JP2005325939A - 回転駆動力伝達機構およびアクチュエータ - Google Patents

回転駆動力伝達機構およびアクチュエータ Download PDF

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Masaaki Shimizu
正明 清水
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信哉 江連
Akira Kitamura
朗 北村
Hayao Takahashi
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Abstract

【課題】 本発明の目的は、電磁クラッチやワンウェイクラッチを必要としない新規な構成からなる回転駆動力伝達機構を提供することにある。
【解決手段】 本発明の回転駆動力伝達機構20は、モータ10による双方向への回転駆動力を出力機構40に伝達するもので、入力側回転軸21の回転によって第一入力側伝達部材22および第二入力側伝達部材23を軸方向へ移動させる回転直動変換手段(第一ピン26a,第一ピン案内部22g,第二ピン26b,第二ピン案内部23gより構成)を有し、第一入力側伝達部材22を第一出力側伝達部材に接続させる第一の動力伝達状態と、第二入力側伝達部材23を第二出力側伝達部材に接続させる第二の動力伝達状態とに切り替えることができるようになっている。これにより、出力機構40に接続される外部被駆動機構を双方向に作動させることができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、回転駆動力伝達機構およびこれを用いたアクチュエータに係り、特に、駆動源による双方向への回転駆動力を出力機構に伝達可能な回転駆動力伝達機構およびこれを用いたアクチュエータに関する。
従来から、駆動源による双方向への回転駆動力を出力機構に伝達すると共に、出力機構が外部より回転させられたときには出力機構から駆動源への動力伝達を遮断することが可能な回転駆動力伝達機構およびこれを用いたアクチュエータが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。例えば、特許文献1に記載の例では、回転駆動力伝達機構として電磁クラッチ機構が設けられており、この電磁クラッチ機構を電気的にオン・オフすることにより、駆動源と出力機構の接続および遮断が行われる構成となっている。そして、電磁クラッチ機構を接続状態として駆動源を一方向又は他方向に回転させることにより、出力機構を一方向又は他方向に作動させることができるようになっている。また、電磁クラッチ機構を遮断状態とした場合には、出力機構から駆動源への動力伝達が遮断されるようになっている。
一方、特許文献2に記載の例では、回転駆動力伝達機構として一対のワンウェイクラッチ機構が設けられている。この一対のワンウェイクラッチ機構は、駆動源を挟んだ両側に配置され、一方のクラッチ機構は、駆動源による一方向への回転のみを許容し、他方のクラッチ機構は、駆動源による他方向への回転のみを許容するようになっている。そして、駆動源を一方向に回転させた場合には一方の出力機構が一方向に回転し、駆動源を他方向に回転させた場合には他方の出力機構が他方向に回転するようになっている。また、一方の出力機構に一方向への回転力が作用した場合には、一方の出力機構から駆動源への動力伝達が遮断され、他方の出力機構に他方向への回転力が作用した場合には、他方の出力機構から駆動源への動力伝達が遮断されるようになっている。
ところで、従来から、車両の前部に進退道自在に設けられたバンパと、このバンパを車両前方へ突出させる方向に付勢する弾性体と、バンパを弾性体の弾性力に抗して突出状態より後退した位置に保持するラッチ機構と、ラッチ機構を解除する解除機構と、バンパに接続されたワイヤと、このワイヤを巻き取るドラムと、ドラムを回転させるドラム回転機構とを備えた車両用バンパ装置が知られている(例えば、特許文献3参照)。この特許文献3に記載の例では、解除装置によってラッチ機構を解除すると、弾性体の付勢力によりバンパが車両前方へ突出するようになっている。また、ワイヤ巻取機構によってワイヤを巻き取ることにより、車両前方に突出したバンパを没状態へ引き戻すことができるようになっている。
特開平6−144074号公報(第3−5頁、図1) 特開平8−87675号公報(第3頁、図1) 特開平5−270333号公報(第2−3頁、図1、図5)
特許文献1に記載の例のように、電磁クラッチ機構を備えたアクチュエータでは、駆動源と出力機構の接続および遮断を行うクラッチ部を駆動させるための電気的な駆動部(例えば、コイルを備えた電磁器など)が必要となる。このため、駆動部を制御するための制御回路を別途要することや、駆動部における駆動時の発熱が問題となる。
また、特許文献2に記載の例のように、ワンウェイクラッチ機構を備えたアクチュエータでは、駆動源の回転によりワンウェイクラッチ機構を介して出力機構が回転される。ところが、外力によって出力機構が回転した場合には、ワンウェイクラッチ機構においてクラッチ部材同士が摺接されるため、このクラッチ部材同士の摺接によって回転ロスが生じるなどの問題が生じる。
さらに、特許文献3に記載の車両用バンパ装置では、ラッチ機構を解除してバンパを車両前方へ突出させる解除機構と、ドラムを回転させて車両前方に突出したバンパを没状態へ引き戻すドラム回転機構の二つの駆動源が必要となる。従って、このように、駆動源を二つ設けたことによって装置の重量が増加すると共にコストも増加するという問題がある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、駆動源による双方向への回転駆動力を出力機構に伝達する回転駆動力伝達機構およびこれを用いたアクチュエータにおいて、電磁クラッチ機構のように電気的な駆動部を必要とせず、簡易な構成により駆動源と出力機構の接続および遮断を行うことが可能な回転駆動力伝達機構およびこれを用いたアクチュエータを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、駆動源による双方向への回転駆動力を出力機構に伝達する回転駆動力伝達機構およびこれを用いたアクチュエータにおいて、ワンウェイクラッチ機構のように動力遮断時にクラッチ部材同士が摺接されることなく、駆動源と出力機構とを完全に分離させることが可能な回転駆動力伝達機構およびこれを用いたアクチュエータを提供することにある。
さらに、本発明の他の目的は、車両の前部に進退道自在に設けられたバンパと、このバンパを車両前方へ突出させる方向に付勢する弾性体と、バンパを弾性体の弾性力に抗して突出状態より後退した位置に保持するラッチ機構と、バンパに接続されたワイヤと、このワイヤを巻き取るドラムを備え、ラッチ機構を解除させてバンパを車両前方へ突出させると共に、ワイヤをドラムに巻き取ることにより車両前方に突出したバンパを突出状態より後退した位置に引き戻すように構成された車両用バンパ装置において、ラッチ機構とドラムを一つの駆動源により作動させることが可能なアクチュエータを提供することにある。
本発明の回転駆動力伝達機構は、駆動源による双方向への回転駆動力を出力機構に伝達する回転駆動力伝達機構において、前記駆動源により双方向に回転させられる入力側回転軸と、該入力側回転軸と同軸上に配置されると共に該入力側回転軸の軸方向へ移動可能に配設された入力側伝達部材と、該入力側伝達部材と対峙して配置されると共に前記入力側回転軸に対して回転自在に配設された第一の出力側伝達部材と、前記入力側伝達部材を挟んで前記第一の出力側伝達部材と反対側に前記入力側伝達部材と対峙して配置されると共に前記入力側回転軸に対して回転自在に配設された第二の出力側伝達部材と、前記入力側回転軸の一方向への回転によって前記入力側伝達部材を前記第一の出力側伝達部材側へ移動させて前記入力側伝達部材を前記第一の出力側伝達部材に接続させた第一の動力伝達状態にし、前記入力側回転軸の他方向への回転によって前記入力側伝達部材を前記第二の出力側伝達部材側へ移動させて前記入力側伝達部材を前記第二の出力側伝達部材に接続させた第二の動力伝達状態にする回転直動変換手段と、を備える構成である。
また、本発明のアクチュエータは、双方向に回転可能なモータと、該モータの回転駆動力を伝達する動力伝達状態と前記モータの回転駆動力を遮断する動力遮断状態とに切り替え可能な回転駆動力伝達機構と、該回転駆動力伝達機構のモータと反対側に接続される出力機構と、を備えたアクチュエータにおいて、前記回転駆動力伝達機構が、前記モータにより双方向に回転させられる入力側回転軸と、該入力側回転軸と同軸上に配置されると共に該入力側回転軸の軸方向へ移動可能に配設された入力側伝達部材と、該入力側伝達部材と対峙して配置されると共に前記入力側回転軸に対して回転自在に配設された第一の出力側伝達部材と、前記入力側伝達部材を挟んで前記第一の出力側伝達部材と反対側に前記入力側伝達部材と対峙して配置されると共に前記入力側回転軸に対して回転自在に配設された第二の出力側伝達部材と、前記入力側回転軸の一方向への回転によって前記入力側伝達部材を前記第一の出力側伝達部材側へ移動させて前記入力側伝達部材を前記第一の出力側伝達部材に接続させた第一の動力伝達状態にし、前記入力側回転軸の他方向への回転によって前記入力側伝達部材を前記第二の出力側伝達部材側へ移動させて前記入力側伝達部材を前記第二の出力側伝達部材に接続させた第二の動力伝達状態にする回転直動変換手段と、を備える構成である。
このように、本発明は、回転運動を軸方向への直動運動に変換するという機械的な構成からなる回転直動変換手段により、入力側回転軸の回転運動を入力側伝達部材の直動運動に変換させるものである。そして、この回転直動変換手段によって、入力側伝達部材を第一の出力側伝達部材側又は第二の出力側伝達部材側へ移動させて入力側伝達部材と第一の出力側伝達部材又は第二の出力側伝達部材の接続を行い、入力側回転軸の回転力を第一の出力側伝達部材又は第二の出力側伝達部材に伝達する構成である。従って、電磁クラッチ機構のような電気的な駆動部(例えば、コイルを備えた電磁器など)を不要とすることが可能である。これにより、電磁クラッチ機構を用いたときのように、回転駆動力伝達機構を制御するための制御回路を不要とすることが可能になると共に、発熱等の問題も解消することが可能となる。
また、本発明によれば、回転直動変換手段によって入力側伝達部材が軸方向に移動する構成であるので、第一の出力側伝達部材又は第二の出力側伝達部材が外力によって回転させられた場合には、入力側伝達部材を第一の出力側伝達部材又は第二の出力側伝達部材と完全に分離させて動力を遮断することができる。これにより、ワンウェイクラッチ機構を用いたときのように、クラッチ部材同士が摺接されることによって回転ロスが生じるなどの不具合も解消することが可能となる。
さらに、本発明では、回転直動変換手段が、入力側回転軸の一方向への回転によって入力側伝達部材を第一の出力側伝達部材側へ移動させて入力側伝達部材を第一の出力側伝達部材に接続させた第一の動力伝達状態にし、入力側回転軸の他方向への回転によって入力側伝達部材を第二の出力側伝達部材側へ移動させて入力側伝達部材を第二の出力側伝達部材に接続させた第二の動力伝達状態にするよう構成されている。従って、入力側回転軸の一方向への回転によって第一の出力側伝達部材を一方向に回転させることができると共に、入力側回転軸の他方向への回転によって第二の出力側伝達部材を他方向に回転させることができる。これにより、第一の出力側伝達部材および第二の出力側伝達部材の回転によって、外部被駆動機構を双方向に回転させることが可能となる。
このとき、請求項2、請求項9に記載のように、前記回転直動変換手段は、より具体的には、入力側回転軸に配設された突起部と、入力側伝達部材に形成された突起案内部と、からなり、突起案内部は、入力側伝達部材の回転中心軸に対して斜め方向に延びる長孔又は長溝により構成され(すなわち、突起案内部の両軸のうち長軸が入力側伝達部材の回転中心軸に対して斜め方向に延びるように構成されている)、突起部は、入力側回転軸の径方向に突出し突起案内部に移動自在に係合される構成である。
なお、請求項3、請求項10に記載のように、前記回転直動変換手段は、入力側伝達部材に配設された突起部と、入力側回転軸に形成された突起案内部と、からなり、突起案内部は、入力側回転軸の回転中心軸に対して斜め方向に延びる長孔又は長溝により構成され(すなわち、突起案内部の両軸のうち長軸が入力側回転軸の回転中心軸に対して斜め方向に延びるように構成されている)、突起部は、入力側伝達部材の径方向に突出し突起案内部に移動自在に係合される構成であっても良い。
そして、請求項4、請求項11に記載のように、入力側伝達部材を径方向に付勢する負荷付与部材を備えていると、入力側伝達部材の回転動作に対して抵抗力を作用させることができる。従って、入力側伝達部材と第一の出力側伝達部材又は第二の出力側伝達部材とが分離された状態で入力側回転軸が回転し始めたときに、入力側伝達部材が入力側回転軸と連れ回ることを防止することができる。このようにして、入力側伝達部材の連れ回りを防止することによって入力側伝達部材と入力側回転軸との間に回転速度差を生じさせることにより、入力側回転軸による回転運動を入力側伝達部材の直動運動に確実に変換させることが可能となる。特に、回転直動変換手段を突起部と突起案内部により構成した場合には、入力側回転軸の回転に伴って突起部を突起案内部に沿って確実に移動させることができ、入力側回転軸の回転運動を入力側伝達部材の軸方向への直動運動に確実に変換することが可能となる。
なお、請求項5、請求項12に記載のように、入力側伝達部材の負荷付与部材と摺接される面、又は、負荷付与部材の入力側伝達部材と摺接される面のうち少なくとも一方が、突起案内部(長孔又は長溝により構成)の長軸方向と略平行な方向に沿って複数の筋が形成された粗面により構成されていると、当該筋の形成方向と、突起案内部に突起部が係合されることにより入力側伝達部材が回転しながら軸方向に移動する方向とを一致させることができる。従って、この構成によれば、入力側伝達部材の軸方向への移動に対する抵抗力の増加を抑えつつ、入力側伝達部材の回転動作に対する抵抗力を増加させることができる。これにより、入力側伝達部材と出力側伝達部材とが分離された状態で入力側回転軸が回転し始めたときに、入力側伝達部材が入力側回転軸と連れ回ることを防止しつつ、入力側伝達部材を出力側伝達部材へ円滑に移動させることが可能となる。
このとき、請求項6、請求項13に記載のように、入力側伝達部材の第一の出力側伝達部材側の接続面および第一の出力側伝達部材の入力側伝達部材側の接続面に、互いに歯合可能な歯形部が形成され、入力側伝達部材の第二の出力側伝達部材側の接続面および第二の出力側伝達部材の入力側伝達部材側の接続面に、互いに歯合可能な歯形部が形成されていると、入力側伝達部材と第一の出力側伝達部材又は第二の出力側伝達部材の接続をより強固にすることができ好適である。
また、請求項7、請求項14に記載のように、第一の出力側伝達部材および第二の出力側伝達部材が、入力側回転軸と同軸上に配置されていると、入力側伝達部材、第一の出力側伝達部材および第二の出力側伝達部材が同軸上に配置されるので、入力側伝達部材と第一の出力側伝達部材との接続および入力側伝達部材と第二の出力側伝達部材との接続をより確実に行うことができ好適である。
さらに、本発明のアクチュエータは、請求項15に記載のように、より好適には、車両の前部に進退道自在に設けられたバンパと、このバンパを車両前方へ突出させる方向に付勢する弾性体と、バンパを前記弾性体の弾性力に抗して突出状態より後退した位置に保持するラッチ機構と、バンパに接続されたワイヤと、このワイヤを巻き取るドラムとを備えた車両用バンパ装置に用いられ、第一の出力側伝達部材がラッチ機構側に連結され、第二の出力側伝達部材がドラム側に連結され、モータの一方向の回転によって第一の出力側伝達部材を回転させることによりラッチ機構を解除させてバンパを車両前方へ突出させ、モータの他方向の回転によって第二の出力側伝達部材を回転させることによりドラムを回転させてワイヤを巻き取り車両前方に突出したバンパを突出状態より後退した位置に収容させるものである。
このように、本発明のアクチュエータによれば、モータの一方向の回転によって第一の出力側伝達部材を回転させることによりラッチ機構を解除させてバンパを車両前方へ突出させ、モータの他方向の回転によって第二の出力側伝達部材を回転させることによりドラムを回転させてワイヤを巻き取り車両前方に突出したバンパを突出状態より後退した位置に収容させることができるので、ラッチ機構とドラムを一つの駆動源により作動させることが可能である。これにより、従来に比して装置を軽量化することができると共にコストも低減することが可能となる。
本発明によれば、回転運動を軸方向への直動運動に変換するという機械的な構成からなる回転直動変換手段により、入力側回転軸の回転運動を入力側伝達部材の直動運動に変換させ、これによって、入力側伝達部材を第一の出力側伝達部材又は第二の出力側伝達部材側へ移動させて入力側伝達部材と第一の出力側伝達部材又は第二の出力側伝達部材の接続を行い、入力側回転軸の回転力を第一の出力側伝達部材又は第二の出力側伝達部材に伝達する構成であるので、電磁クラッチ機構のような電気的な駆動部(例えば、コイルを備えた電磁器など)を不要とすることが可能である。これにより、電磁クラッチ機構を用いたときのように、回転駆動力伝達機構を制御するための制御回路を不要とすることが可能になると共に、発熱等の問題も解消することが可能となる。
また、本発明によれば、回転直動変換手段によって入力側伝達部材が軸方向に移動する構成であるので、第一の出力側伝達部材又は第二の出力側伝達部材が外力によって回転させられた場合には、入力側伝達部材を第一の出力側伝達部材又は第二の出力側伝達部材と完全に分離させて動力を遮断することができる。これにより、ワンウェイクラッチ機構を用いたときのように、クラッチ部材同士が摺接されることによって回転ロスが生じるなどの不具合も解消することが可能となる。
さらに、本発明によれば、入力側回転軸の一方向への回転によって第一の出力側伝達部材を一方向に回転させることができると共に、入力側回転軸の他方向への回転によって第二の出力側伝達部材を双方向に回転させることができる。これにより、第一の出力側伝達部材および第二の出力側伝達部材の回転によって、外部被駆動機構を双方向に回転させることが可能となる。
また、本発明のアクチュエータによれば、モータの一方向の回転によって第一の出力側伝達部材を回転させることによりラッチ機構を解除させてバンパを車両前方へ突出させ、モータの他方向の回転によって第二の出力側伝達部材を回転させることによりドラムを回転させてワイヤを巻き取り車両前方に突出したバンパを突出状態より後退した位置に収容させることができるので、ラッチ機構とドラムを一つの駆動源により作動させることが可能である。これにより、従来に比して装置を軽量化することができると共にコストも低減することが可能となる。
以下、本発明の一実施形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する部材、配置等は、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨に沿って各種改変することができることは勿論である。
(第一実施形態)
図1乃至図9は本発明の第一実施形態を示す図で、図1はアクチュエータの構成を示す上面図、図2はアクチュエータの構成を示す断面図(動力遮断状態)、図3はアクチュエータの構成を示す断面図(動力伝達状態)、図4は回転駆動力伝達機構の分解図、図5は図4のA−A方向から見た一部断面を含む矢視図、図6は入力側伝達部材と摩擦部材の構成を示す図、図7は図6のB−B方向から見た矢視図、図8は回転駆動力伝達機構の動作を示す第一説明図(動力遮断状態)、図9は回転駆動力伝達機構の動作を示す第二説明図(動力伝達状態)である。
はじめに、本発明の第一実施形態に係る回転駆動力伝達機構20およびこれを用いたアクチュエータ1の構成について説明する。本発明の第一実施形態に係るアクチュエータ1は、図1乃至図3に示すように、モータ10と、回転駆動力伝達機構20と、出力機構40と、筐体60を有して構成されている。モータ10には、筐体60内で回転可能に配設された回転子11が備えられており、この回転子11の回転軸11aには、ウォームギア12が形成されている。
回転駆動力伝達機構20は、入力側回転軸21、第一入力側伝達部材22、第一入力側伝達部材23、第一出力側伝達部材24、第二出力側伝達部材25、第一ピン26a、第二ピン26b、ウォームホイール27、第一負荷付与部材28、第二負荷付与部材29より構成されている。なお、第一入力側伝達部材22と第二入力側伝達部材23とにより本発明に係る入力側伝達部材が構成されており、第一負荷付与部材28と第二負荷付与部材29とにより本発明に係る負荷付与部材が構成されている。入力側回転軸21は、筐体60内において回転自在に配設されており、入力側回転軸21の基部21aには、ウォームホイール27が配設されている。ウォームホイール27には、ウォームギア12が歯合されており、これによって、ウォームギア12の回転に伴って入力側回転軸21が双方向に回転するようになっている。
入力側回転軸21における基部21aのウォームホイール27を挟んだ両側には、図4,図5に示すように、径方向に貫通する第一孔部21bおよび第二孔部21cが形成されている。第一孔部21bには、第一ピン26a(本発明に係る突起部に相当)が圧入されており、第二孔部21cには、第二ピン26b(本発明に係る突起部に相当)が圧入されている。このとき、第一ピン26aは、図5に示すように、第一入力側伝達部材22のベース部材22bに形成された第一ピン案内部22g(本発明に係る突起案内部に相当)を介して第一孔部21bに圧入される。第一ピン26aの両端は、第一孔部21bの両開口部から径方向外側へ向けて突出し、第一ピン案内部22gに形成された第一係止部22hおよび第二係止部22iと係止することができるようになっている。
第二ピン26bは、図5に示すように、第一ピン26aと同様に、第二入力側伝達部材23のベース部材23bに形成された第二ピン案内部23g(本発明に係る突起案内部に相当)を介して第二孔部21cに圧入される。第二ピン26bの両端は、第二孔部21cの両開口部から径方向外側へ向けて突出し、第二ピン案内部23gに形成された第一係止部23hおよび第二係止部23iと係止することができるようになっている。
第一入力側伝達部材22は、入力側回転軸21と同軸上に配置され、ギア部材22aとベース部材22bにより構成されている。ギア部材22aには、所定形状からなる凹部22cが形成されており、この凹部22cには、ベース部材22bが圧入されている。ギア部材22aの第一出力側伝達部材24側の端部22dには、凹状の歯形部22eが形成されており、この歯形部22eは、後述する第一出力側伝達部材24に形成された凸状の歯形部24cと歯合可能となっている。ギア部材22aには、軸方向に貫通する孔部22kが形成されており、この孔部22kには、ベース部材22bの突出部22lが挿入されている。
ベース部材22bには、軸方向に沿って貫通する孔部22fが形成されており、この孔部22fには、入力側回転軸21の基部21aが遊挿されている。また、ベース部材22bには、径方向に沿って貫通する第一ピン案内部22gが形成されている。この第一ピン案内部22gは、ベース部材22bの回転中心軸に対して斜め方向に延びる長孔により構成されている(すなわち、第一ピン案内部22gの両軸のうち長軸がベース部材22bの回転中心軸に対して斜め方向に延びるように構成されている)。このとき、第一ピン26aは、入力側回転軸21の径方向に突出し第一ピン案内部22gに移動自在に係合されている。この構成により、第一ピン26aが第一ピン案内部22gに沿って移動すると、入力側回転軸21の回転運動が第一入力側伝達部材22の軸方向への直動運動に変換される。
第二入力側伝達部材23は、第一入力側伝達部材22と点対称の関係にあり、その構成は、第一入力側伝達部材22と同一である。すなわち、第二入力側伝達部材23は、ギア部材23aとベース部材23bにより構成されている。ギア部材23aの第二出力側伝達部材25側の端部23dには、凹状の歯形部23eが形成されており、この歯形部23eは、後述する第二出力側伝達部材25に形成された凸状の歯形部25cと歯合可能となっている。ベース部材23bは、入力側回転軸21の基部21aに遊挿されており、ベース部材23bには、径方向に沿って貫通する第二ピン案内部23gが形成されている。
この第二ピン案内部23gは、ベース部材23bの回転中心軸に対して斜め方向に延びる長孔により構成されている(すなわち、第二ピン案内部23gの両軸のうち長軸がベース部材23bの回転中心軸に対して斜め方向に延びるように構成されている)。このとき、第二ピン26bは、入力側回転軸21の径方向に突出し第二ピン案内部23gに移動自在に係合されている。この構成により、第二ピン26bが第二ピン案内部23gに沿って移動すると、入力側回転軸21の回転運動が第二入力側伝達部材23の軸方向への直動運動に変換される。
第一出力側伝達部材24は、第一入力側伝達部材22と対峙する共に入力側回転軸21と同軸上に配置されている。第一出力側伝達部材24には、軸方向に貫通する孔部24aが形成されており、この孔部24aには、入力側回転軸21の第一延出部21dが回転自在に挿入されている。第一出力側伝達部材24には、周方向に沿ってギアが設けられたギア部24bが形成されており、このギア部24bの第一入力側伝達部材22側には、凸状の歯形部24cが形成されている。歯形部24cの第一入力側伝達部材22側には、孔部24aよりも大径からなる凹部24dが形成されており、本例では、この凹部24dの底面に入力側回転軸21における第一段差部21fが係止されることにより、第一出力側伝達部材24の第一入力側伝達部材22側への移動が規制される構成となっている。
第二出力側伝達部材25は、第二入力側伝達部材23と対峙する共に入力側回転軸21と同軸上に配置されている。第二出力側伝達部材25は、第一出力側伝達部材24と点対称の関係にあり、その構成は、第一出力側伝達部材と同一である。すなわち、第二出力側伝達部材25には、軸方向に貫通する孔部25aが形成されており、この孔部25aには、入力側回転軸21の第二延出部21eが回転自在に挿入されている。第二出力側伝達部材25には、周方向に沿ってギアが設けられたギア部25bが形成されており、このギア部25bの第二入力側伝達部材23側には、凸状の歯形部25cが形成されている。
歯形部25cの第二入力側伝達部材23側には、孔部25aよりも大径からなる凹部25dが形成されており、本例では、この凹部25dの底面に入力側回転軸21における第二段差部21gが係止されることにより、第二出力側伝達部材25の第二入力側伝達部材23側への移動が規制される構成となっている。なお、第一出力側伝達部材24は、図2,図3に示すように、スラスト軸受30aによって第一入力側伝達部材22側へ付勢されており、第二出力側伝達部材25は、スラスト軸受30bによって第二入力側伝達部材23側へ付勢されている。
第一負荷付与部材28は、筐体60の内側に固設され、第一入力側伝達部材22を径方向内側に付勢する弾性片28aを有して構成されている。この弾性片28aは、第一入力側伝達部材22の外周面22jに摺接することにより、第一入力側伝達部材22の回転動作に対して抵抗力を作用させるものである。ここで、ギア部材22aの外周面22jは、図4,図7に示すように、第一ピン案内部22gの長軸方向と平行な方向に沿って複数の筋22pが全周に渡って形成された粗面により構成されている。本例では、この構成により、第一入力側伝達部材22の回転動作に対する抵抗力が増大されるので、第一入力側伝達部材22と第一出力側伝達部材24とが分離された状態で入力側回転軸21が回転し始めたときに、第一入力側伝達部材22が入力側回転軸21と連れ回ることを確実に防止できる。
そして、上述のようにして、第一入力側伝達部材22の連れ回りを防止することによって第一入力側伝達部材22と入力側回転軸21との間に回転速度差を生じさせることにより、入力側回転軸21の回転に伴って第一ピン26aを第一ピン案内部22gに沿って確実に移動させることができる。そして、本例では、上述のように、第一ピン26aを第一ピン案内部22gに沿って移動させることにより、入力側回転軸21の回転運動が第一入力側伝達部材22の軸方向への直動運動に確実に変換される。また、ギア部材22aの外周面22jに形成された筋22pは、上述のように、第一ピン案内部22gの長軸方向と平行な方向に沿って形成されているので、この筋22pの形成方向と、第一入力側伝達部材22が回転しながら軸方向に移動する方向とを一致させることができる。従って、外周面22jに筋22pを設けても、第一入力側伝達部材22の軸方向への移動に対する抵抗力の増加を抑えることができる。
第二負荷付与部材29は、第一負荷付与部材28と線対称の関係にあり、その構成は、第一負荷付与部材と同一である。すなわち、第二入力側伝達部材23を径方向内側に付勢する弾性片29aを有して構成されている。この弾性片29aは、第二入力側伝達部材23の外周面23jに摺接することにより、第二入力側伝達部材23の回転動作に対して抵抗力を作用させるものである。ここで、ギア部材23aの外周面23jは、第二ピン案内部23gの長軸方向と平行な方向に沿って複数の筋23pが全周に渡って形成された粗面により構成されている。本例では、この構成により、第二入力側伝達部材23の回転動作に対する抵抗力が増大されるので、第二入力側伝達部材23と第二出力側伝達部材25とが分離された状態で入力側回転軸21が回転し始めたときに、第二入力側伝達部材23が入力側回転軸21と連れ回ることを確実に防止できる。
そして、上述のようにして、第二入力側伝達部材23の連れ回りを防止することによって第二入力側伝達部材23と入力側回転軸21との間に回転速度差を生じさせることにより、入力側回転軸21の回転に伴って第二ピン26aを第二ピン案内部23gに沿って確実に移動させることができる。そして、本例では、上述のように、第二ピン26aを第二ピン案内部23gに沿って移動させることにより、入力側回転軸21の回転運動が第二入力側伝達部材23の軸方向への直動運動に確実に変換される。また、ギア部材23aの外周面23jに形成された筋23pは、上述のように、第二ピン案内部23gの長軸方向と平行な方向に沿って形成されているので、この筋の形成方向と、第二入力側伝達部材23が回転しながら軸方向に移動する方向とを一致させることができる。従って、外周面23jに筋23pを設けても、第二入力側伝達部材23の軸方向への移動に対する抵抗力の増加を抑えることができる。
そして、本例の回転駆動力伝達機構20では、図8に示すように、第一ピン26aが第一ピン案内部22gの第一係止部22hに係止されているときに、第一入力側伝達部材22が第一出力側伝達部材24から分離した状態となる。また、第一入力側伝達部材22が第一出力側伝達部材24から分離した状態にあるときには、第二ピン26bが第二ピン案内部23gの第二係止部23iに係止され、第二入力側伝達部材23の歯形部23eが第一出力側伝達部材24の歯形部24cと歯合された状態となる。
一方、図9に示すように、入力側回転軸21が回転し、第一ピン26aが第一ピン案内部22gの第二係止部22iに係止されているときには、第一入力側伝達部材22の歯形部22eが第一出力側伝達部材24の歯形部24cと歯合された状態となる。また、第一入力側伝達部材22の歯形部22eが第一出力側伝達部材24の歯形部24cと歯合された状態にあるときには、第二ピン26bが第二ピン案内部23gの第一係止部23hに係止され、第二入力側伝達部材23が第二出力側伝達部材25から分離した状態となる。
出力機構40は、図1乃至図3に示すように、第一出力機構部41と第二出力機構部42を有して構成されている。第一出力機構部41は、第一シャフト41a、第一歯車41b、第一カップリング41cより構成され、第二出力機構部42は、第二シャフト42a、第二歯車42b、第二カップリング42cより構成されている。第一シャフト41aおよび第二シャフト42aは、筐体60内において回転可能となっている。第一歯車41bは、第一シャフト41aに固設され、第一出力側伝達部材24のギア部24bに歯合されている。一方、第二歯車42bは、第二シャフト42aに固設され、第二出力側伝達部材25のギア部25bに歯合されている。
第一シャフト41aの一端は、筐体60の外部に突出し、その突出端には、第一カップリング41cが形成されている。また、第二シャフト42aの一端は、第一シャフト41aと同様に、筐体60の外部に突出し、その突出端には、第二カップリング42cが形成されている。第一カップリング41cには、不図示の第一の外部被駆動機構が接続され、第二カップリング42cには、不図示の第二の外部被駆動機構が接続される。
次に、本発明の第一実施形態に係る回転駆動力伝達機構およびこれを用いたアクチュエータの動作について説明する。まず、図2、図8に示すように、第一入力側伝達部材22と第一出力側伝達部材24とが分離された状態から、図3、図9に示すように、第一入力側伝達部材22と第一出力側伝達部材24とが接続され、モータ10の回転力が回転駆動力伝達機構20を介して出力機構40の第一出力機構部41に伝達されるまでの動作について説明する。
図2、図8に示すように、第一ピン26aが第一ピン案内部22gの第一係止部22hに係止された状態では、第一入力側伝達部材22が第一出力側伝達部材24と反対側へ移動しており、第一入力側伝達部材22と第一出力側伝達部材24とが分離した状態にある。また、第一入力側伝達部材22と第一出力側伝達部材24とが分離した状態にあるときには、第二ピン26bが第二ピン案内部23gの第二係止部23iに係止され、第二入力側伝達部材23が第二出力側伝達部材25に接続された状態となっている。
この状態から、モータ10の所定方向への回転によりウォームホイール27がR1方向へ回転すると、第一負荷付与部材28によって第一入力側伝達部材22の連れ回りが防止されたまま、入力側回転軸21が回転する。これにより、第一ピン26aが第一ピン案内部22g内を第一係止部22hから第二係止部22iへ向けて移動し、この第一ピン案内部22g内における第一ピン26aの移動によって、第一入力側伝達部材22が第一出力側伝達部材24側へ押し上げられて移動する。これと同時に、第二ピン26bが第二ピン案内部23g内を第二係止部23iから第一係止部23hへ向けて移動し、この第二ピン案内部23g内における第二ピン26bの移動によって、第二入力側伝達部材23が第二出力側伝達部材25と反対側へ押し上げられて移動する。
このとき、ギア部材22aの外周面22jに形成された筋22pは、上述のように、第一ピン案内部22gの長軸方向と平行な方向に沿って形成されている。これにより、この筋22pの形成方向と、第一入力側伝達部材22が回転しながら軸方向に移動する方向とを一致させることができる。この構成によれば、第一入力側伝達部材22の軸方向への移動に対する抵抗力の増加を抑えつつ、第一入力側伝達部材22の回転動作に対する抵抗力を増加させることが可能である。従って、第一入力側伝達部材22が入力側回転軸21と連れ回ることを防止しつつ、入力側回転軸21の回転に伴って第一入力側伝達部材22を第一出力側伝達部材24側へ円滑に移動させることが可能である。
また、ギア部材23aの外周面23jに形成された筋23pも、上述のように、第二ピン案内部23gの長軸方向と平行な方向に沿って形成されている。これにより、この筋23pの形成方向と、第二入力側伝達部材23が回転しながら軸方向に移動する方向とを一致させることができる。この構成によれば、第二入力側伝達部材23の軸方向への移動に対する抵抗力の増加を抑えつつ、第二入力側伝達部材23の回転動作に対する抵抗力を増加させることが可能である。従って、第二入力側伝達部材23が入力側回転軸21と連れ回ることを防止しつつ、入力側回転軸21の回転に伴って第二入力側伝達部材23を第二出力側伝達部材25と反対側へ円滑に移動させることが可能である。
そして、図3、図9に示すように、第一ピン26aが第二係止部22iに係止されると、第一入力側伝達部材22の第一出力側伝達部材24側への移動が停止されると共に、第一入力側伝達部材22が第一出力側伝達部材24と接続した状態となる。このとき、第一入力側伝達部材22の歯形部22eと第一出力側伝達部材24の歯形部24cとが歯合され、第一入力側伝達部材22と第一出力側伝達部材24とが強固に接続される。これと同時に、第二ピン26bが第一係止部23hに係止され、第二入力側伝達部材23が第二出力側伝達部材25と完全に分離した状態となる。
上述のようにして、第一入力側伝達部材22が第一出力側伝達部材24に接続され、且つ、第一ピン26aが第二係止部22iに係止された状態で、入力側回転軸21がR1方向へさらに回転し続けると、第一ピン26aが第二係止部22iに係止されていることによって、入力側回転軸21と共に第一入力側伝達部材22が回転する。このようにして、第一入力側伝達部材22が回転すると、この回転力が第一出力側伝達部材24に伝達されて、この第一出力側伝達部材24のギア部24bに歯合された第一歯車41bが回転する。これにより、第一シャフト41aと共に第一カップリング41cがR3方向へ回転し、第一カップリング41cに接続される不図示の第一の外部被駆動機構が作動する。
次に、図3、図9に示すように、第一入力側伝達部材22と第一出力側伝達部材24とが接続された状態から、図2、図8に示すように、第一入力側伝達部材22と第一出力側伝達部材24とが分離されることによって、出力機構40のうち第一出力機構部41に作用する外力が回転駆動力伝達機構20において遮断されるまでの動作について説明する。
図3、図9に示すように、第一ピン26aが第一ピン案内部22gの第二係止部22iに係止された状態では、第一入力側伝達部材22が第一出力側伝達部材24側へ移動しており、上記の通り、第一入力側伝達部材22と第一出力側伝達部材24とが接続した状態にある。この状態から、不図示の第一の外部被駆動機構を動作させることによって第一出力側伝達部材24がR1方向へ回転すると、第一出力側伝達部材24の回転に伴って第一入力側伝達部材22もR1方向へ回転する。このとき、第一入力側伝達部材22がR1方向へ回転しても、第一ピン26aに対して第一ピン案内部22gが移動するだけであって、第一出力側伝達部材24の回転力は入力側回転軸21に伝達されることはない。
そして、上述のようにして、第一ピン26aに対して第一ピン案内部22gが移動すると、この第一ピン案内部22gの傾斜面が第一ピン26aに対して移動することによって、第一入力側伝達部材22が第一出力側伝達部材24と反対側へ引き戻されて移動する。このとき、ギア部材22aの外周面22jに形成された筋22pは、上述のように、第一ピン案内部22gの長軸方向と平行な方向に沿って形成されているので、この筋22pの形成方向と、第一入力側伝達部材22が回転しながら軸方向に移動する方向とを一致させることができる。
従って、外周面22jに筋22pを設けても、第一入力側伝達部材22の軸方向への移動に対する抵抗力の増加を抑えることができる。このため、第一入力側伝達部材22と第一出力側伝達部材24とが接続された状態から第一入力側伝達部材22を軸方向へ円滑に移動させることが可能である。そして、図1、図7に示すように、第一係止部22hが第一ピン26aに係止されると、第一入力側伝達部材22が第一出力側伝達部材24と完全に分離した状態となる。
このように、本例の回転駆動力伝達機構20によれば、不図示の第一の外部被駆動機構を動作させることによって第一出力側伝達部材24がR1方向へ回転した場合には、第一入力側伝達部材22が第一出力側伝達部材24と分離されるので、第一出力側伝達部材24にモータ10の負荷等が作用することを防止できる。従って、出力機構40のうち第一出力機構部41に接続される不図示の第一の外部被駆動機構を自在に動作させることが可能である。
次に、図3、図9に示すように、第二入力側伝達部材23と第二出力側伝達部材25とが分離された状態から、図2、図8に示すように、第二入力側伝達部材23と第二出力側伝達部材25とが接続され、モータ10の回転力が回転駆動力伝達機構20を介して出力機構40の第二出力機構部42に伝達されるまでの動作について説明する。
図3、図9に示すように、第二ピン26bが第二ピン案内部23gの第一係止部23hに係止された状態では、第二入力側伝達部材23が第二出力側伝達部材25と反対側へ移動しており、第二入力側伝達部材23と第二出力側伝達部材25とが分離した状態にある。
この状態から、モータ10の所定方向への回転によりウォームホイール27がR2方向へ回転すると、第二負荷付与部材29によって第二入力側伝達部材23の連れ回りが防止されたまま、入力側回転軸21が回転する。これにより、第二ピン26bが第二ピン案内部23g内を第一係止部23hから第二係止部23iへ向けて移動し、この第二ピン案内部23g内における第二ピン26bの移動によって、第二入力側伝達部材23が第二出力側伝達部材25側へ押し上げられて移動する。
このとき、ギア部材23aの外周面23jに形成された筋23pは、上述のように、第二ピン案内部23gの長軸方向と平行な方向に沿って形成されている。これにより、この筋23pの形成方向と、第二入力側伝達部材23が回転しながら軸方向に移動する方向とを一致させることができる。この構成によれば、第二入力側伝達部材23の軸方向への移動に対する抵抗力の増加を抑えつつ、第二入力側伝達部材23の回転動作に対する抵抗力を増加させることが可能である。従って、第二入力側伝達部材23が入力側回転軸21と連れ回ることを防止しつつ、入力側回転軸21の回転に伴って第二入力側伝達部材23を第二出力側伝達部材25側へ円滑に移動させることが可能である。
そして、図2、図8に示すように、第二ピン26bが第二係止部23iに係止されると、第二入力側伝達部材23の第二出力側伝達部材25側への移動が停止されると共に、第二入力側伝達部材23が第二出力側伝達部材25と接続した状態となる。このとき、第二入力側伝達部材23の歯形部23eと第二出力側伝達部材25の歯形部25cとが歯合され、第二入力側伝達部材23と第二出力側伝達部材25とが強固に接続される。
上述のようにして、第二入力側伝達部材23が第二出力側伝達部材25に接続され、且つ、第二ピン26bが第二係止部23iに係止された状態で、入力側回転軸21がR2方向へさらに回転し続けると、第二ピン26bが第二係止部23iに係止されていることによって、入力側回転軸21と共に第二入力側伝達部材23が回転する。このようにして、第二入力側伝達部材23が回転すると、この回転力が第二出力側伝達部材25に伝達されて、この第二出力側伝達部材25のギア部25bに歯合された第二歯車42bが回転する。これにより、第二シャフト42aと共に第二カップリング42cがR4方向へ回転し、第二カップリング42cに接続される不図示の第二の外部被駆動機構が作動する。
このように、本例では、モータ10の正回転又は逆回転に応じて、第一カップリング41cおよび第二カップリング42cを互いに異なる方向に回転させることが可能である。そして、このように、第一カップリング41cおよび第二カップリング42cを互いに異なる方向に回転させることにより、不図示の外部被駆動機構を双方向に作動させることが可能となる。
次に、図2、図8に示すように、第二入力側伝達部材23と第二出力側伝達部材25とが接続された状態から、図3、図9に示すように、第二入力側伝達部材23と第二出力側伝達部材25とが分離されることによって、出力機構40のうち第二出力機構部42に作用する外力が回転駆動力伝達機構20において遮断されるまでの動作について説明する。
図2、図8に示すように、第二ピン26bが第二ピン案内部23gの第二係止部23iに係止された状態では、第二入力側伝達部材23が第二出力側伝達部材25側へ移動しており、上記の通り、第二入力側伝達部材23と第二出力側伝達部材25とが接続した状態にある。この状態から、不図示の第二の外部被駆動機構を動作させることによって第二出力側伝達部材25がR2方向へ回転すると、第二出力側伝達部材25の回転に伴って第二入力側伝達部材23もR2方向へ回転する。このとき、第二入力側伝達部材23がR2方向へ回転しても、第二ピン26bに対して第二ピン案内部23gが移動するだけであって、第二出力側伝達部材25の回転力は入力側回転軸21に伝達されることはない。
そして、上述のようにして、第二ピン26bに対して第二ピン案内部23gが移動すると、この第二ピン案内部23gの傾斜面が第二ピン26bに対して移動することによって、第二入力側伝達部材23が第二出力側伝達部材25と反対側へ引き戻されて移動する。このとき、ギア部材23aの外周面22jに形成された筋23pは、上述のように、第二ピン案内部23gの長軸方向と平行な方向に沿って形成されているので、この筋23pの形成方向と、第二入力側伝達部材23が回転しながら軸方向に移動する方向とを一致させることができる。
従って、外周面23jに筋23pを設けても、第二入力側伝達部材23の軸方向への移動に対する抵抗力の増加を抑えることができる。このため、第二入力側伝達部材23と第二出力側伝達部材25とが接続された状態から第二入力側伝達部材23を軸方向へ円滑に移動させることが可能である。そして、図3、図9に示すように、第一係止部23hが第二ピン26bに係止されると、第二入力側伝達部材23が第二出力側伝達部材25と完全に分離した状態となる。
このように、本例の回転駆動力伝達機構20によれば、不図示の第二の外部被駆動機構を動作させることによって第二出力側伝達部材25がR2方向へ回転した場合には、第二入力側伝達部材23が第二出力側伝達部材25と分離されるので、第二出力側伝達部材25にモータ10の負荷等が作用することを防止できる。従って、出力機構40のうち第二出力機構部42に接続される不図示の第二の外部被駆動機構を自在に動作させることが可能である。
(第二実施形態)
図10,図11は本発明の第二実施形態に係る回転駆動力伝達機構の一部を示す図で、図10は回転駆動力伝達機構の一部における分解図、図11は図10のC−C方向から見た一部断面を含む矢視図である。本発明の第二実施形態に係る回転駆動力伝達機構220において、上記第一実施形態に係る第二入力側伝達部材に相当する部材については、第二実施形態に係る第一入力側伝達部材222と点対称の関係にあり同一構成であるので、その説明を省略する。また、第一入力側伝達部材222以外の構成および全体動作については、上記第一実施形態に係る構成と同一であるので、その説明を省略する。なお、第二実施形態に係る回転駆動力伝達機構220において、上記第一実施形態に係る部材と同一構成からなる部材については、同一符号を用いて示す。
本発明の第二実施形態に係る回転駆動力伝達機構220において、第一入力側伝達部材222は、ギア部材222aとベース部材222bにより構成されている。ギア部材222aには、所定形状からなる凹部222cが形成されており、この凹部222cには、入力側回転軸21の第一孔部21bに圧入される第一ピン26aが収容される。ギア部材222aには、軸方向に貫通する孔部222kが形成されており、この孔部222kには、ベース部材222bの突出部222lが挿入される。
ベース部材222bには、第一出力側伝達部材24側へ開口する凹部222mが形成されており、この凹部222mには、ギア部材222aが圧入される。凹部222mの中央には、軸方向に沿って第一出力側伝達部材24側へ突出する突出部222lが形成されており、この突出部222lには、軸方向に貫通する孔部222fが形成されている。この孔部222fには、入力側回転軸21の基部21aが遊挿されている。
また、ベース部材222bには、径方向に沿って貫通する第一ピン案内部222gが形成されている。この第一ピン案内部222gは、上記第一実施形態と同様に、ベース部材222bの回転中心軸に対して斜め方向に延びる長孔により構成されている(すなわち、第一ピン案内部222gの両軸のうち長軸がベース部材222bの回転中心軸に対して斜め方向に延びるように構成されている)。このとき、第一ピン26aは、入力側回転軸21の径方向に突出し第一ピン案内部222gに移動自在に係合されている。
この構成により、第一ピン26aが第一ピン案内部222gに沿って移動すると、入力側回転軸21の回転運動が第一入力側伝達部材222の軸方向への直動運動に変換される。なお、第二実施形態に係る回転駆動力伝達機構220では、第一ピン26aは、第一ピン案内部222gを介して第一孔部21bに圧入され、その後、ギア部材222aがベース部材222bの凹部222mに圧入される。
第一負荷付与部材28の弾性片28aは、第一入力側伝達部材222の外周面222jに摺接することにより、第一入力側伝達部材222の回転動作に対して抵抗力を作用させる。このとき、ベース部材222bの外周面222jは、第一ピン案内部222gの長軸方向と平行な方向に沿って複数の筋222pが全周に渡って形成された粗面により構成されている。本例では、この構成により、第一入力側伝達部材222の回転動作に対する抵抗力が増大されるので、第一入力側伝達部材222と第一出力側伝達部材24とが分離された状態で入力側回転軸21が回転し始めたときに、第一入力側伝達部材22が入力側回転軸21と連れ回ることを確実に防止できる。
そして、上述のようにして、第一入力側伝達部材222の連れ回りを防止することによって第一入力側伝達部材222と入力側回転軸21との間に回転速度差を生じさせることにより、入力側回転軸21の回転に伴って第一ピン26aを第一ピン案内部222gに沿って確実に移動させることができる。そして、本例では、上述のように、第一ピン26aを第一ピン案内部222gに沿って移動させることにより、入力側回転軸21の回転運動が第一入力側伝達部材222の軸方向への直動運動に確実に変換される。
また、ギア部材222aの外周面222jに形成された筋222pは、上述のように、第一ピン案内部222gの長軸方向と平行な方向に沿って形成されているので、この筋222pの形成方向と、第一入力側伝達部材222が回転しながら軸方向に移動する方向とを一致させることができる。従って、外周面222jに筋222pを設けても、第一入力側伝達部材222の軸方向への移動に対する抵抗力の増加を抑えることができる。
そして、本例の回転駆動力伝達機構220では、第一ピン26aが第一ピン案内部222gにおける第一出力側伝達部材24側の第一係止部222hに係止されているときに、第一入力側伝達部材222が第一出力側伝達部材24から分離した状態となり、回転駆動力伝達機構220が動力遮断状態となる。一方、入力側回転軸21が回転し、第一ピン26aが第一ピン案内部222gにおける第一出力側伝達部材24と反対側の第二係止部222iに係止されているときには、第一入力側伝達部材222の歯形部22eが第一出力側伝達部材24の歯形部24cと歯合された状態となり、回転駆動力伝達機構220が動力伝達状態となる。
(第三実施形態)
図12,図13は本発明の第三実施形態を示す図で、図12は回転駆動力伝達機構の一部における分解図、図13は図12のD−D方向から見た一部断面を含む矢視図である。本発明の第三実施形態に係る回転駆動力伝達機構320において、上記第一実施形態に係る第二入力側伝達部材に相当する部材については、第三実施形態に係る第一入力側伝達部材322と点対称の関係にあり同一構成であるので、その説明を省略する。また、本発明の第三実施形態に係る回転駆動力伝達機構320において、第一入力側伝達部材322以外の構成および全体動作については、上記実施形態に係る構成と同一であるので、その説明を省略する。なお、第三実施形態に係る回転駆動力伝達機構320において、上記実施形態に係る部材と同一構成からなる部材については、同一符号を用いて示す。
本発明の第三実施形態に係る回転駆動力伝達機構320において、第一入力側伝達部材322は、ギア部材222aとベース部材322bにより構成されている。ギア部材222aの凹部222cには、ベース部材322bの第一孔部321bに圧入される第一ピン26aが収容される。ギア部材222aの孔部222kには、ベース部材322bの突出部222lが挿入され、ベース部材322bの凹部222mには、ギア部材222aが圧入される。
入力側回転軸321には、径方向に沿って貫通する第一ピン案内部322gが形成されている。この第一ピン案内部322gは、入力側回転軸321の回転中心軸に対して斜め方向に延びる長孔により構成されている(すなわち、第一ピン案内部322gの両軸のうち長軸が入力側回転軸321の回転中心軸に対して斜め方向に延びるように構成されている)。このとき、第一ピン26aは、第一入力側伝達部材322の径方向に突出し第一ピン案内部322gに移動自在に係合されている。
この構成により、第一ピン26aが第一ピン案内部322gに沿って移動すると、入力側回転軸21の回転運動が第一入力側伝達部材22の軸方向への直動運動に変換される。なお、第三実施形態に係る回転駆動力伝達機構320では、第一ピン26aは、第一ピン案内部322gを介して第一孔部321bに圧入され、その後、ギア部材222aがベース部材322bの凹部222mに圧入される。
ベース部材322bの外周面322jは、第一ピン案内部322gの長軸方向と平行な方向に沿って複数の筋322pが全周に渡って形成された粗面により構成されている。本例では、この構成により、第一入力側伝達部材322の回転動作に対する抵抗力が増大されるので、第一入力側伝達部材322と第一出力側伝達部材24とが分離された状態で入力側回転軸321が回転し始めたときに、第一入力側伝達部材322が入力側回転軸321と連れ回ることを確実に防止できる。
また、ギア部材322aの外周面322jに形成された筋322pは、上述のように、第一ピン案内部322gの長軸方向と平行な方向に沿って形成されているので、この筋322pの形成方向と、第一入力側伝達部材322が回転しながら軸方向に移動する方向とを一致させることができる。従って、外周面322jに筋322pを設けても、第一入力側伝達部材322の軸方向への移動に対する抵抗力の増加を抑えることができる。
そして、本例の回転駆動力伝達機構320では、第一ピン26aが第一ピン案内部322gにおける第一出力側伝達部材24側の第一係止部322hに係止されているときに、第一入力側伝達部材322の歯形部22eが第一出力側伝達部材24の歯形部24cと歯合された状態となり、回転駆動力伝達機構320が動力伝達状態となる。一方、第一ピン26aが第一ピン案内部322gにおける第一出力側伝達部材24と反対側の第二係止部322iに係止されているときには、第一入力側伝達部材22が第一出力側伝達部材24から分離した状態となり、回転駆動力伝達機構320が動力遮断状態となる。
(第四実施形態)
図14乃至図17は本発明の第四実施形態を示す図で、図14はアクチュエータの構成を示す図、図15はラッチ機構の構成を示す図、図16はアクチュエータが用いられた車両用バンパ装置の構成を示す図、図17は図16に示す車両用バンパ装置を車両に適用した例を示す図である。
本発明の第四実施形態に係るアクチュエータ401は、車両70の前部に進退道自在に設けられたバンパ71と、バンパ71を車両前方へ突出させる方向に付勢する弾性体72と、バンパ71を弾性体72の弾性力に抗して突出状態より後退した位置に保持するラッチ機構73と、バンパ71に接続されたワイヤ74と、ワイヤ74を巻き取るドラム75とを備えた車両用バンパ装置Sの駆動源として好適に用いられるものである。モータ410には、回転子411が備えられており、この回転子411の回転軸411aには、ウォームギア412が形成されている。入力側回転軸421は、筐体460内において回転自在に配設されており、入力側回転軸421の端部には、ウォームホイール427が配設されている。ウォームホイール427には、ウォームギア412が歯合されており、これによって、ウォームギア412の回転に伴って入力側回転軸421が双方向に回転するようになっている。
本発明の第四実施形態に係る回転駆動力伝達機構420の入力側伝達部材422には、径方向に沿って貫通するピン案内部422gが形成されており、このピン案内部422gは、入力側伝達部材422の回転中心軸に対して斜め方向に延びる長孔により構成されている(すなわち、ピン案内部422gの両軸のうち長軸が入力側伝達部材422の回転中心軸に対して斜め方向に延びるように構成されている)。ピン426は、入力側回転軸421の径方向に突出しピン案内部422gに移動自在に係合されている。この構成により、ピン426がピン案内部422gに沿って移動すると、入力側回転軸421の回転運動が入力側伝達部材422の軸方向への直動運動に変換される。入力側伝達部材422には、凹状の歯形部422e,422fが形成されており、歯形部422eは、第一出力側伝達部材424に形成された凸状の歯形部424cと歯合可能となっており、歯形部422fは、第二出力側伝達部材425に形成された凸状の歯形部425cと歯合可能となっている。
第一出力側伝達部材424は、入力側伝達部材422と対峙する共に入力側回転軸421と同軸上に配置され、入力側回転軸421に対して回転自在となっている。第一出力側伝達部材424の入力側伝達部材422側には、凸状の歯形部424cが形成されている。また、第一出力側伝達部材424には、後述するラッチ機構73のストッパ76aに形成された円弧部76eに当接するカム部424eが形成されている。第二出力側伝達部材425は、入力側伝達部材422を挟んだ反対側で入力側回転軸421に対して回転自在となっている。第二出力側伝達部材425の入力側伝達部材422側には、凸状の歯形部425cが形成されており、第二出力側伝達部材425の入力側伝達部材422と反対側には、ドラム75が一体に形成されている。なお、本例では、ドラム75が第二出力側伝達部材425と一体に形成されているが、ドラム75が第二出力側伝達部材425と別体で構成されていても良い。
第一出力側伝達部材424は、スラスト軸受430aによって入力側伝達部材422側へ付勢されており、第二出力側伝達部材425は、スラスト軸受430bによって入力側伝達部材422側へ付勢されている。負荷付与部材428は、筐体460の内側に固設され、入力側伝達部材422を径方向内側に付勢し、入力側伝達部材422の回転動作に対して抵抗力を作用させるものである。上記第一乃至第三実施例では、二つの負荷付与部材が設けられていたが、本例では、一つの負荷付与部材を有する構成となっている。また、本例のアクチュエータ401には、ラッチ機構73が接続されている。ラッチ機構73は、図15に示すように、一対のストッパ76a,76b、連結棒77、バネ78、支持板79を有して構成されている。ストッパ76aは、支持軸76cにより回動自在となっており、ストッパ76bは、支持軸76dにより回動自在となっている。ストッパ76aには、第一出力側伝達部材424のカム部424eが当接する円弧部76eが形成されている。ストッパ76a,76bは、通常、バネ78の引っ張り力により、図15に示すように、互いに平行な状態となっている。
そして、本例のアクチュエータ401では、ピン426がピン案内部422gの第一係止部422hに係止されているときに、入力側伝達部材422が第一出力側伝達部材424から分離し第二出力側伝達部材425に接続された状態となる。また、ピン426がピン案内部422gの第二係止部422iに係止されているときには、入力側伝達部材422が第二出力側伝達部材425から分離し第一出力側伝達部材424に接続された状態となる。入力側伝達部材422が第一出力側伝達部材424に接続された状態で入力側回転軸421がさらに回転すると、第一出力側伝達部材424に形成されたカム部424eがラッチ機構73のストッパ76aに形成された円弧部76eをストッパ76b側へ押し込む。これにより、図15の一点鎖線に示すように、ストッパ76a,76bの先端が互いに近づくようになり、ラッチ機構73が解除状態となる。このように、モータ410の一方向の回転によって第一出力側伝達部材424を回転させることによりラッチ機構73を解除させることができ、これにより、バンパ71を車両前方へ突出させることができる。なお、バンパ71は、車両に設けられたレーダ80などで障害物を検知した場合に、車両前方へ突出される。
一方、モータ410が他方向に回転すると、入力側伝達部材422が第一出力側伝達部材424から分離し第二出力側伝達部材425に接続された状態となる。入力側伝達部材422が第二出力側伝達部材425に接続された状態で入力側回転軸421がさらに回転すると第二出力側伝達部材425と共にドラム75が回転する。このように、モータ410の他方向の回転によって第二出力側伝達部材425を回転させることによりドラム75を回転させてワイヤ74を巻き取ることができ、これにより、車両前方に突出したバンパ71を突出状態より後退した位置に収容させることができる。このように、本例のアクチュエータ410を車両用バンパ装置Sに適用することにより、ラッチ機構73とドラム75を一つの駆動源により作動させることが可能となるので、従来に比して装置を軽量化することができると共にコストも低減することが可能となる。
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(イ)本実施形態によれば、回転運動を軸方向への直動運動に変換するという機械的な構成からなる回転直動変換手段(第一ピン26a、第二ピン26b、第一ピン案内部22g、第二ピン案内部23gにより構成)を用いることにより、電磁クラッチ機構のような電気的な駆動部(例えば、コイルを備えた電磁器など)を不要することが可能である。これにより、電磁クラッチ機構を用いたときのように、電磁クラッチ機構を制御するための制御回路を不要とすることが可能になると共に、発熱等の問題も解消することが可能となる。
(ロ)本実施形態によれば、第一出力側伝達部材24が外力によって回転させられた場合には、第一入力側伝達部材22を第一出力側伝達部材24と完全に分離させて動力を遮断することができる。同様に、第二出力側伝達部材25が外力によって回転させられた場合には、第二入力側伝達部材23を第二出力側伝達部材25と完全に分離させて動力を遮断することができる。これにより、ワンウェイクラッチ機構を用いたときのように、クラッチ部材同士が摺接されることによって回転ロスが生じるなどの不具合も解消することが可能となる。
(ハ)本実施形態によれば、入力側回転軸21のR1方向への回転によって第一出力側伝達部材24をR1方向に回転させることができると共に、入力側回転軸21のR2方向への回転によって第二出力側伝達部材25をR2方向に回転させることができる。そして、第一出力側伝達部材24をR1方向に回転させることにより、第一カップリング41cをR3方向に回転することができ、第二出力側伝達部材25をR2方向に回転させることにより、第二カップリング42cをR4方向に回転することができる。このように、入力側回転軸21の回転方向に応じて第一出力側伝達部材24および第二出力側伝達部材25の回転を切り替えることにより、第一カップリング41cおよび第二カップリング42cを互いに異なる方向に回転させることができる。従って、第一カップリング41cおよび第二カップリング42cに接続される不図示の外部被駆動機構を双方向に作動させることが可能となる。
(ニ)本実施形態によれば、第一入力側伝達部材22を径方向に付勢する第一負荷付与部材28を備えているので、第一入力側伝達部材22の回転動作に対して抵抗力を作用させることができる。従って、第一入力側伝達部材22と第一出力側伝達部材24とが分離された状態で入力側回転軸21が回転し始めたときに、第一入力側伝達部材22が入力側回転軸21と連れ回ることを防止することができる。このようにして、第一入力側伝達部材22の連れ回りを防止することによって第一入力側伝達部材22と入力側回転軸21との間に回転速度差を生じさせることにより、入力側回転軸21の回転に伴って第一ピン26aを第一ピン案内部22gに沿って確実に移動させることができる。そして、このようにして、第一ピン26aを第一ピン案内部22gに沿って移動させることにより、入力側回転軸21の回転運動を第一入力側伝達部材22の軸方向への直動運動に変換することが可能となる。また、第二負荷付与部材29を設けたことによっても同様な作用効果が得られる。
(ホ)本実施形態によれば、ギア部材22aの外周面22jは、第一ピン案内部22gの長軸方向と平行な方向に沿って複数の筋22pが全周に渡って形成された粗面により構成されているので、第一入力側伝達部材22の回転動作に対する抵抗力を増大させることができる。これにより、第一入力側伝達部材22と第一出力側伝達部材24とが分離された状態で入力側回転軸21が回転し始めたときに、第一入力側伝達部材22が入力側回転軸21と連れ回ることを確実に防止できる。また、ギア部材22aの外周面22jに形成された筋22pは、上述のように、第一ピン案内部22gの長軸方向と平行な方向に沿って形成されているので、この筋22pの形成方向と、第一入力側伝達部材22が回転しながら軸方向に移動する方向とを一致させることができる。従って、外周面22jに筋22pを設けても、第一入力側伝達部材22の軸方向への移動に対する抵抗力の増加を抑えることができる。また、ギア部材23aの外周面23jに筋23pを形成したことによっても同様な作用効果が得られる。
(ヘ)本実施形態によれば、第一入力側伝達部材22の第一出力側伝達部材24側の接続面および第一出力側伝達部材24の第一入力側伝達部材22側の接続面には、互いに歯合可能な歯形部22e,24cがそれぞれ形成されているので、第一入力側伝達部材22と第一出力側伝達部材24の接続をより強固にすることができる。また、第二入力側伝達部材23の第二出力側伝達部材25側の接続面および第二出力側伝達部材25の第二入力側伝達部材23側の接続面には、互いに歯合可能な歯形部23e,25cがそれぞれ形成されているので、第二入力側伝達部材23と第二出力側伝達部材25の接続をより強固にすることができる。
(ト)本実施形態によれば、第一入力側伝達部材22、第二入力側伝達部材23、第一出力側伝達部材24、および第二出力側伝達部材25がいずれも入力側回転軸21と同軸上に配置されているので、第一入力側伝達部材22と第一出力側伝達部材24との接続および第二入力側伝達部材23と第二出力側伝達部材25との接続をより確実に行うことが可能である。
(チ)第四実施形態のアクチュエータ401によれば、モータ410の一方向の回転によって入力側伝達部材422を第一出力側伝達部材424に接続し、第一出力側伝達部材424を回転させることによりラッチ機構73を解除させてバンパ71を車両前方へ突出させることができる。また、モータ410の他方向の回転によって入力側伝達部材422を第二出力側伝達部材425に接続し、第二出力側伝達部材425を回転させることによりドラム75を回転させてワイヤ74を巻き取ることができ、これにより、車両前方に突出したバンパ71を突出状態より後退した位置に収容させることができる。このように、本例のアクチュエータ410を車両用バンパ装置Sに適用することにより、ラッチ機構73とドラム75を一つの駆動源により作動させることが可能となるので、従来に比して装置を軽量化することができると共にコストも低減することが可能となる。
本発明の実施の形態は、以下のように改変することができる。
(a)上記実施形態では、回転駆動力伝達機構20がアクチュエータ1に設けられ、回転駆動力伝達機構20の入力側回転軸21がモータ10により回転させられる(すなわち、駆動源がモータ10である)ように説明したが、本発明に係る回転駆動力伝達機構20はこれに限定されるものではない。その他にも、回転駆動力伝達機構20は、手動により入力側回転軸21が回転させられる構成に用いられていても良い。
(b)上記実施形態では、第一ピン案内部22gおよび第二ピン案内部23gが長孔からなるように説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。その他にも、第一ピン案内部22gおよび第二ピン案内部23gは長溝により構成されていても良い。また、第一ピン案内部22gおよび第二ピン案内部23gは直線状の長孔からなるように図示したが、本発明はこれに限定されるものではない。その他にも、第一ピン案内部22gおよび第二ピン案内部23gは螺旋状に形成されていても良い。また、入力側回転軸321に形成された第一ピン案内部322gも、長溝でも良く、また、螺旋状の溝でも良い。
(c)上記実施形態では、複数の筋22pは、第一入力側伝達部材22の第一負荷付与部材28と摺接される外周面22jに形成されるように説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。その他にも、第一負荷付与部材28の第一入力側伝達部材22と摺接される面に筋が形成されても良い。また、第一入力側伝達部材22の第一負荷付与部材28と摺接される面と、第一負荷付与部材28の第一入力側伝達部材22と摺接される面の両方に筋が形成されていても良い。また、上記実施形態では、筋22pが、第一ピン案内部22gの長軸方向と平行な方向に沿って形成されるように説明したが、これは最も好ましい形態であって、筋の形成角度を種々改変することができることは勿論である。ただし、筋を周方向(すなわち、第一入力側伝達部材22の回転軸と直交する方向)に沿って形成した場合には、第一入力側伝達部材22の軸方向への移動に対する抵抗力が大きくなるため好ましくない。なお、筋23pについても同様に改変することができる。
(d)上記実施形態では、本発明に係る入力側伝達部材を第一入力側伝達部材22および第二入力側伝達部材23により構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る入力側伝達部材は、上記実施形態のように2パーツからなるものの他に、1パーツ(例えば、第一入力側伝達部材22と第二入力側伝達部材23を一体に形成したもの)により構成されるものであっても良い。
(e)上記実施形態では、本発明に係る負荷付与部材を第一負荷付与部材28および第二負荷付与部材29により構成したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明に係る負荷付与部材は、上記実施形態のように2パーツからなるものの他に、1パーツ(例えば、第一負荷付与部材28と第二負荷付与部材29を一体に形成したもの)により構成されるものであっても良い。
第一実施形態に係るアクチュエータの構成を示す上面図である。 第一実施形態に係るアクチュエータの構成を示す断面図(動力遮断状態)である。 第一実施形態に係るアクチュエータの構成を示す断面図(動力伝達状態)である。 第一実施形態に係る回転駆動力伝達機構の分解図である。 図4のA−A方向から見た一部断面を含む矢視図である。 第一実施形態に係る入力側伝達部材と摩擦部材の構成を示す図である。 図6のB−B方向から見た矢視図である。 第一実施形態に係る回転駆動力伝達機構の動作を示す第一説明図(動力遮断状態)である。 第一実施形態に係る回転駆動力伝達機構の動作を示す第二説明図(動力伝達状態)である。 第二実施形態に係る回転駆動力伝達機構の分解図である。 図10のC−C方向から見た一部断面を含む矢視図である。 第三実施形態に係る回転駆動力伝達機構の分解図である。 図12のD−D方向から見た一部断面を含む矢視図である。 第四実施形態に係るアクチュエータの構成を示す図である。 第四実施形態に係るラッチ機構の構成を示す図である。 第四実施形態に係るアクチュエータが用いられた車両用バンパ装置の構成を示す図である。 図16に示す車両用バンパ装置を車両に適用した例を示す図である。
符号の説明
1,401 アクチュエータ、10,410 モータ、11,411 回転子、11a,411a 回転軸、12,412 ウォームギア、20,220,320,420 回転駆動力伝達機構、21,321,421 入力側回転軸、21a 基部、21b,321b 第一孔部、21c 第二孔部、21d 第一延出部、21e 第二延出部、21f 第一段差部、21g 第二段差部、22,222,322 第一入力側伝達部材、22a,222a,322a ギア部材、22b,222b,322b ベース部材、22c,222c,222m 凹部、22d 端部、22e,23e,24c,422e,422f,425c 歯形部、22f,22k,222f,222k 孔部、22g,222g,322g 第一ピン案内部、22h,222h,322h 第一係止部、22i,222i,322i 第二係止部、22j,23j,222j,322j 外周面、22l,222l 突出部、22p,222p,322p 筋、23 第二入力側伝達部材、23a ギア部材、23b ベース部材、23d 端部、23g 第二ピン案内部、23h 第一係止部、23i 第二係止部、23p 筋、24,424 第一出力側伝達部材、24a 孔部、24b ギア部、24d 凹部、25,425 第二出力側伝達部材、25a 孔部、25b ギア部、25c 歯形部、25d 凹部、26a 第一ピン、26b 第二ピン、27,427 ウォームホイール、28,428 第一負荷付与部材、29 第二負荷付与部材、28a,29a 弾性片、30a,30b,430a,430b スラスト軸受、40 出力機構、41 第一出力機構部、41a 第一シャフト、41b 第一歯車、41c 第一カップリング、42 第二出力機構部、42a 第二シャフト、42b 第二歯車、42c 第二カップリング、60,460 筐体、70 車両、71 バンパ、72 弾性体、73 ラッチ機構、74 ワイヤ、75 ドラム、76a,76b ストッパ、76c,76d 支持軸、76e 円弧部、77 連結棒、78 バネ、79 支持板、80 レーダ、422 入力側伝達部材、422g ピン案内部、424e カム部、426 ピン、S 車両用バンパ装置

Claims (15)

  1. 駆動源による双方向への回転駆動力を出力機構に伝達する回転駆動力伝達機構において、
    前記駆動源により双方向に回転させられる入力側回転軸と、
    該入力側回転軸と同軸上に配置されると共に該入力側回転軸の軸方向へ移動可能に配設された入力側伝達部材と、
    該入力側伝達部材と対峙して配置されると共に前記入力側回転軸に対して回転自在に配設された第一の出力側伝達部材と、
    前記入力側伝達部材を挟んで前記第一の出力側伝達部材と反対側に前記入力側伝達部材と対峙して配置されると共に前記入力側回転軸に対して回転自在に配設された第二の出力側伝達部材と、
    前記入力側回転軸の一方向への回転によって前記入力側伝達部材を前記第一の出力側伝達部材側へ移動させて前記入力側伝達部材を前記第一の出力側伝達部材に接続させた第一の動力伝達状態にし、前記入力側回転軸の他方向への回転によって前記入力側伝達部材を前記第二の出力側伝達部材側へ移動させて前記入力側伝達部材を前記第二の出力側伝達部材に接続させた第二の動力伝達状態にする回転直動変換手段と、を備えたことを特徴とする回転駆動力伝達機構。
  2. 前記回転直動変換手段は、前記入力側回転軸に配設された突起部と、
    前記入力側伝達部材に形成された突起案内部と、からなり、
    該突起案内部は、前記入力側伝達部材の回転中心軸に対して斜め方向に延びる長孔又は長溝により構成され、
    前記突起部は、前記入力側回転軸の径方向に突出し前記突起案内部に移動自在に係合されたことを特徴とする請求項1に記載の回転駆動力伝達機構。
  3. 前記回転直動変換手段は、前記入力側伝達部材に配設された突起部と、
    前記入力側回転軸に形成された突起案内部と、からなり、
    該突起案内部は、前記入力側回転軸の回転中心軸に対して斜め方向に延びる長孔又は長溝により構成され、
    前記突起部は、前記入力側伝達部材の径方向に突出し前記突起案内部に移動自在に係合されたことを特徴とする請求項1に記載の回転駆動力伝達機構。
  4. 前記入力側伝達部材を径方向に付勢する負荷付与部材を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の回転駆動力伝達機構。
  5. 前記入力側伝達部材を径方向に付勢する負荷付与部材を備え、
    前記入力側伝達部材の負荷付与部材と摺接される面、又は、前記負荷付与部材の入力側伝達部材と摺接される面のうち少なくとも一方は、前記突起案内部の長軸方向と略平行な方向に沿って複数の筋が形成された粗面により構成されたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の回転駆動力伝達機構。
  6. 前記入力側伝達部材の第一の出力側伝達部材側の接続面および前記第一の出力側伝達部材の入力側伝達部材側の接続面には、互いに歯合可能な歯形部が形成され、
    前記入力側伝達部材の第二の出力側伝達部材側の接続面および前記第二の出力側伝達部材の入力側伝達部材側の接続面には、互いに歯合可能な歯形部が形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の回転駆動力伝達機構。
  7. 前記第一の出力側伝達部材および前記第二の出力側伝達部材は、前記入力側回転軸と同軸上に配置されたことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の回転駆動力伝達機構。
  8. 双方向に回転可能なモータと、
    該モータの回転駆動力を伝達する動力伝達状態と前記モータの回転駆動力を遮断する動力遮断状態とに切り替え可能な回転駆動力伝達機構と、
    該回転駆動力伝達機構のモータと反対側に接続される出力機構と、を備えたアクチュエータにおいて、
    前記回転駆動力伝達機構は、
    前記モータにより双方向に回転させられる入力側回転軸と、
    該入力側回転軸と同軸上に配置されると共に該入力側回転軸の軸方向へ移動可能に配設された入力側伝達部材と、
    該入力側伝達部材と対峙して配置されると共に前記入力側回転軸に対して回転自在に配設された第一の出力側伝達部材と、
    前記入力側伝達部材を挟んで前記第一の出力側伝達部材と反対側に前記入力側伝達部材と対峙して配置されると共に前記入力側回転軸に対して回転自在に配設された第二の出力側伝達部材と、
    前記入力側回転軸の一方向への回転によって前記入力側伝達部材を前記第一の出力側伝達部材側へ移動させて前記入力側伝達部材を前記第一の出力側伝達部材に接続させた第一の動力伝達状態にし、前記入力側回転軸の他方向への回転によって前記入力側伝達部材を前記第二の出力側伝達部材側へ移動させて前記入力側伝達部材を前記第二の出力側伝達部材に接続させた第二の動力伝達状態にする回転直動変換手段と、を備えたことを特徴とするアクチュエータ。
  9. 前記回転直動変換手段は、前記入力側回転軸に配設された突起部と、
    前記入力側伝達部材に形成された突起案内部と、からなり、
    該突起案内部は、前記入力側伝達部材の回転中心軸に対して斜め方向に延びる長孔又は長溝により構成され、
    前記突起部は、前記入力側回転軸の径方向に突出し前記突起案内部に移動自在に係合されたことを特徴とする請求項8に記載のアクチュエータ。
  10. 前記回転直動変換手段は、前記入力側伝達部材に配設された突起部と、
    前記入力側回転軸に形成された突起案内部と、からなり、
    該突起案内部は、前記入力側回転軸の回転中心軸に対して斜め方向に延びる長孔又は長溝により構成され、
    前記突起部は、前記入力側伝達部材の径方向に突出し前記突起案内部に移動自在に係合されたことを特徴とする請求項8に記載のアクチュエータ。
  11. 前記入力側伝達部材を径方向に付勢する負荷付与部材を備えたことを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
  12. 前記入力側伝達部材を径方向に付勢する負荷付与部材を備え、
    前記入力側伝達部材の負荷付与部材と摺接される面、又は、前記負荷付与部材の入力側伝達部材と摺接される面のうち少なくとも一方は、前記突起案内部の長軸方向と略平行な方向に沿って複数の筋が形成された粗面により構成されたことを特徴とする請求項9又は請求項10に記載のアクチュエータ。
  13. 前記入力側伝達部材の第一の出力側伝達部材側の接続面および前記第一の出力側伝達部材の入力側伝達部材側の接続面には、互いに歯合可能な歯形部が形成され、
    前記入力側伝達部材の第二の出力側伝達部材側の接続面および前記第二の出力側伝達部材の入力側伝達部材側の接続面には、互いに歯合可能な歯形部が形成されたことを特徴とする請求項8乃至請求項12のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
  14. 前記第一の出力側伝達部材および前記第二の出力側伝達部材は、前記入力側回転軸と同軸上に配置されたことを特徴とする請求項8乃至請求項13のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
  15. 前記アクチュエータは、車両の前部に進退道自在に設けられたバンパと、該バンパを車両前方へ突出させる方向に付勢する弾性体と、前記バンパを前記弾性体の弾性力に抗して突出状態より後退した位置に保持するラッチ機構と、前記バンパに接続されたワイヤと、該ワイヤを巻き取るドラムとを備えた車両用バンパ装置に用いられ、
    前記第一の出力側伝達部材は、前記ラッチ機構側に連結され、
    前記第二の出力側伝達部材は、前記ドラム側に連結され、
    前記モータの一方向の回転によって前記第一の出力側伝達部材を回転させることにより前記ラッチ機構を解除させて前記バンパを車両前方へ突出させ、
    前記モータの他方向の回転によって前記第二の出力側伝達部材を回転させることにより前記ドラムを回転させて前記ワイヤを巻き取り車両前方に突出した前記バンパを突出状態より後退した位置に収容させることを特徴とする請求項8乃至請求項14のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
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