JP2005287055A - 伝送線路及び半導体集積回路装置 - Google Patents

伝送線路及び半導体集積回路装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2005287055A
JP2005287055A JP2005110068A JP2005110068A JP2005287055A JP 2005287055 A JP2005287055 A JP 2005287055A JP 2005110068 A JP2005110068 A JP 2005110068A JP 2005110068 A JP2005110068 A JP 2005110068A JP 2005287055 A JP2005287055 A JP 2005287055A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission line
circuit
resistance layer
frequency
resistance
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2005110068A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Sugano
浩 菅野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2005110068A priority Critical patent/JP2005287055A/ja
Publication of JP2005287055A publication Critical patent/JP2005287055A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Waveguide Connection Structure (AREA)
  • Waveguides (AREA)

Abstract

【課題】 伝送線路に接続される端子同士の間の高周波分離特性を改善可能な伝送線路及び半導体集積回路装置を提供する。
【解決手段】 本発明の伝送線路は、信号配線3と、誘電体層2を挟んで信号配線に対向する抵抗層4と、抵抗層に電気的に接続された接地用導体11とを備え、信号配線を所定周波数の高周波信号が伝送される際に、誘電体層によって信号配線と抵抗層との間に形成された容量を介して抵抗層に誘起される高周波電流が、抵抗層、及び抵抗層と接地用導体との間を流れる際に発生する単位長さあたりの抵抗を付加抵抗と定義し、前記高周波電流が接地用導体を流れる際に発生する単位長さあたりの抵抗を接地抵抗とした定義した場合に、付加抵抗が接地抵抗よりも大きい。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マイクロ波帯域、ミリ波帯域などにおける高周波信号を扱う伝送線路及び伝送線路を備えた半導体集積回路装置に関する。
従来、マイクロ波帯域、ミリ波帯域などにおける高周波信号を搬送波として用いる通信装置内において、能動デバイスへ給電するためのバイアス供給回路としては、マイクロストリップ線路やコプレーナ線路などの伝送線路を利用するのが一般的である。
図22(a)、(b)は、それぞれ一般的なマイクロストリップ線路、コプレーナ線路の構造を概略的に示す断面図である。
図22(a)に示すように、マイクロストリップ線路は、誘電体基板101と、誘電体基板101の上面に設けられた信号配線102と、誘電体基板101の下面に設けられ、誘電体基板101を挟んで信号配線に対向する接地導体層103とを備えている。
図22(b)に示すように、コプレーナ線路は、誘電体基板101と、誘電体基板101の上面に設けられた信号配線102と、誘電体基板101の上面に設けられ、信号配線102とは所定の間隔でその幅方向において対向する1対の接地導体層104とを備えている。
そして、通信装置の主信号回路には、主信号回路に共通の電圧を供給するための任意の個数のバイアス端子が、図22(a)、(b)に示すような伝送線路を有するバイアス供給回路を介して電気的に接続されている。この通信装置は、伝送線路、能動素子、受動素子などを共通の誘電体基板上に設けた半導体集積回路装置であるマイクロ波モノリシック集積回路(以下、MMICという)及びこれに付随する周辺回路によって構成されていることが多い。
一般に、通信装置であるモジュール内においては、搬送波を効率よく伝送する必要がある。そのためには、MMICや周辺回路の中でも搬送波が伝送する箇所において、それらの回路を構成する誘電体基板が低損失な材料によって構成されていることや、信号配線が高導電率(低抵抗)の材料によって構成されていることなどが必要とされる。
そこで、低損失の材料であるガリウム砒素などを誘電体基板材料として用い、伝送線路、能動素子、受動素子などを共通の誘電体基板上に設けたMMICも知られている。
図23は、第1の従来例である、高周波増幅器として機能するモジュール中の出力側の回路構成を示す回路図である。同図に示すモジュール内において、MMICは、能動素子111と、出力端子Tout と、能動素子111と出力端子Tout とを互いに電気的に接続する主信号線路112a、112bと、DC阻止キャパシタ118とを有する主信号回路110を備えている。このように構成されたMMICでは、主信号回路110において、入力部(図示せず)で受けた入力信号を能動素子111によって増幅などした後、能動素子111の出力信号を主信号線路112a、112bを通過させて出力端子Tout から出力する。また、MMICは、主信号線路112a、112bの中間部位から分岐する短絡スタブ113と、短絡スタブ113と接地導体との間に介設された第1のバイパスコンデンサ114とを備えている。さらに、モジュール全体には、MMICに電源電圧を供給するためのバイアス供給回路120Aが設けられており、該バイアス供給回路120Aは、DCの電源電圧を供給するためのバイアス端子Tvdと、2つの直列に接続された伝送線路115及び伝送線路116と、伝送線路115と伝送線路116との接続点と接地導体との間に介設された第2のバイパスコンデンサ117とを備えている。
ここで、短絡スタブ113は、RF(無線周波数)帯域において、主信号回路110に対して整合回路として機能するとともに、バイアス供給回路120Aの一部としても機能している。第1のバイパスコンデンサ114の容量値C1は、設計周波数帯域に含まれる高周波信号が短絡処理されるように設定される。第2のバイパスコンデンサ117の容量値C2は低周波数帯域に含まれる高周波信号が短絡処理されるよう大きな値に設定され、この例では、チップコンデンサとして外付けされている。
一般に、通信装置においては、主信号回路110からバイアス端子Tvdまでの間のバイアス供給経路(バイアス供給回路120A)において高周波信号が短絡処理されていないと、バイアス供給回路120Aに高周波信号が漏洩するおそれがある。例えば、多段増幅器においては、バイアス供給回路を構成する伝送線路が、後段増幅器から前段増幅器へ正帰還を起こすような状態で接続されていると、寄生発振を引き起こすおそれがある。そこで、図23に示すモジュールにおいては、バイアス供給線路を構成する伝送線路の一部である伝送線路115の両端と接地導体との間に、それぞれシャントの配置となるようにバイパスコンデンサ114および117を設けて、能動素子111が増幅する可能性があるあらゆる周波数成分の高周波信号が短絡処理されるようにしている。
しかしながら、上記従来の伝送線路や、伝送線路を有する通信装置において、まだまだ解決すべき課題が多い。
たとえば、図23に示すモジュール(増幅器)においては、主信号回路110からバイアス端子Tvdまでの間のバイアス供給経路において能動素子111が増幅する可能性があるあらゆる周波数成分の高周波信号が十分に短絡処理される条件が満たされているわけではない。そのために、伝送線路により接続される各素子間や各端子間の高周波分離特性が満足でないという課題があった。具体的には、数十MHz程度の低周波帯域を短絡処理するべく設計された高容量値のチップコンデンサ(例えば図23に示す第2バイパスコンデンサ117)は、接地容量などの寄生成分を有するため数GHz程度以上の高周波帯域を短絡処理することは困難である。そのために、たとえば、後段の能動素子と前段の能動素子が同じバイアス供給回路に接続されるような一般的な多段直列接続された増幅素子構造においては、正帰還による寄生発振の恐れが生じる。これは、後段の能動素子において増幅された高周波信号の中で出力側のバイアス供給回路へと漏洩し、短絡処理されなかった成分が、前段の能動素子へとバイアス供給回路を介して正帰還となる位相条件で入力されると、寄生発振が生じるものである。
また、たとえば第1のバイパスコンデンサ114のキャパシタンスとバイアス供給回路の伝送線路115、116が有するインダクタンスによって共振が生じることがある。そのとき、伝送線路115に定在波が立って放射が起きるため、共振周波数においては周辺回路と意図しない結合が起きるおそれがある。また、短絡スタブ113に接続される主信号回路110における信号の通過特性は、共振周波数において意図せず改善されてしまう。このため、増幅器全体の特性としても、共振周波数において不要な利得のピークが発生することになる。
図24は、第2の従来例である、上記共振のQ値低減のための構造を付加した高周波増幅器(モジュール)中の出力側の回路構成を示す回路図である。図24に示すように、このMMICは、バイアス供給回路120Bの伝送線路115aと伝送線路115bとの間に、抵抗値R1の抵抗体119を介在させることにより、低周波数成分を減衰させて不安定性を改善するように構成されている。
しかし、図24に示す構成では、低周波数成分を除去するためには抵抗体119の電気抵抗値を大きく設定する必要があり、その場合には、バイアス端子Tvdから供給される電源電圧の電圧降下が大きくなる。すなわち、MMICの駆動電圧を低下させるために、MMICにおける増幅効率を悪化させる等の不具合を招くおそれがある。
図25は、第3の従来例である、共振のQ値低減のための別の構造を付加した高周波増幅器(モジュール)中の出力側の回路構成を示すブロック回路図である。この高周波増幅器は、文献(例えば非特許文献1参照)に開示されている。この回路構成例では、バイアス供給回路120Cを、RC直列回路123によって該バイアス供給回路120Cに並列に短絡処理する方法がとられている。図25の高周波増幅器の出力回路において、図23の高周波増幅器の出力回路と相違する点は、図23の高周波増幅器の出力回路において、両端にシャントの容量(第1のバイパスコンデンサ114と第2のバイパスコンデンサ117)を接続していた伝送線路115は、図25の高周波増幅器の出力回路においては、伝送線路115a、115bに分割され、両伝送線路115a、115bの接続点において、第3のバイパスコンデンサ122が追加されてシャントの配置で接続されることにある。また、両伝送線路115a、115bの接続点と第3のバイパスコンデンサ122との間には、抵抗値R2の抵抗体121が配置されている点も、図23の高周波増幅器の出力回路とは異なる点である。言い換えると、図25の高周波増幅器の出力回路には、安定化回路として機能するRC直列回路123がバイアス供給回路120Cの一部位と接地導体との間に新たに挿入されている。
ここで、第3のバイパスコンデンサ122の容量値C3は、第1、第2のバイパスコンデンサ114、117によって短絡されない中間周波数帯域の高周波信号が短絡されるよう設定される。また、抵抗体121を設けているのは、設計周波数帯域よりも低い低周波帯域の高周波信号における不要利得を低減し、高周波増幅器の安定度を向上させるべく、中間周波数帯域の高周波信号に損失を与えて短絡処理するためである。
チェン他著:"One Watt Q-Band Class A Pseudomorphic HEMT MMIC Amplifier" 、1994年 IEEE MTT−S ダイジェスト p.p.805-808
しかしながら、図25に示す高周波増幅器においては、中間周波数帯域の高周波信号を短絡処理するために十分な容量値のバイパスコンデンサ122と、抵抗体121とを図23に示す高周波増幅器に追加して配置する必要が生じ、モジュール全体の回路面積の増大を招くことから好ましくない。
また、マイクロストリップ線路を伝送線路として用いる高周波増幅器においては、接地回路としてバイアホールをも追加配置する必要が生じ、回路面積をさらに増大させることになり、好ましくない。
また、図25に示す高周波増幅器において、RC直列回路123を他の回路素子に近接して配置すると、隣接する他の回路(例えば主信号回路110)との電磁気的結合が生じ、高周波増幅器が不安定になるという不具合も生じるおそれがあった。これを回避すべく、RC直列回路123を主信号回路110から遠ざけて配置する方法も考えられるが、そうすると、回路面積をさらに増大させることになり、好ましくない。
上述のような不具合は、増幅器だけでなく、ミキサ(混合器)、周波数逓倍器、スイッチ、アッテネータ、分周器、直交変調器等の半導体集積回路装置全般に共通する不具合である。
本発明の目的は、伝送線路に接続される端子同士の間の高周波分離特性を改善可能な伝送線路及び半導体集積回路装置を提供することにある。
上記の目的を達成するために、本発明に係る伝送線路は、信号配線と、誘電体層を挟んで前記信号配線に対向する抵抗層と、前記抵抗層に電気的に接続された接地用導体とを備え、前記信号配線を所定周波数の高周波信号が伝送される際に、前記誘電体層によって前記信号配線と前記抵抗層との間に形成された容量を介して前記抵抗層に誘起される高周波電流が、前記抵抗層、及び前記抵抗層と前記接地用導体との間を流れる際に発生する単位長さあたりの抵抗を付加抵抗と定義し、前記高周波電流が前記接地用導体を流れる際に発生する単位長さあたりの抵抗を接地抵抗とした定義した場合に、前記付加抵抗が前記接地抵抗よりも大きい。ここで、単位長さの長さ方向は、信号の伝送方向を意味している。このような構成とすると、伝送線路において、信号配線及び抵抗層の誘電体層を挟んで互いに対向する部分によって、容量と抵抗とからなる多数のRC直列成分が並列に配置された回路が形成されるので、伝送線路を流れる信号の高周波数成分が減衰する。したがって、この伝送線路を通じてバイアスを供給するバイアス供給回路を、高周波信号を処理する回路に接続した場合に、当該回路からバイアス供給回路に漏洩する高周波電力を効率よく低減することができる。換言すれば、伝送線路が接続される端子間の高周波分離特性を向上させることができる。
前記抵抗層の長さが前記高周波信号の上限周波数の信号の実効波長λの1/16以上であってもよい。このような構成とすると、信号配線と抵抗層との間に形成される容量と付加抵抗とを分布定数的に扱うことができる。
前記抵抗層を構成する材料の導電率が前記接地用導体の導電率より小さくてもよい。このような構成とすると、この条件を採用することにより、本発明の伝送線路へ付加される単位長さあたりの付加抵抗を、伝送線路における単位長さあたりの接地用導体により生じている抵抗よりも大きく設定することができる。
前記抵抗層を構成する材料の導電率が1×10S/m以上1×10S/m以下であることが好ましい。
前記抵抗層を構成する材料の導電率が1×10S/m以上1×10S/m以下であることがより好ましい。
前記抵抗層が、クロム、ニッケルクロム合金、鉄−クロム合金、タリウム、クロム−酸化珪素複合体、チタン、不純物含有半導体、及びポリシリコンの多結晶又は非晶質半導体の中から選択された少なくとも1つの材料で構成されていてもよい。このような構成とすると、抵抗層において生じる付加抵抗の値を高く設定せしめることが可能である。
前記抵抗層の幅が前記信号配線の幅より大きくてもよい。
前記抵抗層はその全幅に渡って前記信号配線に対向するよう形成されていてもよい。このような構成とすると、信号配線が幅方向において全面的に抵抗層と対向するため、信号配線から接地導体層へ漏れる電界分布が抑制され、その結果、伝送線路が接続される端子間の高周波分離特性の向上効果がより大きくなる。
前記誘電体層の上面に前記信号配線が形成され、前記基板と前記誘電体層との間に前記抵抗層が形成され、前記基板の下面に前記接地用導体が形成され、前記抵抗層が前記基板を貫通する貫通導体によって前記接地用導体に接続されていてもよい。このような構成とすると、マイクロストリップ線路構造を有する高周波回路に適した伝送線路を得ることができる。
前記貫通導体が前記抵抗層の縁部に形成されていてもよい。このような構成とすると、抵抗層に誘起される高周波電流の流路が長くなるので、単位長さあたりの付加抵抗を大きくすることができる。
複数の前記貫通導体が前記抵抗層の長さ方向に間隔を有して形成されていてもよい。このような構成とすると、信号配線と抵抗層との間に形成される容量と付加抵抗とをより分布定数的に配置することができる。
前記誘電体層の上面に前記信号配線が形成され、前記基板と前記誘電体層との間に前記抵抗層が形成され、前記誘電体層の上面に前記接地用導体が形成され、前記抵抗層が前記誘電体層を貫通する貫通導体によって前記接地用導体に接続されていてもよい。このような構成とすると、コプレーナ線路構造を有する高周波回路に適した伝送線路を得ることができる。
前記基板と前記誘電体層との間に前記信号配線が形成され、前記誘電体層の上面に前記抵抗層が形成され、前記誘電体層の上面に前記接地用導体が前記抵抗層に接続されるように形成されていてもよい。このような構成とすると、貫通導体を省略することができる。また、本発明に係る半導体集積回路装置は、1以上の能動素子が配置された主信号回路と、伝送線路を有し該伝送線路を通じて前記主信号回路にバイアスを供給するためのバイアス供給回路とを備え、前記伝送線路の少なくとも一部が、請求項8記載の伝送線路で構成されている。このような構成とすると、主信号回路からバイアス供給回路に漏洩する不要な(周波数帯域の)高周波電力を効率よく低減することができ、その結果、半導体集積回路装置の安定動作が可能となる。また、この伝送線路により、大きなキャパシタを設けることなく上述の効果を発揮し得るので、半導体集積回路装置の小型化を図ることができる。
前記伝送線路が、前記主信号回路に接続された第1の伝送線路と該第1の伝送線路に接続された第2の伝送線路とを有し、前記第1の伝送線路がコプレーナ線路又はマイクロストリップ線路で構成され、前記第1の伝送線路が前記伝送線路の少なくとも一部で構成され、前記第1の伝送線路の前記主信号回路側の端がバイパスコンデンサを介して接地端子に接続されていてもよい。このような構成とすると、より好適に、回路面積の増大を抑制しつつ、主信号回路からバイアス供給回路に漏洩する不要な(周波数帯域の)高周波電力を効率よく低減することができる。
前記半導体集積回路装置は、前記1以上の能動素子として1つの増幅用トランジスタを有する1段の高周波増幅器であり、前記バイアス供給回路は、前記主信号回路の前記能動素子よりも前段側である入力側回路と、前記主信号回路の前記能動素子よりも後段側である出力側回路とのうちの少なくとも1つのバイアス供給回路であってもよい。このような構成とすると、主信号回路からバイアス供給回路に漏洩する不要な周波数帯域の高周波電力を低減して、安定動作を行うことができる。
前記半導体集積回路装置は、前記1以上の能動素子として複数の増幅用トランジスタを有する複数段の高周波増幅器であり、前記バイアス供給回路は、前記主信号回路の前記能動素子よりも前段側である入力側回路と、前記主信号回路の前記能動素子よりも後段側である出力側回路と、前記複数の増幅用トランジスタ間の段間回路とのうちの少なくとも1つのバイアス供給回路であってもよい。このような構成とすると、主信号回路からバイアス供給回路に漏洩する高周波電力の前段への正帰還による寄生発振を抑制することができる。
なお、ここでは能動素子は増幅用トランジスタであるものと限定したが、増幅に限らず、高周波信号の振幅、位相の制御、等を目的として使用される全てのトランジスタが該当することはいうまでもない。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。
本発明は、以上に説明した構成を有し、伝送線路及び半導体集積回路装置において、伝送線路に接続される端子同士の間の高周波分離特性を改善可能であるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る伝送線路の構造を示す断面図、図2は図1の伝送線路の平面構造を示す平面図である。
図1に示すように、本実施形態の伝送線路は、誘電体基板1と、誘電体基板1の上面に設けられた誘電体膜2と、誘電体膜2の上面に設けられた信号配線3と、誘電体基板1と誘電体膜2との間に介在し、信号配線3とは誘電体膜2を挟んで対向する、抵抗層4と、誘電体膜2の下面に設けられた接地導体層11と、誘電体膜2を貫通して抵抗層4と接地導体層11とを互いに接続する貫通導体6とを備えている。
図2に示すように、信号線3及び抵抗層4は、共に、帯状に形成され、平面視において、信号線3が抵抗層4の幅内に位置するように形成されている。貫通導体6は、円柱形状を有し、抵抗層4の縁部に該抵抗層4の長さ方向に所定のピッチで形成されている。
信号配線3は外部回路に接続されている。そして、接地導体層11は、はんだ12を介して外部高周波グラウンド13にその全面において接続されており、接地導体層11の高周波接地機能が強化されている
次に、本発明を特徴付ける抵抗層4及び貫通導体6を詳しく説明する。
本発明では、抵抗層4と信号配線3との間に形成される容量の値(以下、これを伝送線路の単位長さあたりの値で表してCaddという)と、抵抗層4に誘起される電流が貫通導体6を通じて接地導体層11に流れる際の電気抵抗(付加抵抗:以下、これを伝送線路の単位長さあたりの値で表してRaddという)が分布定数的に配置されることが好ましく、より詳しくは抵抗層4の長さは、CaddおよびRaddが伝送される信号に対して分布定数的に配置されているとみなせる長さに設定されることが好ましい。すなわち、この抵抗層4の長さは、この伝送線路を伝送する可能性がある高周波信号の上限周波数の信号の、誘電体膜2の誘電率を考慮した実効波長をλとした場合、下限値がλ/16以上であることが好ましい。なお、上限値は伝送線路の長さに等しい長さである。伝送線路の長さは、本実施形態では、実質的に信号配線3の長さを意味している。ここで、高周波とは増幅器が増幅することが可能な周波数なので、使用するトランジスタによって値は異なるが、1MHz以上1THz以下の周波数の電磁波の総称をいう。
貫通電極6の数は最低1つでも構わないが、複数の場合は、できる限りそのピッチを小さくすることが好ましい。Cadd及びRaddがより分布定数的に配置されたことになるからである。
Raddは、接地導体層11の抵抗(接地抵抗)より大きいことが必要である。これは、接地導体層11及び貫通導体6の導電率及び形状を適宜設定することにより実現できる。
導電率の設定による場合には、抵抗層4を構成する抵抗体の導電率が、接地導体層11の導電率より低く設定される。具体的には、抵抗層4を構成する抵抗体の導電率は、1×10S/m以上1×10S/m以下が好ましく、1×10S/m以上1×10S/m以下がより好ましい。
具体的には、接地導体層11を、金等の高導電率の材料で構成し、抵抗層4を、低導電率の抵抗体、すなわち、クロム、ニッケルクロム合金、鉄−クロム合金、タリウム、クロム−酸化珪素複合体、チタン、不純物含有半導体、ポリシリコン等の多結晶半導体膜や非晶質半導体膜等の低導電率の材料からなる抵抗体で構成することが好ましい。
また、貫通導体6の導電率を同様に設定してもよい。形状の設定による場合は、例えば、抵抗体容量層4の厚みが薄くされる。また、貫通導体6が抵抗層4のなるべく縁の方に位置するように設けられる。
また、貫通導体6の断面積を小さく設定してもよい。また、貫通導体6の長さを長くしてもよい。
[実施例1]
本発明の第1の実施形態における実施例1として、図1に示す構造の伝送線路を以下の条件で作成した。誘電体基板1を厚さ500μm、誘電率13のガリウム砒素(GaAs)基板により構成し、誘電体膜2を厚さ1μm、誘電率7の窒化珪素(SiN)膜により構成し、信号配線3と接地導体層5とを導電率3×10S/m、厚さ5μmの金により構成した。また、ガリウム砒素からなる誘電体基板1の表面の直下に厚さ0.2μm、導電率4×10S/mの不純物拡散層を形成し、この不純物拡散層を抵抗層4として用いた。信号配線3の幅は20μmとし、抵抗層4の幅を100μmとし、平面視において信号配線3の中心線と抵抗層4の中心線とが一致するように配置した。誘電体基板1を貫通する半径5μmの貫通導体6を金により形成し、100μmのピッチで接地導体層11と抵抗層4との間を接続し、抵抗層4を短絡処理した。
図3は、実施例1の伝送線路の通過損失の周波数依存性を示すグラフである。図3における縦軸は、高周波信号の通過時に伝送線路において生じる実効的な損失を示しており、最大有能電力利得に−1を乗じた値になっている。
図3に示すように、本実施例の伝送線路5mm長あたりの通過損失は、1GHzで1.4dB、5GHzで15.0dB、10GHzで30.6dBであった。一方、一般的なマイクロストリップ線路では、1GHz〜10GHzの周波数帯においてはほとんど損失が変化しないので、本実施例の伝送線路が、特に高周波信号を選択的に減衰しうることが確認された。
よって、本実施形態の伝送線路により、直流電力を減衰させることなく、高周波電力を減衰させることができる。つまり、本実施形態の伝送線路をバイアス回路に配置することにより、能動素子が配置される主信号回路から周辺回路へ漏洩する高周波電力を減衰させることが可能になるので、高周波分離特性が優れたバイアス供給回路を備え、高周波特性に優れた半導体集積回路の構成が可能となるものである。
[本発明の原理]
次に、本発明の伝送線路における高周波信号が減衰する原理について説明する。図4(a)は従来の伝送線路の等価回路図、図4(b)は本発明の伝送線路の等価回路図である。
図4(a)に示すように、従来の伝送線路の高周波領域における等価回路は、単位長さあたりの信号配線(図22に示す信号配線102)と接地導体層(図22に示す接地導体層103)との間のキャパシタンスCdと、信号伝送時の単位長さあたりの信号位相変化を表すインダクタンスLdとがそれぞれ分布して存在する回路となる。
一方、図1に示すように、本発明の伝送線路においては、信号配線3と接地導体層11との間に導電率の低い抵抗体からなる抵抗層4が介在している。図2に示す伝送線路の長さ方向において、抵抗層4及び信号配線3の相対向する部分同士の間に単位長さあたりCaddのキャパシタンスが生じ、信号配線3に単位長さあたりLdのインダクタンスが生じ
、抵抗層4に単位長さあたりRaddの抵抗が生じている。そして、伝送線路の長さ方向に
おいては、この抵抗Radd が接地導体(接地導体層11)とキャパシタンスCadd との間に介在するので、信号の減衰機能が向上することになる。この場合、信号配線3と抵抗層4との相対向する部分は、明確に区画されているわけではなく、連続している。ただし、図1に示すように貫通導体6が所定のピッチで設けられている場合には、貫通導体6ごとに、図4(b)に示すLd、Cadd、及びRaddの等価直列回路で表される部分が存在していると考えることができる。
ここで、信号配線3と抵抗層4との間のキャパシタンスCaddはシャントのキャパシタ
ンスとして機能している。キャパシタンスは、その容量に応じて定まる特定の周波数(カットオフ周波数と呼ばれる)よりも低い周波数の信号を遮断し、カットオフ周波数以上の高周波数帯域の信号を通過させる高域通過フィルタとして機能することを考慮すれば、本発明の効果である電力減衰効果を低周波帯域まで維持させるには、キャパシタンスCaddの値を高く設定することが有効であることが分かる。
そして、キャパシタンスCadd の値を高く設定するためには、誘電体膜2を構成する材料の誘電率を高く設定すること、誘電体膜2の厚さを薄く設定すること、信号配線3および抵抗層4の幅を広く設定することが有効である。
一方、抵抗値Radd は、抵抗層4のシート抵抗、すなわち抵抗層4を構成する材料の導電率、および抵抗層4の厚さに依存する。また、信号配線3と抵抗層4との間のキャパシタとして機能している領域から接地導体層11に接続される領域までの距離にも大きく依存する。また、貫通導体6の抵抗値にも依存する。さらに、貫通導体6の長さにも依存する。
(第2の実施形態)
図5は、本発明の第2の実施形態に係る伝送線路の構成を概略的に示す断面図、図6は図5の伝送線路の平面構造を示す平面図である。
図5に示すように、本実施形態の伝送線路は、誘電体基板1と、誘電体基板1の上面に設けられた誘電体膜2と、誘電体膜2の上面に設けられた信号配線3と、誘電体基板1と誘電体膜2との間に介在し信号配線3とは誘電体膜2を挟んで対向する、抵抗層4と、誘電体膜2の上面に設けられ、信号配線3と所定の間隔でその幅方向において対向する1対の接地導体層5と、誘電体膜2を貫通して抵抗層4と接地導体層5とを互いに接続する貫通導体6とを備えている。
図6に示すように、信号線3及び抵抗層4は、共に、帯状に形成され、平面視において、信号線3が抵抗層4の幅内に位置するように形成されている。貫通導体6は、抵抗層4の縁部に該抵抗層4の長さ方向に所定のピッチで形成されている。接地導体層5は信号配線3に平行に形成されている。
これ以外の点は、第1の実施形態と同様である。
[実施例2]
第2の実施形態における実施例2として、図5の構成による伝送線路を作成した。本実施例では、信号配線3、誘電体膜2、誘電体基板1及び接地導体層11の厚みや材質を第1の実施形態の実施例1と同じとし、貫通導体6の径、材料及びピッチを第1の実施形態の実施例1と同じとした。そして、信号配線3の両側に長さ5mmに亘って幅20mmの接地導体層5を形成した。信号配線3と接地導体層5との間の距離は30μmとしている。また、接地導体層5と外部高周波グラウンド(図示せず)との間は、多数のワイヤボンディングにより200μm間隔ごとに電気的に接続し、接地導体層5の高周波接地機能を強化した。
図7は、実施例2の伝送線路の通過損失の周波数依存特性を示すグラフである。図7における縦軸は、高周波信号の通過時に伝送線路において生じる実効的な損失を示しており、最大有能電力利得に−1を乗じた値になっている。
図7に示すように、実施例1の伝送線路の通過損失は、1GHzで1.1dB、5GHzでは14.2dB、10GHzでは30.4dBであった。[比較例1]
実施例1との通過損失の比較のために、比較例1の伝送線路を作成した。比較例1の伝送線路においては、図5に示す抵抗層4や貫通導体6は設けずに、つまり、図22に示す一般的なコプレーナ線路のみの構造とし、他の部材の材質や寸法は、実施例2と同様としている。比較例1の伝送線路5mm長あたりの損失は、1GHzで0.1dB、5GHzで0.2dB、10GHzで0.3dBであった。
この比較例1と実施例2との比較の結果から、実施例2は高周波信号を減衰させることが確認された。また、実施例2と比較例1の各伝送線路との間において、直流抵抗値に変化がなかったことはいうまでもない。
このように、本実施例においては、第1の実施形態の実施例1とほぼ同様の高周波減衰特性が得られ、抵抗層4と接地導体層5との接続方法の変化によっても本発明の作用効果が維持されていることが示された。
次に、実施の形態1で述べた本発明の原理に基づきキャパシタンスCadd と抵抗値Radd との値を実効的に変化させて、本実施形態の伝送線路の有利な効果を得た各実施例を以下に示す。
[実施例3]
第2の実施形態における実施例3として、実施例2における信号配線3の幅を50μmに、抵抗層4の幅を100μmとした伝送線路を作成した。信号配線2と接地導体層5との間の距離は15μmとしている。その他の条件は、実施例2と同様である。
図8は、実施例3の伝送線路の通過損失の周波数依存性を示すグラフである。図8における縦軸は、高周波信号の通過時に伝送線路において生じる実効的な損失を示しており、最大有能電力利得に−1を乗じた値になっている。
図8に示すように、実施例3の伝送線路5mm長あたりの伝送損失は、1GHzで2.1dB、5GHzで15.2dB、10GHzで29.2dBであった。ここで、1GHzに対する伝送損失が増加したのは、信号配線3の幅の増大により抵抗層4との間に生じるキャパシタンスが増加し、低周波帯域の信号に対しても本発明による作用効果が強く発揮されたからである。一方、10GHzに対する伝送損失が実施例1と比較して若干減少したのは、信号配線3の幅の増加に伴い信号配線3と抵抗層4とが対向する領域の面積が増えたことにより、該対向領域と抵抗層4のうちの対向領域を除く領域の幅が減少し、短絡処理される前に高周波信号に印加される抵抗値が減少したことによるものである。
[実施例4]
第2の実施形態における実施例4として、実施例2における誘電体膜2の厚みを信号配線3と抵抗層4とが相対向する領域のみ、1μmから0.2μmへと薄くした伝送線路を作成した。実施例2における信号配線3の幅を50μmに、抵抗層4の幅を100μmとした。信号配線2と接地導体層5との間の距離は15μmとしている。その他の条件は、実施例2と同様である。
図9は、実施例4の伝送線路の通過損失の周波数依存性を示すグラフである。図9における縦軸は、高周波信号の通過時に伝送線路において生じる実効的な損失を示しており、最大有能電力利得に−1を乗じた値になっている。
図9に示すように、実施例4の伝送線路5mm長あたりの伝送損失は、1GHzで2.8dB、5GHzで18.2dB、10GHzで33.2dBであった。ここで、本実施例における伝送損失が増加したのは、信号配線3と抵抗層4との間の距離の低減により、信号配線3と抵抗層4との間に生じるキャパシタンスが増加し、本発明の作用効果が増大したからである。
[実施例5]
第2の実施形態における実施例5として、実施例2における誘電体膜2を窒化珪素膜からチタン酸ストロンチウム膜へと変更した伝送線路を作成した。その他の条件は実施例2と同様である。
図10は、実施例5の伝送線路の通過損失の周波数依存性を示すグラフである。図10における縦軸は、高周波信号の通過時に伝送線路において生じる実効的な損失を示しており、最大有能電力利得に−1を乗じた値になっている。
図10に示すように、実施例5の伝送線路5mm長あたりの伝送損失は、1GHzで18.2dB、5GHzで36.1dB、10GHzで50dB以上であった。ここで、本実施例の伝送線路において、特に1GHzに対する伝送損失が増加したのは、誘電体膜2の誘電率が実施例2では7であったのに比べ、本実施例では150に増大し、信号配線3と抵抗層4との間に生じるキャパシタンスが増大したことに起因している。
以上の実施例3〜5の結果から明らかなように、キャパタンスCaddを増加させるほど、伝送線路における高周波信号の伝送損失が増加するという本発明の効果が増大することが実証された。
(第3の実施形態)
図11は、本発明の第3の実施形態に係る伝送線路の構成を概略的に示す断面図である。
図11に示すように、本実施形態の伝送線路は、誘電体基板1と、誘電体基板1の上面に設けられた信号配線3と、誘電体基板2の上面及び信号配線3を覆う誘電体膜2と、誘電体膜2の上面に該誘電体膜2を挟んで信号配線3と対向するように設けられた抵抗層21と、誘電体膜2の上面に抵抗層21に接続するように設けられた第1の接地導体層22と、誘電体基板1の下面に設けられた第2の接地導体層23とを備えている。つまり、本実施形態の伝送線路は、信号配線3を誘電体膜2の上面に抵抗層4を誘電体膜2の下面に設けていた第2の実施形態の伝送線路の構造をいわば逆転し、誘電体膜2の下面に信号配線3を設け、誘電体膜2の上面に抵抗層21を設けたものと捉えることができる。
本実施形態では、抵抗層21を形成した後に接地導体層22を形成することにより、接地導体層22と抵抗層21がオーバーラップして配置される領域Rovが誘電体膜2の上面に形成される。本実子形態では、このオーバーラップ領域Rovの幅は例えば10μmとされる。このオーバーラップ領域Rovにおいて抵抗層21と接地導体22との間の電気的接続が行なわれる。従って、本実施形態においては、高周波接地のための貫通導体は不要となる。
また、第1の接地導体層22と第2の接地導体層23とは図示されないスルーホール等で接続されている。第2の接地導体層23は、本発明の構成上、必須の要素ではない。しかし、本実施形態の伝送線路が用いられる高周波増幅器においては、一般に誘電体基板1の下面に接地導体層が設けられているので、本実施形態のように、第2の接地導体層23を設けることにより、本実施形態の伝送線路を容易に高周波増幅器に適用することができる。
これ以外の点は、第1の実施形態と同様である。
[実施例6]
第3の実施形態における実施例6として、図11の構成による伝送線路を作成した。本実施例では、誘電体基板1及び誘電体膜2の材料を第1の実施形態の実施例1と同じとした。また、信号配線3を厚さ0.2μm、導電率2×10S/mの金膜により構成し、抵抗層21を厚さ20nm、導電率1.5×10S/mのニッケルクロム合金膜で構成した。ニッケルクロム合金膜の形成は、例えば、ニッケル70%、クロム30%の組成比の合金を電子ビーム蒸着し、毎分1000オングストロームの成長速度で成膜することにより行なった。信号配線3及び抵抗層21の幅は第1の実施形態の実施例1と同じである。接地導体22の材料や誘電体膜2の上面における配置は、第2の実施形態の実施例2と同じである。ただし、高周波特性の測定のためには、外部回路と信号配線3とを接続する必要があるため、誘電体膜2を貫通して信号配線3に接続される貫通導体を形成し、信号配線3の信号を誘電体膜2の下面から上面に取り出して測定を行なった。
図12は、第3の実施形態のける実施例6の伝送線路の通過損失の周波数依存性を示すグラフである。図12における縦軸は、高周波信号の通過時に伝送線路において生じる実効的な損失を示しており、最大有能電力利得に−1を乗じた値になっている。
図12に示すように、本実施例の伝送線路5mm長あたりの通過損失は、1GHzで1.0dB、5GHzで12.0dB、10GHzで20.6dBであった。本実施例では、第1の実施形態の実施例1とほぼ同様の高周波減衰特性が得られ、抵抗層と接地導体の接続方法の変化や、信号配線と抵抗層と誘電体膜との関係の変化によっても本発明の効果が失われないことが示された。
なお、第1の実施形態の実施例1や第3の実施形態の実施例5の構造の伝送線路において、誘電体膜のさらに上面や誘電体基板の下面に任意の総数の誘電体層が配置された場合においても、本発明の効果が失われていない。
また、第1〜第3の実施形態に係る伝送線路を通信装置内で使用する増幅器(半導体集積回路装置)へのバイアス供給回路に適用することにより、各増幅器のバイアス端子間の分離特性が向上したことを確認した。また、寄生発振の低減、増幅器のより安定な動作が確認された。
(第4の実施形態)
図13は、本発明の第4の実施形態に係る、高周波増幅器として機能する半導体集積回路(MMIC)中の出力回路及びバイアス回路の構成を示す回路図である。図13において図1と同一符号は同一又は相当する部分を示す。
図13において、MMICは、能動素子31と、出力端子Tout と、能動素子31と出力端子Tout とを互いに電気的に接続する主信号線路32a、32bと、主信号線路32bと出力端子Tout との間に介設されたDC阻止キャパシタ38と、主信号線路32a、32bの中間部位から分岐する短絡スタブ33と、短絡スタブ33と接地との間に介設された第1のバイパスコンデンサ34と、DCの電源電圧を供給するためのバイアス端子Tvdと、第1及び第2の伝送線路35、36と、第2の伝送線路36とバイアス端子Tvdとの間の部位と接地との間に介設され低周波数領域の信号を短絡するための第2のバイパスコンデンサ37とを備えている。また、MMICの外部には、バイアス端子Tvdに供給するバイアスを制御するための外部バイアス供給回路39と、外部バイアス端子Tvoとが設けられている。
ここで、能動素子32、主信号線路32a、32b及びDC阻止キャパシタ38等により、MMICの主信号回路10が構成されている。また、主信号回路10から分岐する短絡スタブ33は、RF整合回路とバイアス供給回路とを兼ねている。そして、短絡スタブ33、第1及び第2の伝送線路35、36、第1及び第2のバイパスコンデンサ34、37により、バイアス供給回路40が構成されている。また、図13には、図示されていないが、主信号線路32a、32b等は、さらに任意の数の分岐する短絡スタブやDC阻止キャパシタ等の整合回路群を経て、出力端子Tout に接続されている。図13に示されている第1のバイパスコンデンサ34はMIMキャパシタである。このMIMキャパシタが短絡スタブ33と接地との間に挿入され、設計周波数帯域に対してRF短絡となるように、その容量値が設定されることにより、第1のバイパスコンデンサ34として機能している。
バイアス供給回路40の第1の伝送線路35は、一般的なマイクロストリップ線路の構造を有しており、第2の伝送線路36は、図1、図5又は図11に示される本発明の伝送線路の構造を有している。そして、第2の伝送線路36の等価回路は、図4(b)に示す分布定数回路で表される。
例えば、図13の下部に示すように、第2の伝送線路36は、第1の実施形態の図1に示す伝送線路の構造を有している。そして、第1の伝送線路35は、例えば第2の伝送線路36と共通の誘電体基板1(例えばGaAs基板)、信号配線3及び接地導体層11によって構成され、第1及び第2の伝送線路35、36が共にはんだ12によって外部高周波グラウンド13に全面で接続されている。なお、第1の伝送線路35において、誘電体基板1と信号配線3との間に誘電体膜が設けられていてもよい。
なお、第2の伝送線路36が図5又は図9に示す構造を有していてもよい。第2の伝送線路が図5に示す構造を有している場合には、第1の伝送線路35がコプレーナ線路構造を有している方が好ましい。第2の伝送線路36が図9に示す構造を有している場合には、第2の伝送線路36においても、誘電体基板1の上に直接信号配線3を形成した後、誘電体膜2、抵抗層21及び接地導体22を形成することになる。
本実施形態の半導体集積回路装置によると、高周波電力の減衰機能の高い第2の伝送線路6を組み込むことにより、従来、寄生発振を防止するために必要とされていたコンデンサを設ける必要がなくなり、MMICの小型化を図ることができる。
なお、第2のバイパスコンデンサ37を増幅器内に組み込むのではなく、増幅器の外部の外部バイアス供給回路39に配置してもよい。
また、バイアス端子Tvdにおける増幅器の内部と外部との間の電気的接続には、ワイヤボンディング、バンプなどを用いた接続方法を採用することができる。
多段増幅器の場合には、同電位で駆動する各段の能動素子へのバイアス供給回路を共用する場合には、バイアス端子Tvdが増幅器内部で共用される場合もありうる。
従来の技術においては、設計周波数帯域より低い周波数での不要利得の低減や、安定度の向上などのために、図25に示すような、第1のバイパスコンデンサ114とRC直列回路123とを並列配置する回路構造が広く使用されている。ここで、RC直列回路123において、抵抗121と第3のバイパスコンデンサ122とを分布定数回路として機能させ、抵抗とコンデンサの配置順を逆転させることにより、図4(b)に示すような本発明の伝送線路の等価回路を得ることができ、両者が回路的には同一の効果を奏しうることがわかる。
よって、本発明の増幅器によると、第1のバイパスコンデンサ34によっては終端されない低周波帯域の信号が、バイアス供給回路40の第2の伝送線路36において減衰するため、安定度の向上、不要利得の低減、増幅器の外部回路へ漏洩する信号の強度の低減が可能となることが理解しうる。
図14は、本実施形態に係るGaAs系MMICである1段の増幅器全体の平面構造の一例を概略的に示すブロック図である。
図14に示すように、このMMICは、能動素子(増幅用MESFET)31と、出力端子Tout と、主信号線路32と、DC阻止キャパシタ38と、短絡スタブ33と、第1のバイパスコンデンサ34と、バイアス端子Tvdと、第1、第2伝送線路35、36とを有する図13に対応する回路を備え、これに加えて入力回路を備えている。入力回路には、入力端子Tinと、DC阻止キャパシタ49と、主信号線路42と、主信号線路42の途中から分岐する入力側バイアス供給回路50とが設けられている。入力側バイアス供給回路50には、短絡スタブ43と、入力側バイパスコンデンサ44と、第1及び第2の伝送線路45、46と、バイアス端子Tvdとを備えている。そして、第2の伝送線路46は、図13に示す第2の伝送線路36と同じ構造を有している。なお、Hbiは短絡スタブ33、43を高周波において短絡処理するためのバイアホールを、符号51、52は開放スタブをそれぞれ示す。
図15は、図25に示す従来のMMIC全体の平面構造の一例を概略的に示すブロック図である。
図15に示すように、このMMICは、能動素子(増幅用MESFET)111と、出力端子Tout と、主信号線路112と、DC阻止キャパシタ118と、短絡スタブ113と、第1のバイパスコンデンサ114と、バイアス端子Tvdと、伝送線路115a、115bと、RC直列回路123(安定化回路)の抵抗体121及び第3のバイパスコンデンサ122とを有する図25に対応する回路を備え、これに加えて入力回路を備えている。入力回路には、入力端子Tinと、DC阻止キャパシタ138と、主信号線路132と、主信号線路132の途中から分岐する入力側バイアス供給回路130とが設けられている。入力側バイアス供給回路130には、短絡スタブ133と、入力側バイパスコンデンサ134と、伝送線路135と、安定化回路の抵抗体141及び第3のバイパスコンデンサ142とバイアス端子Tvdとが設けられている。なお、Hbiは短絡スタブ113、133を高周波において短絡処理するためのバイアホールを、符号151、152は開放スタブをそれぞれ示す。
図15と図14とを比べるとわかるように、本発明の伝送線路(第2の伝送線路36、56)をバイアス供給回路40に用いることにより、寄生発振や高周波電力の漏洩を抑制しつつ、MMIC(集積回路装置)全体の占有面積の低減つまり小型化を実現することができる。
図14に示す構成例では、図13に示す第2のバイパスコンデンサ37は、MMIC内に組み込まれていないが、第2のバイパスコンデンサ37をMMIC内に組み込んでもよい。
なお、多段増幅器においては、入力回路、段間回路、出力回路のいずれにおいても、本発明の伝送線路(図5、図1及び図9参照)を使用することが可能である。
また、本発明の半導体集積回路装置は、本実施形態で説明した高周波増幅器に限定されるものではなく、広く、ミキサ(混合器)、周波数逓倍器、スイッチ、アッテネータ、分周器、直交変調器などの高周波信号を使用するデバイスに適用することができる。
また、能動素子としては、電界効果トランジスタ、ヘテロ接合バイポーラトランジスタなどが使用可能である。
[実施例7]
第4の実施形態の実施例7として、図13のMMICの構成による1段増幅器を以下の条件で作成した。
能動素子31には、ゲート長0.2μmのT型ゲートAlGaAs/InGaAsヘテロ接合FET(ゲート幅Wg =100μm)を用いた。誘電体膜2を厚さ1μmの窒化珪素膜によって構成し、誘電体基板1は厚さ100μmのガリウム砒素基板によって構成した。信号配線3として、厚さ3μmの金膜をメッキにより形成した。抵抗層4としてガリウム砒素基板1の上面の表層部に厚さ0.2μmの不純物拡散層を形成した。伝送線路として、信号配線3を信号線路とするマイクロストリップ線路を用い、ガリウム砒素基板の下面には、接地導体層11として厚さ10μmのAuSn膜を形成した。
そして、設計周波数を25GHzから27GHzとして本実施例の増幅器の設計を行なった。増幅器のドレイン側回路(出力回路)には、短絡スタブ整合回路を使用し、スタブ33の先端を0.5pFのバイパスコンデンサ34を介してバイアホールへ接続し短絡処理した。該バイアホールは、ガリウム砒素基板1を貫通しており、下面の接地導体層11と接続されている。また、バイパスコンデンサ34の上部電極の一部は20μmの幅で分岐し、バイアス供給回路40の伝送線路の信号配線に接続した。バイパスコンデンサ34の容量値0.5pFは設計周波数帯域の信号をRF短絡とするに十分な値なので、設計帯域においては増幅器からバイアス供給回路40はオープンとなっている。信号配線3の長さ、抵抗層4の長さはともに300μmとし、信号配線3の幅、抵抗層4の幅はそれぞれ30μm、80μmとした。抵抗層4の片側に貫通導体6としてのバイアホールを一箇所設けて接地導体層11と接続し、抵抗層4を短絡処理した。なお、抵抗層4と接続されたバイアホールと、短絡スタブ33を短絡処理したバイアホールとは同一とした。バイアス供給回路40は、一辺80μmの正方形状のバイアス端子Tvdで終端され、多層セラミック基板上に形成された増幅器外部の外部バイアス供給回路39とはワイヤボンディングで接続した。増幅器の外部の外部バイアス供給回路39では100pFのチップコンデンサにより低周波帯域を短絡処理した。増幅器は、25GHzから27GHzで9.2dBの小信号利得を得た。また、全周波数帯域で安定係数Kが1を超え、安定動作が確認された。さらに、増幅器の外部のバイアス供給回路39において電源からバイアス端子Tvdまでの配線の電気長、特性インピーダンス、接続するワイヤの長さ、本数を変更しても安定係数Kに変化は無かった。
[比較例2]
一方、比較例2として、実施例7の高周波増幅器から抵抗層4を除いた構造を有する高
周波増幅器を作成した。
図16は、実施例7の高周波増幅器と比較例2の高周波増幅器とを安定係数Kの周波数依存性について比較するグラフである。図16にいて、破線は実施例7の高周波増幅器の特性を、実線は比較例2の高周波増幅器の特性を示している。図16からわかるように、本発明の構造を採用した実施例7の増幅器では、0〜20GHzの周波数に渡って安定係数Kが1以上となり、安定した特性が得られているのに対し、比較例2の増幅器では、安定係数Kが、16GHzでは0.91、20GHzでは0.61と1未満の値となり、安定動作を保証することが困難であった。
そして、比較例2の増幅器について、多層セラミック基板上に形成された外部バイアス供給回路上における、ワイヤから電源までの配線長を2mm、配線線路の特性インピーダンスを75Ωとして、発振動作の有無を調べた。そして、このときに発振しなかった80個の増幅器について、配線長を5mmに変更したところ、80個の増幅器のうち、32個の増幅器が発振を起こした。また、上記発振しなかった80個の増幅器について、配線の特性インピーダンスを40Ωへと変更したところ、9個の増幅器が発振を起こした。
さらに、比較例2の増幅器について、バイアス端子の接続のために使用したボンディングワイヤの長さを0.5mmに設定し、各端子につき直径50μmのワイヤ一本で接続を行なった状態で発振しなかった80個の増幅器について、ボンディングワイヤ長を1mmに変更したところ、40個の増幅器が発振した。また、上記発振しなかった80個の増幅器について、ワイヤの接続本数を2本に変更したところ、12個の増幅器が発振した。
また、増幅器の3GHzから6.5GHz程度の低周波帯域における安定係数Kを比較すると、実施例7の増幅器では6以上の値が得られて安定動作しているのに比べ、比較例2の増幅器では1未満の値となり不安定であった。さらに、比較例2の増幅器では、100個製造したうちの20%が能動素子の特性ばらつきにより、5GHz付近の周波数帯域で発振を起こした。
以上の比較より、本実施形態のMMICでは、短絡スタブ回路33からバイアス供給回路40へ漏洩する高周波信号を減衰させることが可能となったため、バイアス供給回路40の外部に接続される外部バイアス供給回路39のインピーダンス変化が増幅器の特性に与える影響を低減することが可能となり、増幅器を安定動作させるという有利な効果が得られたことが分かる。
図17は、実施例7の高周波増幅器と比較例2の高周波増幅器とを小信号利得の周波数依存性について比較するグラフである。図17において、破線は実施例7の増幅器の特性を、実線は比較例2の増幅器の特性を示している。
図17に示すように、比較例2の増幅器では不要帯域である4GHzから7GHzの帯域で不要な利得が得られたが、実施例7の増幅器では19.5GHz未満の低周波帯域(不要帯域)における利得は正の値をとらず、本実施形態の構造の採用により、低周波帯域の不要利得の低減という有利な効果が得られたことが分かる。また、比較例2の増幅器では20GHz付近の周波数で設計周波数帯域(25〜27GHz)における利得を上回る10dB以上の利得が得られたが、実施例7の増幅器では20GHzの利得は0dBであり、この帯域においても、本構造の採用により不要利得の低減という有利な効果が得られたことが分かる。
[比較例3]
本実施形態における比較例3として、バイアス供給経路中に抵抗体119が直列に挿入されたバイアス供給回路を有する図24の構成による高周波増幅器を作成した。この比較例では、能動素子の駆動電圧を極端に低下させないために、抵抗体119の抵抗値R1を20Ωとした。
図18は、実施例7の高周波増幅器と比較例3の高周波増幅器とを安定係数Kの周波数依存性について比較するグラフ、図19は、実施例7の高周波増幅器と比較例3の高周波増幅器とを小信号利得の周波数依存性について比較するグラフである。
図18に示すように、比較例3の増幅器の安定係数Kは、5GHzから10GHz付近の低周波帯域、および、20GHz以上の帯域で、実施例7の増幅器の特性を大きく下回り、安定度が劣化した。ここで、比較例3の増幅器の安定係数Kは、5GHzから10GHzにおいては1を上回っているため大きな不具合は生じないが、20GHz以上の帯域では1を下回っており安定動作に大きな不具合が生じてしまった。
比較例3の増幅器では、バイアス供給回路を通過して外部回路へ漏洩する高周波信号は、バイアス供給経路に直列に挿入された抵抗体119によって広帯域に一定量に近い減衰を受ける。これに対し、実施例7の増幅器内のバイアス供給回路40においては、高周波信号の漏洩信号に対して減衰を与える要素は、信号配線3と抵抗層4(図1参照)とが相対向している領域に沿って空間的に分布した分布定数回路(図4(b)参照)なので、漏洩信号の中でも高周波になればなるほど減衰量が増加する。よって、図24に示す第1のバイパスコンデンサ114により完全に短絡されない漏洩信号のうち最も高い周波数成分に対して安定度の向上を図ることは比較例3の増幅器では困難であるが、実施例7の増幅器では容易である。
また、比較例3の増幅器でも、低周波帯域での不要利得の低減の効果はある程度得られるが、6GHzでの小信号利得は−1dBあった。実施例7の増幅器におけるこの帯域での小信号利得は−8dB程度であり、挿入される抵抗体119の抵抗値を大きく設定できない条件下での比較例3の増幅器では、不要利得を効果的に抑制することが困難なことが分かった。また、図24に示される比較例3の増幅器においては、不要利得の低減の効果を得るために挿入される抵抗体119の抵抗値を大きく設定すると、バイアス端子Tvdから能動素子111へ印加される電圧が低下してしまい、出力低下を招いてしまうことはいうまでもない。比較例3の増幅器の25GHzにおける飽和出力は16.2dBmであって、実施例7の増幅器の25GHzでの飽和出力16.6dBmと比較すると0.4dBだけ低くなっている。これは、比較例3の増幅器においては、バイアス供給回路への抵抗体119の挿入によって能動素子111の駆動電圧が降下したためである。
以上のように、比較例3の増幅器と実施例7の増幅器の特性比較より、本発明の伝送線路の採用により、能動素子の駆動電圧を低下させることなく、不要利得低減、安定度向上という有利な効果を得ることが可能であることが示された。
[比較例4]
本実施形態における比較例4として、RC直列回路123によって高周波信号を並列に短絡処理したバイアス供給回路120Cを有する図25の構成による高周波増幅器を作成した。
図20は、実施例7の高周波増幅器と比較例4の高周波増幅器とを安定係数Kの周波数依存性について比較するグラフ、図21は、実施例7の高周波増幅器と比較例4の高周波増幅器とを小信号利得の周波数依存性について比較するグラフである。この比較例では、RC直列回路123の回路定数をR=10Ω、C=10pFに選択した。
図21に示すように、比較例4においても、低周波領域における利得の大きな抑制効果が得られた。また、図20及び図21に示すように、比較例4の増幅器においては、数GHz程度の低周波帯域における不要利得抑制及び安定度向上の双方について、実施例7の増幅器と同程度の効果が得られている。しかし、MIMキャパシタで10pFの容量値を得るために210μm角の面積が必要となり(図15に示すキャパシタ122)、さらに短絡処理回路にバイアホール(図15に示すバイアホールHbi1)が必要となり、さらに10Ωの抵抗をメサ抵抗(図15に示す抵抗体121)によって実現するためにもそれ相応の回路面積が必要となり、回路レイアウトを大きく制限することになった。一方、実施例7の増幅器のレイアウトにおいては、比較例2の増幅器のレイアウトと比較して、誘電体膜2を介して信号配線3の直下に抵抗層4を設け、その近辺にバイアホールを配置するだけでよく、レイアウトに対する制限は緩和されて同様の効果が得られている。
以上の比較より、本発明の伝送線路の採用により、増幅器を構成する半導体集積回路装置の回路面積を増大することなく、不要利得の低減、安定度の向上という有利な効果が得られることが示された。
また、比較例4の増幅器においては、バイパスコンデンサ間や、バイアス供給回路120Cを構成する伝送線路は、誘電体基板及び誘電体膜から構成される回路基板を基板とする通常のマイクロストリップ線路であり、基板上面の空気層への電界の分布が多く、周辺回路との結合が起こりやすいという難点もあり、回路コンポーネントの配置によっては、意図せぬ回路同士の間の電磁的結合に起因するものと考えられる発振が生じるおそれがある。
これに対し、本発明の特徴であるバイアス供給回路の第2の伝送線路36(図13参照)においては、信号配線3と抵抗層4との間の間隔が短く設定されているので、伝送線路36の特性インピーダンスが低くなっており、電界分布は誘電体膜2に集中し、周辺回路との電磁的結合を大きく低減することが可能となる。よって、実施例7の増幅器においては、回路コンポーネントの配置を変更しても、高周波特性に変化を生じないという有利な効果も得られた。
以上の比較より、本発明の伝送線路を採用することにより、能動素子の駆動電圧を低下させることなく、不要利得低減、安定度向上という有利な効果を、回路面積を余り増加させることなく得ることが可能であることが明らかとなった。
[実施例7b及び比較例2b〜4b]
本実施形態における実施例7bとして、実施例7の増幅器の構成を2段増幅器において採用し、前後段の能動素子を駆動するためのバイアス供給回路を実施例7のバイアス供給回路で構成した増幅器を作成した。
また、本実施形態における比較例2b〜4bとして、比較例2〜4の増幅器の構成を2段増幅器において採用し、前後段の能動素子を駆動するためのバイアス供給回路をそれぞれ比較例2〜4のバイアス供給回路で構成した増幅器をそれぞれ作成した。
この場合、比較例2b、3bの増幅器においては20GHzで発振が起こったが、実施例7b及び比較例4bの増幅器においては発振が生じなかった。2段増幅器の後段能動素子から出力された信号が増幅器内部で共有されたバイアス供給回路を介して前段能動素子へ帰還する帰還信号の位相は、前後段の各短絡スタブの電気長の和と、各段のバイアス供給回路の伝送線路の電気長の和に依存する。作成した実施例7b及び比較例2b〜4bの増幅器においては、この電気長の和が、20GHzに対して半波長に近い値になっており、後段の能動素子からの出力が前段の能動素子へ正帰還の位相で入力する条件になっていた。比較例2bの増幅器で生じた発振現象は、正帰還信号に全く減衰が生じなかったことに起因するものと理解することができる。また、比較例3bの増幅器においても、バイアス供給回路において正帰還信号が受ける減衰量が不足していたために発振が起こったものと理解される。
一方、実施例7bの増幅器と比較例4bの増幅器とは、構造こそ互いに異なるものの、バイアス供給回路へ漏洩する不要周波数帯域の信号に対して損失を与える機能はいずれも有しているので、後段能動素子から前段能動素子への帰還信号が減衰したために発振が起こらなかったものと理解される。また、回路が占有する面積という視点から実施例7bの増幅器と比較例4bの増幅器を比較すると、比較例4bの増幅器は10pFの大容量なバイパスコンデンサが前段と後段とに別個に必要となり、大きな回路面積を必要とするが、実施例7bの増幅器においては大容量のバイパスコンデンサは不要であり、占有面積の削減を図りつつ、安定動作を確保することができるという本発明の有利な効果が明らかとなっている。
したがって、本発明の伝送線路を、増幅器等の半導体集積回路装置内のバイアス供給回路の用いることにより、能動素子の駆動電圧を降下させることなく、かつ、半導体集積回路装置の占有面積の増大を抑制しつつ、バイアス供給回路が接続される半導体集積回路装置の外部のバイアス供給回路のインピーダンス変化による特性変化を抑制し、不要利得の低減、安定度の向上といった有利な効果を得ることができる。
特に、本発明の半導体集積回路装置は、ミリ波通信システムへと半導体集積回路装置の用途を拡大する上で寄与するところが大である。
なお、実施例1〜7を含む第1〜第3の実施形態においては、誘電体基板としてGaAs基板を用いたが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、GaN基板、InP基板を用いてもよい。また、誘電体基板として、酸化物などからなる絶縁体基板を用いてもよい。さらに、「誘電体基板」や「半導体基板」という語句は、必ずしも厳密な意味で用いられていない。GaAs基板は、「半絶縁性基板」といわれることもあり、不純物をドープすると半導体基板として機能する。よって、本発明の基板としては、高周波線路の基本構造に応じて各種の基板を用いることができる。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
本発明に係る伝送線路は、半導体集積回路に用いられる伝送線路として有用である。
本発明に係る半導体集積回路は、増幅器、ミキサ、周波数逓倍器、スイッチ、アッテネータ、分周器、直交変調器等を構成する半導体集積回路として有用である。
本発明の第1の実施形態に係る伝送線路の構造を示す断面図である。 図1の伝送線路の平面構造を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態における実施例1の伝送線路の通過損失の周波数依存性を示すグラフである。 図4(a)は従来の伝送線路の等価回路図、図4(b)は本発明の伝送線路の等価回路図である。 本発明の第2の実施形態に係る伝送線路の構成を概略的に示す断面図である。 図5の伝送線路の平面構造を示す平面図である。 本発明の第2の実施形態2における実施例2の伝送線路の通過損失の周波数依存特性を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態2における実施例3の伝送線路の通過損失の周波数依存性を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態2における実施例4の伝送線路の通過損失の周波数依存性を示すグラフである。 本発明の第2の実施形態2における実施例5における伝送線路の通過損失の周波数依存性を示すグラフである。 本発明の第3の実施形態に係る伝送線路の構成を概略的に示す断面図である。 第3の実施形態における実施例6の伝送線路の通過損失の周波数依存性を示すグラフである。 本発明の第4の実施形態に係る、高周波増幅器として機能する半導体集積回路中の出力回路及びバイアス回路の構成を示す回路図である。 本実施形態に係るGaAs系MMICである1段の増幅器全体の平面構造の一例を概略的に示すブロック図である。 図25に示す従来のMMIC全体の平面構造の一例を概略的に示すブロック図である。 本発明の第4の実施形態における実施例7の高周波増幅器と比較例2の高周波増幅器とを安定係数Kの周波数依存性について比較するグラフである。 本発明の第4の実施形態における実施例7の高周波増幅器と比較例2の高周波増幅器とを小信号利得の周波数依存性について比較するグラフである。 本発明の第4の実施形態における実施例7の高周波増幅器と比較例3の高周波増幅器とを安定係数Kの周波数依存性について比較するグラフである。 本発明の第4の実施形態における実施例7の高周波増幅器と比較例3の高周波増幅器とを小信号利得の周波数依存性について比較するグラフである。 本発明の第4の実施形態における実施例7の高周波増幅器と比較例4の高周波増幅器とを安定係数Kの周波数依存性について比較するグラフである。 本発明の第4の実施形態における実施例7の高周波増幅器と比較例4の高周波増幅器とを小信号利得の周波数依存性について比較するグラフである。 図22(a)は、従来のマイクロストリップ線路の構造を概略的に示す断面図、図22(b)は、従来のコプレーナ線路の構造を概略的に示す断面図である。 第1の従来例である、高周波増幅器として機能するモジュール中の出力側の回路構成を示す回路図である。 第2の従来例である、共振のQ値低減のための構造を付加した高周波増幅器中の出力側の回路構成を示す回路図である。 第3の従来例である、共振のQ値低減のための別の構造を付加した高周波増幅器中の出力側の回路構成を示すブロック回路図である。
符号の説明
1 誘電体基板
2 誘電体層
3 信号配線
4 容量抵抗体層
5 接地導体
6 貫通電極
10 主信号回路
11 接地導体膜
12 はんだ
13 外部高周波グラウンド
21 容量抵抗体
31 能動素子
32 主信号線路
33 短絡スタブ
34 第1のバイパスコンデンサ
35 第1の伝送線路
36 第2の伝送線路
37 第2のバイパスコンデンサ
38 DC阻止キャパシタ
39 外部バイアス供給回路
40 バイアス供給回路
42 主信号線路
43 短絡スタブ
44 入力側バイパスコンデンサ
45 第1の伝送線路
46 第2の伝送線路
50 入力側バイアス供給回路
51 開放スタブ
52 開放スタブ
Rov オーバーラップ領域
前記伝送線路が、前記主信号回路に接続された第1の伝送線路と該第1の伝送線路に接続された第2の伝送線路とを有し、前記第1の伝送線路がコプレーナ線路又はマイクロストリップ線路で構成され、前記第の伝送線路が前記伝送線路の少なくとも一部で構成され、前記第1の伝送線路の前記主信号回路側の端がバイパスコンデンサを介して接地端子に接続されていてもよい。このような構成とすると、より好適に、回路面積の増大を抑制しつつ、主信号回路からバイアス供給回路に漏洩する不要な(周波数帯域の)高周波電力を効率よく低減することができる。

Claims (17)

  1. 信号配線と、
    誘電体層を挟んで前記信号配線に対向する抵抗層と、
    前記抵抗層に電気的に接続された接地用導体とを備え、
    前記信号配線を所定周波数の高周波信号が伝送される際に、前記誘電体層によって前記信号配線と前記抵抗層との間に形成された容量を介して前記抵抗層に誘起される高周波電流が、前記抵抗層、及び前記抵抗層と前記接地用導体との間を流れる際に発生する単位長さあたりの抵抗を付加抵抗と定義し、前記高周波電流が前記接地用導体を流れる際に発生する単位長さあたりの抵抗を接地抵抗とした定義した場合に、前記付加抵抗が前記接地抵抗よりも大きい、伝送線路。
  2. 前記抵抗層の長さが前記高周波信号の上限周波数の信号の実効波長λの1/16以上である、請求項1記載の伝送線路。
  3. 前記抵抗層を構成する材料の導電率が前記接地用導体の導電率より小さい、請求項1記載の伝送線路。
  4. 前記抵抗層を構成する材料の導電率が1×10S/m以上1×10S/m以下である、請求項1記載の伝送線路。
  5. 前記抵抗層を構成する材料の導電率が1×10S/m以上1×10S/m以下である、請求項4記載の伝送線路。
  6. 前記抵抗層が、クロム、ニッケルクロム合金、鉄−クロム合金、タリウム、クロム−酸化珪素複合体、チタン、不純物含有半導体、及びポリシリコンの多結晶又は非晶質半導体の中から選択された少なくとも1つの材料で構成されている、請求項1記載の伝送線路。
  7. 前記抵抗層の幅が前記信号配線の幅より大きい、請求項1記載の伝送線路。
  8. 前記抵抗層はその全幅に渡って前記信号配線に対向するよう形成されている、請求項7記載の伝送線路。
  9. 前記誘電体層の上面に前記信号配線が形成され、
    前記基板と前記誘電体層との間に前記抵抗層が形成され、
    前記基板の下面に前記接地用導体が形成され、
    前記抵抗層が前記基板を貫通する貫通導体によって前記接地用導体に接続されている、請求項8記載の伝送線路。
  10. 前記貫通導体が前記抵抗層の縁部に形成されている、請求項9記載の伝送線路。
  11. 複数の前記貫通導体が前記抵抗層の長さ方向に間隔を有して形成されている、請求項9記載の伝送線路。
  12. 前記誘電体層の上面に前記信号配線が形成され、
    前記基板と前記誘電体層との間に前記抵抗層が形成され、
    前記誘電体層の上面に前記接地用導体が形成され、
    前記抵抗層が前記誘電体層を貫通する貫通導体によって前記接地用導体に接続されている、請求項8記載の伝送線路。
  13. 前記基板と前記誘電体層との間に前記信号配線が形成され、
    前記誘電体層の上面に前記抵抗層が形成され、
    前記誘電体層の上面に前記接地用導体が前記抵抗層に接続されるように形成されている、請求項8記載の伝送線路。
  14. 1以上の能動素子が配置された主信号回路と、伝送線路を有し該伝送線路を通じて前記主信号回路にバイアスを供給するためのバイアス供給回路とを備え、
    前記伝送線路の少なくとも一部が、請求項8記載の伝送線路で構成されている、半導体集積回路装置。
  15. 前記伝送線路が、前記主信号回路に接続された第1の伝送線路と該第1の伝送線路に接続された第2の伝送線路とを有し、前記第1の伝送線路がコプレーナ線路又はマイクロストリップ線路で構成され、前記第1の伝送線路が前記伝送線路の少なくとも一部で構成され、前記第1の伝送線路の前記主信号回路側の端がバイパスコンデンサを介して接地端子に接続されている、請求項14記載の半導体集積回路装置。
  16. 前記半導体集積回路装置は、前記1以上の能動素子として1つの増幅用トランジスタを有する1段の高周波増幅器であり、
    前記バイアス供給回路は、前記主信号回路の前記能動素子よりも前段側である入力側回路と、前記主信号回路の前記能動素子よりも後段側である出力側回路とのうちの少なくとも1つのバイアス供給回路である、請求項14記載の半導体集積回路装置。
  17. 前記半導体集積回路装置は、前記1以上の能動素子として複数の増幅用トランジスタを有する複数段の高周波増幅器であり、
    前記バイアス供給回路は、前記主信号回路の前記能動素子よりも前段側である入力側回路と、前記主信号回路の前記能動素子よりも後段側である出力側回路と、前記複数の増幅用トランジスタ間の段間回路とのうちの少なくとも1つのバイアス供給回路である、請求項16記載の半導体集積回路装置。
JP2005110068A 2002-08-01 2005-04-06 伝送線路及び半導体集積回路装置 Withdrawn JP2005287055A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005110068A JP2005287055A (ja) 2002-08-01 2005-04-06 伝送線路及び半導体集積回路装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002224651 2002-08-01
JP2002224651 2002-08-01
JP2005110068A JP2005287055A (ja) 2002-08-01 2005-04-06 伝送線路及び半導体集積回路装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004525811A Division JP3723202B2 (ja) 2002-08-01 2003-08-01 伝送線路及び半導体集積回路装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005287055A true JP2005287055A (ja) 2005-10-13

Family

ID=35184875

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005110068A Withdrawn JP2005287055A (ja) 2002-08-01 2005-04-06 伝送線路及び半導体集積回路装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005287055A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007165739A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Eudyna Devices Inc 電子装置および半導体装置
WO2009142280A1 (ja) * 2008-05-22 2009-11-26 学校法人明星学苑 低特性インピーダンス電源・グランドペア線路構造
JP2014187684A (ja) * 2013-02-21 2014-10-02 Mitsubishi Electric Corp 終端器
JP2014236100A (ja) * 2013-05-31 2014-12-15 住友電気工業株式会社 半導体装置、及び電子装置
JP2018082431A (ja) * 2016-11-18 2018-05-24 ローデ ウント シュヴァルツ ゲーエムベーハー ウント コンパニ カーゲー 切り替え可能な減衰器および切り替え可能な高周波減衰器用スイッチ

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007165739A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Eudyna Devices Inc 電子装置および半導体装置
JP4680763B2 (ja) * 2005-12-16 2011-05-11 住友電工デバイス・イノベーション株式会社 電子装置および半導体装置
WO2009142280A1 (ja) * 2008-05-22 2009-11-26 学校法人明星学苑 低特性インピーダンス電源・グランドペア線路構造
JP2014187684A (ja) * 2013-02-21 2014-10-02 Mitsubishi Electric Corp 終端器
JP2014236100A (ja) * 2013-05-31 2014-12-15 住友電気工業株式会社 半導体装置、及び電子装置
JP2018082431A (ja) * 2016-11-18 2018-05-24 ローデ ウント シュヴァルツ ゲーエムベーハー ウント コンパニ カーゲー 切り替え可能な減衰器および切り替え可能な高周波減衰器用スイッチ
JP7007854B2 (ja) 2016-11-18 2022-02-10 ローデ ウント シュヴァルツ ゲーエムベーハー ウント コンパニ カーゲー 切り替え可能な減衰器および切り替え可能な高周波減衰器用スイッチ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7088204B2 (en) Transmission line and semiconductor integrated circuit device
EP2458730B1 (en) Radiofrequency amplifier
US6320462B1 (en) Amplifier circuit
EP3496269A1 (en) Wideband power amplifiers with harmonic traps
TWI817946B (zh) 改進效率的對稱的Doherty功率放大器及其方法
US6614308B2 (en) Multi-stage, high frequency, high power signal amplifier
US6346859B1 (en) Microwave amplifier with reduced beat noise
JPH08130419A (ja) 増幅器並びにこれを有する受信機及び通信機
US7245186B2 (en) Bandpass amplifier
US20210126593A1 (en) Rf amplifiers with input-side fractional harmonic resonator circuits
JP2005287055A (ja) 伝送線路及び半導体集積回路装置
US20070096843A1 (en) Variable attenuator, high frequency integrated circuit and communication device
US10637405B2 (en) Wideband biasing of high power amplifiers
EP3780390B1 (en) Distributed amplifier
US4878033A (en) Low noise microwave amplifier having optimal stability, gain, and noise control
JPH11150431A (ja) マイクロ波増幅器用バイアス回路
JPH04298105A (ja) 半導体増幅器
JPH11112249A (ja) 高周波電力増幅器モジュール
JPH08293746A (ja) 高周波電力増幅器
US10742171B2 (en) Nested microstrip system and method
JPH06252668A (ja) マイクロ波回路
US20230107916A1 (en) High frequency circuit
JPH09284051A (ja) 周波数逓倍回路
US20230108671A1 (en) High frequency circuit
US4118672A (en) Attenuation equalizer having constant resistance

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050727

A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20061003