JP2005314357A - 4級アンモニウム化合物、その製造方法及び脳血管障害治療剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 一般式(I)又は(I')
【化1】
(式中、Aは水酸基を有してもよい炭素数1〜4の直鎖状又は分岐状のアルキル基、R1〜R3は、直鎖状又は分岐状の炭素数1〜12のアルキル基、R4〜R8の一つはCO2 −又はSO3 −、残りのうちの多くとも三つは水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基から選ばれる基、それ以外は水素原子、R'4〜R'8の一つはCO2H又はSO3H、残りのうちの多くとも三つは保護された水酸基及び炭素数1〜4のアルコキシ基から選ばれる基、それ以外は水素原子、X−は、4級アンモニウム基と塩を形成しうる陰イオンを表す。)で表わされる4級アンモニウム系化合物、及びそれを有効成分とする脳血管障害治療剤。
Description
上記化合物の製造方法については、4級アンモニウム基がトリメチルアンモニウム基である場合の製造方法として、フェノール誘導体を、金属ナトリウムの存在下に2−臭化エタンと反応させ、更にジメチルアミンと反応させた後に、ヨウ化メチルと処理する方法の記載がある(特許文献1参照)。また、4級アンモニウム基の前駆体となりうるジメチルアミノエチル基の導入法として、フェノール誘導体を、金属ナトリウムの存在下に2−ジメチルアミノエチルクロライドと反応させることによる、ジメチルアミノエチル基の導入法の記載がある(特許文献2参照)。更に、ジメチルアミノエチル基の導入法として、フェノール誘導体を、金属アルコラートの存在下に2−ジメチルアミノエチルクロライドと反応させることによるジメチルアミノエチル基の導入法の記載がある(非特許文献1参照)。
しかし、上記化合物に於いて、ベンゼン環にアルコキシカルボニル基の代わりにカルボキシ基又はスルフォニル基を有する化合物については、知られていない。
また、ある特定の溶媒中で、特定のスルホン酸エステル誘導体との反応により、高収率で目的とするカルボキシ基又はスルフォニル基を有する4級アンモニウム化合物の前駆体となるジアルキルアミノ基の導入を行う製造方法も知られていなかった。
また、本発明の4級アンモニウム系化合物が、安全性に優れ、脳血管障害治療剤として極めて優れた効果を発現することは、これまで全く知られていなかった。
また、種々の反応条件の検討を行い、本発明化合物を製造するための極めて優れた製造方法を見出すに至った。
即ち、本発明は、
一般式(I)又は(I')
で表わされる4級アンモニウム系化合物、その製造方法、及びそれを有効成分とする脳血管障害治療剤に関する。
一般式(I)で示されるR4からR8の一つはCO2 −、又はSO3 −であり、残りのR4からR8のうちの多くとも三つは水酸基、及び炭素数1〜4のアルコキシ基からなる群から選ばれる基、それ以外のR4からR8は水素原子を表わす。ここで、残りのR4からR8は、水酸基を含んでも含まなくてもよいが、最低1個の水酸基を含むことが好ましい。また、一般式(I')で示されるR'4からR'8の一つはCO2H、又はSO3Hであり、残りのR'4からR'8のうちの多くとも三つは水酸基、及び炭素数1〜4のアルコキシ基からなる群から選ばれる基、それ以外のR'4からR'8は水素原子を表わし、X−は、4級アンモニウム基と塩を形成しうる陰イオンを表わす。ここで、残りのR'4からR'8は、水酸基を含んでも含まなくてもよいが、最低1個の水酸基を含むことが好ましい。
上記一般式(I')に於けるX−としては、通常のアンモニウム基と塩形成が可能な陰イオンであればよく、例えば、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン等のハロゲンイオン、水酸化物イオン、有機酸のイオンとして、ギ酸アニオン、酢酸アニオン、プロピオン酸アニオン、メタンスルホン酸アニオン、p−トルエンスルホン酸アニオン、シュウ酸アニオン、コハク酸アニオン、マレイン酸アニオン、フタル酸アニオン等が含まれる。また、炭酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、リン酸イオン等の鉱酸類の陰イオンが挙げられる。
また、炭素原子の置換基によっては、光学活性体になるが、ここで含まれる光学活性体は、R体、S体どちらであってもよい。
。
で表されるスルホン酸エステルとのアルキル化反応を行う。一般式(III)で表される化合物としては、例えば、AがCH2CH2である化合物を製造する場合、(2−ジメチルアミノエチル)−メタンスルホネート塩酸塩等のスルホン酸エステル類を用いる。ここで、スルホン酸エステル類としては、メタンスルホン酸エステル、エタンスルホン酸エステル、トリフロロメタンスルホン酸エステル、ベンゼンスルホン酸エステル、トルエンスルホン酸エステル、ニトロ−トルエンスルホン酸エステル類が挙げられるが、メタンスルホン酸エステルが好ましい。これらのスルホン酸エステル類は、公知の製造方法によって製造することができる。
反応は、塩基性物質の存在下に行い、使用される塩基性物質としては、通常のアルキル化反応に用いる物質が挙げられ、例えば、アルカリ金属、アルカリ金属水素化物、一般式(II)で表される化合物の種類によっては、金属アルコラート、金属水酸化物等を挙げることができる。アルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属を、また、アルカリ金属水素化物としては、水素化リチウム、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物を、金属アルコラートとしては、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等の金属アルコラート、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物を挙げることができる。
これらの塩基性物質は、通常、反応させる化合物(I)に対し、1〜5倍モル用いることができるが、1〜3倍モルが好ましい。
同様にして、AがCH2CH2以外の化合物についても、対応するアルキル基を有するスルホン酸エステルを用いて製造することができる。
本反応では、4級アンモニウム系化合物を製造する通常の試薬を用いることができ、このような試薬として、例えば、例えば、ヨウ化メチル、ヨウ化エチル、臭化ブチル、臭化イソブチル、臭化ヘキシル、臭化オクチル、臭化デシル、臭化ドデシル等の直鎖状、又は枝分れした炭素数1〜12のハロゲン化アルキルを挙げることができ、ハロゲン化物としては、塩化物、臭化物、ヨウ化物等が挙げられる。また、メタンスルホン酸メチル、メタンスルホン酸エチル、メタンスルホン酸ヘキシル、メタンスルホン酸オクチル、メタンスルホン酸デシル、トルエンスルホン酸メチル、トルエンスルホン酸エチル、トルエンスルホン酸オクチル、トルエンスルホン酸ドデシル等のスルホン酸エステル等の試薬を挙げることができる。本反応は、反応を阻害しない有機溶媒中で行うことができ、有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール系溶媒が挙げられる。
反応温度は、用いる塩基性物質、並びに反応溶媒の種類によっても異なるが、一般に−20℃〜120℃、好ましくは0℃〜80℃であり、反応時間は、通常1〜5時間である。
また、一般式(I')で表わされる化合物の製造には、脱保護後の化合物に、反応容器中で酸性物質を添加し、処理することによって製造することができる。酸性物質としては、塩酸、臭化水素酸等の鉱酸、ギ酸、酢酸、シュウ酸、プロピオン酸等の有機カルボン酸類、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ニトロベンゼンスルホン酸等のスルホン酸類の酸性物質を挙げることができる。こうして得られた一般式(I')で表わされる化合物は、通常、再結晶法による精製を行い、精製品を得ることができる。
更に、一般式(I)、又は(I')で表される化合物のうち、R4からR8の一つがSO3 −、又はR'4からR'8の一つがSO3Hである場合でも、同様にして製造することができる。
但し、表中のMeはメチル基、Etはエチル基、Buはブチル基、Hexはヘキシル基、Octはオクチル基、Dodはドデシル基を、空欄は水素原子を表わすが、これらの記載によって、本発明にいう4級アンモニウム系化合物の範囲が限定されるものではない
本発明の4級アンモニウム系化合物は、極めて優れた脳血管障害治療剤として使用することができる。ここで本発明にいう脳血管障害とは、脳に循環障害が起こることにより引き起こされる何らかの神経・精神症状を呈する病態を指し、脳梗塞、脳血栓症、脳塞栓症、一過性脳虚血発作、及びこれらの疾患によって引き起こされる機能障害を含む。厚生労働省によれば、2002年における脳血管障害は日本人の死因の第3位に挙げられ、患者総数は170万人に上るとされ、当該疾患に治療効果を有する医薬品は、強く求められている。
本発明化合物の投与法は、通常医薬品の投与法として用いられる方法であればよく、経口、或いは経口投与のどちらでも差し支えなく、例えば、好ましい投与法の一例として、静脈内投与が挙げられる。
かかる製剤中における本発明化合物の含有量は、その剤型に応じて異なるが、一般に0.01〜100重量%であることが望ましい。
本発明化合物の投与量は、対象とする人間をはじめとする温血動物の種類、症状の軽重、医師の判範断等により広範囲に変えることが出来るが、一般に有効成分として、経口投与の場合、体重1kg当たり1日に0.01〜50mgが好ましく、特に0.05〜10mgが好ましい。また、非経口投与の場合の投与量は、同様に、体重1kg当たり1日に0.01〜10mgが好ましい。また、上記投与量は1日1回又は数回に分けて投与することが出来、患者の症状の軽重、医師の診断に応じて適宜変えることができる。
窒素雰囲気下、4−ヒドロキシ安息香酸エチル 1.66g(10mmol)をエタノール6mLに添加し、ナトリウムエトキシド0.68g(10mmol)を添加した。一方、(2−クロロエチル)−ジメチルアミン塩酸塩1.51g(10.5mmol)を水10mLに溶解し、水酸化ナトリウム0.42g(10.5mmol)を添加し、ヘキサンで(2−クロロエチル)−ジメチルアミンを抽出した。次に、ヘキサン溶液をエタノール反応液に添加し、ヘキサンを留去しながら、加熱還流下に1.5時間反応させた。5%硫酸を添加し、反応液を酸性にした後に、溶媒を減圧下に留去し、得られた析出物をろ過した。ろ液を、酢酸エチルにて洗浄後、水層を重曹水で塩基性とし、酢酸エチルにて抽出を行った。酢酸エチル溶液を硫酸マグネシウムにて乾燥し、減圧下に溶媒留去を行い、目的物0.57gを得た(収率:23%)。
1H−NMR(300MHz, CDCl3):δ=7.98(d, 2H, J=9.0Hz), 6.93(d, 2H, J=9.0Hz), 4.34(q, 2H, J=7.1Hz), 4.11(t, 2H, J=5.7Hz), 2.74(t, 2H, J=5.7Hz), 2.33(s, 6H), 1.38(t, 2H, J=7.1Hz)
13C−NMR(75.5MHz, CDCl3):δ=166.40, 162.56, 131.52, 123.04, 114.14, 66.25, 60.62, 58.18, 45.95, 14.39
300mL三つ口フラスコに3−ヒドロキシ−4−メトキシ−安息香酸エチル 10.0g(51.0mmol)と N,N−ジメチルホルムアミド 100mLを入れ撹拌溶解した。この溶液に、冷却下、水素化ナトリウム(60wt%)5.7g(143mmol)を添加し、発泡がおさまった後に、(2−クロロエチル)−ジメチルアンモニウムクロライド 11.0g(76.4mmol)を投入し、再び発泡がおさまってから加熱撹拌した。約50℃で4時間撹拌後、冷却を行い、氷が入った1mol/L塩酸に反応液を投入し、液性をpH1とし、酢酸エチルで洗浄した。得られた水層に炭酸水素ナトリウムを加えてpH8に調整後、酢酸エチルで抽出を行い、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤をろ過後、ろ液を減圧下で濃縮し、目的物 3.4gを得た(収率:25%)。
1H−NMR(300MHz, CDCl3):δ= 7.68(dd, 1H, J=2.0, 8.4Hz), 7.58(d, 1H, J=2.0Hz), 6.88(d, 1H, J=8.4Hz), 4.35(q, 2H, J=7.1Hz), 4.16(t,2H, J=6.0Hz), 3.90(s, 3H), 2.80(t, 2H, J=6.0Hz), 2.35(s, 6H), 1.38(t, 3H, J=7.1Hz)
13C−NMR(300MHz, CDCl3):δ=166.29, 153.36, 147.85, 123.71, 122.91, 113.88, 110.49, 67.14, 60.67, 58.03, 55.87, 45.91, 14.32
IR(KBr):ν=2941, 1713, 1601, 1515, 1428, 1291, 1271, 1219, 1133, 1027, 765cm−1
窒素雰囲気下、(比較例1)で得られた4−(2−ジメチルアミノエトキシ)−安息香酸エチル 25.0g(0.11mol)をメタノール 250mLに溶解した。室温撹拌下、p−トルエンスルホン酸メチル 23.6g(0.13mol)を添加後、50 ℃に昇温し2時間撹拌した。溶媒留去し得られた残渣をメタノール 100mLと酢酸エチル 500mLの混合溶媒から再結晶して、目的物 35.9gを得た(収率:81%)。
1H−NMR(300MHz, DMSO−d6):δ=7.95(d, 2H, J=6.6Hz), 7.49(d, 2H, J=6.3Hz), 7.10(m, 4H), 4.54(m, 2H), 4.29(q, 2H, J=5.1Hz), 3.82(m, 2H), 3.19(s, 9H), 2.29 (s, 3H), 1.31(t, 2H, J=5.1Hz)
13C−NMR(75.5MHz, DMSO−d6):δ=165.21, 161.08, 145.73, 137.46, 131.07, 127.93, 125.41, 122.84, 114.62, 63.92, 61.82, 60.32, 53.05, 20.69, 14.13
500 mL4つ口フラスコに3−ヒドロキシ−4−メトキシ−安息香酸 20.0g(0.12mol)とテトラヒドロフラン 200mLを入れ溶解した。この溶液に、室温下、トリエチルアミン 80mL(0.57mol)を添加し、その後、硫酸ジエチル 40mL(0.31mol)を添加して加熱撹拌した。60℃で反応を行い、1時間後、反応物を水に注いで、1mol/L塩酸でpH7に調整し、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、乾燥剤をろ過後、減圧下で濃縮した。得られた残渣を、アセトン:ヘキサン=1:4を溶離溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフにて精製し、目的物 21.1gを得た(収率:90%)。
1H−NMR(300MHz, CDCl3):δ=7.62(m, 2H), 6.86(d, 1H, J=8.6Hz), 5.76(s, 1H), 4.34(q, 2H, J=7.1Hz), 3.93(s, 3H), 1.37(t, 3H, J=7.1Hz)
13C−NMR(75.5MHz, CDCl3):δ=166.33, 150.33, 145.18, 123.69, 122.67, 115.56, 109.79, 60.72, 55.96, 14.29
IR(KBr):ν=3356, 2988, 1693, 1613, 1588, 1515, 1374, 1307, 1280, 1215, 1127, 1023, 764cm−1
比較例2で得られた3−(2−ジメチルアミノエトキシ)−4−メトキシ−安息香酸エチル 2.67g(10mmol)を塩化メチレン 53mLに溶解し、約−80℃に冷却した。三臭化ホウ素(1mol/L塩化メチレン溶液)12mL(12mmol)を滴下した。室温に戻して、一晩放置した。食塩−氷浴で冷却し、水 20mLを加え、1mol/L水酸化ナトリウムで中和した。分液後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。残渣に20%塩化水素−エタノール溶液 4mLを加え、析出した結晶をろ過、乾燥して、目的物 1.74gを得た(収率:60%)。
1H−NMR(400MHz, CD3OD):δ=7.69(s, 1H), 7.68(d, 1H, J=8.8Hz), 6.98(d, 1H, J=8.8Hz), 4.46(t, 2H, J=5.0Hz), 4.37(q, 2H, J=7.2Hz), 3.68(t, 2H, J=5.2Hz), 3.07(s, 6H), 1.41(t, 3H, J=7.2Hz)
13C−NMR(100MHz, CD3OD):δ=165.89, 151.11, 144.87, 124.51, 121.40, 114.78, 62.39, 60.08, 55.87, 41.85, 12.75
IR(KBr):ν=3218, 2968, 2700, 1700, 1607, 1523, 1437, 1300, 1213, 1117, 759cm−1
実施例3で得られた3−(2−ジメチルアミノ−エトキシ)−4−ヒドロキシ−安息香酸エチル 塩酸塩 1.08g(3.73mmol)を酢酸エチルに懸濁し、1mol/L 水酸化ナトリウムで中和後、分液し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥後、乾燥剤をろ別して減圧濃縮した。残渣をメタノール 20mLに溶解し、ヨウ化メチル 0.64g(4.51mmol)、炭酸水素カリウム 0.37g(3.70mmol)を加えて油浴で60 ℃に加熱した。3時間加熱撹拌後、冷却し、溶液をろ過した。ろ液を濃縮し、水を加えて残渣を溶解後、1mol/L塩酸で中和し、イオン交換クロマトグラフにより精製を行った。目的物を含む分画を集めて濃縮、乾燥し、メタノール抽出で脱塩して、酢酸エチルから再結晶して、0.68gの目的物を得た(収率:60%)。
1H−NMR(400MHz, D2O):δ=7.48(d, 1H, J=8.4Hz), 7.43(s, 1H), 6.82(d, 1H, J=8.4Hz), 4.41(br, 2H), 4.19(q, 2H, J=7.3Hz), 3.73(br, 2H), 3.14(s, 9H), 1.22(t, 3H, 7.2Hz)
13C−NMR(100MHz, D2O):δ=170.45, 153.55, 147.34, 127.25, 123.19, 117.97, 116.74, 66.94, 64.74, 64.00, 55.90, 15.42
IR(KBr):ν=3408, 1704, 1516, 1291, 1218, 1108, 1024, 975, 765cm−1
ジメチル−(2−フェノキシ−エチル)−アミン7.00g(42.4mmol)を無水酢酸 35mLに溶解し、氷水浴で冷却した。95%硫酸 9.63g(93.3mmol)を内温10℃以下に保って滴下し、室温で1時間撹拌した。溶液を濃縮し、1mol/L水酸化ナトリウム中に濃縮残渣を徐々に加えてpH10とし、溶液を濃縮、乾燥した。残渣をメタノールで抽出し、濃縮乾燥後、エタノール 100mLに懸濁し、冷却後、ろ過した。ろ液を濃縮し、析出した結晶をろ過して目的物 8.36gを得た(収率:74%)。
1H−NMR(400MHz, D2O):δ=7.68(d, 2H, J=8.8Hz), 7.01(d, 2H, J=8.8Hz), 4.33(t, 2H, J=5.0Hz), 3.53(t, 2H, J=5.2Hz)
13C−NMR(400MHz, D2O):δ=158.12, 133.61, 125.61, 112.90, 61.79, 54.66, 41.70
IR(KBr):ν=3431, 3097, 2770, 1599, 1180, 1032, 844cm−1
窒素雰囲気下、4−ヒドロキシ安息香酸エチル 20g(0.12mol)をエチレングリコールジメチルエーテル300mLに溶解した。室温撹拌下、60%水素化ナトリウム 11.6g(0.29mol)を25分間掛けて分割添加した後、50℃に昇温し1時間撹拌した。さらにこの温度で [2−(メタンスルホニルオキシ)エチル]ジメチルアンモニウムクロライド29.4g(0.14mol)を1時間掛けて分割添加した後、更に2時間撹拌した。氷冷下、酢酸 4mLを添加後、生成した沈殿を濾別した。濾液を濃縮し残渣に酢酸エチルを加え、3%硫酸で抽出した。水相を酢酸エチルで洗浄後、炭酸水素カリウムを添加しpH8とし酢酸エチルで抽出した。有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒留去することで目的物26.3gを得た(収率:92%)。
比較例1と比較して、収率23%から、収率92%と大幅な収率の向上が確認された。
4−ヒドロキシ安息香酸エチルの代わりに、3−ヒドロキシ−4−メトキシ−安息香酸エチルを用いて、実施例1と同様にして、目的物を得た(収率:94%)。
比較例2と比較して、収率25%から、収率94%と大幅な収率の向上が確認された。
実施例1で得られた[2−(4−エトキシカルボニル−フェノキシ)−エチル]−トリメチルアンモニウム p−トルエンスルホネート 5.5g(0.013mol)に水 150
mLを添加し、室温撹拌下、1mol/L水酸化ナトリウム水溶液 13mLを添加して6時間撹拌した。反応混合物を濃縮し残渣を水に溶解し、陰イオン交換カラム(アンバーライト(R)IRA402BLCL型)で分離した。目的物の留分を濃縮し、得られた残渣1.91gをメタノール 3mLと酢酸エチル 10mLの混合溶媒から再結晶することで目的物 1.56 gを得た(収率:54%)。
1H−NMR(300MHz, DMSO−d6/D2O=8:1):δ=7.85(d, 2H, J=8.6Hz), 6.91(d, 2H, J=8.6Hz), 4.43(m, 2H), 3.78(m, 2H), 3.19(s, 9H)
13C−NMR(75.5MHz, DMSO−d6/D2O=8:1):δ=171.14, 158.90, 133.20, 131.49, 113.94, 65.04, 62.23, 54.14.
IR(KBr):ν=3437, 1606, 1549, 1382, 1249, 1175, 962, 792cm−1
実施例4で得られた[2−(5−エトキシカルボニル−2−ヒドロキシ−フェノキシ)−エチル]−トリメチルアンモニウムクロライド 0.68g(2.24mmol)に1mol/L水酸化ナトリウム 9mL(9mmol)を加えて脱気し、アルゴン置換した。室温で1時間撹拌し、1mol/L塩酸でpH1とし、濃縮、乾固した。残渣をメタノールで抽出、乾固を行い、塩化ナトリウムを除去した。エタノールから再結晶し、0.52gの目的物を得た(収率:85%)。
1H−NMR(400MHz, D2O):δ=7.58(dd, 1H, J=2.0, 8.0Hz), 7.52(d, 1H, J=2.0Hz), 6.97(d, 1H, J=8.0Hz), 4.55(br, 2H), 3.91(t, 2H, J=4.8Hz), 3.33(s, 9H)
13C−NMR(100MHz, D2O):δ=170.63, 151.38, 145.87, 126.30, 122.47, 116.57, 115.89, 65.83, 63.63, 54.84
IR(KBr):ν=3451, 3017, 1673, 1598, 1518, 1449, 1311, 1231, 1193, 980, 765cm−1
実施例5で得られた4−(2−ジメチルアミノエトキシ)− ベンゼンスルホン酸ナトリウム 3.43g(12.8mmol)をメタノール 50mLに加え、炭酸ナトリウム 1.98g(18.7mmol)、ヨウ化メチル 3.18g(22.4mmol)を加えて油浴で60℃に加熱し、1時間撹拌した。冷却後、濃縮し、残渣に水 50mLを加えて不溶物を取り除き、ろ液を濃縮してイオン交換クロマトグラフィー(Amberlite IRA400JCL、移動層:水)の後、30%含水エタノールから再結晶して目的物の1水和物 2.85gを得た(収率:80%)。
1H−NMR(400MHz, D2O):δ=7.63(d, 2H, J=9.2Hz), 6.95 (d, 2H, J=9.2Hz), 4.37(m, 2H), 3.68(t, 2H, J=4.6Hz)
13C−NMR(400MHz, D2O):δ=160.06, 136.70, 128.29, 115.57, 65.82, 62.76, 54.88, 54.83, 54.79
IR(KBr):ν=3469, 1638, 1459cm−1
[2−(5−エトキシカルボニル−2−ヒドロキシ−フェノキシ)−エチル]−トリメチルアンモニウムクロライドの代わりに、[2−(4−エトキシカルボニル−2−ヒドロキシ−フェノキシ)−エチル]−トリメチルアンモニウムクロライドを用いて、実施例9と同様にして、表題化合物を得た。
1H−NMR(400MHz, D2O):δ=7.43(dd, 1H, J=2.0, 8.6Hz), 7.32(d, 1H, J=2.4Hz), 6.92(d, 1H, J=8.4Hz), 4.46(br, 2H), 3.75(t, 2H,J=4.4Hz), 3.15(s, 9H)
13C−NMR(100MHz, D2O):δ=216.60, 165.91, 146.02, 140.76, 119.53, 112.93, 108.79, 58.55, 50.00
IR(KBr):ν=3397, 3019, 1678, 1460, 1311, 1220, 971cm−1
[2−(5−エトキシカルボニル−2−ヒドロキシ−フェノキシ)−エチル]−トリメチルアンモニウムクロライドの代わりに、[2−(4−エトキシカルボニル−3−ヒドロキシ−フェノキシ)−エチル]−トリメチルアンモニウムクロライドを用いて、実施例9と同様にして、表題化合物を得た。
1H−NMR(400MHz, D2O):δ=7.69(d, 1H, J=6.6Hz), 6.42(dd, 1H, J=1.8, 6.0Hz), 6.31(d, 1H, J=1.8Hz), 4.36(br, 2H), 3.74(t, 2H, J=3.3Hz), 3.23(s, 9H)
13C−NMR(75MHz, D2O):δ=175.83, 162.27, 162.01, 132.65, 112.83, 106.98, 102.04, 65.77, 62.45, 54.79
IR(KBr):ν=3401, 1593, 1443, 1377, 1262, 1165cm−1
[2−(5−エトキシカルボニル−2−ヒドロキシ−フェノキシ)−エチル]−トリメチルアンモニウムクロライドの代わりに、[3−(5−エトキシカルボニル−2−ヒドロキシ−フェノキシ)−プロピル]−トリメチルアンモニウムクロライド用いて、実施例9と同様にして、表題化合物を得た。
1H−NMR(400MHz, D2O):δ=7.50(m, 2H), 6.83(d, 1H, J=2.5Hz), 3.94(t, 2H, J=7.2Hz), 3.30(s, 9H), 3.24(t, 2H, J=4.8Hz), 2.15(m, 2H)
13C−NMR(100MHz, D2O):δ=172.01, 148.20, 145.90, 123.80, 123.15, 117.22, 116.22, 71.10, 64.50, 49.70, 23.40
IR(KBr):ν=3445, 3017, 1667, 1518,1225, 1193, 970, 765cm−1
本発明化合物の安全性を確認するため化合物3、9、27〜33、39、56、60、66、71、77について、ラット静脈内投与による安全性の確認を行い、何れの化合物でも150mg/kgの投与で死亡例が確認されず、本発明化合物は安全性に優れていることが確認された。
本実施例では、本発明化合物の有効性を確認するため、ラットを用いて栓子法により中大脳動脈を閉塞再開通させて再灌流障害により脳梗塞モデルを作製し、本発明化合物の3mg/kg単回投与による有効性を梗塞面積、神経症状及び運動機能から評価した。
1)被験物質
本発明の化合物3、9、27〜33、39、56、60、66、71、77を使用した。また、対照薬としてエダラボン(三菱ウェルファーマ株式会社) を使用した。本発明化合物は、冷蔵庫に遮光して保存し、エダラボンは遮光して室温で保存した。
2)媒体
媒体として、生理食塩液(株式会社大塚製薬工場) を用いた。
3)投与液の調製法及び調製頻度
本発明化合物:3mgに小分けされたサンプルに直接生理食塩液を2mL加え溶解させ、3mg/2mLを調製した。用時調製とした。
エダラボン:30mg/20mLの注射剤であるので必要量を分取し、使用した。
1)使用動物
ラット:Crj: Wistar系、雄、7週齢(日本チャールス・リバー株式会社)
検疫馴化: 動物入荷後5日間以上を検疫馴化期間とし、この間に一般状態の観察及び体重測定を行い、健康と判断した動物を試験に供した。
1)投与方法
塞栓除去直前に1mLのシリンジ及び27Gの注射針を用いて尾静脈より単回投与した。
2)中大脳動脈閉塞再開通モデルの作製
ラットに40mg/kgのペントバルビタールナトリウム(ネンブタール、大日本製薬株式会社) を腹腔内投与して麻酔し、小泉らの方法(非特許文献2)に準じて中大脳動脈閉塞再開通モデルを作製した。すなわち、動物を約37℃に保温し、自然呼吸のまま背位に固定した。頸部正中切開し、迷走神経を損傷させることなく右外頸動脈と右内頸動脈を剥離した。右総頸動脈及び右外頸動脈を結紮し、内頸動脈起始部に糸をかけて栓子挿入後の結紮、固定に備えた。さらに、右総頸動脈に割を入れ、約17mmのシリコンコーティングした糸つき栓子を内頸動脈に挿入し、内頸動脈を結紮した。結紮2時間後、無麻酔下で栓子を抜き取り、血流を再開通させた。なお、中大脳動脈閉塞30分後に対側前肢の屈曲があることを確認した。
3)神経症状の評価
中大脳動脈の閉塞開始24時間後に以下の神経症状をPetullo(非特許文献3)らの方法に準じて評価した。神経症状は、前肢の屈曲、躯体のねじれ、右または左の肩の後方を押したときの抵抗、回旋運動、後肢を床から離したときの肢の床への戻り、傾斜で頭を下方向けて置いたときの行動及び自発運動試験からなり、以下のような観察を行った。
・ 前肢の屈曲:ラットの尾部を持って持ち上げたとき、前肢の屈曲を観察した。
躯体のねじれ:ラットの尾部を持って持ち上げたとき、躯体のねじれを観察した。
回旋運動:回旋行動があるかどうか観察した。
右または左の肩の後方を押したときの抵抗:右または左の肩の後方を押したときの抵抗を観察した。
後肢を床から離したときの肢の床への戻り:ラットを水平な床におき、後肢を床から離したとき、すぐに肢を床に戻すかどうかを観察した。
傾斜で頭を下方向けて置いたときの行動:斜度30°に設定したアングルボードにラットを載せ、下方に頭を向けたときに認められる行動を観察した。
自発運動:ポリカーボネイト製飼育ケージに入れ、自発運動を観察した。
上記の試験は以下の文献に記載された基準に基づきスコア化を行い、スコアの合計を算出した(表4「神経症状の判定基準とスコア」参照)。
(文献1)小泉仁一、吉田洋二、中沢貞二、大根田玄寿:虚血性脳浮腫の実験研究 第1法 ラットを用いた血流再開可能な脳梗塞モデル, 脳卒中 8, 1−8, 1986
(文献2)Petullo,D.,Masonic,C.,Lincoln,C.,Wibberley,L.,Teliska,M.andYao,D.L.:Model development and behavioal assesement of focal cerebral ischemia in rats,Life Science 64,1099−1108,1999
4)運動機能の評価
神経症状の評価後に、1分間に14回転するように設定したローターロッド(ENV-576、med associates inc) を用いて、ロッド上に動物を置いた時の滞在時間を測定し評価を行った。測定は3回行い最も長い滞在時間をデータとして採用した。また、観察時間は最長で1回につき1分間とした。
5) 脳梗塞面積の測定
神経症状及び運動機能の測定(測定時間約10分) 終了後、エーテル麻酔下で放血し、脳を摘出した。大脳と小脳の境界より厚さ2mmの大脳冠状切片を6枚作製し、1%TTC (2、3、5-triphenyltetrazolium chloride、和光純薬工業株式会社) 染色後、デジタルカメラで写真撮影を行い、画像解析ソフト(Image Tool ver.2.00、UTHSCSA)を用いて各6切片の前頭部側について脳面積及び梗塞面積を求め、脳総面積に対する梗塞総面積の割合(%)を求めた。
評価は以下の計算式により算出した。
3mgの化合物29を、2mlの注射用性的食塩水に溶解し、無菌的にアンプルに充填した。
Claims (16)
- 一般式(I)又は(I')
で表わされる4級アンモニウム系化合物。 - 請求項1において、R4からR8の一つはCO2 −、又はR'4からR'8の一つはCO2Hである4級アンモニウム系化合物。
- 請求項1において、R4からR8の一つはSO3 −、又はR'4からR'8の一つはSO3Hである4級アンモニウム系化合物。
- 請求項2において、残りのR4からR8、又はR'4からR'8の一つが水酸基である4級アンモニウム系化合物。
- 請求項3において、残りのR4からR8、又はR'4からR'8の一つが水酸基である4級アンモニウム系化合物。
- 請求項4において、Aが炭素数2の直鎖状アルキル基である4級アンモニウム系化合物。
- 請求項5において、Aが炭素数2の直鎖状アルキル基である4級アンモニウム系化合物。
- 請求項6において、R1からR3は、メチル基である4級アンモニウム系化合物。
- 請求項7において、R1からR3は、メチル基である4級アンモニウム系化合物。
- 一般式(II)
(式中、R9からR13の一つは、エステル基により保護されたカルボキシル基、又はスルホン酸基、残りのR9からR13のうちの多くとも三つは保護された水酸基、及び炭素数1〜4のアルコキシ基からなる群から選ばれる基、それ以外のR9からR13は水素原子を表わす。)
で表されるフェノール誘導体に、一般式(III)
(式中、Aは炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、炭素数2〜4の枝分かれしたアルキル基、水酸基を有する炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、又は水酸基を有する炭素数2〜4の枝分かれしたアルキル基を表わし、R14からR15は、互いに同一もしくは異なった直鎖状、又は枝分れした炭素数1〜12のアルキル基を表わし、R16は、炭素数1〜4の低級アルキル基、又は炭素数6〜7のアリール基を表わす。)
で表されるスルホン酸エステル誘導体を、有機溶媒中、塩基性物質の存在下に反応させ、一般式(IV)
(式中、Aは炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、炭素数2〜4の枝分かれしたアルキル基、水酸基を有する炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、又は水酸基を有する炭素数2〜4の枝分かれしたアルキル基を表わし、R9からR13の一つは、エステル基により保護されたカルボキシル基、又はスルホン酸基、残りのR9からR13のうちの多くとも三つは保護された水酸基、及び炭素数1〜4のアルコキシ基からなる群から選ばれる基、それ以外のR9からR13は水素原子を表わし、R14からR15は、互いに同一もしくは異なった直鎖状、又は枝分れした炭素数1〜12のアルキル基を表わす。)
で表されるアミノ化合物とし、更に一般式(IV)で表される化合物に直鎖状、又は枝分れした炭素数1〜12のハロゲン化アルキル類、或いは直鎖状、又は枝分れした炭素数1〜12のアルキル基によりエステル化されたスルホン酸エステル類を反応させ、次に、エステル基により保護されたカルボキシル基、又はスルホン酸基、及び保護された水酸基の脱保護を行い、イオン交換樹脂にて処理することを特徴とする、一般式(I)
で表される4級アンモニウム系化合物の製造方法。 - 一般式(II)
(式中、R9からR13の一つは、エステル基により保護されたカルボキシル基、又はスルホン酸基、残りのR9からR13のうちの多くとも三つは保護された水酸基、及び炭素数1〜4のアルコキシ基からなる群から選ばれる基、それ以外のR9からR13は水素原子を表わす。)
で表されるフェノール誘導体に、一般式(III)
(式中、Aは炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、炭素数2〜4の枝分かれしたアルキル基、水酸基を有する炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、又は水酸基を有する炭素数2〜4の枝分かれしたアルキル基を表わし、R14からR15は、互いに同一もしくは異なった直鎖状、又は枝分れした炭素数1〜12のアルキル基を表わし、R16は、炭素数1〜4の低級アルキル基、又は炭素数6〜7のアリール基を表わす。)
で表されるスルホン酸エステル誘導体を、有機溶媒中、塩基性物質の存在下に反応させ、一般式(IV)
(式中、Aは炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、炭素数2〜4の枝分かれしたアルキル基、水酸基を有する炭素数1〜4の直鎖状アルキル基、又は水酸基を有する炭素数2〜4の枝分かれしたアルキル基を表わし、R9からR13の一つは、エステル基により保護されたカルボキシル基、又はスルホン酸基、残りのR9からR13のうちの多くとも三つは保護された水酸基、及び炭素数1〜4のアルコキシ基からなる群から選ばれる基、それ以外のR9からR13は水素原子を表わし、R14からR15は、互いに同一もしくは異なった直鎖状、又は枝分れした炭素数1〜12のアルキル基を表わす。)
で表されるアミノ化合物とし、更に一般式(IV)で表される化合物に直鎖状、又は枝分れした炭素数1〜12のハロゲン化アルキル類、或いは直鎖状、又は枝分れした炭素数1〜12のアルキル基によりエステル化されたスルホン酸エステル類を反応させ、次に、エステル基により保護されたカルボキシル基、又はスルホン酸基、及び保護された水酸基の脱保護を行い、酸性物質にて処理することを特徴とする、一般式(I')
で表される4級アンモニウム系化合物の製造方法。 - 請求項10、及び11において、一般式(II)で表されるフェノール誘導体に一般式(III)で表されるスルホン酸エステル誘導体を反応させる工程において、使用される有機溶媒が、アルコール系、エーテル系、又はアミド系有機溶媒であることを特徴とする一般式(I)又は(I')の製造方法。
- 請求項12において、一般式(III)のR16がメチル基であることを特徴とする一般式(I)又は(I')の製造方法。
- 請求項13において、一般式(II)で表されるフェノール誘導体に一般式(III)で表されるスルホン酸エステル誘導体を反応させる工程において、使用される有機溶媒が炭素数4〜6のエーテル系有機溶媒であることを特徴とする一般式(I)又は(I')の製造方法。
- 請求項1〜9の何れか一つに記載の4級アンモニウム系化合物を有効成分とする脳血管障害治療剤。
- 脳血管障害が、脳梗塞、脳血栓症、脳塞栓症、一過性脳虚血発作、及びこれらの疾患によって引き起こされる機能障害である請求項15に記載の脳血管障害治療剤。
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