JP2005290133A - 紫外線硬化型低屈折率材組成物及び反射防止膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】 低照射光量でも硬化性が良好で、硬化させたときに耐擦傷性、塗工性及び耐久性に優れ、かつ、硬化膜が実質的に透明で色調に優れた紫外線硬化型低屈折率材組成物及び反射防止膜を提供する。
【解決手段】 エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体と、少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物及び/又は少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物と、波長365nmにおける吸光係数が5×102ml/g・cm以上であって、かつ、波長405nmにおける吸光係数が1×102ml/g・cm以下の光重合開始剤とを含み、光重合開始剤の含有量が、組成物全量を100重量%としたとき、0.01〜15重量%である紫外線硬化型低屈折率材組成物。
【選択図】 図1
【解決手段】 エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体と、少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物及び/又は少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物と、波長365nmにおける吸光係数が5×102ml/g・cm以上であって、かつ、波長405nmにおける吸光係数が1×102ml/g・cm以下の光重合開始剤とを含み、光重合開始剤の含有量が、組成物全量を100重量%としたとき、0.01〜15重量%である紫外線硬化型低屈折率材組成物。
【選択図】 図1
Description
本発明は、紫外線硬化型低屈折率材組成物及び反射防止膜に関する。より詳細には、低照射光量でも硬化性が良好で、硬化させたときに、耐擦傷性、塗工性、及び耐久性に優れた硬化物が得られる紫外線硬化型低屈折率材組成物、及びそのような硬化物からなる低屈折率層を含む反射防止膜に関する。
液晶表示パネル、冷陰極線管パネル、プラズマディスプレー等の各種表示パネルにおいて、外光の映りを防止し、画質を向上させるために、低屈折率性、耐擦傷性、塗工性、及び耐久性に優れた硬化物からなる低屈折率層を含む反射防止膜が求められている。
このような反射防止膜は、低屈折率層用材料、例えば、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体と、光重合開始剤を含む硬化性組成物の硬化物から構成されている。
従来の光重合開始剤としては、例えば、IRGACURE184(商品名、チバガイギー製)等のごとき、波長365nmにおける吸光係数が5×102ml/g・cm未満のものが用いられてきた。
しかし、このような開始剤は、低照射光量(例えば、200mJ程度)の場合に硬化が不十分となる問題を有している。
このような反射防止膜は、低屈折率層用材料、例えば、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体と、光重合開始剤を含む硬化性組成物の硬化物から構成されている。
従来の光重合開始剤としては、例えば、IRGACURE184(商品名、チバガイギー製)等のごとき、波長365nmにおける吸光係数が5×102ml/g・cm未満のものが用いられてきた。
しかし、このような開始剤は、低照射光量(例えば、200mJ程度)の場合に硬化が不十分となる問題を有している。
従って、本発明は、低照射光量でも硬化性が良好で、硬化させたときに耐擦傷性、塗工性及び耐久性に優れ、かつ、硬化膜が実質的に透明で色調に優れた紫外線硬化型低屈折率材組成物及び反射防止膜を提供することを目的とする。
本発明によれば、以下の紫外線硬化型低屈折率材組成物等が提供される。
1.エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体と、
少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物及び/又は少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物と、
波長365nmにおける吸光係数が5×102ml/g・cm以上であって、かつ、波長405nmにおける吸光係数が1×102ml/g・cm以下の光重合開始剤と
を含み、前記光重合開始剤の含有量が、組成物全量を100重量%としたとき、0.01〜15重量%である紫外線硬化型低屈折率材組成物。
2.前記(メタ)アクリロイル基の総濃度が、1.9mmol/g以上である1に記載の紫外線硬化型低屈折率材組成物。
3.1又は2に記載の紫外線硬化型低屈折率材組成物を硬化させた硬化物からなる低屈折率層を含む反射防止膜。
1.エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体と、
少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物及び/又は少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物と、
波長365nmにおける吸光係数が5×102ml/g・cm以上であって、かつ、波長405nmにおける吸光係数が1×102ml/g・cm以下の光重合開始剤と
を含み、前記光重合開始剤の含有量が、組成物全量を100重量%としたとき、0.01〜15重量%である紫外線硬化型低屈折率材組成物。
2.前記(メタ)アクリロイル基の総濃度が、1.9mmol/g以上である1に記載の紫外線硬化型低屈折率材組成物。
3.1又は2に記載の紫外線硬化型低屈折率材組成物を硬化させた硬化物からなる低屈折率層を含む反射防止膜。
本発明の紫外線硬化型低屈折率材組成物は、低照射光量でも硬化性が良好であり、その硬化膜は、実質的に透明で色調に優れ、その反射防止膜によれば、優れた耐擦傷性、塗工性、及び耐久性が得られる。本発明の組成物は、紫外線硬化速度が従来のものよりも向上している。
本発明の紫外線硬化型低屈折率材組成物、及び反射防止膜の実施形態について、以下説明する。
本発明の紫外線硬化型低屈折率材組成物は、下記の(イ)〜(ハ)成分を含む。
(イ)エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体
(ロ)少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物、及び/又は、少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物
(ハ)波長365nmにおける吸光係数が5.0×102ml/g・cm以上であって、かつ、波長405nmにおける吸光係数が1×102ml/g・cm以下の光重合開始剤
(イ)エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体
(ロ)少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物、及び/又は、少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物
(ハ)波長365nmにおける吸光係数が5.0×102ml/g・cm以上であって、かつ、波長405nmにおける吸光係数が1×102ml/g・cm以下の光重合開始剤
本発明で用いるエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体は、好ましくは、1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基とを含有する化合物と、水酸基含有含フッ素重合体とをイソシアネート基/水酸基のモル比が1.1〜1.9の割合で反応させて得られる。
このようなモル比で反応させることにより、すべての水酸基をイソシアネート基と反応させたエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体を得ることができる。その結果、耐ガーゼ摩耗性等の耐擦傷性及び耐アルカリ性等の耐久性が高まる。
このようなモル比で反応させることにより、すべての水酸基をイソシアネート基と反応させたエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体を得ることができる。その結果、耐ガーゼ摩耗性等の耐擦傷性及び耐アルカリ性等の耐久性が高まる。
1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基とを含有する化合物としては、分子内に、1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を含有している化合物であれば特に制限されるものではない。
尚、イソシアネート基を2個以上含有すると、水酸基含有含フッ素重合体と反応させる際にゲル化を起こす可能性がある。
また、上記エチレン性不飽和基として、本発明の組成物をより容易に硬化させることができることから、(メタ)アクリロイル基を有する化合物がより好ましい。
エチレン性不飽和基を(メタ)アクリロイル基とすることにより、紫外線により発生したラジカルによる重合反応によってエチレン性不飽和基含有フッ素重合体を重合させ、塗膜を硬化することができる。
このような化合物としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネートの一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートを用いることにより、低屈折率を維持しつつ、エチレン性不飽和基を導入することができる。
尚、イソシアネート基を2個以上含有すると、水酸基含有含フッ素重合体と反応させる際にゲル化を起こす可能性がある。
また、上記エチレン性不飽和基として、本発明の組成物をより容易に硬化させることができることから、(メタ)アクリロイル基を有する化合物がより好ましい。
エチレン性不飽和基を(メタ)アクリロイル基とすることにより、紫外線により発生したラジカルによる重合反応によってエチレン性不飽和基含有フッ素重合体を重合させ、塗膜を硬化することができる。
このような化合物としては、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルイソシアネートの一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートを用いることにより、低屈折率を維持しつつ、エチレン性不飽和基を導入することができる。
尚、このような化合物は、ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて合成することもできる。
この場合、ジイソシアネートの例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5(又は6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらの中では、2,4−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネアート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンが特に好ましい。
この場合、ジイソシアネートの例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルフェニレンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、1,6−ヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネート)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアネートエチル)フマレート、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシアネート、4−ジフェニルプロパンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、2,5(又は6)−ビス(イソシアネートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらの中では、2,4−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネアート)、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサンが特に好ましい。
また、水酸基含有(メタ)アクリレートの例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレートモノステアレート、イソシアヌル酸EO変性ジ(メタ)アクリレート等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
尚、水酸基含有多官能(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、大阪有機化学(株)製 商品名 HEA、日本化薬(株)製 商品名 KAYARAD DPHA、PET−30、東亞合成(株)製 商品名 アロニックス M−215、M−233、M−305、M−400等として入手することができる。
これらの中では、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
尚、水酸基含有多官能(メタ)アクリレートの市販品としては、例えば、大阪有機化学(株)製 商品名 HEA、日本化薬(株)製 商品名 KAYARAD DPHA、PET−30、東亞合成(株)製 商品名 アロニックス M−215、M−233、M−305、M−400等として入手することができる。
ジイソシアネート及び水酸基含有多官能(メタ)アクリレートから合成する場合には、ジイソシアネート1モルに対し、水酸基含有多官能(メタ)アクリレートの添加量を1〜1.2モルとするのが好ましい。
このような化合物の合成方法としては、ジイソシアネート及び水酸基含有(メタ)アクリレートを一括で仕込んで反応させる方法、水酸基含有(メタ)アクリレート中にジイソシアネートを滴下して反応させる方法等を挙げることができる。
本発明で用いる水酸基含有含フッ素重合体は、好ましくは、下記構造単位(a)を含む。
(a)下記一般式(1)で表される構造単位。
[一般式(1)中、R1はフッ素原子、フルオロアルキル基、又は−OR2で表される基(R2はアルキル基、又はフルオロアルキル基を示す)を示す]
(a)下記一般式(1)で表される構造単位。
上記一般式(1)において、R1及びR2のフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロシクロヘキシル基等の炭素数1〜6のフルオロアルキル基が挙げられる。また、R2のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜6のアルキル基が挙げられる。
構造単位(a)は、含フッ素ビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このような含フッ素ビニル単量体としては、少なくとも1個の重合性不飽和二重結合と、少なくとも1個のフッ素原子とを有する化合物であれば特に制限されるものではない。このような例としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン等のフルオロレフィン類;アルキルパーフルオロビニルエーテル又はアルコキシアルキルパーフルオロビニルエーテル類;パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パーフルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、パーフルオロ(ブチルビニルエーテル)、パーフルオロ(イソブチルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)類;パーフルオロ(プロポキシプロピルビニルエーテル)等のパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)類の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
これらの中でも、ヘキサフルオロプロピレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)又はパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)がより好ましく、これらを組み合わせて用いることがさらに好ましい。
これらの中でも、ヘキサフルオロプロピレンとパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)又はパーフルオロ(アルコキシアルキルビニルエーテル)がより好ましく、これらを組み合わせて用いることがさらに好ましい。
尚、構造単位(a)の含有率は、水酸基含有含フッ素重合体の全体量を100モル%としたときに、20〜70モル%である。この理由は、含有率が20モル%未満になると、本願が意図するところの光学的にフッ素含有材料の特徴である、低屈折率の発現が困難となる場合があるためであり、一方、含有率が70モル%を超えると、水酸基含有含フッ素重合体の有機溶剤への溶解性、透明性、又は基材への密着性が低下する場合があるためである。
また、このような理由により、構造単位(a)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体の全体量に対して、25〜65モル%とするのがより好ましく、30〜60モル%とするのがさらに好ましい。
また、このような理由により、構造単位(a)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体の全体量に対して、25〜65モル%とするのがより好ましく、30〜60モル%とするのがさらに好ましい。
水酸基含有含フッ素重合体は、好ましくは、下記構造単位(b)を含む。
(b)下記一般式(2)で表される構造単位。
[一般式(2)中、R3は水素原子又はメチル基を、R4はアルキル基、−(CH2)x−OR5若しくは−OCOR5で表される基(R5はアルキル基、又はグリシジル基を、xは0又は1の数を示す)、カルボキシル基、又はアルコキシカルボニル基を示す]
(b)下記一般式(2)で表される構造単位。
一般式(2)において、R4又はR5のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ラウリル基等の炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、アルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等が挙げられる。
構造単位(b)は、上述の置換基を有するビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このようなビニル単量体の例としては、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテルもしくはシクロアルキルビニルエーテル類;エチルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル等のアリルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロポキシ)エチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸類等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
尚、構造単位(b)の含有率は、水酸基含有含フッ素重合体の全体量を100モル%としたときに、10〜70モル%である。この理由は、含有率が10モル%未満になると、水酸基含有含フッ素重合体の有機溶剤への溶解性が低下する場合があるためであり、一方、含有率が70モル%を超えると、水酸基含有含フッ素重合体の透明性、及び低反射率性等の光学特性が低下する場合があるためである。
また、このような理由により、構造単位(b)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体の全体量に対して、20〜60モル%とするのがより好ましく、30〜60モル%とするのがさらに好ましい。
また、このような理由により、構造単位(b)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体の全体量に対して、20〜60モル%とするのがより好ましく、30〜60モル%とするのがさらに好ましい。
水酸基含有含フッ素重合体は、好ましくは、下記構造単位(c)を含む。
(c)下記一般式(3)で表される構造単位。
[一般式(3)中、R6は水素原子、又はメチル基を、R7は水素原子、又はヒドロキシアルキル基を、vは0又は1の数を示す]
(c)下記一般式(3)で表される構造単位。
一般式(3)において、R7のヒドロキシアルキル基としては、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、5−ヒドロキシペンチル基、6−ヒドロキシヘキシル基が挙げられる。
構造単位(c)は、水酸基含有ビニル単量体を重合成分として用いることにより導入することができる。このような水酸基含有ビニル単量体の例としては、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、3−ヒドロキシブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル類、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等の水酸基含有アリルエーテル類、アリルアルコール等が挙げられる。
また、水酸基含有ビニル単量体としては、上記以外にも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等を用いることができる。
また、水酸基含有ビニル単量体としては、上記以外にも、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、カプロラクトン(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等を用いることができる。
尚、構造単位(c)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体の全体量を100モル%としたときに、5〜70モル%とすることが好ましい。この理由は、含有率が5モル%未満になると、水酸基含有含フッ素重合体の有機溶剤への溶解性が低下する場合があるためであり、一方、含有率が70モル%を超えると、水酸基含有含フッ素重合体の透明性、及び低反射率性等の光学特性が低下する場合があるためである。
また、このような理由により、構造単位(c)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体の全体量に対して、5〜40モル%とするのがより好ましく、5〜30モル%とするのがさらに好ましい。
また、このような理由により、構造単位(c)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体の全体量に対して、5〜40モル%とするのがより好ましく、5〜30モル%とするのがさらに好ましい。
また、水酸基含有含フッ素重合体は、さらに下記構造単位(d)を含んで構成することも好ましい。
(d)下記一般式(4)で表される構造単位。
[一般式(4)中、R8及びR9は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、又はアリール基を示す]
構造単位(d)を含むことにより、耐擦傷性が向上する。
以下、構造単位(d)について説明する。
(d)下記一般式(4)で表される構造単位。
構造単位(d)を含むことにより、耐擦傷性が向上する。
以下、構造単位(d)について説明する。
一般式(4)において、R8又はR9のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基が、ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基等の炭素数1〜4のフルオロアルキル基等が、アリール基としてはフェニル基、ベンジル基、ナフチル基等がそれぞれ挙げられる。
構造単位(d)は、前記一般式(4)で表されるポリシロキサンセグメントを有するアゾ基含有ポリシロキサン化合物を用いることにより導入することができる。このようなアゾ基含有ポリシロキサン化合物の例としては、下記一般式(5)で表される化合物が挙げられる。
一般式(5)で表される化合物を用いた場合には、構造単位(d)は、下記構造単位(e)の一部として水酸基含有含フッ素重合体に含まれる。
(e)下記一般式(6)で表わされる構造単位。
[一般式(6)中、R10〜R13、R14〜R17、p、q、s、t、yは、上記一般式(5)と同じである]
(e)下記一般式(6)で表わされる構造単位。
一般式(5)において、R10〜R13のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、R14〜R17のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜3のアルキル基が挙げられる。
尚、構造単位(d)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体の全体量を100モル%としたときに、0.1〜10モル%とすることが好ましい。この理由は、含有率が0.1モル%未満になると、硬化後の塗膜の表面滑り性が低下し、塗膜の耐擦傷性が低下する場合があるためであり、一方、含有率が10モル%を超えると、水酸基含有含フッ素重合体の透明性に劣り、コート材として使用する際に、塗布時にハジキ等が発生し易くなる場合があるためである。
また、このような理由により、構造単位(d)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体の全体量に対して、0.1〜5モル%とするのがより好ましく、0.1〜3モル%とするのがさらに好ましい。同じ理由により、構造単位(e)の含有率は、その中に含まれる構造単位(d)の含有率を上記範囲にするよう決定することが望ましい。
また、このような理由により、構造単位(d)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体の全体量に対して、0.1〜5モル%とするのがより好ましく、0.1〜3モル%とするのがさらに好ましい。同じ理由により、構造単位(e)の含有率は、その中に含まれる構造単位(d)の含有率を上記範囲にするよう決定することが望ましい。
また、水酸基含有含フッ素重合体は、さらに下記構造単位(f)を含んで構成することも好ましい。
(f)下記一般式(8)で表される構造単位。
[一般式(6)中、R18は乳化作用を有する基を示す]
構造単位(f)を含むことにより、塗工性が向上する。
以下、構造単位(f)について説明する。
(f)下記一般式(8)で表される構造単位。
構造単位(f)を含むことにより、塗工性が向上する。
以下、構造単位(f)について説明する。
一般式(8)において、R18の乳化作用を有する基としては、疎水性基及び親水性基の双方を有し、かつ、親水性基がポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド等のポリエーテル構造である基が好ましい。
構造単位(f)は、反応性乳化剤を重合成分として用いることにより導入することができる。このような反応性乳化剤としては、下記一般式(10)で表される化合物が挙げられる。
[一般式(10)中、n、m、及びuは、上記一般式(9)と同様である]
尚、構造単位(f)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体の全体量を100モル%としたときに、0.1〜5モル%とすることが好ましい。この理由は、含有率が0.1モル%以上になると、水酸基含有含フッ素重合体の溶剤への溶解性が向上し、一方、含有率が5モル%以内であれば、組成物の粘着性が過度に増加せず、取り扱いが容易になり、コート材等に用いても耐湿性が低下しないためである。
また、このような理由により、構造単位(f)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体の全体量に対して、0.1〜3モル%とするのがより好ましく、0.2〜3モル%とするのがさらに好ましい。
また、このような理由により、構造単位(f)の含有率を、水酸基含有含フッ素重合体の全体量に対して、0.1〜3モル%とするのがより好ましく、0.2〜3モル%とするのがさらに好ましい。
水酸基含有含フッ素重合体は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下「GPC」という。)で、テトラヒドロフラン(以下「THF」という。)を溶剤として測定したポリスチレン換算数平均分子量が5,000〜500,000であることが好ましい。この理由は、数平均分子量が5,000未満になると、水酸基含有含フッ素重合体の機械的強度が低下する場合があるためであり、一方、数平均分子量が500,000を超えると、組成物の粘度が高くなり、薄膜コーティングが困難となる場合がるためである。
また、このような理由により、水酸基含有含フッ素重合体のポリスチレン換算数平均分子量を10,000〜300,000とするのがより好ましく、10,000〜100,000とするのがさらに好ましい。
また、このような理由により、水酸基含有含フッ素重合体のポリスチレン換算数平均分子量を10,000〜300,000とするのがより好ましく、10,000〜100,000とするのがさらに好ましい。
本発明で用いるエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体は、上述した、1個のイソシアネート基と、少なくとも1個のエチレン性不飽和基とを含有する化合物と、水酸基含有含フッ素重合体とを、好ましくは、イソシアネート基/水酸基のモル比が1.1〜1.9の割合で反応させて得られる。この理由は、モル比が1.1未満になると耐擦傷性及び耐久性が低下する場合があるためであり、一方、モル比が1.9を超えると、組成物の塗膜のアルカリ水溶液浸漬後の耐擦傷性が低下する場合があるためである。
また、このような理由により、イソシアネート基/水酸基のモル比を、1.1〜1.5とするのが好ましく、1.2〜1.5とするのがより好ましい。
また、このような理由により、イソシアネート基/水酸基のモル比を、1.1〜1.5とするのが好ましく、1.2〜1.5とするのがより好ましい。
(イ)成分の含有量については、特に制限されるものではないが、通常、組成物全量を100重量%としたとき、3〜95重量%である。この理由は、添加量が3重量%未満となると、組成物の硬化塗膜の屈折率が高くなり、十分な反射防止効果が得られない場合があるためであり、一方、添加量が95重量%を超えると、組成物の硬化塗膜の耐擦傷性が得られない場合があるためである。
また、このような理由から、(イ)成分の添加量を5〜90重量%とするのがより好ましく、10〜80重量%とするのがさらに好ましい。
また、このような理由から、(イ)成分の添加量を5〜90重量%とするのがより好ましく、10〜80重量%とするのがさらに好ましい。
本発明で用いる少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物は、組成物を硬化して得られる硬化物及びそれを用いた反射防止膜の耐擦傷性を高めるために用いられる。
この化合物については、分子内に少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する化合物であれば特に制限されるものではない。このような例としては、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、「U−15HA」(商品名、新中村化学社製)等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
尚、これらのうち、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
尚、これらのうち、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート及びカプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが特に好ましい。
本発明で用いる少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物は、組成物の屈折率を低下させるために用いられる。
この化合物については、少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物であれば特に制限されるものではない。このような例として、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
(ロ)成分の含有量については、特に制限されるものではないが、通常、組成物全量を100重量%としたとき、3〜95重量%である。この理由は、添加量が3重量%未満となると、組成物の硬化塗膜の耐擦傷性が得られない場合があるためであり、一方、添加量が95重量%を超えると、組成物の硬化塗膜の屈折率が高くなり、十分な反射防止効果が得られない場合があるためである。
また、このような理由から、(ロ)成分の添加量を5〜90重量%とするのがより好ましく、10〜80重量%とするのがさらに好ましい。
さらに、本発明では、組成物中の(メタ)アクリロイル基総濃度を1.9mmol/g以上にすることが好ましく、2.0mmol/g以上にすることがより好ましい。
また、このような理由から、(ロ)成分の添加量を5〜90重量%とするのがより好ましく、10〜80重量%とするのがさらに好ましい。
さらに、本発明では、組成物中の(メタ)アクリロイル基総濃度を1.9mmol/g以上にすることが好ましく、2.0mmol/g以上にすることがより好ましい。
本発明で用いる光重合開始剤は、紫外線照射線によって組成物を硬化させるために用いられる。具体的には、活性種として、ラジカルを発生する光ラジカル発生剤等が挙げられる。
本発明で用いる光重合開始剤は、365nmにおける吸光係数が5×102ml/g・cm以上、好ましくは7×102ml/g・cm以上、より好ましくは1×103ml/g・cm以上である。
また、本発明で用いる光重合開始剤は、405nmにおける吸光係数が1×102ml/g・cm以下、好ましくは5×101ml/g・cm以下、より好ましくは1×101ml/g・cm以下である。
このような吸光係数の光重合開始剤を用いれば、低照射光量(例えば、200mJ程度)でも、硬化性が良好となり、色調に優れた(色目がつかない)硬化物が得られる。
本発明で用いる光重合開始剤は、365nmにおける吸光係数が5×102ml/g・cm以上、好ましくは7×102ml/g・cm以上、より好ましくは1×103ml/g・cm以上である。
また、本発明で用いる光重合開始剤は、405nmにおける吸光係数が1×102ml/g・cm以下、好ましくは5×101ml/g・cm以下、より好ましくは1×101ml/g・cm以下である。
このような吸光係数の光重合開始剤を用いれば、低照射光量(例えば、200mJ程度)でも、硬化性が良好となり、色調に優れた(色目がつかない)硬化物が得られる。
光ラジカル発生剤の例としては、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、イルガキュア1300(商品名、チバスペシャリティケミカルズ(株)製)等が好ましく、さらに好ましくは、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド等を挙げることができる。
(ハ)成分の含有量は、組成物全量を100重量%としたとき、0.01〜15重量%、好ましくは0.05〜15重量%、より好ましくは0.1〜15重量%である。含有量が0.01重量%未満では、硬化反応が不十分となり耐擦傷性が低下する場合がある。一方、15重量%を越えると、可塑剤として働き、耐擦傷性を損なう場合や、硬化膜に異物が発生して外観を損なう場合がある。
尚、本発明の組成物では、365nmにおける吸光係数が5×102ml/g・cm以上、かつ、405nmにおける吸光係数が1×102ml/g・cm以下の開始剤の含有量が上記範囲であれば、吸光係数が5×102ml/g・cm未満の開始剤(例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等)と併用してもよい。
尚、本発明の組成物では、365nmにおける吸光係数が5×102ml/g・cm以上、かつ、405nmにおける吸光係数が1×102ml/g・cm以下の開始剤の含有量が上記範囲であれば、吸光係数が5×102ml/g・cm未満の開始剤(例えば、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等)と併用してもよい。
本発明の組成物では、熱により活性種を発生する化合物(以下「熱重合開始剤」という。)を光重合開始剤と共に用いてもよい。このような化合物としては、活性種として、ラジカルを発生する熱ラジカル発生剤等が挙げられる。
熱ラジカル発生剤の例としては、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチル−オキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル、アセチルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、tert−ブチルパーアセテート、クミルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等の一種単独又は二種以上の組み合わせを挙げることができる。
熱重合開始剤の添加量についても特に制限されるものではないが、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体100重量部に対し、0.01〜20重量部とするのが好ましい。この理由は、添加量が0.01重量部未満となると、硬化反応が不十分となり耐擦傷性、アルカリ水溶液浸漬後の耐擦傷性が低下する場合があるためである。一方、光重合開始剤の添加量が20重量部を超えると、硬化物の屈折率が増加し反射防止効果が低下する場合があるためである。
また、このような理由から、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体100重量部に対し、熱重合開始剤の添加量を0.05〜15重量部とするのがより好ましく、0.1〜15重量部とするのがさらに好ましい。
また、このような理由から、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体100重量部に対し、熱重合開始剤の添加量を0.05〜15重量部とするのがより好ましく、0.1〜15重量部とするのがさらに好ましい。
また、組成物中には、さらに有機溶媒を添加することが好ましい。このように有機溶媒を添加することにより、薄膜の反射防止膜を均一に形成することができる。このような有機溶媒としては、メチルイソブチルケトン(以下「MIBK」という場合がある。)、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、t−ブタノール、イソプロパノール等の一種単独又は二種以上の組み合わせが挙げられる。
有機溶媒の添加量についても特に制限されるものではないが、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体100重量部に対し、100〜100,000重量部とするのが好ましい。この理由は、添加量が100重量部未満となると、組成物の粘度調整が困難となる場合があるためであり、一方、添加量が100,000重量部を超えると、組成物の保存安定性が低下したり、あるいは粘度が低下しすぎて取り扱いが困難となる場合があるためである。
本発明の組成物には、本発明の目的や効果を損なわない範囲において、ラジカル性光重合開始剤、光増感剤、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、無機充填剤、顔料、染料等の添加剤をさらに含有させることも好ましい。
本発明の組成物は、上記(イ)〜(ハ)成分、又は必要に応じて有機溶剤、及び添加剤をそれぞれ添加して、室温又は加熱条件下で混合することにより調製することができる。具体的には、ミキサ、ニーダー、ボールミル、三本ロール等の混合機を用いて調製することができる。ただし、加熱条件下で混合する場合には、熱重合開始剤の分解開始温度以下で行うことが好ましい。
本発明の組成物の硬化条件についても特に制限されるものではないが、紫外線露光量を0.01〜10J/cm2とするのが好ましい。
この理由は、露光量が0.01J/cm2未満となると、硬化不良が生じる場合があるためであり、一方、露光量が10J/cm2を超えると、硬化時間が過度に長くなる場合があるためである。
また、このような理由により、露光量を0.1〜5J/cm2とするのがより好ましく、0.2〜3J/cm2とするのがより好ましい。
この理由は、露光量が0.01J/cm2未満となると、硬化不良が生じる場合があるためであり、一方、露光量が10J/cm2を超えると、硬化時間が過度に長くなる場合があるためである。
また、このような理由により、露光量を0.1〜5J/cm2とするのがより好ましく、0.2〜3J/cm2とするのがより好ましい。
次に、本発明の反射防止膜について説明する。
本発明の反射防止膜は、上記組成物を硬化させた硬化物からなる低屈折率層を含む。さらに、本発明の反射防止膜は、低屈折率層の下に、高屈折率層、ハードコート層、及び基材を含むことができる。
図1に、かかる反射防止膜10を示す。図1に示すように、基材12の上に、ハードコート層14、高屈折率層16及び低屈折率層18が積層されている。
このとき、基材12の上に、ハードコート層14を設けずに、直接、高屈折率層16を形成してもよい。
また、高屈折率層16と低屈折率層18の間、又は高屈折率層16とハードコート層14の間に、さらに、中屈折率層(図示せず。)を設けてもよい。
本発明の反射防止膜は、上記組成物を硬化させた硬化物からなる低屈折率層を含む。さらに、本発明の反射防止膜は、低屈折率層の下に、高屈折率層、ハードコート層、及び基材を含むことができる。
図1に、かかる反射防止膜10を示す。図1に示すように、基材12の上に、ハードコート層14、高屈折率層16及び低屈折率層18が積層されている。
このとき、基材12の上に、ハードコート層14を設けずに、直接、高屈折率層16を形成してもよい。
また、高屈折率層16と低屈折率層18の間、又は高屈折率層16とハードコート層14の間に、さらに、中屈折率層(図示せず。)を設けてもよい。
低屈折率層は、本発明の組成物を硬化して得られる硬化物から構成される。組成物の構成等については、上述の通りであるため、ここでの具体的な説明は省略するものとし、以下、低屈折率層の屈折率及び厚さについて説明する。
本発明の組成物を硬化して得られる硬化物の屈折率(Na−D線の屈折率、測定温度25℃)、即ち、低屈折率層の屈折率を1.45以下とすることが好ましい。この理由は、低屈折率層の屈折率が1.45を超えると、高屈折率層と組み合わせた場合に、反射防止効果が著しく低下する場合があるためである。
従って、低屈折率層の屈折率を1.44以下とするのがより好ましく、1.43以下とするのがさらに好ましい。
尚、低屈折率層を複数層設ける場合には、そのうちの少なくとも一層が上述した範囲内の屈折率の値を有していればよく、従って、その他の低屈折率層は1.45を超えた値であってもよい。
従って、低屈折率層の屈折率を1.44以下とするのがより好ましく、1.43以下とするのがさらに好ましい。
尚、低屈折率層を複数層設ける場合には、そのうちの少なくとも一層が上述した範囲内の屈折率の値を有していればよく、従って、その他の低屈折率層は1.45を超えた値であってもよい。
また、低屈折率層を設ける場合、より優れた反射防止効果が得られることから、高屈折率層との間の屈折率差を0.05以上の値とするのが好ましい。この理由は、低屈折率層と、高屈折率層との間の屈折率差が0.05未満の値となると、これらの反射防止膜層での相乗効果が得られず、却って反射防止効果が低下する場合があるためである。
従って、低屈折率層と、高屈折率層との間の屈折率差を0.1〜0.5とするのがより好ましく、0.15〜0.5とするのがさらに好ましい。
従って、低屈折率層と、高屈折率層との間の屈折率差を0.1〜0.5とするのがより好ましく、0.15〜0.5とするのがさらに好ましい。
また、低屈折率層の厚さについても特に制限されるものではないが、例えば、50〜300nmであることが好ましい。この理由は、低屈折率層の厚さが50nm未満となると、下地としての高屈折率膜に対する密着力が低下する場合があるためであり、一方、厚さが300nmを超えると、光干渉が生じて反射防止効果が低下する場合があるためである。
従って、低屈折率層の厚さを50〜250nmとするのがより好ましく、60〜200nmとするのがさらに好ましい。
尚、より高い反射防止性を得るために、低屈折率層を複数層設けて多層構造とする場合には、その合計した厚さを50〜300nmとすればよい。
従って、低屈折率層の厚さを50〜250nmとするのがより好ましく、60〜200nmとするのがさらに好ましい。
尚、より高い反射防止性を得るために、低屈折率層を複数層設けて多層構造とする場合には、その合計した厚さを50〜300nmとすればよい。
高屈折率層を形成するための硬化性組成物としては、特に制限されるものでないが、被膜形成成分として、エポキシ系樹脂、フェノ−ル系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、シアネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、シロキサン樹脂等の一種単独又は二種以上の組み合わせを含むことが好ましい。これらの樹脂であれば、高屈折率層として、強固な薄膜を形成することができ、結果として、反射防止膜の耐擦傷性を著しく向上させることができる。
しかしながら、通常、これらの樹脂単独での屈折率は1.45〜1.62であり、高い反射防止性能を得るには十分で無い場合がある。そのため、高屈折率の無機粒子、例えば金属酸化物粒子を配合することがより好ましい。また、硬化形態としては、熱硬化、紫外線硬化、電子線硬化できる硬化性組成物を用いることができるが、より好適には生産性の良好な紫外線硬化性組成物が用いられる。
しかしながら、通常、これらの樹脂単独での屈折率は1.45〜1.62であり、高い反射防止性能を得るには十分で無い場合がある。そのため、高屈折率の無機粒子、例えば金属酸化物粒子を配合することがより好ましい。また、硬化形態としては、熱硬化、紫外線硬化、電子線硬化できる硬化性組成物を用いることができるが、より好適には生産性の良好な紫外線硬化性組成物が用いられる。
高屈折率層の厚さは特に制限されるものではないが、例えば、50〜30,000nmであることが好ましい。この理由は、高屈折率層の厚さが50nm未満となると、低屈折率層と組み合わせた場合に、反射防止効果や基材に対する密着力が低下する場合があるためであり、一方、厚さが30,000nmを超えると、光干渉が生じて逆に反射防止効果が低下する場合があるためである。
従って、高屈折率層の厚さを50〜1,000nmとするのがより好ましく、60〜500nmとするのがさらに好ましい。
また、より高い反射防止性を得るために、高屈折率層を複数層設けて多層構造とする場合には、その合計した厚さを50〜30,000nmとすればよい。
尚、高屈折率層と基材との間にハードコート層を設ける場合には、高屈折率層の厚さを50〜300nmとすることができる。
従って、高屈折率層の厚さを50〜1,000nmとするのがより好ましく、60〜500nmとするのがさらに好ましい。
また、より高い反射防止性を得るために、高屈折率層を複数層設けて多層構造とする場合には、その合計した厚さを50〜30,000nmとすればよい。
尚、高屈折率層と基材との間にハードコート層を設ける場合には、高屈折率層の厚さを50〜300nmとすることができる。
本発明の反射防止膜に用いるハードコート層の構成材料については特に制限されるものでない。このような材料としては、シロキサン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の一種単独又は二種以上の組み合わせを挙げることができる。
また、ハードコート層の厚さについても特に制限されるものではないが、1〜50μmとするのが好ましく、5〜10μmとするのがより好ましい。この理由は、ハードコート層の厚さが1μm未満となると、反射防止膜の基材に対する密着力を向上させることができない場合があるためであり、一方、厚さが50μmを超えると、均一に形成するのが困難となる場合があるためである。
本発明の反射防止膜に用いる基材の種類は特に制限されるものではないが、例えば、ガラス、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)等からなる基材を挙げることができる。これらの基材を含む反射防止膜とすることにより、カメラのレンズ部、テレビ(CRT)の画面表示部、あるいは液晶表示装置におけるカラーフィルター等の広範な反射防止膜の利用分野において、優れた反射防止効果を得ることができる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれら実施例の記載に限定されるものではない。
製造例1
水酸基含有含フッ素重合体の合成
内容積2.0Lの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル400g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(FPVE)76.3g、エチルビニルエーテル(EVE)48.2g、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)25.2g、過酸化ラウロイル1.00g、上記一般式(8)で表されるアゾ基含有ポリジメチルシロキサン(VPS1001(商品名)、和光純薬工業(株)製)6.0g及びノニオン性反応性乳化剤(NE−30(商品名)、旭電化工業(株)製)20.0gを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。
次いで、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)100.0gを仕込み、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が60℃に達した時点での圧力は5.3×105Paを示した。その後、70℃で20時間攪拌下に反応を継続し、圧力が1.7×105Paに低下した時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを放出してオートクレーブを開放し、固形分濃度26.4%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液をメタノールに投入しポリマーを析出させた後、メタノールにて洗浄し、50℃にて真空乾燥を行い220gの水酸基含有含フッ素重合体を得た。使用した単量体と溶剤を表1に示す。
得られた水酸基含有含フッ素重合体に付き、GPCによるポリスチレン換算数平均分子量及びアリザリンコンプレクソン法によるフッ素含量をそれぞれ測定した。また、1H−NMR、13C−NMRの両NMR分析結果、元素分析結果及びフッ素含量から、水酸基含有含フッ素重合体を構成する各単量体成分の割合を決定した。結果を表2に示す。
水酸基含有含フッ素重合体の合成
内容積2.0Lの電磁攪拌機付きステンレス製オートクレーブを窒素ガスで十分置換した後、酢酸エチル400g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(FPVE)76.3g、エチルビニルエーテル(EVE)48.2g、ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)25.2g、過酸化ラウロイル1.00g、上記一般式(8)で表されるアゾ基含有ポリジメチルシロキサン(VPS1001(商品名)、和光純薬工業(株)製)6.0g及びノニオン性反応性乳化剤(NE−30(商品名)、旭電化工業(株)製)20.0gを仕込み、ドライアイス−メタノールで−50℃まで冷却した後、再度窒素ガスで系内の酸素を除去した。
次いで、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)100.0gを仕込み、昇温を開始した。オートクレーブ内の温度が60℃に達した時点での圧力は5.3×105Paを示した。その後、70℃で20時間攪拌下に反応を継続し、圧力が1.7×105Paに低下した時点でオートクレーブを水冷し、反応を停止させた。室温に達した後、未反応モノマーを放出してオートクレーブを開放し、固形分濃度26.4%のポリマー溶液を得た。得られたポリマー溶液をメタノールに投入しポリマーを析出させた後、メタノールにて洗浄し、50℃にて真空乾燥を行い220gの水酸基含有含フッ素重合体を得た。使用した単量体と溶剤を表1に示す。
得られた水酸基含有含フッ素重合体に付き、GPCによるポリスチレン換算数平均分子量及びアリザリンコンプレクソン法によるフッ素含量をそれぞれ測定した。また、1H−NMR、13C−NMRの両NMR分析結果、元素分析結果及びフッ素含量から、水酸基含有含フッ素重合体を構成する各単量体成分の割合を決定した。結果を表2に示す。
尚、VPS1001は、数平均分子量が7〜9万、ポリシロキサン部分の分子量が約10,000の、上記一般式(8)で表されるアゾ基含有ポリジメチルシロキサンである。NE−30は、上記一般式(10)において、nが9、mが1、uが30であるノニオン性反応性乳化剤である。
さらに、表2において、単量体と構造単位との対応関係は以下の通りである。
単量体 構造単位
ヘキサフルオロプロピレン (a)
パーフルオロ(プロピルビニルエーテル) (a)
エチルビニルエーテル (b)
ヒドロキシエチルビニルエーテル (c)
NE−30 (f)
ポリジメチルシロキサン骨格 (d)
さらに、表2において、単量体と構造単位との対応関係は以下の通りである。
単量体 構造単位
ヘキサフルオロプロピレン (a)
パーフルオロ(プロピルビニルエーテル) (a)
エチルビニルエーテル (b)
ヒドロキシエチルビニルエーテル (c)
NE−30 (f)
ポリジメチルシロキサン骨格 (d)
製造例2
ジルコニア含有ハードコート層用組成物の調製
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8部、ジブチルスズジラウレート0.2部からなる溶液に対し、イソフォロンジイソシアネート20.6部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間攪拌した。これにペンタエリスリトールトリアクリレート71.4部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間加熱攪拌することで有機化合物(S1)を得た。
次に、合成した有機化合物(S1)8.2部、トルエンジルコニアゾル(数平均粒子径0.01μm、ジルコニア濃度30%)91.8部、メチルエチルケトン41.2部、イオン交換水0.1部の混合液を、60℃、4時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.3部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで架橋性粒子分散液(分散液a)を得た。この分散液aをアルミ皿に2g秤量後、120℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、25%であった。
乾燥空気気流下、紫外線を遮蔽した容器中において、製造した分散液aを312部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート12.0部、ペンタエリスリトールトリアクリレート9.0部、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン1.0部を50℃で2時間攪拌することで均一な溶液のハードコート層用組成物を得た。この組成物をアルミ皿に2g秤量後、120℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、30%であった。
ジルコニア含有ハードコート層用組成物の調製
乾燥空気中、メルカプトプロピルトリメトキシシラン7.8部、ジブチルスズジラウレート0.2部からなる溶液に対し、イソフォロンジイソシアネート20.6部を攪拌しながら50℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間攪拌した。これにペンタエリスリトールトリアクリレート71.4部を30℃で1時間かけて滴下後、60℃で3時間加熱攪拌することで有機化合物(S1)を得た。
次に、合成した有機化合物(S1)8.2部、トルエンジルコニアゾル(数平均粒子径0.01μm、ジルコニア濃度30%)91.8部、メチルエチルケトン41.2部、イオン交換水0.1部の混合液を、60℃、4時間攪拌後、オルト蟻酸メチルエステル1.3部を添加し、さらに1時間同一温度で加熱攪拌することで架橋性粒子分散液(分散液a)を得た。この分散液aをアルミ皿に2g秤量後、120℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、25%であった。
乾燥空気気流下、紫外線を遮蔽した容器中において、製造した分散液aを312部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート12.0部、ペンタエリスリトールトリアクリレート9.0部、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノプロパン−1−オン1.0部を50℃で2時間攪拌することで均一な溶液のハードコート層用組成物を得た。この組成物をアルミ皿に2g秤量後、120℃のホットプレート上で1時間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、30%であった。
製造例3
硬化性樹脂組成物塗工用基材の作製
片面易接着ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムA4100(東洋紡績(株)製、膜厚188μm)の易接着処理面に、製造例2で調製したジルコニア含有ハードコート層用組成物をワイヤーバーコータ(#7)を用いて塗工し、オーブン中、80℃で1分間乾燥し、塗膜を形成した。次いで、空気下、高圧水銀ランプを用いて、0.9mJ/cm2の光照射条件で紫外線を照射し、硬化性樹脂組成物塗工用基材を作製した。この基材上のハードコート層の膜厚を触針式表面形状測定器により測定したところ、3μmであった。
硬化性樹脂組成物塗工用基材の作製
片面易接着ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムA4100(東洋紡績(株)製、膜厚188μm)の易接着処理面に、製造例2で調製したジルコニア含有ハードコート層用組成物をワイヤーバーコータ(#7)を用いて塗工し、オーブン中、80℃で1分間乾燥し、塗膜を形成した。次いで、空気下、高圧水銀ランプを用いて、0.9mJ/cm2の光照射条件で紫外線を照射し、硬化性樹脂組成物塗工用基材を作製した。この基材上のハードコート層の膜厚を触針式表面形状測定器により測定したところ、3μmであった。
製造例4
エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体の合成
電磁攪拌機、ガラス製冷却管及び温度計を備えた容量1リットルのセパラブルフラスコに、製造例1で得られた水酸基含有含フッ素重合体を50.0g、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチルメチルフェノール0.01g及びMIBK338gを仕込み、20℃で水酸基含有含フッ素重合体がMIBKに溶解して、溶液が透明、均一になるまで攪拌を行った。
次いで、この系に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを9.5gを添加し、溶液が均一になるまで攪拌した後、ジブチルチンジラウレート0.1gを添加して反応を開始し、系の温度を55〜65℃に保持し5時間攪拌を継続することにより、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体のMIBK溶液を得た。この溶液をアルミ皿に2g秤量後、150℃のホットプレート上で5分間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、15.1%であった。使用した化合物、溶剤及び固形分含量を表3に示す。
エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体の合成
電磁攪拌機、ガラス製冷却管及び温度計を備えた容量1リットルのセパラブルフラスコに、製造例1で得られた水酸基含有含フッ素重合体を50.0g、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチルメチルフェノール0.01g及びMIBK338gを仕込み、20℃で水酸基含有含フッ素重合体がMIBKに溶解して、溶液が透明、均一になるまで攪拌を行った。
次いで、この系に、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを9.5gを添加し、溶液が均一になるまで攪拌した後、ジブチルチンジラウレート0.1gを添加して反応を開始し、系の温度を55〜65℃に保持し5時間攪拌を継続することにより、エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体のMIBK溶液を得た。この溶液をアルミ皿に2g秤量後、150℃のホットプレート上で5分間乾燥、秤量して固形分含量を求めたところ、15.1%であった。使用した化合物、溶剤及び固形分含量を表3に示す。
以下、本発明の組成物の調製例を実施例1〜3及び比較例1〜3に示す。
実施例1
表4に示すように、製造例4で合成したエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体90g、少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物(以下「多官能(メタ)アクリレート化合物」という。)としてジペンタエリスリトールペンタアクリレート(日本化薬製)10g、光重合開始剤として4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド3g(カヤキュアBMS(商品名)、日本化薬製、組成物中の含有量2.9重量%)、MIBK2575gを、攪拌機をつけたガラス製セパラブルフラスコに仕込み、23℃にて1時間攪拌し均一な組成物を得た。また、製造例4と同様にして固形含有量を求めた。
実施例1
表4に示すように、製造例4で合成したエチレン性不飽和基含有含フッ素重合体90g、少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物(以下「多官能(メタ)アクリレート化合物」という。)としてジペンタエリスリトールペンタアクリレート(日本化薬製)10g、光重合開始剤として4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド3g(カヤキュアBMS(商品名)、日本化薬製、組成物中の含有量2.9重量%)、MIBK2575gを、攪拌機をつけたガラス製セパラブルフラスコに仕込み、23℃にて1時間攪拌し均一な組成物を得た。また、製造例4と同様にして固形含有量を求めた。
実施例2〜3、比較例1〜3
表4に示すように、各成分を用いた以外は、実施例1と同様にして組成物を得た。
表4に示すように、各成分を用いた以外は、実施例1と同様にして組成物を得た。
(試験例)
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた組成物を硬化して得られる硬化物の耐擦傷性(硬化性)及び色調を下記に示す測定法により測定した。
(1)耐擦傷性
製造例3で作製した組成物塗工用基材上に、各組成物をワイヤーバーコータ(#3)を用いて塗工し、オーブン中、80℃で1分間乾燥し、塗膜を形成した。次いで、窒素下、高圧水銀ランプを用いて、200mJ/cm2の光照射条件で紫外線を照射し、評価用試料を作製した。この硬化物層の膜厚を反射率測定により概算したところ約100nmであった。
実施例1〜3及び比較例1〜3で得られた組成物を硬化して得られる硬化物の耐擦傷性(硬化性)及び色調を下記に示す測定法により測定した。
(1)耐擦傷性
製造例3で作製した組成物塗工用基材上に、各組成物をワイヤーバーコータ(#3)を用いて塗工し、オーブン中、80℃で1分間乾燥し、塗膜を形成した。次いで、窒素下、高圧水銀ランプを用いて、200mJ/cm2の光照射条件で紫外線を照射し、評価用試料を作製した。この硬化物層の膜厚を反射率測定により概算したところ約100nmであった。
作製した評価用試料の表面を、エタノールを染み込ませたセルロース製不織布(商品名ベンコット、旭化成工業(株))を用いて往復20回手で擦り、評価用試料表面の耐擦傷性を、以下の基準から目視にて評価した。結果を表4に示す。
○:評価用試料表面が無傷。
△:評価用試料表面に細かい傷がついている。
×:評価用試料表面に傷がついている。
○:評価用試料表面が無傷。
△:評価用試料表面に細かい傷がついている。
×:評価用試料表面に傷がついている。
(2)色調
評価用試料表面の外観を、以下の基準から目視にて評価した。結果を表4に示す。
○:無色透明
×:黄色味を帯びている。
評価用試料表面の外観を、以下の基準から目視にて評価した。結果を表4に示す。
○:無色透明
×:黄色味を帯びている。
本発明の組成物の硬化物は、液晶表示パネル、冷陰極線管パネル、プラズマディスプレー等の各種表示パネルの反射防止膜として有用である。
10 反射防止膜
12 基材
16 高屈折率層
18 低屈折率層
12 基材
16 高屈折率層
18 低屈折率層
Claims (3)
- エチレン性不飽和基含有含フッ素重合体と、
少なくとも2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する多官能(メタ)アクリレート化合物及び/又は少なくとも1個以上の(メタ)アクリロイル基を含有する含フッ素(メタ)アクリレート化合物と、
波長365nmにおける吸光係数が5×102ml/g・cm以上であって、かつ、波長405nmにおける吸光係数が1×102ml/g・cm以下の光重合開始剤と
を含み、前記光重合開始剤の含有量が、組成物全量を100重量%としたとき、0.01〜15重量%である紫外線硬化型低屈折率材組成物。 - 前記(メタ)アクリロイル基の総濃度が、1.9mmol/g以上である請求項1に記載の紫外線硬化型低屈折率材組成物。
- 請求項1又は2に記載の紫外線硬化型低屈折率材組成物を硬化させた硬化物からなる低屈折率層を含む反射防止膜。
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JP2004105350A JP2005290133A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 紫外線硬化型低屈折率材組成物及び反射防止膜 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2004
- 2004-03-31 JP JP2004105350A patent/JP2005290133A/ja active Pending
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