JP2005290285A - 金属フィルム用ドライラミネート用接着剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、金属フィルムならびに各種フィルムに対し優れた接着性と塗工外観を示し、さらに耐レトルト性を有する水性ウレタン樹脂を用いたドライラミネート用接着剤を提供する事である。
【解決手段】ポリエステルポリオール(A)と、ポリイソシアネートと、イソシアネート基と反応しうる官能基および親水性基を有する化合物とを反応させてなる、末端が水酸基であり親水性基を有するポリウレタン樹脂を、乳化させた水性ポリウレタン樹脂を主剤とする金属フィルム用ドライラミネート接着剤組成物であって、
前記ポリウレタン樹脂の酸価が、3〜15mg KOH/gであって、かつ、
前記ポリエステルポリオール(A)は、ポリカルボン酸と、ポリオールとの縮合構造を含み、かつ、前記ポリカルボン酸が、ポリカルボン酸全体に対して60重量%超80重量%以下の芳香族ポリカルボン酸を含むものである金属フィルム用ドライラミネート接着剤組成物。

Description

本発明は、水性ウレタン樹脂を用いた金属フィルム用ドライラミネート用接着剤に関する。当該接着剤は金属フィルムならびに各種フィルムに対し優れた接着性と塗工外観を示し、さらに耐レトルト性を有する。
近年、食品包装分野に於いては食生活の向上や流通構造の変革により包装される食品も多様化している。その殺菌方法もボイル、レトルト、ハイレトルトへとより高温になる傾向にあり、それに伴い接着剤の性能向上が求められている。一方で、最近の環境に対する意識の高まりから、大気中に放出される有機溶剤に対しての規制が進み、印刷加工業界では、乾燥炉で気化した溶剤の除去設備の設置、もしくは有機溶剤を使用しない代替品の検討が進められている。
有機溶剤を使用しない代替品として、例えば、無溶剤で比較的低分子量の樹脂を合成し、塗工時に加熱溶融して用いる方法がある。しかし、この方法は塗工に特殊なコーターが必要であるため、溶剤の除去設備と同様に、国内での導入例は非常に限られている。この点で見ると、別の代替品である水性接着剤は、既存の塗工設備をそのまま利用できるという利点がある。しかし水性接着剤には接着強度、耐熱性といった、性能面で溶剤使用接着剤に劣るという問題点があり、使用用途が限定されている。
これまでに水性ドライラミネート接着剤として耐レトルト性まで確認しているものに、自己乳化型ポリイソシアネート硬化剤を用いる特開平06−80948号公報や、ポリウレタン樹脂粒子にシランカップリング剤を添加して粒子内架橋させる特開平07−062320号公報、水性ウレタン樹脂の分子内にヒドラジン残基を有することでフィルム接着性を上げる特許第3471058号があるが、これらは金属フィルムを含む構成に言及していない。
アルミフィルムのような金属フィルムへの接着性を持つラミネート用水性接着剤については、グリシジル基とリン酸基とさらに1,1−ジアルキルセミカルバジド基を含むアクリル樹脂系の特許第2945526号公報、リン酸基を含む水性アクリル樹脂のヒドラジン架橋である特開平10−077455号公報と、両性ポリウレタン樹脂を用いることで金属表面との酸塩基相互作用を増し、乾燥後には分子内、分子間のイオン結合を増やす特開平11−181394号公報がある。
しかし、前者二つはボイル後の接着力が開示されておらず、後者はボイルにより接着力が落ちており、いずれもアルミフィルムに対する接着力は充分ではなかった。
またナイロン/ポリエチレンフィルム構成でボイル前後の接着力を測定した特開2004−43519号公報では、ポリエステルポリオールの酸成分のうち芳香族ジカルボン酸及び脂環族ジカルボン酸を合計10重量%〜60重量%、グリコール成分のうち分岐グリコールの割合を30〜100重量%に調整し、かつ酸価を6〜31[mgKOH/g]にすることを特徴とした水性ウレタン接着剤を挙げている。しかしながら、アルミフィルムに対する接着力に関する記載はなく、事実、アルミフィルムに対するレトルト後の外観及び接着力に関してはなお不充分であった。
水性であって、金属フィルム用ドライラミネート接着剤であって、耐レトルト性を有するものはこれまで知られていなかった。
特開平06−80948号公報 特開平07−062320号公報 特許第3471058号 特許第2945526号 特開平10−077455号公報 特開平11−181394号公報 2004−43519号公報
すなわち、本発明の目的は、金属フィルムならびに各種フィルムに対し優れた接着性と塗工外観を示し、さらに耐レトルト性を有する水性ウレタン樹脂を用いたドライラミネート用接着剤を提供する事である。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、本発明の水性ウレタン樹脂を用いた接着剤が前記目的を達成するに相応しいことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ポリエステルポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、イソシアネート基と反応しうる官能基および親水性基を有する化合物(C)とを反応させてなる、末端が水酸基であり親水性基を有するポリウレタン樹脂を、乳化させた水性ポリウレタン樹脂を主剤とし、硬化剤を助剤とする金属フィルム用ドライラミネート接着剤組成物であって、
前記ポリウレタン樹脂の酸価が、3〜15[mg KOH/g]であって、かつ、
前記ポリエステルポリオール(A)は、ポリカルボン酸と、ポリオールとの縮合構造を含み、かつ、前記ポリカルボン酸が、ポリカルボン酸全体に対して60重量%超80重量%以下の芳香族ポリカルボン酸を含むものである金属フィルム用ドライラミネート接着剤組成物に関する。
また、本発明は、金属フィルム、上記金属フィルム用ドライラミネート接着剤、フィルムの順に積層されてなる積層体に関する。
本発明により、各種フィルム基材に対して良好な接着性、耐レトルト性を有する水性ウレタン接着剤が得られた。
本発明において使用するポリエステルポリオール(A)は、末端が水酸基であり、ポリカルボン酸とポリオールとの縮合構造を含むものである。
上記ポリカルボン酸としては、例えば、コハク酸、マロン酸、酒石酸、シュウ酸、グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、アルキルコハク酸、リノレイン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,20−エイコサンジカルボン酸、などの脂肪族ポリカルボン酸、
シクロプロパンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸などの脂環族ポリカルボン酸、
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2、5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ナフタル酸、ビフェニルジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、1,2−ビス(フェノキシ)エタン−p,p’−ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの芳香族ポリカルボン酸が挙げられる。
本発明は、ポリカルボン酸全体の、60重量%超80重量%が芳香族ポリカルボン酸であることを特徴とする。芳香族ポリカルボン酸は、充分な凝集力、耐熱性を持ち、エステル結合の加水分解を抑制することが推測され、その結果、接着力、耐レトルト性、水生接着剤の保存安定性が大幅に向上できることとなった。
上記ポリオールは、特に代表的なものを例示すると、エチレングリコール、プロピレングリコール、1、3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、3−メチル‐1,5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル1,3−プロパンジオール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環族ジオール、ビスフェノールA、ハイドロキノン、ビスヒドロキシエトキシベンゼンおよびそれらのアルキレンオキシド付加体のポリオール、また多官能成分としてグリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオールが挙げられる。
本発明において使用するポリエステルポリオール(A)は、上記ポリカルボン酸と上記ポリオールのエステル化反応により得ることができる。ポリカルボン酸やポリオールは、反応時にエステル化反応が起こればよく、カルボン酸の無水物あるいはエステルなどの誘導体から反応させても良い。また、ポリカルボン酸やポリオールは、2種以上であってもよく、さらに、必要に応じて、ヒドロキシカルボン酸などの他の成分を加えても良い。エステル化反応については、公知のエステル化技術が使用できる。
本発明において使用するポリエステルポリオール(A)は、数平均分子量2,000〜8,000のものが好適に用いられる。
本発明において使用するポリエステルポリオール(A)は、末端に水酸基を有する。分岐して3つ以上の末端がある場合もある。また、必ずしも、すべての末端が水酸基である必要はない。
末端を水酸基にするために、原料のカルボキシル基価と、原料の水酸基価の比率は、1:1.1〜1.4にすることが好ましい。
本発明において使用するポリイソシアネート(B)は、従来より公知のものがいずれも使用できるが、FDA(Food and Drug Administration)§175.105、および§177.1390の規制から、脂肪族ないしは脂環族ジイソシアネート化合物の使用が望ましい。
本発明において親水性基とは、単独、または中和剤を用いて塩形成をして乳化させることのできる官能基をいい、具体的には、カルボン酸基、スルホン酸基、第3級アミノ基、カルボン酸の塩、スルホン酸の塩、第4級アミノ基、ポリアルキレンオキシ基、水酸基などが挙げられる。
本発明においてイソシアネート基と反応しうる官能基とは、アミノ基、水酸基、カルボキシル基が挙げられる。
本発明において使用するイソシアネート基と反応しうる官能基および親水性基を有する化合物(C)は、ポリイソシアネート(B)と反応してウレタン樹脂の一部となり、かつ、ウレタン樹脂に親水性基を与えるために用いる。このような化合物(C)として、例えば2,2’−ジメチロールプロピオン酸、2,2’−ジメチロールブタン酸、2,2’−ジメチロール酪酸、2,2’−ジメチロール吉草酸、ジオキシマレイン酸、2,6−ジオキシ安息香酸、3,4−ジアミノ安息香酸などのカルボン酸含有化合物及びこれらの誘導体、
2−オキシエタンスルホン酸、フェノールスルホン酸、スルホ安息香酸、スルホコハク酸、5−スルホイソフタル酸、スルファニル酸、1,3−フェニレンジアミン−4,6−ジスルホン酸、2,4−ジアミノトルエン−5−スルホン酸などのスルホン酸含有化合物及びこれらの誘導体が挙げられる。
本発明において使用するポリウレタン樹脂は、上記ポリエステルポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、親水性基およびイソシアネート基を有する化合物(C)とを公知のウレタン化反応により得ることができる。ウレタン化反応については、公知のウレタン化技術が使用できる。
本発明において使用するウレタン樹脂は、数平均分子量5,000〜60,000のものが好適に用いられる。
本発明において、ポリウレタン樹脂を水中へ分散させるためには、親水性基が必要である。親水性基は、親水性基およびイソシアネート基を有する化合物(C)に由来する物の他、ポリエステルポリオール(A)やポリイソシアネート(B)が親水性基を有しているものを用いてもよい。例えば、親水性基を有するポリエステルポリオール(A)は、その原料であるポリカルボン酸、ポリオール、その他の成分の全部または一部に、親水性基を有させることによって得ることができる。
ポリウレタン樹脂の酸価は、3〜15[mg KOH/g]であることが好ましい。3[mg KOH/g]未満では、安定に自己乳化するには水生化能が低すぎる点で好ましくない場合がある。
また、15[mg KOH/g]を超えると、樹脂層が硬くなりすぎて粘着力が落ちる点で好ましくない場合がある。
本発明において使用するポリウレタン樹脂は、親水性基を有しているため、水性化することができる。親水性基が塩形成しうる官能基である場合は、必要に応じて中和剤で一部またはすべての親水性基を塩形成させ中和する。中和剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、アンモニアや、トリメチルアミン、トリエチルアミンなどの有機第三級アミンが用いられる。中和剤は、親水性基の40〜100%が中和するように添加するのが好ましい。
本発明の金属フィルム用ドライラミネート接着剤は、上記ポリウレタン樹脂を必要に応じて、中和後あるいは中和剤存在下で、乳化させたものを主剤とする。ポリウレタン樹脂を乳化する一般的方法として以下のようなものがある。必要に応じて、乳化剤を用い、乳化剤としては、公知のものが使用できる。
ポリエステルポリオールとポリイソシアネートとを用いてウレタンプレポリマーを合成し、これを乳化剤により水性媒体中に分散させる方法であり、更にこのプレポリマーと化合物(C)を反応させる場合は、プレポリマーを水性媒体中に分散させる前でも、あるいは分散後に分散液と化合物(C)の水溶液または水分散液とを反応させてもよい。
あるいは、ポリオールとポリイソシアネートと化合物(C)とを用いて親水性基を有するウレタンプレポリマーを合成し、これを水性媒体中に溶解又は分散させる方法であり、親水性基はポリオールと化合物(C)に含まれ、ウレタンプレポリマーは直接水性媒体中に溶解又は分散させても、あるいは有機溶剤溶液又は有機溶剤分散液と水性媒体を反応させた後に有機溶剤を除去しても良い。
本発明において使用する助剤である硬化剤としては、水分散性多価イソシアネートが用いられる。このような水分散性多価イソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、3,3’−ジクロロ−4,4−ビフェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、1,5−テトラヒドロナフタレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、水素添加キシレリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等のポリイソシアネート化合物、あるいはこれらのイソシアヌレート型又はビューレット型の3官能ポリイソシアネート又は2官能以上のポリオール化合物との反応により得られる末端イソシアネート基含有プレポリマー等を挙げることができる。市販されている自己乳化可能なポリイソシアネート化合物としては日本曹達(株)製EL436、日本ポリウレタン(株)製アクアネートAQ−100,AQ−200,AQ−210、日本曹達(株)製チタボンドT−15W、住友バイエルウレタン(株)製デスパコール0772等を挙げることができる。水分散性樹脂主剤と水分散性多価イソシアネート硬化剤の混合比としては、水分散性樹脂主剤に含有するイソシアネート基と反応し得る官能基の当量100に対して、水分散性多価イソシアネート硬化剤のイソシアネート基当量が、100〜1200の当量に相当する量を使用することができ、好ましくは、400〜800である。
本発明のラミネート接着剤組成物を適用する対象フィルムは、例えばポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリオレフィンフィルム等のプラスチックフィルム、またこれらのプラスチックフィルム上に、アルミ、金、銀、銅、ニッケル、クロム等の金属を蒸着した蒸着フィルム、アルミ箔などの金属フィルム等が挙げられる。
本発明において、ラミネート加工する方法としては、上記各種フィルムに本発明の水性ラミネート用接着剤を塗布し、溶融樹脂を背気相する押出しラミネート法、上記各種フィルムに本発明の水性ラミネート用接着剤を塗布し、プラスチックフィルムを積層するドライラミネート法のいずれもが使用できるが、本発明の水性ラミネート接着剤は特にドライラミネート法に適している。
なお、金属フィルム、本発明の金属フィルム用ドライラミネート接着剤、フィルムの順に積層されてなる積層体の場合は、金属フィルムの上に本発明の接着剤を積層した後、もう一つのフィルムを積層してもよいし、フィルムに本発明の接着剤を積層した後、金属フィルムを積層してもよい。また、同種または異種の金属フィルム同士の積層体であってもよい。また、接着剤層を2つ以上含む積層体となってもよい。
次に実施例により本発明を具体的に説明する。実施例において部及び%とあるのは、特に指定の無い限り、全て重量基準であるものとする。
表1に示す配合により、ポリエステルポリオール(A)〜(D)を調整した。
ポリエステルポリオール(A)
反応容器にテレフタル酸ジメチルエステル206.7部、エチレングリコール48.4部、ネオペンチルグリコール48.7部、1,6−ヘキサンジオール165.9部、ジエチレングリコール49.7部、及び触媒として酢酸亜鉛0.032部を仕込み、常圧下、乾燥窒素置換を行いつつ、160〜210℃で生成するメタノールを反応系外に留去しながらエステル化反応を行った。留去したメタノール量が計算値の95%以上であることを確認した後、イソフタル酸176.8部、アジピン酸103.7部を反応容器に仕込み、170〜230℃でさらにエステル化反応を行った。ポリエステルの酸価が20mgKOH/g以下になった時点で、触媒としてチタンテトラブトキシドのエチレングリコール1%溶液0.32部を仕込んだ後、真空ポンプにより、徐々に真空度を上げて反応を完結させた。得られたポリエステルポリオール(以下ポリエステルポリオールA)の酸価は1.9mgKOH/g、数平均分子量は6200であった。
ポリエステルポリオール(B)〜(D)
表1に示す配合に基づいて、ポリエステルポリオール(A)と同様の手順により、ポリエステルポリオール(B)〜(D)を得た。
Figure 2005290285
水性ポリウレタン樹脂の合成
次に、上記で合成したポリエステルポリオールA〜Dを用いて、表2に示す配合により、合成例1〜3及び比較合成例1〜6の水性ポリウレタン樹脂を合成した。
Figure 2005290285
(合成例1)
温度計、撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた1000ml四つ口フラスコに、ポリエステルポリオールA164.5部、ジメチロールブタン酸3.9部を仕込み、乾燥窒素で置換しながら90℃まで昇温して、透明状態にした。次いで撹拌下、イソホロンジイソシアネート11.6部を30分間かけて滴下し、更に3時間反応させて、数平均分子量約30,000のポリウレタンを得た。反応終了後、85℃まで冷却し、15分から20分かけてメチルエチルケトン370部とイソプロピルアルコール90部を滴下して希釈した。更に75℃に冷却し、カルボキシル基と等モルに相当する25%のアンモニア水1.8部を含む蒸留水360部を1時間かけて加えて中和反応を行った。65℃で1時間熟成した後、85℃で減圧脱溶剤を行い、固形分約30重量%の水性ウレタン樹脂エマルジョン(A)を得た。
(合成例2〜3、比較合成例1〜6)
表2に示す配合に基づいて合成例1と同様の手順により、合成例2〜4、比較合成例1〜6hの水性ポリウレタン樹脂を得た。
水性ポリウレタン樹脂を用いたラミネート接着剤の調整
次に、上記で合成した水性ポリウレタン樹脂に、表3および表5に示す配合量で以下に示すようにして硬化剤を加えて、実施例1〜3、比較例1〜6のラミネート接着剤を得た。
Figure 2005290285
固形分30重量%に調整した接着剤主剤100部に対して、接着剤硬化剤として水性イソシアネートであるEL436B(日本曹達(株)製)を表3に表記された量を、使用直前に混合して接着剤を得た。こうして得られた接着剤を混合直後に下記のフィルムに対してそれぞれドライラミネート加工し、複合フィルムを得た。
(ラミネートフィルム構成)
PETフィルム12μm/Newファイン//アルミフィルム9μm
アルミフィルム9μm//CPP(無延伸ポリプロピレン)フィルム60μm
NYフィルム15μm/Newファイン//CPPフィルム60μm
Newファイン:溶剤系インキ (R39アイ/R630白)東洋モートン(株)製
無地:インキ無し、白:白インキ、重ね:白インキと藍インキ
(ラミネート加工)
PETフィルム、アルミフィルム、ナイロンフィルムのそれぞれに、接着剤を固形分換算3.5g/mで塗布し、80℃で30秒乾燥させた。乾燥後、その上にアルミフィルム
もしくはCPPフィルムを50℃、5Kgf/cmでラミネートした。これを40℃で4
8時間養生した。
(評価方法)
常態強度は養生後の接着強度を測定した。レトルト試験は約120℃のお湯の中に30分間浸漬し、その後の接着強度を測定した。接着強度の測定はJIS−Z1701(食品包装プラスチィクフィルム)に準じたT剥離試験を行った。測定装置はテンシロン型引張試験機を使用して、テストピース巾は15mmで引張速度は300mm/minで行った。このラミネートフィルムの接着性能評価試験結果を表4と表6に示す。
Figure 2005290285
Figure 2005290285
Figure 2005290285
PETf、Nyf:PETフィルム、ナイロンフィルム破断
○:フィルム外観に全く変化が見られない。
△:フィルムのごく一部がデラミネートしている。
×:フィルムの一部がデラミネートしている。
以上の結果から、ポリエステルポリオールA〜Cを使用した実施例1〜3のラミネート接着剤は、比較例1〜6の接着剤に比較して、高い接着性、耐レトルト性を示した。
特開2004−43519号公報に開示された処方では、芳香族ジカルボン酸及び脂環族ジカルボン酸の合計が酸成分の10重量%〜60重量%の範囲で、分岐グリコールがグリコール成分の30〜100重量%の範囲であることが望ましいとある。比較例6は、特開2004−43519号公報の合成例2に相当するものであるが、実施例1〜3と比較して明らかなように、接着力、耐レトルト性の点で劣る。
本発明の水性接着剤は水に溶解もしくは分散し得るものでありながら、耐水性、耐酸性及び接着性に優れる樹脂層を形成し得るので、水性接着剤に限らず、水性塗料、水性インキなどの利用が期待できる。

Claims (2)

  1. ポリエステルポリオール(A)と、ポリイソシアネート(B)と、イソシアネート基と反応しうる官能基および親水性基を有する化合物(C)とを反応させてなる、末端が水酸基であり親水性基を有するポリウレタン樹脂を、乳化させた水性ポリウレタン樹脂を主剤とし、
    硬化剤を助剤とする金属フィルム用ドライラミネート接着剤組成物であって、
    前記ポリウレタン樹脂の酸価が、3〜15[mg KOH/g]であって、かつ、
    前記ポリエステルポリオール(A)は、ポリカルボン酸と、ポリオールとの縮合構造を含み、かつ、前記ポリカルボン酸が、ポリカルボン酸全体に対して60重量%超80重量%以下の芳香族ポリカルボン酸を含むものである金属フィルム用ドライラミネート接着剤組成物。
  2. 金属フィルム、請求項1記載の金属フィルム用ドライラミネート接着剤、フィルムの順に積層されてなる積層体。
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