JP2005327118A - 多変数制御の最適化プログラム、及び定量供給装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 PI制御に係る最適調整を適時に行える多変数制御の最適化プログラム、及び定量供給装置を提供する。
【解決手段】 定量供給装置は、合成樹脂製品の原料となる粉粒体1が投入されるホッパー2と、ホッパー2の底部に設けられ回転数に比例する質量の粉粒体1をホッパー2から吐出するフィードスクリュー3と、フィードスクリュー3による吐出量を計量する計量手段4と、多変数制御の最適化プログラムに従って計量手段4がサンプリングした実測データを基にフィードスクリュー3の回転数を負帰還制御する制御装置5を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】 定量供給装置は、合成樹脂製品の原料となる粉粒体1が投入されるホッパー2と、ホッパー2の底部に設けられ回転数に比例する質量の粉粒体1をホッパー2から吐出するフィードスクリュー3と、フィードスクリュー3による吐出量を計量する計量手段4と、多変数制御の最適化プログラムに従って計量手段4がサンプリングした実測データを基にフィードスクリュー3の回転数を負帰還制御する制御装置5を備える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、原料等の供給量、吐出量、又は流量等を所望に調節する多変数制御の最適化プログラム、及び定量供給装置に関する。
下記の特許文献は、粉粒体1を制御対象とする定量供給装置を各々開示している。このような対象物の供給量又は吐出量を目標値に保持するために、従来から比例積分制御(以下で「PI制御」と記す。)が適用されている。
周知の定量供給装置によれば、粉粒体を計量用ホッパーに蓄積し、同ホッパーの下部に設けたフィードスクリューを回転させて、粉粒体をホッパーから吐出させる。これにより、粉粒体を含めたホッパーの総重量が減少するので、この減少分をフィードスクリューの回転によって吐出された粉粒体の質量として計量する。そして、所定時間内に吐出された粉粒体の質量が、上記の目標値に照らして少なければフィードスクリューの回転数を増加し、或いは目標値に照らして多ければフィードスクリューの回転数を減少する。
特開2000−55722号公報
特開2002−318152号公報
上記のPI制御を適切に実行するには、フィードスクリューの回転数を算出するための比例定数、及び積分時間等の制御定数を初期設定することが不可欠である。そこで、粉粒体を所謂原料替えした直後等には、フィードスクリューの回転数と、ホッパーから実際に吐出される粉粒体の量との関係を把握するための試運転が行われる。この過程で、ホッパーに蓄積した粉粒体の嵩比重は、ホッパーが満杯の状態から空杯に至るまでの間に変動するので、これをPI制御に反映させることを考慮して、ホッパーが満杯の状態から空杯に至るまで試運転を続行する。この間、定量供給装置の稼動を中断しなければならない。
本発明の目的は、PI制御に係る最適調整を速やかに行える多変数制御の最適化プログラム、及び定量供給装置を提供することにある。
本発明に係る多変数制御の最適化プログラムは、調節手段の出力に比例する制御対象を計測して得られる実測値と、目標値との偏差に基づき算定される制御量を、前記調節手段の出力に加算することにより前記制御対象を負帰還制御するコンピューターに、前記制御対象を一定の時間間隔で繰り返し計測して得られた複数の実測値を、前記制御対象が計測される順番にて複数記録する機能と、複数の変数を含み、且つ前記偏差に基づく制御量を関数として与える多変数制御量演算式を記録する機能と、前記複数の変数に各々代入できる複数の数値を含む数値群を、互いに前記複数の数値を違えて複数通り記録する機能と、前記複数通りの数値群の中から1通りずつ数値群を順次選択し、該1通りの数値群に含まれる前記複数の数値を、前記多変数制御量演算式の複数の変数に各々代入する機能と、前記偏差に基づき前記多変数制御量演算式により与えられる新たな制御量を、前記調節手段の出力に加算した補正値を求め、該補正値と前記実測値の中の個々の実測値との積に比例するシミュレーション値を各々試算する演算処理を、前記複数通りの数値群の中から1通りの数値群を選択する毎に繰り返す機能と、1回毎の前記演算処理により試算される前記複数のシミュレーション値を1つのデータ群として記録することにより、前記演算処理を繰り返すことにより試算される複数の前記シミュレーション値を、複数のデータ群として蓄積する機能と、前記複数のデータ群の中の1つのデータ群毎にそれぞれの標準偏差を算出し、前記複数のデータ群のそれぞれの標準偏差を比較して最小の標準偏差が得られたデータ群を特定する機能と、前記最小の標準偏差が得られるデータ群を試算した前記多変数制御量演算式の複数の変数に各々代入された前記複数の数値を、適正値として認識する機能とを実現させることを特徴とする。
以下のi,jを任意の整数として、本発明に係る多変数制御の最適化プログラムは、調節手段の出力に比例する制御対象を計測して得られる実測値と、目標値との偏差に基づき算定される制御量を、前記調節手段の出力に加算することにより前記制御対象を負帰還制御するコンピューターに、前記制御対象を一定の時間間隔で繰り返し計測して得られた複数の実測値を、前記制御対象が計測される順番にてn個記録する機能と、前記n個の実測値のi番目の実測値W(i)と前記目標値との偏差α(i)を算出する機能と、複数の変数を比例項と積分項に含み、且つ前記偏差に基づく制御量を関数として与える多変数制御量演算式を記録する機能と、前記複数の変数に各々代入できる複数の数値を含む数値群を、互いに前記複数の数値を違えて複数通り記録する機能と、前記複数通りの数値群の中から1通りの数値群を選択し、該1通りの数値群に含まれる前記複数の数値を、前記多変数制御量演算式の複数の変数に各々代入する機能と、前記1通りの数値群の複数の数値を各々代入された前記多変数制御量演算式により、前記偏差α(i)に基づく制御量S(i)を算定し、該制御量S(i)を前記調節手段の出力に加算した補正値R(i+1)を求め、該補正値R(i+1)と(i+1)番目の実測値W(i+1)との積に比例するシミュレーション値Ws(i+1)を求める試算を、n番目のシミュレーション値Ws(n)が得られるまで繰り返す演算処理の機能と、前記複数通りの数値群の中から既に選択された数値群以外の1通りの数値群を順次選択する処理を、前記複数通りの数値群の総てを選択するまで繰り返し、前記演算処理を前記複数通りの数値群について逐一繰り返す機能と、前記演算処理により順次試算される前記シミュレーション値Ws(i+1)乃至Ws(n)を1つのデータ群とし、該1つのデータ群を、前記演算処理が前記複数通りの数値群について逐一繰り返される毎に記録することにより、複数の前記データ群を蓄積する機能と、前記複数のデータ群の中の1つのデータ群毎に標準偏差σを算出し、前記複数のデータ群のそれぞれの標準偏差σを比較して最小の標準偏差σが得られたデータ群を特定する機能と、前記最小の標準偏差σが得られるデータ群を試算した前記多変数制御量演算式に含まれる複数の変数に各々代入された前記複数の数値を、適正値として認識する機能とを実現させることを特徴とする。
更に、前記演算処理は、前記n個の実測値が計測される順番に従って、前記n個の実測値をτ個ずつ区切ることにより、前記n個の実測値の計測に要した時間内に、複数回繰り返す制御周期を割り当てる機能と、前記複数通りの数値群の中から選択される1通りの数値群の複数の数値を各々代入された前記多変数制御量演算式により、前記制御周期の1回目の制御周期T(1)に属する1番目の実測値W(1)と前記目標値との偏差α(1)に基づく制御量S(1)を算定する制御量演算処理を実行し、前記制御量S(1)を前記調節手段の出力に加算した補正値R(2)を求め、該補正値R(2)と2番目の実測値W(2)の積に比例する2番目のシミュレーション値Ws(2)を求める機能と、前記1通りの数値群の複数の数値を各々代入され且つ前記比例項を零とした前記多変数制御量演算式により、前記2番目以降のシミュレーション値Ws(i+1)と前記目標値との偏差α(i+1)に基づく制御量S(i+1)を算定する制御量演算処理を実行し、前記制御量S(i+1)を前記調節手段の出力に加算した補正値R(i+2)を求め、該補正値R(i+2)と(i+2)番目の実測値W(i+2)との積に比例する(i+2)番目のシミュレーション値Ws(i+2)を求める試算を、(τ+1)番目のシミュレーション値Ws(τ+1)が得られるまで繰り返す初回周期内演算処理の機能と、前記1通りの数値群の複数の数値を各々代入された前記多変数制御量演算式により、前記1回目の制御周期T(1)又は2回目以降の制御周期T(j)に属する最後のシミュレーション値Ws(jτ+1)と前記目標値との偏差α(jτ+1)に基づく制御量S(jτ+1)を算定する制御量演算処理を実行し、前記制御量S(jτ+1)を前記調節手段の出力に加算した補正値R(jτ+2)を求め、該補正値R(jτ+2)と(jτ+2)番目の実測値W(jτ+2)の積に比例するシミュレーション値Ws(jτ+2)を求める機能と、前記1通りの数値群の複数の数値を各々代入され且つ前記比例項を零とした前記多変数制御量演算式により、前記シミュレーション値Ws(jτ+2)と前記目標値との偏差α(jτ+2)に基づく制御量S(jτ+2)を算定する制御量演算処理を実行し、前記制御量S(jτ+2)を前記調節手段の出力に加算した補正値R(jτ+3)を求め、該補正値R(jτ+3)と(jτ+3)番目の実測値W(jτ+3)の積に比例するシミュレーション値Ws(jτ+3)を求める試算を、(jτ+τ+1)番目のシミュレーション値Ws(jτ+τ+1)が得られるまで繰り返す後続周期内演算処理の機能とを前記コンピューターに実現させることを特徴としても良い。
前記制御量演算処理は、前記多変数制御量演算式の比例項及び積分項を、それぞれ比例定数κ、傾向定数kh、及び積分時間tを変数として含む{α(i)×κ}、及びα{(i)×κ/t}として記録する機能と、S(i)=[{α(i)×κ}+{α(i)×κ/t}]×khを計算することにより、前記偏差α(i)の値に対して与えられる関数S(i)を、前記制御量として導出する機能と、を前記コンピューターに実現させることを特徴としても良い。
更に、本発明に係る多変数制御の最適化プログラムは、前記比例定数κ、積分時間t、及び制御周期Tの数値を各々1個ずつ対応させて記録することにより、1通りの前記数値群を形成し、該1通りの数値群を相互に識別可能に複数通り記録する機能を、前記コンピューターに実現させることを特徴としても良い。
また、本発明に係る定量供給装置は、調節手段の出力に比例する制御対象を計測して得られる実測値と、目標値との偏差に基づき算定される制御量を、前記調節手段の出力に加算することにより前記制御対象を負帰還制御するコンピューターと、前記制御対象として粉粒体が投入されるホッパーと、前記ホッパーの底部に設けられ、前記調節手段の出力に応答して回転数が増減する電動機と共に回転するフィードスクリューと、前記フィードスクリューの回転数に比例して前記ホッパーから吐出される前記制御対象の質量を、前記実測値として計量する計量手段と、前記多変数制御の最適化プログラムを記録した記録媒体とを備えることを特徴とする。
本発明に係る多変数制御の最適化プログラムによれば、調節手段の出力に比例するあらゆる制御対象に関する温度、圧力、比重、電圧、又は流量等の物理量を計測して得られる実測値と、所望の値に設定可能な目標値との偏差に基づき制御量を算定し、これを調節手段の出力に加算することにより、あらゆる制御対象を負帰還制御することができる。
例えば、この最適化プログラムを定量供給装置に適用すれば、ホッパーが満杯の状態から空杯に至るまでの間に同ホッパーに蓄積した粉粒体の嵩比重が変動しても、フィードスクリューの回転数を算出するための比例定数や積分時間等を、オペレータが小刻みに設定し直す雑作を省くことができる。また、比例定数や積分時間等の設定が、試運転を伴うことなく達成できるという利点が得られるので、粉粒体を供する製造ライン等を休止するような無駄を省き、生産性の向上に大きく寄与することになる。
本実施の形態に係る多変数制御の最適化プログラム、及び定量供給装置について、先ずは概要を述べた上で、その詳細を実施例として説明する。
図1は定量供給装置の概略を表している。この定量供給装置は、合成樹脂製品の原料となる粉粒体1が投入されるホッパー2と、ホッパー2の底部に設けられ回転数に比例する質量(以下で「吐出量」と記す。)の粉粒体1をホッパー2から吐出するフィードスクリュー3と、この吐出量を計量する計量手段4と、計量手段4が計量した吐出量に基づきフィードスクリュー3の回転数を負帰還制御する制御装置5を備える。
制御装置5は、この最適化プログラムに基づき、以下の演算ステップを実行する。即ち、フィードスクリュー3の回転数と吐出量との関係には、フィードスクリュー3に固有の特性が反映される。フィードスクリュー3が1回転する間にホッパー2の外部へ粉粒体1が吐出される吐出量[g/s]は、予め目標値(「1ピッチ当りの体積」×「粉粒体1の嵩比重」×「充満率」)として定められる。ところが、実際の吐出量は、粉粒体1のロット毎の嵩比重の変化やホッパー2内での粉粒体1の高さの変化による充満率の変動の影響を受けるので、一定の値とはならない。
そこで、図2に示すように、実際にフィードスクリュー3が1秒当りにR回転する間の吐出量を一定の時間間隔で5分間計測して、300個の実測値W(1),W(2),…W(300)をサンプリングする。この過程で、吐出量をフィードスクリュー3の1回転当りの吐出量に換算して、換算値Wr(1),Wr(2),…Wr(300)を得ると共に、最初の実測値W(1)と、オペレータが任意に設定可能な設定吐出量である目標値Qとの偏差α(1)に基づき、制御量S(1)を算出する。
更に、サンプリング時の最初のフィードスクリュー3の回転数Rm(1)に制御量S(1)を加算した補正値として補正回転数R(2)を算出し、この補正回転数R(2)にてフィードスクリュー3を回転させたとして、1秒間の吐出量Ws(2)を試算する。次回からは、この試算された吐出量Ws(2)と目標値Qとの偏差α(2)を基に、後述の「比例定数κ」「傾向定数kh」及び「積分時間t」を変数として含む多変数制御量演算式に従い1秒間の吐出量Ws(3)を試算する。このように試算される吐出量Ws(3),Ws(4),…Ws(11)を、以下でシミュレーション値と称する。
また、図2中でτ=5としたのは、300個(n=300)の実測値W(1)乃至W(300)が計測される順番に従って、これらが5個ずつ区切られたことを例示している。また、300個の実測値W(1)乃至W(300)の計測に要した5分間に割り当てられる個々の制御周期の時間的長さは総て5秒となるので、以下の説明では、個々の制御周期の時間的長さを代数Tで表し、個々の制御周期を区別する指標としてT(1),T(2),T(j)を用いる。
このように制御周期Tを5秒に設定した場合、1回目の制御周期T(1)の最初の制御量S(1)は、偏差α(2)に、予め補正率として準備された「比例定数κ」を乗じて算出されるが、1回目の制御周期T(1)の2番目から5番目の補正回転数R(3),…R(6)は、後述の多変数制御量演算式に従い順次算出され、これらの補正回転数R(3),…R(6)にてフィードスクリュー3を回転させたとして、換算値Wr(2),…Wr(5)を基に、2番目から5番目のシミュレーション値Ws(3),…Ws(6)を算出する。
2回目の制御周期T(2)の最初、言い換えれば6番目の制御量S(6)は、1回目の制御周期T(1)の最後に得たシミュレーション値Ws(6)と目標値Qとの偏差α(6)に、予め準備された「比例定数κ」を乗じて算出されるが、7番目から10番目の補正回転数R(8),…R(11)は、後述の多変数制御量演算式に従い順次算出され、これらの補正回転数にてフィードスクリュー3を回転させたとして、換算値Wr(7),…Wr(10)を基に、7番目から10番目のシミュレーション値Ws(8),…Ws(11)を算出する。
以上の試算を個々の制御周期T(1),T(2)毎に繰り返すことで、最終的に300個のシミュレーション値Ws(2),…Ws(300)から成るデータ群を得ることができる。
更に、最適化プログラムは、後述の多変数制御量演算式に係る「比例定数κ」「積分時間t」及び「制御周期T」の値を逐次に変更し、上記のデータ群を例えば153通り算出し、これらのデータ群毎に、それぞれのシミュレーション値Ws(2),…Ws(300)についての標準偏差を求める演算ステップを繰り返す。そして、制御装置5は、153回繰り返した演算ステップの中で、最小の標準偏差が得られた「制御周期T」「比例定数κ」及び「積分時間t」を適正値として認識する。
図1及び図2を参照しながら本発明に係る実施例を述べる。以下で、多変数制御の最適化プログラムの実行に不可欠なハードウェア資源の他、周知の技術については、その説明又は図示を省略する。また、文頭に付した英文字は、この最適化プログラムによるシュミレーションの演算ステップを区分する指標である。
計量手段4には、粉粒体1、ホッパー2、及びフィードスクリュー3を含む総重量を常時モニターするロードセルを適用しても良い。この場合、制御装置5が、原料供給装置6の原料供給口に設けた電磁開閉バルブ7を開放すると、粉粒体1がホッパー2へ投入される。この後、ホッパー2の上部に配置した満杯センサ8が粉粒体1を検出すると、制御装置5はホッパー2が満杯に達したと判断して電磁開閉バルブ7を閉鎖する。制御装置5は、この時点の総重量を初期値として記録し、フィードスクリュー3が回転することにより粉粒体1がホッパー2から外部へ吐出される過程で、初期値から刻々と減少する総重量の減少分を、吐出量として認識する。
更に粉粒体1が吐出され、ホッパー2の下部に配置された空杯センサ9が、粉粒体1を検出しない高さまで、粉粒体1の嵩が減少すると、制御装置5はホッパー2が空杯に達したと判断して電磁開閉バルブ7を再び開放し、以上の動作を繰り返すことになる。
制御装置5は、最適化プログラムが記録されたメモリーチップ又はハードディスク等から成る記録媒体10と、CPU等から成る演算部と、この演算部が最適化プログラムの実行に伴う諸情報を適時読み込み可能な記録部と、後述の調節手段の制御動作に係る諸変数を上記の適正値に基づき設定又は変更する出力インターフェースとを備えるコンピューターである。
本実施例で適用する調節手段は、工業プロセス用調整計として市販されている汎用品でも良い。また、本実施例では、このような調節手段は、専らその出力信号の強弱に応答させて電動機11の回転数を増減し、電動機11と共に回転するフィードスクリュー3の回転数を制御(増減)するよう構成しているが、あらゆる制御対象物のPI制御にも広く応用することができる。
A:最適化プログラムを実行するには、ある一定の時間間隔にてサンプリングを実施する。即ち、フィードスクリュー3の回転数R[rpm]を一定に保持し、例えば0.1秒毎の時間間隔にて、粉粒体1の吐出量[g/s]を計量手段4によりサンプリングする。この継続時間を、例えば約5分(300秒)に設定すると、次式中に代数として記した3,000個の実測データd1,d2,…d3000が得られる。これらの実測データは計量手段4から制御装置5の記録部へ伝送され、記録部に蓄積される。
上記約5分の継続時間は、ホッパー2が満杯の状態から空杯になるまでの時間に略等しく、この間に粉粒体1の嵩比重、充満率が変化して吐出量に与える影響を、実測データd1,d2,…d3000に反映させることを企図している。従って、ホッパー2の容量に応じて、継続時間は適切に増減することが望ましい。また、上記の時間間隔も0.1秒には限定されず、0.1秒〜0.5秒程度に増減しても良い。
C:更に、吐出量W(1),W(2),…W(300)について、その5個ずつの移動平均値としてW(1)’,W(2)’…,W(296)’[g/s]を次式に従い算出しても良いが、この演算処理は本実施例では省略する。ここで、移動平均値とは、上記データ中の最初のデータW(1)に続く4個のデータを含めた5個(5秒の時間幅に相当)のデータの平均値を算出し、次いでW(2)に続く4個のデータを含めた5個のデータの平均値を算出し、最終的にW(296)に続くW(300)までを含めた5個のデータの平均値が得られるまで、同様の演算を繰り返して得られる。
尚、実際には、粉粒体1の吐出量は小刻みに変動する。これに起因してPI制御が適正に実行できない場合を考慮して、上記A又はBのステップにおいても、移動平均の演算を数回繰り返すことにより、実測データの移動平均値を導出することが望ましい。また、上記Cのステップの移動平均を算出する5秒の時間幅は、計量手段4の感度又は精度を勘案して適宜に変更しても良い。例えば、ロードセルの検出精度が上記5秒の時間幅の移動平均値では、制御可能な精度に到達しない時、又はロードセルが検出したデータが不安定でそれに基づく制御が困難であると認められる場合は、移動平均の時間幅を6秒以上に延長しても良い。
D:上記Aのステップにおいて、フィードスクリュー3の回転数Rは実際には僅に変動するが、制御装置5は、回転数Rを初期回転数Rm(1)として認識する。この初期回転数の符号に添えた「m」は、図に表していない例えば回転速度計等によりフィードスクリュー3の回転数を実測したことを意味する指標である。
F:回転数Rm(1)で回転するフィードスクリュー3によって吐出される粉粒体1の吐出量の目標値Qと、フィードスクリュー3によって実際に吐出された粉粒体1の吐出量W(1)との偏差α(1)[g/s]を次式に従い算出する。
G:1回目の制御周期T(1)の最初の制御量S(1)を次式に従い算出する。次式は、偏差α(i)に対して制御量S(i)を関数として与える多変数制御量演算式であり、「比例定数κ」「傾向定数kh」及び「積分時間t」を変数として含んでいる。この多変数制御量演算式の比例項は{α(i)×κ}であり、積分項は{α(i)×κ/t}である。ここで「i」は、1以上の任意の整数を意味し、実測値W(1)乃至W(300)が計測される順番に合致する。
例えば、比例定数κ=0.1(10%)、傾向定数kh=1、積分時間t=1とすれば、S(1)=α(1)×0.1+α(1)×0.1となる。或いは、比例定数κ=0.2、傾向定数kh=1、積分時間t=∞とすると、S(1)=α(1)×0.2となる。
K:1回目の制御周期T(1)の2番目の制御量S(2)を、既述の多変数制御量演算式の比例項を零、即ち{α(i)×κ}=0とした次式に従い算出する。つまり、2番目の制御量S(2)は、上記の多変数制御量演算式の積分項にのみ依存する。次式に記したkhの値については後述する。
L:更に、次式に従って、補正回転数R(2)に制御量S(2)を加算して補正回転数R(3)を算出し、続いて、フィードスクリュー3を補正回転数R(3)で回転させたとして、シミュレーション値Ws(3)を試算する。
M:上記のように「制御周期T」を5秒に設定した場合は、i=5=τに達するまでWs(i+1)の試算を4回繰り返すことにより、シミュレーション値Ws(4)乃至Ws(6)を順次算出する。これを次式に表している。
上記J〜Mのステップは、2番目以降のシミュレーション値Ws(i+1)と、目標値Qとのそれぞれ偏差α(i+1)に基づく制御量S(i+1)を算定し、この制御量S(i+1)を調節手段の出力に加算することにより、補正回転数R(i+2)を求め、補正回転数R(i+2)にてフィードスクリュー3を回転させたとして、新たなシミュレーション値Ws(i+2)の試算を繰り返すことにより、最終的に、シミュレーション値Ws(τ+1)、即ちWs(6)を得る初回周期内演算処理を含んでいる。
N:2回目の制御周期T(2)の最初、言い換えれば6番目の制御量S(6)は、1回目の制御周期T(1)の最後に得たシミュレーション値Ws(6)と目標値Qとの偏差α(6)を基に、上記Gのステップと実質的に同様の演算を繰り返して得られる。これを、上記Gのステップに倣って比例定数κ=0.2、傾向定数kh=1、積分時間t=∞とすると、S(6)=α(1)×0.2となる。更に、制御量S(6)を基に、上記Lのステップと実質的に同様の演算を繰り返して、6番目のシミュレーション値Ws(7)を求めた後、7番目以降のシミュレーション値Ws(8),…Ws(11)を順次求める。これを次式が表している。
O:上記Lのステップと実質的に同様の演算を再び繰り返すことにより、2回目の制御周期T(2)の最後に得たシミュレーション値Ws(11)と目標値Qとの偏差α(11)に基づき3回目の制御周期T(3)の最初の制御量S(11)を求め、更に11番目のシミュレーション値Ws(12)を求めた後、12番目以降のシミュレーション値Ws(13),…Ws(16)を順次求める。
上記Oのステップは、制御周期の回数を「j」で表すと、2回目の制御周期T(2)の最後に属するシミュレーション値Ws(11)、即ちWs(jτ+1)と目標値Qとの偏差α(jτ+1)に基づく制御量S(jτ+1)を算定し、更に、制御量S(jτ+1)を調節手段の出力に加算した補正値R(jτ+2)を求め、補正値R(jτ+2)と(jτ+2)番目の実測値W(jτ+2)の積に比例するシミュレーション値Ws(jτ+2)、次いでWs(jτ+3)を求める試算を繰り返すことにより、最終的に、シミュレーション値Ws(jτ+τ+1)、即ちWs(16)を得る後続周期内演算処理を含んでいる。
以上の演算処理を総ての制御周期毎に繰り返すことにより、最終的にシミュレーション値Ws(300)を得ることができる。
尚、上記Gのステップで傾向定数kh=1として定めたが、2番目以降の制御量S(i≧2)を算出する場合には、傾向定数khが表1に基づき逐一決定される。表1は、括弧内のkが実測値である吐出量の順番に対応する整数を表している。表1中のA1は、k番目の吐出量Ws(k)とその1つ前の吐出量Ws(k−1)の差であり、表1中のA2は、吐出量Ws(k−1)とその更に1つ前の吐出量Ws(k−2)の差である。
例えば、上記Oのステップで、制御装置5がA1,A2の値の変化に対応する傾向ウェイトkwを選択すると、傾向ウェイトkwは1〜5まで5段階に定められているので、制御装置5は、このような傾向ウェイトkwを、同表の右欄に記載の換算式に代入して、傾向定数khを算出することができる。但し、kの値が2以下でWs(k−1)又はWs(k−2)に該当するデータが無い時、つまり、上記Gのステップのようにシミュレーションの1回目の制御周期T(1)に相当する時のみ傾向定数kh=1とする。
また、傾向定数khは、シミュレーション値を基にして判定されるものであり、毎回の制御周期の初回に制御装置5が傾向定数khの値を確認する。また、傾向定数khは、既に行われた制御の結果により吐出量の変化が如何なる傾向を示すかを観察して、次の制御に反映させる指数としての役割を果たす。この場合、1回目の制御周期T(1)の2番目以降の制御量S(i)を、一般式として次式のように表すことができる。
P:制御装置5は、上記のW(1)をシミュレーション値Ws(1)と見做し、その記録部に、上記Oのステップまでに求められた300個のシミュレーション値Ws(1),…Ws(300)を1つのデータ群として保存する。
Q:上記Gのステップで例示した「比例定数κ」「積分時間t」及び上記Mのステップで例示した「制御周期T」の値を逐次入れ替えながら、上記G〜Oのステップを繰り返して、データ群を複数通り形成する。
これには先ず、制御装置5の記録部に「比例定数κ」「積分時間t」及び「制御周期T」の値を各々1個ずつ対応させて記録することにより、1通りの数値群を形成する。例えば、制御周期T=2秒;比例定数κ=10%;積分時間t=10秒として1通り目の数値群を形成する。続いて、制御周期T=3秒;比例定数κ=20%;積分時間t=20秒として2通り目の数値群を形成し、制御周期T=4秒;比例定数κ=30%;積分時間t=30秒として3通り目の数値群を形成する。
この要領で、制御周期Tの値を2秒〜10秒の範囲で1秒刻みに9通り準備し、比例定数κの値を10%〜120%の範囲で10%刻みに12通り準備し、積分時間tを10秒〜450秒の範囲で10秒刻みに45通り準備すると、後述の理由で153(=9×12+45)通りの組み合わせができる。更に、153通りの数値群を、その中の個々の数値群が相互に識別できるように、1通りの数値群毎に1から153までの番号を付す等して、制御装置5の記録部に記録する。
R:上記の153通りのデータ群毎に、それぞれのシミュレーション値Ws(2),…Ws(300)について、次式に従い153通りの標準偏差σ(1),σ(2),…σ(153)を求める。これらの標準偏差は、それぞれに対応する「比例定数κ」「積分時間t」及び「制御周期T」の値と共に、制御装置5の記録部に逐一保存される。
S:制御装置5は、標準偏差σ(1),σ(2),…σ(153)の中から、標準偏差σが最小となるデータ群として、例えば図3に示すようにσ(32)を特定し、これに対応する「制御周期T」「比例定数κ」及び「積分時間t」の値を記録部から呼び出し、これらを適正値として認識する。
好ましくは、σ(32)に対応する「制御周期T」「比例定数κ」及び「積分時間t」を更に細かくシミュレーションしても良い。例えば、σ(32)が得られた30%の比例定数κを、図3に示すように、その上下5%の範囲で1%刻みに変化させて、新たに10通りのデータ群を算出し、これらの中から標準偏差σが最小となるデータ群を選択しても良い。
更に、制御装置5は、図1に表した定量供給装置の調節手段の目標値が上記の適正値に合致するように、操作信号(調節手段出力)によって調整する。これにより、同調節手段に係る最適調整を、オペレータの手を煩わせることなく、演算部が情報処理に要する数十秒の短時間で行える。また、定量供給装置の稼動を中断させなくて済むという利点が得られる。
本実施例は、既述の実施例1のK〜Oのステップを変更したものであり、この変更点のみを以下に記載する。
K’:上記の多変数制御量演算式の比例項を{α(i)×κ}=0とし、且つその積分項でα(i)=α(1)とした次式に従って、1回目の制御周期T(1)の2番目以降の制御量S(2),S(3),…S(i)を順次算出する。例えば、制御周期T=5秒に設定する場合には、制御量S(5)まで算出する。
ここで、khの値を、それぞれkh(2),kh(3),…kh(i)として区別したのは、制御量S(2),S(3),…S(i)の式を得る毎に、表1に基づきkhの値が逐次に決定されることを明記するためである。この場合、1回目の制御周期T(1)の2番目以降の制御量S(i)を、一般式として次式のように表すことができる。
L’:補正回転数R(2)に制御量S(2)を加算して補正回転数R(3)を算出し、フィードスクリュー3を補正回転数R(3)で回転させたとして、シミュレーション値Ws(3)=Wr(3)×R(3)を試算する。
上記K’及びL’のステップは、iを整数として個々のシミュレーション値Ws(i)と、目標値Qとのそれぞれ偏差α(i)を算出する点は、既述の実施例1と同様であるが、制御量S(i)を、最初の偏差α(1)とkh(i)に基づき算定する点で異なる。
O’:2回目の制御周期T(2)の最初、言い換えれば6番目の制御量S(6)は、1回目の制御周期T(1)の最後に得たシミュレーション値Ws(6)と目標値Qとの偏差α(6)を基に、上記Gのステップと実質的に同様の演算を繰り返して得られる。更に、6番目のシミュレーション値Ws(7)は、制御量S(6)を基に、上記K’のステップと実質的に同様の演算を繰り返して得られる。
更に、上記L’のステップと実質的に同様の演算を繰り返して7番目以降のシミュレーション値Ws(8),…Ws(11)を順次求め、最終的にシミュレーション値Ws(300)が得られる。この後、制御装置5は上記Oのステップを実行する。
次に、図1に表した定量供給装置のPI制御による運転中に、上記の適正値を再設定する場合について説明する。
T:フィードスクリュー3の回転数が、制御装置5により既に回転数Rに設定されている状態で、サンプリングを継続する。このサンプリングは、フィードスクリュー3が単位時間(1秒)当りに吐出する吐出量W(i)を計測しながら、この計測に同期して、吐出量W(i)の値が得られた時のフィードスクリュー3の回転数Rm(i)を計測する。この回転数の符号に添えた「m」は、既述の演算結果であるR(2),…R(300)に対して、フィードスクリュー3の回転数が実測によることを区別する指標である。
上記のサンプリングで得られる吐出量W(i)、及び回転数Rm(i)のそれぞれの個数を、例えば300を超えないよう設定しても良い。これは、制御装置5の記録部の容量には限りがあるので、サンプリングを開始してから5分経過した時点で、既に記録部に蓄積された実測データ、及び回転数データを、それぞれ古い順に最新の実測データ、及び回転数データで更新するためである。従って、適正値を再設定しようとするオペレータの指令により、制御装置5の演算部が記録部にアクセスすると、その時点から5分遡る間にサンプリングされた実測データW(i)、及び回転数データRm(i)を演算部は読み込むことになる。
U:制御装置5は、上記Dのステップに記した回転数Rを、今度はR=Rm(i)に置き換えて、既述のF〜Sのステップを実行して、適正値を再設定する。
尚、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々なる改良、修正、変形を加えた態様で実施できる。例えば、上記のサンプリングの時間間隔、諸データの個数、又は演算に係る変数については、説明の便宜を考慮した数値を羅列したに過ぎず、以上に例示した数値によって本発明の実施される条件、又は最適化プログラムの動作環境が限定されると解すべきではない。また、本発明は、制御装置5、最適化プログラムを記録した記録媒体10、及び本実施例に適用した調節手段を一体化し、この一体化された装置の出力信号により、何らかの対象物のPI制御を行うような技術思想を包括する。
また、上記の数値群を153通りとしたのは以下に根拠する。即ち、制御装置5の演算処理の高速化が可能であれば、9通りの制御周期T、12通りの「比例定数κ」及び45通りの「制御周期T」の総てを組み合わせた4,860(=9×12×45)通りのデータ群を算出しても良い。或いは、「積分時間t」を10秒〜100秒の範囲で10秒刻みとし、100秒〜450秒の範囲で50秒刻みに変更すれば、「積分時間t」が16通りに減少することになり、1,728(=9×12×16)通りのデータ群を算出することができる。
しかしながら、一般のプログラマブル・コントローラ、又はパーソナル・コンピューター等のCPUの性能を勘案すると、データ群を150通り前後に設定するのが好ましい。そこで、積分時間t=∞(積分項=0)で固定した条件で、「比例定数κ」及び「制御周期T」の組み合わせのみを替えながら上記Q〜Sのステップを実行して、標準偏差σが最小となるデータ群を特定し、これに対応する「制御周期T」及び「比例定数κ」の値を記録部から適正値として呼び出す段階と、この適正値にて「制御周期T」及び「比例定数κ」の値を固定し、「積分時間t」のみを入れ替えながら上記Q〜Sのステップを実行して、再び標準偏差σが最小となるデータ群を特定する段階を経て、「積分時間t」「比例定数κ」及び「制御周期T」の総てについて適正値を定めると、数値群は実質的に153通りの組み合わせとなる。
本発明は、電動機等の回転数の制御に限られるものでなく、調整弁の開閉、加熱又は冷凍機器の温度調節等の制御に広く応用することができる。また、本発明は自動最適化設定装置、即ち、最適化プログラムを調節手段(コントローラ)に内蔵し、原料替えの時は勿論のこと、定期又は定刻にオペレータの指令によらず自動的にシミュレーションを行うことで、PI制御に係る最適調整の完全自動化を実現することもできる。
1:粉粒体
2:ホッパー
3:フィードスクリュー
4:計量手段
5:制御装置
6:原料供給装置
7:電磁開閉バルブ
8:満杯センサ
9:空杯センサ
10:記録媒体
11:電動機
2:ホッパー
3:フィードスクリュー
4:計量手段
5:制御装置
6:原料供給装置
7:電磁開閉バルブ
8:満杯センサ
9:空杯センサ
10:記録媒体
11:電動機
Claims (6)
- 調節手段の出力に比例する制御対象を計測して得られる実測値と、目標値との偏差に基づき算定される制御量を、前記調節手段の出力に加算することにより前記制御対象を負帰還制御するコンピューターに、
前記制御対象を一定の時間間隔で繰り返し計測して得られた複数の実測値を、前記制御対象が計測される順番にて複数記録する機能と、
複数の変数を含み、且つ前記偏差に基づく制御量を関数として与える多変数制御量演算式を記録する機能と、
前記複数の変数に各々代入できる複数の数値を含む数値群を、互いに前記複数の数値を違えて複数通り記録する機能と、
前記複数通りの数値群の中から1通りずつ数値群を順次選択し、該1通りの数値群に含まれる前記複数の数値を、前記多変数制御量演算式の複数の変数に各々代入する機能と、
前記偏差に基づき前記多変数制御量演算式により与えられる新たな制御量を、前記調節手段の出力に加算した補正値を求め、該補正値と前記実測値の中の個々の実測値との積に比例するシミュレーション値を各々試算する演算処理を、前記複数通りの数値群の中から1通りの数値群を選択する毎に繰り返す機能と、
1回毎の前記演算処理により試算される前記複数のシミュレーション値を1つのデータ群として記録することにより、前記演算処理を繰り返すことにより試算される複数の前記シミュレーション値を、複数のデータ群として蓄積する機能と、
前記複数のデータ群の中の1つのデータ群毎にそれぞれの標準偏差を算出し、前記複数のデータ群のそれぞれの標準偏差を比較して最小の標準偏差が得られたデータ群を特定する機能と、
前記最小の標準偏差が得られるデータ群を試算した前記多変数制御量演算式の複数の変数に各々代入された前記複数の数値を、適正値として認識する機能と、
を実現させることを特徴とする多変数制御の最適化プログラム。 - 調節手段の出力に比例する制御対象を計測して得られる実測値と、目標値との偏差に基づき算定される制御量を、前記調節手段の出力に加算することにより前記制御対象を負帰還制御するコンピューターに、
前記制御対象を一定の時間間隔で繰り返し計測して得られた複数の実測値を、前記制御対象が計測される順番にてn個記録する機能と、
前記n個の実測値のi番目の実測値W(i)と前記目標値との偏差α(i)を算出する機能と、
複数の変数を比例項と積分項に含み、且つ前記偏差に基づく制御量を関数として与える多変数制御量演算式を記録する機能と、
前記複数の変数に各々代入できる複数の数値を含む数値群を、互いに前記複数の数値を違えて複数通り記録する機能と、
前記複数通りの数値群の中から1通りの数値群を選択し、該1通りの数値群に含まれる前記複数の数値を、前記多変数制御量演算式の複数の変数に各々代入する機能と、
前記1通りの数値群の複数の数値を各々代入された前記多変数制御量演算式により、前記偏差α(i)に基づく制御量S(i)を算定し、該制御量S(i)を前記調節手段の出力に加算した補正値R(i+1)を求め、該補正値R(i+1)と(i+1)番目の実測値W(i+1)との積に比例するシミュレーション値Ws(i+1)を求める試算を、n番目のシミュレーション値Ws(n)が得られるまで繰り返す演算処理の機能と、
前記複数通りの数値群の中から既に選択された数値群以外の1通りの数値群を順次選択する処理を、前記複数通りの数値群の総てを選択するまで繰り返し、前記演算処理を前記複数通りの数値群について逐一繰り返す機能と、
前記演算処理により順次試算される前記シミュレーション値Ws(i+1)乃至Ws(n)を1つのデータ群とし、該1つのデータ群を、前記演算処理が前記複数通りの数値群について逐一繰り返される毎に記録することにより、複数の前記データ群を蓄積する機能と、
前記複数のデータ群の中の1つのデータ群毎に標準偏差σを算出し、前記複数のデータ群のそれぞれの標準偏差σを比較して最小の標準偏差σが得られたデータ群を特定する機能と、
前記最小の標準偏差σが得られるデータ群を試算した前記多変数制御量演算式に含まれる複数の変数に各々代入された前記複数の数値を、適正値として認識する機能と、
を実現させることを特徴とする多変数制御の最適化プログラム。 - 前記演算処理は、
前記n個の実測値が計測される順番に従って、前記n個の実測値をτ個ずつ区切ることにより、前記n個の実測値の計測に要した時間内に、複数回繰り返す制御周期を割り当てる機能と、
前記複数通りの数値群の中から選択される1通りの数値群の複数の数値を各々代入された前記多変数制御量演算式により、前記制御周期の1回目の制御周期T(1)に属する1番目の実測値W(1)と前記目標値との偏差α(1)に基づく制御量S(1)を算定する制御量演算処理を実行し、前記制御量S(1)を前記調節手段の出力に加算した補正値R(2)を求め、該補正値R(2)と2番目の実測値W(2)の積に比例する2番目のシミュレーション値Ws(2)を求める機能と、
前記1通りの数値群の複数の数値を各々代入され且つ前記比例項を零とした前記多変数制御量演算式により、前記2番目以降のシミュレーション値Ws(i+1)と前記目標値との偏差α(i+1)に基づく制御量S(i+1)を算定する制御量演算処理を実行し、前記制御量S(i+1)を前記調節手段の出力に加算した補正値R(i+2)を求め、該補正値R(i+2)と(i+2)番目の実測値W(i+2)との積に比例する(i+2)番目のシミュレーション値Ws(i+2)を求める試算を、(τ+1)番目のシミュレーション値Ws(τ+1)が得られるまで繰り返す初回周期内演算処理の機能と、
前記1通りの数値群の複数の数値を各々代入された前記多変数制御量演算式により、前記1回目の制御周期T(1)又は2回目以降の制御周期T(j)に属する最後のシミュレーション値Ws(jτ+1)と前記目標値との偏差α(jτ+1)に基づく制御量S(jτ+1)を算定する制御量演算処理を実行し、前記制御量S(jτ+1)を前記調節手段の出力に加算した補正値R(jτ+2)を求め、該補正値R(jτ+2)と(jτ+2)番目の実測値W(jτ+2)の積に比例するシミュレーション値Ws(jτ+2)を求める機能と、
前記1通りの数値群の複数の数値を各々代入され且つ前記比例項を零とした前記多変数制御量演算式により、前記シミュレーション値Ws(jτ+2)と前記目標値との偏差α(jτ+2)に基づく制御量S(jτ+2)を算定する制御量演算処理を実行し、前記制御量S(jτ+2)を前記調節手段の出力に加算した補正値R(jτ+3)を求め、該補正値R(jτ+3)と(jτ+3)番目の実測値W(jτ+3)の積に比例するシミュレーション値Ws(jτ+3)を求める試算を、(jτ+τ+1)番目のシミュレーション値Ws(jτ+τ+1)が得られるまで繰り返す後続周期内演算処理の機能と、
を前記コンピューターに実現させることを特徴とする請求項1又は2に記載の多変数制御の最適化プログラム。 - 前記制御量演算処理は、前記多変数制御量演算式の比例項及び積分項を、それぞれ比例定数κ、傾向定数kh、及び積分時間tを変数として含む{α(i)×κ}、及びα{(i)×κ/t}として記録する機能と、
S(i)=[{α(i)×κ}+{α(i)×κ/t}]×khを計算することにより、前記偏差α(i)の値に対して与えられる関数S(i)を、前記制御量として導出する機能と、
を前記コンピューターに実現させることを特徴とする請求項3に記載の多変数制御の最適化プログラム。 - 前記比例定数κ、積分時間t、及び制御周期Tの数値を各々1個ずつ対応させて記録することにより、1通りの前記数値群を形成し、該1通りの数値群を相互に識別可能に複数通り記録する機能を、前記コンピューターに実現させることを特徴とする請求項1、2、3、又は4に記載の多変数制御の最適化プログラム。
- 調節手段の出力に比例する制御対象を計測して得られる実測値と、目標値との偏差に基づき算定される制御量を、前記調節手段の出力に加算することにより前記制御対象を負帰還制御するコンピューターと、
前記制御対象として粉粒体が投入されるホッパーと、
前記ホッパーの底部に設けられ、前記調節手段の出力に応答して回転数が増減する電動機と共に回転するフィードスクリューと、
前記フィードスクリューの回転数に比例して前記ホッパーから吐出される前記制御対象の質量を、前記実測値として計量する計量手段と、
前記請求項1、2、3、4又は5に記載の多変数制御の最適化プログラムを記録した記録媒体とを備えることを特徴とする定量供給装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004145315A JP2005327118A (ja) | 2004-05-14 | 2004-05-14 | 多変数制御の最適化プログラム、及び定量供給装置 |
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Publications (1)
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