JP2005300654A - パターン形成体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、カラーフィルタの製造等に用いることが可能な、表面に特性が変化したパターンが形成されたパターン形成体用基板を、効率よく大面積に製造する方法を提供することを主目的としている。
【解決手段】 上記目的を達成するために、本発明は、基材と、前記基材上に形成され、少なくとも光触媒およびバインダを含有し、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により特性が変化する光触媒含有特性変化層とを有するパターニング用基板を調製するパターニング用基板調製工程と、
前記パターニング用基板に0.1mW/cm〜10mW/cmの強度でエネルギーを照射し、前記光触媒含有特性変化層の特性が変化した特性変化パターンを形成するエネルギー照射工程と
を有することを特徴とするパターン形成体の製造方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、カラーフィルタをはじめとして各種の用途に使用可能な、表面に特性の異なるパターンを有するパターン形成体の製造方法等に関するものである。
近年、パーソナルコンピューターの発達、特に携帯用パーソナルコンピューターの発達に伴い、液晶ディスプレイ、とりわけカラー液晶ディスプレイの需要が増加する傾向にある。しかしながら、このカラー液晶ディスプレイが高価であることから、コストダウンの要求が高まっており、特にコスト的に比重の高いカラーフィルタに対するコストダウンの要求が高い。
そこで、基材上に、光触媒と、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により特性が変化する材料とを含有する特性変化パターン形成用塗工液を用いて光触媒含有層を形成し、パターン状に露光することにより、特性が変化したパターンを形成する方法等が本発明者等において検討されてきた(特許文献1)。この方法によれば、上記光触媒含有層の特性を利用して、容易に着色層等の機能性部を形成することを可能とすることができる。
ここで、このような光触媒含有層を用いたパターン形成体の製造方法等において、光触媒を励起させるための露光には、例えば水銀ランプやメタルハライドランプ等の高エネルギーのランプを用い、強い強度でエネルギーを照射する方法が、製造効率等の面から用いられている。しかしながら近年、例えばカラーフィルタ等の大面積化が求められており、これらの方法では、照射可能な面積が狭く、またさらなる製造効率の向上も求められていた。
特開2001−074928号公報
そこで、カラーフィルタ等の製造に用いることが可能な、表面に特性が変化したパターンが形成されたパターン形成体用基板を、効率よく大面積に製造する方法の提供が望まれている。
本発明は、基材と、上記基材上に形成され、少なくとも光触媒およびバインダを含有し、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により特性が変化する光触媒含有特性変化層とを有するパターニング用基板を調製するパターニング用基板調製工程と、
上記パターニング用基板に0.1mW/cm〜10mW/cmの強度でエネルギーを照射し、上記光触媒含有特性変化層の特性が変化した特性変化パターンを形成するエネルギー照射工程と
を有することを特徴とするパターン形成体の製造方法を提供する。
本発明においては、上記パターニング用基板調製工程で調製されたパターニング用基板が、光触媒含有特性変化層を有することから、この光触媒含有特性変化層にエネルギー照射工程によりエネルギーを照射することによって、光触媒含有特性変化層中に含有される光触媒を励起させることができ、この光触媒の作用により特性が変化したものとすることができる。この際、本発明においては、上記エネルギー照射工程で照射するエネルギーを、一般的なパターニングに用いられるエネルギーの強度と比較して弱いものとすることから、効率よく光触媒を励起させることができ、格段に積算光量を少ないものとすることができる。したがって、本発明によれば、効率よくパターン形成体を製造することが可能となるのである。
また、本発明は、基材と、上記基材上に形成された少なくとも光触媒を含有する光触媒含有層と、上記光触媒含有層上に形成されたエネルギー照射に伴う光触媒の作用により特性が変化する特性変化層とを有するパターニング用基板を調製するパターニング用基板調製工程と、
上記パターニング用基板に0.1mW/cm〜10mW/cmの強度でエネルギーを照射し、上記特性変化層の特性が変化した特性変化パターンを形成するエネルギー照射工程と
を有することを特徴とするパターン形成体の製造方法を提供する。
本発明においては、上記パターニング用基板調製工程で調製されたパターニング用基板が光触媒含有層および上記特性変化層を有することから、エネルギー照射工程においてエネルギーを照射することによって、光触媒含有層中の光触媒の作用により特性変化層の特性を変化させることができる。また、この際、一般的なパターニングに用いられるエネルギーの強度と比較して弱いものとすることから、効率よく光触媒を励起させることができ、格段に積算光量を少ないものとすることができる。したがって、本発明によれば、効率よく安価にパターン形成体を製造することが可能となるのである。
上記発明においては、上記パターニング用基板の上記基材上、または上記光触媒含有層上に遮光部が形成されており、上記エネルギー照射工程における上記エネルギーの照射が、上記基材側から行われるものとすることができる。この場合、エネルギー照射工程において、フォトマスク等を用いることなく、遮光部が形成されていない領域のみの光触媒含有特性変化層、または特性変化層の特性を変化させることができる。したがって、フォトマスク等の位置合わせ等の工程が必要なく、より効率よくパターン形成体を製造することができる。またさらに、上記エネルギー照射工程により照射されるエネルギーが、散乱光であったとしても、光が拡散することなく、光触媒含有層または光触媒含有特性変化層に到達することができるため、エネルギー照射工程に用いられる光源の選択の幅が広がる、という利点も有する。
また、上記発明においては、上記エネルギー照射が、250nm〜450nmの範囲内の波長の光を放出する蛍光ランプにより行われることが好ましい。これにより、波長の長い低エネルギーのランプを用いてエネルギーを照射することができるため、特別な装置や設備が必要ないものとすることができるからである。また、上記波長の光であれば、人体に影響のないものとすることができる、という利点も有する。
またこの場合、上記蛍光ランプが冷陰極型蛍光ランプであり、かつブラックライト、健康ランプ、殺菌灯のいずれかのランプであることが好ましい。これらのランプは、線光源とすることができるため、一時に大面積のパターニング用基板に対してエネルギーを照射することが可能となるからである。またこれらのランプの照射には特別な装置が必要なく、また比較的長寿命であることから、製造コストの面からも好ましいものとすることができる。
また、本発明はパターン形成体の製造方法により製造されたパターン形成体の、上記特性変化パターン上に機能性部を形成する機能性部形成工程を有することを特徴とする機能性素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記パターン形成体上には、特性が変化した特性変化パターンが形成されていることから、この特性変化パターンの特性の差を利用して、容易に高精細な機能性部を形成することが可能となる。
またさらに、本発明は、上記機能性素子の製造方法の機能性部形成工程が、着色層を形成する着色層形成工程であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法を提供する。
本発明によれば、例えば上記特性変化パターンの濡れ性の差等を利用して、容易に高精細な着色層を例えばインクジェット法等により形成することができる。
また、本発明は、上記機能性素子の製造方法の機能性部形成工程が、金属配線を形成する工程であることを特徴とする導電性パターンの製造方法を提供する。
本発明によれば、例えば上記特性変化パターンの特性の差を利用して、例えば電界ジェット法等により、容易に金属配線を形成することができる。
本発明においては、上記機能性素子の製造方法の機能性部形成工程が、有機エレクトロルミネッセント(以下、有機ELとする場合もある。)層を形成する工程であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセント素子の製造方法を提供する。
本発明によれば、上記特性変化層の特性の差を利用して、高精細なパターン状に有機EL層を形成することができ、高品質な有機EL素子とすることができる。
またさらに、本発明は、上記機能性素子の製造方法の機能性部形成工程が、生体物質と付着性を有する機能性部を形成する工程であることを特徴とするバイオチップ用基材の製造方法を提供する。
本発明によれば、生体物質と付着性を有する機能性部を高精細なパターン状に形成することができ、高品質なバイオチップ用基材とすることができる。
本発明によれば、効率よく光触媒を励起させることができ、低い積算光量で表面の特性が変化した特性変化パターンを有するパターン形成体を製造することが可能となる、という効果を奏する。
本発明は、カラーフィルタをはじめとして各種の用途に使用可能な、表面に特性の異なるパターンを有するパターン形成体の製造方法、そのパターン形成体を用いた機能性素子の製造方法等に関するものである。以下、それぞれについて説明する。
A.パターン形成体の製造方法
まず、本発明のパターン形成体の製造方法について説明する。ここで、本発明のパターン形成体の製造方法は、2つの実施態様がある。いずれの実施態様においても、低い積算光量で効率よく表面の特性が変化した特性変化パターンを有するパターン形成体を製造することができる。以下、それぞれの実施態様ごとに詳しく説明する。
1.第1実施態様
まず、本発明のパターン形成体の第1実施態様について説明する。本発明のパターン形成体の第1実施態様は、基材と、上記基材上に形成され、少なくとも光触媒およびバインダを含有し、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により特性が変化する光触媒含有特性変化層とを有するパターニング用基板を調製するパターニング用基板調製工程と、
上記パターニング用基板に所定の強度でエネルギーを照射し、上記光触媒含有特性変化層の特性が変化した特性変化パターンを形成するエネルギー照射工程と
を有することを特徴とするものである。
本実施態様のパターン形成体の製造方法は、例えば図1に示すように、基材1と、その基材1上に形成された光触媒含有特性変化層2とを有するパターニング用基板3を形成するパターニング用基板調製工程(図1(a))と、そのパターニング用基板3に、例えばフォトマスク4等を用いて所定の強度のエネルギー5を照射し(図1(b))、光触媒含有特性変化層2の特性が変化した特性変化パターン6とを形成する(図1(c))エネルギー照射工程とを有するものである。
本実施態様によれば、上記パターニング用基板調製工程で調製されたパターニング用基板が光触媒含有特性変化層を有することから、エネルギー照射工程でエネルギーを照射することにより、光触媒含有特性変化層中の光触媒を励起させて、光触媒含有特性変化層の特性を変化させることができ、特性変化パターンを容易に形成することができる。したがって、この特性変化パターンの特性の差を利用して、例えばカラーフィルタの着色層等、様々な機能性部を形成することが可能なパターン形成体を容易に形成することができる。
ここで、本実施態様のエネルギー照射工程においては、一般的に光触媒を用いたパターニングの際に照射されるエネルギーと比較して、弱い強度のエネルギーを照射する。光触媒は、高いエネルギーを照射して励起させる場合より、低いエネルギーを照射して励起させる場合のほうが、量子効率がよく、積算光量を少ないものとすることができる。したがって、本実施態様によれば、少ないエネルギー量で効率よくパターン形成体を製造することができるのである。
以下、本実施態様におけるパターニング用基板の製造方法の各工程について詳しく説明する。
(1)パターニング用基板調製工程
まず、本実施態様のパターニング用基板調整工程は、基材と、その基材上に形成され、少なくとも光触媒およびバインダを含有し、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により特性が変化する上記光触媒含有特性変化層とを有するパターニング用基板を調製する工程であれば特に限定されるものではなく、通常、基材上に上記光触媒含有特性変化層を形成する工程とすることができる。以下、本工程において調整されるパターニング用基板に用いられる光触媒含有特性変化層および基材について説明する。
(光触媒含有特性変化層)
まず、本工程により調製されるパターニング用基板に用いられる光触媒含有特性変化層について説明する。本実施態様に用いられる光触媒含有特性変化層は、少なくとも光触媒およびバインダを含有する層であり、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により特性が変化する層であれば、その特性の変化の種類等は特に限定されるものではない。例えば、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により、例えば物質との密着性が変化する層であってもよく、また例えば細胞との接着性が変化する層等であってもよい。
本実施態様においては特に光触媒含有特性変化層が、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により液体との接触角が低下する光触媒含有濡れ性変化層であることが好ましい。これにより、本実施態様により製造されたパターン形成体の特性変化パターン上に、例えばインクジェット法等によって容易に機能性部を形成することが可能となるからである。
このような光触媒含有濡れ性変化層は、後述するエネルギー照射工程において照射されるエネルギーにより、表面の液体との接触角が低下する層であれば、特に限定されるものではない。このような光触媒含有濡れ性変化層を用いることによって、後述するエネルギー照射工程におけるエネルギー照射によって、液体との接触角の小さい親液性領域の特性変化パターンを形成することが可能となることから、例えば親液性領域に高精細に、カラーフィルタの着色層を形成する着色層形成用塗工液等の機能性部形成用塗工液を付着させることができ、効率よくカラーフィルタ等の機能性素子を形成することができる。
ここで、親液性領域とは、液体との接触角が小さい領域であり、製造されたパターン形成体上に機能性部を形成する機能性部形成用塗工液、例えば機能性素子がカラーフィルタであれば、着色層を形成するための着色層形成用塗工液、また機能性素子が金属配線であれば、金属配線形成用塗工液等に対する濡れ性の良好な領域をいうこととする。また、撥液性領域とは、液体との接触角が大きい領域であり、上述した機能性部形成用塗工液に対する濡れ性が悪い領域をいうこととする。
なお、本実施態様においては、隣接する領域の液体との接触角より、液体との接触角が1゜以上低い場合には親液性領域、隣接する領域の液体との接触角より、液体との接触角が1゜以上高い場合には撥液性領域とすることとする。
本実施態様に用いられる光触媒含有濡れ性変化層は中でも、エネルギー照射していない部分、すなわち撥液性領域においては、40mN/mの液体との接触角が、10°以上、中でも表面張力30mN/mの液体との接触角が10°以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上であることが好ましい。これは、エネルギー照射していない部分が、撥液性が要求される部分であることから、上記液体との接触角が小さい場合は、撥液性が十分でなく、例えばカラーフィルタの着色層を形成する着色層形成用塗工液をインクジェット方式等により塗布し、硬化させて形成する場合等に、撥液性領域にも着色層形成用塗工液が付着する可能性がある等、高精細に着色層等の機能性部を形成することが困難となるからである。
また、上記光触媒含有濡れ性変化層は、エネルギー照射された部分、すなわち親液性領域においては、40mN/mの液体との接触角が9°未満、好ましくは表面張力50mN/mの液体との接触角が10°以下、特に表面張力60mN/mの液体との接触角が10°以下となるような層であることが好ましい。エネルギー照射された部分、すなわち親液性領域における液体との接触角が高い場合は、例えばカラーフィルタの着色層を形成する着色層形成用塗工液を、親液性領域においてもはじいてしまう可能性があり、例えばインクジェット法により着色層形成用塗工液を塗布した際に、着色層形成用塗工液が十分に塗れ広がらない等、着色層等の機能性部を形成することが難しくなる可能性があるからである。
なお、ここでいう液体との接触角は、種々の表面張力を有する液体との接触角を接触角測定器(協和界面科学(株)製CA−Z型)を用いて測定(マイクロシリンジから液滴を滴下して30秒後)し、その結果から、もしくはその結果をグラフにして得たものである。また、この測定に際して、種々の表面張力を有する液体としては、純正化学株式会社製のぬれ指数標準液を用いた。
本実施態様に用いられる光触媒含有濡れ性変化層は、この光触媒含有濡れ性変化層中にフッ素が含有され、さらにこの光触媒含有濡れ性変化層表面のフッ素含有量が、光触媒含有濡れ性変化層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下するように形成されていてもよく、またエネルギー照射による光触媒の作用により分解され、これにより光触媒含有濡れ性変化層上の濡れ性を変化させることができる分解物質を含むように形成されていてもよい。
上述したような光触媒含有濡れ性変化層における、後述するような二酸化チタンに代表される光触媒の作用機構は、必ずしも明確なものではないが、光の照射によって生成したキャリアが、近傍の化合物との直接反応、あるいは、酸素、水の存在下で生じた活性酸素種によって、有機物の化学構造に変化を及ぼすものと考えられている。本実施態様においては、このキャリアが光触媒含有濡れ性変化層内のバインダ化合物に作用を及ぼし、その表面の濡れ性を変化させるものであると考えられる。
以下、このような光触媒含有濡れ性変化層を構成する、光触媒、バインダ、およびその他の成分について説明する。
a.光触媒
まず、本実施態様に用いられる光触媒について説明する。本実施態様に用いられる光触媒としては、光半導体として知られる例えば二酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化スズ(SnO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、酸化タングステン(WO)、酸化ビスマス(Bi)、および酸化鉄(Fe)を挙げることができ、これらから選択して1種または2種以上を混合して用いることができる。
本実施態様においては、特に二酸化チタンが、バンドギャップエネルギーが高く、化学的に安定で毒性もなく、入手も容易であることから好適に使用される。二酸化チタンには、アナターゼ型とルチル型があり本実施態様ではいずれも使用することができるが、アナターゼ型の二酸化チタンが好ましい。アナターゼ型二酸化チタンは励起波長が380nm以下にある。
このようなアナターゼ型二酸化チタンとしては、例えば、塩酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(石原産業(株)製STS−02(平均粒径7nm)、石原産業(株)製ST−K01)、硝酸解膠型のアナターゼ型チタニアゾル(日産化学(株)製TA−15(平均粒径12nm))等を挙げることができる。
光触媒の粒径は小さいほど光触媒反応が効果的に起こるので好ましく、平均粒径が50nm以下であることが好ましく、20nm以下の光触媒を使用するのが特に好ましい。
本実施態様に用いられる光触媒含有濡れ性変化層中の光触媒の含有量は、5〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲で設定することができる。また、光触媒含有濡れ性変化層の厚みは、0.05〜10μmの範囲内が好ましい。
b.バインダ
次に、本実施態様に用いられるバインダについて説明する。本実施態様においては、光触媒含有濡れ性変化層上の濡れ性の変化をバインダ自体に光触媒が作用することにより行う場合(第1の形態)と、エネルギー照射による光触媒の作用により分解され、これにより光触媒含有濡れ性変化層上の濡れ性を変化させることができる分解物質を光触媒含有濡れ性変化層に含有させることにより変化させる場合(第2の形態)と、これらを組み合わせることにより行う場合(第3の形態)の三つ形態に分けることができる。上記第1の形態および第3の形態において用いられるバインダは、光触媒の作用により光触媒含有濡れ性変化層上の濡れ性を変化させることができる機能を有する必要があり、上記第2の形態では、このような機能は特に必要ない。
以下、まず第2の形態に用いられるバインダ、すなわち光触媒の作用により光触媒含有濡れ性変化層上の濡れ性を変化させる機能を特に必要としないバインダについて説明し、次に第1の形態および第3の形態に用いられるバインダ、すなわち光触媒の作用により光触媒含有濡れ性変化層上の濡れ性を変化させる機能を有するバインダについて説明する。
上記第2の形態に用いられる、光触媒の作用により光触媒含有濡れ性変化層上の濡れ性を変化させる機能を特に必要としないバインダとしては、主骨格が上記光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものであれば特に限定されるものではない。具体的には、有機置換基を有しない、もしくは多少有機置換基を有するポリシロキサンを挙げることができ、これらはテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等を加水分解、重縮合することにより得ることができる。
このようなバインダを用いた場合は、添加剤としてエネルギー照射による光触媒の作用により分解され、これにより光触媒含有濡れ性変化層上の濡れ性を変化させることができる分解物質を光触媒含有濡れ性変化層中に含有させることが必須となる。
次に、上記第1の形態および第3の形態に用いられる、光触媒の作用により光触媒含有濡れ性変化層上の濡れ性を変化させる機能を必要とするバインダについて説明する。このようなバインダとしては、主骨格が上記の光触媒の光励起により分解されないような高い結合エネルギーを有するものであって、光触媒の作用により分解されるような有機置換基を有するものが好ましく、例えば、(1)ゾルゲル反応等によりクロロまたはアルコキシシラン等を加水分解、重縮合して大きな強度を発揮するオルガノポリシロキサン、(2)撥水牲や撥油性に優れた反応性シリコーンを架橋したオルガノポリシロキサン等を挙げることができる。
上記の(1)の場合、一般式:
SiX(4−n)
(ここで、Yはアルキル基、フルオロアルキル基、ビニル基、アミノ基、フェニル基もしくはエポキシ基、またはこれらを含む置換基であり、Xはアルコキシル基、アセチル基またはハロゲンを示す。nは0〜3までの整数である。)
で示される珪素化合物の1種または2種以上の加水分解縮合物もしくは共加水分解縮合物であるオルガノポリシロキサンであることが好ましい。なお、ここでXで示されるアルコキシ基は、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基であることが好ましい。また、Yで示される置換基全体の炭素数は1〜20の範囲内、中でも5〜10の範囲内であることが好ましい。
これにより、上記光触媒含有濡れ性変化層を形成した際に、オルガノポリシロキサンを構成するYにより表面を撥液性とすることができ、またエネルギー照射に伴う光触媒の作用により、そのYが分解等されることによって、親液性とすることが可能となるからである。
また、特に上記オルガノポリシロキサンを構成するYがフルオロアルキル基であるオルガノポリシロキサンを用いた場合には、エネルギー照射前の光触媒含有濡れ性変化層を、特に撥液性の高いものとすることができることから、高い撥液性が要求される場合等には、これらのフルオロアルキル基を有するオルガノポリシロキサンを用いることが好ましい。このようなオルガノポリシロキサンとして、具体的には、下記のフルオロアルキルシランの1種または2種以上の加水分解縮合物、共加水分解縮合物が挙げられ、一般にフッ素系シランカップリング剤として知られたものを使用することができる。
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
CF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
(CFCF(CFCHCHSi(OCH
CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CF(C)CSi(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
CF(CFCHCHSiCH(OCH
(CFCF(CFCHCHSiCH(OCH
(CFCF(CFCHCHSi CH(OCH
(CFCF(CFCHCHSi CH(OCH
CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CF(C)CSiCH(OCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFCHCHSi(OCHCH
CF(CFSON(C)CCHSi(OCH
また、上記の(2)の反応性シリコーンとしては、下記一般式で表される骨格をもつ化合物を挙げることができる。
Figure 2005300654
ただし、nは2以上の整数であり、R,Rはそれぞれ炭素数1〜10の置換もしくは非置換のアルキル、アルケニル、アリールあるいはシアノアルキル基であり、モル比で全体の40%以下がビニル、フェニル、ハロゲン化フェニルである。また、R、Rがメチル基のものが表面エネルギーが最も小さくなるので好ましく、モル比でメチル基が60%以上であることが好ましい。また、鎖末端もしくは側鎖には、分子鎖中に少なくとも1個以上の水酸基等の反応性基を有する。
また、上記のオルガノポリシロキサンとともに、ジメチルポリシロキサンのような架橋反応をしない安定なオルガノシリコン化合物をバインダに混合してもよい。
c.分解物質
上記第2の形態および第3の形態においては、さらにエネルギー照射による光触媒の作用により分解され、これにより光触媒含有濡れ性変化層上の濡れ性を変化させることができる分解物質を光触媒含有濡れ性変化層に含有させる必要がある。すなわち、バインダ自体に光触媒含有濡れ性変化層上の濡れ性を変化させる機能が無い場合、およびそのような機能が不足している場合に、上述したような分解物質を添加して、上記光触媒含有濡れ性変化層上の濡れ性の変化を起こさせる、もしくはそのような変化を補助させるようにするのである。
このような分解物質としては、光触媒の作用により分解し、かつ分解されることにより光触媒含有濡れ性変化層表面の濡れ性を変化させる機能を有する界面活性剤を挙げることができる。具体的には、日光ケミカルズ(株)製NIKKOL BL、BC、BO、BBの各シリーズ等の炭化水素系、デュポン社製ZONYL FSN、FSO、旭硝子(株)製サーフロンS−141、145、大日本インキ化学工業(株)製メガファックF−141、144、ネオス(株)製フタージェントF−200、F251、ダイキン工業(株)製ユニダインDS−401、402、スリーエム(株)製フロラードFC−170、176等のフッ素系あるいはシリコーン系の非イオン界面活性剤を挙げることができ、また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いることもできる。
また、界面活性剤の他にも、ポリビニルアルコール、不飽和ポリエステル、アクリル樹脂、ポリエチレン、ジアリルフタレート、エチレンプロピレンジエンモノマー、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリイミド、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ナイロン、ポリエステル、ポリブタジエン、ポリベンズイミダゾール、ポリアクリルニトリル、エピクロルヒドリン、ポリサルファイド、ポリイソプレン等のオリゴマー、ポリマー等を挙げることができる。
d.フッ素の含有
また、本実施態様においては、光触媒含有濡れ性変化層がフッ素を含有し、さらにこの光触媒含有濡れ性変化層表面のフッ素含有量が、光触媒含有濡れ性変化層に対しエネルギーを照射した際に、上記光触媒の作用によりエネルギー照射前に比較して低下するように上記光触媒含有濡れ性変化層が形成されていることが好ましい。
このような特徴を有する光触媒含有濡れ性変化層であれば、エネルギーをパターン照射することにより、後述するように容易にフッ素の含有量の少ない部分からなるパターンを形成することができる。ここで、フッ素は極めて低い表面エネルギーを有するものであり、このためフッ素を多く含有する物質の表面は、臨界表面張力がより小さくなる。したがって、フッ素の含有量の多い部分の表面の臨界表面張力に比較してフッ素の含有量の少ない部分の臨界表面張力は大きくなる。これはすなわち、フッ素含有量の少ない部分はフッ素含有量の多い部分に比較して親液性領域となっていることを意味する。よって、周囲の表面に比較してフッ素含有量の少ない部分からなるパターンを形成することは、撥液性域内に親液性領域のパターンを形成することとなる。
したがって、このような光触媒含有濡れ性変化層を用いた場合は、エネルギーをパターン照射することにより、撥液性領域内に親液性領域のパターンを容易に形成することができるので、例えばインクジェット法等により、機能性部形成用塗工液を塗布した場合に、高精細な機能性部を形成することが可能となるからである。
上述したような、フッ素を含む光触媒含有濡れ性変化層中に含まれるフッ素の含有量としては、エネルギーが照射されて形成されたフッ素含有量が低い親液性領域におけるフッ素含有量が、エネルギー照射されていない部分のフッ素含有量を100とした場合に10以下、好ましくは5以下、特に好ましくは1以下である。
このような範囲内とすることにより、エネルギー照射部分と未照射部分との親液性に大きな違いを生じさせることができる。したがって、このような光触媒含有濡れ性変化層に、例えば機能性部形成用塗工液を付着させることにより、フッ素含有量が低下した親液性領域のみに正確に機能性部を形成することが可能となり、精度の良い機能性素子を得ることができるからである。なお、この低下率は重量を基準としたものである。
このような光触媒含有濡れ性変化層中のフッ素含有量の測定は、一般的に行われている種々の方法を用いることが可能であり、例えばX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy, ESCA(Electron Spectroscopy for Chemical Analysis)とも称される。)、蛍光X線分析法、質量分析法等の定量的に表面のフッ素の量を測定できる方法であれば特に限定されるものではない。
また、本実施態様においては、光触媒として上述したように二酸化チタンが好適に用いられるが、このように二酸化チタンを用いた場合の、光触媒含有濡れ性変化層中に含まれるフッ素の含有量としては、X線光電子分光法で分析して定量化すると、チタン(Ti)元素を100とした場合に、フッ素(F)元素が500以上、好ましくは800以上、特に好ましくは1200以上となる比率でフッ素(F)元素が光触媒含有濡れ性変化層表面に含まれていることが好ましい。
フッ素(F)が光触媒含有濡れ性変化層にこの程度含まれることにより、光触媒含有濡れ性変化層上における臨界表面張力を十分低くすることが可能となることから表面における撥液性を確保でき、これによりエネルギーをパターン照射してフッ素含有量を減少させたパターン部分における表面の親液性領域との濡れ性の差異を大きくすることができ、最終的に得られるパターン形成体の精度を向上させることができるからである。
さらに、このようなパターン形成体においては、エネルギーをパターン照射して形成される親液領域におけるフッ素含有量が、チタン(Ti)元素を100とした場合にフッ素(F)元素が50以下、好ましくは20以下、特に好ましくは10以下となる比率で含まれていることが好ましい。
光触媒含有濡れ性変化層中のフッ素の含有率をこの程度低減することができれば、機能性素子の機能性部を形成するためには十分な親液性を得ることができ、上記エネルギーが未照射である部分の撥液性との濡れ性の差異により、機能性素子を精度良く形成することが可能となり、利用価値の高い機能性素子を得ることができる。
e.光触媒含有濡れ性変化層の形成方法
上述したようにオルガノポリシロキサンをバインダとして用いた場合は、上記光触媒含有濡れ性変化層は、光触媒とバインダであるオルガノポリシロキサンとを必要に応じて他の添加剤とともに溶剤中に分散して塗布液を調製し、この塗布液を基材上に塗布することにより形成することができる。使用する溶剤としては、エタノール、イソプロパノール等のアルコール系の有機溶剤が好ましい。塗布はスピンコート、スプレーコート、ディッブコート、ロールコート、ビードコート等の公知の塗布方法により行うことができる。バインダとして紫外線硬化型の成分を含有している場合、紫外線を照射して硬化処理を行うことにより、光触媒含有濡れ性変化層を形成することができる。
(基材)
次に、本実施態様に用いられる基材について説明する。本実施態様に用いられる基材は、上記光触媒含有特性変化層が形成可能なものであれば、特に限定されるものではなく、パターン形成体の種類や用途等に合わせて適宜選択される。また、透明性や可撓性についても適宜選択されることとなる。
このようなパターン形成体に用いられる基材としては、例えば紙基材の樹脂積層板、ガラス布・ガラス不織布基材の樹脂積層板、セラミック、金属等を用いることができる。
(パターニング用基板)
次に、本実施態様において調製されるパターニング用基板について説明する。本工程において調製されるパターニング用基板は、上記基材および光触媒含有特性変化層を有するものであれば特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜他の部材を有していてもよい。
本実施態様においては、特に上記基材が透明であり、上記基材上に遮光部が形成されていることが好ましい。これにより、後述するエネルギー照射工程において、基材側からエネルギーを照射することができ、この場合、遮光部が形成された領域上の上記光触媒含有特性変化層の特性が変化することがないため、フォトマスク等を用いる必要がなく、遮光部が形成されていないパターン状に特性変化パターンを形成することが可能となるからである。またこの場合、後述するエネルギー照射工程において照射されるエネルギーの光源として、例えば散乱光を用いた場合であっても、光が拡散することなく、光触媒含有特性変化層に到達することができる。したがって、エネルギー照射工程に用いられる光源の選択の幅が広がる、という利点も有する。
このような遮光部としては、照射されるエネルギーを遮蔽するものであれば、特に限定されるものではない。このような遮光部の形成方法は、必要とするエネルギーに対する遮蔽性等に応じて適宜選択されて用いられる。
例えば、スパッタリング法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程度のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニングすることにより形成されてもよい。このパターニングの方法としては、スパッタ等の通常のパターニング方法を用いることができる。
また、樹脂バインダ中にカーボン微粒子、金属酸化物、無機顔料、有機顔料等の遮光性粒子を含有させた層をパターン状に形成する方法であってもよい。用いられる樹脂バインダとしては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を用いることができる。このような樹脂製遮光部の厚みとしては、0.5〜10μmの範囲内で設定することができる。このような樹脂製遮光部のパターニングの方法は、フォトリソ法、印刷法等一般的に用いられている方法を用いることができる。
またさらに本実施態様においては、遮光部が熱転写法により形成されたものとすることもできる。遮光部を形成する熱転写法とは、通常、透明なフィルム基材の片面に光熱変換層と遮光部転写層を設けた熱転写シートを基材上に配置し、遮光部を形成する領域にエネルギーを照射することによって、遮光部転写層が基材上に転写されて遮光部が形成されることとなるものである。このような熱転写法により形成される遮光部の膜厚としては、通常0.5μm〜10.0μm、特に0.8μm〜5.0μm程度とすることができる。
熱転写法により転写される遮光部は、通常、遮光材料と結着剤により構成されるものであり、遮光性材料としては、カーボンブラック、チタンブラック等の無機粒子等を用いることができる。このような遮光性材料の粒子径としては、0.01μm〜1.0μm、中でも0.03μm〜0.3μmの範囲内であることが好ましい。
また、結着剤としては、熱可塑性と熱硬化性とを有する樹脂組成とすることが好ましく、熱硬化性官能基を有し、かつ軟化点が50℃〜150℃の範囲内、中でも60℃〜120℃の範囲内である樹脂材料および硬化剤等により構成されることが好ましい。このような材料として具体的には、1分子中にエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物またはエポキシ樹脂とその潜在性硬化剤との組み合わせ等が挙げられる。またエポキシ樹脂の潜在性硬化剤としては、ある一定の温度まではエポキシ基との反応性を有さないが、加熱により活性化温度に達するとエポキシ基との反応性を有する分子構造に変化する硬化剤を用いることができる。具体的には、エポキシ樹脂との反応性を有する酸性または塩基性化合物の中性塩や錯体、ブロック化合物、高融点体、マイクロカプセル封入物が挙げられる。また、上記遮光部中に、上記の材料の他に、離型剤、接着補助剤、酸化防止剤、分散剤等を含有させることもできる。
また、本実施態様においては、上記光触媒含有特性変化層と遮光部との間にプライマー層を形成してもよい。このプライマー層の作用・機能は必ずしも明確なものではないが、プライマー層を形成することにより、光触媒含有特性変化層の特性変化を阻害する要因となる遮光部および遮光部間に存在する開口部からの不純物、特に、遮光部をパターニングする際に生じる残渣や、不純物の拡散を防止する機能を示すものと考えられる。したがって、プライマー層を形成することにより、高感度で光触媒含有特性変化層の特性を変化させることができ、その結果、高解像度のパターンを得ることが可能となるのである。
なお、本実施態様においてプライマー層は、遮光部のみならず遮光部間に形成された開口部に存在する不純物が光触媒の作用に影響することを防止するものであるので、プライマー層は開口部を含めた遮光部全面にわたって形成されていることが好ましい。
本実施態様におけるプライマー層は、上記遮光部と上記光触媒含有特性変化層とが接触しないようにプライマー層が形成された構造であれば特に限定されるものではない。
このプライマー層を構成する材料としては、特に限定されるものではないが、光触媒の作用により分解されにくい無機材料が好ましい。具体的には無定形シリカを挙げることができる。このような無定形シリカを用いる場合には、この無定形シリカの前駆体は、一般式SiXで示され、Xはハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、またはアセチル基等であるケイ素化合物であり、それらの加水分解物であるシラノール、または平均分子量3000以下のポリシロキサンが好ましい。
また、プライマー層の膜厚は、0.001μmから1μmの範囲内であることが好ましく、特に0.001μmから0.1μmの範囲内であることが好ましい。
(2)エネルギー照射工程
次に、本実施態様におけるエネルギー照射工程について説明する。本実施態様におけるエネルギー照射工程は、上記パターニング用基板調製工程で調製されたパターニング用基板に所定の強度でエネルギーを照射し、上記光触媒が含有特性変化層の特性が変化した特性変化パターンを形成する工程であれば、特に限定されるものではない。
ここで、本実施態様において照射されるエネルギーとして具体的には、0.1mW/cm〜10mW/cm、中でも0.1mW/cm〜8mW/cm、特に0.1mW/cm〜3mW/cmの範囲内とすることが好ましい。上記エネルギー強度は、分光放射照度計(スペクトロラジオメーター USR−40:ウシオ電機株式会社製)により200nm〜800nmの照度を積算した値である。このような強度のエネルギーは、一般的にエネルギー照射に伴う光触媒の作用を利用したパターニングに用いられるエネルギーより強度が低いものである。このような強度のエネルギーを用いることにより、効率よく光触媒を励起させることができ、通常のパターニングの際に用いられる強度のエネルギーを用いた場合より、格段に積算光量を少ないものとすることができ、効率よくパターン形成体を製造することができるのである。
ここで、本実施態様においては上記強度でエネルギーを照射可能なものであれば、そのエネルギーの種類等は特に限定されない。例えば、一般的なパターニングに用いられる水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマランプ、その他種々の光源の照射強度を落として、上記範囲内の強度となるようにしてもよい。
本実施態様においては、特に250nm〜450nm、中でも280nm〜430nm、特に300nm〜380nmの範囲内の蛍光ランプを用いてエネルギー照射工程を行うことが好ましい。このような範囲内の波長のランプは、線光源とすることが可能であるので、大面積へのエネルギー照射が容易であり、また特別な装置等も必要とされないことから、製造コストや製造効率の面から好ましいものとすることができるからである。また、上記波長の光であれば、人体に悪影響を及ぼさないものとすることができる、という利点も有する。
ここで、上記波長の光を照射する蛍光ランプとしては、冷陰極型蛍光ランプであることが好ましい。冷陰極型蛍光ランプは、一般的に熱陰極型蛍光ランプと比較して、寿命が長いため、より低コストで露光装置を稼働させることが可能となるからである。
また上記波長の光を照射するランプとしては、一般的にブラックライト、殺菌灯、健康ランプと称される光を用いることができる。ブラックライトとは、通常300nm〜430nm程度の光を照射することが可能なランプをいう。また、健康ランプとは、通常280nm〜320nm程度の光を照射することが可能なランプをいう。またさらに、殺菌灯とは、通常250nm〜280nm程度の光を照射することが可能なランプをいう。これらのランプを用いることにより、特別な装置が必要なく、露光装置の大きさを小さいものとすることができ、またコスト面からも好ましいものとすることができるからである。
またさらに、上記蛍光ランプの形状は特に限定されるものではなく、例えば球状型のものも用いることができるが、特に直管型の蛍光ランプが用いられることが好ましい。これにより、幅方向で均一に光を照射することができ、パターニングを均一に行うことができるからである。また、上記のような蛍光ランプであれば、その長さを調整することも容易であるため、種々の幅を有するパターニング用基板に対応して露光装置を設計することが可能となる、という利点を有するからである。
ここで、本工程におけるエネルギーの照射は、上記光触媒含有特性変化層の特性を変化させることが可能な程度、行われることとする。このような積算光量としては、通常0.05J/cm〜5J/cm程度、中でも0.2J/cm〜2J/cm程度とすることができる。本実施態様においては、上記強度でエネルギーを照射することから、上記のような少ない積算光量であっても、光触媒含有特性変化層の特性を変化させることが可能となるのである。
また、本実施態様のパターン形成体の製造方法に用いられる装置としては、上記強度でエネルギーを照射可能なものであれば特に限定されるものではなく、光源の種類等により適宜選択される。このような露光装置としては、例えば、上記パターニング用基板を支えるパターニング用基板支持部と、上記エネルギーを照射するエネルギー照射部とを有するもの等とすることができる。
この場合、上記パターニング用基板支持部は、エネルギー照射部と対向して、パターニング用基板を固定するように支持するもの等とすることができる。また、上記エネルギー照射部としては、上記パターニング用基板の一部にエネルギーを照射するものであって、複数回にわけてパターニング用基板にエネルギーを照射するもの等であってもよいが、上記蛍光ランプを用いて、上記パターニング用基板全面にエネルギーを照射するものであることが好ましい。これにより、効率的に特性変化パターンを製造することができるからである。またこの露光装置は、上記パターニング用基板支持部およびエネルギー照射部を有する露光ユニットが、複数積み重ねられたもの等であってもよい。
(3)その他
また、本実施態様のパターン形成体の製造方法においては、上記パターニング用基板調製工程およびエネルギー照射工程以外に、必要に応じて適宜、他の工程を有していてもよい。
2.第2実施態様
次に、本発明のパターン形成体の製造方法の第2実施態様について説明する。本実施態様のパターン形成体の製造方法は、基材と、上記基材上に形成された少なくとも光触媒を含有する光触媒含有層と、上記光触媒含有層上に形成されたエネルギー照射に伴う光触媒の作用により特性が変化する特性変化層とを有するパターニング用基板を調製するパターニング用基板調製工程と、
上記パターニング用基板に所定の強度でエネルギーを照射し、上記特性変化層の特性が変化した特性変化パターンを形成するエネルギー照射工程と
を有することを特徴とするものである。
本実施態様のパターン形成体の製造方法は、例えば図2に示すように、基材1とその基材上に形成された光触媒含有層11と、その光触媒含有層2上に形成された特性変化層12とを有するパターニング用基板3を調製するパターニング用基板調製工程(図2(a))と、
そのパターニング用基板3に、例えばフォトマスク4等を用いて所定の強度のエネルギー5を照射し(図2(b))、特性変化層12の特性が変化した特性変化パターン6を形成する(図2(c))エネルギー照射工程とを有するものである。
本実施態様によれば、パターニング用基板が上記特性変化層および上記光触媒含有層を有することから、エネルギー照射工程において照射されるエネルギーによって光触媒含有層中の光触媒が励起され、その光触媒の作用により特性変化層の特性が変化した特性変化パターンが形成されるのである。この際、照射されるエネルギーが所定の強度、すなわち一般的に光触媒の励起に用いられるエネルギーの強度と比較して、弱い強度とされることから、光触媒を効率的に励起させることができ、必要とされる積算光量を小さいものとすることができる。これにより、製造効率やコストの面からも好ましく、パターン形成体を製造することができる。
以下、それぞれの工程について説明する。
(1)パターニング用基板調製工程
まず、本実施態様におけるパターニング用基板調製工程について説明する。本実施態様におけるパターニング用基板調製工程は、基材と、上記基材上に形成された少なくとも光触媒を含有する光触媒含有層と、上記光触媒含有層上に形成されたエネルギー照射に伴う光触媒の作用により特性が変化する特性変化層とを有するパターニング用基板を調製する工程である。
本工程においては、上記基材、光触媒含有層、および特性変化層を有するようなパターニング用基板を形成可能であれば、その調製方法等は特に限定されるものではないが、通常、基材上に光触媒含有層を形成し、その光触媒含有層上に特性変化層を形成するものとすることができる。以下、光触媒含有層および特性変化層について説明する。なお、基材については、上述した第1実施態様と同様のものを用いることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
(光触媒含有層)
まず、本工程により調製されるパターニング用基板に用いられる光触媒含有層について説明する。本工程に用いられる光触媒含有層は、後述するエネルギー照射工程において照射されるエネルギーによって励起される光触媒を少なくとも含有する層であれば、特に限定されるものではなく、このような光触媒含有層は、上記第1実施態様で説明した光触媒含有特性変化層と同様とすることができる。ただし、本実施態様においては、光触媒含有層上の特性は特に変化する必要がないことから、バインダ自体に光触媒が作用することによる特性の変化が生じない場合であってもよく、第一実施態様のように特性を変化させる材料を光触媒含有層中に含有させる必要がない。
ここで、バインダを有しない場合の光触媒含有層の形成方法としては、例えば、スパッタリング法、CVD法、真空蒸着法等の真空製膜法を用いる方法を挙げることができる。真空製膜法により光触媒含有層を形成することにより、均一な膜でかつ光触媒のみを含有する光触媒含有層とすることが可能であり、これにより特性変化層上の特性を均一に変化させることが可能であり、かつ光触媒のみからなることから、バインダを用いる場合と比較して効率的に特性変化層上の特性を変化させることが可能となる。
また、光触媒のみからなる光触媒含有層の他の形成方法としては、例えば光触媒が二酸化チタンの場合は、基材上に無定形チタニアを形成し、次いで焼成により結晶性チタニアに相変化させる方法等が挙げられる。ここで用いられる無定形チタニアとしては、例えば四塩化チタン、硫酸チタン等のチタンの無機塩の加水分解、脱水縮合、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラ−n−プロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラメトキシチタン等の有機チタン化合物を酸存在下において加水分解、脱水縮合によって得ることができる。次いで、400℃〜500℃における焼成によってアナターゼ型チタニアに変性し、600℃〜700℃の焼成によってルチル型チタニアに変性することができる。
(特性変化層)
次に、本実施態様に用いられる特性変化層について説明する。本実施態様に用いられる特性変化層は、後述するエネルギー照射工程において照射されるエネルギー照射によって励起された上記光触媒含有層中の光触媒の作用によって、特性が変化するものであれば、その特性変化の種類等は特に限定されるものではない。例えば、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により、物質との密着性が変化する層であってもよく、また例えば細胞との接着性が変化する層等であってもよい。
本実施態様においては、特にエネルギー照射に伴う光触媒の作用により、液体との接触角が低下する濡れ性変化層、またはエネルギー照射に伴う光触媒の作用により分解除去される分解除去層であることが、パターン形成体上に機能性部を形成する際の容易さから好ましいといえる。以下、このような濡れ性変化層および分解除去層について説明する。
a.濡れ性変化層
本実施態様に用いられる濡れ性変化層は、上記光触媒含有層中に含有される光触媒の作用により液体との接触角が低下する層であれば特に限定されるものではなく、上述した第一実施態様の光触媒含有濡れ性変化層中のバインダと同様の材料で形成することが好ましい。本実施態様において上述した成分の濡れ性変化層を用いることにより、隣接する光触媒含有層中の光触媒の作用により、上記成分の一部である有機基や添加剤の酸化、分解等の作用を用いて、エネルギー照射部分の濡れ性を変化させて親液性とし、エネルギー未照射部との濡れ性に大きな差を生じさせることができるからである。また、この濡れ性変化層には、上記第一実施態様における光触媒含有濡れ性変化層の説明中「フッ素の含有」の項で記載したものと同様にして同様のフッ素を含有させることができる。またさらに、本実施態様においては、濡れ性変化層中に光触媒を含有する必要がなく、この場合には、経時的に機能性部が光触媒の影響を受ける可能性を少なくすることが可能である。なお、本実施態様に用いられる濡れ性変化層の形成方法や材料等については、上記第一実施態様の光触媒含有濡れ性変化層と同様と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
ここで、本実施態様に用いられる濡れ性変化層についても、エネルギー照射していない部分、すなわち撥液性領域においては、40mN/mの液体との接触角が、10°以上、中でも表面張力30mN/mの液体との接触角が10°以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が10°以上であることが好ましい。これは、エネルギー照射していない部分が、撥液性が要求される部分であることから、上記液体との接触角が小さい場合は、撥液性が十分でなく、例えばカラーフィルタの着色層を形成する着色層形成用塗工液をインクジェット方式等により塗布し、硬化させて形成する場合等に、撥液性領域にも着色層形成用塗工液が付着する可能性がある等、着色層等の機能性部を高精細に形成することが困難となるからである。
また、上記濡れ性変化層は、エネルギー照射された部分、すなわち親液性領域においては、40mN/mの液体との接触角が9°未満、好ましくは表面張力50mN/mの液体との接触角が10°以下、特に表面張力60mN/mの液体との接触角が10°以下となるような層であることが好ましい。エネルギー照射された部分、すなわち親液性領域における液体との接触角が高い場合は、例えばカラーフィルタの着色層を形成する着色層形成用塗工液を、親液性領域においてもはじいてしまう可能性があり、例えばインクジェット法により着色層形成用塗工液を塗布した際に、着色層形成用塗工液が十分に塗れ広がらない等、着色層等の機能性部を形成することが難しくなる可能性があるからである。ここでいう液体との接触角は、上述した方法により測定されたものである。
また、本実施態様においては、上記濡れ性変化層の厚みが、0.001μmから1μmであることが好ましく、特に0.01〜0.1μmの範囲内であることが好ましい。これにより、後述するエネルギー照射工程において、上記光触媒含有層中の光触媒の作用によって、効率的に濡れ性が変化する層とすることができるからである。
b.分解除去層
次に本実施態様に用いられる分解除去層について説明する。本実施態様に用いられる分解除去層は、上記波長の光の作用により、露光された部分の分解除去層が分解除去される層であれば、特に限定されるものではない。
このような分解除去層は、上記の光の作用により分解除去されることから、現像工程や洗浄工程を行うことなく分解除去層のある部分と無い部分とからなるパターン、すなわち凹凸を有するパターンを形成することができる。
なお、この分解除去層は、露光による光の作用により酸化分解され、気化等されることから、現像・洗浄工程等の特別な後処理なしに除去されるものであるが、分解除去層の材質によっては、洗浄工程等を行ってもよい。
また、本実施態様に用いられる分解除去層は、凹凸を形成するのみならず、この分解除去層が、上記基材表面と比較して、液体との接触角が高いことが好ましい。これにより、分解除去層が分解除去され、上記基材が露出した領域を親液性領域、上記分解除去層が残存する領域を撥液性領域とすることが可能となり、表面の凹凸および濡れ性の差を利用して、種々のパターンを形成することが可能となるからである。
ここで、本実施態様の分解除去層表面の液体との接触角は、表面張力40mN/mの液体との接触角が10゜以上、好ましくは表面張力30mN/mの液体との接触角が10゜以上、特に表面張力20mN/mの液体との接触角が10゜以上の値を示すことが好ましい。
また、本実施態様において、特性変化層が分解除去層である場合には、上記基材が親液性であることが好ましく、具体的には、表面張力40mN/mの液体との接触角として9゜以下であることが好ましく、さらに好ましくは、表面張力40mN/mの液体との接触角として5゜以下、特に好ましくは1゜以下であることである。
分解除去層および上記基材の濡れ性が、上記範囲内であることにより、基材が露出した領域を親液性領域、分解除去層が残存する領域を撥液性領域とすることが可能となり、高精細なパターンの形成が容易となるからである。ここで、液体との接触角は、上述した方法により測定した値である。
この場合、上記基材は表面を親液性となるように、表面処理したものであってもよい。基材の表面を親液性となるように表面処理した例としては、アルゴンや水などを利用したプラズマ処理による親液性表面処理が挙げられ、基材上に形成する親液性の層としては、例えばテトラエトキシシランのゾルゲル法によるシリカ膜等を挙げることができる。本実施態様においては、通常上記基材が露出した部分が親液性領域とされる。
また、上記のような分解除去層に用いることができる膜としては、具体的にはフッ素系や炭化水素系の撥液性を有する樹脂等による膜を挙げることができる。これらのフッ素系や炭化水素系の樹脂は、撥液性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、本実施態様においては、中でもフルオロアルキル基を有するものであることが好ましい。上述したように、フルオロアルキル基は、後述するエネルギー照射工程において発生した活性酸素種が作用しやすく、分解除去層の分解除去を効率よく行うことが可能となるからである。本実施態様の分解除去層は、これらの樹脂を溶媒に溶解させ、例としてスピンコート法等の一般的な成膜方法により形成することが可能である。
また、本実施態様においては、機能性薄膜、すなわち、自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロケット膜、および交互吸着膜等を用いることにより、欠陥のない膜を形成することが可能であることから、このような成膜方法を用いることがより好ましいといえる。このような自己組織化単分子膜、ラングミュア−ブロジェット膜、および交互吸着膜については、例えば特開2003−195029号公報に記載されているものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
(パターニング用基板)
次に、本実施態様において調製されるパターニング用基板について説明する。本実施態様において調製されるパターニング用基板は、上記基材、光触媒含有層、および特性変化層を有するものであれば特に限定されるものではなく、必要に応じて適宜他の部材を有していてもよい。
本実施態様においては、基材上または上光触媒含有層上に遮光部を有するものとすることが好ましい。基材上に遮光部が形成されており、上記基材が透明である場合には、後述するエネルギー照射工程において、エネルギー照射を基材側から行うことができる。この場合、後述するエネルギー照射工程において、散乱光を発するものを光源として用いた場合であっても、光の拡散の影響を少なくすることができ、低コストで効率よくパターン形成体を製造することができる。また、フォトマスク等を用いることなく、遮光部が形成されていない領域上にのみエネルギーを照射することができることから、フォトマスクの位置合わせ工程等が必要ない、という利点も有するものとすることができるからである。
このような遮光部や、その遮光部からの不純物を防ぐプライマー層等については、上述した第1実施態様と同様であるので、ここでの詳しい説明は省略する。
(2)エネルギー照射工程
次に、本実施態様におけるエネルギー照射工程について説明する。本実施態様におけるエネルギー照射工程は、上記パターニング用基板に、所定の強度でエネルギーを照射し、上記特性変化層の特性が変化した特性変化パターンを形成する工程であれば、特に限定されるものではない。
ここで、本実施態様において照射されるエネルギーとして具体的には、0.1mW/cm〜10mW/cm、中でも0.1mW/cm〜8mW/cm、特に0.1mW/cm〜3mW/cmの範囲内とすることが好ましい。上記エネルギー強度は、上述した方法により測定した値である。このような強度のエネルギーは、一般的にエネルギー照射に伴う光触媒の作用を利用したパターニングに用いられるエネルギーより強度が低いものである。本実施態様においては、このような強度のエネルギーを用いることにより、効率よく光触媒含有層を励起させることができる。したがって、通常のパターニングの際に用いられる強度のエネルギーを用いた場合より、格段に積算光量を少ないものとすることができ、効率よくパターン形成体を製造することができる。
このようなエネルギーを照射するランプや、露光装置等については、上述した第1実施態様のエネルギー照射工程と同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
(3)その他
なお、本実施態様においても、上記パターニング用基板調製工程およびエネルギー照射工程以外に、必要な工程を適宜有していてもよい。
B.機能性素子の製造方法
次に、本発明の機能性素子の製造方法について説明する。本発明の機能性素子の製造方法は、上記「A.パターン形成体の製造方法」で製造されたパターン形成体の、上記特性変化パターン上に機能性部を形成する機能性部形成工程を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、上記パターン形成体は、特性の変化した特性変化パターンが形成されていることから、この特性変化パターンの特性の差を利用して容易に機能性部を形成する機能性部形成工程を行うことができるのである。
ここで機能性とは、光学的(光選択吸収、反射性、偏光性、光選択透過性、非線形光学性、蛍光あるいはリン光等のルミネッセンス、フォトクロミック性等)、磁気的(硬磁性、軟磁性、非磁性、透磁性等)、電気・電子的(導電性、絶縁性、圧電性、焦電性、誘電性等)、化学的(吸着性、脱着性、触媒性、吸水性、イオン伝導性、酸化還元性、電気化学特性、エレクトロクロミック性等)、機械的(耐摩耗性等)、熱的(伝熱性、断熱性、赤外線放射性等)、生体機能的(生体適合性、抗血栓性等)のような各種の機能を意味するものである。
本発明における機能性部形成工程に用いられる機能性部形成用塗工液としては、上述したように機能性素子の種類、機能性素子の形成方法等によって大きく異なるものであるが、例えば、紫外線硬化型モノマー等に代表される溶剤で希釈されていない組成物や、溶剤で希釈した液体状の組成物等を用いることができる。また、機能性部形成用塗工液としては粘度が低いほど短時間にパターンが形成できることから特に好ましい。ただし、溶剤で希釈した液体状組成物の場合には、パターン形成時に溶剤の揮発による粘度の上昇、表面張力の変化が起こるため、溶剤が低揮発性であることが望ましい。
また本発明に用いられる機能性部形成用塗工液としては、上記特性変化パターンに付着等させて配置されることにより機能性部となるものであってもよく、また特性変化パターン上に配置された後、薬剤により処理され、もしくは紫外線、熱等により処理された後に機能性部となるものであってもよい。この場合、機能性部形成用塗工液の結着剤として、紫外線、熱、電子線等で硬化する成分を含有している場合には、硬化処理を行うことにより素早く機能性部が形成できることから好ましい。
本発明における上記機能性部形成工程は、ディップコート、ロールコート、ブレードコート、スピンコート等の塗布手段、インクジェット、電界ジェット、ディスペンサーを用いる方法等を含むノズル吐出手段等の手段を用いて行われることが好ましい。これらの方法を用いることにより、機能性部を均一かつ高精細に形成することが、可能となるからである。
ここで、本発明においては、上記機能性素子の製造方法の中でも、特に機能性部が着色層であるカラーフィルタの製造方法、機能性部が金属配線である導電性パターンの製造方法、機能性部が生体物質と付着性を有するバイオチップ用基材の製造方法、機能性部が有機EL層である有機EL素子の製造方法であることが好ましい。これらの機能性素子の機能性部は、上述したパターン形成体の特性の差を利用して、容易に形成することが可能となるからである。
C.カラーフィルタの製造方法
本発明のカラーフィルタの製造方法について説明する。本発明のカラーフィルタの製造方法は、上記機能性素子の製造方法の機能性部形成工程が、着色層を形成する工程であるものである。
本発明によれば、パターン形成体における上記特性変化層または光触媒含有特性変化層が例えば表面の濡れ性が変化する濡れ性変化層、または光触媒含有濡れ性変化層である場合、その層上には濡れ性の変化した濡れ性変化パターンが形成されている。したがって、この表面の濡れ性の差を利用してインクジェット法等により着色層を容易に形成することが可能となり、高精細な着色層を有するカラーフィルタを製造することができるのである。
このような着色層は、通常、赤(R)、緑(G)、および青(B)の3色で形成される。この着色層における着色パターン形状は、ストライプ型、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等の公知の配列とすることができ、着色面積は任意に設定することができる。
本発明において、この着色層を着色する方法としても特に限定されるものではなく、例えば、公知の着色層形成用塗工液をスプレーコート、ディップコート、ロールコート、ビードコート等の公知の方法で塗布する塗布方式や、真空薄膜形式等を挙げることができるが、本発明においては、インクジェット方式により着色されることが好ましい。これにより、上記特性変化パターン上に高精細に着色層を形成することができるからである。
ここで、このような着色層の形成に用いられる着色層形成用塗工液等としては、一般的なカラーフィルタの着色層に用いられるものと同様とすることができるので、ここでの詳しい説明は省略する。
D.導電性パターンの製造方法
次に、本発明の導電性パターンの製造方法について説明する。本発明の導電性パターンの製造方法は、上記機能性素子の製造方法の機能性部形成工程が、金属配線を形成する工程であるものである。
本発明によれば、上述した特性変化パターンの特性の差を利用して、例えば電界ジェット法等をより金属ペースト等を塗布することにより、高精細な金属配線が形成された導電性パターンを製造することができる。
なお本発明においては、上記特性変化層または光触媒含有特性変化層上に金属配線が形成されることから、特性変化層または光触媒含有特性変化層の電気抵抗が、1×10Ω・cm〜1×1018Ω・cm、中でも1×1012Ω・cm〜1×1018Ω・cmの範囲内とすることが好ましい。これにより、優れた導電性パターンとすることが可能となるからである。
ここで、本発明の導電性パターンの製造方法に用いられる各部材の材料や形成方法等については、一般的な導電性パターンにおけるものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
E.有機EL素子の製造方法
次に、本発明の有機EL素子の製造方法について説明する。本発明の有機EL素子の製造方法は、上述した機能性素子の製造方法における機能性部形成工程が有機EL層を形成する工程であることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記特性変化パターンの特性の差を利用して、容易に有機EL層の塗り分け等を行うことができ、高精細な有機EL層が形成された有機EL素子を製造することが可能となるのである。
また、本発明においては特に、上記特性変化層または光触媒含有特性変化層中に導電性材料が含有されていることが好ましい。これにより、例えば表面に第1電極層が形成された基材上に、上記特性変化層または光触媒含有特性変化層を形成した場合であっても、特性変化層または光触媒含有特性変化層が正孔等を通過させることができ、これらの層の特性変化パターンを利用して形成された有機EL層と、第1電極層との間で導通をはかることが可能となるからである。本発明の有機EL素子は、この有機EL層上に第2電極層を形成すること等により得ることができる。
なお、本発明の有機EL素子の製造方法に用いられる各部材の材料や形成方法等については、一般的な有機EL素子におけるものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
F.バイオチップ用基材の製造方法
次に、本発明におけるバイオチップ用基材の製造方法について説明する。本発明のバイオチップ用基材の製造方法は、上述した機能性素子の製造方法における機能性部形成工程が、生体物質と付着性を有する機能性部を形成することを特徴とするものである。本発明の機能性部形成工程は、例えば上述した特性変化パターン上に生体物質と付着性を有する材料を付着等させる工程等とすることができる。これにより、パターン状に生体物質と付着性を有するバイオチップ用基材とすることができるのである。
ここで、このようなバイオチップ用基材上に、生体物質を固定化させることにより、バイオチップを得ることができる。このようなバイオチップ表面では、上記機能性薄膜が固定化層として働き、ここにDNAやタンパク質等の生体物質が固定化されて種々の用途に用いられるのである。
このような生体物質の固定化技術は、酵素を不溶性担体に固定化したバイオリアクターの研究開発において盛んに研究された固定化技術を応用することができる。その技術内容については、例えば、千畑一郎編、“固定化酵素”、講談社サイエンティフィック、1975及び、その参考文献に詳しい。
なお、バイオチップには、電気的読み取り法を用いる場合があり、このような場合は上記バイオチップ用基材表面に電極を形成する必要がある。この際には、上述した導電性パターンの製造方法の欄で説明した方法により電極を形成してもよく、また一般的なフォトレジスト法等により形成するようにしてもよい。
ここで、本発明においては、上記特性変化層または光触媒含有特性変化層に、感光性保護基で保護された官能基を有する分子を用い、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により脱保護して細胞との接着性を有するようなものとし、この細胞との接着性を有するパターン状に細胞を接着させてバイオチップとしたもの等とすることも可能である。
ここで、本発明におけるバイオチップ用基材の製造方法に用いられる各部材の材料や形成方法等については、一般的なバイオチップ用基板におけるものと同様であるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例]
<パターニング用基板の作製>
チタニアゾル(STS‐01 石原産業製)を水とイソプロパノールとの混合液(重量比=1:1)にてTiO濃度が0.5wt%となるように希釈して光触媒含有層形成用組成物を調整し、カーボンブラックを含有する黒色遮光部が幅40μm、ピッチ150μmのラインアンドスペース状に形成されたガラス基板(NA−35 NHテクノガラス製)上にスピンコートし、200℃で15分間焼成することにより光触媒含有層を作製した。
次に、フルオロアルキルシラン(TSL8233 GE東芝シリコーン製)1.5g、テトラメトキシシラン(TSL8114 GE東芝シリコーン製)5.0g、及び0.01N塩酸2.5gを24時間常温にて攪拌して撥液付与剤を作製した。前記撥液付与剤をイソプロパノールにて20倍に希釈し、特性変化層形成用組成物を調製した。前記特性変化層形成用組成物を前記光触媒含有層上にスピンコートすることにより、パターニング用基板を作製した。
<露光>
前記パターニング用基板のガラス基板側からブラックライト(東芝ライテック製FL‐40S‐BLB)によりエネルギーを600秒照射することにより露光を行った。前記ブラックライトの照度をスペクトロラジオメーター(ウシオ電気社製 USR40)により測定した結果、1.5mW/cmであり、積算露光量は、0.9J/cmとなった。
<カラーフィルタの作製>
次に、ピエゾ駆動タイプのインクジェット装置を用いて、顔料5重量部、溶剤20重量部、重合開始剤5重量部、およびUV硬化樹脂70重量部を含むRGB各色のUV硬化型多官能アクリレートモノマーインク(着色インク)を、上記パターニング用基板の開口部に塗布後、UV処理を行って硬化させることにより画素部を形成し、カラーフィルタを作製した。ここで、赤色、緑色、および青色の各インクについて溶剤としてはポリエチレングリコールモノメチルエチルアセテート、重合開始剤としてはイルガキュア369(商品名、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)、UV硬化樹脂としてはDPHA(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(日本化薬(株)製)を用いた。また顔料としては、赤色インクについては、C.I.Pigment Red177、緑色インクについてはC.I.Pigment Green36、青色インクについてはC.I.Pigment Blue15およびC.I.Pigment Violet 23をそれぞれ用いた。
[比較例1]
実施例と同様に作製したパターニング用基板に対し、超高圧水銀ランプからエネルギーを上記パターニング用基板のガラス基板側から照射することによって露光を行った以外は実施例1と同様にしてカラーフィルタを作製した。この際、前記超高圧水銀ランプの照度を実施例1と同様に測定した結果、200mW/cmであり、露光時間を調整し、積算露光量を5.8J/cmとした。
[比較例2]
積算露光量を11.7J/cmとした以外は、比較例1と同様にカラーフィルタを作製した。
[カラーフィルタの評価]
実施例、比較例1および比較例2にて作製したカラーフィルタの外観評価結果と積算露光量の関係を表1に示す。比較例1においては、積算光量が少なく、特性変化層の特性を良好に変化させることができず、着色層に白抜けが生じた。しかしながら、本発明によれば、10倍以上も少ないエネルギー照射量で白抜けのない良好なカラーフィルタを作製することができた。
Figure 2005300654
本発明のパターン形成体の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明のパターン形成体の製造方法の他の例を示す工程図である。
符号の説明
1 …基材
2 …光触媒含有特性変化層
3 …パターニング用基板
5 …エネルギー
6 …特性変化パターン
11…光触媒含有層
12…特性変化層

Claims (10)

  1. 基材と、前記基材上に形成され、少なくとも光触媒およびバインダを含有し、エネルギー照射に伴う光触媒の作用により特性が変化する光触媒含有特性変化層とを有するパターニング用基板を調製するパターニング用基板調製工程と、
    前記パターニング用基板に0.1mW/cm〜10mW/cmの強度でエネルギーを照射し、前記光触媒含有特性変化層の特性が変化した特性変化パターンを形成するエネルギー照射工程と
    を有することを特徴とするパターン形成体の製造方法。
  2. 基材と、前記基材上に形成された少なくとも光触媒を含有する光触媒含有層と、前記光触媒含有層上に形成されたエネルギー照射に伴う光触媒の作用により特性が変化する特性変化層とを有するパターニング用基板を調製するパターニング用基板調製工程と、
    前記パターニング用基板に0.1mW/cm〜10mW/cmの強度でエネルギーを照射し、前記特性変化層の特性が変化した特性変化パターンを形成するエネルギー照射工程と
    を有することを特徴とするパターン形成体の製造方法。
  3. 前記パターニング用基板の前記基材上、または前記光触媒含有層上に遮光部が形成されており、前記エネルギー照射工程における前記エネルギーの照射が、前記基材側から行われることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパターン形成体の製造方法。
  4. 前記エネルギー照射が、250nm〜450nmの範囲内の波長の光を放出する蛍光ランプにより行われることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法。
  5. 前記蛍光ランプが冷陰極型蛍光ランプであり、かつブラックライト、健康ランプ、殺菌灯のいずれかのランプであることを特徴とする請求項4に記載のパターン形成体の製造方法。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかの請求項に記載のパターン形成体の製造方法により製造されたパターン形成体の、前記特性変化パターン上に機能性部を形成する機能性部形成工程を有することを特徴とする機能性素子の製造方法。
  7. 請求項6に記載の機能性素子の製造方法の機能性部形成工程が、着色層を形成する着色層形成工程であることを特徴とするカラーフィルタの製造方法。
  8. 請求項6に記載の機能性素子の製造方法の機能性部形成工程が、金属配線を形成する工程であることを特徴とする導電性パターンの製造方法。
  9. 請求項6に記載の機能性素子の製造方法の機能性部形成工程が、有機エレクトロルミネッセント層を形成する工程であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセント素子の製造方法。
  10. 請求項6に記載の機能性素子の製造方法の機能性部形成工程が、生体物質と付着性を有する機能性部を形成する工程であることを特徴とするバイオチップ用基材の製造方法。
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