たすポリエステル樹脂(A)と、下記条件(v)〜(vi)を満たすポリエステル樹脂(B)とを含有し、ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)の合計(100質量%)中、ポリエステル樹脂(A)が40〜99.9質量%であり、ポリエステル樹脂(B)が0.1〜60質量%であるポリエステル樹脂組成物からなる単層のポリエステルシート、または該ポリエステル樹脂組成物からなる層を有する積層ポリエステルシートを、延伸することなく、ロール状金型を用いて連続的に、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形の中から選ばれる1種以上の成形方法により所望の形状に成形する方法である。
[ポリエステル樹脂(A)]
(i)テレフタル酸成分を主成分とするジカルボン酸成分と、テトラメチレングリコール成分を主成分とするグリコール成分とからなり、
(ii)下記式(I)で表される総変性量が、3〜20モル%であり、
総変性量(モル%)=〔全ジカルボン酸成分(100モル%)中のテレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分のモル%〕+〔全グリコール成分(100モル%)中のテトラメチレングリコール成分以外のグリコール成分のモル%〕 ・・・(I)
(iii)全グリコール成分(100モル%)中に、0.5〜6モル%の繰り返し単位が炭素数2以上のポリエーテルグリコール成分を含み、
(iv)フェノール/1,1,2,2−テトラクロルエタン(質量比1/1)の混合溶媒に溶解させ、25℃にて測定した固有粘度が、0.55〜1.40dl/gの範囲であるポリエステル樹脂(A)。
[ポリエステル樹脂(B)]
(v)テレフタル酸成分を主成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコール成分を主成分とするグリコール成分とからなり、
(vi)フェノール/1,1,2,2−テトラクロルエタン(質量比1/1)の混合溶媒に溶解させ、25℃にて測定した固有粘度が、0.55〜1.40dl/gの範囲であるポリエステル樹脂(B)。
また、本発明のポリエステル成形品は、請求項1記載のポリエステル成形品の製造方法によって得られたポリエステル成形品であって、140℃で30分間の熱処理した後の収縮率が、5%以下のものである。
また、本発明のポリエステル成形品は、制電性を有する層を有することによってICキャリアケースとして好適に用いることができる。
本発明のポリエステル成形品の製造方法によれば、従来では耐熱性、寸法安定性を付与するために必要とされてきた延伸工程をなくしても、高い耐熱性、寸法安定性を有する、ICキャリアケース等に適したポリエステル成形品を、物性のバラつきが出ないように得ることができる。
また、本発明のポリエステル成形品は、高い耐熱性、寸法安定性を有するので、ICキャリアケースに好適に用いることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<ポリエステル樹脂(A)>
本発明におけるポリエステル樹脂(A)は、テレフタル酸成分を主成分とするジカルボン酸成分と、テトラメチレングリコール成分を主成分とするグリコール成分とから構成されるものである(条件(i))。
ポリエステル樹脂(A)を構成しているジカルボン酸成分は、テレフタル酸成分(単位)を主成分とする。「主成分とする」とは、例えば、テレフタル酸成分が、全ジカルボン酸成分(100モル%)中に80〜100モル%含有することをいう。テレフタル酸成分が80モル%以上であれば、機械的強度や、熱的特性の面から好ましい。
テレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;イソフタル酸、5−アルキルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のベンゼン環またはナフタレン環に直接カルボシキル基を2つ有している芳香族ジカルボン酸;その他、p−(β−オキシエトキシ)安息香酸、4,4’−ジカルボキシフェニール、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニール)エタン、およびこれらの混合物が挙げられる。
ポリエステル樹脂(A)を構成しているグリコール成分は、テトラメチレングリコール成分(単位)を主成分とする。「主成分とする」とは、例えば、テトラメチレングリコール成分が、全グリコール成分(100」モル%)中に80〜99.5モル%含有することをいう。テトラメチレングリコール成分が80モル%以上であれば、熱的特性を保持することができる。
テトラメチレングリコール成分以外のグリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール等の炭素数2〜6のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、およびこれらの混合物等が挙げられる。
下記式(I)で表されるポリエステル樹脂(A)の総変性量は、3〜20モル%であり、好ましくは4〜15モル%であり、より好ましくは4〜12モル%である(条件(ii))。
総変性量(モル%)=〔全ジカルボン酸成分(100モル%)中のテレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分のモル%〕+〔全グリコール成分(100モル%)中のテトラメチレングリコール成分以外のグリコール成分のモル%〕 ・・・(I)
総変性量が3モル%以上であれば、ポリエステル樹脂組成物およびこれから得られるポリエステルシートが良好な加工性を示す。総変性量が20モル%以下であれば、ポリエステル樹脂(A)が良好な結晶性、熱的特性を示し、かつ重合後のチップ取り出しが容易となる。
テトラメチレングリコール以外のグリコール成分には、単位モノマー中の炭素数が2以上のポリエーテルグリコール成分が、全グリコール成分(100質量%)中0.5〜6モル%含まれる(条件(iii))。該ポリエーテルグリコール成分としては、例えば、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、およびこれらの共重合体等が挙げられる。中でも、ポリテトラメチレングリコールが好ましい。
ポリエーテルグリコールの質量平均分子量は、例えば、450〜2000、好ましくは500〜1500である。該質量平均分子量が450以上であれば、ポリエステル樹脂(A)の結晶性が高くなり過ぎることもなく、2000以下であれば、ポリエーテルグリコール自体の結晶性が高くなって透明性が損なわれることもない。
ポリエーテルグリコール成分の含有量は、全グリコール成分(100質量%)中、0.5〜6モル%であり、好ましくは1〜4モル%であり、より好ましくは1〜3モル%である。ポリエーテルグリコール成分が0.5〜6モル%であると、ポリエステル樹脂組成物およびこれから得られるポリエステルシートが良好な成形性、及び良好な成形時耐熱性を示す。
ポリエステル樹脂(A)の固有粘度は、0.55〜1.40dl/gであり、好ましくは0.7〜1.2dl/gであり、より好ましくは0.8〜1.2dl/gである(条件(iv))。該固有粘度は、ポリエステル樹脂(A)を、フェノールと1,1,2,2−テトラクロルエタンとを質量比1:1で混合して得た溶媒に溶解し、得られた溶液を、ウベローデ粘度計を使用して、25℃で測定した値である。該固有粘度が0.55dl/g以上であれば、ポリエステル樹脂(A)を重合で得た後のチップの取り出しが容易であり、得られるポリエステルシートおよびポリエステル成形品が良好な耐衝撃性を示すので好ましく、また固有粘度が1.40dl/g以下であれば、ポリエステル樹脂(A)を重合で得る際に、安定して重合を行うことができるので好ましい。
ポリエステル樹脂(A)は、公知のエステル交換法や、エステル化法の重合方法によって製造される。上記エステル交換法では、テトラメチレングリコール等の全グリコール成分が、テレフタル酸のエステル形成性誘導体等の全ジカルボン酸成分に対して、モル比で1.2〜1.6倍となるように、反応容器内に仕込み、テトラブトキシチタン等のエステル交換触媒の存在下で、150〜220℃まで徐々に加熱することによって、エステル交換反応を行わせることができる。また、上記エステル化法では、テトラメチレングリコール等の全グリコール成分が、テレフタル酸等の全ジカルボン酸成分に対して、モル比で1.2〜1.6倍となるように、反応容器内に仕込み、窒素で加圧した状態で、徐々に150〜220℃まで加熱することによって、エステル化反応を行わせることができる。
上記エステル交換反応、もしくはエステル化反応を行わせた後、炭素数2以上のポリエーテルグリコールと、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタン等の酸化安定剤とを添加し、220℃に復帰したところで、0.7kPa abs以下に減圧し、230〜260℃程度で、2〜5時間程度加熱し、縮合重合反応を行わせた後、ストランド状で水槽中に吐出し、ストランドカッターにてチップ状に切断したものを速やかに乾燥させて、チップに付着した水分を取り除くことによって、ポリエステル樹脂(A)を得ることができる。
ポリエステル樹脂(A)を製造する際に使用されるその他の触媒としては、エステル交換触媒として、酢酸亜鉛、酢酸マンガン、酢酸マグネシウム等が挙げられ、重合触媒として、三酸化アンチモン、二酸化ゲルマニウム、四塩化ゲルマニウム、ジブチルスズオキシド等が挙げられる。触媒は、全カルボン酸成分に対して20〜1000ppm程度の範囲で添加される。
<ポリエステル樹脂(B)>
本発明におけるポリエステル樹脂(B)は、テレフタル酸成分を主成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコール成分を主成分とするグリコール成分とから構成されるものである(条件(v))。
ポリエステル樹脂(B)を構成しているジカルボン酸成分は、テレフタル酸成分(単位)を主成分とする。「主成分とする」とは、例えば、テレフタル酸成分が、全ジカルボン酸成分(100モル%)中に、50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上含有することをいう。テレフタル酸成分が50モル%以上であれば、機械的強度や、熱的特性の面から好ましい。
テレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分としては、例えば、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸;イソフタル酸、5−アルキルイソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等のベンゼン環またはナフタレン環に直接カルボシキル基を2つ有している芳香族ジカルボン酸;その他、p−(β−オキシエトキシ)安息香酸、4,4’−ジカルボキシフェニール、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、ビス(4−カルボキシフェニール)エタン、およびこれらの混合物が挙げられる。
ポリエステル樹脂(B)を構成しているグリコール成分は、エチレングリコール成分(単位)を主成分とする。「主成分とする」とは、例えば、エチレングリコール成分が、全グリコール成分(100モル%)中に、50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上含有することをいう。エチレングリコール成分が50モル%以上であれば、熱的特性を保持することができる。
エチレングリコール成分以外のグリコール成分としては、例えば、トリメチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール等の炭素数2〜6のアルキレングリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、およびこれらの混合物等が挙げられる。
テレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分およびエチレングリコール成分以外のグリコール成分は、イソフタル酸、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、ビスフェノールAエチレンオキサイド2付加物、およびこれらの混合物から選択される成分であることが好ましい。また、ポリエステル樹脂(B)において、全ジカルボン酸成分(100モル%)中のテレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分の含有量(モル%)と、全グリコール成分(100モル%)中のエチレングリコール成分以外のグリコール成分の含有量(モル%)との合計量は、好ましくは5〜50モル%であり、より好ましくは10〜25モル%である。
ポリエステル樹脂(B)の固有粘度は、0.55〜1.40dl/gであり、好ましくは0.6〜1.3dl/gであり、より好ましくは0.7〜1.3dl/gである(条件(vi))。該固有粘度は、上記ポリエステル樹脂(A)と同様の方法で測定された値である。該固有粘度が0.55dl/g以上であれば、ポリエステル樹脂(B)を重合で得た後のチップの取り出しが容易であり、得られるポリエステルシートおよびポリエステル成形品が良好な耐衝撃性を示すので好ましく、また固有粘度が1.40dl/g以下であれば、ポリエステル樹脂(B)を重合で得る際に、安定して重合を行うことができるので好ましい。
ポリエステル樹脂(B)は、ポリエステル樹脂(A)と同様に、公知のエステル交換法や、エステル化法の重合方法によって製造される。
<ポリエステル樹脂組成物>
本発明におけるポリエステル樹脂組成物は、前記ポリエステル樹脂(A)と前記ポリエステル樹脂(B)とを含有する樹脂組成物である。
ポリエステル(A)の含有量は、ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)の合計(100質量%)中、40〜99.9質量%であり、好ましくは50〜95質量%であり、より好ましくは60〜95質量%である。
ポリエステル樹脂(B)の含有量は、ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)の合計(100質量%)中、0.1〜60質量%であり、好ましくは5〜50質量%であり、より好ましくは5〜40質量%である。
ポリエステル樹脂(A)が40質量%以下であり、かつポリエステル樹脂(B)が60質量%以上であれば、本発明におけるポリエステル樹脂組成物は、良好な耐熱性を示すので好適である。また、ポリエステル樹脂(A)が99.9質量%以下であり、かつポリエステル樹脂(B)が0.1質量%以上であれば、良好なシート製膜性が得られるので好適である。
ポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて、酸化安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、滑剤、繊維状もしくは板状無機強化剤等の各種添加剤、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリオレフィン樹脂等を適宜配合することもできる。
また、ポリエステル樹脂組成物は、示差走査熱分析による融点の吸熱ピーク(Tm)を、180〜250℃の間で少なくとも1つ有することが必要である。上記吸熱ピークを180〜250℃の範囲内に有さないものでは、耐熱性に劣ったものとなる。
<ポリエステルシート>
本発明におけるポリエステルシートは、ポリエステル樹脂組成物からなる単層のポリエステルシート、または該ポリエステル樹脂組成物からなる層を有する積層ポリエステルシートである。積層ポリエステルシートとしては、単層のポリエステルシート表面に、印刷等によって制電性を有する層を形成したもの、熱溶着性を有するシーラント層を形成したものなどが挙げられる。
本発明におけるポリエステルシートは、公知の押出法によって製膜することができる。具体的には、ギヤポンプ、Tダイ、チルロール、巻き取り装置を備えた押出機に、ポリエステル樹脂(A)、ポリエステル樹脂(B)、および必要に応じて各種添加剤、他の樹脂等を投入し、樹脂温度を200〜280℃程度、チルロールを10℃〜50℃程度とし、Tダイから押し出して、シート状に成形することにより得ることができる。通常、20μm〜2mm程度の膜厚のポリエステルシートを製造することができる。
<ポリエステル成形品およびその製造方法>
本発明のポリエステル成形品の製造方法は、上述した特定のポリエステル樹脂組成物からなるポリエステルシートを、延伸することなく、ロール状金型を用いて連続的に、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形の中から選ばれる1種以上の成形方法により所望の形状に成形する方法である。
ポリエステルシートを真空成形、圧空成形、真空圧空成形、またはプレス成形する際には、金型としてロール状金型を用い、帯状のポリエステルシートを連続的に所望の形状に成形する。ロール状金型を用いて連続的に成形を行えば、成形時間の短縮ができるうえに、安定して成形を行うことができるため、成形品間の物性のバラつきが押さえられ、歩留まりが向上するので好ましい。
このようにして得られたポリエステル成形品は、耐熱性(寸法安定性)に優れたものである。このような成形品は、高温での使用が想定されるICキャリアケース等に好適に用いることができる。
以下、ICキャリアケースについて説明する。
図1は、ICキャリアケースの製造装置の一例を示す図であり、テープ状のポリエステルシート11を送り出す供給ロール12と、ポリエステルシート11を加熱する加熱ヒーター13と、真空引き可能な凹部14が円周方向に等間隔で複数形成されたロール状金型15とを具備して概略構成されるものである。
この製造装置において、供給ロール12から送り出されたポリエステルシート11は、加熱ヒーター13で加熱され後、ロール状金型15に送られ、凹部の真空引きによってロール状金型15の表面に密着する。このような真空成形により、ICチップ収納用の凹部16が所定間隔で形成されたICキャリアケース17が得られる。
ICキャリアケース17の製造に用いられるポリエステルシート11は、表面に制電性を有する層を有するものである。
制電性を有する層の成分は、特に限定されず、公知のものを用いることができる。制電性を有する層は、静電気による不具合を抑制するために、ICキャリアケース17としたときのその表面抵抗値は103 Ω/□以下であることが好ましい。
以上説明した本発明のポリエステル成形品の製造方法にあっては、以下の理由から、延伸工程をなくしても、高い耐熱性、寸法安定性を有するポリエステル成形品を得ることができる。まず、耐熱性に優れる特定のポリエステル樹脂組成物を用いているので、これから得られるポリエステルシートは十分な耐熱性を有している。そして、このポリエステルシートを、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、またはプレス成形により成形した場合、この成形工程が、従来の延伸工程に伴う熱処理工程と同じように作用して、ポリエステル成形品の耐熱性をさらに高めることができる。このように、本発明のポリエステル成形品の製造方法は、特定のポリエステル樹脂組成物を用い、かつ特定の成形方法を採用することにより、延伸工程およびそれに伴う熱処理工程をなくしても、高い耐熱性、寸法安定性を有するポリエステル成形品を得ることができる。
以下、実施例を示して、本発明をより具体的に説明する。かかる実施例は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の範囲で任意に変更が可能である。また、各実施例における各種物性値は、以下の方法に従って試験・評価を行い、その結果を表1および表2に一括して表記した。
1)ポリエステル樹脂中の各成分の組成分析:
得られたポリエステル樹脂について、熱分解クロマトグラフィー、およびアルカリ分解物についての高速液体クロマトグラフィーにより、ジカルボン酸成分およびグリコール成分の組成についての分析を行った。
2)固有粘度:
フェノール/1,1,2,2−テトラクロルエタン=質量比1/1の混合溶媒に、得られたポリエステル樹脂の粉砕物を溶解させ、25℃で測定した。
3)昇温結晶化温度(Tc+ )、融点(Tm):
セイコー電子工業製熱流速示差走査熱量計DSC220を用いて、得られたポリエステル樹脂を、窒素気流中250℃(比較例4では280℃)でメルトクエンチを行った後、0℃から10℃/分で280℃まで昇温した時に得られたチャートから、発熱ピークトップよりTc+ を求め、吸熱ピークトップ部よりTmを求めた。
4)耐熱性:
実施例において連続的に成形したポリエステル成形品の中から無作為に20個を抽出し、これらについて、30分間の140℃オーブン処理前後の体積を、調温、調湿の後、23℃において、3次元測定機にて測定し、体積の減少率をポリエステル成形品の収縮率とした。得られた結果を、以下の基準に従って評価した。
○:30分間の140℃オーブン処理した後のポリエステル成形品は、全て収縮率が5%以下であった。
×:30分間の140℃オーブン処理した後のポリエステル成形品の中には、収縮率が5%を超えるものがあった。
5)成形性:
実施例において連続的に成形したポリエステル成形品の中から無作為に20個を抽出し、これらの成形品の形状を目視により判定した。
○:真空成形不良による形状異常または離型性不足による形状異常がなく、良好であった。
△:真空成形不良による形状異常または離型性不足による形状異常があった。
×:離型性不良により離型ができなかった。
(ポリエステル樹脂(A)−1の製造)
ジメチルテレフタレート95モル部、ジメチルイソフタレート5モル部、テトラメチレングリコール137.6モル部、およびポリテトラメチレングリコール(Mn=1000)2.4モル部を、精留塔および攪拌装置を備えた反応容器に入れた。さらに、酸化安定剤として、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタンを0.1モル部添加した。反応容器を140℃まで加熱した後、テトラブトキシチタンをジカルボン酸成分(ジメチルテレフタレートとジメチルイソフタレートの合計)に対して600ppm(1.5質量%テトラメチレングリコール溶液として)入れた。これを、攪拌しながら220℃まで3時間かけて徐々に昇温し、生成するメタノールを留去しながらエステル交換反応を行った。その後、生成物を重縮合用反応容器に移し、約0.2Pa abs、245℃で3時間縮合重合を行い、所定の攪拌トルクに至ったところで撹拌をやめ、ポリエステル樹脂(A)−1を得た。得られたポリエステル樹脂は、ストランド状で水槽中に吐出し、ストランドカッターでチップ状に切断し、120℃で6時間真空乾燥してチップ状とした。
(ポリエステル樹脂(A)−2の製造)
ジメチルテレフタレートを90モル部、ジメチルイソフタレートを10モル部、テトラメチレングリコールを138.8モル部、ポリテトラメチレングリコールを1.2モル部、およびテトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタンを0.05モル部とした以外は、ポリエステル樹脂(A)−1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。
(ポリエステル樹脂(A)−3の製造)
ジメチルテレフタレートを70モル部、ジメチルイソフタレートを30モル部とした以外は、ポリエステル樹脂(A)−2と同様にしてポリエステル樹脂を得た。
(ポリエステル樹脂(A)−4の製造)
ジメチルテレフタレートを87モル部、ジメチルイソフタレートを13モル部、テトラメチレングリコールを130.9モル部、ポリテトラメチレングリコールを9.1モル部、およびテトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタンを0.3モル部とした以外は、ポリエステル樹脂(A)−1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。
(ポリエステル樹脂(A)−5の製造)
ジメチルテレフタレートを100モル部、テトラメチレングリコールを140モル部とし、ジメチルイソフタレート、ポリテトラメチレングリコール、およびテトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタンを添加せずとした以外は、ポリエステル樹脂(A)−2と同様にしてポリエステル樹脂を得た。
(ポリエステル樹脂(A)−6の製造)
ジメチルテレフタレートを95モル部、ジメチルイソフタレートを5モル部とした以外は、ポリエステル樹脂(A)−2と同様にしてポリエステル樹脂を得た。
(ポリエステル樹脂(A)−7の製造)
ジメチルテレフタレートを100モル部、テトラメチレングリコールを133.8モル部、ポリテトラメチレングリコールを1.2モル部、およびテトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシハイドロシンナメート)]メタンを0.05モル部とし、1,4−シクロヘキサンジメタノール5モル部を追加し、ジメチルイソフタレートを添加せずとした以外は、ポリエステル樹脂(A)−2と同様にしてポリエステル樹脂を得た。
(ポリエステル樹脂(B)−1の製造)
テレフタル酸84モル部、イソフタル酸16モル部、およびエチレングリコール150モル部を、精留塔および攪拌装置を備えた反応容器に入れた。これを、300kPaの窒素雰囲気下で撹拌しながら260℃まで3時間かけて徐々に昇温し、生成する水を留去しながらエステル化を行った。その後、生成物を重縮合用反応容器に移し、トリエチルフォスフェートをジカルボン酸成分(テレフタル酸とイソフタル酸の合計)に対して30ppm(10質量%エチレングリコール溶液として)添加した。5分後、重合触媒として三酸化アンチモンをジカルボン酸成分に対して350ppm(1.5質量%エチレングリコール溶液として)添加した。その後、重縮合反応容器に移し、約0.2kPa abs、285℃で3時間縮合重合を行い、所定の攪拌トルクに至ったところで、ポリエステル樹脂(B)−1を得た。得られたポリエステル樹脂は、ストランド状で水槽中に吐出し、ストランドカッターでチップ状に切断し、150℃で6時間真空乾燥してチップ状とした。
(ポリエステル樹脂(B)−2の製造)
イソフタル酸を加えず、テレフタル酸を100モル部、エチレングリコールを140モル部とし、1,4−シクロヘキサンジメタノール10モル部を追加した以外は、ポリエステル樹脂(B)−1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。
(ポリエステル樹脂(B)−3の製造)
イソフタル酸を加えず、テレフタル酸を100モル部、エチレングリコールを135モル部とし、ネオペンチルグリコール15モル部を追加した以外は、ポリエステル樹脂(B)−1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。
(ポリエステル樹脂(B)−4の製造)
イソフタル酸を加えず、テレフタル酸を100モル部とした以外は、ポリエステル樹脂(B)−1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。
(ポリエステル樹脂(B)−5の製造)
イソフタル酸を加えず、テレフタル酸を100モル部、エチレングリコールを134モル部とし、1,4−シクロヘキサンジメタノール16モル部を追加し、重合触媒として二酸化ゲルマニウムをジカルボン酸成分(テレフタル酸)に対して250ppm(0.45質量%エチレングリコール溶液として)加えた以外は、ポリエステル樹脂(B)−1と同様にしてポリエステル樹脂を得た。
ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)の組成等につき、以下の表1にまとめる。表中、ポリエステル樹脂(A)−3およびポリエステル樹脂(A)−5は、総変性量が3〜20モル%の範囲外であるので参考例である。ポリエステル樹脂(A)−4は、単位モノマー中の炭素数が2以上のポリエーテルグリコール成分(ポリテトラメチレングリコール)が0.5〜6モル%の範囲外であるので参考例である。なお、表中の各成分の含有量は、得られた各樹脂を熱分解ガスクロマトグラフィーおよび高速液体クロマトグラフィーにより分析して得られた値である。
Figure 2005329553
(ポリエステルシートの製造)
[実施例1]
ポリエステル樹脂(A)−1を60質量%と、ポリエステル樹脂(B)−1を40質量%とをドライブレンドした後、押出製膜機(日立造船(株)、80φ2軸押出機)で、樹脂温度が260℃、チルロール温度が15℃となるように製膜し、厚さ0.20mmのポリエステルシートを得た。得られたポリエステルシートを用いて、図1に示す装置を用いて、ICキャリアケース用の成形品を成形した。熱分析結果によるTc+ 、Tm値を参考に、表2に示したシート成形条件(シート温度、金型温度)になるようにヒーター条件を調整し、ポリエステルシートの真空圧空成形を実施した。成形金型としては、縦16mm、横16mm、深さ3mmの凹部が3cm間隔で表面に形成されたロール状金型を用いた。金型接触時間は5秒とした。これにより成形性を判断した後、得られたポリエステル成形品について前述の収縮率の評価を行った。
[実施例2]
ポリエステル樹脂(A)−1を70質量%と、ポリエステル樹脂(B)−2を30質量%とした以外、実施例1と同様にしてポリエステル成形品を得て、評価を行った。
[実施例3]
ポリエステル樹脂(A)−2を70質量%と、ポリエステル樹脂(B)−3を30質量%とした以外、実施例1と同様にしてポリエステル成形品を得て、評価を行った。
[実施例4]
ポリエステル樹脂(A)−6を60質量%と、ポリエステル樹脂(B)−1を40質量%とした以外、実施例1と同様にしてポリエステル成形品を得て、評価を行った。
[実施例5]
ポリエステル樹脂(A)−6を60質量%と、ポリエステル樹脂(B)−5を40質量%とした以外、実施例1と同様にしてポリエステル成形品を得て、評価を行った。
[実施例6]
イーストマンケミカル社製のPETG#6763と、実施例5におけるポリエステル樹脂組成物とを、膜厚比で1:4となるように積層押出して積層ポリエステルシートとした以外、実施例1と同様にしてポリエステル成形品を得て、評価を行った。なお、PETGからなる層は、金型と接触しない側になるようにして、成形を行った。
[実施例7]
ポリエステル樹脂(A)−7を60質量%と、ポリエステル樹脂(B)−5を40質量%とした以外、実施例1と同様にしてポリエステル成形品を得て、評価を行った。
[実施例8]
ポリエステル樹脂(A)−7を60質量%と、ポリエステル樹脂(B)−1を40質量%とした以外、実施例1と同様にしてポリエステル成形品を得て、評価を行った。
[実施例9]
実施例5で得られたポリエステルシートの内面に、ポリウレタン樹脂6質量%、カーボンブラック4質量%、トルエン/メチルエチルケトン混合比=1/1の混合溶液89.3質量%、イソシアネートを0.7質量%からなるカーボン塗料でグラビア印刷を施し、厚さ2μmの制電性層を形成させた以外、実施例1と同様にしてポリエステル成形品を得て、評価を行った。三菱化学製固有抵抗測定機にて制電性層の表面抵抗値を測定したところ103 Ω/□以下であり、ICキャリアケースに要求される性能を有していた。
[比較例1]
ポリエステル樹脂(A)−6を30質量%と、ポリエステル樹脂(B)−5を70質量%とした以外、実施例1と同様にしてポリエステル成形品を得て、評価を行ったところ、樹脂組成が不適切であるため、熱処理後の収縮が大きかった。
[比較例2]
ポリエステル樹脂(A)−5を50質量%と、ポリエステル樹脂(B)−4を50質量%とした以外、実施例1と同様にしてポリエステル成形品を得て、評価を行ったところ、ポリエステル樹脂(A)中の各成分の組成が不適切であるため、熱処理後の収縮が大きかった。
[比較例3]
ポリエステル樹脂(A)−1を30質量%と、ポリエステル樹脂(B)−1を70質量%とした以外、実施例1と同様にしてポリエステル成形品を得て、評価を行ったところ、樹脂組成が不適切であるため、熱処理後の収縮が大きかった。
[比較例4]
ポリエステル樹脂(A)−3を60質量%と、ポリエステル樹脂(B)−1を40質量%とした以外、実施例1と同様にしてポリエステル成形品を得て、評価を行ったところ、ポリエステル樹脂(A)中の各成分の組成が不適切であるため、成形時に離型不良となり、以後の評価を断念した。
[比較例5]
ポリエステル樹脂(A)−4を70質量%と、ポリエステル樹脂(B)−1を30質量%とした以外、実施例1と同様にしてポリエステル成形品を得て、評価を行ったところ、ポリエステル樹脂(A)中の各成分の組成が不適切であるため、熱処理後の収縮が大きかった。
[比較例6]
成形をロール状金型ではなく、図2に示す通常の開閉する形状の金型(1列20個取り,成形品形状は実施例1と同じ)を使用した成形機に変更した以外,実施例1と同様にして成形を行い,ポリエステル成形品を得た。金型接触時間を4秒に設定すると成形サイクルは8秒であった。この成形品の評価を行った。1回の成形における成形品(20個)の耐熱性を評価したところ、3〜6%の間の値でバラついていた。
Figure 2005329553
本発明のポリエステル成形品の製造方法は、従来では耐熱性、寸法安定性を付与するために必要とされてきた延伸工程をなくしても、高い耐熱性、寸法安定性を有するポリエステル成形品を、物性のバラつきが出ないように得ることができるので、ポリエステル成形品を簡便に、かつ低コストで得ることができる。
実施例において使用したICキャリアケースの製造装置の一例を示す概略図である。 比較例において使用したICキャリアケースの製造装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
11 ポリエステルシート
15 ロール状金型
17 ICキャリアケース

Claims (3)

  1. 下記条件(i)〜(iv)を満たすポリエステル樹脂(A)と、下記条件(v)〜(vi)を満たすポリエステル樹脂(B)とを含有し、ポリエステル樹脂(A)およびポリエステル樹脂(B)の合計(100質量%)中、ポリエステル樹脂(A)が40〜99.9質量%であり、ポリエステル樹脂(B)が0.1〜60質量%であるポリエステル樹脂組成物からなる単層のポリエステルシート、または該ポリエステル樹脂組成物からなる層を有する積層ポリエステルシートを、延伸することなく、ロール状金型を用いて連続的に、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、プレス成形の中から選ばれる1種以上の成形方法により所望の形状に成形する、ポリエステル成形品の製造方法。
    [ポリエステル樹脂(A)]
    (i)テレフタル酸成分を主成分とするジカルボン酸成分と、テトラメチレングリコール成分を主成分とするグリコール成分とからなり、
    (ii)下記式(I)で表される総変性量が、3〜20モル%であり、
    総変性量(モル%)=〔全ジカルボン酸成分(100モル%)中のテレフタル酸成分以外のジカルボン酸成分のモル%〕+〔全グリコール成分(100モル%)中のテトラメチレングリコール成分以外のグリコール成分のモル%〕 ・・・(I)
    (iii)全グリコール成分(100モル%)中に、0.5〜6モル%の繰り返し単位が炭素数2以上のポリエーテルグリコール成分を含み、
    (iv)フェノール/1,1,2,2−テトラクロルエタン(質量比1/1)の混合溶媒に溶解させ、25℃にて測定した固有粘度が、0.55〜1.40dl/gの範囲であるポリエステル樹脂(A)。
    [ポリエステル樹脂(B)]
    (v)テレフタル酸成分を主成分とするジカルボン酸成分と、エチレングリコール成分を主成分とするグリコール成分とからなり、
    (vi)フェノール/1,1,2,2−テトラクロルエタン(質量比1/1)の混合溶媒に溶解させ、25℃にて測定した固有粘度が、0.55〜1.40dl/gの範囲であるポリエステル樹脂(B)。
  2. 請求項1記載のポリエステル成形品の製造方法によって得られたポリエステル成形品であって、
    140℃で30分間の熱処理した後の収縮率が、5%以下であるポリエステル成形品。
  3. 制電性を有する層を有するICキャリアケースである、請求項2記載のポリエステル成形品。
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