JP2005326561A - 光波長合分波器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型で、かつ、損失が小さい光波長合分波器を提供するものである。
【解決手段】 本発明に係る光波長合分波器10は、少なくとも1個の入力用チャネル導波路12と、その入力用チャネル導波路12に接続される入力側スラブ導波路13と、少なくとも1個の出力用チャネル導波路16と、その出力用チャネル導波路16に接続される出力側スラブ導波路15と、入力側スラブ導波路13及び出力側スラブ導波路15を接続する複数個の移相用チャネル導波路14とを備えたものであって、各移相用チャネル導波路14を、入力側スラブ導波路13及び出力側スラブ導波路15よりも大きな屈折率を有する石英系材料で構成したものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光波長合分波器に係り、特に、波長分割多重方式の光通信に用いられる光波長合分波器に関するものである。
光通信の分野では、複数の信号を別々の波長の信号光にのせ、1本の光ファイバで伝送して情報容量を増加する波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)方式が用いられている。このWDM方式においては、異なる波長の信号光を合分波する光波長合分波器が主要な役割を果たしている。特に、マッハ・ツェンダ干渉計やアレイ導波路型回折格子を用いた光波長合分波器(AWG(Arrayed Waveguide Grating)光合分波器)は、波長間隔の狭い複数の信号光を合分波することが可能であることから、通信波長の多重数を容易に大きくでき、通信容量を大きくできるという利点を有している。
一般的なアレイ導波路型回折格子を用いた光波長合分波器は、図7に示すように、基板71上に、入力側スラブ導波路73及び出力側スラブ導波路75と、入力側スラブ導波路73の一端側に接続された入力用チャネル導波路72と、出力側スラブ導波路75の一端側に接続された出力用チャネル導波路76と、入力側スラブ導波路73及び出力側スラブ導波路75の他端側同士を接続する複数個の移相用チャネル導波路74とで構成される光回路77を有している。
入力用チャネル導波路72から入力された光波は、入力側スラブ導波路73内を伝搬し、各移相用チャネル導波路74に入射される。光波は、各移相用チャネル導波路74を伝搬する際に位相変化を受け、出力側スラブ導波路75に入射される。出力側スラブ導波路75内の光波は干渉し、出力用チャネル導波路76に到達し、出力される。この時、光波の干渉パターンが波長により異なるため、光合分波が実現される。
通常の材料を用いて光回路を構成した場合、温度が変化すると、熱光学効果によって材料の屈折率が変化する。これにより、各移相用チャネル導波路の等価屈折率が変化する。また、温度変化に伴う熱膨張により、各移相用チャネル導波路の長さが変化する。その結果、温度変化によって、各移相用チャネル導波路で受ける位相変化量が変動してしまう。この位相変化量は波長によって異なるため、結果として、出力される分波波長が変化してしまう。一例として、光回路を石英系材料で構成した場合を考えると、波長1.55μm付近での温度による分波波長の変化は0.01nm/℃である。例えば、この光回路を0℃〜60℃の温度環境で使用する場合、最大で0.6nmも波長がシフトしてしまうため、このままでは実用システムに使用することができない。よって、光回路の温度制御を行うか、又は光回路の温度無依存化を図る必要がある。
光回路の温度無依存化方法として、光回路の一部に溝を設け、その中に屈折率の温度係数が光回路と異なる材料を充填し、温度による位相変化の波長依存性を補償する方法がある(例えば、非特許文献1参照)。
この方法を適用し、波長依存性の補償を実現した光波長合分波器がある(例えば、非特許文献2参照)。具体的には、図7に示した入力側スラブ導波路73に、複数個の楔形の溝78を設けたものである。ここで、単に1個の溝78を設けるだけでは、基板71と垂直な方向における光の閉じ込め構造が無いため、大きな回折損失が生じる。そこで、溝78を複数個設けて、各溝一段当たりの回折損失を減らすと共に、各溝78の配置間隔を最適な間隔に調整して溝78全体で集光する作用を生じさせることにより、溝78全体としての回折損失を低減する方法がよく採用されている。また、図8に、光回路を構成するコア材とクラッド材の比屈折率差Δが0.8%の場合の、各溝の配置間隔と損失との関係を示すように、それぞれの溝幅ごとに、損失が最小となる最適な溝配置間隔があることがわかる。
一方、光波長合分波器の温度無依存化に加え、光回路の小型化も、更なる低コスト化を図るための重要な検討事項となっている。ここで、光導波路を構成するコア材とクラッド材の比屈折率差Δを大きくすることにより、一般的に曲がり導波路の曲率半径を小さくし、素子(光導波路)の小型化及び低コスト化を実現する方法が知られている(例えば、非特許文献3参照)。
Y.Inoue等,「アサーマル シリカベースド アレイド−ウェーブガイド グレーティング マルチプレクサ(Athermal silica-based arrayed-waveguide grating(AWG)multiplexer)」,イーシーオーシー 97 テクニカル ダイジェスト(ECOC 97 Technical Digest),1997,p.33-36 Maru等,「アサーマル アンド センター ウェーブレングス アジャスタブル アレイド−ウェーブガイド グレーティング(Athermal and center wavelength adjustable arrayed-waveguide grating)」,オーエフシー 2000 テクニカル ダイジェスト(OFC 2000 Technical Digest),ダブリューエイチ3(WH3),2000,p.130-132 Hida等,「ファブリケーション オブ ロウ−ロス アンド ポラリセイション−インセンシティブ 256 チャンネル アレイド−ウェーブガイド グレーティング ウィズ 25GHz スペーシング ユーズィング 1.5%Δ ウェーブガイズ(Fabrication of low-loss and polarisation-insensitive 256 channel arrayed-waveguide grating with 25GHz Spacing using 1.5%Δ waveguides)」,エレクトロン.レター(Electron.Lett.),2000,第36巻,第9号,p.820-821
ところが、アレイ導波路型回折格子を用いた温度無依存型の光波長合分波器において、小型化及び低コスト化を図るべく、光回路を構成するコア材とクラッド材の比屈折率差Δを大きくすると、溝における放射損失が増大するという問題があった。例えば、図9に示すように、コア材とクラッド材の比屈折率差Δを1.5%とすると、図8と比較して、明らかに損失が増大することがわかる。
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、小型で、かつ、損失が小さい光波長合分波器を提供することにある。
上記目的を達成すべく本発明に係る光波長合分波器は、少なくとも1個の入力用チャネル導波路と、その入力用チャネル導波路に接続される入力側スラブ導波路と、少なくとも1個の出力用チャネル導波路と、その出力用チャネル導波路に接続される出力側スラブ導波路と、入力側スラブ導波路及び出力側スラブ導波路を接続する複数個の移相用チャネル導波路とを備えたアレイ導波路型の光波長合分波器において、上記各移相用チャネル導波路を、上記入力側スラブ導波路及び出力側スラブ導波路よりも大きな屈折率を有する石英系材料で構成したものである。
また、本発明に係る光波長合分波器は、少なくとも1個の入力用チャネル導波路と、その入力用チャネル導波路に接続される入力側スラブ導波路と、少なくとも1個の出力用チャネル導波路と、その出力用チャネル導波路に接続される出力側スラブ導波路と、入力側スラブ導波路及び出力側スラブ導波路を接続する複数個の移相用チャネル導波路とを備えたアレイ導波路型の光波長合分波器において、上記入力側スラブ導波路及び出力側スラブ導波路の形成層と上記各移相用チャネル導波路の形成層とを異層に設けると共に、各移相用チャネル導波路を、各スラブ導波路よりも大きな屈折率を有する石英系材料で構成したものである。
ここで、各移相用チャネル導波路の接続端部を先細状に形成し、それらの移相用チャネル導波路と上記入力側スラブ導波路及び出力側スラブ導波路とを接続して断熱的に光結合させることが好ましい。
また、入力側スラブ導波路に、スラブ導波路内を伝搬する光波と交差する複数個の溝を形成することが好ましい。
以上のように、各移相用チャネル導波路を、入力側スラブ導波路及び出力側スラブ導波路よりも大きな屈折率を有する石英系材料で構成することで、光回路の曲がり部分、つまり各移相用チャネル導波路の曲がり部分の曲率半径を小さくすることができ、光回路の小型化、延いては光波長合分波器の小型化が可能となる。
本発明によれば、小型で、かつ、損失が小さい光波長合分波器を得ることができるという優れた効果を発揮する。
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
(第1の実施形態)
本発明の好適な一実施の形態に係る光波長合分波器の平面図を図1に示す。
本実施の形態に係る光波長合分波器は、図1に示すように、石英基板11上に光回路17を設けてなるものである。光回路17は屈折率の異なる2種類のコア材で構成され、石英基板11上に屈折率が低い方のコア材(以下、低屈折率コア材と表す)の層が設けられ、その低屈折率コア材の上に屈折率が高い方のコア材(以下、高屈折率コア材と表す)の層が設けられる。石英基板11及び各コア層は、クラッド層で覆設される。
低屈折率コア材により、入力側スラブ導波路13及び出力側スラブ導波路15と、入力側スラブ導波路13の一端側に接続された少なくとも1個の入力用チャネル導波路12と、出力側スラブ導波路15の一端側に接続された複数個(図1中では4個図示)の出力用チャネル導波路16とが構成される。また、高屈折率コア材により、入力側スラブ導波路13及び出力側スラブ導波路15の他端側同士を接続する複数個(図1中では5個図示)の移相用チャネル導波路14が構成される。各移相用チャネル導波路14の両端部(接続端部)20a,20bは、それぞれ先細状(テーパ状)に形成される。また、入力側スラブ導波路13の途中には、スラブ導波路13内を伝搬する光波と交差するように複数本の楔形の溝18が形成され、全ての溝18に光学樹脂19が充填される。
各移相用チャネル導波路14は、入力側スラブ導波路13及び出力側スラブ導波路15よりも大きな屈折率を有する石英系材料で構成される。例えば、クラッド材の屈折率は1.457とされ、入力用チャネル導波路12、入力側スラブ導波路13、出力側スラブ導波路15、出力用チャネル導波路16を構成する低屈折率コア材の屈折率は1.469(クラッド材に対する比屈折率差Δ1=0.8%)、移相用チャネル導波路14を構成する高屈折率コア材の屈折率は1.480(クラッド材に対する比屈折率差Δ2=1.5%)とされる。また、各スラブ導波路13,15の層と移相用チャネル導波路14の層とは異層に設けられ、各スラブ導波路13,15の層上に移相用チャネル導波路14の層が設けられる。クラッド材に対する高屈折率コア材の比屈折率差Δ2と、クラッド材に対する低屈折率コア材の比屈折率差Δ1との差(%)は、0〜2%、好ましくは0〜1.5%、特に好ましくは0.5〜1.0%である。
溝18に充填される光学樹脂19の屈折率の温度依存性は、光回路17を構成する材料と大きく異なるほど、温度無依存化に効果的である。例えば、光回路17を石英系材料で構成した場合、光回路17の屈折率の温度依存性は正の値となるため、光学樹脂19としては、屈折率の温度依存性が負の値となるシリコーン樹脂、エポキシ樹脂等が好ましい。
次に、本実施の形態に係る光波長合分波器10の製造方法を、図2(a)〜図2(h)に基づいて説明する。尚、図1と同様の部材については同じ符号を付しており、これらの部材については詳細な説明を省略する。
先ず、図2(a)に示すように、石英基板11上に、屈折率1.469の低屈折率コア層22を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して、図2(b)に示すように、低屈折率コア層22の非マスク部分22aをエッチング除去し、低屈折率コア材23a,23bを形成する。この低屈折率コア材23aで入力側スラブ導波路13及び入力用チャネル導波路12が、低屈折率コア材23bで出力側スラブ導波路15及び出力用チャネル導波路16が形成される。
次に、図2(c)に示すように、化学気相成長法により、石英基板11及び低屈折率コア材23a,23b上に、屈折率1.457のクラッド層24を堆積形成する。その後、図2(d)に示すように、CMP(Chemical Mechanical Polishing)法により、クラッド層24を平坦化する。
次に、図2(e)に示すように、低屈折率コア材23a,23b及びクラッド層24上に、屈折率1.480の高屈折率コア層25を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して、図2(f)に示すように、高屈折率コア層25の非マスク部分25aをエッチング除去し、高屈折率コア材26を形成する。この高屈折率コア材26で各移相用チャネル導波路14が形成される。また、高屈折率コア材26の、低屈折率コア材23a,23bとの接続部がテーパ部26a,26bに形成され、このテーパ部26a,26bが、各移相用チャネル導波路14の両端部20a,20bとなる。
次に、図2(g)に示すように、化学気相成長法により、低屈折率コア材23a,23b、クラッド層24、及び高屈折率コア材26上に屈折率1.457のクラッド層27を堆積形成する。
最後に、図2(h)に示すように、低屈折率コア材23aの部分に、クラッド層27の表面部から石英基板11にまで達する複数個(図2(h)中では1個のみ図示)の溝18を形成し、各溝18に光学樹脂19をそれぞれ充填する。これによって、本実施の形態に係る光波長合分波器10が得られる。
ここで、高屈折率コア材26のテーパ部26a,26bは必ずしも形成する必要はないが、テーパ部26a,26bの形成によって、高屈折率コア材26と、その下層の低屈折率コア材23a,23bとを、容易に断熱的に光結合させることができる。深さ方向(図2(f)中では上下方向)のテーパ加工は、例えば、Kitano等,「ノベル スポット サイズ コンバーター フォー スーパー ハイ Δ ウェーブガイズ(Novel spot size converter for super high Δwaveguides)」,シーエルイーオー 2003(CLEO 2003)に記載された方法を用いることで、達成可能である。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
入力用チャネル導波路12より入射した多重波長信号光は、入力側スラブ導波路13の内部を放射、伝搬され、分波信号光となる。この時、入力側スラブ導波路13の途中には、光学樹脂19を充填した溝18を設けている。光学樹脂19の屈折率温度係数は、光回路17を構成する石英系材料の屈折率温度係数とは正負が逆であるため、光回路17が温度変化しても、各分波信号光の位相変化量の変動を、溝18に充填された光学樹脂19により完全に補償する(相殺する)ことができる。
この位相変化量の変動が補償された各分波信号光は、各移相用チャネル導波路14に入射され、その内部を伝搬する。その後、各分波信号光は、出力側スラブ導波路15に到達し、放射される。この放射時、それぞれの分波信号光の波長に固有の放射角が存在していることから、各移相用チャネル導波路14から放射された各分波信号光は、出力側スラブ導波路15を経て各波長に対応した各出力用チャネル導波路16に集光、結合される。
本実施の形態に係る光波長合分波器10においては、光回路17の内、クラッド材24,27と高屈折率コア材26との比屈折率差Δ2を、クラッド材24,27と低屈折率コア材23a,23bとの比屈折率差Δ1よりも大きく形成している。これによって、光回路17の曲がり部分(各移相用チャネル導波路14の曲がり部分)の曲率半径を小さくすることができ、光回路17の小型化、延いては光波長合分波器10の小型化が可能となる。実際、Δ=0.8%の場合において、実質的に損失を伴わない最小の曲率半径は5mmであるのに対し、Δ=1.5%とすることで、最小の曲率半径を2mmとすることができる。
また、本実施の形態に係る光波長合分波器10においては、各移相用チャネル導波路14の両端部20a,20bを、それぞれ先細状(テーパ状)に形成している。これによって、各移相用チャネル導波路14と入力側スラブ導波路13,出力側スラブ導波路15とを断熱的に光結合することができる。その結果、温度変化によって各移相用チャネル導波路14で受ける位相変化量の変動を、抑制することができる。よって、光波長合分波器10の温度無依存性が更に向上する。
また、本実施の形態に係る光波長合分波器10においては、温度無依存化のための光学樹脂19が充填された溝18を、クラッド材24,27との比屈折率差Δが小さい低屈折率コア材23a、つまり入力側スラブ導波路13に形成している。これによって、光回路17において、各移相用チャネル導波路14の屈折率は大きく保ったまま、溝18における放射損失の増大を抑えることができる。
また、本実施の形態に係る光波長合分波器10においては、高屈折率コア材26及び低屈折率コア材23a,23bを、積層した高屈折率コア層25と低屈折率コア層22とで形成し、高屈折率コア材26で移相用チャネル導波路14を、また、低屈折率コア材23a,23bで入力側スラブ導波路13,出力側スラブ導波路15を形成している。これによって、図2(a)〜図2(h)に示したような、光波長合分波器の製造に慣用的に用いられている比較的容易な製造プロセスにより、光波長合分波器10を製造することができる。その結果、従来の光波長合分波器と略同じ製造コストで、小型で、かつ、損失が小さい光波長合分波器10を得ることができる。
次に、本発明の他の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
(第2の実施形態)
本発明の他の好適な一実施の形態に係る光波長合分波器の平面図を図3に示す。尚、図1と同様の部材については同じ符号を付しており、これらの部材については詳細な説明を省略する。
図1に示した前実施の形態に係る光波長合分波器10は、各移相用チャネル導波路14だけを高屈折率コア材26(図2(h)参照)で構成するものであった。
図3に示すように、本実施の形態に係る光波長合分波器30の基本的な構成は、前実施の形態に係る光波長合分波器10と同じであり、各移相用チャネル導波路14、入力用チャネル導波路12、及び各出力用チャネル導波路16を、高屈折率コア材で構成したものである。
また、各移相用チャネル導波路14の両端部20a,20bと共に、入力用チャネル導波路12の端部(接続端部)32a及び各出力用チャネル導波路16の端部(接続端部)36aが、それぞれ先細状(テーパ状)に形成される。
本実施の形態に係る光波長合分波器30の製造方法を、図4(a)〜図4(h)に基づいて説明する。尚、図2(a)〜図2(h)と同様の部材については同じ符号を付しており、これらの部材については詳細な説明を省略する。
先ず、図4(a)に示すように、石英基板11上に低屈折率コア層22を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して、図4(b)に示すように、低屈折率コア層22の非マスク部分22aをエッチング除去し、低屈折率コア材23a,23bを形成する。この低屈折率コア材23aで入力側スラブ導波路13が、低屈折率コア材23bで出力側スラブ導波路15が形成される。
次に、図4(c)に示すように、化学気相成長法により石英基板11及び低屈折率コア材23a,23b上にクラッド層24を堆積形成する。その後、CMP法により、図4(d)に示すように、クラッド層24を平坦化する。
次に、図4(e)に示すように、低屈折率コア材23a,23b及びクラッド層24上に、高屈折率コア層25を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して、図4(f)に示すように、高屈折率コア層25の非マスク部分25aをエッチング除去し、高屈折率コア材26及び高屈折率コア材46a,46bを形成する。この高屈折率コア材26で、各移相用チャネル導波路14が、高屈折率コア材46a,46bで入力用チャネル導波路12及び出力用チャネル導波路16が形成される。また、高屈折率コア材26のテーパ部26a,26bが、各移相用チャネル導波路14の両端部20a,20bとなる。さらに、高屈折率コア材46a,46bの、低屈折率コア材23a,23bとの接続部がテーパ部47a,47bに形成され、このテーパ部47a,47bが、入力用チャネル導波路12の端部32a及び各出力用チャネル導波路16の端部36aとなる。
次に、図4(g)に示すように、化学気相成長法により、低屈折率コア材23a,23b、クラッド層24、及び高屈折率コア材26,46a,46b上にクラッド層27を堆積形成する。
最後に、図4(h)に示すように、低屈折率コア材23aの部分に、クラッド層27の表面部から石英基板11にまで達する複数個(図4(h)中では1個のみ図示)の溝18を形成し、各溝18に光学樹脂19をそれぞれ充填する。これによって、本実施の形態に係る光波長合分波器30が得られる。
本実施の形態に係る光波長合分波器30においても、前実施の形態に係る光波長合分波器10と同様の作用効果が得られる。
また、本実施の形態に係る光波長合分波器30においては、光回路17の内、クラッド材24,27と高屈折率コア材26,46a,46bとの比屈折率差Δ2を、クラッド材24,27と低屈折率コア材23a,23bとの比屈折率差Δ1よりも大きく形成している。このため、光回路17の曲がり部分(各移相用チャネル導波路14、入力用チャネル導波路12、及び各出力用チャネル導波路16の曲がり部分)の曲率半径をそれぞれ小さくすることができ、光回路17の更なる小型化、延いては光波長合分波器10の更なる小型化が可能となる。
また、本実施の形態に係る光波長合分波器30においては、各移相用チャネル導波路14の両端部20a,20b、入力用チャネル導波路12の端部32a、及び各出力用チャネル導波路16の端部36aを、それぞれ先細状(テーパ状)に形成している。これによって、各導波路12,14,16と入力側スラブ導波路13,出力側スラブ導波路15とを断熱的に光結合することができる。その結果、温度変化によって各導波路12,14,16で受ける位相変化量の変動を、抑制することができる。よって、光波長合分波器30は、前実施の形態に係る光波長合分波器10と比較して、温度無依存性が更に向上する。
(第3の実施形態)
本発明の別の好適な一実施の形態に係る光波長合分波器の平面図を図5に示す。尚、図3と同様の部材については同じ符号を付しており、これらの部材については詳細な説明を省略する。
図5に示すように、本実施の形態に係る光波長合分波器50の基本的な構成は、前実施の形態に係る光波長合分波器30と同じであり、入力側スラブ導波路及び出力側スラブ導波路を一体化して石英基板11の全面に亘って形成したものである。
本実施の形態に係る光波長合分波器50の製造方法を、図6(a)〜図6(e)に基づいて説明する。尚、図4(a)〜図4(h)と同様の部材については同じ符号を付しており、これらの部材については詳細な説明を省略する。
先ず、図6(a)に示すように、石英基板11上に低屈折率コア層22を形成する。
次に、図6(b)に示すように、化学気相成長法により、低屈折率コア層22上に高屈折率コア層25を形成する。その後、フォトリソグラフィ技術及びエッチング技術を利用して、図6(c)に示すように、高屈折率コア層25の非マスク部分25aをエッチング除去し、高屈折率コア材26及び高屈折率コア材46a,46bを形成する。この高屈折率コア材26で、各移相用チャネル導波路14が、高屈折率コア材46a,46bで入力用チャネル導波路12及び出力用チャネル導波路16が形成される。また、高屈折率コア材26のテーパ部26a,26bが、各移相用チャネル導波路14の両端部20a,20bとなる。さらに、高屈折率コア材46a,46bのテーパ部47a,47bが、入力用チャネル導波路12の端部32a及び各出力用チャネル導波路16の端部36aとなる。
次に、図6(d)に示すように、化学気相成長法により、低屈折率コア層22b及び高屈折率コア材26,46a,46b上にクラッド層27を堆積形成する。
最後に、図6(e)に示すように、低屈折率コア層22の所定位置の部分に、クラッド層27の表面部から石英基板11にまで達する複数個(図6(e)中では1個のみ図示)の溝18を形成し、各溝18に光学樹脂19をそれぞれ充填する。これによって、本実施の形態に係る光波長合分波器50が得られる。
次に、本実施の形態の作用を説明する。
入力用チャネル導波路12より入射した多重波長信号光は、スラブ導波路(低屈折率コア層22)の内部を放射、伝搬され、分波信号光となる。この時、入力用チャネル導波路12から入力された多重波長信号光が各移相用チャネル導波路14に達するように、また、各移相用チャネル導波路14から放射された各分波信号光が各出力用チャネル導波路16に達するように、各導波路12,14,16の形状、形成位置を予め調整しておく。
スラブ導波路22の内部を放射、伝搬する各分波信号光は、溝18に充填された光学樹脂19によって、位相変化量の変動を補償され、各移相用チャネル導波路14に入射され、その内部を伝搬する。その後、各分波信号光は、再び、スラブ導波路22に到達し、放射される。各移相用チャネル導波路14から放射された各分波信号光は、スラブ導波路22を経て各波長に対応した出力用チャネル導波路16に集光、結合される。
各導波路12,14,16を伝搬する多重波長信号光又は各分波信号光の、光波長合分波器50の厚さ方向(図6(e)中では上下方向)の閉じ込めは、最下層の低屈折率コア層22、高屈折率コア材26,46a,46b、及び最上層のクラッド層27の屈折率差によりなされる。
また、各移相用チャネル導波路14の両端部20a,20b、入力用チャネル導波路12の端部32a、及び各出力用チャネル導波路16の端部36aにおける各テーパ長さは、前実施の形態に係る光波長合分波器30の、両端部20a,20b、端部32a、及び端部36aにおける各テーパ長さよりも十分に長く形成される。これによって、入力用チャネル導波路12から放射された多重波長信号光および各移相用チャネル導波路14から放射された各分波信号光が、スラブ導波路22の部分において広範囲に拡がって放射されることがなくなる。つまり、スラブ導波路22の部分における多重波長信号光及び各分波信号光の拡がりを、狭い範囲に制御することができる。
本実施の形態に係る光波長合分波器50においても、前実施の形態に係る光波長合分波器30と同様の作用効果が得られる。
また、本実施の形態に係る光波長合分波器50においては、前実施の形態に係る光波長合分波器30のように各スラブ導波路13,15を個別に形成する必要がない。つまり、低屈折率コア層22自体を入力側及び出力側のスラブ導波路としており、図4(b)〜図4(d)に示した製造プロセスが不要である。これによって、光波長合分波器30と比較して、更に容易な製造プロセスにより光波長合分波器50を製造することができる。その結果、光波長合分波器30と比較して、更に安価に、小型で、かつ、損失が小さい光波長合分波器50を得ることができる。
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
また、本実施の形態に係る光波長合分波器10,30,50の光回路17の構造、構成は、光波長多重伝送システム及び光周波数多重伝送システムに用いられる各素子、例えばM×N周波数ルーティング装置、Add/Dropフィルタ等にも適用することができる。
本発明の好適な一実施の形態に係る光波長合分波器の平面図である。 図1の光波長合分波器の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の他の好適な一実施の形態に係る光波長合分波器の平面図である。 図3の光波長合分波器の製造方法を説明するための断面図である。 本発明の別の好適な一実施の形態に係る光波長合分波器の平面図である。 図5の光波長合分波器の製造方法を説明するための断面図である。 従来のアレイ導波路型回折格子を用いた温度無依存型の光波長合分波器の平面図である。 コア材とクラッド材の比屈折率差Δが0.8%の場合の、各溝の配置間隔と損失との関係を示す図である。 コア材とクラッド材の比屈折率差Δが1.5%の場合の、各溝の配置間隔と損失との関係を示す図である。
符号の説明
10 光波長合分波器
12 入力用チャネル導波路
13 入力側スラブ導波路(スラブ導波路)
14 移相用チャネル導波路
17 光回路

Claims (4)

  1. 少なくとも1個の入力用チャネル導波路と、その入力用チャネル導波路に接続される入力側スラブ導波路と、少なくとも1個の出力用チャネル導波路と、その出力用チャネル導波路に接続される出力側スラブ導波路と、入力側スラブ導波路及び出力側スラブ導波路を接続する複数個の移相用チャネル導波路とを備えたアレイ導波路型の光波長合分波器において、上記各移相用チャネル導波路を、上記入力側スラブ導波路及び出力側スラブ導波路よりも大きな屈折率を有する石英系材料で構成したことを特徴とする光波長合分波器。
  2. 少なくとも1個の入力用チャネル導波路と、その入力用チャネル導波路に接続される入力側スラブ導波路と、少なくとも1個の出力用チャネル導波路と、その出力用チャネル導波路に接続される出力側スラブ導波路と、入力側スラブ導波路及び出力側スラブ導波路を接続する複数個の移相用チャネル導波路とを備えたアレイ導波路型の光波長合分波器において、上記入力側スラブ導波路及び出力側スラブ導波路の形成層と上記各移相用チャネル導波路の形成層とを異層に設けると共に、各移相用チャネル導波路を、各スラブ導波路よりも大きな屈折率を有する石英系材料で構成したことを特徴とする光波長合分波器。
  3. 上記各移相用チャネル導波路の接続端部を先細状に形成し、それらの移相用チャネル導波路と上記入力側スラブ導波路及び出力側スラブ導波路とを接続して断熱的に光結合させた請求項1又は2記載の光波長合分波器。
  4. 上記入力側スラブ導波路に、スラブ導波路内を伝搬する光波と交差する複数個の溝を形成した請求項1から3いずれかに記載の光波長合分波器。
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