JP5314534B2 - 回転電動工具の自動変速装置 - Google Patents

回転電動工具の自動変速装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5314534B2
JP5314534B2 JP2009192390A JP2009192390A JP5314534B2 JP 5314534 B2 JP5314534 B2 JP 5314534B2 JP 2009192390 A JP2009192390 A JP 2009192390A JP 2009192390 A JP2009192390 A JP 2009192390A JP 5314534 B2 JP5314534 B2 JP 5314534B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
switching
interlocking
automatic transmission
axial direction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009192390A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011042012A (ja
Inventor
将利 渥美
穣 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2009192390A priority Critical patent/JP5314534B2/ja
Publication of JP2011042012A publication Critical patent/JP2011042012A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5314534B2 publication Critical patent/JP5314534B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Structure Of Transmissions (AREA)

Description

本発明は、回転電動工具の自動変速装置、殊に回転電動工具における減速比を変更する切換動作を負荷変動に応じて自動的に行う自動変速装置に関するものである。
従来から、ドリルドライバ、インパクトドライバや、オイルパルスドライバや、回転レンチ等の回転電動工具において、減速機構により駆動源からの回転駆動を減速して出力している。例えば、減速機構が複数段の遊星減速段を有し、初段の遊星減速段が、駆動源の出力軸に取り付けられるギアを太陽ギアとして、インターナルギアと、遊星ギアと、遊星ギアを連結ピンを介して保持しているキャリアと、からなり、該キャリアに次段の太陽ギアが取り付けられている。
また、上記複数段の遊星減速段を有した減速機構に減速比を変更する変速装置を設けて作業中の負荷変動に応じて減速比を切り換えることで、作業効率を向上させたものがある。例えば、回転電動工具を用いた作業とは、孔開口作業や締付作業等であり、低トルク高速回転で作業を開始して作業中に上記変速装置により高トルク低速回転に切り換えることで、作業の進行により増加した負荷に対応させて、作業効率を向上させるものである。
特に、特許文献1のように、遊星減速機構に自動変速装置を設けて、作業中の負荷変動に応じた減速比の変更を自動変速装置で回転駆動中に自動的に行わせて、使用者が回転電動工具の使用を止めて手動操作で切り換える等の使用者の負担を軽減したものがある。詳しくは、複数段の遊星機構の一つのインターナルギアを変速用インターナルギア(切換用ギア)として軸方向移動させて減速比を切り換えるカム装置を備えたものである。上記カム装置は、変速用インターナルギアの駆動源側に位置する他のインターナルギアの所定トルク未満での回転を規制する弾性体と、上記他のインターナルギアの所定トルクに達した際の回転を軸方向の移動に変換するカム部材と、変速用インターナルギアを軸方向に付勢する反転ばねと、からなっている。上記反転ばねは減速比の切換前後で付勢する向きが反転するものであり、付勢する向きの反転により変速用インターナルギアを切換前と切換後の各位置に夫々保持している。そして、変速用インターナルギアの軸方向移動中に反転ばねの付勢する向きが反転されるため、変速用インターナルギアの軸方向移動を補助する補助力となっている。
特許第03084138号公報
しかしながら、特許文献1のものでは反転ばねを変速用インターナルギアの外周面に設けているため、反転ばねの付勢力が軸に対して斜めにかかり、変速用インターナルギアの軸ずれを生じて、ギア破損等の遊星機構に不具合を招くことがある。
そして、カム装置を用いて回転力を軸方向移動力に変換して切換用ギアを軸方向移動させるため、カム装置の動作で生じる摩擦による騒音が大きく、且つ磨耗による製品寿命の低下をまねくという問題がある。
そこで、本発明は上記事情に鑑みて発明したものであり、カム装置を廃止すると共に、切換時に切換用ギアを平行に軸方向移動させることで、騒音の発生を抑制すると共に、減速比の切換時の軸ずれを防止して、スムーズで安定した切換を行う自動変速装置を提供することを課題とした。
上記課題を解決するために、本発明の自動変速装置は、駆動源からの回転駆動を減速する遊星減速段を備えた減速機構に設けられている。上記遊星減速段の少なくとも一つのギアが上記減速機構の減速比を変更する切換用ギア12であり、上記切換用ギア12を負荷変動に対応して軸方向移動させることで上記減速比を切り換える切換部を備えている。上記切換部は、切換用ギア12を伴って平行に軸方向移動する連動部と、上記連動部を軸方向Aにのみ付勢する付勢部16と、上記付勢部16の付勢に抗して上記連動部を保持する保持部18と、を備えている。上記連動部が外周に向けて突出した突部17を有し、上記保持部18が上記突部17を挿通可能とした溝を有している。そして、負荷変動に応じて上記突部17が溝に挿通して保持部18による保持を解き、上記付勢部16による付勢で上記連動部が上記切換用ギア12を伴って平行に軸方向移動するものであることを特徴としている。
このような構成としたことで、負荷の変動に対応して減速比の切換を行うことで、使用者による切換操作が不要となり、回転駆動を中断せずに減速比を変更することができる。そして、保持部18が負荷変動に応じて係脱すると共に、付勢部16の付勢力のみで軸方向移動するものとなり、負荷変動に応じて回転力を軸方向移動力に変換するカム部材を廃除することができる。
また、請求項2に係る発明は、請求項1に記載の発明の特徴に加えて、保持部18をギアケース1と別部材としたことを特徴としている。
また、請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の発明の特徴に加えて、連動部が突部17を外周面に備えたリング形状であり、該リングの内周に切換用ギア12が配置されたものであることを特徴としている。
また、請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明の特徴に加えて、付勢部16は切換用ギア12と同芯の円周上に等間隔で配置された複数の弾性体からなるものであることを特徴としている。
また、請求項5に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発明の特徴に加えて、付勢部16は永久磁石25からなるものであることを特徴としている。
また、請求項6に係る発明は、請求項5に記載の発明の特徴に加えて、永久磁石25を切換用ギア12と同芯の円周上に等間隔で複数個配置したものであることを特徴としている。
上記のように、本発明の自動変速装置は負荷の変動に対応して減速比の切換を行うことで、使用者による切換操作が不要となり、使用者の負担を軽減して、使い勝手の向上した回転電動工具となっている。そして、保持部及び付勢部を設けたことにより、カム部材が不要となり、カム部材の動作時の摩擦による騒音を無くすことができて、切換時の騒音の発生を抑制することができる。そして、カム部材がないため、カム動作による磨耗や部品変形の発生を防止できて、製品寿命を向上することができる。更に、軸方向移動時の動力源である付勢部が軸方向に沿ってのみ付勢するため、切換用ギアを平行に軸方向移動させることができて、切換時に切換用ギアの軸ぶれを防止できて、安定でスムーズな減速比の切換を行うことができる。
また、保持部をギアケースと別部材とすることで、製造時の溝の形状精度を向上できて、突部の挿通をよりスムーズに行えて、減速比の切換をよりスムーズで安定したものにすることができる。
また、付勢部を複数の弾性体からなるものとしたことで、設計の自由度が増して、騒音をより低減することができると共に、付勢をより容易に軸方向に沿ってのみ行えて、減速比の切換をよりスムーズで安定したものにすることができる。
また、付勢部の付勢力に磁力を用いたことで、付勢部の回転方向の拘束を無くせて、設計の自由度を増して、騒音をより低減することができると共に、減速比の切換をスムーズで安定したものにすることができる。特に、磁力を等間隔で配置することで、設計の自由度が増すと共に、減速比の切換をより容易に安定でスムーズに行うことができる。
本発明の実施例の減速機構の断面図であり、(a)が低トルク高速回転モードであり、(b)が高トルク低速回転モードである。 同上の減速機構に設けた自動変速装置の分解斜視図である。 同上の負荷変動に対する一段目のインターナルギアの動作の説明図であり、(a)が切換前であり、(b)が切換途中である。 連動リングを複数の弾性体で付勢した例の要部の斜視図である。 連動リングを磁力により付勢した例の要部の斜視図である。 一段目のインターナルギアと連動リングを一体とした例の斜視図である。
以下、図面に基づいて本発明の各実施形態について説明する。なお、説明の便宜上、特に指定した場合を除き、各形状は軸方向Aに沿って視た形状であり、上記軸方向Aに沿って駆動源側を後方とし、出力側を前方とする。
本発明の自動変速装置は回転電動工具の駆動源からの回転駆動を減速して出力する減速機構に設けられており、上記減速機構は外装である略円筒形状のギアケース1内に複数段の遊星段が円筒の中心軸に沿って並んだものである。上記減速機構は、例えば、図1〜3に示すように、三段の遊星段からなり、二段目の遊星段が上記自動変速装置により減速比を変更可能な変速段となっている。
詳しくは、初段の遊星段が、駆動源の駆動軸に取り付けられるギアを太陽ギアとして、インターナルギア3と、遊星ギア27と、遊星ギア27を連結ピンを介して保持しているキャリア2と、からなっている。そして、太陽ギアとインターナルギア3に遊星ギア27が噛み合っており、且つ軸方向Aに視て、太陽ギアとインターナルギア3と遊星ギア27が同一平面上に位置している。更に、上記一段目のキャリア2には同芯で次段である二段目の太陽ギア4が取り付けられている。
また、二段目の遊星段はインターナルギア5が回転可能な状態と回転不能な状態の二つの状態を取る変速段であり、インターナルギア5を回転可能とした状態より回転不能とした状態の減速比が大きいものとなっている。そして、一段目の遊星段と略同様に、太陽ギア4とインターナルギア5に遊星ギア28が常に噛み合っており、該遊星ギア28が連結ピンを介してキャリア6に保持されている。更に、二段目のキャリア6には、該キャリア6と同芯で三段目の太陽ギア7が取り付けられている。
また、三段目である最終段の遊星段はインターナルギア29を回転不能でギアケース1に保持した減速段となっている。そして、一段目や二段目の遊星段と略同様に、太陽ギア7とインターナルギア29に遊星ギア30が噛み合っており、該遊星ギア30が連結ピンを介してキャリア8に保持されており、上記三段目のキャリア8には出力軸9が取り付けられている。更に、二段目の遊星減速段と三段目の遊星段の間には、減速比の切換時の衝撃等でギアやキャリアの抜けや軸ぶれを防止するスラスト板10が配置されて、ギアケース1の内周面に固定されている。
つまり、二段目の遊星段のインターナルギア5が減速機構の減速比を変更する切換用ギアであり、本発明の自動変速装置により平行に軸方向移動されることで、回転可能な状態から回転不能な状態に切り換わるものである。
詳しくは、上記二段目のインターナルギア5が回転可能な状態とは一段目のキャリア2の外周に設けた後方係合部22に係合して、該キャリア2と一体で回転するものである。そのため、二段目の遊星段は一段目の遊星段からの回転駆動を減速せずに三段目に伝達している。そして、他方の状態である回転不能な状態とは後方係合部22との係合を解くと共に、スラスト板10の後面に設けた前方係合部23に係合して、ギアケース1に固定されて回転が規制されたものである。そのため、二段目の遊星段は一段目の遊星段からの回転駆動を減速した後、三段目の遊星段に伝達している。
つまり、切換用ギア12は、後方係合部22に係合し一段目のキャリア2と一体で回転する後方位置と、後方係合部22から離脱し前方係合部23に係合しギアケース1に固定された前方位置と、を自動変速装置の軸方向移動により切り換えるものである。そして、切換用ギア12が後方位置にある場合の減速比より前方位置にある場合の減速比が大きいため、後方位置にある場合が低トルク高速回転モードであり、前方位置にある場合が高トルク低速回転モードである。
また、一段目のインターナルギア3は外周に突起13を有すると共に、突起13の円周方向の両端にトルク設定用の弾性体である設定用ばね14が円周に沿って配設されている。そして、上記インターナルギア3の前面には同心円状に等間隔で配置された二つの連動用係合部15を備えており、上記連動用係合部15に後述する自動変速装置の切換部が係合している。そのため、一段目のインターナルギア3にかかるトルクが設定用ばね14の付勢に抗する値に達すると該インターナルギア3の回転が許されるものであり、上記負荷変動に応じた回転が連動用係合部15を介して切換部に伝達されることで、減速比の自動切換を開始するものである。つまり、上記一段目のインターナルギア3の回転が自動変速装置の減速比の切換を開始する起点となっている。
また、上記自動変速装置は上記切換用ギア12を後方位置から前方位置に軸方向移動させる切換部を有している。上記切換部は、連動用係合部15に係脱自在で且つ負荷変動に応じて回転する連動リング11と、切換部の動力である連動リング11を前方に付勢する付勢部16と、連動リング11を付勢部16の付勢に抗して保持する保持部18と、を備えたものである。
上記連動リング11は略リング形状であり、後面に上記一段目のインターナルギア3の連動用係合部15に係脱自在の被係合部を備えており、所定トルクに達した際に一段目のインターナルギア3と共に回転するものとなっている。そして、連動リング11の内周側には凹所21を有しており、該凹所21に切換用ギア12が回転自在で配置されている。つまり、連動リング11は凹所21により切換用ギア12をラジアル方向及び軸方向Aに沿って保持しており、切換用ギア12を伴って軸方向移動するものとなっている。なお、連動用係合部15は軸方向Aに沿って長さを有すると共に、係脱自在ではなく連動リング11が連動用係合部15に対して軸方向Aに沿ってスライド自在とし、切換時に連動リング11の軸方向移動をガイドするガイド部としての機能を兼ねたものであってもよい。
また、連動リング11の外周面には複数の突部17を円周上に等間隔で備えており、連動リング11と連動用係合部15の係合した後方位置で上記突部17の前面が保持部18の後面に当接するものである。そのため、連動リング11は保持部18により軸方向移動が規制されて後方位置に保持されている。
上記保持部18は連動リング11と同芯で内径が連動リング11の外径と略同じ貫通孔19を有した略リング形状をしており、上記貫通孔19を形成する内周面には前後及び軸芯側に開口した挿通溝20を複数有している。そして、各挿通溝20は夫々突部17と軸方向Aに視て略形状が一致し対応したものであり、且つ連動リング11の回転時に各突部17がいずれかの挿通溝20に略同時に軸方向Aに沿って重なる配置となっている。
つまり、低トルク高速回転モードで一段目のインターナルギア3が回転していない状態では、突部17に対して挿通溝20が回転方向に沿って所定の角度ずれた位置にあり、付勢部16による前方への付勢に抗して連動リング11を後方位置に保持するものである。そして、負荷が所定値に達して上記インターナルギア3が回転すると、突部17と挿通溝20が軸方向Aに沿って重なり、保持部18が連動リング11の保持を解くものとなっている。更に、上記保持部18による保持が解かれるため、連動リング11は付勢部16の付勢により前方側へ平行に軸方向移動するものである。
また、上記付勢部16は連動リング11を軸方向Aに沿って前方側へ付勢するものであり、回転面の軸に対する傾きである平行度を変えずに連動リング11を軸方向移動させるものである。付勢部16は、弾性体からなり、例えば、切換用ギア12より大きい径で連動リング11と略同芯で巻かれた引張ばねであり、上記引張ばねは一端が連動リング11の前面に固定されており、他端がスラスト板10の後面に固定されている。そして、上記付勢部16は前方位置に切り換わった後も前方側に付勢するため、回転駆動中に連動リング11が振動等で後方位置に戻ることを防止する前方位置側の保持部18も兼ねている。
以下に、本発明の自動変速装置による減速機構の低トルク高速回転モードから高トルク低速回転モードへの自動切換動作を説明する。
自動変速装置が初期状態では低トルク高速回転モードであるため、切換用ギア12が後方位置にあり一段目のキャリア2と一体で回転しており、連動リング11が保持部18により付勢部16の付勢に抗して位置保持されている。そして、回転電動工具の使用中に負荷が増加して、一段目のインターナルギア3が回転することで、連動リング11が回転する。上記連動リング11の回転により突部17と挿通溝20が軸方向Aに沿って対応すると、連動リング11が保持部18から解放されて、付勢部16の付勢を動力として後方位置から前方位置へと軸方向移動する。このとき、付勢部16は軸方向Aに沿ってのみ連動リング11を前方側へ付勢するため、連動リング11は平行度を保って平行に軸方向移動するものとなっている。
そして、前方位置に切り換わると、切換用ギア12の前面が前方係合部23に係合してギアケース1に回転不能で固定保持されて、二段目の遊星段の減速比が大きくなり、減速機構の自動切換が完了となる。また、このとき、連動リング11も前方係合部23に係合しており、回転不能で且つ突部17と挿通溝20を軸方向Aに沿って一致させた状態に維持されており、自動変速装置を初期状態にリセットする際に連動リング11を回転させずに貫通孔19を挿通可能となっている。
このように、低トルク高速回転モードで所定トルクに達すると連動リング11が回転して、突部17が挿通溝20に軸方向Aに重なり保持部18の保持を解き、付勢部16の付勢力のみを動力として切換用ギア12を平行に軸方向移動させて、高トルク低速回転モードに切り換えるものとなっている。つまり、負荷変動に応じて連動リング11が回転して保持部18の保持を解除することで減速比の切換が可能となり、且つ付勢部16の付勢力のみを動力として切換用ギア12を軸方向移動させるものとなっている。
そのため、使用者による切換操作が不要となり、使用者の負担を軽減して、使い勝手の向上した回転電動工具となっている。そして、負荷変動に応じた回転を軸方向移動力に変換するカム機構を備える必要が無くなると共に、切換時に切換用ギア12に付与される力が付勢部16からの軸方向Aにのみ沿った付勢力となる。
更に、切換用ギア12に対して付勢部16だけが軸方向移動力を付与するため、切換用ギア12を平行に軸方向移動させることができて、切換時に切換用ギア12の軸ぶれを防止できて、スムーズで安定した減速比の切換を行うことができる。そして、カム機構等が不要となったことで、カム機構の動作時のカム部材間の摩擦による騒音が無くなり、切換時の騒音の発生を抑制することができると共に、カム動作による磨耗や部品変形も無くなり、製品寿命を向上することができる。
また、保持部18は製造時にギアケース1と別に生成することで、溝の形状を正確に形成できて、溝の寸法精度が向上して、複数の突部17が略同時にいずれかの溝と軸方向Aに重なる際により精度良く一致できて、切換をスムーズで安定して行うことができる。
なお、連動リング11の符号24は外周面に沿って環形状に形成された操作用溝部である。上記操作用溝部24には板ばね等からなるリセットレバー(特に図示しない)が配置されている。例えば、リセットレバーはトリガーレバーの外部操作が解かれる等の駆動が停止すると、連動リング11及び切換用ギア12を後方位置に戻すものであり、非回転駆動時に自動変速装置を初期状態にリセットするものである。
更に、切換用ギア12の軸方向移動は後方から前方への移動に限らず、切換用ギア12の構成に応じて前方から後方へ移動するものであってもよく、ましてや切換後の減速比が切換前の減速比より小さくなるものであってもよい。もちろん、連動リング11の突部17を四つでなく三つや五つ以上設けたものや、突部17より挿通溝20の数が多いものであってもよい。
なお、負荷変動を検知する構成は、上記設定用ばね14を用いたものに限らず、駆動源の電流値の変化を用いたもの等であってもよい。更に、前方係合部23は弾性体の伸縮等の付勢部16による付勢を阻害しない形状及び配置であれば、適宜設計変更する程度のものであり、ましてや、前方係合部23に係合する被係合部を切換用ギア12のみに設けて連動リング11が前方位置で回転自在であってもよい。
また、図4に示すように、付勢部16が小さい径で略同じ形状の複数の引張りばねを切換用ギア12と同芯の円周上に等間隔で配置したものであり、各ばねからの合力を軸方向Aに沿ってのみ付与させてもよい。特に、付勢部16が複数の弾性体からなるため、各弾性体の円周方向の隙間に前方係合部23を設けることができる。そのため、付勢部16である各弾性体をスラスト板10でなくギアケース1の出力側の内壁に取り付けることもできて、設計の自由度が増すと共に、本発明の自動変速装置を遊星減速段の間にスラスト板10を備えていないものにも用いることができる。
なお、付勢部16は軸方向Aに沿ってのみ連動リング11や切換用ギア12を付勢して、減速比の切換時に平行度を変えずに連動リング11及び切換用ギア12を軸方向移動させると共に、前方・後方係合部22,23の係合及び保持部18の保持を阻害しない形状及び配置であればよい。つまり、弾性体の配置数や形状は適宜設定する程度のものである。
もちろん、付勢部16は引っ張るものに限らず押圧ばね等の前方側に押圧するものであってもよい。例えば、後方に開口し軸方向Aに沿って凹んだ凹部を連動リング11に形成すると共に、該凹部内に押圧ばねからなる付勢部16を配置して、保持部18の保持が解かれると押圧ばねで前方へ連動リング11を押して切り換えるものである。ましてや、切換時に連動リング11へ軸方向Aにのみ付勢することができるものであれば、付勢部16をギアケース1の内周面や軸方向Aの端面である内壁に設けてもよい。
また、連動リング11の一部を磁性体材料で形成し、スラスト板10あるいはギアケース1の出力側の内壁に永久磁石25を配置して、切換用ギア12及び連動リング11を磁力吸引により前方側に付勢してもよい。つまり、付勢部16を弾性力による付勢から磁力による付勢に変更したものである。
例えば、図5に示すように、連動リング11の突部17を磁性体材料で形成し、軸方向Aに視て挿通溝20と重なる位置で且つギアケース1の中心軸に同芯の円周上に等間隔で複数配置された永久磁石25をギアケース1の出力側の内壁に埋め込んだものがある。即ち、永久磁石25が保持部18と同芯の円周上に等間隔で配置されると共に、永久磁石25の軸方向Aに沿った後方側に挿通溝20が位置するものであり、各永久磁石25の磁力の合力である付勢力が軸方向Aのみに沿って連動リング11に付与されている。そして、切換時には突部17が挿通溝20に重なった際に永久磁石25からの磁力吸引を最も強く受けるものであり、このとき、保持部18による保持が解かれているため、連動リング11が貫通孔19を通って平行に軸方向移動して、切換用ギア12の係合相手を後方係合部22から前方係合部23に切り換えさせて、減速比が切り換わるものである。
このように、付勢部16の付勢方法を弾性力から磁力に変えても、連動リング11に対する永久磁石25からの付勢力が軸方向Aのみに沿って付与されるため、連動リング11及び切換用ギア12が平行度を変えずに軸方向移動するものとなっている。そのため、切換時の軸ぶれを防止すると共に、カム部材等による騒音の発生を防止して、切換時の騒音を低減している。特に、連動部の回転時に付勢部16が回転方向に拘束されて、付勢部16を構成する部材に回転方向に負荷がかかりねじれが生じることを防止できて、付勢部16の耐久性を向上することができる。
また、付勢部16や突部17以外のギア群等の構成部材は磁力による付勢を受けないあるいは受け難い非磁性体材料で形成されたものが好ましい。そして、付勢部16と突部17の間に位置する保持部18が磁力を透過しない磁気絶縁材料で形成して、連動リング11が後方位置にある際に、付勢部16からの磁力が連動リング11に付与されることを防止することが好ましい。
詳しくは、後方位置に連動リング11が位置した状態では、突部17が保持部18を押圧せずに保持部18の後面に軸方向移動を規制されている。そして、一段目のインターナルギア3と共に連動リング11が回転して、突部17が挿通溝20と軸方向Aに沿って重なった際にのみ、付勢部16による前方側への付勢力が連動リング11に付与されるものとなっている。そのため、後方位置や切換時に当接部位間の磨耗や突部17と連動リング11外周の間への応力集中の発生を抑制できて、減速機構の寿命を伸ばすことができる。
また、図6に示すように、一段目のインターナルギア3と連動リング11を一体で形成してもよい。このとき、切換用ギア12である二段目のインターナルギア5は連動リング11に回転自在で且つ軸方向A及びラジアル方向に沿って保持されている。つまり、切換用ギア12の後方位置での回転が一段目のインターナルギア3及び連動リング11に伝達されることを防止すると共に、切換用ギア12の回転時の軸ぶれを防止している。もちろん、一段目のインターナルギア3が連動リング11でなく保持部18を負荷変動に応じて回転させるものや、前方係合部23が磁力により切換用ギア12を係止して回転防止するものであってもよい。
1 ギアケース
2 (一段目の)キャリア
3 (一段目の)インターナルギア
5 (二段目の)インターナルギア
9 出力軸
10 スラスト板
11 連動リング
12 切換用ギア
15 連動用係合部
16 付勢部
17 突部
18 保持部
20 挿通溝
25 永久磁石

Claims (6)

  1. 駆動源からの回転駆動を減速する遊星減速段を備えた減速機構に設けられた自動変速装置であり、上記遊星減速段の少なくとも一つのギアが上記減速機構の減速比を変更する切換用ギアであり、上記切換用ギアを負荷変動に対応して軸方向移動させることで異なる減速比の状態に切り換える切換部を備えており、上記切換部は、所定トルク未満での回転が規制された連動部と、切換時の動力源であり上記連動部を軸方向にのみ付勢する付勢部と、上記付勢部の付勢に抗して上記連動部を位置保持して一つの減速比の状態を維持する保持部と、を備えており、上記連動部は外周に向けて突出した突部を有し、上記保持部は上記突部を挿通可能とした溝を有しており、所定トルクに達して連動部が回転して上記突部と溝が軸方向に沿って重なり保持部による保持が解かれることで、上記付勢部により上記連動部が上記切換用ギアを伴って平行に軸方向移動して、他の減速比の状態に切り換わるものであることを特徴とする回転電動工具の自動変速装置。
  2. 前記保持部をギアケースと別部材としたことを特徴とする請求項1に記載の回転電動工具の自動変速装置。
  3. 前記連動部が前記切換用ギアと同芯で前記突部を外周面に備えたリング形状であり、該リングの内周に上記切換用ギアが配置されたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回転電動工具の自動変速装置。
  4. 前記付勢部は前記切換用ギアと同芯の円周上に等間隔で配置された複数の弾性体からなるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転電動工具の自動変速装置。
  5. 前記付勢部は永久磁石からなるものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転電動工具の自動変速装置。
  6. 前記永久磁石を前記切換用ギアと同芯の円周上に等間隔で複数個配置したものであることを特徴とする請求項5に記載の回転電動工具の自動変速装置。
JP2009192390A 2009-08-21 2009-08-21 回転電動工具の自動変速装置 Active JP5314534B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009192390A JP5314534B2 (ja) 2009-08-21 2009-08-21 回転電動工具の自動変速装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009192390A JP5314534B2 (ja) 2009-08-21 2009-08-21 回転電動工具の自動変速装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011042012A JP2011042012A (ja) 2011-03-03
JP5314534B2 true JP5314534B2 (ja) 2013-10-16

Family

ID=43829834

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009192390A Active JP5314534B2 (ja) 2009-08-21 2009-08-21 回転電動工具の自動変速装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5314534B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5739269B2 (ja) * 2011-08-05 2015-06-24 株式会社マキタ 震動機構付き電動工具
JP2021035703A (ja) * 2019-08-30 2021-03-04 工機ホールディングス株式会社 動力工具

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3084138B2 (ja) * 1992-06-25 2000-09-04 松下電工株式会社 回転電動工具の自動変速装置
JP5280286B2 (ja) * 2009-04-13 2013-09-04 株式会社マキタ 電動工具

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011042012A (ja) 2011-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102310398B (zh) 电动工具
JP5075233B2 (ja) 電動工具
JP5514139B2 (ja) 電動工具
US8746364B2 (en) Electric power tool
JP5538180B2 (ja) 駆動力配分装置
JP2010110887A (ja) 電動工具
JP2009072903A (ja) 電動工具および変速機構
JP5314534B2 (ja) 回転電動工具の自動変速装置
KR20180127220A (ko) 모터용 다단 변속기
JP2006214560A (ja) 遊星ローラ式減速機
JP6517502B2 (ja) 二段変速機
EP2088343A2 (en) Synchromesh mechanism and synchromesh transmission
JP2011047465A (ja) 回転電動工具の自動変速装置
JP5759141B2 (ja) 駆動力配分装置
US20100313707A1 (en) Interlocking Mechanism for a Transmission
JP5379606B2 (ja) 回転電動工具の自動変速装置
JP5699276B2 (ja) 電動工具
JP5842122B2 (ja) 電動工具
JP5842121B2 (ja) 電動工具
JP5379497B2 (ja) 回転伝達機器
JP2019141945A (ja) ネジ締め工具
KR101637513B1 (ko) 듀얼 클러치 변속기의 구동장치
JP5750591B2 (ja) 多段変速工具
JP2002013608A (ja) 回転阻止機構及びこの回転阻止機構が用いられたギアードモータ装置
JP2023009635A (ja) 車両用パーキング機構

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20111114

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20130513

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130611

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130705

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5314534

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150