JP2005306837A - アダマンタノール類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 医薬品またはフォトレジスト用モノマーとして工業上有用なアダマンタノールを、アダマンタン類を亜硝酸塩または硝酸塩を用いて温和に酸化する簡便な方法により、アダマンタンジオール類を生成させることなく高収率で得ること。
【解決手段】 アダマンタン類を、水溶液中の酸解離定数(pKa)が1以下の強酸、好適にはトリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸等の存在下、亜硝酸塩または硝酸塩で酸化した後、生成したアダマンタノール類の酸エステルを加水分解することを特徴とするアダマンタノール類の製造方法。
【選択図】 なし
【解決手段】 アダマンタン類を、水溶液中の酸解離定数(pKa)が1以下の強酸、好適にはトリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸等の存在下、亜硝酸塩または硝酸塩で酸化した後、生成したアダマンタノール類の酸エステルを加水分解することを特徴とするアダマンタノール類の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、アダマンタン類をトリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸等の水溶液中の酸解離定数(pKa)が1以下の強酸の存在下、亜硝酸塩または硝酸塩で酸化した後、生成したアダマンタノール類の酸エステルを加水分解することでアダマンタノール類を製造する方法に関する。
1−アダマンタノール等のアダマンタン骨格に、水酸基が一個結合してなるアダマンタノール類は、医薬中間体、フォトレジスト用モノマーの原料、フォトクロミック色素の原料、塗料、接着剤、粘着剤、コーティング材等の材料の原料として工業的に極めて重要な化合物である。
従来のアダマンタノール類の製造方法としては、アダマンタンを様々な酸化剤で酸化する方法が知られており、例えばバナジウム触媒とイミド化合物共存下酸素酸化を行う方法(特許文献1参照)や、ルテニウム触媒存在下、次亜塩素酸で酸化する方法(特許文献2参照)等が知られている。
しかし、かかる方法は、アダマンタノールだけでなくアダマンタンジオール等も多量に副生するため、目的とするアダマンタノールを取得するためには、煩雑な分離操作が必要となる。一方、アダマンタノールのみを生成する方法としては、有機溶媒中オゾンによって酸化する方法(特許文献3参照)が知られている。
しかし、上記の方法は、酸化剤としてオゾンを使用するため、反応にはオゾン発生装置等の特殊な装置を使用しなければならない上に、実施例で得られている1−アダマンタノールの収率は最も高いものでも62%に留まっており、とても満足のいく収率とは言いがたい。
このため、簡便な装置を用い、高収率でしかも大量の廃液を生成しないアダマンタノール類を製造する方法の開発が強く望まれていた。
一方、硝酸或いは硝酸塩を用いた酸化反応は、有機合成上極めて重要な酸化反応の一つであり、脂肪族環状二級アルコール化合物を、脂肪族ジカルボン酸誘導体に酸化する方法としては一般的な方法である。
しかし、アダマンタンのようなダイヤモンド骨格を有する脂肪族炭化水素の酸化に硝酸あるいは硝酸塩を用いた酸化反応の例はあまりなく、近年ではニトロニウムトリフルオロボレートによるアダマンタンの酸化反応が知られている(非特許文献1参照)。
しかし、上記方法による主生成物はニトロアダマンタンであり、1−アダマンタノールの収率はわずかに10%前後に過ぎず、それ以前に知られているアダマンタンの硝酸或いは硝酸塩の酸化によって、1−アダマンタノールが主生成物として高収率で取得できるような事例は報告されていない。
かかる実情の中、本発明者らは、90%トルフルオロ酢酸水溶液中、亜硝酸ナトリウム或いは硝酸ナトリウムを用いてアルコール化合物をアルデヒド化合物或いはケトン化合物へ酸化する方法に着目した(非特許文献2参照)。
上記方法は、大気への開放下で、亜硝酸ナトリウム或いは硝酸ナトリウムを、アルコール化合物と等モル量以上使用して、室温下で反応を行っており、温和な酸化反応である。しかし、上記記載の方法は一級或いは二級アルコール化合物をアルデヒド化合物或いはケトン化合物に酸化する方法に限られており、アダマンタンのようなダイヤモンド骨格を有する脂肪族炭化水素の酸化に関しては全く触れられていない。従って、この温和な硝酸酸化による方法が、アダマンタン類を原料にしてアダマンタノール類を製造する方法に応用可能であるかどうかは当業者においても全く不明であった。
以上の背景にあって本発明は、アダマンタン類を原料に酸化してアダマンタノール類を製造する方法において、簡便な方法により該目的化合物を高収率・高選択率で得る方法を提供することを目的とする。
かかる実情に鑑み、本発明者らは、上記温和な硝酸酸化がアダマンタン類の酸化に適応できるかどうか鋭意検討を行った。その結果、アダマンタン類を、トリフルオロ酢酸に代表される水溶液中の酸解離定数(pKa)が1以下の強酸の存在下、亜硝酸塩または硝酸塩で酸化して一旦、アダマンタノール類の上記強酸との酸エステルを製造したのち、これを加水分解することによって高収率でアダマンタノール類を取得することができる方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち本発明は、アダマンタン類を、水溶液中の酸解離定数(pKa)が1以下の強酸の存在下、亜硝酸塩または硝酸塩で酸化した後、生成した酸エステルを加水分解することを特徴とするアダマンタノール類の製造方法である。
本発明によれば、アダマンタン類を亜硝酸塩または硝酸塩で酸化してアダマンタノール類の酸エステルを得た後、生成したアダマンタノール類の酸エステルを加水分解する簡便な方法により、高収率、高選択率で目的とするアダマンタノール類を得ることができる。したがって、煩雑な分離操作をせずとも、高い純度のアダマンタノール類を得ることができ、工業的に極めて有用である。
本発明においてアダマンタン類とは、アダマンタンの他、アダマンタン骨格上の四個の三級炭素、即ち、1位、3位、5位及び7位の炭素原子の少なくとも一個が無置換の化合物を言う。通常は、下記一般式(I)で示されるものが使用される。
(式中、Rはアルキル基、アリール基、アラルキル基であり、nは0〜3の整数である。
)
上記一般式(I)においてRのアルキル基は特に制限されるものではないが、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の炭素数1〜6のものが好ましい。アリール基は、フェニル基等の炭素数が6〜10のものが好ましい。アラルキル基は、ベンジル基等の炭素数7〜12のものが好ましい。
また、上記Rがアダマンタン骨格に対して複数個置換している場合、これらは各々同種のものであっても良いし、異種のものであっても良い。
上記一般式(I)で示されるアダマンタン類を具体的に例示すると、アダマンタン、1−メチルアダマンタン、1−エチルアダマンタン、2−メチルアダマンタン、2−エチルアダマンタン、1,3−ジメチルアダマンタン、1,3−ジエチルアダマンタン、1,2−ジメチルアダマンタン、1,2−ジエチルアダマンタン等のアルキルアダマンタン類;1−フェニルアダマンタン等のアリールアダマンタン類;1−ベンジルアダマンタン等のアラルキルアダマンタン類等を挙げることができる。
これらのアダマンタン類の中でも、反応性や入手の容易さ等の理由から、アダマンタン、1−メチルアダマンタン、1,3−ジメチルアダマンタン、1−フェニルアダマンタン等が特に好適に使用される。
本発明に用いられる亜硝酸塩及び硝酸塩としては、工業的或いは試薬として入手容易な化合物が何等制限なく用いられる。これらを具体的に例示すると、亜硝酸塩としては、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸リチウム、亜硝酸銀等を用いることができ、硝酸塩としては硝酸アンモニウム、硝酸アンモニウムセリウム、硝酸リチウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸セシウム、硝酸ニッケル、硝酸サマリウム、硝酸ストロンチウム、硝酸銀、硝酸亜鉛、硝酸銅、硝酸鉛等を挙げることができる。これらの亜硝酸塩及び硝酸塩の中でも、反応系中に高い酸化力を持つ一酸化窒素カチオンを生成する亜硝酸塩が高い反応収率を示すため本発明では好適に用いられる。特に、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸リチウム等の亜硝酸のアルカリ金属塩が上記目的を高度に達成することができより好適である。
本発明に用いられる亜硝酸塩または硝酸塩の量としては、反応の雰囲気の酸素濃度によって異なるため一概には言えないが、あまり量が少ないと酸化反応が進行せず、あまり量が多いと後処理操作が煩雑となるため、通常反応に用いるアダマンタン類1モルに対して通常0.001〜4モル、好ましくは0.005〜2モルの範囲から採用するのが良い。反応の雰囲気に酸素が含有されていない場合、原料のアダマンタン類の実質全てを反応させようとすると、亜硝酸塩または硝酸塩は等モル量以上が必要になるが、該雰囲気に酸素が含有される場合には、亜硝酸塩及び硝酸塩が触媒として作用するようになり、その使用量をアダマンタン類1モルに対して1モル未満にしても、高収率で反応を行うことができるため効率的である。特に、反応雰囲気の酸素濃度が15%を超える場合には、亜硝酸塩及び硝酸塩は触媒として極めて有効に作用するため、用いるアダマンタン類1モルに対して通常0.001〜0.5モル、好ましくは0.005〜0.4モルの範囲から採用することができ、経済性および生成物の精製の面から好ましい。
本発明に用いられる、水溶液中の酸解離定数(pKa)が1以下の強酸は、トリクロロ酢酸等の常温で固体状のものも融点以上の温度で反応させることにより使用可能であるが、通常は、常温で液体状のものを、溶媒を兼ねて用いられるのが一般的である。このような強酸としては、トリフルオロ酢酸(pKa=0.23)、メタンスルホン酸(pKa=−1.86)、トリフルオロメタンスルホン酸(pKa=−13)等が挙げられ、このうちトリフルオロ酢酸またはメタンスルホン酸、特に、反応性の面からトリフルオロ酢酸を用いるのが好ましい。これら強酸の使用量としては特に制限はないが、あまり量が少ないと酸化反応の収率の低下を招きあまり量が多いと後処理操作が煩雑となるため、通常、アダマンタン類の濃度が0.05〜60質量%、好ましくは0.1〜30質量%となる量を使用することが好ましい。
本発明に使用される、水溶液中の酸解離定数(pKa)が1以下の強酸は通常無水の状態で使用される。少量の水が混入しても酸化反応への影響はあまりないが、あまり過剰の水が混入すると酸化反応の阻害因子として働き、酸化剤である亜硝酸塩または硝酸塩の量を増やさなければならないため、反応液中において水の含有量は5質量%以下、好ましくは1質量以下に抑えるのが好ましい。一般には、試薬或いは工業原料として入手できる上記強酸をそのまま使用するのが最も一般的な方法である。
本発明における硝酸酸化の反応温度としては特に制限はないが、あまり温度が高いと酸化反応が暴走し反応系が危険な状態になり、あまり温度が低いと反応時間が著しく長くなるため通常、融点以上〜50℃、好ましくは0〜40℃の範囲で行われるのが良い。
本反応の反応時間としては、アダマンタン類の種類によっても異なり、用いる亜硝酸塩または硝酸塩の種類と量によっても異なるため、通常0.1〜30時間もあれば十分である。
本発明は、常圧、減圧、加圧のいずれの状態でも実施可能である。また、本発明は、酸素、大気等の酸素存在下だけでなく、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性気体存在下でも実施可能であるが、酸素存在下の方が亜硝酸塩または硝酸塩の使用量が低減でき反応時間も短縮できる傾向にあるため、通常は大気或いは酸素雰囲気下で実施するのが一般的である。
このようにして得られたアダマンタノール類の、前記水溶液中の酸解離定数(pKa)が1以下の強酸との酸エステルは、そのまま単離して種々の工業原料等として使用することができる。好適には、加水分解工程に移してアダマンタノール類の製造に供するのが好ましい。この時、上記酸エステルは、反応液から単離してもよいし、単離しなくてもよい。
本発明によって生成したアダマンタノール類の酸エステルの単離方法としては、通常の方法が何ら制限無く使用できる。その一例を例示すると、反応終了後、残留する前記強酸を可能な限り留去した後、飽和炭酸水溶液を加えて中和し、水に相溶しない有機溶媒を用いて抽出、乾燥、乾固することによって得ることができる。
アダマンタノール類の酸エステルの加水分解反応は、如何なる手法で実施しても良い。アダマンタノール類の酸エステルを単離した際には、該化合物にメタノール、エタノール等のアルコール溶媒などの水に溶解する有機溶媒に溶解させた後に水を加えて行えば良い。アダマンタノール類の酸エステルを単離しない場合も、反応液にそのまま水を加えるだけで加水分解反応が進行する。反応に時間がかかる場合もあるため、その場合には、酸を加えて反応性を高めてやればよい。
本発明において添加される酸としては、工業原料または試薬として入手できる酸が何等制限なく使用できる。
これらの酸を具体的に例示すると、無機酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、燐酸等の鉱酸類を挙げることができ、有機酸としてはメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等のスルホン酸類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類を挙げることができる。これらの酸の中でも特に加水分解反応速度の速い、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸類が好適である。
これらの鉱酸類は、水を加えた後直接添加しても良いが、あまり濃度が高いと水と接触させた際に急激な発熱を生じるため水で希釈して添加するのが好ましい。
本発明において加水分解反応における水の使用量としては、アダマンタノール類の酸エステル1モルに対して1モル以上であれば良いが、好適には10モル〜1000モルであるのが好ましい。加水分解反応時の反応温度としては特に制限はないがあまり温度が低いと加水分解速度が著しく減少し、あまり温度が高いと副反応を促進するため、通常0〜60℃、好ましくは10〜40℃の範囲から選択するのが良い。
加水分解反応の反応時間としては、アダマンタン類の種類によっても異なるため一概には言えないが、通常1〜40時間もあれば十分である。
また、加水分解反応は常圧、減圧、加圧いずれの状態でも実施可能である。
このようにして得られたアダマンタノール類の単離生成方法としては特に制限はなく公知の方法が採用される。例えば、反応終了後、水と相溶しない有機溶媒を加えて有機層に反応性生物を抽出した後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄する。得られた有機溶媒溶液を硫酸マグネシウム等の乾燥剤を用いて乾燥した後、有機溶媒を留去することによって目的とするアダマンタノール類を得ることができる。
実施例
以下、実施例を掲げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等制限させるものではない。
以下、実施例を掲げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって何等制限させるものではない。
実施例1
大気への開放下において、50mlの茄子型フラスコにアダマンタン類としてアダマンタン(和光純薬試薬特級)136mg(1mmol)をとり、トリフルオロ酢酸(和光純薬試薬特級)5mlを加えて0℃まで冷却した。氷冷下、亜硝酸塩として亜硝酸ナトリウム(和光純薬特級)76mg(1.1mmol)を加えた。そのまま、20分間攪拌した後室温に戻して23時間攪拌した。反応終了後、反応液に水5mlを加え、さらに10%の塩酸を3ml加えて12時間攪拌した。加水分解終了後、さらに水5mlを加えた後、塩化メチレン(30ml×3)で抽出した。集めた塩化メチレンを飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄(20ml×2)し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、塩化メチレンを留去し、1−アダマンタノールを148mg(収率97%)取得した。この時、1,3−アダマンタンジオールの副生は見られなかった。
大気への開放下において、50mlの茄子型フラスコにアダマンタン類としてアダマンタン(和光純薬試薬特級)136mg(1mmol)をとり、トリフルオロ酢酸(和光純薬試薬特級)5mlを加えて0℃まで冷却した。氷冷下、亜硝酸塩として亜硝酸ナトリウム(和光純薬特級)76mg(1.1mmol)を加えた。そのまま、20分間攪拌した後室温に戻して23時間攪拌した。反応終了後、反応液に水5mlを加え、さらに10%の塩酸を3ml加えて12時間攪拌した。加水分解終了後、さらに水5mlを加えた後、塩化メチレン(30ml×3)で抽出した。集めた塩化メチレンを飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄(20ml×2)し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、塩化メチレンを留去し、1−アダマンタノールを148mg(収率97%)取得した。この時、1,3−アダマンタンジオールの副生は見られなかった。
実施例2〜7
亜硝酸ナトリウムに代えて表1に示した亜硝酸塩または硝酸塩を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表1示した。また、これらの反応において、1,3−アダマンタンジオールの副生はいずれの場合も見られなかった。
亜硝酸ナトリウムに代えて表1に示した亜硝酸塩または硝酸塩を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表1示した。また、これらの反応において、1,3−アダマンタンジオールの副生はいずれの場合も見られなかった。
実施例8〜10
アダマンタンに代えて表2に示したアダマンタン類を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果を表2に示した。また、これらの反応において、1,3−アダマンタンジオールの副生はいずれの場合も見られなかった。
実施例11
トリフルオロ酢酸に代えてメタンスルホン酸を同量用い、酸化反応の反応時間を72時間にした以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、1−アダマンタノールを131mg(収率89%)取得した。この時、1,3−アダマンタンジオールの副生は見られなかった。
トリフルオロ酢酸に代えてメタンスルホン酸を同量用い、酸化反応の反応時間を72時間にした以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、1−アダマンタノールを131mg(収率89%)取得した。この時、1,3−アダマンタンジオールの副生は見られなかった。
実施例12
亜硝酸ナトリウムの量を0.69mg(0.01mmol)に変更し、反応雰囲気を酸素雰囲気下にして、酸化反応の反応時間を3時間とした以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、1−アダマンタノールを140mg(収率92%)取得した。この時、1,3−アダマンタンジオールの副生は見られなかった。
実施例13
亜硝酸ナトリウムの量を13.8mg(0.2mmol)とした以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、1−アダマンタノールを147mg(収率96%)取得した。この時、1,3−アダマンタンジオールの副生は見られなかった。
亜硝酸ナトリウムの量を0.69mg(0.01mmol)に変更し、反応雰囲気を酸素雰囲気下にして、酸化反応の反応時間を3時間とした以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、1−アダマンタノールを140mg(収率92%)取得した。この時、1,3−アダマンタンジオールの副生は見られなかった。
実施例13
亜硝酸ナトリウムの量を13.8mg(0.2mmol)とした以外は実施例1と同様の操作を行った。その結果、1−アダマンタノールを147mg(収率96%)取得した。この時、1,3−アダマンタンジオールの副生は見られなかった。
実施例14
50mlの茄子型フラスコにアダマンタン類としてアダマンタン(和光純薬試薬特級)136mg(1mmol)をとり、溶媒としてのトリフルオロ酢酸(和光純薬試薬特級)5mlを加えて0℃まで冷却した。氷冷下、亜硝酸塩として亜硝酸ナトリウム(和光純薬特級)76mg(1.1mmol)を加えた。そのまま、20分間攪拌した後室温に戻して23時間攪拌した。反応終了後、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、反応液に水5mlを加え、直ちに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mlを添加した後、塩化メチレン(30ml×3)で抽出した。集めた塩化メチレンを飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄(20ml×2)し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、塩化メチレンを留去し、1−トリフルオロアセトキシアダマンタンを248mg(収率100%)取得した。この時、1,3−ジトリフルオロアセトキシアダマンタンの副生は見られなかった。
50mlの茄子型フラスコにアダマンタン類としてアダマンタン(和光純薬試薬特級)136mg(1mmol)をとり、溶媒としてのトリフルオロ酢酸(和光純薬試薬特級)5mlを加えて0℃まで冷却した。氷冷下、亜硝酸塩として亜硝酸ナトリウム(和光純薬特級)76mg(1.1mmol)を加えた。そのまま、20分間攪拌した後室温に戻して23時間攪拌した。反応終了後、トリフルオロ酢酸を減圧留去し、反応液に水5mlを加え、直ちに飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20mlを添加した後、塩化メチレン(30ml×3)で抽出した。集めた塩化メチレンを飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄(20ml×2)し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、塩化メチレンを留去し、1−トリフルオロアセトキシアダマンタンを248mg(収率100%)取得した。この時、1,3−ジトリフルオロアセトキシアダマンタンの副生は見られなかった。
Claims (3)
- アダマンタン類を、水溶液中の酸解離定数(pKa)が1以下の強酸の存在下、亜硝酸塩または硝酸塩で酸化した後、生成したアダマンタノール類の酸エステルを加水分解することを特徴とするアダマンタノール類の製造方法。
- アダマンタン類の酸化を、酸素を含有する雰囲気下で、亜硝酸塩または硝酸塩をアダマンタン類1モルに対して1モル未満使用して行う請求項1記載のアダマンタノール類の製造方法。
- アダマンタン類を、水溶液中の酸解離定数(pKa)が1以下の強酸の存在下、亜硝酸塩または硝酸塩で酸化することを特徴とするアダマンタノール類の酸エステルの製造方法。
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