JP2005313812A - ガス発生器 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化、軽量化、低コスト化が可能であり、かつ、確実にガス発生剤を着火燃焼させることができるガス発生器を提供する。
【解決手段】開放端部(3)を有する有底筒状ハウジング(4)内に、前記開放端部(3)とは異なる端部(2)から前記開放端部(3)に向かう方向に、フィルター材(7)が装着されるフィルター室(8)と、ガス発生剤(5)及びエンハンサ剤(14)が充填される燃焼室(6)と、第一仕切り部材(15)と、点火器(10)とが、この順で配置されるガス発生器(1)であって、前記エンハンサ剤(14)が前記第一仕切り部材(15)側に、前記ガス発生剤(5)が前記フィルター室(8)側に配置されると共に、前記ガス発生剤(5)と前記エンハンサ剤(14)との間に分離シート(35)が設けられる
【選択図】図1

Description

本発明は、サイド用エアバッグ等を膨張させるのに好適なガス発生器に関し、特に、小型、軽量、安価且つ燃焼性能のばらつきが少ないガス発生器に関する。
自動車の衝突時に生じる衝撃から乗員を保護するための安全装置の1つとして、エアバッグが知られている。このエアバッグは、ガス発生器から生じる多量の高温、高圧ガスにて作動するものである。従来、このガス発生器からガスを発生させる方式として、大きく分けて2種類のものが知られている。1つは、高圧のガスを充填したボンベを有し、このボンベから放出される高圧ガスに熱を供給する少量の火薬組成物よりなるハイブリッド方式である(例えば、特許文献1参照)。もう一つは、固体のガス発生剤を燃焼させて大量の高温・高圧ガスを放出せしめるパイロ方式である(例えば、特許文献2−6参照)。
特開平8−253100号公報 WO 01/74633号公開パンフレット 特開2002−362298号公報 特開2002−362299号公報 特開2003−2153号公報 WO 03/42010号公開パンフレット
近年、ガス発生器に求められる性能として、小型化・低コストがあげられる。しかし、例えば特許文献1に記載のものは、ハイブリッド方式のため、ガス充填室と火薬組成物室との2室が必要であり、大型化し重量も増加する。また溶接構造が主であり、コスト的にも高くなる。
上記特許文献2に公知技術として記載されているパイロ式ガス発生器は、ハウジングの底部から開放端部に向かう方向に、仕切り板、フィルター室、燃焼室、クッション材及び点火器をこの順で有している。しかし、このガス発生器は、燃焼しにくいガス発生剤を使用すると、点火器の火力が不足し満足な燃焼性能を発揮しない。
また、特許文献3−5記載のパイロ式ガス発生器は、円筒状ハウジング内にフィルター室、仕切り板、燃焼室、クッション材、点火器を有し、さらに、エンハンサ剤を充填するエンハンサカップを使用している。エンハンサカップの外側にはガス発生剤が充填されている。このガス発生器では、点火器の火力不足をエンハンサ剤がカバーするので、満足な燃焼性能を発揮する。しかしながら、エンハンサカップを使用しているため、部品点数が増え、ガス発生器の小型化、軽量化を実現するには至っていない。また、カップ体の固定等に工数がかかり、コスト低減にも限界がある。なお、エンハンサカップを使用しなければ、エンハンサ剤とガス発生剤とが混同し、燃焼性能が低下する。
また、特許文献6には、その図1において、円筒状ハウジング内にフィルター材を有する燃焼室、クッション材、点火器を有し、直径が該円筒状ハウジングの内径よりやや小さめのリング状に成形されたエンハンサ剤を燃焼室内に配置したパイロ式ガス発生器が記載されている。しかし、リング状に成形されたエンハンサ剤が点火器の火炎により破壊されると、破壊後のエンハンサ剤の形状がガス発生器ごとに異なることから、燃焼性能がばらつくと考えられる。その結果、一定の品質の製品を得ることが困難となる。また、径の大きいリング状と径の小さい円形状の2種類のクッション材とを使用しているため、部品点数が増え、コスト低減にも限界がある。また、その図2において、円筒状ハウジング内にフィルター室、仕切り板、燃焼室、クッション材、点火器を有し、クッション材と点火器の間にエンハンサ剤を配置したパイロ式ガス発生器が記載されている。しかし、このガス発生器も燃焼性能にばらつきが見られ、一定の品質の製品を得ることが困難である。エンハンサ剤の配置位置が定められている一方で、ガス発生剤の充填状況がガス発生器ごとに若干異なり、ガス発生剤の点火器側の端部の位置がガス発生器ごとに若干異なってくるからであると考えられる。即ち、エンハンサ剤とガス発生剤との距離がガス発生器ごとに若干異なり、この影響でエンハンサ剤から生ずる火炎によるガス発生剤の着火がガス発生器ごとにばらつくからであると考えられる。また、エンハンサ剤を保持するホルダを使用しているため、部品点数が増え、コスト低減にも限界がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、小型化、軽量化、低コスト化が可能であり、かつ、確実にガス発生剤を着火し、安定して燃焼させることができるガス発生器を提供すること、及び燃焼性能のばらつきが少ない一定の品質のガス発生器を提供することを目的とする。
本発明のガス発生器は、開放端部3,53,103,203,303,403を有する有底筒状ハウジング4,54,104,204,304,404内に、前記開放端部3,53,103,203,303,403とは異なる端部2,52,102,202,302,402から前記開放端部3,53,103,203,303,403に向かう方向に、フィルター材7,47,107が装着されるフィルター室8,108,208,308,408と、ガス発生剤5,105及びエンハンサ剤14が充填される燃焼室6,106,206,306,406と、第一仕切り部材15と、点火器10とが、この順で配置されるガス発生器1,40,50,101,201,301,401であって、前記エンハンサ剤14が前記第一仕切り部材15側に、前記ガス発生剤5,105が前記フィルター室8,108,208,308,408側に配置されると共に、前記ガス発生剤5,105と前記エンハンサ剤14との間に分離シート35が設けられることを特徴とする。
ここで、「この順で配置される」とは、フィルター室8,108,208,308,408、燃焼室6,106,206,306,406、第一仕切り部材15及び点火器10の相対的な順序を意味する。従って、例えば、フィルター室8,108,208,308,408と燃焼室6,106,206,306,406との間に、他の部材が配置される場合をも含む。
このような構成とすることにより、エンハンサ剤14とガス発生剤5,105とが混合することなく、分離シート35を介するのみでガス発生剤5,105とエンハンサ剤14とを隣接して配置できる。従って、燃焼性能にばらつきが発生する可能性が低い。さらに、小型化、軽量化及び低コスト化が可能となる。
本発明において、前記ガス発生剤5,105が、ペレット状、円柱状、筒状、ディスク状又は両端が閉鎖された中空部を有する成形体であることが好ましい。さらに、前記ガス発生剤5が、直径1.4〜4.0mm、長さ1.5〜8.0mmの両端が閉鎖された中空部を有する成形体、又は直径2.0〜8.0mm、長さ0.5〜4.0mmのペレット状、円柱状、筒状若しくはディスク状の成形体であることが好ましい。
燃焼曲線は、ガス発生剤5,105の形状によって異なるが、このような構成とすることにより、所望のガス発生曲線を有するガス発生器が得られる。さらに、円柱状、円筒状又は両端が閉鎖された中空体形状のガス発生剤5,105は、燃焼速度が速いことから、より速いエアバッグの展開が可能となる。
本発明において、前記エンハンサ剤14が、ペレット状、筒状、ディスク状、両端が閉鎖された中空体形状又は円柱状の成形体であることが好ましい。
このような構成、即ち、エンハンサ剤14を上記の成形体とすることにより、形状が一定の多数のエンハンサ剤14を充填することが可能となる。また、点火器10の火炎により成形体が破壊されることもない。従って、燃焼性能がばらつく可能性が低い。
本発明において、前記エンハンサ剤14が、直径1〜10mm、長さ1〜10mmの成形体であることが好ましい。
ガス発生剤5,105の燃焼曲線は、エンハンサ剤14の形状によって微調整することができる。従って、このような構成とすることにより、所望のガス発生曲線を有するガス発生器が得られる。
本発明において、前記分離シート35が、金網、エキスパンドメタル、アルミ板、金属プレート及び金属箔のいずれかであることが好ましい。
このような構成とすることにより、小型化、かつ軽量化を図ることができる。また、分離シート35は、ガス発生器1の製造時、ガス発生剤5,105の成形体を充填したのち単に載置するのみなので、低コスト化が実現できる。
本発明において、第一仕切り部材15がクッション材であることが好ましい。
このような構成とすることにより、振動や衝撃に起因して、成形体であるエンハンサ剤14の粉化を防ぐことができる。
本発明において、前記フィルター室8を形成するハウジング4,54の周方向に沿って、ガスを放出するためのガス放出孔11,51が設けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、発生したガスを確実にフィルター材7,47を経由してガス発生器1,40,50内から放出させることができる。また、ガス放出孔11,51をハウジング4,54の周方向に沿って設けると、ガスが、ガス発生器の軸方向ではなく放射状に放出され、軸方向への推進力を生じることがない点において好ましい。
本発明において、円柱状のフィルター材107が前記フィルター室108,208,308,408に配置され、前記フィルター室108,208,308,408に対して前記開放端部103,203,303,403とは異なる端部102,202,302,402側に、前記フィルター材107を経由したガスを放出するためのガス放出室130,230,330,430を設け、前記ガス放出室130,230,330,430を形成するハウジング104,204,304,404の周方向に沿って、ガスを放出するためのガス放出孔111,211,311,411が設けられていることが好ましい。
このような構成とすることにより、燃焼室106,206,306,406で発生したガスを円柱状のフィルター材107を経由してガス発生器101,201,301,401内から放出させることができるので、フィルター材107を効率よく使うことができ、ロスが少ない。また、ガス放出孔111,211,311,411をハウジング104,204,304,404の周方向に沿って設けているので、ガスが、ガス発生器の軸方向ではなく放射状に放出され、軸方向への推進力を生じることもない。
本発明において、前記フィルター室8,308と前記燃焼室6,306との間に、シール部材16,316で封鎖された孔18,309aが形成された第二仕切り部材9,309を、さらに有することが好ましい。
このような構成とすることにより、簡易な構成で、ガス発生剤5,105及びエンハンサ剤14の吸湿を防止できる。即ち、ガス放出孔11,51,311をシールする必要がないためシール箇所が低減され、シール部材16,316のコスト及びガス発生器の製造コストの低減が可能となる。
本発明において、前記ガス放出室(130,230,430)と前記フィルター室(108,208,408)との間に、シール部材(16)で封鎖された孔(18)が形成された第三仕切り部材(120)を、さらに有することが好ましい。
このような構成であっても、簡易な構成で、ガス発生剤105及びエンハンサ剤14の吸湿を防止できる。従って、上記同様にシール部材16のコスト及びガス発生器の製造コストの低減が可能となる。
本発明において、前記第二仕切り部材9,309が、ハウジング4,54,304の外周部分からのかしめにより固定されていることが好ましい。
このような構成とすることにより、従来の仕切り部材の外周端面を切り欠いてO−リング等のシ−ル材を装着するという工程を必要としないため、低コストで、かつ、仕切り部材とハウジングとが確実に固定されるために気密性の高いガス発生器を得ることが可能となる。
本発明に係るガス発生器の第1の実施形態の一例を、第1図を参照して説明する。第1図において、ガス発生器1は、一方の端部(以下、「開放端部」という)3が開放された有底円筒状ハウジング4内に、ハウジング4の開放端部3とは異なる端部(以下、「底部」という)2から開放端部3に向かう方向に、フィルター室8と、燃焼室6と、点火器10とが、この順で配置されている。フィルタ−室8と燃焼室6とは第二仕切り部材9により区画され、燃焼室6と点火器10とは第一仕切り部材15により区画される。
フィルター室8は、フィルター室8を形成するハウジング4の内壁との間で所定の隙間を有してフィルター材7が配置される。フィルター室8を形成するハウジング4の外周には、周方向に沿って、フィルター室8に貫通するガス放出孔11が複数個設けられている。このように、ガス放出孔11をハウジング4の周方向に沿って設けることで、ガスが、ガス発生器の軸方向ではなく、放射状に放出される。従って、軸方向への推進力を生じることがなく、エアバッグへ与える影響を小さくすることができる。
点火器10は、燃焼室6の方向に向けてハウジング4の開放端部3に装着される。
第二仕切り部材9は、中央部に孔18を有する円板形状である。孔18は、シール部材16で封鎖されている。これによって、ガス放出孔11をシールする必要がないことから、コストの低減が可能となる。また、第二仕切り部材9は、ハウジング4の外周部分からのかしめにより固定されている。こうすることで、第二仕切り部材9の外周端面を切り欠いてOリング等のシール材を装着するという工程を必要としないため、低コスト且つ気密性の高いガス発生器の提供が可能となる。なお、燃焼室6とフィルター室8との間を第二仕切り部材9で区画することによって、ガス発生剤5の燃焼熱によるフィルター材7が溶融することを軽減できる。
第一仕切り部材15は円板形状であって、クッション作用を有する。即ち、振動等によってガス発生剤5又はエンハンサ剤14の成形体の紛化を防止する。
燃焼室6内では、第二仕切り部材9から第一仕切り部材15に向けて、ガス発生剤5の成形体とエンハンサ剤14の成形体とが、この順で充填されている。また、燃焼室6内は、分離シート35によってガス発生剤5が充填される層とエンハンサ剤14が充填される層との2層に分離されている。具体的には、第二仕切り部材9側(即ち、フィルター室8側)の層にはガス発生剤5が、第一仕切り部材15側の層にはエンハンサ剤14が充填されている。このように、分離シート35によってガス発生剤5の成形体とエンハンサ剤14の成形体とが分離されているので、両者5,14が燃焼室6内で混合し合うことがない。また両者5,14は、分離シート35を介して密着しているので、ガス発生器1の燃焼性能を安定させることができる。エンハンサ剤14とガス発生剤5との使用割合は、必要に応じて適宜定められるが、エンハンサ剤14とガス発生剤5との重量比が、1/5〜1/10の範囲であることが好ましい。なお、ガス発生剤5の成形体は、プレス成形或いは押出成形、好ましくは押出成形により製造される。
ガス発生剤5の成形体は、プレス成形或いは押出成形、より好ましくは押出成形により製造される。その形状としては、例えばペレット状(一般に、医薬品の1つの形状である錠剤の形にあたるもの)、円柱状、筒状、ディスク状又は両端が閉鎖された中空体形状等が挙げられる。筒状には、円筒状が挙げられ、円筒状には単孔円筒状、多孔円筒状が挙げられる。両端が閉鎖された中空体形状には、両端が閉鎖された円筒状が含まれる。なお、ガス発生剤5の成形体の両端が閉鎖された状態とは、両端に開いた孔が外から内への力2つによって閉鎖された状態のことをいう。孔は、完全に塞がった状態でも、塞ぎきれていない状態でもいずれでも良い。
このガス発生剤5が、両端が閉鎖された中空体形状である場合、その製造法の一例としては、押出成形法が挙げられる。この押出成形法について説明する。前記した含窒素化合物、酸化剤、スラグ形成剤及びバインダで構成される非アジド系組成物は、まず、V型混合機、またはボールミル等によって混合される。更に水、又は溶媒(例えば、エタノール)を添加しながら混合し、湿った状態の薬塊を得ることができる。ここで、湿った状態とは、ある程度の可塑性を有する状態であり、水又は溶媒を好ましくは10〜25重量%、より好ましくは13〜18重量%含有している状態にあるものをいう。この後、この湿った状態の薬塊をそのまま押出成形機(例えば、ダイス及び内孔用ピンを出口に備えたもの)により、直径が、好ましくは1.4mm〜4mmで、より好ましくは1.5mm〜3.5mmであり、内径が、好ましくは0.3mm〜1.2mmであり、より好ましくは0.5mm〜1.2mmの中空筒状成形体に押出成形する。その後、押出成形機で押出された中空筒状成形体を一定間隔で押圧して両端が閉鎖された筒状成形体が得られる。通常は、該中空筒状成形体を一定間隔で押圧した後、それぞれ閉鎖された窪み部分で折るようにして切断した後、通常、50〜60℃の範囲で4〜10時間乾燥し、次いで、通常、105〜120℃の範囲で6〜10時間乾燥という2段階による乾燥を行うことにより、端部が閉鎖された状態で、内部に空間を有した筒状のガス発生剤を得ることができる。このように得られたガス発生剤の長さは、通常、1.5〜8mmの範囲にあり、好ましくは1.5〜7mmの範囲にあり、より好ましくは2〜6.5mmの範囲にある。
また、ガス発生剤5が円柱状(直径に対する長さが比較的短い形状のもの)、筒状又はディスク状である場合、その製造方法の一例としては、プレス成形法が挙げられる。このプレス成形法について説明する。前記した含窒素化合物、酸化剤、スラグ形成剤及びバインダで構成される非アジド系組成物は、まず、V型混合機、またはボールミル等によって混合される。更に水、又は溶媒(例えば、エタノール)を添加しながら混合し、湿った状態の薬塊を得、造粒を行い、乾燥(100℃前後の温度で)させ、強固な顆粒を得る。これをプレス成形機に投入し、プレス成形したガス発生剤を得ることができる。得られたガス発生剤5の直径は、好ましくは、2〜8mm、より好ましくは、3〜6mmである。ガス発生剤5の長さは、好ましくは、0.5〜4mm、より好ましくは、1〜3mmである。ガス発生剤5が、筒状、ディスク状である場合、その内径は、好ましくは0.5〜2mm、より好ましくは0.5〜1.5mmである。
本発明で使用するガス発生剤5は、非アジド系組成物であって、例えば燃料と、酸化剤と、添加剤(バインダ、スラグ形成剤、燃焼調整剤)とで構成されるものを使用することができる。
燃料としては、例えば含窒素化合物が挙げられる。含窒素化合物としては、例えばトリアゾール誘導体、テトラゾール誘導体、グアニジン誘導体、アゾジカルボンアミド誘導体、ヒドラジン誘導体、ウレア誘導体、アンミン錯体から選ばれる1種又は2種以上の混合物を挙げることができる。
トリアゾール誘導体としては、例えば5−オキソ−1,2,4−トリアゾール、アミノトリアゾ−ル等を挙げることができる。テトラゾール誘導体の具体例としては、例えばテトラゾール、5−アミノテトラゾール、硝酸アミノテトラゾール、ニトロアミノテトラゾール、5,5'−ビ−1H−テトラゾール、5,5'−ビ−1H−テトラゾールジアンモニウム塩、5,5'−アゾテトラゾールジグアニジウム塩等が挙げられる。グアニジン誘導体の具体例としては、例えばグアニジン、ニトログアニジン、シアノグアニジン、トリアミノグアニジン硝酸塩、硝酸グアニジン、硝酸アミノグアニジン、炭酸グアニジン等が挙げられる。アゾジカルボンアミド誘導体の具体例としては、例えばアゾジカルボンアミド等が挙げられる。ヒドラジン誘導体の具体例としては、例えばカルボヒドラジド、カルボヒドラジド硝酸塩錯体、蓚酸ジヒドラジド、ヒドラジン硝酸塩錯体等が挙げられる。ウレア誘導体としては、例えばビウレットが挙げられる。アンミン錯体としては、例えばヘキサアンミン銅錯体、ヘキサアンミンコバルト錯体、テトラアンミン銅錯体、テトラアンミン亜鉛錯体等が挙げられる。
これらの含窒素化合物の中でもテトラゾール誘導体及びグアニジン誘導体から選ばれる1種又は2種以上が好ましく、特にニトログアニジン、硝酸グアニジン、シアノグアニジン、5−アミノテトラゾール、硝酸アミノグアニジン、炭酸グアニジンが好ましい。
ガス発生剤5中におけるこれら含窒素化合物の配合割合は、分子式中の炭素原子、水素原子及びその他の酸化される原子の数によって異なるが、通常20〜70重量%の範囲が好ましく、30〜60重量%の範囲が特に好ましい。また、ガス発生剤に添加される酸化剤の種類により、含窒素化合物の配合割合の絶対数値は異なる。しかしながら、含窒素化合物の配合割合の絶対数値が、完全酸化理論量より多いと発生ガス中の微量CO濃度が増大する、一方、含窒素化合物の配合割合の絶対数値が、完全酸化理論量及びそれ以下になると発生ガス中の微量NO濃度が増大する。従って両者の最適バランスが保たれる範囲が最も好ましい。
酸化剤としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、アンモニウムから選ばれたカチオンを含む硝酸塩、亜硝酸塩、過塩素酸塩の少なくとも1種から選ばれた酸化剤が好ましい。硝酸塩以外の酸化剤、即ち亜硝酸塩、過塩素酸塩等のエアバッグインフレータ分野で多用されている酸化剤も用いることができるが、硝酸塩に比べて亜硝酸塩分子中の酸素数が減少すること又はバッグ外へ放出されやすい微粉状ミストの生成を減少させる等の観点から硝酸塩が好ましい。硝酸塩としては、例えば硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸マグネシウム、硝酸ストロンチウム、相安定化硝酸アンモニウム、塩基性硝酸銅等を挙げることができ、硝酸ストロンチウム、相安定化硝酸アンモニウム、塩基性硝酸銅がより好ましい。
ガス発生剤5中の酸化剤の配合割合は、用いられる含窒素化合物の種類と量により絶対数値は異なるが、30〜80重量%の範囲が好ましく、特にCO及びNO濃度の低減の観点からすると40〜75重量%の範囲が好ましい。
添加剤であるバインダは、ガス発生剤の燃焼挙動に大幅な悪影響を与えないものであれば何れでも使用可能である。バインダとしては、例えば、カルボキシメチルセルロースの金属塩、メチルセルロ−ス、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ニトロセルロース、微結晶性セルロース、グアガム、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、澱粉等の多糖誘導体、ステアリン酸塩等の有機バインダ、二硫化モリブデン、合成ヒドロキシタルサイト、酸性白土、タルク、ベントナイト、ケイソウ土、カオリン、シリカ、アルミナ等の無機バインダを挙げることができる。
バインダの配合割合はプレス成形の場合0〜10重量%の範囲が好ましく、押出成形においては2〜15重量%の範囲であることが好ましい。添加量が多くなるに従い成形体の破壊強度が強くなる。ところが、組成物中の炭素原子及び水素原子の数が増大し、炭素原子の不完全燃焼生成物である微量COガスの濃度が高くなり、発生ガスの品質が低下する。また、ガス発生剤の燃焼を阻害することから、最低量での使用が好ましい。特に15重量%を超える量では酸化剤の相対的存在割合の増大を必要とし、ガス発生化合物の相対的割合が低下し、実用できるガス発生器システムの成立が困難となる。
また、添加剤として、バインダ以外の成分としては、スラグ形成剤を配合することができる。スラグ形成剤は、ガス発生剤中の特に酸化剤成分から発生する金属酸化物との相互作用により、ガス発生器1内のフィルター材7でのろ過を容易にするために添加される。スラグ形成剤としては、例えば、窒化珪素、炭化珪素、酸性白土、シリカ、ベントナイト系、カオリン系等のアルミノケイ酸塩を主成分とする天然に産する粘土、合成マイカ、合成カオリナイト、合成スメクタイト等の人工的粘土、含水マグネシウムケイ酸塩鉱物の一種であるタルク等から選ばれるものを挙げることができ、これらの中でも酸性白土又はシリカが好ましく、特に酸性白土が好ましい。スラグ形成剤の配合割合は0〜20重量%の範囲が好ましく、2〜10重量%の範囲が特に好ましい。多すぎると線燃焼速度の低下及びガス発生効率の低下をもたらし、少なすぎるとスラグ形成能を十分発揮することができない。
ガス発生剤5の好ましい組合せとしては、5-アミノテトラゾール、硝酸ストロンチウム、合成ヒドロタルサイト、及び窒化珪素を含むガス発生剤、または、硝酸グアニジン、硝酸ストロンチウム、塩基性硝酸銅、酸性白土を含むガス発生剤が挙げられる。
また、必要に応じて燃焼調節剤を添加してもよい。燃焼調整剤としては金属酸化物、フェロシリコン、活性炭、グラファイト、或いはヘキソ−ゲン、オクト−ゲン、5−オキソ−3−ニトロ−1,2,4−トリアゾールといった化合火薬が使用可能である。燃焼調整剤の配合割合は0〜20重量%の範囲が好ましく、2〜10重量%の範囲が特に好ましい。多すぎるとガス発生効率の低下をもたらし、また、少なすぎると十分な燃焼速度を得ることができない。
本発明で使用するガス発生剤5は、非アジド系ガス発生剤形成されているため、使用される原料は人体有害性の小さいものである。また、燃料成分、酸化剤成分を選択することにより、発生ガスモル当たりの発熱量を抑えることができ、ガス発生器の小型、軽量化が可能となる。
本発明で使用するガス発生剤の好ましい線燃焼速度の範囲は、70kgf/cm下で3〜60mm/秒であり、より好ましくは5〜35mm/秒であり、また、好ましい圧力指数の範囲はn=0.90以下、より好ましくはn=0.75以下、特に好ましくはn=0.60以下である。このガス発生剤5の線燃焼速度は定圧条件下で測定され、経験的に以下のVielleの式に従う。
r=aP
ここで、rは線燃焼速度、aは定数、Pは圧力、nは圧力指数を示す。この圧力指数nは、Y軸の燃焼速度の対数に対するX軸の圧力の対数プロットによる勾配を示すものである。
また、線燃焼速度を測定する方法としては、ストランドバーナ法、小型モータ法、密閉圧力容器法が一般に挙げられる。具体的には所定の大きさにプレス成形した後、表面にリストリクターを塗布することにより得られた試験片を用いて、ヒューズ切断法等により、高圧容器中で燃焼速度を測定する。この時、高圧容器内の圧力を変数に線燃焼速度測定し、上記Vielleの式から圧力指数を求めることができる。
エンハンサ剤14の成形体は、プレス成形或いは押出成形、より好ましくは押出成形により製造される。その形状は、ペレット状、円柱状、筒状、ディスク状又は両端が閉鎖された中空体形状等が挙げられる。筒状には、例えば円筒状が挙げられ、円筒状には、例えば単孔円筒状、多孔円筒状等が挙げられる。両端が閉鎖された中空体形状には、両端が閉鎖された円筒状が含まれる。エンハンサ剤14の成形体の直径は、1〜10mmが好ましく、1〜8mmがより好ましい。その長さは、1〜10mmが好ましく、1〜8mmがより好ましく、1mm〜5mmが特に好ましい。
エンハンサ剤14は、一般に用いられている次のような組成物を含むものが用いられる。B/KNOに代表される金属粉、酸化剤を含む組成物、含窒素化合物/酸化剤/金属粉を含む組成物、等が挙げられる。含窒素化合物としては、ガス発生剤の燃料成分(アミノテトラゾール、硝酸グアニジン等)として使用可能なものが挙げられる。酸化剤としては、例えば硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸ストロンチウム等の硝酸塩が挙げられる。金属粉としては、例えばホウ素、マグネシウム、アルミニウム、マグナリウム(マグネシウム−アルミニウム合金)、チタン、ジルコニウム、タングステン等が挙げられる。好ましい組合せとしては、5−アミノテトラゾ−ル、硝酸カリウム、ホウ素を含むもの、硝酸グアニジン、硝酸カリウム、ホウ素等を挙げることができる。そして、必要に応じて、成形用バインダを0〜10%重量含んでもよい。
本発明のガス発生器1では、分離シート35を境にして、円柱状等の成形体のエンハンサ剤14が、燃焼室6内の第一仕切り部材15側に充填されている。さらに、ガス発生剤5とエンハンサ剤14との間に分離シート35が配置されているため、エンハンサ剤14は、ガス発生剤5の成形体の隙間に入り込むことがない。また、運搬中や、自動車等に取り付けた後であっても、燃焼室6内で、ガス発生剤5とエンハンサ剤14とが混合することを抑制できる。このため、ガス発生器の性能をより確実に安定なものとすることができる。
本発明において、ガス発生剤5の成形体とエンハンサ剤14の成形体とを分離する分離シート35は、好ましくは円盤状である。その径は、ハウジング4の内径に依存する。この分離シート35は、孔を有していてもよく、また有していなくてもよい。孔を有している場合、エンハンサ剤14から生ずる火炎によるガス発生剤5の着火がより確実となる。孔を有するものとしては、例えば金網、エキスパンドメタル、パンチングメタル、アルミ板等が挙げられる。その厚みは、0.1〜1.0mmの範囲にあることが好ましく、0.4〜1.0mmの範囲にあることがより好ましい。その孔の大きさは、ガス発生剤5の成形体とエンハンサ剤14の成形体の大きさに応じ、適宜定められる。また、孔を有していない場合、エンハンサ剤14の着火からガス発生剤5の着火までのタイムラグが孔を有している場合より長く、その結果、ガス発生剤5の着火時におけるガス発生器1内の圧力がより高くなり、ガス発生剤5の燃焼速度をより高めることができる。孔を有していないものとしては、例えばアルミニウム、鉄、ステンレス鋼等でできている薄い金属プレートや金属箔等が挙げられる。その厚みは、0.1〜0.2mmの範囲にあることが好ましい。図1では、薄いプレートが用いられている。
この分離シート35は、ガス発生器5の製造時、ガス発生剤5の成形体を充填したのち単に載置するだけでよいので、スクイブホルダにカシメ固定されるエンハンサ剤カップを使用する場合に比べて、製造時の工数を削減でき、コストの低減にも寄与する。
本発明のガス発生器1では、分離シート35が用いられているため、エンハンサ剤14の成形体がガス発生剤5の成形体より小さくても、エンハンサ剤14がガス発生剤5の隙間に入り込むことを防止できる。従って、本発明では、エンハンサ剤14の成形体がガス発生剤5の成形体に比べて小さい場合に、特に有用である。
本発明のガス発生器では、ハウジング4内には、底部2より、フィルター材7、第二仕切り部材9、ガス発生剤5、分離シート35、エンハンサ剤14、第一仕切り部材15の順に充填され、ホルダ12にカシメ固定されている点火器10がハウジング4の開口端部3に嵌挿されている。
ハウジング4は、その一端部が閉塞して底部2を構成し、他端部が開放して開放端部3を構成する有底筒状、好ましくは有底円筒状のものである。その材質は、例えばステンレス鋼、鉄やアルミニウム等があげられる。ハウジング4の外径Bは、30mm以下が好ましく、20mm以上〜30mm以下の範囲にあるものがより好ましい。
フィルター室8を形成するハウジング4の外周にガス放出孔11が設けられたガス発生器においては、ハウジング4の底部2の形状は限定されるものではなく、例えば、丸みを帯びた形状又は角張った形状等であってもよい。ただし、後述の図面にあるようなボウル形状(図1、図2)又は平底形状(図3)が好ましい。特にボウル形状の場合、ハウジング内の圧力が上昇した場合であっても、変形することがない。また、底部2が閉塞しているため、開口端部3のみを封止すればよく、部品点数を減少することができるとともに、封止部分を開口端部3の一箇所のみとすることができるため、ガス発生器1の安全性を高めるとともに、小型化することが可能となる。
ガス放出孔11は、ガス放出時にインフレータに推進力を生じない位置、フィルター室8の周囲にあるハウジング4の外周に設けられることが好ましく、また、複数個設けられていても良く、好ましくは、4個設けられ、同一外周上に90度毎に4個設けられるのがより好ましい。ガス放出孔11は、軸方向に1列のみならず、2列以上の複数列に設けられていても良い。この場合、ガス放出孔11は、ジグザグ状に設けられていても良い。燃焼室6内でガス発生剤5の燃焼により発生した高温、高圧のガスが、フィルター室8に装着されているフィルター材7を通過して、冷却、濾過されて、これらガス放出孔11から放出される。このガス放出孔11には、その内側からシール部材を貼付して、ガス発生器の内部と外気との間を遮断してもよい。なお、ガス放出孔11は、所望により、有底筒状ハウジング4の底部に設けてもよい。
ハウジング4内には、フィルター室8が設けられている。フィルター室8には、フィルター材7が設けられている。フィルター材7は、例えば、メリヤス編み金網、平織り金網やクリンプ織り金属線材の集合体によって、例えば円柱状又は円筒状の形状のもの、好ましくは円筒状のものが用いられる。フィルター材7の端部の形状は、当接する部分の形状に応じ、適宜定められる。
このフィルター材7は、ハウジング4の底部2の先端部分に当接して装着されている。そして、ハウジング4内を区画する金属等によって形成されている第二仕切り部材9によってハウジング4の底部2に押えられて固定されている。
第二仕切り部材9は、フィルター室8と燃焼室6とを分けて2室構造にし、ガス発生剤5の燃焼熱によるフィルター材7の損傷(溶融)を軽減している。その材質は、例えばステンレス、鉄、アルミニウム等である。その形状は、平たいドーナツ状又は円板状で、孔18を有しているものが好ましい。この第二仕切り部材9には、例えばアルミニウムテープ等のシール部材16が貼付される。これによりハウジング4の燃焼室6内に湿気が入るのを防止している。シール部材16は、第二仕切り部材9の燃焼室6側に貼付され、ガス放出孔11側には貼付されていないことが好ましい。シール部材16の径は、孔18の径よりも4mm以上大きいものであっても良い。第二仕切り部材9への貼付は、簡便であり、該貼付は、ガス発生器の製造コストの低減になりうる。
この第二仕切り部材9は、この第二仕切り部材9の底部2及び開口端部3の両側のハウジング4の外周部分からかしめられる(2箇所のかしめ)ことで、ハウジング4内で固定され、ハウジング4内をフィルター室8と燃焼室6とに仕切っている。
具体的には、ハウジング4の壁に第二仕切り部材9を、その外周端面から0.1mm以上くい込むように、ハウンジング4と第二仕切り部材9とを、ハウジング4の外周面の、第二仕切り部材9を跨いだ2箇所で(例えば80kN以上のかしめ力で)かしめることにより、密着させる。くい込ませる長さは、該当部を切断して露出させた後、キーエンス社製の拡大顕微鏡で測定することができる。第二仕切り部材9の外周端面の肉厚は0.5−2.5mm程度が好ましい。かしめの間隔は、5〜10mmの範囲が好ましい。ハウジング4の肉厚は、好ましくは1.5〜2.3mmである。ハウジング4では、好ましくは、引張強さ585〜715N/mm、降伏点540〜670N/mm、伸び18〜26%の冷間仕上継目無鋼管が、第二仕切り部材9では、好ましくはSUS304が使用される。
上記のようにかしめられることで、従来の仕切り部材の外周端面を切り欠いてO−リング等のシ−ル材を装着するという工程を必要としないため、低コストで、かつ、第二仕切り部材9とハウジング4が確実に固定されるために気密性の高いガス発生器を得ることが可能となる。
サイド用エアバッグ等を膨張させるのに好適に使用される本発明のガス発生器では、ガス発生剤5等の薬剤を比較的多く使用するので、第二仕切り部材9を用いることによって、フィルター室8と燃焼室6とを仕切り、ガス発生剤5の燃焼熱によるフィルターの損傷を防止することが可能となる。
第一仕切り部材15は、前記燃焼室6と点火器10とを区画するものであるが、エンハンサ剤14の成形体が振動により粉状化しないような保護材すなわちクッション材としても機能する。また、この第一仕切り部材15には、点火器10からの火炎の威力を遅延なく、確実にエンハンサ剤14に伝達するための十字状の切欠きが形成されている。第一仕切り部材15としては、例えば、セラミックスファイバー、発泡シリコン等で形成シリコンゴムやシリコン発泡体等の弾性材を用いて形成することが好ましい。
第一仕切り部材15は、支持部材20によりエンハンサ剤14に圧接されている。この支持部材20は、第一仕切り部材15を留める機能を有し、例えば鉄などの金属板の成形で製造される。
ハウジング4の開口端部3には、ホルダ12に保持された点火器10が装着されている。点火器10としては、塞栓がガラス、プラスチック、樹脂のいずれで形成されているものも好ましく使用することができる。
点火器10の中には、着火薬が含まれている。着火薬としては、好ましくはジルコニウム(Zr)、タングステン(W)、過塩素酸カリウム(KClO )を成分に持ち、バインダとしてフッ素ゴムやニトロセルロース等を用いたものを使用することが好ましい。また、ジルコニウム、タングステン、過塩素酸カリウムの組成比(重量比)は、Zr:W:KClO =3:3.0〜4.0:3.0〜4.0が好ましく、Zr:W:KClO =3:3.5:3.5がより好ましい。また、着火薬としては、塩基性硝酸銅、ジルコニウム、バインダー等の組み合わせのものも用いられる。
また、ホルダ12は、ハウジング4の開口端部3に嵌挿され、ハウジング4の開口端部3でかしめられることによって、固定されるとともに、該開口端部3を閉鎖している。
このホルダ12には、ハウジング4にかしめにより固定するための凹部13が設けられている。また、第一仕切り部材15を固定するために設けられている支持部材20を押圧するため、支持部材押圧部21を設けている。さらに、Oリング22により防湿性を高めため、それを配置するための溝を設けている。
次に、ガス発生器1の作動を説明する。衝突センサが自動車の衝突を検出すると、ガス発生器1の点火器10に信号を送り、発火させる。点火器10の火炎は、第一仕切り部材15を破裂、開口した後、燃焼室6内に噴出して、エンハンサ剤14を着火する。ついで、エンハンサ剤14から生じた火炎が、分離シート35を破壊もしくは通過してガス発生剤5を着火燃焼させ、高温ガスが発生する。燃焼室6内での燃焼が進んで、燃焼室6が所定内圧まで上昇すると、燃焼室6内で発生した高温ガスは、孔18に設けられたシール部材16を破って、フィルター室8内へ入り、フィルター材7に流入し、ここでスラグ捕集と冷却を経て、清浄なガスとなる。この清浄なガスは、ガス放出孔11から放出される。
これによって、ガス放出孔11から放出される十分に冷却された清浄なガスは、エアベルトやサイドエアバッグ等の内部に直接導入され、該ベルトやエアバッグが瞬時に膨張する。
次に、本発明に係る第2の実施形態であるガス発生器40を図2を用いて説明する。本発明に係るガス発生器40が、図1に示す第1の実施形態に係るガス発生器1と異なる点はフィルター材47が円筒状になっている点である。本発明のガス発生器40では、燃焼室6内で発生した高温ガスが、孔18を通り、フィルター材47の空間19へ入り、フィルター材47を通過して、スラグ捕集と冷却を経て、清浄なガスとなり、ガス放出孔11から放出される。ガス発生器40では、フィルター材47が円筒状になっているため、ガスの通過路表面積が増大することによりフィルター材47の冷却効率が高くなる。この結果フィルター材47の重量を低減することができ、よりガス発生器の軽量化が可能となるという効果が期待できる。なお、本実施形態例において、前述の第1の実施形態例におけるガス発生器1と共通する部位については、同じ符号を用いて、詳細な説明は省略する。
次に、本発明に係る第3の実施形態であるガス発生器50を図3を用いて説明する。本発明に係るガス発生器50が、図1に示す第1の実施形態に係るガス発生器1と異なる点は、ハウジング54の底部52が平底形状になっている点、フィルター材47が円筒状になっている点及びガス放出孔51が軸方向に2列に設置されている点である。
また、図2に示す第2の実施形態に係るガス発生器40と異なる点は、ハウジング54の底部52が平底形状になっている点及びガス放出孔51が軸方向に2列に設置されている点である。
このようにしても、本発明のガス発生器1,40と同じように、底部52が閉塞しているため、開口端部53のみを封止すればよく、部品点数を減少することができるとともに、封止部分を開口端部53の一箇所のみとすることができるため、ガス発生器の安全性を高めるとともに、小型化することが可能となる。
また、本発明のガス発生器50では、ガス放出孔51が軸方向に2列に設置されていることにより、ハウジング54内で発生したガスが、集中することなく放出されるため、フィルター材47の損傷を抑制する。また、フィルター材47を広い範囲で使用することができ、フィルター材47を効率良く利用することができる。
また、本発明に係る第2の実施形態であるガス発生器40及び第3の実施形態であるガス発生器50においても、ガス発生剤5とエンハンサ剤14とを分離しうる分離シート35を有するため、エンハンサ剤14がガス発生剤5の隙間に入り込むことがなく、運搬中や、自動車等に取り付けた後であっても、燃焼室6内で、これらが混合することが抑制される。このため、ガス発生器の性能をより確実に安定なものとすることができる。
また、本発明のガス発生器50では、燃焼室6内で発生した高温ガスが、孔18を通り、フィルター材47の空間19へ入り、フィルター材47を通過して、スラグ捕集と冷却を経て、清浄なガスとなり、ガス放出孔51から放出される。ガス発生器50では、フィルター材47が円筒状になっているため、ガスの通過路表面積が増大することによりフィルター材47の冷却効率が高くなる。この結果フィルター材47の重量を低減することができ、よりガス発生器の軽量化が可能となる。なお、本実施形態例において、前述の第1の実施形態例及び第2の実施形態例におけるガス発生器1と共通する部位については、同じ符号を用いて、詳細な説明は省略する。
本発明のガス発生器1,40,50は、サイド(側面衝突)用ガス発生器として好適に用いられる。
以下に本発明のガス発生器に使用する、両端が閉鎖された中空体形状のガス発生剤の製造例及び押出成形されたエンハンサ剤の製造例をそれぞれ参考例として示す。ただし、前記ガス発生剤の製造例及び押出成形されたエンハンサ剤の製造例は、これらの参考例に限定されるものではない。
(参考例1)ガス発生器に使用する両端が閉鎖された中空体形状のガス発生剤の製造例
硝酸グアニジン43.5重量%、硝酸ストロンチウム25重量%、塩基性硝酸銅25重量%、酸性白土2.5重量%、ポリアクリルアミド4重量%の組成で混合した組成物に、エタノール3重量%と、水13重量%を加えて混合、混練し、混練塊にして、出口に内径2mmのダイスと直径0.5mmの内孔用ピンを備えた押出機にて、押出圧8MPaで押出して、押出棒状の成形体を引取りベルトで引取りながら、成形用歯車間に送り出し、成形用歯車の凸歯によって4.4mmの間隔で窪み部分を形成するようにし、その窪み部分で折るようにして切断した後、55℃で8時間乾燥し、次いで110℃で8時間乾燥し、ガス発生剤とした。
(参考例2)本発明のガス発生器に使用する押出成形されたエンハンサ剤の製造例
ボロン微粉末:12.0重量部をスパイラルミキサーに計り採り、エタノール:3.0重量部/イオン交換水:15.0重量部のエタノール水を加えて混合してスラリー状とした。別途、5−アミノテトラゾール(50%粒径、15μm):11.0重量部、硝酸カリウム(50%粒径、60μm):70.5重量部、酸性白土(50%粒径、17μm):1.5重量部、ヒドロキシプロピルセルロース{商品名;メトロ−ズ 90SH−100000(信越化学工業株式会社製)}:3.0重量部、ポリビニルピロリドン{商品名;ルビスコ−ル K90(BASF製)}:2.0重量部をV型混合機により乾式混合した。次に、この混合物をスパイラルミキサーにて混練し、湿状混練薬とした。この混練薬を真空混練押出機に投入し、直径1.8mmのダイスを通して押出成形し、長さ2.5mm(成形体表面積:19.2mm/個)で切断を行った。これを55℃で8時間、続いて110℃で8時間乾燥させ、目開き1mmの篩及び2.8mmの篩を用いて分級し、粉状、異形品を除去し、目開き1mmの篩上に、エンハンサ剤を得た。
(参考例3)本発明のガス発生器に使用する押出成形されたエンハンサ剤の製造例
5−アミノテトラゾール(50%粒径、15μm):11.7重量部、ボロン微粉末(50%粒径、9μm):16.7重量部、三酸化モリブデン(50%粒径、17μm):1.5重量部をV型混合機により乾式混合した。ついで、ニトロセルロースの酢酸イソアミル溶液(濃度:2重量%)50重量部(ニトロセルロース換算で1重量部)を加え、乳鉢でさらにスラリー状になるまで混合した。これに、硝酸カリウム(50%粒径、60μm):70.1重量部を加え、さらに均一になるまで混合した。その後、酢酸イソアミルを蒸発させ、1mm目のメッシュを通し、これを110℃で5時間乾燥させ、顆粒状伝火薬を得た。この顆粒状伝火薬を、打錠機を用いて、直径6.0mm、長さ2.0mmに成形し(成形体表面積:94.2mm/個)、更に110℃で3時間乾燥させた後、目開き1mmの篩及び6.5mmの篩を用いて分級し、粉状、異形品を除去し、目開き1mmの篩上に、エンハンサ剤を得た。
また、本発明は、図1〜図3で説明したガス発生器1,40,50のみでなく、図4〜図7に図示される第4〜第7実施形態例のガス発生器101,201,301,401にも適用可能である。ここで、図4〜図7に図示されるガス発生器101,201,301,401は、いずれもガス放出室130,230,330,430を有している。以下に、各ガス発生器101,201,301,401について説明する。なお、図1〜図3に図示されるガス発生器1,40,50を構成する部位と共通する部位については、同じ符号を用いて、詳細な説明は省略する。
図4に図示される第4実施形態例のガス発生器101は、一方の端部(以下、「開放端部」という)103が開放された有底円筒状ハウジング104内に、ハウジング104の開放端部103とは異なる端部(以下、「底部」という)102から開放端部103に向かう方向に、ガス放出室130と、フィルター室108と、燃焼室106と、点火器10とが、この順で配置されている。フィルタ−室108と燃焼室106とは第二仕切り部材109により区画され、燃焼室106と点火器10とは第一仕切り部材15により区画され、ガス放出室130とフィルター室108とは第三仕切り部材120により区画される。なお、底部102は、平底形状であって、径が絞られた小径部となっている。
ガス放出室130は、ハウジング104の小径部によって形成される。即ち、フィルター室108、燃焼室106、及び点火器10を形成するハウジング104の部位よりも径が小さい。また、ガス放出室130を形成するハウジング104の外周には、ガス放出室130に貫通するガス放出孔111が周方向に沿って複数個設けられている。
フィルター室108は、フィルター室108を形成するハウジング104の内壁と隙間なく円柱状のフィルター材107が配置される。フィルター材107は、好ましくは、メリヤス編み金網、平織り金網やクリンプ織り金属線材の集合体によって、例えば、円柱状のものが用いられる。
燃焼室106は、図1に図示されるガス発生器1と同様に、ガス発生剤105とエンハンサ剤14とを充填している。ガス発生剤105は、好ましくは、円柱状又はペレット状である。そして、第二仕切り部材109から第一仕切り部材15に向かう方向に、ガス発生剤105の成形体とエンハンサ剤14の成形体とが、この順で充填されている。また、ガス発生剤105とエンハンサ剤14は、分離シート35でガス発生剤層とエンハンサ剤層の2層に分離されている。このように、分離シート35によってガス発生剤105の成形体とエンハンサ剤14の成形体とが分離されているので、両者105,14は燃焼室106内で混合し合うことがない。また両者105,14は、分離シート35を介して密着しているので、ガス発生器101の燃焼性能を安定させることができる。
第二仕切り部材109は、幅狭の円筒部材であって、一方の端部に、径内方向に突出する爪部109bが周方向に等間隔で4個形成されている。従って、第二仕切り部材109の中央部109aは開口されていることとなり、ガスが、燃焼室106からフィルター室108に向けて流れやすくなっている。なお、第二仕切り部材109は、フィルター室107と燃焼室106とを区画するのみでなく、フィルター107を支持するための部材でもあり、ハウジング104の内壁に固定されている。また、第三仕切り部材120は、図1に図示されるガス発生器1の第二仕切り部材9と同様の構成である。即ち、第三仕切り部材120は、中央部に孔18を有する円板形状であって、孔18は、シール部材16で封鎖されている。これによって、ガス放出孔111をシールする必要がないことから、コストの低減が可能となる。また、第三仕切り部材120とフィルター材107との間には、フィルター材107を支持するための支持部材121をも備えている。この支持部材121は、ガスが、フィルター室108からガス放出室130に向けて流れるように、複数個の孔121aが形成される。
図4に図示される構成とすることで、燃焼室106で発生したガスが、燃焼室106から円柱状のフィルター材107を経由してガス放出室130の方向に向けて流れる。従って、フィルター材107が効率良く使われ、ロスが少ない。また、ガスは、ガス放出室130を形成するハウジング104の外周に形成されたガス放出孔111から放出されるので、軸方向への推進力を生じることもない。
図5に図示される第5の実施形態例のガス発生器201は、図4に図示されるガス発生器101と比べて、第二仕切り部材109を有さない点で異なるものの、他に構成的に大きく異なるところはない。なお、図1〜図3に図示されるガス発生器1、40,50及び図4に図示されるガス発生器101を構成する部位と共通する部位については、同じ符号を用いて、詳細な説明は省略する。
図5に図示されるガス発生器201は、図4に図示されるガス発生器101と同様に、一方の端部(以下、「開放端部」という)203が開放された有底円筒状ハウジング204内に、ハウジング204の開放端部203とは異なる端部(以下、「底部」という)202から開放端部203に向かう方向に、ガス放出室230と、フィルター室208と、燃焼室206と、点火器10とが、この順で配置されている。フィルタ−室208に配置されるフィルター材107は、ガス放出室230側が支持部材121で支持され、燃焼室206側がハウジング204によってカシメ固定されている。従って、第二仕切り部材109は存在せず、フィルター室208と燃焼室206とは区画されていない。燃焼室206と点火器10とは第一仕切り部材15により区画され、ガス放出室230とフィルター室208とは第三仕切り部材120により区画される。なお、底部202は、平底形状であって、径が絞られた小径部となっている。
図5に図示される構成とすることで、第二仕切り部材109を必要としない点で部品点数の削減を図ることができる。また、フィルター室207と燃焼室206とを区画する第二仕切り部材109がないので、ガスが、何らの抵抗を受けることなく、燃焼室206からフィルター室208に向けて流れる。また、図4に図示されるガス発生器101と同様に、円柱状のフィルター材107が効率良く使われ、ロスが少なく、軸方向への推進力を生じることもない。
図6に図示される第6の実施形態例のガス発生器301は、図4に図示されるガス発生器101と比べて、第二仕切り部材109、第三仕切り部材120、及び支持部材121に対応する部材の構成が異なるものの、他に構成的に大きく異なるところはない。なお、図1〜図3に図示されるガス発生器1,40,50及び図4に図示されるガス発生器101を構成する部位と共通する部位については、同じ符号を用いて、詳細な説明は省略する。
図6に図示されるガス発生器301は、図4に図示されるガス発生器101と同様に、一方の端部(以下、「開放端部」という)303が開放された有底円筒状ハウジング304内に、ハウジング304の開放端部303とは異なる端部(以下、「底部」という)302から開放端部303に向かう方向に、ガス放出室330と、フィルター室308と、燃焼室306と、点火器10とが、この順で配置されている。
フィルター室308と燃焼室306とは、第二仕切り部材309で区画されている。第二仕切り部材309は、円板形状であって、燃焼室306からフィルター室308に向けてガスが流れるように、複数個の孔309aが形成されている。また、複数個の孔309aを全て塞ぐように、例えばアルミニウム等のシール部材316が貼付される。また、この第二仕切り部材309は、ハウジング304の外周部分からかしめて固定される。これによって、ガス放出孔311をシールする必要がないことから、コストの低減が可能となる。
第三仕切り部材320は、ガス放出室330とフィルター室308とを区画すると共に、フィルター材107を支持している。第三仕切り部材320は、円板形状であって、ガスが、フィルター室308からガス放出室330に向けて流れるように複数個の孔320aが形成されている。なお、燃焼室306が第二仕切り部材309によって外部からシールされているため、図4に図示されるガス発生器101のように、ガス放出室330とフィルター室308とシールする必要はない。
なお、第二仕切り部材309がハウジング304の外周部分からかしめて固定されることによって、フィルター材107とフィルター室308を形成するハウジング304の内壁との間に隙間が発生する。従って、燃焼室306からガス放出室311に向けて流れるガスがフィルター材107を通過するように、第二仕切り部材309に形成された孔309は、フィルター材107が配置される部位に形成されることが好ましい。
図6に図示される構成とすることで、図4に図示されるガス発生器101と比べて部品点数の削減を図ることができる。また、図4及び図5に図示されるガス発生器101,201と同様に、円柱状のフィルター材107が効率良く使われ、ロスが少なく、軸方向への推進力を生じることもない。
図7に図示される第7の実施形態例のガス発生器401は、図5に図示されるガス発生器201と比べて、ハウジング404の底部402の形状が異なるものの、他に構成的に大きく異なるところはない。なお、図1〜図3に図示されるガス発生器1,40,50及び図5に図示されるガス発生器201を構成する部位と共通する部位については、同じ符号を用いて、詳細な説明は省略する。
図7に図示されるガス発生器401は、図5に図示されるガス発生器201と同様に、一方の端部(以下、「開放端部」という)403が開放された有底円筒状ハウジング404内に、ハウジング404の開放端部403とは異なる端部(以下、「底部」という)402から開放端部403に向かう方向に、ガス放出室430と、フィルター室408と、燃焼室406と、点火器10とが、この順で配置されている。ただし、図5に図示されるガス発生器201では、ガス放出室230を形成するハウジング204の部位が他の部位よりも径が小さいが、図7に図示されるガス発生器401では、ガス放出室430を形成するハウジング404の部位が他の部位と略同じ径である。なお、複数個のガス放出孔411は、ガス放出室430を形成するハウジング404の外周であって、ガス放出室430に貫通して設けられている。
図7に図示される構成とすることで、図5に図示されるガス発生器201と同様に、円柱状のフィルター材107が効率良く使われ、ロスが少なく、軸方向への推進力を生じることもないという効果が得られる。
また、第4〜第7の実施形態例において説明したガス発生器101,201,301,401においても、ガス発生剤105とエンハンサ剤14とを分離する分離シート35を有するため、エンハンサ剤14がガス発生剤5の隙間に入り込むことがない。また、運搬中や、自動車等に取り付けた後であっても、燃焼室6内で、これらが混合することが抑制される。このため、ガス発生器の性能をより確実に安定なものとすることができる。
尚、本発明は、上記の好ましい実施の形態に記載されているが、本発明はそれだけに制限されない。本発明の精神と範囲から逸脱することのない様々な実施形態が他になされることができることは理解されよう。
本発明に係るガス発生器の第1の実施形態例を示す図である。 本発明に係るガス発生器の第2の実施形態例を示す図である。 本発明に係るガス発生器の第3の実施形態例を示す図である。 本発明に係るガス発生器の第4の実施形態例を示す図である。 本発明に係るガス発生器の第5の実施形態例を示す図である。 本発明に係るガス発生器の第6の実施形態例を示す図である。 本発明に係るガス発生器の第7の実施形態例を示す図である。
符号の説明
B 外径
1,40,50,101,201,301,401 ガス発生器
2,52,102,202,302,402 底部
3,53,103,203,303,403 開口端部
4,54,104,204,304,404 ハウジング
5,105 ガス発生剤
6,106,206,306,406 燃焼室
7,47,107 フィルター材
8,108,208,308,408 フィルター室
9,109,309, 第二仕切り部材
10 点火器
11,51,111,211,311,411 ガス放出孔
12 ホルダ
13 開口端部近傍
14 エンハンサ剤
15 第一仕切り部材
16,316 シール部材
18 孔
19 空間
20 支持部材
21 支持部材押圧部
22 Oリング
35 分離シート
109a,309a 孔
121 支持部材
121a 孔

Claims (12)

  1. 開放端部(3,53,103,203,303,403)を有する有底筒状ハウジング(4,54,104,204,304,404)内に、前記開放端部(3,53,103,203,303,403)とは異なる端部(2,52,102,202,302,402)から前記開放端部(3,53,103,203,303,403)に向かう方向に、フィルター材(7,47,107)が装着されるフィルター室(8,108,208,308,408)と、ガス発生剤(5,105)及びエンハンサ剤(14)が充填される燃焼室(6,106,206,306,406)と、第一仕切り部材(15)と、点火器(10)とが、この順で配置されるガス発生器(1,40,50,101,201,301,401)であって、
    前記エンハンサ剤(14)が前記第一仕切り部材(15)側に、前記ガス発生剤(5,105)が前記フィルター室(8,108,208,308,408)側に配置されると共に、前記ガス発生剤(5,105)と前記エンハンサ剤(14)との間に分離シート(35)が設けられることを特徴とするガス発生器。
  2. 前記ガス発生剤(5,105)が、ペレット状、円柱状、筒状、ディスク状又は両端が閉鎖された中空部を有する成形体であることを特徴とする請求項1に記載のガス発生器。
  3. 前記ガス発生剤(5,105)が、直径1.4〜4.0mm、長さ1.5〜8.0mmの両端が閉鎖された中空部を有する成形体、又は直径2.0〜8.0mm、長さ0.5〜4.0mmのペレット状、円柱状、筒状若しくはディスク状の成形体であることを特徴とする請求項2に記載のガス発生器。
  4. 前記エンハンサ剤(14)が、ペレット状、筒状、ディスク状、両端が閉鎖された中空体形状又は円柱状の成形体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス発生器。
  5. 前記エンハンサ剤(14)が、直径1〜10mm、長さ1〜10mmの成形体であることを特徴とする請求項4に記載のガス発生器。
  6. 前記分離シート(35)が、金網、エキスパンドメタル、アルミ板、金属プレート及び金属箔のいずれかであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のガス発生器。
  7. 第一仕切り部材(15)がクッション材である請求項1〜6のいずれか一項に記載のガス発生器。
  8. 前記フィルター室(8)を形成するハウジング(4,54)の周方向に沿って、ガスを放出するためのガス放出孔(11,51)が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のガス発生器。
  9. 円柱状のフィルター材(107)が前記フィルター室(108,208,308,408)に配置され、
    前記フィルター室(108,208,308,408)に対して前記開放端部(103,203,303,403)とは異なる端部(102,202,302,402)側に、前記フィルター材(107)を経由したガスを放出するためのガス放出室(130,230,330,430)を設け、
    前記ガス放出室(130,230,330,430)を形成するハウジング(104,204,304,404)の周方向に沿って、ガスを放出するためのガス放出孔(111,211,311,411)が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のガス発生器。
  10. 前記フィルター室(8,308)と前記燃焼室(6,306)との間に、シール部材(16,316)で封鎖された孔(18,309a)が形成された第二仕切り部材(9,309)を、さらに有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のガス発生器。
  11. 前記ガス放出室(130,230,430)と前記フィルター室(108,208,408)との間に、シール部材(16)で封鎖された孔(18)が形成された第三仕切り部材(120)を、さらに有することを特徴とする請求項9に記載のガス発生器。
  12. 前記第二仕切り部材(9,309)が、ハウジング(4,54,304)の外周部分からのかしめにより固定されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のガス発生器。
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