JP2005311020A - 露光方法及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高精度な露光を実現する。
【解決手段】パターンが形成されたレチクルRのパターン面に対するフーリエ変換相当面(例えば、照明光学系又は投影光学系PLの瞳面など)における光量分布が光軸に関して回転非対称となる照明条件(例えばダイポール照明条件など)の下で、投影光学系に発生するセンターアスを補正し、該補正後の投影光学系を介してウエハW上にパターンを転写する。これにより、照明条件に起因して生じる投影光学系のセンターアスの影響が低減されるので、高精度な露光を実現することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、露光方法及びデバイス製造方法に係り、さらに詳しくは、半導体素子、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)の製造におけるリソグラフィ工程で用いられる露光方法及び該露光方法を含むデバイス製造方法に関する。
従来より、半導体素子又は液晶表示素子等をフォトリソグラフィ工程で製造する際に、種々の露光装置が使用されており、現在では、フォトマスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)のパターンを、投影光学系を介して表面にフォトレジスト等の感光剤が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板上に転写する投影露光装置、例えば所謂ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆるステッパ)が用いられている。
近年、半導体素子の高集積化に伴い、矩形又は円弧状の照明光によりレチクルを照明し、レチクル及び基板を投影光学系に対して1次元方向に同期走査することにより、レチクルパターンを投影光学系を介して基板上に逐次転写する所謂スリット・スキャン方式、あるいは、所謂ステップ・アンド・スキャン方式などの走査型露光装置が開発されるようになってきた。かかる走査型露光装置によれば、収差の最も少ない投影光学系の有効露光フィールドの一部(中央部)のみを使用してレチクルパターンの転写が可能となるため、静止型露光装置に比べてより微細なパターンをより高精度に露光することが可能になる。また、走査型露光装置によれば、走査方向には投影光学系の制限を受けずに露光フィールドを拡大することができるので、大面積露光が可能であり、また、投影光学系に対してレチクル及びウエハを相対走査することで平均化効果があり、ディストーションや焦点深度、露光量分布の均一性などの向上が期待出来る等のメリットがある。
この一方、走査型露光装置においては、レチクルを照明する照明領域が非走査方向に細長い矩形又は円弧状の形状であるため、投影光学系が照明光を吸収することによって、光軸に直交する直交2軸方向に関して変化の様子が異なる結像特性(以下、本明細書において「異方性の結像特性」とも呼ぶ)、例えば長方形ディストーションや、センターアスなどが発生し、かつこの異方性の結像特性は、照明光の吸収に応じて変化する。ここで、センターアスとは、投影光学系の光軸中心近傍のフォーカスの異方性を意味し、より具体的には、相互に直交する方向を周期方向とする第1パターンと第2パターンとが、投影光学系の光軸近傍に配置された場合に、これら第1パターンと第2パターンとの結像位置(光軸方向に関する位置)が、ずれるような投影光学系の結像特性を意味する。なお、フォーカスの異方性とは、非点収差に他ならない。本明細書においては、このような意味で、「センターアス」、「フォーカスの異方性」などの用語を用いるものとする。
走査型露光装置において照明光の吸収に起因する異方性結像特性の劣化を抑制することができる投影光学系に関する発明、及び投影光学系の照明光吸収による異方性結像特性の変化を抑制して露光精度を向上させる走査型露光装置に関する発明が、本出願人によって先に提案されている(例えば特許文献1参照)。
ところで、近時の露光装置では、実効的な焦点深度を必要以上に低下させることなく、かつ解像力を向上させる超解像技術の一種として、2光束干渉を利用した変形照明、例えば二重極照明(ダイポール照明)などが、周期パターンを転写対象とする露光の際に比較的多く用いられるようになってきた。
本発明者等は、走査型露光装置において、上記のダイポール照明などを採用した場合、前述のレチクルを照明する照明領域が非走査方向に細長いことに起因して生ずるセンターアスに比べて格段に大きなセンターアスが、そのダイポール照明に起因して生じることを見出した。このダイポール照明などの回転非対称な照明条件に起因するセンターアスは、走査型露光装置に限らず、ステッパ等の静止型露光装置であっても生じる。
しかるに、上記特許文献1に記載の技術は、照明領域が非走査方向に細長いことに起因して生ずるセンターアスには対応可能であるが、ダイポール照明などを採用した場合に生じるセンターアスに十分に対応することは困難である。この他、ダイポール照明などを採用した場合に生じるセンターアスに十分対応可能な技術は、特に見当たらない。
特開平11−258498号公報
本発明は、かかる事情の下でなされたもので、その第1の目的は、照明条件に起因して生じる投影光学系の異方性の結像特性、主としてセンターアスの影響を低減し、高精度な露光を実現する露光方法を提供することにある。
本発明の第2の目的は、マイクロデバイスの生産性を向上させることが可能なデバイス製造方法を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、照明光によりマスクを照明し、前記マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して感光物体上に転写する露光方法であって、前記パターンが形成された前記マスクのパターン面に対するフーリエ変換相当面における光量分布が光軸に関して回転非対称となる照明条件の下で前記投影光学系に発生するセンターアスを補正する工程を含む露光方法である。
本明細書において、回転非対称とは、回転対称でないという意味である。ここで、「回転対称」とは、通常の意味における「回転対称」、すなわち、「一つの図形等を一定軸(対称軸)まわりに一定の角度だけ回転しても変わらない性質」とは異なり、「一つの図形等を一定軸(対称軸)まわりに0°〜360°のいかなる角度で回転させても変わらない性質」を意味し、これ以外の場合は全て回転非対称である。本明細書では、かかる意味で「回転対称」及び「回転非対称」なる用語を用いるものとする。
これによれば、パターンが形成されたマスクのパターン面に対するフーリエ変換相当面(例えば、照明光学系の瞳面又は投影光学系の瞳面など)における光量分布が光軸に関して回転非対称となる照明条件の下で投影光学系に発生するセンターアスを補正する工程を含んでいるので、パターン面に対するフーリエ変換相当面における光量分布が光軸に関して回転非対称となる照明条件、例えばダイポール照明条件などに起因して投影光学系に発生するセンターアスが補正され、その補正された投影光学系によりパターンが感光物体上に転写される。従って、照明条件に起因して生じる投影光学系のセンターアスの影響を低減し、高精度な露光を実現することが可能となる。
この場合において、請求項2に記載の露光方法の如く、前記照明条件は、前記パターン面に対するフーリエ変換相当面に光軸からほぼ同一距離だけ偏心した2つの位置で極大値を有する光量分布が形成されるダイポール照明条件であることとすることができる。
請求項3に記載の発明は、照明光によりマスクを照明し、前記マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して感光物体上に転写する露光方法であって、異方性の結像特性が前記投影光学系に生じるような所定の第1の照明条件下で第1パターンを感光物体上に転写する第1転写工程と;前記第1の照明条件下で前記投影光学系に生じる異方性の結像特性を緩和するような結像特性が前記投影光学系に生じるような第2の照明条件下で第2パターンを感光物体上に転写する第2転写工程と;を含む露光方法である。
これによれば、異方性の結像特性が投影光学系に生じるような所定の第1の照明条件下で第1パターンを感光物体上に転写し(第1転写工程)、前記第1の照明条件下で投影光学系に生じる異方性の結像特性を緩和するような結像特性が投影光学系に生じるような第2の照明条件下で第2パターンを感光物体上に転写する(第2転写工程)。
このため、第2パターンは、異方性の結像特性が緩和された状態で感光物体上に転写されることとなり、少なくとも第2パターンの転写に際しては、照明条件に起因して生じる投影光学系の異方性の結像特性、例えばセンターアスの影響を低減し、高精度な露光を実現することができる。
この場合において、請求項4に記載の露光方法の如く、前記第1の照明条件は、前記第1パターンが形成されたマスクのパターン面に対するフーリエ変換相当面に第1軸方向に関して光軸からほぼ同一距離だけ偏心した2つの位置で極大値を有する光量分布が形成される第1のダイポール照明条件であり、前記第2の照明条件は、前記第2パターンが形成されたマスクのパターン面に対するフーリエ変換相当面に第1軸方向に直交する第2軸方向に関して光軸からほぼ同一距離だけ偏心した2つの位置で極大値を有する光量分布が形成される第2のダイポール照明条件であることとすることができる。かかる場合には、投影光学系の照明光の吸収に起因する温度分布が回転対称に近づき異方性の結像性能、例えばセンターアスを減少させることが可能となる。
上記請求項3及び4に記載の各露光方法において、請求項5に記載の露光方法の如く、前記第1パターンは、前記第1の照明条件に応じた方向を周期方向とする周期パターンを主として含み、前記第2パターンは、前記第2の照明条件に応じた方向を周期方向とする周期パターンを主として含むこととすることができる。
上記請求項3〜5に記載の各露光方法において、請求項6に記載の露光方法の如く、前記第1転写工程と前記第2転写工程とは、交互に実行されることとすることができる。かかる場合には、第2パターンのみならず、第1パターンも、異方性の結像特性が緩和された状態で感光物体上に転写されることとなる。これは、第1の照明条件と第2の照明条件とは、一方の照明条件下で投影光学系に生じる異方性の結像特性、例えばセンターアスを、他方の照明条件下では緩和するような関係にあるからである。
この場合において、請求項7に記載の露光方法の如く、前記第1転写工程、第2転写工程は、前記感光物体の1ロットの処理が終了する毎に、交互に実行されることとすることができる。
上記請求項3〜7に記載の各露光方法において、請求項8に記載の露光方法の如く、前記第1転写工程では、前記第1パターンを走査露光方式で感光物体上に転写し、前記第2転写工程では、前記第2パターンを走査露光方式で感光物体上に転写することとすることができる。
この場合において、請求項9に記載の露光方法の如く、前記第1転写工程と前記第2転写工程とで、走査方向を90°変更することとすることができる。
上記請求項8及び9に記載の各露光方法において、請求項10に記載の露光方法の如く、前記投影光学系が、前記パターンを照明する照明領域がその光軸から偏心した反射屈折系である場合、前記第1転写工程と前記第2転写工程との少なくとも一方で、前記照明領域の偏心に起因する、前記投影光学系の波面収差をツェルニケ多項式(フリンジ・ツェルニケ多項式)を用いて級数展開した複数のツェルニケ項のうちの1θ成分項を考慮した露光が行われることとすることができる。
請求項11に記載の発明は、照明光によりマスクを照明し、前記マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して感光物体上に転写する露光方法であって、センターアスが前記投影光学系に生じるような所定の照明条件下で前記パターンの転写を行うに際し、前記照明条件に応じた方向を周期方向とする周期パターンに着目して前記投影光学系の光軸方向に関する前記感光物体の位置を調整する調整工程と;前記光軸方向の位置が調整された前記感光物体上に前記パターンを転写する転写工程と;を含む露光方法である。
ここで、「照明条件に応じた方向」とは、センターアスが投影光学系に生じるような所定の照明条件では、所定方向を周期方向とする周期パターンの解像力が主として向上するが、その解像力が向上するパターンの周期方向を意味する。
これによれば、上記の所定の照明条件下でパターンの転写を行うに際し、照明条件に応じた方向を周期方向とする周期パターンに着目して投影光学系の光軸方向に関する感光物体の位置が調整される(調整工程)。例えば、投影光学系の光軸に直交する面内の第1軸方向を周期方向とするパターンを主として含むパターン(第1軸方向を周期方向とするパターンのみから成るパターンを含む)を転写する際、第1軸方向を周期方向とするパターンのベストフォーカス位置に感光物体表面が一致するように投影光学系の光軸方向に関する感光物体の位置が調整される。また、例えば投影光学系の光軸に直交する面内の第1軸方向に直交する第2軸方向を周期方向とするパターンを主として含むパターン(第2軸方向を周期方向とするパターンのみから成るパターンを含む)を転写する際、第2軸方向を周期方向とするパターンのベストフォーカス位置に感光物体表面が一致するように投影光学系の光軸方向に関する感光物体の位置が調整される。
そして、上記のようにして光軸方向の位置が調整された感光物体上に上記の照明条件下でパターンが転写される(転写工程)。
従って、対象とする周期方向のパターンにのみフォーカスに合わせることにより、対象となるパターンをベストフォーカスで露光することが可能となり、照明条件に起因して生じる投影光学系のセンターアスの影響を低減し、高精度な露光を実現することができる。
この場合において、請求項12に記載の露光方法の如く、前記照明条件は、前記パターンが形成されたマスク上のパターン面に対するフーリエ変換相当面に光軸に関して回転非対称な光量分布を生じる照明条件であることとすることができる。
この場合において、請求項13に記載の露光方法の如く、前記照明条件は、前記パターン面に対するフーリエ変換相当面に光軸からほぼ同一距離だけ偏心した2つの位置で極大値を有する光量分布が形成されるダイポール照明条件であることとすることができる。
請求項14に記載の発明は、リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、前記リソグラフィ工程では、請求項1〜13のいずれか一項に記載の露光方法を実行することを特徴とするデバイス製造方法である。
本発明の露光方法によれば、照明条件に起因して生じる投影光学系の異方性の結像特性、主としてセンターアスの影響を低減し、高精度な露光を実現することができるという効果がある。
また、本発明のデバイス製造方法によれば、マイクロデバイスの生産性を向上させることができるという効果がある。
《第1の実施形態》
以下、本発明の第1の実施形態を図1〜図11に基づいて説明する。
図1には、本発明の露光方法を実施するのに好適な第1の実施形態に係る走査型露光装置100の概略的な構成が示されている。この走査型露光装置100は、いわゆるステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置である。
この走査型露光装置100は、光源1及び照明光学系(2A、2B、3〜10)を含む照明系、マスクとしてのレチクルRを保持するレチクルステージRST、投影光学系PL、投影光学系PL内に設けられ倍率や収差等の結像特性を補正する結像特性補正機構14、結像特性補正機構14を制御するレンズコントローラ15、感光物体としてのウエハWを保持するウエハステージWST、及びこれらの制御系等を備えている。
前記照明系は、光源1、回折光学ユニット2A、ズーム光学系2B、振動ミラー3、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズ4、ハーフミラー5、インテグレータセンサ6、レチクルブラインド7、折り曲げミラー8、コンデンサレンズ系9及び反射率センサ10等を含んで構成されている。なお、オプティカルインテグレータ4はフライアイレンズに限られるものではなく、例えば内面反射型インテグレータ(ロッド・インテグレータなど)あるいは回折光学素子などを用いても良いし、照明光学系内で光軸IXに沿って複数のオプティカルインテグレータ(種類は異なっても良い)を配置しても良い。
前記回折光学ユニット2Aは、複数の回折光学素子(DOE)が所定角度間隔で配置される回転板から成り、該回転板は、不図示のモータによって駆動されるようになっている。ここで、複数の回折光学素子は、レチクルRのパターン面のフーリエ変換相当面、具体的には、フライアイレンズ4の射出側焦点面(照明光学系の瞳面)及びこの共役面(例えば投影光学系PLの瞳面など)における照明光の光量分布、すなわち照明条件を種々設定するためのものであり、回転板の駆動によって、例えばウエハWに転写すべきレチクルRのパターンに応じて選択される照明条件に最も適した1つの回折光学素子が照明光学系の光路上に配置される。この複数の回折光学素子は、上述のパターン面のフーリエ変換相当面においてX軸方向(図1における紙面直交方向)に関して照明系の光軸IX(投影光学系の光軸AXに一致)からほぼ同一距離だけ偏心した2つの位置で極大値を有する光量分布が形成されるX軸ダイポール照明条件(第1のダイポール照明条件)設定用のDOE、パターン面のフーリエ変換相当面においてY軸方向(図1における紙面直交方向)に関して照明系の光軸IX(投影光学系の光軸AXに一致)からほぼ同一距離だけ偏心した2つの位置で極大値を有する光量分布が形成されるY軸ダイポール照明条件(第2のダイポール照明条件)設定用のDOE、パターン面のフーリエ変換相当面において照明光を光軸外に輪帯状に分布させる輪帯照明条件設定用のDOE、及びパターン面のフーリエ変換相当面において照明光を光軸を中心とする円形領域に分布させる通常照明条件設定用のDOE等が、含まれる。なお、回折光学ユニット2Aに設けられる回折光学素子は前述の4種類に限られるものではなく、例えば照明光学系の瞳面上での照明光の光量分布が光軸IXからほぼ同一距離だけ偏心した4つの位置で極大値となる4極照明、あるいは前述の通常照明よりもコヒーレンス・ファクター(σ値)が小さく設定される小σ照明などに適用される回折光学素子を含んでいても良い。
前記ズーム光学系2Bは、少なくともズームレンズ系(アフォーカル系)を含み、通常照明(小σ照明を含む)、輪帯照明、及び多極照明(2極照明、4極照明などを含む)でそれぞれ照明光学系の瞳面上での照明光の大きさ(前述のσ値に相当)を可変とするものである。本実施形態では、前述の回折光学ユニット2Aとズーム光学系2Bとによって、レチクルの照明条件を任意に設定可能とする成形光学系が構成されている。
なお、ズーム光学系2Bは、照明光学系の光軸IXに沿って少なくとも1つが可動でその間隔が可変となる複数のプリズム(円錐プリズム、角錐プリズムなど)を含んでいても良く、ズームレンズ系と複数のプリズムとの少なくとも一方によって、輪帯照明ではσ値や輪帯比(内径と外径との比)、多極照明ではσ値や照明光学系の瞳面上で光量分布が極大となる位置(光軸IXとの間隔)などを任意に変更可能となる。また、オプティカルインテグレータ4として内面反射型インテグレータを用いる場合、ズーム光学系2Bは回折光学素子から発生してズームレンズ系を通過する照明光を集光して内面反射型インテグレータに入射させる。このとき、集光点はその位置が内面反射型インテグレータの入射面と異なるように設定される。さらに、照明光学系内で生じるフレア光(前述の回折光学素子で発生するレチクルRの照明に不要な光を含む)をカットする可変開口絞り(虹彩絞り)を、例えばフライアイレンズ4の射出面に近接して配置(すなわち、照明光学系の瞳面又はその共役面に配置)しても良い。
また、フライアイレンズ4の入射側焦点面(入射面)と回折光学ユニット2A上の各回折光学素子(DOE)とは、ズーム光学系2Bを介して、ほぼフーリエ変換の関係が保たれるようになっている。
一方、フライアイレンズ4の射出側焦点面は、レチクルRのパターン面のフーリエ変換面(照明光学系の瞳面)とほぼ一致している。なお、フライアイレンズ4の入射側焦点面と射出側焦点面とは、当然ながらフーリエ変換の関係にある。従って、本実施形態では、フライアイレンズ4の射出側焦点面は、回折光学素子と結像関係(共役)になっている。
ここで、照明系の構成各部についてその作用とともに説明すると、光源1で発生した露光光としての照明光ILは不図示のシャッターを通過した後、前記回折光学ユニット2AのいずれかのDOEに入射する。これにより、そのDOEから発生した回折光が、ズーム光学系2Bに入射する。照明光ILとしては、例えばKrFエキシマレーザ光(波長248nm)やArFエキシマレーザ光(波長193nm)、あるいはF2レーザ光(波長157nm)等が用いられる。
ズーム光学系2Bから射出された光束は、被照射面(レチクル面又はウエハ面)に生じる干渉縞や微弱なスペックルを平滑化するための振動ミラー3を介して水平方向に折り曲げられ、フライアイレンズ4によって照度分布(強度分布)がほぼ均一な光束に変換される。すなわち、フライアイレンズ4の射出側焦点面に多数の点光源(光源像)から成る2次光源(面光源)が形成される。本実施形態では、フライアイレンズ4の射出側焦点面である照明系の瞳面には、光路上に選択的に配置されたDOEに応じて、全体として光軸を含む円形領域内に分布する多数の点光源(光源像)から成る2次光源(通常照明条件に対応)、X軸方向に関して光軸から同一距離だけ偏心した2つの円形領域内に分布する多数の点光源(光源像)から成る2次光源(X軸ダイポール照明条件に対応)、Z軸方向に関して光軸から同一距離だけ偏心した2つの円形領域内に分布する多数の点光源(光源像)から成る2次光源(Y軸ダイポール照明条件に対応)、及び光軸を中心とする輪帯状の領域内に分布する多数の点光源(光源像)から成る2次光源等が、それぞれ形成される。
そして、上記の2次光源から射出される光(パルス照明光)ILの大部分(97%程度)は、ハーフミラー5を透過してレチクルブラインド7を均一な照度で照明する。
ここで、レチクルブラインド7は、2枚の可動ブラインドとその近傍に配置された開口形状が固定された固定ブラインドとから構成されている。このレチクルブラインド7によりレチクルRを照明する際のスリット状の照明領域IARを所望の形状、大きさの矩形状に設定できるようになっている。
レチクルブラインド7を通過した光束は、折り曲げミラー8に至り、ここで鉛直下方に折り曲げられ、コンデンサレンズ系9を介して回路パターン等が描かれたレチクルRの照明領域IAR部分を照明する。
一方、前記残り(3%程度)の照明光ILは、ハーフミラー5で反射され、インテグレータセンサ6によって受光されるようになっている。このインテグレータセンサ6によりレチクルRに対する照明光量を検出することができる。このインテグレータセンサ6からの光量信号が主制御装置21に供給されている。
前記反射率モニタ10は、投影光学系PLの照明光吸収による結像特性(諸収差)の変動、即ち照射変動を算出するための基礎となるウエハ反射率(反射光量)測定に用いられるもので、投影光学系PL側からコンデンサレンズ系9、折り曲げミラー8、レチクルブラインド7を介して戻って来た光の光量を検出する。この反射率モニタ10からの光量信号も主制御装置21に供給されている。なお、このウエハ反射率の測定方法については、例えば前述の特許文献1(特開平11−258498号公報)などに開示されており、公知であるから詳細説明は省略する。
前記レチクルステージRST上にはレチクルRが、例えば真空吸着により固定されている。なお、レチクルRに用いる材質は、照明光ILの種類によって使い分ける必要がある。すなわち、照明光ILとして、KrFエキシマレーザ光やArFエキシマレーザ光を光源とする場合は、ホタル石などの他、合成石英を用いることができるが、F2レーザ光を用いる場合は、ホタル石で形成する必要がある。
レチクルステージRSTは、不図示のレチクルベース上をリニアモータ等で構成されたレチクル駆動部41により駆動され、照明系の光軸IX(投影光学系PLの光軸AXに一致)に垂直な平面内で所定の走査方向(ここではY軸方向とする)に所定ストロークの範囲内で移動可能となっている。
レチクルステージRSTの位置は、不図示のレチクルレーザ干渉計システムによって例えば数0.5〜1nm程度の分解能で常時計測されており、このレチクルレーザ干渉計システムからのレチクルステージRSTの位置情報は、主制御装置21に送られ、主制御装置21ではレチクルステージRSTの位置情報に基づいてレチクル駆動部41を介してレチクルステージRSTを制御する。なお、レチクルレーザ干渉計システムの測長軸は、例えば走査方向に2軸、非走査方向には1軸設けられる。
前記投影光学系PLは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置され、その光軸AX(照明系の光軸IXに一致)の方向がZ軸方向とされている。この投影光学系PLは、両側テレセントリックな縮小系、かつ共通のZ軸方向の光軸を有する複数枚のレンズエレメント(レンズ)30a〜30j(図2参照)から成る屈折光学系が用いられている。なお、図2において、符号30pは、投影光学系PLの瞳面を示す。
投影光学系PLの投影倍率βは例えば1/4あるいは1/5である。このため、照明系からの照明光ILによってレチクルR上の照明領域IARが照明されると、このレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PLを介してレチクルRの回路パターンの一部が表面にフォトレジストが塗布されたウエハW上に縮小投影される。
また、投影光学系PLの内部には、前記の如く、結像特性補正機構14が設けられている。この結像特性補正機構14としては、上記特許文献1などに開示されるように、投影光学系PLを構成する複数のレンズ30a〜30jの内、特定の複数のレンズエレメント(以下、「可動レンズ」と呼ぶ)のそれぞれを、ピエゾ素子などを用いて独立に光軸AX方向(Z方向)及びXY面に対する傾斜方向に駆動可能とした機構が用いられている。上記の各可動レンズは、光軸AX方向(Z方向)及びXY面に対する傾斜方向に駆動できるようになっている。また、各ピエゾ素子による各可動レンズの支持点の駆動量は、不図示のセンサによりそれぞれモニタされるようになっている。この結像特性補正機構14によると、複数の可動レンズのそれぞれを、光軸方向に駆動し、あるいは傾斜させることにより、種々の結像特性が変化して、各可動レンズの光軸方向駆動及び傾斜駆動の任意の組み合わせによって、回転対称な収差(結像特性)に関しては所望の状態に調整できるようになっている。
本実施形態では、結像特性補正機構14によって、例えば上記特許文献1などに開示されるのと同様に、倍率と、収差(ザイゼルの5収差の少なくとも1つ)、具体的には像面湾曲、ディストーション、コマ収差、球面収差を補正するようになっており、この結像特性補正機構14とレンズコントローラ15とによって、レチクルRのパターン像の結像特性を補正する結像特性補正装置が構成されている。なお、結像特性補正装置はレンズを駆動するほかに、例えば光源1を制御して、照明光の波長を僅かにシフトさせることで結像特性を調整しても良い。
なお、照明光ILとしてKrFエキシマレーザ光やArFエキシマレーザ光を用いる場合には、投影光学系PLを構成する各レンズエレメントの素材としてはホタル石などの他、合成石英等を用いることができるが、F2レーザ光を用いる場合には、この投影光学系PLに使用されるレンズエレメントの素材としては、全てホタル石が用いられる。また、ホタル石以外に、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、及びフッ化ストロンチウムなどのフッ化物単結晶、リチウム−カルシウム−アルミニウムの複合フッ化物結晶、リチウム−ストロンチウム−アルミニウムの複合フッ化物結晶や、ジルコニウム−バリウム−ランタン−アルミニウムから成るフッ化ガラスや、フッ素をドープした石英ガラス、フッ素に加えて水素もドープされた石英ガラス、OH基を含有させた石英ガラス、フッ素に加えてOH基を含有した石英ガラス等の改良石英を用いても良い。
さらに、本実施形態の露光装置100では、図2に示されるように、投影光学系PLには、その外部からファイバ(特に中空ガラス管の内面にアルミニウムをコートしたようなファイバ)FBが導入されている。この場合、実際には、図3に示されるように、光学部材、例えばレンズ(30c,30d,30g)に対してそれぞれ複数本のファイバFB1〜FBnがレンズの外周に沿って所定角度間隔で導入されている。これらファイバFBは投影光学系PLの外部に設けられた不図示の赤外線照射源に接続されている。この場合、複数本のファイバFB1〜FBnと不図示の赤外線照射源とにより赤外線照射機構が構成されている。
ここで、例えば照明光ILとしてF2レーザ光が用いられている場合、投影光学系PLを構成するレンズ30a〜30jとして、ホタル石が用いられる。この場合、ホタル石レンズが比較的良く吸収する波長6〜10μm程度の赤外線が、赤外線照射機構を構成するファイバFB1〜FBnからレンズ(30c,30d,30g)照射されるようになっている。この場合の赤外線照射源としては、例えばセレン化鉛硫黄,セレン化鉛錫,テルル化鉛錫等の化合物半導体を用いた半導体レーザを用いることができる。
本実施形態では、主制御装置21が、その露光に用いられるレチクルのパターンや照明条件に応じて、赤外線照射機構を制御するようになっている。なお、この点については後述する。
前記ウエハステージWSTは、リニアモータ及びボイスコイルモータ等のアクチュエータを含む、ウエハウエハ駆動装置42によって不図示のベース上を走査方向であるY軸方向(図1における左右方向)及びこれに直交するX軸方向(図1における紙面直交方向)に長ストロークで駆動されるとともに、Z軸方向、θz方向(Z軸回りの回転方向)、θx方向(X軸回りの回転方向)、及びθy方向(Y軸回りの回転方向)に微小駆動されるようになっている。
ウエハステージWST上には、ウエハホルダ17を介してウエハWが吸着保持されている。また、ウエハステージWST上には、レチクルR及び投影光学系PLを透過してウエハ面に達する照射量を検出する照射量センサ20が設けられている。この照射量センサ20の検出値は主制御装置21に供給されるようになっている。
前記ウエハステージWST(即ちウエハW)のXY面内の位置は、不図示のウエハレーザ干渉計システムによって例えば0.5nm〜1nm程度の分解能で常時計測されている。ウエハレーザ干渉計システムは、ウエハステージWSTに設けられた(又は形成された)反射面にそれぞれレーザ光を照射してウエハステージWSTのX軸方向、Y軸方向の位置をそれぞれ計測するX軸干渉計、Y軸干渉計がそれぞれ有している。これらX軸及びY軸干渉計は測長軸を複数有する多軸干渉計で構成され、ウエハステージWSTのX、Y位置の他、回転(ヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))も計測可能となっている。また、前述の多軸干渉計は45°傾いてウエハステージWSTに設置される反射面を介して、投影光学系PLが載置される架台(不図示)に設置される反射面にレーザビームを照射し、投影光学系PLの光軸方向(Z軸方向)に関する相対位置情報を検出するようにしても良い。
ウエハレーザ干渉計システムからのウエハステージWSTの位置情報は、主制御装置21に送られ、主制御装置21ではZステージ17の位置情報に基づいてウエハ駆動装置42を介してウエハWをXY面内で位置制御する。
更に、本実施形態の走査型露光装置100では、不図示の保持部材を介して投影光学系PL(又はその架台)に一体的に取り付けられた、2つのオートフォーカス検出系、すなわち、レチクルオートフォーカス検出系(以下、「レチクルAF系」という)12(12a,12b)及びウエハオートフォーカス検出系(以下、「ウエハAF系」という)19(19a,19b)が設けられている。
ウエハAF系19としては、ウエハWに斜めから検出ビームを照射する照射光学系19aと、この検出ビームのウエハW面からの反射光を受光する受光光学系19bとを備え、ウエハWのZ方向の位置を検出する斜入射方式の焦点位置検出系が用いられている。このウエハAF系19としては、例えば特許第3316833号公報等に開示された焦点位置検出系が用いられる。
また、レチクルAF系12は、レチクルRのパターン面に斜めから検出ビームを照射する照射光学系12aと、この検出ビームのレチクル面からの反射光を受光する受光光学系12bとを備えた斜入射光式の焦点位置検出系が用いられている。レチクルAF系12は、レチクルRのパターン面の光軸IX及びその近傍の領域のZ方向の位置を検出するためのものである。このレチクルAF系12としても上記特許第3316833号等に開示されたものと同様の構成のものを用いることができる。
なお、AF系としては、斜入射光式に限らず、例えば、ウエハ面、レチクル面のZ位置を計測する干渉計や投影光学系とウエハ又はレチクルとの間隔を直接測定するオートフォーカスセンサを採用しても良い。
更に、本実施形態の走査型露光装置100では、投影光学系PLの近傍の環境の変化を検出する環境センサ36が設けられている。環境センサ36としては、気圧センサ(圧力センサ)、温度センサ、湿度センサなど種々のものを設けることができる。しかし、通常投影光学系を含む露光装置本体部分は、温度、湿度を厳しく管理されたチャンバの中に置かれているので、温度、湿度変化が結像特性に与える影響は、気圧変化に比べて小さいと考えられる。そこで、本実施形態では、環境センサ36として気圧センサを設けるものとする。但し、露光装置の空調系の配置、構成などによっては、必ずしも投影光学系PLの内外で同じ気圧とはならないので、かかる点を考慮して、本実施形態では、図2に示されるように、投影光学系PL内部の気体の圧力(以下、適宜「内気圧」という)を検出する内気圧センサ36aと、投影光学系PL外部のチャンバ内の気圧(以下、適宜「外気圧」という)を計測する外気圧センサ36bとが設けられている。図1では、これら内気圧センサ36aと、外気圧センサ36bとが代表的に環境センサ36として示されているものとする。大気圧(上記の外気圧、内気圧)の変化による結像特性変化の計算方法については、例えば特許文献1などに開示されているので、その説明は省略する。
この他、本実施形態の走査型露光装置100では、ウエハW上の各ショット領域に付設された不図示のアライメントマークを検出するためのオフアクシス方式のアライメント系(図示省略)等も設けられている。主制御装置21では、後述する走査露光に先立ってアライメント系を用いてウエハW上のアライメントマークの位置検出を行い、この検出結果に基づいて走査露光時にレチクル駆動部41及びウエハ駆動装置42によりレチクルRとウエハWとの同期移動を行うようになっている。
次に、本実施形態の走査型露光装置100における走査露光の原理について簡単に説明する。レチクルRの走査方向(Y軸方向)に対して垂直な方向(X軸方向)に長手方向を有する長方形(スリット状)の照明領域IARでレチクルRが照明され、レチクルRは露光時に照明領域IARに対して一方向(例えば−Y方向)に速度VRで相対移動されてそのパターン領域の全面が照明される。照明領域IAR(中心は光軸AXとほぼ一致)は投影光学系PLを介してウエハW上に投影され、照明領域IARに共役なスリット状の投影領域、すなわち露光領域IAが形成される。この露光領域IAにはレチクルパターンの倒立像が形成されるので、ウエハWは露光領域IAに対してレチクルRの走査方向(ここでは−Y方向)とは反対方向(+Y方向)にレチクルRに同期して速度VWで相対移動され、ウエハW上のショット領域の全面が照明光で走査露光される。この走査露光の際の、レチクルRとウエハW、すなわちレチクルステージRSTとウエハステージWSTとがレチクル駆動部41、ウエハ駆動装置42及び主制御装置21によって、正確に投影光学系PLの縮小倍率に応じた速度比VW/VR(=1/4又は1/5)で同期移動されるようになっており、レチクルRのパターン領域のパターンがウエハW上のショット領域上に正確に縮小転写される。
また、上記の走査露光中に、ウエハAF系19、レチクルAF系12の検出信号に基づいて、レチクルRのパターン面とウエハW表面とが投影光学系PLに関して共役となる(すなわち、露光領域IA内で投影光学系PLの像面とウエハWの表面とがほぼ一致する)ように主制御装置21によりウエハ駆動装置42を介してウエハステージWSTとレチクルステージRSTとの少なくとも一方がZ軸方向に駆動制御され、後述するフォーカス補正が実行される。このとき、レチクルRとウエハWとの少なくとも一方での傾斜駆動、すなわちレベリング制御も行われる。
走査型露光装置100では、上記のようなウエハW上のショット領域に対する走査露光によるレチクルパターンの転写と、次ショット領域の露光のための加速開始位置(走査開始位置)へのステッピング動作とを繰り返し行うことにより、ステップ・アンド・スキャン方式の露光が行われ、ウエハW上の全ショット領域にレチクルパターンが転写されるようになっている。
次に、走査型露光装置100におけるフォーカス補正について説明する。まず、投影光学系PL自身のフォーカス変化を考慮しない最も単純な場合について説明する。
まず、レチクルRとウエハWの共役関係を出すために、基準となるウエハステージWSTのZ軸方向の位置(Z位置)を求める。すなわち、所定の計測用マークが描かれた計測用レチクルをレチクルステージRSTの所定の場所に搭載してウエハステージWSTをZ軸方向及びX軸又はY軸方向にステップ送りしながら前記計測用マークを感光剤が塗布されたウエハW上に転写する。次に、このウエハWを光学顕微鏡で観察して焼き付けたマーク形状が最も良好な(例えばマーク形状が最も大きいあるいはマークのエッジが最も立っている)ウエハステージWSTのZ位置Zbestを、メモリ内に記憶されている各目標値Ziと位置Piとの対応関係のデータに基づいて見つける。そして、位置Zbestを基準位置とし、その基準位置にウエハステージWSTのZ位置がある時のレチクルAF系12、ウエハAF系19の出力をそれぞれのAF基準位置としてメモリに記憶しておく。以降のフォーカス変動補正はこの基準位置からの変位で管理することとなる。
なお、後述する異方性フォーカスずれによりパターンの周期方向(X軸方向、Y軸方向)別にベストフォーカス面が異なることが想定される。従って、ここで述べているフォーカスとは、異方性フォーカスを考慮した平均的なベストフォーカス面を指すものとする。また、レチクルAF系12及びウエハAF系19はそれぞれ照明領域IAR及び露光領域IA内の複数点で位置情報を計測可能であるとともに、その複数点でそれぞれ前述のAF基準位置が求められてメモリに記憶されている。さらに、上記試し焼きでなく、例えばレチクルのマーク、あるいはレチクルステージRSTの基準マークの投影像をウエハステージWSTの光電センサで検出することで、露光領域IA内の複数点でそれぞれZ軸方向に関する投影光学系PLの像面位置(フォーカス位置)を求めるようにしても良い。
そして、実際の走査露光時に、主制御装置21では、レチクルAF系12とウエハ系AF19との出力が上述したそれぞれのAF基準位置から変動しないように(すなわち、レチクルRとウエハWとの光学的な距離を一定の値に保つように)ウエハステージWSTを光軸方向に駆動制御する。このようにしてフォーカスの補正が実行される。
これを更に詳述すると、AF基準位置に対する検出されたレチクルR、ウエハW側の変位を各々Rz、Wz、投影倍率をMLとすると、フォーカス変位ΔFは、
ΔF=Rz×ML2−Wz ……(1)
と表される。ΔFが0となるようにウエハステージWSTをZ軸方向に移動することで、レチクルRとウエハWの共役関係が保たれる(すなわち、走査露光中に露光領域IA内で投影光学系PLの像面とウエハWの表面とがほぼ一致する)。
次に、大気圧変化や照明光吸収などの要因で投影光学系PL自身のフォーカスが変動した場合の補正について述べる。この時は上式(1)を拡張した次式(2)を用いることで、投影光学系PL自身のフォーカス変化にも対応できる。
ΔF=FL+Rz×ML2−Wz ……(2)
上記(2)式において、FLは、大気圧変化によるフォーカス変化(フォーカスの大気圧変化)と、照明光吸収によるフォーカス変化(フォーカスの照射変化)と、上述の5種類の結像特性を補正するために、可動レンズを移動したことにより副作用的に発生するフォーカス変化とを総合した投影光学系PL自身のフォーカス変化である。なお、可動レンズを移動したことにより副作用的に発生するフォーカス変化とあるのは、フォーカス以外の結像特性(すなわち、本実施形態では5種類の結像特性の少なくとも1つ)を補正するために可動レンズを駆動すると、それに付随してフォーカスが変動するので、フォーカスの補正にはこの影響も考慮する必要があることを意味する。
なお、大気圧変化によるフォーカスを含む投影光学系の結像特性(諸収差)の変化量、照明光吸収によるフォーカスを含む投影光学系の結像特性(諸収差)の変化量の算出方法については、特許文献1などに詳細に開示されているので、詳細説明は省略する。なお、後者では、次式(3)に基づいて露光時の照射量Q1を算出するとともに、照明光吸収によるフォーカスを含む投影光学系の結像特性(諸収差)の変化量の算出に用いる。
1=Q0×I1/I0 ……(3)
上式(3)において、Q0はレチクルRの走査位置に応じた関数としてメモリ内に予め記憶しておいた照射量であり、I0はレチクルRの走査位置に応じた関数としてメモリ内に予め記憶しておいたレチクルRの走査位置に応じて予め記憶しておいたインテグレータセンサ6の出力であり、I1は露光時のインテグレータセンサ6の出力である。
また、インテグレータセンサ6、反射率モニタ10を用いて、例えば特許文献1などに開示される方法により、ウエハ反射率RWの算出式を予め求めておき、実際の露光時にはレチクルRの走査位置に応じて記憶しておいた反射率センサ10の出力とインテグレータセンサ6の出力、及び露光時の反射率センサ10の出力とインテグレータセンサ6の出力に基づいて、ウエハ反射率RWを算出し、照明光吸収によるフォーカスを含む投影光学系の結像特性(諸収差)の変化量の算出に用いる。
なお、照明光吸収によるフォーカス等の諸収差の変化量の算出は、例えば上記特許文献1などに開示される所定のモデル関数を用いた算出方法を用いて行われる。
また、投影光学系PLの結像特性、具体的には像面湾曲、倍率、ディストーション、コマ収差、球面収差(特に各回転対称成分)の補正方法(補正のための可動レンズの駆動量の算出方法)としては、例えば特許文献1に開示されるような、像面湾曲、倍率、ディストーション、コマ収差、球面収差の変化と、結像特性変化係数と可動レンズの駆動量との積との関係を示す5元1次連立方程式中の任意の結像特性以外の結像特性の変化を零とした、新たな連立法的式を解く方法を用いることができる。この場合、得られた可動レンズの駆動量を用いて、上記5種類の結像特性を補正するために、可動レンズを駆動したことにより副作用的に発生するフォーカス変化量を別に算出する必要がある。
次に、本実施形態の走査型露光装置100の投影光学系PLの異方性結像特性、主としてセンターアスの補正方法について説明する。
この補正方法の説明に先立って、センターアスが生じる理由について、図4〜図11に基づいて説明する。
ここでは、図10に示されるように、レチクルRのパターン面(下面)に、図11に示されるような複合パターンCPが形成されている場合を考える。
複合パターンCPは、走査方向に所定周期を有するラインアンドスペース(L/S)パターン(以下「Hパターン」と呼ぶ)HPと、非走査方向に所定周期を有するL/Sパターン(以下「Vパターン」と呼ぶ)VPとから成る複合パターンである。
この複合パターンCPを、パターン面のフーリエ変換相当面(照明光学系の瞳面)において非スキャン方向であるX軸方向に関して照明系の光軸IX(投影光学系の光軸AXに一致)からほぼ同一距離だけ偏心した2つの位置で極大値を有する光量分布が形成されるX軸ダイポール照明条件の下で、ウエハ上に投影するものとする。このとき、複合パターンCPは、レチクルR上の照明領域の中心(即ち投影光学系PLの光軸上)に配置されているものとする。
図4には、このX軸ダイポール照明条件下における投影光学系の瞳面近傍の前述のレンズ(30c,30d,30g)上での光量分布が示されている。この図において斜線部が、照明光ILの照射領域を示す。
このX軸ダイポール照明条件下では、投影光学系PL(の瞳面の近傍)には、照明光の吸収によって図6に示されるような回転非対称の温度分布を生じる。
このとき、投影光学系PLの瞳面近傍のレンズ、例えばレンズ30cは、図6のA−A線断面図である図8、図6のB−B線断面図である図9にそれぞれ示されるように、X軸方向とY軸方向とで異なる形状に熱変形する。その他のレンズ30d,30g等も同様に熱変形する。但し、投影光学系PLの全体を一枚の大きなレンズとみなした場合に、この投影光学系PLは、図8,図9に示されるような形状に熱変形するものと考えて差し支えない。
この結果、VパターンVPから発生して非走査方向に分布する回折光は投影光学系PLの比較的曲率変化が緩やかな面を通って所定の結像面(図10に示されるVパターンベストフォーカス面)に結像する。この一方で、HパターンHPから発生して走査方向に分布する回折光は投影光学系PLの比較的曲率変化が大きい面を通って所定の結像面(図10に示されるHパターンベストフォーカス面)に結像する。この結果、Vパターンベストフォーカス面とHパターンベストフォーカス面とには、ずれが生じる。このようにして、X軸ダイポール照明条件下では、投影光学系PLの光軸近傍で直交2軸方向についての結像面のずれ(フォーカスの異方性)、すなわち「センターアス」が発生する。なお、X軸ダイポール照明条件下では、フォーカスの異方性は、投影光学系PLの光軸近傍以外の場所でも同様に生じる。
上述の複合パターンCPを、パターン面のフーリエ変換相当面(照明光学系の瞳面)においてスキャン方向であるY軸方向に対応する方向に関して照明系の光軸IX(投影光学系の光軸AXに一致)からほぼ同一距離だけ偏心した2つの位置で極大値を有する光量分布が形成されるY軸ダイポール照明条件の下で、ウエハ上に投影する場合には、投影光学系の瞳面近傍の前述のレンズ(30c,30d,30g)上に図5に示されるような光量分布が生じる。この図において斜線部が、照明光ILの照射領域を示す。
このY軸ダイポール照明条件下では、投影光学系PL(の瞳面の近傍)には、照明光の吸収によって図7に示されるような回転非対称の温度分布を生じる。
このとき、投影光学系PLの瞳面近傍のレンズ、例えばレンズ30cは、A−A線断面が図9のような形状となり、B−B線断面が図8のような形状となるように、熱変形する。その他のレンズ30d,30g等も同様に熱変形する。この場合も、投影光学系PLの全体を一枚の大きなレンズとみなした場合に、この投影光学系PLは、上記と同様に熱変形するものと考えて差し支えない。
この結果、Y軸ダイポール照明条件下では、Vパターンベストフォーカス面とHパターンベストフォーカス面とが、図10に示されるのと反対の位置関係になるようなセンターアスが、投影光学系PLに生じる。なお、Y軸ダイポール照明条件下では、フォーカスの異方性は、投影光学系PLの光軸近傍以外の場所でも同様に生じる。
本実施形態では、前述した走査露光に際して、露光対象のパターンに応じて、主制御装置21により、回折光学ユニット2A及びズーム光学系2B(成形光学系)を用いて照明条件の設定が行われる。このとき、主制御装置21は、投影光学系PLを構成するレンズ(30c,30d,30g)に対する照明光ILの光量分布を算出し、その算出された照明光ILの光量分布によってレンズ(30c,30d,30g)に生じるであろう熱の偏在状態を予測し、その予測結果に対応して、複数のファイバFB1〜FBnのうちから適宜ファイバを選択し、その選択したファイバから赤外線をレンズ(30c,30d,30g)に照射する(図3参照)。
一例として、照明条件としてX軸ダイポール照明条件が設定され、レンズ(30c,30d,30g)が、図3に示されるような発熱状態(温度分布)となることが予測される場合には、ファイバFBm,FBn以外のファイバから赤外線を照射するようにすることで、投影光学系PLの発熱状態を回転対称な形状に近づける。この結果、投影光学系PLを構成する各レンズが回転対称な変形をし、センターアスなどの異方性の結像性能が補正され、この補正後に、前述した結像特性補正機構を用いて回転対称な結像特性を補正して良好な状態で、レチクルRのパターンの転写が行われる。
以上説明したように、本実施形態の露光装置100によると、パターンが形成されレチクルRのパターン面に対するフーリエ変換相当面(例えば、照明系の瞳面又は投影光学系の瞳面など)における光量分布が光軸に関して回転非対称となり、投影光学系PLを構成するレンズが照明光ILの照射により局所的に(不均一に)加熱される照明条件の下では、上述の如く、照明光ILが照射されないレンズの残りの部分に赤外線照射機構により赤外線を照射して加熱することで、結果的にレンズの温度分布をほぼ均一にすることが可能となる。これにより、レンズの不均一な温度分布によって生じる投影光学系PLの補正が困難な回転非対称な収差、例えばセンターアスの発生を抑制することができる。換言すれば、センターアスの発生後に上記のレンズの加熱を実行すればそのセンターアスが補正される。このため、パターン面に対するフーリエ変換相当面における光量分布が光軸に関して回転非対称となる照明条件、例えばダイポール照明条件などに起因して投影光学系に発生するセンターアスが補正され、その補正された投影光学系PLを介してパターンがウエハ上に転写される。従って、照明条件に起因して生じる投影光学系のセンターアスの影響を低減し、高精度な露光を実現することが可能となる。
この場合、赤外線照射機構によるレンズの加熱は、露光中にも行うことができるので、投影光学系の回転非対称な収差の発生をより確実に抑制することが可能となる。従って、投影光学系の結像特性を良好に維持して露光を行うことにより、高精度な露光を実現することが可能となる。
また、赤外線によるレンズの加熱は、接触式の加熱機構(熱源)による加熱や接触式の冷却機構による冷却と異なり、レンズヘの接触がないため、加熱又は冷却機構の接触が原因で、レンズを歪ませるおそれがなく、また、送風による冷却を行なう場合のように、レンズに振動を生じてしまうおそれもない。
なお、上記第1の実施形態では、上述したレンズの歪みの抑制、振動の抑制などの観点から赤外線照射機構によりレンズの加熱を行うものとしたが、これに限らず上記赤外線照射機構と同様にレンズの温度調整(部分的な加熱又は冷却など)が可能なものであれば、他の温度調整機構(加熱機構又は冷却機構など)を用いても良い。例えば、ヒートシンクと熱源との組み合わせなどの接触式の加熱機構による加熱、ペルチェ素子などを用いた接触式の冷却機構を用いた冷却、あるいは温度調整された気体の送風による加熱又は冷却、又はこれらの任意の組み合わせなどを採用することとしても良い。
《第2の実施形態》
次に、本発明の第2の実施形態を図12〜図16に基づいて説明する。ここで、前述した第1の実施形態と同一若しくは同等の構成部分については同一の符号を用いるとともにその説明を省略するものとする。
この第2の実施形態に係る露光装置は、レチクルの搬送経路中にレチクルRに付されたバーコードを読み取る不図示のバーコードリーダが設けられている点、及び前述した赤外線照射機構が設けられていない点を除き、前述の露光装置100と同様に構成されている。
ところで、前述したVパターンベストフォーカス面、Hパターンベストフォーカス面は、例えば図12に示されるように、照明光ILの照射時間の経過とともに変動する。そこで、本第2の実施形態では、上述したX軸ダイポール照明条件下、Y軸ダイポール照明条件下それぞれにおける、Vパターンベストフォーカス面、Hパターンベストフォーカス面が予め求められ、メモリに記憶されている。
次に、本第2の実施形態における露光シーケンスについて簡単に説明する。
不図示のレチクルローダを介して、レチクルステージRST上にレチクルRがロードされるが、該レチクルRの搬送中に不図示のバーコードリーダによりレチクルRに付されたバーコードが読み取られ、このバーコードリーダで読み取られた情報が主制御装置21に送られる。
主制御装置21は、その情報に基づいて、そのレチクルRに形成されているパターンの情報を得、このパターンの種類の応じてそのパターンの転写に適した照明条件を、照明系内の回折光学ユニット2A,ズーム光学系2Bを用いて前述のようにして設定する。
例えば、ロードされたレチクルRのパターン面に形成されたパターンが、前述のVパターン主として含む場合(VパターンのHパターンに対する比率が高い場合、又はVパターンのみが含まれる場合)、主制御装置21は、照明条件として前述のX軸ダイポール照明条件を設定する。
また、例えば、ロードされたレチクルRのパターン面に形成されたパターンが、前述のHパターン主として含む場合(HパターンのVパターンに対する比率が高い場合、又はHパターンのみが含まれる場合)、主制御装置21は、照明条件として前述のY軸ダイポール照明条件を設定する。
そして、設定された照明条件の下、基本的には、前述した第1の実施形態と同様の手順で、そのレチクルRのパターンがステップ・アンド・スキャン方式でウエハW上の各ショット領域にそれぞれ転写される。この際、前述の走査露光中に、ウエハAF系19、レチクルAF系12の検出信号に基づいて、レチクルRのパターン面とウエハW表面とが投影光学系PLに関して共役となるように主制御装置21によりウエハ駆動装置42を介してウエハステージWSTがZ軸方向に駆動制御され、フォーカス補正が行われるが、このときレチクルR上のパターンに応じ、メモリ内に記憶されている、前述のVパターンベストフォーカス面、あるいはHパターンベストフォーカス面を目標に、フォーカスが補正される。すなわち、本第2の実施形態に係る露光装置では、各プロセスで必要とされるパターンの周期方向(Vパターン、Hパターンのいずれを多く含むか)に応じて適切な照明条件及びその主体と成るパターンの周期方向に着目して投影光学系PLの光軸方向に関するウエハWの位置が調整される。
以上説明したように、本第2の実施形態によると、例えば、投影光学系PLの光軸に直交する面内のX軸方向を周期方向とするパターン(Vパターン)を主として含むパターン(X軸方向を周期方向とするパターン(Vパターン)のみから成るパターンを含む)を転写する際、Vパターンのベストフォーカス位置にウエハW表面が一致するようにウエハWのZ位置が調整される。また、例えば投影光学系PLの光軸に直交する面内のY軸方向を周期方向とするパターンを主として含むパターン(Y軸方向を周期方向とするパターン(Hパターン)のみから成るパターンを含む)を転写する際、Hパターンのベストフォーカス位置にウエハW表面が一致するようにウエハWのZ位置が調整される。
そして、上記のようにしてZ位置が調整されたウエハW上に上記の照明条件下でパターンが転写される。
従って、本第2の実施形態では、対象とする周期方向のパターンにのみフォーカスに合わせることにより、対象となるパターンをベストフォーカスで露光することが可能となり、照明条件に起因して生じる投影光学系のセンターアスの影響を低減し、高精度な露光を実現することができる。
この場合、図12からもわかるように、Vパターン、Hパターンのいずれのパターンの転写の際にも、V、Hパターンの平均フォーカス面にフォーカスを合わせると、フォーカスずれが生じるが、本第2の実施形態の露光方法では、このようなフォーカスずれの発生を効果的に抑制することができる。
次に、本第2の実施形態に係る露光装置を用いて、第1の照明条件としてのX軸ダイポール照明条件の下で第1パターンをステップ・アンド・スキャン方式でウエハ上に転写する工程と、第2の照明条件としてのY軸ダイポール照明条件の下で第2パターンをステップ・アンド・スキャン方式でウエハ上に転写する工程とを、1ロットのウエハ毎に交互に行う場合を考える。この場合、第1パターンは、X軸ダイポール照明条件に応じた方向(X軸方向)を周期方向とする周期パターン(Vパターン)を主として含むパターンであり、第2パターンは、Y軸ダイポール照明条件に応じた方向(Y軸方向)を周期方向とする周期パターン(Hパターン)を主として含むパターンであるものとする。
このようなX軸ダイポール照明条件下、Y軸ダイポール照明条件下での交互の露光により、投影光学系PLは図13のような温度部分布となる。この図13に示されるように1枚の大きなレンズとみなされた投影光学系PLのA−A線断面は、図14に示されるように、照明光吸収後に熱変形し、投影光学系PLのB−B線断面は、図15に示されるように熱変形する。この場合、先に説明した図8及び図9同士と比べて、図13の走査方向であるA−A軸断面、非走査方向であるB−B軸断面同士の形状が似ている。
すなわち、X軸ダイポール照明条件の下で第1パターンを転写する工程と、Y軸ダイポール照明条件の下で第2パターンを転写する工程とを、交互に繰り返すことにより、異方性の結像特性(例えばセンターアス)が投影光学系に生じるようなX軸ダイポール照明条件下で第1パターンがウエハ上に転写され、次いでそのX軸ダイポール照明条件下で投影光学系に生じる異方性の結像特性(例えばセンターアス)を緩和するような結像特性が投影光学系に生じるようなY軸ダイポール照明条件の下で第2パターンがウエハ上に転写される。
このため、第2パターンは、異方性の結像特性(例えばセンターアス)が緩和された状態でウエハ上に転写されることとなり、少なくとも第2パターンの転写に際しては、照明条件に起因して生じる投影光学系の異方性の結像特性、例えばセンターアスの影響を低減し、高精度な露光を実現することができる。
図16には、この場合の投影光学系PLに発生するセンターアスの変化の様子が、横軸を時間軸として示されている。この図16から明らかなように、第1パターン(Vパターンを主体とする)をX軸ダイポール照明条件下で露光し続ける場合(図16に点線にて示される状態)と、上記方法を用いた場合とで、投影光学系に発生するセンターアスの最大量を見てみると、前者がbで、後者がa(<b)である。従って、上述のX軸ダイポール照明条件下、Y軸ダイポール照明条件下での交互の露光を行うことにより、センターアスを低減することができ、高精度な露光を実現することが可能となる。勿論、この場合も、第1パターン、第2パターンの転写時のいずれのときにも、それぞれのパターンをベストフォーカスで露光することは言うまでもない。
なお、ロット間(及びレチクル交換の間)は、照明光の照射が行われないので、センターアスが僅かながら軽減することが、図16からわかる。
なお、上記の説明では、X軸ダイポール照明条件の下で第1パターンを転写する工程と、Y軸ダイポール照明条件の下で第2パターンを転写する工程とを、交互に繰り返すものとしたが、これに限らず、異方性の結像特性が投影光学系に生じるような所定の照明条件下であるパターンを感光物体上に転写し、前記照明条件下で投影光学系に生じる異方性の結像特性を緩和するような結像特性が投影光学系に生じるような別の照明条件下で別のパターンを感光物体上に転写するようにしても良い。
この場合、各パターンは、異方性の結像特性が緩和された状態で感光物体上に転写されることとなり、照明条件に起因して生じる投影光学系の異方性の結像特性、例えばセンターアスの影響を低減し、高精度な露光を実現することができる。
なお、照明条件や転写対象のパターンの組み合わせによっては、1回の露光工程で転写すべきパターンを要求される精度で転写できない場合があり、その場合に、1枚のウエハに対して、所定の照明条件による所定のレチクルの露光を終了した後に、レチクルを交換し、また必要に応じて照明条件を変更して、上記のウエハ上に別のパターンを露光(二重露光)して、所望のパターンを形成する場合がある。この二重露光において、上記のX軸ダイポール照明条件の下で第1パターンを転写する工程と、Y軸ダイポール照明条件の下で第2パターンを転写する工程とを交互に繰り返す方法を採用することができる場合があり、このような場合に前述した照明条件に起因して生じる投影光学系の異方性の結像特性(例えばセンターアス)の影響を低減した状態での二重露光が可能となり、より一層効果的である。また、二重露光に限らず、スティッチング露光においても適用することができる。
なお、上記と同様の効果を得るために、以下のような構成を採用することもできる。
すなわち、同一のレチクルパターンを連続して複数枚のウエハに転写する場合であっても、所定枚数のウエハの露光の終了する毎に、レチクルローダ及びウエハローダを介して、レチクル及びウエハの載置方向を水平面内(XY面内)で90°回転するとともに、主制御装置21の指示の下、照明条件も照明領域が水平面内で光軸を中心として90°回転するように設定する。このようにすることで、投影光学系PLのレンズは、図13と同様の熱分布となるので、非回転対称な収差の発生及びセンターアスの発生が極力低減され、上記第2の実施形態と同等の効果を得ることが可能となる。
この場合、ウエハステージWSTとレチクルステージRSTの走査方向も変更(具体的にはY軸方向からX軸方向に変更)する必要があるが、レチクルステージRSTを2次元方向に移動可能な構成とし、レチクルブラインド7もZ軸方向に開閉自在とするとともに、X軸方向にも開閉自在とすることで実現可能である。この場合、所定枚数のウエハ毎に限らず、ウエハ1枚ごとに走査方向を90°回転した状態で露光することとしても良い。
なお、同一のレチクルパターンを連続して複数枚のウエハに転写する場合に、所定枚数のウエハの露光の終了する毎に、投影光学系PLをその光軸を中心として90°回転させるだけでも良い。このようにしても、上記第2の実施形態と同等の効果を得ることが可能である。
また、上記各実施形態では、投影光学系として屈折系を用いるものとしたが、本発明がこれに限られるものではなく、屈折光学素子と反射光学素子(凹面鏡やビームスプリッタ等)とを組み合わせたいわゆるカタディオプトリック系(反射屈折系)の場合、パターンを照明する照明領域がその光軸から偏心する場合が多いが、前述した異方性の結像特性(例えばセンターアス)の補正に加えて、照明領域の偏心に起因するディストーション又はコマ収差、すなわち投影光学系の波面収差をツェルニケ多項式を用いて級数展開した複数のツェルニケ項のうちの1θ成分項を合わせて補正することが望ましい。この場合、前述の結像特性補正機構を用いてディストーション又はコマ収差を補正すれば良い。
また、投影光学系として反射屈折系を用いる場合に、その投影光学系内に反射屈折の経路を2つ設ける(光軸の両側にミラーを配置する)こととし、所定時間経過ごとに2つの経路を切り換えて用いることとしても良い。
また、上記各実施形態において、特許文献1に記載されるように、結像特性の初期調整により、非走査方向に細長い照明領域に起因して生じる異方性の結像特性を併せて補正することとしても良い。
なお、上記各実施形態では、露光用の照明光ILとして、F2レーザ光、ArFエキシマレーザ光、KrFエキシマレーザ光などを用いるものとしたが、これに限らず、他の真空紫外光、例えばKr2レーザ光、Ar2レーザ光は勿論、超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(g線、i線など)を用いることも可能である。例えば、真空紫外光として、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(Er)(又はエルビウムとイッテルビウム(Yb)の両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
なお、上記各実施形態では、ステップ・アンド・スキャン方式等の走査型露光装置に本発明が適用された場合について説明したが、本発明の適用範囲がこれに限定されないことは勿論である。すなわちステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置にも本発明は好適に適用できる。この他、例えば国際公開WO99/49504号などに開示される、投影光学系PLとウエハとの間に液体が満たされる液浸型露光装置などにも本発明を適用しても良い。液浸型露光装置は、反射屈折型の投影光学系を用いる走査露光方式でも良いし、あるいは投影倍率が1/8の投影光学系を用いる静止露光方式でも良い。後者の液浸型露光装置では、基板上に大きなパターンを形成するために、ステップ・アンド・スティッチ方式を採用することが好ましい。
なお、複数のレンズから構成される照明ユニット、投影光学系を露光装置本体に組み込み、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるウエハステージ(スキャン型の場合はレチクルステージも)を露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記各実施形態の露光装置等の本発明に係る露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
なお、本発明は、半導体製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子などを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、及び撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、有機EL、DNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。ここで、DUV(遠紫外)光やVUV(真空紫外)光などを用いる露光装置では一般的に透過型レチクルが用いられ、レチクル基板としては石英ガラス、フッ素がドープされた石英ガラス、螢石、フッ化マグネシウム、又は水晶などが用いられる。また、プロキシミティ方式のX線露光装置、又は電子線露光装置などでは透過型マスク(ステンシルマスク、メンブレンマスク)が用いられ、マスク基板としてはシリコンウエハなどが用いられる。
《デバイス製造方法》
次に上述した露光装置をリソグラフィ工程で使用したデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
図17には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図17に示されるように、まず、ステップ201(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ202(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ203(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
次に、ステップ204(ウエハ処理ステップ)において、ステップ201〜ステップ203で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ205(デバイス組立てステップ)において、ステップ204で処理されたウエハを用いてデバイス組立てを行う。このステップ205には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
最後に、ステップ206(検査ステップ)において、ステップ205で作成されたデバイスの動作確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
図18には、半導体デバイスにおける、上記ステップ204の詳細なフロー例が示されている。図18において、ステップ211(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ212(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ213(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ214(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ211〜ステップ214それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ215(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ216(露光ステップ)において、上で説明した露光装置及び露光方法によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ217(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ218(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ219(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ216)において上記各実施形態に係る露光装置及び露光方法が用いられるので、精度良くレチクルのパターンをウエハ上に転写することができる。この結果、高集積度のデバイス(マイクロデバイス)の生産性(歩留まりを含む)を向上させることが可能になる。
以上説明したように、本発明の露光方法は、照明光によりマスクを照明し、マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して感光物体上に転写するのに適している。また、本発明のデバイス製造方法は、半導体素子、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するのに適している。
本発明の露光方法を実施するのに好適な第1の実施形態に係る走査型露光装置の構成を概略的に示す図である。 図1の投影光学系の内部構成を、大気圧センサとともに概略的に示す図である。 投影光学系内に導入されたファイバの配置例を示す図である。 X軸ダイポール照明条件下における投影光学系の瞳面近傍のレンズ(30c,30d,30g)上での光量分布を示す図である。 Y軸ダイポール照明条件下における投影光学系の瞳面近傍のレンズ(30c,30d,30g)上での光量分布を示す図である。 図4の照明条件下における投影光学系の温度分布を示す図である。 図5の照明条件下における投影光学系の温度分布を示す図である。 図6のA−A線断面を示す図である。 図6のB−B線断面を示す図である。 投影光学系でセンターアスが発生した状態を示す図である。 レチクルR上に形成されたHパターンとVパターンとから成る複合パターンを示す図である。 本発明の第2の実施形態に関連する図であって、Hパターンベストフォーカス面、Vパターンベストフォーカス面の照射変動を示す図である。 X軸ダイポール照明条件下、Y軸ダイポール照明条件下での交互の露光により、投影光学系に生じた温度分布を示す図である。 図13の投影光学系のA−A線断面図である。 図13の投影光学系のB−B線断面図である。 X軸ダイポール照明条件下、Y軸ダイポール照明条件下での交互の露光により投影光学系に発生するセンターアスの変化の様子を、横軸を時間軸として示す図である。 本発明に係るデバイス製造方法を説明するためのフローチャートである。 図17のステップ204の具体例を示すフローチャートである。
符号の説明
IL…照明光、R…レチクル(マスク)、PL…投影光学系、W…ウエハ(感光物体)。

Claims (14)

  1. 照明光によりマスクを照明し、前記マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して感光物体上に転写する露光方法であって、
    前記パターンが形成された前記マスクのパターン面に対するフーリエ変換相当面における光量分布が光軸に関して回転非対称となる照明条件の下で前記投影光学系に発生するセンターアスを補正する工程を含む露光方法。
  2. 前記照明条件は、前記パターン面に対するフーリエ変換相当面に光軸からほぼ同一距離だけ偏心した2つの位置で極大値を有する光量分布が形成されるダイポール照明条件であることを特徴とする請求項1に記載の露光方法。
  3. 照明光によりマスクを照明し、前記マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して感光物体上に転写する露光方法であって、
    異方性の結像特性が前記投影光学系に生じるような所定の第1の照明条件下で第1パターンを感光物体上に転写する第1転写工程と;
    前記第1の照明条件下で前記投影光学系に生じる異方性の結像特性を緩和するような結像特性が前記投影光学系に生じるような第2の照明条件下で第2パターンを感光物体上に転写する第2転写工程と;を含む露光方法。
  4. 前記第1の照明条件は、前記第1パターンが形成されたマスクのパターン面に対するフーリエ変換相当面に第1軸方向に関して光軸からほぼ同一距離だけ偏心した2つの位置で極大値を有する光量分布が形成される第1のダイポール照明条件であり、
    前記第2の照明条件は、前記第2パターンが形成されたマスクのパターン面に対するフーリエ変換相当面に第1軸方向に直交する第2軸方向に関して光軸からほぼ同一距離だけ偏心した2つの位置で極大値を有する光量分布が形成される第2のダイポール照明条件であることを特徴とする請求項3に記載の露光方法。
  5. 前記第1パターンは、前記第1の照明条件に応じた方向を周期方向とする周期パターンを主として含み、
    前記第2パターンは、前記第2の照明条件に応じた方向を周期方向とする周期パターンを主として含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の露光方法。
  6. 前記第1転写工程と前記第2転写工程とは、交互に実行されることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の露光方法。
  7. 前記第1転写工程、第2転写工程は、前記感光物体の1ロットの処理が終了する毎に、交互に実行されることを特徴とする請求項6に記載の露光方法。
  8. 前記第1転写工程では、前記第1パターンを走査露光方式で感光物体上に転写し、
    前記第2転写工程では、前記第2パターンを走査露光方式で感光物体上に転写することを特徴とする請求項3〜7のいずれか一項に記載の露光方法。
  9. 前記第1転写工程と前記第2転写工程とで、走査方向を90°変更することを特徴とする請求項8に記載の露光方法。
  10. 前記投影光学系は、前記パターンを照明する照明領域がその光軸から偏心した反射屈折系であり、
    前記第1転写工程と前記第2転写工程との少なくとも一方で、前記照明領域の偏心に起因する、前記投影光学系の波面収差をツェルニケ多項式を用いて級数展開した複数のツェルニケ項のうちの1θ成分項を考慮した露光が行われることを特徴とする請求項8又は9に記載の露光方法。
  11. 照明光によりマスクを照明し、前記マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して感光物体上に転写する露光方法であって、
    センターアスが前記投影光学系に生じるような所定の照明条件下で前記パターンの転写を行うに際し、前記照明条件に応じた方向を周期方向とする周期パターンに着目して前記投影光学系の光軸方向に関する前記感光物体の位置を調整する調整工程と;
    前記光軸方向の位置が調整された前記感光物体上に前記パターンを転写する転写工程と;を含む露光方法。
  12. 前記照明条件は、前記パターンが形成されたマスク上のパターン面に対するフーリエ変換相当面に光軸に関して回転非対称な光量分布を生じる照明条件であることを特徴とする請求項11に記載の露光方法。
  13. 前記照明条件は、前記パターン面に対するフーリエ変換相当面に光軸からほぼ同一距離だけ偏心した2つの位置で極大値を有する光量分布が形成されるダイポール照明条件であることを特徴とする請求項12に記載の露光方法。
  14. リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
    前記リソグラフィ工程では、請求項1〜13のいずれか一項に記載の露光方法を実行することを特徴とするデバイス製造方法。
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