JP2005289123A - 自動車用低偏平空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ピンチカットによるタイヤ損傷を防止し、高速走行耐久性能を高めた自動車用低偏平空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】リム組され正規内圧が充填された偏平空気入りタイヤであって、リムフランジは、ビードベースラインから変曲点vまでのびるリムフランジ面Frと、変曲点vを通るタイヤ軸方向線上に中心を有し、前記変曲点vでリムフランジ面Frに接するフランジ湾曲面Fcとを有し、ビード面はタイヤ最大巾位置を通るタイヤ軸方向線上に中心を有し、かつ前記タイヤ最大巾位置を通るサイド基準半径Rsのサイドウォール基準円弧Csが、前記フランジ湾曲面Fcと接するフランジ基準接点Psをこえる終端点Peまでのビード円弧接触面の範囲で該フランジ湾曲面Fcと接しており、前記変曲点高さHvは7.5−10.0mm、前記フランジ半径Rfは8.5−11.0mm、高さHgは17.0−20.5mm、かつ開き角度θを45゜−80゜とする。
【選択図】図2
【解決手段】リム組され正規内圧が充填された偏平空気入りタイヤであって、リムフランジは、ビードベースラインから変曲点vまでのびるリムフランジ面Frと、変曲点vを通るタイヤ軸方向線上に中心を有し、前記変曲点vでリムフランジ面Frに接するフランジ湾曲面Fcとを有し、ビード面はタイヤ最大巾位置を通るタイヤ軸方向線上に中心を有し、かつ前記タイヤ最大巾位置を通るサイド基準半径Rsのサイドウォール基準円弧Csが、前記フランジ湾曲面Fcと接するフランジ基準接点Psをこえる終端点Peまでのビード円弧接触面の範囲で該フランジ湾曲面Fcと接しており、前記変曲点高さHvは7.5−10.0mm、前記フランジ半径Rfは8.5−11.0mm、高さHgは17.0−20.5mm、かつ開き角度θを45゜−80゜とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、ピンチカットによるタイヤ損傷を防止し、高速走行耐久性能を高めた自動車用低偏平空気入りタイヤに関する。
乗用車の高性能化に伴い自動車用空気入りタイヤは、タイヤの偏平化が進み、偏平率が50%、或いはそれ以下の偏平率の自動車用低偏平空気入りタイヤが多用される。
しかしこのような自動車用低偏平空気入りタイヤにおいては、サイドウォール部の半径方向高さが小となるため、縁石など突起に乗り上げ、或いはポットホールなどの大きな凹みに車体が沈んだときなどには、タイヤも大きく変形してサイドウォール部などのタイヤ外面が路面とリムフランジとの間に挟まれて強い衝撃を受け、タイヤ内部のコードが切れ、或いはサイドウォール構造物に変化を与え、内圧によりサイドウォール部の一部が気泡のように盛り上がり、ときに貫通するなどのいわゆるピンチカットを生じやすい。又このピンチカットはタイヤのバーストに繋がる場合もある。
なお、リムフランジの形状は、準拠規格によって一律ではなく、設計の許容範囲も小さいものではないため、タイヤのビード部は通常、市場にあるリムには適合することが必要となる。このため、タイヤのビード部は、市場のリムと適正に嵌合でき、エア洩れ、振動の発生等を防止するため、通常、リムフランジ上部とタイヤとの接触を可能な範囲で小さく設定されている。このため、衝撃的な過大な荷重が作用しタイヤ変形が生じるときには、ビード部分が容易に通常の想定を越えて変形してリムがタイヤを挟み前記ピンチカットが発生することを見出した。
他方,図8に示すようにリムフランジの湾曲部aとの接触範囲を大とするとともに、前記湾曲部に接するタイヤのフランジ円弧外面に滑らかに連なる外膨らみ部bを付設したサイド外面を有するタイヤが提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、前記提案のタイヤは、例えばショベルローダー、ダンプカーなどの不整地を走行する建設車両用空気入りタイヤであって、このタイヤはビード部外面と、リムのリムフランジ内面とが接触する界面に異物が侵入する、いわゆるリムチェーフィングを防止することを意図したものであり、自動車用低偏平空気入りタイヤとは技術分野が相違するとともに、外膨らみ部bは円弧面を有するとして図示され、かつ前記接触範囲に滑らかに連なることを要件としている。そのため、変形時のタイヤ変形とともに外膨らみ部bがリムフランジの湾曲部と接するに従い、接触部のビードの厚さが増し、その結果、均圧の滑らかな当接を妨げやすく、タイヤを浮き上がらせリムずれを生じさせることもあり、建設車両用空気入りタイヤには適した技術であるとしても、ピンチカットの防止を意図した自動車用低偏平空気入りタイヤに適応しうる思想でない。
本発明は、ピンチカットによるタイヤ損傷を防止しうる自動車用低偏平空気入りタイヤの提供を課題としている。
請求項1に係る発明は、トレッド面とその両端のサイドウォール面とビード面とからなるタイヤ外面を具え、かつリムにリム組されかつ正規内圧が充填された自動車用低偏平空気入りタイヤであって、
リムは、ビードベースラインLbから変曲点高さHvの変曲点vまで半径方向外側に直線でのびるリムフランジ面Frと、変曲点vを通るタイヤ軸方向線上に中心を有し、前記変曲点vでリムフランジ面Frに接するフランジ半径Rfのフランジ湾曲面Fcとを有するフランジFを具えるとともに、
前記ビード面は、タイヤ最大巾位置Wmを通るタイヤ軸方向線Xm上に中心を有し、かつ前記タイヤ最大巾位置Wmを通るサイド基準半径Rsのサイドウォール基準円弧Csが、前記フランジ湾曲面Fcと接するフランジ基準接点Psをこえる終端点Peまでのビード円弧接触面Tfの範囲で該フランジ湾曲面Fcと接するとともに、
前記変曲点高さHvは7.5mm以上かつ10.0mm以下、前記フランジ半径Rfは8.5mm以上かつ11.0mm以下、変曲点高さHvとフランジ半径Rfとのフランジ合計高さHg(=(Hv+Rf))は17.0mm以上かつ20.5mm以下、かつ前記ビード円弧接触面Trの前記終端点Peまでの開き角度θを45゜以上かつ80゜以下としたことを特徴としている。
リムは、ビードベースラインLbから変曲点高さHvの変曲点vまで半径方向外側に直線でのびるリムフランジ面Frと、変曲点vを通るタイヤ軸方向線上に中心を有し、前記変曲点vでリムフランジ面Frに接するフランジ半径Rfのフランジ湾曲面Fcとを有するフランジFを具えるとともに、
前記ビード面は、タイヤ最大巾位置Wmを通るタイヤ軸方向線Xm上に中心を有し、かつ前記タイヤ最大巾位置Wmを通るサイド基準半径Rsのサイドウォール基準円弧Csが、前記フランジ湾曲面Fcと接するフランジ基準接点Psをこえる終端点Peまでのビード円弧接触面Tfの範囲で該フランジ湾曲面Fcと接するとともに、
前記変曲点高さHvは7.5mm以上かつ10.0mm以下、前記フランジ半径Rfは8.5mm以上かつ11.0mm以下、変曲点高さHvとフランジ半径Rfとのフランジ合計高さHg(=(Hv+Rf))は17.0mm以上かつ20.5mm以下、かつ前記ビード円弧接触面Trの前記終端点Peまでの開き角度θを45゜以上かつ80゜以下としたことを特徴としている。
請求項2に係る発明は、前記ビード面が、前記終端点Peから、前記サイドウォール基準円弧Csと平行な曲面、又は実質的に平行な直線で半径方向外方に前記フランジ合計高さHgに0〜5mmを加えた付加点高さHaの付加点Paまでのびる突出面を有する***領域を具えること、請求項3に係る発明は、前記ビード面が、前記付加点Paの半径方向外側に、えぐり半径Reが2.0mm以上かつ5.0mm以下、かつ前記サイドウォール基準円弧Csからのえぐり深さDeが0.3mm〜2.0mm以下、しかも周方向にのびる凹部を形成したことを特徴としている。
又請求項4に係る発明は、前記タイヤ外面が、前記凹部の半径方向外側に、前記サイドウォール基準円弧Csから外に突出し、サイドウォール面に沿う突起長さLtが2.0mm以上かつ5.0mm以下の周方向にのびるリブを形成したこと、請求項5に係る発明は、前記タイヤ外面が、前記終端点Peと前記付加点高さHaとの間が、前記サイドウォール基準面と平行な曲面、又は実質的に平行な直線でのびる***領域とするとともに、付加点高さHaとタイヤ最大巾位置Wmとの間は前記サイド基準半径Rsの0.80〜0.95倍のサイド修正半径Rrを用いた修正サイドウォール面と、その下端から前記***領域に連なる継ぎ円弧Cjとにより形成されたこと、及び請求項6に係る発明は、前記タイヤ外面が、前記終端点Peと、前記タイヤ最大巾位置Wmとの間が、前記サイドウォール基準面のサイド基準半径Rsの0.80〜0.95倍のサイド修正半径Rrの修正サイドウォール面と、その下端と前記終端点Peとを継ぐ継ぎ円弧Cjとにより形成されたことを、それぞれ特徴としている。
請求項1に係る発明は、ビード面がリムの湾曲面と接するビード円弧接触面Trの開き角度θを45゜以上かつ80゜以下であり、従来の自動車用低偏平空気入りタイヤが15〜30゜であるのに比して大に延長しているため、ピンチカットを生じるような大変形に際しても、タイヤは広い面積のフランジ湾曲面Fcで予め接触することとなり、応力の集中を緩和して、コード切れ、タイヤ構造の損傷などのピンチカットを予防できる。又80゜以下とすることにより自動車用低偏平空気入りタイヤにおけるリム組性の低下を防止でき、かつ過度のタイヤ軸方向外側へのリムはみ出しを防ぐ。
さらにまた、変曲点高さHvは7.5mm以上かつ10.0mm以下、前記フランジ半径Rfは8.5mm以上かつ11.0mm以下、変曲点高さHvとフランジ半径Rfとのフランジ合計高さHg(=(Hv+Rf))は17.0mm以上かつ20.5mm以下であり、自動車用低偏平空気入りタイヤのビード面とリム組するに際して、リムフランジ面Fr、フランジ湾曲面Fcとの接触が過大となることなく設定され、リム組を良好とし、ピンチカット発生の抑止に役立つ。
また請求項2に係る発明のように、ビード円弧接触面Tfの終端点Peから、フランジ合計高さHaに0〜5mmを加えた付加点高さHaの付加点Paまでのびる突出面を有する***領域を具えることにより、タイヤ変形に際してその曲げ応力を増して変形に耐えるとともに、ピンチカットを発生するような大変形時におけるビード面の支持剛性を高め、衝撃を緩和し、大変形時の応力分散を図るとともに、前記のように終端点Peから、付加点Paまでを0〜5mmとすることにより、***領域での過度の剛性の増大防止と適度の応力分散を図りうる。又***領域がサイドウォール基準円弧Csと平行な曲面、又は実質的に平行な直線で形成され厚さ増加がないため、変形に際して、ビード部を引き上げることもなくリムずれをも防止できる。
さらに請求項3に係る発明のような凹部を設けることにより、大変形時の前記終端点Pe近傍における接触圧を逃がしうる。なお、円周方向に形成した場合、フランジ湾曲面Fcの終端点Pe近傍に生じる接触圧を逃がすことができ、ピンチカットが抑止される。なおえぐり半径Reが2.0mmよりも小であると、ピンチカットにはある程度の効果を奏するが通常使用時での表面歪が大となり、局部変形による亀裂発生の可能性を増す。又深さDeが0.3mmよりも小であるときには効果がなく、2mmをこえるときには逆に応力集中を生じ易く、好ましくは0.5〜1mm程度である。
また請求項4に係る発明の周方向のリブは、応力分散を目的とするものではなく、タイヤ加硫工程において内部コンポーネントの乱れを防止でき、かつ前記凹部のゴムゲージのコントロールを容易とする。
また請求項5に係る発明のように、サイドウォール面が***領域とタイヤ最大巾位置Wmとの間にサイド基準半径Rsの0.80〜0.95倍のサイド修正半径Rrの円弧面からなることにより、タイヤ加硫工程において、***領域部分などのゴムゲージのコントロールを容易とする。
請求項6の発明の構成とすることにより、***領域、リブなどを用いることなく、タイヤ外面の構成を簡略化でき、特にタイヤサイズが小の自動車用低偏平空気入りタイヤに好適に利用できる。
以下、本発明の一実施の形態を、図面に基づき説明する。図1、2に示すように、自動車用低偏平空気入りタイヤ(以下、単にタイヤということがある)1は、トレッド面2とサイドウォール面3とビード面4とからなるタイヤ外面5を具え、かつリムフランジ面Frとフランジ湾曲面Fcとを有するフランジFを具えたリム(以下単にリムということがある)6にリム組され、かつ正規内圧が充填されて、フランジ湾曲面Fcと終端点Peまでのビード円弧接触面Tfの範囲で該フランジ湾曲面Fcと接するとともに、ビード円弧接触面Tfの前記終端点Peまでの開き角度θを45゜以上かつ80゜以下としている。
前記リム6とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めている正規リムを意味し、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"とする。また正規内圧とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" であるが、本発明の自動車用低偏平空気入りタイヤのような乗用車用の場合には180KPaとされる。
前記リム6は、周知のごとく、ビードシート面9を有するシート部の両側にフランジFを立上げ、かつ前記リムフランジ面Frは、前記ビードシート面9と該リムフランジ面Frとの交点をタイヤ軸方向に通るビードベースラインLbから、変曲点高さHvの変曲点vまで半径方向外側に直線でのびている。又前記フランジ湾曲面Fcは、前記変曲点vを通るタイヤ軸方向線上かつリムのタイヤ軸方向外側に中心Rfoを有し、かつ前記変曲点vで前記リムフランジ面Frに接するフランジ半径Rfを有する。
前記変曲点高さHv、フランジ半径Rf、変曲点高さHvとフランジ半径Rfとのフランジ合計高さHa(=(Hv+Rf))とは、前記正規リムの規定に従いその選択に基づいて設定している。前記変曲点高さHvは、7.5mm以上かつ10.0mm以下の範囲とする。7.5mm未満では、タイヤとリムフランジの接触圧が過大となり、かん合不良を起こしやすく、逆に10.0mmを超えると、ビード部分の支持剛性が低くなり効果が得られにくい。
また前記フランジ半径Rfは、8.5mm以上かつ11.0mm以下の範囲とする。8.5mm未満では、タイヤとリムフランジの接触が局部的になり、かん合不良を起こしやすく、逆に11.0mmを超えると、ビード部部分の支持剛性が低くなり、効果が得られにくい。
また変曲点高さHvとフランジ半径Rfとのフランジ合計高さHa(=(Hv+Rf))は17.0mm以上かつ20.5mm以下の範囲とする。17.0mm未満では、タイヤとリムフランジとの接触が局部的となり、かん合不良を起こしやすく、逆に20.5mmを超えると、ビード部分の支持剛性が低くなり、効果が得られにくい。
さらに、リムフランジ面Frに接するフランジ半径Rfを9.0〜11.0mm程度とし、かつ前記フランジ湾曲面Fcは、前記変曲点vから、該フランジ湾曲面Fcの端縁Pcまでを挟むの端開き角度θcを110〜135゜程度に設定している。
これらのリム形状は、タイヤがリム組され正規内圧を充填した状態において、タイヤ1がリム6と接する領域においてビード面4の形状を含むタイヤ外面5を規定することとなり、リム形状を設定することにより、前記リム1と自動車用低偏平空気入りタイヤ1として、前記のように、正規リムの規定に基づいてその接触を適当かつ過大とならないように選択している。
又前記タイヤ1はそのビード部に、リムシート面9に着座するタイヤTのビード底面14と、前記リムフランジ面Frに接するビード外面15とを具える。又リムフランジ湾曲面Fcには、前記タイヤ最大巾位置Wmを通るタイヤ軸方向線Xm上に中心Rsoを有し、かつ前記タイヤ最大巾位置Wmを通るサイド基準半径Rsのサイドウォール基準円弧Csが、このフランジ湾曲面Fcと接する。又サイドウォール基準円弧Csがリムフランジ湾曲面Fcに接する点をフランジ基準接点Psとすると、ビード面4はこのフランジ基準接点Psをこえる終端点Peまでの範囲で該フランジ湾曲面Fcと接触している。
この接触する変曲点vと終端点Peとの間の範囲をビード円弧接触面Trと称し、かつビード円弧接触面Trの開き角度θを45゜以上かつ80゜以下としている。下限についてより好ましくは 50°以上、上限についてより好ましくは70゜よりも小がよい。このように、開き角度θを広角とし、フランジ湾曲面Fcはタイヤ軸方向外側に延長し大きく形成するため、走行中に道路縁石に乗り上げるなど衝撃時の入力が予め分散して緩和され、ピンチカット発生を防止できる。45゜未満では、フランジ湾曲面Fcの面積が不足し、衝撃入力に対してピンチカットを生じる可能性があり、逆に80゜を超えると、リム組性が悪化して、タイヤ1とリム6の嵌合不良の可能性がある。
さらに本形態では、前記ビード面4(本明細書においては、荷重作用時にフランジ湾曲面Fcに接する領域及びその半径方向上方5mmの領域を含めてビード面4という)には、前記終端点Peから、前記サイドウォール基準円弧Csと平行な曲面、又は実質的に平行な直線(本形態では直線)で半径方向外方に、前記フランジ合計高さHgに0〜5mmを加えた付加点高さHaの付加点Paまで突出面17aがのびる***領域17を具えている。
前記***領域17は、前記突出面17aの付加点Paからタイヤ外面5まで曲率半径R17bが1.0〜4.0mm程度の継ぎ面17bを用いて接続され、かつ本形態では、前記付加点Paとタイヤ最大巾位置Wmとの間は、前記基準サイドウォール面Trによりタイヤ外面5が形成されている。なお前記継ぎ面17bは好ましくはこのタイヤ外面5に滑らかに接しさせる。
この***領域17は、変形に際して、その突出面17aがフランジ湾曲面Fcに接してビード部を保護しかつ応力を分散し、ピンチカットなどの損傷を防止する。前記付加点Paの付加点高さHaと、前記フランジ合計高さHgとの差である前記0〜5mmにおいて、0よりも小であると***領域7が過小となり剛性が不足し、逆にその差が5mmを超えると、剛性が過大となるため効果的な応力分散効果が得られない。好ましくは2〜4mmである。
さらに***領域7は、サイドウォール基準面Csとの最小間隔である***高さt1は、前記サイド基準半径Rs、及び付加点高さHaとフランジ合計高さHgとの差などにより定まるが、通常1.5〜5.0mm程度とする。下限についてより好ましくは2.0mm以上、上限についてより好ましくは4.0mm以下が良い。
このように、ビード円弧接触面Tfの終端点Peから、フランジ合計高さHaに0〜5mmを加えた付加点高さHaの付加点Paまでのびる突出面を有する***領域を具える場合には、フランジ上部ほど接触圧が高まるピンチカットを発生するような大変形時におけるビード面の支持剛性を高め、大変形時の応力分散を図るとともに、又終端点Peと付加点Paとの半径方向の高さの差を0〜5mmとすることにより、***領域での過度の剛性の増大を防ぎ、応力分散効果を図る。又***領域がサイドウォール基準円弧Csと平行な曲面、又は実質的に平行な直線で形成され厚さ増加がないため、変形に際して、ビード部を引き上げることもなくリムずれをも防止できる。
さらに図3は、前記ビード面4に、前記付加点Paの半径方向外側に周方向にのびる凹部20を形成した場合を示す。この凹部20は、走行中に発生する衝撃時に生じるリム6との接触圧を逃がすことにより応力を分散し、ピンチカット発生を防止する。又本形態においても、前記サイドウォール面3は前記サイドウォール基準円弧Csにより形成されている。
この凹部20は、えぐり半径Reが2.0mm以上かつ5.0mm以下、かつ前記サイドウォール基準円弧Csからのえぐり深さDeが0.3mm〜2.0mm以下であって、その半径方向の凹部長さL20は3〜8mm程度に形成され、かつ前記***領域17の前記継ぎ面17bは、前記付加点Paから連続して前記えぐり半径Reで一連に形成される。なお、凹部20は、単なる円弧状ではなく、底面を平坦とした凹状溝として形成することもできる。
えぐり半径Reは,下限についてより好ましくは3.0mm以上、上限についてより好ましくは4.5mm以下が良い。なお2.0mm未満では、通常走行時タイヤ外面5の表面歪みが過大となって、亀裂発生の恐れがあり、逆に5.0mmを超えると、応力分散効果が得られにくい。
また前記えぐり深さDeは、下限についてより好ましくは0.5mm以上、上限についてより好ましくは2.0mm以下が良い。なお0.3mm未満では、接触圧を逃がす効果が得られず、逆に2.0mmを超えると、応力集中の問題が生じる。
図4は、前記タイヤ外面5が、前記凹部20の半径方向外側に、前記サイドウォール基準円弧Csから外に突出し、加硫工程での内部コンポーネントに乱れを防ぐリブ22を周方向に形成した他の実施例を示している。このリブ22は、突出表面22aが、サイドウォール基準円弧Csと平行な曲面、又は実質的に平行な平面で形成され、かつ突出表面22aの前記サイドウォール基準円弧Csからの突出高さt2は、本形態では、前記***領域17の***高さt1と等しく設定している。なお突出高さt2は、1.0〜5.0mm程度として、前記突出高さt1よりも大とすることも、小とすることもできる。
さらに、前記突出表面22aの、該突出表面22aに沿う突起長さLtは2.0mm以上かつ5.0mm以下に設定している。又下限についてより好ましくは2.5mm以上、上限についてより好ましくは4.0mm以下が良い。2.0mm未満では、前記加硫工程で内部コンポーネントに乱れを抑止する効果に劣り、逆に5.0mmを超えることは、通常の場合には不要である。
又突出表面22a下端の下の継ぎ面22bは、前記凹部20のえぐり半径Reを連続することができ、上端の上の継ぎ面22cは、前記***領域17の前記継ぎ面17bと同様に形成することができる。なお、上下の継ぎ面22b,22cの形状は種々選択できる。
図5は、前記リブ22の突出表面22aの前記サイドウォール基準円弧Csからの突出高さt3が例えば10〜15mm程度と、図4の場合に比して著しく大とした他の態様を示している。このようなリブ22は、路肩面との接触によるビード部の損傷を防ぐプロテクタとして機能させうる。
図6は、前記ビード面4が、前記終端点Peと前記付加点高さHaとの間に前記***領域17を具えるとともに、前記付加点高さHaとタイヤ最大巾位置Wmとの間を、サイド修正半径Rrを用いた修正サイドウォール面Crと、その下端から前記***領域17の付加点Paに連なる継ぎ円弧Cjとにより形成した実施例を示している。
前記サイド修正半径Rrは、前記サイドウォール基準円弧Csのサイド基準半径Rsの0.80〜0.95倍であって、タイヤ最大巾位置Wmを通るタイヤ軸方向線Xm上の中心Rroを中心とする。このように前記***領域7の半径方向外側のタイヤ外面5を前記サイドウォール基準円弧Csよりも小径の修正サイドウォール面すすTrで形成することにより、タイヤ製造の加硫工程において、前記***領域7に必要なゴムゲージを配置することが容易となる。
前記サイド修正半径Rrは、サイド基準半径Rsの0.80倍未満では、***領域17の剛性が低くなりすぎ、逆に0.95倍を超えると、Rrを特に設ける効果が得られない。
前記継ぎ円弧Cjは、前記修正サイドウォール面Cjに接するとともに、半径方向内方に前記***領域7の付加点Paまでのび、その継ぎ円弧半径Rcjは、例えば2.0〜5.0mm程度の範囲が好ましい。
図7に例示される実施形態では、前記ビード面4を含むタイヤ外面5が、前記終端点Peと、前記タイヤ最大巾位置Wmとの間が、前記サイド修正半径Rrの修正サイドウォール面Crと、その下端と前記終端点Peとを継ぐ継ぎ円弧Cjとにより形成された場合を例示している。前記修正サイドウォール面Crは、前記のように、サイド基準半径Rsの0.80〜0.95倍のサイド修正半径Rrを半径として形成される。このように構成することにより、前記終端点Peを頂点とする断面三角形の***領域17を形成でき、このような***領域17によってもタイヤ加硫工程におけるゴムゲージのコントロールに役立つ。
なお、継ぎ円弧Cjは図6に示す実施の形態と同じく、前記修正サイドウォール面Ceに接するとともに、半径方向内方に前記***領域7の付加点Paまでのび、その継ぎ円弧半径Rcjは、例えば2.0〜5.0mm程度の範囲が好ましい。
タイヤサイズが205/55R16であるタイヤを表1の仕様に従い試作するとともに、リム(16×6.5J)にリム組みして正規内圧を充填し、車輌(国産2000cc)の全輪に装着して、高さ10cmの縁石乗り越しテストを行った。試験方法は、低速から徐々に速度を高めて前記乗り越しテストを繰返し、ビード部分に明確なカットを生じ、又は空気漏れを発生した時点で終了し、その終了時点の速度を測定した結果を表1に示している。終了速度が高いほど、性能が良好である。
1 自動車用低偏平空気入りタイヤ
2 トレッド面
3 サイドウォール面
4 ビード面
5 タイヤ外面
6 リム
17 ***領域
17a 突出面
17b 継ぎ面
20 凹部
22 リブ
22a 突出表面
Cj 継ぎ円弧
Cs サイドウォール基準円弧
De えぐり深さ
F フランジ
Fc リム湾曲面
Fr リムフランジ面
Ha 付加点高さ
Hg フランジ合計高さ
Hv 変曲点高さ
Lt 突起高さ
Pa 付加点
Pe 終端点
Ps フランジ基準接点
Rr サイド修正半径
Rs サイド基準半径
Tf フランジ接触面
Tr 修正サイドウォール面
v 変曲点
Wm タイヤ最大巾位置
2 トレッド面
3 サイドウォール面
4 ビード面
5 タイヤ外面
6 リム
17 ***領域
17a 突出面
17b 継ぎ面
20 凹部
22 リブ
22a 突出表面
Cj 継ぎ円弧
Cs サイドウォール基準円弧
De えぐり深さ
F フランジ
Fc リム湾曲面
Fr リムフランジ面
Ha 付加点高さ
Hg フランジ合計高さ
Hv 変曲点高さ
Lt 突起高さ
Pa 付加点
Pe 終端点
Ps フランジ基準接点
Rr サイド修正半径
Rs サイド基準半径
Tf フランジ接触面
Tr 修正サイドウォール面
v 変曲点
Wm タイヤ最大巾位置
Claims (6)
- トレッド面とその両端のサイドウォール面とビード面とからなるタイヤ外面を具え、かつリムにリム組されかつ正規内圧が充填された自動車用低偏平空気入りタイヤであって、 リムは、ビードベースラインLbから変曲点高さHvの変曲点vまで半径方向外側に直線でのびるリムフランジ面Frと、変曲点vを通るタイヤ軸方向線上に中心を有し、前記変曲点vでリムフランジ面Frに接するフランジ半径Rfのフランジ湾曲面Fcとを有するフランジFを具えるとともに、
前記ビード面は、タイヤ最大巾位置Wmを通るタイヤ軸方向線Xm上に中心を有し、かつ前記タイヤ最大巾位置Wmを通るサイド基準半径Rsのサイドウォール基準円弧Csが、前記フランジ湾曲面Fcと接するフランジ基準接点Psをこえる終端点Peまでのビード円弧接触面Tfの範囲で該フランジ湾曲面Fcと接するとともに、
前記変曲点高さHvは7.5mm以上かつ10.0mm以下、前記フランジ半径Rfは8.5mm以上かつ11.0mm以下、変曲点高さHvとフランジ半径Rfとのフランジ合計高さHg(=(Hv+Rf))は17.0mm以上かつ20.5mm以下、かつ前記ビード円弧接触面Trの前記終端点Peまでの開き角度θを45゜以上かつ80゜以下としたことを特徴とする自動車用低偏平空気入りタイヤ。 - 前記ビード面は、前記終端点Peから、前記サイドウォール基準円弧Csと平行な曲面、又は実質的に平行な直線で半径方向外方に前記フランジ合計高さHgに0〜5mmを加えた付加点高さHaの付加点Paまでのびる突出面を有する***領域を具えることを特徴とする請求項1記載の自動車用低偏平空気入りタイヤ。
- 前記ビード面は、前記付加点Paの半径方向外側に、えぐり半径Reが2.0mm以上かつ5.0mm以下、かつ前記サイドウォール基準円弧Csからのえぐり深さDeが0.3mm〜2.0mm以下、しかも周方向にのびる凹部を形成したことを特徴とする請求項2記載の自動車用低偏平空気入りタイヤ。
- 前記タイヤ外面は、前記凹部の半径方向外側に、前記サイドウォール基準円弧Csから外に突出し、サイドウォール面に沿う突起長さLtが2.0mm以上かつ5.0mm以下の周方向にのびるリブを形成したことを特徴とする請求項3記載の自動車用低偏平空気入りタイヤ。
- 前記タイヤ外面は、前記終端点Peと前記付加点高さHaとの間が、前記サイドウォール基準面と平行な曲面、又は実質的に平行な直線でのびる***領域とするとともに、付加点高さHaとタイヤ最大巾位置Wmとの間は前記サイド基準半径Rsの0.80〜0.95倍のサイド修正半径Rrを用いた修正サイドウォール面と、その下端から前記***領域に連なる継ぎ円弧Cjとにより形成されたことを特徴とする請求項1記載の自動車用低偏平空気入りタイヤ。
- 前記タイヤ外面は、前記終端点Peと、前記タイヤ最大巾位置Wmとの間が、前記サイドウォール基準面のサイド基準半径Rsの0.80〜0.95倍のサイド修正半径Rrの修正サイドウォール面と、その下端と前記終端点Peとを継ぐ継ぎ円弧Cjとにより形成されたことを特徴とする請求項1記載の自動車用低偏平空気入りタイヤ。
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