JP2005328619A - 鉄道車両駆動制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 鉄道車両の永久磁石電動機を駆動する電力変換装置が故障し、かつ、この電力変換装置と永久磁石電動機との間の交流回路接触器が固渋した場合でも、当該鉄道車両を必要な場所まで回送することのできる鉄道車両駆動制御装置を提供する。
【解決手段】 直流電源(1)の直流を任意の電圧と任意の周波数の3相交流に変換して車両を駆動する永久磁石電動機(11)に供給する電力変換装置(12)と、電力変換装置と永久磁石電動機との間の3相交流回路に設けられ、相毎にそれぞれの接点が直列となるように接続された第1及び第2の3極開閉器(14、15)と、第1及び第2の3極開閉器の投入、開放の動作を制御する制御部(111)と、を備え、制御部は、第1の3極開閉器が固渋して開放動作できないことを検知する固渋検知手段(121)を有し、通常運転時は第2の3極開閉器(15)を投入状態に保持しておき、第1の3極開閉器(14)の開放動作時に、その固渋を検知した場合に第2の3極開閉器(15)を開放動作させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、鉄道車両駆動制御装置に関する。
図32は従来の第1の鉄道車両駆動制御装置の構成を示す回路図である(下記の特許文献1参照)。同図において、直流電源としての架線1に対して集電器2が接離可能に鉄道車両に装着されている。この集電器2に直流回路遮断器3の電源側が接続され、その負荷側には、直流回路開閉器4を介して、フィルタリアクトル16の一端が接続されている。このフィルタリアクトル16の他端と、接地点としてのレール8に接触する車輪7との間に、フィルタコンデンサ17が接続されている。このフィルタコンデンサ17の両端を直流電圧の入力端として、電力変換装置12が接続されると共に、直流電圧検出器18が接続されている。電力変換装置12は、それぞれダイオードが逆並列接続された6個のスイッチング素子13U〜13Zが3相ブリッジ接続されたものでなっている。この電力変換装置12は一般にインバータと呼ばれ、3相の交流電圧出力端子を有し、これらの交流電圧出力端子には、3極開閉器14を介して、鉄道車両を駆動する永久磁石電動機11が接続されている。この場合、電力変換装置12の出力電流を検出するための出力電流検出器19が設けられている。
上述した直流回路遮断器3、直流回路開閉器4及び3極開閉器14はそれぞれ駆動操作コイル53a、駆動操作コイル53b及び駆動操作コイル53dによって開閉が制御される。このうち、駆動操作コイル53aは、継電器54aの接点を介して、制御回路電源51と制御回路電源グラウンド52との間に接続されている。同様に、駆動操作コイル53bは、継電器54bの接点を介して、制御回路電源51と制御回路電源グラウンド52との間に接続され、さらに、駆動操作コイル53dは、継電器54dの接点を介して、制御回路電源51と制御回路電源グラウンド52との間に接続されている。以下、説明を簡単にするために、継電器54aの接点、継電器54bの接点及び継電器54dの接点をそれぞれ継電器54a、継電器54b及び継電器54dと略記することとする。そして、これらの継電器54a、継電器54b及び継電器54dのオン、オフを制御するための制御部101を備えている。
次に、上記従来の第1の鉄道車両駆動制御装置の動作について説明する。制御部101が継電器54a、継電器54b及び継電器54dをオン状態にする。これによって、駆動操作コイル53a、駆動操作コイル53b及び駆動操作コイル53dに励磁電流が供給され、直流回路遮断器3、直流回路開閉器4及び3極開閉器14がそれぞれ投入される。そこで、架線1から集電器2で集電された直流電力が、フィルタリアクトル16及びフィルタコンデンサ17の直列回路に供給されると共に、フィルタコンデンサ17の両端に発生した直流電圧が電力変換装置12に供給される。電力変換装置12は、制御部101によって6個のスイッチング素子13U〜13Zが所定の順序でオン、オフ動作させられ、これによって直流電圧が任意の電圧と任意の周波数(VVVF)の3相交流電圧に変換される。
図33は上記の特許文献記載の技術を応用した従来の第2の鉄道車両駆動制御装置の主回路の構成を示す回路図である。図32に示した従来の第1の鉄道車両駆動制御装置は、永久磁石電動機11を駆動するために、フィルタリアクトル16、フィルタコンデンサ17、直流電圧検出器18、電力変換装置12、3極開閉器14及び出力電流検出器19を備えていたが、図33に示した装置はもう一つの永久磁石電動機21を駆動するために、図32と全く同一に構成されたフィルタリアクトル26、フィルタコンデンサ27、直流電圧検出器28、電力変換装置22、3極開閉器24及び出力電流検出器29を備えている。ここで、理解を容易にするために、フィルタリアクトル16〜出力電流検出器19を第1群の構成要素とし、フィルタリアクトル26〜出力電流検出器29を第2群の構成要素として説明することとする。
同図において、直流電源としての架線1に対して集電器2が接離可能に鉄道車両に装着されている。この集電器2に直流回路遮断器3の電源側が接続され、その負荷側には、直流回路開閉器4と、直流回路開閉器5及び抵抗器6の並列回路とを介して、第1群永久磁石電動機11を駆動するための第1群の構成要素と、第2群永久磁石電動機21を駆動するための第2群の構成要素とが接続されている。
このうち、第1群の構成要素は、直流回路開閉器5及び抵抗器6の並列接続回路の負荷側に、第1群開放開閉器10を介して、第1群フィルタリアクトル16の一端が接続されている。この第1群フィルタリアクトル16の他端と、レール8に接触する車輪7との間に、第1群フィルタコンデンサ17が接続されている。この第1群フィルタコンデンサ17の両端を直流電圧の入力端として、第1群電力変換装置12が接続されると共に、第1群直流電圧検出器18が接続されている。第1群電力変換装置12は、それぞれダイオードが逆並列接続された6個のスイッチング素子13U〜13Zが3相ブリッジ接続されたものでなっている。この第1群電力変換装置12は3相の交流電圧出力端子を有し、これらの交流電圧出力端子には、第1群3極開閉器14を介して、第1群永久磁石電動機11が接続されている。この場合、第1群電力変換装置12の出力電流を検出するための第1群出力電流検出器19が設けられている。
同様に、第2群の構成要素は、直流回路開閉器5及び抵抗器6の並列接続回路の負荷側に、第2群開放開閉器20を介して、第2群フィルタリアクトル26の一端が接続されている。この第2群フィルタリアクトル26の他端と、レール8に接触する車輪7との間に、第2群フィルタコンデンサ27が接続されている。この第2群フィルタコンデンサ27の両端を直流電圧の入力端として、第2群電力変換装置22が接続されると共に、第2群直流電圧検出器28が接続されている。第2群電力変換装置22は、それぞれダイオードが逆並列接続された6個のスイッチング素子23U〜23Zが3相ブリッジ接続されたものでなっている。この第2群電力変換装置22は3相の交流電圧出力端子を有し、これらの交流電圧出力端子には、第2群3極開閉器24を介して、第2群永久磁石電動機21が接続されている。この場合、第2群電力変換装置22の出力電流を検出するための第2群出力電流検出器29が設けられている。
図34は、図33に示した従来の第2の鉄道車両駆動制御装置の開閉器や遮断器を投入、開放するための制御回路の構成を示した回路図である。同図において、制御回路電源51と制御回路電源グラウンド52との間に、直流回路遮断器3の駆動操作コイル53aと継電器54aの接点との直列接続回路、直流回路開閉器4の駆動操作コイル53bと継電器の接点54bとの直列接続回路、直流回路開閉器5の駆動操作コイル53cと継電器54cの接点との直列接続回路、第1群3極開閉器14の駆動操作コイル53dと継電器54dの接点との直列接続回路、第2群3極開閉器24の駆動操作コイル53fと継電器54fの接点との直列接続回路、第1群開放開閉器10の駆動操作コイル53hと継電器54hの接点との直列接続回路、第2群開放開閉器20の駆動操作コイル53iと継電器54iの接点との直列接続回路が並列に接続されている。そして、継電器54a〜54iのオン、オフを制御するための制御部102を備えている。
以下、説明を簡単にするために、継電器54aの接点、継電器54bの接点、継電器54cの接点、継電器54d、継電器54fの接点、継電器54hの接点、継電器54iの接点を、それぞれ継電器54a、継電器54b、継電器54c、継電器54d、継電器54f、継電器54h、継電器54iと略記することとする。また、第1群の構成要素と第2群の構成要素に直流電力を供給する共通の経路に設けられた直流回路開閉器4を第1の直流回路開閉器4と称し、直流回路開閉器5を第2の直流回路開閉器5と称することとする。
次に、上記従来の第2の鉄道車両駆動制御装置の動作について説明する。制御部102が直流回路遮断器3に対する投入指令信号を出力すると継電器54aがオン状態にされ、駆動操作コイル53aが励磁されて直流回路遮断器3が投入され、第1の直流回路開閉器4に対する投入指令信号を出力すると継電器54bがオン状態にされ、駆動操作コイル53bが励磁されて第1の直流回路開閉器4が投入され、第2の直流回路開閉器5に対する投入指令を出力すると継電器54cがオン状態にされ、駆動操作コイル53cが励磁されて第2の直流回路開閉器5が投入される。
また、制御部102が、第1群3極開閉器14に対する投入指令を出力すると継電器54dがオン状態にされ、駆動操作コイル53dが励磁されて第1群3極開閉器14が投入され、第2群3極開閉器24に対する投入指令を出力すると継電器54fがオン状態にされ、駆動操作コイル53fが励磁されて第2群3極開閉器24が投入される。
さらに、制御部102が、第1群開放開閉器10の投入指令を出力すると継電器54hがオン状態にされ、駆動操作コイル53hが励磁されて第1群開放開閉器10が投入され、第2群開放開閉器20の投入指令を出力すると継電器54iがオン状態にされ、駆動操作コイル53iが励磁されて第2群開放開閉器20が投入される。
第1群電力変換装置12及び第2群電力変換装置22を起動する場合、第1の直流回路開閉器4、第1群開放開閉器10及び第2群開放開閉器20は略同時に投入され、第2の直流回路開閉器5は遅れて投入される。第2の直流回路開閉器5が投入されるまでの間、抵抗器6を経由して第1群フィルタコンデンサ17と第2群フィルタコンデンサ27が充電される。第2の直流回路開閉器5は、第1群フィルタコンデンサ17と第2群フィルタコンデンサ27の充電が完了したのちに抵抗器6を短絡するために投入される。また、第1の直流回路開閉器4と第2の直流回路開閉器5は、長時間の停車などで電力変換装置12、22を停止する場合に開放される。
第1群フィルタコンデンサ17の充電によりその両端に直流電圧が発生すると、第1群電力変換装置12は、制御部102により6個のスイッチング素子13U〜13Zが所定の順序でオン、オフ動作させられて、直流電圧を任意の電圧と任意の周波数の3相交流電圧に変換されて出力される。この3相交流電圧が第1群永久磁石電動機11に供給される。このとき、第1群永久磁石電動機11の各端子には線間電圧Vuv、Vvw、Vwuが印加され、U、V、Wの各相巻線にはU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwの3相交流電力が供給される。
これと同様に、第2群フィルタコンデンサ27の充電によりその両端に直流電圧が発生すると、第2群電力変換装置22は、制御部102により6個のスイッチング素子23U〜23Zを所定の順序でオン、オフ動作させられて、直流電圧を任意の電圧と任意の周波数の3相交流電圧に変換して出力する。この3相交流電圧が第2群永久磁石電動機21に供給される。このとき、第1群永久磁石電動機11の各端子には線間電圧Vuv、Vvw、Vwuが印加され、U、V、Wの各相巻線にはU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwの3相交流電力が供給される。
ここで、直流回路遮断器3は、機能的には開閉器の一種であるが、鉄道車両駆動制御装置の制御回路電源が投入されたときに投入され、架線1と第1群電力変換装置12及び第2群電力変換装置22とを接続すると共に、制御部102が第1群電力変換装置12又は第2群電力変換装置22の故障を検出した場合に開放して、架線1から故障した電力変換装置に流れ込む電流を遮断する。
第1群開放開閉器10は、第1群電力変換装置12が故障していない場合は、鉄道車両駆動制御装置の制御回路電源が投入されたときに投入され、架線1と第1群電力変換装置12とを接続する。また、制御部102が第1群電力変換装置12の故障を検出した場合には開放して、第1群電力変換装置12を架線1から切り離す。第2群開放開閉器20は、第2群電力変換装置22が故障していない場合は、鉄道車両駆動制御装置の制御回路電源が投入されたときに投入され、架線1と第2群電力変換装置22とを接続する。また、制御部102が第2群電力変換装置22の故障を検出した場合には開放して、第2群電力変換装置を架線2から切り離す。
フィルタリアクトル16、26とフィルタコンデンサ17、27は、それぞれの制御群の電力変換装置12、22に入力される直流電圧を安定させるように作用する。第1群3極開閉器14は、第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11との間の3相交流回路に設けられており、第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11との間の3相交流回路を投入、開放するためのものである。同様に、第2群3極開閉器24は、第2群電力変換装置22と第2群永久磁石電動機21との間の3相交流回路に設けられており、第2群電力変換装置22と第2群永久磁石電動機21との間の3相交流回路を投入、開放するためのものである。
ところで、鉄道車両の場合、鉄道車両駆動制御装置が故障しても故障が発生した場所で停車したままでいることは他の列車の運転を妨げることになるので、最寄の駅まで、又は、修理を行う車庫まで故障した列車を回送できるようにしなければならないという、鉄道車両としての特殊な技術的要請がある。
本システムの鉄道車両駆動制御装置では、鉄道車両を駆動する電動機として永久磁石電動機を採用している。永久磁石電動機は、鉄道車両の駆動用電動機として従来利用されていた誘導電動機と比較して電動機の効率が向上するという長所を有している反面、永久磁石電動機が回転していると永久磁石の磁束によって永久磁石電動機の端子に誘起電圧が発生する。
鉄道車両駆動制御装置の電力変換装置を構成しているスイッチング素子が短絡モードで故障すると、永久磁石電動機の端子が短絡されて閉回路が構成されることになる。このため、永久磁石電動機が回転するとその誘起電圧によって永久磁石電動機から故障した電力変換装置に電流が流れ込み、電力変換装置の損傷をさらに拡大してしまう。またこのとき、永久磁石電動機と電力変換装置との間の閉回路に流れる電流のために永久磁石電動機にブレーキ力が発生する。よって、列車を回送することができなくなる。
このため、例えば、出力電流検出器によって電力変換装置の出力電流の異常を検出するか、又は、直流電圧検出器によってフィルタコンデンサに発生する直流電圧の異常を検出するなどによって、電力変換装置が故障したことを保護機能が検出した場合には、永久磁石電動機と電力変換装置との間の回路を開放するために、3極開閉器14、24が設けられている。
電力変換装置と永久磁石電動機との間の3相交流回路の3極開閉器14、24は、鉄道車両を駆動する電動機として従来の誘導電動機に代えて永久磁石電動機を適用する場合には、従来の誘導電動機用の鉄道車両駆動制御装置に対して追加が必須になる部品である。
つまり、鉄道車両の駆動電動機に永久磁石電動機を適用したシステムにおいては、電力変換装置が故障した場合には、故障した電力変換装置を電源である架線から切り離すために架線と電力変換装置との間の回路(直流側回路)を開放し、かつ、故障した電力変換装置と永久磁石電動機の間の回路(3相交流側回路)を開放する必要がある。
特開2000−308388号公報、図5
しかしながら、従来の第1及び第2の鉄道車両駆動制御装置では、故障した電力変換装置と永久磁石電動機との間の回路を開放するために設けた3極開閉器が3相交流回路に対して1個であった。このため、電力変換装置が故障し、かつ、3極開閉器が固渋して開放動作ができない場合には、回転する永久磁石電動機の誘起電圧によって、永久磁石電動機から故障した電力変換装置に電流が流れ込んで電力変換装置の損傷をさらに拡大し、加えて、永久磁石電動機と電力変換装置との間の閉回路に流れる電流のために永久磁石電動機にブレーキ力が発生して、列車の運転を継続したり回送運転することができなくなるという問題があった。
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、第1の目的は、鉄道車両の永久磁石電動機を駆動する電力変換装置が故障し、かつ、この電力変換装置と永久磁石電動機との間の交流回路接触器が固渋した場合でも、電力変換装置と永久磁石電動機との間の交流回路を切り離すことを可能にし、これによって、回送時に永久磁石電動機の誘起電圧により停止している電力変換装置が損傷を受けないように保護しながら当該鉄道車両を必要な場所まで回送することのできる鉄道車両駆動制御装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、鉄道車両の複数台の永久磁石電動機をそれぞれ駆動する電力変換装置の1台が故障した状態では、該当する電力変換装置だけを電源及び永久磁石電動機から切り離すことによって、回送時に永久磁石電動機の誘起電圧により停止している電力変換装置が損傷を受けないように保護しながら、健全な残りの永久磁石電動機を駆動して当該鉄道車両の運転を継続したり、必要な場所まで回送運転することのできる鉄道車両駆動制御装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数の3相交流に変換して車両を駆動する永久磁石電動機に供給する電力変換装置と、電力変換装置と永久磁石電動機との間の3相交流回路に設けられ、相毎にそれぞれの接点が直列となるように接続された第1及び第2の3極開閉器と、第1及び第2の3極開閉器の投入、開放の動作を制御する制御部と、を備え、制御部は、第1の3極開閉器が固渋して開放動作できないことを検知する固渋検知手段を有し、通常運転時は第2の3極開閉器を投入状態に保持しておき、第1の3極開閉器の開放動作時に、その固渋を検知した場合に第2の3極開閉器を開放動作させる、鉄道車両駆動制御装置である。
請求項2に係る発明は、直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数の3相交流に変換して車両を駆動する1台の永久磁石電動機に供給する1台の電力変換装置に、電力変換装置と永久磁石電動機との間の各3相交流回路に設けられ、相毎にそれぞれ接点が直列となるように接続された第1及び第2の3極開閉器を組み合わせて1単位の制御群とする複数の制御群と、複数の制御群の第1及び第2の3極開閉器の投入、開放の動作を制御する制御部と、を備え、制御部は、複数の制御群の第1の3極開閉器が固渋して開放動作できないことを検知する固渋検知手段を有し、通常運転時は複数の制御群の第2の3極開閉器を投入状態に保持しておき、複数の制御群のいずれか1つの制御群の第1の3極開閉器の固渋を検知した場合に複数の制御群の全ての第2の3極開閉器を開放動作させる、鉄道車両駆動制御装置である。
請求項3に係る発明は、直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数の3相交流に変換して車両を駆動する永久磁石電動機に供給する電力変換装置と、直流電源と電力変換装置との間に設けられた直流回路遮断器と、電力変換装置と永久磁石電動機との間の3相交流回路に設けられ、相毎にそれぞれの接点が直列となるように接続された第1及び第2の3極開閉器と、直流回路遮断器、第1及び第2の3極開閉器の投入、開放の動作を制御する制御部と、を備え、制御部は、第1の3極開閉器が固渋して開放動作できないことを検知する固渋検知手段を有し、通常運転時は第2の3極開閉器を投入状態に保持しておき、第1の3極開閉器の固渋を検知した場合に直流回路遮断器を開放動作させると共に、直流回路遮断器の連動接点によって第2の3極開閉器の駆動操作コイルの励磁回路をオフ状態にして第2の3極開閉器を開放動作させる、鉄道車両駆動制御装置である。
請求項4に係る発明は、直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数の3相交流に変換して、車両を駆動する永久磁石電動機に供給する電力変換装置と、電力変換装置と永久磁石電動機との間の3相交流回路に設けられた3極開閉器と、電力変換装置と永久磁石電動機との間の3相交流回路に設けられ、3極開閉器と相毎に接点が直列となるように接続された手動の3相交流回路開閉器と、を備え、3極開閉器が固渋した場合に、手動の3相交流回路開閉器を操作して電力変換装置と永久磁石電動機との間の3相交流回路の開放を可能にした、鉄道車両駆動制御装置である。
請求項5に係る発明は、直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数の3相交流に変換する1台の電力変換装置、この電力変換装置で変換された交流電力が供給され、車両を駆動する1台の永久磁石電動機とを組み合わせて1単位の制御群とする複数の制御群と、直流電源と複数の制御群の電力変換装置との共通の直流電源経路に設けられた直流回路遮断器と、直流回路遮断器と各制御群の電力変換装置との間にそれぞれ設けられた直流回路開閉器と、複数の制御群の電力変換装置と永久磁石電動機との間の3相交流回路にそれぞれ設けられた3極開閉器と、3極開閉器と相毎に接点が直列となるように接続された手動の3相交流回路開閉器と、備え、複数の制御群のいずれか1つの電力変換装置の故障時に、この電力変換装置の直流回路開閉器及び3極開閉器を開放し、この3極開閉器が固渋した場合にこれと直列に接続された手動の3相交流回路開閉器の開放操作を可能とし、電力変換装置が健全な制御群によって車両の運転の継続を可能にした、鉄道車両駆動制御装置である。
請求項6に係る発明は、直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数の3相交流に変換する1台の電力変換装置、この電力変換装置で変換された交流電力が供給され、車両を駆動する1台の永久磁石電動機とを組み合わせて1単位の制御群とする複数の制御群と、直流電源と複数の制御群の電力変換装置との共通の直流電源経路に設けられた直流回路遮断器と、直流回路遮断器と各制御群の電力変換装置との間にそれぞれ設けられた直流回路開閉器と、各制御群の電力変換装置と永久磁石電動機との間の3相交流回路にそれぞれ設けられ、相毎に接点が直列となるように接続された第1及び第2の3極開閉器と、直流回路遮断器、直流回路開閉器、第1及び第2の3極開閉器の投入、開閉動作を制御する制御部と、備え、制御部は、複数の制御群それぞれの第1及び第2の3極開閉器のいずれか一方が固渋して開放動作できないことを検知する固渋検知手段を有し、複数の制御群のいずれか1つの電力変換装置の故障時に、この電力変換装置の直流回路開閉器及びいずれか一方の3極開閉器を開放し、この3極開閉器の固渋を検知した場合にこの3極開閉器と直列のいずれか他方の3開閉器を開放して、他の健全な制御群によって車両の運転の継続を可能にした、鉄道車両駆動制御装置である。
請求項7に係る発明は、nを3以上の整数として、直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数のn相交流に変換して車両を駆動する1台の永久磁石電動機に供給する1台の電力変換装置、n個の接触子を有し、これらの接触子がそれぞれn相の交流回路の全ての相に接続された第1のn極開閉器、n個の接触子を有し、このうちのn−1個の接触子がn相交流回路のうちのいずれかn−1相に、第1のn極開閉器の接触子と直列に接続され、残りの1個の接触子が直流電源と電力変換装置との間の直流回路に接続された第2のn極開閉器を1単位の制御群とする複数の制御群と、複数の制御群の第1のn極開閉器と第2のn極開閉器の投入、開放の動作を制御する制御部と、を備え、制御部は複数の制御群それぞれの第1のn極開閉器が固渋したことを検知する固渋検出手段を有し、通常運転時は複数の制御群の第1及び第2のn極開閉器を投入状態に保持しておき、複数の制御群のいずれかの電力変換装置が故障した場合にこの電力変換装置と同一の群の第1のn極開閉器を開放すると共に、第1のn極開閉器が固渋した場合に、同一制御群の第2のn極開閉器を開放し、他の健全な制御群で車両の運転の継続を可能にした、鉄道車両駆動制御装置である。
請求項8に係る発明は、nを3以上の整数として、直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数のn相交流に変換して車両を駆動する1台の永久磁石電動機に供給する1台の電力変換装置、n個の接触子を有し、これらの接触子がそれぞれn相の交流回路の全ての相に接続された第1のn極開閉器、n個の接触子を有し、このうちのn−1個の接触子がn相交流回路のうちのいずれかn−1相に、第1のn極開閉器の接触子と直列に接続され、残りの1個の接触子が直流電源と電力変換装置との間の直流回路に接続された第2のn極開閉器を1単位の制御群とする複数の制御群と、複数の制御群の電力変換装置の共通の電源である直流電源と各制御群の電力変換装置との間の直流回路を投入、開放するための直流回路開閉器と、複数の制御群の第1のn極開閉器と第2のn極開閉器の投入、開放の動作を制御する制御部と、備え、制御部は複数の制御群それぞれの第1のn極開閉器が固渋したことを検知する固渋検出手段を有し、通常運転時は直流回路開閉器、複数の制御群の第1及び第2のn極開閉器を投入状態に保持しておき、複数の制御群のいずれかの電力変換装置が故障した場合に、直流回路開閉器を開放すると共に、故障した電力変換装置と同一の制御群の第1のn極開閉器を開放し、第1のn極開閉器が固渋した場合に、同一の制御群の第2のn極開閉器を開放する、鉄道車両駆動制御装置である。
請求項11に係る発明は、直流を任意の電圧と任意の周波数の交流に交換して車両を駆動する電動機に供給する電力変換装置と、前記電力変換装置と前記電力変換装置との間に直列接続された複数の開閉器と、前記複数の開閉器の投入、開放の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部は、前記複数の開閉器のうちいずれか一つの開閉器が固渋して開放動作できないことを検知する固渋検知手段を有し、前記固渋検知手段により固渋が検知された場合には、固渋していない前記開閉器を開放動作させることを特徴とする鉄道車両駆動制御装置である。
本発明は、上記のように構成したことにより、鉄道車両の永久磁石電動機を駆動する電力変換装置が故障し、かつ、この電力変換装置と永久磁石電動機との間の交流回路接触器が固渋した場合でも、電力変換装置と永久磁石電動機との間の交流回路を切り離すことが可能になり、これによって、回送時に永久磁石電動機の誘起電圧により停止している電力変換装置が損傷を受けないように保護しながら当該鉄道車両を必要な場所まで回送することのできる鉄道車両駆動制御装置が提供される。
以下、本発明を図面に示す好適な実施の形態に基づいて詳細に説明する。
第1の実施の形態
図1は本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第1の実施の形態の構成を示す回路図であり、図中、従来装置を示す図32と同一の符号を付したものはそれぞれ同一の要素を示している。この鉄道車両駆動制御装置は、鉄道車両を駆動する電動機として回転子に永久磁石を用いた永久磁石電動機を適用したシステムである。
同図において、直流電源としての架線1に対して集電器2が接離可能に鉄道車両に装着されている。この集電器2に直流回路遮断器3の電源側が接続され、その負荷側には、直流回路開閉器4を介して、フィルタリアクトル16の一端が接続されている。このフィルタリアクトル16の他端と、接地点としてのレール8に接触する車輪7との間に、フィルタコンデンサ17が接続されている。このフィルタコンデンサ17の両端を直流電圧の入力端として、電力変換装置12が接続されると共に、直流電圧検出器18が接続されている。電力変換装置12は、それぞれダイオードが逆並列接続された6個のスイッチング素子13U〜13Zが3相ブリッジ接続されたものでなっている。この電力変換装置12は一般にインバータと呼ばれ、3相の交流電圧出力端子を有し、これらの交流電圧出力端子には、3極開閉器14と、従来装置に対して新たに追加した3極開閉器15とを介して、鉄道車両を駆動する永久磁石電動機11が接続されている。以下の説明では、3極開閉器14を第1の3極開閉器と称し、3極開閉器15を第2の3極開閉器15と称することとする。この場合、第1の3極開閉器14は連動補助接点31を備え、第2の3極開閉器15は連動補助接点32を備えており、これらの連動補助接点31、32の各一端が制御回路電源51に接続され、各他端が制御部111に接続されている。また、電力変換装置12の出力電流を検出するための出力電流検出器19が設けられている。
上述した直流回路遮断器3、直流回路開閉器4、第1の3極開閉器14及び第2の3極開閉器15はそれぞれ駆動操作コイル53a、駆動操作コイル53b、駆動操作コイル53d及び駆動操作コイル53eによって開閉が制御される。このうち、駆動操作コイル53aは、継電器54aの接点を介して、制御回路電源51と制御回路電源グラウンド52との間に接続され、駆動操作コイル53bは、継電器54bの接点を介して、制御回路電源51と制御回路電源グラウンド52との間に接続されている。同様に、駆動操作コイル53dは、継電器54dの接点を介して、制御回路電源51と制御回路電源グラウンド52との間に接続され、駆動操作コイル53eは、継電器54eの接点を介して、制御回路電源51と制御回路電源グラウンド52との間に接続されている。以下、説明を簡単にするために、継電器54aの接点、継電器54bの接点、継電器54d及び継電器54eの接点をそれぞれ継電器54a、継電器54b、継電器54d及び継電器54eと略記することとする。そして、これらの継電器54a、継電器54b、継電器54d及び継電器54eのオン、オフを制御するための制御部111を備えている。
図2は制御部111に内蔵された固渋検知手段121の構成を示す回路図であり、この固渋検知手段121は、第1の3極開閉器14の投入指令信号を入力するNOT回路と、このNOT回路の出力を第1の入力、第1の3極開閉器14の連動補助接点信号を第2の入力とするAND回路とを備え、このAND回路から第1の3極開閉器14の固渋検知信号を出力する構成になっている。
上記のように構成された鉄道車両駆動制御装置の第1の実施の形態の動作について、以下に説明する。制御部111が継電器54a、継電器54b、継電器54d及び継電器54eをオン状態にする。これによって、駆動操作コイル53a、駆動操作コイル53b、駆動操作コイル53d及び駆動操作コイル53eに励磁電流が供給され、直流回路遮断器3、直流回路開閉器4、第1の3極開閉器14及び第2の3極開閉器15がそれぞれ投入される。これによって、架線1から集電器2で集電された直流電力が、フィルタリアクトル16及びフィルタコンデンサ17の直列回路に供給され、集電器2とレール8との間に直流電圧が印加されると共に、フィルタコンデンサ17の両端に発生した直流電圧が電力変換装置12に供給される。電力変換装置12は、6個のスイッチング素子13U〜13Zを所定の順序でオン、オフ動作させることによって、直流電圧を任意の電圧と任意の周波数の3相交流電圧に変換して出力する。この3相交流電圧が永久磁石電動機11に供給される。このとき、永久磁石電動機11の各端子には線間電圧Vuv、Vvw、Vwuが印加され、U、V、Wの各相巻線にはU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwの3相交流電力が供給される。
ここで、直流回路遮断器3は、電力変換装置12を起動する場合に投入され、架線1と電力変換装置12とを接続すると共に、電力変換装置12の故障を検出した場合に開放されて、架線1から故障した電力変換装置12に流れ込む電流を遮断する。フィルタリアクトル16とフィルタコンデンサ17は、電力変換装置12に入力される直流電圧を安定させる機能を有している。直流回路開閉器4は、電力変換装置12を起動する場合に投入され、また長時間の停車などで電力変換装置12を停止する場合に開放されるように、電源である架線1と電力変換装置12との間の回路の投入、開放を行う。第1の3極開閉器14は、電力変換装置12が故障した場合に永久磁石電動機11と電力変換装置12との間の3相交流回路を開放するためのものである。制御部111は、直流回路遮断器3の投入と開放を行う直流回路遮断器投入指令信号と、直流回路開閉器4の投入と開放を行う直流回路開閉器投入指令信号と、第1の3極開閉器14の投入と開放、並びに、第2の3極開閉器15の投入と開放を行う3相交流回路開閉器投入指令信号とを出力する。
なお、図1ではその動作を理解しやすくするために、制御部111から出力される信号として、本発明に関係する信号のみ(継電器54a、54b、54d、54eを投入する信号のみ)を示している。
電力変換装置12が健全な場合には、制御装置の制御電源が投入された時点で第2の3極開閉器15が投入され、電力変換装置12を起動するとき直流回路遮断器3と直流回路開閉器4と第1の3極開閉器14が投入され、架線1と電力変換装置12及び永久磁石電動機11を接続し、制御装置の主回路を構成する。ここで、直流回路遮断器3は、電力変換装置12が故障した場合に架線1から流れ込む電流を遮断するためのものであるから、制御装置の制御回路電源が投入された時点で投入する動作としても良い。
長時間停車する場合などで電力変換装置12を長時間停止する場合には、直流回路開閉器4を開放して、架線1と電力変換装置12とを切り離す。
また、制御部111が出力電流検出器19によって電力変換装置12の出力電流の過電流を検出した場合や、直流電圧検出器18によって電力変換装置12の直流回路の過電圧を検出した場合には、直流回路開閉器4と第1の3極開閉器14とを開放して、電力変換装置12を停止する。
電力変換装置12の故障を検出した場合には、直流回路遮断器3と直流回路開閉器4を開放して電力変換装置12の電源である架線1と電力変換装置12との間の回路を開放すると共に、第1の3極開閉器14を開放して電力変換装置12と永久磁石電動機11との間の回路を開放する。
上述した電力変換装置12の故障とは、電力変換装置12を構成しているスイッチング素子13U〜13Zが破損するか、又はスイッチング素子13U〜13Zをオン、オフ動作させるための回路が破損して、電力変換装置12が起動できない状態(動作できない状態)の意味である。電力変換装置の故障検出については、例えば、電力変換装置12の直流電圧に対する直流電圧検出器18の検出信号と交流出力電流に対する出力電流検出器19の検出信号を制御部111で監視し、異常値を示した場合に故障と判断する。
第1の3極開閉器14を開放するとき、第1の3極開閉器14が固渋して開放動作できない場合は、制御部111は図2に示すように、それに内蔵された固渋検知手段121によって第1の3極開閉器14の固渋を検知して、第2の3極開閉器15を開放する。固渋検知手段121は、第1の3極開閉器14の投入指令信号と第1の3極開閉器14の連動補助接点31から制御部111に入力される第1の3極開閉器14の連動補助接点信号を比較して、第1の3極開閉器14の投入指令信号が無いにもかかわらず連動補助接点信号が有る場合に固渋と判断して第1の3極開閉器14の固渋検知信号を出力する。制御部111は固渋検知手段121から第1の3極開閉器14の固渋検知信号が出力されると、第2の3極開閉器15を開放する。これにより、電力変換装置12に回転している永久磁石電動機11から電流が流れ込み続けることを防止することができる。
かくして、本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第1の実施の形態によれば、電力変換装置12が故障した場合に、この電力変換装置12の直流側の回路を開放して架線1から電力変換装置12へ流れ込む電流を阻止し、かつ、電力変換装置12と永久磁石電動機11との間の3相交流回路を開放して永久磁石電動機11の誘起電圧によって永久磁石電動機11から電力変換装置12に流れ込む電流を防止し、回送時に永久磁石電動機11の誘起電圧により停止している電力変換装置12が損傷を受けないように保護しながら当該鉄道車両を必要な場所まで回送することができる。
なお、上記の説明では、第1の3極開閉器14、第2の3極開閉器15の動作機構がノーマルオープン(操作駆動コイルが無加圧のとき、開閉器が開放状態になる機構)の場合で説明しているが、第1の3極開閉器14及び第2の3極開閉器15の動作機構がノーマルクローズ(操作駆動コイルが無加圧のとき、開閉器が投入状態になる機構)の場合は、制御部111から出力される3極開閉器の投入指令信号が反転し、信号が無いとき第1の3極開閉器14及び第2の3極開閉器15が投入状態となり、信号が有るとき第1の3極開閉器14及び第2の3極開閉器15が開放状態となる。
なおまた、上記の実施の形態では、第1の3極開閉器14が固渋した場合に第2の3極開閉器15を開放しているが、この関係が逆であってもよく、要は第1の3極開閉器14及び第2の3極開閉器15のいずれか一方が固渋した場合にいずれか他方を開放するように構成すれば良い。
第2の実施の形態
図3は本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第2の実施の形態の構成を示す回路図である。上述した第1の実施の形態は、永久磁石電動機11を駆動するために、フィルタコンデンサ17、直流電圧検出器18、電力変換装置12、3極開閉器14、第2の3極開閉器15及び出力電流検出器19を備えていたが、図3に示した第2の実施の形態はもう一つの永久磁石電動機21を駆動するために、図1と全く同一に構成されたフィルタコンデンサ27、直流電圧検出器28、電力変換装置22、第1の3極開閉器24、第2の3極開閉器25及び出力電流検出器29を備えている。ここで、理解を容易にするために、永久磁石電動機11を第1群永久磁石電動機11、永久磁石電動機21を第2群永久磁石電動機21と称し、フィルタコンデンサ17〜出力電流検出器19を第1群の構成要素とし、フィルタコンデンサ27〜出力電流検出器29を第2群の構成要素として説明することとする。
同図において、直流電源としての架線1に対して集電器2が接離可能に鉄道車両に装着されている。この集電器2に直流回路遮断器3の電源側が接続され、その負荷側には、直流回路開閉器4を介して、フィルタリアクトル16の一端が接続され、このフィルタリアクトル16の他端に、第1群永久磁石電動機11を駆動するための第1群の構成要素と、第2群永久磁石電動機21を駆動するための第2群の構成要素とが接続されている。
このうち、第1群の構成要素は、フィルタリアクトル16の他端に一端が接続され、接地点としてのレール8に接触する車輪7に他端が接続された第1群フィルタコンデンサ17と、この第1群フィルタコンデンサ17の両端を直流電圧の入力端として、第1群電力変換装置12が接続されると共に、第1群直流電圧検出器18が接続されている。第1群電力変換装置12は、それぞれダイオードが逆並列接続された6個のスイッチング素子13U〜13Zが3相ブリッジ接続されたものでなっている。この第1群電力変換装置12は3相の交流電圧出力端子を有し、これらの交流電圧出力端子には、第1群第1の3極開閉器14及び第1群第2の3極開閉器15を介して、第1群永久磁石電動機11が接続されている。この場合、第1群電力変換装置12の出力電流を検出するための第1群出力電流検出器19が設けられている。
同様に、第2群の構成要素は、フィルタリアクトル16の他端に一端が接続され、接地点としてのレール8に接触する車輪7に他端が接続された第2群フィルタコンデンサ27と、この第2群フィルタコンデンサ27の両端を直流電圧の入力端として、第2群電力変換装置22が接続されると共に、第2群直流電圧検出器28が接続されている。第2群電力変換装置22は、それぞれダイオードが逆並列接続された6個のスイッチング素子23U〜23Zが3相ブリッジ接続されたものでなっている。この第2群電力変換装置22は3相の交流電圧出力端子を有し、これらの交流電圧出力端子には、第2群第1の3極開閉器24及び第2群第2の3極開閉器25を介して、第2群永久磁石電動機21が接続されている。この場合、第2群電力変換装置22の出力電流を検出するための第2群出力電流検出器29が設けられている。
そして、この鉄道車両駆動制御装置の開閉器や遮断器を投入、開放するための指令を出力する制御部112と、その指令によって動作する駆動操作コイル53a、53b、53d、53e、53f、53gと、継電器54a、54b、54d、54e、54f、54gと、第1群第1の3極開閉器14、第1群第2の3極開閉器15、第2群第1の3極開閉器24、第2群第2の3極開閉器25の各動作状態を制御部112に伝達するための各開閉器に連動する連動補助接点31、32、33、34とを備えている。
この場合、制御回路電源51と制御回路電源グラウンド52との間に、直流回路遮断器3の駆動操作コイル53aと継電器54aの直列接続回路、直流回路開閉器4の駆動操作コイル53bと継電器54bとの直列接続回路、第1群第1の3極開閉器14の駆動操作コイル53dと継電器54dとの直列接続回路、第2群3極開閉器24の駆動操作コイル53fと継電器54fとの直列接続回路、第1群第2の3極開閉器15の駆動操作コイル53e及び第2群第2の3極開閉器25の駆動操作コイル53gの並列接続回路と継電器54eとの直列接続回路が並列に接続されている。
図4は制御部112が内蔵する固渋検知手段122の構成を示す回路図であり、この固渋検知手段122は、第1群第1の3極開閉器14の投入指令信号を入力するNOT回路と、このNOT回路の出力を第1の入力、第1群第1の3極開閉器14の連動補助接点信号を第2の入力とするAND回路と、第2群第1の3極開閉器24の投入指令信号を入力するNOT回路と、このNOT回路の出力を第1の入力、第2群第1の3極開閉器24の連動補助接点信号を第2の入力とするAND回路と、これら2つのAND回路の出力の論理和をとって第1の3極開閉器14及び24の少なくとも一方の固渋検知信号を出力するOR回路とで構成されている。
次に、上記のように構成された鉄道車両駆動制御装置の第2の実施の形態の動作について、以下に説明する。制御部112が直流回路遮断器3に対する投入指令信号を出力すると継電器54aがオン状態にされ、駆動操作コイル53aが励磁されて直流回路遮断器3が投入され、直流回路開閉器4に対する投入指令信号を出力すると継電器54bがオン状態にされ、駆動操作コイル53bが励磁されて直流回路開閉器4が投入される。
また、制御部112が、第1群第1の3極開閉器14に対する投入指令を出力すると継電器54dがオン状態にされ、駆動操作コイル53dが励磁されて第1群第1の3極開閉器14が投入され、第2群第1の3極開閉器24に対する投入指令を出力すると継電器54fがオン状態にされ、駆動操作コイル53fが励磁されて第2群第1の3極開閉器24が投入される。さらに、第1群第2の3極開閉器15及び第2群第2の3極開閉器25に対する投入指令を出力すると、継電器54eがオン状態にされ、第1群第2の3極開閉器15及び第2群第2の3極開閉器25が投入される。
第1群電力変換装置12及び第2群電力変換装置22を起動する場合、直流回路開閉器4が投入され、第1群フィルタコンデンサ17と第2群フィルタコンデンサ27が充電される。直流回路開閉器4は、長時間の停車などで第1群電力変換装置12及び第2群電力変換装置22を停止する場合に開放される。
第1群フィルタコンデンサ17の充電によりその両端に直流電圧が発生すると、第1群電力変換装置12は、6個のスイッチング素子13U〜13Zを所定の順序でオン、オフ動作させることによって、直流電圧を任意の電圧と任意の周波数の3相交流電圧に変換して出力する。この3相交流電圧が第1群永久磁石電動機11に供給される。このとき、第1群永久磁石電動機11の各端子には線間電圧Vuv、Vvw、Vwuが印加され、U、V、Wの各相巻線にはU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwの3相交流電力が供給される。
これと同様に、第2群フィルタコンデンサ27の充電によりその両端に直流電圧が発生すると、第2群電力変換装置22は、6個のスイッチング素子23U〜23Zを所定の順序でオン、オフ動作させることによって、直流電圧を任意の電圧と任意の周波数の3相交流電圧に変換して出力する。この3相交流電圧が第2群永久磁石電動機21に供給される。このとき、第1群永久磁石電動機11の各端子には線間電圧Vuv、Vvw、Vwuが印加され、U、V、Wの各相巻線にはU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwの3相交流電力が供給される。
ここで、直流回路遮断器3は、機能的には開閉器の一種であるが、鉄道車両駆動制御装置の制御回路電源が投入されたときに投入され、架線1と第1群電力変換装置12及び第2群電力変換装置22とを接続すると共に、制御部112が第1群電力変換装置12又は第2群電力変換装置22の故障を検出した場合に開放して、架線1から故障した電力変換装置に流れ込む電流を遮断する。
フィルタリアクトル16と、第1群フィルタコンデンサ17及び第2群フィルタコンデンサ27は、それぞれの制御群の電力変換装置12、22に入力される直流電圧を安定させるように作用する。第1群第1の3極開閉器14は、第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11との間の3相交流回路に設けられており、第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11との間の3相交流回路を投入、開放する。同様に、第2群3極開閉器24は、第2群電力変換装置22と第2群永久磁石電動機21との間の3相交流回路に設けられており、第2群電力変換装置22と第2群永久磁石電動機21との間の3相交流回路を投入、開放する。
ここで、制御部112が第1群第1の3極開閉器14を開放するとき、この第1群第1の3極開閉器14が固渋して開放動作できない場合は、制御部112は図4に示すように制御部112に内蔵された固渋検知手段122によって第1群第1の3極開閉器14の固渋を検知する。この場合、固渋検知手段122は、第1群第1の3極開閉器14の投入指令信号と第1群第1の3極開閉器14の連動補助接点31から入力される第1群第1の3極開閉器14の連動補助接点信号とを比較して、第1群第1の3極開閉器14の投入指令信号が無いにもかかわらず連動補助接点信号が有る場合に固渋と判断して第1群第1の3極開閉器14の固渋検知信号を出力する。制御部112は固渋検知手段122から3極開閉器の固渋検知信号が出力されると、第1群第2の3極開閉器15及び第2群第2の3極開閉器25を開放して第1群および第2群の第2の3極開閉器15、25を開放する。
また、制御部112が第2群第1の3極開閉器24を開放するとき、この第2群第1の3極開閉器24が固渋して開放動作できない場合は、制御部112は図4に示すように制御部112に内蔵された固渋検知手段122によって第2群第1の3極開閉器24の固渋を検知する。この場合、固渋検知手段122は、第2群第1の3極開閉器24の投入指令信号と第2群第1の3極開閉器24の連動補助接点33から入力される第2群第1の3極開閉器24の連動補助接点信号とを比較して、第2群第1の3極開閉器24の投入指令信号が無いにもかかわらず連動補助接点信号が有る場合に固渋と判断して第2群第1の3極開閉器24の固渋検知信号を出力する。制御部112は固渋検知手段122から3極開閉器の固渋検知信号が出力されると、第2群第2の3極開閉器25及び第1群第2の3極開閉器15を開放して第2群および第1群の第2の3極開閉器25、15を開放する。
かくして、本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な効果が得られる。
なお、図3に示した第2の実施の形態では、1台の制御装置が駆動制御を行なう永久磁石電動機の数を2台の構成として示しているが、永久磁石電動機の数を2台から3台や4台に増やした場合は、図3の構成にさらに制御群として第3群、第4群を追加した構成となる。これは制御群の数が増加するのみで、本発明の実施の形態における各部の動作は同様である。
また、上記の説明では、3極開閉器14、15、24、25の動作機構がノーマルオープンの場合で説明しているが、3極開閉器14、15、24、25の動作機構がノーマルクローズの場合は、制御部112から出力される3極開閉器14、15、24、25の投入指令信号が反転し、信号が無いとき3極開閉器14、15、24、25が投入状態となり、信号が有るとき3極開閉器14、15、24、25が開放状態となる。その他の部分の動作は第1の実施の形態で説明したと同様であるのでその説明を省略する。
なおまた、上記の実施の形態では、第1の3極開閉器14、24が固渋した場合に第2の3極開閉器15、25を開放しているが、この関係が逆であってもよく、要は第1の3極開閉器14、24及び第2の3極開閉器15、25のいずれか一方が固渋した場合にいずれか他方を開放するように構成すれば良い。
さらにまた、上記の実施の形態では、フィルタコンデンサ17、27を第1群と第2群おのおのが有している構成としているが、第1群と第2群の共通の構成要素として回路を構成し、フィルタコンデンサ17の1個としても良い。
同様に、上記の実施の形態では、直流電圧検出器18、28を第1群と第2群おのおのが有している構成としているが、第1群と第2群の共通の構成要素として回路を構成し、直流電圧検出器18の1個としても良い。
第3の実施の形態
次に、本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第3の実施の形態について説明する。図5は第3の実施の形態の構成を示す回路図であり、図中、第1の実施の形態を示す図1と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施の形態は、第1の実施の形態を構成する継電器54eの代わりに、直流回路遮断器3の連動補助接点3eが駆動操作コイル53eと直列に接続された点、制御部113が第2の3極開閉器15を投入、開放するための指令を出力しないようにした点が第1の実施の形態と構成を異にし、これ以外は全て第1の実施の形態と同一に構成されている。
上記のように構成された第3の実施の形態の動作について、特に、第1の実施の形態と構成を異にする部分を中心にして以下に説明する。電力変換装置12が健全な場合には、この電力変換装置12を起動するとき直流回路遮断器3が投入され、直流回路遮断器3の連動補助接点3eによって第2の3極開閉器15の駆動操作コイル53eに制御回路電圧が供給されて第2の3極開閉器15が投入される。また、電力変換装置12を起動するとき直流回路開閉器4と第1の3極開閉器14が投入され、架線1と電力変換装置12が接続され、さらに、電力変換装置12と永久磁石電動機11とが接続される。
電力変換装置12の故障を検出した場合には、直流回路開閉器4が開放されて、架線1と電力変換装置12との間の回路が開放されると共に、第1の3極開閉器14が開放されて、電力変換装置12と永久磁石電動機11の間の回路を開放する。
制御部113が第1の3極開閉器14を開放するとき、第1の3極開閉器14が固渋して開放動作できない場合は、制御部113は図2に示すように固渋検知手段121によって第1の3極開閉器14の固渋を検知して、直流回路遮断器3を開放する。このとき、直流回路遮断器3の連動補助接点3eによって駆動操作コイル53eが非励磁状態になって第2の3極開閉器15を開放する。
かくして、本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な効果が得られる。また、第1の実施の形態で用いた継電器54eの代わりに直流回路遮断器3の連動補助接点3eを用いるので、構成が簡易化されるという効果も得られる。
第4の実施の形態
次に、本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第4の実施の形態について説明する。図6は第4の実施の形態の構成を示す回路図であり、図中、第1の実施の形態を示す図1と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施の形態は、第1の実施の形態を構成する第2の3極開閉器15の代わりに、手動3相交流回路開閉器61を用いたものであり、これによって、図1に示した連動補助接点32、駆動操作コイル53e及び継電器54eが除去され、制御部114が直流回路遮断器3、直流回路開閉器4及び3極開閉器14の投入、開放の指令のみを出力するようにした点、図7に示すように制御部114を構成する固渋検知手段124が固渋検知信号を出力したとき、表示灯などで列車(鉄道車両)の乗務員に通知するするようにした点が第1の実施の形態と構成を異にし、これ以外は第1の実施の形態と全て同一に構成されている。
上記のように構成され第4の実施の形態の動作について、特に、第1の実施の形態と構成を異にする部分を中心にして以下に説明する。電力変換装置12が健全な場合は手動3相交流回路開閉器61は投入状態にあり、電力変換装置12を起動するとき制御部114によって直流回路遮断器3と直流回路開閉器4と3極開閉器14が投入され、架線1と電力変換装置12、電力変換装置12と永久磁石電動機11とを接続する。なお、直流回路遮断器3は、第1の実施の形態と同様に、制御装置の制御回路電源が投入された時点で投入する動作としても良い。
電力変換装置12の故障を検出した場合には、制御部114は直流回路遮断器3及び直流回路開閉器4を開放して電力変換装置12の電源である架線1と電力変換装置12との間の回路を開放すると共に、3極開閉器14を開放して電力変換装置12と永久磁石電動機11との間の回路を開放する。
制御部114が3極開閉器14を開放するとき、3極開閉器14が固渋して開放動作できない場合は、図7に示すように制御部114を構成する固渋検知手段124によって3極開閉器14の固渋を検知して、列車(鉄道車両)の乗務員に対して例えば表示灯などで通知する。乗務員は、手動3相交流回路開閉器61を操作して開放し、電力変換装置12と永久磁石電動機11との間の3相交流回路を切り離す。
かくして、本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様な効果が得られる。
なお、図6では手動3相交流回路開閉器61は3極開閉器14と永久磁石電動機11との間に設けているが、この手動3相交流回路開閉器61は3極開閉器14が固渋した場合に電力変換装置12と永久磁石電動機11との間の3相交流回路を切り離す目的で設けるものであるから、出力電流検出器19と3極開閉器14との間に設けても、また電力変換装置12と出力電流検出器19との間に設けても良い。
第5の実施の形態
次に、本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第5の実施の形態について説明する。図8は第5の実施の形態の構成を示す回路図であり、図中、第2の実施の形態を示す図3と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施の形態は、第2の実施の形態を構成する第1群第2の3極開閉器15の代わりに、第1群手動3相交流回路開閉器61を用い、第2群第2の3極開閉器25の代わりに第2群手動3相交流回路開閉器62を用いた点、第2の実施の形態では第1群と第2群に共用した直流回路開閉器4を第1群に含ませ、これと同様な機能の直流回路開閉器9を第2群に設けた点、また、第2の実施の形態では第1群と第2群に共用したフィルタリアクトル16を第1群に含ませ、これと同様な機能のフィルタリアクトル26を第2群に設けた点、さらに、第1群手動3相交流回路開閉器61及び第2群手動3相交流回路開閉器62を設けたことに対応して、継電器54e、駆動操作コイル53e及び駆動操作コイル53gを除去した点、並びに、直流回路開閉器9を付加したことに対応して、制御部115がその投入、開放を制御するために、継電器54hと直流回路開閉器9の駆動操作コイル53hとの直列接続回路を制御回路電源51及び制御回路電源グラウンド52間に接続した点が図2に示した第2の実施の形態と構成を異にし、これ以外は全て図2に示した第2の実施の形態と同一に構成されている。
図9は制御部115が内蔵する固渋検知手段125の詳細を示す回路図であり、この固渋検知手段125は、第1群3極開閉器14の投入指令信号を入力するNOT回路と、このNOT回路の出力を第1の入力、第1群3極開閉器14の連動補助接点信号を第2の入力ととしてその論理積条件が成立したとき第1群3極開閉器14の固渋検知信号を出力するAND回路と、第2群3極開閉器24の投入指令信号を入力するNOT回路と、このNOT回路の出力を第1の入力、第2群3極開閉器24の連動補助接点信号を第2の入力としてその論理積条件が成立したとき第2群3極開閉器24の固渋検知信号を出力するAND回路とで構成されている。各AND回路から固渋検知信号が出力されたとき、固渋発生を列車(鉄道車両)の乗務員に対して例えば表示灯などで通知する。
次に、直流回路開閉器4を第1群直流回路開閉器4とし、直流回路開閉器9を第2群直流回路開閉器9として、第5の実施の形態の動作について、特に、第2の実施の形態と構成を異にする部分を中心にして以下に説明する。
第1群電力変換装置12及び第2群電力変換装置22が健全な場合は第1群手動3相交流回路開閉器61及び第2群手動3相交流回路開閉器62は投入状態にあり、制御部115は、第1群電力変換装置12及び第2群電力変換装置22を起動するとき、直流回路遮断器3、第1群直流回路開閉器4及び第1群3極開閉器14、第2群直流回路開閉器9及び第2群3極開閉器24を投入するような指令を、継電器54a、54b、54h、54d、54fに加えてこれらをオン状態にし、これによって、駆動操作コイル53a、53b、53h、53d、53fを励磁する。ここで、直流回路遮断器3は、本発明の第1の実施の形態と同様に、制御装置の制御回路電源が投入された時点で投入する動作としても良い。
制御部115が第1群電力変換装置12の故障を検出した場合には、直流回路遮断器3と第1群直流回路開閉器4を開放して第1群電力変換装置12の電源である架線1と第1群電力変換装置12との間の回路を開放するとともに、第1群3極開閉器14を開放して第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11との間の回路を開放する。このとき直流回路遮断器3が開放されるため、健全な第2群電力変換装置22も一旦停止する。
制御部115が第2群電力変換装置22の故障を検出した場合には、直流回路遮断器3と第2群直流回路開閉器9を開放して第2群電力変換装置22の電源である架線1と第2群電力変換装置22との間の回路を開放するとともに、第2群第1の3極開閉器24を開放して第2群電力変換装置22と第2群永久磁石電動機21との間の回路を開放する。このとき直流回路遮断器3が開放されるため、健全な第1群電力変換装置12も一旦停止する。
制御部115が第1群3極開閉器14を開放するとき、この第1群3極開閉器14が固渋して開放動作できない場合は、制御部115は図9に示すように固渋検知手段125によって第1群3極開閉器14の固渋を検知して、列車(鉄道車両)の乗務員に対して例えば表示灯などで通知する。乗務員は、第1群手動3相交流回路開閉器61を操作して開放し、故障した第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11との間の3相交流回路を切り離す。故障した第1群電力変換装置12を切り離した後、健全な残りの第2群電力変換装置22を再起動させる場合には、直流回路遮断器3と第2群直流回路開閉器9と第2群3極開閉器24を投入して起動する。
同様に、制御部115が第2群3極開閉器24を開放するとき、この第2群3極開閉器24が固渋して開放動作できない場合は、制御部115は図9に示すように固渋検知手段125によって第2群3極開閉器24の固渋を検知して、列車(鉄道車両)の乗務員に対して例えば表示灯などで通知する。乗務員は、第2群手動3相交流回路開閉器62を操作して開放し、故障した第2群電力変換装置22と第2群永久磁石電動機21との間の3相交流回路を切り離す。故障した第2群電力変換装置22を切り離した後、健全な残りの第1群電力変換装置12を再起動させる場合には、直流回路遮断器3と第1群直流回路開閉器4と第1群3極開閉器14を投入して起動する。
図8では手動3相交流回路開閉器61、62はそれぞれ3極開閉器14、24と永久磁石電動機11、21との間に設けているが、手動3相交流回路開閉器61、62は各制御群の3極開閉器14、24が固渋した場合に電力変換装置12、22と永久磁石電動機11、21との間のそれぞれの3相交流回路を切り離す目的で設けるものであるから、それぞれの制御群の出力電流検出器19、29と3極開閉器14、24との間に設けても、またそれぞれの制御群の電力変換装置12、22と出力電流検出器19、29との間に設けても良い。
この構成により、第1群電力変換装置12が故障した場合には、第1群電力変換装置12と架線1および第1群永久磁石電動機11との間の回路を切り離して、残りの健全な第2群電力変換装置22と第2群永久磁石電動機21によって、列車(鉄道車両)の運転を継続することができる。逆に、第2群電力変換装置22が故障した場合には、第2群電力変換装置22と架線1および第2群永久磁石電動機21との間の回路を切り離して、残りの健全な第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11によって、列車(鉄道車両)の運転を継続することができる。
図8に示した本発明の第5の実施の形態では、1台の制御装置115が駆動制御を行なう永久磁石電動機の数を2台の構成として示しているが、永久磁石電動機の数を2台から3台や4台に増やした場合は、図8の構成にさらに制御群として第3群、第4群を追加した構成となる。これは制御群の数が増加するのみで、本発明の実施の形態における各部の動作は同様である。
また、上記の説明では、3極開閉器14、24の動作機構がノーマルオープン(操作駆動コイルが無加圧のとき、開閉器が開放状態になる機構)の場合で説明している。3極開閉器14、24の動作機構がノーマルクローズ(操作駆動コイルが無加圧のとき、開閉器が投入状態になる機構)の場合は、制御部115から出力される3極開閉器投入指令信号が反転し、信号が無いとき3極開閉器14、24が投入状態となり、信号が有るとき3極開閉器14、24が開放状態となる。その他の部分の本発明の実施の形態の動作は上記の説明と同様である。
さらに、図8では制御部115は複数の制御群に対して制御部が1つである構成を示したが、制御部を、第1群に関係する入出力信号を有する第1群制御部と、第2群に関係する入出力信号を有する第2群制御部と、共通構成要素である直流回路遮断器3の投入、開放機能を持つ共通制御部とに分割して設けた構成としても良い。
第6の実施の形態
次に、本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第6の実施の形態について説明する。図10は第6の実施の形態の構成を示す回路図であり、図中、第2の実施の形態を示す図3と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施の形態は、第1群電力変換装置12が故障した場合にはこれを切り離して、残りの健全な第2群電力変換装置22と第2群永久磁石電動機21によって、列車の運転を継続し、逆に、第2群電力変換装置22が故障した場合にはこれを切り離して、残りの健全な第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11によって、列車の運転を継続しようとするものである。
そこで、図3に示した第2の実施の形態では第1群と第2群に共用した直流回路開閉器4、フィルタリアクトル16を第1群のみの構成要素とし、第2群の構成要素として新たに第2群直流回路開閉器9、フィルタリアクトル26を設けた点、図3に示した第2の実施の形態では継電器54eに対して、第1群第2の3極開閉器15の駆動操作コイル53e及び第2群第2の3極開閉器25の駆動操作コイル53gの並列接続回路を接続したが、本実施の形態では第2群第2の3極開閉器25の駆動操作コイル53gを独立に駆動するべく、これに継電器54gを直列にして制御回路電源51と制御回路電源グラウンド52との間に接続した点、制御部116が継電器54eと継電器54gとに独立に投入、開放の指令を加えるようにした点が図2に示した第2の実施の形態と構成を異にし、これ以外は全て図2に示した第2の実施の形態と同一に構成されている。
次に、第6の実施の形態について、特に、図3に示す第2の実施の形態と構成を異に部分を中心にして以下に説明する。
第1群電力変換装置12及び第2群電力変換装置22が健全な場合にこれらの電力変換装置を駆動するとき、直流回路遮断器3、第1群直流回路開閉器4及び第2群直流回路開閉器9、第1群第1の3極開閉器14及び第1群第2の3極開閉器15、第2群第1の3極開閉器24及び第2群第2の3極開閉器25が投入される。ここで、直流回路遮断器3は、電力変換装置12、22が故障した場合に架線1から流れ込む電流を遮断するためのものであるから、制御装置の制御回路電源が投入された時点で投入する動作としても良い。
長時間停車する場合などで電力変換装置12、22を長時間停止する場合には、第1群直流回路開閉器4及び第2群直流回路開閉器9を開放して、架線1と電力変換装置12、22を切り離す。
第1群出力電流検出器19によって制御部116が第1群電力変換装置1の出力電流の過電流を検出した場合や、第1群直流電圧検出器18によって制御部116が第1群電力変換装置12の直流回路の過電圧を検出した場合には、第1群直流回路開閉器4と、第1群第1の3極開閉器14を開放して、第1群電力変換装置12を停止させる。
また、第2群出力電流検出器29によって制御部116が第2群電力変換装置22の出力電流の過電流を検出した場合や、第2群直流電圧検出器28によって制御部116が第2群電力変換装置22の直流回路の過電圧を検出した場合には、第2群直流回路開閉器9と、第2群第1の3極開閉器24を開放して、第2群電力変換装置24を停止させる。
制御部116が第1群電力変換装置12の故障を検出した場合には、直流回路遮断器3及び第1群直流回路開閉器4を開放して架線1と第1群電力変換装置12との間の回路を開放すると共に、第1群第1の3極開閉器14を開放して第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11との間の回路を開放する。このとき直流回路遮断器3が開放されるため、健全な第2群電力変換装置22も一旦停止する。
制御部116が第2群電力変換装置22の故障を検出した場合には、直流回路遮断器3及び第2群直流回路開閉器9を開放して架線1と第2群電力変換装置22との間の回路を開放すると共に、第2群第1の3極開閉器24を開放して第2群電力変換装置22と第2群永久磁石電動機21との間の回路を開放する。このとき直流回路遮断器3が開放されるため、健全な第1群電力変換装置12も一旦停止する。
第1群3極開閉器14、15はそれぞれの駆動操作コイルの制御回路が独立した構成になっているので、第1群第1の3極開閉器14が固渋した場合に第1群第2の3極開閉器15を開放するが、この代わりに、第1群第1の3極開閉器14と第1群第2の3極開閉器15の関係を逆にして、第1群第2の3極開閉器15を先に開放し、この第1群第2の3極開閉器15が固渋した場合に第1群第1の3極開閉器14を開放することもできる。
同様に、第2群3極開閉器24、25はそれぞれの駆動操作コイルの制御回路が独立した構成になっているので、第2群第1の3極開閉器24が固渋した場合に第2群第2の3極開閉器25を開放するが、この代わりに、第2群第1の3極開閉器24と第2群第2の3極開閉器25の関係を逆にして、第2群第2の3極開閉器25を先に開放し、この第2群第2の3極開閉器25が固渋した場合に第2群第1の3極開閉器24を開放することもできる。
図11は第1群第1の3極開閉器14が固渋した場合に第1群第2の3極開閉器15を開放し、第1群第2の3極開閉器15を先に開放し、この第1群第2の3極開閉器15が固渋した場合に第1群第1の3極開閉器14を開放するための第1群3相交流回路開閉器の固渋検知信号発生部と、第2群第1の3極開閉器24が固渋した場合に第2群第2の3極開閉器25開放し、第2群第2の3極開閉器25を先に開放し、この第2群第2の3極開閉器25が固渋した場合に第2群第1の3極開閉器24を開放するための第2群3相交流回路開閉器の固渋検知信号発生部とを示した固渋検知手段126の詳細な構成を示した回路図である。
次に、故障した第1群電力変換装置12を切り離した後、健全な残りの第2群電力変換装置22を再起動させる場合には、直流回路遮断器3、第2群直流回路開閉器9、第2群第1の3極開閉器24及び第2群第2の3極開閉器25を投入して起動する。これとは反対に、故障した第2群電力変換装置22を切り離した後、健全な残りの第1群電力変換装置12を再起動させる場合には、直流回路遮断器3、第1群直流回路開閉器4、第1群第1の3極開閉器14及び第1群第2の3極開閉器15を投入して起動する。
この構成により、第1群電力変換装置12が故障した場合には、第1群電力変換装置12と架線1及び第1群永久磁石電動機11との間の回路を切り離して、残りの健全な第2群電力変換装置22と第2群永久磁石電動機21によって、列車の運転を継続することができる。また、第2群電力変換装置22が故障した場合には、第2群電力変換装置22と架線1及び第2群永久磁石電動機21との間の回路を切り離して、残りの健全な第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11によって、列車の運転を継続することができる。
なお、図10に示した本発明の第6の実施の形態では、1台の制御装置が駆動制御を行なう永久磁石電動機の数を2台の構成として示しているが、永久磁石電動機の数を2台から3台や4台に増やした場合は、図10の構成にさらに制御群として第3群、第4群を追加した構成となる。これは制御群の数が増加したのみで、本発明の実施の形態における各部の動作は同様である。
さらに、上記の説明では、3極開閉器14、15、24、25の動作機構がノーマルオープン(操作駆動コイルが無加圧のとき、開閉器が開放状態になる機構)の場合で説明している。3極開閉器14、15、24、25の動作機構がノーマルクローズ(操作駆動コイルが無加圧のとき、開閉器が投入状態になる機構)の場合は、制御部116から出力される3極開閉器の投入指令信号が反転し、信号が無いとき3極開閉器14、15、24、25が投入状態となり、信号が有るとき3極開閉器14、15、24、25が開放状態となる。その他の部分の動作は上記の説明と同様である。
さらに、図10では制御部116は複数の制御群に対して制御部が1つであるとして説明しているが、制御部を、第1群に関係する入出力信号を有する第1群制御部と、第2群に関係する入出力信号を有する第2群制御部と、共通構成要素である直流回路遮断器6の投入、開放機能を有する共通制御部とに分割して設けた構成としても良い。
第7の実施の形態
次に、本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第7の実施の形態について説明する。第6の実施の形態として図11に示した固渋検知手段126は、第1群第1の3極開閉器14、第1群第2の3極開閉器15、第2群第1の3極開閉器24、第2群第2の3極開閉器25毎に、投入指令信号と連動補助接点信号とを比較して第1群3相交流回路開閉器の固渋検知信号と、第2群3相交流回路開閉器の固渋検知信号とを出力したが、第1群電力変換装置12の故障を検出したとき、第1群第1の3極開閉器14及び第1群第2の3極開閉器15の両方を開放し、同じく、第2群電力変換装置22の故障を検出したとき、第2群第1の3極開閉器24及び第2群第2の3極開閉器25の両方を開放する構成であれば、図12に示したように、連動補助接点31及び32の並列接続回路の一端を制御回路電源51に接続し、連動補助接点33及び34の並列接続回路を制御回路電源51に接続し、固渋検知手段127は第1群電力変換装置12の故障時に制御回路電源51の電圧が印加された状態で第1群3極開閉器の固渋を検知し、第2群電力変換装置22の故障時に制御回路電源51の電圧が印加された状態で第2群3極開閉器の固渋を検知することもできる。これによって、図11を用いて説明したと同様な制御が可能となる。
図13は図12に示した固渋検出手段127を含む制御部117の変形例を示す回路図である。同図において、制御部117に内蔵される固渋検知手段127は、第1群3極開閉器の連動補助接点信号をAND回路の第1の入力、第1群第1の3極開閉器14及び第1群第2の3極開閉器15の各投入指令信号をそれぞれNOT回路を介してAND回路の第2及び第3の入力として、このAND回路から第1群3極開閉器の固渋検知信号とし、さらに、第2群3極開閉器の連動補助接点信号をもう一つのAND回路の第1の入力、第2群第1の3極開閉器24及び第2群第2の3極開閉器25の各投入指令信号をそれぞれNOT回路を介してこのAND回路の第2及び第3の入力として、このAND回路から第2群3極開閉器の固渋検知信号としても図11を用いて説明したと同様な制御ができる。
第8の実施の形態
次に、本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第8の実施の形態について、構成が同一で動作が異なる図10を参照して説明することとする。第8の実施の形態は、直流回路遮断器3と第1群直流回路開閉器4と第2群直流回路開閉器9の動作が異なっており、第1群直流回路開閉器4と第2群直流回路開閉器9はそれぞれの制御群の電力変換装置12、22が故障した場合に架線1とそれぞれの電力変換装置12、22との間の回路を開放する目的でのみ使用される。
第1群電力変換装置12及び第2群電力変換装置22が健全な場合は、制御装置の制御回路電源が投入された時点で第1群直流回路開閉器4と第2群直流回路開閉器9が投入され、電力変換装置12、22を起動するとき直流回路遮断器3と第1群3極開閉器14、15と、第2群3極開閉器24、25が投入され、制御装置の回路を構成する。
長時間停車する場合などで電力変換装置12、22を長時間停止する場合には、直流回路遮断器3を開放して、架線1と電力変換装置12、22を切り離す。
第1群出力電流検出器第1群出力電流検出器19によって制御部116が第1群電力変換装置12の出力電流の過電流を検出した場合や、第1群直流電圧検出器18によって制御部116が第1群電力変換装置12の直流回路の過電圧を検出した場合には、直流回路遮断器3と第1群3極開閉器14、15を開放して、第1群電力変換装置1を停止する。このとき直流回路遮断器3が開放されるため、第2群電力変換装置22も一旦停止する。
また、第2群出力電流検出器28によって制御部116が第2群電力変換装置22の出力電流の過電流を検出した場合や、第2群直流電圧検出器29によって制御部116が第2群電力変換装置22の直流回路の過電圧を検出した場合には、直流回路遮断器3と第2群3極開閉器24、25を開放して、第2群電力変換装置22を停止する。このとき直流回路遮断器3が開放されるため、第1群電力変換装置12も一旦停止する。
制御部116が第1群電力変換装置12の故障を検出した場合には、直流回路遮断器3と第1群直流回路開閉器4を開放して架線1と第1群電力変換装置12との間の回路を開放すると共に、第1群3極開閉器14、15を開放して第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11の間の回路を開放する。このとき直流回路遮断器3が開放されるため、第2群電力変換装置22も一旦停止する。
また制御部116が第2群電力変換装置22の故障を検出した場合には、直流回路遮断器3と第2群直流回路開閉器9を開放して架線1と第2群電力変換装置22との間の回路を開放するとともに、第2群3極開閉器24、25を開放して第2群電力変換装置22と第2群永久磁石電動機21の間の回路を開放する。このとき直流回路遮断器3が開放されるため、第1群電力変換装置12も一旦停止する。
第1群3極開閉器14、15はそれぞれの駆動操作コイルの制御回路が独立した構成になっているので、一方が固渋しても直列に構成されている他方の3極開閉器で第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11との間の3相交流回路を開放できる。制御部116が第1群3極開閉器14、15を開放するとき、第1群3極開閉器14、15のいずれかが固渋して開放動作できない場合は、制御部117は図12と図13に示すように制御部117に内蔵された固渋検知手段127によって第1群3極開閉器14、15のいずれかの固渋を検知する。制御部117は固渋検知手段127から第1群3極開閉器の固渋検知信号が出力されると、3極開閉器が固渋した第1群の直流回路開閉器4を開放状態に保持して第1群の回路を架線1からも切り離す。
同様に、第2群3極開閉器24、25はそれぞれの駆動操作コイルの制御回路が独立した構成になっているので、一方が固渋しても直列に構成されている他方の3極開閉器で第2群電力変換装置22と第2群永久磁石電動機21との間の3相交流回路を開放できる。制御部116が第2群3極開閉器14を開放するとき、第2群3極開閉器24、25のいずれかが固渋して開放動作できない場合は、制御部5は図11又は図12と図13に示すように制御部116又は117に内蔵された固渋検知手段126又は127によって第2群3極開閉器24、25のいずれかの固渋を検知する。制御部117は固渋検知手段127から第2群3極開閉器の固渋検知信号が出力されると、3極開閉器が固渋した第2群の直流回路開閉器9を開放状態に保持して第2群の回路を架線1からも切り離す。
その他の構成要素の動作は第7の実施の形態の鉄道車両駆動制御装置と同様である。これによって、図11を用いて説明したと同様な効果が得られる。
上述した第8の実施の形態の鉄道車両駆動制御装置の説明では、第1群直流回路開閉器4と第2群直流回路開閉器9の動作機構がノーマルオープンの場合で説明している。第1群直流回路開閉器4と第2群直流回路開閉器9の動作機構がノーマルクローズの場合は、制御部116又は117から出力されるそれぞれの直流回路開閉器投入指令信号が反転し、信号が無いとき各直流回路開閉器4、9が投入状態となり、信号が有るとき各直流回路開閉器4、9が開放状態となる。その他の部分の本発明の実施の形態の動作は上記の説明と同様である。
さらに、図10では制御部116は複数の制御群に対して制御部が1つである図として記載しているが、制御部を、第1群に関係する入出力信号を有する第1群制御部と、第2群に関係する入出力信号を有する第2群制御部と、共通構成要素である直流回路遮断器3の投入、開放機能を有する共通制御部とに分割して設けた構成としても良い。
なお、上記の図1から図13に記載した第1から第8の実施の形態それぞれにおいて、直流回路遮断器3と直列に第1群直流回路開閉器4や第2群直流回路開閉器9を設けたが、これは鉄道車両駆動制御装置の電源である架線1が直流架線の場合であり、架線1が交流架線であれば直流回路遮断器3と第1群直流回路開閉器4や第2群直流回路開閉器9との間に交流を直流に変換して電力変換装置12に供給するための、トランスとコンバータを設置することになる。そしてこのようなトランスとコンバータを設置した鉄道車両駆動制御装置では、回路遮断器3の動作によって架線1からトランスとコンバータを含む電力変換装置と永久磁石電動機を切り離し、また、直流回路開閉器4や第2群直流回路開閉器9によってコンバータから電力変換装置12や第2群電力変換装置22を切り離すことになる。
第9の実施の形態
図14は本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第9の実施の形態の主回路の構成を示す回路図であり、図中、従来装置を示す図33と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略するが、上記の各実施の形態と同様に、鉄道車両を駆動する電動機として永久磁石電動機を用いたものであり、永久磁石を利用しているが故に、その回転により誘起電圧を発生する方式の電動機である。また、上記の各実施の形態はそれぞれ直流回路開閉器4の負荷側に、直流回路開閉器5及び抵抗器6の並列接続回路を持たないものを対象としたが、以下に説明する各実施の形態は図33で示したように直流回路開閉器5及び抵抗器6の並列接続回路を備えたものを対象としている。
図14に示した第9の実施の形態は、図33に示した従来の電気車駆動制御装置のうち、主回路の構成において、第1群開放開閉器10及び第2群開放開閉器20を除去した点、第1群3極開閉器14の前段における3相交流回路のうちの2相、例えば、U、W相に、3つの接触子を備えている3極開閉器15の2つの接触子を接続し、残りの1つの接触子をフィルタリアクトル16の負荷側の直流電流経路に接続し、さらに、第2群3極開閉器24の前段における3相交流回路のうちの2相、例えば、U相、W相に、3つの接触子を備えている3極開閉器25の2つの接触子を接続し、残りの1つの接触子をフィルタリアクトル26の負荷側の直流電流経路に接続した点が従来の電気車駆動制御装置と構成を異にし、これ以外は従来の電気車駆動制御装置と全く同一に構成されている。
なお、理解を容易にするために以下の説明では、第1群3極開閉器14を第1群第1の3極開閉器14、3極開閉器15を第1群第2の3極開閉器15と称し、また、第2群3極開閉器24を第2群第1の3極開閉器24、3極開閉器25を第2群第2の3極開閉器25と称することとする。
図15は図14に示した主回路の開閉器や遮断器を投入、開放するための制御回路の構成を示す回路図であり、図中、従来の制御回路を示す図34と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。図15に示した制御回路は、従来装置の第1群開放開閉器10を制御するための駆動操作コイル53h及び継電器54hの直列接続回路と、第2群開放開閉器20を制御するための駆動操作コイル53i及び継電器54iの直列接続回路を除去し、その代わりに、本実施の形態の第1群第2の3極開閉器15を制御するため駆動操作コイル53e及び継電器54eの直列接続回路と、第2群第2の3極開閉器25を制御するための駆動操作コイル53g及び継電器54gの直列接続回路とが接続された点、継電器54a、54b、54c、54d、54f、54e、54gに指令を与える制御部131を備え、制御回路電源51にそれぞれ一端が接続された第1群第1の3極開閉器14の連動補助接点31及び第2群第1の3極開閉器24の連動補助接点の各他端が制御部131に接続された点が従来の制御回路と構成を異にしている。
図16は制御部131が内蔵する固渋検知手段125の詳細を示す回路図であり、この固渋検知手段125は、第1群第1の3極開閉器14の投入指令信号を入力するNOT回路と、このNOT回路の出力を第1の入力、第1群第1の3極開閉器14の連動補助接点信号を第2の入力としてその論理積条件が成立したとき第1群第1の3極開閉器14の固渋検知信号を出力するAND回路と、第2群第1の3極開閉器24の投入指令信号を入力するNOT回路と、このNOT回路の出力を第1の入力、第2群第1の3極開閉器24の連動補助接点信号を第2の入力としてその論理積条件が成立したとき第2群第1の3極開閉器24の固渋検知信号を出力するAND回路とで構成されている。
上記のように構成された第9の実施の形態の動作について以下に説明する。制御部131が直流回路遮断器3に対する投入指令信号を出力すると継電器54aがオン状態にされ、駆動操作コイル53aが励磁されて直流回路遮断器3が投入され、第1の直流回路開閉器4に対する投入指令信号を出力すると継電器54bがオン状態にされ、駆動操作コイル53bが励磁されて第1の直流回路開閉器4が投入され、第2の直流回路開閉器5に対する投入指令を出力すると継電器54cがオン状態にされ、駆動操作コイル53cが励磁されて第2の直流回路開閉器5が投入される。
また、制御部131が、第1群第1の3極開閉器14に対する投入指令を出力すると継電器54dがオン状態にされ、駆動操作コイル53dが励磁されて第1群第1の3極開閉器14が投入され、第2群第1の3極開閉器24に対する投入指令を出力すると継電器54fがオン状態にされ、駆動操作コイル53fが励磁されて第2群第1の3極開閉器24が投入される。
さらに、制御部131が、第1群第2の3極開閉器15に対する投入指令を出力すると継電器54eがオン状態にされ、駆動操作コイル53eが励磁されて第1群第2の3極開閉器15が投入され、第2群第2の3極開閉器25に対する投入指令を出力すると継電器54gがオン状態にされ、駆動操作コイル53gが励磁されて第2群第2の3極開閉器25が投入される。
第1群電力変換装置12及び第2群電力変換装置22を起動する場合、第1の直流回路開閉器4、第1群第1の3極開閉器14、第1群第2の3極開閉器15、第2群第1の3極開閉器24、第2群第2の3極開閉器25は略同時に投入され、第2の直流回路開閉器5は遅れて投入される。第2の直流回路開閉器5が投入されるまでの間、抵抗器6を経由して第1群フィルタコンデンサ17と第2群フィルタコンデンサ27が充電される。第2の直流回路開閉器5は、第1群フィルタコンデンサ17と第2群フィルタコンデンサ27の充電が完了したのちに抵抗器6を短絡するために投入される。また、第1の直流回路開閉器4と第2の直流回路開閉器5は、長時間の停車などで電力変換装置12、22を停止する場合に開放される。
第1群フィルタコンデンサ17の充電によりその両端に直流電圧が発生すると、第1群電力変換装置12は、6個のスイッチング素子13U〜13Zを所定の順序でオン、オフ動作させることによって、直流電圧を任意の電圧と任意の周波数の3相交流電圧に変換して出力する。この3相交流電圧が第1群永久磁石電動機11に供給される。このとき、第1群永久磁石電動機11の各端子には線間電圧Vuv、Vvw、Vwuが印加され、U、V、Wの各相巻線にはU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwの3相交流電力が供給される。
これと同様に、第2群フィルタコンデンサ27の充電によりその両端に直流電圧が発生すると、第2群電力変換装置22は、6個のスイッチング素子23U〜23Zを所定の順序でオン、オフ動作させることによって、直流電圧を任意の電圧と任意の周波数の3相交流電圧に変換して出力する。この3相交流電圧が第2群永久磁石電動機21に供給される。このとき、第1群永久磁石電動機11の各端子には線間電圧Vuv、Vvw、Vwuが印加され、U、V、Wの各相巻線にはU相電流Iu、V相電流Iv、W相電流Iwの3相交流電力が供給される。
ここで、直流回路遮断器3は、機能的には開閉器の一種であるが、鉄道車両駆動制御装置の制御回路電源が投入されたときに投入され、架線1と第1群電力変換装置12及び第2群電力変換装置22とを接続すると共に、制御部102が第1群電力変換装置12又は第2群電力変換装置22の故障を検出した場合に開放して、架線1から故障した電力変換装置に流れ込む電流を遮断する。
第1群第1の3極開閉器14及び第1群第2の3極開閉器15は、第1群電力変換装置12が故障していない場合は、鉄道車両駆動制御装置の制御回路電源が投入されたときに投入され、第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11とを接続すると共に、第1群第2の3極開閉器15は架線1と第1群電力変換装置12とを接続する。同じく、第2群第1の3極開閉器24及び第2群第2の3極開閉器25は、第2群電力変換装置22が故障していない場合は、鉄道車両駆動制御装置の制御回路電源が投入されたときに投入され、第2群電力変換装置22と第2群永久磁石電動機21とを接続すると共に、第2群第2の3極開閉器25は架線1と第2群電力変換装置22とを接続する。
次に、制御部131が、第1群出力電流検出器19によって第1群電力変換装置12の出力電流の過電流を検出した場合や、第1群直流電圧検出器18によって第1群電力変換装置12の直流回路の過電圧を検出した場合には、第1の直流回路開閉器4と第2の直流回路開閉器5と第1群第1の3極開閉器14を開放して、第1群電力変換装置12を停止する。またこのとき、第1の直流回路開閉器4と第2の直流回路開閉器5が開放されるために第2群電力変換装置22も一旦停止する。
同様に、制御部131が第2群出力電流検出器29によって第2群電力変換装置22の出力電流の過電流を検出した場合や、第2群直流電圧検出器28によって第2群電力変換装置22の直流回路の過電圧を検出した場合には、第1の直流回路開閉器4と第2の直流回路開閉器5と第2群第1の3極開閉器24を開放して、第2群電力変換装置22を停止する。またこのとき、第1の直流回路開閉器4と第2の直流回路開閉器5が開放されるために第1群電力変換装置12も一旦停止する。
次に、制御部131が第1群電力変換装置12の故障を検出した場合には、直流回路遮断器3と第1の直流回路開閉器4と第2の直流回路開閉器5と第1群第1の3極開閉器14を開放して第1群電力変換装置12を停止し、さらに第1群第2の3極開閉器15を開放して架線1と第1群電力変換装置12との間の回路を開放するとともに第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11の間の回路を開放する。このとき、直流回路遮断器3と第1の直流回路開閉器4と第2の直流回路開閉器5が開放されるために第2群電力変換装置22も一旦停止する。故障した第1群電力変換装置12を切り離した後、健全な残りの第2群電力変換装置22を再起動させる場合には、直流回路遮断器3と第1の直流回路開閉器4と第2の直流回路開閉器5と第2群第1の3極開閉器24を投入して起動する。
同様に、制御部131が第2群電力変換装置22の故障を検出した場合には、直流回路遮断器3と第1の直流回路開閉器4と第2の直流回路開閉器5と第2群第1の3極開閉器24を開放(オフ)して第2群電力変換装置22を停止し、さらに第2群第2の3極開閉器25を開放して架線1と第2群電力変換装置22との間の回路を開放するとともに第2群電力変換装置22と第2群永久磁石電動機21の間の回路を開放する。このとき、直流回路遮断器3と第1の直流回路開閉器4と第2の直流回路開閉器5が開放されるために第1群電力変換装置12も一旦停止する。故障した第2群電力変換装置22を切り離した後、健全な残りの第1群電力変換装置12を再起動させる場合には、直流回路遮断器3と第1の直流回路開閉器4と第2の直流回路開閉器5と第1群第1の3極開閉器14を投入(オン)して起動する。
また、第1群第1の3極開閉器14を開放するとき、第1群第1の3極開閉器14が固渋して開放動作できない場合は、制御部131は図16に示すように制御部131に内蔵された固渋検知手段125によって第1群第1の3極開閉器14の固渋を検知して、第1群第2の3極開閉器15を開放する。固渋検知手段125は第1群第1の3極開閉器投入指令信号と第1群第1の3極開閉器14の連動補助接点31から制御部131に入力される第1群第1の3極開閉器14の連動補助接点信号を比較して、第1群第1の3極開閉器の投入指令信号が無いにもかかわらず連動補助接点信号が有る場合に固渋と判断して第1群第1の3極開閉器14の固渋検知信号を出力する。制御部131は固渋検知手段125から固渋検知信号が出力されると、第1群第2の3極開閉器15の投入指令信号をオフ状態にして第1群第2の3極開閉器15を開放する。これにより、第1群電力変換装置12に回転している永久磁石電動機11から電流が流れ込み続けることを防止する。
同様に、第2群第1の3極開閉器24を開放するとき、第2群第1の3極開閉器24が固渋して開放動作できない場合は、制御部131は図16に示すように制御部131に内蔵された固渋検知手段125によって第2群第1の3極開閉器24の固渋を検知して、第2群第2の3極開閉器25を開放する。固渋検知手段125は第2群第1の3極開閉器投入指令信号と第2群第1の3極開閉器24の連動補助接点33から制御部131に入力される第2群第1の3極開閉器24の連動補助接点信号を比較して、第2群第1の3極開閉器24の投入指令信号が無いにもかかわらず連動補助接点信号が有る場合に固渋と判断して第2群第1の3極開閉器24の固渋検知信号を出力する。制御部131は固渋検知手段125から固渋検知信号が出力されると、第2群第2の3極開閉器25の投入指令信号をオフ状態にして第2群第2の3極開閉器25を開放する。これにより、第2群電力変換装置22に回転している永久磁石電動機21から電流が流れ込み続けることを防止する。
なお、第1群第2の3極開閉器15は、第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11との間の3相交流回路のうちの2相及び第1群電力変換装置12の直流側回路に接触子が接続されており、2つの接触子で3相のうちの2相を開放することで、第1群永久磁石電動機11の誘起電圧によって故障した第1群電力変換装置11へ電流が流れことを防止し、残りの1つの接触子が第1群電力変換装置12を架線1から確実に遮断する。
また、第2群第2の3極開閉器25は、第2群電力変換装置22と第2群永久磁石電動機21との間の3相交流回路のうちの2相及び第2群電力変換装置22の直流側回路に接触子が接続されており、2つの接触子で3相のうちの2相を開放することで、第2群永久磁石電動機21の誘起電圧によって故障した第2群電力変換装置21へ電流が流れことを防止し、残りの1つの接触子が第2群電力変換装置22を架線1から確実に遮断する。
かくして、図14ないし図16を用いて説明した第9の実施の形態によれば、鉄道車両の永久磁石電動機を駆動する電力変換装置が故障し、かつ、この電力変換装置と永久磁石電動機との間の3極開閉器が固渋した場合でも、電力変換装置と永久磁石電動機との間の交流回路を切り離すことを可能にし、これによって、回送時に永久磁石電動機の誘起電圧により停止している電力変換装置が損傷を受けないように保護しながら当該鉄道車両を必要な場所まで回送することができる。
また、鉄道車両の複数台の永久磁石電動機をそれぞれ駆動する電力変換装置の1台が故障した状態では、該当する電力変換装置だけを電源及び永久磁石電動機から切り離すことによって、回送時に永久磁石電動機の誘起電圧により停止している電力変換装置が損傷を受けないように保護しながら、健全な残りの永久磁石電動機を駆動して当該鉄道車両の運転を継続したり、必要な場所まで回送運転することができる。
〈第9の実施の形態の変形例〉
図17は上記の実施の形態の変形例としての制御部132の構成を示したもので、制御部131に対して、第1群第1の3極開閉器14の固渋検知信号と第1群電力変換装置12の故障検知信号との論理和を求めるOR回路、このOR回路の出力と乗務員からの開放操作指令信号との論理積を求めるAND回路、このAND回路の出力をラッチするラッチ回路、このラッチ回路の出力を反転して第1群第2の3極開閉器15の投入指令信号を出力するNOT回路と、第2群第1の3極開閉器24の固渋検知信号と第2群電力変換装置22の故障検知信号との論理和を求めるOR回路、このOR回路の出力と乗務員からの開放操作指令信号との論理積を求めるAND回路、このAND回路の出力をラッチするラッチ回路、このラッチ回路の出力を反転して第2群第2の3極開閉器25の投入指令信号を出力するNOT回路とを新たに付加して継電器54e又は継電器54g(図15参照)をオン、オフ制御するように構成したものである。
この構成により、第1群第2の3極開閉器15を開放するタイミングが、第1群電力変換装置12の故障や第1群第1の3極開閉器14の固渋が鉄道車両の乗務員に通知されたのちに、乗務員の操作によって第1群第2の3極開閉器15が開放され、第1群第2の3極開閉器15は一旦開放(オフ)されると、第1群電力変換装置12の故障が復旧するか又は第1群第1の3極開閉器14の固渋が復旧するまで開放状態が保持される。同様に、第2群電力変換装置22の故障や第2群第1の3極開閉器24の固渋が鉄道車両の乗務員に通知されたのちに、乗務員の操作によって第2群第2の3極開閉器25を開放され、第2群第2の3極開閉器25は一旦開放(オフ)されると、第2群電力変換装置22の故障が復旧するか又は第2群第1の3極開閉器24の固渋が復旧するまで開放状態が保持される。これによって、乗務員の判断を優先した第1群電力変換装置12又は第2群電力変換装置22の切り離し、復旧が可能となる。
なお、図15では、本発明の第9の実施の形態の動作を理解しやすくするために、制御部131へ入力及び制御部131から出力される信号として、本発明に関係する信号のみを記載している。
また、図14に示した鉄道車両駆動制御装置では、第1群第2の3極開閉器15の3つのうちの2つの接触子を第1群出力電流検出器19と第1群第1の3極開閉器14との間に設けているが、第1群第2の3極開閉器15は第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11との間の3相交流回路の3相電流を流れないようにする目的で設けるものであるから、第1群電力変換装置12と第1群出力電流検出器19との間に設けても、また第1群第1の3極開閉器14と第1群永久磁石電動機11との間に設けても良い。同様に、図14では第2群第2の3極開閉器25の3つのうちの2つの接触子を第2群出力電流検出器29と第2群第1の3極開閉器24との間に設けているが、第2群第2の3極開閉器25は第2群電力変換装置22と第2群永久磁石電動機21との間の3相交流回路の3相電流を流れないようにする目的で設けるものであるから、第2群電力変換装置22と第2群出力電流検出器29との間に設けても、また第2群第1の3極開閉器24と第2群永久磁石電動機21との間に設けても良い。
さらに、図14では第1群第2の3極開閉器15の3つのうちの1つの接触子を第1群フィルタリアクトル16と第1群フィルタコンデンサ17との間に設けているが、この接触子は第1群電力変換装置12と直流電源との間の回路を切り離す目的で設けるものであるから、図18に示すように第2の直流回路開閉器5と第1群フィルタリアクトル16との間の回路に設けても良く、又は図19に示すように第1群電力変換装置12と第1群直流電圧検出器18との間に設けても良く、さらに図20に示すように第1群フィルタコンデンサ17と第1群直流電圧検出器18との間に設けても良い。同様に、図14では第2群第2の3極開閉器25の3つのうちの1つの接触子を第2群フィルタリアクトル26と第2群フィルタコンデンサ27との間に設けているが、この接触子は第2群電力変換装置22と直流電源との間の回路を切り離す目的で設けるものであるから、図18に示すように第2の直流回路開閉器5と第2群フィルタリアクトル26との間の回路に設けても良く、また図19に示すように第2群電力変換装置22と第2群直流電圧検出器28との間に設けても良く、さらに図20に示すように第2群フィルタコンデンサ27と第2群直流電圧検出器28との間に設けても良い。
また、図15では制御部131は複数の制御群に対して制御部が1つである例として記載しているが、制御部を、第1群に関係する入出力信号を有する第1群制御部と、第2群に関係する入出力信号を有する第2群制御部と、共通構成要素である直流回路遮断器3と第1の直流回路開閉器4と第2の直流回路開閉器5の投入、開放機能を有する共通制御部とに分割して設けた構成としても良い。
さらに、図14と図18〜図20に示した本発明の第9の実施の形態では、1台の鉄道車両駆動制御装置が駆動制御を行なう永久磁石電動機の数を2台の構成として示しているが、永久磁石電動機の数を2台から3台や4台に増やした場合は、図1の構成にさらに制御群として第3群、第4群を追加した構成となる。これは制御群の数が増加したのみで、本発明の実施の形態における各部の動作は同様である。
第10の実施の形態
図21は本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第10の実施の形態の主回路の構成を示す回路図であり、図中、第9の実施の形態を示す図14と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施の形態では、鉄道車両を駆動する永久磁石電動機と、電力変換装置と、第1の3極開閉器と、第2の3極開閉器と、出力電流検出器を組合せて1つの制御群として構成している。そして、直流回路遮断器3、第1の直流回路開閉器4、第2の直流回路開閉器5、抵抗器6、フィルタリアクトル16、フィルタコンデンサ17及び直流電圧検出器18が、複数の制御群に対して共通の構成要素として設けられており、前述の第9の実施の形態と比較すると、フィルタリアクトル16と、フィルタコンデンサ17と、直流電圧検出器18が複数の制御群に対して共通の構成要素となっている点が異なっている。その他の構成要素については第9の実施の形態と同様である。
なお、図21に示した第10の実施の形態では、第1群第2の3極開閉器15の3つのうちの2つの接触子を第1群出力電流検出器19と第1群第1の3極開閉器14との間に設けているが、第1群第2の3極開閉器15は第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11との間の3相交流回路の3相電流を流れないようにする目的で設けるものであるから、第1群電力変換装置12と第1群出力電流検出器19との間に設けても、また第1群第1の3極開閉器14と第1群永久磁石電動機11との間に設けても良い。同様に、図8では第2群第2の3極開閉器25の3つのうちの2つの接触子を第2群出力電流検出器29と第2群第1の3極開閉器24との間に設けているが、第2群電力変換装置22と第2群出力電流検出器29との間に設けても、また第2群第1の3極開閉器24と第2群永久磁石電動機21との間に設けても良い。
かくして、第10の実施の形態によっても、第9の実施の形態で説明したと同様な効果が得られる。
第11の実施の形態
次に、本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第11の実施の形態について、図22及び図23を参照して説明する。このうち、図22は図14、図18、図19及び図20にそれぞれ示した主回路に適用する制御回路であり、図15と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。図22に示した制御部133は、図15に示した第1群第1の3極開閉器14の連動補助接点31及び第2群第1の3極開閉器24の連動補助接点32の各信号を入力する他に、直流回路遮断器3の連動補助接点35及び第1群直流回路開閉器4の連動補助接点36の信号を入力するように構成した点が図15に示した制御部131と構成を異にし、これ以外の信号出力経路は図15と同一に構成されている。
図23は主回路の開閉器や遮断器を投入、開放するための制御回路のうち、特に、第1群第2の3極開閉器15及び第2群第2の3極開閉器25の投入指令信号を生成する部分の構成を示す回路図であり、図中、第9の実施の形態を示す図17と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。図23に示した制御部133は、図17に示した制御部132のうち、乗務員からの開放指令信号を入力する経路に、直流回路遮断器3の連動補助接点35の信号をNOT回路を介してOR回路の第1の入力とし、第1の直流回路開閉器4の連動補助接点36の信号をNOT回路を介してOR回路の第2の入力とし、このOR回路の出力信号を前述の乗務員からの開放指令信号の代わりに加えるようにした点が図17に示した制御部132と構成を異にし、これ以外は制御部132と同一に構成されている。
上記のように構成された第11の実施の形態の動作について、特に、図15及び図17と構成を異にする点を中心にして以下に説明する。制御部133が第1群電力変換装置12の故障や第1群第1の3極開閉器14の固渋を検知した場合に第1群第2の3極開閉器15を開放するとき、制御部133は図23に示すように直流回路遮断器3又は第1の直流回路開閉器4が開放されたことを条件として第1群第2の3極開閉器15を開放する。
同様に、制御部133が第2群電力変換装置22の故障や第2群第1の3極開閉器24の固渋を検知した場合に第2群第2の3極開閉器25を開放するとき、制御部133は図23に示すように直流回路遮断器3又は第1の直流回路開閉器4が開放されたことを条件として第2群第2の3極開閉器25を開放する。
この動作は、直流側回路の電流の遮断を元々直流電流を遮断する性能を持つ直流回路遮断器3又は直流回路開閉器4で行う動作として、第1群第2の3極開閉器15又は第2群第2の3極開閉器25の接触子では直流電流を遮断しないように考慮したものであり、第1群第2の3極開閉器15又は第2群第2の3極開閉器25の接触子の性能が直流電流を遮断できない場合でも、直流回路遮断器3又は第1の直流回路開閉器4が開放されたことで第1群電力変換装置12又は第2群電力変換装置22の直流回路側に電流が流れていない状態で第1群第2の3極開閉器15を開放する方式である。
一般的に、開閉器の接触子は直流電流を遮断できる性能を持たせて設計すると同じ電流値(大きさ)の交流電流のみ遮断できる性能の接触子に比べて構造が複雑化して大型化するので、本実施の形態の鉄道車両駆動制御装置によれば、3極開閉器の外形の小型化及び重量の軽量化が可能になる。
図24は第1群第2の3極開閉器15又は第2群第2の3極開閉器25を開放するタイミングを、乗務員の判断に委ねるように構成した変形例である。すなわち、直流回路遮断器3の連動補助接点信号及び第1の直流回路開閉器4の連動補助接点信号を、それぞれNOT回路を介して入力するOR回路の出力系統に、AND回路を接続する。そしてこのOR回路の出力をAND回路の第1の入力とし、乗務員からの開放操作指令信号をこのAND回路の第2の入力としてOR回路の出力タイミングを制御する。これによって、第1群第2の3極開閉器15又は第2群第2の3極開閉器25は、一旦、開放されると、第1群電力変換装置12の故障が復旧するか又は第1群第1の3極開閉器14の固渋が復旧するまで開放状態が保持される。
なお、直流回路遮断器3の連動補助接点信号及び第1の直流回路開閉器4の連動補助接点信号を、それぞれNOT回路を介して入力するOR回路の出力系統に、AND回路を接続する代わりに、図22の第1群第2の3極開閉器の駆動操作コイル53eに制御電源を供給する経路と、駆動操作コイル53gに制御電源を供給する経路に、それぞれ第1群第2の3極開閉器15や第2群第2の3極開閉器25の投入指令信号がオフ状態にされたことと乗務員からの開放操作指令とのAND論理をもって第1群第2の3極開閉器15の駆動操作コイル53eや第2群第2の3極開閉器25の駆動操作コイル53gへの制御電源がオフされるように回路を構成するようにしても良い。
かくして、本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第11の実施の形態によれば、第9の実施の形態や第10の実施の形態の効果に加えて、それぞれの制御群の第2の3極開閉器に、接触子の性能が直流回路の電流を遮断できない(例えば、交流電流は遮断できるが直流電流は遮断できない)接触子を適用することが可能となり、3極開閉器の接触子の性能を過剰な性能に設計することによって生じる3極開閉器の大型化やコストの増加を避けることができる。
なお、上記の説明では、それぞれの制御群の第2の3極開閉器15、25の動作機構がノーマルオープンの場合で説明している。第2の3極開閉器15、25の動作機構がノーマルクローズの場合は制御部133から出力されるそれぞれの3極開閉器の投入指令信号が反転し、信号がオフのとき(信号が無いとき)第2の3極開閉器15、25が投入状態となり、信号がオンのとき(信号が有るとき)第2の3極開閉器15、25が開放状態となる。その他の部分の本発明の実施の形態の動作は上記の説明と同様である。
また、図22では制御部133は複数の制御群に対して制御部が1つであるとして記載しているが、制御部を、第1群に関係する入出力信号を有する第1群制御部と、第2群に関係する入出力信号を有する第2群制御部と、共通構成要素である直流回路遮断器3と第1の直流回路開閉器4と第2の直流回路開閉器5の投入、開放機能を有する共通制御部とに分割して設けた構成としても良い。
第12の実施の形態
図25は本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第12の実施の形態の主回路の構成を示した回路図であり、図14に示した第9の実施の形態と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施の形態は、図14に示した第9の実施の形態の構成に加えて、第1群入力電流検出器41と第2群入力電流検出器42を設けた構成になっている。第1群入力電流検出器41は第1群電力変換装置12の直流側回路のマイナス側に設けているが、電力変換装置の直流側回路の電流を検出する目的で設けるものであるから、第1群第2の3極開閉器15の直流回路側接触子と第1群フィルタコンデンサ17との間に設けても良い。同様に、第2群入力電流検出器42は第2群電力変換装置22の直流側回路のマイナス側に設けているが、第2群第2の3極開閉器25の直流回路側接触子と第2群フィルタコンデンサ27との間に設けても良い。その他の構成要素については図1に示した第1の実施の形態と同一の要素については同一の符号を付して示してある。
この第12の実施の形態の主回路を構成する開閉器や遮断器を投入、開放するためにそれぞれの駆動操作コイルを励磁する構成は図15と同様であるので省略するが、制御部135の内部構成が異なっている。
図26は主回路に第1群入力電流検出器41と第2群入力電流検出器42を設けたことに対応する制御部135の詳細な構成を示す回路図であり、図中、図17に示す制御部132と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この制御部135は、第1群電力変換装置12の故障や第1群第1の3極開閉器14の固渋を検知した場合に第1群第2の3極開閉器15を開放するとき、第1群入力電流検出器41の検出信号の絶対値を絶対値検出器ABSで検出し、その値が上下限設定器で設定された電流値未満であることを確認してから第1群第2の3極開閉器15の開放指令の出力を可能にしている。この動作は、第1群第2の3極開閉器15の接触子の性能が直流回路の電流を遮断できない場合を考慮したもので、第1群電力変換装置12の直流回路側に設けられた第1群第2の3極開閉器の接触子の部分の回路の電流が予め設定された電流値よりも小さい状態で第1群第2の3極開閉器15を開放する方式である。
同様に、制御部135は、第2群電力変換装置22の故障や第2群第1の3極開閉器24の固渋を検知した場合に第2群第2の3極開閉器25を開放するとき、第2群入力電流検出器42の検出信号の絶対値を絶対値検出器ABSで検出し、その値が上下限設定器で設定された電流値未満であることを確認してから第2群第2の3極開閉器25の開放指令の出力を可能にしている。この動作は、第2群第2の3極開閉器25の接触子の性能が直流回路の電流を遮断できない場合を考慮したもので、第2群電力変換装置22の直流回路側に設けられた第2群第2の3極開閉器の接触子の部分の回路の電流が予め設定された電流値よりも小さい状態で第2群第2の3極開閉器25を開放する方式である。
第1群第2の3極開閉器15を開放するタイミングとしては、上記のように制御部135が行う場合とは別に、第1群電力変換装置12の故障や第1群第1の3極開閉器14の固渋を鉄道車両の乗務員に通知したのちに乗務員の操作によって第1群第2の3極開閉器25を開放する場合には、図27に示すように乗務員からの開放操作指令信号が制御部136に入力され、制御部136の内部で乗務員からの開放操作指令信号との論理積条件でもって制御部136から出力される第1群第2の3極開閉器投入指令信号がオフ状態にされる。これ以外の構成例として、図15の第1群第2の3極開閉器の駆動操作コイル53eへの制御電源の回路を、制御部136からの第1群第2の3極開閉器投入指令信号がオフ状態にされたことと乗務員からの開放操作指令とのAND論理をもって第1群第2の3極開閉器の駆動操作コイル53eへの制御電源がオフ状態にされるように回路を構成することもできる。第1群第2の3極開閉器15は一旦開放されると、第1群電力変換装置12の故障が復旧するか又は第1群第1の3極開閉器14の固渋が復旧するまで開放状態が保持される。
同様に、第2群第2の3極開閉器25を開放するタイミングとしては、上記のように制御部135が行う場合とは別に、第2群電力変換装置22の故障や第2群第1の3極開閉器24の固渋を鉄道車両の乗務員に通知したのちに乗務員の操作によって第2群第2の3極開閉器25を開放する場合には、図27に示すように乗務員からの開放操作指令信号が制御部136に入力され、制御部136の内部で乗務員からの開放操作指令信号との論理積条件でもって制御部136から出力される第2群第2の3極開閉器投入指令信号がオフ状態にされる。これ以外の構成例として、図15の第2群第2の3極開閉器の駆動操作コイル53gへの制御電源の回路を、制御部101からの第2群第2の3極開閉器投入指令信号がオフ状態にされたことと乗務員からの開放操作指令との論理積条件でもって第2群第2の3極開閉器の駆動操作コイル53gへの制御電源がオフ状態にされるように回路を構成することもできる。第2群第2の3極開閉器25は一旦開放されると、第2群電力変換装置22の故障が復旧するか又は第2群第1の3極開閉器24の固渋が復旧するまで開放状態が保持される。
かくして、本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第11の実施の形態によれば、第9の実施の形態や第10の実施の形態の効果に加えて、それぞれの制御群の第2の3極開閉器に、接触子の性能が直流回路の電流を遮断できない(例えば、交流電流は遮断できるが同じ電流値(大きさ)の直流電流は遮断できない)接触子を適用することが可能となり、3極開閉器の接触子の性能を過剰な性能に設計することによって生じる3極開閉器の大型化やコストの増加を回避することができる。
なお、上記の説明では、それぞれの制御群の第2の3極開閉器15、25の動作機構がノーマルオープンの場合で説明している。第2の3極開閉器15、25の動作機構がノーマルクローズの場合は制御部136から出力されるそれぞれの3極開閉器の投入指令信号が反転し、信号がオフのとき第2の3極開閉器15、25が投入状態となり、信号がオンのとき(信号が有るとき)第2の3極開閉器15、25が開放状態となる。その他の部分の本発明の実施の形態の動作は上記の説明と同様である。
ここで、図25に示した鉄道車両駆動制御装置では第1群第2の3極開閉器15の3つのうちの1つの接触子を第1群フィルタリアクトル16と第1群フィルタコンデンサ17との間に設けているが、この接触子は第1群電力変換装置12と直流電源との間の回路を切り離す目的で設けるものであるから、図28に示すように第2の直流回路開閉器5と第1群フィルタリアクトル16との間の回路に設けても良く、又は、接触子を図29に示すように第1群電力変換装置12と第1群直流電圧検出器18との間に設けるとともに第1群入力電流検出器41を第1群電力変換装置12と第1群直流電圧検出器18との間に設けても良く、さらに図30に示すように接触子を第1群フィルタコンデンサ17と第1群直流電圧検出器18との間に設けるとともに第1群入力電流検出器41を第1群フィルタコンデンサ17と第1群直流電圧検出器18との間に設けても良い。同様に、図25では第2群第2の3極開閉器25の3つのうちの1つの接触子を第2群フィルタリアクトル26と第2群フィルタコンデンサ27との間に設けているが、図28に示すように接触子を第2の直流回路開閉器5と第2群フィルタリアクトル26との間の回路に設けても良く、又は図29に示すように接触子を第2群電力変換装置22と第2群直流電圧検出器28との間に設けるとともに第2群入力電流検出器42を第2群電力変換装置22と第2群直流電圧検出器28との間に設けても良く、さらに、図30に示すように接触子を第2群フィルタコンデンサ27と第2群直流電圧検出器28との間に設けるとともに第2群入力電流検出器42を第2群フィルタコンデンサ27と第2群直流電圧検出器28との間に設ける構成としても良い。
第13の実施の形態
図31は本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第13の実施の形態の主回路の構成を示した回路図であり、図14に示した第9の実施の形態と同一の要素には同一の符号を付してその説明を省略する。この実施の形態は、鉄道車両を駆動する永久磁石電動機と、電力変換装置と、第1の3極開閉器と、第2の3極開閉器と、出力電流検出器と、入力電流検出器を組合せて1つの制御群としている。
そして、直流回路遮断器3と、第1の直流回路開閉器4と第2の直流回路開閉器5と、抵抗器6と、フィルタリアクトル16と、フィルタコンデンサ17と、直流電圧検出器18が、複数の制御群に対して共通の構成要素として回路が構成されており、前述の第12の実施の形態と比較すると、フィルタリアクトル16と、フィルタコンデンサ17と、直流電圧検出器18が複数の制御群に対して共通の構成要素となっている点が異なっている。
その他の構成及び各構成要素の動作については前述の第12の実施の形態と同様である。
なお図31に示した鉄道車両駆動制御装置では、第1群第2の3極開閉器15の3つのうちの2つの接触子を第1群出力電流検出器19と第1群第1の3極開閉器14との間に設けているが、第1群第2の3極開閉器15は第1群電力変換装置12と第1群永久磁石電動機11との間の3相交流回路の3相電流を流れないようにする目的で設けるものであるから、第1群電力変換装置12と第1群出力電流検出器19との間に設けても、また第1群第1の3極開閉器14と第1群永久磁石電動機11との間に設けても良い。同様に、図31では第2群第2の3極開閉器25の3つのうちの2つの接触子を第2群出力電流検出器29と第2群第1の3極開閉器24との間に設けているが、第2群電力変換装置22と第2群出力電流検出器29との間に設けても、また第2群第1の3極開閉器24と第2群永久磁石電動機21との間に設けても良い。
かくして、本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第13の実施の形態によれば、第9の実施の形態や第10の実施の形態と同様な効果が得られる。
第14の実施の形態
本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第14の実施の形態は、前述の第9の実施の形態から第13の実施の形態のいずれかに記載の鉄道車両駆動制御装置において、それぞれの制御群の第1の3極開閉器と第2の3極開閉器の定格及び性能を共通化して同一の定格及び性能の3極開閉器で構成したものである。
特に、図22から図31に示した第11の実施の形態から第13の実施の形態で説明したように、3極開閉器が有する接触子の性能は交流電流を遮断できればよく(必ずしも必要な電流値の直流電流を遮断できる性能を有していなくても良い)、それぞれの制御群の交流回路にのみ接触子を設けている第1の3極開閉器と3つの接触子のうちの1つを直流回路に設けている第2の3極開閉器の定格及び性能を共通化することがより容易である。
かくして、本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第14の実施の形態によれば、第9から第13の実施の形態の鉄道車両駆動制御装置の効果に加えて、複数の3極開閉器の定格及び性能を共通化して同じ3極開閉器で構成することにより鉄道車両駆動制御装置が内蔵する3極開閉器の種類を削減して1種類にすることができ、構成部品の管理の容易化や保守の容易化を図ることができる。
なお、図14ないし図31に記載した第9から第13の実施の形態それぞれにおいて、回路遮断器3と直列に直流回路開閉器4及び5を設けたが、これは鉄道車両駆動制御装置の電源である架線8が直流架線の場合であり、架線1が交流架線であれば回路遮断器3と電力変換装置12、22との間に交流電源を直流電力に変換して電力変換装置12、22であるインバータに供給するための、トランスとコンバータを設置することになる。また、直流回路開閉器4、5の代わりにトランスとコンバータとの間の交流回路を投入、開放するための開閉器を設ける。そしてこのようなトランスとコンバータを設置した鉄道車両駆動制御装置では、回路遮断器3の動作によって架線1からトランスとコンバータを含む電力変換装置と永久磁石電動機を切り離し、さらに、それぞれの制御群の第2の3極開閉器15、25によってコンバータから電力変換装置12、22を切り離すことになる。
第15の実施の形態
上述した各実施の形態は、直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数の3相交流に変換して車両を駆動する1台の永久磁石電動機に供給する1台の電力変換装置、3個の接触子を有し、これらの接触子がそれぞれ3相の交流回路の全ての相に接続された第1の3極開閉器、3個の接触子を有し、このうちの2個の接触子が3相交流回路のうちのいずれか2相に、第1の3極開閉器の接触子と直列に接続され、残りの1個の接触子が直流電源と電力変換装置との間の直流回路に接続された第2の3極開閉器を1単位の制御群とする2個の制御群を備えるものについて説明したが、本発明はこれに適用を限定されるものではなく、nを3以上の整数として、直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数のn相交流に変換して車両を駆動する1台の永久磁石電動機に供給する1台の電力変換装置、n個の接触子を有し、これらの接触子がそれぞれn相の交流回路の全ての相に接続された第1のn極開閉器、n個の接触子を有し、このうちのn−1個の接触子がn相交流回路のうちのいずれかn−1相に、第1のn極開閉器の接触子と直列に接続され、残りの1個の接触子が直流電源と電力変換装置との間の直流回路に接続された第2のn極開閉器を1単位の制御群とする複数の制御群を備えるものにも、本発明を適用することができる。
本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第1の実施の形態の構成を示す回路図。 第1の実施の形態を構成する制御部に内蔵された固渋検知手段の構成を示す回路図。 本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第2の実施の形態の構成を示す回路図。 第2の実施の形態を構成する制御部に内蔵された固渋検知手段の構成を示す回路図。 本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第3の実施の形態の構成を示す回路図。 本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第4の実施の形態の構成を示す回路図。 第4の実施の形態を構成する制御部の固渋検知手段の構成を示す回路図。 本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第5の実施の形態の構成を示す回路図。 第5の実施の形態を構成する制御部の固渋検知手段の構成を示す回路図。 本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第6及び第8の実施の形態の構成を示す回路図。 第6の実施の形態を構成する制御部の固渋検知手段の構成を示す回路図。 本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第7の実施の形態中、制御部の構成を示す回路図。 第7の実施の形態の制御部の変形例を示す回路図。 本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第9の実施の形態の主回路の構成を示す回路図。 第9の実施の形態を構成する制御回路の構成を示す回路図。 第9の実施の形態の制御回路が内蔵する固渋検知手段の詳細な構成を示す回路図。 第9の実施の形態を構成する制御回路の変形例の構成を示す回路図。 第9の実施の形態の主回路の変形例の構成を示す回路図。 第9の実施の形態の主回路の変形例の構成を示す回路図。 第9の実施の形態の主回路の変形例の構成を示す回路図。 本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第10の実施の形態の主回路の構成を示す回路図。 本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第11の実施の形態中、制御回路の構成を示す回路図。 第11の実施の形態の制御部の詳細な構成を示す回路図。 第11の実施の形態の制御部の変形例の詳細な構成を示す回路図。 本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第12の実施の形態の主回路の構成を示す回路図。 第12の実施の形態の制御部の詳細な構成を示す回路図。 第12の実施の形態の制御部の変形例の詳細な構成を示す回路図。 第12の実施の形態の主回路の変形例の構成を示す回路図。 第12の実施の形態の主回路の変形例の構成を示す回路図。 第12の実施の形態の主回路の変形例の構成を示す回路図。 本発明に係る鉄道車両駆動制御装置の第13の実施の形態の主回路の構成を示す回路図。 従来の第1の鉄道車両駆動制御装置の構成を示す回路図。 従来の第2の鉄道車両駆動制御装置の構成を示す回路図。 従来の第2の鉄道車両駆動制御装置の制御回路の構成を示した回路図。
符号の説明
1 架線
2 集電器
3 直流回路遮断器
4 直流回路開閉器(第1の直流回路開閉器、第1群直流回路開閉器)
5 直流回路開閉器(第2の直流回路開閉器)
6 抵抗器
7 車輪
8 レール
9 第2群直流回路開閉器
11 永久磁石電動機(第1群永久磁石電動機)
12 電力変換装置(第1群電力変換装置)
14 3極開閉器(第1の3極開閉器、第1群第1の3極開閉器)
15 第2の3極開閉器(第1群第2の3極開閉器)
16 フィルタリアクトル(第1群フィルタリアクトル)
17 フィルタコンデンサ(第1群フィルタコンデンサ)
18 直流電圧検出器(第1群直流電圧検出器)
19 出力電流検出器(第1群出力電流検出器)
21 永久磁石電動機(第2群永久磁石電動機)
22 電力変換装置(第2群電力変換装置)
24 第1の3極開閉器(第2群第1の3極開閉器)
25 第2の3極開閉器(第2群第2の3極開閉器)
26 フィルタリアクトル(第2群フィルタリアクトル)
27 フィルタコンデンサ(第2群フィルタコンデンサ)
28 直流電圧検出器(第2群直流電圧検出器)
29 出力電流検出器(第2群出力電流検出器)
3e、31〜36 連動補助接点
41 第1群入力電流検出器
42 第2群入力電流検出器
53a〜53i 駆動操作コイル
54a〜54i 継電器
111〜117、131〜136 制御部
121、122、124〜127 固渋検知手段

Claims (11)

  1. 直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数の3相交流に変換して車両を駆動する永久磁石電動機に供給する電力変換装置と、
    前記電力変換装置と前記永久磁石電動機との間の3相交流回路に設けられ、相毎にそれぞれの接点が直列となるように接続された第1及び第2の3極開閉器と、
    前記第1及び第2の3極開閉器の投入、開放の動作を制御する制御部と、
    を備え、前記制御部は、前記第1の3極開閉器が固渋して開放動作できないことを検知する固渋検知手段を有し、通常運転時は前記第2の3極開閉器を投入状態に保持しておき、前記第1の3極開閉器の開放動作時に、その固渋を検知した場合に前記第2の3極開閉器を開放動作させる、鉄道車両駆動制御装置。
  2. 直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数の3相交流に変換して車両を駆動する1台の永久磁石電動機に供給する1台の電力変換装置に、前記電力変換装置と前記永久磁石電動機との間の各3相交流回路に設けられ、相毎にそれぞれ接点が直列となるように接続された第1及び第2の3極開閉器を組み合わせて1単位の制御群とする複数の制御群と、
    前記複数の制御群の前記第1及び第2の3極開閉器の投入、開放の動作を制御する制御部と、
    を備え、前記制御部は、前記複数の制御群の前記第1の3極開閉器が固渋して開放動作できないことを検知する固渋検知手段を有し、通常運転時は前記複数の制御群の前記第2の3極開閉器を投入状態に保持しておき、前記複数の制御群のいずれか1つの制御群の前記第1の3極開閉器の固渋を検知した場合に前記複数の制御群の全ての前記第2の3極開閉器を開放動作させる、鉄道車両駆動制御装置。
  3. 直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数の3相交流に変換して車両を駆動する永久磁石電動機に供給する電力変換装置と、
    前記直流電源と前記電力変換装置との間に設けられた直流回路遮断器と、
    前記電力変換装置と前記永久磁石電動機との間の3相交流回路に設けられ、相毎にそれぞれの接点が直列となるように接続された第1及び第2の3極開閉器と、
    前記直流回路遮断器、第1及び第2の3極開閉器の投入、開放の動作を制御する制御部と、
    を備え、前記制御部は、前記第1の3極開閉器が固渋して開放動作できないことを検知する固渋検知手段を有し、通常運転時は前記第2の3極開閉器を投入状態に保持しておき、前記第1の3極開閉器の固渋を検知した場合に前記直流回路遮断器を開放動作させると共に、前記直流回路遮断器の連動接点によって前記第2の3極開閉器の駆動操作コイルの励磁回路をオフ状態にして前記第2の3極開閉器を開放動作させる、鉄道車両駆動制御装置。
  4. 直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数の3相交流に変換して、車両を駆動する永久磁石電動機に供給する電力変換装置と、
    前記電力変換装置と前記永久磁石電動機との間の3相交流回路に設けられた3極開閉器と、
    前記電力変換装置と前記永久磁石電動機との間の3相交流回路に設けられ、前記3極開閉器と相毎に接点が直列となるように接続された手動の3相交流回路開閉器と、
    を備え、
    前記の3極開閉器が固渋した場合に、前記手動の3相交流回路開閉器を操作して前記電力変換装置と前記永久磁石電動機との間の3相交流回路の開放を可能にした、鉄道車両駆動制御装置。
  5. 直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数の3相交流に変換する1台の電力変換装置、この電力変換装置で変換された交流電力が供給され、車両を駆動する1台の永久磁石電動機とを組み合わせて1単位の制御群とする複数の制御群と、
    前記直流電源と前記複数の制御群の電力変換装置との共通の直流電源経路に設けられた直流回路遮断器と、
    前記直流回路遮断器と前記各制御群の電力変換装置との間にそれぞれ設けられた直流回路開閉器と、
    前記複数の制御群の前記電力変換装置と前記永久磁石電動機との間の3相交流回路にそれぞれ設けられた3極開閉器と、
    前記3極開閉器と相毎に接点が直列となるように接続された手動の3相交流回路開閉器と、
    を備え、
    前記複数の制御群のいずれか1つの前記電力変換装置の故障時に、この電力変換装置の直流回路開閉器及び3極開閉器を開放し、この3極開閉器が固渋した場合にこれと直列に接続された前記手動の3相交流回路開閉器の開放操作を可能とし、前記電力変換装置が健全な前記制御群によって車両の運転の継続を可能にした、鉄道車両駆動制御装置。
  6. 直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数の3相交流に変換する1台の電力変換装置、この電力変換装置で変換された交流電力が供給され、車両を駆動する1台の永久磁石電動機とを組み合わせて1単位の制御群とする複数の制御群と、
    前記直流電源と前記複数の制御群の電力変換装置との共通の直流電源経路に設けられた直流回路遮断器と、
    前記直流回路遮断器と前記各制御群の電力変換装置との間にそれぞれ設けられた直流回路開閉器と、
    前記各制御群の前記電力変換装置と前記永久磁石電動機との間の3相交流回路にそれぞれ設けられ、相毎に接点が直列となるように接続された第1及び第2の3極開閉器と、
    前記直流回路遮断器、直流回路開閉器、第1及び第2の3極開閉器の投入、開閉動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記複数の制御群それぞれの第1及び第2の3極開閉器のいずれか一方が固渋して開放動作できないことを検知する固渋検知手段を有し、前記複数の制御群のいずれか1つの前記電力変換装置の故障時に、この電力変換装置の直流回路開閉器及びいずれか一方の3極開閉器を開放し、この3極開閉器の固渋を検知した場合にこの3極開閉器と直列のいずれか他方の3開閉器を開放して、他の健全な制御群によって車両の運転の継続を可能にした、鉄道車両駆動制御装置。
  7. nを3以上の整数として、直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数のn相交流に変換して車両を駆動する1台の永久磁石電動機に供給する1台の電力変換装置、n個の接触子を有し、これらの接触子がそれぞれ前記n相の交流回路の全ての相に接続された第1のn極開閉器、n個の接触子を有し、このうちのn−1個の接触子が前記n相交流回路のうちのいずれかn−1相に、前記第1のn極開閉器の接触子と直列に接続され、残りの1個の接触子が前記直流電源と前記電力変換装置との間の直流回路に接続された第2のn極開閉器を1単位の制御群とする複数の制御群と、
    前記複数の制御群の前記第1のn極開閉器と前記第2のn極開閉器の投入、開放の動作を制御する制御部と、
    を備え、前記制御部は複数の制御群それぞれの前記第1のn極開閉器が固渋したことを検知する固渋検出手段を有し、通常運転時は前記複数の制御群の前記第1及び第2のn極開閉器を投入状態に保持しておき、前記複数の制御群のいずれかの前記電力変換装置が故障した場合にこの電力変換装置と同一の群の前記第1のn極開閉器を開放すると共に、前記第1のn極開閉器が固渋した場合に、同一制御群の前記第2のn極開閉器を開放し、他の健全な制御群で車両の運転の継続を可能にした、鉄道車両駆動制御装置。
  8. nを3以上の整数として、直流電源の直流を任意の電圧と任意の周波数のn相交流に変換して車両を駆動する1台の永久磁石電動機に供給する1台の電力変換装置、n個の接触子を有し、これらの接触子がそれぞれ前記n相の交流回路の全ての相に接続された第1のn極開閉器、n個の接触子を有し、このうちのn−1個の接触子が前記n相交流回路のうちのいずれかn−1相に、前記第1のn極開閉器の接触子と直列に接続され、残りの1個の接触子が前記直流電源と前記電力変換装置との間の直流回路に接続された第2のn極開閉器を1単位の制御群とする複数の制御群と、
    前記複数の制御群の電力変換装置の共通の電源である直流電源と前記各制御群の電力変換装置との間の直流回路を投入、開放するための直流回路開閉器と、
    前記複数の制御群の前記第1のn極開閉器と前記第2のn極開閉器の投入、開放の動作を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は複数の制御群それぞれの前記第1のn極開閉器が固渋したことを検知する固渋検出手段を有し、通常運転時は前記直流回路開閉器、前記複数の制御群の前記第1及び第2のn極開閉器を投入状態に保持しておき、前記複数の制御群のいずれかの前記電力変換装置が故障した場合に、前記直流回路開閉器を開放すると共に、故障した前記電力変換装置と同一の制御群の前記第1のn極開閉器を開放し、前記第1のn極開閉器が固渋した場合に、同一の制御群の前記第2のn極開閉器を開放する、鉄道車両駆動制御装置。
  9. 前記制御群はそれぞれ前記電力変換装置に流れる電流を検出する電流検出手段を備え、前記制御部は前記電流検出手段の電流検出値の絶対値が予め設定された電流値未満であることを条件として、前記第2のn極開閉器を開放する、請求項8に記載の鉄道車両駆動制御装置。
  10. 前記第1のn極開閉器と前記第2のn極開閉器として、定格及び性能の等しいものを用いた、請求項7から9のいずれか1項に記載の鉄道車両駆動制御装置。
  11. 直流を任意の電圧と任意の周波数の交流に交換して車両を駆動する電動機に供給する電力変換装置と、
    前記電力変換装置と前記電力変換装置との間に直列接続された複数の開閉器と、
    前記複数の開閉器の投入、開放の動作を制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記複数の開閉器のうちいずれか一つの開閉器が固渋して開放動作できないことを検知する固渋検知手段を有し、前記固渋検知手段により固渋が検知された場合には、固渋していない前記開閉器を開放動作させることを特徴とする鉄道車両駆動制御装置。
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