JP2005256532A - 孔径変化測定装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】 この発明の孔径変化測定装置は、ボーリング孔の孔径変化を測定する孔径変化測定器と、この孔径変化測定器に連結されたフレキシブルロッドであって、該フレキシブルロッドはその軸方向へ実質的に変形しないフレキシブルロッドと、備えている。
【選択図】 図3
Description
ボーリング孔を利用して岩盤の変動を測定する場合、通常は、鉛直方向に掘削されたボーリング孔の孔底にモルタルを用いて測定装置を固定し、その測定装置に電源線や信号線で構成される複合ケーブルを取り付け、そのケーブルを孔口に設けた電源や記録装置と接合し、測定装置内部に取り付けた変位測定手段により岩盤の変動に対応して変化する測定装置を構成している容器壁面の変位を測定する。測定装置をモルタルで固定した場合、岩盤の変動がモルタルを介して測定装置を構成している容器壁面を変位させるため、容器壁面の変位を測定すれば岩盤の変動が測定できる(特許文献1、2参照)。
ボーリング孔の孔径変化を測定する孔径変化測定器と、
該孔径変化測定器に連結されたフレキシブルロッドであって、該フレキシブルロッドはその軸方向へ実質的に変形せず、内部に信号線及び電源線が通されているフレキシブルロッドと、
を備えてなる孔径変化測定装置。
フレキシブルロッドには信号や電源を伝達する媒体として、信号線及び電源線を内在させ、その基端から先端まで通しておくことが好ましい。かかる信号線を介してボーリング孔外の制御装置から孔径変化測定装置へ制御信号を送り、また孔径変化測定装置の測定信号をボーリング孔口外の演算装置へ送ることができる。電源線は孔径変化測定装置の駆動部へ電気的エネルギーを供給する。
FRPロッドやカーボン繊維束は耐候性樹脂外皮で被覆することが好ましい。
このフレキシブルロッドは押出し成型により同一径に形成することができる。このとき、信号線や電源線を挿入したフッ素樹脂管を心材としてFRP部分(カーボン繊維の束の部分)及び外皮を押出し成形することが好ましい。
複数の孔径変化測定器を用いることにより、ボーリング孔内の複数の地点の孔径変化、即ち岩盤変動を同時に測定可能となる。トンネルの掘削現場等において岩盤変動をモニターして応力の蓄積状態を把握する場合、モニター場所が多ければ多いほどデータ数が多くなり、トンネル崩壊などをより高い確率で予知可能となる。また、一つのボーリング孔で複数場所の岩盤変動を測定できることにより(公知技術では測定場所毎にボーリング孔が必要であった)、測定のトータル施工コストが低減される。
光ファイバを用いれば光利用のジャイロコンパスにより方位の測定がより確実に行える。また、光ファイバによる高い情報伝達能力によれば、画像情報をも伝達可能となり、CCD等の画像デバイスを測定装置として使用できる。
図1はこの発明の実施例の孔径変化測定装置1の概略構成図である。
孔径変化測定装置1はフレキシブルロッド3と孔径変化測定器20とから構成される。フレキシブルロッド3には、図2Aに示すように信号線4と電源線5が個別に通されている。フレキシブルロッド3の本体部はFRPで形成され、当該本体部は耐候性の保護膜(外皮)3aで被覆されている。4a及び5aはそれぞれ信号線4と電源線5の保護膜であって耐熱性のフッ素樹脂からなる。これは、信号線4及び電源線5を心材としてFRPを成形するときに高い成形温度が掛けられるからである。
複数の信号線や電源線を埋設するときには、図2Bに示すとおり、複合ケーブルをFRPロッド内に埋設することができる。符号3bはフッ素樹脂製の保護膜である。
かかるフレキシブルロッド3の機械的特性は、曲げ強度100〜220kg/mm2、曲げ弾性率4000〜9000kg/mm2、曲げ剛性100×1000〜5500×1000kg/mm2、最小曲げ半径200〜800mmとすることが好ましい。
このフレキシブルロッド3はドラム7に巻回されており、クレーン9によりボーリング孔13の直上位置に懸架された滑車11を介してボーリング孔13へ導入されている。符号15はコンピュータ装置であり、スリップリング等の公知の接続手段を介して信号線4へ接続され、信号線4を介して孔径変化測定器20へ制御信号を送信し、また、信号線4を介して送られてきた孔径変化測定器20の測定信号を受信して所定のプログラムに基づき処理して、求める岩盤変動のデータを得る。信号の伝送波として電磁波、光波、音波等を利用できる。信号線4は、入力側と出力側にそれぞれ分離されていることが好ましい。コンピュータ装置15は、また、電源線5に接続された電源装置を制御し、電源線5を介して孔径変化測定器20へ電力を供給してこれを動作させる。
固定部21は、図3及び図4に示すように、信号線4及び電源線5に接続されているモータ23の駆動がギアヘッド24、プッシュプルロッド25を介してアーム26に伝達され、当該アーム26がケーシング27から突出しボーリング孔13の周壁(岩盤)28へ強く当てつけられる。つまりアーム26を突っ張った状態で孔径変化測定器20がボーリング孔13内に固定される。
即ち、ドラムを回転させて所望の長さのフレキシブルロッド3を繰り出すことにより、ボーリング孔13の所望の高さに孔径変化測定器20を位置させる。この状態でアーム26を突っ張らせて孔径変化測定器20をボーリング孔の周壁(岩盤)28へ固定する。
また、モータ23を逆回転させることによりアーム26を引っ込めると、孔径変化測定器20は岩盤28に対してフリーになる。この状態でドラム7を回転させることにより、任意の位置まで孔径変化測定器20を移動させることができる。
図5、図6の状態から岩盤に変動があると(それが孔径変化となり)、接触子33を変位させる。接触子33には永久磁石36が固定されており、接触子33の変位に伴いこの永久磁石36も変位し、この変位量が磁気センサ37により検出される。この検出信号は信号線4を介してコンピュータ装置15へ送られ、ここで処理されて岩盤変動値が演算される。
光ファイバ43はフレキシブルロッド3内を貫通し、ボーリング孔13の外部からレーザ光を導入可能とすることが好ましい。ボーリング孔13内へ入れる装置を簡素化するためである。
図8において、符号100は従来例の孔底へ固定的に設置された測定装置(岩盤変動測定装置、地殻活動総合観測装置、地震計等)を示す。この測定装置100はボーリング孔13の底部に充填されたコンクリート103内に埋設されている。符号105は孔径変化測定装置100の信号線と電源線を含んだ複合ケーブルである。
この実施例の孔径変化測定器50はこのような既設のボーリング孔13について底部以外の部分の孔径変化を測定するのに適している。即ち、この孔径変化測定50には上下方向へ貫通した貫通孔52が形成され、この貫通孔52へ既存のワイヤ105を挿通可能とした。これにより、既存のワイヤ105が孔径変化測定器50による孔径測定に干渉しなくなる。もって、高い精度の孔径測定が可能になる。
貫通孔の代わりに、孔径変化測定器の側面に溝を形成し、この溝へ複合ケーブルを通すこともできる。
フレキシブルロッド3に間挿される孔径変化測定装置51b及び51cには、図14に示すように、信号バイパス線144及び電源バイパス線145が備えられる。信号バイパス線145は上側のフレキシブルロッド3の信号線4と下側のフレキシブルロッド3の信号線4とを連結する。電源バイパス線145は上側のフレキシブルロッド3の電源線5と下側のフレキシブルロッド3の電源線5とを連結する。
信号バイパス線144には必要に応じて増幅器146が備えられ、信号バイパス線144を通る信号を増幅する。同様に、電源バイパス線145にも必要に応じて電力変換器増幅器147を設けて電源バイパス線145を通る電源の電力を所定の電圧に変換する。この場合、孔径変化測定装置51b、51cには電源装置を搭載しておくこととなる。この電源装置はまた電源線5からの電力により充電可能とすることが好ましい。
この実施例によれば、1つのボーリング孔13の複数の部分において孔径変化、即ち岩盤変動を測定することができる。したがって、安い施工価格で精密な測定を行うことができる。
なお、フレキシブルロッド3へ連結する孔径変化測定器の数及び種類は任意に選択可能である。
上記実施例では、磁気センサ83のデータをそのままコンピュータ装置15へ送ったが、各種センサの出力アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器87を孔径変化測定装置80内に設け、デジタル信号をフレキシブルロッド3のデータ線4へ通してもよい。更には、各種センサの出力を処理し、求める地盤変動値まで演算するプロセッサ88を孔径変化測定装置80内に設けることもできる。
11 ボーリング孔の孔径変化を測定する少なくとも1つの手段と、
方位を測定する手段と、
温度を測定する手段と、
水圧を測定する手段と
からなる第1のグループに属する測定手段によるアナログ信号からデジタルデータを作成するアナログ/デジタル変換手段と、
前記の第1のグループに属する測定手段、及び、アナログ/デジタル変換手段と情報交換を行う演算手段であるマイクロコンピューターと、
前記の第1のグループに属する測定手段、アナログ/デジタル変換手段、及び、前記のマイクロコンピューターに電源を供給する手段を内部に備える密閉した耐圧容器と、
該耐圧容器を該ボーリング孔内に固定する手段と、
該耐圧容器に備えられた、前記の第1のグループに属する測定手段、該アナログ/デジタル変換手段、該マイクロコンピューター、及び、これらの手段に電源を供給する手段に対し、信号や電源を伝達する媒体を内在し、該耐圧容器を該ボーリング孔内の所定の位置まで移動させるフレキシブルロッドと
から構成され、該耐圧容器を該ボーリング孔内の所定の位置まで移動し、該ボーリング孔内に密着して固定し、該マイクロコンピューターを介する制御信号により、該耐圧容器に設けた測定手段による信号を、移動手段に内在する信号の伝達媒体を介して該ボーリング孔の孔口まで伝送し、孔口にて該データを受信し、受信した該データに基づき演算により該ボーリング孔周辺の岩盤の変動を求めることを特徴とする密着型岩盤変動測定装置。
12 前記フレキシブルロッドとしてカーボンロッド又はFRP復号ケーブルが用いられる、ことを特徴とする11に記載の装置。
13 前記フレキシブルロッドに内在される媒体として光ファイバーが用いられる、ことを特徴とする11又は12に記載の装置。
14 前記圧力容器の中央部分に空洞があり、その空洞部分へ前記フレキシブルロッドが挿通可能である、ことを特徴とする11〜13のいずれかに記載の装置。
3 フレキシブルロッド
20、50、80 孔径変化測定器
Claims (6)
- ボーリング孔の孔径変化を測定する孔径変化測定器と、
該孔径変化測定器に連結されたフレキシブルロッドであって、該フレキシブルロッドはその軸方向へ実質的に変形せず、内部に信号線及び電源線が通されているフレキシブルロッドと、
を備えてなる孔径変化測定装置。 - 前記フレキシブルロッドに複数の孔径変化測定器が連結されている、ことを特徴とする請求項1に記載の孔径変化測定装置。
- 前記孔径変化測定器には上下に貫通する貫通孔又は溝が形成されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の孔径変化測定装置。
- 前記孔径変化測定器には、前記ボーリング孔の周壁へアームを当てつけて該孔径変化測定器を固定する固定部と、前記ボーリング孔の周壁へ接触子を当てつけ該周壁の変位を測定する本体部とが備えられている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の孔径変化測定装置。
- ボーリング孔内の地殻変動を測定するための測定装置を懸架するフレキシブルロッドであって、
その軸方向へ実質的に変形せず、その内部には電源線と信号線とが通されている、ことを特徴とするフレキシブルロッド。 - 前記フレキシブルロッドはFRPロッドからなる、ことを特徴とする請求項5に記載のフレキシブルロッド。
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