JP6024410B2 - ヒドロキシアダマンタンポリカルボン酸化合物の製造方法 - Google Patents
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すなわち本発明は、少なくとも3級炭素の一つが水素と結合している、式(1)に示されるアダマンタンポリカルボン酸化合物から、式(2)で示されるヒドロキシアダマンタンポリカルボン酸化合物を製造する方法であって、下記(ア)及び(イ)の工程を有する事を特徴とする製造方法である。
(ア) 式(1)に示されるアダマンタンポリカルボン酸化合物及び酸化剤をプロトン酸溶液中、30℃〜80℃で酸化反応させる工程。
(イ) (ア)工程で得られた反応液と反応停止用水を混合してpHが7未満の状態で酸化反応を停止する工程。
(式中、置換基RTは、橋頭位に位置する置換基であり、n個のCOOH基、p個の水素原子及びq個の炭素数1〜6のアルキル基を示し、n、p、qは、n=2〜3、n+p+q=3の関係の整数である。置換基RSは橋頭位以外の炭素に結合し、同一又は異なって良く水素又は炭素数1〜6のアルキル基を示し、m=12である。)
(式中、RT’は、n個のCOOH、p個の水素及びq個の炭素数1〜6のアルキル基を示し、n、p、qは式(1)と同じである。)
(a)純水であって反応液と純水の総量が、式(1)で示されるアダマンタンポリカルボン酸化合物の仕込み量の20〜30質量倍であるか
又は(b)アルカリ性水溶液であって反応液とアルカリ性水溶液の総量が、式(1)で示されるアダマンタンポリカルボン酸化合物の仕込み量の15〜50質量倍であることを特徴とする製造方法である。
その中でも、得られるヒドロキシアダマンタンポリカルボン酸化合物の反応における選択率とプロトン酸自体を溶媒として使用することから溶液状態で入手できる無機酸、特に硫酸が好ましい。
また、硫酸を用いる場合、使用する硫酸の濃度は、90質量%以上の水溶液を用いることが好ましく、更に96質量%以上の水溶液を用いることが好ましい。更に、反応中の硫酸濃度を維持するために、反応前や反応中に発煙硫酸を加える方法を用いても良い。
反応装置として攪拌機、温度計、滴下ロート、ジムロートを備えたガラス製フラスコに、1,3−アダマンタンジカルボン酸(ADCAと記す 純度99%)100.0gを仕込み、96質量%濃硫酸900g(原料に対して9質量倍)を入れた。35℃で攪拌して原料が溶解したのを確認した後、フラスコを冷却して液温が35〜50℃の範囲に留まるように70質量%硝酸120gを30分かけて滴下した。滴下終了後、反応温度50℃で5時間反応させた。反応の進行をガスクロマトグラム(GC)で確認したところ、1,3−アダマンタンジカルボン酸の転化率は100%であり、GCピーク面積比98.0%で5−ヒドロキシアダマンタン−1,3−ジカルボン酸が生成した。
反応停止操作でイオン交換水1438gを使用する以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、5−ヒドロキシアダマンタン−1,3−ジカルボン酸の白色結晶78.8g(収率73.6%)を得た。反応溶液滴下終了後の反応停止済み液総量は2560gであり、1、3-アダマンタンジカルボン酸仕込み質量の26倍であった。なお、反応停止済み液のpHは<0であった。
反応停止操作でイオン交換水2200gを使用する以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、5−ヒドロキシアダマンタン−1,3−ジカルボン酸の結晶が析出しなかった。反応溶液滴下終了後の反応停止済み液総量は3330gであり、1、3-アダマンタンジカルボン酸仕込み質量の33倍であった。なお、反応停止済み液のpHは<0であった。
反応停止操作でイオン交換水3880gを使用する以外は実施例1と同様の操作を行ったところ、5−ヒドロキシアダマンタン−1,3−ジカルボン酸の結晶が析出しなかった。反応溶液滴下終了後の反応停止済み液総量は5000gであり、1、3-アダマンタンジカルボン酸仕込み質量の50倍であった。なお、反応停止済み液のpHは<0であった。
反応装置として攪拌機、温度計、滴下ロート、ジムロートを備えたガラス製フラスコに、1,3−アダマンタンジカルボン酸(ADCA 純度99%)100.0gを仕込み、96質量%濃硫酸900g(原料に対して9質量倍)を入れた。35℃で攪拌して原料が溶解したのを確認した後、フラスコを冷却して液温が35〜50℃の範囲に留まるように70質量%硝酸120gを30分かけて滴下した。滴下終了後、反応温度50℃で5時間反応させた。反応の進行をGCで確認したところ、1,3−アダマンタンジカルボン酸の転化率は100%であり、GCピーク面積比98.0%で5−ヒドロキシアダマンタン−1,3−ジカルボン酸が生成した。
反応停止操作で、混合溶液のイオン交換水使用量を2184gとする以外は実施例3と同様の操作を行ったところ、5−ヒドロキシアダマンタン−1,3−ジカルボン酸の白色結晶82.8g(収率77.5%)を得た。反応溶液滴下終了後の反応停止済み液総量は3874gであり、1、3-アダマンタンジカルボン酸仕込み質量の39倍であった。なお、反応停止済み液のpHは1.0であった。
反応停止操作で、混合溶液のイオン交換水使用量を3322gとする以外は実施例3と同様の操作を行ったところ、5−ヒドロキシアダマンタン−1,3−ジカルボン酸の白色結晶25g(収率23.4%)を得た。反応溶液滴下終了後の反応停止済み液総量は5000gであり、1、3-アダマンタンジカルボン酸仕込み質量の50倍であった。なお、反応停止済み液のpHは1.0であった。
反応停止操作において、水酸化ナトリウム638.0g、亜硫酸ナトリウム185.3g、イオン交換水4002gの水酸化ナトリウム、亜硫酸ナトリウム混合溶液4825.3g(原料に対して48.3質量倍)を使用する以外は、実施例1と同様の操作を行ったところ、5−ヒドロキシアダマンタン−1,3−ジカルボン酸の結晶が析出しなかった。反応溶液滴下終了後の反応停止済み液総量は5945gであり、1、3-アダマンタンジカルボン酸仕込み質量の60倍であった。なお、反応停止済み液のpHは1.0であった。
濃硫酸を750g(原料に対して8質量倍)に変えた以外は実施例3と同様の操作を行ったところ、1,3−アダマンタンジカルボン酸の転化率は97.0%であり、5−ヒドロキシアダマンタン−1,3−ジカルボン酸の含有量が99質量%の白色結晶70.0g(収率64.0%)を得た。
濃硫酸を500g(原料に対して5質量倍)に変えた以外は実施例3と同様の操作を行ったところ、1,3−アダマンタンジカルボン酸の転化率は88%であり、5−ヒドロキシアダマンタン−1,3−ジカルボン酸の含有量が84質量%の白色結晶64.5g(収率50.8%)を得た。
濃硫酸を400g(原料に対して4質量倍)に変えた以外は実施例3と同様の操作を行ったところ、1,3−アダマンタンジカルボン酸の転化率は80%であり、5−ヒドロキシアダマンタン−1,3−ジカルボン酸の含有量が78質量%の白色結晶61.0g(収率44.5%)を得た。
濃硫酸300g(原料に対して3質量倍)以外は実施例3と同様の操作を行ったところ、1,3−アダマンタンジカルボン酸の転化率は42%であり、5−ヒドロキシアダマンタン−1,3−ジカルボン酸の含有量が40質量%の白色結晶75.4g(収率32.3%)を得た
反応温度35℃で反応させる以外は実施例3と同様の操作を行ったところ、1,3−アダマンタンジカルボン酸の転化率は99.0%であり、含有量が97質量%の5−ヒドロキシアダマンタン−1,3−ジカルボン酸の白色結晶74.1g(収率66.7%)を得た。
反応温度を0℃で反応させる以外は実施例3と同様の操作を行ったところ、1,3−アダマンタンジカルボン酸の転化率は2.1%であり、GC面積比2.0%で5−ヒドロキシアダマンタン−1,3−ジカルボン酸が生成した。
Claims (3)
- 下記(ア)及び(イ)の工程を有する、式(2)で示されるヒドロキシアダマンタンポリカルボン酸化合物の製造方法。
(ア) 式(1)で示されるアダマンタンポリカルボン酸化合物及び酸化剤を式(1)で示されるアダマンタンポリカルボン酸化合物に対して4〜20質量倍の濃度90質量%以上の硫酸中、30〜80℃で酸化反応させる工程。
(イ) (ア)工程で得られた反応液と反応停止用水として(b)アルカリ性水溶液を(ア)工程で得られた反応液と該アルカリ性水溶液の総量が、式(1)で示されるアダマンタンポリカルボン酸化合物の仕込み量の15〜50質量倍となるよう混合してpH7未満で酸化反応を停止させて、式(2)で示されるヒドロキシアダマンタンポリカルボン酸化合物を反応液から析出する工程。
- 前記酸化剤が硝酸である請求項1に記載のヒドロキシアダマンタンポリカルボン酸化合物の製造方法。
- 前記反応停止用水が還元剤を含有する事を特徴とする請求項1又は2に記載のヒドロキシアダマンタンポリカルボン酸化合物の製造方法。
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