JP2005325301A - セルロースアシレートドープ組成物、およびセルロースアシレートフィルム - Google Patents

セルロースアシレートドープ組成物、およびセルロースアシレートフィルム Download PDF

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宰輔 渡辺
Toyohisa Oya
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Abstract

【課題】湿度変化に対する高い寸法安定性およびレターデーション安定性を備えたセルロースアシレートフィルムとこれを用いた光学フィルム及び液晶表示装置の提供。
【解決手段】下記一般式(I)で表される(メタ)アクリレートモノマー、光重合開始剤、およびセルロースアシレートを含有するセルロースアシレートドープ組成物を流延する流延工程と光照射の工程とを含む溶液流延方法によりセルロースアシレートフィルムを製造し、これらを各種光学フィルムおよび液晶表示装置に用いる。
【化1】
Figure 2005325301

(式中、RはHまたはCH、mは1〜20の整数、nは2〜50の整数、Xは炭化水素系環状骨格を有するn価の有機基、Yは単結合またはm+1価の連結基をそれぞれ表す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、セルロースアシレートドープ組成物、およびこれを用いて得られたセルロースアシレートフィルム、並びに該フィルムを用いる光学フィルムおよび液晶表示装置に関する。
セルロースアシレートフィルムは適度な水蒸気透過性を有し、かつ加工が容易であることから液晶表示装置用偏光板の保護フィルムとして広く使用されている。しかし、一方で湿度によるレターデーション変化が大きいという欠点がある。この欠点により、セルロースアシレートフィルムを用いた偏光板を長期使用すると、光漏れ等の問題が生じ、液晶表示装置の表示品位が低下する。したがって、セルロースアシレートフィルムの湿度によるレターデーション変化の低減化が強く求められている。
これを改良する手段として、セルロースアシレートに疎水性の高い化合物を添加する方法が提案されている。添加物として低分子可塑剤が用いることが有効であるが、フィルム表面に析出する等の問題がある。
これに対し、添加物として高分子化合物(以下ポリマー)を用いる手法が考えられるが、セルロースアシレートと相溶可能なポリマーは限られており、目的の効果が十分に得られないことが多い。例えば、セルロースアシレートとの相溶性が高いポリマーとして、低分子量体含量の多い分子量分布を特定化したポリエステルが提案されているが(特許文献1参照)、ポリマーが低分子量体であるために、ポリマーとしての特性を十分に発現できていなかった。
一方、セルロースアシレートと相溶可能な光重合性モノマーと光重合開始剤を均一なドープとし、このドープ組成物を流延工程で紫外線光照射し、セルロースアシレート中にポリマーのネットワークを形成させる技術がある(特許文献2参照)。
この技術では、光重合性モノマーとしてエチレン性不飽和モノマーが用いられているが、架橋性、セルロースアシレートとの相溶性、セルロースアシレートの疎水性向上効果をともに十分に満足するものが得られていない。したがって、これを用いた偏光板の性能は十分とは言えず、フィルム自体のさらなる改良が望まれていた。
特開2002−22956号公報 特開2002−20410号公報
本発明の目的は、湿度変化に対する寸法安定性とレターデーション安定性を備えたセルロースアシレートフィルムおよびこのセルロースアシレートフィルムを形成することのできるセルロースアシレートドープ組成物を提供することである。また、このセルロースアシレートフィルムを用いた光学フィルム及び液晶表示装置を提供することにある。さらに、本発明の目的は、湿度による力学特性と光学特性の変化が小さいセルロースアシレートフィルムを例えば偏光板に用いることで、光漏れなどの問題を生じることなく、表示品位の高い液晶表示装置を提供することである。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意工夫を重ねた結果、前記のセルロースアシレート中にポリマーネットワークを形成させる手法において、下記一般式(I)で表されるアクリレートモノマーを用いることにより、湿度変化に対する寸法安定性が飛躍的に向上することを見出した。さらに驚くべきことに、この技術を用いることで、セルロースアシレートフィルムの湿度変化に対するレターデーション変動も劇的に低下することを見出した。本発明は、この知見に基づきなすに至ったものである。
すなわち、本発明は、
(1)溶液流延製膜方法によるセルロースアシレートフィルム形成用のセルロースアシレートドープ組成物であって、下記一般式(I)で表される(メタ)アクリレートモノマー、光重合開始剤、およびセルロースアシレートを含有することを特徴とするセルロースアシレートドープ組成物、
Figure 2005325301
(式中、RはHまたはCH、mは1〜20の整数、nは2〜50の整数、Xは炭化水素系環状骨格を有するn価の有機基、Yは単結合またはm+1価の連結基をそれぞれ表す。)、
(2)前記一般式(I)において、Xが脂環式骨格を有する有機基であり、RがCHであることを特徴とする(1)項に記載のセルロースアシレートドープ組成物、
(3)前記Xが下記式(II)で表されることを特徴とする(1)または(2)項に記載のセルロースアシレートドープ組成物、
Figure 2005325301
(4)(1)〜(3)のいずれか1項に記載のセルロースアシレートドープ組成物を流延する流延工程と光照射の工程を経て製造されること特徴とするセルロースアシレートフィルム、
(5)(4)項に記載のセルロースアシレートフィルムを用いることを特徴とする光学フィルム、および
(6)(4)項に記載のセルロースアシレートフィルム、または当該セルロースアシレートフィルムを用いた光学フィルムを用いることを特徴とする液晶表示装置
を提供するものである。
本発明により、湿度変化による寸法安定性およびレターデーションの変動が小さいセルロースアシレートフィルム及び各種の光学フィルムを作製できる。このフィルムは、VA(vertically aligned)型、IPS(in-phase switching)型等の液晶表示装置に特に有利に用いることができる。
本発明のセルロールアシレートフィルムは、セルロースアシレート、一般式(I)で表される(メタ)アクリレートモノマー、および光重合開始剤を含有するセルロースアシレートドープ組成物を流延する流延工程と光照射の工程とを含む一連の工程からなる溶液流延方法により製造され、これらは光学フィルムおよび液晶表示装置に好ましく用いられる。以下、本発明の各要素事項について、さらに詳細に説明する。
[セルロースアシレート]
まず、本発明に好ましく用いられるセルロースアシレートについて詳細に記載する。本発明に用いられるセルロースアシレートは、アシル基が炭素数2ないし22のアシル基であることが好ましい。本発明においては異なる2種類以上のセルロースアシレートを混合あるいは層を分けて用いても良い。
セルロースを構成する、β−1,4結合しているグルコース単位は、2位、3位および6位に遊離の水酸基を有している。セルロースアシレートは、これらの水酸基の一部または全部をエステル化した重合体(ポリマー)である。アシル置換度は、2位、3位および6位のそれぞれについて、セルロースがエステル化している割合(100%のエステル化は置換度1)の合計を意味する。
本発明においては、セルロースの2位、3位および6位のそれぞれの水酸基の置換度は特に限定されないが、セルロースアシレートの6位の置換度の総和が好ましくは0.8以上、さらに好ましくは0.85以上、特に好ましくは0.90以上とすることにより、セルロースアシレートの溶解性を向上させることができ、特に非塩素系有機溶媒において、良好な溶液の作製が可能となる。
本発明に用いられるセルロースアシレートのアシル基は、脂肪族アシル基でも芳香族アシル基のいずれであってもよい。本発明のセルロースアシレートのアシル基が脂肪族アシル基である場合、炭素数2ないし22であることが好ましく、炭素数2ないし8であることが更に好ましく、炭素数2ないし4であることが特に好ましい。脂肪族アシル基の例としては、アルキルカルボニル、アルケニルカルボニルあるいはアルキニルカルボニルなどを挙げることができる。アシル基が芳香族アシル基である場合、炭素数6ないし22であることが好ましく、炭素数6ないし18であることが更に好ましく、炭素数6ないし12であることが特に好ましい。これらのアシル基は、それぞれ更に置換基を有していてもよい。
好ましいアシル基の例としては、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ヘプタノイル、ヘキサノイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル、トリデカノイル、テトラデカノイル、ヘキサデカノイル、オクタデカノイル、イソブチリル、t‐ブチリル、シクロヘキサンカルボニル、オレオイル、ベンゾイル、ナフタレンカルボニル、フタロイル、シンナモイルなどを挙げることが出来る。これらの中でも、更に好ましいものは、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ドデカノイル、オクタデカノイル、t‐ブタノイル、オレオイル、ベンゾイル、ナフチルカルボニル、シンナモイルなどであり、特に好ましいものはアセチル、プロピオニル、ブチリルである。
本発明に用いられるセルロースアシレートは2種以上のアシル基の混合エステルであってもよく、好ましい例として、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロパノエートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレート、セルロースアセテートヘキサノエート、セルロースアセテートオクタノエート、セルロースアセテートシクロヘキサノエート、セルロースアセテートデカノエート、セルロースアセテートアダマンタンカルボキシレート、セルロースアセテートサルフェート、セルロースアセテートカルバメート、セルロースプロピオネートサルフェート、セルロースアセテートプロピオネートサルフェート、セルロースアセテートフタレートなどを挙げることができる。更に好ましくは、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースプロパノエートブチレート、セルロースアセテートヘキサノエート、セルロースアセテートオクタノエートを挙げることができる。特に好ましくは、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートを挙げることができる。
セルロースアシレートの合成方法は、右田他、木材化学180〜190頁(共立出版、1968年)などに記載されている。代表的な合成方法は、カルボン酸無水物−酢酸−硫酸触媒による液相アシル化法である。具体的には、綿花リンターや木材パルプ等のセルロース原料を適当量のカルボン酸(必要に応じて、水、硫酸などを含んでいても良い)で前処理した後、アシル化剤混液を投入してエステル化し、完全セルロースアシレート(2位、3位および6位のアシル置換度の合計が、ほぼ3.00)を合成する方法である。上記アシル化剤混液は、一般に溶媒としての酢酸またはカルボン酸、エステル化剤としてのカルボン酸無水物、および、触媒としてのプロトン酸(硫酸、過塩素酸、塩化亜鉛、塩化スルフリル、リン酸など)またはルイス酸を含む。カルボン酸無水物は、これと反応するセルロースおよび系内に存在する水分の合計よりも、化学量論的に過剰量で使用することが好ましい。触媒の量はセルロース100質量部に対して0.5〜25質量部であることが好ましい。
反応温度は目的とするセルロースアシレートの特性に応じて任意に選択することができるが、−30℃〜70℃であることが好ましく、−20℃〜60℃であることが好ましく、−10℃〜50℃であることが特に好ましい。反応温度は反応の段階に応じて変化させても良い。反応温度の調節は、アシル化剤混液の温度や反応容器の温度制御で行うことができる。
アシル化反応の終了後に、残存している過剰のカルボン酸無水物の加水分解およびエステル化触媒の一部または全部の中和のために、水や中和剤(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムまたは亜鉛などの炭酸塩、酢酸塩、水酸化物または酸化物)の水溶液を添加してもよい。得られたセルロースアシレートを少量の酸触媒(一般には、残存する硫酸などの酸触媒)の存在下で、−10〜90℃に保つことによりケン化ならびに解重合(いわゆる熟成)を行い、所望のアシル置換度および重合度を有するセルロースアシレートに至るまで加水分解させることが好ましく行われる。所望のセルロースアシレートが得られた時点で、残存している触媒を前記のような中和剤を用いて完全に中和するか、あるいは中和することなく、水または適切な有機溶媒中にセルロースアシレート溶液を投入(あるいは、セルロースアシレート溶液中に、水または適切な有機溶媒を投入)してセルロースアシレートを沈殿させ、洗浄を行うことによりセルロースアシレートを得ることができる。副生するセルロース硫酸エステルの分解や、残存する酸の中和を目的に、安定化剤(例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、アルミニウムまたは亜鉛などの炭酸塩、酢酸塩、水酸化物または酸化物)の水溶液による処理を行うことが好ましい。
6位置換度の大きいセルロースアシレートの合成については、特開平11−5851号公報、特開2002−212338号公報や特開2002−338601号公報などに記載がある。
セルロースアシレートの他の合成法としては、塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化バリウム、炭酸ナトリウム、ピリジン、トリエチルアミン、t−ブトキシカリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなど)の存在下に、カルボン酸ハライドと反応させる方法、アシル化剤として混合酸無水物(カルボン酸・トリフルオロ酢酸混合無水物、カルボン酸・メタンスルホン酸混合無水物など)を用いる方法も用いることができ、特に炭素数の多いアシル基や、カルボン酸無水物−酢酸−硫酸触媒による液相アシル化法が困難なアシル基を導入する際には有効である。
セルロース混合アシレートを得る方法としては、アシル化剤として2種のカルボン酸無水物を混合または逐次添加により反応させる方法、2種のカルボン酸の混合酸無水物(例えば、酢酸・プロピオン酸混合酸無水物)を用いる方法、カルボン酸と別のカルボン酸の酸無水物(例えば、酢酸とプロピオン酸無水物)を原料として反応系内で混合酸無水物(例えば、酢酸・プロピオン酸混合酸無水物)を合成してセルロースと反応させる方法、置換度が3に満たないセルロースアシレートを一旦合成し、酸無水物や酸ハライドを用いて、残存する水酸基を更にアシル化する方法などを用いることができる。
セルロースアシレートから低分子成分が除去されると、平均分子量(重合度)が高くなるが、粘度は通常のセルロースアシレートよりも低くなるため有用である。低分子成分の少ないセルロースアシレートは、通常の方法で合成したセルロースアシレートから低分子成分を除去することにより得ることができる。低分子成分の除去は、セルロースアシレートを適当な有機溶媒で洗浄することにより実施できる。なお、硫酸触媒を用いて低分子成分の少ないセルロースアシレートを製造する場合、アシル化反応における硫酸触媒量を、セルロース100質量部に対して0.5〜25質量部に調整することが好ましい。硫酸触媒の量を上記範囲にすると、好ましい分子量分布を有する(分子量分布の均一な)セルロースアシレートを合成することができる。
本発明のこれらセルロースアシレートの、原料綿や合成方法については、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)の7頁〜12頁に詳細に記載されている。
本発明で好ましく用いられるセルロースアシレートの重合度は、平均重合度150〜700、好ましくは180〜550、更に好ましくは200〜400であり、特に好ましくは粘度平均重合度200〜350である。平均重合度は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学会誌、第18巻第1号、105〜120頁、1962年)、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)による分子量分布測定などの方法により測定できる。更に特開平9−95538号公報に詳細に記載されている。
本発明のセルロースアシレートフィルムの製造に使用されるセルロースアシレートは、その含水率が2質量%以下であることが好ましく、1質量%以下であることが更に好ましく、0.7質量%以下であることが特には好ましい。一般に、セルロースアシレートは水を含有しており、その含有率は2.5〜5質量%であることが知られている。本発明においてセルロースアシレートの含水率を好ましい量に調整するためには、セルロースアシレートを乾燥することが好ましい。乾燥の方法については、目的とする含水率が得られるのであれば特に限定されない。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、フィルムを構成するポリマー成分が実質的に上記の定義を有するセルロースアシレートからなることが好ましい。『実質的に』とは、ポリマー成分の55質量%以上(好ましくは70質量%以上、さらに好ましくは80質量%以上)を意味する。フィルム製造の原料としては、セルロースアシレートが粒子状または粉末状であることが好ましい。セルロースアシレートが粒子状であるとき、使用する粒子の90質量%以上は、0.5〜5mmの粒子径を有することが好ましい。また、使用する粒子の50質量%以上が1〜4mmの粒子径を有することが好ましい。セルロースアシレート粒子は、なるべく球形に近い形状を有することが好ましい。
[(メタ)アクリレートモノマー]
本発明においては、セルロースアシレート中に疎水性のポリマーネットワークを均一に形成させることで、セルロースアシレートの疎水性を向上させ、湿度変化に対する物性の変動を小さくする。そのため、セルロースアシレート中に均一にポリマーネットワーク構造を形成しやすい下記一般式(I)で表される(メタ)アクリレートモノマーを用いることで、セルロースアシレートの疎水性を向上させ、湿度変化に対する物性変動を小さくできる。
Figure 2005325301
式中、RはHまたはCH、mは1〜20の整数、nは2〜50の整数、Xは炭化水素系環状骨格を有するn価の有機基、Yは単結合またはm+1価の連結基をそれぞれ表す。
RはHまたはCHを表し、反応性を高めるために、Hが好ましい。また、mは1〜20の整数を表し、1〜10が好ましく、1〜6がさらに好ましく、1〜3が最も好ましい。また、nは2〜50の整数を表し、1〜10が好ましく、1〜8がさらに好ましく、2〜6が最も好ましい。
Xはn価の有機基であるが、化合物の疎水性を高めるために、分極性の小さい炭化水素系環状骨格を有するものとする。同じ炭素数の炭化水素数系鎖状骨格の場合、架橋点間距離が大きくなり、セルロースアシレートの固定化の効果が弱くなる。その結果、このようなモノマーを用いて得たフィルムのレターデーション変動は大きくなる。
Xが有する炭化水素系環状骨格が有する環状炭化水素としては、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素が挙げられる。なかでも、脂環式炭化水素である場合が、後述するように好ましい。
また、これらの環は、単数でXの骨格を形成しても良いし、複数が結合して骨格を形成しているものでもよい。複数の環が結合する場合は、環同士が直接結合してもよい。
Xが有する炭化水素系環状骨格が異方性基である場合、レターデーションの変動が起こることある。したがって、Xが有する炭化水素系環状骨格は等方性であることが好ましい。骨格を等方性にするには、分極性のある骨格を球対象形とするか分極性の無い脂環式骨格とする。特にXが脂環式骨格を有する有機基であることが好ましい。
以下に、Xの具体例を挙げられるが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2005325301
(X−1〜13において、−は結合を表す。)
この中でも、分極性の小さいX−2、4、6、7、8、9、10、11、12、13が好ましく、X−2、4、6、11、12、13がさらに好ましい。さらに汎用性が高い脂環骨格である、X−2が最も好ましい。好ましい態様では、一般式(I)において、Xが上記式(II)で表されるX−2であり、RがCHとなるものである。
Yは単結合またはm+1価の連結基を表し、例えば、単結合、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜8であり、例えばトリメチレン基(−CHCHCH−)、ヘキサメチレン基(−CHCHCHCHCHCH−)、などが挙げられる。)、アリーレン基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニレン基(−C−)、ナフチレン基(−C10−)などが挙げられる。)、オキシアルキレン基(好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは炭素数1〜12であり、例えばオキシエチレン基(−OCHCH−)、オキシプロピレン基(−OCHCHCH−)などが挙げられる。)、ポリオキシアルキレン基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜8であり、例えばジオキシメチレン基(−OCHCHOCHCH−)、トリオキシメチレン基(−OCHCHOCHCHOCHCH−)などが挙げられる。)、オキシアリーレン基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜12であり、例えばオキシフェニレン基(−OC−)、オキシナフチレン基(−OC10−)などが挙げられる。)、オキシカルボニル基(−COO−)、イミノカルボニル基(−CONH−)、ウレイレン基(−NHCONH−)、ヘテロ原子(酸素原子など)などの2価の連結基、さらに以下のY1〜11の連結基があげられるが、これに限定されない。
Figure 2005325301
(Y−1〜11において、−は結合を表す。)
これらの中でも、単結合、アルキレン基、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、Y1、Y2、Y3が好ましく、単結合、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、Y2、Y3がさらに好ましく、オキシアルキレン基、ポリオキシアルキレン基、Y2、Y3が最も好ましい。
また、本発明において、セルロースアシレートの疎水性を向上させるために、セルロースアシレート中で形成されるポリマーを疎水的にする必要がある。一方で疎水性が高すぎるとセルロースアシレートと相溶しなくなるために、疎水性の上限が必要である。ポリマーの疎水性は、もととなる(メタ)アクリレートモノマーの疎水性を目安になる。この性質を数値で表す場合、(メタ)アクリレートモノマーの水オクタノール分配係数(logP)を参考にできる。本発明において、(メタ)アクリレートモノマーのlogPは、4.0〜12.0が好ましく、4.0〜11.5がさらに好ましく、4.0〜11.0が最も好ましい。
logPは実際に測定できるが、Hansch-Leoのフラグメンテーション法(Substituent Constants for Correlation Analysis in Chemistry and Biology: John Willey and Sons社刊およびChem.Rev.1993年、93巻、1281ページ)、置換基パラメーターによる方法(Environ. Toxicol. Chem. 1992年、11巻、901ページ)、原子フラグメント法(J. Pharm. Sci.1995年、84巻、83ページ)、レッカーのフラグメント法(Quant. Struct.-Act. Relat. 1993年12巻、152ページ)、クリッペンのフラグメンテーション(J. Chem. Inf. Comput. Sci. 1987年27巻21ページ)、ビスワナドハンのフラグメンテーション(J. Chem. Inf. Comput. Sci. 1989年、29巻、163ページ)ブロトーのフラグメント法(Eur. J. Med. Chem. - Chim. Theor. 1984年、19巻、71ページ)などの計算方法で見積もることもできる。
また、本発明において、(メタ)アクリレートモノマーは、セルロースアシレートと混合させ、均一に分散させ、しかる後に光重合させるため、低分子であることが好ましい。具体的には、分子量が2000以下であることが好ましく、1500以下であることがさらに好ましく、1000以下であることが最も好ましい。さらに取り扱い上の安全性から、皮膚刺激性が比較的低い分子量300以上であることが好ましく、350以上であることがさらに好ましく、400以上であることが最も好ましい。
本発明では、以上にあげた(メタ)アクリレートモノマーを2つ以上組み合わせてもよい。また、任意のモノマーと組み合わせることもできる。
以下に本発明に好ましく用いられる一般式(I)で表される(メタ)アクリレートモノマーの具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2005325301
上記の例示モノマーは、市販の製品がある場合にはそれをそのまま用いればることもできる。以下に、上記の例示モノマーのうち、代表的な(メタ)アクリレートモノマーの合成例を示す。
(M−3の合成)
Figure 2005325301
第一工程:ビスフェノールA 39.1gと1−ブロモヘキサノール74.5g、炭酸カリウム63.0gをジメチルホルムアミド80mL中に仕込み、80℃で8時間攪拌した。これを酢酸エチル/食塩水で分液抽出した。得られる有機層を脱イオン水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。この溶液を加熱しながら、エバポレーターで減圧濃縮した。得られたオイルをカラムクロマトグラフィーで精製した(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/2)。得られた成分を減圧濃縮すると中間体Aの白色固体46.3gが得られた。
第二工程:A 45.9g、トリエチルアミン51.0gをアセトニトリル700mL中に仕込み、氷浴で冷却した。アクリル酸クロライド 32.4gを、内温15℃以下に保つように、ゆっくり滴下し、室温で1時間攪拌した。これを酢酸エチル/食塩水で分液抽出した。得られる有機層を脱イオン水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。この溶液をエバポレーターで減圧濃縮した。得られたオイルをカラムクロマトグラフィーで精製した(展開溶媒:塩化メチレン/ヘキサン=1/1)。得られた成分を減圧濃縮すると、M−3の黄色のオイル53.6gが得られた。
(M−6の合成)
Figure 2005325301
4,4’−イソプロピリデンジシクロヘキサノール(リカビノールHB:新日本理化社製)69.5g、トリエチルアミン88.2gをジメチルホルムアミド410mL中に仕込み、氷浴で冷却した。アクリル酸クロライド 68.0gを、内温15℃以下に保つように、2時間かけて滴下し、室温に戻した。これを酢酸エチル/食塩水で分液抽出した。得られる有機層を脱イオン水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過した。この溶液をエバポレーターで減圧濃縮した。得られたオイルをカラムクロマトグラフィーで精製した(展開溶媒:酢酸エチル/ヘキサン=1/1)。得られた成分を減圧濃縮すると、M−6の黄色のオイル55.0gが得られた。
[光重合開始剤]
次に、本発明のセルロースアシレートドープ組成物に用いられる光重合開始剤について詳述する。
本発明における光重合開始剤は、光照射により、少なくともラジカルを発生する化合物である。本発明において用いられる光重合開始剤は、極大吸収波長が400nm以下であることが好ましい。このように吸収波長を紫外線領域にすることにより、取り扱いを白灯下で実施することができる。
本発明において好適に用いられるラジカルを発生する化合物は、光照射によりラジカルを発生し、重合性の不飽和基を有する化合物の重合を、開始、促進させる化合物である。公知の重合開始剤や結合解離エネルギーの小さな結合を有する化合物などを、適宜、選択して用いることとができる。また、ラジカルを発生する化合物は、単独または2種以上を併用して用いることができる。
ラジカルを発生する化合物としては、例えば、アミン化合物(特公昭44−20189号公報記載)、有機ハロゲン化化合物、カルボニル化合物、有機過酸化化合物、アゾ系重合開始剤、メタロセン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、有機ホウ酸化合物、ジスルホン化合物等が挙げられる。
上記有機ハロゲン化化合物としては、具体的には、若林等、「ブレティン・オブ・ザ・ケミカル・ソシエティ・オブ・ジャパン(Bull. Chem. Soc. Japan)」42、2924(1969)、米国特許第3,905,815号明細書、特公昭46−4605号公報、特開昭62−212401号公報、特開昭63−70243号公報、特開昭63−298339号公報、エム・ピー・ハット(M.P.Hutt)"ジャーナル・オブ・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Jurnal of Heterocyclic Chemistry)"1(No3),(1970)」等に記載の化合物が挙げられ、特に、トリハロメチル基が置換したオキサゾール化合物:S−トリアジン化合物が挙げられる。より好適には、少なくとも一つのモノ、ジ、またはトリハロゲン置換メチル基がs−トリアジン環に結合したs−トリアジン誘導体が挙げられる。
他の有機ハロゲン化合物の例として、特開平5−27830号公報中の段落番号〔0039〕〜〔0048〕記載のケトン類、スルフィド類、スルホン類、窒素原子含有の複素環類等が挙げられる。
上記カルボニル化合物としては、例えば、「最新 UV硬化技術」60〜62ページ((株)技術情報協会刊、1991年)、特開平8−134404号公報の段落番号〔0015〕〜〔0016〕、同11−217518号公報の段落番号〔0029〕〜〔0031〕に記載の化合物等が挙げられ、アセトフェノン系、ヒドロキシアセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサン系、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾイン化合物、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチル等の安息香酸エステル誘導体、ベンジルジメチルケタール、アシルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。
上記有機過酸化化合物としては、例えば、特開2001−139663号公報の段落番号〔0019〕に記載の化合物等が挙げられる。
上記メタロセン化合物としては、特開昭59−152396号公報、特開昭61−151197号公報、特開昭63−41484号公報、特開平2−249号公報、特開平2−4705号公報、特開平5−83588号公報記載の種々のチタノセン化合物、特開平1−304453号公報、特開平1−152109号公報記載の鉄−アレーン錯体等が挙げられる。
上記ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、例えば、特公平6−29285号、米国特許第3,479,185号、同第4,311,783号、同第4,622,286号等の各公報および明細書記載の種々の化合物等が挙げられる。
上記有機ホウ酸塩化合物としては、例えば、特開昭62−143044号、特開昭62−150242号、特開平9−188685号、特開平9−188686号、特開平9−188710号、特許第2764769号、特開2002−116539号等の各公報、及び、カンツ、マーチン(Kunz,Martin)"ラッド・テック’98(Rad Tech'98.) Proceeding April 19−22,1998,Chicago"等に記載される有機ホウ酸塩記載される化合物が挙げられる。例えば、前記特開2002−116539号明細書の段落番号〔0022〕〜〔0027〕記載の化合物が挙げられる。
他の有機ホウ素化合物として、特開平6−348011号公報、特開平7−128785号公報、特開平7−140589号公報、特開平7−306527号公報、特開平7−292014号公報等の有機ホウ素遷移金属配位錯体等が具体例として挙げられる。
上記スルホン化合物としては、特開平5−239015号公報に記載の化合物等、上記ジスルホン化合物としては、特開昭61−166544号公報に記載の一般式(II)及び一般式(III)で示される化合物等が挙げられる。
[微粒子]
本発明では、耐傷性やフィルムの搬送性を良好に保持するためにセルロースアシレートドープ組成物に微粒子を添加することができる。
それらは、マット剤、ブロッキング防止剤あるいはキシミ防止剤と称されて従来から利用されている。それらは、前述の機能を呈する素材であれば特に限定されないが、これらのマット剤の好ましい具体例は、無機化合物としては、ケイ素を含む化合物、二酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化バリウム、酸化ジルコニウム、酸化ストロンチウム、酸化アンチモン、酸化スズ、酸化スズ・アンチモン、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、更に好ましくはケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムであるが、セルロースアシレートフィルムの濁度を低減できるので、二酸化ケイ素が特に好ましい。
又、表面処理された無機微粒子もセルロースアシレート中への分散性が良好となり好ましい。処理法としては、例えば、特開昭54−57562号公報に記載の方法が挙げられる。粒子としては、例えば、特開2001−151936号公報に記載のものが挙げられる。
また、有機化合物としては、例えば、架橋ポリスチレン、シリコーン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂等のポリマーが好ましく、なかでも、シリコーン樹脂が好ましく用いられる。シリコーン樹脂のなかでも、特に三次元の網状構造を有するものが好ましい。
これらの添加剤をセルロースアシレート溶液へ添加する場合は、特にその方法は限定されず、いずれの方法でも所望のセルロースアシレート溶液を得ることができれば問題ない。例えば、セルロースアシレートと溶媒を混合する段階で添加物を含有させてもよいし、セルロースアシレートと溶媒で混合溶液を作製した後に添加物を添加してもよい。更にはドープを流延する直前に添加混合してもよく、いわゆる直前添加方法であり、その混合にはスクリュー式混練がオンラインで設置して用いられる。添加剤の混合は、混合物それ自身を添加してもよいが、予め溶媒やバインダー(好ましくはセルロースアシレート)を用いて溶解しておいたり、場合により分散して安定化した溶媒として用いることも好ましい態様である。
これらの微粒子の1次平均粒子径としては、ヘイズを低く抑えるという観点から、好ましくは0.001〜20μmであり、より好ましくは0.001〜10μmであり、更に好ましくは0.002〜1μmであり、特に好ましくは0.005〜0.5μmである。
セルロースアシレートに対する微粒子の添加量は、セルロースアシレート100質量部に対して、微粒子は0.01〜0.3質量部が好ましく、0.05〜0.2質量部がさらに好ましい。
[その他の添加剤]
本発明のセルロースアシレートドープ組成物には、上記微粒子に加えて、各調製工程において用途に応じた種々の添加剤(例えば、可塑剤、紫外線防止剤(吸収剤)、劣化防止剤、光学異方性コントロール剤、剥離剤、赤外吸収剤、など)を加えることができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。すなわち、その融点や沸点において特に限定されるものではない。例えば20℃以下と20℃以上の紫外線吸収材料の混合や、同様に可塑剤の混合などであり、例えば特開平2001−151901号公報などに記載されている。さらにまた、赤外吸収染料としては例えば特開平2001−194522号公報に記載されている。またその添加する時期はドープ作製工程において何れで添加しても良いが、ドープ調製工程の最後の調製工程に添加剤を添加し調製する工程を加えて行ってもよい。更にまた、各素材の添加量は機能が発現する限りにおいて特に限定されない。また、セルロースアシレートフィルムが多層から形成される場合、各層の添加物の種類や添加量が異なってもよい。例えば特開平2001−151902号公報などに記載されているが、これらは従来から知られている技術である。さらにこれらの詳細は、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて16頁〜22頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられる。これらの添加剤の使用量は、全セルロールアシレートフイルム形成組成物中、0.001〜20質量%の範囲で適宜用いられることが好ましい。
[セルロースアシレートドープの調整]
次に、セルロースアシレートを溶解する有機溶媒について記述する。
用いる溶媒としては、低級脂肪族炭化水素の塩化物や低級脂肪族アルコールが一般に使用される。低級脂肪族炭化水素の塩化物の例には、メチレンクロライドを挙げることができる。低級脂肪族アルコールの例には、メタノール、エタノール、n-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びn-ブタノールが含まれる。その他の溶媒の例としては、ハロゲン化炭化水素を実質的に含まない、アセトン、炭素原子数4から12までのケトン(例えばメチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン及びメチルシクロヘキサノン等)、炭素原子数3〜12のエステル(例えばギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ペンチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸ペンチル及び2−エトキシ−エチルアセテート等)、炭素原子数1〜6のアルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−ブタノール、t-ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール等)、炭素原子数3〜12のエーテル(例えばジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、アニソール、フェネトール等)、炭素原子数5〜8の環状炭化水素類(例えばシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等)が挙げられる。
好ましくは、エステル類、ケトン類、アルコール類の混合溶媒をドープ調製溶媒に用いることが、セルロースアシレートの溶解性の点から好ましい。また、メチレンクロライドのようなハロゲン化炭化水素を含まない非ハロゲン系有機溶媒系として、例えば、特開2002−146043号公報の段落番号〔0021〕〜〔0025〕、特開2002−146045号公報の段落番号〔0016〕〜〔0021〕等に記載の溶媒系の例が挙げられる。
本発明のセルロースアシレートドープ組成物は、セルースアシレートが有機溶媒に10〜30質量%溶解している溶液であることが好ましく、15〜20質量%溶解している溶液であることがさらに好ましい。これらの濃度にセルロースアシレートを実施する方法は、溶解する段階で所定の濃度になるように実施してもよく、また予め低濃度溶液(例えば9〜14質量%)として作製した後に後述する濃縮工程で所定の高濃度溶液に調整してもよい。さらに、予め高濃度のセルロースアシレート溶液として後に、種々の添加物を添加することで所定の低濃度のセルロースアシレート溶液としてもよく、いずれの方法で本発明のセルロースアシレート溶液濃度になるように実施されれば特に問題ない。
本発明におけるセルロースアシレート溶液(ドープ)の調製については、その溶解方法は特に限定されず、室温溶解法でもよくさらには冷却溶解法あるいは高温溶解方法、さらにはこれらの組み合わせで実施される。これらに関しては、例えば特開平5−163301号公報、特開昭61−106628号公報、特開昭58−127737号公報、特開平9−95544号公報、特開平10−95854号公報、特開平10−45950号公報、特開2000−53784号公報、特開平11−322946号公報、さらに特開平11−322947号公報、特開平2−276830号公報、特開2000−273239号公報、特開平11−71463号公報、特開平04−259511号公報、特開2000−273184号公報、特開平11−323017号公報、特開平11−302388号公報などにセルロースアシレート溶液の調製法が記載されている。以上記載したこれらのセルロースアシレートの有機溶媒への溶解方法は、本発明においても適宜本発明の範囲であればこれらの技術を適用できるものである。これらの詳細は、特に非塩素系溶媒系については発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて22頁〜25頁に詳細に記載されている方法で実施される。さらに本発明のセルロースアシレートのドープ溶液は、溶液濃縮、ろ過が通常実施され、同様に発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁に詳細に記載されている。なお、高温度で溶解する場合は、使用する有機溶媒の沸点以上の場合がほとんどであり、その場合は加圧状態で用いられる。
本発明のセルロースアシレート溶液は、その溶液の粘度と動的貯蔵弾性率がある範囲であることが好ましい。例えば、試料溶液1mLをレオメーター(CLS 500)に直径 4cm/2°のSteel Cone(共にTA Instrumennts社製)を用い、Oscillation Step/Temperature Rampで40℃〜−10℃の範囲を2℃/分で可変する条件で測定し、40℃の静的非ニュートン粘度 n* (Pa・sec)及び−5℃の貯蔵弾性率 G'(Pa)を求めることができる。尚、この場合、試料溶液は予め測定開始温度にて液温一定となるまで保温した後に測定を開始する。本発明では、40℃での粘度が1〜300Pa・secであり、かつ−5℃での動的貯蔵弾性率が1万〜100万Paであることが好ましい。
上記のようにして調液したセルロースアシレート溶液に、本発明に用いられるエチレン性不飽和モノマーを添加し溶解させる。この場合、(メタ)アクリレートモノマーを適当な溶媒に溶解させておくことが好ましい。
(メタ)アクリレートモノマーは、セルロースアシレート溶液(ドープ溶液)全組成分中、1〜50質量%の割合で使用するのが好ましく、より好ましくは1〜30質量%である。また、セルロースアシレートに対しては、1〜60質量%の割合で含有されることが好ましく、より好ましくは3〜30質量%である。
また、本発明に用いられる光重合開始剤は(メタ)アクリレートモノマーを添加した後の時点でセルロースアシレート溶液に、添加し溶解させることが好ましい。この場合、光重合開始剤は、遮光して添加することが好ましい。光重合開始剤は、本発明の組成物において、セルロースアシレートに対して、0.001〜20質量%の割合で含有されることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%である。
[セルロースアシレートフィルムの製造方法]
次に、本発明の組成物を用いたフィルムの製造方法について述べる。本発明のセルロースアシレートフィルムを製造する方法及び設備には、従来セルローストリアセテートフィルム製造に用いられていた溶液流延製膜方法及び装置を用いることができる。以下、図面を参照しながら説明する。図1は、セルロースアシレートフィルムを溶液流延製膜方法によって製造する流延製膜ラインの一例を示す概略説明図である。溶解機(釜)(図示せず)から調製されたドープ(セルロースアシレート溶液)を取り出して貯蔵釜で一旦貯蔵し、ドープに含まれている泡を脱泡して最終調製をする。貯蔵釜は、攪拌機構を有するミキシングタンク(11)とすることが好ましい。ドープをドープ排出口から、例えば回転数によって高精度に定量送液できる加圧型定量ギヤポンプなどの送液ポンプ(12)を通して加圧型流延ダイ(14)に送る。流延ダイ(14)に送る前に、適宜フィルタ(13)を通してもよい。また、調製後のドープをフィルタを通した後に貯蔵釜(ミキシングタンク)で貯蔵し、これを流延ダイに送ってもよい。ドープは加圧型ダイの口金(スリット)からエンドレスに走行している流延部の金属支持体からなる流延バンド(15)の上に均一に流延され、金属支持体がほぼ一周した剥離点で、生乾きのドープ膜(ウェブとも呼ぶ)を金属支持体から剥離する。図中、16、17はそれぞれ流延部側と非流延部側の回転ドラムであり、18はガイドロール、19は剥ぎ取りロールである。得られるウェブの巾方向両端をクリップで挟み、幅保持しながらテンターで搬送して乾燥し、続いて乾燥装置(乾燥部、22)のロール群で搬送し乾燥を終了して、製造されたセルロースアシレートフィルム(23)を巻き取り機(21)で所定の長さに巻き取る。図中、20はガイドロールである。テンターとロール群の乾燥装置との組み合わせはその目的により変わる。ハロゲン化銀写真感光材料や電子ディスプレイ用機能性保護膜に用いる溶液流延製膜方法においては、溶液流延製膜装置の他に、下引層、帯電防止層、ハレーション防止層、保護層等のフィルムへの表面加工のために、塗布装置が付加されることが多い。これらの各製造工程については、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて25頁〜30頁に詳細に記載され、流延(共流延を含む)、金属支持体、乾燥、剥離、延伸などに分類される。
ここで、本発明においては流延部の空間温度は特に限定されないが、−50℃〜50℃であることが好ましい。更には−30℃〜40℃であることが好ましい。特に低温での空間温度により流延されたセルロースアシレート溶液は、支持体の上で瞬時に冷却されゲル強度アップすることでその有機溶媒を含んだフィルムを保持することができる。これにより、セルロースアシレートから有機溶媒を蒸発させることなく、支持体から短時間で剥ぎ取りことが可能となり、高速流延が達成できるものである。なお、空間を冷却する手段としては通常の空気でもよいし窒素やアルゴン、ヘリウムなどでもよく特に限定されない。またその場合の湿度は0〜70%RHが好ましく、さらには0〜50%RHが好ましい。また、本発明ではセルロースアシレート溶液を流延する流延部の支持体の温度が−50℃〜130℃であり、好ましくは−30℃〜25℃である。流延部を本発明の温度に保つためには、流延部に冷却した気体を導入して達成してもよく、あるいは冷却装置を流延部に配置して空間を冷却してもよい。この時、水が付着しないように注意することが重要であり、乾燥した気体を利用するなどの方法で実施できる。
流延工程では1種類のセルロースアシレート溶液を単層流延してもよいし、2種類以上のセルロースアシレート溶液を同時及びまたは逐次共流延しても良い。
2層以上の複数のセルロースアシレート溶液を共流延する方法としては、例えば、支持体の進行方向に間隔を置いて設けた複数の流延口からセルロースアシレートを含む溶液をそれぞれ流延させて積層させる方法(例えば、特開平11−198285号公報記載の方法)、2つの流延口からセルロースアシレート溶液を流延する方法(特開平6−134933号公報記載の方法)、高粘度セルロースアシレート溶液の流れを低粘度のセルロースアシレート溶液で包み込み、その高、低粘度のセルロースアシレート溶液を同時に押出す方法(特開昭56−162617号公報記載の方法)等が挙げられる。本発明ではこれらに限定されるものではない。
得られたフィルムは支持体(バンド)から剥ぎ取り、更に乾燥させる。乾燥工程における乾燥温度は40℃〜250℃、特に70℃〜180℃が好ましい。
更に残留溶媒を除去するために、50℃〜160℃で乾燥させ、その場合逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を蒸発させることが好ましい。以上の方法は、特公平5−17844号公報に記載されている。この方法によると、流延から剥ぎ取りまでの時間を短縮することができる。使用する溶媒によって乾燥温度、乾燥風量及び乾燥時間が異なり、使用溶媒の種類、組み合わせに応じて適宜選ぶことができる。最終仕上がりフィルムの残留溶媒量は2質量%以下、更に0.4質量%以下であることが、寸度安定性良好なフィルムを得る上で好ましい。これらの乾燥工程の具体的な方法は、例えば、前述の発明協会公開技報に記載の従来公知の方法及び装置のいずれを用いてもよく、特に限定されるものではない。
本発明において光照射の工程は、ドープを流延してから乾燥が終了するまでの間の任意の場所で行えばよいが、特に乾燥終了前のドープ膜が支持体上にあるときに光照射することが好ましい。これは、有機溶媒がウェブ中に適度に存在することにより分子の移動が容易で、重合がスムースに進行し易いためである。光照射の光源は、紫外線光のものであればいずれでもよく、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、メタルハライド灯、キセノン灯、太陽光等が挙げられる。波長350〜420nmの入手可能な各種レーザー光源をマルチビーム化照射等を採用して用いることもできる。
紫外線照射による光重合は、空気または不活性気体中で行うことができるが、ラジカル重合性化合物を使用する場合には、重合の誘導期を短くするか、または重合率を十分に高める等のために、できるだけ酸素濃度を少なくした雰囲気とすることが好ましい。照射する紫外線の照射強度は、0.1〜100mW/cm2程度が好ましく、ドープ膜表面上での光照射量は100〜1000mJ/cm2が好ましい。また、光照射工程でのドープ膜の温度分布は、均一なほど好ましく、±3℃以内が好ましく、更には±1.5℃以内に制御されることが好ましい。この範囲において、ドープ膜の面内及び層内深さ方向での重合反応が均一に進行するので好ましい。
本発明において、レターデーションを発現させるために、セルロースアシレートフィルムを延伸してもよい。延伸する場合は、フィルム中の構造体を破壊しないために、光照射は延伸後に行うのが好ましい。したがって、延伸は、製膜中未乾燥の状態(例えば、流延後支持体から剥ぎ取った後から乾燥完了までの間)、すなわち、フィルム中に有機溶媒が適度に存在している状態で行うのが好ましい。かようにして得られたフィルムは、上記の手法にて乾燥させる。
本発明に従い製造されるフィルムの厚さは、5〜500μmであることが好ましく、15〜300μmであることが更に好ましく、20〜200μmであることが最も好ましい。また、光学フィルムに用いる場合には20〜80μmも好ましい。
セルロースアシレートフィルムは、場合により表面処理を行うことによって、セルロースアシレートフィルムと各機能層(例えば、下塗層及びバック層)との接着の向上を達成することができる。例えばグロー放電処理、紫外線照射処理、コロナ処理、火炎処理、酸またはアルカリ処理を用いることができる。ここでいうグロー放電処理とは、10−3〜20Torrの低圧ガス下でおこる低温プラズマでもよく、更にまた大気圧下でのプラズマ処理も好ましい。プラズマ励起性気体とは上記のような条件においてプラズマ励起される気体をいい、アルゴン、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、窒素、二酸化炭素、テトラフルオロメタンの様なフロン類及びそれらの混合物などがあげられる。これらについては、詳細が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて30頁〜32頁に詳細に記載されている。なお、近年注目されている大気圧でのプラズマ処理は、例えば10〜1000Kev下で20〜500Kgyの照射エネルギーが用いられ、より好ましくは30〜500Kev下で20〜300Kgyの照射エネルギーが用いられる。これらの中でも特に好ましくは、アルカリ鹸化処理でありセルロースアシレートフィルムの表面処理としては極めて有効である。
アルカリ鹸化処理は、鹸化液を塗布することで行ことも好ましい。塗布方法としては、ディップコーティング法、カーテンコーティング法、エクストルージョンコーティング法、バーコーティング法及びE型塗布法を挙げることができる。アルカリ鹸化処理塗布液の溶媒は、鹸化液の透明支持体に対して塗布するために濡れ性が良く、また鹸化液溶媒によって透明支持体表面に凹凸を形成させずに、面状を良好なまま保つ溶媒を選択することが好ましい。具体的には、例えば特開2002−82226号公報、W002/46809号公報に記載の内容が挙げられる。
フィルムと乳剤層との接着を達成するために、表面活性化処理をしたのち、直接セルロースアシレートフィルム上に機能層を塗布して接着力を得る方法と、一旦何がしかの表面処理をした後、あるいは表面処理なしで、下塗層(接着層)を設けこの上に機能層を塗布する方法とがある。これらの下塗層についての詳細は、発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて32頁に記載されている。また本発明のセルロースアシレートフィルムの機能性層についても各種の機能層が発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)32頁〜45頁に詳細に記載されている。
[セルロースアシレートフィルムの用途]
本発明で作製されたセルロースアシレートフィルムの用途についてまず簡単に述べる。本発明のセルロースアシレートフィルムは、例えば、位相差フイルム、光学補償フイルム、偏光板保護フイルムのような光学フィルムに用いることができる。光学フィルムは特に偏光板保護フィルム用として有用である。偏光板保護フィルムとして用いる場合、偏光板の作製方法は特に限定されず、一般的な方法で作製することができる。得られたセルロースアシレートフィルムをアルカリ処理し、ポリビニルアルコールフィルムを沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の両面に完全ケン化ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号公報、特開平6−118232号公報に記載されているような易接着加工を施してもよい。保護フィルム処理面と偏光子を貼り合わせるのに使用される接着剤としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール等のポリビニルアルコール系接着剤や、ブチルアクリレート等のビニル系ラテックス等が挙げられる。偏光板は偏光子及びその両面を保護する保護フィルムで構成されており、更に該偏光板の一方の面にプロテクトフィルムを、反対面にセパレートフィルムを貼合して構成される。プロテクトフィルム及びセパレートフィルムは偏光板出荷時、製品検査時等において偏光板を保護する目的で用いられる。この場合、プロテクトフィルムは、偏光板の表面を保護する目的で貼合され、偏光板を液晶板へ貼合する面の反対面側に用いられる。又、セパレートフィルムは液晶板へ貼合する接着層をカバーする目的で用いられ、偏光板を液晶板へ貼合する面側に用いられる。液晶表示装置には通常2枚の偏光板の間に液晶を含む基板が配置されているが、本発明の光学フィルムを適用した偏光板保護フィルムはどの部位に配置しても優れた表示性が得られる。特に液晶表示装置の表示側最表面の偏光板保護フィルムには透明ハードコート層、防眩層、反射防止層等が設けられるため、該偏光板保護フィルムをこの部分に用いることが特に好ましい。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、様々な用途で用いることができ、液晶表示装置の光学補償シートとして好ましい。本発明のセルロースアシレートフィルムは、様々な表示モードの液晶セルに用いることができる。TN(Twisted Nematic)、IPS(In−Plane Switching)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、AFLC(Anti−ferroelectric Liquid Crystal)、OCB(Optically Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)及びHAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な表示モードが提案されている。また、上記表示モードを配向分割した表示モードも提案されている。セルロースアシレートフィルムは、いずれの表示モードの液晶表示装置においても有効である。また、透過型、反射型、半透過型のいずれの液晶表示装置においても有効である。本発明のセルロースアシレートフィルムを、TNモードの液晶セルを有するTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。本発明のセルロースアシレートフィルムを、STNモードの液晶セルを有するSTN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として用いてもよい。一般的にSTN型液晶表示装置では、液晶セル中の棒状液晶性分子が90〜360度の範囲にねじられており、棒状液晶性分子の屈折率異方性(Δn)とセルギャップ(d)との積(Δnd)が300〜1500nmの範囲にある。STN型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、特開2000−105316号公報に記載がある。本発明のセルロースアシレートフィルムは、VAモードの液晶セルを有するVA型液晶表示装置の光学補償シートの支持体として特に有利に用いられる。本発明のセルロースアシレートフィルムは、OCBモードの液晶セルを有するOCB型液晶表示装置またはHANモードの液晶セルを有するHAN型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。
本発明のセルロースアシレートフィルムは、TN型、STN型、HAN型、GH(Guest−Host)型の反射型液晶表示装置の光学補償シートとしても有利に用いられる。これらの表示モードは古くから良く知られている。TN型反射型液晶表示装置については、特開平10−123478号、WO9848320号、特許第3022477号の各公報に記載がある。反射型液晶表示装置に用いる光学補償シートについては、WO00−65384号に記載がある。本発明のセルロースアシレートフィルムは、ASM(Axially Symmetric Aligned Microcell)モードの液晶セルを有するASM型液晶表示装置の光学補償シートの支持体としても有利に用いられる。ASMモードの液晶セルは、セルの厚さが位置調整可能な樹脂スペーサーにより維持されているとの特徴がある。その他の性質は、TNモードの液晶セルと同様である。ASMモードの液晶セルとASM型液晶表示装置については、クメ(Kume)他の論文(Kume et al., SID 98 Digest 1089 (1998))に記載がある。
以上述べてきたこれらのセルロースアシレートフィルムの用途は発明協会公開技報(公技番号 2001−1745、2001年3月15日発行、発明協会)にて45頁〜59頁に詳細に記載されている。
以下に実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(セルロースアシレートドープの組成)
それぞれの組成例のセルロースアシレートドープにおける組成を以下に示す。
〔組成例1〕
セルローストリアセテート(CTA:ダイセル化学社製:アセチル置換度2.8、粘度平均重合度320) 18.0質量部
モノマー:M−1(シグマアルドリッチ社製) 2.0質量部
重合開始剤:1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRG184;チバガイギー社製) 0.1質量部
微粒子:二酸化ケイ素(粒径20nm) 0.1質量部
紫外線吸収剤:2(2’−ヒドロキシ−3’,5‘−ジ−tert−ブチルフェニル)−
5−クロルベンゾトリアゾール 0.15質量部
メチレンクロライド 72.0質量部
メタノール 8.0質量部
〔組成例2〕
組成例1のモノマーをM−1に替えて、M−3(本明細書の記載に従い合成)とする以外は組成例1と同様の組成とした。
〔組成例3〕
組成例1のモノマーをM−1に替えて、M−8(第一工業製薬社製:HBPE−4)とする以外は組成例1と同様の組成とした。
〔組成例4〕
組成例1のモノマーM−1を、M−6(本明細書の記載に従い合成)とする以外は組成例1と同様の組成とした。
〔組成例5〕
組成例4のセルローストリアセテート(CTA)を、セルロースアセテートプロピオネート(CAP:イーストマンケミカル社製:アセチル置換度0.8、プロピオニル置換度2.0、粘度平均重合度350)とする以外は組成例4と同様の組成とした。
〔組成例6〕
組成例4のセルローストリアセテートを、セルロースアセテートブチレート(CAB:イーストマンケミカル社製:アセチル置換度1.1、ブチリル置換度1.7、粘度平均重合度300)とする以外は組成例4と同様の組成とした。
〔組成例7〕
組成例1のモノマーM−1を、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA:シグマアルドリッチ社製)とする以外は組成例1と同様の組成とした。
〔組成例8〕
組成例1のモノマーM−1を、イソボニルアクリレート(ダイセルユーb−シー社製)とする以外は組成例1と同様の組成とした。
〔組成例9〕
組成例1のモノマーM−1を、1,9-ノナンジオールジアクリレート(第一工業製薬社製)とする以外は組成例1と同様の組成とした。
組成例1〜9のセルロースアシレートとモノマーを以下の表にまとめて示した。
Figure 2005325301
以下の過程を経て、組成例1〜9の組成物を調製し、さらに、フィルム、偏光板および液晶表示装置を作製し、評価を行った。
(セルロースアシレートドープの調製)
攪拌羽根を有するステンレス製溶解タンクに、それぞれの溶媒混合溶液を注入した後、よく攪拌しつつ、セルロースアシレート粉体を徐々に添加してドープを調製した。添加後、室温(25℃)に1時間放置後、35℃に維持してセルロースアシレートを膨潤させた。これにメチレンクロライドとメタノールに溶解させた重合性モノマー、さらに微粒子と紫外線吸収剤を添加した。最後に重合開始剤を添加し、セルロースアシレートドープ組成物を調製した。つぎに、この組成物からなるドープを弱い超音波照射することで泡抜きを実施した。脱泡したドープは1.5MPaに加圧した状態で、最初公称孔径5μmの焼結金属フィルターを通過させ、ついで同じく2.5μmの焼結金属フィルターを通過させた。濾過後のドープの温度は35℃に調整してステンレス製のストックタンク内に貯蔵した。ストックタンクは中心軸にアンカー翼を有して周速0.3m/secで常時攪拌された。
(セルロースアシレートフィルムの作製)
上記の溶解法で得られたドープを40℃にし、流延ギーサーを通して表面温度20℃とした鏡面ステンレス支持体上に流延して製膜した。
バンド上に流延されたドープは、最初に平行流の乾燥風を送り乾燥した。乾燥する際の乾燥風からのドープへの総括伝熱係数は24kcal/m2・hr・℃とした。乾燥風の温度はバンド上部で140℃、下部で100℃とした。
流延後5秒間は遮風装置により乾燥風が直接ドープに当らない様にし、その後、2kW高圧水銀灯を用いて、ドープ表面の全光照射量が900mJ/cm2となる条件で光照射した。その後に、多数のロールを有する乾燥ゾーンを搬送することで、厚さ60μmのセルロースアシレートフィルムを作製した。
(フィルムの寸法変化評価)
サンプルフィルムを、25℃10%rhの部屋で24時間調湿した後、任意の部分から10cmX5cmの大きさに切り出した。これをピンゲージで長手方向のそれぞれ穴をあけ、ピンゲージで寸法(L1)を測定した。次に25℃80%rhの部屋で3時間調湿し、ピンゲージで寸法(L2)を測定した。寸法変化率を以下の式により算出した。
寸法変化率(%)=[(L2−L1)/L1]×100
(フィルムのレターデーション評価)
上記の得られたセルロースアシレートフィルムのレターデーション評価を以下の通りにして行った。なお、フィルムのRe(レターデーション)値およびRth(厚み方向レターデーション)値は、下記(I)および(II)で定義される。
(I):Re=(nx−ny)×d
(II):Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
上記(I)および(II)において、nxは、フィルム面内の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率、nyはフィルム面内の進相軸方向(屈折率が最小となる方向)の屈折率、nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dは単位をnmとするフィルムの厚さである。
サンプルフィルムを任意の部分から1cmX1cmの大きさに切り出した。これを25℃80%rhに3時間以上調湿後、自動複屈折計(KOBRA−21ADH/PR:王子計測器(株)製)を用いて、25℃80%rhにおいて、サンプルフィルム表面に対し垂直方向および、フィルム面法線から±40°傾斜させて方向から波長550nmにおけるレターデーション値を測定した。垂直方向から面内のレターデーション(Re)、垂直方向、±40°方向の測定値から算出した。これらをRe(80)、Rth(80)とする。さらに、これらのサンプルをそのまま用い、25℃10%rh中で測定しRe(10)、Rth(10)を求めた。各サンプルについて、下記式に従い湿度Re変化、湿度Rth変化を求めた。
湿度Re変化=Re(80)とRe(10)の差の絶対値
湿度Rth変化=Rth(80)とRth(10)の差の絶対値
(偏光板の作製とその評価)
iso-プロパノール80重量部に水20重量部を加え、これにKOHを1.5規定となるように溶解し、これを60℃に調温したものを鹸化液として用いた。これを60℃で、上記の各製膜したセルロースアシレートフィルム上に10g/m塗布し、1分間鹸化した。この後、50℃の温水スプレーを用い、10l/m・分で1分間吹きかけ洗浄した。特開2001−141926号公報の実施例1に従い、2対のニップロール間に周速差を与え、長手方向に延伸し、厚み20μmの偏光層を調製した。このようにして得た偏光層と、上記鹸化処理したセルロースアシレートフィルムのうちから2枚選び、これらで上記偏光層を挟んだ後、PVA((株)クラレ製PVA−117H)3%水溶液を接着剤として、偏光軸とセルロースアシレートフィルムの長手方向が90度となるように張り合わせ、偏光板を作製した。
上記のように作製した偏光板を特開2000−154261号公報の図2〜9に記載の20インチVA型液晶表示装置液晶表示装置に25℃60%rh下で取り付けた後、これを25℃10%rhの中に持ち込み、目視で色調変化の大小を10段階評価(大きいものほど変化が大きい)で評価した。また、表示むらの発生している領域を目視で評価し、それが発生している割合(%)を求めた。得られた結果を表1に示す。
(光学補償フィルムの作製とその評価)
特開平11−316378号公報の実施例1の液晶層を塗布したセルロースアセテートフィルムの代わりに、本発明の鹸化済みのセルロースアシレートフィルムを使用し、これを、特開2002−62431号公報の実施例9に記載のベンド配向液晶セルに25℃60%rh下で取り付けた後、これを25℃10%rhの中に持ち込み、コントラストの変化を目視評価し、色変化の大小を10段階評価(大きいものほど変化が大きい)した。得られた結果を表2に示す。
(評価結果)
各組成物より作製したセルロースアシレートフィルムおよびこれを用いた偏光板および光学補償フィルムの評価結果を以下に示す。
Figure 2005325301
上記の結果から明らかなように、一般式(I)で表されるモノマーが混在するセルロースアシレートフィルムの湿度変化に対する寸法安定性およびレターデーション安定性は良好である。さらに、これを用いて作製した偏光板および光学補償フィルムは良好な性能を示す。その中でも特に、アクリレート系エチレン性不飽和モノマーを用いる場合、良好な結果を与える。
一方、比較例のセルロースアシレートフィルムの湿度変化に対する寸法安定性およびレターデーション安定性は本発明のそれより低く、これを用いて作製した偏光板および光学補償フィルムの性能は、本発明のそれより劣る。
以上の様に、本発明のセルロースアシレートフィルム及びこれを用いて作製した偏光板および光学補償フィルムは、優れた性能を示す。
流延製膜方法を実施する流延製膜ラインの一例の概略図である。
符号の説明
11 ミキシングタンク
12 送液ポンプ
13 フィルタ
14 流延ダイ
15 流延バンド
16 流延側部回転ドラム
17 非流延部側回転ドラム
18 ガイドロール
19 剥ぎ取りロール
20 ガイドロール
21 巻取りロール
22 乾燥部
23 フィルム

Claims (6)

  1. 溶液流延製膜方法によるセルロースアシレートフィルム形成用のセルロースアシレートドープ組成物であって、下記一般式(I)で表される(メタ)アクリレートモノマー、光重合開始剤、およびセルロースアシレートを含有することを特徴とするセルロースアシレートドープ組成物。
    Figure 2005325301
    (式中、RはHまたはCH、mは1〜20の整数、nは2〜50の整数、Xは炭化水素系環状骨格を有するn価の有機基、Yは単結合またはm+1価の連結基をそれぞれ表す。)
  2. 前記一般式(I)において、Xが脂環式骨格を有する有機基であり、RがCHであることを特徴とする請求項1記載のセルロースアシレートドープ組成物。
  3. 前記Xが下記式(II)で表されることを特徴とする請求項1または2記載のセルロースアシレートドープ組成物。
    Figure 2005325301
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のセルロースアシレートドープ組成物を流延する流延工程と光照射の工程を経て製造されること特徴とするセルロースアシレートフィルム。
  5. 請求項4記載のセルロースアシレートフィルムを用いることを特徴とする光学フィルム。
  6. 請求項4記載のセルロースアシレートフィルム、または当該セルロースアシレートフィルムを用いた光学フィルムを用いることを特徴とする液晶表示装置。
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