JP2005256949A - トロイダル型無段変速機の組み立て方法 - Google Patents

トロイダル型無段変速機の組み立て方法 Download PDF

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祐一 渋川
Kazuto Koyama
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【課題】ロアリンクの組み付け時にパワーローラがずれ落ちることが無く、確実にパワーローラを正規位置に組み付けることができるトロイダル型無段変速機の組み立て方法を提供すること。
【解決手段】トラニオン14のパワーローラ収納面14aに対しパワーローラ10を正規取付位置に配置した後、トラニオン14の上部に切ってあるネジ穴14cに、先端部がパワーローラ10に到達するパワーローラ固定治具51を螺合してトラニオンアッシーを組み立てる第1の工程と、前記パワーローラ固定治具51を螺合したままのトラニオンアッシーを、入出力ディスク3,8が配置された変速機ケース内に組み込む第2の工程と、入出力ディスク3,8によりパワーローラ10を挟持した後、前記パワーローラ固定治具51をトラニオン14の上部に切ってあるネジ穴14cから外す第3の工程と、を有するトロイダル型無段変速機の組み立て方法。
【選択図】図3

Description

本発明は、パワーローラがトラニオンの傾転軸に対し直交する主軸方向にスライド可能に設けられた車両の変速機等として適用されるトロイダル型無段変速機の組み立て方法の技術分野に属する。
従来、トラニオンのパワーローラ収納面とパワーローラの外輪背面との間に介装された背面ニードルベアリングを介し、パワーローラがトラニオンの傾転軸に対し直交する主軸方向にスライド可能に設けられたトロイダル型無段変速機において、組み立て時にパワーローラの脱落を防止するため、一端のシャフト挿入穴をトラニオンシャフトに通して支持し、他端部の移動規制部にてパワーローラをバネ力により押し付ける板状部材を組み立て治具として用いている(例えば、特許文献1参照)。
ちなみに、トラニオンに対しスライド可能に設けられたパワーローラは、トラニオンに対し軸により機械的に結合されいないため、組み立て時においてパワーローラの脱落を防止する必要がある。ただし、組み付けを完了したトロイダル型無段変速機のパワーローラは、入出力ディスクに弾性挟持された状態であるため、脱落の心配は全くない。
特開2002−213555号公報
しかしながら、従来のトロイダル型無段変速機の組み立て方法にあっては、トラニオンシャフトにリンク穴を通しながらロアリンクを組み付けるときには、組み立て治具である板状部材を取り外しておく必要があるため、ロアリンクの組み付け時にパワーローラがずれ落ちる可能性がある。パワーローラがずれ落ちると、ロアリンクを外し、パワーローラを正規位置に戻した後、再びロアリンクの組み付け作業を行う必要があり、多大な組み付け作業工数を要する。また、パワーローラが正規位置からずれたままでロアリンクの組み付け作業を進めてしまい、変速機の組み立てを完了すると、パワーローラの同期乱れや、効率の悪化や、トラクション性能の低下等を招くおそれがある。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、ロアリンクの組み付け時にパワーローラがずれ落ちることが無く、確実にパワーローラを正規位置に組み付けることができるトロイダル型無段変速機の組み立て方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のトロイダル型無段変速機の組み立て方法では、入出力ディスクに挟持されたパワーローラが、トラニオンの傾転軸に対し直交する主軸方向にスライド可能に設けられたトロイダル型無段変速機において、
前記トラニオンのパワーローラ収納面に対し前記パワーローラを正規取付位置に配置した後、トラニオンの上部に切ってあるネジ穴に、先端部がパワーローラに到達するパワーローラ固定治具を螺合してトラニオンアッシーを組み立てる第1の工程と、
前記パワーローラ固定治具を螺合したままのトラニオンアッシーを、入出力ディスクが配置された変速機ケース内に組み込む第2の工程と、
前記入出力ディスクによりパワーローラを挟持した後、前記パワーローラ固定治具をトラニオンの上部に切ってあるネジ穴から外す第3の工程と、
を有することを特徴とする。
よって、本発明のトロイダル型無段変速機の組み立て方法にあっては、パワーローラ固定治具を螺合してから、入出力ディスクによりパワーローラを挟持し、その後、パワーローラ固定治具を外すまでは、パワーローラ固定治具により、正規取付位置にパワーローラを配置したままの状態が維持されるため、入出力ディスクによりパワーローラを挟持する前に行われるロアリンクの組み付け時にパワーローラがずれ落ちることが無く、確実にパワーローラを正規位置に組み付けることができる。
以下、本発明のトロイダル型無段変速機の組み立て方法を実施するための最良の形態を、図面に示す実施例1〜実施例4に基づいて説明する。
まず、構成を説明する。
図1は実施例1の組み立て方法が適用されたトロイダル型無段変速機の変速機構を示す概略図で、エンジンからの回転駆動力は、図外のトルクコンバータおよび前後進切換え機構を介して入力軸1に入力される。
前記入力軸1と同軸上にトルク伝達軸2が配置され、該トルク伝達軸2の両端部位置には、第1入力ディスク3と第2入力ディスク4とを、軸方向移動可能にスプライン結合している。
前記第1入力ディスク3の背面と入力軸1との間には、入力トルクに応じて軸方向推力を発生するローディングカム5を介装している。
前記第2入力ディスク4の背面とトルク伝達軸2の端部に螺合されたローディングナット6との間には、両入力ディスク3,4にプリロードを付与する皿バネ7を介装している。
前記両入力ディスク3,4の中間位置には、トルク伝達軸2に遊装した出力ディスク8を配置している。この出力ディスク8は、2つの出力ディスクの背面を互いに合わせて一体結合したもので、出力ディスク8の外周部には出力ギア9を形成している。
前記第1入力ディスク3の出力ディスク8側対向面と、前記第2入力ディスク4の出力ディスク8側対向面には、トロイド状溝3a,4aを形成している。同様に、前記出力ディスク8の両入力ディスク3,4に対向する対向面には、トロイド状溝8a,8bを形成している。
前記トロイド状溝3aとトロイド状溝8aとの間には、左右位置に2個配置された第1パワーローラ10,10を、摩擦により動力の受け渡しを可能に挟持している。同様に、トロイド状溝4aとトロイド状溝8bとの間には、左右位置に2個配置された第2パワーローラ11,11を、摩擦により動力の受け渡しを可能に挟持している。
そして、第1入力ディスク3と出力ディスク8(トロイド状溝8a)と第1パワーローラ10,10により第1トロイダル変速部12を構成している。また、第2入力ディスク4と出力ディスク8(トロイド状溝8b)と第2パワーローラ11,11により第2トロイダル変速部13を構成している。
上記変速機構において、各パワーローラ10,10,11,11は、後述する作動により目標変速比に応じた傾転角が得られるようにそれぞれ傾転される。つまり、両入力ディスク3,4の入力回転を、各パワーローラ10,10,11,11を介し、無段階(連続的)に変速して出力ディスク8に伝達する。
図2は実施例1の組み立て方法を適用したトロイダル型無段変速機の変速制御系を示す概略図で、第1パワーローラ10,10は、トラニオン14,14の一端に支持されていて、パワーローラ回転軸15,15を中心として回転自在である。このトラニオン14,14の他端部には、トラニオン14,14を傾転軸Lの方向にオフセット移動させて各パワーローラ10,10を傾転軸Lの回りに傾転させる油圧アクチュエータとしてのサーボピストン16,16を設けている。
なお、第2パワーローラ11,11も同様に、図外のトラニオンの一端に支持されていて、トラニオンを傾転軸の方向にオフセット移動させて各パワーローラ11,11を傾転軸Lの回りに傾転させる油圧アクチュエータとしてのサーボピストンを設けている。そして、各パワーローラ10,10,11,11を支持する4個のトラニオンは、これらが同期して動くように図外の同期ワイヤにより連結されている。
前記サーボピストン16,16は、ピストン16a,16aによりハイ側油室16b,16bとロー側油室16c,16cに画成される。前記サーボピストン16,16を作動制御する油圧制御系として、変速制御弁19が設けられている。この変速制御弁19とサーボピストン16,16とは、ハイ側油室16b,16bに接続されるハイ側油路17と、ロー側油室16c,16cに接続されるロー側油路18により接続されている。
前記変速制御弁19には、ハイ側油路17を接続するポート19aと、ロー側油路18を接続するポート19bとを有する。前記変速制御弁19のライン圧ポート19cには、図外のオイルポンプ及びリリーフ弁を有する油圧源からのライン圧が供給される。
前記変速制御弁19の変速スプール19dは、レバー20及びプリセスカム21と連動すると共に、ステップモータ22により軸方向に変位するように駆動される。前記プリセスカム21は、1つのトラニオンシャフトの下端部に設けられ、トラニオン14の傾転軸方向位置及び傾転角度位置を検知し、変速制御弁19にフィードバックする。
前記ステップモータ22を駆動制御する電子制御系として、CVTコントロールユニット23が設けられている。このCVTコントロールユニット23には、スロットル開度センサ24、エンジン回転センサ25、入力ディスク回転センサ26、出力軸回転センサ(車速センサ)27、インヒビタースイッチ28、油温センサ29等からの入力情報が取り込まれる。
図3は実施例1の組み立て方法が採用されたトロイダル型無段変速機のトラニオン14及びパワーローラ10を示す断面図である。なお、パワーローラ11についても同じ構造である。
前記パワーローラ10は、入力ディスク3の動力を出力ディスク8に伝達する内輪30と、トラニオン14に支持された外輪31と、該外輪31に対して内輪30を回転自在に支持する玉軸受32と、を有し、トラニオン14のパワーローラ収納面14aと外輪31の背面31aとの間に介装された背面ニードルベアリング33を介してトラニオン14の傾転軸Lに対し直交する主軸方向にスライド可能に設けられている。
前記トラニオン14は、外輪31の背面31aと対向するパワーローラ収納面14aと、トラニオンシャフト34を固定するシャフト固定穴14bと、を有する。そして、パワーローラ収納面14aには、パワーローラ回転軸15から等距離の上下位置に、パワーローラ10のスライド方向に沿って2つの傾斜支持面が形成されている。また、前記トラニオンシャフト34とトラニオン14には、図外の潤滑油圧源からのオイルを導くトラニオン側油路35が形成され、このトラニオン側油路35と連通するトラニオン側油路開口部36が、外輪31の背面31aに向かってパワーローラ回転軸心位置に開口されている。
前記内輪30は、両ディスク3,8に接触するトルク伝達曲面30aと、中心軸上に貫通する中心軸穴30bと、玉軸受32の転動体を案内する内輪側軌道溝30cと、を有する。そして、前記中心軸穴30bと外輪軸部31bとの間には、ニードルベアリング37が介装され、該ニードルベアリング37により外輪31に対して内輪30を回転可能に支持している。
前記外輪31は、トラニオン14のパワーローラ収納面14aと対向する背面31aと、中心部から正面側に突出する円柱状の外輪軸部31bと、玉軸受32の転動体を案内する外輪側軌道溝31cと、を有する。そして、前記背面31aには、パワーローラ回転軸15から等距離の上下位置に、パワーローラ10のスライド方向に沿って2つの傾斜支持面が形成されている。また、前記外輪軸部31bには、パワーローラ回転軸15方向に外輪側油路38が形成され、該外輪側油路38からは第1油路38aと第2油路38bとが径方向に分岐されている。
前記玉軸受32は、内輪側軌道溝30cと外輪側軌道溝31cとに装着された転動体としてのボール32aと、複数のボール32aを保持する保持器32bと、有する。
前記背面ニードルベアリング33は、前記トラニオン14のパワーローラ収納面14aに形成された2つの傾斜支持面と、前記パワーローラ10の外輪背面31aに形成された2つの傾斜支持面と、に挟持される複数のニードルローラ33aと、該複数のニードルローラ33aを保持する保持器33bと、を有する。
前記トラニオン14と前記パワーローラ10の外輪31間のオイル供給手段を、フランジ部39aと直管部39bを有する管状部材39とし、前記フランジ部39aのフランジ面がトラニオン側油路開口部36を覆う形で当接し、もう一方の直管部39bが外輪側油路38に隙間なく摺動可能に差し込まれた構成としている。
前記トラニオン側油路開口部36は、パワーローラ10のスライド時にも管状部材39の油路との連通を保つように大径化された構造を有する。なお、トラニオン側油路開口部36は、長穴化された構造を有するようにしても良い。
前記オイル供給手段としての管状部材39は、バネ部材40によりフランジ面がトラニオン側油路開口部36を覆うようにトラニオン14側に押し付けている。
図4は実施例1のトロイダル型無段変速機の組み立て方法に採用されたパワーローラ固定具51によるパワーローラ固定状態(a)とパワーローラ固定具51のA方向矢視図(b)とトラニオンアッシーの組み付け状態(c)を示す図である。
実施例1のパワーローラ固定治具51は、前記トラニオン14の上部に切ってあるネジ穴14cと螺合する雄ネジ部51aと、該雄ネジ部51aの先端側にパワーローラ10に到達する長さで一体的に形成された円筒状部51bと、を有する。
前記パワーローラ固定治具51を螺合固定する前記ネジ穴14cは、トラニオン14の上部の傾転軸Lに沿って予め形成された傾転角センサの取り付け用ネジ穴である。なお、図4(c)において、61はアッパーリンク、62はロアリンクである。
次に、作用を説明する。
[変速比制御作用]
トロイダル型無段変速機の組み立て方法は、トラニオン14,14を傾転軸Lの方向(図2の上下方向)に僅かに変位させると、この変位に伴いパワーローラ10,10が傾転することによって変速比を変える。
つまり、CVTコントロールユニット23からの目標変速比が得られる駆動指令によりステップモータ22を回転させることによって変速スプール19dが変位すると、サーボピストン16,16の一方のサーボピストン室に作動油が導かれ、他方のサーボピストン室から作動油が排出され、トラニオン14,14が傾転軸Lの方向に変位する。
これにより、パワーローラ回転軸15,15が、ディスク回転中心位置に対してオフセットする。このオフセットによりパワーローラ10,10と入出力ディスク3,8との接触部で発生するサイドスリップ力によりパワーローラ10,10が傾転する。
この傾転運動およびオフセットは、プリセスカム21及びレバー20を介して変速スプール19dに伝達される。よって、変速スプール19dは、ステップモータ22との釣り合い位置で静止し、目標変速比が得られる傾転角となった時点でトラニオン14,14に与えた変位が元のディスク回転中心位置に戻され、パワーローラ10,10の傾転動作を停止する。
なお、パワーローラ11,11についても同様の変速比制御作用を示し、変速比は、停止したパワーローラ10,10,11,11の傾転角により決まる。
[トロイダル型無段変速機の組み立て方法]
入出力ディスク3,8に挟持されたパワーローラ10が、トラニオン14の傾転軸Lに対し直交する主軸方向にスライド可能に設けられたトロイダル型無段変速機の組み立て方法を説明する。
まず、前記トラニオン14のパワーローラ収納面14aに対し前記パワーローラ10を正規取付位置に配置した後、図4(a)に示すように、トラニオン14の上部に切ってあるネジ穴14cに、先端部がパワーローラ10に到達するパワーローラ固定治具51を螺合してトラニオンアッシーを組み立てる(第1の工程)。
次に、前記パワーローラ固定治具51を螺合したままのトラニオンアッシーを、入出力ディスク3,8及びアッパーリンク61が配置された変速機ケース内に組み込み、アッパーリンク61の開孔部にトラニオン14の上部側の軸部分を挿入する(第2の工程)。このとき、トラニオンアッシーは、図4(c)に示すように、逆さまにした状態であり、同様に逆さまにした変速機ケースの開口部から挿入する。
次に、ロアリンク62をトラニオン14のトラニオンシャフト34部分に組み付け、前記入出力ディスク3,8によりパワーローラ10を挟持し、ローディングナット6により締め付けた後、前記パワーローラ固定治具51をトラニオン14の上部に切ってあるネジ穴14cから外す(第3の工程)。
なお、パワーローラ固定治具51は、変速機ケースに予め設けられている傾転角センサ用取付穴からドライバー等を差し込み、トラニオン14の上部に切ってあるネジ穴14cから外し、外したネジ穴14cに傾転角センサを組み込む。つまり、パワーローラ固定治具51を外すタイミングは、トロイダル型無段変速機の組み立て終盤にて行われる傾転角センサを組み込むタイミングにて行っても良い。
例えば、特開2002−213555号公報に記載されている板状保持治具は、トラニオンシャフトにリンク穴を通しながらロアリンクを組み付けるときには、板状保持治具を取り外しておく必要があり、ローディングナットの締結時まではパワーローラを肘していない。そのため、ロアリンクの組み付け時、周辺に入出力ディスク等があるために完全な脱落はしないが、パワーローラがトラニオンからずれ落ちる可能性がある。
これに対し、実施例1では、トラニオン14の上部の傾転軸Lに沿って予め形成された傾転角センサの取り付け用ネジ穴14cを利用し、パワーローラ固定治具51を組み付けている。よって、ロアリンクの取り付け時、さらには、ローディングナット6の締め付け時にも図4(c)に示すように、パワーローラ10の重力による変位やずれを防止することができる。
上記のように、実施例1の組み立て方法では、パワーローラ固定治具51を螺合してから、入出力ディスク3,8によりパワーローラ10を挟持し、その後、パワーローラ固定治具51を外すまでは、パワーローラ固定治具51により、正規取付位置にパワーローラ10を配置したままの状態が維持されるため、入出力ディスク3,8によりパワーローラ10を挟持する前に行われるロアリンク62の組み付け時にパワーローラ10がずれ落ちることが無く、確実にパワーローラ10を正規位置に組み付けることができる。
次に、効果を説明する。
実施例1のトロイダル型無段変速機の組み立て方法にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 入出力ディスク3,8に挟持されたパワーローラ10が、トラニオン14の傾転軸Lに対し直交する主軸方向にスライド可能に設けられたトロイダル型無段変速機において、前記トラニオン14のパワーローラ収納面14aに対し前記パワーローラ10を正規取付位置に配置した後、トラニオン14の上部に切ってあるネジ穴14cに、先端部がパワーローラ10に到達するパワーローラ固定治具51を螺合してトラニオンアッシーを組み立てる第1の工程と、前記パワーローラ固定治具51を螺合したままのトラニオンアッシーを、入出力ディスク3,8が配置された変速機ケース内に組み込む第2の工程と、前記入出力ディスク3,8によりパワーローラ10を挟持した後、前記パワーローラ固定治具51をトラニオン14の上部に切ってあるネジ穴14cから外す第3の工程と、を有するため、ロアリンク62の組み付け時にパワーローラ10がずれ落ちることが無く、確実にパワーローラ10を正規位置に組み付けることができる。
(2) 前記パワーローラ固定治具51は、前記トラニオン14の上部に切ってあるネジ穴14cと螺合する雄ネジ部51aと、該雄ネジ部51aの先端側にパワーローラ10に到達する長さで一体的に形成された円筒状部51bと、を有するため、簡単で低コストのパワーローラ固定治具51により、トラニオン14に対する位置ずれのないパワーローラ10の固定性を得ることができる。
(3) 前記パワーローラ固定治具51を螺合固定する前記ネジ穴14cは、トラニオン14の上部の傾転軸Lに沿って予め形成された傾転角センサの取り付け用ネジ穴であるため、トラニオン14に既存のネジ穴14cを利用し、パワーローラ固定治具51を振れのない高い固定性にて一時的に仮止めすることができる。
実施例2は、パワーローラとの間に弾性部材を介在させるようにしたパワーローラ固定治具の例である。
すなわち、図5に示すように、実施例2のパワーローラ固定治具52は、前記ネジ穴14cと螺合する雄ネジ部52aと、該雄ネジ部52aの先端側に一体的に形成された円筒状部52bと、該円筒状部52bのパワーローラ10に到達する先端位置に設けられた弾性部材52cと、を有する。前記弾性部材52cは、円筒状部52bの先端に接着されたゴム弾性体により構成されている。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
作用を説明すると、実施例2では、パワーローラ固定治具52とパワーローラ10の当接部に弾性部材52cを設けることにより、パワーローラ10の損傷を抑制しつつも、部品間のガタを無くすことが可能となり、より高精度なパワーローラ10の位置決めを行うことが可能となる。なお、他の作用については、実施例1と同様であるため説明を省略する。
次に、効果を説明する。
この実施例2のトロイダル型無段変速機の組み立て方法にあっては、実施例1の(1),(3)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(4) 前記パワーローラ固定治具52は、前記ネジ穴14cと螺合する雄ネジ部52aと、該雄ネジ部52aの先端側に一体的に形成された円筒状部52bと、該円筒状部52bのパワーローラ10に到達する先端位置に設けられた弾性部材52cと、を有するため、パワーローラ10の損傷を抑制しつつ、部品間のガタを無くすことで、高精度なパワーローラ10の位置決めを行うことができる。
実施例3は、パワーローラとの間に軸受けを介在させるようにしたパワーローラ固定治具の例である。
すなわち、図6に示すように、実施例3のパワーローラ固定治具53は、前記ネジ穴14cと螺合する雄ネジ部53aと、該雄ネジ部53aの先端側に一体的に形成された円筒状部53bと、該円筒状部53bのパワーローラ10に到達する先端位置に設けられた軸受け53cと、を有する。前記軸受け53cは、図6(b)に示すように、パワーローラ10の回転方向に沿って回転するように、パワーローラ回転軸と平行な回転軸を有して構成されている。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
作用を説明すると、実施例3では、パワーローラ固定治具53によってパワーローラ10を保持するわけであるが、組み付け工程中に均等化等によりバリエーター部の回転が必要な場合、パワーローラ固定治具53とパワーローラ10との間の当接面にてコジリや滑り等により円滑な運動が妨げられることが考えられる。そこで、パワーローラ固定治具53とパワーローラ10との間の当接部品間に軸受け53cを設けることにより、パワーローラ10の円滑な回転を可能にしている。なお、他の作用については、実施例1と同様であるため説明を省略する。
次に、効果を説明する。
この実施例3のトロイダル型無段変速機の組み立て方法にあっては、実施例1の(1),(3)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(5) 前記パワーローラ固定治具52は、前記ネジ穴14cと螺合する雄ネジ部53aと、該雄ネジ部53aの先端側に一体的に形成された円筒状部53bと、該円筒状部53bのパワーローラ10に到達する先端位置に設けられた軸受け53cと、を有するため、組み付け工程上でユニットの軸を回転させる工程が含まれている場合にも、パワーローラ10を損傷させることなく円滑に回転させることができる。
実施例4は、パワーローラと治具との位置決めを精度良く行えるようにしたパワーローラ固定治具の例である。
すなわち、図7に示すように、実施例4のパワーローラ固定治具54は、前記ネジ穴14cと螺合する雄ネジ部54aと、該雄ネジ部54aの先端側に一体的に形成された円筒状部54bと、前記雄ネジ部54aの後端側に一体的に形成され、螺合時にパワーローラ10に到達する先端位置を規定する段付き部54cと、を有する。前記段付き部54cは、締め付け螺合や取り外しが簡単なように六角のボルト頭形状とされている。なお、他の構成は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
作用を説明すると、実施例1〜実施例3では、雄ネジ部51a〜53aにて軸方向の位置を決定しているが、雄ネジ部51a〜53aは、僅かな回転により軸方向の位置ずれが生じるというように位置精度が悪いため、高精度な位置決めは不可能である。これに対し、実施例4では、パワーローラ固定治具54に段付き部54cを設け、この段付き部54cをトラニオン14の上端面に当接させる構造とすることにより、軸方向の位置決めを精度良く行うことを可能としている。なお、他の作用については、実施例1と同様であるため説明を省略する。
次に、効果を説明する。
この実施例4のトロイダル型無段変速機の組み立て方法にあっては、実施例1の(1),(3)の効果に加え、下記の効果を得ることができる。
(6) 前記パワーローラ固定治具54は、前記ネジ穴14cと螺合する雄ネジ部54aと、該雄ネジ部54aの先端側に一体的に形成された円筒状部54bと、前記雄ネジ部54aの後端側に一体的に形成され、螺合時にパワーローラ10に到達する先端位置を規定する段付き部54cと、を有するため、手間を要することこと無く、パワーローラ10の組み付け位置精度を向上させることができる。
以上、本発明のトロイダル型無段変速機の組み立て方法を実施例1〜実施例4に基づき説明してきたが、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1〜実施例4では、パワーローラ固定治具として、雄ネジ部と円筒状部とを基本構成とし、これに弾性部材や軸受けや段付き部を設けた例を示したが、具体的なパワーローラ固定治具としては、これらの実施例で示した形状に限られるものではなく、ネジ部に螺合固定した状態で、パワーローラを位置決め保持できるものであれば、実施例以外の構造としても良い。
実施例1〜実施例4では、傾転角センサの取り付け用ネジ穴を利用してパワーローラ固定治具を螺合固定する例を示したが、トラニオンの上部に切ってある他のネジ穴を利用しても良いし、さらに、パワーローラ固定治具のために専用のネジ穴をトラニオンに形成しても良い。
実施例1〜実施例4では、車両の変速機として適用されるトロイダル型無段変速機の組み立て方法を示したが、無段変速機能を要求する他の産業機器類等に適用されるトロイダル型無段変速機の組み立て方法としても勿論適用することができる。
実施例1の組み立て方法が適用されたトロイダル型無段変速機の変速機構を示す概略図である。 実施例1の組み立て方法が適用されたトロイダル型無段変速機の変速制御系を示す概略図である。 実施例1の組み立て方法が採用されたトロイダル型無段変速機のトラニオン及びパワーローラを示す縦断面図である。 実施例1のトロイダル型無段変速機の組み立て方法に採用されたパワーローラ固定具51によるパワーローラ固定状態(a)とパワーローラ固定具51のA方向矢視図(b)とトラニオンアッシーの組み付け状態(c)を示す図である。 実施例2のトロイダル型無段変速機の組み立て方法に採用されたパワーローラ固定具52によるパワーローラ固定状態(a)とパワーローラ固定具52のA方向矢視図(b)を示す図である。 実施例3のトロイダル型無段変速機の組み立て方法に採用されたパワーローラ固定具53によるパワーローラ固定状態(a)とパワーローラ固定具53のA方向矢視図(b)を示す図である。 実施例4のトロイダル型無段変速機の組み立て方法に採用されたパワーローラ固定具54によるパワーローラ固定状態(a)とパワーローラ固定具54のA方向矢視図(b)を示す図である。
符号の説明
3 第1入力ディスク
4 第2入力ディスク
8 出力ディスク
10 第1パワーローラ
11 第2パワーローラ
14 トラニオン
14a パワーローラ収納面
14c ネジ穴
15 パワーローラ回転軸
L 傾転軸
30 内輪
31 外輪
32 玉軸受
33 背面ニードルベアリング
51 パワーローラ固定治具
51a 雄ネジ部
51b 円筒状部
52 パワーローラ固定治具
52a 雄ネジ部
52b 円筒状部
52c 弾性部材
53 パワーローラ固定治具
53a 雄ネジ部
53b 円筒状部
53c 軸受け
54 パワーローラ固定治具
54a 雄ネジ部
54b 円筒状部
54c 段付き部

Claims (6)

  1. 入出力ディスクに挟持されたパワーローラが、トラニオンの傾転軸に対し直交する主軸方向にスライド可能に設けられたトロイダル型無段変速機において、
    前記トラニオンのパワーローラ収納面に対し前記パワーローラを正規取付位置に配置した後、トラニオンの上部に切ってあるネジ穴に、先端部がパワーローラに到達するパワーローラ固定治具を螺合してトラニオンアッシーを組み立てる第1の工程と、
    前記パワーローラ固定治具を螺合したままのトラニオンアッシーを、入出力ディスクが配置された変速機ケース内に組み込む第2の工程と、
    前記入出力ディスクによりパワーローラを挟持した後、前記パワーローラ固定治具をトラニオンの上部に切ってあるネジ穴から外す第3の工程と、
    を有することを特徴とするトロイダル型無段変速機の組み立て方法。
  2. 請求項1に記載されたトロイダル型無段変速機の組み立て方法において、
    前記パワーローラ固定治具は、前記ネジ穴と螺合する雄ネジ部と、該雄ネジ部の先端側にパワーローラに到達する長さで一体的に形成された円筒状部と、を有することを特徴とするトロイダル型無段変速機の組み立て方法。
  3. 請求項1に記載されたトロイダル型無段変速機の組み立て方法において、
    前記パワーローラ固定治具は、前記ネジ穴と螺合する雄ネジ部と、該雄ネジ部の先端側に一体的に形成された円筒状部と、該円筒状部のパワーローラに到達する先端位置に設けられた弾性部材と、を有することを特徴とするトロイダル型無段変速機の組み立て方法。
  4. 請求項1に記載されたトロイダル型無段変速機の組み立て方法において、
    前記パワーローラ固定治具は、前記ネジ穴と螺合する雄ネジ部と、該雄ネジ部の先端側に一体的に形成された円筒状部と、該円筒状部のパワーローラに到達する先端位置に設けられた軸受けと、を有することを特徴とするトロイダル型無段変速機の組み立て方法。
  5. 請求項1に記載されたトロイダル型無段変速機の組み立て方法において、
    前記パワーローラ固定治具は、前記ネジ穴と螺合する雄ネジ部と、該雄ネジ部の先端側に一体的に形成された円筒状部と、前記雄ネジ部の後端側に一体的に形成され、螺合時にパワーローラに到達する先端位置を規定する段付き部と、を有することを特徴とするトロイダル型無段変速機の組み立て方法。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載されたトロイダル型無段変速機の組み立て方法において、
    前記パワーローラ固定治具を螺合固定する前記ネジ穴は、トラニオンの上部に予め形成された傾転角センサの取り付け用ネジ穴であることを特徴とするトロイダル型無段変速機の組み立て方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105943060A (zh) * 2016-07-18 2016-09-21 湖南千山制药机械股份有限公司 蝶翼式采血针的组装设备

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