JP2005276933A - 光学部材保持装置、光学ユニット及び露光装置 - Google Patents

光学部材保持装置、光学ユニット及び露光装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光学部材の高精度な微小駆動を行う。
【解決手段】保持装置92を構成するパラレルリンクメカニズム411は、光学部材M1を保持する保持機構(44A〜44C)がそのエンドエフェクタ42に設けられ、該エンドエフェクタをそのベース48に対して複数自由度方向に駆動するリンク機構46を有しており、該リンク機構を構成するリンク47A〜47Fのそれぞれは、ピエゾ素子と、該ピエゾ素子の伸縮方向の一端に直列接続され、前記ピエゾ素子の伸縮変位を縮小してエンドエフェクタに伝達する変位縮小機構とを有している。このため、保持装置では、各リンクを小型、軽量に設定でき、ピエゾ素子の伸縮が変位縮小機構により縮小されてエンドエフェクタに伝達され、該エンドエフェクタと一体で光学部材が駆動される。
【選択図】図5

Description

本発明は、光学部材保持装置、光学ユニット及び露光装置に係り、更に詳しくは、光学部材を所定方向に移動可能に保持する光学部材保持装置、該光学部材保持装置を備える光学ユニット及び該光学ユニットを投影光学系として具備する露光装置に関する。
従来より、半導体素子、液晶表示素子等を製造するためのリソグラフィ工程では、マスク又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)に形成されたパターンを、投影光学系を介してレジスト等が塗布されたウエハ又はガラスプレート等の基板(以下、適宜「ウエハ」ともいう)上に転写する露光装置が用いられている。この種の装置としては、近年では、スループットを重視する観点から、ステップ・アンド・リピート方式の縮小投影露光装置(いわゆる「ステッパ」)や、このステッパを改良したステップ・アンド・スキャン方式の走査型露光装置などの逐次移動型の投影露光装置が主として用いられている。
かかる露光装置では、従来、露光用の照明光(露光ビーム)として超高圧水銀ランプからの紫外域の輝線(例えばi線(波長365nm)など)やKrFエキシマレーザ光(波長248nm)のような紫外光が使用されていた。最近ではより高い解像度(解像力)を得るために、露光ビームとしてArFエキシマレーザ光(波長193nm)などの遠紫外光やF2 レーザ光(波長157nm)のような真空紫外光を使用する露光装置の開発も行われている。これらの露光装置の照明光学系や投影光学系としては、屈折系又は反射屈折系が主として使用されていた。
これに対して、より微細な半導体素子等を製造するために、最近では、露光光として波長が100nm程度以下の軟X線領域の光、すなわち極端紫外光(以下、EUV(Extreme Ultraviolet)光と呼ぶ)を使用するEUV露光装置の開発も行われている。このEUV露光装置では、EUV光が透過する光学材料が現時点では存在しないため、照明光学系及び投影光学系は全て反射光学素子(ミラー)によって構成され、レチクルもまた反射型レチクルが使用される。
投影光学系として、屈折系、反射屈折系及び反射系のいずれを用いる場合であっても、レチクルパターンの像を高解像度でウエハ上に転写するためには投影光学系の結像特性(諸収差)を調整することが必要であり、そのための手段として、投影光学系を構成する少なくとも一部の光学部材(以下、「可動光学部材」と呼ぶ)の位置・姿勢を調整する手段(以下、「位置姿勢調整手段」と呼ぶ)が一般的に採用される。この位置姿勢調整手段として、例えばパラレルリンクメカニズムを採用したパラレルリンク式調整機構を用いるものが知られている。
従来の投影光学系としては、屈折系又は反射屈折系が主として用いられていたことから、投影光学系内部で光束が最低零回(屈折系の場合)、最大でも2〜3回(反射屈折系の場合)偏向されるだけであったのに対し、EUV露光装置などで採用される反射系の内部では光束が例えばジグザグ状に何度も折り返されることとなる。このため、従来のパラレルリンク式調整機構を、EUV露光装置の投影光学系などの反射系の光学部材の位置・姿勢を調整する手段として採用すると、パラレルリンク式調整機構と光学部材や照明光などとが干渉し合うおそれがあり、結果的に、所望の光学性能を有する投影光学系を構成することが困難となるおそれがあった。
また、投影光学系に要求される解像度が年々高くなるのに伴い、位置姿勢調整手段による可動光学部材の一層高精度な位置・姿勢調整が必須となっている。
本発明は上述した事情の下になされたもので、第1の観点からすると、光学部材(M1)を所定方向に移動可能に保持する光学部材保持装置であって、前記光学部材を保持する保持機構(44A〜44C)と;前記保持機構がそのエンドエフェクタ(42)に設けられ、該エンドエフェクタをそのベース(48)に対して複数自由度方向に駆動するリンク機構(46)を有するパラレルリンクメカニズム(411)と;を備え、前記リンク機構を構成する各リンクが、伸縮自在の駆動素子(55A)と、該駆動素子の伸縮方向の一端に直列接続され、前記駆動素子の伸縮変位を縮小して前記エンドエフェクタに伝達する変位縮小機構(59)と、をそれぞれ有していることを特徴とする光学部材保持装置である。
これによれば、本発明の保持装置を構成するパラレルリンクメカニズムは、光学部材を保持する保持機構がそのエンドエフェクタに設けられ、該エンドエフェクタをそのベースに対して複数自由度方向に駆動するリンク機構を有しており、該リンク機構を構成する各リンクは、伸縮自在の駆動素子と、該駆動素子の伸縮方向の一端に直列接続され、前記駆動素子の伸縮変位を縮小して前記エンドエフェクタに伝達する変位縮小機構とをそれぞれ有している。このため、本発明の光学部材保持装置では、各リンク、ひいてはリンク機構を小型、軽量に設定可能であるとともに、駆動素子の伸縮が変位縮小機構により縮小されてエンドエフェクタに伝達され、該エンドエフェクタと一体で光学部材が駆動される。従って、光学部材の高精度な微小駆動が可能になるとともに、光束がジグザグ状に折り返される空間であってもパラレルリンクメカニズムを支障なく配置することが可能になる。
この場合において、前記各リンクの前記エンドエフェクタ及び前記ベースとの連結部には、前記リンクを構成する長手方向に直交する面内の互いに直交する2つの回転軸回りの回転を許容するジンバル・ジョイントがそれぞれ設けられていることとすることができる。
前記各ジンバル・ジョイントとしては種々の構成を採用することができるが、例えば、前記各ジンバル・ジョイントは、前記リンクの前記エンドエフェクタ又は前記ベースとの連結部に設けられ、前記リンクの長手方向の異なる位置に互いに直交する第1の幅狭部と第2の幅狭部とがそれぞれ形成された部材によって形成されていることとすることができる。この場合において、前記変位縮小機構は、前記部材と一体成形されていることとすることができる。
本発明の光学部材保持装置では、前記駆動素子は、ピエゾ素子であることとすることができる。
本発明の光学部材保持装置では、前記駆動素子の伸縮量を検出するセンサを更に備えることとすることができる。この場合において、前記センサは、静電容量センサであることとすることができる。
本発明の光学部材保持装置では、前記パラレルリンクメカニズムは、前記光学部材を6自由度方向に駆動することとすることができる。
本発明の光学部材保持装置では、前記変位縮小機構は、てこの原理を利用した機構であることとすることができる。
本発明は第2の観点からすると、複数の光学部材を備える光学ユニットにおいて、前記複数の光学部材の少なくとも1つが本発明の光学部材保持装置により保持されていることを特徴とする光学ユニットである。
これによれば、光学ユニットを構成する複数の光学部材の少なくとも1つが、光学部材を高精度に微小駆動することが可能な本発明に係る光学部材保持装置により保持されていることから、光学ユニット内での光学部材の微調整、ひいては光学ユニットの光学特性の高精度な調整を行うことが可能となる。
この場合において、前記複数の光学部材の全てが、本発明の光学部材保持装置により保持されていることとすることができる。
本発明は第3の観点からすると、マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して物体上に転写する露光装置であって、本発明の光学ユニットを前記投影光学系として具備する露光装置である。
これによれば、投影光学系として、光学特性の高精度な調整が可能な光学ユニットを具備していることから、投影光学系の光学特性を調整した後、その調整後の投影光学系を介してマスクに形成されたパターンを物体上に高精度に転写することが可能である。
この場合において、前記マスクとして反射型マスクが用いられ、前記光学ユニットを構成する全ての光学部材はミラーであり、各ミラーの反射面には、その表面に極端紫外光を反射させるための多層膜が設けられていることとすることができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図13に基づいて説明する。
図1には、一実施形態に係る露光装置10の全体構成が概略的に示されている。この露光装置10では、後述するように、投影光学系POが使用されているので、以下においては、この投影光学系POの光軸方向をZ軸方向、これに直交する面内で図1における紙面内左右方向をY軸方向、紙面に直交する方向をX軸方向として説明するものとする。
この露光装置10は、レチクルRに形成された回路パターンの一部の像を投影光学系POを介してウエハW上に投影しつつ、レチクルRとウエハWとを投影光学系POに対して1次元方向(ここではY軸方向)に相対走査することによって、レチクルRの回路パターンの全体をウエハW上の複数のショット領域の各々にステップ・アンド・スキャン方式で転写するものである。
露光装置10は、EUV光(軟X線領域の光)を照明光ELとして射出する光源装置12、この光源装置12からの照明光ELを反射して所定の入射角、例えば約50〔mrad〕でレチクルRのパターン面(図1における下面(−Z側の面))に入射するように折り曲げる折り曲げミラーMを含む照明光学系(なお、折り曲げミラーMは、投影光学系POの鏡筒内部に存在しているが、実際には照明光学系の一部である)、レチクルRを保持するレチクルステージRST、レチクルRのパターン面で反射された照明光(EUV光)ELをウエハWの被露光面(図1における上面(+Z側の面))に対して垂直に投射する光学ユニットとしての投影光学系PO、及びウエハWを保持するウエハステージWST等を備えている。
前記光源装置12としては、一例として、レーザ励起プラズマ光源が用いられている。このレーザ励起プラズマ光源は、EUV光発生物質(ターゲット)に高輝度のレーザ光を照射することにより、そのターゲットが高温のプラズマ状態に励起され、該ターゲットが冷える際に放出するEUV光、紫外光、可視光、及び他の波長域の光を利用するものである。なお、本実施形態では、主に波長5〜20nm、例えば波長11nmのEUV光が露光ビーム(照明光EL)として用いられるものとする。
前記照明光学系は、照明ミラー、波長選択窓等(いずれも図示省略)及び折り曲げミラーM等を含んで構成されている。また、光源装置12内の集光ミラーとしての放物面鏡も照明光学系の一部を構成する。光源装置12で射出され、照明光学系を介した照明光EL(前述の折り曲げミラーMで反射されたEUV光EL)は、レチクルRのパターン面を円弧スリット状の照明光となって照明する。
前記レチクルステージRSTは、XY平面に沿って配置されたレチクルステージベース32上に配置され、レチクルステージ駆動系34を構成する例えば磁気浮上型2次元リニアアクチュエータが発生する磁気浮上力によって前記レチクルステージベース32上に浮上支持されている。レチクルステージRSTは、レチクルステージ駆動系34が発生する駆動力によってY軸方向に所定ストロークで駆動されるとともに、X軸方向及びθz方向(Z軸回りの回転方向)にも微小量駆動されるようになっている。また、このレチクルステージRSTは、レチクルステージ駆動系34が複数箇所で発生する磁気浮上力の調整によってZ軸方向及びXY面に対する傾斜方向(X軸回りの回転方向であるθx方向及びY軸回りの回転方向であるθy方向)にも微小量だけ駆動可能に構成されている。
レチクルステージRSTの下面側に不図示の静電チャック方式(又はメカチャック方式)のレチクルホルダが設けられ、該レチクルホルダによってレチクルRが保持されている。このレチクルRとしては、照明光ELが波長11nmのEUV光であることと対応して反射型レチクルが用いられている。このレチクルRは、そのパターン面が下面となる状態でレチクルホルダによって保持されている。このレチクルRは、シリコンウエハ、石英、低膨張ガラスなどの薄い板から成り、その−Z側の表面(パターン面)には、EUV光を反射する反射膜が形成されている。この反射膜は、モリブデンMoとベリリウムBeの膜が交互に約5.5nmの周期で、約50ペア積層された多層膜である。この多層膜は波長11nmのEUV光に対して約70%の反射率を有する。なお、前記折り曲げミラーM、その他の照明光学系内の各ミラーの反射面にも同様の構成の多層膜が形成されている。
レチクルRのパターン面に形成された多層膜の上には、吸収層として例えばニッケルNi又はアルミニウムAlが一面に塗布され、その吸収層にパターンニングが施されて回路パターンがされている。
レチクルRの吸収層が残っている部分に当たったEUV光はその吸収層によって吸収され、吸収層の抜けた部分(吸収層が除去された部分)の反射膜に当たったEUV光はその反射膜によって反射され、結果として回路パターンの情報を含んだEUV光(照明光EL)がレチクルRのパターン面からの反射光として後述する投影光学系POへ向かう。
レチクルステージRST(レチクルR)のステージ移動面内での位置(XY面内の位置)は、レチクルステージRSTに設けられた(又は形成された)反射面にレーザビームを投射するレチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)82Rによって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。ここで、実際には、レチクル干渉計は、レチクルステージRSTのX軸方向位置(X位置)を計測するレチクルX干渉計とレチクルステージRSTのY軸方向位置(Y位置)を計測するレチクルY干渉計とが設けられているが、図1ではこれらが代表的にレチクル干渉計82Rとして示されている。そして、レチクルY干渉計とレチクルX干渉計の少なくとも一方、例えばレチクルY干渉計は、測長軸を2軸有する2軸干渉計であり、このレチクルY干渉計の計測値に基づきレチクルステージRST(レチクルR)のY位置に加え、θz方向(Z軸回りの回転方向)の回転量(ヨーイング量)も計測できるようになっている。
前記レチクルRのZ軸方向の位置は、パターン面に対し斜め方向から検出ビームを照射する送光系13aと、レチクルRのパターン面で反射された検出ビームを受光する受光系13bとから構成されるレチクルフォーカスセンサ(13a,13b)によって計測されている。このレチクルフォーカスセンサ(13a,13b)としては、例えば特開平6−283403号公報(対応米国特許第5,448,332号)等に開示される多点焦点位置検出系が用いられている。このため、該レチクルフォーカスセンサ(13a,13b)の計測値に基づいて、レチクルRのパターン面のZ位置のみならず、XY面に対する傾斜(θx、θy方向の回転量)も求めることができる。
レチクル干渉計82R及びレチクルフォーカスセンサ(13a,13b)の計測値は、主制御装置20(図9参照)に供給され、該主制御装置20によってそれらレチクル干渉計82R及びレチクルフォーカスセンサ(13a,13b)の計測値に基づいてレチクルステージ駆動部34を介してレチクルステージRSTが駆動されることで、レチクルRの6次元方向の位置及び姿勢制御が行われるようになっている。
前記投影光学系POは、開口数(N.A.)が例えば0.1で、後述するように、反射光学素子(ミラー)のみから成る反射光学系が使用されており、ここでは、投影倍率が1/4倍のものが使用されている。従って、レチクルRによって反射され、レチクルRに形成されたパターンの情報を含むEUV光ELは、ウエハW上に投射され、これによりレチクルR上のパターンは1/4に縮小されてウエハWに転写される。なお、投影光学系POの具体的構成等については、後に更に詳述する。
前記ウエハステージWSTは、XY平面に沿って配置されたウエハステージベース60上に配置され、例えば磁気浮上型2次元リニアアクチュエータから成るウエハステージ駆動系62によって該ウエハステージベース60上に浮上支持されている。このウエハステージWSTは、前記ウエハステージ駆動系62によってX軸方向及びY軸方向に所定ストローク(ストロークは例えば300〜400mmである)で駆動されるとともに、θz方向(Z軸回りの回転方向)にも微小量駆動されるようになっている。また、このウエハステージWSTは、ウエハステージ駆動系62によってZ軸方向及びXY面に対する傾斜方向にも微小量だけ駆動可能に構成されている。
ウエハステージWSTの上面には、静電チャック方式の不図示のウエハホルダが載置され、該ウエハホルダによってウエハWが吸着保持されている。ウエハステージWSTの位置は、外部に配置されたウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)82Wにより、例えば、0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されている。なお、実際には、X軸方向に測長軸を有する干渉計及びY軸方向に測長軸を有する干渉計が設けられているが、図1ではこれらが代表的にウエハ干渉計82Wとして示されている。それらの干渉計は、測長軸を複数有する多軸干渉計で構成され、ウエハステージWSTのX、Y位置の他、回転(ヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))も計測可能となっている。
また、投影光学系POの鏡筒を基準とするウエハWのZ軸方向に関する位置は、斜入射方式のウエハフォーカスセンサによって計測されるようになっている。このウエハフォーカスセンサは、図1に示されるように、投影光学系POの鏡筒を保持する不図示のコラムに固定され、ウエハWの上面に対し斜め方向から検出ビームを照射する送光系14aと、同じく不図示のコラムに固定され、ウエハW面で反射された検出ビームを受光する受光系14bとから構成される。このウエハフォーカスセンサ(14a,14b)としては、レチクルフォーカスセンサ(13a,13b)と同様の多点焦点位置検出系が用いられる。
ウエハ干渉計82W及びウエハフォーカスセンサ(14a、14b)の計測値は、主制御装置20(図9参照)に供給され、該主制御装置20によってウエハステージ駆動系62が制御され、ウエハステージWSTの6次元方向の位置及び姿勢制御が行われるようになっている。
ウエハステージWST上面の一端部には、レチクルRに形成されたパターンが投影されるウエハ面上の位置と後述するアライメント系ALGとの相対位置関係の計測(いわゆるベースライン計測)等を行うための空間像計測器FMが設けられている。この空間像計測器FMは、従来のDUV露光装置の基準マーク板に相当するものである。
さらに、本実施形態では、図1に示されるように、投影光学系POの鏡筒に、アライメント系ALGが固定されている。このアライメント系ALGとしては、ブロードバンド光をウエハW上のアライメントマーク(または空間像計測器FM)に照射し、その反射光を受光して画像処理によりマーク検出を行うFIA(Field Image Alignment )方式のアライメントセンサ、レーザ光をウエハW上の回折格子状のアライメントマークに2方向から照射し、発生した2つの回折光を干渉させ、その位相からアライメントマークの位置情報を検出するLIA(Laser Interferometric Alignment )方式のアライメントセンサ、レーザ光をウエハW上のアライメントマークに照射し、回折・散乱された光の強度を利用してマーク位置を計測するLSA(Laser Step Alignment)方式のアライメントセンサやAFM(原子間力顕微鏡)のような走査型プローブ顕微鏡等種々のものを用いることができる。
なお、本実施形態では、レチクルステージRST、投影光学系PO、及びウエハステージWST等は、実際には、不図示の真空チャンバ内に収容されている。
次に、前記投影光学系POについて、図2〜図8に基づいて、詳細に説明する。
図2には、投影光学系POの概略斜視図が示されている。この投影光学系POは、Z軸方向に沿って上から下へ順次連結された5つの分割鏡筒152a、152b,152c,152d,152e、及び分割鏡筒152b,152c間に設けられたフランジFLGから成る鏡筒52と、該鏡筒52内部に配置された光学部材としてのミラーM1,M2,M3,M4,M5,M6(図3(A),図3(B),及び図4参照)とを含んで構成されている。この鏡筒52の−Y側の側壁には、分割鏡筒152a及び分割鏡筒152bの両者に跨る開口52aが形成されている。分割鏡筒152a〜152e及びフランジFLGは、ステンレス(SUS)等の脱ガスの少ない材料にて形成されている。
前記分割鏡筒152aは、その下端部近傍の外周面の一部(−Z側かつ+Y側部分)に外部に突出する張り出し部152fが設けられ、全体として上面が閉塞された概略円筒状の部材によって形成されている。この分割鏡筒152aは、その上壁(+Z側の壁)に上下に貫通する矩形の開口52bが形成されている。
前記分割鏡筒152bは、前記分割鏡筒152aよりも僅かに径の大きい円筒状の部材から成り、分割鏡筒152aの下側(−Z側)に連結されている。この分割鏡筒152bの下端部近傍には、他の部分より直径が大きな前記フランジ部FLGが連結されている。
前記分割鏡筒152cは、分割鏡筒152bよりも僅かに直径の小さい円筒状の部材から成り、フランジ部FLGの下側(−Z側)に連結されている。
前記分割鏡筒152dは、前記分割鏡筒152cよりも僅かに直径の小さい円筒状の部材から成り、分割鏡筒152cの下側(−Z側)に連結されている。
前記分割鏡筒152eは、底面が閉塞された、前記分割鏡筒152dよりも僅かに直径の小さい円筒状部材から成り、分割鏡筒152dの下側(−Z側)に連結されている。この分割鏡筒152eの底壁(−Z側の壁)には、不図示ではあるが、投影光学系POからウエハWに向けてEUV光ELを通過させるための開口が形成されている。
図3(A)には、鏡筒52内に配置された6つのミラーM1〜M6が斜め上方から見た斜視図にて示され、図3(B)には、これらの6つのミラーM1〜M6が斜め下方から見た斜視図にて示されている。これらの図からわかるように、6つのミラーM1〜M6は、上からミラーM2、ミラーM4、ミラーM3、ミラーM1、ミラーM6、ミラーM5の順に配置されている。なお、図3(A),図3(B)では、各ミラーの反射面に、ハッチングが付されている。
本実施形態では、ミラーM1〜M6それぞれの反射面は、設計値に対して露光波長の約50分の1から60分の1以下の凹凸となる加工精度が実現され、RMS値(標準偏差)で0.2nmから0.3nm以下の平坦度誤差しかないように設定されている。また、各ミラーの反射面の形状は、計測と加工とを交互に繰り返しながら形成されている。
前記ミラーM1は、図3(A)及び図4から分かるように、その上面が球面又は非球面などの回転対称な反射面とされ、その回転対称軸が投影光学系POの光軸AXにほぼ一致するように位置調整された凹面鏡である。このミラーM1は、前記分割鏡筒152cの内部に配置されている。ミラーM1は、分割鏡筒152cを一部破断して示す斜視図である図5に示されるように、光学部材保持装置としてのミラー保持装置92によって、分割鏡筒152c内で保持されている。また、ミラーM1は、その側面の+X側の一部には、X軸に垂直な基準平面(鏡面加工が施された平面)65xが形成され、その側面の+Y側の一部には、Y軸に垂直な基準平面(鏡面加工が施された平面)65yが形成されている。
前記ミラー保持装置92は、図5に示されるように、分割鏡筒152cの内面にその一部が固定されたパラレルリンク機構411と、該パラレルリンク機構411のエンドエフェクタを構成するインナーリング42の上面にそれぞれ設けられ、ミラーM1の側面の3箇所を保持するミラー保持部材44A,44B,44Cとを備えている。
前記パラレルリンク機構411は、分割鏡筒152cの下端部で内側に突出する円環状の突出部上に、3つの調整用ワッシャWRを介して載置された円環状部材から成るベースを構成するアウターリング48と、該アウターリング48よりも径が一回り小さい円環状部材から成り、アウターリング48の上方に配置されたエンドエフェクタを構成するインナーリング42と、アウターリング48とインナーリング42とを相互に連結するとともにインナーリング42をアウターリング48に対してX,Y,Z軸方向及びθx(X軸回りの回転方向)、θy(Y軸回りの回転方向)、θz(Z軸回りの回転方向)の6自由度方向に駆動するリンク機構46と、を備えている。なお、調整用ワッシャWRの厚さを変えることによって、円環状の突出部に対するアウターリング48の姿勢を調整することができる。
前記リンク機構46は、一端と他端が、アウターリング48、インナーリング42に対して接続された同一構成の6本のリンク47A〜47Fによって構成されている。これらリンク47A〜47Fのそれぞれは、その長手方向に関して伸縮自在な構成となっており、各リンクが伸縮することにより、インナーリング42がアウターリング48に対して6自由度方向に駆動されるようになっている。なお、リンク47A〜47Fの具体的な構成等については後に更に詳述する。
これまでの説明からわかるように、パラレルリンク機構411は、6本の伸縮可能なリンクを有する、スチュワートプラットホーム型と呼ばれるパラレルリンクメカニズムである。
前記ミラー保持部材44A〜44Cは、インナーリング42の上面(+Z側の面)に所定の位置関係で配置され、ミラーM1の外周面の3箇所、例えば中心角120°間隔の外周の3等分点をそれぞれ保持している。これらのミラー保持部材44A〜44Cは、それぞれ、ほぼ逆U字状の形状を有しており、インナーリング42の半径方向についての剛性が低くなるように設定されている。本実施形態では、これらのミラー保持部材44A〜44Cによって、ミラーM1を保持する保持機構が構成されている。
ミラー保持部材44A〜44CのそれぞれとミラーM1との間は、機械的なクランプ機構により固着されており、これにより、ミラーM1がインナーリング42に対して所定の位置関係を維持した状態で保持されている。
このように、ミラーM1がインナーリング42の半径方向についての剛性が低いミラー保持部材44A〜44Cによって、その外周の3等分点で保持されていることから、ミラーM1に熱膨張が生じるような場合であっても、XY面内の各方向にほぼ均等な熱膨張が生じ、その外周面の輪郭形状が元の相似形に維持されるようになっている。
さらに、図5に示されるように、ミラーM1の基準平面65xに対向して分割鏡筒152cの一部には開口64xが形成されており、ミラーM1の基準平面65yに対向して分割鏡筒152cの一部には開口64yが形成されている。投影光学系POが露光装置に搭載された状態では、投影光学系POの外部に設置されたレーザ干渉計63X1,63Y1(図5では不図示、図9参照)からの測長ビームが開口64x,64yを介して、ミラーM1の基準平面65x,65yに照射され、該ミラーM1の基準平面65x,65yで反射された測長ビームがレーザ干渉計63X1,63Y1内のディテクタにより検出されることでミラーM1のXY位置が例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。
ここで、前記リンク機構46を構成する6本のリンク47A〜47Fの構成について詳細に説明する。これら6本のリンクは図5に示されるように、リンク47Aとリンク47B、リンク47Cとリンク47D、リンク47Eとリンク47Fとがそれぞれ対をなした状態で配置されている。
図6(A)には、リンク47Aとリンク47Bが取り出され、ブロック状の連結部材51及びブロック状の固定部材57A、57Bとともに示されている。ここで、連結部材51は、リンク47Aとリンク47Bとのそれぞれの上端部に固定されて両者を連結する。また、この連結部材51は、実際には、インナーリング42の下面にその上面が固定され、これによってリンク47A、リンク47Bがインナーリング42に取り付けられている。また、固定部材57A、57Bは、リンク47A、リンク47Bそれぞれの下端に固定され、これらの固定部材57A、57Bがアウターリング48の上面に固定されることで、リンク47A、リンク47Bがアウターリング48に取り付けられている。
前記連結部材51、固定部材57A、57Bは、例えばチタンあるいはSAS(ステンレス鋼)等により構成されている。
なお、本実施形態では、リンク47A、リンク47Bが、それぞれの長手方向の両端部に後述する弾性ヒンジ部を一体的に備えているので、これらの弾性ヒンジ部をも含めてリンク47A、リンク47Bと呼んでいる。
前記リンク47Aは、図6(A)に示されるように、概略矩形枠状の本体部53Aと、該本体部53Aの中空部に配置された駆動素子としてのピエゾ素子55Aとを備えている。なお、以下においては、説明の便宜上、本体部53Aの長手方向をA軸方向、該A軸方向に直交する一方向(短手方向)をB軸方向、これらA軸及びB軸に直交する方向をC軸方向として説明する。
前記ピエゾ素子55Aは、積層型圧電素子から成り、例えば所定厚さのPZT(=Pb(Zr・Ti)O3)と所定厚さの銀・パラジウム(AgPd)合金から成る内部電極とを交互に積層したものである。ここで圧電素子の厚さ(A軸方向の長さ)は要求される駆動量によって定められ、駆動量の104倍程度の厚さとなる。要求される駆動量は、投影光学系POの調整に必要なミラーの必要駆動量などに基づいて決定される。例えば、要求される駆動量が0.1μmであれば、圧電素子の厚さは1mmとなる。なお、ピエゾ素子55Aとして用いる材料は上記に限られるものではなく、一般にピエゾ素子材料として用いられるBaTiO3、PbTiO3、(NaK)NbO3等の強誘電体などを用いることもできる。
前記本体部53Aは、例えば、チタンあるいはSAS(ステンレス鋼)等を素材として一体成形されている。この本体部53Aは、図6(B)に示されるように、略U字状のガイド部54、該ガイド部54のU字の開放端(上端)側に設けられた弾性ヒンジ部61B、前記ガイド部54の弾性ヒンジ部61Bとは反対側の端部(下端部)に設けられた弾性ヒンジ部61A、及び弾性ヒンジ部61Bの内側に設けられた変位縮小機構としての変位縮小機構部59の4部分から構成されている。
前記変位縮小機構部59は、図7(A)に拡大して示されるように、概略台形状の第1部分59A、第2部分59B、第1平行テーブル59C及び第2平行テーブル59Dから構成されている。
前記第1部分59Aは、その+B側面の+A側端部近傍で接続部分59Eを介してガイド部54の内面に接続されている。接続部分59Eは、一種のヒンジとしての機能を有しており、第1部分59Aに+A方向又は−A方向の力が作用した際に、接続部分59Eを支点として第1部分59Aが図7(A)における時計回り又は反時計回りに回動するようになっている。
なお、この第1部分59Aは、−A側の端面には、ピエゾ素子55Aの先端面が接続されており、ピエゾ素子55Aの伸縮により、上記の+A方向又は−A方向の力が第1部分59Aに作用する。
また、この第1部分59Aの+C側の面には、実際には、図6(A)に示される検出対象片67が一体的に取り付けられており、この検出対象片67に対向してセンサ163A1が配置されている。このセンサ163A1としては、例えば静電容量センサ(ギャップセンサ)が用いられている。このセンサ163A1は、本体部53Aのガイド部54に固定され、前述した検出対象片67との間の距離の変化(変位)を、静電容量の変化に起因する電圧変化に基づいて検出する。従って、センサ163A1の出力は、主制御装置20に供給されており(図9参照)、主制御装置20では、このセンサ163A1の出力に基づいてピエゾ素子55Aの伸縮量(変位量)を安定して精度良く検出することができる。
図7(A)に戻り、前記第2部分59Bは、その−A側面の+B側端部近傍で接続部分59Fを介して第1部分59Aと接続され、その+A側面は弾性ヒンジ部61Bを構成するヒンジ162cを介してその弾性ヒンジ部61Bの残りの部分に接続されている。
前記第1平行テーブル59Cは、その+B側面で接続部分59Gを介して第2部分59Bに接続され、その−B側面で接続部分59Hを介してガイド部54の内面に接続されている。また、前記第2平行テーブル59Dは、第1平行テーブル59Cの+A側に配置され、その+B側面で接続部分59Iを介して第2部分59Bに接続され、その−B側面で接続部分59Jを介してガイド部54の内面に接続されている。
このようにして構成された変位縮小機構部59によると、ピエゾ素子55Aが伸長して、+A方向に力を発生した場合には、図7(B)に示されるように、第1部分59Aが接続部分59Eを支点として時計回りに回転駆動され、点線で示される状態から実線で示される状態に変化する。これに伴って、第2部分59Bにも接続部分59Fを介して+A方向の力が作用するが、第1平行テーブル59C及び第2平行テーブル59Dの両者に第2部分59Bが接続されていることから、その力の作用に起因する第2部分59Bの回転が抑制され、結果的に第2部分59Bは+A方向にスライドする(平行移動する)のみである。
このときの第2部分59Bの平行移動量は、ピエゾ素子55Aの伸張量を、変位縮小機構部59により所定の縮小率γで縮小した量である。具体的には、縮小率γは、接続部分59Eと第1部分59Aに対するピエゾ素子55Aからの駆動力の作用点までのB軸方向の距離をa1、接続部分59Eと接続部分59FとのB軸方向の距離をa2とすると、γ=a2/a1である。
また、図7(C)に示されるように、ピエゾ素子55Aが−A方向に収縮した場合も上記と同様の原理により、ピエゾ素子55Aの変位が縮小されて第2部分59Bに伝達されるようになっている。
このように、本実施形態のリンク47Aでは、ピエゾ素子55Aの伸縮量が所定の縮小率γ(γ=a2/a1)により縮小された分だけ、リンク47Aの全長を伸縮することが可能な構成となっている。
前記弾性ヒンジ部61A,61Bのうちの一方の弾性ヒンジ部61Aは、図8に拡大して示されるように、ガイド部54の−A側に位置する本体部53Aの部分から成り、その本体部53Aの−A側端面近傍にC軸方向の一側と他側から所定深さのスリット161a,161bが形成されることにより残されたほぼB軸方向に延びる第1の幅狭部としてのヒンジ部162aと、スリット161a,161bの+A側に近接する位置にB軸方向の一側と他側から所定深さのスリット161c,161dが形成されることにより残されたC軸方向に延びる第2の幅狭部としてのヒンジ部162bとを含む。この場合、ヒンジ部162aにより、本体部53Aのヒンジ部162aよりも+A側部分のB軸回りの回転が許容され、ヒンジ部162bにより、本体部53Aのヒンジ部162bよりも+A側部分のC軸回りの回転が許容されるようになっている。すなわち、弾性ヒンジ部61Aにより、互いに直交する2つの回転軸回りの回転を許容するジンバル・ジョイントが構成されている。
他方の弾性ヒンジ部61Bも上述した弾性ヒンジ部61Aと同様に構成されている。すなわち、弾性ヒンジ部61Bは、図7(A)に示されるように、ガイド部54の+A側に位置する本体部53Aの部分から成り、互いに直交する第1の幅狭部としてのヒンジ部162c及び第2の幅狭部としてのヒンジ部162dを含んでいる。ヒンジ部162cにより、本体部53Aのヒンジ部162cよりも−A側部分のC軸回りの回転が許容され、ヒンジ部162dにより、本体部53Aのヒンジ部162dよりも−A側部分のB軸回りの回転が許容されるようになっている。すなわち、弾性ヒンジ部61Bにより、互いに直交する2つの回転軸回りの回転を許容するジンバル・ジョイントが構成されている。
図6(A)に戻り、他方のリンク47Bも、前述したリンク47Aと左右対称ではあるが同様に構成されている。すなわち、リンク47Bは、図6(A)に示されるように、概略矩形枠状の本体部53Bと、該本体部53Bの中空部に配置された駆動素子としてのピエゾ素子55Bと、該ピエゾ素子55Bの伸縮量を検出するセンサ163B1とを備えている。この場合も、ピエゾ素子55Bの伸縮量(変位量)が所定の縮小率γにより縮小された分だけ、リンク47Bの全長を伸縮することが可能な構成となっている。
その他のリンク47C〜47Fも、上記リンク47A,47Bと同様に構成されており、各リンク内に設けられたピエゾ素子の伸縮量(変位量)は、各リンクに設けられたセンサ163C1〜163F1(図9参照)により計測されるようになっている。
図3(A)に戻り、前記ミラーM2は、その下面が球面又は非球面などの回転対称な反射面とされ、その回転対称軸(球面軸又は非球面軸)が投影光学系POの光軸AXにほぼ一致するように位置調整された凹面鏡である(図3(B)、図4等参照)。このミラーM2は、図2の分割鏡筒152a内で、前述したミラーM1を保持する保持機構92と同様の保持機構によって保持され、該保持機構を構成する前述のパラレルリンク機構411と同様の構成のパラレルリンク機構412(図9参照)によって6自由度方向に駆動可能となっている。また、パラレルリンク機構412を構成する6本のリンクには、センサ163A2〜163F2(図9参照)が設けられ、各リンク内のピエゾ素子の伸縮量がセンサ163A2〜163F2によりそれぞれ計測されるようになっている。
なお、ミラーM2にも、前述したミラーM1と同様に、ミラーM2のX軸位置を計測するための基準平面とY軸位置を計測するための基準平面とが形成されている。従って、投影光学系POが露光装置に組み込まれた状態では、投影光学系POの外部に設けられたレーザ干渉計63X2,63Y2(図9参照)により、ミラーM2の位置が検出されるようになっている。
前記ミラーM3は、図3(A)、図3(B)及び図4を総合するとわかるように、その上面が反射面とされた凸面鏡から成り、投影光学系POの光軸AXから外れた位置に配置されている。但し、図4に示されるように、ミラーM3の反射面は、破線94aで示される球面又は非球面などの回転対称な面の一部であり、その回転対称軸(球面軸又は非球面軸)が光軸AXにほぼ一致する位置にミラーM3は位置調整されている。このミラーM3は、図2の分割鏡筒152b内で、前述したミラーM1を保持する保持機構92と同様の保持機構によって保持され、該保持機構を構成する前述のパラレルリンク機構411と同様の構成のパラレルリンク機構413(図9参照)によって6自由度方向に駆動可能となっている。また、パラレルリンク機構413を構成する6本のリンクには、センサ163A3〜163F3(図9参照)が設けられ、各リンク内のピエゾ素子の伸縮量がセンサ163A3〜163F3によりそれぞれ計測されるようになっている。
なお、ミラーM3にも、前述したミラーM1と同様に、ミラーM3のX軸位置を計測するための基準平面とY軸位置を計測するための基準平面とが形成されている。従って、投影光学系POが露光装置に組み込まれた状態では、投影光学系POの外部に設けられたレーザ干渉計63X3,63Y3(図9参照)により、ミラーM3の位置が検出されるようになっている。
前記ミラーM4は、図3(A)、図3(B)及び図4を総合するとわかるように、その下面が反射面とされた凹面鏡から成り、投影光学系POの光軸AXから大きく外れた位置に配置されている。但し、図4に示されるように、ミラーM4の反射面は、破線94bで示される球面又は非球面などの回転対称な面の一部であり、その回転対称軸(球面軸又は非球面軸)が光軸AXにほぼ一致する位置にミラーM4は位置調整されている。このミラーM4は、図2の分割鏡筒152a内で、前述したミラーM1を保持する保持機構92と同様の保持機構によって、張り出し部152fに例えば1つのリンクがはみ出した状態で保持され、該保持機構を構成する前述のパラレルリンク機構411と同様の構成のパラレルリンク機構414(図9参照)によって6自由度方向に駆動可能となっている。また、パラレルリンク機構414を構成する6本のリンクには、センサ163A4〜163F4(図9参照)が設けられ、各リンク内のピエゾ素子の伸縮量がセンサ163A4〜163F4によりそれぞれ計測されるようになっている。
なお、ミラーM4にも、前述したミラーM1〜M3と同様に、ミラーM4のX軸位置を計測するための基準平面とY軸位置を計測するための基準平面とが形成されている。従って、投影光学系POが露光装置に組み込まれた状態では、投影光学系POの外部に設けられたレーザ干渉計63X4,63Y4(図9参照)により、ミラーM4の位置が検出されるようになっている。
前記ミラーM5は、図3(A)、図3(B)及び図4を総合するとわかるように、その上面が反射面とされ、その一部に切り欠きが形成された全体として概略馬蹄形状の凸面鏡である。このミラーM5は、その反射面が球面又は非球面などの回転対称な面の一部となっており、その回転対称軸(球面軸又は非球面軸)が投影光学系POの光軸AXにほぼ一致するように位置調整されている。このミラーM5では、光軸AXより−Y側の部分に照明光ELの光路となる上記切り欠きが形成されている。このミラーM5は、図2の分割鏡筒152e内で、前述したミラーM1を保持する保持機構92と同様の保持機構によって保持され、該保持機構を構成する前述のパラレルリンク機構411と同様の構成のパラレルリンク機構415(図9参照)によって6自由度方向に駆動可能となっている。また、パラレルリンク機構415を構成する6本のリンクには、センサ163A5〜163F5(図9参照)が設けられ、各リンク内のピエゾ素子の伸縮量がセンサ163A5〜163F5によりそれぞれ計測されるようになっている。
なお、ミラーM5にも、前述したミラーM1〜M4と同様に、ミラーM5のX軸位置を計測するための基準平面とY軸位置を計測するための基準平面とが形成されている。従って、投影光学系POが露光装置に組み込まれた状態では、投影光学系POの外部に設けられたレーザ干渉計63X5,63Y5(図9参照)により、ミラーM5の位置が検出されるようになっている。
前記ミラーM6は、図3(A)、図3(B)及び図4を総合するとわかるように、その下面が反射面とされ、その一部に切り欠きが形成された全体として概略馬蹄形状の凹面鏡である。このミラーM6は、その反射面が球面又は非球面などの回転対称な面の一部となっており、その回転対称軸(球面軸又は非球面軸)が投影光学系POの光軸AXにほぼ一致するように位置調整されている。このミラーM5では、光軸AXより+Y側の部分に照明光ELの光路となる上記切り欠きが形成されている。このミラーM5は、図2の分割鏡筒152d内で、前述したミラーM1を保持する保持機構92と同様の保持機構によって保持され、該保持機構を構成する前述のパラレルリンク機構411と同様の構成のパラレルリンク機構416(図9参照)によって6自由度方向に駆動可能となっている。また、パラレルリンク機構416を構成する6本のリンクには、センサ163A6〜163F6(図9参照)が設けられ、各リンク内のピエゾ素子の伸縮量がセンサ163A6〜163F6によりそれぞれ計測されるようになっている。
なお、ミラーM6にも、前述したミラーM1〜M5と同様に、ミラーM6のX軸位置を計測するための基準平面とY軸位置を計測するための基準平面とが形成されている。従って、投影光学系POが露光装置に組み込まれた状態では、投影光学系POの外部に設けられたレーザ干渉計63X6,63Y6(図9参照)により、ミラーM6の位置が検出されるようになっている。
ここで、上述のようにして構成された投影光学系POの作用について図4に基づいて説明する。光源装置12から射出され、投影光学系POの鏡筒52に形成された開口52aを介して鏡筒52の内部に入射された照明光(EUV光)ELは、鏡筒52内に配置された照明光学系の一部を構成する折り曲げミラーMでほぼ上向きに反射され、鏡筒52の開口52bを介してレチクルRに所定の入射角で入射する。そして、レチクルRのパターン面で反射された照明光ELは、ミラーM1で反射されてミラーM2の反射面に集光される。次いで、ミラーM2の反射面で反射された照明光ELは、ミラーM3、M4で順次反射され、ミラーM6の切り欠きを通過してミラーM5に入射し、ミラーM5の反射面で反射される。その後、ミラーM5で反射された照明光ELは、ミラーM6で反射され、パターンの結像光束となってミラーM5の切り欠きを介してウエハW上に照射される。
図9には、本実施形態に係る露光装置10の制御系の主要な構成が示されている。この制御系は、装置全体を統括的に制御する主制御装置20を中心として構成されている。
次に、主制御装置20(図9参照)による、パラレルリンク機構を介したミラーの6自由度方向の位置・姿勢制御について、パラレルリンク機構411及びミラーM1を代表的に採りあげて、図10〜図13に基づいて説明する。なお、図10〜図13には、インナーリング42及びパラレルリンク機構411を構成する6本のリンク47A〜47F、並びにアウターリング48が模式的に示されている。また、インナーリング42の駆動は該インナーリング42にミラー保持部材44A〜44Cを介して保持されたミラーM1の駆動を意味する。また、これらの図において、点線で示された状態が基準となる状態(位置・姿勢)を示す。
主制御装置20では、例えば、リンク47A〜47Fを構成するピエゾ素子を伸長させ、各リンクの全長を図10中に点線で示される状態から実線で示される状態に変化させることにより、インナーリング42(ミラーM1)を距離L1だけ+Z方向に移動させることができる。勿論、主制御装置20では、この状態から、インナーリング42(ミラーM1)を距離L1だけ−Z方向に移動させたい場合には、上記と逆にピエゾ素子を収縮させれば良い。
また、主制御装置20では、例えば、リンク47A〜47Fを構成するピエゾ素子の伸縮を適宜制御して、各リンクを図11中に点線で示される状態から実線で示される状態に変化させることにより、インナーリング42(ミラーM1)を距離L2だけ水平面内(例えば、X軸方向、Y軸方向)で移動させることができる。
また、主制御装置20では、例えば、リンク47A〜47Fを構成するピエゾ素子の伸縮を適宜制御して、各リンクを図12中に点線で示される状態から実線で示される状態に変化させることにより、インナーリング42(ミラーM1)をその重心を通る軸周り(例えばX軸回り、又はY軸回り)に微小角度φ1だけ回転させることができ、これによりインナーリング42(ミラーM1)のθx回転(ピッチング量)又はθy回転(ローリング量)の調整が可能となる。
また、主制御装置20では、例えば、リンク47A〜47Fを構成するピエゾ素子の伸縮を適宜制御して、各リンクを図13中に点線で示される状態から実線で示される状態に変化させることにより、インナーリング42(ミラーM1)をその重心を通るZ軸回りに微小角度φ2だけ回転させることができ、これによりインナーリング42(ミラーM1)のθz回転(ヨーイング量)の調整が可能となる。
このように、主制御装置20が、パラレルリンク機構411を構成する各リンク47A〜47Fのピエゾ素子を伸縮制御することで、ミラーM1の6自由度方向(X,Y,Z,θx,θy,θz)の位置・姿勢制御を行うことができる。
本実施形態では、上記と同様に、主制御装置20が、パラレルリンク機構412〜416の各リンクの伸縮を制御することで、ミラーM2〜M6の6自由度方向の位置・姿勢制御を行うことができるようになっている。
上述のようにして構成された本実施形態の露光装置10では、通常のスキャナ(スキャニング・ステッパ)と同様に、レチクルRのロード(又はレチクル交換)、ウエハWのロード(又はウエハ交換)、レチクルアライメント及びアライメント系ALGのベースライン計測、並びにウエハアライメント(例えばEGA方式のアライメント)などの露光のための準備作業が行われる。但し、レチクルアライメントに際しては、レチクルRに形成された不図示のレチクルアライメントマークのウエハW面上への投影像が空間像計測器FMを用いて検出される点が通常のスキャナと異なる。
そして、ウエハアライメントの終了後、ステップ・アンド・スキャン方式の露光がEUV光ELを露光用照明光として行われる。このステップ・アンド・スキャン方式の露光動作におけるウエハステージWSTのショット間ステッピング動作、及びウエハW上の各ショット領域に対する走査露光動作は、通常のスキャナと特に異なることがないので詳細説明は省略する。
なお、上記の走査露光中やアライメント中には、ウエハフォーカスセンサ(14a、14b)によってウエハW表面と投影光学系POの間隔、XY平面に対する傾斜が計測され、主制御装置20によってウエハW表面と投影光学系POとの間隔、平行度が常に一定になるようにウエハステージWSTが制御される。また、主制御装置20では、レチクルフォーカスセンサ(13a、13b)の計測値に基づいて、露光中(レチクルパターンの転写中)の投影光学系POとレチクルRのパターン面との間隔が常に一定に保たれるように、レチクルRの投影光学系POの光軸方向(Z方向)の位置を調整しつつ、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとをY軸方向に沿って同期移動させる。
本実施形態の露光装置10では、例えば定期的にオペレータによって投影光学系POの結像特性が計測され、その結像特性の計測結果に基づいて主制御装置20により投影光学系POの所定の結像特性、例えば像面湾曲、非点収差、コマ収差、球面収差及び歪曲収差などが調整される。
主制御装置20では、結像特性の計測結果に基づいて、上記各収差のうち、適正範囲外となっていた収差が適正範囲内となるような、6つのミラーM1〜M6のうちの少なくとも1つのミラーの駆動方向及び駆動量を、所定の演算により算出し、駆動すべきミラーに対応するパラレルリンク機構を制御する。この場合、対応するレーザ干渉計で検出されるそのミラーの位置情報が主制御装置20に供給され、主制御装置20では検出されるミラーの駆動方向の位置偏差が零となるようにフィードバック制御によりパラレルリンク機構を制御する。
なお、上記の投影光学系POの結像特性の調整の前提として行われる結像特性の計測方法としては、例えば所定の計測用パターンが形成された計測用マスクを用いて露光を行い、計測用パターンの投影像が転写形成されたウエハを現像して得られるレジスト像を計測した計測結果に基づいて結像特性を算出する方法(焼き付け法)や、ウエハステージWSTに取り付け可能な波面収差計測器を用いた投影光学系POの波面収差の計測などが代表的に挙げられる。特に後者の波面収差計測による場合には、例えば国際公開WO03/075328号パンフレットに開示されるように、予め波面収差変化表とツェルニケ感度表とを用意しておくことで、これらを用いた最小二乗演算により、各ミラーの駆動方向及び目標駆動量を容易に算出することができるとともに、ザイデル収差などの低次収差のみならず高次収差の調整も可能となる。
以上説明したように、本実施形態に係るミラー保持装置92を構成するパラレルリンク機構411は、ミラーM1を保持する保持機構(ミラー保持部材44A〜44C)がそのエンドエフェクタを構成するインナーリング42に設けられ、該インナーリング42をそのベースを構成するアウターリング48に対して6自由度方向に駆動するリンク機構46を有しており、該リンク機構46を構成するリンク47A〜47Fのそれぞれは、伸縮自在の駆動素子(ピエゾ素子)と、該駆動素子の伸縮方向の一端に直列接続され、駆動素子の伸縮変位を縮小してインナーリング42に伝達する変位縮小機構部59と、を有している。その他のミラーM2〜M6を、それぞれ6自由度方向に移動可能に保持するミラー保持装置もミラー保持装置92と同様に構成されている。
このため、本実施形態のミラー保持装置では、各リンク、ひいてはリンク機構を小型、軽量に設定可能であるとともに、駆動素子の伸縮が変位縮小機構部により縮小されてインナーリング42に伝達され、これによりインナーリング42と一体でミラーが駆動される。従って、ミラーの高精度な微小駆動が可能になるとともに、図4に示されるようにミラー(光学部材)及び光束が密集した空間であってもパラレルリンク機構411〜416を支障なく配置することが可能になっている。
また、本実施形態によると、投影光学系POを構成する複数のミラーM1〜M6の全てが、該ミラーを高精度に微小駆動することが可能な前述のミラー保持装置により保持されていることから、投影光学系PO内でのミラーの微調整、ひいては投影光学系POの光学特性(例えば結像特性)の高精度な調整を行うことが可能となっている。
また、本実施形態の露光装置10によると、投影光学系POの結像特性(光学特性)を高精度に調整した状態で、その投影光学系POを介してレチクルRに形成されたパターンをウエハW上に高精度に転写することができる。また、露光装置10では、極めて波長の短いEUV光ELを露光光として用い、色収差のない反射系の投影光学系POを介してレチクルRのパターンがウエハW上に転写されるので、レチクルR上の微細パターンをウエハW上の各ショット領域に高精度に転写することができる。具体的には、最小線幅70nm程度の微細パターンの高精度な転写が可能である。
なお、上記実施形態では、インナーリング42とリンクとの連結部近傍及びアウターリングとリンクとの連結部近傍には、弾性ヒンジ部61A,61Bを形成することとした。しかしながら本発明がこれに限られるものではなく、リンクの長手方向に直交する面内の互いに直交する2つの回転軸回りの回転を許容するその他のジンバル・ジョイントを設けることとしても良い。勿論、ジンバル・ジョイントに代えて、ボールジョイントなどを設けることとしても良い。
なお、上記実施形態では、変位縮小機構部をリンクのガイド部などと一体成形する場合について説明したが、変位縮小機構はガイド部とは別に設け、両者を一体化する構成としても良い。
なお、上記実施形態では、駆動素子として、ピエゾ素子を採用する場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、その長手方向の全長を伸縮させることが可能な駆動素子であれば、種々の駆動素子を採用することができる。
また、上記実施形態では、ピエゾ素子の伸縮量を検出するセンサとして、静電容量センサを採用した場合について説明したが、これに限らず、その他のセンサ(例えばリニアエンコーダなど)の、駆動素子の伸縮量を検出することが可能なセンサであれば、種々のセンサを採用することが可能である。なお、ピエゾ素子の伸縮量を検出するセンサをリンクに直接設ける場合に限らず、外部にセンサを設けることとしても良い。また、ピエゾ素子の伸縮量を検出する場合に限らず、リンクの実際の伸縮量を検出するセンサを採用することとしても良い。
なお、上記実施形態では、6つのミラーのそれぞれを、いずれも6自由度方向に駆動する場合について説明したが、少なくとも1つのミラーが駆動可能であれば良い。また、その少なくとも1つのミラーは、2自由度方向、3自由度方向、4自由度方向、あるいはZ軸回りの回転を除く5自由度方向に関して駆動可能であっても良い。
また、上記実施形態では、投影光学系PO内の全てのミラーを本発明の光学部材保持装置により保持する場合について説明したが、投影光学系PO内の1つ以上のミラーが本発明の光学部材保持装置により保持されていれば良く、この場合であっても、そのミラーを高精度に微小駆動することが可能であることから、投影光学PO内でのミラーの微調整、ひいては投影光学系POの光学特性の高精度な調整が可能である。
なお、上記実施形態では、変位縮小機構として、てこの原理を利用した機構を採用したが、本発明がこれに限られるものではなく、その他の機構を採用することも可能である。
なお、上記実施形態では、光学部材がミラーの場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、光学部材がレンズであっても良い。
また、上記実施形態では、露光光としてEUV光を用い、6枚のミラーのみから成るオール反射の投影光学系を用いる場合について説明したが、これは一例であって、本発明がこれに限定されないことは勿論である。すなわち、例えば、特開平11−345761号公報に開示されるような4枚のミラーのみから成る投影光学系を備えた露光装置は勿論、光源に波長100〜160nmのVUV光源、例えばAr2レーザ(波長126nm)を用い、4〜8枚のミラーを有する投影光学系などにも好適に適用することができる。また、レンズのみから成る屈折系の投影光学系、レンズを一部に含む反射屈折系の投影光学系のいずれにも、本発明は好適に適用することができる。
なお、上記実施形態では、本発明の光学ユニットを、露光装置を構成する投影光学系として採用した場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、例えば、本発明の光学ユニットを照明光学系として採用することとしても良い。
なお、上記実施形態では、露光光として波長11nmのEUV光を用いる場合について説明したが、これに限らず、露光光として波長13nmのEUV光を用いても良い。この場合には、波長13nmのEUV光に対して約70%の反射率を確保するため、各ミラーの反射膜としてモリブデンMoとケイ素Siを交互に積層した多層膜を用いる必要がある。
また、上記実施形態では、露光光源としてレーザ励起プラズマ光源を用いるものとしたが、これに限らず、SOR、ベータトロン光源、ディスチャージド光源、X線レーザなどのいずれを用いても良い。
以上説明したように、本発明の光学部材保持装置は、光学部材を所定方向に移動可能に保持するのに適している。また、本発明の光学ユニットは、露光装置の投影光学系に用いるのに適している。また、本発明の露光装置は、マスクのパターンを感光物体上に転写するのに適している。
本発明の一実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。 図1の投影光学系の概略斜視図である。 図3(A),図3(B)は、投影光学系を構成するミラーの配置を説明するための図である。 投影光学系を構成するミラーの作用を説明するための図である。 分割鏡筒152cの一部を破断して示す斜視図である。 図6(A)は、リンク47A,47Bを拡大して示す斜視図であり、図6(B)は、図6(A)から本体部のみを取り出して示す斜視図である。 図7(A)は、変位縮小機構部を拡大して示す図であり、図7(B)は、ピエゾ素子55Aが+A方向に伸長したときの変位縮小機構部の状態を示す図であり、図7(C)は、ピエゾ素子55Aが−A方向に収縮したときの変位縮小機構部の状態を示す図である。 弾性ヒンジ部を拡大して示す斜視図である。 本発明の一実施形態の制御系を示すブロック図である。 ミラーの6自由度方向の駆動を説明するための図(その1)である。 ミラーの6自由度方向の駆動を説明するための図(その2)である。 ミラーの6自由度方向の駆動を説明するための図(その3)である。 ミラーの6自由度方向の駆動を説明するための図(その4)である。
符号の説明
10…露光装置、411…パラレルリンク機構(パラレルリンクメカニズム)、42…インナーリング(エンドエフェクタ)、44A〜44C…保持部材(ミラー保持部材)、47A〜47F…リンク、48…アウターリング(ベース)、49…変位縮小機構部(変位縮小機構)、55A…ピエゾ素子(駆動素子)、61A,61B…弾性ヒンジ部(ジンバル・ジョイント)、92…ミラー保持装置(光学部材保持装置)、162a,162c…ヒンジ部(第1の幅狭部)、162b,162d…ヒンジ部(第2の幅狭部)、163A1〜163F6…センサ、M1〜M6…ミラー(光学部材)、PO…投影光学系(光学ユニット)、R…レチクル(マスク)、W…ウエハ(物体)。

Claims (13)

  1. 光学部材を所定方向に移動可能に保持する光学部材保持装置であって、
    前記光学部材を保持する保持機構と;
    前記保持機構がそのエンドエフェクタに設けられ、該エンドエフェクタをそのベースに対して複数自由度方向に駆動するリンク機構を有するパラレルリンクメカニズムと;を備え、
    前記リンク機構を構成する各リンクが、伸縮自在の駆動素子と、該駆動素子の伸縮方向の一端に直列接続され、前記駆動素子の伸縮変位を縮小して前記エンドエフェクタに伝達する変位縮小機構と、をそれぞれ有していることを特徴とする光学部材保持装置。
  2. 前記各リンクの前記エンドエフェクタ及び前記ベースとの連結部には、前記リンクを構成する前記駆動素子の伸縮方向に直交する面内の互いに直交する2つの回転軸回りの回転を許容するジンバル・ジョイントがそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1に記載の光学部材保持装置。
  3. 前記各ジンバル・ジョイントは、前記リンクの前記エンドエフェクタ又は前記ベースとの連結部に設けられ、前記リンクを構成する前記駆動素子の伸縮方向の異なる位置に互いに直交する第1の幅狭部と第2の幅狭部とがそれぞれ形成された部材によって形成されていることを特徴とする請求項2に記載の光学部材保持装置。
  4. 前記変位縮小機構は、前記部材と一体成形されていることを特徴とする請求項3に記載の光学部材保持装置。
  5. 前記駆動素子は、ピエゾ素子であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学部材保持装置。
  6. 前記駆動素子の伸縮量を検出するセンサを更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学部材保持装置。
  7. 前記センサは、静電容量センサであることを特徴とする請求項6に記載の光学部材保持装置。
  8. 前記パラレルリンクメカニズムは、前記光学部材を6自由度方向に駆動することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の光学部材保持装置。
  9. 前記変位縮小機構は、てこの原理を利用した機構であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の光学部材保持装置。
  10. 複数の光学部材を備える光学ユニットにおいて、
    前記複数の光学部材の少なくとも1つが請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学部材保持装置により保持されていることを特徴とする光学ユニット。
  11. 前記複数の光学部材の全てが、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学部材保持装置により保持されていることを特徴とする請求項10に記載の光学ユニット。
  12. マスクに形成されたパターンを投影光学系を介して物体上に転写する露光装置であって、
    請求項10又は11に記載の光学ユニットを前記投影光学系として具備する露光装置。
  13. 前記マスクとして反射型マスクが用いられ、
    前記光学ユニットを構成する全ての光学部材はミラーであり、各ミラーの反射面には、その表面に極端紫外光を反射させるための多層膜が設けられていることを特徴とする請求項12に記載の露光装置。
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