複写機、プリンタなどの電子写真方式を採用してなる画像形成装置においては、像担持体表面に形成された静電潜像を現像するための現像装置が備えられている。
近年、画像形成装置の小型化の要請に応じて、この現像装置においても小型化が強く要望されるようになり、その時の現像性能を確保する技術が求められている。
たとえば、トナーおよび磁性キャリアからなる二成分系の現像剤を磁力を利用して像担持体と対向する現像領域へと搬送する磁気ブラシ方式による現像剤担持体を備え、現像後には現像剤を現像槽内へと回収するようにした現像装置が実用化されている。
この方式において現像を安定させるためには、消費されるトナーを補給し、現像剤中に含まれるトナーの割合、つまりトナー濃度が一定になるように制御する必要がある。
通常、上述した磁気ブラシ現像方式による現像装置においては、現像剤中のキャリアが占める割合の方が多く、現像剤を収容する現像槽が大きくなり、全体に現像装置が大きくなる傾向にある。しかも、トナー濃度を制御する必要があると同時に、現像剤中のトナーの帯電量を一定にするための撹拌部材等も必要となり、この撹拌部材を複数設けており現像装置を小型化できない要因になっていた。
これに対し、近年、一成分系の現像剤、つまりキャリアが存在しない一成分系の現像剤であるトナーを用いて現像を行う現像装置が提案され、実施に供されている。
このような一成分現像剤を用いる現像装置においてはトナー濃度を制御する必要はなく、キャリアが存在しない分、現像槽の容積を大幅に小さくでき、よって現像装置の小型化を可能にできる。これに合わせてメンテナンス等の簡易性についても優れている。つまり、劣化した現像剤、特にキャリアの劣化により現像剤を交換する必要がない分、その交換のためのメンテナンスが不要となる。また、トナーを補充するのみでよく、トナー濃度検出を行う必要もなく、そのための制御も必要としなくなるため、制御も簡単になる。特に、一成分系のトナーを用いる現像装置において、トナーを必要時に補充するだけでよくなる。特に磁性トナーを用いない場合、磁石ローラを用いないため、小型で鮮明に現像できる安価な装置が実現できる。
非磁性一成分トナーを用いる現像装置は、静電潜像を担持する像担持体および現像剤(トナー)を担持する現像剤担持体を非接触状態で対向配置させ、これらの間に交番電界を印加してトナーを往復飛翔させて現像する非接触型の現像装置と、導電性を有する弾性体から成る現像剤担持体および像担持体を接触状態で対向配置させ、現像剤担持体に電圧を印加して現像する接触型の現像装置とに大別される。非接触型の装置は、主に直流電圧に交流電圧を重畳した現像バイアス電圧を用い、接触型の装置は、直流の現像バイアス電圧
を用いる。
このような従来の一成分現像装置は、たとえば特開平11−288170号公報に開示されている。ここで、当該公報に記載された従来の現像装置の構成を、図11の概略図を用いて説明する。図11は従来の現像装置を示す概略図である。
この一成分現像装置において、現像領域30側に開放した現像剤(トナー)ホッパ34内には一成分の現像剤(トナー)7が収容されており、該トナー7を撹拌して、後述する現像剤供給部材(供給ローラ)3近傍に供給するアジテータやスクリューなどの撹拌供給部材4、表面が移動して現像剤7を現像領域30に運び、静電潜像を担持する像担持体1への現像動作を行う現像剤担持体2、現像剤担持体2に現像剤供給領域で現像剤(トナー)を供給する現像剤供給部材3、現像剤担持体2表面に当接し、供給されたトナー7を現像剤担持体2表面との間に通過させることで該表面に帯電トナー薄層を形成する帯電部材6、現像剤担持体2の表面移動方向において現像領域30の下流側から帯電部材6に至る領域内に位置し、現像剤担持体2の表面移動方向を横切る方向における現像剤担持体2表面の一部または全部に当接する除電部材105を備えている。また、現像剤担持体2には現像バイアス電圧供給用の電源9、現像剤供給部材3には現像剤供給部材3への電圧供給用の電源11、帯電部材6には帯電部材電圧供給用の電源10、除電部材105には除電部材105への電圧供給用の電源112がそれぞれ電気的接続され、さらに、除電部材105と現像剤担持体2との間には、除電部材105を十分な力で現像剤担持体2に圧接させるためのバックアップスポンジ113を備えている。
この上記した構成の内、除電部材105は、板状の弾性部材で、たとえばPCとPBTとの混合樹脂、ナイロン、PET、PTFEなどのフッ素含有樹脂、シリコン含有樹脂、ポリウレタンおよびPVDFのいずれか1つを基材として、カーボンブラック、導電性微粒子、TiO2のうちのいずれか1つまたは複数のものなどの電気抵抗値の調整剤を適宜混合した材料からなり、厚みは0.3mm±0.1mm、電気抵抗値は10-5〜10-6Ωであり、現像剤担持体2とのニップ(周方向の接触長)は0.5〜1mmに設定されている。また、現像剤担持体2上のトナー層の抵抗値Rtと除電部材105の抵抗値Rdはほぼ同じに設定されている。さらには、除電のために必要な電流Iは、帯電部材6通過後の現像剤担持体2上のトナー層の単位面積当たりのトナー質量をm/aとし、トナー7の帯電電荷量をq/mとし、現像領域30通過後の現像剤担持体2上のトナー層の電荷変化量、すなわち像担持体1との圧接で変化したトナー電荷量を△q/mとし、現像剤担持体2の回転速度をvtとし、除電部材105の除電有効幅をWcとしたとき、I≧−(m/a)・(q/m+△q/m)・vt・Wcとすることが好ましいとしている。
また、現像剤担持体2、除電部材105、トナー層の電気抵抗値を考慮して印加電圧を決定するに際し、除電電流Iの供給を定電圧の電源112で実現するためには、V=IRの関係から、除電部材用電源112から除電部材105への直流の印加電圧をVjとし、現像剤担持体用電源9から現像剤担持体2への直流の印加電圧をVbとし、除電部材105の電気抵抗値をRdとし、トナー層の電気抵抗値をRtとし、現像剤担持体2の電気抵抗値をRrとしたとき、(Vd−Vr)≧−(((m/a)・(q/m+△q/m)・vt・Wc)・(Rd+Rt+Rr))を満たす電位差(Vd−Vr)を印加することが好ましいとしている。
このように構成された従来の現像装置の動作について説明する。
現像領域30側に開放したトナーホッパ34内には一成分のトナー7が収容されている。このトナー7は、アジテータやスクリューなどの撹拌供給部材4によって撹拌されるとともに現像剤供給部材3の近傍に供給される。現像剤担持体2の回転方向と同じ方向に回
転する現像剤供給部材3は、現像剤担持体2と接触、たとえば圧接される。また、現像剤供給部材3には、接続された電源11によって所定のバイアス電圧Vsが印加される。該電圧Vsはトナー7を電気的に現像剤担持体2の方向へ移動させるように設定され、たとえば負極性トナーを用いた場合、負極側により大きい電位の電圧Vsが印加される。トナー7は現像剤担持体2と現像剤供給部材3との電位差による電荷注入および両部材2,3の接触部における摩擦帯電によって電荷が付与されることによって、効果的に現像剤担持体2に供給される。現像剤担持体2に付着したトナー7は、現像領域30の現像剤担持体回転方向上流側に設けられた帯電部材6の近傍へ搬送される。たとえば、帯電部材6は、板状の金属材料からなり、その一方端部の先端または先端近傍の現像剤担持体側表面が現像剤担持体2に押圧するようにして、他方端部がトナーホッパ34の上部に固定される。また、帯電部材6には、電源10から所定のバイアス電圧Vdが印加される。これらによって、現像剤担持体2上のトナー層は所定の電荷量に帯電されるとともに所定の厚さに形成される。現像剤担持体2に付着したトナー7は現像領域30へ搬送されて像担持体1の表面の静電潜像を顕像化する。
現像領域30を通過した現像剤担持体2に残存するトナー7は、現像領域30の現像剤担持体回転方向下流側に設けられた除電部材105の近傍へ搬送される。除電部材105は、現像剤担持体2に圧接するようにして、たとえばバックアップスポンジ113を用いてトナーホッパ34の下部に固定される。除電部材105は、電源112から所定のバイアス電圧Vjが印加される。バイアス電圧Vjは、後述するような直流または交流の電圧である。このような除電部材105によってトナー7の電荷が除電される。また、現像剤担持体2には、この現像剤担持体2との接触点で移動方向が逆となる現像剤供給部材3が圧接されており、これによってトナー7は現像剤担持体2から剥離され、トナーホッパ34内に回収されて再利用される。このような工程によって繰り返し画像が形成される。
しかしながら、この特開平11−288170号公報によれば、除電部材105の電気抵抗値は10-5〜10-6Ωであり、これは現像剤担持体2上のトナー層の電気抵抗値(106〜109Ω程度)より低抵抗であるため、除電部材105と現像剤担持体2との間で過剰に電位差が生じて過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナー7を劣化させたり、除電部材105や現像剤担持体2等の現像器部材を劣化させる等の問題点を有していた。
また、除電部材105とトナー7の電気抵抗値を同じにするとしているが、現像剤担持体2上に電気抵抗値が106〜109Ω(トナー層厚が0.4〜1.3mg/cm2)のトナー層がある時は問題は無いが、現像後にトナー層が薄くなっている若しくは殆どない場合は、現像剤担持体2のトナーが少ないまたは殆どない部分と除電部材105の間で過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナー7を劣化させたり、除電部材105や現像剤担持体2等の現像器部材を劣化させるという問題点を有していた。
また、除電電流は、現像剤担持体2上のトナー層電流値以上であれば除電効果が十分に得られ、残像が発生しないとしているが、実際には除電部材105とトナー7との摩擦帯電による電荷移動があるが、この点については考慮されておらず、実際の必要除電電流よりも過剰な設定になる傾向(−10〜−100μA程度)にあり、十分に除電効果は得られるが、上述したように除電部材105と現像剤担持体2との間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナー7を劣化させたり、除電部材105や現像剤担持体2等の現像器部材を劣化させるという問題点を有する。
そして、除電効果が高すぎると、逆極および弱帯電トナーを多量に作り、現像剤担持体2上のトナー層厚のムラによる濃度ムラを発生させたり、これらの逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材3の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材3を硬化させ、その現
像剤供給部材3が現像剤担持体2を削ったり、除電後、過剰に現像剤供給部材3により現像剤担持体2上のトナー7を掻き取るために、現像剤供給部材3からトナー7を現像剤担持体2に供給された後は、トナーホッパ34からの未帯電トナーが多く、トナー7の帯電量が低いため、現像剤担持体2自体のトナー搬送力が弱くなるので、トナー7の軟凝集物が帯電部材105に引っかかりやすく、画像上に白筋が発生するという問題点を有する。
また、除電部材105と現像剤担持体2との押圧力に具体的な規定が無いので、強く除電部材105を現像剤担持体2に当てすぎた場合には、現像後の現像剤担持体2上に残留するトナー7の電荷を過剰に除電してしまう場合がある。そのため、逆極および弱帯電トナーを多量に作り、現像剤担持体2上のトナー層厚のムラによる濃度ムラを発生させたり、これらの逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材3の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材3を硬化させ、その現像剤供給部材3が現像剤担持体2を削ったり、除電後、過剰に現像剤供給部材3により現像剤担持体2上のトナーを掻き取るために、現像剤供給部材3からトナー7が現像剤担持体2に供給された後は、トナーホッパ34からの未帯電トナーが多く、トナー7の帯電量が低いため、現像剤担持体2自体のトナー搬送力が弱くなるので、トナー7の軟凝集物が帯電部材に引っかかりやすく、画像上に白筋が発生するいう問題点を有する。
また、強く当てすぎた場合、除電過剰に加えて、現像剤担持体2上のトナー層が除電部材105を通過できない問題も出てきたり、除電部材105と現像剤担持体2とのニップ部で摩擦による熱が発生し、トナー7を劣化させたり、除電部材105または現像剤担持体2のニップ表面にトナー7を融着させて、これにより現像剤担持体2を傷つけて、スジや濃度ムラ等の画像障害を起こす問題がある。
逆に、除電部材105を弱く現像剤担持体2に当てた場合は、除電効果が低く、残像が出る問題がある。この場合、除電部材105、現像剤担持体2上のトナー層、現像剤担持体2の電気抵抗とトナー層の電荷量に見合うだけ除電部材105と現像剤担持体2との間に電位差を持たせるとしているが、除電部材105の押圧力が弱い場合は、摩擦帯電能力の高い除電部材105を用いない限り、除電効果を高めるためには、過剰に除電部材105と現像剤担持体2との間に電位差を持たせなければならないため、除電部材105と現像剤担持体2との間で放電が起こりやすくなり、各種部材を劣化させてしまう問題がある。そして、このことも上述したように除電部材105の摩擦帯電特性により、除電効果が高すぎたり、低すぎたりする問題点も有することになる。
また、前述した公報によれば、除電効果を出すために、除電部材105に所定の電位を印加し、除電部材105と現像剤担持体2の間に電位差を設けているが、この電位差は現像剤担持体2上のトナー7、除電部材105、現像剤担持体2等の抵抗値と現像剤担持体2上の現像剤(トナー)の帯電量のみで決められており、除電部材105の帯電能力が考慮されていない。除電部材105は選択する材料によって帯電能力が違うので、例えば帯電能力が高いにもかかわらず、除電部材105、トナー7、現像剤担持体2の電気抵抗を高くした場合、過剰の電位差をとってしまうため、過剰に現像剤担持体2上のトナー7を除電しすぎてしまい、逆極および弱帯電トナーを多量に作り、現像剤担持体2上のトナー層厚のムラによる濃度ムラを発生させたり、これらの逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材3の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材3を硬化させ、その現像剤供給部材3が現像剤担持体2を削ったり、除電後、過剰に現像剤供給部材3により現像剤担持体2上のトナー7を掻き取るために、現像剤供給部材3からトナー7を現像剤担持体2に供給された後は、トナーホッパからの未帯電トナーが多く、トナー7の帯電量が低いため、現像剤担持体2自身のトナー搬送力が弱くなるので、トナー7の軟凝集物が帯電部材に引っかかりやすく、画像上に白筋が発生するという問題点を有する。
また、現像剤担持体2上に電気抵抗値が106〜109Ω(トナー層厚が0.4〜1.3mg/cm2)のトナー層がある時は問題無いが、現像後にトナー層が薄くなっている若しくは殆どない場合は、現像剤担持体2と除電部材105に所定の電位差を保つことが困難で、現像剤担持体2のトナー7が少ないまたは殆どない部分と除電部材105の間で、過剰に電位差が生じて、過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナー7を劣化させたり、除電部材105や現像剤担持体2等の現像器部材を劣化させるという問題点を有していた。
また、除電部材105の電気抵抗は10-5〜10-6Ωと低抵抗であるため、現像剤担持体2およびトナー7の抵抗値が高い場合、除電部材105と現像剤担持体2の電位差は高く設定することになり、また、現像後に現像剤担持体2上のトナー7が殆ど無い場合は、現像剤担持体2と除電部材105の電位差が過剰に大きくなる場合があり、上述したように除電部材105と現像剤担持体2の間で、過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナー7を劣化させたり、除電部材105や現像剤担持体2等の現像器部材を劣化させるという問題点を有する。
逆に、除電部材105、トナー7、現像剤担持体2の電気抵抗が低い場合、除電部材105と現像剤担持体2の電位差は小さくするとしているが、除電部材105の摩擦帯電能力が小さい場合、現像剤担持体2上のトナー7を殆ど除電しない問題がある。したがって、除電部材105の摩擦帯電能力の大きさによって、過剰に除電したり、除電不足が起きるという問題がある。
また、除電部材105の強度が明確に規定されていないので、強度的に除電部材105が弱い場合、現像剤担持体2上のトナー7により摩耗したり、引き裂かれたりして、その部分にトナー7が堆積、固着して、その部分での現像剤担持体2を削るという問題もある。この問題に対して、トナー7の内部摩擦係数μt、トナー7と現像剤担持体2との摩擦係数μrt、トナー7と除電部材105との摩擦係数μdtがμdt<μt<μrtであるとするとしているが、実際には、現像剤担持体2上のトナー7が完全に除電部材105上を滑って通過するものではないので、柔らかい除電部材105であれば、トナー7の外添剤により除電部材105を摩耗したり、引き裂かれたりしてしまう問題がある。
さらには、除電部材105と現像剤担持体2の間に電位差を設けるため、除電部材105にも電位をかける必要があるため、電源が余分に必要であり、コスト、小型化に問題を有する。
また、特開平6−75469号公報に開示された現像技術では、除電部材をトナーよりも帯電系列上、トナーの正規の帯電極性と同極性側に片寄った材料にするとし、除電部材と現像剤担持体に電位差を設けるとしているが、前述したように、これだけでは除電部材のトナーとの摩擦帯電能力が考慮されていないため、具体的には、トナーの摩擦帯電能力を考慮した除電電流値と除電部材と現像剤担持体の電位差となっていないため、過剰に除電したり、除電不足になったり、除電部材と現像剤担持体の間に過剰な電位差ができ、除電部材、現像剤担持体等各種部材を劣化させる問題がある。
また、これらの問題に対して、特開2000−10404号公報では、現像剤を所定層厚形成した現像剤担持体が黒画像現像を行った後、現像剤供給部材によって現像剤を供給し、現像剤層規制部材により再び所定層厚となるよう形成した時の現像剤担持体が担持している現像剤の平均体積粒径をDbkとし、現像剤を所定層厚形成した現像剤担持体が白画像現像を行った後、前記現像剤供給部材によって現像剤を供給し、現像剤層規制部材により再び所定層厚となるよう形成した時の現像剤担持体が担持している現像剤の平均体積粒径をDwtとした場合、Dwt/Dbk>0.8を満足させることにより、現像の残像
、ゴーストを解消できるとしている。しかしながら、この技術だけにたよると、現像を行うに当たって粒径選択が必ず起こるので、現像剤(トナー)の粒径および帯電量分布をかなりシャープにしなければならず、分級等にかなりのトナー製造コストがかかるという問題がある。また、こうして製造したトナーでも接触式の非磁性一成分の現像方式では、トナーにかなりのストレスがかかり、経時での粒径および帯電量分布をシャープに維持することが困難であり、耐久性に問題がある。
特開平11−288170号公報
特開平6−75469号公報
特開2000−10404号公報
前述のように、従来の技術では、除電部材の電気抵抗値が、10-5〜10-6Ωでトナー層より低抵抗であるため、除電部材と現像剤担持体の間で、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化するのを防止できない。
また、従来の技術では、除電部材とトナーの電気抵抗値を同じにするとあるが、現像後の現像剤担持体上のトナーは、少なくなったり、殆ど無い場合が存在するため、現像剤担持体上に電気抵抗値が106〜109Ω(トナー層厚が0.4〜1.3mg/cm2)程度のトナー層が、現像後にトナー層が薄くなっている若しくは殆どない等の時、現像剤担持体のトナーが少ないまたは殆どない部分と除電部材の間で、過剰に電位差が生じて、過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化するのを防止できない。
さらに、従来の技術では、除電電流は現像剤担持体上のトナー層電流値以上であれば除電効果が十分に得られ、残像が発生しないとしているが、実際には除電部材とトナーとの摩擦帯電による電荷移動があるために実際の必要除電電流よりも過剰な設定になる傾向(−10〜−100μA程度)にあり、十分に除電効果は得られるが、上述したように除電部材と現像剤担持体の間で、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止できない。また、除電効果が高すぎると、逆極および弱帯電トナーを多量に作り、現像剤担持体上のトナー層厚のムラによる濃度ムラを発生させたり、これらの逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったり、除電後、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取るために、現像剤供給部材からトナーを現像剤担持体に供給された後は、トナーホッパからの未帯電トナーが多く、トナーの帯電量が低いため、現像剤担持体自身のトナー搬送力が弱くなるので、トナーの軟凝集物が帯電部材に引っかかりやすく、画像上に白筋が発生するのを防止できない。
さらに、従来の技術では、除電部材と現像剤担持体の押圧力に具体的な規定が無いので、強く除電部材を現像剤担持体に当てすぎて、現像後の現像剤担持体上に残留するトナーの電荷を過剰に除電してしまう場合がある。そのため、逆極および弱帯電トナーを多量に作り、現像剤担持体上のトナー層厚のムラによる濃度ムラを発生させたり、これらの逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったり、除電後、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取るために、現像剤供給部材からトナーを現像剤担持体に供給された後は、トナーホッパからの未帯電トナーが多く、トナーの帯電量が低いため、現像剤担持体自身のトナー搬送力が弱くなるので、トナーの軟凝集物が帯電部材に引っかかりやすく、画像上に白筋が発生するのを防止できない。
また、強く当てすぎた場合、除電過剰に加えて、現像剤担持体上のトナー層が除電部材を通過できない問題も出てきたり、除電部材と現像剤担持体のニップ部で摩擦による熱が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材または現像剤担持体のニップ表面にトナーを融着させて、これにより現像剤担持体を傷つけて、スジや濃度ムラ等の画像障害を起こすという問題がある。逆に、除電部材を弱く現像剤担持体に当てた場合は、除電効果が低く、残像が出る問題がある。この場合、除電部材、現像剤担持体上のトナー層、現像剤担持体の電気抵抗とトナー層の電荷量に見合うだけ、除電部材と現像剤担持体の間に電位差を持たせるとしているが、除電部材の押圧力が弱い場合は、摩擦帯電能力の高い除電部材を用いない限り、除電効果を高めるためには、過剰に除電部材と現像剤担持体の間に電位差を持たせなければならないため、除電部材と現像剤担持体の間で放電が起こりやすくなり、各種部材を劣化させてしまうのを防止できない。このように、除電部材の摩擦帯電特性により、除電効果が高すぎたり、低すぎたりし、適当な除電効果にすることが困難である。
従来の技術では、除電効果を出すために、除電部材に所定の電位を印加して除電部材と現像剤担持体の間に電位差を設けているが、この電位差は現像剤担持体上のトナー、除電部材、現像剤担持体等の抵抗値と現像剤担持体上の現像剤(トナー)の帯電量のみで決められており、除電部材の帯電能力が考慮されて無い。除電部材は選択する材料によって帯電能力が違うので、例えば該帯電能力が高いにも関わらず、除電部材、トナー、現像剤担持体の電気抵抗が高くした場合、過剰の電位差をとってしまうため、過剰に現像剤担持体上のトナーを除電しすぎてしまい、逆極および弱帯電トナーを多量に作り、現像剤担持体上のトナー層厚のムラによる濃度ムラを発生させたり、これらの逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったり、除電後、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取るために、現像剤供給部材からトナーを現像剤担持体に供給された後は、トナーホッパからの未帯電トナーが多く、トナーの帯電量が低いため、現像剤担持体自身のトナー搬送力が弱くなるので、トナーの軟凝集物が帯電部材に引っかかりやすく、画像上に白筋が発生してしまう。
従来の技術では、現像剤担持体上に電気抵抗値が106〜109Ω(トナー層厚が0.4〜1.3mg/cm2)のトナー層がある時は問題無いが、現像後にトナー層が薄くなっている若しくは殆どない場合は、現像剤担持体と除電部材に所定の電位差を保つことが困難で、現像剤担持体のトナーが少ないまたは殆どない部分と除電部材の間で、過剰に電位差が生じて、過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させてしまう。
また、従来の技術では、除電部材の電気抵抗は10-5〜10-6Ωと低抵抗であるため、現像剤担持体、およびトナーの抵抗値が高い場合、除電部材と現像剤担持体の電位差を高く設定することになり、また、現像後に現像剤担持体上のトナーが殆ど無い場合は、現像剤担持体と除電部材の電位差が過剰に大きくなる場合があり、上述したように除電部材と現像剤担持体の間で、過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止できない。
逆に、除電部材、トナー、現像剤担持体の電気抵抗が低い場合、除電部材と現像剤担持体の電位差は小さくするとしているが、除電部材の摩擦帯電能力が小さい場合、殆ど現像剤担持体上のトナーが除電されない。したがって、除電部材の摩擦帯電能力の大きさによって、過剰に除電したり、除電不足が発生し、適当な除電効果を出すことができない。
従来の技術では、除電部材の強度が明確に規定されていないので、強度的に除電部材が弱い場合、現像剤担持体上のトナーにより摩耗したり、引き裂いたりして、その部分にト
ナーが堆積、固着して、その部分での現像剤担持体を削ってしまう。この問題に対して、トナーの内部摩擦係数μt、トナーと現像剤担持体との摩擦係数μrt、トナーと除電部材との摩擦係数μdtがμdt<μt<μrtであるとするとしているが、実際には、現像剤担持体上のトナーが完全に除電部材上を滑って通過するものではないので、柔らかい除電部材であれば、トナーの外添剤により除電部材を摩耗したり、引き裂かれたりしてしまう。
さらには、除電部材と現像剤担持体の間に電位差を設けるため、除電部材にも電位をかける必要があり、電源が余分に必要であり、低コスト化、小型化ができない。
また、従来の技術では、除電部材をトナーよりも帯電系列上、トナーの正規の帯電極性と同極性側に片寄った材料にするとし、除電部材と現像剤担持体に電位差を設けるとしているが、前述したように、これだけでは、除電部材のトナーとの摩擦帯電能力が考慮されていないため、具体的には摩擦帯電能力に応じた除電電流値、除電部材と現像剤担持体の電位差が設定されてないため、過剰に除電したり、除電不足になったり、除電部材と現像剤担持体の間に過剰な電位差ができ、除電部材、現像剤担持体等の各種部材を劣化させるのを防止できない。
また、これらの問題に対して、現像剤を所定層厚形成した現像剤担持体が黒画像現像を行った後、現像剤供給部材によって現像剤を供給し、現像剤層規制部材により再び所定層厚となるよう形成した時の現像剤担持体が担持している現像剤の平均体積粒径をDbkとし、現像剤を所定層厚形成した現像剤担持体が白画像現像を行った後、前記現像剤供給部材によって現像剤を供給し、現像剤層規制部材により再び所定層厚となるよう形成した時の現像剤担持体が担持している現像剤の平均体積粒径をDwtとした場合、Dwt/Dbk>0.8を満足させることにより、現像の残像、ゴーストを解消できるとしているが、この技術だけにたよると、現像を行うに当たって、粒径選択が必ず起こるので、現像剤(トナー)の粒径および帯電量分布をかなりシャープにしなければならず、分級等にかなりトナー製造コストがかかるのが避けられず、また、こうして製造したトナーでも接触式の非磁性一成分の現像方式では、トナーにかなりのストレスがかかり、経時での粒径および帯電量分布をシャープに維持することが困難であり、耐久性に問題がある。
そこで、本発明は、小型化、低価格化、現像剤担持体等の現像器部材の長寿命化が可能で、かつ現像ゴースト、残像を防止でき、過剰な除電による白スジ、濃度ムラ等の画像不良を防止できる現像装置及び画像形成方法を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明の現像装置は、静電潜像を担持する回転可能な像担持体と、前記像担持体に接触して配置されて一成分の現像剤を担持する回転可能で導電性を有する現像剤担持体、および前記現像剤担持体への電圧供給手段を含み、前記静電潜像を顕像化する現像手段と、前記現像剤担持体と前記像担持体とが接触する現像位置よりも現像剤担持体回転方向の上流側に配置され、現像剤を帯電するとともに前記現像剤担持体上の現像剤層厚を規制する帯電部材、および前記帯電部材への電圧供給手段を含む帯電手段と、前記現像位置よりも現像剤担持体回転方向の下流側に配置され、前記現像位置での現像後において前記現像剤担持体上に残留する現像剤の電荷を除電する除電部材、および前記除電部材への電圧供給手段を含む除電手段とを備え、前記現像剤が負帯電の場合には前記除電部材に流れ込む除電電流を−1.5〜−5.0μAに、前記現像剤が正帯電の場合には前記除電部材に流れ込む除電電流を1.5〜5.0μAに規制したものであり、この構成により、除電部材の摩擦帯電による現像剤担持体上のトナーの除電を考慮した除電電流値とすることができ、トナー層電流値以上(−5μA以下(負帯電の場合)、5μA以上(正帯電の場合))の過剰な除電電流値にならずとも、現像ゴースト、残像等の画像
不具合を防止できると共に、除電部材への過剰な除電電流が流れないので、除電部材と現像剤担持体の間で、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止できるようにした現像器を得ることができるものである。また、過剰な除電を防止でき、逆極および弱帯電トナーの発生を低減できるので、現像剤担持体上のトナー層厚ムラによる濃度ムラが発生したり、この逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったりすることを防止できる。さらに除電後も、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取らないので、現像剤供給部材からトナーを現像剤担持体に供給された後に、トナーホッパからの未帯電トナーが供給されても、ある程度の帯電量を保ったトナー層があり、現像剤担持体自身のトナー搬送力も強く、トナーの軟凝集物が帯電部材に引っかかるのを防止し、画像上に白筋が発生するのを防止できるようにした現像器を得ることができるものである。
なお、除電電流値が−1.5μA以上(負帯電の場合)あるいは1.5μA以下(正帯電の場合)になると、現像後の現像剤担持体上のトナーの除電不足により現像によるゴースト、残像が悪化し、−5.0μAを下回るか(負帯電の場合)5μAを上回ると(正帯電の場合)現像後の現像剤担持体上のトナーの過剰除電により、前述したようにゴーストおよび残像は良好になるが現像器部材劣化や画像上に白筋等の不具合が発生するものである。なお、ここでの除電部材の材料は、特に限定するものでは無く、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂からSUS等の金属まで種々の材料が使用可能である。
また、本発明の現像装置は、静電潜像を担持する回転可能な像担持体と、前記像担持体に接触して配置されて一成分の現像剤を担持する回転可能で導電性を有する現像剤担持体、および前記現像剤担持体への電圧供給手段を含み、前記静電潜像を顕像化する現像手段と、前記現像剤担持体と前記像担持体とが接触する現像位置よりも現像剤担持体回転方向の上流側に配置され、現像剤を帯電するとともに前記現像剤担持体上の現像剤層厚を規制する帯電部材、および前記帯電部材への電圧供給手段を含む帯電手段と、前記現像位置よりも現像剤担持体回転方向の下流側に配置され、前記現像位置での現像後において前記現像剤担持体上に残留する現像剤の電荷を除電する除電部材、および前記除電部材と接地との間に設けられて現像剤担持体と除電部材の間に電界を与える接地抵抗を含む除電手段とを備え、前記現像剤が負帯電の場合には前記除電部材に流れ込む除電電流を−1.5〜−5.0μAに、前記現像剤が正帯電の場合には前記除電部材に流れ込む除電電流を1.5〜5.0μAに規制したものであり、現像剤担持体と接地の間に中抵抗の除電部材と接地抵抗を設けて、抵抗分割により、除電部材に電位を与えることができるので、除電部材への電位供給のための電源を不要とできる現像器を得るものである。この接地抵抗は、先に述べた除電電流を規制する(−5.0μA以上(負帯電の場合)、5.0μA以下(正帯電の場合))ために20MΩ以上、より好ましくは40MΩ以上が好ましい。これにより過剰な除電電流を防止でき、現像剤部材の劣化を防止できるようにした現像器を得るものである。
また、接地抵抗値を現像剤担持体上の現像剤層の電気抵抗値よりも高く設定するとしたものであり、この構成により、除電部材と現像剤担持体の間で、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したり、現像後、現像剤担持体上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体と除電部材の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止できるようにした現像器を得ることができるものである。
また、除電部材の現像剤担持体に当接する表面が、帯電系列上において現像剤よりもこの現像剤の正規の帯電極性と同極性側に片寄った材料で形成したものであり、この構成に
より、除電部材の帯電能力確保ができるので、トナー劣化や現像器部材等の劣化の要因となる過剰な除電電流値(−5.0μA以下(負帯電の場合)、5.0μA以上(正帯電の場合))にしなくとも、除電部材と現像剤担持体の電位差を大きくしなくとも現像ゴーストや残像を防止できるようにした現像器を得ることができるものである。
この除電部材は、トナー漏れ防止のシール部材を兼ねていても良く、それとは別途設けられてもよい。前記トナーよりも帯電系列上、該トナーの正規の帯電極性と同極性側に片寄った材料としては、負帯電トナーに対しては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、4フッ化エチレン・パーフロロプロピルビニルエーテル(PFA)等のフッ素樹脂を例示でき、また、正帯電トナーに対してはポリアミド(ナイロン)、シリコン系樹脂を例示できる。これら材料に抵抗調整するものとして、分散させる導電性良好な材料として、カーボン、各種導電性金属粒子等のほか、適当な荷電制御物質も例示できる。なお、この分散は荷電制御物質を塗布することも含むものである。
また、除電部材がフッ素系樹脂の中でも特に帯電能力が高いポリフッ化ビニリデン(PVDF)または4フッ化エチレン・パーフロロプロピルビニルエーテル(PFA)系樹脂としたものであり、この構成により、さらに除電部材の帯電能力を向上させることができるので、トナー劣化や現像器部材等の劣化の要因となる過剰な除電電流値(−5.0μA以下(負帯電の場合)、5.0μA以上(正帯電の場合))と除電部材と現像剤担持体の電位差をさらに低減可能にし、現像ゴーストや残像の防止と両立できるようにした現像器を得ることができるものである。
また、除電部材の表面抵抗値をE4〜E9Ω・cmとしたものであり、この構成により、トナー層の電気抵抗値と同等以上に除電部材の電気抵抗値に設定するので、除電部材と現像剤担持体の間で、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したり、現像後に現像剤担持体上のトナーが少なくなっているまたはトナーが殆どない部分に、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したりするのを低減させることができ、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化するのを防止できるようにした現像器を得るものである。この抵抗値は、好ましくは、E5〜E7Ω・cmである。これにより、安定した除電と放電による現像器部材劣化の両立の精度向上を図れるものである。E4〜E5Ω・cm以下では、前述したように除電効果は高くなるが、放電による現像器部材劣化の可能性が大きくなる。E7〜E9Ω・cm以上では、放電による現像器部材劣化の可能性は少なくなるが、除電効果が低下するものである。
また、除電電流がAj、帯電部材通過後の現像剤担持体上の現像剤の帯電量がQ/Mのとき、3.0≦(Q/M)/Aj≦12.0であるとしたものであり、この構成により、除電部材の摩擦帯電による現像剤担持体上のトナーの除電とトナー層帯電量の電流両者を考慮した除電電流値とすることができ、除電の精度向上を図ることができるので、現像ゴースト、残像等の画像不具合防止の精度向上を図れると共に、必要最低限の除電効果を得るための除電電流となるので、トナー層電流値以上(−5.0μA以下(負帯電の場合)、5.0μA以上(正帯電の場合))の過剰な除電電流値にならず、除電部材への過剰な除電電流が流れないので、除電部材と現像剤担持体の間で、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止できるようにした現像器を得ることができるものである。また、過剰な除電防止のさらなる精度向上が図ることができ、逆極および弱帯電トナーの発生を精度良く低減できるので、現像剤担持体上のトナー層厚ムラによる濃度ムラが発生したり、この逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったりすることをさらなる防止を図る
ことができる。さらに除電後も、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取らないので、現像剤供給部材からトナーを現像剤担持体に供給された後に、トナーホッパからの未帯電トナーが供給されても、ある程度の帯電量を保ったトナー層があり、現像剤担持体自身のトナー搬送力も強く、トナーの軟凝集物が帯電部材に引っかかるのを防止し、画像上の白筋発生のさらなる防止をできるようにした現像器を得ることができるものである。
また、除電部材と現像剤担持体の接触ニップ幅が2mm以下、現像剤の内部摩擦係数がμt、現像剤と現像剤担持体との摩擦係数がμrt、現像剤と除電部材との摩擦係数がμjtのとき、μjt<μt<μrtとしたものであり、この構成により、現像剤担持体上のトナーが除電部材表面に接触時間を短くし、現像剤担持体とトナーおよびトナー同士の摩擦抵抗よりも除電部材とトナーの摩擦抵抗を小さくしたことにより、除電部材ニップ部にトナーが滞まることがなく、トナーを回収でき、かつ除電部材ニップ部の発熱も少なくなるので、除電部材へのトナー固着を防止できるようにした現像装置を得ることができるものである。
また、除電部材の引っ張り強度が1MPa以上であるとしたものであり、この構成により、現像剤担持体上のトナーの外添剤等により、除電部材ニップ部を過剰に摩耗したり、引き裂いたりしないので、除電部材ニップ部にトナーが堆積、固着して、その部分での現像剤担持体を削るのを防止できるようにした現像器を得るものである。
なお、除電部材の引っ張り強度が1MPa以下では、現像剤担持体上のトナーの外添剤等により、除電部材ニップ部を過剰に摩耗したり、引き裂いたりする不具合が発生してしまうものである。
また、現像剤担持体と除電部材の間に、前記現像剤担持体と前記除電部材とに所定の電位差以上に電界が働くことを規制するツエナーダイオードを設けたものであり、この構成により、除電部材と現像剤担持体の間で、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したり、現像後、現像剤担持体上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体と除電部材の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止できるようにした現像器を得ることができるものである。また、除電部材と現像剤担持体の間での電位差が大きくなり、過剰な除電により、逆極および弱帯電トナーを多量に作り、現像剤担持体上のトナー層厚のムラによる濃度ムラを発生させたり、これらの逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったり、除電後、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取るために、現像剤供給部材からトナーを現像剤担持体に供給された後は、トナーホッパからの未帯電トナーが多く、トナーの帯電量が低いため、現像剤担持体自身のトナー搬送力が弱くなるので、トナーの軟凝集物が帯電部材に引っかかりやすく、画像上に白筋が発生する問題を防止できるようにした現像装置を得るものである。
また、ツエナーダイオードにより100V以下の電位差に規制するようにしたものであり、より好ましくは70V以下である。この構成により、除電部材と現像剤担持体の間での電位差を100V以下にしたことにより、除電部材と現像剤担持体の間での放電開始電圧になるのを防止することができるので、除電部材と現像剤担持体の間で、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したり、現像後、現像剤担持体上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体と除電部材の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのをさらに防止できるようにした現像器を得
ることができるものである。また、過剰な除電により、逆極および弱帯電トナーを多量に作り、現像剤担持体上のトナー層厚のムラによる濃度ムラを発生させたり、これらの逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったり、除電後、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取るために、現像剤供給部材からトナーを現像剤担持体に供給された後は、トナーホッパからの未帯電トナーが多く、トナーの帯電量が低いため、現像剤担持体自身のトナー搬送力が弱くなるので、トナーの軟凝集物が帯電部材に引っかかりやすく、画像上に白筋が発生する問題を防止できるようにした現像器を得るものである。なお、このツエナーダイオード電圧値は、トナーの平均帯電量が低い程、有効であり、平均帯電量が20μC/g以下であれば、50V以下が好ましい。
また、現像剤担持体と除電部材の押圧力を引っ張り荷重30〜100gf以下としたものであり、この構成により、強く除電部材を現像剤担持体に当てすぎて、現像後の現像剤担持体上に残留するトナーの電荷を過剰に除電して前述した不具合を発生させたり、現像剤担持体上のトナー層が除電部材を通過できず、トナー漏れを発生させたり、除電部材の押圧力が弱い場合は、摩擦帯電能力の高い除電部材を用いない限り、除電効果を高めるためには、過剰に除電部材と現像剤担持体の間に電位差を持たせなければならないため、除電部材と現像剤担持体の間で放電が起こりやすくなり、各種部材を劣化させてしまうのを防止でき、安定した除電と現像器部材劣化を防止できるようにした現像装置を得るものである。
また、現像剤の粒度分布および帯電量分布を狭くする、特にCV=100×(標準偏差/平均値)と定義される体積粒径分布を現すCV値[%]が20%以内としたものであり、この構成により、現像の粒径選択による現像前後の粒径変動を少なくすることができるので、現像剤担持体上のトナーの比電荷変動を防止でき、現像ゴースト、残像を防止できる、かつ粒径選択の進行による現像器内の劣化トナー蓄積を防止できるので、現像剤担持体上のトナー層厚のムラによる濃度ムラを発生させたり、これらの逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったりするのを防止できるようにした現像器を得るものである。
また、本発明の画像形成方法は、回転可能な像担持体上に静電潜像を形成し、前記像担持体に接触して回転可能に配置された現像剤担持体上に、帯電部材により所定電位に帯電されかつ層厚の規制された一成分の現像剤を設け、前記現像剤担持体上の前記現像剤を前記静電潜像に供給して当該静電潜像を現像し、現像後に、電圧供給手段により電位を与えられた除電部材により前記現像剤担持体上に残留する現像剤の電荷を除電する画像形成方法であって、前記現像剤が負帯電の場合には前記除電部材に流れ込む除電電流を−1.5〜−5.0μAに、前記現像剤が正帯電の場合には前記除電部材に流れ込む除電電流を1.5〜5.0μAに規制したものであり、この構成により、除電部材の摩擦帯電による現像剤担持体上のトナーの除電を考慮した除電電流値とすることができ、トナー層電流値以上(−5μA以下(負帯電の場合)、5μA以上(正帯電の場合))の過剰な除電電流値にならずとも、現像ゴースト、残像等の画像不具合を防止できると共に、除電部材への過剰な除電電流が流れないので、除電部材と現像剤担持体の間で、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止できるようにした画像形成方法を得ることができるものである。
また、過剰な除電を防止でき、逆極および弱帯電トナーの発生を低減できるので、現像剤担持体上のトナー層厚ムラによる濃度ムラが発生したり、この逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったりすることを防止できる。さらに除電後も、過剰に現像剤
供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取らないので、現像剤供給部材からトナーを現像剤担持体に供給された後に、トナーホッパからの未帯電トナーが供給されても、ある程度の帯電量を保ったトナー層があり、現像剤担持体自身のトナー搬送力も強く、トナーの軟凝集物が帯電部材に引っかかるのを防止し、画像上に白筋が発生するのを防止できるようにした画像形成方法を得ることができるものである。
なお、除電電流値が−1.5μA以上(負帯電の場合)、1.5μA以下(正帯電の場合)になると、現像後の現像剤担持体上のトナーの除電不足により現像によるゴースト、残像が悪化し、−5.0μAを下回るか(負帯電の場合)、あるいは5μAを上回ると(正帯電の場合)現像後の現像剤担持体上のトナーの過剰除電により、前述したようにゴーストおよび残像は良好になるが現像器部材劣化や画像上に白筋等の不具合が発生するものである。なお、ここでの除電部材の材料は、特に限定するものでは無く、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂からSUS等の金属まで種々の材料が使用可能である。
また、回転可能な像担持体上に静電潜像を形成し、前記像担持体に接触して回転可能に配置された現像剤担持体上に、帯電部材により所定電位に帯電されかつ層厚の規制された一成分の現像剤を設け、前記現像剤担持体上の前記現像剤を前記静電潜像に供給して当該静電潜像を現像し、現像後に、除電部材と接地との間に設けられて現像剤担持体と前記除電部材との間に電界を与える接地抵抗により前記現像剤担持体上に残留する現像剤の電荷を除電する画像形成方法であって、前記現像剤が負帯電の場合には前記除電部材に流れ込む除電電流を−1.5〜−5.0μAに、前記現像剤が正帯電の場合には前記除電部材に流れ込む除電電流を1.5〜5.0μAに規制したものであり、この構成により、現像剤担持体と接地の間に中抵抗の除電部材と接地抵抗を設けて、抵抗分割により、除電部材に電位を与えることができるので、除電部材への電位供給のための電源を不要とできる画像形成方法を得るものである。この接地抵抗は、先に述べた除電電流を規制する(−5.0μA以上(負帯電の場合)、5.0μA以下(正帯電の場合))ために20MΩ以上、より好ましくは40MΩ以上が好ましい。これにより過剰な除電電流を防止でき、現像剤部材の劣化を防止できるようにした画像形成方法を得るものである。
また、除電工程において、現像剤担持体上の現像剤層の電気抵抗値よりも高い接地抵抗器を使用するとしたものであり、この構成により、現像後、現像剤担持体上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体と除電部材の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止できるようにした画像形成方法を得ることができるものである。
また、除電工程では、除電部材の現像剤担持体に当接する表面が、現像剤よりも帯電系列上、該現像剤の正規の帯電極性と同極性側に片寄った材料で形成したものであり、この構成により、除電部材の帯電能力確保ができるので、トナー劣化や現像器部材等の劣化の要因となる過剰な除電電流値(−5.0μA以下(負帯電の場合)、5.0μA以上(正帯電の場合))にしなくとも、除電部材と現像剤担持体の電位差を大きくしなくとも現像ゴーストや残像を防止できるようにした画像形成方法を得ることができるものである。
前記除電部材は、トナー漏れ防止のシール部材を兼ねていても良く、それとは別途設けられてもよい。前記トナーよりも帯電系列上、該トナーの正規の帯電極性と同極性側に片寄った材料としては、負帯電トナーに対しては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、4フッ化エチレン・パーフロロプロピルビニルエーテル(PFA)等のフッ素樹脂を例示でき、また、正帯電トナーに対してはポリアミド(ナイロン)、シリコン系樹脂を例示できる。
また、除電工程で除電部材に、フッ素系樹脂の中でも特に帯電能力が高いポリフッ化ビニリデン(PVDF)または4フッ化エチレン・パーフロロプロピルビニルエーテル(PFA)系樹脂としたものであり、この構成により、さらに除電部材の帯電能力を向上させることができるので、トナー劣化や現像器部材等の劣化の要因となる過剰な除電電流値(−5.0μA以下(負帯電の場合)、5.0μA以上(正帯電の場合))と除電部材と現像剤担持体の電位差をさらに低減可能にし、現像ゴーストや残像の防止と両立できるようにした画像形成方法を得ることができるものである。
また、除電工程で、表面抵抗値がE4〜E9Ω・cmである除電部材を使用するとしたものであり、この構成により、トナー層の電気抵抗値と同等以上に除電部材の電気抵抗値に設定するので、除電部材と現像剤担持体の間で、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したり、現像後に現像剤担持体上のトナーが少なくなっているまたはトナーが殆どない部分に、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したりするのを低減させることができ、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化するのを防止できるようにした画像形成方法を得るものである。この抵抗値は好ましくは、E5〜E7Ω・cmである。これにより、安定した除電と放電による現像器部材劣化の両立の精度向上を図れるものである。E4〜E5Ω・cm以下では、前述したように除電効果は高くなるが、放電による現像器部材劣化の可能性が大きくなる。E7〜E9Ω・cm以上では、放電による現像器部材劣化の可能性は少なくなるが、除電効果が低下するものである。
また、除電および帯電工程において、除電電流がAj、帯電部材通過後の現像剤担持体上の現像剤の帯電量がQ/Mのとき、3.0≦(Q/M)/Aj≦12.0になるようにしたものであり、この構成により、除電部材の摩擦帯電による現像剤担持体上のトナーの除電とトナー層帯電量の電流両者を考慮した除電電流値とすることができ、除電の精度向上を図ることができるので、現像ゴースト、残像等の画像不具合防止の精度向上を図れると共に、必要最低限の除電効果を得るための除電電流となるので、トナー層電流値以上(−5μA以下(負帯電の場合)、5μA以上(正帯電の場合))の過剰な除電電流値にならず、除電部材への過剰な除電電流が流れないので、除電部材と現像剤担持体の間で、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止できるようにした画像形成方法を得ることができるものである。また、過剰な除電防止のさらなる精度向上が図ることができ、逆極および弱帯電トナーの発生を精度良く低減できるので、現像剤担持体上のトナー層厚ムラによる濃度ムラが発生したり、この逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったりすることをさらなる防止を図ることができる。さらに除電後も、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取らないので、現像剤供給部材からトナーを現像剤担持体に供給された後に、トナーホッパからの未帯電トナーが供給されても、ある程度の帯電量を保ったトナー層があり、現像剤担持体自身のトナー搬送力も強く、トナーの軟凝集物が帯電部材に引っかかるのを防止し、画像上の白筋発生のさらなる防止をできるようにした画像形成方法を得ることができるものである。
また、除電工程で除電部材と現像剤担持体の接触ニップ幅が2mm以下、現像剤の内部摩擦係数がμt、現像剤と現像剤担持体との摩擦係数がμrt、現像剤と除電部材との摩擦係数がμjtとしたとき、μjt<μt<μrtとしたものであり、この構成により、現像剤担持体上のトナーが除電部材表面に接触時間を短くし、現像剤担持体とトナーおよびトナー同士の摩擦抵抗よりも除電部材とトナーの摩擦抵抗を小さくしたことにより、除電部材ニップ部にトナーが滞まることがなく、トナーを回収でき、かつ除電部材ニップ部の発熱も少なくなるので、除電部材へのトナー固着を防止できるようにした画像形成方法
を得ることができるものである。
また、除電工程で除電部材の引っ張り強度を1MPa以上にするものであり、この構成により、現像剤担持体上のトナーの外添剤等により、除電部材ニップ部を摩耗したり、引き裂いたりしないので、除電部材ニップ部にトナーが堆積、固着して、その部分での現像剤担持体を削るのを防止できるようにした画像形成方法を得るものである。
なお、除電部材の引っ張り強度が1MPa以下では、現像剤担持体上のトナーの外添剤等により、除電部材ニップ部を過剰に摩耗したり、引き裂いたりする不具合が発生してしまうものである。
また、除電工程で現像剤担持体と除電部材の間にツエナーダイオードを設けて所定の電位差以上に電界が働かないようにしたものであり、この構成により、除電部材と現像剤担持体の間で、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したり、現像後、現像剤担持体上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体と除電部材の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止できるようにした画像形成方法を得ることができるものである。また、除電部材と現像剤担持体の間での電位差が大きくなり、過剰な除電により、逆極および弱帯電トナーを多量に作り、現像剤担持体上のトナー層厚のムラによる濃度ムラを発生させたり、これらの逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったり、除電後、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取るために、現像剤供給部材からトナーを現像剤担持体に供給された後は、トナーホッパからの未帯電トナーが多く、トナーの帯電量が低いため、現像剤担持体自身のトナー搬送力が弱くなるので、トナーの軟凝集物が帯電部材に引っかかりやすく、画像上に白筋が発生する問題を防止できるようにした画像形成方法を得るものである。
また、除電工程でツエナーダイオードにより100V以下の電位差に規制するものであり、より好ましくは、70V以下である。この構成により、除電部材と現像剤担持体の間での電位差を100V以下にしたことにより、除電部材と現像剤担持体の間での放電開始電圧になるのを防止することができるので、除電部材と現像剤担持体の間で、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したり、現像後、現像剤担持体上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体と除電部材の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのをさらに防止できるようにした画像形成方法を得ることができるものである。過剰な除電により、逆極および弱帯電トナーを多量に作り、現像剤担持体上のトナー層厚のムラによる濃度ムラを発生させたり、これらの逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったり、除電後、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取るために、現像剤供給部材からトナーを現像剤担持体に供給された後は、トナーホッパからの未帯電トナーが多く、トナーの帯電量が低いため、現像剤担持体自身のトナー搬送力が弱くなるので、トナーの軟凝集物が帯電部材に引っかかりやすく、画像上に白筋が発生する問題を防止できるようにした画像形成方法を得るものである。なお、このツエナーダイオード電圧値は、トナーの平均帯電量が低い程有効であり、特に平均帯電量が20μC/g以下であれば、ツエナーダイオードは50V以下が有効である。
また、除電工程において、現像剤担持体と除電部材の押圧力を引っ張り荷重30〜100gf以下としたものであり、この構成により、強く除電部材を現像剤担持体に当てすぎ
て、現像後の現像剤担持体上に残留するトナーの電荷を過剰に除電して前述した不具合を発生させたり、現像剤担持体上のトナー層が除電部材を通過できず、トナー漏れを発生させたり、除電部材の押圧力が弱い場合は、摩擦帯電能力の高い除電部材を用いない限り、除電効果を高めるためには、過剰に除電部材と現像剤担持体の間に電位差を持たせなければならないため、除電部材と現像剤担持体の間で放電が起こりやすくなり、各種部材を劣化させてしまうのを防止でき、安定した除電と現像器部材劣化を防止できるようにした画像形成方法を得るものである。
また、現像工程において、粒度分布および帯電量分布を狭くする、特にCV=100×(標準偏差/平均値)と定義される体積粒径分布を現すCV値[%]が20%以内である現像剤を使用するとしたものであり、この構成により、現像の粒径選択による現像前後の粒径変動を少なくすることができるので、現像剤担持体上のトナーの比電荷変動を防止でき、現像ゴースト、残像を防止できる、かつ粒径選択の進行による現像器内の劣化トナー蓄積を防止できるので、現像剤担持体上のトナー層厚のムラによる濃度ムラを発生させたり、これらの逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったりするのを防止できるようにした画像形成方法を得るものである。
本発明によれば、現像剤が負帯電の場合には除電部材に流れ込む除電電流を−1.5〜−5.0μAに、現像剤が正帯電の場合には除電部材に流れ込む除電電流を1.5〜5.0μAに規制したので、除電部材の摩擦帯電による現像剤担持体上のトナーの除電を考慮した除電電流値とすることができ、トナー層電流値以上(−5μA以下(負帯電の場合)、5.0μA以上(正帯電の場合))の過剰な除電電流値にならずとも、現像ゴースト、残像等の画像不具合を防止できると共に、除電部材への過剰な除電電流が流れないので、除電部材と現像剤担持体の間で、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止できるという有効な効果が得られる。
また、過剰な除電を防止でき、逆極および弱帯電トナーの発生を低減できるので、現像剤担持体上のトナー層厚ムラによる濃度ムラが発生したり、この逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったりすることを防止できるという有効な効果が得られる。
さらに、除電後も、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取らないので、現像剤供給部材からトナーを現像剤担持体に供給された後に、トナーホッパからの未帯電トナーが供給されても、ある程度の帯電量を保ったトナー層があり、現像剤担持体自身のトナー搬送力も強く、トナーの軟凝集物が帯電部材に引っかかるのを防止し、画像上に白筋が発生するのを防止できるという有効な効果が得られる。
また、除電部材に電位を与える電圧供給手段の代わりに、除電部材と接地の間に所定の接地抵抗を設けて、現像剤担持体と除電部材の間に電界を与えることにより、現像剤担持体と接地の間に中抵抗の除電部材と接地抵抗を設けて、抵抗分割により、除電部材に電位を与えることができるので、除電部材への電位供給のための電源を不要とでき、低コスト、小型化を可能にできるという有効な効果が得られる。
また、接地抵抗値を現像剤担持体上の現像剤層の電気抵抗値よりも高く設定することにより、現像後、現像剤担持体上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体と除電部材の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止でき
るという有効な効果が得られる。
また、除電部材の現像剤担持体に当接する表面が、現像剤よりも帯電系列上、現像剤の正規の帯電極性と同極性側に片寄った材料で形成することにより、除電部材の帯電能力確保ができるので、トナー劣化や現像器部材等の劣化の要因となる過剰な除電電流値(−5.0μA以下(負帯電の場合)、5.0μA以上(正帯電の場合))にしなくとも、除電部材と現像剤担持体の電位差を大きくしなくとも現像ゴーストや残像を防止できるという有効な効果が得られる。
また、除電部材をフッ素系樹脂の中でも特に帯電能力が高いポリフッ化ビニリデン(PVDF)または4フッ化エチレン・パーフロロプロピルビニルエーテル(PFA)系樹脂とすることにより、さらに除電部材の帯電能力を向上させることができるので、トナー劣化や現像器部材等の劣化の要因となる過剰な除電電流値(−5.0μA以下(負帯電の場合)、5.0μA以上(正帯電の場合))と除電部材と現像剤担持体の電位差をさらに低減可能にし、現像ゴーストや残像の防止と両立できるという有効な効果が得られる。
また、除電部材の表面抵抗値をE4〜E9Ω・cm、より好ましくはE5〜E7Ω・cmとすることにより、トナー層の電気抵抗値と同等以上に除電部材の電気抵抗値に設定するので、除電部材と現像剤担持体の間で、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したり、現像後に現像剤担持体上のトナーが少なくなっているまたはトナーが殆どない部分に、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したりするのを低減させることができ、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化するのを防止できるという有効な効果が得られる。
また、除電電流がAj、帯電部材通過後の現像剤担持体上の現像剤の帯電量がQ/Mのとき、3.0≦(Q/M)/Aj≦12.0とすることにより、除電部材の摩擦帯電による現像剤担持体上のトナーの除電とトナー層帯電量の電流両者を考慮した除電電流値とすることができ、除電の精度向上を図ることができるので、現像ゴースト、残像等の画像不具合防止の精度向上を図れると共に、必要最低限の除電効果を得るための除電電流となるので、トナー層電流値以上(−5μA以下(負帯電の場合)、5μA以上(正帯電の場合))の過剰な除電電流値にならず、除電部材への過剰な除電電流が流れないので、除電部材と現像剤担持体の間で、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止できるという有効な効果が得られる。また、過剰な除電防止のさらなる精度向上が図ることができ、逆極および弱帯電トナーの発生を精度良く低減できるので、現像剤担持体上のトナー層厚ムラによる濃度ムラが発生したり、この逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったりすることをさらなる防止を図ることができる。さらに除電後も、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取らないので、現像剤供給部材からトナーを現像剤担持体に供給された後に、トナーホッパからの未帯電トナーが供給されても、ある程度の帯電量を保ったトナー層があり、現像剤担持体自身のトナー搬送力も強く、トナーの軟凝集物が帯電部材に引っかかるのを防止し、画像上の白筋発生のさらなる防止をできるという有効な効果が得られる。
また、除電部材と現像剤担持体の接触ニップ幅が2mm以下、現像剤の内部摩擦係数がμt、現像剤と現像剤担持体との摩擦係数がμrt、現像剤と除電部材との摩擦係数がμjtのとき、μjt<μt<μrtとしたことにより、現像剤担持体上のトナーが除電部材表面に接触時間を短くし、現像剤担持体とトナーおよびトナー同士の摩擦抵抗よりも除電部材とトナーの摩擦抵抗を小さくしたことにより、除電部材ニップ部にトナーが滞まることがなく、トナーを回収でき、かつ除電部材ニップ部の発熱も少なくなるので、除電部
材へのトナー固着を防止できるという有効な効果が得られる。
また、除電部材の引っ張り強度が1MPa以上としたことにより、現像剤担持体上のトナーの外添剤等により、除電部材ニップ部を過剰に摩耗したり、引き裂いたりしないので、除電部材ニップ部にトナーが堆積、固着して、その部分での現像剤担持体を削るのを防止できるという有効な効果が得られる。
また、現像剤担持体と除電部材の間にツエナーダイオードを設けて所定の電位差以上に電界が働かないようにしたことにより、除電部材と現像剤担持体の間で、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したり、現像後、現像剤担持体上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体と除電部材の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止できるという有効な効果が得られる。
また、除電部材と現像剤担持体の間での電位差が大きくなり、過剰な除電により、逆極および弱帯電トナーを多量に作り、現像剤担持体上のトナー層厚のムラによる濃度ムラを発生させたり、これらの逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったり、除電後、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取るために、現像剤供給部材からトナーを現像剤担持体に供給された後は、トナーホッパからの未帯電トナーが多く、トナーの帯電量が低いため、現像剤担持体自身のトナー搬送力が弱くなるので、トナーの軟凝集物が帯電部材に引っかかりやすく、画像上に白筋が発生する問題を防止できるという有効な効果が得られる。
また、ツエナーダイオードで100V以下、より好ましくは70V以下の電位差に規制したことにより、除電部材と現像剤担持体の間での放電開始電圧になるのを防止することができるので、除電部材と現像剤担持体の間で、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したり、現像後、現像剤担持体上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体と除電部材の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのをさらに防止できるという有効な効果が得られる。過剰な除電により、逆極および弱帯電トナーを多量に作り、現像剤担持体上のトナー層厚のムラによる濃度ムラを発生させたり、これらの逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったり、除電後、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取るために、現像剤供給部材からトナーを現像剤担持体に供給された後は、トナーホッパからの未帯電トナーが多く、トナーの帯電量が低いため、現像剤担持体自身のトナー搬送力が弱くなるので、トナーの軟凝集物が帯電部材に引っかかりやすく、画像上に白筋が発生する問題を防止できるという有効な効果が得られる。なお、これらは、トナーの平均帯電量が低い程、有効であり、特にトナーの平均帯電量20μC/g以下であれば、ツエナー電圧は50V以下が有効である。
また、現像剤担持体と除電部材の押圧力を引っ張り荷重30〜100gf以下としたことにより、強く除電部材を現像剤担持体に当てすぎて、現像後の現像剤担持体上に残留するトナーの電荷を過剰に除電して前述した不具合を発生させたり、現像剤担持体上のトナー層が除電部材を通過できず、トナー漏れを発生させたり、除電部材の押圧力が弱い場合は、摩擦帯電能力の高い除電部材を用いない限り、除電効果を高めるためには、過剰に除電部材と現像剤担持体の間に電位差を持たせなければならないため、除電部材と現像剤担持体の間で放電が起こりやすくなり、各種部材を劣化させてしまうのを防止でき、安定した除電と現像器部材劣化を防止できるという有効な効果が得られる。
また、現像剤の粒度分布および帯電量分布を狭くする、特にCV=100×(標準偏差/平均値)と定義される体積粒径分布を現すCV値[%]が20%以内としたことにより、現像の粒径選択による現像前後の粒径変動を少なくすることができるので、現像剤担持体上のトナーの比電荷変動を防止でき、現像ゴースト、残像を防止できる、かつ粒径選択の進行による現像器内の劣化トナー蓄積を防止できるので、現像剤担持体上のトナー層厚のムラによる濃度ムラを発生させたり、これらの逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材を硬化させ、その現像剤供給部材が現像剤担持体を削ったりするのを防止できるという有効な効果が得られる。
本発明の請求項1に記載の発明は、静電潜像を担持する回転可能な像担持体と、前記像担持体に接触して配置されて一成分の現像剤を担持する回転可能で導電性を有する現像剤担持体、および前記現像剤担持体への電圧供給手段を含み、前記静電潜像を顕像化する現像手段と、前記現像剤担持体と前記像担持体とが接触する現像位置よりも現像剤担持体回転方向の上流側に配置され、現像剤を帯電するとともに前記現像剤担持体上の現像剤層厚を規制する帯電部材、および前記帯電部材への電圧供給手段を含む帯電手段と、前記現像位置よりも現像剤担持体回転方向の下流側に配置され、前記現像位置での現像後において前記現像剤担持体上に残留する現像剤の電荷を除電する除電部材、および前記除電部材への電圧供給手段を含む除電手段とを備え、前記現像剤が負帯電の場合には前記除電部材に流れ込む除電電流を−1.5〜−5.0μAに、前記現像剤が正帯電の場合には前記除電部材に流れ込む除電電流を1.5〜5.0μAに規制した現像装置であり、これにより、除電部材の摩擦帯電による現像剤担持体上のトナーの除電を考慮した除電電流値とすることができ、トナー層電流値以上(−5μA以下(負帯電の場合)、5μA以上(正帯電の場合))の過剰な除電電流値にならずとも、現像ゴースト、残像等の画像不具合を防止できるという作用を有する。また、過剰な除電を防止でき、逆極および弱帯電トナーの発生を低減できるという作用を有する。さらに除電後も、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取らないので、現像剤担持体上のトナーの搬送力を確保できるという作用を有する。なお、ここでの除電部材の材料は、特に限定するものでは無く、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂からSUS等の金属まで種々の材料が使用可能である。
請求項2に記載の発明は、静電潜像を担持する回転可能な像担持体と、前記像担持体に接触して配置されて一成分の現像剤を担持する回転可能で導電性を有する現像剤担持体、および前記現像剤担持体への電圧供給手段を含み、前記静電潜像を顕像化する現像手段と、前記現像剤担持体と前記像担持体とが接触する現像位置よりも現像剤担持体回転方向の上流側に配置され、現像剤を帯電するとともに前記現像剤担持体上の現像剤層厚を規制する帯電部材、および前記帯電部材への電圧供給手段を含む帯電手段と、前記現像位置よりも現像剤担持体回転方向の下流側に配置され、前記現像位置での現像後において前記現像剤担持体上に残留する現像剤の電荷を除電する除電部材、および前記除電部材と接地との間に設けられて現像剤担持体と除電部材の間に電界を与える接地抵抗を含む除電手段とを備え、前記現像剤が負帯電の場合には前記除電部材に流れ込む除電電流を−1.5〜−5.0μAに、前記現像剤が正帯電の場合には前記除電部材に流れ込む除電電流を1.5〜5.0μAに規制した現像装置であり、これにより、現像剤担持体と接地の間に中抵抗の除電部材と接地抵抗を設けて、抵抗分割により、除電部材に電位を与えることができるので、除電部材への電位供給のための電源を不要とできるという作用を有する。この接地抵抗は、先に述べた除電電流を規制する(−5.0μA以上(負帯電の場合)、5.0μA以下(正帯電の場合))ために20MΩ以上、より好ましくは40MΩ以上が好ましい。これにより過剰な除電電流を防止できるという作用を有する。
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の発明において、前記接地抵抗値が前記現像剤担持体上の現像剤層の電気抵抗値よりも高く設定されている現像装置であり、これにより、現像後、前記現像剤担持体上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体と除電部材の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止するという作用を有する。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の発明において、前記除電部材の前記現像剤担持体に当接する表面が、帯電系列上において前記現像剤よりも前記現像剤の正規の帯電極性と同極性側に片寄った材料で形成されている現像装置であり、これにより除電部材の帯電能力確保ができるので、トナー劣化や現像器部材等の劣化の要因となる過剰な除電電流値(−5.0μA以下(負帯電の場合)、5.0μA以上(正帯電の場合))にしなくとも、除電部材と現像剤担持体の電位差を大きくしなくとも現像ゴーストや残像を防止できるという作用を有する。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか一項に記載の発明において、前記除電部材は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)または4フッ化エチレン・パーフロロプロピルビニルエーテル(PFA)系樹脂である現像装置であり、これにより、さらに除電部材の帯電能力を向上させることができるので、トナー劣化や現像器部材等の劣化の要因となる過剰な除電電流値(−5.0μA以下(負帯電の場合)、5.0μA以上(正帯電の場合))と除電部材と現像剤担持体の電位差をさらに低減可能にし、現像ゴーストや残像の防止と両立できるという作用を有する。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の発明において、前記除電部材の表面抵抗値がE4〜E9Ω・cmとした現像装置であり、これにより、トナー層の電気抵抗値と同等以上に除電部材の電気抵抗値に設定するので、除電部材と現像剤担持体の間で、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したり、現像後に現像剤担持体上のトナーが少なくなっているまたはトナーが殆どない部分に、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したりするのを低減させるという作用を有する。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の発明において、前記除電電流がAj、前記帯電部材通過後の現像剤担持体上の前記現像剤の帯電量がQ/Mのとき、3.0≦(Q/M)/Aj≦12.0である現像装置であり、これにより、前記除電部材の摩擦帯電による現像剤担持体上のトナーの除電とトナー層帯電量の電流両者を考慮した除電電流値とすることができ、除電の精度向上を図ることができるので、現像ゴースト、残像等の画像不具合防止の精度向上を図れると共に、必要最低限の除電効果を得るための除電電流となるので、トナー層電流値以上(−5μA以下(負帯電の場合)、5μA以上(正帯電の場合))の過剰な除電電流値にならず、除電部材への過剰な除電電流が流れないので、除電部材と現像剤担持体の間で、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止できるという作用を有する。さらに除電後も、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取らないので、現像剤担持体上のトナーの搬送力を確保できるという作用を有する。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の発明において、前記除電部材と前記現像剤担持体の接触ニップ幅が2mm以下、前記現像剤の内部摩擦係数がμt、前記現像剤と前記現像剤担持体との摩擦係数がμrt、前記現像剤と前記除電部材との摩擦係数がμjtのとき、μjt<μt<μrtである現像装置であり、これにより、現像剤担持体上のトナーが除電部材表面に接触時間を短くし、現像剤担持体とトナーおよび
トナー同士の摩擦抵抗よりも除電部材とトナーの摩擦抵抗を小さくしたことにより、除電部材ニップ部にトナーが滞まることがなく、トナーを回収でき、かつ除電部材ニップ部の発熱も少なくなるので、除電部材へのトナー固着を防止できるという作用を有する。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の何れか一項に記載の発明において、前記除電部材の引っ張り強度が1MPa以上である現像装置であり、これにより、現像剤担持体上のトナーの外添剤等により、除電部材ニップ部を過剰に摩耗したり、引き裂いたりしないので、除電部材ニップ部にトナーが堆積、固着して、その部分での現像剤担持体を削るのを防止できるという作用を有する。
請求項10に記載の発明は、請求項1〜9の何れか一項に記載の発明において、前記現像剤担持体と前記除電部材との間に、前記現像剤担持体と前記除電部材とに所定の電位差以上に電界が働くことを規制するツエナーダイオードを設けた現像装置であり、これにより、現像剤担持体と除電部材の間で、また、現像後、現像剤担持体上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体と除電部材の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止するという作用を有する。また、除電部材と現像剤担持体の間で、過剰に電位差が大きくなり、過剰な除電を防止する作用を、また、除電後、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取るのを防止し、現像剤担持体上のトナーの搬送力を確保するという作用を有する。
請求項11に記載の発明は、請求項10記載の発明において、前記ツエナーダイオードにより100V以下の電位差に規制される現像装置であり、これにより、除電部材と現像剤担持体の間での放電開始電圧になるのを防止することができるので、除電部材と現像剤担持体の間で、また現像後、現像剤担持体上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体と除電部材の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのをさらに防止するという作用を有する。また、過剰な除電により、逆極および弱帯電トナーを多量に作ったり、除電後、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取るために、現像剤担持体自身のトナー搬送力が弱くなるのを防止する(搬送力確保)という作用を有する。なお、このツエナーダイオード電圧は、トナーの平均帯電量が低い程、有効であり、トナーの平均帯電量が20μC/g以下であれば、ツエナーダイオード電圧は50V以下が有効である。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11の何れか一項に記載の発明において、前記現像剤担持体と前記除電部材の押圧力を引っ張り荷重30〜100gf以下とする現像装置であり、これにより、強く除電部材を現像剤担持体に当てすぎて、現像後の現像剤担持体上に残留するトナーの電荷を過剰に除電して前述した不具合を発生させたり、現像剤担持体上のトナー層が除電部材を通過できず、トナー漏れを発生させたり、除電部材の押圧力が弱い場合は、摩擦帯電能力の高い除電部材を用いない限り、除電効果を高めるためには、過剰に除電部材と現像剤担持体の間に電位差を持たせなければならないため、除電部材と現像剤担持体の間で放電が起こりやすくなり、各種部材を劣化させてしまうのを防止でき、安定した除電と現像器部材劣化を防止できるという作用を有する。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12の何れか一項に記載の発明において、前記現像剤のCV値[%]が20%以内である現像装置であり、この構成により、現像の粒径選択による現像前後の粒径変動を少なくすることができるので、現像剤担持体上のトナーの比電荷変動を防止でき、現像ゴースト、残像を防止できる、かつ粒径選択の進行による現像器内の劣化トナー蓄積を防止できるという作用を有する。
請求項14に記載の発明は、回転可能な像担持体上に静電潜像を形成し、前記像担持体に接触して回転可能に配置された現像剤担持体上に、帯電部材により所定電位に帯電されかつ層厚の規制された一成分の現像剤を設け、前記現像剤担持体上の前記現像剤を前記静電潜像に供給して当該静電潜像を現像し、現像後に、電圧供給手段により電位を与えられた除電部材により前記現像剤担持体上に残留する現像剤の電荷を除電する画像形成方法であって、前記現像剤が負帯電の場合には前記除電部材に流れ込む除電電流を−1.5〜−5.0μAに、前記現像剤が正帯電の場合には前記除電部材に流れ込む除電電流を1.5〜5.0μAに規制する画像形成方法であり、これにより、除電部材の摩擦帯電による現像剤担持体上のトナーの除電を考慮した除電電流値とすることができ、トナー層電流値以上(−5μA以下(負帯電の場合)、5μA以上(正帯電の場合))の過剰な除電電流値にならずとも、現像ゴースト、残像等の画像不具合を防止できるという作用を有する。また、過剰な除電を防止でき、逆極および弱帯電トナーの発生を低減できるという作用を有する。さらに除電後も、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取らないので、現像剤担持体上のトナーの搬送力を確保できるという作用を有する。なお、ここでの除電部材の材料は、特に限定するものでは無く、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等の樹脂からSUS等の金属まで種々の材料が使用可能である。
請求項15に記載の発明は、回転可能な像担持体上に静電潜像を形成し、前記像担持体に接触して回転可能に配置された現像剤担持体上に、帯電部材により所定電位に帯電されかつ層厚の規制された一成分の現像剤を設け、前記現像剤担持体上の前記現像剤を前記静電潜像に供給して当該静電潜像を現像し、現像後に、除電部材と接地との間に設けられて現像剤担持体と前記除電部材との間に電界を与える接地抵抗により前記現像剤担持体上に残留する現像剤の電荷を除電する画像形成方法であって、前記現像剤が負帯電の場合には前記除電部材に流れ込む除電電流を−1.5〜−5.0μAに、前記現像剤が正帯電の場合には前記除電部材に流れ込む除電電流を1.5〜5.0μAに規制する画像形成方法であり、これにより、現像剤担持体と接地の間に中抵抗の除電部材と接地抵抗を設けて、抵抗分割により、除電部材に電位を与えることができるので、除電部材への電位供給のための電源を不要とできるという作用を有する。この接地抵抗は、先に述べた除電電流を規制する(−5.0μA以上(負帯電の場合)、5.0μA以下(正帯電の場合))ために20MΩ以上、より好ましくは40MΩ以上が好ましい。これにより過剰な除電電流を防止できるという作用を有する。
請求項16に記載の発明は、請求項15記載の発明において、前記接地抵抗値を前記現像剤担持体上の現像剤層の電気抵抗値よりも高く設定した画像形成方法であり、これにより、現像後、前記現像剤担持体上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体と除電部材の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止するという作用を有する。
請求項17に記載の発明は、請求項14〜16の何れか一項に記載の発明において、前記除電部材の前記現像剤担持体に当接する表面を、帯電系列上において前記現像剤よりも前記現像剤の正規の帯電極性と同極性側に片寄った材料で形成する画像形成方法であり、これにより除電部材の帯電能力確保ができるので、トナー劣化や現像器部材等の劣化の要因となる過剰な除電電流値(−5.0μA以下(負帯電の場合)、5.0μA以上(正帯電の場合))にしなくとも、除電部材と現像剤担持体の電位差を大きくしなくとも現像ゴーストや残像を防止できるという作用を有する。
請求項18に記載の発明は、請求項14〜17の何れか一項に記載の発明において、前記除電部材を、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)または4フッ化エチレン・パーフロロプロピルビニルエーテル(PFA)系樹脂で形成する画像形成方法であり、これにより、
さらに除電部材の帯電能力を向上させることができるので、トナー劣化や現像器部材等の劣化の要因となる過剰な除電電流値(−5.0μA以下(負帯電の場合)、5.0μA以上(正帯電の場合))と除電部材と現像剤担持体の電位差をさらに低減可能にし、現像ゴーストや残像の防止と両立できるという作用を有する。
請求項19に記載の発明は、請求項14〜18の何れか一項に記載の発明において、前記除電部材の表面抵抗値をE4〜E9Ω・cmとする画像形成方法であり、これにより、トナー層の電気抵抗値と同等以上に除電部材の電気抵抗値に設定するので、除電部材と現像剤担持体の間で、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したり、現像後に現像剤担持体上のトナーが少なくなっているまたはトナーが殆どない部分に、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したりするのを低減させるという作用を有する。
請求項20に記載の発明は、請求項14〜19の何れか一項に記載の発明において、前記除電電流がAj、前記帯電部材通過後の現像剤担持体上の前記現像剤の帯電量がQ/Mのとき、3.0≦(Q/M)/Aj≦12.0を満たすようにする画像形成方法であり、これにより、前記除電部材の摩擦帯電による現像剤担持体上のトナーの除電とトナー層帯電量の電流両者を考慮した除電電流値とすることができ、除電の精度向上を図ることができるので、現像ゴースト、残像等の画像不具合防止の精度向上を図れると共に、必要最低限の除電効果を得るための除電電流となるので、トナー層電流値以上(−5μA以下(負帯電の場合)、5μA以上(正帯電の場合))の過剰な除電電流値にならず、除電部材への過剰な除電電流が流れないので、除電部材と現像剤担持体の間で、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止できるという作用を有する。さらに除電後も、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取らないので、現像剤担持体上のトナーの搬送力を確保できるという作用を有する。
請求項21に記載の発明は、請求項14〜20の何れか一項に記載の発明において、前記除電部材と前記現像剤担持体の接触ニップ幅が2mm以下、前記現像剤の内部摩擦係数がμt、前記現像剤と前記現像剤担持体との摩擦係数がμrt、前記現像剤と前記除電部材との摩擦係数がμjtのとき、μjt<μt<μrtを満たすようにする画像形成方法であり、これにより、現像剤担持体上のトナーが除電部材表面に接触時間を短くし、現像剤担持体とトナーおよびトナー同士の摩擦抵抗よりも除電部材とトナーの摩擦抵抗を小さくしたことにより、除電部材ニップ部にトナーが滞まることがなく、トナーを回収でき、かつ除電部材ニップ部の発熱も少なくなるので、除電部材へのトナー固着を防止できるという作用を有する。
請求項22に記載の発明は、請求項14〜21の何れか一項に記載の発明において、前記除電部材の引っ張り強度を1MPa以上にする画像形成方法であり、これにより、現像剤担持体上のトナーの外添剤等により、除電部材ニップ部を過剰に摩耗したり、引き裂いたりしないので、除電部材ニップ部にトナーが堆積、固着して、その部分での現像剤担持体を削るのを防止できるという作用を有する。
請求項23に記載の発明は、請求項14〜22の何れか一項に記載の発明において、前記現像剤担持体と前記除電部材の間に、前記現像剤担持体と前記除電部材とに所定の電位差以上に電界が働くことを規制するツエナーダイオードを設ける画像形成方法であり、これにより、現像剤担持体と除電部材の間で、また、現像後、現像剤担持体上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体と除電部材の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのを防止するという作用を有する。また、除電部材と現像
剤担持体の間で、過剰に電位差が大きくなり、過剰な除電を防止する作用を、また、除電後、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取るのを防止し、現像剤担持体上のトナーの搬送力を確保するという作用を有する。
請求項24に記載の発明は、請求項14〜23の何れか一項に記載の発明において、前記ツエナーダイオードにより100V以下の電位差に規制する画像形成方法であり、これにより、除電部材と現像剤担持体の間での放電開始電圧になるのを防止することができるので、除電部材と現像剤担持体の間で、また現像後、現像剤担持体上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体と除電部材の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材や現像剤担持体等の現像器部材を劣化させるのをさらに防止するという作用を有する。また、過剰な除電により、逆極および弱帯電トナーを多量に作ったり、除電後、過剰に現像剤供給部材により現像剤担持体上のトナーを掻き取るために、現像剤担持体自身のトナー搬送力が弱くなるのを防止する(搬送力確保)という作用を有する。なお、このツエナーダイオード電圧は、トナーの平均帯電量が低い程、有効であり、トナーの平均帯電量が20μC/g以下であれば、ツエナーダイオード電圧は50V以下が有効である。
請求項25に記載の発明は、請求項14〜24の何れか一項に記載の発明において、前記現像剤担持体と前記除電部材の押圧力を引っ張り荷重30〜100gf以下とする画像形成方法であり、これにより、強く除電部材を現像剤担持体に当てすぎて、現像後の現像剤担持体上に残留するトナーの電荷を過剰に除電して前述した不具合を発生させたり、現像剤担持体上のトナー層が除電部材を通過できず、トナー漏れを発生させたり、除電部材の押圧力が弱い場合は、摩擦帯電能力の高い除電部材を用いない限り、除電効果を高めるためには、過剰に除電部材と現像剤担持体の間に電位差を持たせなければならないため、除電部材と現像剤担持体の間で放電が起こりやすくなり、各種部材を劣化させてしまうのを防止でき、安定した除電と現像器部材劣化を防止できるという作用を有する。
請求項26に記載の発明は、請求項14〜25の何れか一項に記載の発明において、前記現像剤のCV値[%]を20%以内にする画像形成方法であり、この構成により、現像の粒径選択による現像前後の粒径変動を少なくすることができるので、現像剤担持体上のトナーの比電荷変動を防止でき、現像ゴースト、残像を防止できる、かつ粒径選択の進行による現像器内の劣化トナー蓄積を防止できるという作用を有する。
(実施の形態1)
以下、本発明を実施するための最良の形態を、図面を参照しつつさらに具体的に説明する。ここで、添付図面において同一の部材には同一の符号を付しており、重複した説明は省略されている。また、従来の技術として既に説明した図11および図12と同一の部材にも同一の符号を付しており、重複した説明は省略されている。なお、ここでの説明は本発明が実施される最良の形態であることから、本発明は当該形態に限定されるものではない。
図1は本発明の実施の形態1における現像装置を備えた画像形成装置の全体構成を示す概略図、図2は本発明の実施の形態1における現像装置を示す概略図、図3は本発明の実施の形態1における現像装置において、現像、除電、現像剤供給、帯電(薄層化)部の詳細を示す概略図、図4は本発明の実施の形態1における現像装置において、除電部材に流れ込む電流(除電電流)値の測定方法を示す概略図、図5は本発明の実施の形態1における現像装置において、現像剤供給部材による現像剤担持体上現像剤(トナー)の掻き取り効果を示す説明図、図6は本発明の実施の形態1における現像装置において、除電部材と接地の間に所定の接地抵抗を有する現像装置を示す概略図、図7は本発明の実施の形態1における除電部材と接地の間に所定の接地抵抗を有する現像装置において、現像、除電、
現像剤供給、帯電(薄層化)部の詳細を説明する概略図、図8は本発明の実施の形態1における現像装置において、現像剤担持体と除電部材の間にツエナーダイオードを有する現像装置を示す概略図、図9は本発明の実施の形態1における現像剤担持体と除電部材の間にツエナーダイオードを有する現像装置現像装置において、現像、除電、現像剤供給、帯電(薄層化)部の詳細を説明する概略図、図10は本発明の実施の形態1における現像装置において、除電部材と現像剤担持体の押圧力の測定方法を示す概略図である。
まず、図1を用いて画像形成装置の概略構成を説明する。
図示するように、画像形成装置には像担持体1が設けられている。この像担持体1は、金属ドラムに感光体層が設けられ、静電潜像を担持する感光体ドラムである。ここで、感光体層にはOPC層やa−SiH層、セレン層などを用いる。また、素管の傷や汚れが感光体の帯電特性に影響しないよう、アルミ素管とCGLとの間に導電性下引層を設けてもよい。OPC層の場合、下引き層上に形成される比較的薄いキャリア発生層(CGL)と、最外層に形成されるポリカーボネートを主成分とした比較的薄いキャリア移動層(CTL)とで構成される。そして、露光によってキャリア発生層でキャリアが発生し、該キャリアによって像担持体1に帯電した電荷が相殺されて静電潜像が形成される。なお、このCGLとCTLの混合層を単層としたものを使用しても良い。
この像担持体1は、画像形成動作時に矢印方向に一定速度で回転駆動されるものであり、この像担持体1の周囲において像担持体1と対向するようにして、以下に説明する各種の画像形成プロセス手段が配置されている。
すなわち、像担持体1を帯電するための帯電装置23が、像担持体1の表面から所定の間隙を持って配置されている。図1中には帯電ローラからなる帯電装置を図示しているが、その他にもスコロトロン、コロトロン帯電装置や固体帯電素子などの非接触帯電装置を用いてもよく、さらには帯電ブラシなども用いてもよい。本実施の形態では帯電ローラ式の帯電装置を用いて説明する。
また、帯電装置23の像担持体1回転方向下流側には、帯電した像担持体1の表面に光を照射してこの像担持体1上に静電潜像を形成する光学系24が配置されている。光学系24としては、像担持体1(感光体)の吸収スペクトルが高い波長を発光するものであれば、半導体レーザ光やLED光、CRT光、EL光等を露光源として用いてもよい。ここで、画像形成装置が複写機であれば、コピー原稿を光照射し、原稿からの反射光を光像として照射する。また、画像形成装置がプリンタやデジタル複写機であれば、光学系は半導体レーザを画像データに応じてON−OFF駆動した光像を照射する。特に、デジタル複写機においては、コピー原稿からの反射光を画像読取センサ(CCD素子等)にて読み取った画像データを上記半導体レーザを含む光学系へと入力し、画像データに応じた光像を出力するようにしている。また、プリンタにおいては、他の処理装置、例えばワードプロセッサやパーソナルコンピュータ等からの画像データに応じた光像に変換し、これを照射するようにしている。
さらに、光学系24の像担持体1回転方向下流側には、光学系24により露光されることで像担持体1の表面に形成された静電潜像を可視像化する本発明にかかる現像装置(現像手段)8が配置されている。この現像装置についての詳細は後述する。
さらに、現像装置8の像担持体1回転方向下流側には、転写手段としての転写装置25が配置されている。転写装置25としては、芯金に導電性ウレタンやEPDM、シリコンなどのスポンジ層を巻き付けた転写ローラや、ナイロンやレイヨンなどの導電性繊維からなる転写ブラシ、導電性ゴム板や導電性フィルムシートの先端部が接触した転写ブレード
や転写フィルム、PTFEやPFA、TEP、ポリイミド、ポリカーボネートなどの樹脂材料に導電材を分散した導電性ベルトなどを用いる。また、ここでの転写は、普通紙やハガキ用紙、OHPシートなどの受像紙29に直接転写する直接転写方式を例示したが、本発明は限定されるものでは無く、上述したような中間転写体(ベルト、ローラ等)に4色順次に一次転写した後、一括して受像紙に転写する(二次以上の転写)中間転写方式でも転写フイルムでもスコロトロン、コロトロン等の非接触式のものを用いてもよい。
転写装置25の像担持体1回転方向下流側には、転写後に像担持体1の表面に転写されなかった残留現像剤(トナー)を除去するクリーニング装置26が、さらにその回転方向下流側には、転写後に像担持体1の表面に残る帯電電荷を除去する除電装置27が、それぞれ配置されている。
また、画像形成装置には、受像紙29を所定の速度で搬送する一対のレジストローラ31が配置されており、像担持体1における転写装置25による転写領域とレジストローラ31との間には、レジストローラ31から像担持体1までの受像紙29の搬送方向を案内する上流側案内手段32が設けられている。転写領域よりも受像紙29の搬送方向下流側には、受像紙29上に転写されたトナー像を受像紙29に定着させる定着装置28が配置されており、前述した転写領域と定着装置28との間には、転写領域から定着装置28までの受像紙29の搬送方向を案内する下流側案内手段33が設けられている。
なお、高湿下環境では受像紙29が低抵抗になり、転写装置25の可撓部材から受像紙29を介して案内手段32,33に電流が漏洩してしまう。このため、受像紙29の背面に十分な電荷が供給されなくなり、転写不良が発生してしまう。この問題を解決するため、案内手段32,33は絶縁部材で構成するか、転写電圧と同極性の電圧が印加されることが好ましい。また、抵抗素子やツェナーダイオード素子など自己バイアス素子を案内手段32,33と接地との間に接続してもよい。
また、定着装置28は、用紙上に転写された未定着のトナー像を永久像として定着させるものであって、トナー像と対向する面が、トナーを溶融し、定着させる温度に加熱されたヒートローラ(加熱手段)28aからなり、該ヒートローラ28aに対して圧接されて受像紙29をヒートローラ28a側へと密着させる加圧ローラ(加圧手段)28bを設けてた構成となっている。この定着装置28を通過した受像紙29は、画像形成装置外へと排出ローラ(図示せず)を介して排出トレイ(図示せず)上に排出処理される。なお、図1には、ヒートローラ28aと加圧ローラ28bとはローラ形状を示しているが、本発明はこれに限るものではなく、フィルム状やベルト状の加熱手段や加圧手段等を用いてもよい。
受像紙29は、例えばトレイまたはカセットに多量に収容できるようになっており、この収容された受像紙29がレジストローラ31にて一枚ずつ給紙され、上述した転写装置25が配置された像担持体1と対向する転写領域へと、像担持体1の表面に形成されたトナー像の先端と一致するように送り込まれる。この転写後の受像紙29は、像担持体1より剥離され、定着装置28へと送り込まれる。
次に、以上のような構成の画像形成装置における動作の概略を説明する。
画像形成装置が画像形成動作を開始すると、像担持体1が矢印方向に回転駆動され、帯電装置23にて像担持体1の表面が特定極性の電位に均一帯電される。帯電された像担持体1の表面が露光系24と対向する位置に搬送されると、受信した画像信号に応じた光が像担持体1の表面に照射される。これにより、光照射された領域の像担持体1の表面は帯電電位が低下する。この結果、像担持体1の表面に静電潜像が形成される。
次に、像担持体1の表面の静電潜像が現像装置8と対向する位置に搬送されると、所定の電圧が印加された現像剤担持体2上のトナーが、静電潜像と現像剤担持体2との電位差に応じて像担持体1上に移動する。この結果、トナーが像担持体1上の静電潜像に付着し、像担持体1上にトナー像が形成される。この動作を現像という。この現像は、本発明においては一成分現像剤による現像であって、該トナーが像担持体1の表面に形成された静電潜像に例えば静電気力により選択的に吸引され、現像が行われる。
像担持体1の表面に形成されたトナー像は、転写装置25と像担持体1とが当接する転写領域に搬送される。このとき、転写装置25には、トナー粒子とは逆極性の電圧が印加される。一方、レジストローラ31の回転駆動が開始され、トナー像が転写領域に搬送されるのと同期して、レジストローラ31に挟持されていた受像紙29の搬送が開始される。
上流側案内手段32に沿って搬送された受像紙29は、転写領域に突入する。転写領域を通過する間、転写装置25から受像紙29の背面に蓄積された電荷により受像紙29と像担持体1である感光体ドラムとの間に電界Eが形成される。これにより、トナーの電荷qと電界Eによるクーロン力F=qEが作用して、像担持体1上のトナーが受像紙29側に転写される。正規の極性に帯電してないトナーや機械的付着力が過剰なトナーは、クーロン力Fでは受像紙29側に吸引されずに、転写残留トナーとなって像担持体1の表面に残留する。
転写後、像担持体1の表面には転写されなかったトナー像の一部が残留し、この残留トナーが、クリーニング装置26にて像担持体1の表面から除去され、像担持体1を再利用するために除電装置27にて像担持体1の表面が均一電位、例えばほぼ0電位に除電される。本発明では、除電装置27を用いた画像形成装置を例示したが、この除電装置27は、必ず必要なものではなく、省略してもよいし、代わりのものを用いてもよい。
一方、転写後の受像紙29は、像担持体1より剥離され、定着装置28へと搬送される。この定着装置28にて、受像紙29上のトナー像は溶融され、ローラ間の加圧力により受像紙29に圧着され融着される。この定着装置28を通過する受像紙29は、画像形成済み受像紙29として画像形成装置の外部に設けられている排出トレイ(図示せず)等に排出処理される。
次に、図2〜図4を用いて本発明の一成分現像剤による現像を行う現像装置8の構成について説明する。
現像装置8は、一成分現像剤、例えば非磁性の一成分現像剤(トナー)7を収容した現像剤(トナー)ホッパ34を備えており、この現像剤(トナー)ホッパ34内には、像担持体1にトナーを付着させトナー像を作る所謂現像を行う現像剤担持体2、および一成分現像剤7を現像剤担持体2側へと供給する現像剤供給部材3がそれぞれ回転可能に設けられている。また、必要に応じて補給される一成分現像剤7を現像剤供給部材3の近傍へと送り込むアジテーターまたはスクリューローラ等の撹拌供給部材4が設けられている。
現像装置8内に設けられている現像剤担持体2は、一部(現像領域30側)が露出し上述した像担持体1と対向する現像領域30へとトナーを搬送するために、像担持体1と対向する現像領域30において同一方向に回転されるように設けられている。この現像剤担持体2には、上述した現像剤供給部材3が圧接されている。また、現像領域30の現像剤担持体2回転方向下流側には、現像後に残留した現像剤担持体2上のトナーを除電・除去する除電部材5を備えている。
現像剤担持体2は、その構造として例えば導電性シャフト(回転軸を含む)の表面を高分子弾性体で被覆して、例えば外径がφ10〜40で構成されている。導電性シャフトは、ステンレスなどの金属や電気抵抗値の比較的低い樹脂等である。高分子弾性体としては、比誘電率が約10程度の樹脂材料が用いられ、ポリウレタン、EPDM、シリコン、二トリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム等を用いることができる。また、高分子弾性体の電気抵抗値の調整剤として、カーボンブラック、酸化チタン、例えば過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カルシウム、塩化ナトリウム等の無機イオン導電性物質等のイオン導電性物質、例えばポリジアルキルシロキサン、ポリシロキサン−ポリアルキレンオキシドブロック共重合体の界面活性剤を用いることができ、これらのいずれか1つまたは複数を用いることができる。弾性体の形成に発泡剤を用いる場合、シリコン系界面活性剤が最適である。あるいはイオン導電性のソリッドゴム等を用いるようにすれば、トナーの融着等が生じない所定の抵抗値を維持でき、後に記述するように現像バイアス電圧を供給する時に有効に作用する。この現像剤担持体2の電気抵抗値はE3〜E7Ωであり、好ましくはE5〜E6Ωである。ISK−6301(アスカーC硬度計荷重1kgf)の硬度は60〜70であり、JISB0601の表面粗さRzは1〜6μm程度である。なお、加硫剤や充填剤の添加量によって弾性部材の硬度が調節できる。
この現像剤担持体2には、図示しない駆動モータが連結されており、図において矢印方向に現像剤担持体2が回転駆動される。そして、一成分現像剤7は、回転する現像剤担持体2の表面に吸着され、像担持体1の表面と対向する現像領域30へと搬送される。そして、現像剤担持体2が像担持体1の表面に圧接されているため、その圧接された領域が現像領域30となって、一成分現像剤7が感光体1の表面の静電潜像に吸引され現像されることになる。この現像剤担持体2には、現像バイアス電源回路(電圧供給手段)9から現像バイアス電圧Vbが供給されている。この現像バイアス電圧Vbは、像担持体1に形成された静電潜像にトナー付着させ、それ以外の領域、つまり非画像領域にトナーを付着させないような極性および電圧値で、例えば−150〜−400V程度に設定され、現像量アップ等でACも印加してよい。
前記した一成分現像剤7は、例えば平均粒径5〜12μm程度の一成分非磁性トナーであって、ポリエステル系トナーあるいはスチレンアクリル系トナーが用いられる。
このトナー粒子は、二成分現像装置、一成分現像装置に関わらず、着色剤が分散された結着樹脂から構成される。結着樹脂の材料としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等をあげることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等が用いられる。また、着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシン、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー180をあげることができる。本発明のトナーには、上記成分のほかに、必要に応じて帯電制御剤やワックスなどを含有させることができる。さらに必要に応じてシリカや酸化チタン、酸化亜鉛などの無機酸化物や有機微粒子等の外添剤を添加することもできる。
本発明において、トナーの体積粒径分布のシャープさを示す指標CV値は20%以下が
好ましい。このCV値は100×(粒径の標準偏差/粒径の平均値)で表され、大きいほど体積粒径分布がブロードで、小さいほど体積粒径分布はシャープなものとなる。
このCV値が20%を超えると、現像剤担持体2上のトナーの体積粒径分布変動が大きくなり、現像ゴースト、残像が発生しやすくなったり、選択現像により、帯電量が低いトナー(劣化トナーも含む)のトナーホッパ34中での蓄積が発生し、現像剤供給部材3への弱帯電トナーの目詰まりや後述する帯電部材6への詰まりや除電装置27への滞留等による現像剤担持体2への傷等部材劣化の要因となる。ところが、このCV値が小さいトナーを用いると、体積平均粒径に対して小さいトナーや大きいトナーの割合が少なくなるので、体積平均粒径の変動も小さくなることが予想され、現像剤担持体2上のトナーの比電荷量の変動も少なくなり、現像ゴースト、残像が発生せず、前述した部材の劣化も防止できる。
トナーの帯電量は、本発明においては、−10〜−35μC/g(正帯電の場合10〜30μC/g)が好ましい。より、好ましくは−15〜−30μC/g(正帯電の場合15〜30μC/g)である。帯電量が上記範囲を上回ると、トナーの電荷量が大きすぎて現像量が極端に減少したり、トナー電荷に見合う転写電界が不足して転写残トナーが極端に増加したり、トナー同士が反発しあって転写での飛び散りを起こしてしまう。また、上記範囲を下回ると、トナーホッパ34中における弱帯電トナーの割合が多くなり、現像剤供給部材3への弱帯電トナーの目詰まりや現像剤担持体2上のトナーの搬送力が弱くなり、帯電装置23へのトナーの軟凝集物のひっかかりが多くなる等の不具合が発生したり、転写工程で転写電界過剰により、また転写ニップ前後でのパッシェン放電や転写ニップ内での電荷注入により、トナーが逆極性に帯電しやすくなり、転写残トナーが極端に増加してしまったり逆転写を起こしてしまう。
現像剤供給部材3は、回転方向としては、現像剤担持体2の対向(圧接領域)部分で現像剤担持体2の回転方向と逆方向になるように回転駆動されている。この現像剤供給部材3は、現像剤担持体2と同様な素材を用いており、電気的抵抗の調整も現像剤担持体2と同様の抵抗調整材料で可能である。また、現像剤供給部材3の弾性をさらに大きくするために、発泡された(多孔質)素材を用いている。具体的には、体積抵抗率がE4〜E6Ωcm程度で、発泡によるセル数が約3〜4個/mmの導電性ポリウレタンフォームをステンレスや導電性樹脂などをシャフト上に形成している。現像剤供給部材3に関し、例えば直径は10〜40mmで、現像剤担持体2に対する周速比が概ね0.4〜2.0の間に設定される。シャフトには、電圧Vsとして例えば−150〜−600V程度で、トナー供給力アップ等でACが印加されてもよい。現像剤供給部材3は、0.5mm〜1mmの接触深さで現像剤担持体2に接触される。トナー7は、該供現像剤給部材3によってたとえば負に予備帯電される。
上記現像剤供給部材3には、バイアス電源回路(電圧供給手段)11からバイアス電圧Vsが印加されており、一般的にはトナーを現像剤担持体2側に押し出す方向、つまり現像剤供給部材3側のトナーを反発し現像剤担持体2へと供給する方向のバイアス電圧が設定されている。例えば、負極性のトナーを用いる場合は、負極性側にさらに大きなバイアス電圧Vsを現像剤供給部材3に印加している。
現像剤担持体2および現像剤供給部材3は、図示しない駆動モータが連結されており、図において矢印方向に回転駆動されることで、現像剤供給部材3によって現像剤担持体2にトナーを供給すると共に、現像後に現像に寄与されなかった現像剤担持体2表面のトナーを剥離(除去)する。この現像剤供給部材3にて供給されたトナーは、現像剤担持体2の表面に付着され、像担持体1の表面と対向する現像領域30へと搬送される前に、該現像剤担持体2に適度に圧接された帯電部材6にて、トナー付着量を規制し一定のトナー層
厚に規制している。
帯電部材6は、現像剤担持体2に適度の圧力にて圧接されている。この帯電部材6は例えば板状の金属材等からなるブレード構成部材で形成されており、その先端近傍の腹(面)の部分が現像剤担持体2に圧接されている。したがって、現像剤担持体2に供給されたトナー7は、帯電部材6の所定の設定圧力や設定位置によって所定の帯電電荷量と厚みに規制され、像担持体1と対向接触する現像領域30へと搬送されていく。上記帯電部材6は、一端が現像装置8側に固定され、他端の自由端側の腹の部分が現像剤担持体2の表面に圧接するように設けられている。該帯電部材6は、例えば板厚0.1〜0.2mm程度のリン青銅、あるいはステンレス(SUS)等の金属板にて構成され、現像剤担持体2に対して所定圧で、その長手方向(現像剤担持体2の回転軸方向)に沿って先端の近傍の腹部分が圧接されている。これにより帯電部材6にて、現像剤担持体2の表面に現像剤供給部材3を介して担持された一成分現像剤7の量が一定にされ、像担持体1と接触する現像領域30へと搬送される。
この帯電部材6においても、バイアス電源回路(電圧供給手段)10から所定の電圧Vdが供給されている。このバイアス電圧Vdにおいても、トナー7を現像剤担持体2側へと押し出す方向、例えば負極性トナーであればより負極性側に大きな値が設定されている。また、帯電部材6に供給するバイアス電圧Vdは、現像剤担持体2に供給される現像バイアス電圧Vbと同電位に、またその絶対値で大きい値に設定する場合もある。該帯電部材6によって、現像剤担持体2上のトナー付着量は約0.4mg/cm2〜0.7mg/cm2に、トナー帯電量は約−15μC/g〜−30μC/gに規制される。なお、現像剤担持体2上のトナーを所定電位に帯電しかつトナーの層厚を規制する帯電部材6とバイアス電源回路10とを含んで帯電手段が構成される。
一方、像担持体1と対向する現像領域30に搬送されたトナー7は、像担持体1の表面に形成された静電潜像に応じて選択的に付着され、静電潜像をトナーの色により顕像化する。そして、現像に寄与されなかったトナー7は、現像剤担持体2の回転によりトナーホッパ34内に戻される。その戻される位置には、トナーの除電部材5が現像剤担持体2に圧接されるように設けられている。
この除電部材5は、現像剤供給部材3の現像剤担持体2回転方向の手前に配置されており、適度に現像剤担持体2に圧接させるように一端部分が現像装置8に固定され、自由端側の腹を現像剤担持体2に圧接する領域を有するバネ性を利用して圧接させるようにしている。なお、図2の現像装置8におけるように、下シール部材を兼ねる除電部材5にすれば、現像剤担持体2に対する当接圧力が、シール部材を兼ねさせるがために或る範囲に決められてしまうが、シール部材と別途に除電部材5を設ける必要がないので、それだけ現像装置製作コスト上有利である。
本発明において、除電部材5は、導電性の良い材料を分散させてある。そして図2に示すように、除電部材5にも除電バイアス電源(電圧供給手段)12が接続され、除電バイアス電位Vjが印加される。そして、除電部材5および除電バイアス電源12を含んで除電手段が構成される。
この除電バイアス電位Vjは、像担持体1上の静電潜像の現像後なお現像剤担持体2上に消費されずに残っている余剰トナー層から除電部材5へ電荷の移動が円滑に行われるように、電源12から現像剤担持体2に印加された現像バイアスVbにトナーの帯電により発生するトナー層電位Vtを加えたトナー層の表面電位に対して、負帯電性トナー使用のときは、除電バイアス電位Vj>トナー層表面電位(Vb+Vt)(<現像バイアス)となり、正帯電性トナー使用のときは、除電バイアス電位Vj<トナー層表面電位(VB+
VT)(>現像バイアス)となるように選ばれる。なお、この不等式は各電位の正負を考慮している。ここでは除電バイアスVjは直流であるが、交流を印加しても良い。
本発明において、除電部材5で現像後の残留トナーを除電することにより、除電部材5へ流れ込む除電電流値を−1.5〜−5.0μA(負帯電トナーの場合)に規制している(なお、正帯電トナーの場合、1.5〜5.0μA)。この除電電流値は、除電部材5と現像剤担持体2の間の電位差を小さくする、除電部材5の抵抗値を高くする、除電部材5と接地の間に20MΩ以上の接地抵抗を設けたりして規制することができる。
また、これは除電部材5自体の摩擦帯電による現像剤担持体2上のトナーの除電を考慮した除電電流値とすることができ、トナー層電流値以上(−5μA以下)の過剰な除電電流値にならずとも、現像ゴースト、残像等の画像不具合を防止できると共に、除電部材5への過剰な除電電流が流れないので、除電部材5と現像剤担持体2の間で、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材5や現像剤担持体2等の現像器部材を劣化させるのを防止できる。
また、過剰な除電を防止でき、逆極および弱帯電トナーの発生を低減できるので、現像剤担持体2上のトナー層厚ムラによる濃度ムラが発生したり、この逆極および弱帯電トナーが現像剤供給部材3の目の中に多量に入り込んで現像剤供給部材3を硬化させ、その現像剤供給部材3が現像剤担持体2を削ったりすることを防止できる。
さらに、除電後も、過剰に現像剤供給部材3により現像剤担持体2上のトナーを掻き取らないので、現像剤供給部材3からトナーが現像剤担持体2に供給された後に、トナーホッパ34からの未帯電トナーが供給されても、ある程度の帯電量を保ったトナー層があり、現像剤担持体2自体のトナー搬送力も強く、トナーの軟凝集物が帯電部材6に引っかかるのを防止し、画像上に白筋が発生するのを防止できる。
なお、この除電電流は、図4に示すように、除電部材5と現像剤担持体2の間の電位差と除電部材5とトナー15の摩擦帯電により現像剤担持体2上のトナーが除電されて、除電部材5に電荷が流れ込むものであり、除電部材5と接地の間に電流計19を設けて測定できるものである。
また、本発明における除電部材5は、樹脂やSUS等の金属まで種々の導電性材料であれば良いが、好ましくはいずれもトナー7よりも帯電系列上、該トナーの正規帯電極性と同極性側にかたよった材料で形成してあり、且つ、導電性の良い材料を分散させてあるのがよい。例えば前記トナー7よりも帯電系列上、該トナーの正規の帯電極性と同極性側に片寄った材料としては、負帯電トナーに対しては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、四フッ化エチレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、4フッ化エチレン・パーフロロプロピルビニルエーテル(PFA)等のフッ素樹脂を例示でき、また、正帯電トナーに対してはポリアミド(ナイロン)、シリコン系樹脂を例示できる。これら材料に抵抗調整するものとして、分散させる導電性良好な材料として、カーボン、各種導電性金属粒子等のほか、適当な荷電制御物質も例示できる。なお、この分散は荷電制御物質を塗布することも含むものである。これにより、除電部材5の帯電能力確保ができるので、トナー劣化や現像器部材等の劣化の要因となる過剰な除電電流値(−5.0μA以下)にしなくとも、除電部材5と現像剤担持体2の電位差を大きくしなくとも、現像ゴーストや残像を防止できる。
また、除電部材5がフッ素系樹脂の中でも特に帯電能力が高いポリフッ化ビニリデン(PVDF)または4フッ化エチレン・パーフロロプロピルビニルエーテル(PFA)系樹脂で構成したものであり、さらに除電部材5の帯電能力を向上させることができるので、
トナー劣化や現像器部材等の劣化の要因となる過剰な除電電流値(−5.0μA以下)と除電部材5と現像剤担持体2の電位差をさらに低減可能にし、現像ゴーストや残像の防止と両立できるようにしたものである。
さらに、除電部材5の表面抵抗値をE4〜E9Ω・cmとしたものであり、この構成により、トナー15の電気抵抗値と同等以上に除電部材5の電気抵抗値に設定するので、除電部材5と現像剤担持体2の間で、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したり、現像後に現像剤担持体2上のトナー15が少なくなっている、またはトナー15が殆どない部分に過剰に電位差が生じて部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したりするのを低減させることができ、トナー15を劣化させたり、除電部材5や現像剤担持体2等の現像器部材を劣化するのを防止できる。この抵抗値は好ましくは、E5〜E7Ω・cmである。これにより、安定した除電と放電による現像器部材劣化の両立の精度向上を図れる。
また、除電電流Aj、帯電部材6通過後の現像剤担持体2上のトナー15の帯電量Q/Mが、3.0≦(Q/M)/Aj≦12.0であるとしたものであり、この構成により、除電部材5の摩擦帯電による現像剤担持体2上のトナー15の除電とトナー層帯電量の両者を考慮した除電電流値とすることができ、除電の精度向上を図ることができる。
また、図2に示すように、除電部材5の現像剤担持体2とは反対側にバックアップスポンジ13が設けられている。このバックアップスポンジ13は、除電部材5とトナーホッパ34の下部との間に、これらに接するように挿入されている。該バックアップスポンジ13によって除電部材5を現像剤担持体2に十分に接触させることができ、現像後の現像剤担持体2上のトナー15の電荷を確実に除電することができ、かつトナーが除電部材5と現像剤担持体2の間から漏れるのを防止することができる。さらに、除電部材5とトナーホッパ34の下部の間にトナーが入り込みすぎて、除電部材5の現像剤担持体2への接触圧力が過剰になるのを防止することができる。このようなバックアップスポンジ13は、図2〜図4に示すように、その弾性度を最適化することによってトナーのこぼれや飛散を防ぎ、溜まることなくトナー15をトナーホッパ34に回収することができる。すなわち、バックアップスポンジ13は発泡誘電体と発泡剤とを含む発泡体から構成することが好ましく、バックアップスポンジ13と現像剤担持体2の接触面積を確実に確保でき、除電効率が向上し、また接触時の負荷の低減を図ることができる。
特に、前述した発泡誘電体は、EPDM、ウレタン、ナイロン、シリコン、PET、PTFE、PVDF、天然ゴム、ニトリルブタジエンゴム、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴムおよびポリノルボルネンゴムのうちのいずれか1つであることが好ましい。
また、除電部材5は例えば現像剤担持体2へ0.2〜0.7mm食い込むようにして、現像剤担持体2と除電部材5とのニップが0.5〜3mm程度になるように設定されている。そして、除電部材5には、現像剤担持体2に対して、例えば+0〜+300Vの電圧Vjが印加される。
また、本発明において、前述した除電部材5とトナーホッパ34の下部の間のバックアップスポンジ13の弾性度を調節して除電部材5と現像剤担持体2の接触ニップ幅が2mm以下、およびトナー15の内部摩擦係数μt、現像剤と現像剤担持体2との摩擦係数μrt、トナー15と除電部材5との摩擦係数μjtが、μjt<μt<μrtとしたものであり、この構成により、現像剤担持体2上のトナー15が除電部材5表面に接触時間を短くし、現像剤担持体2とトナー15およびトナー同士の摩擦抵抗よりも除電部材5とトナー15の摩擦抵抗を小さくしたことにより、除電部材5のニップ部にトナーが滞まるこ
とがなく、トナーを回収でき、かつ除電部材5のニップ部の発熱も少なくなるので、除電部材5へのトナー固着を防止できる。
また、本発明における除電部材5は、その引っ張り強度が1MPa以上であるとしたものであり、この構成により、現像剤担持体2上のトナーの外添剤等により、除電部材5のニップ部を過剰に摩耗したり、引き裂いたりしないので、除電部材5のニップ部にトナーが堆積、固着して、その部分での現像剤担持体2を削るのを防止できる。
次に、図2および図3を用いて、このような構成を有する現像装置8についての動作の概略を説明する。
トナーホッパ34内に収容されたトナー7は、撹拌供給部材4によって現像剤供給部材3の近傍に供給される。なお、撹拌供給部材4は無くても良い。次に、相互に同じ回転方向に回転している現像剤供給部材3と現像剤担持体2は、前述したようにそれぞれトナー7が現像剤供給部材3から現像剤担持体2へ移動するような電圧が印加されており、現像剤供給部材3によってトナー7は現像剤担持体2へ供給、付着される。現像剤担持体2に付着したトナー16は、現像領域30の現像剤担持体2回転方向受領側に設けられた帯電部材6の近傍へ搬送される。また、帯電部材6は前述した電圧が印加されており、所定のトナー15と電荷量に帯電される。現像剤担持体2に付着した帯電したトナー15は、現像領域30へ搬送されて前述したようにして像担持体1の表面の静電潜像を顕像化(現像)する。現像後、現像領域30を通過した現像剤担持体2に残存するトナー7は、現像領域30の現像剤担持体2回転方向下流側に設けられた除電部材5の近傍へ搬送される。この除電部材5には、前述したような現像剤担持体2上のトナー7を除電できる所定の電圧が印加されており、除電部材5によって現像剤担持体2上のトナー7を除電する。また、図3に示すように、現像剤担持体2にはこの現像剤担持体2との接触点で移動方向が逆となる現像剤供給部材3が圧接されており、これによってトナー7は現像剤担持体2から剥離(掻き取られ)され、トナーホッパ34内に回収されて再利用される。このような工程によって繰り返し画像が形成される。
次に、前述した除電後の現像剤担持体2上のトナー7の現像剤供給部材3による掻き取りについて、現像剤供給部材3による現像剤担持体2上の現像剤(トナー)の掻き取り効果を示す図5を用いて説明する。
前述した除電電流値(−1.5〜−5.0μA)の範囲では除電効果を「中」としており、除電後の現像剤担持体2上のトナーの現像剤供給部材3での掻き取りが完全なものではなく、一部トナー(例えば掻き取り前の30〜70%程度)を残すものである。これにより、ある程度現像剤担持体2上のトナー7が入れ替わるので、現像剤担持体2上のトナーの粒径変動もあまり無く、現像剤担持体2上のトナーの帯電ムラもなく、現像ゴーストの発生を低減でき、また現像剤供給部材3から現像剤担持体2へのトナー7の移動がスムーズに行われ、現像剤供給部材3へのトナーの移動を低減できるので、現像剤供給部材3へのトナー目詰まりが発生して、現像剤供給部材3が硬くなることによる現像剤担持体2の削れを防止できる。
また、現像剤担持体2上のトナーの帯電量も極端に落ちないので、帯電ムラによる濃度ムラ発生も低減でき、ある程度の現像剤担持体2上のトナーの搬送力も確保できので、トナーホッパ34内のトナー軟凝集物が帯電部材6の近傍に滞留することがない。
また、除電効果が「大」(−5.0μA以下)の場合、除電後の現像剤担持体2上のトナーの現像剤供給部材3での掻き取りが完全なものである(例えば、掻き取り前の70%以上)。これは、現像剤担持体2上のトナーの帯電量が除電によりかなり小さくなるので
、現像剤担持体2と一成分現像剤7の付着力が弱いため、現像剤供給部材3により掻き取りやすくなることに起因する。これにより、殆ど現像剤担持体2上のトナー7が入れ替わるので、現像剤担持体2上のトナーの粒径変動が減少し、現像ゴーストの発生を低減でる。
また、現像剤供給部材3から現像剤担持体2へのトナー7の移動がスムーズに行われ、現像剤供給部材3へのトナーの移動を低減できるので、現像剤供給部材3へのトナー目詰まりが発生して、この現像剤供給部材3が硬くなることによる現像剤担持体2の削れを防止できる。
しかしながら、除電後に現像剤担持体2上のトナーの帯電量も極端に落ちるため、現像剤担持体2上のトナーの帯電ムラによる濃度ムラ発生したり、現像剤担持体2上のトナーの搬送力も確保できなくなり、トナーホッパ34内のトナー軟凝集物が帯電部材6近傍に滞留するしてしまい、画像に白筋を発生させてしまう。さらに、除電後に現像剤担持体2上のトナーが殆ど現像剤供給部材3により掻き取られるため、印字濃度が高いものを現像すると、現像剤供給部材3から現像剤担持体2へのトナー供給不足が発生し、トナー追従不良によるはけ目が発生してしまう。また、除電効果が「小」(−1.5μA以上)の場合には、除電後の現像剤担持体2上のトナーの現像剤供給部材3での掻き取りが殆どない(例えば掻き取り前の30%以下)。これは、逆に現像剤担持体2上のトナーの帯電量があまり除電されないので大きく、現像剤担持体2と一成分現像剤7の付着力が大きいため、現像剤供給部材3により掻き取りにくいことに起因する。これにより、殆ど現像剤担持体2上のトナー7が殆ど入れ替わらないので、現像剤担持体2上のトナーの粒径変動が多く、現像ゴーストが発生してしまう。また、現像剤供給部材3から現像剤担持体2へのトナー7の移動がスムーズに行われず、現像剤供給部材3へのトナーの移動が多くなるので、現像剤供給部材3へのトナー目詰まりが発生して、該供給部材が硬くなることによる現像剤担持体2の削れが発生してしまう。また、現像剤担持体2上のトナーの帯電量も低下させず維持できるので、現像剤担持体2上のトナーの帯電ムラによる濃度ムラ発生も無く、現像剤担持体2上のトナーの搬送力も確保できるので、トナーホッパ34内のトナー軟凝集物が帯電部材6近傍に滞留することもない。
また、図6(除電部材と接地の間に所定の接地抵抗を有する現像装置を示す概略図)と図7(除電部材と接地の間に所定の接地抵抗を有する現像装置において、現像、除電、現像剤供給、帯電(薄層化)部の詳細を説明する概略図)に示すように、本発明は、除電部材5に電位を与える電圧供給手段12の代わりに、除電部材5と接地の間に所定の接地抵抗20を設けて、現像剤担持体2と除電部材5の間に電界を与えるようにしたものである。
この構成により、現像剤担持体2と接地の間に中抵抗の除電部材5と接地抵抗20を設けて、抵抗分割により、除電部材5に電位を与えることができるので、除電部材5への電位供給のための電源を不要とできる現像装置8が得られる。この接地抵抗20は、先に述べた除電電流を規制する(−5.0μA以上)ために20MΩ以上、より好ましくは40MΩ以上がよい。これにより過剰な除電電流を防止でき、現像剤供給部材3の劣化を防止できる。
また、接地抵抗値を現像剤担持体2上の現像剤層の電気抵抗値よりも高く設定するとしたものであり、この構成により、除電部材5と現像剤担持体2の間で、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したり、現像後、現像剤担持体2上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体2と除電部材5の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材5や現像剤担持体2等の現像器部材を劣化させるのを防止できる。また、この接地抵抗
の大きさは図5における除電効果「中」の効果をもたらすものであり、現像装置8としての動作と効果は前述したとおりである。
また、図8(現像剤担持体と除電部材の間にツエナーダイオードを有する現像装置を示す概略図)と図9(現像剤担持体と除電部材の間にツエナーダイオードを有する現像装置現像装置において、現像、除電、現像剤供給、帯電(薄層化)部の詳細を説明する概略図)に示すように、本発明は、現像剤担持体2と除電部材5の間にツエナーダイオード22を設けて所定の電位差以上に電界が働かないようにしたものである。
この構成により、除電部材5と現像剤担持体2の間で、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したり、現像後、現像剤担持体2上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体2と除電部材5の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材5や現像剤担持体2等の現像器部材を劣化させるのを防止できるようにした現像器を得ることができる。また、このツエナーダイオードの大きさは図5における除電効果「中」の効果をもたらすものであり、現像装置8としての動作と効果は前述したとおりである。
また、ツエナーダイオードにより電位差を100V以下としたものであり、より好ましくは70V以下である。この構成により、除電部材5と現像剤担持体2の間での電位差を100V以下にしたことにより、除電部材5と現像剤担持体2の間で放電開始電圧になるのを防止することができるので、除電部材5と現像剤担持体2の間で、過剰に電位差が生じて、部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生したり、現像後、現像剤担持体2上のトナーが少なくなった場合、または殆どトナーが無い場合に、現像剤担持体2と除電部材5の間で部分的に過電流が流れたり、放電現象が発生し、トナーを劣化させたり、除電部材5や現像剤担持体2等の現像器部材を劣化させるのをさらに防止できる。
なお、このツエナーダイオード電圧値は、トナーの平均帯電量が低い程有効であり、平均帯電量が20μC/g以下であれば、50V以下が好ましい。
また、現像剤担持体2と除電部材5の押圧力を引っ張り荷重30〜100gf以下としたものであり、この構成により、強く除電部材5を現像剤担持体2に当てすぎて、現像後の現像剤担持体2上に残留するトナーの電荷を過剰に除電して前述した不具合を発生させたり、現像剤担持体2上のトナー層が除電部材5を通過できず、トナー漏れを発生させたり、除電部材5の押圧力が弱い場合は、摩擦帯電能力の高い除電部材5を用いない限り、除電効果を高めるためには、過剰に除電部材5と現像剤担持体2の間に電位差を持たせなければならないため、除電部材5と現像剤担持体2の間で放電が起こりやすくなり、各種部材を劣化させてしまうのを防止でき、安定した除電と現像器部材劣化を防止できる。
なお、上述した現像剤担持体2と除電部材5の押圧力の引っ張り荷重は、図10の除電部材5と現像剤担持体2の押圧力の測定方法を示す概略図において、巾10mm、厚さ0.1mmのPETシートをトナーがない状態で現像剤担持体2と除電部材5の間に挟み、引抜き荷重を測定したものである。
また、現像剤の粒度分布および帯電量分布を狭くする、特にCV=100×(標準偏差/平均値)と定義される体積粒径分布を現すCV値[%]が20%以内としたものであり、この構成により、現像の粒径選択による現像前後の粒径変動を少なくすることができるので、現像剤担持体2上のトナーの比電荷変動を防止でき、現像ゴースト、残像を防止できる、かつ粒径選択の進行による現像器内の劣化トナー蓄積を防止できる。
次に、本発明にかかる現像装置の具体的な実施の形態を説明する。
〔実施例〕
下記のような仕様の除電部材5、現像剤担持体2、現像剤供給部材3を有する現像装置を前述した画像形成装置に取り付け、現像ゴーストとLifeによる現像器部材の劣化具合(現像剤担持体2の摩耗、削れによる画像上の黒スジ発生具合)を評価した。
ここで、除電部材5については、図2、図6、図8に示すように下シール部材を兼ねさせ、現像剤担持体2に電気的に接触させた。材質は4フッ化エチレン・パーフロロプロピルビニルエーテル(PFA)系樹脂にカーボンを分散させたシートで、表面抵抗値が約E5Ω・cm(10V・15秒印加時)、厚みが110μm、ニップ幅が1.5〜2.5mm、現像剤担持体2への食い込み量が約0.5〜0.7mmである。
また、現像剤担持体2については、材質は導電性シリコンゴムで、外径がφ16、体積抵抗がE3〜E5Ω・cm、硬度が約60°(JIS A)である。
現像剤供給部材3については、材質は導電性ウレタンフォームで、外径がφ13.2、体積抵抗がE4〜E6Ω・cm、硬度がアスカーF 約70°、セル数が3.1個/mm以上である。
なお、感光体としてはアルミ素管にCGL、CTLを順次積層した、膜厚約20μm、φ24のOPCドラムを使用した。また、トナーは体積50%径が約9.0μm、見かけ密度0.35〜0.40g/cm3の非磁性トナーを使用した。また、現像剤担持体2上のトナーの帯電量は約−17〜25μC/gであり、トナー層厚は0.43〜0.53mg/cm2程度とした。また、感光体である像担持体の表面電位は約−550〜−600Vとした。さらに転写装置として、ポリカーボネートの中間転写ベルトを使用し、転写部には中間転写ベルトの裏側に転写ローラを使用した。
像担持体(感光体)を約100mm/sの速度で回転させ、現像剤担持体2は、像担持体に対しウィズ回転で1.33倍の周速比で回転させ、現像剤供給部材3は、現像剤担持体2に対し、食い込み量約0.6mm、アゲインスト回転で、周速比0.52で回転させた。
以上の条件のもと、除電部材5に印加する直流電圧Vjまたは除電部材5と接地の間にいれる接地抵抗を調節することにより(接地抵抗で除電電流を調節する方が除電部材5に供給する電源が不要となるのでコスト、小型化に有利)、除電電流を変えて、印字後に現像ゴースト、トナー追従性を目視で観察し、Life(約16000枚印字)における現像剤担持体2の摩耗、削れによる画像上黒スジの有無およびトナー劣化による画像上白スジ発生の有無を観察した。
なお、現像ゴーストは、図12に示すような画像先頭部分の現像剤担持体の2周分程度に相当する部分にベタパッチ(20×20mm)パターンを数個配置し(現像剤担持体周期に重ならない)、現像剤担持体の3周目程度以降に相当する画像後半部分は均一なハーフトーンを配置した画像、フルベタで確認をした。トナー追従性についてはフルベタ、白スジおよび黒スジ発生具合はハーフトーンで確認をした。さらに上記画像に加えて自然画でも確認を行った。
その結果を(表1)に示す。
上記の(表1)で、現像ゴーストでの×は、現像ゴーストチェックパターン、フルベタおよび自然画でいずれもゴーストが目視ではっきり確認できるレベルを示す。また、△は、現像ゴーストチェックパターン、フルベタでゴーストが目視で確認できるが、自然画ではゴーストが目立たないレベルを示す。そして、○は、いずれのパターンでもゴーストが目立たないレベルを示す。
また、トナー追従性については、×はフルベタでも自然画でもトナー追従不良によるはけ目がはっきり確認できるレベル、△はフルベタで確認できるが、自然画では目立たないレベル、○はフルベタでも自然画でも目立たないレベルを示す。
さらに、白スジ、黒スジについては、×はハーフトーンでも自然画でも白スジ、黒スジがはっきり確認できるレベル、△はハーフトーンで確認できるが、自然画では目立たないレベル、○はハーフトーンでも自然画でも目立たないレベルを示す。
なお、上記結果は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのいずれにおいても同様な結果であった。
また、除電部材5をポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、SUS等の金属に変えて評価しても除電部材5に供給する電圧や接地抵抗値が変化するが除電電流を上記に合わせると、ほぼ上記と同等な結果となった。
トナー追従性については、除電効果が高すぎると、現像装置8中のトナーに逆極または帯電量が低いものが多くなるため、現像剤供給部材3の供給能力が小さくなるために、悪化することが確認された。逆に、除電効果が小さすぎても、除電後の現像剤担持体2上の現像剤が多く残っているので、現像剤供給部材3から現像剤担持体2への現像剤供給がスムーズに行われないため、現像剤供給部材3の供給能力が小さくなるために、悪化することが確認された。
次に、除電電流を除電効果の大小で3つに分けて、現像剤担持体2、除電部材5のニップ部表面を観察し、除電前後の現像剤担持体2上のトナー7の帯電量を測定し、除電後の現像剤担持体2上のトナーの掻き取り効果、現像剤担持体2の現像剤搬送力と現像剤供給部材3から現像剤担持体2への現像剤供給力とを調査した結果を(表2)に示す。
表中、除電後現像剤掻き取り効果については、図5に示すように、現像剤担持体2および現像剤供給部材3のニップ上のトナーの残り具合で判定し、殆どトナーが残ってない状態を掻き取り効果大、殆どトナーが残っている状態を小、その間を中とした。
また、現像剤搬送力に関しては、除電後帯電量が大きい程、現像剤担持体2上のトナーが現像剤供給部材3による掻き取りも少なく、ある程度帯電量を持ったトナーが残っているので、現像剤搬送力は高くなる傾向を示した。逆に、除電後帯電量が低い程、現像剤搬送力は小さくなる傾向を示し、帯電部材へのトナー付着等による白スジが発生する傾向を示した。
そして、現像剤供給力に関しては、掻き取り効果が中、すなわち除電効果中が一番良好であることが確認できた。掻き取り効果が大の場合、除電後の現像剤帯電量が低すぎて、現像剤供給部材3へ現像剤が入り込んで現像剤供給部材3が硬くなることが確認された。逆に、掻き取り効果が小の場合、除電後の現像剤担持体2上の現像剤が多く残っているので、現像剤供給部材3から現像剤担持体2への現像剤供給がスムーズに行われないことが確認できた。したがって、これも現像剤供給部材3に一成分現像剤7が目詰まり、現像剤供給部材3が硬くなることが確認された。これら現像剤供給部材3が硬くなると、現像剤担持体2を摩耗、削り黒スジに発展することが確認された。
さらに、Life後の現像剤担持体2、除電部材5、現像剤供給部材3、現像装置8中のトナー7を観察すると、除電電流が大きくなる程、除電部材5上に放電痕やトナー固着、現像剤供給部材3のトナー目詰まり、現像剤担持体2の摩耗や傷、トナー劣化が多く見られた。また、黒スジに関しては、除電電流が小さすぎても発生しやすく、除電後の現像剤担持体2上のトナー7の帯電量が高く、現像剤供給部材3による掻き取り効果が少ないので、現像剤供給部材3から現像剤担持体2へのトナー供給がスムーズに行われず、現像剤供給部材3へのトナー目詰まりがおきやすくなったためと考えられる。
以上の結果から、除電電流を特定の設定範囲(−1.5〜−5.0μA)に設定することで現像ゴースト、トナー追従不良、白スジ発生の防止と現像器部材劣化による黒スジ発生を防止できることが判明した。
(実施例2)
次に、除電部材5と現像剤担持体2の電位差が200Vに固定(現像バイアス−250V、除電部材5への供給バイアス−50V)して、種々の除電部材5を用いて、上記と同様に現像ゴースト、トナー追従性、白スジ発生具合確認実験を行った。
その結果を(表3)に示す。
なお、ハーフトーンでの濃度ムラは、PFAとPVDFIで良好な結果であった。これは、先に述べたように、除電後の現像剤担持体2上のトナーが適度の帯電量を持ち、現像剤供給部材3による掻き取り効果が適度であるため、現像剤供給部材3から現像剤担持体2への供給がスムーズで安定した帯電量が得られるためと考えられる。
また、白スジ発生具合で△〜○は、(表1)で述べた意味に加えて、初期画質では発生しないが、Lifeでのトナー劣化が発生した場合に白スジ発生があったことを示す。
これは、先に述べた除電効果が高すぎた場合と同じ現象がトナー劣化の帯電量低下で発生したと考えられる。したがって、後述するように、Lifeによるトナー帯電量低下を見越してマージン設計が必要であることを示す。後で除電部材5と現像剤担持体2の電位差を小さくして、放電による現像器劣化改善、トナー劣化での帯電量低下による白スジ発生防止マージンの拡大検討結果を示す。
表中の除電電流は、正確には除電部材5への流れ込み電流値であり、除電部材5、トナーの抵抗値、帯電量に左右されるものである。また、帯電系列上、摩擦帯電能力が高い方が大きくなる傾向にあり、現像ゴースト防止に効果的である。
したがって、除電部材5の現像剤担持体2に当接する表面が現像剤よりも帯電系列上、該現像剤(トナー)の正規の帯電極性と同極性側に片寄った材料を選択する方が現像ゴースト防止マージンを拡大できることが判明した。
さらに、この実施例では現像剤担持体2と除電部材5との電位差を200Vとしたが、除電部材5と現像剤担持体2との間での放電による現像器部材の劣化を防止するためには
該電位差を小さくする必要があり、特に現像ゴースト防止マージンが広いPFAとPVDFが有利と考えられる。
また、除電電流はトナー帯電量と密接に関係があり、除電電流が大きいと除電効果が高く、帯電量が下がる、逆に除電電流が小さいと帯電量は上がる。現像ゴースト、トナー追従性、白スジ発生は、除電電流と帯電量に大きく依存する。
(表3)の結果から、除電電流Aj、前記帯電部材通過後の現像剤担持体2上の現像剤(トナー)の帯電量Q/Mが、3.0≦(Q/M)/Aj≦12.0であると、過剰な除電や過小な除電による現像ゴースト、トナー追従性不良、白スジ発生を同時に防止できることが判明した。
(実施例3)
次に、除電部材5にPVDFIを用いて、除電部材5と現像剤担持体2の電位差を変化させて、種々の除電部材5を用いて、実施例1と同様な実験を行った。
その結果を(表4)に示す。
表中、除電部材5と現像剤担持体2の電位差を小さくすることは除電効果を下げることを意味し、小さくする程、除電後の帯電量を上げるのでトナー搬送力を増すことで、白スジ発生を防止できることが確認された。また、電位差200Vでは除電効果が高いため、現像剤供給部材3から現像剤担持体2へのトナー供給力を低下させていたものが、電位差を小さくして除電効果を小さくしていくとトナー追従性が良好になることが確認された。表中のトナー追従性は50Vにしても良好であるが、PVDFの除電能力が高いためと考えられる。なお、表中現像剤担持体2と除電部材5の電位差が100V以下では、帯電量は−22〜−30μC/gの範囲にあり、除電電流も−2.0〜−4.5μAの範囲にあり、全て前述した3.0≦(Q/M)/Aj≦12.0を満足し、過剰な除電や過小な除電による現像ゴースト、トナー追従性不良、白スジ発生を同時に防止できると共に現像剤供給部材3の供給力低下で現像剤供給部材3へのトナー目詰まりによる現像剤担持体2摩耗を防止、過剰な除電電流で放電劣化による現像剤担持体2摩耗を防止できることが判明した。
さらに(表3)と(表4)の結果より、摩擦帯電能力が高い程、除電部材5と現像剤担
持体2の電位差を小さくしても現像ゴーストを防止できるので、除電部材5と現像剤担持体2の間での放電を防止でき、黒スジ発生を低減できることが判明した。
(実施例4)
また、除電部材5にPTFEとPVDFIを用いて、前述の現像剤担持体2と除電部材5の電位差を、除電部材5への供給電圧を調整した場合と現像剤担持体2と除電部材5にツエナーダイオードを入れることで電位差調整した場合で、現像ゴースト、トナー追従性、白スジ、黒スジ発生具合を比較した。
同じ電位差でも、ツエナーダイオードを入れることで電位差調整した方が、現像剤担持体2および除電部材5の抵抗の大きさに関わらず、また現像剤担持体2上のトナーの有り無しによる抵抗変動に関わらず、正確に除電部材5と現像剤担持体2の電位差を保てるので、除電部材5に過剰に電流が流れることも無く、安定した現像ゴースト防止、トナー追従性が得られ、白スジ、黒スジも発生程度が低いことが判明した(除電部材5ニップ部の放電痕が少なく、帯電量変動が少ないことが確認できた)。
特に、除電部材5への電圧供給方式だと、現像後、現像剤担持体2上にトナーが無い場合、除電部材5と現像剤担持体2の間で部分的に過剰な電流が流れたり、電圧変動による放電が発生してできたと考えられる放電痕や部材劣化が発生する頻度がいくらか多いのが確認された。
このツエナーダイオードは、前述したように100V以下に設定する方が黒スジ発生が低減できることも確認された。
(実施例5)
次に、前述したPVDFIを用いて、除電部材5と現像剤担持体2の電位差を150Vに固定して、除電部材5抵抗による現像ゴースト、トナー追従性、白スジ、黒スジ発生具合について評価した。
実施例1〜3で使用した除電部材5の表面抵抗は主にE5Ω・cmであったが、表面抵抗がE4以下の場合、現像ゴーストは良好であったが、除電効果が高すぎて除電後の現像剤担持体2上のトナーの掻き取りが過剰となり、トナー搬送力と供給力が低下し、白スジおよびトナー追従不良が発生した。除電効果を下げるため、除電部材5と現像剤担持体2の電位差を小さくしたが、除電部材5の抵抗が小さいため、現像剤担持体2から除電部材5への放電劣化が発生する傾向にあった。その結果、除電部材5上の放電によって劣化部分にトナーが堆積し、それが現像剤担持体2を削り黒スジが発生した。
逆に、除電部材5の表面抵抗が約E9Ω・cm以上の場合は、放電による除電部材5の劣化は減少するが、除電効果が低下しすぎて現像ゴーストが目立つことが確認された。
したがって、除電部材5の表面抵抗は、E4〜E9Ω・cmに、より好ましくはE5〜E7Ωcmに設定することで、現像ゴースト、トナー追従不良、白スジ発生防止と放電による現像器部材劣化を低減できることが判明した。
(実施例6)
次に、前述したPTFE(フッ素樹脂)である除電部材5の強度による黒スジ発生具合について評価した。なお、除電部材5と現像剤担持体2の電位差150Vに固定した。
除電部材5の強度が小さいと(引っ張り強度が1MPa以下)、Lifeでの摩耗で除電部材5材料の剥離や劣化が発生しやすく、その部分にトナーが固着して、現像剤担持体
2を削る現象が確認された。
逆に、除電部材5の強度が大きいと(引っ張り強度が1MPa以上)、Lifeでの摩耗で除電部材5材料の剥離や劣化が発生が少なく、その部分にトナーが固着して、現像剤担持体2を削る現象が低減できることが確認された。特に、前述したPVDFは強度が大きく、摩耗が少なく最適であり、除電部材5の劣化を大幅に低減できることが判明した。
(実施例7)
次に、現像剤担持体2と除電部材5の押圧力による現像ゴースト、トナー追従性、白スジ発生および黒スジ発生具合について評価した。なお、現像剤担持体2と除電部材5の電位差は150Vに固定した。
その結果を(表5)に示す。
(表5)の結果より、前述したように押圧力が30gf以下であると除電効果が低下し、現像ゴーストが発生し、押圧力が小さいため、現像器中にトナーを引き込む力も低下し、除電部材5にトナーが滞留する場合が発生し、そのトナーにより現像剤担持体2を削り、黒スジが発生しまう場合がある。また、除電効果が小さすぎて、前述した理由でトナーー追従性は低下し、白スジ発生は低減する。
一方、100gf以上にすると、除電効果が高すぎて、前述したように、トナー追従性低下し、白スジ、黒スジも発生する。また、押圧力が高すぎる場合は、現像剤担持体2の上のトナーが除電部材5で掻き取られて、現像器外にトナー漏れが発生するのが確認された。
さらに、現像剤担持体2と除電部材5の間で熱が発生し、除電部材5のニップにトナーが融着した現象が多く見られた。そして、その融着トナーで現像剤担持体2を削る可能性が高いと考えられ、黒スジ発生も多い傾向が見られた。
したがって、現像剤担持体2と除電部材5の押圧力を最適化することにより、現像ゴースト、トナー追従性、白スジ発生および黒スジ発生を低減できることが判明した。
このように、実施例1〜7は、先に述べた作用効果が裏付けられるものである。