JP2005280091A - インクジェット記録材料用塗液、及びその塗液を使用したインクジェット記録材料 - Google Patents

インクジェット記録材料用塗液、及びその塗液を使用したインクジェット記録材料 Download PDF

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泰朗 横田
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Abstract

【課題】本発明の課題は、支持体に塗布後、急速な乾燥を行っても塗層に亀裂が生じにくいインクジェット記録材料用の塗液を提供すること、及び塗層の亀裂が無く、表面性が良好で、かつ印字品位が良好なインクジェット記録材料を効率よく得ること。
【解決手段】無機超微粒子を主成分として含有するインクジェット記録材料用塗液に於いて、無機超粒子、ノニオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤を無機超粒子の表面電荷と両イオン性界面活性剤の電荷が同符号となるpH領域で塗液を混合・分散後、該塗液中で無機超粒子の表面電荷と両イオン性界面活性剤の電荷が異符号となるpH領域に調整したことを特徴とするインクジェット記録材料用塗液、および該塗液を塗布したインクジェット記録材料。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録方式を利用したプリンターやプロッターに使用されるインクジェット記録材料に関するものである。
インクジェット記録方式は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙等の記録シートに付着させ、画像・文字等の記録を行なうものであるが、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい、現像及び定着が不要等の特徴があり、漢字を含め各種図形及びカラー画像等の記録装置として、種々の用途に於いて急速に普及している。更に、多色インクジェット方式により形成される画像は、製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較して遜色のない記録を得ることが可能であり、作成部数が少なくて済む用途では、写真技術によるよりも安価であることからフルカラー画像記録分野にまで広く応用されつつある。
最近では、銀塩写真の画像に匹敵する高精細な画像を出力できるインクジェットプリンター等が安価で市販されている。インクジェット記録シートは、銀塩写真方式と比べ同品質の画像が得られながら非常に安価であることから、大面積の画像が必要な広告や商品見本等で表示画像を頻繁に取り替える利用者にとって経済的に大きなメリットがある。また、最近一般的になってきたパーソナルコンピューター上で画像を作成し、これをプリントアウトを見ながら配色やレイアウトを訂正することは従来の銀塩写真方式では全く無理であったが、インクジェット記録ではこのような操作が気軽にできるという長所もある。こういった背景から、インクジェット記録材料への要望が高まっている。
これらインクジェット記録材料は、良好なインクジェット記録性能を得る等の目的で、無機超微粒子を含有するインクジェット記録材料が提案され、一次粒子径が3nm〜30nmである主として気相法による合成シリカを使用するインクジェット記録材料が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、特に良好なインクの定着性、表面光沢を得るため等の目的で、無機超微粒子としてカチオン性無機酸化物粒子を含有するインクジェット記録材料が提案されている(例えば、特許文献3〜5参照)。
この様な無機超微粒子を含有するインク受理層を、該インク受理層の塗液を塗布・乾燥する方法で形成する場合、塗層が乾燥時に非常に収縮する特性を有している為、塗層に亀裂が生じやすく、表面光沢の低下、外観の悪化、インクの吸収斑などの原因となる。このような亀裂は塗層の厚さが厚い程、また、乾燥速度が急速な程に大きな亀裂が多発する傾向がある。無機超微粒子を主成分として含有するインク受理層で十分なインク吸収容量を得るには、一定以上インク受理層の厚さが必要であり、この様なインク受理層の厚さに塗布・乾燥した場合、特に亀裂が生じやすい問題がある。
乾燥収縮による亀裂を防止する方法として、ゼラチンをバインダーとして使用する方法がある。ゼラチン水溶液は一般に約30℃以上では水溶液状態であるが、20〜25℃以下ではゲル化する特性がある。この性質を利用して、ゼラチンを含有する水系塗液を支持体上に塗布した後、冷却ゲル化させた後、比較的低温(約20〜60℃)の風を吹き付けて乾燥することにより、亀裂を発生させずに高い膜厚の塗層を得ることができる。しかし、冷却ゲル化させるのに時間がかかるうえに、比較的低温で乾燥させる必要があるため、乾燥時間が長くかかり製造効率が低い問題がある。また、ゼラチンをインク受理層の主要なバインダーに使用した場合、インクジェット記録の際にインクの吸収が十分ではなく、インク吸収層としての特徴が活かされない問題がある。
ゼラチンを用いる代わりに、塗液中にポリビニルアルコール及びホウ酸またはその塩を含有させ、ゼラチンを用いた場合と同様に、塗布に引き続き冷却ゲル化させてから乾燥する方法が知られている。この方法によれば、亀裂を発生させずに高い膜厚の塗層を得ることができ、より高いインクの吸収性を得ることができる。しかし、この方法においても製造効率は低く、改善が望まれている。
特開平10−203006号公報(第3−9頁) 特開平8−174992号公報(第3−6頁) 特開平5−50739号公報(第2−4頁) 特開平6−55829号公報(第2−3頁) 特開平8−207431号公報(第2−5頁)
本発明の課題は、支持体に塗布後、急速な乾燥を行っても塗層に亀裂が生じにくいインクジェット記録材料用の塗液を提供することを第一の課題とし、さらに、この塗液を用いて塗層の亀裂が無く、表面光沢などの表面性が良好で、かつ印字品位が良好なインクジェット記録材料を効率よく得ることを第二の課題とする。
上記課題を達成するために鋭意研究を重ねた結果、無機超微粒子を主成分として含有するインクジェット記録材料用塗液に於いて、無機超粒子、ノニオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤を、無機超粒子の表面電荷と両イオン性界面活性剤の電荷が同符号となるpH領域で塗液を混合・分散後、該塗液中で無機超粒子の表面電荷と両イオン性界面活性剤の電荷が異符号となるpH領域に調整したことを特徴とするインクジェット記録材料用塗液により第一の課題を解決した。
インクジェット記録材料用塗液のpHが、無機超微粒子の表面電荷の等電点より低いとより好ましい。
また、支持体上に一層以上のインク受理層を設けたインクジェット記録材料において、該インク受理層のいずれか一層を、本発明のインクジェット記録材料用塗液を支持体上に塗布して設けたことを特徴とするインクジェット記録材料により第二の課題を解決した。
本発明によれば、支持体に塗布後、急速な乾燥を行っても塗層に亀裂が生じにくいインクジェット記録材料用の塗液を得ることができる。また、効率よく亀裂のないインク受理層を設けることができ、表面光沢などの表面性が良好で、かつ印字品位が良好なインクジェット記録材料を得ることができる。
以下に、本発明のインクジェット記録材料用塗液について説明する。
本発明のインクジェット記録材料用塗液は、無機超微粒子を主成分として含有し、さらにノニオン性界面活性剤及び両イオン性界面活性剤を含有する。無機超微粒子、ノニオン性界面活性剤、及び両イオン性界面活性剤は、無機超微粒子の表面電荷、及び両イオン性界面活性剤の電荷が同符号となるpH領域で、各成分を混合・分散され、その後無機超粒子の表面電荷と両イオン性界面活性剤の電荷が異符号となるpH領域に調整される。無機超粒子の表面電荷と両イオン性界面活性剤は、塗液のpHを変化させることによりアニオン性またはカチオン性に調節できる。
本発明に係る無機超微粒子とは、一次粒子径が100nm以下で、二次粒子径が500nm以下の無機微粒子を言う、例えば、特開平1−97678号公報、同2−275510号公報、同3−281383号公報、同3−285814号公報、同3−285815号公報、同4−92183号公報、同4−267180号公報、同4−275917号公報などに開示されている擬ベーマイトゾルなどのアルミナ水和物、特開平8−72387公報などに記載されている気相法アルミナ、特開昭60−219083号公報、同61−19389号公報、同61−188183号公報、同63−178074号公報、特開平5−51470号公報などに記載されているようなコロイダルシリカ、特公平4−19037号公報、特開昭62−286787号公報に記載されているようなシリカ/アルミナハイブリッドゾル、特開平10−119423号公報、特開平10−217601号公報に記載されているような、気相法シリカを分散したようなシリカゾル、沈降法シリカやゲル法シリカなどの湿式シリカを粉砕したシリカゾル、その他にもヘクタイト、モンモリロナイトなどのスメクタイト粘土(特開平7−81210号公報)、ジルコニアゾル、クロミアゾル、イットリアゾル、セリアゾル、酸化鉄ゾル、ジルコンゾル、酸化アルミニウムゾル、酸化アンチモンゾルなどを代表的なものとして挙げることができる。
塗液中における無機超微粒子の表面電荷は、塗液のイオン濃度やpHなどの影響を受ける。上記に挙げた様な金属酸化物の無機超微粒子の場合、表面電荷がpHの影響を強く受ける。無機超微粒子の表面電荷が見かけ上ゼロになるpHを等電点と呼び、流動電位法、電気浸透法、電気泳動法など一般的な測定法で決定することが可能であり、その測定法は、例えば、北原文雄、渡辺昌「界面電気現象」(共立出版株式会社)などに詳しく記載されている。また、代表的な微粒子の等電点については、例えば「化学便覧 改訂第3版」(丸善株式会社)などに測定値が記載されている。塗液のpHが等電点より低い場合、無機超微粒子の表面はカチオン性となる。逆に塗液のpHが等電点より高い場合、無機超微粒子の表面はアニオン性となる。
インクジェット記録材料に用いられる特に好ましい無機超微粒子として、アルミナ、疑ベーマイトのアルミナ水和物、シリカが挙げられる。アルミナ及び疑ベーマイトのアルミナ水和物は等電点が約8〜9である。また、シリカは等電点が3以下である。
上記の無機超微粒子の中でも特にアルミナ水和物がより好ましい。アルミナ水和物を用いると、塗層表面に亀裂がより起こり難くなると共に、より高い表面光沢を得ることができる。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、一般式Al23・nH2Oにより表すことができる。アルミナ水和物は組成や結晶形態の違いにより、ジプサイト、バイアライト、ノルストランダイト、ベーマイト、ベーマイトゲル(擬ベーマイト)、ジアスポア、無定形非晶質等に分類される。中でも、上記の式中、nの値が1である場合はベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが1を越え3未満である場合は擬ベーマイト構造のアルミナ水和物を表し、nが3以上では非晶質構造のアルミナ水和物を表す。特に、本発明に好ましいアルミナ水和物は、少なくともnが1を越え3未満の擬ベーマイト構造のアルミナ水和物である。
本発明に用いられるアルミナ水和物の形状は、平板状、繊維状、針状、球状、棒状等のいずれでもよく、インク吸収性の観点から好ましい形状は平板状である。平板状のアルミナ水和物は、平均アスペクト比3〜8であり、好ましくは平均アスペクト比が3〜6である。アスペクト比は、粒子の「厚さ」に対する「直径」の比で表される。ここで粒子の直径とは、アルミナ水和物を電子顕微鏡で観察したときの粒子の投影面積に等しい円の直径を表す。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、アルミニウムイソプロポキシド等のアルミニウムアルコキシドの加水分解、アルミニウム塩のアルカリによる中和、アルミン酸塩の加水分解等公知の方法によって製造することができる。また、アルミナ水和物の粒子径、細孔径、細孔容積、比表面積等の物性は、析出温度、熟成温度、熟成時間、液のpH、液の濃度、共存化合物等の条件によって制御することができる。
アルコキシドからアルミナ水和物を得る方法としては、特開昭57−88074号公報、同62−56321号公報、特開平4−275917号公報、同6−64918号公報、同7−10535号公報、同7−267633号公報、米国特許第2656321号明細書等にアルミニウムアルコキシドを加水分解する方法として開示されている。これらのアルミニウムアルコキシドとしてはイソプロポキシド、2−ブトキシド等が挙げられる。
本発明に用いられるアルミナ水和物は、平均一次粒子径が3nm〜25nmのアルミナ水和物が好ましい。特に好ましい平均一次粒子径は5nm〜20nmのものである。またこれらが凝集した二次粒子径としては、50nm〜200nmにするのが好ましい。
本発明に用いられる両イオン性界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの酢酸ベタイン型両イオン性界面活性剤、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなどのイミダゾリン型両イオン性界面活性剤などが挙げられるが特に限定されずに用いることが出来る。
両イオン性界面活性剤においても無機超微粒子と同様に、含有させる塗液のpHを調節することにより、界面活性剤分子全体での電荷をアニオン性またはカチオン性に調節できる。界面活性剤分子全体での電荷が見かけ上ゼロになるpHを等電点と呼び、pHが界面活性剤の等電点より高い状態においてはアニオン性となり、pHが等電点より低い状態ではカチオン性となる。例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインなどの酢酸ベタイン型両イオン性界面活性剤の等電点は約6、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミンナトリウムなどのイミダゾリン型両イオン性界面活性剤の等電点は約7である。
次に、無機超微粒子の表面電荷と両イオン性界面活性剤の電荷について説明する。無機超微粒子の表面電荷及び両イオン性界面活性剤の電荷が同一符号になる様にするには、無機超微粒子の表面電荷の等電点及び両イオン性界面活性剤の等電点のいずれよりも低いpH、あるいは、いずれよりも高いpHに調整することにより行える。また、無機超微粒子の表面電荷、及び両イオン性界面活性剤の電荷が異符号になる様にするには、塗液のpHを無機超微粒子の表面電荷の等電点と両イオン性界面活性剤の等電点の間のpHにすることにより行える。
両イオン性界面活性剤は、2種以上を組み合わせて用いることも出来るが、等電点が異なる界面活性剤を併用すると、アニオン性となる界面活性剤種とカチオン性となる界面活性剤種の混在し界面活性能が損なわれるpH領域が存在するため、塗液のpHは、併用する両イオン性界面活性剤の中で最も高い等電点のpHと、最も低い等電点のpHの間にしないのが好ましい。
本発明に用いられるノニオン性界面活性剤としては、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノオレエートなどのグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセロールモノステアレート、ポリオキシエチレングリセロールモノオレエートなどのポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ジグリセロールモノステアレート、ジグリセロールモノオレエート、ジグリセロールジオレエート、テトラグリセロールモノステアレート、ヘキサグリセロールモノラウレート、ヘキサグリセロールモノミリステート、ヘキサグリセロールモノステアレート、ヘキサグリセロールモノオレエート、デカグリセロールモノラウレート、デカグリセロールモノミリステート、デカグリセロールモノステアレート、デカグリセロールモノオレエート、デカグリセロールモノリノレートなどのポリグリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノオレエートなどのソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどのポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビットモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビットテトラステアレート、ポリオキシエチレンソルビットテトラオレエートなどのポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物などのポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物類、ポリオキシエチレンヒマシ油類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油類、ポリオキシエチレンステロール類、ポリオキシエチレン水素添加ステロール類、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコールなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオキシフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類等が挙げられるが特に限定されずに用いることが出来る。
また、これらノニオン性界面活性剤は、それぞれ単独の種類または複数の種類を組み合わせて用いることが出来る。
これら両イオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤の両方を含有させることにより、亀裂を発生させずに嵩高い膜厚の塗層を得ることができる。ノニオン性あるいは両イオン性界面活性剤の一方のみを使用した場合には、本発明の効果は得られない。
塗液のpHを変化させる方法は特に限定されないが、酸またはアルカリを添加する方法、塗液を撹拌しながら塗液表面に塩化水素、アンモニアなどの酸性あるいはアルカリ性のガスを触れさせる方法などが挙げられる。
無機超微粒子を含有する塗液中にノニオン性界面活性剤と両イオン性界面活性剤の両方を含有させてpHを変化させることにより、亀裂を発生させずに嵩高い膜厚の塗層が得られる塗液が得られる理由は明らかでは無いが、無機粒子の表面電荷、及び両イオン性界面活性剤の電荷を異符号とすることにより、両イオン性界面活性剤が無機超微粒子の表面に吸着して無機超微粒子表面を疎水化すると共に、ノニオン性界面活性剤が、表面の疎水性が増加した無機超微粒子の分散を安定化することにより、亀裂が無く表面光沢などの表面性が良好な塗層が得られるのではないかと推定している。
また、無機超微粒子とノニオン性界面活性剤を含有する塗液に、無機超微粒子の表面電荷とは異符号の電荷を持つイオン性界面活性剤を添加して塗液を調製しようとした場合には、イオン性界面活性剤添加時に激しい凝集が起こるため、表面性の良好な塗層を得ることができない。
無機超微粒子の表面電荷と両イオン性界面活性剤の電荷が同符号の場合に於いては、亀裂を防止する効果が得られない。
塗液のpHを無機超微粒子の表面電荷の等電点より低くすると、無機超微粒子の表面電荷がカチオン性となり、より高い印字濃度やインクの定着性を得ることができて好ましい。無機超微粒子として表面電荷の等電点が7以上の無機超微粒子を用いると、容易に表面電荷をカチオン性とすることが出来て好ましい。表面電荷をカチオン性とするのに特に好ましい無機超微粒子の具体例としては、アルミナ、アルミナ水和物等が挙げられる。また、アニオン性無機超微粒子の表面を修飾した無機超微粒子を用いることも出来、シリカ表面をアルミナで修飾したカチオン変性コロイダルシリカ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
無機超微粒子に対するノニオン性界面活性剤及び両イオン性界面活性剤の比率は、該界面活性剤の合計量で0.01質量%以上20質量%以下が好ましい。該比率が0.01質量%未満であると、塗層に亀裂が生じる場合がある。また、比率が20質量%を超えるとインクの吸収性が不十分となる傾向がある。
ノニオン性界面活性剤に対する両イオン性界面活性剤の比率は、5質量%以上900質量%以下が好ましい。該比率が5質量%未満であったり、900質量%を超える場合には、塗層に亀裂が生じる場合がある。
本発明のインクジェット記録材料用塗液には、皮膜としての特性を維持し、透明性が高くインクの浸透性が高い親水性バインダーが用いられる。親水性バインダーとしては、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;ポリビニルアルコール、またはシラノール変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体;カゼイン、ゼラチンおよびそれらの変性物、大豆蛋白、プルラン、アラビアゴム、カラヤゴム、アルブミン等の天然高分子樹脂またはこれらの誘導体、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等のビニルポリマー、アルギン酸、ポリエチレンイミン、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、無水マレイン酸またはその共重合体等が挙げられ、単独あるいは併用して用いることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。接着力、成膜性等の点から、ポリビニルアルコール、またはシラノール変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体が好ましい。塗液粘度の調整、および成膜性等の点で、ポリビニルアルコールの中でも特に好ましいのは、ケン化度が80%以上のポリビニルアルコールであり、さらに好ましくはケン化度が88%以上99%未満のポリビニルアルコールである。平均重合度は1000以上が好ましく、特に好ましく2000以上である。
本発明のインクジェット記録材料用塗液中のバインダーの含有量は、塗層強度、塗層の亀裂、インク吸収性の点で、無機超微粒子に対して2〜30質量%、好ましくは、4〜25質量%である。
本発明のインクジェット記録材料用塗液には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配合することが出来る。
特に、インクジェットプリンターに用いられる水性インクの染料分である水溶性直接染料や水溶性酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基等と不溶な塩を形成する2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩からなるカチオン性染料定着剤を配合すると、インク受理層にて染料が捕獲されるために、色彩性の向上や不溶な塩の形成により水の滴下や吸湿によるインクの流れ出しや滲み出しを抑制するので好ましい。
本発明のインクジェット記録材料用塗液には、添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤等を適宜配合することが出来る。
次に、本発明のインクジェット記録材料用塗液の好ましい調製方法について説明する。まず、無機超微粒子を水に分散し、無機超微粒子スラリーを調製する。ノニオン性界面活性剤は、水にあらかじめ添加しても、無機超微粒子を分散してから添加しても良い。両イオン性界面活性剤は、無機超微粒子の表面電荷と両イオン性界面活性剤の電荷が同符号になる様に水または無機超微粒子スラリーのpHを調節してから添加する。バインダーの添加順序は特に限定されないが、無機超微粒子、ノニオン性界面活性剤、及び両イオン性界面活性剤を添加後に水溶液の形態で添加するのが好ましい。
無機超微粒子の表面電荷と両イオン性界面活性剤の電荷が異符号する為のpH調節は、バインダー添加後に酸またはアルカリを添加して行うか、バインダー水溶液のpHを調節しておき、これを添加するのが好ましい。バインダー添加前にpH調節を行うと無機超微粒子の分散安定性が損なわれる場合がある。酸またはアルカリ濃度、及びpH調節したバインダー水溶液の濃度は低い方が無機超微粒子の分散安定性が損なわれ難く好ましい。
その他の成分はバインダー添加後に添加するのが好ましい。
次に本発明のインクジェット記録材料について説明する。
本発明のインクジェット記録材料においては、インク受理層は、本発明のインクジェット記録材料用塗液のみを塗布・乾燥したインク受理層単層でも良い。また、必要に応じて複数層のインク受理層を設けても良い。この場合、本発明のインクジェット記録材料用塗液を用いて複数層のインク受理層を形成しても良く、他の種類のインク受理層と組み合わせることもでき、特に限定されない。他の種類のインク受理層の組成は特に限定されない。
インクジェット記録材料用塗液を支持体上に塗布する方法としては特に限定されない。塗布方法の具体例としては、各種ブレードコーター、ロールコーター、エアナイフコーター、バーコーター、ロッドブレードコーター、カーテンコーター、ショートドウェルコーター、サイズプレス等の各種装置をオンマシン或いはオフマシンで用いる方法を挙げることができる。
インクジェット記録材料が複数のインク受理層が積層して構成されている場合には、複数層の塗液膜から成る塗料膜を形成してカーテン塗布により隣接する一連の複数のインク受理層を多層同時塗布をすることにより、1度の塗布で2層以上のインク受理層形成することが可能であり、多層塗布の生産性を大幅に向上することができ好ましい。
支持体に塗布されたインク受理層の塗液は、引き続き乾燥される。乾燥方法は特に限定されないが、熱風を吹き付ける方法、赤外線を照射する方法などにより加熱乾燥する方法は、生産性が良いため好ましく用いられる。
本発明のインクジェット記録材料に用いる支持体は透明、半透明および不透明のいずれであっても良く、紙、各種不織布、織布、合成樹脂フィルム、合成樹脂ラミネート紙、合成紙、金属箔、セラミック紙、ガラス板など、あるいはこれらを組み合わせた複合シートを目的に応じて任意に用いることが出来るが、これらに限定されるものではない。
支持体として用いる紙としては、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パルプ等の木材パルプと従来公知の顔料を主成分として、バインダーおよびサイズ剤や定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置で製造された原紙、更に原紙に、澱粉、ポリビニルアルコール等でのサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙や、それらの上にコート層を設けたアート紙、コート紙、キャストコート紙等の塗工紙も含まれる。この様な原紙および塗工紙に、そのまま本発明における塗層を設けても良いし、平坦化をコントロールする目的で、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を使用しても良い。
以下に本発明を実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。また、実施例に於いて示す「部」および「%」は特に明示しない限り質量部および質量%を示す。
「支持体の作製」
下記の下塗り層塗液をメイヤーバーを用いて、坪量65g/m2の中性上質紙にウェット塗布量が50g/m2になる様に塗布し、150℃の空気を吹き付けて乾燥させてインクジェット記録材料用の支持体を作製した。
<下塗り層塗液>
合成非晶質シリカ(平均二次粒子径2.3μm)100部をホモジナイザーを用いて水400部に分散し、これに10%ポリビニルアルコール(完全鹸化、重合度1700)水溶液250部、50%エチレン−酢酸ビニル共重合体ラテックス30部、界面活性剤0.3部、水を混合し、固形分濃度18.0%の下塗り層塗液を調製した。
「アルミナ水和物分散液の作製」
一次粒子径14nmのアルミナ水和物粉体(Sasol Germany GmbH社製 DISPERAL HP14)20部をイオン交換水77部に添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機を使用して予備分散液を作製した。得られた予備分散液を高圧ホモジナイザーで処理し、さらに塩酸及び水を加えてpH及び濃度を調整し、分散粒子径200nm、pH5.0、固形分濃度が20%のアルミナ水和物分散液を得た。
「気相法シリカ分散液の作製」
水77部に気相法シリカ(日本エアロジル(株)製 AEROSIL200)20部
を添加し、のこぎり歯状ブレード型分散機を使用して予備分散液を作製した。得られた予備分散液を高圧ホモジナイザーで処理して、これに水酸化ナトリウム及び水を添加し固形分濃度とpHを調節し、固形分濃度20%、pH8.0の「気相法シリカ分散液」を調製した。
(実施例1)
「インクジェット記録材料用塗液1」の調製
上記のアルミナ水和物分散液72.1部に、ポリオキシエチレンアルキルフェノール型界面活性剤(ノニオン性界面活性剤、日光ケミカル(株)製 NP−10)0.072部、及びラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン型界面活性剤(両イオン性界面活性剤、等電点約6、日光ケミカル(株)製 AM−301 有効成分35%)0.206部を混合した。これに10%ポリビニルアルコール水溶液(ケン化度98%、重合度1700)14.4部を添加し良く撹拌した。この混合液のpHは5.1であった。更にこの混合液を撹拌しながら、2.5%水酸化ナトリウム水溶液を滴下しpHを7.0に調節した。更に水を加えて濃度調節し、固形分濃度16%、pH7.0の「インクジェット記録材料用塗液1」を調製した。
「インクジェット記録材料」の作製
上記支持体上に、「インクジェット記録材料用塗液1」をメイヤーバーを用いて、ウェット塗布量が60g/m2になる様に塗布し、150℃の空気を吹き付けて乾燥させた。得られたシートをスーパーカレンダー装置を用いて線圧100kN/mでカレンダー処理し、インクジェット記録材料を作製した。
(実施例2)
「インクジェット記録材料用塗液2」の調製
上記の気相法シリカ分散液72.1部に、ポリオキシエチレンアルキルフェノール型界面活性剤(ノニオン性界面活性剤、日光ケミカル(株)製 NP−10)0.072部、及びラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン型界面活性剤(両イオン性界面活性剤、等電点約6、日光ケミカル(株)製 AM−301 有効成分35%)0.206部を混合した。これに10%ポリビニルアルコール水溶液(ケン化度98%、重合度1700)14.4部を添加し良く撹拌した。この混合液のpHは8.0であった。更にこの混合液を撹拌しながら、2.5%塩酸を滴下しpHを5.0に調節した。更に水を加えて濃度調節し、固形分濃度16%、pH5.0の「インクジェット記録材料用塗液2」を調製した。
「インクジェット記録材料」の作製
上記支持体上に、「インクジェット記録材料用塗液2」をメイヤーバーを用いて、ウェット塗布量が60g/m2になる様に塗布し、150℃の空気を吹き付けて乾燥させた。得られたシートをスーパーカレンダー装置を用いて線圧100kN/mでカレンダー処理し、インクジェット記録材料を作製した。
(実施例3)
「インクジェット記録材料用塗液3」の調製
上記の気相法シリカ分散液72.1部に、ポリオキシエチレンアルキルフェノール型界面活性剤(ノニオン性界面活性剤、日光ケミカル(株)製 NP−10)0.072部、及びN−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン型界面活性剤(両イオン性界面活性剤、等電点約7、日光ケミカル(株)製 AM−101 有効成分40%)0.18部を混合した。これに10%ポリビニルアルコール水溶液(ケン化度98%、重合度1700)14.4部を添加し良く撹拌した。この混合液のpHは8.0であった。更にこの混合液を撹拌しながら、2.5%塩酸を滴下しpHを5.0に調節した。更に水を加えて濃度調節し、固形分濃度16%、pH5.0の「インクジェット記録材料用塗液3」を調製した。
「インクジェット記録材料」の作製
上記支持体上に、「インクジェット記録材料用塗液3」をメイヤーバーを用いて、ウェット塗布量が60g/m2になる様に塗布し、150℃の空気を吹き付けて乾燥させた。得られたシートをスーパーカレンダー装置を用いて線圧100kN/mでカレンダー処理し、インクジェット記録材料を作製した。
(実施例4)
「インクジェット記録材料用塗液4」の調製
コロイダルシリカ(日産化学(株)製 スノーテックス−O 固形分20%)72.1部に水酸化ナトリウムを加えpHを8.0に調節した。これに、ポリオキシエチレンアルキルフェノール型界面活性剤(ノニオン性界面活性剤、日光ケミカル(株)製 NP−10)0.072部、及びラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン型界面活性剤(両イオン性界面活性剤、等電点約6、日光ケミカル(株)製 AM−301 有効成分35%)0.206部を混合し、更に、10%ポリビニルアルコール水溶液(ケン化度98%、重合度1700)14.4部を添加し良く撹拌した。この混合液のpHは8.0であった。この混合液を撹拌しながら、2.5%塩酸を滴下しpHを5.0に調節した。更に水を加えて濃度調節し、固形分濃度16%、pH5.0の「インクジェット記録材料用塗液4」を調製した。
「インクジェット記録材料」の作製
上記支持体上に、「インクジェット記録材料用塗液4」をメイヤーバーを用いて、ウェット塗布量が60g/m2になる様に塗布し、150℃の空気を吹き付けて乾燥させた。得られたシートをスーパーカレンダー装置を用いて線圧100kN/mでカレンダー処理し、インクジェット記録材料を作製した。
(実施例5)
「インクジェット記録材料用塗液5」の調製
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製 スノーテックス−O 固形分20%)72.1部に水酸化ナトリウムを加えpHを8.0に調節した。これに、ポリオキシエチレンアルキルフェノール型界面活性剤(ノニオン性界面活性剤、日光ケミカル(株)製 NP−10)0.072部、及びN−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン型界面活性剤(両イオン性界面活性剤、等電点約7、日光ケミカル(株)製 AM−101 有効成分40%)0.18部を混合し、更に、10%ポリビニルアルコール水溶液(ケン化度98%、重合度1700)14.4部を添加し良く撹拌した。この混合液のpHは8.0であった。この混合液を撹拌しながら、2.5%塩酸を滴下しpHを5.0に調節した。更に水を加えて濃度調節し、固形分濃度16%、pH5.0の「インクジェット記録材料用塗液5」を調製した。
「インクジェット記録材料」の作製
上記支持体上に、「インクジェット記録材料用塗液5」をメイヤーバーを用いて、ウェット塗布量が60g/m2になる様に塗布し、150℃の空気を吹き付けて乾燥させた。得られたシートをスーパーカレンダー装置を用いて線圧100kN/mでカレンダー処理し、インクジェット記録材料を作製した。
(比較例1)
「インクジェット記録材料用塗液6」の調製
上記のアルミナ水和物分散液72.1部に、ポリオキシエチレンアルキルフェノール型界面活性剤(ノニオン性界面活性剤、日光ケミカル(株)製 NP−10)0.072部を混合した。これに10%ポリビニルアルコール水溶液(ケン化度98%、重合度1700)14.4部を添加し良く撹拌した。この混合液のpHは5.0であった。更にこの混合液を撹拌しながら、2.5%水酸化ナトリウム水溶液を滴下しpHを7.0に調節した。更に水を加えて濃度調節し、固形分濃度16%、pH7.0の「インクジェット記録材料用塗液6」を調製した。
「インクジェット記録材料」の作製
上記支持体上に、「インクジェット記録材料用塗液6」をメイヤーバーを用いて、ウェット塗布量が60g/m2になる様に塗布し、150℃の空気を吹き付けて乾燥させた。得られたシートをスーパーカレンダー装置を用いて線圧100kN/mでカレンダー処理し、インクジェット記録材料を作製した。
(比較例2)
「インクジェット記録材料用塗液7」の調製
上記のアルミナ水和物分散液72.1部に、ポリオキシエチレンアルキルフェノール型界面活性剤(ノニオン性界面活性剤、日光ケミカル(株)製 NP−10)0.072部、及びラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン型界面活性剤(両イオン性界面活性剤、等電点約6、日光ケミカル(株)製 AM−301 有効成分35%)0.206部を混合した。これに10%ポリビニルアルコール水溶液(ケン化度98%、重合度1700)14.4部を添加し良く撹拌した。更に水を加えて濃度調節し、固形分濃度16%、pH5.1の「インクジェット記録材料用塗液7」を調製した。
「インクジェット記録材料」の作製
上記支持体上に、「インクジェット記録材料用塗液7」をメイヤーバーを用いて、ウェット塗布量が60g/m2になる様に塗布し、150℃の空気を吹き付けて乾燥させた。得られたシートをスーパーカレンダー装置を用いて線圧100kN/mでカレンダー処理し、インクジェット記録材料を作製した。
(比較例3)
「インクジェット記録材料用塗液8」の調製
上記のアルミナ水和物分散液72.1部に、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン型界面活性剤(両イオン性界面活性剤、等電点約6、日光ケミカル(株)製 AM−301 有効成分35%)0.206部を混合した。これに10%ポリビニルアルコール水溶液(ケン化度98%、重合度1700)14.4部を添加し良く撹拌した。この混合液のpHは5.1であった。更にこの混合液を撹拌しながら、2.5%水酸化ナトリウム水溶液を滴下しpHを7.0に調節した。更に水を加えて濃度調節し、固形分濃度16%、pH7.0の「インクジェット記録材料用塗液8」を調製した。
「インクジェット記録材料」の作製
上記支持体上に、「インクジェット記録材料用塗液8」をメイヤーバーを用いて、ウェット塗布量が60g/m2になる様に塗布し、150℃の空気を吹き付けて乾燥させた。得られたシートをスーパーカレンダー装置を用いて線圧100kN/mでカレンダー処理し、インクジェット記録材料を作製した。
(比較例4)
「インクジェット記録材料用塗液9」の調製
上記の気相法シリカ分散液72.1部に、ポリオキシエチレンアルキルフェノール型界面活性剤(ノニオン性界面活性剤、日光ケミカル(株)製 NP−10)0.072部を混合した。これに10%ポリビニルアルコール水溶液(ケン化度98%、重合度1700)14.4部を添加し良く撹拌した。この混合液のpHは8.0であった。更にこの混合液を撹拌しながら、2.5%塩酸を滴下しpHを5.0に調節した。更に水を加えて濃度調節し、固形分濃度16%、pH5.0の「インクジェット記録材料用塗液9」を調製した。
「インクジェット記録材料」の作製
上記支持体上に、「インクジェット記録材料用塗液9」をメイヤーバーを用いて、ウェット塗布量が60g/m2になる様に塗布し、150℃の空気を吹き付けて乾燥させた。得られたシートをスーパーカレンダー装置を用いて線圧100kN/mでカレンダー処理し、インクジェット記録材料を作製した。
(比較例5)
「インクジェット記録材料用塗液10」の調製
上記の気相法シリカ分散液72.1部に、ポリオキシエチレンアルキルフェノール型界面活性剤(ノニオン性界面活性剤、日光ケミカル(株)製 NP−10)0.072部、及びポリオキシエチレンドデシルエーテル酢酸型界面活性剤(アニオン性界面活性剤、日光ケミカル(株)製 ECT−7)0.072部を混合した。これに10%ポリビニルアルコール水溶液(ケン化度98%、重合度1700)14.4部を添加し良く撹拌した。この混合液のpHは8.0であった。更にこの混合液を撹拌しながら、2.5%塩酸を滴下しpHを5.0に調節した。更に水を加えて濃度調節し、固形分濃度16%、pH5.0の「インクジェット記録材料用塗液10」を調製した。
「インクジェット記録材料」の作製
上記支持体上に、「インクジェット記録材料用塗液10」をメイヤーバーを用いて、ウェット塗布量が60g/m2になる様に塗布し、150℃の空気を吹き付けて乾燥させた。得られたシートをスーパーカレンダー装置を用いて線圧100kN/mでカレンダー処理し、インクジェット記録材料を作製した。
(比較例6)
「インクジェット記録材料用塗液11」の調製
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製 スノーテックス−O 固形分20%)72.1部に水酸化ナトリウムを加えpHを8.0に調節した。これに、ポリオキシエチレンアルキルフェノール型界面活性剤(ノニオン性界面活性剤、日光ケミカル(株)製 NP−10)0.072部を混合し、更に、10%ポリビニルアルコール水溶液(ケン化度98%、重合度1700)14.4部を添加し良く撹拌した。この混合液のpHは8.0であった。この混合液を撹拌しながら、2.5%塩酸を滴下しpHを5.0に調節した。更に水を加えて濃度調節し、固形分濃度16%、pH5.0の「インクジェット記録材料用塗液11」を調製した。
「インクジェット記録材料」の作製
上記支持体上に、「インクジェット記録材料用塗液11」をメイヤーバーを用いて、ウェット塗布量が60g/m2になる様に塗布し、150℃の空気を吹き付けて乾燥させた。得られたシートをスーパーカレンダー装置を用いて線圧100kN/mでカレンダー処理し、インクジェット記録材料を作製した。
(比較例7)
「インクジェット記録材料用塗液12」の調製
コロイダルシリカ(日産化学工業(株)製 スノーテックス−O 固形分20%)72.1部に水酸化ナトリウムを加えpHを8.0に調節した。これに、N−ヤシ油脂肪酸アシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン型界面活性剤(両イオン性界面活性剤、等電点約7、日光ケミカル(株)製 AM−101 有効成分40%)0.18部を混合し、更に、10%ポリビニルアルコール水溶液(ケン化度98%、重合度1700)14.4部を添加し良く撹拌した。更に水を加えて濃度調節し、固形分濃度16%、pH8.0の「インクジェット記録材料用塗液12」を調製した。
「インクジェット記録材料」の作製
上記支持体上に、「インクジェット記録材料用塗液12」をメイヤーバーを用いて、ウェット塗布量が60g/m2になる様に塗布し、150℃の空気を吹き付けて乾燥させた。得られたシートをスーパーカレンダー装置を用いて線圧100kN/mでカレンダー処理し、インクジェット記録材料を作製した。
評価
実施例1〜5,比較例1〜7で作製したインクジェット記録材料にセイコーエプソン(株)製「PM−800C(プリンタ設定:スーパーファイン用紙、きれい)」を用いて画像を印刷し、塗層の亀裂の有無、インク吸収性について評価を行った。評価に用いた画像は黒、シアン、マゼンタ、イエロー、ブルー、レッド、グリーン各色のベタ印字およびその中に白抜き文字を設けたパターンなどからなる。
塗層の亀裂の有無は、作製したインクジェット記録材料の表面を目視で評価し、1〜5の数値で表した。結果を表1の「塗層の亀裂」に示した。「5」が最も亀裂が少なく、「1」が最も亀裂が多いことを示す。
表面光沢は、JIS規格Z 8741に規定される鏡面光沢度の測定方法により75度鏡面光沢を測定した。結果を表1の「表面光沢度」に示した。
印字品位は、ベタ印字部分の均一性、隣り合ったベタ印字部の境界部や白抜き文字の鮮鋭性などを目視で観察して評価し、1〜10の数値で表した。1は最も印字品位が劣悪で、数値が大きくなるほど良好となり、10は最も良好なことを示す。結果を表1の「印字品位」に示した。
Figure 2005280091
表1中、実施例1〜5に示す様に、無機超粒子、ノニオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤を無機超粒子の表面電荷と両イオン性界面活性剤の電荷が同符号となるpH領域で塗液を混合・分散後、該塗液中で無機超粒子の表面電荷と両イオン性界面活性剤の電荷が異符号となるpH領域に調整したインクジェット記録材料用塗液を用いると、塗層に亀裂を生じ難くし、印字品位が良好なインクジェット記録材料を熱風乾燥により効率よく製造することが出来た。
インクジェット記録材料用塗液のpHが、無機超微粒子の表面電荷の等電点より低い実施例1においては、より良好な印字品位が得られた。
ノニオン性界面活性剤及び両イオン性界面活性剤の両方を含有しない比較例1及び3〜7においては、亀裂が多く、表面光沢及び印字品位が悪かった。また、ノニオン性界面活性剤及び両イオン性界面活性剤の両方を含有するが、無機超粒子の表面電荷と両イオン性界面活性剤の電荷が異符号となるpH領域に調整していない比較例2においても、亀裂が多く、表面光沢及び印字品位が悪かった。

Claims (3)

  1. 無機超微粒子を主成分として含有するインクジェット記録材料用塗液に於いて、無機超粒子、ノニオン性界面活性剤、両イオン性界面活性剤を無機超粒子の表面電荷と両イオン性界面活性剤の電荷が同符号となるpH領域で塗液を混合・分散後、該塗液中で無機超粒子の表面電荷と両イオン性界面活性剤の電荷が異符号となるpH領域に調整したことを特徴とするインクジェット記録材料用塗液。
  2. インクジェット記録材料用塗液のpHが、無機超微粒子の表面電荷の等電点より低いことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録用塗液。
  3. 支持体上に一層以上のインク受理層を設けたインクジェット記録材料であって、該インク受理層のいずれか一層を、請求項1または2いずれか1項記載の塗液を支持体上に塗布して設けたことを特徴とするインクジェット記録材料。
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