JP2005325566A - リハビリテーション用床材 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は前記のようなの課題を解決しようとするものであって、病院、介護施設等のリハビリテーションに使用される歩きやすさ、衝撃吸収性、及び軽さなどを考慮した床材を提供すること。
【解決手段】JIS L 1096 8−16−2 B法(2001)に記載する圧縮治具を使用した圧縮試験方法において、10kg荷重時の変形量が6.0mm以上12.0mm以下、10kg荷重時と20kg荷重時の変形量差が3.0mm以上5.0mm以下である床材。
【選択図】なし
【解決手段】JIS L 1096 8−16−2 B法(2001)に記載する圧縮治具を使用した圧縮試験方法において、10kg荷重時の変形量が6.0mm以上12.0mm以下、10kg荷重時と20kg荷重時の変形量差が3.0mm以上5.0mm以下である床材。
【選択図】なし
Description
本発明は、戸建住宅、マンション、アパート、オフィスビル、介護施設、工業用施設、店舗等の建築物における屋内用下面に使用する床材に関するものであり、特に、病院、介護施設等のリハビリテーションに使用される床材に関するものである。
従来より、床材のかたさ評価方法は、高価であり、容易に測定することが出来ないため、使用制限されてしまう(例えば、非特許文献1〜3参照。)。
日本建築学会論文報告集、第181号(1971年3月) 日本建築学会論文報告集、第187号(1971年9月) 日本建築学会構造系論文報告集、第373号(1987年3月)
日本建築学会論文報告集、第181号(1971年3月) 日本建築学会論文報告集、第187号(1971年9月) 日本建築学会構造系論文報告集、第373号(1987年3月)
一方、熱可塑性エラストマー(ポリプロピレン、プロピレン、エチレン、ポリエチレン、オレフィン、ポリアミド、アクリル、及びこれらの混合樹脂)を使用した床材が報告されている(例えば、特許文献1〜6参照。)。
特開2003−172017号公報
特開2003−184289号公報
特許2002−322602号公報
特開2001−207624号公報
特開平9−131253号公報
特開平8−49398号公報
しかしながら、これらの方法は圧縮時の変位量を考慮していないため、歩行性(歩きやすさ)を考慮した床材ではなく好ましくない。
従来、発泡シートを固定化して歩行時の揺動感の発生を抑制しているクッション床構造が知られている(例えば、特許文献7参照。)。該クッション床構造は床に固定化して、多層構造であるためリサイクル性が悪い。独立気泡体層(ポリウレタン、塩化ビニル系樹脂、ポリエチレン等、ポリプロピレン、ABS等)及び連続気泡体層(ポリウレタン、天然ゴム、合成ゴム、塩化ビニル系樹脂等)を用いた高衝撃吸収性床材(例えば、特許文献8参照)、畳表、炭素粉、合成樹脂発泡体ボードをバインダー(樹脂)で固定化した畳(例えば、特許文献9参照)は、ゴム系を用いており、リサイクル性が悪く、発泡体を用いているため、水、ジュース等が床にこぼれた場合、拭き取り難く、乾燥し難く、細菌(カビやダニ等)の発生の要因になる。ゴムとコルクチップをウレタン樹脂バインダーで結合させてなる緩衝シートと、その上に塩化ビニルシートとを組み合わせてなる多層の床材は、多層構造であるためリサイクル性が悪く、塩化ビニルを用いているため、環境に著しく害を与える。独立気泡プラスチック材料を相互に接合して空気を密閉せしめてなる中空体を芯材として用いているクッション材(例えば、特許文献4参照)、合成樹脂を主体とする表面材の裏面に、裏面材として1000デニール以上の繊維からなる織布を積層してなる床材(例えば、特許文献10参照)は、高衝撃性に対する用途であり、歩行性(歩きやすさ)については特に工夫された記載はない。
特開平08−013767号公報
特開平09−032249号公報
特開平09−121984号公報
特開平11−152686号公報
建築物の床材に用いられている天然畳(イ草、本藁、備長炭等)、トコルーク(炭化コルク芯)、コルタ畳(炭化コルク芯)、ひのき(檜チップ)、ひば畳(青森ヒバ等)は、吸湿性に優れているが、水、飲料水(ジュース、ビール、日本酒、ワイン、焼酎等)がこぼれた場合、洗い難く、数ヶ月間、居住者が悪臭に苦しむ。
フローリング(唐松、檜、カバザクラ、本カリン、桐、杉等)、タイルは、水、飲料水(ジュース、ビール、日本酒、ワイン、焼酎等)がこぼれた場合、拭き取り易いが、衝撃吸収性がほとんどなく、足への負担が増大する。また、リサイクル性が良くない。
床材の一つの態様であるマットレスは、木綿綿、羊毛綿、発砲素材(特に発砲ウレタン)、高分子ゲル素材、非弾性捲縮繊維詰綿、非弾性捲縮繊維を接着した樹脂綿や硬綿、及び空気クッション(エアクッション)らを単体あるいは積層して用いたものが多数、提案されている。しかし、下肢のリハビリテーションを目的としたマットレスは少ない。
マットレスの材質で、木綿綿、羊毛綿は厚みが減少し、へたるという問題点があり、吸汗性があるものの詰め物層に水分が滞留するという問題があり、クッションの管理においては好ましくない。また、ダニの繁殖や黴などの問題から敬遠される傾向もあるため、ポリエステル綿を詰め綿として用いた場合も、熱融着加工は可能であるが、前記同様に、厚みが減少し、へたるという問題があり、クッション性、吸汗性が低いという課題があるので好ましくない。また、高分子ゲル素材は、汚れを洗い落とし易いが、マットレスとして運ぶ場合、重たいので、利用者にとって、非常に重労働である。
衝撃吸収マットとしては、体操競技の跳馬、鉄棒等における着地面、病院のリハビリテーション用床面等に使用される衝撃吸収マット(例えば、特許文献11参照。)があるが、転倒時の衝撃吸収性を考慮したものであり、リハビリテーションを目的としたマットではない。
特開平11−76452号公報
本発明は前記のようなの課題を解決しようとするものであって、病院、介護施設等のリハビリテーションに使用される歩きやすさ、衝撃吸収性、及び軽さなどを考慮した床材を提供しようとするものである。
本発明者らは上記課題を解決するため、鋭意研究した結果、遂に本発明を完成するに到った。即ち本発明は以下の構成よりなる。
1.JIS L 1096 8−16−2 B法(2001)に記載された圧縮治具を使用した圧縮試験方法において、10kg荷重時の変形量が6.0mm以上12.0mm以下、10kg荷重時と20kg荷重時の変形量差が3.0mm以上5.0mm以下であることを特徴とする床材。
1.JIS L 1096 8−16−2 B法(2001)に記載された圧縮治具を使用した圧縮試験方法において、10kg荷重時の変形量が6.0mm以上12.0mm以下、10kg荷重時と20kg荷重時の変形量差が3.0mm以上5.0mm以下であることを特徴とする床材。
本発明によると、戸建住宅、マンション、アパート、オフィスビル、介護施設、工業用施設、店舗等の建築物における屋内用床面に使用される床材、特に、病院、介護施設等のリハビリテーション用に好適に使用される床材を、安価に提供することができるという効果がある。
以下、本発明を詳細に説明する。
次にこのような特性を有する不織布を得るために構成される繊維材料について説明する。基本的構成本発明の不織布を構成する繊維の材料は特に限定されず、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ビニロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、PTFE等の合成繊維;レーヨンのような再生繊維;アセテートのような半合成繊維;綿、麻、羊毛のような天然繊維;ガラス、炭素のような無機化学繊維等のいずれも使用できる。これらは単独で又は2種以上混合して使用できる。特に、ポリエステルが好ましい。
次にこのような特性を有する不織布を得るために構成される繊維材料について説明する。基本的構成本発明の不織布を構成する繊維の材料は特に限定されず、ポリエステル、ポリアミド、アクリル、ビニロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、PTFE等の合成繊維;レーヨンのような再生繊維;アセテートのような半合成繊維;綿、麻、羊毛のような天然繊維;ガラス、炭素のような無機化学繊維等のいずれも使用できる。これらは単独で又は2種以上混合して使用できる。特に、ポリエステルが好ましい。
さらに、バインダー繊維として、芯鞘型複合繊維不織布を熱接着法により製造する場合には、高融点の芯部とそれより低融点の鞘部とからなる芯鞘型の熱融着性複合繊維を用いることが好ましい。芯/鞘の組成としてはポリエステル/共重合ポリエステル、ポリエステル/ポリエチレン、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリエステル/ポリプロピレンなどがあるが、特に、ポリエステル複合繊維を用いることが好ましい。さらに、軽量化するために、芯鞘複合繊維を中空繊維とすることが可能である。中空率は、特に限定されず、使用することが出来る。
芯部のポリエステル樹脂の好適な具体例としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンナフタレートなどが挙げられる。特に、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。これらのポリエステルは単独でまたは2種以上混合して用いることができる。
芯部には、繊維強度を著しく損なわない範囲内で、前記ポリエステルにおいてイソフタル酸などの非直線的な芳香族ジカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸が共重合されたポリエステル;酸成分が非直線的な芳香族ジカルボン酸や脂肪族ジカルボン酸であるポリエステル;ポリオレフィン等が含まれていてもよい。
その他の成分また、芯部には、必要に応じて、無機結晶核剤、顔料、難燃剤、安定剤、減粘剤、増粘剤などが配合されていてもよい。但し、これらの配合量は、芯部ポリエステルの強度を阻害しない範囲内とする。
その他の成分また、芯部には、必要に応じて、無機結晶核剤、顔料、難燃剤、安定剤、減粘剤、増粘剤などが配合されていてもよい。但し、これらの配合量は、芯部ポリエステルの強度を阻害しない範囲内とする。
鞘部材料ポリエステル鞘部に含まれるポリエステルとしては、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸等の直線的な芳香族ジカルボン酸とフタル酸、イソフタル酸等の非直線的な芳香族ジカルボン酸とを用い、ジオール成分として、例えばエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,2 −プロパンジオ−ル、1,3 −プロパンジオ−ル、1,3 −ブタンジオ−ル、1,4 −ブタンジオ−ル、1,5 −ペンタンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、1,6 −ヘキサンジオ−ル、1,4 −シクロヘキサンジオ−ル、1,4 −シクロヘキサンジメタノ−ル、1,2−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,3−シクロヘキサンジメタノ−ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等を用いたポリエステルが挙げられる。
フタル酸、イソフタル酸等の非直線的な芳香族ジカルボン酸の共重合比率は、酸成分の通常20〜60mol%程度、特に30〜50mol%程度であることが好ましい。
また、ジカルボン酸成分として、フタル酸、イソフタル酸等の非直線的な芳香族ジカルボン酸を用い、ジオール成分として、例えばエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,2 −プロパンジオ−ル、1,3 −プロパンジオ−ル、1,3 −ブタンジオ−ル、1,4 −ブタンジオ−ル、1,5 −ペンタンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、1,6 −ヘキサンジオ−ル、1,4 −シクロヘキサンジオ−ル 、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,2−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,3 −シクロヘキサンジメタノ−ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等を用いたポリエステルも用いることができる。
また、鞘部ポリエステルとしては、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸等の直線的な芳香族ジカルボン酸とコハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカジオン酸、エイコサンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸とを用い、ジオール成分として、例えばエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,2 −プロパンジオ−ル、1,3 −プロパンジオ−ル、1,3 −ブタンジオ−ル、1,4 −ブタンジオ−ル、1,5 −ペンタンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、1,6 −ヘキサンジオ−ル、1,4 −シクロヘキサンジオ−ル 、1,4 −シクロヘキサンジメタノ−ル、1,2−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,3 −シクロヘキサンジメタノ−ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等を用いたポリエステルも挙げられる。
脂肪族または脂環族ジカルボン酸の共重合比率は、酸成分の通常20〜60mol%程度、特に30〜50mol%程度であることが好ましい。
また、鞘部ポリエステルとしては、ジカルボン酸成分として、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカジオン酸、エイコサンジオン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂肪族または脂環族ジカルボン酸を用い、ジオール成分として、例えばエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,2 −プロパンジオ−ル、1,3 −プロパンジオ−ル、1,3 −ブタンジオ−ル、1,4 −ブタンジオ−ル、1,5 −ペンタンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、1,6 −ヘキサンジオ−ル、1,4 −シクロヘキサンジオ−ル 、1,4 −シクロヘキサンジメタノ−ル、1,2−シクロヘキサンジメタノ−ル、1,3 −シクロヘキサンジメタノ−ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等を用いたポリエステルも挙げられる。
鞘部ポリエステルの好適な具体例としては、例えばイソフタル酸共重合ポリエステル等が挙げられる。
鞘部には、この他、溶融性を損なわない範囲で、ポリオレフィンなどの異種樹脂が配合されていてもよい。
芯部ポリエステルと鞘部ポリエステルとの組み合わせとしては、ポリエチレンテレフタレートとイソフタル酸共重合ポリエチレンテレフタレートとの組み合わせ等が好ましい。
その他の成分また、鞘部には、必要に応じて、顔料、難燃剤、安定剤、減粘剤、増粘剤などが配合されていてもよい。
その他の成分また、鞘部には、必要に応じて、顔料、難燃剤、安定剤、減粘剤、増粘剤などが配合されていてもよい。
鞘部の融点は、通常100〜180℃程度、特に110〜160℃程度であるのが好ましい。鞘部の融点は低い方が融解し易いが、余りに低いと熱処理時に芯部と鞘部との溶融粘度差が大きくなって作業性が悪化し易い。また、鞘部の融点が余りに高いと芯部との融点の差が小さくなって、芯部を溶融させずに鞘部のみ溶融させるための温度コントロールが困難になる。本発明の範囲内であれば、このような問題が生じ難い。
本発明において、鞘部の融点は、実施例に記載の方法で測定した値である。
芯部また、芯部の融点は、鞘部の融点より通常20℃以上、特に30℃以上高いことが好ましい。芯部と鞘部との融点差が余りに小さいと熱融着時の温度コントロールが困難であるが、本発明の範囲であればこのような問題が生じない芯部融点の上限は、特に限定されないが、通常260℃程度である。
芯部また、芯部の融点は、鞘部の融点より通常20℃以上、特に30℃以上高いことが好ましい。芯部と鞘部との融点差が余りに小さいと熱融着時の温度コントロールが困難であるが、本発明の範囲であればこのような問題が生じない芯部融点の上限は、特に限定されないが、通常260℃程度である。
本発明において、芯部の融点は、実施例に記載の方法で測定した値である。
固有粘度高分子を構成するモノマーの重合度を反映する値として固有粘度がある。結晶性高分子では、ポリマーの重合度が高いほど延伸倍率を高く設定でき結晶化度を高くすることができる。
固有粘度高分子を構成するモノマーの重合度を反映する値として固有粘度がある。結晶性高分子では、ポリマーの重合度が高いほど延伸倍率を高く設定でき結晶化度を高くすることができる。
本発明で使用する繊維が芯鞘型複合繊維である場合には、芯部の固有粘度[η]は、通常0.7dl/g以上、特に0.8dl/g以上であることが好ましい。芯部の固有粘度が余りに低いと結晶化が不十分になり複合繊維の強度が不十分になるが、本発明の範囲であればこのような問題は生じない。芯部の固有粘度の上限は特に限定されないが、通常1.2dl/g程度である。
鞘部の固有粘度[η]は通常0.55〜0.65dl/g程度、特に0.57〜0.63dl/g程度であることが好ましい。固有粘度が余りに低いと鞘部が脆くなって熱接着点が外力により剥離し易くなる。また、固有粘度が余りに高いと熱接着時に加えるべき熱エネルギーひいてはコストが高くなりすぎる。本発明の範囲であればこのような問題は生じない。
芯鞘型複合繊維本発明の不織布を構成する短繊維は、芯鞘型複合繊維であることが好ましい。この場合、熱接着法による不織布製造に好適に使用できる。芯鞘型複合繊維である場合には、この繊維は、繊維の長手方向に垂直な方向すなわち繊維径方向の断面において、芯部を中心として周縁部が完全に鞘部で覆われていてもよく、芯部が偏心していることにより外周の一部が芯部で占められたバイメタル型に近いものであってもよい。芯部が偏心しバイメタル型に近い形態の場合には、前記断面において外周の少なくとも50%、特に70%、さらに特に90%が鞘部で占められていることが好ましい。
また、短繊維は、芯部と鞘部との重量比が、通常3:7〜7:3程度、特に4:6〜6:4程度であることが好ましい。繊度・繊維長繊維が芯鞘型複合繊維である場合を含め、繊維の繊度は、通常1.1〜6.6dtex程度、特に2.2〜4.4dtex程度であることが好ましい。繊度が余りに小さいとカードにおける工程通過性が悪化し、繊度が余りに大きいと繊維間の接点数が少なくなるために不織布強度が低くなる。本発明の範囲であればこのような問題は生じない。
また、繊維長は、通常32〜76mm程度、特に40〜60mm程度であることが好ましい。繊維長が余りに短い場合及び繊維長が余りに長い場合には、カードにおける工程通過性が悪化する。本発明の範囲であればこのような問題は生じず、実用上十分な強度を有する不織布が得られる。
本発明において繊度及び繊維長は、JIS L 1015 Aに準拠して測定した値である。繊維強伸度また、繊維の引張強度は、通常1〜5cN/dtex程度、特に2〜4cN/dtex程度であることが好ましく、伸度は、通常40〜80%程度、特に50〜70%程度であることが好ましい。繊維の繊度、強度及び伸度は、紡糸時のポリマーの吐出量及び延伸倍率を調節することにより、この範囲内にすることができる。
繊維の製造方法;本発明において使用する短繊維は、合成繊維である場合には、紡糸、捲縮の付与及び切断などの工程を含む従来公知の方法で製造できる。綿、羊毛等の天然の短繊維はそのまま使用できる。短繊維が芯鞘型複合繊維である場合には、複合繊維の製造方法として従来公知の方法(例えば特開昭58−13628号公報に記載の方法)で製造できる。
製造方法;短繊維間の交絡または接着方法は、特に限定されず、熱接着法、バインダ接着法、ニードルパンチ法、ウオーターパンチ法等の公知の方法を採用できる。いずれの場合にも、ウェブを複数枚重ねた状態で交絡または接着する。
圧縮試験法に用いる治具は、JIS L 1096 8.16.2 B法(定速伸長形法)に用いている「押し棒」を使用し、評価試料を取り付ける「試料取付け台」を取り除いて、10kg荷重時の変形量、20kg荷重時の変形量を計測して、10kg荷重時と20kg荷重時の変形量差を算出した。
評価試料の寸法は、大きいほど、精度の高い評価が得られるが、テンシロンの試料台に設置可能な寸法は通常制限があるため、30cm×30cm以下が好ましい。しかし、10cm×10cm以下の場合、たわみの大きい試料は、正確な圧縮測定が出来ないため、好ましくない。
圧縮試験法において、10kg荷重時の変形量が、6.0mm以上12.0mm以下、10kg荷重時と20kg荷重時の変形量差が3.0mm以上5.0mm以下である。
10kg荷重時の変形量が、4.0mm以上6.0mm以下、10kg荷重時と20kg荷重時の変形量差が2.0mm以上3.0mm以下の場合、長時間歩いても、疲労感・負担感を軽減するため、リハビリテーションには不向きである。10kg荷重時の変位量が4.0mm未満、10kg荷重時と20kg荷重時の変形量差が2.0mm未満の場合、踵部が床に着地した時、衝撃吸収性が悪くなり、足裏部が痛くなり、長時間歩くことが困難である。また、10kg荷重時の変位量が12.0mm以上、10kg荷重時と20kg荷重時の変形量差が5.0mm以上の場合、衝撃吸収性はあるが、柔らか過ぎて、バランスが悪くなり、短時間でも、歩くことが困難である。
10kg荷重時の変形量が、4.0mm以上6.0mm以下、10kg荷重時と20kg荷重時の変形量差が2.0mm以上3.0mm以下の場合、長時間歩いても、疲労感・負担感を軽減するため、リハビリテーションには不向きである。10kg荷重時の変位量が4.0mm未満、10kg荷重時と20kg荷重時の変形量差が2.0mm未満の場合、踵部が床に着地した時、衝撃吸収性が悪くなり、足裏部が痛くなり、長時間歩くことが困難である。また、10kg荷重時の変位量が12.0mm以上、10kg荷重時と20kg荷重時の変形量差が5.0mm以上の場合、衝撃吸収性はあるが、柔らか過ぎて、バランスが悪くなり、短時間でも、歩くことが困難である。
まず、本発明の特性値の測定方法(評価方法)について説明する。
(変位量)
作成した試料から30cm×30cmの試料を採取して、(図1)に記載する圧縮地具をテンシロン(株式会社オリエンテック製TENSILON UTA−1T)に固定して、クロスヘッドスピード(圧縮速度)10mm/min圧縮し、10kg荷重時の変位量、10kg荷重時と20kg荷重時の変位差を測定した。
(変位量)
作成した試料から30cm×30cmの試料を採取して、(図1)に記載する圧縮地具をテンシロン(株式会社オリエンテック製TENSILON UTA−1T)に固定して、クロスヘッドスピード(圧縮速度)10mm/min圧縮し、10kg荷重時の変位量、10kg荷重時と20kg荷重時の変位差を測定した。
(臨床評価)
60歳以上の被験者10名の方に、2ヶ月間、1日30分間使用して頂いて、以下の評価を行った。
1)被験者が30分間歩行可能か申告した。(歩行時間)
毎日30分間歩行可能:◎、毎日30分間歩行することが不可能:×
2)評価期間1ヶ月間の大腿四頭筋の回復程度(リハビリ程度)を主幹申告で評価した。
回復した:◎、ほとんど回復:○、ほとんど回復しない:△、回復しない:×
60歳以上の被験者10名の方に、2ヶ月間、1日30分間使用して頂いて、以下の評価を行った。
1)被験者が30分間歩行可能か申告した。(歩行時間)
毎日30分間歩行可能:◎、毎日30分間歩行することが不可能:×
2)評価期間1ヶ月間の大腿四頭筋の回復程度(リハビリ程度)を主幹申告で評価した。
回復した:◎、ほとんど回復:○、ほとんど回復しない:△、回復しない:×
(不織布密度(見掛け密度))
JIS K 6400.5に準拠して行う。フォームに変形を与えない状態で、厚さ、幅及び長さのそれぞれについて、異なった場所3ヶ所以上測定し、それぞれ平均値を出し、各々の試料片の体積(V)を算出する。次に、各々の試料片の質量(W)を0.5%の精度まで計り、グラムで表す。
見掛け密度(ρ)=W/V
ρ=g/cm3
W=試料片の質量(g)
V=試料片の体積(cm3)
試料は、80℃で120分間乾燥後、20℃65%RHで調温調湿する。
JIS K 6400.5に準拠して行う。フォームに変形を与えない状態で、厚さ、幅及び長さのそれぞれについて、異なった場所3ヶ所以上測定し、それぞれ平均値を出し、各々の試料片の体積(V)を算出する。次に、各々の試料片の質量(W)を0.5%の精度まで計り、グラムで表す。
見掛け密度(ρ)=W/V
ρ=g/cm3
W=試料片の質量(g)
V=試料片の体積(cm3)
試料は、80℃で120分間乾燥後、20℃65%RHで調温調湿する。
(実施例1)
親水性ポリエステル短繊維「11T×64−K45」(東洋紡績株式会社製)65%とバインダー繊維(低融点ポリエステル繊維)「4.4T×51−EE7」(東洋紡積株式会社製)35%を混合し、カードウェッブをクロスレイにて積層し、ニードルパンチで交絡後、160℃×2分処理した。見掛け密度0.11g/cm3、厚み17mmの不織布を作成した。
親水性ポリエステル短繊維「11T×64−K45」(東洋紡績株式会社製)65%とバインダー繊維(低融点ポリエステル繊維)「4.4T×51−EE7」(東洋紡積株式会社製)35%を混合し、カードウェッブをクロスレイにて積層し、ニードルパンチで交絡後、160℃×2分処理した。見掛け密度0.11g/cm3、厚み17mmの不織布を作成した。
(実施例2)
親水性ポリエステル短繊維「11T×64−K45」(東洋紡績株式会社製)65%とバインダー繊維(低融点ポリエステル繊維)「4.4T×51−EE7」(東洋紡積株式会社製)35%を混合し、カードウェッブをクロスレイにて積層し、ニードルパンチで交絡後、160℃×2分処理した。見掛け密度0.10g/cm3、厚み22mmの不織布を作成した。
親水性ポリエステル短繊維「11T×64−K45」(東洋紡績株式会社製)65%とバインダー繊維(低融点ポリエステル繊維)「4.4T×51−EE7」(東洋紡積株式会社製)35%を混合し、カードウェッブをクロスレイにて積層し、ニードルパンチで交絡後、160℃×2分処理した。見掛け密度0.10g/cm3、厚み22mmの不織布を作成した。
(比較例1)
親水性ポリエステル短繊維「11T×64−K45」(東洋紡績株式会社製)65%とバインダー繊維(低融点ポリエステル繊維)「4.4T×51−EE7」(東洋紡積株式会社製)35%を混合し、カードウェッブをクロスレイにて積層し、ニードルパンチで交絡後、160℃×2分処理した。見掛け密度0.12g/cm3、厚み1.0mmの不織布を作成した。
親水性ポリエステル短繊維「11T×64−K45」(東洋紡績株式会社製)65%とバインダー繊維(低融点ポリエステル繊維)「4.4T×51−EE7」(東洋紡積株式会社製)35%を混合し、カードウェッブをクロスレイにて積層し、ニードルパンチで交絡後、160℃×2分処理した。見掛け密度0.12g/cm3、厚み1.0mmの不織布を作成した。
(比較例2)
親水性ポリエステル短繊維「11T×64−K45」(東洋紡績株式会社製)65%とバインダー繊維(低融点ポリエステル繊維)「4.4T×51−K−EE7」(東洋紡積株式会社製)35%を混合し、カードウェッブをクロスレイにて積層し、ニードルパンチで交絡後、160℃×2分処理した。見掛け密度0.14g/cm3、厚み11mmの不織布を作成した。
親水性ポリエステル短繊維「11T×64−K45」(東洋紡績株式会社製)65%とバインダー繊維(低融点ポリエステル繊維)「4.4T×51−K−EE7」(東洋紡積株式会社製)35%を混合し、カードウェッブをクロスレイにて積層し、ニードルパンチで交絡後、160℃×2分処理した。見掛け密度0.14g/cm3、厚み11mmの不織布を作成した。
(比較例3)
親水性ポリエステル短繊維「11T×64−K45」(東洋紡績株式会社製)65%とバインダー繊維(低融点ポリエステル繊維)「4.4T×51−EE7」(東洋紡積株式会社製)35%を混合し、カードウェッブをクロスレイにて積層し、ニードルパンチで交絡後、160℃×2分処理して、30mmのシート(不織布)を得た。その後、さらに180℃×2分間、プレス処理した見掛け密度0.30g/cm3、厚み10mmの不織布を作成した。
親水性ポリエステル短繊維「11T×64−K45」(東洋紡績株式会社製)65%とバインダー繊維(低融点ポリエステル繊維)「4.4T×51−EE7」(東洋紡積株式会社製)35%を混合し、カードウェッブをクロスレイにて積層し、ニードルパンチで交絡後、160℃×2分処理して、30mmのシート(不織布)を得た。その後、さらに180℃×2分間、プレス処理した見掛け密度0.30g/cm3、厚み10mmの不織布を作成した。
(比較例4)
公知のコンクリート床を作成した。
公知のコンクリート床を作成した。
床材の作成方法:下記実施例1〜2、比較例1〜4に示す部材(不織布)を用いて作成した。表地は、市販品の天然イ草100%の天然畳表を使用した。畳表と床材を固定化する接着剤は、低融点不織布(ダイナック(R)、RPO−1000、東洋紡績株式会社製、融点93℃)を用いて、150℃×30sec以上で固定化した。使用量は、実施例・比較例によってことなるが、歩行により畳表と床材が剥離しない量である。
表1に物性評価結果及び臨床評価結果を示す。
実施例1〜2、比較例1〜4により明らかなように、リハビリテーションに優れた床材が得られることが判る。
本発明による床材は、戸建住宅、マンション、アパート、オフィスビル、介護施設、工業用施設、店舗等の建築物における屋内用床面に使用される床材であり、特に、病院、介護施設等のリハビリテーション用に使用される床材として好適に使用されるものであり、建築物の幅広い分野に利用することができ、特に、病院、介護施設等の福祉の分野に貢献することが大である。
1:試料 (30cm×30cm)
2:押し棒
2:押し棒
Claims (1)
- JIS L 1096 8−16−2 B法(2001)に記載された圧縮治具を使用した圧縮試験方法において、10kg荷重時の変形量が6.0mm以上12.0mm以下、10kg荷重時と20kg荷重時の変形量差が3.0mm以上5.0mm以下であることを特徴とする床材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004143659A JP2005325566A (ja) | 2004-05-13 | 2004-05-13 | リハビリテーション用床材 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004143659A JP2005325566A (ja) | 2004-05-13 | 2004-05-13 | リハビリテーション用床材 |
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JP2005325566A true JP2005325566A (ja) | 2005-11-24 |
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ID=35472106
Family Applications (1)
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JP2004143659A Pending JP2005325566A (ja) | 2004-05-13 | 2004-05-13 | リハビリテーション用床材 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2005325566A (ja) |
-
2004
- 2004-05-13 JP JP2004143659A patent/JP2005325566A/ja active Pending
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