JP2005288775A - 色推定方法、色調整方法及びカラー画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 刷り重ねにより得られる色を各単色の色特性の値を用い演算して推定し、さらに他の単色の色特性の値を用いての演算を繰り返して色を推定する際に、C、M、Y、Kインクによる1/多次色の色特性の値を測定しておきその色特性の値用いて精度よく色の推定を行うことができる色推定方法を提供すること。
【解決手段】 複数の色材の刷り重ね順の入力を受けて、刷り重ね順に基づいて、複数の色材のそれぞれを記録媒体上に印刷して得られる色のそれぞれの分光濃度、色特性テーブルに格納されたイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色材の中の2つまたは3つを刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度、及び、記録媒体の地色の分光濃度とを用いて、複数の色材を記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度を推定する。
【選択図】 図6
【解決手段】 複数の色材の刷り重ね順の入力を受けて、刷り重ね順に基づいて、複数の色材のそれぞれを記録媒体上に印刷して得られる色のそれぞれの分光濃度、色特性テーブルに格納されたイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色材の中の2つまたは3つを刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度、及び、記録媒体の地色の分光濃度とを用いて、複数の色材を記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度を推定する。
【選択図】 図6
Description
本発明は、複数の色材を刷り重ねて印刷して得られる色を推定する色推定方法、その推定方法を用いる色調整方法及びその色調整方法を適用したカラー画像形成装置に関する。
近年、DTP(Desk Top Publishing)等の普及により、スキャナから入力した画像をコンピュータのソフトウエア上で画像編集、ページ面付けする作業が一般化し、フルデジタルでの編集も珍しくなくなってきている。
このような工程では、さらなる効率化を目指して、フィルムにページ編集済みの画像データを直接出力するイメージセッター出力や、印刷版に直接画像記録を行うCTP(Computer to Plate)出力、さらには、印刷機のシリンダー上に巻かれた印刷版に直接画像記録を行うCTC(Computer to Cylinder)が行われる。
また、このような印刷工程における校正のプロセスでは、(1)作業現場内部ミスの確認、すなわち内校、(2)発注主、デザイナーへの仕上がり確認用の提出される外校、(3)印刷機の機長に対して、最終印刷物の見本として提供される印刷見本、の主として3つの用途にプルーフが作成、使用される。
このように、カラー印刷を作成する際には、原稿フィルムの段階で色校正を行うことにより、C(シアン)版、M(マゼンダ)版、Y(イエロー)版、及びBK(墨色)版に分解された各色分解網原稿フィルムを使って校正物(カラープルーフ)を作成し、本番の印刷版を作成する前に、原稿フィルムのレイアウトに間違いないか、色間違いないか、文字の誤りがないか等を検査し、印刷物の仕上がりを事前に確認するようにしていた。
この場合、校正確認の為だけに一端フィルム出力や印刷版出力を行い、印刷校正や、その他の校正材料による校正を行うことは、フィルム、印刷版のムダや余計な作業が多くなる問題がある。
その為、特に、このようなコンピュータによるフルデジタルの画像作成、編集を行う工程では、DDCP(Direct Digital Color Proof)ないしはDCP(Digital Color Proof)と呼ばれる直接カラー画像出力を行うシステムが求められている。
このようなDDCPは、コンピュータ上で加工されたデジタル画像データからイメージセッターなどで製版用フィルム上に記録したり、CTPで直接印刷版を作成する最終的な印刷作業を行ったり、CTCで印刷機のシリンダー上に巻かれた印刷版に直接画像記録を行ったりなどする前に、コンピュータ上で加工されたデジタル画像が示す出力対象を再現するカラープルーフを作成し、その絵柄、色調、文章文字等の確認を行うものである。
また、カラープルーフを作成するものとして、各色分解網原稿の網点画像データに基づいて、銀塩カラー感光材料に、例えば、R、G、B等の波長の異なる複数の光の組み合わせからなる光点を露光して、3つの基本色Y、M、Cの各ドットを発色させることで網点画像を再現してカラープルーフを作成するカラープルーフ作成装置がある。またその中に、印刷機の1次色(インキ(色材)単色)、インキを刷り重ねて得られる多次色(インキを重ね合わせた色)及び印刷用紙(記録媒体)の地色を再現するように、1次色、多次色及び白の各々について3つの基本色の出力強度を変化させることで色調整し出力するタイプのDDCPがある(例えば、特許文献1。)。
ところが、上記色調整を行うためには、1次色、多次色を印刷機で出力し、その色及び印刷用紙の地色の表色系の値(例えば、L*a*b*表色系の値)を求める必要があった
が、特色インキを刷り重ねる場合には、特色というものは色が異なるのでその都度測定する必要があり、多大な時間と労力を必要とする。
が、特色インキを刷り重ねる場合には、特色というものは色が異なるのでその都度測定する必要があり、多大な時間と労力を必要とする。
そこで、顔料を含むインキを刷り重ねて得られる色の表色系の値を、下側となる色及び上側となる色の色特性の値を用い演算して推定する方法、例えば、下側となる色及び上側となる色の分光濃度から推定する色推定方法(特願2003−055365)、また、下側となる色及び上側となる色のL*a*b*表色系の値とL*a*b*表色系の値を求めるために用いる分光特性とは異なる分光特性による濃度から推定する色推定方法(例えば、特願2003−292889)を本出願人は提案している。
しかしながら、上述の色推定方法は、例えば、C、M、Y、Kインキによる1/多次色に特色を刷り重ねる場合の推定方法であって、例えば、C、M、Y、Kインキのいずれかを特色に置き換える場合や、所望の刷り重ね順で複数のインキを刷り重ねる場合の方法ではない。このような場合には、C、M、Y、Kインキによる1/多次色についての色特性の値が既に求められていても、例えば、多次色を各単色の色特性の値を用いての演算を繰り返し行って推定していた。ところが、このような演算の繰り返しによる推定では、演算により得た分光濃度を用いて更に演算により推定を繰り返すので求めた色と実際の色にずれが生じる場合があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、刷り重ねにより得られる色を各単色の色特性の値を用い演算して推定し、さらに他の単色の色特性の値を用いての演算を繰り返して色を推定する際に、C、M、Y、Kインキによる1/多次色の色特性の値を測定しておき、その色特性の値を用いて精度よく色の推定を行うことができる色推定方法、その推定方法により推定した色を再現するための色調整方法、及び、その色調整方法を適用したカラー画像形成装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、顔料を含む複数の色材を記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる色を推定する色推定方法であって、少なくともイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の色材の中の2つまたは3つを記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度の測定結果を示す色特性テーブルを予め格納する段階と、前記複数の色材の刷り重ね順の入力を受けて、前記刷り重ね順に基づいて、前記複数の色材のそれぞれを記録媒体上に印刷して得られる色のそれぞれの分光濃度、前記色特性テーブルに格納された前記イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色材の中の2つまたは3つを刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度、及び、前記記録媒体の地色の分光濃度とを用いて、前記複数の色材を記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度を推定する推定段階と、を含むことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、前記推定は、前記複数の色材を記録媒体上に前記刷り重ね順に順次刷り重ねる都度に得られる色材の組み合わせの分光濃度を、前記色材の組み合わせのそれぞれ色材の分光濃度と前記記録媒体の地色の分光濃度とを用いて演算で求め、その演算を繰り返して前記複数の色材を刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度を推定するものであって、前記刷り重ねる都度且つ前記演算する前に、前記色特性テーブルを参照し、前記色材の組み合わせに該当する前記イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色材の中の2つまたは3つを刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度があれば、前記演算をすることなく前記該当する分光濃度を採用することを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、前記演算は、前記刷り重ね順で下側になる分光濃度を前記刷り重ね順で上側になる色材の透明度を示す数値で調整し、前記上側になる分光濃度を前記上側になる色材の他の色材に乗る状態を示す数値で調整して行うことを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、前記演算は、更に、前記演算結果と前記下側になる分光濃度と前記上側になる分光濃度との積に比例する値とを用いることを特徴としている。
また、請求項5記載の発明は、前記推定した分光濃度を表色系の値に変換する段階を、更に含むことを特徴としている。
また、請求項6記載の発明は、顔料を含む複数の色材のそれぞれの網点画像を記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる網点画線部の色を目標の色として再現するように複数の基本色の出力強度を変化させて色調整を行う色調整方法であって、前記複数の基本色の出力強度とL*a*b*表色系の値との間の対応関係を示す参照テーブルを予め格納する段階と、少なくともイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の色材の中の2つまたは3つを記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度の測定結果を示す色特性テーブルを予め格納する段階と、前記複数の色材の刷り重ね順の入力を受けて、前記刷り重ね順に基づいて、前記複数の色材のそれぞれを記録媒体上に印刷して得られる色のそれぞれの分光濃度、前記色特性テーブルに格納された前記イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色材の中の2つまたは3つを刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度、及び、前記記録媒体の地色の分光濃度とを用いて前記網点画線部の色の分光濃度を推定する推定段階と、前記推定した分光濃度をL*a*b*表色系の値に変換する色変換段階と、前記色変換により得られたL*a*b*表色系の値と前記参照テーブルとにより、前記目標となる色を再現するための前記複数の基本色の出力強度の組み合わせを求めカラーチャンネルテーブルを生成する生成段階と、を含み、前記カラーチャンネルテーブルに基づいて、前記複数の基本色の出力強度を変化させて色調整を行い前記網点画線部の色を再現することを特徴としている。
また、請求項7記載の発明は、前記推定は、前記複数の色材を記録媒体上に前記刷り重ね順に順次刷り重ねる都度に得られる色材の組み合わせの分光濃度を、前記色材の組み合わせのそれぞれ色材の分光濃度と前記記録媒体の地色の分光濃度とを用いて演算で求め、その演算を繰り返して前記網点画線部の色の分光濃度を推定するものであって、前記刷り重ねる都度且つ前記演算する前に、前記色特性テーブルを参照し、前記色材の組み合わせに該当する前記イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色材の中の2つまたは3つを刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度があれば、前記演算をすることなく前記該当する分光濃度を採用することを特徴としている。
また、請求項8記載の発明は、前記演算は、前記刷り重ね順で下側になる分光濃度を前記刷り重ね順で上側になる色材の透明度を示す数値で調整し、前記上側になる分光濃度を前記上側になる色材の他の色材に乗る状態を示す数値で調整して行うことを特徴としている。
また、請求項9記載の発明は、前記演算は、更に、前記演算結果と前記下側になる分光濃度と前記上側になる分光濃度との積に比例する値とを用いることを特徴としている。
また、請求項10記載の発明は、顔料を含む複数の色材のそれぞれの網点画像を記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる網点画線部の色を目標の色として複数の基本色の出力強度を変化させて再現しつつカラー画像を形成するカラー画像形成装置であって、前記複数の基本色の出力強度とL*a*b*表色系の値との間の対応関係を示す参照テーブルと、少なくともイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の色材の中の2つまたは3つを記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度の測定結果を示す色特性テーブルと、前記複数の色材の刷り重ね順の入力を受けて、前記刷り重ね順に基づいて、前記複数の色材のそれぞれを記録媒体上に印刷して得られる色のそれぞれの分光濃度、前記色特性テーブルに格納された前記イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色材の中の2つまたは3つを刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度、及び、前記記録媒体の地色の分光濃度とを用いて前記網点画線部の色の分光濃度を求める演算手段と、前記求めた分光濃度をL*a*b*表色系の値に変換する色変換手段と、前記色変換手段により得られたL*a*b*表色系の値と前記参照テーブルとにより、前記目標となる色を再現するための前記複数の基本色の出力強度の組み合わせを求めカラーチャンネルテーブルを生成する生成手段と、前記カラー画像を形成する際に、前記カラーチャンネルテーブルに基づいて、前記複数の基本色の出力強度を変化させるように制御する制御手段と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の色推定方法によれば、刷り重ね順に基づいて、複数の色材のそれぞれを記録媒体上に印刷して得られる色のそれぞれの分光濃度と記録媒体の地色の分光濃度と行う推定に加えて、予め測定し格納されたY、M、C及びKの色材の中の2つまたは3つを刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度の測定結果を用いるので精度よく複数の色材を記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる色が推定できる。
請求項2に記載の色推定方法によれば、記録媒体の地色の分光濃度と、複数の色材のそれぞれを記録媒体上に印刷して得られる色のそれぞれの分光濃度とを用いて、刷り重ね順に順次刷り重ねる都度に得られる色材の組み合わせの分光濃度を演算する際、その色材の組み合わせが、色特性テーブルにある場合には、色特性テーブルの測定による分光濃度を用いるので精度よく複数の色材を記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる色が推定できる。
請求項3に記載の色推定方法によれば、下側になる分光濃度を上側の色材の透明度を示す値で調整し、上側になる分光濃度を他の色材に乗る状態を示す数値で調整することにより、刷り重ねて印刷して得られる色を高い精度で推定することができる。
請求項4に記載の色推定方法によれば、下側になる色材自体の分光濃度または上側になる色材自体の分光濃度が比較的高い濃度を示す波長で、刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度を更に補正することにより、刷り重ねて印刷して得られる色を高い精度で推定することができる。
請求項5に記載の色推定方法によれば、推定した得られた分光濃度から表色系の値を得ることができる。
請求項6に記載の色調整方法によれば、刷り重ね順に基づいて、複数の色材のそれぞれを記録媒体上に印刷して得られる色のそれぞれの分光濃度と記録媒体の地色の分光濃度と行う推定に加えて、予め測定し格納されたY、M、C及びKの色材の中の2つまたは3つを刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度の測定結果を用いるので精度よく網点画線部の色を推定でき、その推定した色を目標として再現するように複数の基本色を用いて色調整を行うことができる。
請求項7に記載の色調整方法によれば、記録媒体の地色の分光濃度と、複数の色材のそれぞれを記録媒体上に印刷して得られる色のそれぞれの分光濃度とを用いて、刷り重ね順に順次刷り重ねる都度に得られる色材の組み合わせの分光濃度を演算する際、その色材の組み合わせが、色特性テーブルにある場合には、色特性テーブルの測定による分光濃度を用いるので精度よく網点画線部の色が推定でき、その推定した色を目標として再現するように複数の基本色を用いて色調整を行うことができる。
請求項8に記載の色調整方法によれば、下側になる分光濃度を上側の色材の透明度を示す値で調整し、上側になる分光濃度を他の色材に乗る状態を示す数値で調整することにより、網点画線部の色を高い精度で推定することができ、その推定した色を目標として再現するように複数の基本色を用いて色調整を行うことができる。
請求項9に記載の色調整方法によれば、下側になる色材自体の分光濃度または上側になる色材自体の分光濃度が比較的高い濃度を示す波長で、刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度を更に補正することにより、網点画線部の色を高い精度で推定することができ、その推定した色を目標として再現するように複数の基本色を用いて色調整を行うことができる。
請求項10に記載のカラー画像形成装置によれば、刷り重ね順に基づいて、複数の色材のそれぞれを記録媒体上に印刷して得られる色のそれぞれの分光濃度と記録媒体の地色の分光濃度と行う推定に加えて、予め測定し格納されたY、M、C及びKの色材の中の2つまたは3つを刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度の測定結果を用いるので精度よく網点画線部の色を推定でき、その推定した色を目標として再現するように複数の基本色を用いて色調整を行うことができる。
本発明は、記録媒体としての印刷用紙に複数のインキを印刷し、その印刷したインキを測定して得られる色特性の値に基づいて、その測定したインキを刷り重ねて印刷して得られる色を推定するものである。特にインキが顔料を含む場合に好適に作用するものである。
また、色推定方法で用いる色特性の値として、光の各波長λに対する透過濃度(以下、分光濃度と表記する。)を用いて行う方法について述べる。
ここで、分光濃度とは、例えば380nmから730nmの間で10nm毎に波長を変えて反射率Rを測定し、その反射率Rから、
−0.5×LOG10(R)
の式により濃度に変換したものである。
−0.5×LOG10(R)
の式により濃度に変換したものである。
また、L*a*b*表色系の値とは、色を表す表色系の値の1つであり、L*軸、a*軸、b*軸の3次元空間で色を表すもので、a*b*平面により色あい及び彩度が表され、L*はa*b*平面に直交し明度を表す色特性の値である。また、L*a*b*表色系の値は、人間の眼の感度に相当するものとしてCIE(Commission Internationale de l’Eclairage;国際照明委員会)で定められたx−bar,y−bar、z−barの分光特性(所定の分光特性)で光量を積算して求めたXYZ表色系の値に基づくものである。
以下、本発明を説明するにあたり、一例としてカラープルーフ作成装置(カラー画像形成装置)に適用した実施の形態を示し、図面を参照して具体的に説明する。
(カラープルーフ作成装置の制御構成)
まず、本実施の形態のカラープルーフ作成装置は、印刷機で複数のインキのそれぞれの網点画像を刷り重ねて得られる網点画線部の色を目標の色とし、その目標とする色をカラープルーフ作成装置における複数の基本色(Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、以下「C、M、Y」、「YMC」、「CMY」と順序などを変えて記す場合もある。)の出力強度を変化させて再現しつつカラー画像を出力するものであり、本発明の色推定方法を用いた色調整方法を適用して好適なものである。
まず、本実施の形態のカラープルーフ作成装置は、印刷機で複数のインキのそれぞれの網点画像を刷り重ねて得られる網点画線部の色を目標の色とし、その目標とする色をカラープルーフ作成装置における複数の基本色(Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、以下「C、M、Y」、「YMC」、「CMY」と順序などを変えて記す場合もある。)の出力強度を変化させて再現しつつカラー画像を出力するものであり、本発明の色推定方法を用いた色調整方法を適用して好適なものである。
図1にカラープルーフ作成装置の機能ブロック図を示す。図1に示すように、本実施の形態のカラープルーフ作成装置は、制御部1、色演算部2、カラーチャンネル作成部3及び画像記録部4で構成される。さらに、各部の詳細を以下に述べる。
色演算部2は、色演算手段21、色特性テーブル22、係数テーブル23(数値テーブル)、色テーブル24及び入力手段25からなる。
色特性テーブル22は、印刷機で例えば印刷用紙にC、M、Y、K(ブラック)の各色のインキを用いて印刷した1次色、2次色、3次色、4次色(以下、まとめてCMYK1/2/3/4次色と記す場合もある。また、2/3/4次色などを多次色と記す場合もある。)、及び、印刷用紙の地色を測定した各分光濃度が予め格納されている。また、色特性テーブル22には、特色を測定した分光濃度が予め格納されていてもよい。
ここで、CMYK1/2/3/4次色について説明する。1次色とはCMYKの内の1つの色、2次色とはCMYKの内の2つを組み合わせた色、3次色とはCMYKの内の3つを組み合わせた色、4次色とはCMYKの内の4つを組み合わせた色で、1次色は、C、M、Y、K、2次色は、R(M+Y)、G(C+Y)、B(C+M)、K+C、K+M、K+Y、3次色は、C+M+Y、KR(K+M+Y)、KG(K+C+Y)、KB(K+C+M)、4次色は、C+M+Y+Kで、計15色となる。
さらに、図2に色特性テーブル22の構成を示す。図2に示すように、上述の各色及び印刷用紙の地色の各分光濃度で構成されている。ただし、各数値の表記は省略した。また、特色の例として、R(赤)、G(緑)を示した。
係数テーブル23は、各インキ毎に透明度係数a、トラッピング率係数b及び補正係数cが例えば図3に示すような構成で格納する格納手段である。透明度係数aとは、インキの透明度を示す数値で、特色を刷り重ねた場合に、下側となる色の分光濃度を補正するための係数である。また、トラッピング率係数bとは、他のインキに乗りやすいか乗りにくいか、言い換えれば、他のインキ上に乗る状態を示す数値で、上側となる場合にそのインキの色の分光濃度を補正するための係数である。補正係数cとは、後述する色の推定で用いる式に含まれる補正項に用いる係数である。
また、インキが完全に透明ならば、透明度係数aは「1」であり、完全に不透明ならば、透明度係数aは「0」であるから、透明度係数aは、0から1の間の定数である。また、トラッピング率係数bは、印刷用紙についての値を1とすれば、一般的に印刷用紙に比べ、インキに対するのりは落ちるものであるから、トラッピング率係数bは、0から1の間の定数でインキにより異なる。
入力手段25は、例えば、印刷に使用されるインキ(C、M、Y、K及び特色)やインキの刷り重ね順を指定して、カラープルーフの作成の指示を入力するためのものである。また、色特性テーブル22に、上述のような各色とその分光濃度を入力するためのものであり、また、係数テーブル23に各係数を入力するためのものである。また、例えば、測定器と接続するためのインターフェイスや、分光濃度の測定結果や各係数が入力されたFD(Floppy(登録商標) Disk)等を出し入れ可能に装着する読取装置のようなものであってもよい。
また、色特性テーブル22、係数テーブル23は、例えば、カラープルーフ作成装置の内部に備えられたHDD(Hard Disk Drive)等の記憶手段に当初から組み込まれているものでもよい。
色演算手段21は、係数テーブル23から各係数を抽出する抽出手段としての機能や、色特性テーブル22に格納されている各分光濃度から刷り重ねて印刷して得られる網点画線部の色の分光濃度を求める本発明の演算手段としての機能や、分光濃度の演算の過程でインキを刷り重ねる都度に得られる色の分光濃度を色特性テーブル22を検索し、あれば取得する取得手段としての機能や、分光濃度をL*a*b*表色系の値に変換する色変換手段としての機能や、その求めたL*a*b*表色系の値を色テーブル24に格納する機能を備える。詳細な演算方法は後述する。
色テーブル24は、印刷用紙の地色と、色演算手段21により求めた網点画線部の色のL*a*b*表色系の値を格納する(詳細後述)。
カラーチャンネル作成部3は、カラーチャンネル演算手段31と、参照テーブル32及びカラーチャンネルテーブル33からなる。
参照テーブル32は、画像記録部4における出力特性としてL*a*b*表色系の値に対応する各基本色の出力強度の組み合わせとの相関関係を定義したL*a*b*→CMY LUTを格納している。このL*a*b*→CMY LUTは、本出願人による特願2003−064629号の明細書に記載されているように、画像記録部4(後述)のC,M,Yの出力強度を最小値0から最大値までの間で等分割してそれぞれの出力を組み合わせた複数のカラー画像を配置したカラーチャートを出力し、その複数のカラー画像のL*a*b*表色系の値を測色し、そのときのC,M,Yの出力強度の組み合わせとL*a*b*表色系の値とからCMY→L*a*b* LUTを作成し、そのCMY→L*a*b* LUTを用いてL*(0〜100)、a*、(−127〜128)、b*(−127〜128)を等分割したそれぞれの組み合わせに対するC,M,Yの出力強度の組み合わせを収束演算処理をして求めることができる。
カラーチャンネル演算手段31は、色テーブル24に格納されているL*a*b*表色系の値と参照テーブル32に格納されているL*a*b*→CMY LUTとに基づいてカラーチャンネルを生成する本発明の生成手段としての機能を有する。例えば、本出願人による特願2003−064629号の明細書に記載されているように、L*a*b*→CMY LUTの入力点のL*a*b*で色テーブル24に格納されているL*a*b*表色系の値のL*a*b*各値の近傍のL*2点(L1、L2)、a*2点(a1、a2)、b*2点(b1、b2)を組み合わせた8点についてのC,M,Yの出力強度と、L*a*b*表色系の値のL*a*b*各値の各入力点との距離とから、格納されているL*a*b*表色系の値に対するC,M,Yの出力強度の組み合わせを求めることができる。
また、本実施の形態では、参照テーブル32としてL*a*b*→CMY LUTを格納するように説明したが、参照テーブル32として各基本色の出力強度の組み合わせに対応するL*a*b*表色系の値との相関関係を定義したCMY→L*a*b* LUTを格納しておいてもよい。その場合には、L*a*b*表色系の値を出力するためのCMYの出力強度の組み合わせを求める際に、CMY→L*a*b* LUTからL*a*b*→CMY LUTを求めればよい。従って、本発明の「参照テーブル」としては、L*a*b*→CMY LUTやCMY→L*a*b* LUTなど、複数の基本色の出力強度とL*a*b*表色系の値との間の対応関係を示すものであればよい。
カラーチャンネルテーブル33は、上述の印刷用紙の地色と、網点画線部の色を構成する画像記録部4でのCMYの出力強度の組み合わせを格納する。詳細は後述するが、出力強度の組み合わせは、例えば、Yの出力強度を最小値0から最大値140、M,Cの出力強度を最小値0から最大値160として示す。
画像記録部4は、赤色(R)光により感光材料のマゼンタ発色層(M層)を感光させ、緑色(G)光により感光材料のシアン発色層(C層)を感光させ、青色(B)光により感光材料のイエロー発色層(Y層)を感光させ、現像処理を行い、基本色であるY、M、Cを顕在化して出力させ,カラー画像を形成する。この赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)光による感光は、点順次に画素毎にこれらの色の光を同時に照射して行う。
制御部1は、各部の制御を行う機能を有すると共に、本発明の制御手段としての機能を有し、画像データから各インキ毎に分版された網点画像データに基づいて、画像記憶部4での各画素が出力すべき色を構成する出力強度の組み合わせをカラーチャンネルテーブル33を参照して求め、画像記録部4で基本色であるY、M、Cの出力強度を変化させて出力するように、カラーチャンネルテーブル33から求めたY、M、Cの出力強度データを、B、R、Gの露光出力強度データに変換し、画像記録部4の各色の光の強度を変化させるように制御する。このような機能を実現するために図示しないCPUと、全体の制御を行うためのプログラム、Y、M、Cの出力強度を変化させるプログラム、及び、各プログラムを実行するときに必要な各種データを記憶すると共に、各プログラムを実行するときのワークエリアを構成するシステムメモリ(図示せず)、を含んで構成される。
このようにして、カラープルーフ作成装置は、基本色Y、M、Cの出力強度を変化させることにより、印刷機で複数のインキの各網点画像を刷り重ねて作成される色を再現してカラープルーフを作成する。
(色推定方法、及び、その色補正方法を用いる色調整方法)
次に、本発明の色推定方法、及び、その色補正方法を用いる色調整方法について述べる。説明をわかりやすくするために、カラープルーフ作成装置で行う処理の手順を説明しながら、色推定方法の説明をする。
次に、本発明の色推定方法、及び、その色補正方法を用いる色調整方法について述べる。説明をわかりやすくするために、カラープルーフ作成装置で行う処理の手順を説明しながら、色推定方法の説明をする。
上述の色推定方法を含む色調整方法を適用した本実施の形態のカラープルーフ作成装置における処理の手順について図4に示すフローチャートを用いて説明する。ここで、透明度係数a、トラッピング率係数b及び補正係数cは、係数テーブル23に予め格納されている。また、印刷機で印刷用紙にC、M、Y、Kの各色のインキを用いて印刷したCMYK1/2/3/4次色及び印刷用紙の地色の分光濃度、印刷用紙に特色を印刷した色を予め測定し、色特性テーブル22に格納しておく。また、各ステップを、例えば図4ステップS21であれば省略してS21と記すことにする。他のステップも同様である。
(S21)
図4に示すように、まず、作業者が入力手段25を用いて入力するカラープルーフの作成の指示、例えば、印刷に用いる複数のインキと刷り重ね順とを入力し、そのインキと刷り重ね順で印刷する場合のカラープルーフを作成する指示を受け付ける。例えば、C、R、Kインキを使用し、刷り重ね順をK→C→Rと指示された場合を例に以下の説明をする。また、特色の分光濃度について色特性テーブル22に予め格納しておくように上述したが、作業者が入力手段25を用いてカラープルーフの作成の指示を入力する際に、用いる特色を印刷用紙に印刷した色の分光濃度の測定結果を入力するようにしてもよい。
図4に示すように、まず、作業者が入力手段25を用いて入力するカラープルーフの作成の指示、例えば、印刷に用いる複数のインキと刷り重ね順とを入力し、そのインキと刷り重ね順で印刷する場合のカラープルーフを作成する指示を受け付ける。例えば、C、R、Kインキを使用し、刷り重ね順をK→C→Rと指示された場合を例に以下の説明をする。また、特色の分光濃度について色特性テーブル22に予め格納しておくように上述したが、作業者が入力手段25を用いてカラープルーフの作成の指示を入力する際に、用いる特色を印刷用紙に印刷した色の分光濃度の測定結果を入力するようにしてもよい。
(S22)
その指示の入力を受けて、色演算手段21は、指定されたインキを刷り重ねて印刷して得られる網点画線部の色を求める。この場合、C、R、Kインキを、K→C→Rの順に刷り重ねるので、網点画線部の色は、K、C、K+C、R、K+R、C+R、及び、(K+C)+Rの7色である。この7色と印刷用紙の地色を図5に示し、各色とインキ(●印で表記)の対応関係を示した。また、インキの刷り重ね順は、図5で左側のインキから順、すなわち、K→C→Rの順である。
その指示の入力を受けて、色演算手段21は、指定されたインキを刷り重ねて印刷して得られる網点画線部の色を求める。この場合、C、R、Kインキを、K→C→Rの順に刷り重ねるので、網点画線部の色は、K、C、K+C、R、K+R、C+R、及び、(K+C)+Rの7色である。この7色と印刷用紙の地色を図5に示し、各色とインキ(●印で表記)の対応関係を示した。また、インキの刷り重ね順は、図5で左側のインキから順、すなわち、K→C→Rの順である。
(S23)
次に、色演算手段21は、印刷用紙の地色と上述の網点画線部の色の分光濃度を演算により求める。まず、印刷用紙の地色の分光濃度は、色特性テーブル22の格納されている分光濃度とする。そして、各網点画線部の色の分光濃度を図6に示す手順のように、印刷用紙の地色の分光濃度、印刷用紙に印刷された指定されたインキの1次色、及び、色特性テーブル22のCMYK2/3次色を用いて求める。図6は本発明の色推定方法の手順を示すフローチャートである。また、本発明の色推定は、色特性テーブル22のCMYK2/3次色を用いて求めるものであるから、S21で入力される複数のインキが少なくともCMYKインキの中の2つを含む場合に効果的に作用するものである。
次に、色演算手段21は、印刷用紙の地色と上述の網点画線部の色の分光濃度を演算により求める。まず、印刷用紙の地色の分光濃度は、色特性テーブル22の格納されている分光濃度とする。そして、各網点画線部の色の分光濃度を図6に示す手順のように、印刷用紙の地色の分光濃度、印刷用紙に印刷された指定されたインキの1次色、及び、色特性テーブル22のCMYK2/3次色を用いて求める。図6は本発明の色推定方法の手順を示すフローチャートである。また、本発明の色推定は、色特性テーブル22のCMYK2/3次色を用いて求めるものであるから、S21で入力される複数のインキが少なくともCMYKインキの中の2つを含む場合に効果的に作用するものである。
まず、1次色(単色)の場合をCを例に説明する。図6によれば、1刷り目のインキを印刷用紙に印刷して得られる色の分光濃度を色特性テーブル22から取得する(S11)。この場合、色特性テーブル22のCの分光濃度を取得する。続いて、次に刷り重ねるインキが有るか無いかを判定する(S12)。ここでは、C単色についてであるから、S17へ遷移し、取得したCの分光濃度をCの分光濃度とする。K、Rについても同様である。
次に、2次色の場合を、K+C、及び、K+Rを例に説明する。まず、K+Cは、1刷り目のインキを印刷用紙に印刷して得られる色の分光濃度として、色特性テーブル22のKの分光濃度を取得する(S11)。続いて、次に刷り重ねるインキが有るか無いかを判定し(S12)、Cを刷り重ねるのでS13へ遷移する。ここで、色演算手段21は、色特性テーブル22を検索してKにCを刷り重ねて得られる色が有るか無いかを判定する。色特性テーブル22にはKCがあるので(S13、Y)、印刷用紙にKとCを刷り重ねた分光濃度として、色特性テーブル22のKCの分光濃度を取得する。さらに、次に刷り重ねるインキが有るか無いかを判定する(S12)。ここでは、K+Cの2色についてであるから、S17へ遷移し、取得したKCの分光濃度をK+Cの分光濃度とする。
一方、K+Rは、1刷り目のインキを印刷用紙に印刷して得られる色の分光濃度として、色特性テーブル22のKの分光濃度を取得する(S11)。続いて、次に刷り重ねるインキが有るか無いかを判定し(S12)、Rを刷り重ねるのでS13へ遷移する。ここで、色演算手段21は、色特性テーブル22を検索してKにRを刷り重ねて得られる色が有るか無いかを判定する。色特性テーブル22にはその刷り重ねた色はないので(S13、N)、上側となるインキのRを印刷用紙に印刷して得られる色の分光濃度を色特性テーブル22から取得する(S14)。この場合、色特性テーブル22の特色1(R)の分光濃度を取得する。そして、色特性テーブル22から取得したK及びRの分光濃度を用いて印刷用紙にKとRを刷り重ねて得られる色の分光濃度を求める(S15)。
ここで、下側となるインキ(第1の色材)(以下、インキ1と記す)を印刷用紙に印刷して得られる色(以下、色1と記す)の分光濃度をSD1(λ)とする。この場合は、SD1(λ)は、Kを印刷用紙に印刷して得られる色の分光濃度、すなわち色特性テーブル22のKの分光濃度である。また、上側となるインキ(第2の色材)(以下、インキ2と記す)を印刷用紙に印刷して得られる色(以下、色2と記す)の分光濃度をSD2(λ)とする。この場合は、SD2(λ)は、Rを印刷用紙に印刷して得られる色の分光濃度、すなわち色特性テーブル22の特色1(R)の分光濃度である。また、印刷用紙の地色(以下、色W1と記す)の分光濃度をSDW1(λ)とする。さらに、インキ2すなわちRに対して設定されているトラッピング率係数b、インキ2すなわちRに対して設定されている透明度係数a、及び、補正係数cを取得する。
そして、印刷用紙にインキ1にインキ2を刷り重ねて得られる色(以下、色M12と記す)、この場合は、印刷用紙にKとRを刷り重ねて得られる色を推定する。ここで、色M12の分光濃度をSDM12(λ)としてSDM12(λ)を、
SDM12(λ)=a×(SD1(λ)−SDW1(λ))+b×(SD2(λ)−SDW1(λ))+SDW1(λ)−c×a×(SD1(λ)−SDW1(λ))×b×(SD2(λ)−SDW1(λ))
として求める。
SDM12(λ)=a×(SD1(λ)−SDW1(λ))+b×(SD2(λ)−SDW1(λ))+SDW1(λ)−c×a×(SD1(λ)−SDW1(λ))×b×(SD2(λ)−SDW1(λ))
として求める。
第1項では、SD1(λ)をaにより調整している。a×(SD1(λ)−SDW1(λ))は、インキ2を介して得られるインキ1自体の分光濃度を示す。つまり、SD1(λ)からSDW1(λ)を減算することにより、印刷用紙の分光濃度SDW1(λ)を排除したインキ1自体の分光濃度が得られ、さらに、インキ2の透明度を透明度係数aとして掛けることにより、インキ2を介して得られるインキ1自体の分光濃度となっている。また、上述のようにインキ2が完全に透明ならば、透明度係数aは「1」であり、完全に不透明ならば、透明度係数aは「0」である。
第2項では、SD2(λ)をbにより調整している。b×(SD2(λ)−SDW1(λ))は、インキ1上に重ねたときのインキ2自体の分光濃度を示す。つまり、SD2(λ)からSDW1(λ)を減算することにより、印刷用紙の分光濃度SDW1(λ)を排除したインキ2自体の分光濃度が得られ、さらに、インキ2に設定されたトラッピング率係数bとして掛けることにより、インキ1上に重ねたときのインキ2自体の分光濃度となる。また、上述したように、トラッピング率係数bは、0から1の間の定数である。
第3項は、上記2項では印刷用紙の分光濃度SDW1(λ)が排除されているので、分光濃度SDW1(λ)を加算している。
第4項c×a×(SD1(λ)−SDW1(λ))×b×(SD2(λ)−SDW1(λ))は、補正値算出のための補正項であり、インキ1自体の分光濃度またはインキ2自体の分光濃度が比較的高い濃度を示す波長で、上述の3項の和により得られる分光濃度が測定値に比べ大きくなるために、インキ1自体の分光濃度またはインキ2自体の分光濃度が比較的高い濃度のときに減じる値を大きくして補正するようにa×(SD1(λ)−SDW1(λ))とb×(SD2(λ)−SDW1(λ))との積に補正係数cとを掛けたものである。言い換えれば、SD1(λ)とSD2(λ)との積に比例する値となっている。
また、ここで用いる各インキに設定された係数値a、b、及び、cは、複数の刷り重ねた色について分光濃度SDを測定し、その複数の刷り重ねた色についての測定による分光濃度と推定による分光濃度の差が最も小さくなるように予め求めておけばよい。
さらに、次に刷り重ねるインキが有るか無いかを判定する(S12)。ここでは、K+Rの2色についてであるから、S17へ遷移し、演算により求めた分光濃度をK+Rの分光濃度とする。C+Rについても同様である。
さらに次に、3次色K+C+Rの場合を説明する。まず、K+C+Rは、1刷り目のインキを印刷用紙に印刷して得られる色の分光濃度として、色特性テーブル22のKの分光濃度を取得する(S11)。続いて、次に刷り重ねるインキが有るか無いかを判定し(S12)、Cを刷り重ねるのでS13へ遷移する。ここで、色演算手段21は、色特性テーブル22を検索してKにCを刷り重ねて得られる色が有るか無いかを判定する。色特性テーブル22にはKCがあるので(S13、Y)、印刷用紙にKとCを刷り重ねた分光濃度として、色特性テーブル22のKCの分光濃度を取得する。さらに、次に刷り重ねるインキが有るか無いかを判定する(S12)。Rを刷り重ねるのでS13へ遷移する。ここで、色演算手段21は、色特性テーブル22を検索してK、CにさらにRを刷り重ねて得られる色が有るか無いかを判定する。色特性テーブル22にはその刷り重ねた色はないので(S13、N)、上側となるインキのRを印刷用紙に印刷して得られる色の分光濃度を色特性テーブル22から取得する(S14)。この場合、色特性テーブル22の特色1(R)の分光濃度を取得する。そして、色特性テーブル22から取得したKC及びRの分光濃度を用いて印刷用紙にK、CさらにRを刷り重ねて得られる色の分光濃度を求める(S15)。上述の分光濃度をSDM12(λ)求める演算式に従うが、この場合、K+Cをインキ1とし、色特性テーブル22から取得したKCの分光濃度をSD1(λ)、Rをインキ2として、色特性テーブル22から取得した特色1(R)の分光濃度をSD2(λ)として演算する。
さらに、次に刷り重ねるインキが有るか無いかを判定する(S12)。ここでは、K+C+Rの3色についてであるから、S17へ遷移し、演算により求めた分光濃度をK+C+Rの分光濃度とする。
このように、図6のフローチャートに示した色推定の手順によれば、印刷用紙の地色の分光濃度と、複数のインキのそれぞれを印刷用紙上に印刷して得られる色のそれぞれの分光濃度とを用いて、刷り重ね順に順次刷り重ねる都度に得られるインキの組み合わせ(例えば、上述の例では、K、K+C、K+C+R)の分光濃度を演算する際、そのインキの組み合わせが、色特性テーブルにある場合には、色特性テーブルの測定による分光濃度を用いて(例えば、上述の例では、K+C)、複数の色材を記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる色推定する(例えば、上述の例では、K+Cを測定した分光濃度とRの分光濃度を用いてK+C+Rの分光濃度を求めた)ので、刷り重ねにより得られる色の分光濃度を各インキを印刷用紙に印刷して得られる色の分光濃度を用い演算し推定した場合に比べて精度よく色の推定を行うことができる。
(S24)
さらに、各々の分光濃度SDM12(λ)から、推定により求めたインキ1にインキ2を刷り重ねて得られる色M12の各分光濃度から、XYZ表色系やL*a*b*表色系等の表色系の値を以下のようにして求める。分光濃度から表色系の値を求める工程は、一般的に知られたものであるから概略のみ記述する。
さらに、各々の分光濃度SDM12(λ)から、推定により求めたインキ1にインキ2を刷り重ねて得られる色M12の各分光濃度から、XYZ表色系やL*a*b*表色系等の表色系の値を以下のようにして求める。分光濃度から表色系の値を求める工程は、一般的に知られたものであるから概略のみ記述する。
初めに、XYZ表色系の値のX、Y、Zを求める。まず、分光濃度SDM12(λ)から各波長の分光反射率RM12(λ)
RM12(λ)=10^(−2×SDM12(λ))
(ただし、a^bの表記は、aのb乗を示す。)
の式により求め、Xは、RM12(λ)にx(λ)を掛けた値を全波長(380nmから730nm)について足し合わせて求め、Yは、RM12(λ)にy(λ)を掛けた値を全波長(380nmから730nm)について足し合わせて求め、Zは、RM12(λ)にz(λ)を掛けた値を全波長(380nmから730nm)について足し合わせて求める。このx(λ),y(λ),z(λ)は、CIE( Commission Internationale de l’Eclairage (国際照明委員会))で定められているCIE1931 XYZ表色系等色関数x(λ),y(λ),z(λ)(CIE1931中では、このx,y,zの上にはバー(−)が付けられている。)の値とD50標準光源の値とを掛け合わせた値である。
RM12(λ)=10^(−2×SDM12(λ))
(ただし、a^bの表記は、aのb乗を示す。)
の式により求め、Xは、RM12(λ)にx(λ)を掛けた値を全波長(380nmから730nm)について足し合わせて求め、Yは、RM12(λ)にy(λ)を掛けた値を全波長(380nmから730nm)について足し合わせて求め、Zは、RM12(λ)にz(λ)を掛けた値を全波長(380nmから730nm)について足し合わせて求める。このx(λ),y(λ),z(λ)は、CIE( Commission Internationale de l’Eclairage (国際照明委員会))で定められているCIE1931 XYZ表色系等色関数x(λ),y(λ),z(λ)(CIE1931中では、このx,y,zの上にはバー(−)が付けられている。)の値とD50標準光源の値とを掛け合わせた値である。
そして、求めたXYZ表色系の値のX、Y、Zから、L*a*b*表色系の値のL*値、a*値、b*値を求める。まず、
Xd=X/X0、Yd=Y/Y0、Zd=Z/Z0とする。ただし、X0、Y0、Z0は、それぞれx(λ),y(λ),z(λ)を全波長(380nmから730nm)について足し合わせた値である。そして、
X2=Xd^(1/3) ;Xd>0.008856の場合
=Xd×7.787+16/116;それ以外の場合
Y2=Yd^(1/3) ;Yd>0.008856の場合
=Yd×7.787+16/116;それ以外の場合
Z2=Zd^(1/3) ;Zd>0.008856の場合
=Zd×7.787+16/116;それ以外の場合
と、X2、Y2、Z2を求め、
L*=Y2×116−16
a*=500×(X2−Y2)
b*=200×(Y2−Z2)
と、L*値、a*値、b*値で示されるL*a*b*表色系の値を求める。そして、L*a*b*表色系の値を色テーブル24に格納する。図7に示すような構成で、印刷用紙の地色(図中では、W(白)として表示)、K、C、K+C、R、K+R、C+R、及び、(K+C)+RのL*a*b*表色系の値を格納する。
Xd=X/X0、Yd=Y/Y0、Zd=Z/Z0とする。ただし、X0、Y0、Z0は、それぞれx(λ),y(λ),z(λ)を全波長(380nmから730nm)について足し合わせた値である。そして、
X2=Xd^(1/3) ;Xd>0.008856の場合
=Xd×7.787+16/116;それ以外の場合
Y2=Yd^(1/3) ;Yd>0.008856の場合
=Yd×7.787+16/116;それ以外の場合
Z2=Zd^(1/3) ;Zd>0.008856の場合
=Zd×7.787+16/116;それ以外の場合
と、X2、Y2、Z2を求め、
L*=Y2×116−16
a*=500×(X2−Y2)
b*=200×(Y2−Z2)
と、L*値、a*値、b*値で示されるL*a*b*表色系の値を求める。そして、L*a*b*表色系の値を色テーブル24に格納する。図7に示すような構成で、印刷用紙の地色(図中では、W(白)として表示)、K、C、K+C、R、K+R、C+R、及び、(K+C)+RのL*a*b*表色系の値を格納する。
(S25)
次に、カラーチャンネル演算手段31は、色テーブル24に格納されたL*a*b*表色系の値と参照テーブル32のL*a*b*→CMY LUTとから印刷用紙の地色、K、C、K+C、R、K+R、C+R、及び、(K+C)+Rについて複数の基本色の出力強度の組み合わせを求め、カラーチャンネルテーブル33に図8に示すような構成で格納する。
次に、カラーチャンネル演算手段31は、色テーブル24に格納されたL*a*b*表色系の値と参照テーブル32のL*a*b*→CMY LUTとから印刷用紙の地色、K、C、K+C、R、K+R、C+R、及び、(K+C)+Rについて複数の基本色の出力強度の組み合わせを求め、カラーチャンネルテーブル33に図8に示すような構成で格納する。
(S26)
そして、制御部1は、カラーチャンネルテーブル33を参照し、画像データに基づいて複数の基本色の出力強度を変化させるように画像記録部4を制御し、画像記録部4はその制御に従って画像形成を行う。図6を用いて説明したように、刷り重ね順に順次刷り重ねる都度に得られる色材の組み合わせの分光濃度が測定により求められている場合には、その測定値を用いて精度よく色の推定を行い、その結果を用いてカラーチャンネルテーブルを作成し、そのカラーチャンネルテーブルに基づいて複数の基本色の出力強度を変化させるので、目標とする網点画線部の色を精度よく再現することができる。
そして、制御部1は、カラーチャンネルテーブル33を参照し、画像データに基づいて複数の基本色の出力強度を変化させるように画像記録部4を制御し、画像記録部4はその制御に従って画像形成を行う。図6を用いて説明したように、刷り重ね順に順次刷り重ねる都度に得られる色材の組み合わせの分光濃度が測定により求められている場合には、その測定値を用いて精度よく色の推定を行い、その結果を用いてカラーチャンネルテーブルを作成し、そのカラーチャンネルテーブルに基づいて複数の基本色の出力強度を変化させるので、目標とする網点画線部の色を精度よく再現することができる。
また、上述の色推定もしくはカラーチャンネルテーブル生成をPC(Personal Computer)等の情報処理装置を用いて行い、その色推定結果もしくはカラーチャンネルテーブルをフロッピー(登録商標)ディスク等の媒体を介してカラープルーフ作成装置が取得し、カラー画像の形成に用いるようにすることも可能である。
また、PC等の情報処理装置とカラープルーフ作成装置とからなる画像出力システムにおいて、上述の色推定もしくはカラーチャンネルテーブル生成する機能をPC等の情報処理装置に備え、その色推定結果もしくはカラーチャンネルテーブルをインターフェイスを介してカラープルーフ作成装置が取得し、カラー画像の形成に用いるようにすることも可能である。
次に、本発明の色推定方法を用いて、インキを刷り重ね印刷して得られる色の推定を行った具体的な一例を示す。本例では、K(ブラック)、C(シアン)に特色2(R)を刷り重ねるものを一例として示す。
まず、図9に、分光反射率Rの測定結果である印刷用紙の地色の分光反射率RW1(λ)、K+Cの分光反射率R1(λ)及び特色2(R)の分光反射率R2(λ)を示した。また、推定して得られる色と実際に刷り重ねて得られる色との後述の分光濃度の比較のため実際にK、C、特色2(R)を刷り重ねて印刷用紙に印刷し測定した結果を分光反射率RT12(λ)として併記した。なお、図9には、380nmから730nmの間の10nm刻みの波長について測定した結果を示した。
次に、分光反射率Rから分光濃度SDを
SD=−0.5×LOG10(R)
の式により、印刷用紙の地色の分光濃度SDW1(λ)、K+Cの分光濃度SD1(λ)及び特色2(R)の分光濃度SD2(λ)を求め、さらに、K+C、特色2(R)を刷り重ねて得られる色の分光濃度SDM12(λ)を、
SDM12(λ)=a×(SD1(λ)−SDW1(λ))+b×(SD2(λ)−SDW1(λ))+SDW1(λ)−c×a×(SD1(λ)−SDW1(λ))×b×(SD2(λ)−SDW1(λ))
の式により各波長について演算する。この時、透明度係数aは、図3より特色2(R)の透明度係数0.9を、トラッピング率係数bは、図3より特色2(R)のトラッピング率係数0.9を、補正係数cは、図3より0.75とする。また、Kの分光反射率とCの分光反射率とから演算で求めたK+Cの分光濃度SD1´(λ)を求め、同様にして特色2(R)を刷り重ねて得られる色の分光濃度SDM´12(λ)を求める。
SD=−0.5×LOG10(R)
の式により、印刷用紙の地色の分光濃度SDW1(λ)、K+Cの分光濃度SD1(λ)及び特色2(R)の分光濃度SD2(λ)を求め、さらに、K+C、特色2(R)を刷り重ねて得られる色の分光濃度SDM12(λ)を、
SDM12(λ)=a×(SD1(λ)−SDW1(λ))+b×(SD2(λ)−SDW1(λ))+SDW1(λ)−c×a×(SD1(λ)−SDW1(λ))×b×(SD2(λ)−SDW1(λ))
の式により各波長について演算する。この時、透明度係数aは、図3より特色2(R)の透明度係数0.9を、トラッピング率係数bは、図3より特色2(R)のトラッピング率係数0.9を、補正係数cは、図3より0.75とする。また、Kの分光反射率とCの分光反射率とから演算で求めたK+Cの分光濃度SD1´(λ)を求め、同様にして特色2(R)を刷り重ねて得られる色の分光濃度SDM´12(λ)を求める。
そして、分光濃度SDM12(λ)を図10に示した。また、図10には、推定して得られる色と実際に刷り重ねて得られる色との比較のため分光反射率RT12(λ)から求めた分光濃度SDT12(λ)を求め併記した。さらに、図10には、分光濃度SDM´12(λ)を併記した。
分光濃度から表色系の値を求める工程は、一般的に知られたものであるから概略のみを分光濃度SDM12(λ)の場合を例に記述する。
初めに、XYZ表色系のX、Y、Zを求める。まず、分光濃度SDM12(λ)から各波長の分光反射率RM12(λ)
RM12(λ)=10^(−2×SDM12(λ))
(ただし、a^bの表記は、aのb乗を示す。)
の式により求め、Xは、RM12(λ)にx(λ)を掛けた値を全波長(380nmから730nm)について足し合わせて求め、Yは、RM12(λ)にy(λ)を掛けた値を全波長(380nmから730nm)について足し合わせて求め、Zは、RM12(λ)にz(λ)を掛けた値を全波長(380nmから730nm)について足し合わせて求める。このx(λ),y(λ),z(λ)は、CIE( Commission Internationale de l’Eclairage (国際照明委員会))で定められているCIE1931 XYZ表色系等色関数x(λ),y(λ),z(λ)(CIE1931中では、このx,y,zの上にはバー(−)が付けられている。)の値とD50標準光源の値とを掛け合わせた値である。このようにして、X、Y、Zが、
(X、Y、Z)=(1.08、0.99、0.88)
と求まる。
RM12(λ)=10^(−2×SDM12(λ))
(ただし、a^bの表記は、aのb乗を示す。)
の式により求め、Xは、RM12(λ)にx(λ)を掛けた値を全波長(380nmから730nm)について足し合わせて求め、Yは、RM12(λ)にy(λ)を掛けた値を全波長(380nmから730nm)について足し合わせて求め、Zは、RM12(λ)にz(λ)を掛けた値を全波長(380nmから730nm)について足し合わせて求める。このx(λ),y(λ),z(λ)は、CIE( Commission Internationale de l’Eclairage (国際照明委員会))で定められているCIE1931 XYZ表色系等色関数x(λ),y(λ),z(λ)(CIE1931中では、このx,y,zの上にはバー(−)が付けられている。)の値とD50標準光源の値とを掛け合わせた値である。このようにして、X、Y、Zが、
(X、Y、Z)=(1.08、0.99、0.88)
と求まる。
さらに、X、Y、Zから、L*a*b*表色系の値L*値、a*値、b*値を求める。まず、Xd、Yd、Zdを求める。そして、
X2=Xd^(1/3) ;Xd>0.008856の場合
=Xd×7.787+16/116;それ以外の場合
Y2=Yd^(1/3) ;Yd>0.008856の場合
=Yd×7.787+16/116;それ以外の場合
Z2=Zd^(1/3) ;Zd>0.008856の場合
=Zd×7.787+16/116;それ以外の場合
と、X2、Y2、Z2を求め、
L*=Y2×116−16
a*=500×(X2−Y2)
b*=200×(Y2−Z2)
と求めることができる。
X2=Xd^(1/3) ;Xd>0.008856の場合
=Xd×7.787+16/116;それ以外の場合
Y2=Yd^(1/3) ;Yd>0.008856の場合
=Yd×7.787+16/116;それ以外の場合
Z2=Zd^(1/3) ;Zd>0.008856の場合
=Zd×7.787+16/116;それ以外の場合
と、X2、Y2、Z2を求め、
L*=Y2×116−16
a*=500×(X2−Y2)
b*=200×(Y2−Z2)
と求めることができる。
上述のようにして図10に示す分光濃度SDM12(λ)及び実測して得られたSDT12(λ)から、それぞれのL*値、a*値、b*値をLM*、aM*、bM*及びLT*、aT*、bT*として求めると、
(LM*、aM*、bM*)=(8.9、4.7、−1.2)、
(LT*、aT*、bT*)=(9.5、3.2、2.0)
が得られる。その色差ΔEは、
ΔE=((LM*−LT*)^2+(aM*−aT*)^2+(bM*−bT*)^2)^(1/2)=3.5
となり、十分小さなものになっており、精度良く色の推定がなされていることがわかる。
(LM*、aM*、bM*)=(8.9、4.7、−1.2)、
(LT*、aT*、bT*)=(9.5、3.2、2.0)
が得られる。その色差ΔEは、
ΔE=((LM*−LT*)^2+(aM*−aT*)^2+(bM*−bT*)^2)^(1/2)=3.5
となり、十分小さなものになっており、精度良く色の推定がなされていることがわかる。
一方、分光濃度SDM´12(λ)から同様にL*a*b*表色系の値LM´*、aM´*、bM´*を求めると、
(LM´*、aM´*、bM´*)=(10.8、4.1、−2.2)
となり、同様にSDT12(λ)から求めたL*a*b*表色系の値との色差を求めると、
ΔE=4.5
となり、K+Cを印刷し測定して得た分光濃度用いた方が、色差が小さく精度よく色の推定がなされていることがわかる。したがって、本発明の推定方法が効果的に作用していることがわかる。
(LM´*、aM´*、bM´*)=(10.8、4.1、−2.2)
となり、同様にSDT12(λ)から求めたL*a*b*表色系の値との色差を求めると、
ΔE=4.5
となり、K+Cを印刷し測定して得た分光濃度用いた方が、色差が小さく精度よく色の推定がなされていることがわかる。したがって、本発明の推定方法が効果的に作用していることがわかる。
なお、本実施の形態は、本出願人が特願2003−292889で提案したようなインキ1、インキ2及び印刷用紙のL*a*b*表色系の値と、L*a*b*表色系の値の分光特性とは異なる分光特性による濃度を測定し、刷り重ねた色のXYZ表色系の値のうちの少なくとも1つの値についてはL*a*b*表色系の値及び異なる分光特性による濃度を用いて求める場合にも、刷り重ねにより得られる色のL*a*b*表色系の値及び異なる分光特性による濃度が測定により求められている場合には、その測定値を用いて行うことが可能である。
1 制御部
2 色演算部
21 色演算手段
22 色特性テーブル
23 係数テーブル
24 色テーブル
25 入力手段
3 カラーチャンネル作成部
31 カラーチャンネル演算手段
32 参照テーブル
33 カラーチャンネルテーブル
4 画像記録部
2 色演算部
21 色演算手段
22 色特性テーブル
23 係数テーブル
24 色テーブル
25 入力手段
3 カラーチャンネル作成部
31 カラーチャンネル演算手段
32 参照テーブル
33 カラーチャンネルテーブル
4 画像記録部
Claims (10)
- 顔料を含む複数の色材を記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる色を推定する色推定方法であって、
少なくともイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の色材の中の2つまたは3つを記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度の測定結果を示す色特性テーブルを予め格納する段階と、
前記複数の色材の刷り重ね順の入力を受けて、前記刷り重ね順に基づいて、前記複数の色材のそれぞれを記録媒体上に印刷して得られる色のそれぞれの分光濃度、前記色特性テーブルに格納された前記イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色材の中の2つまたは3つを刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度、及び、前記記録媒体の地色の分光濃度とを用いて、前記複数の色材を記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度を推定する推定段階と、を含むことを特徴とする色推定方法。 - 前記推定は、前記複数の色材を記録媒体上に前記刷り重ね順に順次刷り重ねる都度に得られる色材の組み合わせの分光濃度を、前記色材の組み合わせのそれぞれ色材の分光濃度と前記記録媒体の地色の分光濃度とを用いて演算で求め、その演算を繰り返して前記複数の色材を刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度を推定するものであって、前記刷り重ねる都度且つ前記演算する前に、前記色特性テーブルを参照し、前記色材の組み合わせに該当する前記イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色材の中の2つまたは3つを刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度があれば、前記演算をすることなく前記該当する分光濃度を採用する請求項1に記載の色推定方法。
- 前記演算は、前記刷り重ね順で下側になる分光濃度を前記刷り重ね順で上側になる色材の透明度を示す数値で調整し、前記上側になる分光濃度を前記上側になる色材の他の色材に乗る状態を示す数値で調整して行う請求項2に記載の色推定方法。
- 前記演算は、更に、前記演算結果と前記下側になる分光濃度と前記上側になる分光濃度との積に比例する値とを用いる請求項3に記載の色推定方法。
- 前記推定した分光濃度を表色系の値に変換する段階を、更に含む請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の色推定方法。
- 顔料を含む複数の色材のそれぞれの網点画像を記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる網点画線部の色を目標の色として再現するように複数の基本色の出力強度を変化させて色調整を行う色調整方法であって、
前記複数の基本色の出力強度とL*a*b*表色系の値との間の対応関係を示す参照テーブルを予め格納する段階と、
少なくともイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の色材の中の2つまたは3つを記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度の測定結果を示す色特性テーブルを予め格納する段階と、
前記複数の色材の刷り重ね順の入力を受けて、前記刷り重ね順に基づいて、前記複数の色材のそれぞれを記録媒体上に印刷して得られる色のそれぞれの分光濃度、前記色特性テーブルに格納された前記イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色材の中の2つまたは3つを刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度、及び、前記記録媒体の地色の分光濃度とを用いて前記網点画線部の色の分光濃度を推定する推定段階と、
前記推定した分光濃度をL*a*b*表色系の値に変換する色変換段階と、
前記色変換により得られたL*a*b*表色系の値と前記参照テーブルとにより、前記目標となる色を再現するための前記複数の基本色の出力強度の組み合わせを求めカラーチャンネルテーブルを生成する生成段階と、を含み、
前記カラーチャンネルテーブルに基づいて、前記複数の基本色の出力強度を変化させて色調整を行い前記網点画線部の色を再現することを特徴とする色調整方法。 - 前記推定は、前記複数の色材を記録媒体上に前記刷り重ね順に順次刷り重ねる都度に得られる色材の組み合わせの分光濃度を、前記色材の組み合わせのそれぞれ色材の分光濃度と前記記録媒体の地色の分光濃度とを用いて演算で求め、その演算を繰り返して前記網点画線部の色の分光濃度を推定するものであって、前記刷り重ねる都度且つ前記演算する前に、前記色特性テーブルを参照し、前記色材の組み合わせに該当する前記イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色材の中の2つまたは3つを刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度があれば、前記演算をすることなく前記該当する分光濃度を採用する請求項6に記載の色調整方法。
- 前記演算は、前記刷り重ね順で下側になる分光濃度を前記刷り重ね順で上側になる色材の透明度を示す数値で調整し、前記上側になる分光濃度を前記上側になる色材の他の色材に乗る状態を示す数値で調整して行う請求項7に記載の色調整方法。
- 前記演算は、更に、前記演算結果と前記下側になる分光濃度と前記上側になる分光濃度との積に比例する値とを用いる請求項8に記載の色調整方法。
- 顔料を含む複数の色材のそれぞれの網点画像を記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる網点画線部の色を目標の色として複数の基本色の出力強度を変化させて再現しつつカラー画像を形成するカラー画像形成装置であって、
前記複数の基本色の出力強度とL*a*b*表色系の値との間の対応関係を示す参照テーブルと、
少なくともイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の色材の中の2つまたは3つを記録媒体上に刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度の測定結果を示す色特性テーブルと、
前記複数の色材の刷り重ね順の入力を受けて、前記刷り重ね順に基づいて、前記複数の色材のそれぞれを記録媒体上に印刷して得られる色のそれぞれの分光濃度、前記色特性テーブルに格納された前記イエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの色材の中の2つまたは3つを刷り重ねて印刷して得られる色の分光濃度、及び、前記記録媒体の地色の分光濃度とを用いて前記網点画線部の色の分光濃度を求める演算手段と、
前記求めた分光濃度をL*a*b*表色系の値に変換する色変換手段と、
前記色変換手段により得られたL*a*b*表色系の値と前記参照テーブルとにより、前記目標となる色を再現するための前記複数の基本色の出力強度の組み合わせを求めカラーチャンネルテーブルを生成する生成手段と、
前記カラー画像を形成する際に、前記カラーチャンネルテーブルに基づいて、前記複数の基本色の出力強度を変化させるように制御する制御手段と、を有することを特徴とするカラー画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004104501A JP2005288775A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 色推定方法、色調整方法及びカラー画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004104501A JP2005288775A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 色推定方法、色調整方法及びカラー画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2005288775A true JP2005288775A (ja) | 2005-10-20 |
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ID=35322279
Family Applications (1)
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JP2004104501A Pending JP2005288775A (ja) | 2004-03-31 | 2004-03-31 | 色推定方法、色調整方法及びカラー画像形成装置 |
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---|---|
JP (1) | JP2005288775A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2020017902A (ja) * | 2018-07-27 | 2020-01-30 | 株式会社Screenホールディングス | 色予測方法、印刷データ生成方法、印刷データ生成装置、および色予測プログラム |
JP2020134405A (ja) * | 2019-02-22 | 2020-08-31 | 理想科学工業株式会社 | 色予測装置および印刷画像予測装置。 |
WO2021199672A1 (ja) * | 2020-04-01 | 2021-10-07 | 東洋製罐株式会社 | 印刷装置、印刷方法及び缶体 |
JP2022118023A (ja) * | 2018-07-27 | 2022-08-12 | 株式会社Screenホールディングス | 色予測方法 |
-
2004
- 2004-03-31 JP JP2004104501A patent/JP2005288775A/ja active Pending
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JP7082919B2 (ja) | 2018-07-27 | 2022-06-09 | 株式会社Screenホールディングス | 色予測方法、印刷データ生成方法、印刷データ生成装置、および色予測プログラム |
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WO2021199672A1 (ja) * | 2020-04-01 | 2021-10-07 | 東洋製罐株式会社 | 印刷装置、印刷方法及び缶体 |
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