JP2005297202A - ポリエステル積層フィルム及び包装袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】 保香性、熱接着性に優れるだけではなく、折り目保持性に優れたポリエステル積層フィルムを提供する。
【解決手段】 少なくともエチレンテレフタレート成分を20〜80重量%、ブチレンテレフタレート成分を80〜20重量%含有するポリエステルからなるポリエステル層(A)の少なくとも片面に、融点が150〜240℃である共重合ポリエステル層(B)が積層され、25℃におけるフィルム全体の密度が1260〜1340kg/m3であることを特徴とするポリエステル積層フィルム。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリエステル積層フィルムに関するものであり、さらに詳しくは包装用、工業用途に用いられるポリエステル積層フィルム及び包装袋に関するものである。
ポリエステルフィルムの代表例であるポリエチレンテレフタレートフィルムは、良好な機械強度、熱的特性、湿度特性、その他多くの優れた特性から、工業材料、磁気記録材料、光学材料、情報材料、包装材料など広い分野において使用されている。
しかし、通常のポリエステルフィルムでは、折り曲げ加工を行ったときの折り目保持性がないことから、茶葉用袋やコーヒー豆用袋といったような、折り目が保持され角が立った形態が好まれる包装用には単独で用いることができず、このような用途においては紙やアルミニウム箔など折り目保持性に優れた素材とラミネートした形で用いられていた。
折り目保持性が良好なフィルムとして、特許文献1には結晶化度の低い2軸延伸ポリエステルフィルムが例示されているが、延伸後の熱処理をしていないため、熱収縮が大きくなり、加工性に劣るため実用性は低いものである。また、特許文献2にはポリエステル層に高い融点のポリエステル層を積層し延伸後、一方のポリエステルの融点より高い温度で熱処理をおこなったフィルムが例示されているが、ポリエステルフィルム全体の結晶化度は高く折り目保持性は不十分であった。特許文献3には手切れ性および折り目保持性に優れたヒートシール性フィルムが示されているが、折り目保持性を向上させるために好ましいポリエステルの構成は示されておらず記載されているポリエステルフィルムの折り目保持性も不十分であった。さらに、特許文献4では樹脂フィルムに貫通する切れ目をあらかじめ入れておいて手切れ性と折り目保持性を付与させているフィルムが例示されているが、貫通する切れ目から内容物が漏れ出る問題があり、また保香性に劣るものであった。
また、折り目保持性に優れる紙やアルミニウム箔については、紙はガスバリア性が得られ難く、アルミニウム箔は高度なガスバリア性が得られるものの加工時の折り曲げなどでピンホールが生じる場合があり、取り扱い性に劣っていた。そのため、紙やアルミニウム箔を用いずにフィルムのみで内容物の香りを逃さない保香性や取り扱い性に優れ容易に包装袋を作製出来るような熱接着性や折り目保持性に優れるフィルムが望まれていた。
国際公開 03/054067号パンフレット(第1頁) 特開2002−225853号公報(請求項1) 特開2001−162753号公報(請求項1) 特開2002−255221号公報(請求項1)
本発明の目的は上記した問題点を解決し、保香性、熱接着性に優れるだけではなく、折り目保持性に優れたポリエステル積層フィルム及び包装袋を提供することを目的とするものである。
前記した本発明の目的は、少なくともエチレンテレフタレート成分を20〜80重量%、ブチレンテレフタレート成分を80〜20重量%含有するポリエステルからなるポリエステル層(A)の少なくとも片面に融点が150〜240℃である共重合ポリエステル層(B)を積層し、25℃におけるフィルム全体の密度が1260〜1340kg/m3であることを特徴とするポリエステル積層フィルムによって達成することができる。
本発明は、少なくともエチレンテレフタレート成分を20〜80重量%、ブチレンテレフタレート成分を80〜20重量%含有するポリエステルからなるポリエステル層(A)の少なくとも片面に融点が150〜240℃である共重合ポリエステル層(B)を積層し、25℃におけるフィルム全体の密度が1260〜1340kg/m3であるため、保香性、熱接着性に優れるだけではなく、折り目保持性に優れたポリエステル積層フィルムおよび包装袋を得ることができた。特に茶葉用袋やコーヒー豆用袋等の各種包装材料に好適に用いられるものである。
本発明のポリエステルフィルムを構成するポリエステルとは、主鎖中の繰り返し単位にエステル結合とする高分子であって、通常ジカルボン酸成分とグリコール成分を重縮合反応させることによって得ることができる。
本発明のポリエステル積層フィルムを構成するポリエステル層(A)は、エチレンテレフタレート成分を20〜80重量%、ブチレンテレフタレート成分を80〜20重量%含有するポリエステルからなることが必要である。エチレンテレフタレート成分が20重量%未満あるいはブチレンテレフタレート成分が80重量%を超える場合、折り目保持性に劣ったポリエステル積層フィルムとなる。また、エチレンテレフタレート成分が80重量%を超えるか、あるいはブチレンテレフタレート成分が20重量%未満の場合も折り目保持性に劣ったポリエステル積層フィルムとなる。好ましくはエチレンテレフタレート成分を40〜60重量%、ブチレンテレフタレート成分を60〜40重量%含有することが好ましい。
上記ポリエステル層(A)を構成するポリエステルは、本発明の目的を阻害しない範囲で、エチレンテレフタレート成分およびブチレンテレフタレート成分以外の成分を共重合してもよい。共重合成分としてはジオール成分としてトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどの直鎖アルキレングリコール、ジメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコールなどのエーテル結合を有するジオール、ジカルボン酸としてイソフタル酸やナフタレンジカルボン酸等から選ばれる芳香族ジカルボン酸またはセバチン酸、ダイマー酸などの長鎖を有するジカルボン酸などの共重合成分を用いてもよい。フィルムの成形性を付与するために共重合成分としてイソフタル酸、ダイマー酸、1,3−ドデカジオン酸などを用いてもよい。
また上記ポリエステル層(A)を構成するポリエステルは、本発明の目的を阻害しない範囲で、ポリエーテル成分を添加してもよい。ポリエーテル成分としては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジ(トリメチレングリコール)、テトラ(トリメチレングリコール)、ジ(テトラメチレングリコール)、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコール、特に分子量が600〜2500のポリオキシアルキレングリコールを用いてもよい。フィルムの伸度を付与するためにポリエーテル成分はポリオキシアルキレングリコールとテレフタル酸などのジカルボン酸成分からなるポリエステルとポリエチレンテレフタレートもしくはポリブチレンテレフタレートとのブロック共重合体であるポリエーテルエステルを用いてもよい。特にポリエーテルエステルのガラス転移温度が−120〜−30℃であると伸度向上の点から好ましい。
本発明のポリエステル積層フィルムは、フィルム全体の密度が25℃で1260〜1340kg/m3であることが好ましい。このためには、例えば、ポリエステル積層フィルムは結晶化していない無延伸フィルムとすることが挙げられる。1260kg/m3未満の場合は、適切な積層比率になっておらず折り目保持性が劣り、1340kg/m3を越える場合、ポリエステル積層フィルムの結晶化が進行しており折り目保持性が劣るためである。好ましくは1280〜1320kg/m3である。より好ましくは1290〜1320kg/m3である。
本発明のポリエステル積層フィルムは、ポリエステル層(A)表面の面配向係数が0〜0.05であることが好ましい。0.05を越える場合、ポリエステル積層フィルムが配向結晶化し、折り目保持性が劣るフィルムになりやすい。好ましくは0〜0.03である。
本発明においては、ポリエステル層(A)を構成するポリエステルの示差走査熱量計(DSC)で求められるガラス転移温度(Tg)近傍におけるエンタルピー緩和ピークの吸熱量が2J/g以上であり、冷結晶化ピークの発熱量が3J/g以上であることが好ましい。さらに好ましくはエンタルピー緩和の吸熱量が3J/g以上であり、冷結晶化ピークの発熱量が8J/g以上である。ポリエステル積層フィルムの折り目保持性がさらに向上するためである。エンタルピー緩和ピークの吸熱量が2J/g未満もしくは冷結晶化ピークの発熱量が3J/g未満の場合、ポリエステルの結晶化が進行し折り目保持性が劣るフィルムになりやすい。エンタルピー緩和ピークの吸熱量および冷結晶化ピークの発熱量の上限は特に限定しないが、一般にポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステルはエンタルピー緩和ピークの吸熱量および冷結晶化ピークの発熱量が30J/gを越えることはない。なお、ここで、近傍とは求められたガラス転移温度に対して(Tg−10)〜(Tg+10)℃の範囲をいうものとする。エンタルピー緩和ピークの吸熱量が2J/g以上であり冷結晶化ピークの発熱量が3J/g以上となるためには、例えばエチレンテレフタレート成分が50重量%でありブチレンテレフタレート成分が50重量%含有するポリエステル層(A)であり、少なくとも片面に融点が150〜240℃である共重合ポリエステル層(B)が積層された無延伸のポリエステル積層フィルムを製造することにより達成される。
本発明の積層フィルムにおいて、ポリエステル層(A)の少なくとも片面に積層される共重合ポリエステル層(B)を構成する共重合ポリエステルの融点は、150〜240℃であることが好ましい。融点が150℃未満では、製膜性とコスト性が劣り易くなる。逆に240℃を超えるとヒートシール性が劣り易くなる。より好ましくは180〜230℃の範囲である。共重合ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレートにイソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、ジエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、シクロヘキサンジメタノールなどを共重合して用いていることが好ましく、特にイソフタル酸をポリエチレンテレフタレートに10〜25モル%共重合した共重合ポリエステルの融点が242〜195℃となるため好ましい。
本発明のポリエステル積層フィルムのフィルム全体の厚みは、5〜50μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは10〜25μmの範囲である。フィルム全体の厚みが5μm未満の場合、蒸着時の搬送性が劣る場合があり、50μmを越える場合、フィルム自体の厚みが厚すぎるので折り目保持性が劣る場合があるので好ましくない。
本発明のポリエステル層(A)のフィルム全体の厚みに占める割合(積層比率)が50〜90%の範囲であることが好ましい。50%未満であると折り目保持性が劣る場合があり、90%を越えると共重合ポリエステル層(B)の厚みが十分でなく良好な熱接着性を保持出来ない場合がある。より好ましくは50〜80%である。
本発明のポリエステル積層フィルムを製膜後、(Tg−30)〜(Tg+30)℃で熱処理を行うことが好ましい。(Tg−30)℃未満の温度で熱処理を行うと、ポリエステル層(A)のエンタルピー緩和が促進されずに折り目保持性が劣りやすく、(Tg+30)℃を越える温度で熱処理を行うとポリエステル層(A)の結晶化が促進し折り目保持性が劣りやすくなる。さらに好ましくは(Tg−15)〜(Tg+10)℃の範囲である。
本発明のポリエステル積層フィルムは、内容物の酸化、吸湿を避ける目的で高度なガスバリア性を有することが好ましく、ポリエステル積層フィルムを構成するポリエステル層(A)の片面にアルミニウムまたは酸化アルミニウム、酸化珪素から選ばれる蒸着層を設けることが好ましい。アルミニウムまたは酸化アルミニウム、酸化珪素から選ばれる蒸着層を設ける場合、これらの金属を単独で用いてもよいし、混合もしくは積層して用いてもよい。また、蒸着薄膜の作製方法としては、真空蒸着法、EB蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などを用いることができるが、生産性やコストの点から、真空蒸着法が最も好ましい。また、ポリエステルフィルムと蒸着層との密着性を向上させるために、フィルムの表面をあらかじめコロナ放電処理やアンカーコート剤を塗布するなどの方法により前処理をしておくことが望ましい。
本発明のポリエステル積層フィルムは、取り扱い性、加工性を向上させるために、滑剤として平均粒子径0.01〜10μmの範囲の内部粒子、無機粒子および/または有機粒子を0.01〜3重量%の範囲の含有することが好ましい。内部粒子の析出方法としては、たとえば特開昭48−61556号公報、特開昭51−12860号公報、特開昭53−41355号公報、特開昭54−90397号公報などに記載の技術を採用することができる。さらに、特公昭55−20496号公報、特開昭59−204617号公報などの粒子を併用することもできる。なお、10μmを越える平均粒子径を有する粒子を使用すると、フィルムに欠陥が生じることがあるので注意が必要である。かかる無機粒子としては、たとえば湿式および乾式シリカ、コロイダルシリカ、ケイ酸アルミ、酸化チタン、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化アルミ、マイカ、カオリン、クレーなど、有機粒子としてはスチレン、シリコーン、アクリル酸類、メタクリル酸類、ポリエステル類、ジビニル化合物などを構成成分とする粒子を使用することができる。なかでも、湿式および乾式シリカ、アルミナなどの無機粒子およびスチレン、シリコーン、アクリル酸、メタクリル酸、ポリエステル、ジビニルベンゼンなどを構成成分とする粒子を使用することが好ましい。さらに、これらの内部粒子、無機粒子および有機粒子は二種以上を併用してもよいが、粒子の添加量が多すぎたり、平均粒子径が大きい場合、蒸着層の欠点が多くなりガスバリア性が低下しやすいため、これら粒子の種類や平均径、添加量についてはフィルムの折り目保持性を失わない程度に工夫することが好ましい。
また、本発明のポリエステル積層フィルム中には、本発明の効果を阻害しない範囲内で各種の添加剤や樹脂組成物、架橋剤などを含有しても良い。例えば酸化防止剤、耐熱安定剤、紫外線吸収剤、有機、無機の粒子、顔料、染料、帯電防止剤、核剤、難燃剤、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、ゴム系樹脂、ワックス組成物、メラミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、メチロール化、アルキロール化された尿素系架橋剤、アクリルアミド、ポリアミド、エポキシ樹脂、イソシアネート化合物、アジリジン化合物、各種シランカップリング剤、各種チタネート系カップリング剤などを挙げることができる。
次に、本発明のポリエステル積層フィルムの製造方法について説明する。本発明のポリエステル積層フィルムの基材であるポリエステル層(A)の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステルを必要に応じて高温減圧下で乾燥した後、溶融押出機に供給、溶融し、スリット状のダイからシート状に押出し、ワイヤー状電極もしくはテープ状電極を使用して静電印加する方法、押し出されたシート状のポリマーをエアーチャンバーにより空圧でキャスティングドラムに押し当てるエアーチャンバー法、キャスティングドラムと押出したポリマーシート間に水膜を設けたキャスト法などにより冷却固化し無延伸フィルムを得る方法がある。
本発明のポリエステル層(A)に共重合ポリエステル層(B)を積層させる方法は、(1)共重合ポリエステルを別の押出機で溶融押出し、フィードブロックや口金内で合流させ、共押出することにより無延伸のポリエステル積層フィルムを得る方法(2)ポリエステル層(A)と共重合ポリエステル層(B)を熱接着させる方法、(3)ポリウレタンなどの接着剤を用いてラミネートする方法(ドライラミネート法)(4)ポリエステル層(A)上に共重合ポリエステルを直接押出ラミネートする方法がある。積層させる方法は特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル層(A)を構成するポリエステルと共重合ポリエステル層(B)を構成する共重合ポリエステルを別々に真空乾燥した後、二軸ベント式の別々の押出機に供給溶融し、フィードブロックにて二層に積層する共押出する方法が好ましい。
本発明のポリエステル積層フィルム及び包装袋は、包装材料、特に茶葉用袋やコーヒー豆用袋のような折り目が保持され、角が立った形態が好まれる包装材料などに好適である。包装袋の作製方法は特に限定はしないが、例えば、次のとおりである。本発明のポリエステル積層フィルムのポリエステル層(A)にアルミニウム金属層を蒸着させて、その上に表層フィルムをラミネートする。ポリエステル層(B)側に内容物を入れてヒートシールすることにより包装袋を作製することができる。すなわち、包装袋の構成の一例は、外側から表層フィルム、アルミニウム蒸着層、ポリエステル層(A)、ポリエステル層(B)という構成である。
(特性の測定方法および効果の評価方法)
本発明における特性の測定方法および効果の評価方法は次のとおりである。
(1)固有粘度
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から下記式から計算される値を用いた。
ηsp/C=[η]+K[η]2×C
ここで、ηsp=(溶液粘度/溶媒粘度)−1
Cは溶媒100dm3あたりの溶解ポリマー重量(g/100dm3、通常1.2)。Kはハギンス定数(0.343とする)。また溶液粘度、溶媒粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。
(2)ガラス転移温度、エンタルピー緩和ピークおよび冷結晶化ピークの熱量
JIS K7121(1987)およびK7122(1987)に準拠して測定した。試料片5mgをDSC装置(セイコーインスツルメント(株)製、RDC220)にセットし、25℃から20℃/分で300℃まで昇温してDSC曲線を求め、ガラス転移温度、冷結晶化温度、融点を測定した。エンタルピー緩和ピークの熱量はガラス転移温度付近に発生する吸熱ピークをエンタルピー緩和ピークとし、その吸熱ピークの面積からエンタルピー緩和ピークの吸熱量を算出した。冷結晶化ピークの発熱量は昇温過程において冷結晶化温度付近に発生する発熱ピークを冷結晶化ピークとし、その発熱ピークの面積から冷結晶化ピークの熱量を算出した。
(3)密度
JIS L1013(1999)の密度勾配管法に準拠して測定した。
(4)積層比率
透過型電子顕微鏡(日立製H−600型)を用いて、加速電圧100kVでフィルム断面を超薄切片法(必要に応じて四酸化ルテニウムで染色)で観察し、その界面をとらえ積層厚みを求めた。倍率を5万倍にしてその積層厚みからポリエステル層(A)のフィルム全体の厚みに占める割合(積層比率)を算出した。
(5)面配向係数(fn)
ナトリウムD線(波長589nm)を光源とし、マウント液としてヨウ化メチレンを用い、アッベ屈折計にて長手方向、幅方向、厚み方向の屈折率(それぞれnX,nY,nZ)を求め、fn=(nX+nY)/2−nZを計算して求めた。
(6)伸度
JIS K7127(1999)に準拠して引張破壊伸度を測定し伸度とした。試料片を予めフィルム長手方向に長さ200mm、幅10mmの短冊状に切り出し、引張試験機(株式会社オリエンテック製、テンシロン)を用いて25℃、65%RHにて測定した。初期引張チャック間距離は20mmとし、引張速度は300mm/分とした。
(7)折り目保持性
長さ20mm、幅10mmのポリエステル積層フィルム試料片をあらかじめポリエステル層(A)を外側にして長さ10mm、幅10mmの正方形の試料片になるように180゜に折り曲げ、その試料片を245MPaの圧力、30m/分の速さの条件のフィルムラミネーターに一度通して折り目をつけた。折り目を付けた後、試料片を解放した状態にして10分後に折り目の角度を測定した。
(8)ヒートシール強度
ポリエステル積層フィルムのそれぞれヒートシール層面を互いに密着させて、2kPa、140℃の条件で1秒間ヒートシールした後、15mm幅にカットして試験片を得た。その試験片の2枚の積層フィルム端部を引張試験機(株式会社オリエンテック製、テンシロン)により、それぞれ反対方向に試験速度200mm/分で引張り、最高はく離強度をヒートシール強度とした。
(9)保香性
ポリエステル積層フィルムが香料水溶液(d−リモネン30ppm水溶液)に接するようにして(接触面積:500cm2)40℃14日間放置した後、共重合ポリエステル層(B)のガラス転移温度+5℃、30分間窒素気流中で加熱し、揮発成分をガスクロマトグライフィーにより定量化し、フィルム1gあたりのd−リモネンの吸着量を求めた。
(10)折り目保持性外見評価
本発明のポリエステル積層フィルムを使用して作製した茶葉入りポリエステル積層フィルム包装袋の作製1時間後、包装袋の袋横部分の折り目の角度を測定した。
茶葉入りポリエステル積層フィルム包装袋の作製方法は次のように作製した。
はじめに、本発明のポリエステル積層フィルムを用い、ポリエステル層(A)にアルミニウム薄膜層を積層してガスバリア性を有するポリエステル積層フィルムを作製した。アルミニウム薄膜層を積層する前に、まずフィルムを50℃に加熱したゴムロールを介して、ポリエステル層(A)の表面を、窒素/炭酸ガスの混合ガス(窒素/炭酸ガス=85/15)の雰囲気中で、40W・min/m2の処理条件でコロナ放電処理を施し、ポリエステル層(A)表面の濡れ張力を45mN/m以上にしてロール状に巻き取った。そのときのフィルムの温度は30℃であり、10時間放置した後に小幅にスリットした。次に、小幅にスリットしたフィルムを、フィルム走行装置を具備した真空蒸着装置内にセットし、1.00×10-2Paの高真空にした後に、−20℃の冷却金属ドラムを介して走行させた。このとき、アルミニウム金属を加熱蒸発させながら、走行フィルムのコロナ放電処理面に凝集堆積させ、アルミニウムの金属薄膜層を積層して巻取った。蒸着後、真空蒸着装置内を常圧に戻して、巻取ったフィルムを巻き返し、40℃の温度で2日間エージングして、ガスバリア性を有するポリエステル積層フィルムを得た。アルミニウム薄膜層の厚みは45nmであった。
次に、そのガスバリア性を有するポリエステル積層フィルムの金属薄膜層の上に東レ製包装用ポリエステルフィルム(厚さ12μm、"ルミラー"P60)を上記のドライラミネート法により積層させた。
そのドライラミネートしたガスバリア性を有するポリエステル積層フィルムを大きさ縦220mm横240mmに切り取り、東レ製包装用ポリエステルフィルム(厚さ12μm、"ルミラー"P60)が外面に配するようにポリエステル積層フィルムの横左右両端から65mmの位置に縦方向に180°に折り曲げた後、さらにゴムロールを用い、サンプルを圧力245MPa、速度30m/分で加圧して、折り目を入れた。次に背面および底部分のシーラント層同士を重ね、富士インパルス(株)製インパルスシーラーを用い、シール幅10mm、シール温度150℃で2方シールを行い、大きさ縦220mm×横110mmの茶葉用包装袋を作製し、温度60℃×10時間減圧下で乾燥した茶葉(近江土山茶、清香園辰岡製茶(株))90gを入れて、窒素を封入しながら、包装袋上部を上記と同様な方法でシールし、茶葉入りポリエステル積層フィルム包装袋を作製した。
(11)味覚テスト
高山園常滑焼360ccのきゅうすに3g、茶葉(近江土山茶、清香園辰岡製茶(株))を入れ、お湯98℃を300cc入れ、2分間静置してお茶を調製した。開封していない市販の茶葉と本発明で作製した包装用ポリエステル積層フィルムから取り出した上記の茶葉とを同時に開封しそれぞれお茶を作製して10人の被験者(10年間たばこを吸っていない健常者)に試飲してもらった。味覚に差があったか、なかったかのアンケートを行い以下に示す2段階評価をおこなった。
○;味覚に差がなかったとの回答が5人以上
×;味覚に差がなかったとの回答が5人未満
以下、本発明を実施例により説明する。
(ポリエステルの準備)
実施例および比較例における原料ポリマーとしては、以下のポリエステルおよび粒子等含有マスターポリマーを使用した。
(ポリエステルA)
テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコール60重量部の混合物に、テレフタル酸ジメチル100重量部に対して酢酸マグネシウム0.09重量部、三酸化アンチモン0.03重量部を添加して、加熱昇温して縮合反応によるエステル交換反応を行った。次いで、該エステル交換反応生成物に、テレフタル酸ジメチル量に対して、リン酸85%水溶液0.020重量部を添加した後、重縮合反応層に移行した。次いで、加熱昇温しながら反応系を徐々に減圧して133Paの減圧下、290℃で重縮合反応を行い、固有粘度0.65、融点255℃のポリエチレンテレフタレート樹脂を得た。
(ポリエステルB)
テレフタル酸100重量部、1,4―ブタンジオール110重量部の混合物を窒素雰囲気下で140℃まで昇温して均一溶液とした後、テレフタル酸100重量部に対してオルトチタン酸テトラ−n−ブチル0.054重量部、モノヒドロキシブチルスズオキサイド0.054重量部を添加し、エステル交換反応を行った。次いでオルトチタン酸−n−ブチル0.066重量部を添加して133Paの減圧下で重縮合反応を行い、固有粘度0.75のポリブチレンテレフタレート樹脂を得た。こうして得られたポリエステルチップをさらに固相重合を行い、固有粘度1.22、融点226℃ポリブチレンテレフタレート樹脂を得た。
(ポリエステルC)
テレフタル酸ジメチル100重量部を、テレフタル酸ジメチル82.5モル%とイソフタル酸ジメチル17.5モル%からなるジカルボン酸100重量部と変更したこと以外はポリエステルAと同様にして、融点218℃のイソフタル酸17.5モル%共重合ポリエチレンテレフタレートを作製した。
(ポリエステルD)
テレフタル酸ジメチル100重量部を、テレフタル酸ジメチル87.5モル%とイソフタル酸ジメチル12.5モル%からなるジカルボン酸100重量部と変更したこと以外はポリエステルAと同様にして、融点234℃のイソフタル酸12.5モル%共重合ポリエチレンテレフタレートを作製した。
(ポリエステルE)
テレフタル酸ジメチル100重量部を、テレフタル酸ジメチル75モル%とイソフタル酸ジメチル25モル%からなるジカルボン酸100重量部と変更したこと以外はポリエステルAと同様にして、融点195℃のイソフタル酸25モル%共重合ポリエチレンテレフタレートを作製した。
(ポリエステルF)
テレフタル酸ジメチル100重量部を、テレフタル酸ジメチル96モル%とイソフタル酸ジメチル4モル%からなるジカルボン酸100重量部と変更したこと以外はポリエステルAと同様にして、融点247℃のイソフタル酸4モル%共重合ポリエチレンテレフタレートを作製した。
(ポリエステルG)
テレフタル酸ジメチル100重量部を、テレフタル酸ジメチル40モル%とイソフタル酸ジメチル60モル%からなるジカルボン酸100重量部と変更したこと以外はポリエステルAと同様にして、融点140℃のイソフタル酸60モル%共重合ポリエチレンテレフタレートを作製した。
(ポリエステルH(粒子等含有マスターポリマー))
ポリエステルAの重合時に、帯電防止剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6重量%およびポリエチレングリコール(分子量4000)4重量%、酸化防止剤として、"イルガノックス1010"(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.10重量%、さらに下記手法で得られた凝集シリカ粒子(富士ディビソン社製粒子径2.5μm)6重量%を添加し、ポリエステルAと同様に重合して、粒子等含有のポリエチレンテレフタレートマスターポリマーポリエステルF(固有粘度0.65、融点264℃)を製造した。
凝集シリカ粒子:4塩化珪素1当量に対し、酸素1当量、および、水素1当量を気化装置において気化させ、酸水素炎中において1,000℃で加水分解を行い、酸化ケイ素粒子を得た。さらに、直径0.5mmのビーズを用いた湿式サンドミルにて粉砕し平均粒子径2.5μmの凝集シリカ粒子を製造した。
(ポリエステルI(粒子等含有マスターポリマー))
ポリエステルBの重合時に、帯電防止剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6重量%およびポリエチレングリコール(分子量4000)4重量%、酸化防止剤として、"イルガノックス1010"(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.10重量%、さらに下記手法で得られた凝集シリカ粒子(富士ディビソン社製粒子径2.5μm)6重量%を添加し、ポリエステルAと同様に重合して、粒子等含有のポリエチレンテレフタレートマスターポリマーポリエステルG(固有粘度1.22、融点235℃)を製造した。
実施例1
ポリエステル層(A)としてポリエステルAを49重量%、ポリエステルHを1重量%、ポリエステルBを50重量%混合したポリエステル混合チップと、ポリエステル層(B)としてポリエステルCを別々に真空乾燥した後、二軸ベント式の別々の押出機に供給溶融し、30μmカットのフィルタで濾過した後にフィードブロックにて二層に積層して通常の口金から吐出後、静電印加で共重合ポリエステル層(B)がドラム面になるようになし地冷却ドラムにて冷却固化して本発明のポリエステル積層フィルムを得た。このポリエステル積層フィルムを55℃で1時間熱処理を施した。その際、ポリエステル層(A)の押出機の吐出量と共重合ポリエステル層(B)の押出機の吐出量の比は3:1とした。
実施例2
ポリエステル層(A)としてポリエステルAを49重量%、ポリエステルHを1重量%、ポリエステルBを50重量%混合したポリエステルチップと共重合ポリエステル層(B)としてポリエステルDを実施例1と同様の方法によって本発明のポリエステル積層フィルムを得た。このポリエステル積層フィルムを40℃で1日間熱処理を施した。
実施例3
ポリエステル層(A)としてポリエステルAを49重量%、ポリエステルHを1重量%、ポリエステルBを50重量%混合したポリエステルチップと共重合ポリエステル層(B)としてポリエステルEを実施例1と同様の方法によって本発明のポリエステル積層フィルムを得た。このポリエステル積層フィルムを95℃で1時間熱処理を施した。
実施例4
ポリエステル層(A)としてポリエステルAを39重量%、ポリエステルHを1重量%、ポリエステルBを50重量%、ポリエーテル成分として、東レデュポン製ハイトレル3078(ガラス転移温度:−60℃)を10重量%混合したポリエステルチップを実施例1と同様の方法によって本発明のポリエステル積層フィルムを得た。
実施例5
ポリエステル層(A)としてポリエステルAを49重量%、ポリエステルHを1重量%、ポリエステルBを50重量%混合したポリエステルチップを実施例1と同様の方法によって本発明のポリエステル積層フィルムを得た。
実施例6
ポリエステル層(A)としてポリエステルAを74重量%、ポリエステルHを1重量%、ポリエステルBを25重量%混合したポリエステルチップを実施例1と同様の方法によって本発明のポリエステル積層フィルムを得た。
比較例1
ポリエステル層(A)としてポリエステルBを99重量%、ポリエステルIを1重量%混合したポリエステルチップを実施例1と同様の方法によってポリエステル積層フィルムを得た。
比較例2
ポリエステル層(A)としてポリエステルAを99重量%、ポリエステルHを1重量%混合したポリエステルチップを実施例1と同様の方法によってポリエステル積層フィルムを得た。
実施例7
ポリエステル層(A)としてポリエステルAを49重量%、ポリエステルHを1重量%、ポリエステルBを50重量%混合したポリエステルチップを実施例1と同様の方法によって本発明のポリエステル積層フィルムを得た。その際、ポリエステル層(A)の押出機の吐出量と共重合ポリエステル層(B)の押出機の吐出量の比は1:1とした。
実施例8
ポリエステル層(A)としてポリエステルAを49重量%、ポリエステルHを1重量%、ポリエステルBを50重量%混合したポリエステルチップを実施例1と同様の方法によって本発明のポリエステル積層フィルムを得た。その際、ポリエステル層(A)の押出機の吐出量と共重合ポリエステル層(B)の押出機の吐出量の比は1:3とした。
比較例3
ポリエステル層(A)としてポリエステルAを99重量%、ポリエステルHを1重量%混合したポリエステルチップを実施例1と同様の方法によって無延伸のポリエステル積層フィルムを得た。その後無延伸ポリエステル積層フィルムをロール上で95℃に予熱後、3.5倍に長手方向に延伸した。その後、冷却ロールでいったん冷却し、次いでフィルム両端を把持してステンター式横延伸熱処理機に通し、予熱75℃、延伸温度100℃でフィルム幅方向に3.5倍延伸した。さらに、幅方向に3%のリラックスを掛けながら、205℃で3秒間の熱処理を施し、冷却し、フィルムを巻き取り厚さ20μmのポリエステル積層フィルムを得た。
比較例4
ポリエステル層(A)としてポリエステルAを49重量%、ポリエステルHを1重量%、ポリエステルBを50重量%混合したポリエステルチップを真空乾燥した後、溶融押出を行って口金から20℃に冷却した金属ロール上に静電印加を行ないながら吐出させ単膜のポリエステルフィルムを得た。このポリエステルフィルムの片面にコロナ放電処理を施した後、シーラントフィルム(厚さ20μm、東レ合成フィルム製トレファンNOタイプ3501)とドライラミネートした。ドライラミネートの接着剤には、三井武田ケミカル製タケラック(A-610)(濃度35〜45%)とタケネート(A-50)(20〜30%)を9:1の混合重量比で混合し、その混合剤を酢酸エチルで25重量%に薄めて使用した。ポリエステルフィルムに固形分厚みドライ厚さ0.9μmとなるよう塗布した。シーラントフィルムをポリエステルフィルムに貼り合わせた後その接着剤成分を架橋させるために40℃、48時間以上孵卵器でエージングさせ、ヒートシール性を有するポリエステル積層フィルムを得た。
比較例5
ポリエステル層(A)としてポリエステルAを49重量%、ポリエステルHを1重量%、ポリエステルBを50重量%混合したポリエステルチップと共重合ポリエステル層(B)としてポリエステルFを実施例1と同様の方法によって本発明のポリエステル積層フィルムを得た。
比較例6
ポリエステル層(A)としてポリエステルAを49重量%、ポリエステルHを1重量%、ポリエステルBを50重量%混合したポリエステルチップと共重合ポリエステル層(B)としてポリエステルGを実施例1と同様の方法によって本発明のポリエステル積層フィルムを得た。
実施例1〜8、比較例1〜6のポリエステル層(A)、共重合ポリエステル層(B)およびポリエステル積層フィルムのフィルム特性を表1、表2および表3に示した。
Figure 2005297202
Figure 2005297202
Figure 2005297202
実施例1〜8のヒートシール性を有するポリエステル積層フィルムはいずれも折り目保持性が優れたポリエステル積層フィルムであった。特に実施例1〜7の折り目保持性は良好であり茶葉用袋やコーヒー豆用袋等の包装材には好適である。これに対して、比較例1のフィルムは折り目保持性が劣るものであり比較例2のフィルムは保香性が劣るものであった。
実施例9
本発明のポリエステル積層フィルムを実施例4で得た本発明のポリエステル積層フィルムにしたこと以外、「特性の測定方法および効果の評価方法」の(8)折り目保持性外見評価に記載されている茶葉入りポリエステル積層フィルム包装袋の作成方法と同様の方法によって茶葉入りポリエステル積層フィルム包装袋を作製した。
比較例7
本発明のポリエステル積層フィルムを比較例1で作製したポリエステル積層フィルムにしたこと以外、実施例9と同様の方法によって茶葉入りポリエステル積層フィルム包装袋を作製した。
比較例8
本発明のポリエステル積層フィルムを比較例2で作製したポリエステル積層フィルムにしたこと以外、実施例9と同様の方法によって茶葉入りポリエステル積層フィルム包装袋を作製した。
比較例9
本発明のポリエステル積層フィルムを比較例3で作製したポリエステル積層フィルムにしたこと以外、実施例9と同様の方法によって茶葉入りポリエステル積層フィルム包装袋を作製した。
比較例10
本発明のポリエステル積層フィルムを比較例4で作製したポリエステル積層フィルムにしたこと以外、実施例9と同様の方法によって茶葉入りポリエステル積層フィルム包装袋を作製した。
実施例9および比較例7〜10で作製した茶葉入り用包装袋を温度23℃、湿度65%RHの雰囲気中で6ヶ月間放置した後、折り目保持性外見評価および茶葉の味覚テストの評価を行った。その結果を表4に示した。
Figure 2005297202
実施例9と比較例10のポリエステル積層フィルム包装袋は、袋横部分の折り目がほぼ保持された。一方、比較例7〜9のポリエステルフィルム積層包装袋の折り目が不十分であった。また、温度23℃、湿度65%RH6ヶ月間放置後、実施例9、比較例7〜9のポリエステル積層フィルム包装袋の茶葉は、お茶の味覚テストには差がなかった。一方、比較例10のポリエステル積層フィルム包装袋の茶葉でのお茶の味覚テストでは実施例9、比較例7〜9と比較して味覚に差があり味が劣るものであった。
本発明は、ポリエステル積層フィルムに関するものであり、さらに詳しくは包装用、工業用途などで保香性、熱接着性に優れるだけではなく、折り曲げ加工後の袋の形態保持性に優れたポリエステル積層フィルムおよび包装袋に関するものであり特に茶葉用袋やコーヒー豆用袋等の各種包装材料に好適である。

Claims (5)

  1. 少なくともエチレンテレフタレート成分を20〜80重量%、ブチレンテレフタレート成分を80〜20重量%含有するポリエステルからなるポリエステル層(A)の少なくとも片面に、融点が150〜240℃である共重合ポリエステル層(B)が積層され、25℃におけるフィルム全体の密度が1260〜1340kg/m3であることを特徴とするポリエステル積層フィルム。
  2. ポリエステル層(A)を構成するポリエステルの示差走査熱量計で求められるガラス転移温度(Tg)近傍におけるエンタルピー緩和ピークの吸熱量が2J/g以上、冷結晶化ピークの発熱量が3J/g以上であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル積層フィルム。
  3. ポリエステル層(A)のフィルム全体の厚みに占める割合が50〜90%の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル積層フィルム。
  4. ポリエステル積層フィルムを製膜後、(Tg−30)〜(Tg+30)℃で熱処理を行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル積層フィルム。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のポリエステル積層フィルムで作製されたことを特徴とする包装袋。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017165060A (ja) * 2016-03-18 2017-09-21 東洋紡株式会社 積層フィルム、積層体及び包装体
JP2017210541A (ja) * 2016-05-25 2017-11-30 東洋紡株式会社 ポリエステル系フィルム及びこれを用いた包装袋
JP2018001422A (ja) * 2016-06-27 2018-01-11 東洋紡株式会社 積層フィルム、積層体及び包装体

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