JP2005299011A - 紙質向上剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パルプシートの強度や剛度の低下が少ない、またはパルプシートの強度や剛度を向上させながら、パルプシートの嵩を向上させる内添用紙質向上剤の提供。
【解決手段】 一般式(a)で表される単量体由来の構成単位と、一般式(b)で表される単量体由来の構成単位を含む共重合体を含有する内添用紙質向上剤、及びこの内添用紙質向上剤をパルプに添加してなるパルプシート。
【化1】
Figure 2005299011

【化2】
Figure 2005299011

(式中、R1はH又はメチル基、AOはC2-4のオキシアルキレン基、nは平均値で2〜300の数、XはH又はC1-18のアルキル基、R2、R3及びR4はH、C1-3のアルキル基又は−(CH2m−COOM、mは0〜2の数、MはH又は陽イオンを示す。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、パルプシートの紙質向上に有用な内添用紙質向上剤、及びそれを添加してなるパルプシートに関する。
地球環境保護の面からパルプの使用量削減が求められ、その結果、紙の軽量化と古紙パルプの増配合が求められている。しかしながら、単に紙中のパルプ量を削減して得られる紙は、紙が薄くなることによる不透明度低下が起こり品質の劣るものとなる。また、紙中のパルプ量を低減させる軽量化では、紙の強度の低下や、板紙のように剛度を要求される紙では、剛度が低下し望ましくない。一方、古紙パルプの配合比率を高めると、古紙パルプ中の残インキ等による白色度の低下や、リサイクル過程でパルプ繊維が細くなること等により紙厚が低下し不透明度低下が起こる。従って、紙中のパルプ量を削減するとともに、古紙パルプの配合比率を高くすると、得られる紙の厚さの低下、強度や剛度の低下、不透明度及び白色度が一段と低下する。
軽量化による厚さの低下を防止することを目的として、従来から種々の嵩向上方法が試みられてきた。例えば、プレス圧を低くする製造方法は、平滑性が低下し印刷適性が劣るという問題がある。また、架橋パルプを用いる、合成繊維と混抄する、パルプ繊維間に無機物等の充填物を満たす、空隙をもたらす(特許文献1)等の方法も挙げることができるが、パルプのリサイクルが不可能であったり、紙の平滑度が損なわれたりする。また、紙用嵩高剤としては、特定のアルコール及び/又はそのポリオキシアルキレン付加物(特許文献2)が知られている。更に嵩高剤として市販されている脂肪酸ポリアミドポリアミン型においては、嵩は向上するものの、紙の強度や剛度が低下し、紙性能としては十分でない。一方、不透明度、白色度を向上させるために、炭酸カルシウム、カオリン、ホワイトカーボン等の無機填量を多量(例えば5〜20重量%)添加する方法が当業界で実施されている。しかしながら、単に無機填量を多量に添加すると紙の重量増加が著しく、紙の軽量化は達成できない。
さらに、特許文献3には、紙の内添剤としてメルカプト基を有するカチオン性のポリビニルアルコールを分散剤としたエチレン性不飽和単量体あるいはジエン系単量体の重合体微粒子からなる紙用の内添剤が開示されており、特許文献4では、デンプンを糊化することなくデンプン粒子の形態を保持しつつ、(メタ)アクリルアミドを含むモノマーをグラフト共重合して得られるグラフト化デンプンを主成分とする製紙用添加剤が開示されているが、これらは剛度に関しては或る程度の改善はされるものの、嵩の向上はほとんど見られない。
特開平5−230798号公報 国際公開第98/3730号パンフレット 特開平8−199079号公報 特開平11−302992号公報
本発明の課題は、パルプシートの強度や剛度の低下が少ない、またはパルプシートの強度や剛度を向上させながら、パルプシートの嵩を向上させる内添用紙質向上剤を提供することにある。
本発明は、一般式(a)で表される単量体(以下単量体(a)という)由来の構成単位と、一般式(b)で表される単量体(以下単量体(b)という)由来の構成単位を含む共重合体を含有する内添用紙質向上剤、及びこの内添用紙質向上剤を、パルプに添加してなるパルプシートを提供する。
Figure 2005299011
(式中、R1は水素原子又はメチル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは平均値で2〜300の数、Xは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を示し、n個のAOは同一でも異なっていても良い。)
Figure 2005299011
(式中、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は−(CH2m−COOMで表される基、mは0〜2の数、Mは水素原子又は陽イオンを示し、−COOM基が2つ以上存在する場合、同一でも異なっていても良く、また、無水物を形成していても良い。)
本発明の内添用紙質向上剤は、抄紙時にパルプスラリー中に添加することで、パルプシートの強度や剛度の低下を抑えながら、またはパルプシートの強度や剛度を向上させながら、パルプシートの嵩を向上させることができる。本発明のパルプシートの嵩が向上する原理については、本発明に係わる共重合体により、パルプの分散又は部分的な凝集状態が制御されることにより嵩高いパルプシートが得られるものと考えられる。通常、嵩高いパルプシートが得られた場合、パルプ間に空隙が多くなり、紙の強度は大きく低下するが、本発明に係わる共重合体の場合、繊維間に結合した共重合体が、パルプとの接着力を適度に向上させ、この結果、嵩が向上するにもかかわらず強度や剛度の低下が少ない、又は、嵩が向上するにもかかわらず強度や剛度も向上する、内添用紙質向上剤を提供することができる。
[共重合体]
本発明に係わる共重合体は、必須構成単位として、単量体(a)由来の構成単位と、単量体(b)由来の構成単位を含む。
単量体(a)において、R1は水素原子又はメチル基を示すが、水素原子が好ましい。AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示すが、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基が好ましく、オキシエチレン基、オキシプロピレン基が更に好ましい。nはオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す2〜300の数であるが、3〜200が好ましい。nは小さくなるとパルプスラリーの分散性が低減される傾向にあり、大きくなるとこれらは増加する傾向にある。従って、目的とする性能に合わせてnを選べばよい。 パルプシートの嵩性能を重視し、紙力や剛度を維持する場合は、nは5〜50が更に好ましい。Xで示される水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、第三ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基が更に好ましい。
単量体(a)としては、例えば、メトキシポリアルキレングリコールアリルエーテル、エトキシポリアルキレングリコールアリルエーテル等の片末端アルキル封鎖ポリアルキレングリコールアリルエーテル等が挙げられる。
単量体(b)において、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は−(CH2m−COOMで表される基を示すが、これら全てが水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である不飽和モノカルボン酸又はその塩、R2、R3及びR4のうちいずれか1つが−(CH2m−COOMで表される基で、残りが水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である不飽和ジカルボン酸、その塩又はその無水物が好ましく、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等の不飽和モノカルボン酸又その塩、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和ジカルボン酸、その塩又はその無水物が更に好ましく、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸塩が特に好ましい。
塩を構成する陽イオンとしては、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン、モノ、ジ、トリアルキル(アルキル基の炭素数2〜8)アンモニウムイオン、置換アルキル(アルキル基の炭素数2〜8)アンモニウムイオン等が挙げられる。
本発明の共重合体は、単量体(a)及び単量体(b)を含む単量体成分を共重合させることにより得られる。本発明の共重合体を構成する単量体(a)と単量体(b)のモル比は、目的とする嵩性能等の紙質を向上させる観点から、(a)/(b)=10/90〜95/5の範囲が好ましく、20/80〜90/10の範囲が更に好ましい。また、本発明の共重合体には、単量体(a)及び(b)以外に、更に、アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸アルキル(アルキル基は水酸基を有していてもよい炭素数1〜12のもの)エステル、スチレン等の共重合可能な単量体を共重合させてもよい。これら単量体(a)及び(b)以外の単量体の配合量は、全単量体中30重量%以下が好ましい。
本発明の共重合体は、公知の方法、例えば特開平2−163108号公報、特開平5−345647号公報、特開2002−3259号公報等に記載の方法に準じて製造することができる。
本発明の共重合体を製造する際の重合反応は溶媒の存在下で行ってもよい。溶媒としては、水;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコール類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類;n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;酢酸エチル等のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等を挙げることができる。これらの中でも、取り扱いの容易さや、単量体及び共重合体の溶解性の点から、水、低級アルコール類が好ましい。
重合開始剤としては、公知のものを使用でき特に限定されないが、例えば、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;過酸化水素;アゾビス−2−メチルプロピオンアミジン塩酸塩、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、クメンハイドロパーオキシド等のパーオキシドなどを挙げることができ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。また、促進剤として亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、ピロ重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウムスルホキシレート、アスコルビン酸等の還元剤;エチレンジアミン、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、グリシン等のアミン化合物などの1種又は2種以上を併用することもできる。重合開始剤の添加量は、単量体(a)及び単量体(b)の合計量に対して0.1〜10重量%が好ましい。
重合温度は、用いられる重合方法、溶媒、重合開始剤、連鎖移動剤等により適宜定められるが、通常0〜150℃の範囲内が好ましい。
上記の製造方法により得られる共重合体は、酸型のままでも本発明の紙質向上剤として用いることができるが、必要に応じてアルカリ性物質で中和して塩の形にすることもできる。このようなアルカリ性物質としては、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物;アンモニア;モノ、ジ、トリアルキル(炭素数2〜8)アミン、モノ、ジ、トリアルカノール(炭素数2〜8)アミン等の有機アミン等を挙げることができる。
本発明の共重合体の重量平均分子量〔ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法、ポリエチレングリコール換算、カラム:G4000PWXL + G2500PWXL(東ソー(株)製)、溶離液:0.2Mリン酸緩衝液/アセトニトリル=7/3(体積比)、以下同様〕は、紙質向上剤として充分な性能を得るため、3,000〜100,000が好ましく、5,000〜80,000が更に好ましい。
[内添用紙質向上剤]
本発明の内添用紙質向上剤は、上記のような本発明に係わる共重合体を含有し、更に例えば、公知の界面活性剤、着色剤、添加剤等を、本発明における所望の効果の発現が阻害されない範囲で含有することができる。本発明の内添用紙質向上剤は、前記界面活性剤、着色剤、添加剤等の成分をあらかじめ混合して調製物とすることもでき、あるいは共重合体を製造する際に混合して調製物とすることもできる。
また、本発明の内添用紙質向上剤には、本発明に係わる共重合体に加え、本発明における所望の効果の発現が阻害されない範囲内で、適宜さらに他のポリマーを含有させることもできる。
本発明の内添用紙質向上剤中の、本発明に係わる共重合体の含有量は固形分換算で、1〜100重量%が好ましく、10〜100重量%が更に好ましい。固形分濃度は赤外水分計(Kett 社製、Infrared Moisture Determination Balance, FD-240)にて、150℃、20分間の加熱条件で測定した。
[パルプシート]
本発明におけるパルプシートの製造法としては、公知の方法が用いられる。本発明の紙質向上剤を用いることにより、紙質向上剤を内添したパルプシートが得られる。本発明の内添用紙質向上剤の添加量は固形分換算で、パルプ100重量部に対し、紙質向上効果の観点から0.05重量部以上が好ましく、パルプシート本来の性能を維持する観点から20重量部以下が好ましい。より好ましくは0.1〜10重量部である。このような少量添加でも、パルプシートの嵩を向上させるとともに、嵩が向上するにもかかわらず強度や剛度の低下が少ない、又は嵩が向上するにもかかわらず強度や剛度が向上するパルプシートを得ることができる。
本発明の内添用紙質向上剤は、抄紙工程以前の何れかにおいてパルプに添加される(内添)。その添加場所としては、パルプ原料の稀薄液が金網上を進む間に濾水されて紙層を形成する抄紙工程以前で、パルパーやリファイナー等の離解機や叩解機、マシンチェストやヘッドボックスや白水タンク等のタンク、あるいはこれらの設備と接続された配管中に添加してもよいが、リファイナー、マシンチェスト、ヘッドボックスで添加する等、均一にパルプ原料にブレンドできる場所が望ましい。
本発明におけるパルプシートの製造時において、一般の抄紙時に用いられる、サイズ剤、填料、歩留まり向上剤、濾水性向上剤、紙力向上剤等を添加してもよい。特に、本発明の紙質向上剤がその機能を発現するためには、パルプに定着することが重要であり、そのために定着を促進する剤を用いることができる。かかる剤の例としては、硫酸アルミニウム、カチオン化澱粉、アクリルアミド基を有する化合物、ポリエチレンイミン等が挙げられる。定着を促進する剤の添加量は、パルプ100重量部に対し0.001〜5重量部が好ましい。
本発明の内添用紙質向上剤を用いて得られたパルプシートは、無添加シートに比べ、嵩up率が2%以上、紙力維持率が85%以上、剛度維持率が85%以上であることが好ましい。
本発明の内添用紙質向上剤を用いて得られるパルプシートは、紙パルプ技術便覧(紙パルプ技術協会発行、455〜460頁、1992年)に記載された品目分類の中の、新聞用紙、非塗工印刷用紙、微塗工印刷用紙、塗工印刷用紙、情報用紙、段ボール用紙、白板紙、包装用紙等の紙又は板紙に好適に用いられる。
以下の製造例、実施例において、%及び部は、特に記載しなければ、重量%、重量部を表す。
製造例1
温度計、攪拌機を備えた加圧反応器にメタノール32部と、触媒としてナトリウムメチラート1.1部を仕込み、攪拌下に反応器内を窒素置換し、窒素雰囲気下で140℃まで昇温した。エチレンオキサイド1540部を0.5〜5kg/cm2(ゲージ圧)で徐々に圧入して、付加反応を行った。反応終了後室温に冷却し、水酸化ナトリウム75gを加え、窒素雰囲気下で110℃に加熱して約20mmHgの減圧下で脱水を行った。次に窒素ガスで1kg/cm2に加圧した後、攪拌下でアリルクロリド98部を徐々に加えた。反応開始4時間後、反応混合物のアルカリ度が減少してほぼ一定の値になったところで反応を止め、塩酸で中和後、副生した塩を濾別してメトキシポリエチレングリコールアリルエーテル(1)を得た。AO付加モル数:35、不飽和度:0.62ミリ当量/g、水酸基価:0.11(KOHmg/g)。
製造例2
温度計、冷却管、攪拌機を備えたガラス製反応器に、製造例1で得られたメトキシポリエチレングリコールアリルエーテル(1)387部と無水マレイン酸5.9部、重合開始剤としてベンゾイルパーオキシド(日本油脂(株)製)3.9部、トルエン400部を仕込み、窒素雰囲気下で80℃に昇温し、4時間反応を行った。ついで110℃、減圧下にてトルエンを留去して355部の透明な粘調液体である共重合体(1)を得た。共重合体(1)の重量平均分子量は11,000であった。イオン交換水355部に共重合体(1)355部を徐々に添加し、固形分50%の共重合体(1)水溶液を得た。
製造例3
イオン交換水855部にトリエタノールアミン(以下TEAと略記)11.3部を添加した水溶液に、共重合体(1)355部を徐々に添加し、固形分30%の共重合体(1)TEA塩の水溶液を得た。
実施例1〜4及び比較例1〜7
<パルプ原料>
パルプ原料として、LBKP(広葉樹晒パルプ)を、25℃で叩解機にて離解、叩解して1%のLBKPスラリーとしたヴァージンパルプを用いた。このもののカナダ標準濾水度(JIS P 8121)は450mlであった。
<抄紙方法>
ヴァージンパルプスラリーを抄紙後のパルプシートのパルプ坪量が70g/m2±1g/m2になるように量り取り、硫酸アルミニウムでpH4.5に調整した(実施例3及び比較例1〜7は硫酸アルミニウム無添加)。次いで表1及び表2に示すように、本発明の内添用紙質向上剤(共重合体(1)及び共重合体(1)TEA塩)あるいは比較の添加剤をパルプ100部当たり固形分で0.5〜1部内添し、必要に応じ定着剤(cato308)を、表1に示す量内添し、角型タッピ抄紙機にて80メッシュワイヤー(面積625cm2)で抄紙し、湿潤シートを得た。湿潤シートの上に坪量320g/m2のろ紙(270mm角)2枚を重ね、更にその上にコーチングプレートを重ねコーチングした後、湿潤シートを取り出した。次いで湿潤シートを前記ろ紙2枚で上下に挟み、55g/cm2で5分間プレスした。プレス後、鏡面ドライヤーを用い105℃で2分間乾燥した。乾燥されたパルプシートを23℃、湿度50%の条件で1日間調湿してから、紙の嵩up率、紙力、剛度を以下の方法で測定した。抄紙は各5枚、測定値は10回/紙1枚の平均値である。結果を表1及び表2に示す。
<嵩up率>
JIS P8118により緊度を求め、下式にて嵩up率を算出する。緊度は小さいほど嵩が高く、また緊度の0.02の差は有意差として十分に認識されるものである。嵩up率は大きいほど嵩が高く、また嵩up率2%の差は有意差として十分に認識されるものである。
嵩up率(%)=[(1/剤を内添した紙の緊度−1/剤無添加紙の緊度)/(1/剤無添加紙の緊度)]×100
<紙力維持率>
破裂強度(JIS P8112法)を求め、下式にて算出する。紙力維持率は大きいほど紙力が高く、また紙力維持率5%の差は有意差として十分に認識されるものである。
紙力維持率(%)=(剤を内添した紙の破裂強度/剤無添加紙の破裂強度)×100
<剛度維持率>
クラークこわさ(JIS P8143法による)を求め、下式にて算出する。剛度維持率は大きいほど剛度が高く、また剛度維持率5%の差は有意差として十分に認識されるものである。
剛度維持率(%)=(剤を内添した紙のクラークこわさ/剤無添加紙のクラークこわさ)×100
Figure 2005299011
Figure 2005299011
*1:パルプ100部当たりの固形分量
*2:添加剤
・cato308:カチオン化澱粉、日澱化学(株)製
・AKD:アルキルケテンダイマー、サイリーンS−94、花王(株)製
・ポリアクリルアミド:ポリストロン356、荒川化学(株)製
・PVA(GL−05):ポリビニルアルコール、部分ケン化、重合度500、日本合成化学(株)製
・CMC(FT−3):カルボキシメチルセルロース、日本製紙ケミカル(株)製
・ラウリルアルコールエチレンオキサイド6モル付加物:エマルゲン106、花王(株)製
表1及び表2の結果から、本発明の共重合体を含む内添用紙質向上剤を、抄紙時にパルプスラリー中に内添することにより、嵩が向上するにもかかわらず強度や剛度の低下が少ない、又は嵩が向上するにもかかわらず強度や剛度も向上するパルプシートが得られることが判明した。

Claims (5)

  1. 一般式(a)で表される単量体(以下単量体(a)という)由来の構成単位と、一般式(b)で表される単量体(以下単量体(b)という)由来の構成単位を含む共重合体を含有する内添用紙質向上剤。
    Figure 2005299011
    (式中、R1は水素原子又はメチル基、AOは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、nは平均値で2〜300の数、Xは水素原子又は炭素数1〜18のアルキル基を示し、n個のAOは同一でも異なっていても良い。)
    Figure 2005299011
    (式中、R2、R3及びR4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は−(CH2m−COOMで表される基、mは0〜2の数、Mは水素原子又は陽イオンを示し、−COOM基が2つ以上存在する場合、同一でも異なっていても良く、また、無水物を形成していても良い。)
  2. 単量体(b)が、マレイン酸、無水マレイン酸又はマレイン酸塩である、請求項1記載の内添用紙質向上剤。
  3. 共重合体を構成する単量体(a)と単量体(b)のモル比(a)/(b)が、10/90〜95/5の範囲である、請求項1又は2記載の内添用紙質向上剤。
  4. パルプに、請求項1〜3いずれかに記載の内添用紙質向上剤を添加してなるパルプシート。
  5. 内添用紙質向上剤の添加量が、パルプ100重量部に対し、固形分換算で0.05〜20重量部である、請求項4記載のパルプシート。
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