JP2005279070A - 車両用シートヒーターの電熱線固定用基布材および車両用シートヒーター並びに車両用シート - Google Patents
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Abstract
また、該基布材を用いた伸縮性を有する車両用シートヒーター並びに良好な乗り心地を与えることができる車両用シートを提供する。
【解決手段】 車両用シートヒーター10の電熱線固定用の基布材14は、伸縮性を有する所定の厚さのウレタンスラブ12とウーリーナイロン生地13とを貼りあわせて形成された。
【選択図】 図4
Description
特許文献1に記載の車両用シートヒーターは、不織布の両面にウレタンフォーム層を貼り合わせて基布材が構成され、一方のウレタンフォーム層上に電熱線を配置して、これを基布材に縫着固定した構成となっている。
また、特許文献2には、シート状のヒーターが記載されており、このヒーターは、ポリエチレン織物にアルミニウム箔,ポリエチレンフィルムを積層した基布材に電熱線をミシンで縫いつけた構成となっている。
このように不織布は電熱線の固定強度を確保することができるものの、伸縮性(延び性)がほとんどない。したがって、着座時に乗員の体重が掛かったときにシートカバーやシートパッドが弾性的に変形するのに追従して変形せず、乗り心地の面で十分ではないという不都合があった。
また、特許文献2に記載のヒーターは、基布材にアルミニウム箔が用いられているので伸縮性がなく、着座感が良好とはならないという不都合があった。
また、該基布材を用いた伸縮性を有する車両用シートヒーター並びに良好な乗り心地を与えることができる車両用シートを提供することにある。
このように、本発明の車両用シートヒーターの電熱線固定用の基布材は、伸縮性を有する基材と、伸縮性の良好なウーリーナイロン生地とを接着しているので、基布材全体として優れた伸縮性を有する。また、ウーリーナイロンは、構成繊維がシュリンクしているので電熱線を接着剤にて固定する際に接着剤が含浸し易く、電熱線の接着性が良好であると共に、固定強度を確保することができる。また、基布材は、基材とウーリーナイロン生地とが接着されることにより引き裂き強度が向上されており、材破し難いので好適である。
本発明の車両用シートヒーターは、伸縮性を有する基材とウーリーナイロン生地が接着された伸縮性の良好な基布材を用いて形成されている。このため、車両用シートに搭載した場合、乗員が着座することによって変形の力を受けても、良好な伸縮性によって、車両用シート表面等の変形に追従することができる。これにより、乗員の座り心地を悪化させることがないので好適である。また、車両用シートヒーターに変形の力が加わった場合に容易に変形することが可能であるので、電熱線の接合部に無理なストレスが掛かることがなく、電熱線を確実に保持することができると共に材破し難くなっている。
図1〜図7は、本発明の実施例に係るものであり、図1は車両用シートの斜視図、図2は車両用シートの断面説明図、図3はシートヒーターの説明図、図4はシートヒーターの説明図である。図5は他の実施例に係るシートヒーターの説明図、図6は他の実施例に係るシートヒーターの説明図、図7は他の実施例に係る車両用シートの斜視図である。
そして、本例の車両用シート1には、シートヒーター10(10a,10b,10c)が配設されている。前部座席2,バックレスト4,後部座席3に、それぞれシートヒーター10a,10b,10cが配設されている。シートヒーター10a,10b,10cは、各座面に合わせて所定の形状に形成されており、形状は異なるものの構成は同じである。
そして、表皮材21とクッション材22との間には、本発明のシートヒーター10aが配設されている。シートヒーター10aは、シート状に形成されている。
本例の基布材14は、基材としてのウレタンスラブ12と、プラスチックシート材料としてのウーリーナイロン生地13とを貼り合せて接合している。ウレタンスラブ12は厚さ約2mm、ウーリーナイロン生地13は厚さ約1mmである。
ウレタンスラブ12は、発泡倍率が約60〜10倍、見かけ密度が16〜100kg/m3程度の軟質ポリウレタンフォームを所定の厚みに形成したものである。ウレタンスラブ12は伸縮方向に方向性がなく、全方向に伸縮が可能である。
このように、本例の基布材14は、電熱線15をホットメルト等によって接着固定するのが容易であると共に、接着強度を確保することができる。
また、図5に示すように基布材14上に電熱線15を縫製糸17によって縫着して固定してもよい。
これにより、乗車時に表皮材21に力が作用しても、クッション材22の崩れや摩耗等を低減することができる。
ウレタンスラブは伸縮性が良好であるが、ナイロンハーフは伸縮性に方向性があるため、ウレタンスラブにナイロンハーフを貼り付けた基布材は、伸縮性に方向性が出てしまうという不都合がある。
また、ナイロンハーフは繊維がシュリンクしていないため濡れ性が乏しく、電熱線をホットメルト等により接着固定する場合に接着性が劣るという不都合がある。
比較例4では、基布材14として平織布にアルミニウム箔を積層した複合材を用いた。この複合材は、アルミニウム箔が赤外線を反射し、熱効率に優れるものの、伸縮性がまったくないという不都合がある。
そして、本例の基布材14に電熱線15を接着または縫着してシートヒーター10を形成することにより、シートヒーター10は伸縮性および電熱線15の固定強度を確保することができる。
さらに、このシートヒーター10を図1に示すように、車両用シート1に組み込めば、シートヒーター10の伸縮性により、乗員が着座したときの着座感が良好となる。また、ウーリーナイロン生地13の滑り性により、表皮材21に力が加わったときに、表皮材21と基布材14との間の摩擦力が緩和され、クッション材22の型崩れや摩耗を防止することができる。
この車両用シート30には、着座部31,背もたれ部32を構成する表皮材とクッション材との間に、シートヒーター10がそれぞれ配設されている。この車両用シート30は、例えば、自動四輪車等の移動車両に搭載される。
このような車両用シート30においても、乗員が着座したときに着座面等にストレスが加わるので、これに伴ってシートヒーター10にもストレスが加わる。このとき、上述のように、シートヒーター10は伸縮性が良好で、表皮材やクッション材の変形に追従し易く、乗員の座り心地を悪化させることがないので好適である。
Claims (3)
- 伸縮性を有する基材とウーリーナイロン生地とを接着してなることを特徴とする車両用シートヒーターの電熱線固定用の基布材。
- 伸縮性を有する基材とウーリーナイロン生地とを接着してなる基布材と、該基布材の前記ウーリーナイロン上に固定された所定パターン形状の電熱線と、を備えることを特徴とする車両用シートヒーター。
- 請求項2に記載の車両用シートヒーターを備えたことを特徴とする車両用シート。
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JP2004100690A JP2005279070A (ja) | 2004-03-30 | 2004-03-30 | 車両用シートヒーターの電熱線固定用基布材および車両用シートヒーター並びに車両用シート |
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2004
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