JP2005281904A - 耐熱性布帛およびプリーツ型バグフィルターならびに耐熱性布帛の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
ポリテトラフルオロエチレン繊維の優れた特性を損なうことなく、高温かつ高荷重の環境下で特に好適に用いることができる上に、ダストの捕集効率が高い布帛であり、高い剛性と高い通気量を兼ね備えた耐熱性布帛およびプリーツ型バグフィルターならびに耐熱性布帛の製造方法を提供する。
【解決手段】
金属線製スクリムの両面に、繊維径が20μm以上のフッ素樹脂系繊維ウェブが積層一体化されてなり、かつ、該繊維の少なくとも一部がフィブリル化されていることを特徴とする耐熱性布帛。
繊維径が20μm以上のフッ素樹脂系繊維ウェブを、金属線製スクリムの両面に積層した後、一方の面には、最高水圧が7.8〜14.7MPaの範囲内でウォータージェットパンチ処理し、かつ、もう一方の面には、最高水圧が17.6〜24.5MPaの範囲内でウォータージェットパンチ処理して一体化することを特徴とする耐熱布帛の製造方法。
【選択図】なし
ポリテトラフルオロエチレン繊維の優れた特性を損なうことなく、高温かつ高荷重の環境下で特に好適に用いることができる上に、ダストの捕集効率が高い布帛であり、高い剛性と高い通気量を兼ね備えた耐熱性布帛およびプリーツ型バグフィルターならびに耐熱性布帛の製造方法を提供する。
【解決手段】
金属線製スクリムの両面に、繊維径が20μm以上のフッ素樹脂系繊維ウェブが積層一体化されてなり、かつ、該繊維の少なくとも一部がフィブリル化されていることを特徴とする耐熱性布帛。
繊維径が20μm以上のフッ素樹脂系繊維ウェブを、金属線製スクリムの両面に積層した後、一方の面には、最高水圧が7.8〜14.7MPaの範囲内でウォータージェットパンチ処理し、かつ、もう一方の面には、最高水圧が17.6〜24.5MPaの範囲内でウォータージェットパンチ処理して一体化することを特徴とする耐熱布帛の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、高温かつ高荷重の環境下で特に好適に用いることができる上に、ダストの捕集効率が高い布帛であり、高い剛性と高い通気量を兼ね備えた耐熱性布帛およびプリーツ型バグフィルターならびに耐熱性布帛の製造方法に関する。
フッ素樹脂系繊維は合成繊維の中でも優れた耐熱性、耐薬品性を備えた繊維であることから、ゴミ焼却場などから排出される高温含塵ガスの集塵用バグフィルターとして広く採用されている。
バグフィルター用の布帛として、ポリテトラフルオロエチレン繊維とガラス繊維との緊密な配合物をニードル加工したバットを含有するフィルター用フェルトが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1には、該バットをニードル加工して支持用の目の粗い織物布に固定する方法が提案されており、目の粗い織物布としてポリテトラフルオロエチレン繊維を提案している。しかしながらポリテトラフルオロエチレン繊維は上述のように耐熱性や耐薬品性には優れるものの、繊維強度がポリエステルなどの汎用繊維に比較して低く、高い荷重のかかる状態で使用する上で解決するべき課題が多いものであった。
また、バグフィルター用の布帛としてポリテトラフルオロエチレン繊維及びガラス繊維を含有するシート状物を、支持スクリムに水力的にからみ合わせたフェルトが提案されている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2には支持スクリムとして、200℃に至るまで約5%未満の低い収縮を有する耐熱性、耐化学薬品性材料が提案されており、特に、ポリイミド材料、ポリテトラフルオロエチレン、ガラス繊維、ステンレス鋼、ポリフェニレンスルフィド、等が提案されている。しかしながら水力的なからみ合わせは水圧を高くすることにより強固にすることができるが、水圧を高くすればする程、繊維の物理的劣化が発生することが大きな問題であった。
一方で、金属繊維を交錯させたフェルト状板体と金網とを適宜重ね合わせて加熱焼結したのち、これらを一体的に圧縮して薄板状に形成する金網入り金属繊維製不織布の製造方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。しかしながらこの方法では、1300℃の高温で焼結する必要があり、汎用性の低い加工方法であることと、繰り返しの屈曲に対する柔軟性の点で問題であった。
特開昭57−205566号公報
特開昭62−140615号公報
特開昭50−18770号公報
本発明は、かかる従来技術の背景に鑑み、ポリテトラフルオロエチレン繊維の優れた特性を損なうことなく、高温かつ高荷重の環境下で特に好適に用いることができる上に、ダストの捕集効率が高い布帛であり、高い剛性と高い通気量を兼ね備えた耐熱性布帛およびプリーツ型バグフィルターならびに耐熱性布帛の製造方法を提供せんとするものである。
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、本発明の耐熱性布帛は、金属線製スクリムの両面に、繊維径が20μm以上のフッ素樹脂系繊維ウェブが積層一体化されてなり、かつ、該繊維の少なくとも一部がフィブリル化されていることを特徴とするものである。
さらに、かかる耐熱性布帛の製造方法は、繊維径が20μm以上のフッ素樹脂系繊維ウェブを、金属線製スクリムの両面に積層した後、一方の面には、最高水圧が7.8〜14.7MPaの範囲内でウォータージェットパンチ処理し、かつ、もう一方の面には、最高水圧が17.6〜24.5MPaの範囲内でウォータージェットパンチ処理して一体化することを特徴とするものである。
本発明によれば、フッ素樹脂系繊維のフィブリル化繊維により捕集効率の飛躍的に高いフィルターであるにも拘わらず、圧力損失が低い上に、高い布帛強力と高い剛性を有するプリーツ型バグフィルターを提供することができる。
本発明は、前記課題、つまりポリテトラフルオロエチレン繊維の優れた特性を損なうことなく、高温かつ高荷重の環境下で特に好適に用いることができる上に、ダストの捕集効率が高い布帛であり、高い剛性と高い通気量を兼ね備えた耐熱性布帛について、鋭意検討し、金属線製のスクリムの両面にフッ素樹脂系繊維ウェブを積層一体化し、かつ、該ウェブを構成する繊維の少なくとも一部をフィブリル化させてみたとこころ、意外にも、高い捕集効率と高い剛性の両立を実現することができることを究明したものである。特に、該両面ウェブの内、その一方の面に、他方の面より該フッ素樹脂系繊維のフイブリルを多く含有するように一体化させてみたところ、該効果が著しく改善されることを究明したものである。
すなわち、本発明は、まず金属線製のスクリムの両面に、同一単繊維繊度からなるフッ素樹脂系繊維ウェブを積層し、その両面にウォータージェットパンチ処理して絡合一体化させるものであり、その場合に一方の面の水圧を、他方の面の場合よりも高い水圧でパンチングしたものである。かくすることにより、高い水圧でパンチングした方の面には、該フッ素樹脂系繊維のフイブリルを多く含有する構造となること、さらにかかる面を設けたことにより、前記課題を見事に解決することができたものである。
その結果、金属線製スクリムの両面に、繊維径が20μm以上のフッ素樹脂系繊維ウェブが積層一体化されてなり、かつ、該繊維の少なくとも一部がフィブリル化されているという構造の耐熱性布帛を提供することができたものである。
本発明は、かかる機能、つまり高い剛性と高い捕集効率を達成するという観点から、該耐熱性布帛には、金属線製のスクリムの両面に、繊維径が20μm以上のフッ素樹脂系繊維を含むウェブが積層一体化され、かつ、一方の面を、繊維径が1μm以下のフッ素樹脂系繊維フィブリルを多く含むウェブ層とする積層構造とすることで、初めて耐熱性と耐薬品性に優れて、かつ高い剛性と高い捕集効率を兼ね備えた耐熱性布帛を得ることができたものである。ここで、一方の面が繊維径が1μm以下のフッ素樹脂系繊維フィブリルを多く含む層とすることにより、捕集効率が飛躍的に上昇する一方で、布帛強力が低下するため、もう一方の面に繊維径が20μm以上のフッ素樹脂系繊維を残す構造とすることで、布帛強力の低下を抑え、かつ、過剰な緻密化も抑制し、布帛全体の通気量を適正な値に維持できるので、圧力損失が低いフィルターを得ることができる。また、金属スクリムを用いて高い剛性とすることで、プリーツ型に加工したときの形態保持性に優れる効果を奏するモノとなし得たものであり、従ってフィルターの表面積を大きくしたプリーツ型バグフィルターを得ることができたものである。プリーツ型バグフィルターは従来の封筒型フィルターに比べて、上述の理由により小サイズ化が達成できるというメリットがある。
本発明の耐熱性布帛においては、繊維径が20μm以上のフッ素樹脂系繊維は繊維径が1μm以下のフッ素樹脂系繊維フィブリルに比較して繊維強力が高く、従って布帛全体の強力を高くすることができるので好適に用いられるものである。しかしながら、繊維径が40μmより太いフッ素樹脂系繊維を用いると、布帛全体の強力は更に高くすることができるが、布帛の緻密さが著しく低下して、布帛全体の捕集効率が低下するので、20〜40μmの範囲の繊維径を有するフッ素樹脂系繊維が、繊維強力と捕集効率とのバランスの観点から好適に用いられる。
また、繊維径が1μm以下のフッ素樹脂系繊維フィブリルは、捕集効率を飛躍的に向上する機能を有するものであるが、かかる繊維径が1μm以下のフッ素樹脂系繊維フィブリルとしては、例えば20μm以上の繊維径といった太い繊維が部分的に分割、枝分かれ(フィブリル化)して1μm以下の繊維径となったものをいうものである。
本発明の耐熱性布帛は、金属線製スクリムを使用することが必須であるが、かかるスクリムとしては、その目開きが0.4〜4.0の範囲内にある織物が好適に用いられる。該目開きは、メッシュ(M)ワイヤ本数/2.54cm(=インチ)と繊維径(d)mmにより、以下の式で算出される。
目開き=25.4/M−d
該目開きが0.4未満の場合、フッ素樹脂系繊維を含むウェブを積層して一体化された時に、スクリムの上下に配されたフッ素樹脂系繊維を含むウェブ同士が強力に絡合しないため好ましくない。また、目開きが4.0より大きい場合にはフッ素樹脂系繊維を含むウェブとスクリムとの絡合が充分に発生しないため好ましくない。金属線製スクリムの織物としては綾織りや模紗織り、平織りなどの組織が問題なく使用できるが、平織りが好適に用いられる。
目開き=25.4/M−d
該目開きが0.4未満の場合、フッ素樹脂系繊維を含むウェブを積層して一体化された時に、スクリムの上下に配されたフッ素樹脂系繊維を含むウェブ同士が強力に絡合しないため好ましくない。また、目開きが4.0より大きい場合にはフッ素樹脂系繊維を含むウェブとスクリムとの絡合が充分に発生しないため好ましくない。金属線製スクリムの織物としては綾織りや模紗織り、平織りなどの組織が問題なく使用できるが、平織りが好適に用いられる。
さらにまた、該金属線製スクリムを構成する金属線の線径は0.1〜0.6mmの範囲にあり、かつ該スクリムのメッシュが5〜60(ワイヤ本数/2.54cm)の範囲にあるものが好適に用いられる。金属線の線径が0.1mm未満の金属を用いると、金属線製スクリムの剛軟度が低くなり、耐熱性布帛の剛軟度も49mN未満となってしまうため好ましくない。また、金属線の線径が0.6mmより太い金属を用いると、金属線製スクリムの目付が高くなり過ぎて、フィルター全体の重量が重くなるので好ましくない。
また該スクリムのメッシュが5ワイヤ本数/2.54cm未満の場合には、耐熱性布帛とした時の引っ張り強度が低くなり、特にプリーツ型フィルターとして用いた際にはフィルターの自重と付着したダストの重量に耐えられなくなるため好ましくない。該スクリムのメッシュが60ワイヤ本数/2.54cmよりも大きい場合には、スクリムの目開きが大きく低下するので、スクリムの上下に配されたフッ素樹脂系繊維を含むウェブ同士が充分絡合しないため好ましくない。
本発明の金属線製スクリムはSUS(ステンレス)製のものが好適に用いられる。金属線製スクリムの材質としては、SUS、ニッケル、銅、アルミニウム、等を用いることができるが、アルミニウムは水酸化ナトリウム(消石灰)による腐食がSUSより劣り、またニッケルや銅は耐酸性、中でも特に耐硝酸性がSUSより劣るので、SUSが最も好適に用いられる。従来技術に記載のゴミ焼却場などから排出される高温含塵ガスの集塵用バグフィルターとして用いる場合には、焼却灰の中和を目的として消石灰の投入が一般的に実施されるので、消石灰に対する耐久性は必要であり、さらにまた、燃焼ガス中に含まれる窒素酸化物が、結露などにより硝酸成分となって存在する可能性もあるため、耐硝酸性も必要である。
本発明に用いられるフッ素樹脂系繊維は、重合体の繰り返し構造単位の90%以上が、主鎖または側鎖にフッ素原子を1個以上含むモノマーで構成された繊維であれば、いずれのものでも使用することができるが、フッ素原子数の多いモノマーで構成された繊維ほど好ましく、例えば、4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合体(FEP)、4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)またはエチレン−4フッ化エチレン共重合体(ETFE)、または、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などを使用することができる。かかるフッ素樹脂系繊維としては、耐熱性、耐薬品性、また表面低摩擦性に特に優れているポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いることがさらに好ましい。
かかるポリテトラフルオロエチレン繊維の製造方法は従来公知のマトリックス紡糸法(エマルジョン紡糸法)や、ペースト押出法、スプリット法(スカイブ法)のいずれでも製造することが出来る。マトリックス紡糸法とはビスコースなどのマトリックスポリマーとテトラフルオロエチレンポリマーとを混合してエマルジョンとし、成型用口金より凝固浴中に吐出して繊維化する製造方法であり、またペースト押出法とはテトラフルオロエチレンポリマーにソルベンナフサなどの可塑化助剤を混合したペーストを押出成形して引き延ばして繊維化する製造方法であり、またスプリット法とはテトラフルオロエチレンの加熱成形体をフィルム状にスプリット加工して繊維化する製造方法である。
また本発明のフッ素樹脂系繊維を含むウェブは、50〜100wt%のフッ素樹脂系繊維からなることが好ましい。フッ素樹脂系繊維が50wt%より少ないと、フッ素樹脂系繊維のもつ優れた特性、特に耐薬品性が充分に機能しないので好ましくない。さらにまた本発明の耐熱性布帛においては、繊維径が1μm以下のフッ素樹脂系繊維を含むウェブを用いることで高い捕集効率を発現するものであるが、フッ素樹脂系繊維が50wt%未満では、1μm以下のフッ素樹脂系繊維が少ないので、捕集効率が低くなり好ましくない。
かくして得られる本発明の耐熱性布帛は、通気量が3〜25cc/cm2/sec、剛軟度が49〜118mNの範囲にあるものが、プリーツ型バグフィルターとして好適に用いられる。
なぜなら通気量が3cc/cm2/sec未満の場合には、該フィルターとして用いた場合の圧力損失が高くなり、ブロワーへの負荷が増大して好ましくない。さらにまた、該フィルターとして用いる場合には、一定時間ダストを捕集してフィルターの圧力損失が特定の値まで上昇し、しかる後に圧縮空気をフィルターの清浄空気側から負荷して、堆積したダストの層を払い落とす操作を繰り返して使用する(以下では払い落としのパルスと記載する)が、通気量が3cc/cm2/sec未満の場合には、初期の圧力損失が高いために払い落としのパルスを負荷する圧力損失に達する時間が極めて短時間になり、寿命が短くなるため好ましくない。また、通気量が25cc/cm2/secより大きい場合には、細かいダストを捕集する捕集効率が低くなるので好ましくない。捕集効率と圧力損失との関係から、該耐熱性布帛の通気量は3〜18cc/cm2/secの範囲にあるものがより好適である。
また、かかる耐熱性布帛の剛軟度が49〜118mNの範囲外であると、つまり、剛軟度が49mN未満の場合には、プリーツ型バグフィルターとして用いた時の形態保持性が充分でなく、プリーツの山や谷につぶれが生じてろ過面積が減少するため好ましくない。また、剛軟度が118mNを越える場合には、プリーツ型バグフィルターとして用いた際に払い落としのパルスによる衝撃で、プリーツの山や谷の稜線に沿って耐熱性布帛が裂ける現象が生じやすくなり、好ましくない。
本発明の耐熱性布帛は、プリーツ状に成型してプリーツ型バグフィルターとして好適に用いることができる。該プリーツ型バグフィルターとして用いる際には、繊維径が1μm以下のフッ素樹脂系繊維フィブリルを多く含むウェブの面をエアー流入面(ろ過面)とし、他方の該フッ素樹脂系繊維フィブリルの少ないウェブの面をエアー排出面(非ろ過面)に用いるのが好ましい。なぜなら繊維径が1μm以下のフッ素樹脂系繊維フィブリルを多く含むウェブの面をろ過面とすることで、ろ過面の表面で確実に塵の集塵が行われるためである。
かかる本発明の耐熱性布帛の製造方法は、フッ素樹脂系繊維を50〜100wt%含む短繊維の集合体からなるウェブを、金属線製スクリムの両面に積層した後、一方の面にはウォータージェットパンチ処理の最高水圧が7.8〜14.7MPaの範囲内で弱く低い水圧処理をし、かつ、もう一方の面にはウォータージェットパンチ処理の最高水圧が17.6〜24.5MPaの範囲内で強く高い水圧処理をすることによって一体化する方法が採用される。該短繊維の集合体からなるウェブは、フッ素樹脂系繊維を50〜100wt%含む短繊維を公知のオープナーなどによって開繊、混合し、しかる後にカードマシンなどに通して繊維を配向させることで、ウェブとすることができる。所望のウェブ重量とするために、クロスラッパーなどにより重量を調整して製造することもできる。得られる耐熱性布帛をプリーツ型バグフィルターとして用いる際には、ウェブ重量は300〜1000g/m2とすることが好ましい。なぜなら300g/m2未満のウェブ重量では、ウェブの総重量が小さいので捕集効率が低いため好ましくない。一方、ウェブ重量が1000g/m2を越える場合には捕集効率は高くなるが、通気量が低くなるためフィルターとして用いたときの圧力損失が高くなるので好ましくない。
該ウォータージェットパンチ処理の最高水圧は、一方の面には7.8〜14.7MPaの範囲内であることが好ましく、かつ、もう一方の面には17.6〜24.5MPaの範囲内であることが好ましい。最高水圧が7.8MPa未満の場合には、フッ素樹脂系繊維を50〜100wt%含む短繊維の集合体からなるウェブと金属線製スクリムとの絡合、および積層したウェブ同士の絡合が不充分であり、使用中に剥離を生じてしまう可能性があるので好ましくない。また最高水圧が24.5MPaを越える水圧が高すぎる場合は、フッ素樹脂系繊維の物理的な破壊が発生するために金属線製スクリムとの絡合性が低下するので好ましくない。
かかる製造方法において得られる耐熱性布帛をプリーツ型バグフィルターとして用いる際には、ウォータージェットパンチ処理の最高水圧が7.8〜14.7MPaの範囲内である面をエアー排出面(非ろ過面)として用い、ウォータージェットパンチ処理の最高水圧が17.6〜24.5MPaの範囲内である面をエアー流入面(ろ過面)として用いるのが好ましい。なぜなら該フィルターとして用いるためには、エアー流入面のフッ素樹脂系繊維をウォータージェットパンチ処理により微細化して繊維径を1μm以下とすることが捕集効率向上のために必要であるので、17.6〜24.5MPaの範囲内の最高水圧とすることが好ましい。
さらにまた該フィルターとして用いるためには、エアー排出面として用いる面側はウォータージェットパンチ処理によりフッ素樹脂系繊維が微細化して強度が低下し、密度が高くなって通気量が低下することを極力抑制するために、最高水圧は7.8〜14.7MPaの範囲内がより好ましい。フッ素樹脂系繊維の微細化を極力抑えて、かつ、積層したウェブ同士の絡合を充分発生させるために、最高水圧は7.8〜12.7MPaの範囲内であることがよりさらに好適である。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、布帛の各物性の測定方法は以下の通りである。
[エアー流入面の繊維径]
電子顕微鏡を用いてエアー流入面の拡大写真を倍率100倍で撮影する。撮影する範囲は0.9mm×1.3mmの範囲とする。撮影された部分を20分割し、各部分における最小の繊維径をdn、最大の繊維径をDn(n=1〜20)とする。dnが1μm以下の領域が13個以上となった時は、1μm以下のdnの平均値をとってエアー流入面の繊維径とした。dnが1μm以下の領域が12個以下の時には、1μmより大きい領域のDnの平均値をとってエアー流入面の繊維径とした。
[エアー排出面の繊維径]
電子顕微鏡を用いてエアー排出面の拡大写真を倍率100倍で撮影する。撮影する範囲は0.9mm×1.3mmの範囲とする。撮影された部分を20分割し、各部分における最小の繊維径をdn、最大の繊維径をDn(n=1〜20)とする。Dnが20μm以上の領域が7個以上となった時は、20μm以上のDnの平均値をとってエアー排出面の繊維径とした。Dnが20μm以上の領域が6個以下となった時は、20μm未満の領域におけるdnの平均値をとってエアー排出面の繊維径とした。
[エアー流入面の繊維フィブリル]
エアー流入面からピンセットで繊維を抜き取り、抜き取った繊維が5本以上に枝分かれをしている場合、繊維フィブリルが生じていると判断した。エアー流入面から無作為に20本の繊維を抜き取り、10本以上の繊維で繊維フィブリルが生じている場合、繊維フィブリル有りと判定し、9本以下の繊維で繊維フィブリルが生じている場合、繊維フィブリル無しと判定した。
[エアー排出面の繊維フィブリル]
エアー排出面からピンセットで繊維を無作為に20本抜き取り、上述の[エアー流入面の繊維フィブリル]と同様の方法で判定した。
[目付]
JIS L 1913に記載の方法で目付(単位面積当たりの質量)を測定した。サンプルサイズは300mm角とし、3枚測定して平均をとった。
[厚み]
JIS L 1913 A法に記載の方法で測定した。測定装置はNAKAYAMA ELECTRIC IND.社製の圧縮弾性試験機を用いた。
[通気量]
JIS L 1096に規定されるフラジール形法に基づいて測定した。測定箇所は無作為に5点選んで測定した。
[剛軟度]
JIS L 1096に規定されるガーレ法に基づいて測定した。布帛は長さ63.5mm、幅25.4mmサイズにカットして表裏1回ずつ測定した。測定試料はn=3で実施した。
[捕集効率]
JIS B 9908形式3に準拠した測定装置を用いて評価した。図1に概略図を示す。常温において大気中に存在する粒径0.3〜0.5μmの範囲内にある粒子数をパーティクルカウンター(上流)1(リオン社製)でカウントし、Aとする。さらに濾過風速1m/minで気流を通過させ、耐熱性布帛2を通過した粒子数を同じくパーティクルカウンター(下流)3でカウントして、Bとする。サンプルボリュームはいずれも0.01CF(キュービックフィート)で評価した。得られた数値から捕集効率は次式で求めた。
[エアー流入面の繊維径]
電子顕微鏡を用いてエアー流入面の拡大写真を倍率100倍で撮影する。撮影する範囲は0.9mm×1.3mmの範囲とする。撮影された部分を20分割し、各部分における最小の繊維径をdn、最大の繊維径をDn(n=1〜20)とする。dnが1μm以下の領域が13個以上となった時は、1μm以下のdnの平均値をとってエアー流入面の繊維径とした。dnが1μm以下の領域が12個以下の時には、1μmより大きい領域のDnの平均値をとってエアー流入面の繊維径とした。
[エアー排出面の繊維径]
電子顕微鏡を用いてエアー排出面の拡大写真を倍率100倍で撮影する。撮影する範囲は0.9mm×1.3mmの範囲とする。撮影された部分を20分割し、各部分における最小の繊維径をdn、最大の繊維径をDn(n=1〜20)とする。Dnが20μm以上の領域が7個以上となった時は、20μm以上のDnの平均値をとってエアー排出面の繊維径とした。Dnが20μm以上の領域が6個以下となった時は、20μm未満の領域におけるdnの平均値をとってエアー排出面の繊維径とした。
[エアー流入面の繊維フィブリル]
エアー流入面からピンセットで繊維を抜き取り、抜き取った繊維が5本以上に枝分かれをしている場合、繊維フィブリルが生じていると判断した。エアー流入面から無作為に20本の繊維を抜き取り、10本以上の繊維で繊維フィブリルが生じている場合、繊維フィブリル有りと判定し、9本以下の繊維で繊維フィブリルが生じている場合、繊維フィブリル無しと判定した。
[エアー排出面の繊維フィブリル]
エアー排出面からピンセットで繊維を無作為に20本抜き取り、上述の[エアー流入面の繊維フィブリル]と同様の方法で判定した。
[目付]
JIS L 1913に記載の方法で目付(単位面積当たりの質量)を測定した。サンプルサイズは300mm角とし、3枚測定して平均をとった。
[厚み]
JIS L 1913 A法に記載の方法で測定した。測定装置はNAKAYAMA ELECTRIC IND.社製の圧縮弾性試験機を用いた。
[通気量]
JIS L 1096に規定されるフラジール形法に基づいて測定した。測定箇所は無作為に5点選んで測定した。
[剛軟度]
JIS L 1096に規定されるガーレ法に基づいて測定した。布帛は長さ63.5mm、幅25.4mmサイズにカットして表裏1回ずつ測定した。測定試料はn=3で実施した。
[捕集効率]
JIS B 9908形式3に準拠した測定装置を用いて評価した。図1に概略図を示す。常温において大気中に存在する粒径0.3〜0.5μmの範囲内にある粒子数をパーティクルカウンター(上流)1(リオン社製)でカウントし、Aとする。さらに濾過風速1m/minで気流を通過させ、耐熱性布帛2を通過した粒子数を同じくパーティクルカウンター(下流)3でカウントして、Bとする。サンプルボリュームはいずれも0.01CF(キュービックフィート)で評価した。得られた数値から捕集効率は次式で求めた。
捕集効率=(A−B)/A×100
(実施例1)
エアー流入面側に用いるウェブおよび、エアー排出面側に用いるウェブとして、ポリテトラフルオロエチレン短繊維(東レ製TOYOFLON(R)、7.4dtex×70mm、繊維径は21μm平均、比重2.3g/cm3を用いて繊度から計算した。)を用いる。スクリムとして、SUS304からなる線径0.3mmの金属線からなる、14メッシュの平織りスクリムを用いる。短繊維をオープナー装置とカーディング装置に通して目付が340g/m2のウェブ状とし、エアー流入面のウェブ/スクリム/エアー排出面のウェブ、の順に積層してウォータージェットパンチ処理により一体化して耐熱性布帛を得た。ここでエアー流入面側のウォータージェットパンチ最大水圧は17.6MPaとし、エアー排出面側のウォータージェットパンチ最大水圧は9.8MPaの条件で処理した。ウォータージェットパンチ処理の処理速度は1m/minで実施した。
(実施例1)
エアー流入面側に用いるウェブおよび、エアー排出面側に用いるウェブとして、ポリテトラフルオロエチレン短繊維(東レ製TOYOFLON(R)、7.4dtex×70mm、繊維径は21μm平均、比重2.3g/cm3を用いて繊度から計算した。)を用いる。スクリムとして、SUS304からなる線径0.3mmの金属線からなる、14メッシュの平織りスクリムを用いる。短繊維をオープナー装置とカーディング装置に通して目付が340g/m2のウェブ状とし、エアー流入面のウェブ/スクリム/エアー排出面のウェブ、の順に積層してウォータージェットパンチ処理により一体化して耐熱性布帛を得た。ここでエアー流入面側のウォータージェットパンチ最大水圧は17.6MPaとし、エアー排出面側のウォータージェットパンチ最大水圧は9.8MPaの条件で処理した。ウォータージェットパンチ処理の処理速度は1m/minで実施した。
得られた耐熱性布帛のエアー流入面には繊維径が1μm以下のフッ素樹脂系繊維フィブリルが多く存在し、これに比してエアー排出面にはかかるフィブリルが少ない層で構成されており、かつ、エアー流入面とエアー排出面のウェブとが強固に絡合して一体化された積層構造を有するものであった。
(実施例2)
エアー流入面側に用いるウェブとして、ポリテトラフルオロエチレン短繊維(東レ製TOYOFLON(R)、7.4dtex×70mm、繊維径は21μm平均)とガラス繊維(E型ガラス繊維、繊維径6μm×57mm)とを75:25の重量比で混合して目付が320g/m2として用いる。エアー排出面側に用いるウェブとスクリムは実施例1と同一とし、エアー流入面のウェブ/スクリム/エアー排出面のウェブ、の順に積層してウォータージェットパンチ処理により一体化して耐熱性布帛を得た。ここでエアー流入面側のウォータージェットパンチ最大水圧は19.6MPaとし、エアー排出面側のウォータージェットパンチ最大水圧は7.8MPaの条件で処理した。ウォータージェットパンチ処理の処理速度は1m/minで実施した。
エアー流入面側に用いるウェブとして、ポリテトラフルオロエチレン短繊維(東レ製TOYOFLON(R)、7.4dtex×70mm、繊維径は21μm平均)とガラス繊維(E型ガラス繊維、繊維径6μm×57mm)とを75:25の重量比で混合して目付が320g/m2として用いる。エアー排出面側に用いるウェブとスクリムは実施例1と同一とし、エアー流入面のウェブ/スクリム/エアー排出面のウェブ、の順に積層してウォータージェットパンチ処理により一体化して耐熱性布帛を得た。ここでエアー流入面側のウォータージェットパンチ最大水圧は19.6MPaとし、エアー排出面側のウォータージェットパンチ最大水圧は7.8MPaの条件で処理した。ウォータージェットパンチ処理の処理速度は1m/minで実施した。
得られた耐熱性布帛のエアー流入面には、繊維径が1μm以下のフッ素樹脂系繊維フィブリルが多く存在し、これに比してエアー排出面にはかかるフィブリルが少ない層で構成されており、かつ、エアー流入面とエアー排出面のウェブとが強固に絡合して一体化された積層構造を有するものであった。
(実施例3)
スクリムとしてSUS304からなる線径0.1mmの金属線からなる、50メッシュの平織り織物を用い、エアー流入面側のウェブとエアー排出面側のウェブは実施例2と同一の構成で目付が300g/m2のものとし、エアー流入面のウェブ/スクリム/エアー排出面のウェブ、の順に積層してウォータージェットパンチ処理により一体化して耐熱性布帛を得た。ここでエアー流入面側のウォータージェットパンチ最大水圧は17.6MPaとし、エアー排出面側のウォータージェットパンチ最大水圧は7.8MPaの条件で処理した。ウォータージェットパンチ処理の処理速度は1m/minで実施した。
スクリムとしてSUS304からなる線径0.1mmの金属線からなる、50メッシュの平織り織物を用い、エアー流入面側のウェブとエアー排出面側のウェブは実施例2と同一の構成で目付が300g/m2のものとし、エアー流入面のウェブ/スクリム/エアー排出面のウェブ、の順に積層してウォータージェットパンチ処理により一体化して耐熱性布帛を得た。ここでエアー流入面側のウォータージェットパンチ最大水圧は17.6MPaとし、エアー排出面側のウォータージェットパンチ最大水圧は7.8MPaの条件で処理した。ウォータージェットパンチ処理の処理速度は1m/minで実施した。
得られた耐熱性布帛のエアー流入面には、繊維径が1μm以下のフッ素樹脂系繊維フィブリルが多く存在し、これに比してエアー排出面にはかかるフィブリルが少ない層で構成されており、かつ、エアー流入面とエアー排出面のウェブとが強固に絡合して一体化された積層構造を有するものであった。
(実施例4)
エアー流入面側に用いるウェブとして、ポリテトラフルオロエチレン短繊維(東レ製TOYOFLON(R)、7.4dtex×70mm、繊維径21μm平均)とポリテトラフルオロエチレン短繊維(Lenzing社製PROFILEN(R)、タイプ803/60、2.7dtex×60mm、繊維径12μm平均。比重2.3g/cm3を用い、円形断面と仮定して繊度から計算した)とを80:20の重量比で混合して目付が350g/m2として用いる。エアー排出面側に用いるウェブとスクリムは実施例1と同一とし、エアー流入面のウェブ/スクリム/エアー排出面のウェブ、の順に積層してウォータージェットパンチ処理により一体化して耐熱性布帛を得た。ここでエアー流入面側のウォータージェットパンチ最大水圧は19.6MPaとし、エアー排出面側のウォータージェットパンチ最大水圧は9.8MPaの条件で処理した。ウォータージェットパンチ処理の処理速度は1m/minで実施した。
エアー流入面側に用いるウェブとして、ポリテトラフルオロエチレン短繊維(東レ製TOYOFLON(R)、7.4dtex×70mm、繊維径21μm平均)とポリテトラフルオロエチレン短繊維(Lenzing社製PROFILEN(R)、タイプ803/60、2.7dtex×60mm、繊維径12μm平均。比重2.3g/cm3を用い、円形断面と仮定して繊度から計算した)とを80:20の重量比で混合して目付が350g/m2として用いる。エアー排出面側に用いるウェブとスクリムは実施例1と同一とし、エアー流入面のウェブ/スクリム/エアー排出面のウェブ、の順に積層してウォータージェットパンチ処理により一体化して耐熱性布帛を得た。ここでエアー流入面側のウォータージェットパンチ最大水圧は19.6MPaとし、エアー排出面側のウォータージェットパンチ最大水圧は9.8MPaの条件で処理した。ウォータージェットパンチ処理の処理速度は1m/minで実施した。
得られた耐熱性布帛のエアー流入面には、繊維径が1μm以下のフッ素樹脂系繊維フィブリルが多く存在し、これに比してエアー排出面にはかかるフィブリルが少ない層で構成されており、かつ、エアー流入面とエアー排出面のウェブとが強固に絡合して一体化された積層構造を有するものであった。
(比較例1)
エアー流入面側およびエアー排出面側に用いるウェブとして、ポリエチレンテレフタレート短繊維(東レ製テトロン、タイプ205、7.7dtex×64mm、繊維径27μm平均。比重1.38g/cm3を用い、円形断面として比重から計算した。)をオープナー装置とカーディング装置に通して得られた目付が400g/m2のウェブを用いる。スクリムとして、ポリテトラフルオロエチレン長繊維製の平織り織物を用い、ポリテトラフルオロエチレン長繊維としてゴアテックス社製スリットヤーン糸440dtexを用い、20メッシュの平織り織物をスクリムとした。エアー流入面のウェブ/スクリム/エアー排出面のウェブ、の順に積層してウォータージェットパンチ処理により一体化して耐熱性布帛を得た。ここでエアー流入面側のウォータージェットパンチ最大水圧は19.6MPaとし、エアー排出面側のウォータージェットパンチ最大水圧は9.8MPaの条件で処理した。
エアー流入面側およびエアー排出面側に用いるウェブとして、ポリエチレンテレフタレート短繊維(東レ製テトロン、タイプ205、7.7dtex×64mm、繊維径27μm平均。比重1.38g/cm3を用い、円形断面として比重から計算した。)をオープナー装置とカーディング装置に通して得られた目付が400g/m2のウェブを用いる。スクリムとして、ポリテトラフルオロエチレン長繊維製の平織り織物を用い、ポリテトラフルオロエチレン長繊維としてゴアテックス社製スリットヤーン糸440dtexを用い、20メッシュの平織り織物をスクリムとした。エアー流入面のウェブ/スクリム/エアー排出面のウェブ、の順に積層してウォータージェットパンチ処理により一体化して耐熱性布帛を得た。ここでエアー流入面側のウォータージェットパンチ最大水圧は19.6MPaとし、エアー排出面側のウォータージェットパンチ最大水圧は9.8MPaの条件で処理した。
得られた耐熱性布帛は剛軟度が低く、プリーツ加工することができなかった。また、エアー流入面には繊維径が27μmのポリエチレンテレフタレート繊維が多く存在し、従って捕集効率の低いものであった。
(比較例2)
エアー流入面側およびエアー排出面側に用いるウェブとして、ポリテトラフルオロエチレン短繊維(東レ製TOYOFLON(R)、7.4dtex×70mm、繊維径21μm平均)をオープナー装置とカーディング装置に通して得られた目付が350g/m2のウェブを用いる。スクリムとして、ポリテトラフルオロエチレン長繊維の平織り織物を用い、ポリテトラフルオロエチレン長繊維としてゴアテックス社製スリットヤーン糸440dtexを用い、5メッシュの平織り織物をスクリムとした。エアー流入面のウェブ/スクリム/エアー排出面のウェブ、の順に積層してニードルパンチ処理により一体化して耐熱性布帛を得た。ニードルパンチ処理は針密度400本/cm2、針深さ10mmで実施した。
エアー流入面側およびエアー排出面側に用いるウェブとして、ポリテトラフルオロエチレン短繊維(東レ製TOYOFLON(R)、7.4dtex×70mm、繊維径21μm平均)をオープナー装置とカーディング装置に通して得られた目付が350g/m2のウェブを用いる。スクリムとして、ポリテトラフルオロエチレン長繊維の平織り織物を用い、ポリテトラフルオロエチレン長繊維としてゴアテックス社製スリットヤーン糸440dtexを用い、5メッシュの平織り織物をスクリムとした。エアー流入面のウェブ/スクリム/エアー排出面のウェブ、の順に積層してニードルパンチ処理により一体化して耐熱性布帛を得た。ニードルパンチ処理は針密度400本/cm2、針深さ10mmで実施した。
得られた耐熱性布帛は剛軟度が低く、プリーツ加工することができなかった。また、エアー流入面には繊維径が21μmのフッ素樹脂系繊維が多く存在し、捕集効率の低いものであった。
表1の評価結果から明らかなように、高い剛性と高い捕集効率、さらには優れたプリーツ加工性とを兼ね備えるのは実施例1〜4の耐熱性布帛だけであった。
1:パーティクルカウンター(上流)
2:耐熱性布帛
3:パーティクルカウンター(下流)
4:マノメーター(差圧計)
5:送風機(Hitachi社製ブロワーVB−007−E)
6:大気中の塵の流れ
7:大気中の塵が除去された大気の流れ
2:耐熱性布帛
3:パーティクルカウンター(下流)
4:マノメーター(差圧計)
5:送風機(Hitachi社製ブロワーVB−007−E)
6:大気中の塵の流れ
7:大気中の塵が除去された大気の流れ
Claims (13)
- 金属線製スクリムの両面に、繊維径が20μm以上のフッ素樹脂系繊維ウェブが積層一体化されてなり、かつ、該繊維の少なくとも一部がフィブリル化されていることを特徴とする耐熱性布帛。
- 該耐熱性布帛の少なくとも片面を構成するウェブが、繊維径が1μm以下のフィブリルを含むものである請求項1に記載の耐熱性布帛。
- 該繊維径が1μm以下のフィブリルが、該耐熱性布帛の片面に比して他面により多く含有されている請求項1または2に記載の耐熱性布帛。
- 該金属線製スクリムが、目開き0.4〜4.0の範囲内にある織物である請求項1〜3のいずれかに記載の耐熱性布帛。
- 該金属線製スクリムを構成する金属の線径が0.1〜0.6mmの範囲にあり、かつ、該スクリムのメッシュが5〜60(ワイヤ本数/2.54cm(=インチ))の範囲にある請求項1〜4のいずれかに記載の耐熱性布帛。
- 該金属線製スクリムが、ステンレス(SUS)製である請求項1〜4のいずれかに記載の耐熱性布帛。
- 該フッ素樹脂系繊維が、ポリテトラフルオロエチレン繊維である請求項1〜6のいずれかに記載の耐熱性布帛。
- 該フッ素樹脂系繊維ウェブが、50〜100wt%のフッ素樹脂系繊維を含むものである請求項1〜7のいずれかに記載の耐熱性布帛。
- 該耐熱性布帛が、3〜25cc/cm2/secの通気性を有し、かつ、49〜118mNの範囲の剛軟度を有するものである請求項1〜8のいずれかに記載の耐熱性布帛。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の耐熱性布帛をプリーツ加工したもので構成されていることを特徴とするプリーツ型バグフィルター。
- 繊維径が20μm以上のフッ素樹脂系繊維ウェブを、金属線製スクリムの両面に積層した後、一方の面には、最高水圧が7.8〜14.7MPaの範囲内でウォータージェットパンチ処理し、かつ、もう一方の面には、最高水圧が17.6〜24.5MPaの範囲内でウォータージェットパンチ処理して一体化することを特徴とする耐熱性布帛の製造方法。
- 該フッ素樹脂系繊維ウェブが、50〜100wt%のフッ素樹脂系繊維を含むものである請求項11に記載の耐熱性布帛の製造方法。
- 該フッ素樹脂系繊維が、短繊維である請求項12に記載の耐熱性布帛の製造方法。
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JP2004098100A JP2005281904A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | 耐熱性布帛およびプリーツ型バグフィルターならびに耐熱性布帛の製造方法 |
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-
2004
- 2004-03-30 JP JP2004098100A patent/JP2005281904A/ja active Pending
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