JP2005266044A - 先球光ファイバならびに光デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】 調整および固定が容易で、小型で配列の集積度の高い、先球光ファイバを提供する。
【解決手段】 光ファイバのコアと略同屈折率で球面を有する先球部と、前記先球部に接続する2本以上の光ファイバとで構成し、前記光ファイバのコア端部から発せられた光が達する前記先球部の球面の中心を、前記光ファイバの中心軸上に配置し、前記中心は前記光ファイバごとに異なる位置にし、先球光ファイバとする。それぞれの前記光ファイバのコア端部から発せられた光を、前記先球部の球面によって屈折させ、コリメート光として空気中に出射させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は光通信等において、小型で低反射のコリメータとして用いられる光ファイバに関する。
光通信システムにおいて光の伝搬路として用いられる光ファイバは、その中心部に光を伝搬させるコアと、コアの周囲に形成されて且つコアよりも屈折率の小さいクラッド層を備える。この光ファイバの端部は発光素子、受光素子やフィルター素子に対向させて配置される。光ファイバ中を伝搬してきた光が、端部では空気による屈折率差により、反射戻り光が発生して、半導体レーザ等の発光素子に戻るために発振状態が不安定となる問題があった。そのため、光ファイバの端部を斜めに切断すること、端部を球面化すること、あるいは空気との屈折率差を緩和する反射防止膜を端部に設けること等が、反射戻り光を抑制することを目的に行われている。
また、光ファイバ間にミラーなどの素子を挿入するために、光ファイバからの出射光をレンズによりコリメートして再び光ファイバに結合することが行われている。レンズには屈折率分布型のGRINレンズなどが用いられている。しかし、GRINレンズは、光ファイバに比べて寸法が大きく、使い勝手が悪いという問題がある。
先球部の先端でビームを十分拡げるために、光が伝搬する第1の光ファイバの端部に、この光ファイバのコア部と屈折率が等価で単一屈折率を持ち同一外径からなる第2の光ファイバを接続し、その第2の光ファイバの先端を球面化し、それら一対の球面化した光ファイバ(以下、先球光ファイバと呼ぶ)を対向させて高結合のコリメータとして使用できることが特許文献1にて開示されている。図6にその構造を示す。
一対の先球光ファイバを対向させて、先球先端間の距離を5mm以上として光の高結合を実現するには、先球部の曲率半径を0.23mm以上、すなわち先球部の直径を0.46mm以上にする必要がある。この値は光ファイバの外径0.125mmの約4倍である。MEMS(Micro Electro Mechanical System)技術を用いた光スイッチ素子などでは、複数のコリメータを配列させる必要があるが、先球光ファイバを配列させる場合、配列する密度(集積度)は先球部の直径0.46mmで決まってしまい、限度があった。そのため、デバイスサイズの小型化には限界がある。
また、他の従来技術の先球光ファイバとして、先球部2に1本の光ファイバが接続されている構造(以下、シングル型先球光ファイバと呼ぶ)がある(特許文献2)。
特開平5−288956号公報(第3〜4頁、図1) 特開2003−262758号公報(第4頁、図1)
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、その目的は調整および固定が容易であり、小型で配列するときの集積度の高い先球光ファイバを得ることにある。
本発明は、光ファイバのコアと略同屈折率で球面を有する先球部と、前記先球部に接続する2本以上の光ファイバとで構成し、前記光ファイバのコア端部から発せられた光が達する前記先球部の球面の中心を、前記光ファイバの中心軸上に配置し、前記中心は前記光ファイバごとに異なる位置にして、先球光ファイバとする。略同屈折率とは、同一の屈折率もしくはコアの屈折率の近傍の値の屈折率に相当する。
前記光ファイバの為す角ξは、第1の光ファイバに対する前記先球部の第1の球面の曲率半径をR1、第2の光ファイバに対する前記先球部の第2の球面の曲率半径をR2、前記第1の光ファイバのコア端部と第1の球面との距離をT1、前記第2の光ファイバのコア端部と第2の球面との距離をT2、中心間の距離をL、光結合が可能な最長の光路長をDとすると、数1および数2を満たすようにする。
Figure 2005266044
Figure 2005266044
それぞれの前記光ファイバのコア端部から発せられた光を、前記先球部の球面によって屈折させ、コリメート光として空気中に出射させる。
他の本発明は、前記先球光ファイバと1枚以上の反射板とで構成し、前記先球光ファイバの前記第1の光ファイバのコア端部から発し空気中に出射した光を、前記反射板によって反射させて前記先球部に再帰させ、屈折させて前記第2の光ファイバのコア端部に挿入、伝搬させる光学系を搭載する光デバイスとする。
前記光デバイスは、光スイッチ、光パワーモニター、光アイソレーター、光サーキュレーター、乃至光減衰器のいずれかとする。
他の本発明は、前記先球光ファイバを1対と、1枚以上の反射板と、反射板を移動させる駆動素子で構成される光スイッチであって、
前記先球光ファイバの一方は第1の光ファイバと第2の光ファイバとを備え、前記先球光ファイバの他方は第3の光ファイバと第4の光ファイバとを備え、
前記第2の先球光ファイバは前記反射板を基準としたときに前記第1の先球光ファイバの鏡像となるように配置され、
前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバとの間で光結合させているときに、前記反射板は前記第3の光ファイバと前記第4の光ファイバとの間で光結合させており、
反射板を移動させたときに、前記第1の光ファイバと前記第3の光ファイバとの間で光結合され、前記第2の光ファイバと前記第4の光ファイバとの間で光結合させて光路切り替えを行う光スイッチとする。
[1] 本発明の先球光ファイバは、光ファイバのコアと略同屈折率で球面を有する先球部と、前記先球部に接続する2本以上の光ファイバとで構成され、前記光ファイバのコア端部から発せられた光が達する前記先球部の球面の中心が前記光ファイバの中心軸上にあり、前記中心は前記光ファイバごとに異なる位置にあることを特徴とする。
この構造の先球光ファイバでは、光ファイバ同士の位置関係は、先球部を介して固定であり、調整する必要がない。このため、デバイスの組み立て工数を低減することができる。また、1つの先球部を、2本以上の光ファイバが共有するので、コリメータ配列するときの集積度を上げることができ、デバイスサイズの小型化が可能になる。
前記球面の中心と前記中心軸とがずれる(以下、軸ずれと呼ぶ)と、光断面強度分布が歪み、結果として結合効率が低下して、挿入損失が大きくなる。
本発明の先球光ファイバでは、前記軸ずれが低減されるため、光強度断面分布の歪みが抑えられ、結果として受発光素子や他の先球光ファイバとの結合が高効率、低挿入損失となる。
[2] 本発明の先球光ファイバについて、前記光ファイバの為す角ξは、第1の光ファイバに対する前記先球部の第1の球面の曲率半径をR1、第2の光ファイバに対する前記先球部の第2の球面の曲率半径をR2、前記第1の光ファイバのコア端部と第1の球面との距離をT1、前記第2の光ファイバのコア端部と第2の球面との距離をT2、中心間の距離をL、光結合が可能な最長の光路長をDとすると、数1および数2を満たすことを特徴とする。数1および数2は上記の数式を用いる。
光ファイバ同士は平行ではなく、角度を為すため、それぞれの光ファイバからの出射光が空間上の1点で交差させ、反射板によって光結合を行うことができる。また、光路の変更を行う場合に設置する反射板の配置の単純にでき、都合がよい。また、この光結合は低損失となる。これについて説明する。
本発明の先球光ファイバの模式的な断面図を図2に示す。先球部2に2本の光ファイバ11、12が接続している。前記光ファイバ11を伝搬する光は、コア端部51を発し、先球部2の球面31を通って出射光61となって空気中に出射する。同じく、前記光ファイバ12を伝搬する光は、コア端部52を発し、先球部2の球面32を通って出射光62となって空気中に出射する。前記球面31の曲率半径をR1、前記球面32の曲率半径をR2、中心間距離をL、光ファイバ11と光ファイバ12の為す角をξとする。前記角ξは光ファイバ11からの出射光61と光ファイバ12からの出射光62の為す角でもある。また、光結合できる最長の光路長をDとする。光結合できる最長の光路長Dは、先球光ファイバから光が空気中に出射して、再び先球光ファイバに入射するときの光の進んだ距離であり、これ以上の長さになると、光強度損失が大きくなり光結合できなくなる距離を指す。前記出射光61と前記出射光62との交差点15に1枚の反射板7を設置すると、反射された前記出射光61は前記出射光62の光路を逆向きに進行し、光ファイバ12のコア端部52に挿入され光結合される。
光ファイバ11と光ファイバ12の為す角ξが小さいと、交差点15が先球部2から遠くなり、空気中を前記出射光61が進む距離が長くなる。この距離が光結合できる最長の光路長Dより長くなると、光強度損失が大きくなり光結合できなくなる。よって、角ξには下限値があり、余弦定理より数3を満たさなくてはならない。ここで、前記球面31と前記反射板7との距離をD1、および前記球面32と前記反射板7との距離をD2とした。
Figure 2005266044
光の出射側と入射側の先球部形状が異なると、光結合の挿入損失が増大する。先球部形状とは、レンズ機能に関係する曲率半径と光ファイバのコア端部と球面との距離(以下、レンズ長と呼ぶ)のことを指す。前記球面31の曲率半径をR1、前記球面32の曲率半径をR2の差が大きければ、挿入損失は増加し、光ファイバ1のレンズ長T1と光ファイバ2のレンズ長T2との差が大きければ、挿入損失が増大する。ここで先球部形状の違いを表す指標として形状差パラメータR2・T2/R1・T1を導入する。形状差パラメータは1に近いほど、同形状であり挿入損失は小さい。図5に形状差パラメータと挿入損失との関係を示す。低挿入損失の0.5dB以下となるためには、形状差パラメータが0.94以上1.06以下でなくてはならないことが分かる。よって、先球部の形状は、上記の数2を満たさなくてはならない。
また、数2を満たす形状では、前記球面31と前記反射板7との距離をD1、および前記球面32と前記反射板7との距離をD2の差は小さく、共にD/2とみなせることから、数3は上記数1と変形される。
[3] 上記[1]または[2]の本発明の先球光ファイバについて、それぞれの前記光ファイバのコア端部から発せられた光を、前記先球部の球面によって屈折させ、コリメート光として空気中に出射させる。
この先球光ファイバでは、出射光がコリメート光になるため、受発光素子や他の先球光ファイバとの結合を行う場合、前記先球部からの距離を十分に取ることができる。結果として受発光素子や他の先球光ファイバの配置が容易になり、かつ高効率で低挿入損失になる。また、光路長の余裕を活かしてフィルターなどの光機能素子を挿入して、光デバイスを作製することができる。また、上記本発明に係る先球光ファイバを一対作製し、対向させてコリメート光の送受を行えば、いわゆるコリメータを構成することができる。
ここで、”コリメート”という用語は、光ファイバのコア端部から出射された光が任意の方向に広がらないように光を収束させること、光ファイバのコア端部から出射された光を平行光線に変換して伝搬させること、光ファイバのコア端部から出射される光が対向する光ファイバの端面もしくはコリメータの受光面に入射される程度に光線を平行化することなどを含む用語として用いる。”コリメータ”という用語は光を上記コリメートする部材のこととして用いる。
[4] 上記[1]乃至[3]のいずれかの本発明の先球光ファイバと1枚以上の反射板とを備え、前記先球光ファイバは第1の光ファイバおよび第2の光ファイバを備え、前記第1の光ファイバのコア端部から発し空気中に出射した光を、前記反射板によって反射させて前記先球部に再帰させ、屈折させて前記第2の光ファイバのコア端部に挿入、伝搬させる光学系を搭載する光デバイスとする。
本発明に係わる先球光ファイバでは、光の出射と入射を一つの先球光ファイバが担うので、光ファイバ同士の位置関係は固定であり、調整する必要がない。光路長の余裕に光機能素子を挿入して光デバイスを作製することができ、しかも組み立て工数を低減させることができる。またサイズも小さくできる。
上記[4]の本発明の光デバイスにおいて、反射板の反射面を金属膜もしくは誘電体膜とする。
反射面を金属膜もしくは誘電体膜とすることで、反射によって生じる光損失を低減することができる。また、誘電体膜の構成を適宜設定することで、一部の光を透過させ、反射板後方に受光素子を配置させて光信号や光強度を検出することもできる。
[5] 上記[4]の本発明の光デバイスは、発光デバイス、光スイッチ、光パワーモニター、光アイソレーター、光サキュレーター、光減衰器のうち少なくとも1つの機能を有する構成とすることができる。
この本発明に係わる光デバイスとして、具体的に次のようなものが挙げられる。すなわち、LDモジュール(Laser Diode Module)のように発光素子の光を先球光ファイバにより外部に送り出す装置、光ファイバ同士を突き合わせ若しくは移動させて光路を切り替えるファイバ駆動型光スイッチ、光路内にミラー配置若しくは移動させて光路を切り替えるミラー駆動型光スイッチ、ミラーの代わりにプリズムを動かして光路を切り替えるプリズム駆動型光スイッチ、導波路と外部の光ファイバと結合させる箇所に本発明の先球光ファイバを適用できる導波路型光スイッチ、マイクロミラーをマトリクス状に2次元配置して光路を切り替えるMEMS型光スイッチ、マイクロミラーアレイ同士を3次元的に対向させることにより光路を切り替えるMEMS型光スイッチ、誘電体多層膜によって一部の光を透過させ、その強度を検出する光パワーモニター、空気中に出射した光の光路中にファラデー回転子を挿入した光アイソレーターおよび光サキュレーター、光吸収体を挿入した光減衰器などである。
これらに限らず、光ファイバの光路を結合あるいは中継させる必要のある光通信装置、光通信回線もしくは光測定装置についても、本発明に係わる先球光ファイバを用いると、光の伝達を高結合で実現する光デバイスとなる。先球部に接続する複数の光ファイバ同士の位置が固定で調整する必要がないことから、これら光デバイスの組み立てを容易に行うことができる。
[6] 上記[1]乃至[3]のいずれかの本発明の先球光ファイバを1対と、1枚以上の反射板と、反射板を移動させる駆動素子で構成される光スイッチであって、
前記先球光ファイバの一方は第1の光ファイバと第2の光ファイバとを備え、前記先球光ファイバの他方は第3の光ファイバと第4の光ファイバとを備え、
前記第2の先球光ファイバは前記反射板を基準としたときに前記第1の先球光ファイバの鏡像となるように配置され、
前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバとの間で光結合させているときに、前記反射板は前記第3の光ファイバと前記第4の光ファイバとの間で光結合させており、
反射板を移動させたときに、前記第1の光ファイバと前記第3の光ファイバとの間で光結合され、前記第2の光ファイバと前記第4の光ファイバとの間で光結合させて光路切り替えを行う光スイッチとする。
本発明によれば、光ファイバのコアと略同屈折率で球面を有する先球部と、先球部に接続する2本以上の光ファイバとで先球光ファイバを構成するので、光ファイバ間の位置関係は固定であり、先球光ファイバの調整や固定が容易である。また、1つの先球部を2本以上の光ファイバが共有するので、小型であり、さらにはコリメータ配列の高い集積化が可能になる。
また、反射板を適切に配置することで、出射光を先球部に再帰させる光路折り返し光結合を行うことができる。光路内に光機能素子を挿入して光デバイスを作製する際、1つの先球光ファイバで光の入出射を担うので、調整、固定が容易であり、組み立て工数を低減することができる。
以下、本発明に係わる実施例を説明する。ただし、これら実施例により本発明が限定されるものではない。なお、類似の部品については同じ符号で説明する。
(実施例1)
図1は本発明に適用する先球光ファイバの1実施例に係わる断面図である。先球部2に2本の光ファイバ11、12が接続している。光ファイバ11のコア41を伝搬する光はコア端部51から発せられ、球面31の中心91を通って球面31に達し、屈折されて空気中に出射光61となって出射される。同じく、光ファイバ12のコア42を伝搬する光はコア端部52から発せられ、球面32の中心92を通って球面32に達し、屈折されて空気中に出射光62となって出射される。ここで、光ファイバ11、12はそれぞれコア41、42とそれらを覆うクラッド81、82で構成した。符号11、12はそれぞれコア41、42とクラッド81、82からなる光ファイバを示しており、クラッド81、82のみを指している訳ではない。
出射光61、62がコリメート光となるの条件としては、特許文献2に開示されている条件を用いることができる。特許文献2の先球光ファイバは、先球部2に1本の光ファイバが接続されている構造(以下、シングル型先球光ファイバと呼ぶ)である。先球部2の曲率半径Rとコア端部から先球部の球面までの距離T(以下、レンズ長と呼ぶ)をある特定の値に設定することで、コリメート光として出射させることができる。曲率半径Rが225μm、レンズ長Tが805μmの先球光ファイバでは出射光がコリメート光となる。これを2本用意して対向させると、光結合を行うことができ、先球部先端間の距離(光路長)を5.0mmに設定すると結合効率は最大となった。このときの先球部先端間距離(光路長)をワーキングディスタンスと呼ぶ。
本実施例の先球光ファイバ(以下、デュアル型先球光ファイバと呼ぶ)においても、光ファイバ11のコア端部51から発せられた光が達する先球部の球面31の曲率半径R1と、コア端部41と先球部の球面31との距離T1(レンズ長)とを、それぞれ225μm、805μmとすることにより、ワーキングディスタンス5.0mmで光結合するコリメータとなる。
本実施例のデュアル型先球光ファイバは、放電加熱法によって作製した。曲率半径R225μm、レンズ長T805μmのシングル型先球光ファイバを2本用意し、先球部の側面を接触させて接触部を放電加熱することにより、溶融・接合し1つの先球部を作製して、デュアル型先球光ファイバとした。
先球部側面は溶融・接合するため、球面形状を留めていないが、先球部先端は殆ど変形しておらず、球面31の曲率半径R1と球面32の曲率半径R2とは、放電過熱前の225μmのままであった。このため、出射光がコリメート光となり、光結合を行うことができた。
図2に示す本発明に係る構成を用いれば、デュアル型先球光ファイバにおいて、出射光61が、1枚以上の反射板によって反射されて先球部2に再帰し、屈折されて光ファイバ12のコアのコア端部52に挿入、伝搬する。以下、これを光路折り返し光結合と呼ぶ。一つのデュアル型先球光ファイバで光の入射と出射の作用を担うので、2本の光ファイバの位置関係の調整は不要で、反射板の調整をすればよく、光デバイスを作製する上で組み立て工数を低減できる。またデバイスサイズも小さくできる。
本実施例の形状では、球面31の中心91と、球面32の中心92は異なる位置にある。このため、2つの出射光61、62は空間上の交差点で交わることになる。この点をクロスポイント15と呼ぶ。クロスポイント15は2本の光ファイバ11、12がなす平面上にある。クロスポイント15に1枚の反射板7を設置することで、光路折り返し光結合を実現できる。以下、反射板7を設置すべき位置を求める。
2本の光ファイバの為す角をξとし、その中線をX軸、X軸に垂直な方向をY軸に取る。原点を球面31の中心91と球面32の中心92の中点とした。球面31の曲率半径R1および球面32の曲率半径R2をともにR、球面31の中心91と球面32の中心92との距離をL、ワーキングディスタンスをDした。図2はそのデュアル型先球光ファイバと反射板7の配置を説明する断面図を示す。反射板7は対称性からX軸上にあって、X軸に対して垂直を為すべきであり、その位置を(Xm、0)とすると、数4から求められる。
Figure 2005266044
また、D、L、ξは、数1でR1=R2=Rとして、数5を満たす必要がある。
Figure 2005266044
本実施例では、曲率半径R1=R2=Rは225μm、レンズ長T1、T2は805μm、球面31の中心91と球面32の中心92との距離Lは400μm、ワーキングディスタンスDは5mm、2本の光ファイバが為す角ξは8.4°とした。このときの反射板のX方向位置Xmは2.72mmとなる。
上記の計算に従い反射板7を実際に設置し、光路折り返し光結合を行った。反射板7は反射面がAu膜の全反射ミラーとした。この光結合の挿入損失ILは0.3dBであった。先球部2の球面31、32に反射防止膜を施すことで、挿入損失をさらに低減できる。ここで挿入損失ILとはIL=−10Log10(P1/P0)で表され、光強度P0は光源とセンサーを光ファイバで接続した状態で、光強度P1はデュアル型先球光ファイバでの光ファイバ11、12をそれぞれ光源とセンサーに接続した場合である。
(実施例2)
他の変形型の実施例として、反射板7を一部透過型誘電体多層膜13とし、一部透過型誘電体多層膜13を挟んでデュアル型先球光ファイバと反対側に受光素子141、142を配置し、光パワーモニターを作製した。その模式図を図3に示す。
光ファイバ11からの出射光61は、一部透過型誘電体多層膜13によってその一部が透過し、その透過光161が受光素子141で検出される。一方、反射光は球面32に達して屈折され、光ファイバ42のコア端部52に挿入される。光ファイバ12からの出射光62は、一部透過型誘電体多層膜13によってその一部が透過し、その透過光162が受光素子142で検出される。一方、反射光は球面31に達して屈折され、光ファイバ41のコア端部51に挿入される。
受光素子141、142で検出する光強度を参照して、光ファイバ11、12を伝搬する光の強度を求めることができる。また、光ファイバ11から光ファイバ12へ光結合する光は受光素子141で検出し、光ファイバ12から光ファイバ11へ光結合する光は受光素子142で検出するため、光の進行方向ごとの光強度を求めることができた。
本実施例では、先球部2に接続する光ファイバ11と光ファイバ12の位置関係は固定で、一部透過型誘電体多層膜13の位置調整をすればよい。シングル型先球光ファイバを用いた構成では、2本の先球光ファイバ同士の位置調整が必要になるが、本実施例のデュアル型先球光ファイバでは、その調整が不要である。よって組み立てが容易になって量産時の工数低減となる。
(実施例3)
また、他の変形型の実施例として、もう一つのデュアル型先球光ファイバを設けることで2×2型光スイッチを形成することができた。図4にその模式的な断面図を示す。まず、前記反射板7を他の反射板に換装する。この換装された反射板71は、光が当たる箇所を十分に薄い厚さにすること、および反射板を平行移動させる駆動素子(図示せず)を備えること以外は反射板7と同様にした。さらに、反射板71の反対側に同型のデュアル型先球光ファイバをもう一つ配置することで、2×2型の光スイッチを構成した。第1のデュアル型先球光ファイバは光ファイバ11と光ファイバ12を備え、第2のデュアル型先球光ファイバは光ファイバ13と光ファイバ14を備えた。第1のデュアル型先球光ファイバと第2のデュアル型先球光ファイバは反射板71を基準にして鏡像の位置関係にある。
図4(a)は反射板71が一対のデュアル先球光ファイバ間にあるときを示しており、光ファイバ11のコア部41から先球部21を伝って出射された出射光61が反射板71で反射されて光ファイバ12の先球部21(=光ファイバ11と共有する先球部)から入射してコア部42に伝搬し、光ファイバ13のコア部43から先球部22を伝って出射された出射光63が反射板71の反対側の面で反射されて光ファイバ14の先球部22(=光ファイバ13と共有する先球部)から入射してコア部44に伝搬した。このとき、反射板は両面に光を反射するためのAu薄膜を被着形成したものを用いた。
ついで図4(b)は、反射板71をその長さ方向もしくは幅方向に平行移動させて出射光61および出射光63を反射しない位置に配置した場合を示しており、光ファイバ11のコア部41から先球部21を伝って出射された出射光61が直進して光ファイバ14の先球部22から入射してコア部44に伝搬し、光ファイバ13のコア部43から先球部22を伝って出射された出射光63が直進して光ファイバ12の先球部21から入射してコア部42に伝搬した。
すなわち、駆動素子によって反射板を移動させて、光路を切り替える光スイッチとする。本実施例の光スイッチの挿入損失は、いずれの光路においても0.5dB以下で、低挿入損失であり良好な特性を示した。
本実施例も実施例2と同様に、先球部21に接続する光ファイバ11と光ファイバ12の位置関係、およびは先球部21に接続する光ファイバ11と光ファイバ12の位置関係は固定で、反射板の調整とデュアル型先球光ファイバ同士の調整をすればよい。シングル型先球光ファイバを用いた構成では、4本の先球光ファイバの位置調整が必要になり、工数が大きくかかるが、本実施例では、2本の先球光ファイバの調整ですみ、量産時の組み立て工数を低減できる。
本実施例1、2、3では先球部に接続する光ファイバを2本としたが、3本以上としても同じく光路折り返し光結合とそれを用いた光デバイスを実現できる。この場合、配列の集積度はさらに高くなり、光デバイスの小型化を実現できる。
本発明は、光通信等において、小型で低反射のコリメータとして機能する光ファイバとして利用できる。光パワーモニターや光スイッチに適用し、少ない組み立て工数で作製することができる。
本発明の1実施例の先球光ファイバの模式的に示す断面図である。 本発明の1実施例の先球光ファイバと反射板の配置を説明するための断面図である。 本発明の1実施例の先球光ファイバを用いた光パワーモニターの模式図である。 本発明の1実施例の先球光ファイバを用いた光スイッチの模式的な断面図である。 本発明の先球光ファイバの特性を説明するためのグラフである。 従来の先球光ファイバを説明するための図である。
符号の説明
1、11、12、13、14 光ファイバ
2、21、22 先球部
3、31、32、33、34 球面
4、41、42、43、44 コア
5、51、52、53、54 コア端部
6、61、62、63、64 出射光(コリメート光)
7、71、72、73 反射板
8、81、82、83、84 クラッド
9、91、92、93、94 球面の中心
101、102 シングル型先球光ファイバ
13 一部透過型誘電体多層膜
141、142 受光素子
15 交差点(クロスポイント)
161、162 透過光

Claims (6)

  1. 光ファイバのコアと略同屈折率で球面を有する先球部と、前記先球部に接続する2本以上の光ファイバとで構成され、前記光ファイバのコア端部から発せられた光が達する前記先球部の球面の中心が前記光ファイバの中心軸上にあり、前記中心は前記光ファイバごとに異なる位置にあることを特徴とする先球光ファイバ。
  2. 請求項1に記載の先球光ファイバにおいて、前記光ファイバの為す角ξは、第1の光ファイバに対する前記先球部の第1の球面の曲率半径をR1、第2の光ファイバに対する前記先球部の第2の球面の曲率半径をR2、前記第1の光ファイバのコア端部と第1の球面との距離をT1、前記第2の光ファイバのコア端部と第2の球面との距離をT2、光結合が可能な最長の光路長をD、中心間距離をLとすると、数1および数2を満たすことを特徴とする先球光ファイバ。
    Figure 2005266044
    Figure 2005266044
  3. 請求項1又は2に記載の先球光ファイバにおいて、それぞれの前記光ファイバのコア端部から発せられた光が、前記先球部の球面によって屈折し、コリメート光となって空気中に出射することを特徴とする先球光ファイバ。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の先球光ファイバと1枚以上の反射板を備え、前記先球光ファイバは第1の光ファイバおよび第2の光ファイバを備え、前記第1の光ファイバのコア端部から発し空気中に出射した光が、前記反射板によって反射されて前記先球部に再帰し、屈折されて前記第2の光ファイバのコア端部に挿入し伝搬することを特徴とする光学系を搭載した光デバイス。
  5. 請求項4に記載の光デバイスにおいて、光スイッチ、光パワーモニター、光アイソレーター、光サーキュレーター、もしくは光減衰器のうち少なくとも1つの機能を有することを特徴とする光デバイス。
  6. 請求項1乃至3のいずれかに記載の先球光ファイバを1対と、1枚以上の反射板と、反射板を移動させる駆動素子で構成される光スイッチであって、
    前記先球光ファイバの一方は第1の光ファイバと第2の光ファイバとを備え、前記先球光ファイバの他方は第3の光ファイバと第4の光ファイバとを備え、
    前記第2の先球光ファイバは前記反射板を基準としたときに前記第1の先球光ファイバの鏡像となるように配置され、
    前記第1の光ファイバと前記第2の光ファイバとの間で光結合させているときに、前記反射板は前記第3の光ファイバと前記第4の光ファイバとの間で光結合させており、
    反射板を移動させたときに、前記第1の光ファイバと前記第3の光ファイバとの間で光結合され、前記第2の光ファイバと前記第4の光ファイバとの間で光結合させて光路切り替えを行う光スイッチであることを特徴とする光デバイス。
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JP2014165384A (ja) * 2013-02-26 2014-09-08 Furukawa Electric Co Ltd:The 半導体レーザモジュール

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