JP2005298611A - インクジェット用インクセット - Google Patents

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Abstract

【課題】 プリンターがある期間使用されないで放置されたとき等、水分蒸発によってノズル先端で生じる色材の固着による目詰まりを防止したインクジェット用のインクセットを提供すること。
【解決手段】 インクジェットヘッドのワイピング機構を有するインクジェット記録装置に使用される、複数のインクを独立に有してなるインクジェット用のインクセットであって、インクA及びインクBを少なくとも含むことを特徴とするインクセット。
【選択図】 なし

Description

本発明は、複数のインクを独立して有してなるインクジェット用のインクセットに関する。
従来から、プリンターがある期間使用されないで放置されたとき等、水分蒸発によってノズル先端で生じる色材の固着による目詰まりが発生するという問題がある。そこで、従来のインクジェット記録方式に用いられるインクは、水を主成分とし、これに、ノズル内でのインクの乾燥防止、及びノズルの目詰まりによる固着防止等を目的として、グリコール等の水溶性高沸点溶剤を含有しているものが一般的である。
又、インク中にジカルボン酸のアルカリ塩を添加することで、ノズルの目詰まりによる固着防止を図ることが提案されている(特許文献1、特許文献2)。しかし、この方法では、ジカルボン酸を塩にするためのアルカリ成分の違いによって、良好な目詰り防止効果が得られにくいという問題がある。更に、インク中に不飽和ジカルボン酸の有機アミン塩とアルカノールアミンとを併有させることを特徴とするインクも提案されている(特許文献3)。しかし、この方法では、使用する色材の種類等によっては、効果が不十分となる場合がある。
又、これら固着性が改良されたインクのみを用いてインクセットを構成した場合、確かにこれらのインクについては固着性が改善されているものの、インクジェット用インクとして要求される他の性能具備のため、特に色材との相性によって、これらの技術を導入できないインクを含むインクセットとする場合、これらの技術を導入できないインクが固着してしまい、インクセットとしては、固着性能が不十分となるということもあった。
特開昭58−183768号公報 特開平1−129081号公報 特開平5−125307号公報
従って、本発明の目的は、プリンターがある期間使用されないで放置されたとき等、水分蒸発によってノズル先端で生じる色材の固着による目詰まりを防止したインクジェット用のインクセットを提供することである。
上記目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、インクジェットヘッドのワイピング機構を有するインクジェット記録装置に使用される、複数のインクを独立に有してなるインクジェット用のインクセットであって、下記のインクA及びインクBを少なくとも含むことを特徴とするインクセットを提供する。
(1)染料Aと、該染料Aの良溶媒と、該染料Aの貧溶媒とを少なくとも含み、該染料Aの良溶媒を合計5〜20質量%含有し、該染料Aの貧溶媒を合計6質量%以上含有することを特徴とするインクA。
(2)染料Bと、該染料Aと該染料Bのどちらにも良溶媒である良溶媒とを少なくとも含み、該良溶媒を合計15質量%以上含有し、該染料A及び該染料Bの貧溶媒を含有していたとしても、該貧溶媒の含有量が合計5質量%未満であることを特徴とするインクB。
上記本発明のインクセットにおいては、上記貧溶媒の主溶媒が、HOCH2(CH2nCH2OH(n=1から6)で表される水溶性有機溶剤であること;上記HOCH2(CH2nCH2OH(n=1から6)で表される水溶性有機溶剤が、1,5−ペンタンジオールであること;インクBが更に尿素を含有することが好ましい。
更に上記本発明のインクセットにおいては、染料Aが下記構造Iで表される染料を含有することが好ましい。
Figure 2005298611
(式中、R1及びR2は各々独立に置換若しくは未置換のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、又は水素の何れかを表す。R3及びR5はそれぞれ独立に、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、又はそれらの塩の基、又はこれらの基で置換されたアルキル基を表す。R4及びR6はそれぞれ独立に、R3及びR5に対して定義した以外の基を表す。p及びrは、それぞれ独立に1乃至5の整数を表し、q及びsは、それぞれ独立に0乃至4の整数を表す。又、p+qが5以下の値を有し、r+sが5以下の値を有す。)
更に上記本発明のインクセットにおいては、染料Aが下記構造IIで表される染料を含有することが好ましい。
Figure 2005298611
(上記式中、Mはアルカリ金属(例えばLi、Na、K、Rb、Cs、Fr等)又はアンモニウムである。又、R7はOH、COOM、R8COOM(R8はC4〜C9のアルキル基)を表し、x、y、zはそれぞれ独立に0、1、2、3又は4である。)
本発明によれば、上記要件を満たしていれば、添加剤等との相性が敏感な色材等であっても、インクA又はインクBの何れかとして使用できるという広い自由度があり、インクジェット用のインクセットとして効果的に固着を防止できるインクセットを提供できる。
又、本発明のインクセットは、染料等、インク構成材料の使用の選択幅が広く、更に、従来のインク構成材料の使用の選択幅が狭いが、固着性は良好なインクのみから構成されるインクセットと同等の固着性を有することを可能にする。
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明を更に詳しく説明する。本発明のインクセットは、インクジェットヘッドのワイピング機構を有するインクジェット記録装置に使用される、複数のインクを独立に有してなるインクジェット用のインクセットであって、下記のインクA及びインクBを少なくとも含むことを特徴としている。
(1)染料Aと、該染料Aの良溶媒と、該染料Aの貧溶媒とを少なくとも含み、該染料Aの良溶媒を合計5〜20質量%含有し、該染料Aの貧溶媒を合計6質量%以上含有することを特徴とするインクA。
(2)染料Bと、該染料Aと該染料Bのどちらにも良溶媒である良溶媒とを少なくとも含み、該良溶媒を合計15質量%以上含有し、該染料A及び該染料Bの貧溶媒を含有していたとしても、該貧溶媒の含有量が合計5質量%未満であることを特徴とするインクB。
以下、本発明を構成する材料等について夫々説明する。
ここで、上記貧溶媒及び良溶媒の定義であるが、本発明においては、25℃環境下で粉状の染料を24時間、密閉状態で攪拌させた場合に染料が5質量%未満しか溶解しない溶媒を貧溶媒と定義し、5質量%以上溶解する溶媒を良溶媒と定義する。染料がどれくらい溶解しているかについては、例えば、水に染料を1質量%、5質量%、10質量%と溶解させた染料水溶液でその染料の吸光度を測ることにより検量線を作り、そこから例えば染料を10質量%含有させ上記要件で溶解させた溶液を濾過したものの吸光度を測定することにより、吸光度の比率から簡単に求めることができる。
一般的に貧溶媒を多く含有するインクは、色材が析出しやすく固着性は悪くなる。このため、貧溶媒を多く含むインクAは、インクBと比較した場合に固着性が悪い傾向にある。ただし、例えば、間欠吐出の安定性向上のため、特定の貧溶媒を含有させるという技術がある。染料等の種類によっては、間欠吐出の安定性向上のため、このような技術を採用せざるを得ない場合がある。そこで、本発明は、このような固着性が悪い傾向にあるインクAであっても、インクジェットヘッドのワイピング機構を有するインクジェット記録装置に使用される、複数のインクを独立に有してなるインクジェット用のインクセットとして、インクBと組み合わせて使用することにより、固着性が悪い傾向にあるインクAの固着性をも向上させ、インクセットとしての固着性を向上させることを目的とする。
本発明者らが鋭意検討した結果、単に固着性が悪いインクを固着性が良いインクと組み合わせることだけでは、固着性が悪いインクの固着性は改善せず、本発明のインクA及びインクBの関係を有するインクを組み合わせることによるインクセットであれば、固着性が悪い傾向にあるインクAの固着性をも向上させ、インクセットとしての固着性を向上させることができるということが確認できた。
本発明のインクセットで使用されるインクAは、染料Aと、該染料Aの良溶媒と、該染料Aの貧溶媒とを少なくとも含み、該染料Aの良溶媒を合計5〜20質量%含有し、該染料Aの貧溶媒を合計6質量%以上含有することを特徴とする。ここで、染料A、該染料Aの良溶媒、及び該染料Aの貧溶媒は、夫々単独で用いることも複数用いることも可能である。又、染料A、該染料Aの良溶媒、及び該染料Aの貧溶媒は、全て特に限定されるものではなく、どのような染料も当該染料Aとして用いることが可能であり、当該染料に対して良溶媒となる溶剤であれば、どのような溶剤であっても該染料Aの良溶媒として用いることが可能であり、又、当該染料と貧溶媒となる溶剤であれば、どのような溶剤であっても該染料Aの貧溶媒として用いることが可能である。
ここで、染料Aの好ましい含有量は、質量基準で0.1〜10%である。又、当該良溶媒は、質量基準で5〜20%の範囲内であれば、本発明の効果が得られるが、より好ましい含有量は、質量基準で5〜15%である。当該良溶媒が質量基準で20%以下としているのは、これより多い場合は、例えば、上記の間欠吐出の安定性等の固着性以外のインクジェット特性を劣化させる場合があるためである。更に、当該貧溶媒は、6質量%以上含有すれば、本発明の効果が得られるが、より好ましい含有量は、質量基準で6〜20%である。当該貧溶媒の含有量が6質量%未満では、間欠吐出性の安定性の効果が充分に得られず、20質量%を超えた場合は、本発明の固着防止効果及び間欠吐出性の安定性の効果が充分に得られにくくなるためである。
本発明のインクセットで使用されるインクBは、染料Bと、該染料Aと該染料Bのどちらにも良溶媒である良溶媒とを少なくとも含み、該良溶媒を合計15質量%以上含有し、該染料A及びBの貧溶媒を含有していたとしても、該貧溶媒の含有量は合計5質量%未満であることを特徴とする。ここで、染料B、該染料Aと該染料Bのどちらにも良溶媒である良溶媒、及び該染料A及びBの貧溶媒は、夫々単独で用いることも複数用いることも可能である。又、染料B、及び該染料Aと該染料Bのどちらにも良溶媒である良溶媒は、どちらも特に限定されるものではなく、どのような染料も当該染料Bとして用いることが可能であり、上記染料Aと当該染料Bのどちらに対しても良溶媒となる溶剤であれば、どのような溶剤であっても当該良溶媒として用いることが可能である。又、同様に、該染料A及びBの貧溶媒についても限定されるものではない。
ここで、染料Bの好ましい含有量は、質量基準で0.1〜10%である。又、インクBの良溶媒は、質量基準で15%以上含有すれば、本発明の効果が得られるが、より好ましい含有量は、質量基準で15〜50%である。当該良溶媒が質量基準で15%未満であると本発明の固着防止効果が得られず、50%を超えると本発明の固着防止効果が得られにくくなるためである。又、その理由については不明であるが、上記インクA及びBに使用される貧溶媒の主溶媒がHOCH2(CH2)nCH2OH(n=1から6)で表される水溶性有機溶剤、特に、1,5−ペンタンジオールである場合、本発明は特に効果的である。更に、その理由についても不明であるが、インクBに更に尿素を含有する場合、本発明は特に効果的である。
更に、その理由については不明であるが、染料Aが下記構造Iで表される染料を含有する場合、本発明は特に効果的である。
Figure 2005298611
(式中、R1及びR2は各々独立に置換若しくは未置換のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、又は水素の何れかを表す。R3及びR5はそれぞれ独立に、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、又はそれらの塩の基、又はこれらの基で置換されたアルキル基を表す。R4及びR6はそれぞれ独立に、R3及びR5に対して定義した以外の基を表す。p及びrは、それぞれ独立に1乃至5の整数を表し、q及びsは、それぞれ独立に0乃至4の整数を表す。又、p+qが5以下の値を有し、r+sが5以下の値を有す。)
ここで、上記染料の好ましい例として、下記表1に記載の染料が挙げられるが、当然、本発明は、以下の例示の染料に限られるわけではない。
Figure 2005298611
更に、その理由については不明であるが、染料Aが下記構造IIで表される染料を含有する場合も、本発明は特に効果的であり、構造I及び構造IIで表される染料両方を含有する場合は、更に効果的である。
Figure 2005298611
(上記式中、Mはアルカリ金属(例えばLi、Na、K、Rb、Cs、Fr等)又はアンモニウムである。又、R7はOH、COOM、R8COOM(R8はC4〜C9のアルキル基)を表し、x、y、zはそれぞれ独立に0、1、2、3又は4である。)
本発明のインクA及びBは、前記の染料A及び/又は染料Bと良溶媒と貧溶媒とを水性媒体に混合及び溶解して調製する。該水性媒体は水単独又は水と前記の良溶媒及び/又は貧溶媒以外の水溶性有機溶剤との混合物であり得る。本発明のインクに含有される水の含有量は、インク全質量に対して、好ましくは50〜95質量%の範囲である。更に、本発明のインクは、所望の物性値を有するインクとするために、上記した成分の他に必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐剤、防カビ剤等を添加することができる。
前記良溶媒又は貧溶媒以外の前記水溶性有機溶剤としては、具体的には、例えば、尿素、エチレン尿素等の尿素誘導体、トリメチロールプロパン等が挙げられる。上記のごとき水溶性有機溶剤は、単独でも或いは混合物としても使用することができる。
又、本発明のインクセットは、インクジェットヘッドのワイピング機構を有するインクジェット記録装置に使用されることを特徴とする。
本発明は、インクA及びインクBをワイピング動作、印字によるミスト等によりワイパー上で混色させ、当該インク混合物をワイピング動作でインクA及びインクBのノズル部に接触させることにより、固着回復させるという思想を元に完成させたものである。このため、インクA及びインクBは、同一ワイパーによってワイピングされることが好ましく、インクAとインクBのノズル列が隣接している場合が更に好ましい。
以下にワイピング機構を有するインクジェット記録装置の例を挙げるが、本発明は、当該ワイピング機構を有するインクジェット記録装置に限定されるものではない。尚、本例においては、ワイピング方向は、キャリッジ移動方向と垂直方向となっているが、ワイピング方向がキャリッジ移動方向と平行方向である場合も本発明に含まれる。
図1は本発明のインクを用いるインクジェット記録装置の一実施例の概略構成を示す模式的斜視図であり、図2は図1中の記録手段の吐出口面に形成された複数の吐出口列の配置を矢印A方向から見て示す模式的底面図であり、図3は図2の吐出口面を複数のワイパー(ブレード)でワイピングする状態を示す模式的底面図である。
インクジェット画像形成装置としてのインクジェット記録装置の全体構成を示す図1において、不図示のオートシートフィーダ(自動給紙装置)から1枚ずつ分離されて記録装置内に供給された記録用紙等の記録媒体3は、不図示の搬送モータ(紙送りモータ)により回転駆動される搬送ローラ(紙送りローラ)1と該搬送ローラに圧接されて従動回転するピンチローラ2との間に挟持され、該搬送ローラ1の回転を制御することにより、記録部に対向する位置に配設されたプラテン4の表面に案内されて紙送り(副走査)される。
記録手段としての記録ヘッド7を搭載したキャリッジ5は、前記搬送ローラ1と平行に装置本体に設置されたガイドシャフト6によって往復移動可能に案内支持されている。前記キャリッジ5は、左右のプーリ(不図示)の間に張架されたタイミングベルト(不図示)に連結されており、不図示のキャリッジモータによって一方のプーリ(モータプーリ)を回転駆動することで前記タイミングベルトを駆動することにより、前記ガイドシャフト6に沿って案内されながら記録媒体(記録用紙)3の搬送方向と直交する主走査方向に移動する。このキャリッジ5(記録ヘッド7)の移動に同期して該記録ヘッドのインク吐出部を記録データに基づいて駆動することにより、選択された吐出口からインク滴を下方に吐出し、記録媒体としての記録用紙3に画像を形成(記録)していく。
前記キャリッジ5には記録手段としての記録ヘッド7が搭載されており、該記録ヘッド7にはインク貯留部としてのインクタンクが着脱可能に取り付けられている。前記記録ヘッド7には、異なる色のインクを貯留する複数のインクタンク、即ちインクタンク8、インクタンク9、インクタンク9a、インクタンク10、インクタンク10a、インクタンク11の6個のインクタンクが装着されている。そして、前記記録ヘッド7の吐出口面(図示の底面)12には、図2及び図3に示すように、前記各インク色に対応する吐出口列(吐出口群)、即ちインクの吐出口列13、13a、13b、14、15、16が形成されており、それぞれの吐出口列に対して前記対応するインクタンクから対応する色のインクが供給される。
前記記録ヘッド7の移動経路に対応する記録領域(図示の例ではプラテン4の範囲に略対応している)の記録用紙搬送方向下流側には、前記搬送ローラ1と同期して回転駆動される排紙ローラ17が配設されており、記録された記録用紙3は前記排紙ローラ17と拍車18との間に挟持されて矢印B方向に排紙されていく。前記キャリッジ5の移動範囲内であって、前記記録領域(例えばプラテン4の範囲)を外れた所定の位置には回復系ユニット19が配設されている。この回復系ユニット19の位置は、通常、記録ヘッド7のメンテナンス位置(例えば回復処理を行う位置)及びホームポジション(非記録時又は待機時の位置)に一致させてある。
前記記録手段としてのインクジェットヘッド(記録ヘッド)7は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。又、前記記録ヘッド7は、前記電気熱変換体により印加される熱エネルギーによってインク内に膜沸騰を生じさせ、その時に生じる気泡の成長、収縮による圧力変化を利用して吐出口よりインクを吐出させ、記録(プリント)を行うものである。
図1において、前記回復系ユニット19には、図1中の矢印C方向(ワイピング方向)に駆動されるワイパーホルダ(ブレードホルダ)20が設けられるとともに、該ワイパーホルダ20上には記録ヘッド7の吐出口面12を拭き取り清掃するための複数のワイパー(ブレード)21が取り付けられている。そこで、記録動作等によって記録ヘッド7の吐出口面12にインクが付着した場合には、キャリッジ5が前記回復系ユニット19と対向する位置へ移動し、不図示の回復系モータによって前記ワイパーホルダ20上のワイパー(ワイパー群)21を矢印C方向(図3の矢印方向)に駆動することにより、記録ヘッド7の吐出口面12を拭き取り清掃(ワイピング)するように構成されている。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例により限定されるものではない。尚、文中、「部」及び「%」とあるのは特に断りのない限り質量換算である。
[実施例1]
表2に示した組成の各成分を充分に混合溶解した後、ポアサイズ0.2μmフィルター(富士フィルム製)で加圧濾過し、インク1〜6をそれぞれ調製し、インクセットを構成した。尚、インク4、5、6は、夫々インク1、2、3と同一インクである。ここでは、インク1、4が本発明におけるインクAに、インク2、3、5、6が本発明におけるインクBに該当する。
又、表3に当該インクに含有される溶剤が当該インクに使用される染料に対して貧溶媒となるか良溶媒となるか、及び貧溶媒と良溶媒の総量を示した。尚、ここで使用した4種の溶剤(グリセリン、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコール、2−プロパノール)が良溶媒となるか貧溶媒となるかについては、ここで使用した3種の染料(下記構造I−1の染料のリチウム塩とナトリウム塩の混合物(モル比 Li塩:Na塩=2:1)、C.I.ダイレクトブルー199、C.I.アシッドレッド289)において一致し、どれか一つの染料で良溶媒となる上記溶剤は、残りの2種の染料に対しても良溶媒となり、どれか一つの染料で貧溶媒となるものは、残りの2種の染料に対しても貧溶媒となった。このため、この表の貧溶媒と良溶媒についての判断は、今回使用の3染料全てに共通して該当する。
Figure 2005298611
Figure 2005298611
Figure 2005298611
[実施例2]
表4に示した組成の各成分を充分に混合溶解した後、ポアサイズ0.2μmフィルター(富士フィルム製)で加圧濾過し、インク7〜12をそれぞれ調製し、インクセットを構成した。尚、インク10、11、12は、夫々インク7、8、9と同一インクである。ここでは、インク7、10が本発明におけるインクAに、インク8、9、11、12が本発明におけるインクBに該当する。
又、表5に当該インクに含有される溶剤が当該インクに使用される染料に対して貧溶媒となるか良溶媒となるか、及び貧溶媒と良溶媒の総量を示した。
Figure 2005298611
Figure 2005298611
[比較例1]
表6に示した組成の各成分を充分に混合溶解した後、ポアサイズ0.2μmフィルター(富士フィルム製)で加圧濾過し、インク13〜18をそれぞれ調製し、インクセットを構成した。尚、インク13、15、17は上記インク1と、インク14、16、18は上記インク7と同一インクである。ここでは、インク13〜18まで全てのインクが本発明におけるインクAに該当する。
又、表7に当該インクに含有される溶剤が当該インクに使用される染料に対して貧溶媒となるか良溶媒となるか、及び貧溶媒と良溶媒の総量を示した。
Figure 2005298611
Figure 2005298611
<固着性評価>
上記実施例1、2及び比較例1のインクセットをBJF900(キヤノン製)用のインクセットとし、初期印字を行い印字が問題なくできることを確認した後、当該ヘッドをプリンターから取り出し、温度35℃、湿度10%の環境下で2週間放置した。その後、ヘッドを取り付け、何回の回復動作で固着が回復し、問題なく印字するかを以下の基準で評価を行い、表8の結果を得た。
尚、ヘッドへのインクの装着位置であるが、実施例1のインクセットは、インク1から6まで左側から順に装着し、実施例2のインクセットは、インク7から12まで左側から順に装着し、比較例1のインクセットは、インク13から18まで左側から順に装着させた。
○:インクセットを構成する全てのインクで、回復動作3回までに回復した。
×:インクセットを構成するインク中、回復動作3回までに回復しないものがあった。
Figure 2005298611
本発明によれば、プリンターがある期間使用されないで放置されたとき等、水分蒸発によってノズル先端で生じる色材の固着による目詰まりを防止したインクジェット用のインクセットを提供することができる。
本発明のインクを用いるインクジェット記録装置の一実施例の概略構成を示す模式的斜視図である。 図1中の記録手段の吐出口面に形成された複数の吐出口列の配置を矢印A方向から見て示す模式的底面図である。 図2の吐出口面を複数のワイパー(ブレード)でワイピングする状態を示す模式的底面図である。
符号の説明
1:搬送ローラ(紙送りローラ)
2:ピンチローラ
3:記録媒体(記録用紙)
4:プラテン
5:キャリッジ
6:ガイドシャフト
7:記録手段(記録ヘッド)
8:インクタンク
9:インクタンク
9a:インクタンク
10:インクタンク
10a:インクタンク
11:インクタンク
12:吐出口面
13:インクの吐出口列
13a:インクの吐出口列
13b:インクの吐出口列
14:インクの吐出口列
15:インクの吐出口列
16:インクの吐出口列
17:排紙ローラ
18:拍車
19:回復系ユニット
20:ワイパーホルダ
21:ワイパー

Claims (6)

  1. インクジェットヘッドのワイピング機構を有するインクジェット記録装置に使用される、複数のインクを独立に有してなるインクジェット用のインクセットであって、下記のインクA及びインクBを少なくとも含むことを特徴とするインクセット。
    (1)染料Aと、該染料Aの良溶媒と、該染料Aの貧溶媒とを少なくとも含み、該染料Aの良溶媒を合計5〜20質量%含有し、該染料Aの貧溶媒を合計6質量%以上含有することを特徴とするインクA。
    (2)染料Bと、該染料Aと該染料Bのどちらにも良溶媒である良溶媒とを少なくとも含み、該良溶媒を合計15質量%以上含有し、該染料A及び該染料Bの貧溶媒を含有していたとしても、該貧溶媒の含有量が合計5質量%未満であることを特徴とするインクB。
  2. 上記貧溶媒の主溶媒が、HOCH2(CH2)nCH2OH(n=1から6)で表される水溶性有機溶剤である請求項1に記載のインクセット。
  3. 上記HOCH2(CH2)nCH2OH(n=1から6)で表される水溶性有機溶剤が、1,5−ペンタンジオールである請求項2に記載のインクセット。
  4. インクBが更に尿素を含有する請求項1〜3の何れか1項に記載のインクセット。
  5. 染料Aが下記構造Iで表される染料を含有する請求項1〜4の何れか1項に記載のインクセット。
    Figure 2005298611
    (式中、R1及びR2は各々独立に置換若しくは未置換のアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、又は水素の何れかを表す。R3及びR5はそれぞれ独立に、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、又はそれらの塩の基、又はこれらの基で置換されたアルキル基を表す。R4及びR6はそれぞれ独立に、R3及びR5に対して定義した以外の基を表す。p及びrは、それぞれ独立に1乃至5の整数を表し、q及びsは、それぞれ独立に0乃至4の整数を表す。又、p+qが5以下の値を有し、r+sが5以下の値を有す。)
  6. 染料Aが下記構造IIで表される染料を含有する請求項1〜5の何れか1項に記載のインクセット。
    Figure 2005298611
    (上記式中、Mはアルカリ金属又はアンモニウムである。又、R7はOH、COOM、R8COOM(R8はC4〜C9のアルキル基)を表し、x、y、zはそれぞれ独立に0、1、2、3又は4である。)
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