JP2005297460A - 成型物用保護層転写シートの製造方法 - Google Patents

成型物用保護層転写シートの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】3次元構造を有するプラスチック成型物への傷つき防止や耐薬品性の向上を目的とした成型物用保護層転写シートにおいて、いわゆる深絞り構造をもった成型物に対しても、その形に十分追従できる成型物用保護層転写シートを製造する方法を提供することである。
【解決手段】熱変形が容易な基材上に、少なくとも保護層を有する転写層を一旦別の基材上に形成した転写シートから、熱転写法によって、熱変形が容易な基材上に転写層を転写して製造することを特徴とする、成型物用保護層転写シートの製造方法。また、前記保護層が電離放射線による硬化が可能な樹脂がアクリル−シリカハイブリッド樹脂であり、該樹脂は常温において硬化前にはタックがないことが好ましい。

Description

本発明は成型物用の保護層転写シートの製造方法に関し、さらに詳しくは3次元構造を有するプラスチック成型物に対して、その表面を保護し、優れた耐久性を与える成型物用保護層転写シートの製造方法に関する。
従来より3次元構造を有するプラスチック成型物への傷つき防止や耐薬品性等を向上させたいという要求があり、防護面や防護眼鏡等、プラスチック成型物に保護膜を付与させる例は数多く見られる。最近では転写によって保護層を成型物の表面に設ける手法も多く見られる。
ところで、転写によって成型物表面に保護層を設ける成型物用保護層転写シートにおいては、保護層を硬化することによって耐傷性や耐溶剤性を向上させる手法がよく用いられる。
保護層の硬化手段としては熱もしくは電離放射線による硬化が一般的である(特許文献1)。熱硬化の場合は、転写シート状態において保護層をあらかじめ硬化させる。なぜなら熱硬化は一般的に時間がかかるため、転写後での熱処理はシステムの簡便性に劣るからである。また、画像形成物の熱変形等による不具合が生じることもある。
一方、電離放射線硬化の場合は保護層を転写前に硬化させても転写後に硬化させてもよい。しかし次のような問題がある。つまり、電離放射線硬化樹脂は硬化前は通常タックがあり、リボンのような巻物にはできない。このためセパレーターが必要不可欠になり(特許文献2)コストアップにつながる。また、このタックのため保護層の上にさらに接着層を積層することは困難となり、結局、保護層と接着のよい被着体にしか用いることができず汎用性に欠ける。
特開平5−330259 特開平5−57235 さらに、保護層転写シートに用いられる基材は一般的には二軸延伸PETフィルムが圧倒的に多い。これは二軸延伸PETが伸びにくい、シワになりにくい、汎用溶剤に侵されない、切れにくい、適度な耐熱性がある、等々、コーティングにおける適性が非常に高いためである。ところが、基材が二軸延伸PETである保護層転写シートを用いて成型物に転写しようとした場合、二軸延伸PETの熱成形性が低いために、いわゆる深しぼりと呼ばれる、シートが大きく伸ばされる構造をもった成型物には、基材がその伸びに追従できず、対応できない問題があった。 一方、成形性が良い、つまり熱変形が容易な基材としては、アクリルフィルム、無延伸PET、ポリカーボネートフィルム、オレフィンフィルムなどが挙げられる。ところがこのようなフィルムに直接コーティングしようとしても、切れやすかったり、保護層塗工、乾燥時にドライヤーの熱で伸びてしまったりして、コーターで搬送させること自体困難であるだけでなく、溶剤にも侵され易いために材料選択の幅が極端に制限され、前記の基材を使用した成型物用保護層転写シートを製造することはこれまで非常に困難であった。
本発明の課題は、3次元構造を有するプラスチック成型物への傷つき防止や耐薬品性の向上を目的とした保護層転写シートにおいて、いわゆる深絞り構造をもった成型物に対しても、その形に十分追従できる成型物用保護層転写シートを製造する方法を提供することである。
そこで、上記課題を解決するために下記に示す発明をするに至った。すなわち請求項1にかかる発明は、熱変形が容易な基材上に、少なくとも保護層を有する保護層転写シートの製造方法において、少なくとも保護層を有する転写層を一旦別の基材上に形成した転写シートから、熱転写法によって、熱変形が容易な基材上に転写層を転写して製造することを特徴とする、成型物用保護層転写シートの製造方法である。次に、請求項2にかかる発明は、熱変形が容易な基材上に、少なくとも接着層、保護層を有し、最表面に接着層を有する保護層転写シートの製造方法において、少なくとも接着層、保護層を有する転写層を一旦別の基材上に形成した転写シートから、熱転写法によって、熱変形が容易な基材上に転写層を転写して製造することを特徴とする、成型物用保護層転写シートの製造方法である。請求項3にかかる発明は、請求項1,2を基本とし、保護層中に電離放射線硬化樹脂を含有することを特徴とする成型物用保護層転写シートの製造方法である。また、請求項4にかかる発明は、請求項1〜3を基本とし、保護層に用いる電離放射線硬化樹脂がアクリル−シリカハイブリッド樹脂であることを特徴とする成型物用保護層転写シートの製造方法である。請求項5にかかる発明は、請求項1〜4を基本とし、保護層に用いる電離放射線硬化樹脂のアクリル−シリカハイブリッド樹脂のシリカ成分が15重量%以上60重量%以下であり、常温において硬化前にタックが無いことを特徴とする成型物用保護層転写シートの製造方法である。さらに、請求項6にかかる発明は、請求項1〜5を基本とし、保護層に用いるアクリル−シリカハイブリッド樹脂の硬化前のTgが30℃以上であることを特徴とする成型物用保護層転写シートの製造方法である。
以下に本発明の成型物用保護層転写シートの製造方法に関する説明を行う。
本発明の成型物用保護層転写シートの製造方法は、熱変形が容易な基材上に、後述する別の基材上に形成した(以後、第一転写シートと呼ぶ)保護層、接着層等の転写層を転写することによって成型物用保護層転写シートを形成する方法である。熱変形が容易な基材上にこのような層を直接コーティングして形成しない理由は、これらの基材自身が切れやすかったり、乾燥時にドライヤーの熱で伸びてしまったりして、コーターで搬送させること自体困難であるだけでなく、溶剤にも侵され易いために材料選択の幅が極端に制限され、このような基材を使用した成型物用保護層転写シートをコーティング法で製造することは非常に困難であるからである。
本発明の成型物用保護層転写シートの製造方法についてさらに詳しく説明する。まず、第一転写シートとして形成する転写層は保護層のみであっても良いし、基材側から順に少なくとも接着層、保護層がこの順で積層されたものであっても良いし、少なくとも保護層、接着層がそれぞれ別々に形成されたものであっても良い。本発明の成型物用保護層転写シートの製造方法は、上記のように一旦、第一転写シートとして剥離可能な状態で形成した転写層を、熱変形が容易な基材上に熱転写することによって成型物用保護層転写シートを形成する方法である。たとえば、転写層が保護層と接着層の2層構成である場合、接着層と保護層が積層された1種類の第一転写シートから、熱変形が容易な基材に一度に転写層を転写して成型物用保護層転写シートを形成しても良いし、保護層と接着層がそれぞれ別々に形成された2種類の第一転写シートを用いて、まず保護層を転写し、次いで接着層を転写することによって成型物用保護層転写シートを形成しても良い。このような手段を用いることによって、通常コーティングが困難である基材に対しても容易に転写層を形成することが可能になる。
次に本発明に使用する成型物用保護層転写シートおよび第一転写シートについて説明する。
本発明の成型物用保護層転写シートに用いられる熱変形が容易な基材としては例えば、アクリルフィルム、ポリカーボネートフィルム、無延伸PETフィルム、塩化ビニルフィルム、オレフィンフィルム、ポリスチレンフィルム、酢酸セルロースフィルムなど、熱によって延伸しやすい基材から選ばれ、中でもアクリルフィルムを用いることが最も好ましい。これらの厚みは10〜500μm程度が好ましい。
一方、第一転写シートの基材としては、従来の熱転写シートに使用されているものと同じ基材をそのまま用いることができると共に、シートの表面に易接着処理が施されているものや、その他のものも使用することができる。
好ましい基材の具体例としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートを始めとするポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セルロース、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、アイオノマー等のプラスチックフィルム、及びグラシン紙、コンデンサー紙、パラフィン紙等の紙類、セロファン等があり、また、これらの2種以上を積層した複合フィルムなども使用できるが、加工適性の面から二軸延伸PETが最も好ましい。これらの基材の厚さは、その強度及び耐熱性が適切になるように材料に応じて適宜変更しているが、通常は1.0〜100μm程度が好ましい。
本発明に用いる保護層としては、一般的には、エチルセルロース、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のアクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール等のビニル重合体の熱可塑性樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂等の熱硬化型の樹脂を用いることができる。画像の形成された被転写体に対して、耐摩擦性、耐薬品性、耐汚染性が特に要求される場合は、画像保護層樹脂として電離放射線硬化型樹脂を用いることもできる。電離放射線硬化型樹脂としては例えば、アクリロイル基やメタクリロイル基を有する、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、シリコーンアクリレート等の各種アクリレート系オリゴマーやプレポリマー、或いはポリエン−チオール系樹脂等にスチレン等の単官能モノマー、トリメチロールプロパントリアクリレート等の多官能モノマーをそれぞれ単独または2種以上を混合して用いてよい。
さらに好ましくは、保護層には電離放射線硬化可能なアクリル−シリカハイブリッド樹脂を主成分として含有することがより高堅牢な保護層を得るためには好ましい。該アクリル−シリカハイブリッド樹脂は、そのシリカ成分が15重量%以上60重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは20重量%以上30重量%以下であることが好ましい。上記範囲以外では膜強度が低下し、保護層としての機能が劣化することがある。
ただしこれらの樹脂のほとんどは、硬化前の性状が液体であったり、粘性物質であるので、保護層にタックを生じさせるため、表面に離型フィルムを具備する必要がある。
そのため、該アクリル−シリカハイブリッド樹脂は硬化前には常温でタックがないことが好ましい。タックがなければ、巻物にした場合に、保護層がフィルムの反対側の面に貼りついて基材からはがれてしまう、いわゆるブロッキングと呼ばれる不具合が起こりにくくなるだけでなく、保護層の上に中間層や受像層など、他の層を積層する場合においても、積層しやすくなるなど、フィルム設計が容易になるメリットがある。
また、該アクリル−シリカハイブリッド樹脂の硬化前のTgは30℃以上であることが好ましい。30℃未満では常温でタックが出やすくなる傾向がある。
もちろん、該アクリル−シリカハイブリッド樹脂にタックを生じさせない範囲で前述のモノマー、オリゴマー等を加えてもよいし、前述の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂を加えてもよい。
その他の添加剤として、光重合開始剤、増感剤、紫外線吸収剤、着色顔料、白色顔料、体質顔料、充填剤、帯電防止剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、染料等も適宜、必要に応じて使用することができる。さらに、アクリルフィルムを熱変形が容易な基材として用い、電離放射線硬化型樹脂を保護層として用いた場合についてさらに説明する。本発明の成型物用保護層転写シートを用いて成型物に転写を行う場合、電離放射線を照射するタイミングは熱変形が容易な基材を剥離する前でも、剥離した後でも基本的にはどちらでもかまわない。しかし、保護層を硬化する前に基材を剥離すると、特に成型物の屈曲部分において、保護層と基材の界面でうまく剥離せず、保護層が凝集剥離して一部基材側に残ってしまうケースがしばしば発生する。保護層が凝集剥離すると、膜が白化して外観に不具合が生じるだけでなく、耐傷性、耐薬品性等への悪影響も生じかねない。このような場合は、基材を剥離する前に電離放射線を照射して、あらかじめ保護層を硬化させてから剥離した方が、より安定した保護層の剥離性が得られる。ところが、前述したアクリルフィルムは通常UV吸収剤を内添している場合が多く、390nm以下の光を吸収してしまう。つまり電離放射線としてUV光を用いる場合、最も汎用性が高い高圧水銀灯を用いてUV光を照射して硬化させようとした場合、その主波長である365nm付近の光を基材が吸収してしまい、その下の保護層まで光がほとんど届かない。通常使用される光開始剤はアセトフェノン型光開始剤が最も一般的であるが、それらのほとんどは吸収ピークが350nm未満であり、前述のように光がカットされた場合、重合を開始させるのに十分なラジカルが発生しないものが多い。そのため硬化不良が起こり、屈曲部分ではうまく界面剥離できない不具合が生じることがあった。このような硬化不良を回避するために、光開始剤の添加量を大幅に増やすか、メタルハライドランプのような、主波長をより高波長側にシフトさせたランプを特別に使用する手法もあるが、350nm〜450nmの範囲に吸収ピークを有する光開始剤を添加することが好ましい。350nm〜450nmの範囲に吸収ピークを有する光開始剤としては例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロチオキサントンなどのチオキサントン系や、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルーフォスフィンオキサイドなどのリン系や、4,4−ビスジエチルアミノベンゾフェノンのようなミヒラーケトン類、ベンジル等が挙げられる。
光開始剤の添加量としては、電離放射線硬化樹脂に対して0.1重量%から10重量%程度が好ましく、2重量%〜5重量%であればさらに好ましい。
また、以下に挙げる増感剤を使用するのも好ましい。例えば脂肪族アミン、芳香族基を含むアミン、ピペリジンのような窒素複素環化合物などのアミン系化合物、アリル系、O−トリルチオ尿素などの尿素系化合物、ナトリウムジエチルジチオホスフェート、芳香族スルフィン酸の可溶性塩などのイオウ化合物、N,N−ジ置換−P−アミノベンゾニトリル系化合物のようなニトリル系化合物、トリ−n−ブチルホスフィン、ナトリウムジエチルホスフェートなどのリン化合物、ミヒラーケトン、N−ニトロソヒドロキシルアミン誘導体、オキサゾリン化合物などのその他の窒素化合物、四塩化炭素、ヘキサクロロエタンなどの塩素化合物が挙げられる。
増感剤の添加量としては、電離放射線硬化樹脂に対して0.1重量%から10重量%程度が好ましく、2重量%〜5重量%であればさらに好ましい。
さらに、上記の樹脂に、画像形成物の擦過性を向上させる為の滑剤、汚染防止の為の界面活性剤、耐候性能を向上させる為の紫外線吸収剤、酸化防止剤等を加えてもよい。画像保護層は画像受容層と同様の方法で形成することができ、厚みは0.1〜10μmが好ましい。
本発明の成型物用保護層転写シートは、保護層の被転写体への接着性を良好にする為に、保護層の上に、熱可塑性の接着層を設けることがより好ましい。該接着層は、被転写体の材質に合わせて、樹脂を選定することが好ましいが、一般的には、下記に示すような熱可塑性樹脂から形成することが好ましく、例えば、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ブチラール系樹脂、ゼラチン、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、塩化ビニル系樹脂、ウレタン系樹脂等の如く熱時接着性の良好な樹脂から、適当なガラス転移温度を有するものを選択する。
接着層にも添加剤として、紫外線吸収剤、着色顔料、白色顔料、体質顔料、充填剤、帯電防止剤、酸化防止剤、蛍光増白剤、染料等も適宜、必要に応じて使用することができる。
接着層の厚みは好ましくは0.1〜10μm、さらに好ましくは0.5〜5μmである。上記範囲未満では接着力が低くすぎるため保護層の接着性向上にはあまり寄与せず、上記範囲を超えると転写において箔切れ性が低下しやすい。
本発明の第一転写シートは、基材の裏面、すなわち保護層の設けてある面と反対面に、サーマルヘッドや熱ローラーなどの熱によるスティッキングやシワなどの悪影響を防止するために、耐熱滑性層を設けてもよい。上記の耐熱滑性層を形成する樹脂としては、従来公知のものであればよく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン又はエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
また、耐熱滑性層の耐熱性や塗膜強度及び基材との密着性を向上させるために、樹脂中に反応基を有する熱可塑性樹脂とポリイソシアネートとの反応硬化物や、不飽和結合を有するモノマー、オリゴマーとの反応生成物を用いることができ、硬化方法は加熱したり、電離放射線を照射したり、その硬化手段は特に限定されない。これらの樹脂からなる耐熱滑性層に添加、あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、燐酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられる。耐熱滑性層は、上記に記載した樹脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、耐熱滑性層形成用インキを調製し、これを、上記の基材の裏面に、例えば、バーコーティング法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等の形成手段により塗布し、乾燥して形成することができる。その耐熱滑性層の塗工量は、固形分で0.1μm〜2.0μm程度である。
転写層が第1転写シートの基材から剥離しにくい場合には、基材と転写層との間に離型層を形成することができる。離型層は、例えば、ワックス類、シリコーンワックス、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース誘導体樹脂、ウレタン系樹脂、酢酸系ビニル樹脂、アクリルビニルエーテル系樹脂、無水マレイン酸樹脂、及びこれらの樹脂群の共重合体を少なくとも1種以上含有する塗布液を、従来公知のグラビアコート、グラビアリバースコート等の方法で塗布、乾燥することにより形成することができる。
離型層は、熱転写時に熱変形が容易な基材上に移行するもの、あるいは基材側に残るもの、あるいは凝集破壊するもの等を、適宜選択することができるが、離型層が非転写性であり、熱転写により離型層が基材側に残存し、離型層と転写層との界面が熱転写された後の転写層表面になるようにすることが、表面平滑性、接着性、転写安定性等の点で優れているために、好ましく行われる。離型層の形成方法は、従来公知の塗工方法で形成でき、その塗工量は乾燥状態で0.01μm〜5.0μm程度で十分である。尚、基材と転写層と剥離性が良好であれば、上記の離型層を設けることなく、転写層が熱転写により、基材から直接剥離することができる。
尚、本発明の成型物用保護層転写シートおよび第一転写シートでは、加熱手段として熱転写プリンター、ホットスタンパー、熱ロール、ラインヒーター、アイロン、その他熱板等でも転写できる。また、保護層は、形成された画像の全面に転写してもよいし、特定の部分のみに転写してもよい。
本発明によれば、3次元構造を有するプラスチック成型物、とりわけ深絞り構造をもった成型物に対しても、その形に十分追従できる成型物用保護層転写シートを製造することができる。
次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に断りの無い限り質量基準である。
裏面に耐熱滑性処理された25μmの二軸延伸PETフィルムの表面に、保護層用塗工液1を乾燥塗布厚みが5μmとなるようバーコーターにて塗工して第一転写シート1を得た。続いて、別の25μmの二軸延伸PETフィルムの表面に、接着層用塗工液1を乾燥塗布厚みが1μmとなるようバーコーターにて塗工して第一転写シート2を得た。
保護層用塗工液1
UV硬化性アクリルシリカハイブリッド樹脂 70部(固形分30%、シリカ成分23%、Tg45℃、Mw2万)
光開始剤 1.0部(イルガキュア819、吸収ピーク波長370nm、チバスペシャリティケミカル製)
MEK 29部
接着層用塗工液1
アクリル樹脂 50部(ダイヤナールBR−93、三菱レイヨン製)
トルエン 25部
MEK 25部
次に、100μmのアクリルフィルムに熱ラミネーター(大成製VA2−700)を用いて第一転写シート1をラミネートし、第一転写シート1の基材をゆっくり剥離して保護層を転写した。つづいて保護層を転写したアクリルフィルムに再度熱ラミネーターで第一転写シート2をラミネートし、第一転写シート2の基材をゆっくり剥離して保護層上に接着層を転写することによって、成型物用保護層転写シート1を得た。
裏面に耐熱滑性処理された25μmの二軸延伸PETフィルムの表面に、接着層用塗工液1を乾燥塗布厚みが1μmとなるようバーコーターにて塗工した。つづいて接着層の上に保護層用塗工液1を乾燥塗布厚みが5μmとなるようバーコーターにて塗工して第一転写シート3を得た。
次に、100μmのアクリルフィルムに熱ラミネーターを用いて第一転写シート3をラミネートし、第一転写シート3の基材をゆっくり剥離して転写層を転写することによって、成型物用保護層転写シート2を得た。
[比較例1]25μmの二軸延伸PETフィルムの表面に、保護層用塗工液1を乾燥塗布厚みが5μmとなるようバーコーターにて塗工した。続いて、保護層の上に、接着層用塗工液1を乾燥塗布厚みが1μmとなるようバーコーターにて塗工して成型物用保護層転写シート3を得た。
[比較例2]100μmのアクリルフィルムの表面に、保護層用塗工液1を乾燥塗布厚みが5μmとなるようバーコーターにて塗工した。つづいて接着層の上に接着層用塗工液1を乾燥塗布厚みが1μmとなるようバーコーターにて塗工して成型物用保護層転写シート4を得た。
以上のようにして得られた保護層転写シート1〜4を熱ラミネーターを用いて縦100mm×横100mm×3mm厚の透明アクリル板に貼り付けた。続いて、真空成型装置(自社製)を用いて縦70mm×横70mm×高さ50mmの直方体形状になるようアクリル板を成型した。こうして得られた成型物を基材側よりUV照射装置(主波長365nmの高圧水銀灯使用)にて、400mj/cmの積算光量のUV光を照射して保護層を硬化した。基材剥離後、同条件でUV光を再度照射した。
以上のようにして作製したサンプルについては以下の評価を実施した。なお、耐溶剤性、耐擦傷性の項目は、UV光を再照射した後に評価を行った。
(評価)
保護層転写シートの基材への成膜性
○:基材を侵すことなく転写層を成膜できる、×:転写層が成膜時に基材を侵し、白濁する
保護層転写シートの基材の追従性
深絞り部分のアクリル樹脂製の直方体への基材の追従性を評価
○:基材が樹脂に追従している、×:基材が樹脂に追従せず破れが発生する
保護層転写シートの基材の剥離性
深絞り部分の基材剥離時における、保護層の剥離状態を評価
○:基材から界面剥離する、×:保護層が凝集剥離し、白化が見られる
耐溶剤性
サンプルにエタノール、MEK、トルエンをそれぞれ1滴滴下し、30分後に拭き取りサンプルの様子を観察する。
○:変化無し、△:若干侵される、×:完全に侵される
耐傷性
サンプルを250g/cmの荷重をかけたスチールウール(ボンスター#0000)で10回擦る。
:変化無し、△:若干の傷あり、×:キズ大
以上の評価結果は表1の通りである。
Figure 2005297460
基材破れが生じたため、評価不能
※基材と保護層の密着性が高く、基材を剥離できないため、評価不能

Claims (6)

  1. 熱変形が容易な基材上に、少なくとも保護層を有する保護層転写シートの製造方法において、少なくとも保護層を有する転写層を一旦別の基材上に形成した転写シートから、熱転写法によって、熱変形が容易な基材上に転写層を転写して製造することを特徴とする、成型物用保護層転写シートの製造方法。
  2. 熱変形が容易な基材上に、少なくとも接着層、保護層を有し、最表面に接着層を有する保護層転写シートの製造方法において、少なくとも接着層、保護層を有する転写層を一旦別の基材上に形成した転写シートから、熱転写法によって、熱変形が容易な基材上に転写層を転写して製造することを特徴とする、成型物用保護層転写シートの製造方法。
  3. 保護層中に電離放射線硬化樹脂を含有することを特徴とする請求項1、2記載の成型物用保護層転写シートの製造方法。
  4. 電離放射線硬化樹脂がアクリル−シリカハイブリッド樹脂であることを特徴とする請求項1〜3記載の成型物用保護層転写シートの製造方法。
  5. アクリル−シリカハイブリッド樹脂のシリカ成分が15重量%以上60重量%以下であり、常温において硬化前にタックが無いことを特徴とする請求項1〜4記載の成型物用保護層転写シートの製造方法。
  6. 硬化前のアクリル−シリカハイブリッド樹脂が30℃以上のTgを有することを特徴とする請求項1〜5記載の成型物用保護層転写シートの製造方法。

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