JP2002319539A - 仕様決定方法及びコンピュータシステム - Google Patents

仕様決定方法及びコンピュータシステム

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JP2002319539A
JP2002319539A JP2002023567A JP2002023567A JP2002319539A JP 2002319539 A JP2002319539 A JP 2002319539A JP 2002023567 A JP2002023567 A JP 2002023567A JP 2002023567 A JP2002023567 A JP 2002023567A JP 2002319539 A JP2002319539 A JP 2002319539A
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projection optical
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wavefront
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Masato Hamaya
正人 濱谷
Toshio Tsukagoshi
敏雄 塚越
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Nikon Corp
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  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Lenses (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 投影光学系の製造工程の簡略化が可能で、そ
の投影光学系により光学装置が達成すべき目標を確実に
達成せしめる仕様決定方法及びこれを実現するシステム
を提供する。 【解決手段】 コンピュータシステム10は、光学装置
1221〜1223が達成すべき目標情報が入力される第
1コンピュータ120と、第1コンピュータ120から
通信路を介して受信した目標情報に基づいて投影光学系
が満足すべき波面収差を規格値として投影光学系の仕様
を決定する第2コンピュータ130とを備える。従っ
て、投影光学系を製造する際に、決定された仕様を満足
するように、波面収差の計測結果に基づいて投影光学系
を調整することにより、低次収差のみでなく高次収差を
も同時に修正することができ、製造工程が簡略化され
る。しかも、製造された投影光学系により露光装置が達
成すべき目標が確実に達成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、仕様決定方法及び
コンピュータシステムに係り、更に詳しくは、光学装置
に備えられる投影光学系の仕様を決定する仕様決定方
法、該仕様決定方法の実施に好適なコンピュータシステ
ムに関する。本発明は、特に半導体素子や液晶表示素子
等を製造する際にリソグラフィ工程で用いられる露光装
置の投影光学系の仕様の決定に好適に適用できる。
【0002】
【従来の技術】従来より、半導体素子(CPU、DRA
M等)、撮像素子(CCD等)及び液晶表示素子、薄膜
磁気ヘッド等を製造するリソグラフィ工程では、基板上
にデバイスパターンを形成する種々の露光装置が用いら
れている。近年においては、半導体素子等の高集積化に
伴い、高いスループットで微細パターンを精度良くウエ
ハ又はガラスプレート等の基板上に形成可能なステップ
・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆる
ステッパ)やこのステッパに改良を加えたステップ・ア
ンド・スキャン方式の走査型露光装置(いわゆるスキャ
ニング・ステッパ)等の投影露光装置が主として用いら
れている。
【0003】ところで、半導体素子等を製造する場合に
は、異なる回路パターンを基板上に幾層にも積み重ねて
形成する必要があるため、回路パターンが描画されたレ
チクル(又はマスク)と、基板上の各ショット領域に既
に形成されたパターンとを正確に重ね合わせることが重
要である。かかる重ね合せを精度良く行うためには、投
影光学系の光学特性を正確に計測し、これを所望の状態
(例えば、基板上のショット領域(パターン)に対する
レチクルパターンの転写像の倍率誤差などを補正するよ
う)に調整し管理する必要がある。なお、基板上の各シ
ョット領域に第1層目のレチクルパターンを転写する場
合にも、第2層目以降のレチクルパターンを精度良く各
ショット領域に転写するために、投影光学系の結像特性
を調整しておくことが望ましい。
【0004】従来、投影光学系の光学特性(結像特性を
含む)の計測方法として、特定の収差に顕著に反応する
所定の計測用パターンが形成された計測用レチクルを用
いて露光を行い、計測用パターンの投影像が転写された
基板を現像して得られるレジスト像を計測した計測結果
に基づいて光学特性を算出する方法(以下、「焼き付け
法」と呼ぶ)が、主として用いられている。
【0005】従来の露光装置では、いわゆるザイデルの
5収差と呼ばれる球面収差、コマ収差、非点収差、像面
湾曲、歪曲収差(ディストーション)等の低次の収差を
上記焼き付け法によって計測し、この計測結果に基づい
て投影光学系の上記諸収差を調整し管理することが主と
して行われていた。
【0006】例えば、投影光学系のディストーションを
計測する場合には、計測用マークとして、例えば100
μm角の内ボックスマークと200μm角の外ボックス
マークとが形成された計測用レチクルを用い、一方のマ
ークを投影光学系を介して表面にレジストが塗布された
ウエハ上に転写した後、ウエハステージを移動して他方
のマークを投影光学系を介してウエハ上に重ねて転写す
る。投影倍率が例えば1/5倍であるとすると、このウ
エハを現像後には、40μm角のボックスマークの内側
に20μm角のボックスマークが配置されたボックスイ
ンボックスマークのレジスト像が形成されることにな
る。そして、両マークの位置関係とステージ座標系の基
準点からのずれ量とによって投影光学系のディストーシ
ョンを測定する。
【0007】また、例えば投影光学系のコマ収差を計測
する場合には、計測用マークとして、例えば線幅0.9
μmの5本のラインパターンを有するラインアンドスペ
ース(以下、「L/S」と記述する)パターンが形成さ
れた計測用レチクルを用い、このマークを投影光学系を
介して表面にレジストが塗布されたウエハ上に転写す
る。投影倍率が例えば1/5倍であるとすると、このウ
エハを現像後には、線幅0.18μmのL/Sパターン
のレジスト像が形成されることになる。そして、例え
ば、両端のラインパターンの線幅をL1、L5として、
次式(1)で表される線幅異常値を求めてコマ収差を計
測する。 線幅異常値=(L1−L5)/(L1+L5) ……(1)
【0008】また、例えば、投影光学系のベストフォー
カス位置の計測は、ウエハを投影光学系の光軸方向に関
する複数の位置に所定ステップピッチで移動し、各位置
でL/Sパターンを投影光学系を介してウエハ上の異な
る領域に順次転写し、ウエハを現像後に形成されるレジ
スト像の線幅が最大となるウエハの位置をベストフォー
カス位置として計測する。
【0009】球面収差を計測する場合には、デューティ
比の異なる複数種類のL/Sパターンをそれぞれ用い
て、上述のベストフォーカス位置の計測を行い、それら
のベストフォーカス位置の差に基づいて球面収差を計測
する。
【0010】像面湾曲の計測は、投影光学系の視野内の
複数の計測点について、上述したベストフォーカス位置
の計測をそれぞれ行い、その計測結果に基づいて最小自
乗法により像面湾曲を算出する。
【0011】また、例えば投影光学系の非点収差は、周
期方向が直交する2種類の周期パターンそれぞれについ
て、上述したベストフォーカス位置を求め、両者の差に
基づいて非点収差を算出する。
【0012】従来、露光装置の製造に際しての投影光学
系の仕様(スペック)も上記の投影光学系の光学特性の
管理の際と同様の基準によって定められていた。すなわ
ち、焼付け法、あるいはこれと実質的に等価なシミュレ
ーションによって求めた上記の5収差が所定の値以下と
なるように仕様決めを行っていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、半導体素子
は年々高集積化し、これに伴って露光装置には、より一
層の高精度な露光性能が要求されるようになり、近年で
は、上記の手法により低次収差を計測し、この計測結果
に基づいて投影光学系の光学特性を調整するのみでは不
十分となっている。その理由は、次の通りである。
【0014】すなわち、計測用パターン、例えばL/S
パターンの場合、その空間像はL/Sの周期に対応する
基本波及びその高調波の空間周波数成分(固有周波数成
分)を持つが、これらの空間周波数成分が投影光学系の
瞳面を通過する情報はパターンによって定まる。一方、
現実のデバイス製造に用いられるレチクル上には種々の
パターンが存在し、その空間像は無数の空間周波数成分
を含む。従って、上記従来の収差計測方法では、瞳面を
通過する限られた情報を基に収差を特定し調整を行なう
こととなるが、これでは現在あるいは将来的に要求され
る露光精度を達成することは困難だからである。
【0015】この場合において、欠落した情報を検出す
るためには、その部分を補う固有周波数を持つレチクル
パターンを計測する必要が生じるが、その計測は非常に
膨大な計測量となるため、計測時間も膨大となり、およ
そ非現実的である。
【0016】また、計測の対象がレジスト像であるた
め、測定精度、レジストの固有特性等が介在し、レジス
ト像と光学像(収差)との相関を事前に確立した上で測
定データとする必要があった。
【0017】また、収差が大きいと、パターンの空間像
に対しレジスト像が線形性を失ってしまい、正確な収差
計測が困難になる。このような場合、上述したレジスト
の固有特性を計測できる(線形性が保たれる)レベルま
でレチクル上の計測用パターンのピッチ、線幅等(空間
周波数)を変える等して、正確な収差計測ができるよう
にする必要もあった。
【0018】同様の理由により、投影光学系の仕様を上
述した基準によって決定する手法は、今や限界に達して
いる。これは、決定された仕様を満足する投影光学系を
製造しても、現在あるいは将来的に要求される露光精度
を達成できないことは明らかだからである。
【0019】かかる事情を考慮し、上記の決定された仕
様に従って投影光学系を製造するに際しても、その製造
段階で、投影光学系の組み立て後に上述した焼付け法に
よりその投影光学系の収差を計測し、その計測結果に基
づいて、ザイデルの5収差(低次収差)が決定された仕
様を満足するようにレンズ素子の組み付け等を調整す
る。そして、その後に、光線追跡等の手法により残存す
る高次収差を検出し、この高次収差が可能な限りに小さ
くなるように、更にレンズ素子の組み付け等(必要な場
合は非球面加工等の再加工を含む)を行うという手順
で、製造段階における投影光学系の調整を行うという方
法も最近では採用されている(特開平10−15465
7号公報等参照)。
【0020】しかしながら、上記の投影光学系の製造方
法では、最低でも低次収差の修正、その後の高次収差の
調整の2段階の収差の調整が必要である上、光線追跡と
いう高速コンピュータを用いて演算しても数日間という
時間を要する作業が必要であった。
【0021】また、従来においては、納入先である露光
装置のユーザーの如何にかかわらず、それぞれの収差の
計測に最適であるとされる計測用パターン(それぞれの
収差に顕著に反応するパターン)を対象パターンとし
て、投影光学系の仕様決めや光学特性の管理等が行われ
ていた。
【0022】しかるに、投影光学系の各収差が、各種の
パターンの結像特性に与える影響は一様でない。例え
ば、コンタクトホールパターンは、非点収差の影響が特
に問題となる。また、細い線幅のラインアンドスペース
パターンは、コマ収差の影響を大きく受ける。また、例
えば、孤立線パターンとラインアンドスペースパターン
とでは、ベストフォーカス位置が異なる。
【0023】従って、要求する投影光学系の光学特性
(収差等)その他の露光装置の性能等もユーザー毎に相
違しているのが現実である。
【0024】本発明は、かかる事情の下になされたもの
で、その第1の目的は、決定された仕様に従って投影光
学系を製造する際の製造工程の簡略化が可能で、かつ製
造された投影光学系により光学装置が達成すべき目標を
確実に達成することを可能とする投影光学系の仕様決定
方法を提供することにある。
【0025】また、本発明の第2の目的は、決定された
仕様に従って投影光学系を製造する際の製造工程の簡略
化が可能で、かつ製造された投影光学系により光学装置
が達成すべき目標を確実に達成することを可能とするコ
ンピュータシステムを提供することにある。
【0026】また、本発明の第3の目的は、最適な露光
条件の設定をほぼ全自動で行うことができるコンピュー
タシステムを提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の仕様決
定方法は、光学装置(1221〜1223)で用いられる
投影光学系(PL)の仕様を決定する仕様決定方法であ
って、前記光学装置が達成すべき目標情報を得る第1工
程と;前記目標情報に基づいて、前記投影光学系が満足
すべき波面収差を規格値として前記投影光学系の仕様を
決定する第2工程と;を含む。
【0028】本明細書において、目標情報とは、解像度
(解像力)、最小線幅、投影光学系に入射する照明光の
波長(中心波長及び波長幅など)、、投影対象のパター
ンの情報、その他の光学装置の性能を決定する投影光学
系に関する何らかの情報であって目標値となり得る情報
を意味する。
【0029】これによれば、光学装置が達成すべき目標
情報に基づいて、投影光学系が満足すべき波面収差を規
格値として投影光学系の仕様が決定される。すなわち、
投影光学系の瞳面における波面の情報、すなわち前述し
た瞳面を通過する、限られた情報とは異なる総合的な情
報を規格値として投影光学系の仕様が決定される。従っ
て、その決定された仕様に従って投影光学系を製造する
際に、波面収差の計測結果に基づいて投影光学系を調整
することにより、低次収差のみでなく高次収差をも同時
に修正することができ、明らかに製造工程が簡略化され
る。しかも、製造された投影光学系により光学装置が達
成すべき目標が確実に達成される。
【0030】この場合において、波面収差を規格値とし
て投影光学系の仕様を決定する方法は、種々考えられ
る。例えば、請求項2に記載に仕様決定方法の如く、前
記第2工程では、前記投影光学系の波面を展開したツェ
ルニケ多項式の各項の係数のうち、前記目標情報に基づ
いて選択した特定の項の係数を規格値として前記投影光
学系の仕様を決定することとすることができる。あるい
は、請求項3に記載の仕様決定方法の如く、前記第2工
程では、前記投影光学系の波面を展開したツェルニケ多
項式の各項の係数のRMS値(Root-means-square valu
e:二乗平均値の平方根)を規格値とし、前記投影光学
系の視野内全体における前記RMS値が所定の許容値を
超えないように前記投影光学系の仕様を決定することと
することができる。あるいは、請求項4に記載の仕様決
定方法の如く、前記第2工程では、前記投影光学系の波
面を展開したツェルニケ多項式の各項の係数の値を規格
値とし、前記係数が個別に定められた各許容値をそれぞ
れ超えないように前記投影光学系の仕様を決定すること
とすることができる。あるいは、請求項5に記載の仕様
決定方法の如く、前記第2工程では、前記投影光学系の
波面を展開したツェルニケ多項式の各項の係数のうち、
着目する特定の収差に対応するn次mθ項の係数の前記
投影光学系の視野内におけるRMS値を規格値とし、前
記RMS値が所定の許容値を超えないように前記投影光
学系の仕様を決定することとすることができる。この
他、請求項6に記載の仕様決定方法の如く、前記第2工
程では、前記投影光学系の波面を展開したツェルニケ多
項式の各項の係数のうち、着目する特定の収差に対応す
る各項をmθ項毎の複数のグループに分離し、各グルー
プに含まれる各項の係数の前記投影光学系の視野内にお
けるRMS値を規格値とし、前記各グループの前記RM
S値が個別に定められた各許容値を超えないように前記
投影光学系の仕様を決定することとすることもできる。
【0031】この他、請求項7に記載の仕様決定方法の
如く、前記第2工程では、前記投影光学系の波面を展開
したツェルニケ多項式の各項の係数に前記目標情報に応
じて重み付けした重み付け後の前記各項の係数のRMS
値を規格値とし、前記重み付け後の前記各項の係数のR
MS値が所定の許容値を超えないように前記投影光学系
の仕様を決定することとすることもできる。
【0032】上記請求項1〜7に記載の各仕様決定方法
において、請求項8に記載の仕様決定方法の如く、前記
目標情報は、前記投影光学系の投影対象であるパターン
の情報を含むこととすることができる。
【0033】この場合において、請求項9に記載の仕様
決定方法の如く、前記第2工程は、前記パターンの情報
に基づいて、前記パターンを前記投影光学系により投影
した際に像面に形成される空間像を求めるためのシミュ
レーションを行う工程と;前記シミュレーション結果を
分析して前記パターンが良好に転写されるために前記投
影光学系に許容される波面収差を規格値として決定する
工程と;を含むこととすることができる。
【0034】この場合において、請求項10に記載の仕
様決定方法の如く、前記シミュレーションでは、前記パ
ターンを対象パターンとした場合に特定の収差に対して
前記パターンに応じて定まる、前記投影光学系の波面を
展開したツェルニケ多項式の各項の係数の感度(Zernik
e Sensitivity)と、前記投影光学系の波面を展開した
ツェルニケ多項式の各項の係数との線形結合に基づいて
前記空間像を求めることとすることができる。
【0035】ここで、「ツェルニケ多項式の各項の係数
の感度(Zernike Sensitivity)」とは、所定の露光条
件の下における、投影光学系の結像性能、例えば諸収差
(あるいはその指標値)のツェルニケ多項式の各項の1
λ当たりの変化量を意味する。本明細書においては、か
かる意味でツェルニケ多項式の各項の係数の感度(Zern
ike Sensitivity)なる用語を用いる。
【0036】上記請求項1〜10に記載の各仕様決定方
法では、光学装置としては種々の光学装置が考えられ、
例えば請求項11に記載の仕様決定方法の如く、前記光
学装置は、所定のパターンを前記投影光学系を介して基
板上に転写する露光装置であることとすることができ
る。
【0037】請求項12に記載のコンピュータシステム
は、光学装置(1221〜1223)で用いられる投影光
学系の仕様を決定するためのコンピュータシステムであ
って、前記光学装置が達成すべき目標情報が入力される
第1コンピュータ(120)と;前記第1コンピュータ
に通信路を介して接続され、前記通信路を介して前記第
1コンピュータから受信した前記目標情報に基づいて、
前記投影光学系が満足すべき波面収差を規格値として前
記投影光学系の仕様を決定する第2コンピュータ(13
0)と;を備える。
【0038】これによれば、第1コンピュータに光学装
置が達成すべき目標情報が入力され、第2コンピュータ
により、通信路を介して第1コンピュータから受信した
目標情報に基づいて、投影光学系が満足すべき波面収差
を規格値として投影光学系の仕様が決定される。すなわ
ち、投影光学系の瞳面における波面の情報、すなわち前
述した瞳面を通過する、限られた情報とは異なる総合的
な情報を規格値として投影光学系の仕様が決定される。
従って、その決定された仕様に従って投影光学系を製造
する際に、波面収差の計測結果に基づいて投影光学系を
調整することにより、低次収差のみでなく高次収差をも
同時に修正することができ、明らかに製造工程が簡略化
される。しかも、製造された投影光学系により光学装置
が達成すべき目標が確実に達成される。
【0039】この場合において、請求項13に記載のコ
ンピュータシステムの如く、前記目標情報は、前記投影
光学系の投影対象であるパターンの情報を含み、前記第
2コンピュータは、前記パターンの情報に基づいて、前
記パターンを前記投影光学系により投影した際に像面に
形成される空間像を求めるためのシミュレーションを行
うとともに、前記シミュレーション結果を分析して前記
パターンが良好に転写されるために前記投影光学系に許
容される波面収差を規格値として決定することとするこ
とができる。
【0040】この場合において、請求項14に記載のコ
ンピュータシステムの如く、前記第2コンピュータは、
前記パターンを対象パターンとした場合に特定の収差に
対して前記パターンに応じて定まる、前記投影光学系の
波面を展開したツェルニケ多項式の各項の係数の感度
(Zernike Sensitivity)と、前記投影光学系の波面を
展開したツェルニケ多項式の各項の係数との線形結合に
基づいて前記空間像を求めることとすることができる。
【0041】上記請求項12〜14に記載の各コンピュ
ータシステムにおいて、光学装置としては、種々のもの
が使用でき、例えば請求項15に記載のコンピュータシ
ステムの如く、前記光学装置は、所定のパターンを前記
投影光学系を介して基板上に転写する露光装置であるこ
ととすることができる。
【0042】請求項16に記載のコンピュータシステム
は、所定のパターンを投影光学系を介して基板上に転写
する露光装置本体に接続された第1コンピュータと;前
記第1コンピュータに通信路を介して接続され、前記通
信路を介して前記第1コンピュータから受信した前記パ
ターンの情報と前記投影光学系の既知の収差情報とに基
づいて、前記パターンを前記投影光学系により投影した
際に像面に形成される空間像を求めるためのシミュレー
ションを行い、前記シミュレーション結果を分析して最
良露光条件を決定する第2コンピュータと;を備える。
【0043】これによれば、第2コンピュータでは、通
信路を介して第1コンピュータから受信した前記パター
ンの情報と投影光学系の既知の収差情報とに基づいて、
前記パターンを投影光学系により投影した際に像面に形
成される空間像を求めるためのシミュレーションを行
い、そのシミュレーション結果を分析して最良露光条件
を決定する。従って、最適な露光条件の設定をほぼ全自
動で行うことが可能となる。
【0044】この場合において、請求項17に記載のコ
ンピュータシステムの如く、前記パターンの情報は、露
光条件の一部として前記第1コンピュータに入力された
ものであっても良いし、あるいは、請求項18に記載の
コンピュータシステムの如く、前記露光装置本体へのマ
スクの搬送経路上で前記マスクに記録された前記パター
ンの情報を読み取る情報読み取り装置を更に備える場合
には、前記パターンの情報は、前記読み取り装置を介し
て前記第1コンピュータに入力されるものであっても良
い。
【0045】上記請求項16〜18に記載の各コンピュ
ータシステムにおいて、請求項19に記載のコンピュー
タシステムの如く、前記第2コンピュータは、前記決定
した最良露光条件を前記通信路を介して前記第1コンピ
ュータに送信することとすることができる。
【0046】この場合において、請求項20に記載のコ
ンピュータシステムの如く、前記第1コンピュータは、
前記露光装置本体の露光条件として前記最良露光条件を
設定することとすることができる。
【0047】上記請求項16〜20に記載の各コンピュ
ータシステムにおいて、請求項21に記載のコンピュー
タシステムの如く、前記第2コンピュータは、前記パタ
ーンを対象パターンとした場合に特定の収差に対して前
記パターンに応じて定まる、前記投影光学系の波面を展
開したツェルニケ多項式の各項の係数の感度(Zernike
Sensitivity)と、前記第1コンピュータから前記通信
路を介して送信された前記投影光学系の波面の計測結果
に基づいて得られる前記投影光学系の波面を展開したツ
ェルニケ多項式の各項の係数との線形結合に基づいて前
記空間像を求めることとすることができる。
【0048】この場合において、請求請22に記載のコ
ンピュータシステムの如く、前記波面の計測結果は、前
記第1コンピュータに入力されたものであっても良い
し、あるいは、請求項23に記載のコンピュータシステ
ムの如く、前記投影光学系の波面を計測する波面計測装
置を更に備える場合には、前記波面の計測結果は、前記
波面計測装置による波面の計測結果として前記第1コン
ピュータが自ら取得したものであっても良い。
【0049】上記請求項16〜23に記載の各コンピュ
ータシステムにおいて、最良露光条件としては種々のも
のが考えられる。例えば、請求項24に記載のコンピュ
ータシステムの如く、前記最良露光条件は、前記露光装
置本体による露光に適したパターンの情報を含むことと
することができる。あるいは、請求項25に記載のコン
ピュータシステムの如く、前記最良露光条件は、前記所
定のパターンを転写する際の照明条件及び前記投影光学
系の開口数の少なくとも一方を含むこととすることがで
きる。
【0050】あるいは、請求項26に記載のコンピュー
タシステムの如く、前記最良露光条件は、前記所定のパ
ターンを転写する際の前記投影光学系の収差を含むこと
とすることができる。
【0051】上記請求項16〜26に記載の各コンピュ
ータシステムにおいて、請求項27に記載のコンピュー
タシステムの如く、前記通信路を介して前記第2コンピ
ュータに接続された前記露光装置本体が備える前記投影
光学系による前記パターンの投影像の形成状態を調整す
る調整装置を更に備え、前記第2コンピュータは、前記
決定した最良露光条件に基づいて前記調整装置を制御す
ることとすることができる。
【0052】上記請求項12〜27に記載の各コンピュ
ータシステムにおいて、請求項28に記載のコンピュー
タシステムの如く、前記通信路は、ローカルエリアネッ
トワークであっても良いし、請求項29に記載のコンピ
ュータシステムの如く、前記通信路は、公衆回線を含む
こととしても良い。あるいは、請求項30に記載のコン
ピュータシステムの如く、前記通信路は、無線回線を含
むこととしても良い。
【0053】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図1
〜図11に基づいて説明する。
【0054】図1には、本発明の一実施形態に係るコン
ピュータシステムの全体構成が示されている。
【0055】この図1に示されるコンピュータシステム
10は、露光装置等のデバイス製造装置のユーザーであ
るデバイスメーカ(以下、適宜「メーカA」と呼ぶ)の
半導体工場内のリソグラフィシステム112と、該リソ
グラフィシステム112にその一部に公衆回線116を
含む通信路を介して接続された露光装置メーカ(以下、
適宜「メーカB」と呼ぶ)のコンピュータシステム11
4とを備えている。
【0056】前記リソグラフィシステム112は、ロー
カルエリアネットワーク(LAN)118を介して相互
に接続された第1コンピュータとしての第1通信サーバ
120、光学装置としての第1露光装置1221,第2
露光装置1222,第3露光装置1223、及び第1認証
用プロキシサーバ124等を含んで構成されている。
【0057】第1通信サーバ120、及び第1〜第3露
光装置1221〜1223のそれぞれには、識別のための
アドレスAD1〜AD4がそれぞれ割り当てられている
ものとする。
【0058】前記第1認証用プロキシサーバ124は、
LAN118と公衆回線116との間に設けられ、ここ
では一種のファイアウォールとして機能している。すな
わち、第1認証用プロキシサーバ124は、LAN11
8上を流れる通信データが外部に漏れないようにすると
ともに、アドレスAD1〜AD4が付された外部からの
情報のみを通過させ、それ以外の情報の通過を阻止する
ことによってLAN118を外部からの不正進入から保
護している。
【0059】前記コンピュータシステム114は、LA
N126を介して相互に接続された第2認証用プロキシ
サーバ128及び第2コンピュータとしての第2通信サ
ーバ130等を含んで構成されている。ここでは、第2
通信サーバ130には、識別のためのアドレスAD5が
割り当てられているものとする。
【0060】前記第2認証用プロキシサーバ128は、
前述した第1認証用プロキシサーバ124と同様に、L
AN126上を流れる通信データが外部に漏れないよう
にするとともに、LAN126を外部からの不正進入か
ら保護する一種のファイアウォールの役目を有してい
る。
【0061】本実施形態では、第1〜第3露光装置12
1〜1223から外部に対するデータの送信は、第1通
信サーバ120及び第1認証用プロキシサーバ124を
介して行われ、外部から第1〜第3露光装置1221
1223に対するデータの送信は、第1認証用プロキシ
サーバ124を介して直接に、あるいは第1認証用プロ
キシサーバ124及び第1通信サーバ120を介して行
われるようになっている。
【0062】図2には、前記第1露光装置1221の概
略構成が示されている。この露光装置1221は、露光
用光源(以下「光源」という)にパルスレーザ光源を用
いたステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装
置、すなわちいわゆるステッパである。
【0063】露光装置1221は、光源16及び照明光
学系12から成る照明系、この照明系からのエネルギビ
ームとしての露光用照明光ELにより照明されるマスク
としてのレチクルRを保持するマスクステージとしての
レチクルステージRST、レチクルRから出射された露
光用照明光ELを基板としてのウエハW上(像面上)に
投射する投影光学系PL、ウエハWを保持するZチルト
ステージ58が搭載されたウエハステージWST、及び
これらの制御系等を備えている。
【0064】前記光源16としては、ここでは、F2
ーザ光源(出力波長157nm)あるいはArFエキシ
マレーザ光源(出力波長193nm)等の真空紫外域の
パルス光を出力するパルス紫外光源が用いられている。
なお、光源16として、KrFエキシマレーザ光源(出
力波長248nm)などの紫外域のパルス光を出力する
光源を用いても良い。
【0065】前記光源16は、実際には、照明光学系1
2の各構成要素及びレチクルステージRST、投影光学
系PL、及びウエハステージWST等から成る露光装置
本体が収納されたチャンバ11が設置されたクリーンル
ームとは別のクリーン度の低いサービスルームに設置さ
れており、チャンバ11にビームマッチングユニットと
呼ばれる光軸調整用光学系を少なくとも一部に含む不図
示の送光光学系を介して接続されている。この光源16
では、主制御装置50からの制御情報TSに基づいて、
内部のコントローラにより、レーザ光LBの出力のオン
・オフ、レーザ光LBの1パルスあたりのエネルギ、発
振周波数(繰り返し周波数)、中心波長及びスペクトル
半値幅(波長幅)などが制御されるようになっている。
【0066】前記照明光学系12は、シリンダレンズ、
ビームエキスパンダ(いずれも不図示)及びオプティカ
ルインテグレータ(ホモジナイザ)22等を含むビーム
整形・照度均一化光学系20、照明系開口絞り板24、
第1リレーレンズ28A、第2リレーレンズ28B、レ
チクルブラインド30、光路折り曲げ用のミラーM及び
コンデンサレンズ32等を備えている。なお、オプティ
カルインテグレータとしては、フライアイレンズ、ロッ
ドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)、ある
いは回折光学素子などを用いることができる。本実施形
態では、オプティカルインテグレータ22としてフライ
アイレンズが用いられているので、以下ではフライアイ
レンズ22とも呼ぶものとする。
【0067】前記ビーム整形・照度均一化光学系20
は、チャンバ11に設けられた光透過窓17を介して不
図示の送光光学系に接続されている。このビーム整形・
照度均一化光学系20は、光源16でパルス発光され光
透過窓17を介して入射したレーザビームLBの断面形
状を、例えばシリンダレンズやビームエキスパンダを用
いて整形する。そして、ビーム整形・照度均一化光学系
20内部の射出端側に位置するフライアイレンズ22
は、レチクルRを均一な照度分布で照明するために、前
記断面形状が整形されたレーザビームの入射により、照
明光学系12の瞳面とほぼ一致するように配置されるそ
の射出側焦点面に多数の点光源(光源像)から成る面光
源(2次光源)を形成する。この2次光源から射出され
るレーザビームを以下においては、「照明光EL」と呼
ぶものとする。
【0068】フライアイレンズ22の射出側焦点面の近
傍に、円板状部材から成る照明系開口絞り板24が配置
されている。この照明系開口絞り板24には、ほぼ等角
度間隔で、例えば通常の円形開口より成る開口絞り(通
常絞り)、小さな円形開口より成りコヒーレンスファク
タであるσ値を小さくするための開口絞り(小σ絞
り)、輪帯照明用の輪帯状の開口絞り(輪帯絞り)、及
び変形光源法用に複数の開口を偏心させて配置して成る
変形開口絞り(図1ではこのうちの2種類の開口絞りの
みが図示されている)等が配置されている。この照明系
開口絞り板24は、主制御装置50により制御されるモ
ータ等の駆動装置40により回転されるようになってお
り、これによりいずれかの開口絞りが照明光ELの光路
上に選択的に設定され、後述するケーラー照明における
光源面形状が、輪帯、小円形、大円形、あるいは四つ目
等に制限される。
【0069】なお、開口絞り板24の代わりに、あるい
はそれと組み合わせて、例えば照明光学系内に交換して
配置される複数の回折光学素子、照明光学系の光軸に沿
って可動なプリズム(円錐プリズム、多面体プリズムな
ど)、及びズーム光学系の少なくとも1つを含む光学ユ
ニットを、光源16とオプティカルインテグレータ22
との間に配置し、オプティカルインテグレータ22がフ
ライアイレンズであるときはその入射面上での照明光の
強度分布、オプティカルインテグレータ22が内面反射
型インテグレータであるときはその入射面に対する照明
光の入射角度範囲などを可変とすることで、照明光学系
の瞳面上での照明光の光量分布(2次光源の大きさや形
状)、すなわちレチクルRの照明条件の変更に伴う光量
損失を抑えることが望ましい。なお、本実施形態では内
面反射型インテグレータによって形成される複数の光源
像(虚像)をも2次光源と呼ぶものとする。
【0070】照明系開口絞り板24から出た照明光EL
の光路上に、レチクルブラインド30を介在させて第1
リレーレンズ28A及び第2リレーレンズ28Bから成
るリレー光学系が配置されている。レチクルブラインド
30は、レチクルRのパターン面に対する共役面に配置
され、レチクルR上の矩形の照明領域IARを規定する
矩形開口が形成されている。ここで、レチクルブライン
ド30としては、開口形状が可変の可動ブラインドが用
いられており、主制御装置50によってマスキング情報
とも呼ばれるブラインド設定情報に基づいてその開口が
設定されるようになっている。
【0071】リレー光学系を構成する第2リレーレンズ
28B後方の照明光ELの光路上には、当該第2リレー
レンズ28Bを通過した照明光ELをレチクルRに向け
て反射する折り曲げミラーMが配置され、このミラーM
後方の照明光ELの光路上にコンデンサレンズ32が配
置されている。
【0072】以上の構成において、フライアイレンズ2
2の入射面、レチクルブラインド30の配置面、及びレ
チクルRのパターン面は、光学的に互いに共役に設定さ
れ、フライアイレンズ22の射出側焦点面に形成される
光源面(照明光学系の瞳面)、投影光学系PLのフーリ
エ変換面(射出瞳面)は光学的に互いに共役に設定さ
れ、ケーラー照明系となっている。
【0073】このようにして構成された照明系の作用を
簡単に説明すると、光源16からパルス発光されたレー
ザビームLBは、ビーム整形・照度均一化光学系20に
入射して断面形状が整形された後、フライアイレンズ2
2に入射する。これにより、フライアイレンズ22の射
出側焦点面に前述した2次光源が形成される。
【0074】上記の2次光源から射出された照明光EL
は、照明系開口絞り板24上のいずれかの開口絞りを通
過した後、第1リレーレンズ28Aを経てレチクルブラ
インド30の矩形開口を通過した後、第2リレーレンズ
28Bを通過してミラーMによって光路が垂直下方に折
り曲げられた後、コンデンサレンズ32を経て、レチク
ルステージRST上に保持されたレチクルR上の矩形の
照明領域IARを均一な照度分布で照明する。
【0075】前記レチクルステージRST上にはレチク
ルRが装填され、不図示の静電チャック(又はバキュー
ムチャック)等を介して吸着保持されている。レチクル
ステージRSTは、不図示の駆動系により水平面(XY
平面)内で微小駆動(回転を含む)が可能な構成となっ
ている。なお、レチクルステージRSTの位置は、不図
示の位置検出器、例えばレチクルレーザ干渉計によっ
て、所定の分解能(例えば0.5〜1nm程度の分解
能)で計測され、この計測結果が主制御装置50に供給
されるようになっている。
【0076】なお、レチクルRに用いる材質は、使用す
る光源によって使い分ける必要がある。すなわち、Ar
Fエキシマレーザ、KrFエキシマレーザを光源とする
場合は、合成石英、ホタル石等のフッ化物結晶、あるい
はフッ素ドープ石英等を用いることができるが、F2
ーザを用いる場合には、ホタル石等のフッ化物結晶や、
フッ素ドープ石英等で形成する必要がある。
【0077】前記投影光学系PLは、例えば両側テレセ
ントリックな縮小系が用いられている。この投影光学系
PLの投影倍率は例えば1/4、1/5あるいは1/6
等である。このため、前記の如くして、照明光ELによ
りレチクルR上の照明領域IARが照明されると、その
レチクルRに形成されたパターンが投影光学系PLによ
って前記投影倍率で縮小された像が表面にレジスト(感
光剤)が塗布されたウエハW上の矩形の露光領域IA
(通常は、ショット領域に一致)に投影され転写され
る。
【0078】投影光学系PLとしては、図2に示される
ように、複数枚、例えば10〜20枚程度の屈折光学素
子(レンズ素子)13のみから成る屈折系が用いられて
いる。この投影光学系PLを構成する複数枚のレンズ素
子13のうち、物体面側(レチクルR側)の複数枚(こ
こでは、説明を簡略化するために4枚とする)のレンズ
素子131,132,133,134は、結像特性補正コン
トローラ48によって外部から駆動可能な可動レンズと
なっている。レンズ素子131〜134は、不図示の二重
構造のレンズホルダをそれぞれ介して鏡筒に保持されて
いる。このうち、レンズ素子131,132,134は、
これらを保持する内側レンズホルダに保持され、この内
側レンズホルダが不図示の駆動素子、例えばピエゾ素子
などにより重力方向に3点で外側レンズホルダに対して
支持されている。そして、これらの駆動素子に対する印
加電圧を独立して調整することにより、レンズ素子13
1,132,134を投影光学系PLの光軸方向であるZ
軸方向にシフト駆動、及びXY面に対する傾斜方向(す
なわちX軸回りの回転方向及びY軸回りの回転方向)に
駆動可能(チルト可能)な構成となっている。また、レ
ンズ素子133は、不図示の内側レンズホルダに保持さ
れ、この内側レンズホルダの外周面と外側レンズホルダ
の内周面との間に例えばほぼ90°間隔でピエゾ素子な
どの駆動素子が配置されており、相互に対向する2つの
駆動素子をそれぞれ一組として、各駆動素子に対する印
加電圧を調整することにより、レンズ素子133をXY
面内で2次元的にシフト駆動可能な構成となっている。
【0079】その他のレンズ素子13は、通常のレンズ
ホルダを介して鏡筒に保持されている。なお、レンズ素
子131〜134に限らず、投影光学系PLの瞳面近傍、
又は像面側に配置されるレンズ、あるいは投影光学系P
Lの収差、特にその非回転対称成分を補正する収差補正
板(光学プレート)などを駆動可能に構成しても良い。
更に、それらの駆動可能な光学素子の自由度(移動可能
な方向)は2つ又は3つに限られるものではなく1つ又
は4つ以上でも良い。
【0080】また、投影光学系PLの瞳面の近傍には、
開口数(N.A.)を所定範囲内で連続的に変更可能な
瞳開口絞り15が設けられている。この瞳開口絞り15
としては、例えばいわゆる虹彩絞りが用いられている。
この瞳開口絞り15は、主制御装置50によって制御さ
れる。
【0081】なお、照明光ELとしてArFエキシマレ
ーザ光、KrFエキシマレーザ光を用いる場合には、投
影光学系PLを構成する各レンズ素子としてはホタル石
等のフッ化物結晶や前述したフッ素ドープ石英の他、合
成石英をも用いることができるが、F2レーザ光を用い
る場合には、この投影光学系PLに使用されるレンズの
材質は、全てホタル石等のフッ化物結晶やフッ素ドープ
石英が用いられる。
【0082】前記ウエハステージWSTは、リニアモー
タ等を含むウエハステージ駆動部56によりXY2次元
面内で自在に駆動されるようになっている。このウエハ
ステージWST上に搭載されたZチルトステージ58上
には不図示のウエハホルダを介してウエハWが静電吸着
(あるいは真空吸着)等により保持されている。
【0083】また、Zチルトステージ58は、ウエハス
テージWST上にXY方向に位置決めされ、かつ不図示
の駆動系によりZ軸方向の移動及びXY平面に対する傾
斜駆動が可能な構成となっている。これによってZチル
トステージ58上に保持されたウエハWの面位置(Z軸
方向位置及びXY平面に対する傾斜)が所望の状態に設
定されるようになっている。
【0084】さらに、Zチルトステージ58上には移動
鏡52Wが固定され、外部に配置されたウエハレーザ干
渉計54Wにより、Zチルトステージ58のX軸方向、
Y軸方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)の位置が
計測され、干渉計54Wによって計測された位置情報が
主制御装置50に供給されている。主制御装置50は、
この干渉計54Wの計測値に基づいてウエハステージ駆
動部56(これは、ウエハステージWSTの駆動系及び
Zチルトステージ58の駆動系の全てを含む)を介して
ウエハステージWST(及びZチルトステージ58)を
制御する。
【0085】また、Zチルトステージ58上には、いわ
ゆるベースライン計測用の基準マーク等の基準マークが
計測された基準マーク板FMが、その表面がほぼウエハ
Wの表面と同一高さとなるように固定されている。
【0086】また、Zチルトステージ58の+X側(図
2における紙面内右側)の側面には、着脱自在のポータ
ブルな波面収差計測器80が取り付けられている。
【0087】この波面収差計測器80は、図3に示され
るように、中空の筐体82と、該筐体82の内部に所定
の位置関係で配置された複数の光学素子から成る受光光
学系84と、筐体82の内部の+Y側端部に配置された
受光部86とを備えている。
【0088】前記筐体82は、YZ断面L字状で内部に
空間が形成された部材から成り、その最上部(+Z方向
端部)には、筐体82の上方からの光が筐体82の内部
空間に向けて入射するように、平面視円形の開口82a
が形成されている。また、この開口82aを筐体82の
内部側から覆うようにカバーガラス88が設けられてい
る。カバーガラス88の上面には、クロム等の金属の蒸
着により中央部に円形の開口を有する遮光膜が形成さ
れ、該遮光膜によって、投影光学系PLの波面収差の計
測の際に周囲からの不要な光が受光光学系84に入射す
るのが遮られている。
【0089】前記受光光学系84は、筐体82の内部の
カバーガラス88の下方に、上から下に順次配置され
た、対物レンズ84a,リレーレンズ84b,折り曲げ
ミラー84cと、該折り曲げミラー84cの+Y側に順
次配置されたコリメータレンズ84d、及びマイクロレ
ンズアレイ84eから構成されている。折り曲げミラー
84cは、45°で斜設されており、該折り曲げミラー
84cによって、上方から鉛直下向きに対物レンズ84
aに対して入射した光の光路がコリメータレンズ84d
に向けて折り曲げられるようになっている。なお、この
受光光学系84を構成する各光学部材は、筐体82の壁
の内側に不図示の保持部材を介してそれぞれ固定されて
いる。前記マイクロレンズアレイ84eは、複数の小さ
な凸レンズ(レンズ素子)が光路に対して直交する面内
にアレイ状に配置されて構成されている。
【0090】前記受光部86は、2次元CCD等から成
る受光素子と、例えば電荷転送制御回路等の電気回路等
から構成されている。受光素子は、対物レンズ84aに
入射し、マイクロレンズアレイ84eから出射される光
束のすべてを受光するのに十分な面積を有している。な
お、受光部86による計測データは、不図示の信号線を
介して、あるいは無線送信にて主制御装置50に出力さ
れる。
【0091】上述した波面収差計測器80を用いること
により、投影光学系PLの波面収差の計測を、オン・ボ
ディにて行うことができる。なお、この波面収差計測器
80を用いた投影光学系PLの波面収差の計測方法につ
いては後述する。
【0092】図2に戻り、本実施形態の露光装置122
1には、主制御装置50によってオン・オフが制御され
る光源を有し、投影光学系PLの結像面に向けて多数の
ピンホール又はスリットの像を形成するための結像光束
を光軸AXに対して斜め方向より照射する照射系60a
と、それらの結像光束のウエハW表面での反射光束を受
光する受光系60bとからなる射入射光式の多点焦点位
置検出系(以下、単に「焦点検出系」と呼ぶ)が設けら
れている。この焦点検出系(60a,60b)として
は、例えば特開平6−283403号公報等に開示され
るものと同様の構成のものが用いられる。
【0093】主制御装置50では、露光時等に、受光系
60bからの焦点ずれ信号(デフォーカス信号)、例え
ばSカーブ信号に基づいて焦点ずれが零となるようにウ
エハWのZ位置及びXY面に対する傾斜をウエハステー
ジ駆動部56を介して制御することにより、オートフォ
ーカス(自動焦点合わせ)及びオートレベリングを実行
する。また、主制御装置50では、後述する波面収差の
計測の際に、焦点検出系(60a,60b)を用いて波
面収差計測器80のZ位置の計測及び位置合わせを行
う。このとき、必要に応じて波面収差計測器80の傾斜
計測も行うようにしても良い。
【0094】さらに、露光装置1221は、ウエハステ
ージWST上に保持されたウエハW上のアライメントマ
ーク及び基準マーク板FM上に形成された基準マークの
位置計測等に用いられるオフ・アクシス(off-axis)方
式のアライメント系ALGを備えている。このアライメ
ント系ALGとしては、例えばウエハ上のレジストを感
光させないブロードバンドな検出光束を対象マークに照
射し、その対象マークからの反射光により受光面に結像
された対象マークの像と不図示の指標の像とを撮像素子
(CCD)等を用いて撮像し、それらの撮像信号を出力
する画像処理方式のFIA(Field Image Alignment)
系のセンサが用いられる。なお、FIA系に限らず、コ
ヒーレントな検出光を対象マークに照射し、その対象マ
ークから発生する散乱光又は回折光を検出したり、その
対象マークから発生する2つの回折光(例えば同次数)
を干渉させて検出するアライメントセンサを単独である
いは適宜組み合わせて用いることは勿論可能である。
【0095】さらに、本実施形態の露光装置1221
は、図示は省略されているが、レチクルRの上方に、投
影光学系PLを介してレチクルR上のレチクルマークと
対応する基準マーク板上の基準マークとを同時に観察す
るための露光波長の光を用いたTTR(Through The Re
ticle)アライメント光学系から成る一対のレチクルア
ライメント顕微鏡が設けられている。これらのレチクル
アライメント顕微鏡としては、例えば特開平7−176
468号公報などに開示されるものと同様の構成のもの
が用いられている。
【0096】前記制御系は、図2中、前記主制御装置5
0によって主に構成される。主制御装置50は、CPU
(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモ
リ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等からな
るいわゆるワークステーション(又はマイクロコンピュ
ータ)等から構成され、前述した種々の制御動作を行う
他、装置全体を統括して制御する。主制御装置50は、
例えば露光動作が的確に行われるように、例えば、ウエ
ハステージWSTのショット間ステッピング、露光タイ
ミング等を統括して制御する。
【0097】また、主制御装置50には、例えばハード
ディスクから成る記憶装置42、キーボード,マウス等
のポインティングデバイス等を含んで構成される入力装
置45,CRTディスプレイ(又は液晶ディスプレイ)
等の表示装置44、及びCD−ROM,DVD−RO
M,MOあるいはFD等の情報記録媒体のドライブ装置
46が、外付けで接続されている。さらに、主制御装置
50は、前述したLAN118に接続されている。
【0098】ドライブ装置46にセットされた情報記録
媒体(以下の説明では便宜上CD−ROMとする)に、
後述するようにして波面収差計測器80を用いて計測さ
れた位置ずれ量をツェルニケ多項式の各項の係数に変換
する変換プログラム(以下、便宜上「第1プログラム」
と呼ぶ)が格納されている。
【0099】前記第2、第3露光装置1222、1223
は、上述した第1露光装置1221と同様に構成されて
いる。
【0100】次に、メンテナンス時などに行われる第1
〜第3露光装置1221〜1223における波面収差の計
測方法について説明する。なお、以下の説明において
は、説明の簡略化のため、波面収差計測器80内の受光
光学系84の収差は無視できる程小さいものとする。
【0101】前提として、ドライブ装置46にセットさ
れたCD−ROM内の第1プログラムは、記憶装置42
にインストールされているものとする。
【0102】通常の露光時には、波面収差計測器80
は、Zチルトステージ58から取り外されているため、
波面計測に際しては、まず、サービスエンジニアあるい
はオペレータ等(以下、適宜「サービスエンジニア等」
という)によりZチルトステージ58の側面に対して波
面収差計測器80を取り付ける作業が行われる。この取
付けに際しては、波面計測時に波面収差計測器80が、
ウエハステージWST(Zチルトステージ58)の移動
ストローク内に収まるように、所定の基準面(ここでは
+X側の面)にボルトあるいはマグネット等を介して固
定される。
【0103】上記の取り付け終了後、サービスエンジニ
ア等による計測開始のコマンドの入力に応答して、主制
御装置50では、アライメント系ALGの下方に波面収
差計測器80が位置するように、ウエハステージ駆動部
56を介してウエハステージWSTを移動させる。そし
て、主制御装置50では、アライメント系により波面収
差計測器80に設けられた不図示の位置合わせマークを
検出し、その検出結果とそのときのレーザ干渉計54W
の計測値とに基づいて位置合わせマークの位置座標を算
出し、波面収差計測器80の正確な位置を求める。そし
て、波面収差計測器80の位置計測後、主制御装置50
では以下のようにして波面収差の計測を実行する。
【0104】まず、主制御装置50は、不図示のレチク
ルローダによりピンホールパターンが形成された不図示
の計測用レチクル(以下、「ピンホールレチクル」と呼
ぶ)をレチクルステージRST上にロードする。このピ
ンホールレチクルは、そのパターン面の照明領域IAR
と同一の領域内の複数点にピンホール(ほぼ理想的な点
光源となって球面波を発生するピンホール)が形成され
たレチクルである。
【0105】なお、ここで用いられるピンホールレチク
ルには、上面に拡散面を設けるなどして、投影光学系P
Lの全てのN.A.を通過する光線の波面を求めること
ができるように、すなわち、投影光学系PLの全N.
A.に亘る波面収差が計測されるようになっているもの
とする。
【0106】ピンホールレチクルのロード後、主制御装
置50では、不図示のレチクルアライメント顕微鏡を用
いて、ピンホールレチクルに形成されたレチクルアライ
メントマークを検出し、その検出結果に基づいて、ピン
ホールレチクルを所定の位置に位置合わせする。これに
より、ピンホールレチクルの中心と投影光学系PLの光
軸とがほぼ一致する。
【0107】この後、主制御装置50では、光源16に
制御情報TSを与えてレーザ光を発光させる。これによ
り、照明光学系12からの照明光ELが、ピンホールレ
チクルに照射される。そして、ピンホールレチクルの複
数のピンホールから射出された光が投影光学系PLを介
して像面上に集光され、ピンホールの像が像面に結像さ
れる。
【0108】次に、主制御装置50は、ピンホールレチ
クル上のいずれかのピンホール(以下においては、着目
するピンホールと呼ぶ)の像が結像する結像点に波面収
差計測器80の開口82aのほぼ中心が一致するよう
に、ウエハレーザ干渉計54Wの計測値をモニタしつ
つ、ウエハステージ駆動部56を介してウエハステージ
WSTを移動する。この際、主制御装置50では、焦点
検出系(60a,60b)の検出結果に基づいて、ピン
ホール像が結像される像面に波面収差計測器80のカバ
ーガラス88の上面を一致させるべく、ウエハステージ
駆動部56を介してZチルトステージ58をZ軸方向に
微少駆動する。これにより、着目するピンホールの像光
束がカバーガラス88の中央の開口を介して受光光学系
84に入射し、受光部86を構成する受光素子によって
受光される。
【0109】これを更に詳述すると、ピンホールレチク
ル上の着目するピンホールからは球面波が発生し、この
球面波が、投影光学系PL、及び波面収差計測器80の
受光光学系84を構成する対物レンズ84a、リレーレ
ンズ84b、ミラー84c、コリメータレンズ84dを
介して平行光束となって、マイクロレンズアレイ84e
を照射する。これにより、投影光学系PLの瞳面がマイ
クロレンズアレイ84eにリレーされ、分割される。そ
して、このマイクロレンズアレイ84eの各レンズ素子
によってそれぞれの光が受光素子の受光面に集光され、
該受光面にピンホールの像がそれぞれ結像される。
【0110】このとき、投影光学系PLが、波面収差の
無い理想的な光学系であるならば、投影光学系PLの瞳
面における波面は理想的な波面(ここでは平面)にな
り、その結果マイクロレンズアレイ84eに入射する平
行光束が平面波となり、その波面は理想的な波面となる
筈である。この場合、図4(A)に示されるように、マ
イクロレンズアレイ84eを構成する各レンズ素子の光
軸上の位置にスポット像(以下、「スポット」とも呼
ぶ)が結像する。
【0111】しかるに、投影光学系PLには通常、波面
収差が存在するため、マイクロレンズアレイ84eに入
射する平行光束の波面は理想的な波面からずれ、そのず
れ、すなわち波面の理想波面に対する傾きに応じて、図
4(B)に示されるように、各スポットの結像位置がマ
イクロレンズアレイ84eの各レンズ素子の光軸上の位
置からずれることとなる。この場合、各スポットの基準
点(各レンズ素子の光軸上の位置)からの位置のずれ
は、波面の傾きに対応している。
【0112】そして、受光部86を構成する受光素子上
の各集光点に入射した光(スポット像の光束)が受光素
子でそれぞれ光電変換され、該光電変換信号が電気回路
を介して主制御装置50に送られ、主制御装置50で
は、その光電変換信号に基づいて各スポットの結像位置
を算出し、更に、その算出結果と既知の基準点の位置デ
ータとを用いて、位置ずれ(Δξ,Δη)を算出してR
AMに格納する。このとき、主制御装置50には、レー
ザ干渉計54Wのそのときの計測値(Xi,Yi)が供給
されている。
【0113】上述のようにして、1つの着目するピンホ
ール像の結像点における波面収差計測器80による、ス
ポット像の位置ずれの計測が終了すると、主制御装置5
0では、次のピンホール像の結像点に、波面収差計測器
80の開口82aのほぼ中心が一致するように、ウエハ
ステージWSTを移動する。この移動が終了すると、前
述と同様にして、主制御装置50により、光源16から
レーザ光の発光が行われ、同様にして主制御装置50に
よって各スポットの結像位置が算出される。以後、他の
ピンホール像の結像点で同様の計測が順次行われる。な
お、上記計測時にレチクルブラインド30を用いて、レ
チクル上の着目するピンホールのみ、あるいは少なくと
も着目するピンホールを含む一部の領域のみが照明光E
Lで照明されるように、例えばピンホール毎に、レチク
ル上での照明領域の位置や大きさなどを変更しても良
い。
【0114】このようにして、必要な計測が終了した段
階では、主制御装置50のRAMには、前述した各ピン
ホール像の結像点における位置ずれデータ(Δξ,Δ
η)と、各結像点の座標データ(各ピンホール像の結像
点における計測を行った際のレーザ干渉計54Wの計測
値(Xi,Yi))とが格納されている。
【0115】次に、主制御装置50では、第1プログラ
ムをメインメモリにロードし、RAM内に格納されてい
る各ピンホール像の結像点における位置ずれデータ(Δ
ξ,Δη)と、各結像点の座標データとに基づいて、以
下に説明する原理に従ってピンホール像の結像点に対応
する、すなわち投影光学系PLの視野内の第1計測点〜
第n計測点に対応する波面(波面収差)、ここでは、後
述する式(4)のツェルニケ多項式の各項の係数、例え
ば第2項の係数Z2〜第37項の係数Z37を第1プログ
ラムに従って演算する。
【0116】本実施形態では、上記の位置ずれ(Δξ,
Δη)に基づいて、第1プログラムに従った演算により
投影光学系PLの波面を求める。すなわち、位置ずれ
(Δξ,Δη)は、波面の理想波面に対する傾斜をその
まま反映した値になり、逆に位置ずれ(Δξ,Δη)に
基づいて波面を復元することができる。なお、上述した
位置ずれ(Δξ,Δη)と波面との物理的な関係から明
らかなように、本実施形態における波面の算出原理は、
周知のShack-Hartmannの波面算出原理そのものである。
【0117】次に、上記の位置ずれに基づいて、波面を
算出する方法について、簡単に説明する。
【0118】上述の如く、位置ずれ(Δξ,Δη)は波
面の傾きに対応しており、これを積分することにより波
面の形状(厳密には基準面(理想波面)からのずれ)が
求められる。波面(波面の基準面からのずれ)の式をW
(x,y)とし、比例係数をkとすると、次式(2)、
(3)のような関係式が成立する。
【0119】
【数1】
【0120】スポット位置のみでしか与えられていない
波面の傾きをそのまま積分するのは容易ではないため、
面形状を級数に展開して、これにフィットするものとす
る。この場合、級数は直交系を選ぶものとする。ツェル
ニケ多項式は軸対称な面の展開に適した級数で、円周方
向は三角級数に展開する。すなわち、波面Wを極座標系
(ρ,θ)で表すと、次式(4)のように展開できる。
【0121】
【数2】
【0122】直交系であるから各項の係数Ziを独立に
決定することができる。iを適当な値で切ることはある
種のフィルタリングを行うことに対応する。なお、一例
として第1項〜第37項までのfiをZiとともに例示す
ると、次の表1のようになる。
【0123】
【表1】
【0124】実際には、その微分が上記の位置ずれとし
て検出されるので、フィッティングは微係数について行
う必要がある。極座標系(x=ρcosθ,y=ρsi
nθ)では、次式(5)、(6)のように表される。
【0125】
【数3】
【0126】ツェルニケ多項式の微分形は直交系ではな
いので、フィッティングは最小自乗法で行う必要があ
る。1つのスポット像の結像点の情報(ずれ量)はXと
Y方向につき与えられるので、ピンホールの数をn(n
は、例えば81〜400程度とする)とすると、上記式
(2)〜(6)で与えられる観測方程式の数は2n(=
162〜800程度)となる。
【0127】ツェルニケ多項式のそれぞれの項は光学収
差に対応する。しかも低次の項(iの小さい項)は、ザイ
デル収差にほぼ対応する。ツェルニケ多項式を用いるこ
とにより、投影光学系PLの波面収差を求めることがで
きる。
【0128】上述のような原理に従って、第1プログラ
ムの演算手順が決められており、この第1プログラムに
従った演算処理により、投影光学系PLの視野内の第1
計測点〜第n計測点に対応する波面の情報(波面収
差)、ここでは、ツェルニケ多項式の各項の係数、例え
ば第2項の係数Z2〜第37項の係数Z37が求められ
る。
【0129】以下の説明においては、上記の第1計測点
〜第n計測点に対応する波面(波面収差)のデータを、
次式(7)のような列マトリックスQで表現する。
【0130】
【数4】
【0131】なお、上式(7)において、マトリックス
Qの要素P1〜Pnは、それぞれがツェルニケ多項式の第
2項〜第37項の係数(Z2〜Z37)から成る列マトリ
ックス(縦ベクトル)である。
【0132】このようにして、波面のデータ(ツェルニ
ケ多項式の各項の係数、例えば第2項の係数Z2〜第3
7項の係数Z37)を求めると、主制御装置50では、そ
の波面のデータを記憶装置42に格納する。
【0133】また、主制御装置50では、後述するよう
に、第1通信サーバ120からの問い合わせに応じて、
波面のデータを記憶装置42から読み出し、LAN11
8を介して前述した第1通信サーバ120に送信するよ
うになっている。
【0134】図1に戻り、第1通信サーバ120が備え
るハードディスク等の内部には、第1〜第3露光装置1
221〜1223で達成すべき目標情報、例えば解像度
(解像力)、実用最小線幅(デバイスルール)、照明光
ELの波長、転写対象のパターンの情報、その他の露光
装置1221〜1223の性能を決定する投影光学系に関
する何らかの情報であって目標値となり得る情報が格納
されている。また、第1通信サーバ120が備えるハー
ドディスク等の内部には、今後導入する予定の露光装置
での目標情報、例えば使用を計画しているパターンの情
報なども目標情報として格納されている。
【0135】一方、第2通信サーバ130が備えるハー
ドディスク等の内部には、ツェルニケ多項式の各項の係
数に基づいて結像特性の調整量を演算する調整量演算プ
ログラム(以下、便宜上「第2プログラム」と呼ぶ)、最
良露光条件の設定を行う最良露光条件設定プログラム
(以下、便宜上「第3プログラム」と呼ぶ)、及び第2
プログラムに付属するデータベースが格納されている。
【0136】次に、上記データベースについて説明す
る。このデータベースは、投影光学系の光学特性、ここ
では波面収差の計測結果の入力に応じて、結像特性を調
整するための前述した可動なレンズ素子(以下、「可動
レンズ」と呼ぶ)131,132,133,134の目標駆
動量(目標調整量)を算出するためのパラメータ群の数
値データから成るデータベースである。このデータベー
スは、可動レンズ131,132,133,134を各自由
度方向(駆動可能な方向)について単位調整量駆動した
場合に、投影光学系PLの視野内の複数の計測点それぞ
れに対応する結像特性、具体的には波面のデータ、例え
ばツェルニケ多項式の第2項〜第37項の係数がどのよ
うに変化するかのデータを、投影光学系PLと実質的に
等価なモデルを用いて、シミュレーションを行い、この
シミュレーション結果として得られた結像特性の変動量
を所定の規則に従って並べたデータ群から成る。
【0137】ここで、このデータベースの作成手順につ
いて、簡単に説明する。特定の光学ソフトがインストー
ルされているシミュレーション用コンピュータに、ま
ず、露光条件、すなわち投影光学系PLの設計値(開口
数N.A.、各レンズのデータ等)や照明条件(コヒー
レンスファクタσ値、照明光の波長λ、2次光源の形状
等)を入力する。次に、シミュレーション用コンピュー
タに、投影光学系PLの視野内の任意の第1計測点のデ
ータを入力する。
【0138】次いで、可動レンズの各自由度方向(可動
方向)についての単位量のデータを入力する。例えば可
動レンズ131をY方向チルトの+方向に関して単位量
だけ駆動するという指令を入力すると、シミュレーショ
ン用コンピュータにより、投影光学系PLの視野内の予
め定めた第1計測点についての第1波面の理想波面から
の変化量のデータ、例えばツェルニケ多項式の各項(例
えば第2項〜第37項)の係数の変化量が算出され、そ
の変化量のデータがシミュレーション用コンピュータの
ディスプレイの画面上に表示されるとともに、その変化
量がパラメータPARA1P1としてメモリに記憶され
る。
【0139】次いで、可動レンズ131をX方向チルト
の+方向に関して単位量だけ駆動するという指令を入力
すると、シミュレーション用コンピュータにより、第1
計測点についての第2波面のデータ、例えばツェルニケ
多項式の上記各項の係数の変化量が算出され、その変化
量のデータが上記ディスプレイの画面上に表示されると
ともに、その変化量がパラメータPARA2P1として
メモリに記憶される。
【0140】次いで、可動レンズ131をZ方向シフト
の+方向に関して単位量だけ駆動するという指令を入力
すると、シミュレーション用コンピュータにより、第1
計測点についての第3波面のデータ、例えばツェルニケ
多項式の上記各項の係数の変化量が算出され、その変化
量のデータが上記ディスプレイの画面上に表示されると
ともに、その変化量がパラメータPARA3P1として
メモリに記憶される。
【0141】以後、上記と同様の手順で、第2計測点〜
第n計測点までの各計測点の入力が行われ、可動レンズ
131のY方向チルト,X方向チルト、Z方向シフトの
指令入力がそれぞれ行われる度毎に、シミュレーション
用コンピュータによって各計測点における第1波面、第
2波面、第3波面のデータ、例えばツェルニケ多項式の
上記各項の係数の変化量が算出され、各変化量のデータ
がディスプレイの画面上に表示されるとともに、パラメ
ータPARA1P2,PARA2P2,PARA3P
2、……、PARA1Pn,PARA2Pn,PARA
3Pnとしてメモリに記憶される。
【0142】他の可動レンズ132,133,134につ
いても、上記と同様の手順で、各計測点の入力と、各自
由度方向に関してそれぞれ単位量だけ+方向に駆動する
旨の指令入力が行われ、これに応答してシミュレーショ
ン用コンピュータにより、可動レンズ132,133,1
4を各自由度方向に単位量だけ駆動した際の第1〜第
n計測ポイントのそれぞれについての波面のデータ、例
えばツェルニケ多項式の各項の変化量が算出され、パラ
メータ(PARA4P1,PARA5P1,PARA6
P1,……,PARAmP1)、パラメータ(PARA
4P2,PARA5P2,PARA6P2,……,PA
RAmP2)、……、パラメータ(PARA4Pn,P
ARA5Pn,PARA6Pn,……,PARAmP
n)がメモリ内に記憶される。そして、このようにして
メモリ内に記憶されたツェルニケ多項式の各項の係数の
変化量から成る列マトリックス(縦ベクトル)PARA
1P1〜PARAmPnを要素とする次式(8)で示さ
れるマトリックス(行列)Oのデータが、上記データベ
ースとして、第2通信サーバ130が備えるハードディ
スク等の内部に格納されている。なお、本実施形態で
は、3自由度方向に可動なレンズが3つ、2自由度方向
に可動なレンズが1つであるから、m=3×3+2×1
=11となっている。
【0143】
【数5】
【0144】次に、本実施形態における第1〜第3露光
装置1221〜1223が備える投影光学系PLの調整方
法について説明する。なお、以下においては、特に区別
が必要な場合の他は、第1〜第3露光装置1221〜1
223を代表して露光装置122と記述する。
【0145】前提として、露光装置122の定期メンテ
ナンス時等に、サービスエンジニア等の計測指示に応
じ、露光装置122の主制御装置50により、前述した
波面収差計測器80を用いた投影光学系PLの波面収差
の計測が行われ、その計測された波面のデータが記憶装
置42に格納されているものとする。
【0146】まず、第1通信サーバ120では、未だ受
信していない新しい波面の計測データ(第1計測点〜第
n計測点に対応する波面を展開したツェルニケ多項式の
各項の係数、例えば第2項の係数Z2〜第37項の係数
37)が露光装置122の記憶装置42にあるか否かを
所定のインターバルで問い合わせる。ここでは、露光装
置122(実際には、第1〜第3露光装置1221〜1
223のいずれか)が備える記憶装置42内に新しい波
面の計測データが格納されているものとする。そこで、
その露光装置122が備える主制御装置50ではLAN
118を介して第1通信サーバ120にその波面の計測
データを送信する。
【0147】第1通信サーバ120では、その受信した
波面の計測データを、第2通信サーバ130に対して、
投影光学系PLの自動調整の指示(あるいは投影光学系
PLの調整量の演算の指示)とともに送信する。これに
より、これらのデータは、LAN118を介して第1認
証用プロキシサーバ124を通過し、更に公衆回線11
6を介して第2認証用プロキシサーバ128に至る。第
2認証用プロキシサーバ128では、そのデータに付さ
れた送信先のアドレスを確認してそのデータが第2通信
サーバ130に対して送信されたことを認識し、LAN
126を介して第2通信サーバ130に送る。
【0148】第2通信サーバ130では、その送られて
きたデータを受信し、その旨をデータの送信元とともに
ディスプレイに表示するとともに、波面の計測データを
ハードディスク等に記憶する。そして、次のようにし
て、投影光学系PLの調整量、すなわち前述した可動レ
ンズ131〜134の各自由度方向の調整量を算出する。
【0149】まず、第2通信サーバ130では、ハード
ディスク等から第2プログラムをメインメモリにロード
し、第2プログラムに従って、前述した可動レンズ13
1〜134の各自由度方向の調整量を演算する。具体的に
は、第2通信サーバ130では、次のような演算を行
う。
【0150】第1計測点〜第n計測点に対応する波面
(波面収差)のデータQと、前述したデータベースとし
てハードディスク内に格納されているマトリックスO
と、可動レンズ131〜134の各自由度方向の調整量P
との間には、次式(9)のような関係が成立する。
【0151】 Q=O・P ……(9) 上式(9)において、Pは、次式(10)で表されるm
個の要素から成る列マトリックス(すなわち縦ベクト
ル)である。
【0152】
【数6】
【0153】従って、上式(9)より、次式(11)の
演算を行うことにより最小自乗法により、Pの各要素A
DJ1〜ADJm、すなわち可動レンズ131〜134
各自由度方向の調整量(目標調整量)を求めることがで
きる。
【0154】 P=(OT・O)-1・OT・Q ……(11) 上式(11)において、OTは、行列Oの転置マトリッ
クスであり、(OT・O)-1は、(OT・O)の逆マトリ
ックスである。
【0155】すなわち、第2プログラムは、上式(1
1)の最小自乗演算を、データベースを用いて行うため
のプログラムである。従って、第2通信サーバ130で
は、この第2プログラムに従って、ハードディスク内の
データベースをRAM内に順次読み込みつつ、調整量A
DJ1〜ADJmを算出する。
【0156】次に、第2通信サーバ130では、その算
出した調整量ADJ1〜ADJmのデータを、露光装置
122の主制御装置50に対して送信する。これによ
り、調整量ADJ1〜ADJmのデータは、LAN12
6を介して第2認証用プロキシサーバ128を通過し、
更に公衆回線116を介して第1認証用プロキシサーバ
124に至る。第1認証用プロキシサーバ124では、
その調整量ADJ1〜ADJmのデータに付されたアド
レスを確認してそのデータが露光装置122に対して送
信されたことを認識し、LAN118を介して露光装置
122に送る。なお、実際には、調整量ADJ1〜AD
Jmのデータに付されたアドレスがAD2である場合に
は、そのデータは、第1露光装置1221に送られ、ア
ドレスがAD3である場合には、そのデータは、第2露
光装置1222に送られ、アドレスがAD4である場合
には、そのデータは第3露光装置1223に送られる。
【0157】ここで、第2通信サーバ130では、その
算出した調整量ADJ1〜ADJmのデータを、第1通
信サーバ120に送ることも勿論可能である。この場合
には、第1通信サーバ120により、先に波面データを
送ってきた露光装置122の主制御装置50に対してそ
の調整量ADJ1〜ADJmのデータが送られることと
なる。
【0158】いずれにしても、その調整量ADJ1〜A
DJmのデータを受信した露光装置122の主制御装置
50では、調整量ADJ1〜ADJmのデータに従っ
て、可動レンズ131〜134を各自由度方向に駆動すべ
き旨の指令値を、結像特性補正コントローラ48に与え
る。これにより、結像特性補正コントローラ48によ
り、可動レンズ131〜134をそれぞれの自由度方向に
駆動する各駆動素子に対する印加電圧が制御され、可動
レンズ131〜134の位置及び姿勢の少なくとも一方が
ほぼ同時に調整され、投影光学系PLの結像特性、例え
ばディストーション、像面湾曲、コマ収差、球面収差、
及び非点収差等が補正される。なお、コマ収差、球面収
差、及び非点収差については、低次のみならず高次の収
差をも補正可能である。
【0159】上記の説明から明らかなように、本実施形
態では、可動レンズ131〜134、これらの可動レンズ
を駆動する駆動素子、結像特性補正コントローラ48、
及び主制御装置50によって調整装置としての結像特性
調整機構が構成されている。
【0160】このように、本実施形態では、露光装置の
通常使用時における、投影光学系PLの調整の際には、
サービスエンジニア等が、波面収差計測器80をZチル
トステージ58に取り付け、入力装置45を介して波面
収差の計測指令を入力するだけで、ほぼ全自動で、遠隔
操作により、投影光学系PLの結像特性が高精度に調整
されるようになっている。
【0161】なお、上の説明では、投影光学系を自動調
整するものとしたが、自動調整では補正が困難な収差が
含まれる場合も起こりうる。このような場合を考慮し
て、第2通信サーバ130側の熟練技術者が、第2通信
サーバ130のハードディスク内に記憶されている波面
の計測データをディスプレイに表示させ、その表示内容
を分析して、問題点を把握し、自動調整では困難な収差
が含まれている場合には、的確な対応策の指示内容を第
2通信サーバ130のキーボード等から入力し、通信に
て露光装置122の表示装置44の画面上に表示させる
ことも可能である。メーカA側にいるサービスエンジニ
ア等は、この画面の表示内容に基づいてレンズの組み付
けを微調整する等により、短時間に投影光学系の調整を
行うことが可能となる。
【0162】次に、露光装置122(1221〜12
3)の最良露光条件の設定について、第2通信サーバ
130のCPUの主要な制御アルゴリズムを示す図5の
フローチャートに沿って説明する。前提として、露光装
置122の定期メンテナンス時等に、サービスエンジニ
ア等の計測指示に応じ、例えば第1露光装置1221
主制御装置50により、前述した波面収差計測器80を
用いた投影光学系PLの波面収差の計測が行われ、その
計測された波面のデータが、前述と同様の手順により、
第1通信サーバ120のハードディスク等の内部に記憶
されているものとする。なお、最良露光条件の設定の場
合も、第1通信サーバ120あるいは露光装置1201
と第2通信サーバ130との間のデータの通信は、上述
と同様にして行われるが、説明の簡略化のために、以下
においては通信経路等の通信に関する説明は省略するも
のとする。
【0163】図5のフローチャートがスタートするの
は、メーカA側のオペレータの指示に応じて第1通信サ
ーバ120から第2通信サーバ130に、最良露光条件
の決定の対象である露光装置の指定を含む最良露光条件
の決定の指示がなされ、これに応答して第2通信サーバ
130により、第3プログラムがメインメモリにロード
されたときである。従って、図5のステップ202以降
の処理は実際には第3プログラムに従って行われる。
【0164】まず、ステップ202では、第1通信サー
バ120に対して条件入力を指示した後、ステップ20
4に進んで条件が入力されるのを待つ。
【0165】このとき、第1通信サーバ120では、上
記のオペレータによる最良露光条件の決定の指示に応
じ、例えば露光装置1221で次に使用が予定されてい
るレチクルの情報を、例えば露光装置122〜122
3を管理する不図示のホストコンピュータに対して問い
合わせ、そのレチクルの情報に基づいて、所定のデータ
ベースを検索し、そのパターン情報を得ている。また、
第1通信サーバ120では、露光装置122の主制御
装置50に対して例えば現在の照明条件等の設定情報を
問い合わせ、それらの情報をメモリに記憶しているもの
とする。
【0166】あるいは、上記のパターンの情報や、照明
条件等の情報は、オペレータが入力装置を介して第1通
信サーバ120に手入力にて入力することも可能であ
る。
【0167】いずれにしても、上で入手した、シミュレ
ーションの対象であるパターンの情報(例えばラインア
ンドスペースパターンの場合、線幅、ピッチ、デューテ
ィ比等(あるいは実際のパターンの設計データなどであ
っても良い))が、予め設定された目的とする結像特性
(該結像特性の指標値を含む:以下、「目的収差」と呼
ぶ)の情報、例えば線幅異常値等の情報とともに、第1
通信サーバ120によって入力されることとなる。
【0168】このようにして、第1通信サーバ120に
より条件の入力がなされその入力完了の指示がなされる
と、図5のステップ206に進んで上記ステップ204
で入力された目的とする収差のツェルニケ変化表を作成
するための条件設定を行った後、次のステップ208に
進む。なお、ステップ204で入力される目的収差の情
報は、一種類とは限らない。すなわち、投影光学系PL
の複数種類の結像特性を同時に目的収差として指定する
ことは可能である。
【0169】ステップ208では、露光装置1221
投影光学系PLに関する情報の入力を第1通信サーバ1
20に指示した後、ステップ210に進んで、その情報
の入力を待つ。そして、第1通信サーバ120により、
投影光学系PLに関する情報、具体的には、開口数
(N.A.)、照明条件(例えば照明系開口絞りの設
定、あるいはコヒーレンスファクタσ値等)、波長など
の情報が入力されると、ステップ212に進んで、その
入力された情報をRAM内に記憶するとともに、与えた
い収差の情報を設定する。一例として、ツェルニケ多項
式の各項の係数の値を、例えば、第2項の係数Z2〜第
37項の係数Z37として、同一の値、例えば0.05λ
を、個別に設定する。
【0170】次のステップ214では、上記の入力され
たパターンの情報及び投影光学系PLに関する情報など
に基づいて設定した収差の情報、例えば0.05λに応
じた1つの目的収差又はその指標値(例えばコマ収差の
指標である線幅異常値など)を縦軸とし、横軸をツェル
ニケ多項式の各項の係数とするグラフ(例えば線幅異常
値などのツェルニケ変化表(計算表))を作成した後、
ステップ216に進む。
【0171】ここで、ツェルニケ変化表とは、入力され
たパターンを対象パターンとした場合の特定の収差、す
なわち上記の目的収差(その指標値を含む)に対する、
投影光学系PLの波面を展開したツェルニケ多項式の各
項の係数の感度(Zernike Sensitivity)から成るテー
ブルデータに他ならない。このツェルニケ変化表は、入
力されたパターンの情報及び投影光学系PLに関する情
報、及び設定した収差の情報に基づいて、同一種類の投
影光学系については、投影光学系を構成する各レンズ素
子の種類や配置などを含む設計情報に基づいて一義的に
定まる。従って、最良露光条件の決定の対象である露光
装置の指定(例えば機種名の指定)に基づいて、メーカ
Bの社内のデータベース等を検索してその露光装置の投
影光学系の種類を確認することにより、目的収差に対応
するツェルニケ変化表を作成することができる。
【0172】次のステップ216では、上記ステップ2
04で入力された全ての目的収差についてツェルニケ変
化表を作成したか否かを判断する。そして、この判断が
否定された場合には、ステップ214に戻り、次の目的
収差について変化表を作成する。
【0173】そして、全ての目的収差についての変化表
の作成が終了し、ステップ216の判断が肯定される
と、次のステップ218に進む。ステップ218では、
第1通信サーバ120に対し、波面の計測データの入力
を指示した後、ステップ220に進んで、その計測デー
タが入力されるのを待つ。そして、第1通信サーバ12
0からハードディスク内に格納されている波面の計測デ
ータ(第1計測点〜第n計測点に対応する波面を展開し
たツェルニケ多項式の各項の係数、例えば第2項の係数
2〜第37項の係数Z37)が入力されると、ステップ
222に進んで、先に作成したツェルニケ変化表(計算
表)を用いて、計測点毎に、次式(12)のような演算
を行って、先にステップ204で入力された目的収差の
1つを算出し、RAM内に記憶する。
【0174】A=K・{Z2・(変化表の値)+Z3・(変化表の
値)+……+Z37・(変化表の値)}…(12)
【0175】ここで、Aは、投影光学系PLの目的収
差、例えば非点収差、像面湾曲等、あるいは、目的収差
の指標、例えばコマ収差の指標である線幅異常値などで
ある。また、Kは、レジスト感度等に応じて定まる比例
定数である。
【0176】ここで、例えば、Aが、線幅異常値である
場合を考えると、例えばパターンが5本のラインを有す
るL/Sパターンである場合には、線幅異常値は、前述
した式(1)で表せる。この式(1)から明らかなよう
に、上式(12)の計算は、パターンを空間像(投影
像)に変換する計算に他ならない。
【0177】次のステップ224では、全ての目的収差
(条件設定された収差(結像特性))を算出したか否か
を判断し、この判断が否定された場合には、ステップ2
22に戻り、次の目的収差を算出し、RAM内に記憶す
る。
【0178】このようにして、全ての目的収差の算出が
終了すると、ステップ226に進んで、RAM内に記憶
されている全ての目的収差の算出結果をハードディスク
等に記憶した後、次のステップ228に進む。
【0179】ステップ228では、投影光学系PLに関
する情報、具体的には、開口数(N.A.)、照明条件
(例えば照明系開口絞りの設定、あるいはコヒーレンス
ファクタσ値等)、波長などの一部を、先にステップ2
10で入力されたものと異なる内容に変更した後、次の
ステップ230に進み、予め想定している予定回数の内
容変更が終了したか否かを判断する。ここでは、1回だ
け投影光学系PLに関する情報を変更したのみなので、
この判断は否定され、ステップ214に戻り、その後上
記ステップ214以降の処理、判断を繰り返す。この
際、ステップ214では、ツェルニケ変化表を作成する
が、このとき上記ステップ228で変更された変更後の
投影光学系PLに関する情報に基づいてツェルニケ変化
表を作成する。このようにして、照明条件、開口数、波
長等を順次変更しながら、ステップ214〜ステップ2
30の処理、判断が繰り返され、予定回数の照明条件等
の変更が繰り返されると、ステップ230における判断
が肯定され、次のステップ232に進む。この時点で
は、予定数の条件設定下における目的収差の算出結果が
ハードディスク等の内部に記憶されている。
【0180】次のステップ232では、ハードディスク
等の内部に格納されている目的収差が最適となる(例え
ば、零ないし最小となる)ような投影光学系に関する条
件(照明条件、開口数、波長等)を求め、その条件を最
良露光条件として決定する。
【0181】次のステップ234では、決定した最良露
光条件を第1通信サーバ120に送信した後、本ルーチ
ンの一連の処理を終了する。
【0182】上記の最良露光条件のデータを受信した第
1通信サーバ120では、必要に応じて、最良露光条件
の設定を命じる命令データを露光装置1221の主制御
装置50に送り、主制御装置50では、そのデータに応
じて最良露光条件を設定する。具体的には、主制御装置
50では、照明系開口絞り板24の開口絞りを変更する
ことにより照明条件を変更(設定)し、あるいは、図2
に示される投影光学系PLの瞳開口絞り15を調整する
ことにより投影光学系PLの開口数を調整することがで
きる。あるいは、主制御装置50では、制御情報TSと
して照明光ELの波長を変更する情報を光源16に与え
ることにより露光波長を設定することができる。
【0183】なお、最良露光条件の設定を指示する指示
データを、第2通信サーバ130が、直接露光装置12
1に与えることにより、露光装置1221の最良露光条
件を設定することも可能である。
【0184】また、図5のフローチャートに対応する第
3プログラムに僅かの変更を加えることにより、パター
ンの情報以外の設定情報を固定したまま、パターン情報
を徐々に変更しながら、上記と同様のツェルニケ変化表
の作成、及び波面の計測データに基づく目的収差(ある
いは空間像)の算出を、繰り返し行うことにより、最良
露光条件として最適なパターンの設定情報を決定するこ
とも可能である。
【0185】同様に、図5のフローチャートに対応する
第3プログラムに僅かの変更を加えることにより、与え
たい収差の情報以外の設定情報を固定したまま、与えた
い収差の情報を変更しながら、上記と同様のツェルニケ
変化表の作成、及び波面の計測データに基づく目的収差
(あるいは空間像)の算出を、繰り返し行うことによ
り、最良露光条件として、入力されたパターンを転写す
る際の投影光学系に与えるべき収差を決定することも可
能である。かかる場合には、第2通信サーバ130は、
投影光学系PLにそのような収差(例えばツェルニケ多
項式の第2項の係数Z2〜第37項の係数Z37)が与え
られるように、露光装置1221の主制御装置50を介
して結像補正コントローラ48を制御することにより結
像特性を調整することができる。あるいは、第2通信サ
ーバ130は、投影光学系PLにそのような収差が与え
られるように、第1通信サーバ120及び主制御装置5
0を介して結像補正コントローラ48を制御して結像特
性を調整することができる。
【0186】その他の露光装置1222、1223におけ
る最良露光条件の設定も上述と全く同様にして行われ
る。
【0187】また、本実施形態において、例えば露光装
置122の定期点検時等において、サービスエンジニア
等が第1通信サーバ120側から条件設定入力、投影光
学系に関する情報の入力等を行うことにより、これに応
答して、第2通信サーバ130により、前述した第3プ
ログラムを一部変更した別のプログラムを用いて、上述
した最良露光条件の設定時におけるシミュレーションと
同様の手順で同様のツェルニケ変化表が作成される。そ
して、露光装置122側でサービスエンジニア等の指示
に基づき主制御装置50により波面収差の計測が実行さ
れ、その結果得られる位置ずれのデータが第1通信サー
バ120を介して送信されると、第2通信サーバ130
では、上述と同様にして目的収差を算出する。そして、
第2通信サーバ130では、その目的収差が最適となる
(例えば零ないし最小)となるような可動レンズ131
〜134の各自由度方向の駆動量を、別のプログラムを
用いて最小自乗法により算出する。そして、第2通信サ
ーバ130では、その算出した駆動量の指令値を、主制
御装置50を介して結像特性補正コントローラ48に与
える。これにより、結像特性補正コントローラ48によ
り、可動レンズ131〜134をそれぞれの自由度方向に
駆動する各駆動素子に対する印加電圧が制御され、可動
レンズ131〜134の少なくとも1つの位置及び姿勢の
少なくとも一方が調整され、投影光学系PLの目的とす
る結像特性、例えばディストーション、像面湾曲、コマ
収差、球面収差、及び非点収差等が補正される。なお、
コマ収差、球面収差、及び非点収差については、低次の
みならず高次の収差をも補正可能である。この場合、必
ずしも前述した第2プログラムを用いる必要はない。
【0188】また、本実施形態では、ドライブ装置46
から記憶装置42に上述した第3プログラムを一部変更
した別のプログラムを予めインストールしておくことに
より、定期メンテナンス時等における露光装置122の
投影光学系PLの調整時に、露光装置122自身による
投影光学系PLの結像特性の自動調整を容易に実現する
ことができる。この場合、オペレータの指示(条件設定
入力、投影光学系に関する情報の入力等も含む)に基づ
き、主制御装置50内のCPUにより上記のシミュレー
ションと同様の手順で同様の処理が行われ、同様のツェ
ルニケ変化表が作成される。そして、波面収差の計測が
実行され、位置ずれのデータが入力されると、主制御装
置50内のCPUにより、上述と同様にして目的収差が
算出される。その後、主制御装置50内のCPUでは、
それらの目的収差が最適(例えば零ないし最小)となる
ような可動レンズ131〜134の各自由度方向の駆動量
を、別のプログラムを用いて最小自乗法により算出す
る。そして、主制御装置50内のCPUでは、その算出
した駆動量の指令値を、結像特性補正コントローラ48
に与える。これにより、結像特性補正コントローラ48
により、可動レンズ131〜134をそれぞれの自由度方
向に駆動する各駆動素子に対する印加電圧が制御され、
可動レンズ131〜134の少なくとも1つの位置及び姿
勢の少なくとも一方が調整され、投影光学系PLの目的
とする結像特性、例えばディストーション、像面湾曲、
コマ収差、球面収差、及び非点収差等が補正される。な
お、コマ収差、球面収差、及び非点収差については、低
次のみならず高次の収差をも補正可能である。
【0189】ところで、上述の説明では、投影光学系P
Lの波面収差の計測を波面収差計測器80を用いて行う
場合について説明したが、これに限らず、次に説明する
ような計測用レチクルRT(以下、適宜「レチクルRT
ともいう)を用いて波面収差を計測することも可能であ
る。
【0190】図6には、この計測用レチクルRTの概略
斜視図が示されている。また、図7には、レチクルステ
ージRST上に装填した状態におけるレチクルRTの光
軸AX近傍のXZ断面の概略図が、投影光学系PLの模
式図とともに示されている。また、図8には、レチクル
ステージRST上に装填した状態におけるレチクルR T
の−Y側端部近傍のXZ断面の概略図が、投影光学系P
Lの模式図とともに示されている。
【0191】図6から明らかなように、この計測用レチ
クルRTの全体形状は、通常のペリクル付きレチクルと
ほぼ同様の形状を有している。この計測用レチクルRT
は、ガラス基板60、該ガラス基板60の図6における
上面のX軸方向中央部に、固定された長方形板状の形状
を有するレンズ取付け部材62、ガラス基板60の図3
における下面に取り付けられた通常のペリクルフレーム
と同様の外観を有する枠状部材から成るスペーサ部材6
4、及びこのスペーサ部材64の下面に取り付けられた
開口板66等を備えている。
【0192】前記レンズ取付け部材62には、Y軸方向
の両端部の一部の帯状の領域を除く、ほぼ全域にマトリ
ックス状配置でn個の円形開口63i,j(i=1〜p、
j=1〜q、p×q=n)が形成されている。各円形開
口63i,jの内部には、Z軸方向の光軸を有する凸レン
ズから成る集光レンズ65i,jがそれぞれ設けられてい
る(図7参照)。
【0193】また、ガラス基板60とスペーサ部材64
と開口板66とで囲まれる空間の内部には、図7に示さ
れるように、補強部材69が所定の間隔で設けられてい
る。
【0194】更に、ガラス基板60の下面には、前記各
集光レンズ65i,jに対向して、図7に示されるよう
に、計測用パターン67i,jがそれぞれ形成されてい
る。また、開口板66には、図7に示されるように、各
計測用パターン67i,jにそれぞれ対向してピンホール
状の開口70i,jが形成されている。このピンホール状
の開口70i,jは、例えば直径100〜150μm程度
とされている。
【0195】図6に戻り、レンズ保持部材62には、Y
軸方向の両端部の一部の帯状の領域の中央部に、開口7
1、722がそれぞれ形成されている。図8に示される
ように、ガラス板60の下面(パターン面)には、一方
の開口721に対向して基準パターン741が形成されて
いる。また、図示は省略されているが、他方の開口72
2に対向して、ガラス板60の下面(パターン面)に、
基準パターン741と同様の基準パターン(便宜上、
「基準パターン742」と記述する)が形成されてい
る。
【0196】また、図6に示されるように、ガラス基板
60のレチクル中心を通るX軸上には、レンズ保持部材
62の両外側に、レチクル中心に関して対称な配置で一
対のレチクルアライメントマークRM1,RM2が形成
されている。
【0197】ここで、本実施形態では、計測用パターン
67i,jとして、図9(A)に示されるような網目状
(ストリートライン状)のパターンが用いられている。
また、これに対応して、基準パターン741、742とし
て、図9(B)に示されるような、計測用パターン67
i,jと同一ピッチで正方形パターンが配置された2次元
の格子パターンが用いられている。なお、基準パターン
741、742として図9(A)のパターンを用い、計測
用パターンとして図9(B)に示されるパターンを用い
ることは可能である。また、計測用パターン67
i,jは、これに限られず、その他の形状のパターンを用
いても良く、その場合には、基準パターンとして、その
計測用パターンとの間に所定の位置関係があるパターン
を用いれば良い。すなわち、基準パターンは、計測用パ
ターンの位置ずれの基準となるパターンであれば良く、
その形状等は問わないが、投影光学系PLの結像特性
(光学特性)を計測するためには、投影光学系PLのイ
メージフィールド又は露光エリアの全面に渡ってパター
ンが分布しているパターンが望ましい。
【0198】次に、露光装置122(露光装置1221
〜1223)においてレチクルRTを用いる場合の投影光
学系PLの波面収差の計測について説明する。
【0199】まず、計測用レチクルRTを用いて、投影
光学系PLの視野内の複数(ここでは、n個)の計測点
において、以下のようにして、波面収差を計測する。
【0200】まず、入力装置45を介してオペレータ
(サービスエンジニアを含む)により波面収差の計測指
令が入力されると、主制御装置50では、不図示のレチ
クルローダを介して計測用レチクルRTをレチクルステ
ージRST上にロードする。次いで、主制御装置50で
は、レーザ干渉計54Wの出力をモニタしつつ、ウエハ
ステージ駆動部56を介してウエハステージWSTを移
動し、基準マーク板FM上の一対のレチクルアライメン
ト用基準マークを予め定められた基準位置に位置決めす
る。ここで、この基準位置とは、例えば一対の第2基準
マークの中心が、レーザ干渉計54Wで規定されるステ
ージ座標系上の原点に一致する位置に定められている。
【0201】次に、主制御装置50では、計測用レチク
ルRT上の一対のレチクルアライメントマークRM1,
RM2とこれらに対応するレチクルアライメント用基準
マークとを、前述のレチクルアライメント顕微鏡により
同時に観察し、レチクルアライメントマークRM1,R
M2の基準板FM上への投影像と、対応する基準マーク
との位置ずれが、共に最小となるように、不図示の駆動
系を介してレチクルステージRSTをXY2次元面内で
微少駆動する。これにより、レチクルアライメントが終
了し、レチクル中心が投影光学系PLの光軸にほぼ一致
する。
【0202】次に、主制御装置50では、不図示のウエ
ハローダを用いて表面にレジスト(感光剤)が塗布され
たウエハWをZチルトステージ58上にロードする。
【0203】次いで、主制御装置50では、計測用レチ
クルRTの集光レンズ65i,jの全てが含まれ、かつ開口
721,722が含まれず、レンズ保持部材62のX軸方
向の最大幅以内のX軸方向の長さを有する矩形の照明領
域を形成するため、不図示の駆動系を介してレチクルブ
ラインド30の開口を設定する。また、これと同時に、
主制御装置50では、駆動装置40を介して照明系開口
絞り板24を回転して、所定の開口絞り、例えば小σ絞
りを照明光ELの光路上に設定する。
【0204】このような準備作業の後、主制御装置50
では、制御情報TSを光源16に与えて、レーザビーム
LBを発光させて、照明光ELをレチクルRTに照射し
て露光を行う。これにより、図7に示されるように、各
計測用パターン67i,jが、対応するピンホール状の開
口70i,j及び投影光学系PLを介して同時に転写され
る。この結果、ウエハW上のレジスト層には、図10
(A)に示されるような各計測用パターン67i,jの縮
小像(潜像)67’i,jが、所定間隔でXY2次元方向
に沿って所定間隔で形成される。
【0205】次に、主制御装置50では、不図示のレチ
クルレーザ干渉計の計測値とレチクルセンタと一方の基
準パターン741との設計上の位置関係とに基づいて、
基準パターン741の中心位置が光軸AX上に一致する
ように、不図示の駆動系を介してレチクルステージRS
TをY軸方向に所定距離移動する。次いで、主制御装置
50では、その移動後の開口721を含むレンズ保持部
材62上の所定面積の矩形領域(この領域は、いずれの
集光レンズにも掛からない)にのみ照明光ELの照明領
域を規定すべく、不図示の駆動系を介してレチクルブラ
インド30の開口を設定する。
【0206】次に、主制御装置50では、最初の計測用
パターン671,1の潜像67’1,1が形成されたウエハW
上の領域のほぼ中心が、投影光学系PLの光軸上にほぼ
一致するように、レーザ干渉計54Wの計測値をモニタ
しつつ、ウエハステージWSTを移動する。
【0207】そして、主制御装置50では、制御情報T
Sを光源16に与えて、レーザビームLBを発光させ
て、照明光ELをレチクルRTに照射して露光を行う。
これにより、ウエハW上のレジスト層の計測用パターン
671,1の潜像が既に形成されている領域(領域S1,1
呼ぶ)に基準パターン741が重ねて転写される。この
結果、ウエハW上の領域S1,1には、図10(B)に示
されるように、計測用パターン671,1の潜像67’1,1
と基準パターン741の潜像74’1が同図のような位置
関係で形成される。
【0208】次いで、主制御装置50では、レチクルR
T上の計測用パターン67i,jの配列ピッチと投影光学系
PLの投影倍率とに基づいて、ウエハW上の計測用パタ
ーン67i,jの設計上の配列ピッチpを算出し、そのピ
ッチpだけ、ウエハステージWSTをX軸方向に移動し
て、第2番目の計測用パターン671,2の潜像が形成さ
れたウエハW上の領域(領域S1,2と呼ぶ)のほぼ中心
が、投影光学系PLの光軸上にほぼ一致するように、ウ
エハステージWSTを移動する。
【0209】そして、主制御装置50では、制御情報T
Sを光源16に与えて、レーザビームLBを発光させ
て、照明光ELをレチクルRTに照射して露光を行う。
これにより、ウエハW上の領域S1,2には基準パターン
741が重ねて転写される。
【0210】以後、上記と同様の領域間ステッピング動
作と、露光動作とを繰り返すことにより、ウエハW上の
領域Si,jに、図10(B)と同様の計測用パターンと
基準パターンとの潜像が形成される。
【0211】このようにして、露光が終了すると、主制
御装置50では、不図示のウエハローダを介してウエハ
WをZチルトステージ58上からアンロードした後、チ
ャンバ11にインラインにて接続されている不図示のコ
ータ・デベロッパ(以下、「C/D」と略述する)に送
る。そして、C/D内で、そのウエハWの現像が行わ
れ、その現像後にウエハW上には、マトリックス状に配
列された各領域Si,jに図10(B)と同様の配置で計
測用パターンと基準パターンとのレジスト像が形成され
る。
【0212】その後、現像が終了したウエハWは、C/
Dから取り出され、外部の重ね合せ測定器(レジストレ
ーション測定器)を用いて、各領域Si,jについての重
ね合せ誤差の測定が行われ、この結果に基づいて、各計
測用パターン67i,jのレジスト像の対応する基準パタ
ーン741に対する位置誤差(位置ずれ)が算出され
る。なお、この位置ずれの算出方法は、種々考えられる
が、いずれにしても、計測された生データに基づいて統
計演算を行うことが、精度を向上する観点からは望まし
い。
【0213】このようにして、各領域Si,jについて、
基準パターンに対する計測用パターンのX,Y2次元方
向の位置ずれ(Δξ’,Δη’)が求められる。そし
て、この各領域Si,jについての位置ずれ(Δξ’,Δ
η’)のデータが、前述したサービスエンジニア等によ
り、入力装置45を介して主制御装置50に入力され
る。なお、外部の重ね合せ測定器から、演算した各領域
i,jについての位置ずれ(Δξ’,Δη’)のデータ
を、オンラインにて主制御装置50に入力することも可
能である。
【0214】いずれにしても、上記の入力に応答して、
主制御装置50内のCPUでは、前述した第1プログラ
ムと同様の演算プログラムをメインメモリにロードし、
位置ずれ(Δξ’,Δη’)に基づいて、各領域Si,j
に対応する、すなわち投影光学系PLの視野内の第1計
測点〜第n計測点に対応する波面(波面収差)、ここで
は、ツェルニケ多項式の各項の係数、例えば第2項の係
数Z2〜第37項の係数Z37を上記演算プログラムに従
って演算する。
【0215】このように、主制御装置50内のCPUで
は、上記の位置ずれ(Δξ’,Δη’)に基づいて、所
定の演算プログラムに従った演算により投影光学系PL
の波面を求めるのであるが、ここでは、その演算の前提
となる、位置ずれ(Δξ’,Δη’)と波面との物理的
な関係を、図7及び図8に基づいて簡単に説明する。
【0216】図7に、計測用パターン67k,lについ
て、代表的に示されるように、計測用パターン67i,j
で発生した回折光のうち、ピンホール状の開口70i,j
を通過した光は、どの位置の計測用パターン67i,j
由来する光であるかによって、投影光学系PLの瞳面を
通過する位置が異なる。すなわち、当該瞳面の各位置に
おける波面は、その位置に対応する計測用パターン67
i,jの位置を介した光の波面と対応している。そして、
仮に投影光学系PLに収差が全くないものとすると、こ
れらの波面は、投影光学系PLの瞳面では、すべて符号
1で示されるような理想波面(ここでは平面)となる
はずである。しかるに、収差の全く無い投影光学系は実
際には存在しないため、瞳面においては、例えば、点線
で示されるような曲面状の波面F2となる。従って、計
測用パターン67i,jの像は、ウエハW上で波面F2の理
想波面に対する傾きに応じてずれた位置に結像される。
【0217】この一方、基準パターン741(又は7
2)から発生する回折光は、図8に示されるように、
ピンホール状の開口の制限を受けることなく、しかも投
影光学系PLに直接入射し、該投影光学系PLを介して
ウエハW上に結像される。更に、この基準パターン74
1を用いた露光は、投影光学系PLの光軸上に基準パタ
ーン741の中心を位置決めした状態で行われることか
ら、基準パターン741から発生する結像光束は殆ど投
影光学系PLの収差の影響を受けることなく、光軸を含
む微小領域に位置ずれなく結像する。
【0218】従って、位置ずれ(Δξ’,Δη’)は、
波面の理想波面に対する傾斜をそのまま反映した値にな
り、逆に位置ずれ(Δξ’,Δη’)に基づいて波面を
復元することができる。なお、上記の位置ずれ(Δ
ξ’,Δη’)と波面との物理的な関係から明らかなよ
うに、本実施形態における波面の算出原理は、周知のSh
ack-Hartmannの波面算出原理そのものである。
【0219】なお、計測用レチクルRTと同様の構成の
特殊な構造のマスクを用い、そのマスク上の複数の計測
用パターンのそれぞれを、個別に設けられたピンホール
及び投影光学系を順次介して基板上に焼き付けるととも
に、マスク上の基準パターンを集光レンズ及びピンホー
ルを介することなく、投影光学系を介して基板上に焼き
付けて、それぞれの焼き付けの結果得られる複数の計測
用パターンのレジスト像それぞれの基準パターンのレジ
スト像に対する位置ずれを計測して所定の演算により、
波面収差を算出する技術に関する発明が、米国特許第
5,978,085号に開示されている。
【0220】ところで、本実施形態の露光装置1221
〜1223では、半導体デバイスの製造時には、デバイ
ス製造用のレチクルRがレチクルステージRST上に装
填され、その後、レチクルアライメント及びいわゆるベ
ースライン計測、並びにEGA(エンハンスト・グロー
バル・アライメント)等のウエハアライメントなどの準
備作業が行われる。
【0221】なお、上記のレチクルアライメント、ベー
スライン計測等の準備作業については、例えば特開平4
−324923号公報などに詳細に開示され、また、こ
れに続くEGAについては、特開昭61−44429号
公報等に詳細に開示されているので、詳細説明は省略す
る。
【0222】その後、前述した計測用レチクルRTを用
いた波面収差の計測時と同様のステップ・アンド・リピ
ート方式の露光が行われる。但し、この場合、ステッピ
ングは、ウエハアライメント結果に基づいて行われる。
なお、露光時の動作等は通常のステッパと異なることが
ないので、詳細説明については省略する。
【0223】次に、露光装置122(1221〜12
3)の製造の際に行われる投影光学系PLの製造方法
について説明する。
【0224】a. 投影光学系の仕様の決定 この仕様の決定に際しては、まず、ユーザーであるメー
カA側の技術者等により、不図示の入出力装置を介して
第1通信サーバ120に、露光装置が達成すべき目標情
報、例えば露光波長、最小線幅(又は解像力)、及び対
象パターン等の情報が入力される。次に、上記技術者等
は、入出力装置を介してその目標情報の送信を第1通信
サーバ120に指示する。
【0225】これにより、第1通信サーバ120では、
第2通信サーバ130に対してデータの受信が可能であ
るか否かの問い合わせを行い、第2通信サーバ130か
らの受信可能である旨の回答を受けて、前記目標情報を
第2通信サーバ130に送信する。
【0226】第2通信サーバ130では、上記の目標情
報を受信して、分析を行い、その分析結果に基づいて、
後述するような7通りの仕様決定方法の中から、1つの
方法を選択して、仕様を決定し、その決定した仕様をR
AM内に記憶する。
【0227】ここで、仕様決定方法の説明に先立って、
前述した式(4)で表される、投影光学系の波面を展開
したツェルニケ多項式(フリンジツェルニケ多項式)の
各項の係数Ziがどのような収差に関連するかを簡単に
説明する。各項は、前述した表1に示されるような、f
i(ρ,θ)項、すなわちρの最高次数をn次とし、θ
に掛かる係数をmとするn次mθ項を含む項である。
【0228】0次0θ項(の係数Z1)は、波面のポジ
ションを示すものであり、収差とは殆ど関係がない。1
次1θ項(の係数(Z2,Z3))は、ディストーション
成分を示す。2次0θ項(の係数Z4)は、フォーカス
成分を示す。3次以上の0θ項(の係数(Z9,Z16
25,Z36,Z37))は、球面収差成分を示す。2θ項
(の係数(Z5,Z6,Z12,Z13,Z21,Z22,Z32
33))、及び4θ項(の係数(Z17,Z18,Z28,Z
29))は、非点収差成分を示す。3次以上の1θ項(の
係数(Z7,Z8,Z14,Z15,Z23,Z24,Z34
35))、3θ項(の係数(Z10,Z11,Z19,Z20
30,Z31))、及び5θ項(の係数(Z26,Z27))
はコマ収差成分を示す。
【0229】以下、7通りの仕様決定方法について説明
するが、いずれの方法も投影光学系が満足すべき波面収
差を規格値として投影光学系の仕様を決定するものであ
る。
【0230】<第1の方法>これは、投影光学系の波面
を展開したツェルニケ多項式の各項の係数のうち、目標
情報に基づいて選択した特定の項の係数(の値)を規格
値として投影光学系の仕様を決定する方法である。この
第1の方法は、一例として、目標情報に例えば解像力が
含まれる場合に、例えばディストーション成分に対応す
る係数Z2,Z3を選択し、これらの係数の値そのものを
規格値として、視野内において、これらがそれぞれ所定
の値以下となるように投影光学系の仕様を決定するよう
な場合に用いられる。
【0231】<第2の方法>これは、投影光学系の波面
を展開したツェルニケ多項式の各項の係数のRMS値
(Root-means-square value:二乗平均値の平方根)を
規格値とし、投影光学系の視野内全体における前記RM
S値が所定の許容値を超えないように投影光学系の仕様
を決定する方法である。この第2の方法によれば、例え
ば像面湾曲等の視野内全体で定義される収差が抑制され
ることとなる。この第2の方法は、目標情報の如何によ
らず好適に適用できる。勿論、各項の係数の視野内にお
けるRMS値を規格値としても良い。
【0232】<第3の方法>これは、投影光学系の波面
を展開したツェルニケ多項式の各項の係数の値を規格値
とし、前記係数が個別に定められた各許容値をそれぞれ
超えないように前記投影光学系の仕様を決定する方法で
ある。この第3の方法では、各許容値を同一値として設
定することもできるし、個別に異なる値を任意に設定す
ることもできる。勿論、このうちのいくつかが同一値で
あることとすることもできる。
【0233】<第4の方法>この第4の方法は、投影光
学系の波面を展開したツェルニケ多項式の各項の係数の
うち、着目する特定の収差に対応するn次mθ項の係数
の視野内におけるRMS値を規格値とし、前記RMS値
が所定の許容値を超えないように投影光学系の仕様を決
定する方法である。この第4の方法は、例えば目標情報
にパターン情報が含まれている場合に、そのパターン情
報を分析してそのパターンの投影像を良好な状態で像面
上に形成するためには、特に抑制しなければならないの
は、どの収差であるかを推測し、その推測結果に基づい
て、n次mθ項の係数のRMS値を例えば次のように規
格化する。
【0234】視野内におけるZ2,Z3に関するRMS値
1を規格値とし、規格値A1≦許容値B1とする。視野
内におけるZ4のRMS値A2を規格値とし、規格値A2
≦許容値B2とする。視野内におけるZ5,Z6に関する
RMS値A3を規格値とし、規格値A3≦許容値B3とす
る。視野内におけるZ7,Z8に関するRMS値A4を規
格値とし、規格値A4≦許容値B4とする。視野内におけ
るZ9のRMS値A5を規格値とし、規格値A5≦許容値
5とする。視野内におけるZ10,Z11に関するRMS
値A6を規格値とし、規格値A6≦許容値B6とする。視
野内におけるZ12,Z13に関するRMS値A7を規格値
とし、規格値A7≦許容値B7とする。視野内におけるZ
14,Z15に関するRMS値A8を規格値とし、規格値A8
≦許容値B8とする。視野内におけるZ16のRMS値A9
を規格値とし、規格値A9≦許容値B9とする。視野内に
おけるZ17,Z18に関するRMS値A10を規格値とし、
規格値A10≦許容値B10とする。視野内におけるZ19
20に関するRMS値A11を規格値とし、規格値A11
許容値B11とする。視野内におけるZ21,Z22に関する
RMS値A12を規格値とし、規格値A12≦許容値B12
する。視野内におけるZ23,Z24に関するRMS値A13
を規格値とし、規格値A13≦許容値B13とする。視野内
におけるZ25のRMS値A14を規格値とし、規格値A14
≦許容値B14とする。視野内におけるZ26,Z27に関す
るRMS値A15を規格値とし、規格値A15≦許容値B15
とする。視野内におけるZ28,Z29に関するRMS値A
16を規格値とし、規格値A16≦許容値B16とする。視野
内におけるZ30,Z31に関するRMS値A17を規格値と
し、規格値A17≦許容値B17とする。視野内におけるZ
32,Z33に関するRMS値A18を規格値とし、規格値A
18≦許容値B18とする。視野内におけるZ34,Z35に関
するRMS値A19を規格値とし、規格値A19≦許容値B
19とする。視野内におけるZ36,Z37に関するRMS値
20を規格値とし、規格値A20≦許容値B20とする。
【0235】<第5の方法>この第5の方法は、投影光
学系の波面を展開したツェルニケ多項式の各項の係数の
うち、着目する特定の収差に対応する各項をmθ項毎の
複数のグループに分離し、各グループに含まれる各項の
係数の視野内におけるRMS値を規格値とし、各グルー
プの前記RMS値が個別に定められた各許容値を超えな
いように投影光学系の仕様を決定する方法である。
【0236】例えば、3次以上の0θ項の係数Z9,Z
16,Z25,Z36,Z37に関する視野内におけるRMS値
1を規格値とし、規格値C1≦許容値D1とする。3次
以上の1θ項の係数Z7,Z8,Z14,Z15,Z23
24,Z34,Z35に関する視野内におけるRMS値C2
を規格値とし、規格値C2≦許容値D2とする。2θ項の
係数Z5,Z6,Z12,Z13,Z21,Z22,Z32,Z33
関する視野内におけるRMS値C3を規格値とし、規格
値C3≦許容値D3とする。3θ項の係数Z10,Z11,Z
19,Z20,Z30,Z31に関する視野内におけるRMS値
を規格値C4とし、規格値C4≦許容値D4とする。4θ
項の係数Z17,Z18,Z28,Z29に関する視野内におけ
るRMS値を規格値C5とし、規格値C5≦許容値D5
する。5θ項の係数Z26,Z27に関する視野内における
RMS値を規格値C6とし、規格値C6≦許容値D6とす
る。
【0237】この第5の方法も、前述の各項の係数の有
する意味からわかるように、例えば目標情報にパターン
情報が含まれている場合に、そのパターン情報を分析し
てそのパターンの投影像を良好な状態で像面上に形成す
るためには、特に抑制しなければならないのは、どの収
差であるかを推測し、その推測結果に基づいて行うこと
ができる。
【0238】<第6の方法>この第6の方法は、投影光
学系PLの波面を展開したツェルニケ多項式の各項の係
数に目標情報に応じて重み付けした重み付け後の各項の
係数を規格値とし、重み付け後の前記各項の係数の視野
内におけるRMS値が所定の許容値を超えないように投
影光学系の仕様を決定する方法である。この第6の方法
も、例えば目標情報にパターン情報が含まれている場合
に、そのパターン情報を分析してそのパターンの投影像
を良好な状態で像面上に形成するためには、特に抑制し
なければならないのは、どの収差であるかを推測し、そ
の推測結果に基づいて行うことができる。
【0239】<第7の方法>この第7の方法は、目標情
報に、投影光学系の投影対象であるパターンの情報が含
まれる場合にのみ用いられる方法であって、前記パター
ンの情報に基づいて、該パターンを投影光学系により投
影した際に像面に形成される空間像を求めるためのシミ
ュレーションを行い、このシミュレーション結果を分析
してパターンが良好に転写されるために投影光学系に許
容される波面収差を規格値として投影光学系の仕様を決
定するものである。この場合、シミュレーションの方法
として、例えば前述と同様のツェルニケ変化表を予め作
成し、そのツェルニケ変化表から得られる、前記パター
ンを対象パターンとした場合に特定の収差(その指標値
を含む)に対して前記パターンに応じて定まる、投影光
学系の波面を展開したツェルニケ多項式の各項の係数の
感度(Zernike Sensitivity)と、投影光学系の波面を
展開したツェルニケ多項式の各項の係数との線形結合に
基づいて空間像を求めても良い。
【0240】これを更に詳述すると、投影光学系の視野
内のn個の計測点(評価点)における諸収差(その指標
値を含む)、例えばm種類の収差から成るn行m列のマ
トリックスfと、前記n個の計測点における波面収差の
データ、例えば波面を展開したツェルニケ多項式の各項
の係数、例えば第2項〜第37項の係数Z2〜Z37から
成るn行36列のマトリックスWaと、ツェルニケ変化
表のデータ(すなわち所定の露光条件下におけるm種類
の諸収差のツェルニケ多項式の各項の係数、例えば第2
項〜第37項の係数Z2〜Z37の1λ当たりの変化量(Z
ernike Sensitivity)から成る例えば36行m列のマト
リックスZSとの間には、次式(13)で示される関係
がある。
【0241】 f=Wa・ZS ……(13) ここで、f、Wa、ZSは、一例としてそれぞれ次式
(14)、(15)、(16)のように表すことができ
る。
【0242】
【数7】
【0243】上記式(13)から明らかなように、ツェ
ルニケ変化表と波面収差のデータ(例えば波面を展開し
たツェルニケ多項式の各項の係数、例えば第2項〜第3
7項の係数Z2〜Z37)とを用いることにより、任意の
収差を所望の値に定めることができる。換言すれば、上
式(13)のfに所望の収差の値を与え、既知の(予め
作成した)ツェルニケ変化表のデータを用いて、上式
(13)を最小自乗法で解くことにより、特定の収差を
所望の値にする投影光学系の視野内の各点におけるツェ
ルニケ多項式の各項の係数、例えば第2項〜第37項の
係数Z2〜Z37を定めることができることがわかる。
【0244】すなわち、この第7の方法は、上記のシミ
ュレーションにより、特定の収差、例えばコマ収差の指
標値である線幅異常値が所定の値以下となるようなパタ
ーンの空間像を求め、その空間像が得られたときの波面
収差(波面を展開したツェルニケ多項式の各項の係数)
を規格値として投影光学系の仕様を決定するものであ
る。
【0245】上述した第1〜第7の仕様決定方法は、い
ずれも露光装置が達成すべき目標情報に基づいて、投影
光学系の瞳面における波面の情報、すなわち瞳面を通過
する総合的な情報を規格値として投影光学系の仕様を決
定するので、この仕様を満足する投影光学系を製造すれ
ば、結果的に露光装置が達成すべき目標を確実に達成す
ることができる。
【0246】b. 投影光学系の製造工程 次に、図11のフローチャートに沿って投影光学系PL
の製造工程について説明する。
【0247】〔ステップ1〕ステップ1では、まず、所
定の設計レンズデータによる設計値に従って投影光学系
PLを構成する各光学部材としての各レンズ素子、並び
に各レンズを保持するレンズホルダ、レンズ素子とレン
ズホルダとから成る光学ユニットを収納する鏡筒を製造
する。すなわち、各レンズ素子は、周知のレンズ加工機
を用いて所定の光学材料からそれぞれ所定の設計値に従
う曲率半径、軸上厚を持つように加工され、また各レン
ズを保持するレンズホルダ、レンズ素子とレンズホルダ
とから成る光学ユニットを収納する鏡筒は、周知の金属
加工機等を用いて所定の保持材料(ステンレス、真鍮、
セラミック等)からそれぞれ所定の寸法を持つ形状に加
工される。
【0248】〔ステップ2〕ステップ2では、ステップ
1にて製造された投影光学系PLを構成する各レンズ素
子のレンズ面の面形状を例えばフィゾー型の干渉計を用
いて計測する。このフィゾー型の干渉計としては、波長
633nmの光を発するHe−Ne気体レーザや波長3
63nmの光を発するArレーザ、波長248nmに高
調波化されたArレーザ等を光源とするものが用いられ
る。このフィゾー型の干渉計によると、光路上に配置さ
れた集光レンズの表面に形成された参照面と被検面であ
るレンズ素子表面からの反射光の干渉による干渉縞をC
CD等の撮像装置により計測することにより被検面の形
状を正確に求めることができる。なお、フィゾー型の干
渉計を用いてレンズ等の光学素子の表面(レンズ面)の
形状を求めることは公知であり、このことは、例えば、
特開平62−126305号、特開平6−185997
号等にて開示されているので、詳細な説明は省略する。
【0249】上述したフィゾー型の干渉計を用いた光学
素子の面形状の計測は、投影光学系PLを構成する各レ
ンズ素子の全てのレンズ面に関して行われる。そして、
それぞれの計測結果をコンソール等の不図示の入力装置
を介して第2通信サーバ130が備えるRAM等のメモ
リ、あるいはハードディスク等の記憶装置に記憶させ
る。
【0250】〔ステップ3〕ステップ2での投影光学系
PLを構成する各レンズ素子の全てのレンズ面の面形状
の計測が完了した後、設計値に従って加工製造された光
学ユニット、すなわち、レンズ等の光学素子とその光学
素子を保持するレンズホルダとからそれぞれ成る複数の
光学ユニットを組み上げる。この光学ユニットのうち、
複数、例えば4つは、前述した可動レンズ131〜134
をそれぞれ有しており、該可動レンズ131〜134を有
する光学ユニットには、前述の如く、上記レンズホルダ
として、二重構造のレンズホルダが用いられている。す
なわち、これらの二重構造のレンズホルダは、可動レン
ズ131〜134をそれぞれ保持する内側レンズホルダ
と、その内側レンズホルダを保持する外側レンズホルダ
とをそれぞれ有し、内側レンズホルダと外側レンズホル
ダとの位置関係が機械式の調整機構を介して調整可能な
構造となっている。また、二重構造のレンズホルダに
は、前述した駆動素子がそれぞれ所定の位置に設けられ
ている。
【0251】そして、上述のようにして組み上げられた
複数の光学ユニットを、鏡筒の上部開口を介して順次、
スペーサを介在させながら鏡筒内に落とし込むように組
み上げていく。そして、最初に鏡筒内に落としこまれた
光学ユニットは、鏡筒の下端に形成された突出部によっ
てスペーサを介して支持され、全ての光学ユニットが鏡
筒内に収容されることにより組み立て工程が完了する。
この組み立て工程と並行して、光学ユニットと共に鏡筒
内に収納されるスペーサの厚さを加味しながら工具(マ
イクロメータ等)を用いて、各レンズ素子の光学面(レ
ンズ面)の間隔に関する情報を計測する。そして、投影
光学系の組み立て作業と計測作業とを交互に行いなが
ら、ステップ3の組み立て工程が完了した段階での投影
光学系PLの最終的な各レンズ素子の光学面(レンズ
面)の間隔を求める。
【0252】なお、この組み立て工程を含み、製造段階
の各工程では、前述した可動レンズ131〜134は中立
位置に固定されている。また、説明は省略したが、この
組み立て工程において、瞳開口絞り15も組み込まれ
る。
【0253】上記の組み立て工程中または組み立て完了
時での投影光学系PLの各レンズ素子の光学面(レンズ
面)間の間隔に関する計測結果を不図示のコンソール等
の不図示の入力装置を介して第2通信サーバ130が備
えるRAM等のメモリ、あるいはハードディスク等の記
憶装置に記憶させる。なお、以上の組み立て工程に際し
て、必要に応じて光学ユニットを調整しても良い。
【0254】このとき、例えば、機械式の調整機構を介
して光学素子間の光軸方向での相対間隔を変化、あるい
は光軸に対して光学素子を傾斜させる。また、鏡筒の側
面を貫通する雌螺子部を通して螺合するビスの先端がレ
ンズホルダに当接するように鏡筒を構成し、そのビスを
ドライバー等の工具を介して移動させることにより、レ
ンズホルダを光軸と直交する方向へずらし、偏心等の調
整をしても良い。
【0255】〔ステップ4〕次に、ステップ4では、ス
テップ3にて組み上がった投影光学系PLの波面収差を
計測する。
【0256】具体的には、投影光学系PLを不図示の大
型の波面計測装置のボディに取り付け、波面収差を計測
する。この波面計測装置による波面の計測原理は、前述
した波面収差計測器80と異なるところがないので、詳
細説明は省略する。
【0257】上記の波面収差の計測の結果、波面計測装
置により、投影光学系の波面を展開したツェルニケ多項
式(フリンジツェルニケ多項式)の各項の係数Zi(i
=1、2、……、37)が得られる。従って、波面計測
装置を第2通信サーバ130に接続しておくことによ
り、第2通信サーバ130のRAM等のメモリ(あるい
はハードディスク等の記憶装置)に上記ツェルニケ多項
式の各項の係数Ziが自動的に取り込まれる。なお、上
記の説明では、波面計測装置では、ツェルニケ多項式の
第81項までを用いるものとしたが、これは、投影光学
系PLの各収差の高次成分も算出するためにこのように
したものである。しかし、前述の波面収差計測器の場合
と同様に第37項までを算出することとしても良いし、
あるいは82項以上の項をも算出するようにしても良
い。
【0258】〔ステップ5〕ステップ5では、ステップ
4にて計測された波面収差が、先に説明した第1〜第7
の仕様決定方法のうちから選択された決定方法に従って
決定された仕様を満足するように、投影光学系PLを調
整する。
【0259】まず、投影光学系PLの調整に先立って、
第2通信サーバ130は、メモリ内に記憶された各情
報、すなわち上記ステップ2にて得られた各光学素子の
面形状に関する情報及び上記ステップ3の組み立て工程
にて得られた各光学素子の光学面の間隔に関する情報等
に基づいて、メモリ内に予め記憶された光学基本データ
を修正して、実際に組上がった投影光学系PLの製造過
程での光学データを再現する。この光学データは、各光
学素子の調整量を算出するために用いられる。
【0260】すなわち、第2通信サーバ130のハード
ディスク内には、投影光学系PLを構成する全てのレン
ズ素子について、各レンズ素子の6自由度方向それぞれ
の単位駆動量とツェルニケ多項式の各項の係数Ziの変
化量との関係を、投影光学系の設計値に基づいて算出し
た、いわば前述したマトリックスOを可動レンズのみな
らず非可動のレンズ素子をも含むように拡張した調整用
基本データベースが、予め格納されている。そこで、第
2通信サーバ130では、上述した投影光学系PLの製
造過程での光学データに基づいて、所定の演算により上
記の調整用基本データベースを修正する。
【0261】そして、例えば上述した第1〜第6の方法
のいずれかを選択している場合には、第2通信サーバ1
30では、修正後の基本データベースと、波面の目標
値、すなわち選択した仕様決定方法に基づきツェルニケ
多項式の各項の係数Ziが満足すべき値と、上記波面計
測装置の計測結果として得られたツェルニケ多項式の各
項の係数Ziの実測値とに基づいて、所定の演算プログ
ラムに従って、各レンズ素子の6自由度方向それぞれの
調整量を例えば最小自乗法により算出する。
【0262】そして、第2通信サーバ130では、ディ
スプレイの画面上に各レンズ素子の6自由度方向それぞ
れの調整量(ゼロを含む)の情報を表示する。
【0263】この表示に従って、技術者(作業者)によ
り、各レンズ素子が調整される。これにより、選択され
た仕様決定方法に従って決定された仕様を満たすように
投影光学系PLが調整される。
【0264】具体的には、仕様決定方法として、第1の
方法が選択されている場合には、投影光学系PLの波面
を展開したツェルニケ多項式の各項の係数のうち、目標
情報に基づいて選択した特定の項の係数が所定値を超え
ないように投影光学系PLが調整される。また、第2の
方法が選択されている場合には、投影光学系PLの視野
内全体における波面を展開したツェルニケ多項式の各項
の係数のRMS値が、所定の許容値を超えないように投
影光学系PLが調整される。また、第3の方法が選択さ
れている場合には、投影光学系の波面を展開したツェル
ニケ多項式の各項の係数が個別に定められた各許容値を
それぞれ超えないように投影光学系PLが調整される。
また、第4の方法が選択されている場合には、投影光学
系PLの波面を展開したツェルニケ多項式の各項の係数
のうち、着目する特定の収差に対応するn次mθ項の係
数の視野内におけるRMS値が所定の許容値を超えない
ように投影光学系PLが調整される。第5の方法が選択
されている場合には、投影光学系PLの波面を展開した
ツェルニケ多項式の各項の係数のうち、着目すべき特定
の収差に対応する各項をmθ項毎の複数のグループに分
離し、各グループに含まれる各項の係数の視野内におけ
るRMS値が個別に定められた各許容値を超えないよう
に投影光学系が調整される。また、第6の方法が選択さ
れている場合には、投影光学系PLの波面を展開したツ
ェルニケ多項式の各項の係数に目標情報に応じて重み付
けした重み付け後の各項の係数の視野内におけるRMS
値が所定の許容値を超えないように投影光学系PLが調
整される。
【0265】一方、第7の方法を選択している場合に
は、第2通信サーバ130では、前記目標情報に含まれ
るパターンの情報に基づいて、該パターンを投影光学系
により投影した際に像面に形成される空間像を求めるた
めのシミュレーションを行い、このシミュレーション結
果を分析してパターンが良好に転写されるために投影光
学系PLに許容される波面収差を満たすように投影光学
系PLを調整する。この場合において、第2通信サーバ
130では、シミュレーションの方法として、例えば前
述と同様のツェルニケ変化表を予め作成し、そのツェル
ニケ変化表から得られる、前記パターンを対象パターン
とした場合に特定の収差(その指標値を含む)に対して
前記パターンに応じて定まる、投影光学系の波面を展開
したツェルニケ多項式の各項の係数の感度(Zernike Se
nsitivity)と、投影光学系の波面を展開したツェルニ
ケ多項式の各項の係数との線形結合に基づいて空間像を
求め、その空間像に基づいて前記着目する収差が許容値
を超えないようなレンズ素子の調整量を例えば最小自乗
法により算出する。
【0266】そして、第2通信サーバ130では、ディ
スプレイの画面上に各レンズ素子の6自由度方向それぞ
れの調整量(ゼロを含む)の情報を表示する。この表示
に従って、技術者(作業者)により、各レンズ素子が調
整される。これにより、選択された第7の仕様決定方法
に従って決定された仕様を満たすように投影光学系PL
が調整される。
【0267】いずれにしても、投影光学系PLの波面の
計測結果に基づいて投影光学系PLが調整されるので、
低次収差のみでなく高次収差も含めて同時に調整でき、
しかも従来のように調整する収差の順番を考慮する必要
もない。従って、投影光学系の光学特性を高精度にかつ
簡易に調整することが可能となる。このようにして、決
定した仕様をほぼ満たす投影光学系PLが製造されるこ
ととなる。
【0268】なお、本実施形態では、ステップ4にて波
面収差を計測した後、投影光学系の調整を行うことなく
投影光学系を露光装置に組み込んでから投影光学系の調
整を行うものとしたが、投影光学系を露光装置に組み込
む前に投影光学系の調整(光学素子の再加工や交換な
ど)を行い、この調整された投影光学系を露光装置に組
み込むようにしても良い。このとき、前述の結像特性調
整機構を用いることなく、例えば作業者が光学素子の位
置調整などを行うことにより投影光学系を調整しても良
い。また、投影光学系を露光装置に組み込んでから、前
述の波面収差計測器80又は計測用レチクルRTを用い
て波面収差を再度計測し、この計測結果に基づいて投影
光学系を再調整することが望ましい。
【0269】なお、上記の投影光学系PLの調整等に際
して行われる波面収差の計測は、上述の如く、波面計測
装置を用い、ピンホール及び投影光学系PLを介して形
成された空間像に基づいて行うこととしても良いが、こ
れに限らず、例えば計測用レチクルRTを用い、所定の
計測用パターンをピンホール及び投影光学系PLを介し
てウエハW上に焼付けた結果に基づいて行うこととして
も良い。
【0270】なお、投影光学系PLの光学素子の再加工
を容易に行うため、上述の波面計測装置を用いて波面収
差を計測した際に、この計測結果に基づいて再加工が必
要な光学素子の有無や位置などを特定し、その光学素子
の再加工と他の光学素子の再調整とを並行して行うよう
にしても良い。また、投影光学系の光学素子の再加工又
は交換が必要なときは、投影光学系を露光装置に組み込
む前に再加工又は交換を行うことが好ましい。
【0271】次に、露光装置122の製造方法について
説明する。
【0272】露光装置122の製造に際しては、まず、
複数のレンズ素子、ミラー等の光学素子などを含む照明
光学系12をユニット単体として組み立てるとともに、
上述のようにして投影光学系PLを単体として組み立て
る。また、多数の機械部品から成るレチクルステージ系
やウエハステージ系などを、それぞれユニットとして組
み立てる。そして、それぞれユニット単体としての所望
の性能を発揮するように、光学的な調整、機械的な調
整、及び電気的な調整等を行う。なお、この調整に際し
て、投影光学系PLについては上述した方法により調整
が行われる。
【0273】次に、照明光学系12や投影光学系PLな
どを露光装置本体に組むとともに、レチクルステージ系
やウエハステージ系などを露光装置本体に取り付けて配
線や配管を接続する。
【0274】次いで、照明光学系12や投影光学系PL
については、光学的な調整を更に行う。これは、露光装
置本体への組み付け前と組み付け後とでは、それらの光
学系、特に投影光学系PLの結像特性が微妙に変化する
からである。本実施形態では、この露光装置本体に対す
る組み込み後に行われる投影光学系PLの光学的な調整
に際し、前述した波面収差計測器80をZチルトステー
ジ58に取り付け、前述と同様にして波面収差を計測
し、その波面収差の計測結果として得られる各計測点に
おける波面の情報を、オンラインにてその製造中の露光
装置の主制御装置50から第2通信サーバ130に送
る。そして、第2通信サーバ130により、上述した投
影光学系PL単体の製造時における調整の際と同様にし
て、各レンズ素子の6自由度方向それぞれの調整量を例
えば最小自乗法により算出し、その算出結果をディスプ
レイ上に表示させる。
【0275】そして、この表示に従って、技術者(作業
者)により、各レンズ素子が調整される。これにより、
決定された仕様を確実に満たす投影光学系PLが製造さ
れる。
【0276】なお、この製造段階における最終調整を、
前述した第2通信サーバ130からの指示に基づく、主
制御装置50による結像特性補正コントローラ48を介
した投影光学系PLの自動調整により行うことは可能で
ある。しかしながら、露光装置の製造が終了した段階で
は、各可動レンズを中立位置に保っておくことが、半導
体製造工場への納入後に駆動素子の駆動ストロークを十
分に確保するために望ましく、また、この段階で、修正
されていない収差、主として高次収差は自動調整が困難
な収差であると判断できるので、上記の如く、レンズ等
の組付けなどを再調整することが望ましい。
【0277】なお、上記の再調整により所望の性能が得
られない場合などには、一部のレンズを再加工又は交換
する必要も生じる。なお、投影光学系PLの光学素子の
再加工を容易に行うため、前述した如く、投影光学系P
Lを露光装置本体に組み込む前に投影光学系PLの波面
収差を前述の波面計測装置等を用いて計測し、この計測
結果に基づいて再加工が必要な光学素子の有無や位置な
どを特定することとしても良い。また、その光学素子の
再加工と他の光学素子の再調整とを並行して行うように
しても良い。
【0278】また、投影光学系PLの光学素子単位でそ
の交換などを行っても良いし、あるいは複数の鏡筒を有
する投影光学系ではその鏡筒単位で交換などを行っても
良い。更に、光学素子の再加工では必要に応じてその表
面を非球面に加工しても良い。また、投影光学系PLの
調整では光学素子の位置(他の光学素子との間隔を含
む)や傾斜などを変更するだけでも良いし、特に光学素
子がレンズエレメントであるときはその偏心を変更した
り、あるいは光軸AXを中心として回転させても良い。
【0279】その後、更に総合調整(電気調整、動作確
認等)をする。これにより、光学特性が高精度に調整さ
れた投影光学系PLを用いて、レチクルRのパターンを
ウエハW上に精度良く転写することができる、本実施形
態の露光装置122を製造することができる。なお、露
光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたク
リーンルームで行うことが望ましい。
【0280】以上詳細に説明したように、本実施形態に
係るコンピュータシステム10及び該コンピュータシス
テム10で行われる投影光学系の仕様決定方法による
と、露光装置122が達成すべき目標情報に基づいて、
投影光学系PLが満足すべき波面収差を規格値として投
影光学系PLの仕様が決定される。すなわち、投影光学
系PLの瞳面における波面の情報を規格値として投影光
学系PLの仕様が決定される。従って、その決定された
仕様に従って投影光学系PLを製造する際に、波面収差
の計測結果に基づいて投影光学系PLを調整することに
より、低次収差のみでなく高次収差をも同時に修正する
ことができる。従って、製造段階において、低次の収差
を修正するための投影光学系の調整を行った後に、高次
収差を光線追跡により検出し、その検出結果に基づいて
低次の収差を修正するための投影光学系の調整を再度行
っていた従来技術に比べて、明らかに投影光学系の製造
工程が簡略化される。しかも、この場合、目標情報に基
づいて仕様が決定されているので、結果的に製造された
投影光学系により露光装置が達成すべき目標が確実に達
成される。
【0281】また、上記実施形態に係るコンピュータシ
ステム10及び該コンピュータシステムによって行われ
る最良条件の決定方法によると、露光装置122を管理
するホストコンピュータあるいはオペレータにより、第
1通信サーバ120に所定のパターンの情報を含む露光
条件の情報が入力されると、第2通信サーバ130で
は、通信路を介して第1通信サーバ120から受信した
露光条件の情報に含まれる前記パターンの情報と投影光
学系PLの既知の収差情報とに基づいて、前記パターン
を投影光学系PLにより投影した際に像面に形成される
空間像を求めるためのシミュレーションを繰り返し行
い、そのシミュレーション結果を分析して最良露光条件
を決定する。従って、最適な露光条件の設定をほぼ全自
動で行うことが可能となる。
【0282】また、本実施形態のコンピュータシステム
10によると、露光装置122のメンテナンス時等にお
ける投影光学系PLの調整の際には、サービスエンジニ
ア等が、波面収差計測器80をZチルトステージ58に
取り付け、入力装置45を介して波面収差の計測指令を
入力するだけで、ほぼ全自動で、第2通信サーバ130
による遠隔操作により、投影光学系PLの結像特性を高
精度に調整することができる。あるいは、サービスエン
ジニア等は、計測用レチクルRTを用いて露光装置12
2の投影光学系PLの波面収差の計測を前述した手順で
行い、その結果得られた位置ずれ量のデータを露光装置
122の主制御装置50に入力することによっても、ほ
ぼ全自動で、第2通信サーバ130による遠隔操作によ
り、投影光学系PLの結像特性を高精度に調整すること
ができる。
【0283】また、本実施形態の露光装置122による
と、露光の際には、上述のようにして最良露光条件が設
定され、かつ投影光学系PLの結像特性が精度良く調整
された投影光学系PLを介してレチクルRのパターンが
ウエハW上に転写されるので、微細パターンを重ね合せ
精度良くウエハW上に転写することが可能になってい
る。
【0284】なお、上記実施形態では、投影光学系PL
によるパターンの投影像の形成状態を調整する調整装置
が、投影光学系PLの結像特性を調整する結像特性調整
機構によって構成された場合について説明したが、本発
明がこれに限定されるものではない。調整装置として
は、前述の結像特性調整機構に代えて、あるいはこれと
ともに、例えばレチクルR及びウエハWの少なくとも一
方を光軸AX方向に駆動する機構や、照明光ELの波長
をシフトさせる機構などを用いても良い。例えば、照明
光ELの波長をシフトさせる機構を、前述の結像特性調
整機構とともに用いる場合には、前述と同様に、照明光
ELの単位シフト量に対する投影光学系PLの視野内の
複数の計測点それぞれに対応する結像特性、具体的には
波面のデータ、例えばツェルニケ多項式の第2項〜第3
7項の係数がどのように変化するかのデータをシミュレ
ーション等により予め求めておき、それを前述のデータ
ベース内のパラメータの1つとして含めることにより、
前述の各可動レンズの調整量と同様の扱いが可能とな
る。すなわち、前述の第2プログラムに従った最小自乗
演算を、そのデータベースを用いて行うことにより、投
影光学系によるパターンの結像状態の調整のための照明
光ELの波長の最適シフト量の算出を容易に行うことが
でき、この算出結果に基づく波長の自動調整が可能とな
る。
【0285】なお、上記実施形態では、光学装置として
露光装置が用いられる場合について説明したが、これに
限らず、投影光学系を備えた光学装置であれば良い。
【0286】また、上記実施形態では、公衆回線をその
一部に含む通信路を介して第1コンピュータとしての第
1通信サーバ120と第2コンピュータとしての第2通
信サーバ130とが接続されたコンピュータシステムに
ついて説明したが、本発明がこれに限定されるものでは
ない。例えば、図12に示されるように通信路としての
LAN126’を介して第1通信サーバ120と第2通
信サーバ130とが接続されたコンピュータシステムで
あっても良い。かかる構成としては、露光装置メーカ内
の研究開発部門内に設置された社内LANシステムなど
が考えられる。
【0287】このような社内LANシステムを構築する
場合には、例えば、研究開発部門のクリーンルーム側、
例えば露光装置の組み立て調整を行う場所(以下、「現
場」と呼ぶ)に第1通信サーバ120を設置し、第2通
信サーバ130を現場から離れた研究室に設置する。そ
して、現場側の技術者が前述した波面収差の計測や、実
験段階での露光装置の露光条件の情報(パターンの情報
を含む)を第1通信サーバ120を介して研究室側の第
2通信サーバ130に送る。そして、研究室側の技術者
は、自ら設計したソフトウェアプログラムが予めインス
トールされた第2通信サーバ130を用いて、送られて
きた情報に基づいて、露光装置122の投影光学系PL
の結像特性の自動補正を、離れた場所から行い、その結
像特性の調整後の投影光学系の波面収差の計測結果を受
け取ることにより、その結像特性の調整の効果を確認す
ることができ、ソフトウェアの開発段階などにも役立て
ることができる。
【0288】あるいは、現場の技術者が、第2通信サー
バ130に対してパターンの情報等を第1通信サーバ1
20から送信することにより、第2通信サーバ130に
よってそのパターンに最適な投影光学系の仕様を決定す
ることが可能となる。
【0289】この他、第1通信サーバ120と第2通信
サーバ130とは、無線回線によって接続しても良い。
【0290】また、上記実施形態及び変形例では、露光
装置122が、複数台設けられ、第2通信サーバ130
が、通信路を介して複数台の露光装置1221〜1223
に共通に接続された場合について説明したが、本発明が
これに限定されることはなく、露光装置は単数であって
も勿論良い。
【0291】なお、上記実施形態では、投影光学系の仕
様をコンピュータシステム10を用いて決定する場合に
ついて説明したが、波面を規格値として投影光学系の仕
様を決定するという技術的思想は、コンピュータシステ
ム10とは無関係に用いることができる。すなわち、メ
ーカAとメーカBとの商談においても、メーカAからの
パターン情報等の提供を受け、メーカB側でそのパター
ンの露光に最適な投影光学系の仕様を波面を規格値とし
て決定しても良い。かかる場合であっても、波面を規格
値として決定された仕様に基づいて投影光学系を製造す
る場合には、前述の如く製造工程が簡略化されるという
利点がある。
【0292】さらに、上記実施形態では、露光装置12
2の投影光学系PLの波面収差の計測結果に基づいて、
第2通信サーバ130が第2プログラムを用いて可動レ
ンズ131〜134の調整量ADJ1〜ADJmを算出
し、この調整量のデータを露光装置122の主制御装置
50に送信する。そして、その調整量ADJ1〜ADJ
mのデータを受信した露光装置122の主制御装置50
が、調整量ADJ1〜ADJmのデータに従って、可動
レンズ131〜134を各自由度方向に駆動すべき旨の指
令値を、結像特性補正コントローラ48に与えることに
より、投影光学系PLの結像特性の調整を遠隔操作によ
り行うものとした。しかし、これに限らず、露光装置1
22自らが第2プログラムと同様の演算プログラムを用
いて、波面収差の計測結果に基づいて投影光学系の結像
特性を自動調整するような構成とすることとしても良
い。
【0293】なお、上記実施形態では、計測用レチクル
Tに計測用パターンとともに、基準パターンが設けら
れる場合について説明したが、基準パターンは、光学特
性計測用マスク(上記実施形態では計測用レチクル
T)に設ける必要はない。すなわち、基準パターンを
別のマスクに設けても良いし、基準パターンをマスク側
に設けることなく、基板(ウエハ)側に設けても良い。
すなわち、基準パターンが投影倍率に応じた大きさで予
め形成された基準ウエハを用い、その基準ウエハ上にレ
ジストを塗布し、そのレジスト層に計測用パターンを転
写して、現像を行い、その現像後に得られる計測用パタ
ーンのレジスト像と基準パターンとの位置ずれを計測す
るようにすることにより、実質的に上記実施形態と同様
の計測が可能となる。
【0294】また、上記実施形態では、計測用パターン
及び基準パターンをウエハW上に転写した後に、そのウ
エハを現像して得られるレジスト像の計測結果に基づい
て、投影光学系PLの波面収差を算出するものとした
が、これに限らず、計測用パターンの投影像(空間像)
をウエハ上に投影し、その投影像(空間像)を空間像計
測器などを用いて計測し、あるいはレジスト層に形成さ
れた計測用パターン及び基準パターンの潜像あるいはウ
エハをエッチングして得られる像を計測することとして
も良い。かかる場合であっても、計測用パターンの基準
位置(例えば設計上の計測用パターンの投影位置)から
の位置ずれを計測すれば、その計測結果に基づいて上記
実施形態と同様の手順で投影光学系の波面収差を求める
ことは可能である。また、計測用パターンをウエハ上に
転写する代わりに、予め計測用パターンが形成された基
準ウエハを準備しておき、この基準ウエハ上のレジスト
層に基準パターンを転写してその位置ずれを計測しても
良いし、あるいは計測用パターンに対応する複数の開口
を有する空間像計測器を用いてその両者の位置ずれを計
測するようにしても良い。更に、上記実施形態では前述
した位置ずれを重ね合せ測定器を用いて計測するものと
したが、それ以外、例えば露光装置内に設けられるアラ
イメントセンサなどを用いても良い。
【0295】また、上記実施形態ではツェルニケ多項式
の第37項までを用いるものとしたが、第38項以上を
用いても良く、例えば第81項までを用いて、投影光学
系PLの各収差の高次成分も算出しても良い。すなわ
ち、ツェルニケ多項式で使用する項の数や番号は任意で
構わない。更に、照明条件などによっては、投影光学系
PLの収差を積極的に発生させることもあるので、上記
実施形態では目的収差を常に零ないし最小とするだけで
なく、目的収差を所定値となるように投影光学系PLの
光学素子を調整しても良い。
【0296】なお、上記実施形態では、第1通信サーバ
120が、例えば露光装置1221で次に使用が予定さ
れているレチクルの情報を、例えば露光装置122
1223を管理する不図示のホストコンピュータに対し
て問い合わせ、そのレチクルの情報に基づいて、所定の
データベースを検索し、そのパターン情報を得る、ある
いはパターン情報をオペレータが入力装置を介して第1
通信サーバ120に手入力にて入力するものとした。し
かし、これに限らず、露光装置内に図2中に仮想線で示
されるバーコードリーダ等の読取装置BRを設け、この
読取装置BRを用いて主制御装置50を介して第1通信
サーバ120が、レチクルステージRSTに搬送される
途中のレチクルRに付されたバーコード又は2次元コー
ドなどを読み取って、そのパターン情報を自ら得るよう
にしても良い。
【0297】また、波面収差の計測に例えば前述の計測
用レチクルを用いる場合には、ウエハ上のレジスト層に
転写され形成された計測用パターンの潜像の基準パター
ンの潜像に対する位置ずれを、例えば露光装置が備える
アライメント系ALGによって検出することとしても良
い。また、波面収差の計測に例えば波面収差計測器を用
いる場合に、その波面収差計測器として全体形状がウエ
ハホルダと交換可能な形状を有する波面収差計測器を用
いても良い。かかる場合には、この波面収差計測器は、
ウエハ又はウエハホルダの交換を行う搬送系(ウエハロ
ーダなど)を用いて自動搬送することが可能である。こ
のような種々の工夫により、前述の投影光学系PLの結
像特性の自動調整や、最良露光条件の設定を、オペレー
タやサービスエンジニアを介在させることなくコンピュ
ータシステム10によって全て自動的に行うようにする
ことも可能である。なお、上記実施形態では、ウエハス
テージに対して波面収差計測器80が着脱自在である場
合について説明したが、波面収差計測器80は、ウエハ
ステージに常設されていても良い。このとき、波面収差
計測器80の一部のみをウエハステージに設置し、残り
をウエハステージの外部に配置しても良い。また、上記
実施形態では波面収差計測器80の受光光学系の収差を
無視するものとしたが、その波面収差を考慮して投影光
学系の波面収差を決定しても良い。
【0298】さらに、上記実施形態で説明した第1〜第
3プログラムの全て及びこれらに付属するデータベース
を露光装置122のドライブ装置46にセットされた情
報記録媒体又は記憶装置42に予め格納しておいて、露
光装置122単独で、前述の投影光学系PLの結像特性
の自動調整や、最良露光条件の設定を行うようにするこ
とも可能である。また、メーカAの工場内にLANなど
により露光装置と接続される専用サーバ(前述の第2通
信サーバ130に相当)を設置し、この専用サーバに第
1〜第3プログラムなどを格納しても良い。要は、本発
明は、図1の構成に限られるものではなく、第1〜第3
プログラムを格納するコンピュータ(サーバなど)の設
置場所などは任意で構わない。
【0299】なお、上記実施形態では、露光装置として
ステッパを用いる場合について説明したが、これに限ら
ず、例えば米国特許第5,473,410号等に開示さ
れるマスクと基板とを同期移動してマスクのパターンを
基板上に転写する走査型の露光装置を用いても良い。
【0300】この場合の露光装置の用途としては半導体
製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型
のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液
晶用の露光装置や、薄膜磁気へッド、マイクロマシーン
及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広
く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイ
スだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光
装置、及び電子線又はイオンビームなどを用いる荷電粒
子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製
造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回
路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用でき
る。
【0301】また、上記実施形態の露光装置の光源は、
2レーザ光源、ArFエキシマレーザ光源、KrFエ
キシマレーザ光源などの紫外パルス光源に限らず、連続
光源、例えばg線(波長436nm)、i線(波長36
5nm)などの輝線を発する超高圧水銀ランプを用いる
ことも可能である。
【0302】また、DFB半導体レーザ又はファイバー
レーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レ
ーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテ
ルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増
幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高
調波を用いても良い。また、投影光学系の倍率は縮小系
のみならず等倍及び拡大系のいずれでも良い。また、投
影光学系としては、屈折系に限らず、反射光学素子と屈
折光学素子とを有する反射屈折系(カタッディオプトリ
ック系)あるいは反射光学素子のみを用いる反射系を用
いても良い。なお、投影光学系PLとして反射屈折系又
は反射系を用いるときは、前述した可動の光学素子とし
て反射光学素子(凹面鏡や反射鏡など)の位置などを変
更して投影光学系の結像特性を調整する。また、照明光
ELとして、F2レーザ光、Ar2レーザ光、又はEUV
光などを用いる場合には、投影光学系PLを反射光学素
子のみから成るオール反射系とすることもできる。但
し、Ar2レーザ光やEUV光などを用いる場合にはレ
チクルRも反射型とする。
【0303】なお、半導体デバイスは、デバイスの機能
・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づい
たレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエ
ハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置に
よりレチクルのパターンをウエハに転写するステップ、
デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディ
ング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を
経て製造される。このデバイス製造方法によると、リソ
グラフィ工程で、前述した実施形態の露光装置を用いて
露光が行われるので、対象パターンに応じて結像特性が
調整された、あるいは波面収差の計測結果に基づいて結
像特性が高精度に調整された投影光学系PLを介してレ
チクルRのパターンがウエハW上に転写されるので、微
細パターンを重ね合せ精度良くウエハW上に転写するこ
とが可能となる。従って、最終製品であるデバイスの歩
留まりが向上し、その生産性の向上が可能となる。
【0304】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜11に
記載の各仕様決定方法によれば、決定された仕様に従っ
て投影光学系を製造する場合にその製造工程を簡略化す
ることができるとともに、その製造された投影光学系に
より光学装置が達成すべき目標を確実に達成することが
可能となる。
【0305】また、請求項12〜15に記載の各コンピ
ュータシステムによれば、投影光学系の製造工程を簡略
化することができるような仕様を決定することができる
とともに、その製造された投影光学系により光学装置が
達成すべき目標を確実に達成することが可能となる。
【0306】また、請求項16〜27に記載の各コンピ
ュータシステムによれば、最適な露光条件の設定をほぼ
全自動で行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るコンピュータシステ
ムの構成を示す図である。
【図2】図1の第1の露光装置1221の構成を概略的
に示す図である。
【図3】波面収差計測器の一例を示す断面図である。
【図4】図4(A)は、光学系に収差が存在しない場合
においてマイクロレンズアレイから射出される光束を示
す図であり、図4(B)は、光学系に収差が存在する場
合においてマイクロレンズアレイから射出される光束を
示す図である。
【図5】露光装置の最良露光条件の設定に際し、第2通
信サーバ内のCPUによって実行される制御アルゴリズ
ムを示すフローチャートである。
【図6】計測用レチクルを示す概略斜視図である。
【図7】レチクルステージ上に装填した状態における計
測用レチクルの光軸近傍のXZ断面の概略図を投影光学
系の模式図とともに示す図である。
【図8】レチクルステージ上に装填した状態における計
測用レチクルの−Y側端部近傍のXZ断面の概略図を投
影光学系の模式図とともに示す図である。
【図9】図9(A)は、本実施形態の計測用レチクルに
形成された計測用パターンを示す図であり、図9(B)
は、本実施形態の計測用レチクルに形成された基準パタ
ーンを示す図である。
【図10】図10(A)は、ウエハ上のレジスト層に所
定間隔で形成される計測用パターンの縮小像(潜像)を
示す図であり、図10(B)は、図10(A)の計測用
パターンの潜像と基準パターンの潜像の位置関係を示す
図である。
【図11】投影光学系の製造工程を概略的に示すフロー
チャートである。
【図12】変形例に係るコンピュータシステムの構成を
示す図である。
【符号の説明】
10…コンピュータシステム、131〜134…可動レン
ズ(調整装置の一部)、 48…結像特性補正コントロ
ーラ(調整装置の一部)、50…主制御装置(調整装置
の一部)、120…第1通信サーバ(第1コンピュー
タ)、1221〜1223…露光装置(光学装置)、13
0…第2通信サーバ(第2コンピュータ)、PL…投影
光学系、W…ウエハ(基板)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H087 KA21 NA01 NA04 NA09 2H097 CA13 GB01 LA10 5F046 AA28 BA04 BA05 CB12 CB25 DA13

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学装置で用いられる投影光学系の仕様
    を決定する仕様決定方法であって、 前記光学装置が達成すべき目標情報を得る第1工程と; 前記目標情報に基づいて、前記投影光学系が満足すべき
    波面収差を規格値として前記投影光学系の仕様を決定す
    る第2工程と;を含む仕様決定方法。
  2. 【請求項2】 前記第2工程では、前記投影光学系の波
    面を展開したツェルニケ多項式の各項の係数のうち、前
    記目標情報に基づいて選択した特定の項の係数を規格値
    として前記投影光学系の仕様を決定することを特徴とす
    る請求項1に記載の仕様決定方法。
  3. 【請求項3】 前記第2工程では、前記投影光学系の波
    面を展開したツェルニケ多項式の各項の係数のRMS値
    を規格値とし、前記投影光学系の視野内全体における前
    記RMS値が所定の許容値を超えないように前記投影光
    学系の仕様を決定することを特徴とする請求項1に記載
    の仕様決定方法。
  4. 【請求項4】 前記第2工程では、前記投影光学系の波
    面を展開したツェルニケ多項式の各項の係数の値を規格
    値とし、前記係数が個別に定められた各許容値をそれぞ
    れ超えないように前記投影光学系の仕様を決定すること
    を特徴とする請求項1に記載の仕様決定方法。
  5. 【請求項5】 前記第2工程では、前記投影光学系の波
    面を展開したツェルニケ多項式の各項の係数のうち、着
    目する特定の収差に対応するn次mθ項の係数の前記投
    影光学系の視野内におけるRMS値を規格値とし、前記
    RMS値が所定の許容値を超えないように前記投影光学
    系の仕様を決定することを特徴とする請求項1に記載の
    仕様決定方法。
  6. 【請求項6】 前記第2工程では、前記投影光学系の波
    面を展開したツェルニケ多項式の各項の係数のうち、着
    目する特定の収差に対応する各項をmθ項毎の複数のグ
    ループに分離し、各グループに含まれる各項の係数の前
    記投影光学系の視野内におけるRMS値を規格値とし、
    前記各グループの前記RMS値が個別に定められた各許
    容値を超えないように前記投影光学系の仕様を決定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の仕様決定方法。
  7. 【請求項7】 前記第2工程では、前記投影光学系の波
    面を展開したツェルニケ多項式の各項の係数に前記目標
    情報に応じて重み付けした重み付け後の前記各項の係数
    のRMS値を規格値とし、前記重み付け後の前記各項の
    係数のRMS値が所定の許容値を超えないように前記投
    影光学系の仕様を決定することを特徴とする請求項1に
    記載の仕様決定方法。
  8. 【請求項8】 前記目標情報は、前記投影光学系の投影
    対象であるパターンの情報を含むことを特徴とする請求
    項1〜7のいずれか一項に記載の仕様決定方法。
  9. 【請求項9】 前記第2工程は、前記パターンの情報に
    基づいて、前記パターンを前記投影光学系により投影し
    た際に像面に形成される空間像を求めるためのシミュレ
    ーションを行う工程と;前記シミュレーション結果を分
    析して前記パターンが良好に転写されるために前記投影
    光学系に許容される波面収差を規格値として決定する工
    程と;を含むことを特徴とする請求項8に記載の仕様決
    定方法。
  10. 【請求項10】 前記シミュレーションでは、前記パタ
    ーンを対象パターンとした場合に特定の収差に対して前
    記パターンに応じて定まる、前記投影光学系の波面を展
    開したツェルニケ多項式の各項の係数の感度と、前記投
    影光学系の波面を展開したツェルニケ多項式の各項の係
    数との線形結合に基づいて前記空間像を求めることを特
    徴とする請求項9に記載の仕様決定方法。
  11. 【請求項11】 前記光学装置は、所定のパターンを前
    記投影光学系を介して基板上に転写する露光装置である
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載
    の仕様決定方法。
  12. 【請求項12】 光学装置で用いられる投影光学系の仕
    様を決定するためのコンピュータシステムであって、 前記光学装置が達成すべき目標情報が入力される第1コ
    ンピュータと;前記第1コンピュータに通信路を介して
    接続され、前記通信路を介して前記第1コンピュータか
    ら受信した前記目標情報に基づいて、前記投影光学系が
    満足すべき波面収差を規格値として前記投影光学系の仕
    様を決定する第2コンピュータと;を備えるコンピュー
    タシステム。
  13. 【請求項13】 前記目標情報は、前記投影光学系の投
    影対象であるパターンの情報を含み、 前記第2コンピュータは、前記パターンの情報に基づい
    て、前記パターンを前記投影光学系により投影した際に
    像面に形成される空間像を求めるためのシミュレーショ
    ンを行うとともに、前記シミュレーション結果を分析し
    て前記パターンが良好に転写されるために前記投影光学
    系に許容される波面収差を規格値として決定することを
    特徴とする請求項12に記載のコンピュータシステム。
  14. 【請求項14】 前記第2コンピュータは、前記パター
    ンを対象パターンとした場合に特定の収差に対して前記
    パターンに応じて定まる、前記投影光学系の波面を展開
    したツェルニケ多項式の各項の係数の感度と、前記投影
    光学系の波面を展開したツェルニケ多項式の各項の係数
    との線形結合に基づいて前記空間像を求めることを特徴
    とする請求項13に記載のコンピュータシステム。
  15. 【請求項15】 前記光学装置は、所定のパターンを前
    記投影光学系を介して基板上に転写する露光装置である
    ことを特徴とする請求項12〜14のいずれか一項に記
    載のコンピュータシステム。
  16. 【請求項16】 所定のパターンを投影光学系を介して
    基板上に転写する露光装置本体に接続された第1コンピ
    ュータと;前記第1コンピュータに通信路を介して接続
    され、前記通信路を介して前記第1コンピュータから受
    信した前記パターンの情報と前記投影光学系の既知の収
    差情報とに基づいて、前記パターンを前記投影光学系に
    より投影した際に像面に形成される空間像を求めるため
    のシミュレーションを行い、前記シミュレーション結果
    を分析して最良露光条件を決定する第2コンピュータ
    と;を備えるコンピュータシステム。
  17. 【請求項17】 前記パターンの情報は、露光条件の一
    部として前記第1コンピュータに入力されたものである
    ことを特徴とする請求項16に記載のコンピュータシス
    テム。
  18. 【請求項18】 前記露光装置本体へのマスクの搬送経
    路上で前記マスクに記録された前記パターンの情報を読
    み取る情報読み取り装置を更に備え、 前記パターンの情報は、前記情報読み取り装置を介して
    前記第1コンピュータに入力されることを特徴とする請
    求項1に記載のコンピュータシステム。
  19. 【請求項19】 前記第2コンピュータは、前記決定し
    た最良露光条件を前記通信路を介して前記第1コンピュ
    ータに送信することを特徴とする請求項16〜18のい
    ずれか一項に記載のコンピュータシステム。
  20. 【請求項20】 前記第1コンピュータは、前記露光装
    置本体の露光条件として前記最良露光条件を設定するこ
    とを特徴とする請求項19に記載のコンピュータシステ
    ム。
  21. 【請求項21】 前記第2コンピュータは、前記パター
    ンを対象パターンとした場合に特定の収差に対して前記
    パターンに応じて定まる、前記投影光学系の波面を展開
    したツェルニケ多項式の各項の係数の感度と、前記第1
    コンピュータから前記通信路を介して送信された前記投
    影光学系の波面の計測結果に基づいて得られる前記投影
    光学系の波面を展開したツェルニケ多項式の各項の係数
    との線形結合に基づいて前記空間像を求めることを特徴
    とする請求項16〜20のいずれか一項に記載のコンピ
    ュータシステム。
  22. 【請求項22】 前記波面の計測結果は、前記第1コン
    ピュータに入力されたものであることを特徴とする請求
    項21に記載のコンピュータシステム。
  23. 【請求項23】 前記投影光学系の波面を計測する波面
    計測装置を更に備え、 前記波面の計測結果は、前記波面計測装置による波面の
    計測結果として前記第1コンピュータが自ら取得したも
    のであることを特徴とする請求項21に記載のコンピュ
    ータシステム。
  24. 【請求項24】 前記最良露光条件は、前記露光装置本
    体による露光に適したパターンの情報を含むことを特徴
    とする請求項16〜23のいずれか一項に記載のコンピ
    ュータシステム。
  25. 【請求項25】 前記最良露光条件は、前記所定のパタ
    ーンを転写する際の照明条件及び前記投影光学系の開口
    数の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項16
    〜23のいずれか一項に記載のコンピュータシステム。
  26. 【請求項26】 前記最良露光条件は、前記所定のパタ
    ーンを転写する際の前記投影光学系の収差を含むことを
    特徴とする請求項16〜23のいずれか一項に記載のコ
    ンピュータシステム。
  27. 【請求項27】 前記通信路を介して前記第2コンピュ
    ータに接続された前記露光装置本体が備える前記投影光
    学系による前記パターンの投影像の形成状態を調整する
    調整装置を更に備え、 前記第2コンピュータは、前記決定した最良露光条件に
    基づいて前記調整装置を制御することを特徴とする請求
    項16〜26のいずれか一項に記載のコンピュータシス
    テム。
  28. 【請求項28】 前記通信路は、ローカルエリアネット
    ワークであることを特徴とする請求項12〜27のいず
    れか一項に記載のコンピュータシステム。
  29. 【請求項29】 前記通信路は、公衆回線を含むことを
    特徴とする請求項12〜27のいずれか一項に記載のコ
    ンピュータシステム。
  30. 【請求項30】 前記通信路は、無線回線を含むことを
    特徴とする請求項12〜27のいずれか一項に記載のコ
    ンピュータシステム。
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