JP2005297726A - 自動車用バンパ - Google Patents

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浩 菅沼
Kenichi Sato
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Abstract

【課題】 衝突した歩行者の脚部に対する曲げ角度を軽減すると共に、衝撃力とせん断変位とを同時に軽減することのできる自動車用バンパを提供する。
【解決手段】 車両200の前部に、車幅方向に亘り形成された自動車用バンパ100であって、車幅方向に延設され、バンパビーム2の前方に取り付けられた衝撃吸収部材3と、前記衝撃吸収部材3よりも下方において車幅方向に延設されると共に車両前後方向の断面形状が多角形に形成された下部補強部材4とを備え、車両前方から衝突による衝撃を受けた際、前記下部補強部材4がラッパ形状に変形すると共に、前記下部補強部材4の潰れ残り先端部が前記衝撃吸収部材3の潰れ残り先端部よりも車両前方に位置するように構成した。
【選択図】 図2

Description

本発明は、走行中の車両と歩行者の脚部とが衝突した際に、歩行者脚部への衝撃を緩和する自動車用バンパに関する。
フロントフード(ボンネット)を有する自動車が走行中に歩行者と衝突する場合、その多くは、最初に歩行者の脚部が車両のフロントバンパ部に接触する。そのため通常、前記歩行者の脚部には相当の衝撃が加わり、歩行者脚部への傷害は避けられない。
こうした課題に対して、走行中の車両が歩行者の脚部に衝突した際に、前記脚部に対する傷害を出来るだけ軽減する車体構造が提案されている。
例えば特許文献1(特開2001−10423号公報)には、衝突した歩行者を確実に車両のフロントフード上に持ち上げる車体構造が開示されている。
特許文献1に示される車両の前部車体構造を図12に示す。図12において、前方に延びるフロントフード51の前方下部にフロントバンパ59が形成されている。前記フロントバンパ59は、バンパフェース53と、その後部において車幅方向に延びるバンパレインフォースメント(バンパビーム)57とを備え、さらに前記バンパフェース53の下部には車幅方向に延びて、バンパフェース53と一体的に形成された延設部材63を備えている。
また、前記延設部材63の後方には、車体側構造部材60から前方に突出した受け部材62を備えている。前記受け部材62の前端と前記延設部材63の背面との間には所定の間隔Sが設けられ、前記延設部材63が受け部材62に当接する位置は、バンパレインフォースメント57より前部の位置に設定されている。
このように構成された車両の前部車体構造であるため、歩行者との衝突時には、先ずバンパフェース53の下部に一体的に設けられた延設部材63が間隔Sを変形移動して後退する。そして、この延設部材63はバンパレインフォースメント57より前側において受け部材62に当接して、この荷重が受け部材62にて受け止められる。
このため、車両と歩行者の衝突の際には、前記延設部材63で歩行者の膝よりも下部にて歩行者の足を払い、歩行者を確実にフロントフード51上に乗せて、(歩行者を車両下に巻き込む等の)二次障害を防止するようになされている。
特開2001−10423号公報(第3頁右欄第1行乃至第4頁右欄第9行、第1図乃至第3図)
ところで、自動車バンパ部との衝突による歩行者脚部にかかる負荷は、例えば傷害値として「下脚G」、「せん断変位」、「曲げ角度」の3つに分類され、数値化することができる。前記「下脚G」は膝から下の下脚部にかかる負荷であって、その傷害値は荷重または加速度で表され、また、前記「せん断変位」は上脚部および膝部と下脚部との間に働く負荷であって、その傷害値は、荷重または膝屈曲角度で表される。そして、前記「曲げ角度」は膝部にかかる負荷であって、その傷害値は荷重または膝屈曲角度で表される。
前記特許文献1に示される自動車の前部車体構造においては、前記延設部材63で歩行者の膝よりも下部にて歩行者の脚を払うため、歩行者をフロントフード上に素早く持ち上げることができる。このため歩行者の膝部にかかる負荷が少なくなり、すなわち前記傷害値における「曲げ角度」は小さくなる。
しかしながら前記車体構造において、フロントバンパ下部に位置する延設部材63には鉄等の金属製のパイプが用いられ、また受け部材62にも鉄板等の金属板が用いられている。このためフロントバンパ下部における機械的剛性が高く、下脚部に対する衝撃(荷重)が大きくなることは避けられない。
したがって、下脚部に対する「下脚G」および「せん断変位」が大きくなり、衝突した歩行者は、膝部の靱帯損傷、局所的な骨折等を受け易いという課題があった。
本発明は、前記したような事情の下になされたものであり、衝突した歩行者の脚部に対する曲げ角度を軽減すると共に、衝撃力とせん断変位とを同時に軽減することのできる自動車用バンパを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかる自動車用バンパは、車両の前部に、車幅方向に亘り形成された自動車用バンパであって、車幅方向に延設され、バンパビームの前方に取り付けられた衝撃吸収部材と、前記衝撃吸収部材よりも下方において車幅方向に延設されると共に車両前後方向の断面形状が多角形に形成された下部補強部材とを備え、車両前方から衝突による衝撃を受けた際、前記下部補強部材がラッパ形状に変形すると共に、前記下部補強部材の潰れ残り先端部が前記衝撃吸収部材の潰れ残り先端部よりも車両前方に位置するように構成されたことに特徴を有する。
下部補強部材の潰れ残り先端部が衝撃吸収部材の潰れ残り先端部よりも車両前方に位置するように構成することによって、歩行者の下脚部は前記下部補強部材の潰れ残り先端部によって払われる。これにより、歩行者を確実にフロントフード上に乗せることができ、傷害値における「曲げ角度」を低減することができる。
また、下部補強部材の断面形状が多角形に形成されているため、前記多角形の頂点を通る縁辺から折れて潰れやすく、潰れたときの断面形状を略ラッパ状にすることができ、歩行者の下脚部をより広い面積で受け止め、負荷を分散させることができる。すなわち、歩行者の下脚部に対する「下脚G」を軽減することができる。さらに、衝撃吸収部材と下部補強部材との双方により衝撃吸収が行われ、傷害値としての「せん断変位」が軽減される。
また、前記下部補強部材は、車両側構造物に面接触して取り付けられることが望ましい。
すなわち、前記下部補強部材を車両側構造物に面接触して取り付けることにより、下部補強部材の後部における強度が向上し、下部補強部材の前部のみをより潰れ易くすることができる。
なお、車両側構造物として、例えばラジエータパネルのロアフレーム等を用いれば、前記車両側構造物として別個に(下部補強部材用の)バンパビーム等を設ける必要がないため、コスト低減および車両軽量化を図ることができる。
また、前記下部補強部材は、車両前後方向の断面形状において、前記下部補強部材の前端部と後端部との間の上方部と下方部のそれぞれに、少なくとも一つの頂点が位置するように設置されることが好ましい。
例えば、前記断面形状を四角形や六角形とした場合、その対角線の1つが前記下部補強部材の前端部と後端部との間の上方部と下方部のそれぞれに、一つの頂点が位置するように配置すれば、前記対角線が折れ目の境となり衝突の際に下部補強部材の前部のみが潰れ易くなる。
また、前記下部補強部材は、車両後方を臨む面に、車両前後方向に並列に複数の溝部が形成されていてもよい。
このように車両前後方向に並列な溝部を形成することによって、前記下部補強部材の後部強度をより向上することができ、前部のみをより潰れ易くすることができる。
また、前記下部補強部材は、車両前後方向の断面形状における内角の設定により強度調整されることが望ましい。
すなわち、下部補強部材の強度は、バンパ全体の強度、形状に密接に関係するものであり、車体のレイアウト(車高等)毎に調整する必要がある。このため、前記内角の設定で強度調整を行なうことにより、車種(レイアウト)毎に最適な強度調整を行なうことができる。
また、前記下部補強部材は、中空体として形成されていることが好ましい。前記下部補強部材が潰れた際に、車両前後方向の断面形状はラッパ状になるが、前記下部補強部材が中空体であることにより、潰れた際の変形量をより大きくすることができる。すなわち、これによりラッパ状に変形した前面(略平面部分)の面積をより大きくすることができる。
さらには、前記下部補強部材が中空体であることにより、車体軽量化を図ることができる。
また、前記衝撃吸収部材を内包するメインバンパ部と、前記下部補強部材を内包し、空気整流部材として機能するエアダム部とを含むバンパフェースを備えることが望ましい。
このように構成することで、前記衝撃吸収部材と下部補強部材の劣化抑制および意匠面の向上の効果を得ることができる。
また、前記衝撃吸収部材を内包するメインバンパ部と、空気整流部材として機能するエアダム部とを含むバンパフェースを備え、前記エアダム部により前記下部補強部材を構成してもよい。
このように構成すれば、バンパフェースの他に別個に下部補強部材を設ける必要がないため、車両の軽量化が図れると共に製造コストを低減することができ、また組立工程をより簡略化することができる。
また、前記下部補強部材の断面形状は、六角形であることが好ましい。
このとき、前記下部補強部材の前端部と後端部との間の上方部と下方部のそれぞれに、頂点が位置するように前記下部補強部材を設置することにより、衝突の衝撃により潰れた前記下部補強部材の断面形状を、その前面積が大きいラッパ形状にすることができる。
本発明によれば、衝突した歩行者の脚部に対する曲げ角度を軽減すると共に、衝撃力とせん断変位とを同時に軽減することのできる自動車用バンパを提供することができる。
以下、この発明に係る第1の実施形態について、図1乃至図5に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態に係る自動車用バンパの概略構造を示す斜視透視図である。図2は、第1の実施形態に係る自動車用バンパの断面図である。図3は、図1の自動車用バンパが備える下部補強部材の斜視図である。図4は図1の自動車用バンパが前方からの衝突衝撃により潰れた状態の断面図である。また、図5は、図1の自動車用バンパに歩行者脚インパクタ(歩行者の脚模型)が衝突した状態を示した側面図である。
図1に示すように、フロントフード30を有する車両200の前方に装備された自動車用バンパ100は、その外装をなす樹脂製のバンパフェース1と、内部が中空状態に形成され、車幅方向に延設されたアルミ合金製のバンパビーム2とを備える。なお、前記バンパビーム2は、車体フレーム(図示しない)に固定して取り付けられている。
さらに、前記バンパビーム2の前部に取り付けられ、前記バンパフェース1との間に介装された衝撃吸収部材3を備え、この衝撃吸収部材3よりも下方には、車幅方向に延設された下部補強部材4を備えている。
図2の断側面図に示すように、前記バンパフェース1は、その上部が車体ステー7に対しビス8によって固定され、その下部は車体側構成部材の1つであるラジエータパネルのロアフレーム5に対しビス9によって固定されている。
そして、前記衝撃吸収部材3は、バンパフェース1に形成されたメインバンパ部1aに内包されると共に前記バンパビーム2の前方に取り付けられている。
この衝撃吸収部材3は、例えば発泡形成された樹脂により形成され、歩行者(上脚部)が衝突したときに容易に潰れることによって衝撃を吸収し、歩行者の上脚に加わる負荷を緩和するようにされている。
また、図2、図3に示すように、前記下部補強部材4には取付用プレート4aが一体形成されており、この取付用プレート4aには複数のビス穴4bが設けられている。これらビス穴4bに複数のビス10が嵌められ、ロアフレーム5に対し下部補強部材4が取り付けられている。このとき、下部補強部材4の後端部4iに形成された一面4dは、垂直な平面の状態となっている。そして、この一面4dはロアフレーム5の前方垂直面5aと面接触している。これにより、前記下部補強部材4は、バンパフェース部1に形成されたエアダム部1bに内包されると共に前記ロアフレーム5に固定される。
さらに、前記下部補強部材4は、例えばプラスチック樹脂により形成され、図2、図3に示すように内部が中空状態で、かつ、その断面形状が頂点4vを有する六角形(多角形)となるように形成されている。そして、この下部補強部材4は、その前記断面形状において、前端部4hと後端部4iとの間の上方部と下方部のそれぞれに、一つの頂点4vが位置するように取り付けられている。また、前記断面形状の各頂点4vを夫々形成する車幅方向の縁辺(稜線)4eは、曲線または折れ線の状態に形成されている。
この自動車用バンパ100に対し、その前方から衝撃が加わると、図4に示すようにバンパフェース1と共に、前記衝撃吸収部材3と前記下部補強部材4とが歩行者にかかる負荷を吸収しつつ潰れた状態となる。
このとき、図4に示すように、衝撃吸収部材3は略完全に潰れた状態となるが、下部補強部材4はその前方のみが潰れることにより、その断面形状がラッパ状となる。
すなわち図2に示すように、非衝突時において前記下部補強部材4は、少なくともその後端部4iに形成された一面4dがロアフレーム5の垂直前面5aに全面接触した状態で取り付けられ、これにより下部補強部材4の車両後方側における剛性がより強化されている。さらに、その断面形状が六角形となっており、その対角線の1つが垂直線となるようになされている。そのため、前記垂直線上に位置する上下2つの頂点を夫々通る車幅方向の縁辺が折れ線となり、衝突時においては、下部補強部材4の前部分が潰されても、後部分は潰れずに形状を維持し、前記断面形状がラッパ状となって衝撃を受け止める。
このように、前記衝撃吸収部材3と下部補強部材4とが共に衝突の衝撃により潰されたときに、衝撃吸収部材3は略完全に潰されるが、下部補強部材4は、その前部分のみが潰された状態となる。
そのため、図4に示すように潰れて変形した下部補強部材4の先端部の方が、潰れて変形した衝撃吸収部材3の先端部よりも車両前方に突出した状態となる。
このように自動車用バンパ100が構成されているため、歩行者脚インパクタ20との衝突後の瞬時においては、図5に示すように潰れたエアダム部1b(下側補強部材4)によって下脚20bが払われる状態となる。これにより上脚20aは車両200側に傾き、歩行者(脚インパクタ20)は確実にフロントフード30上に乗り上げるようになされている。
前記したように、自動車用バンパ100においては、歩行者に衝突した際に、歩行者をフロントフード30上に確実に乗り上げさせる構造であるため、歩行者の脚部に対する「曲げ角度」を軽減することができる。
また、前記衝撃吸収部材3と下部補強部材4とを夫々内包するメインバンパ部1aとエアダム部1bとは共に、エネルギー吸収性が高い構造であり、歩行者の脚部に対する負荷を軽減することができる。特に、下部補強部材4は、潰れた形状がラッパ状となるため、接触する歩行者の下脚部に対する接触面が大きくなる。このため、負荷がより分散され、傷害値における「下脚G」の軽減を期待することができる。さらに、衝撃吸収部材3と下部補強部材4との双方により衝撃吸収が行われ、傷害値としての「せん断変位」が軽減される。
なお、前記した下部補強部材4においては、図2の断面形状において示す角度θ1およびθ2を、その成形時に調整することによって、車両前方からの衝撃に対する強度を取付車両に合わせて変えることが可能である。
すなわち前記断面形状における内角を可変とすることによって、下部補強部材4の強度を調整することができ、車種(レイアウト)毎に最適な強度調整を行なうことができる。
したがって、フロントフードを有する車両においては、車種(レイアウト)によらず、衝撃吸収部材3の潰れ残り先端部よりも、下部補強部材4の潰れ残り先端部が車両前方に突出した状態になすことができる。
尚、角度の調整は、角度閘1および閘2の両方を調整せずとも、いずれか一方のみを調整するようにしてもよい。また、角度閘1、閘2ではなく、角度閘3または閘4を調整するようにしてもよい。
また、前記第1の実施の形態で示した下部補強部材4は、その車両前後方向の断面形状において、前記下部補強部材4の前端部4hと後端部4iとの間の上方部と下方部のそれぞれに、一つの頂点4vが位置するように、1つの対角線が垂直線となるように取り付けられている。このため、前記対角線上に位置する上下2つの頂点4vを夫々通る車幅方向の縁辺、すなわち、図6(a)、(b)に示すように上下に対向する縁辺4fを夫々凸状に形成してもよい(または、凹状に形成してもよい)。これにより、車両前方からの衝撃が加えられたときに、この縁辺4fに沿って折れ易くなり、下部補強部材4の前方のみが潰れるため、より確実にその断面形状をラッパ状にすることができる。
あるいはまた、図7(a)、(b)に示すように前記第1の実施形態で示した下部補強部材4が有する面のうち、車両後方側の面に並列に複数の溝部4gを形成してもよい。
このように複数の溝部4gを形成することによって、下部補強部材4の車両後方側の剛性がより強化され、車両前方から衝突による衝撃を受けた際に、車両前方側のみがより潰れ易くなる。この結果、より確実にその断面形状をラッパ状にすることができる。
以上説明した本発明にかかる第1の実施形態によれば、エアダム部、すなわちフロントバンパ下部に位置する下部補強部材4の潰れ残りの先端部が、衝撃吸収部材3の潰れ残りの先端部よりも車両前方に位置するよう構成される。
したがって、衝突した歩行者の下脚部をエアダム部によって払い、歩行者を確実にボンネット上に乗り上げさせることができる。これにより、歩行者の下脚部に対する傷害値のうち、「曲げ角度」を軽減することができる。
また、このとき、前記下部補強部材4の前部が潰れることによって歩行者の下脚部にかかる負荷を吸収し、さらに、その車両前後方向の断面形状を確実にラッパ状にすることによって、歩行者の下脚部を広い面積で受け止め、負荷を分散させることができる。その結果、歩行者の下脚部に対する「下脚G」を軽減することができる。
さらに、衝撃吸収部材3と下部補強部材4との双方により衝撃吸収が行われ、傷害値としての「せん断変位」が軽減される。
なお、前記第1の実施の形態においては、下部補強部材4は、取付用プレート4aによってロアフレーム5に取り付けられるが、前記下部補強部材4の取り付け方法についてはこれに限るものではない。例えば、図8に示すように、下部補強部材4の車両後方側の一面4dがロアフレーム5の車両前方側の垂直面5aと接触した状態で、下部補強部材4の一面とバンパフェース1とがビス11によって固定されるよう構成してもよい。
続いて、本発明にかかる第2の実施形態について、図9に基づき説明する。
図9(a)は、第2の実施形態に係る自動車用バンパの断面図である。また、図9(b)は、エアダム部の組立前の展開状態を示す断面図である。
なお、図9において、前記した第1の実施形態と同一の機能および形状を有するものについては、同一の符号で示し、その詳細な説明は省略する。
図9(a)に示す自動車用バンパ101は、その外装を形成する樹脂製のバンパフェース12と、内部が中空状態に形成され、車幅方向に延設されたアルミ合金製のバンパビーム2とを備える。さらに、前記バンパビーム2の前部に取り付けられ、前記バンパフェース1との間に介装された衝撃吸収部材3を備えている。
前記バンパフェース12は、メインバンパ部12aと、その下方に形成されるエアダム部12bとにより構成される。前記メインバンパ部12aは、衝撃吸収部材3を内包するように取り付けられ、前記エアダム部12bは、その断面形状が略六角形に形成されることにより、下部補強部材として機能する。
エアダム部12bは、バンパフェース12の成形時において、図9(b)に示すように展開された状態で成形される。この図9(b)に示すように、エアダム部12bには、車両後方に突出して形成された凸部12gと、折曲自在に形成された支点部12cと、車両前方に突出して形成された取付プレート12eと、前記凸部12gを嵌合する貫通孔12fとが形成されている。
そして、組立時においては、支点部12cを軸にエアダム後部を回転させ、貫通孔12fに凸部12gを嵌合し、クリップ13によって固定することにより、エアダム部12bが完成する。
このようにして組み立てられたエアダム部12bは、その後方側の一面12dがロアフレーム5の車両前方側の垂直面5aと面接触した状態で、取付プレート12eとビス14によりラジエータロアフレーム5に取り付けられる。
このように第2の実施の形態によっては、エアダム部12bの車両前後方向の断面形状を略六角形とし、下部補強部材として機能させることにより、前記した第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
さらに、別個に下部補強部材を設ける必要がないため、車両の軽量化が図れると共に製造コストを低減することができ、また組立工程をより簡略化することができる。
なお、前記した第1および第2の実施の形態においては、下部補強部材4の車両前後方向における断面形状を多角形の一例として六角形としたが、本発明にかかる自動車用バンパにおいては、これに限るものではなく、例えば、五角形や八角形等でもよい。
前記第2の実施の形態に示したように、エアダム部の本体形状により下部補強部材を構成する自動車用バンパを用い、歩行者脚インパクタへの衝突実験を行なった。
本実施例においては、図10に示すように、バンパフェースはメインバンパ部21とエアダム部22の2つの部材に分け、車両本体に取り付けた。前記メインバンパ部21は、車両本体に対しビス23、24によって取り付け、エアダム部22は、ロアフレーム5に対してビス25、26によって取り付けた。
また、前記エアダム部22により、下部補強部材を構成した。すなわち、エアダム部22をロアフレーム5に取り付けた状態で、前記下部補強部材としての車両前後方向の断面形状が六角形となるようにした。なお、このとき、ロアフレーム5の垂直面5aが前記六角形の一辺を担い、その一辺の機械的強度が高いため、前記下部補強部材の後部強度が向上し、前部のみが潰れるようになすことができる。
また、エアダム部22の下面に強度調整用の板27を取り付け、さらに下部補強部材としての強度調整を行なった。
メインバンパ部21とエアダム部22に衝突させる歩行者脚インパクタの重量条件として、上脚を8.6kg、下脚を4.8kgとした。また、衝突速度を11.1m/sとし、上脚に加わる衝撃のエネルギーをメインバンパ部21で吸収し、下脚に加わる衝撃のエネルギーをエアダム部22で吸収するように条件設定した。
図11に本実施例の実験結果を示す。図11のグラフにおいて、縦軸はバンパに加わる荷重を示し、横軸はバンパの潰れ変形量を示している。また、実線はメインバンパ部の潰れ特性を示し、破線はエアダム部22の潰れ特性を示している。
この結果から、エアダム部22に加わった荷重はメインバンパ部21に加わった荷重よりも大幅に低く抑えられていることを確認することができる。
また、メインバンパ部21の潰れ量は、エアダム部22の潰れ量よりも大きく、その差αを確認することができる。すなわち、エアダム部22のほうが車両前方に突出した状態となるため、衝突した歩行者はボンネット上に持ち上げられる。これにより、傷害値として「曲げ角度」が低減されることが判る。また、差αを小さく設定することで、傷害値として「せん断変位」を低減している。
さらに、エアダム部22における荷重の変化は、変形量に対して急激な変化をすることなく増加しており、傷害値としての「下脚G」を低減していることが確認できる。
本発明にかかる自動車用バンパは、走行中の車両と歩行者の脚部とが衝突した際に、歩行者脚部への衝撃を緩和する自動車用バンパに好適に用いることができる。
図1は、第1の実施形態に係る自動車用バンパの概略構造を示す斜視透視図である。 図2は、第1の実施形態に係る自動車用バンパの断面図である。 図3は、図1の自動車用バンパが備える下部補強部材の斜視図である。 図4は図1の自動車用バンパが前方からの衝突衝撃により潰れた状態の断側面図である。 図5は、図1の自動車用バンパに歩行者脚インパクタが衝突した状態の側面図である。 図6は、下部補強部材の他の形態を示す図である。 図7は、下部補強部材のさらに他の形態を示す図である。 図8は、下部補強部材のさらに他の形態を示す図である。 図9は、第2の実施形態に係る自動車用バンパの断面図である。 図10は、実施例における自動車用バンパの断面図である。 図11は、実施例の結果を示すグラフである。 図12は、従来の自動車用バンパの断面図である。
符号の説明
1 バンパフェース
1a メインバンパ部
1b エアダム部
2 バンパビーム
3 衝撃吸収部材
4 下部補強部材
4h 前端部
4i 後端部
4v 頂点
5 ラジエータロアフレーム
100 バンパ
200 車両

Claims (9)

  1. 車両の前部に、車幅方向に亘り形成された自動車用バンパであって、
    車幅方向に延設され、バンパビームの前方に取り付けられた衝撃吸収部材と、前記衝撃吸収部材よりも下方において車幅方向に延設されると共に車両前後方向の断面形状が多角形に形成された下部補強部材とを備え、
    車両前方から衝突による衝撃を受けた際、前記下部補強部材がラッパ形状に変形すると共に、前記下部補強部材の潰れ残り先端部が前記衝撃吸収部材の潰れ残り先端部よりも車両前方に位置するように構成されたことを特徴とする自動車用バンパ。
  2. 前記下部補強部材は、車体側構造物に面接触して取り付けられることを特徴とする請求項1に記載された自動車用バンパ。
  3. 前記下部補強部材は、車両前後方向の断面形状において、前記下部補強部材の前端部と後端部との間の上方部と下方部のそれぞれに、少なくとも一つの頂点が位置するように設置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された自動車用バンパ。
  4. 前記下部補強部材の車両後方を臨む面に、車両前後方向に並列に複数の溝部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された自動車用バンパ。
  5. 前記下部補強部材は、車両前後方向の断面形状における内角の設定により強度調整されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載された自動車用バンパ。
  6. 前記下部補強部材は、中空体として形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載された自動車用バンパ。
  7. 前記衝撃吸収部材を内包するメインバンパ部と、前記下部補強部材を内包し、空気整流部材として機能するエアダム部とを含むバンパフェースを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載された自動車用バンパ。
  8. 前記衝撃吸収部材を内包するメインバンパ部と、空気整流部材として機能するエアダム部とを含むバンパフェースを備え、
    前記エアダム部により前記下部補強部材を構成することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載された自動車用バンパ。
  9. 前記下部補強部材の車両前後方向における断面形状は、六角形であることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載された自動車用バンパ。
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