JP2005252136A - アルミニウム−セラミックス接合基板およびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム−セラミックス接合基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 セラミックス基板に接合したアルミニウム合金部材のアルミニウム−シリコン系合金の結晶粒を微細化することができる、アルミニウム−セラミックス接合基板およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 鋳型内にセラミックス基板10を設置した後、0.1〜1.5重量%のシリコンと0.03〜0.10重量%のホウ素を含有するアルミニウム−シリコン系合金の溶湯をセラミックス基板10の少なくとも一方の面に接触するように鋳型内に注湯し、冷却してアルミニウム−シリコン系合金の溶湯を固化させることにより、セラミックス基板10にアルミニウム合金部材12を直接接触させて接合する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、アルミニウム−セラミックス接合基板およびその製造方法に関し、特に、セラミックス基板にアルミニウム−シリコン系合金からなるアルミニウム合金部材が接合したアルミニウム−セラミックス接合基板およびその製造方法に関する。
近年、電気自動車や工作機械などの大電流を制御する高信頼性パワーモジュール用の絶縁基板として、セラミックス基板にアルミニウム部材が接合したアルミニウム−セラミックス接合基板が使用されている。
しかし、従来のアルミニウム−セラミックス接合基板では、アルミニウム部材にニッケルめっきなどを施し、半田を介して銅板などの放熱板に接合すると、ヒートサイクルにより半田にクラックが発生して放熱性が低下する場合があった。このような半田クラックは、アルミニウム部材と半田の熱膨張係数の相違のためにヒートサイクルにより接合界面に応力が発生し、この応力により比較的弱い半田層に発生すると考えられる。
このような問題を解消するため、アルミニウム部材としてアルミニウム−シリコン系合金からなるアルミニウム合金部材を使用することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−329814号公報(段落番号0010−0021)
しかし、溶湯接合法によりアルミニウム−シリコン系合金からなるアルミニウム合金部材をセラミックス基板に接合する場合、アルミニウム−シリコン系合金、特に、0.1〜1.5重量%のSiを含むアルミニウム合金は、現在の冷却方法では、通常の冷却条件の最適化による結晶粒の微細化やSiのAlへの固溶を制御することが非常に難しく、アルミニウム合金部材中にSiの濃縮部が存在してしまうという問題があり、特に粒界部にAl−Siの共晶またはそれに近い組成が存在すると考えられる。そのため、冷却過程においてアルミニウム合金部材の熱間割れが生じ、アルミニウム−セラミックス接合基板として機能しない場合がある。また、アルミニウム合金部材に回路を形成するためにエッチングを行うと、セラミック基板の表面にSiの濃縮部が溶けずに残ってしまい、アルミニウム−セラミックス接合基板の所望の絶縁特性を得ることができない場合がある。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、セラミックス基板に接合したアルミニウム合金部材のアルミニウム−シリコン系合金の結晶粒を微細化することにより、Siのマクロ的な偏析を防止し、セラミックス基板の表面のSiの残留を防止し、良好な絶縁性を有するアルミニウム−セラミックス接合基板およびその製造方法を提供することを目的とする。また、本発明は、放熱板を半田付けした場合にも、ヒートサイクルによる半田クラックの発生を防止し、放熱性の低下を防止することができる、アルミニウム−セラミックス接合基板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、アルミニウム−シリコン系合金に第3元素としてホウ素を添加することにより、結晶粒を微細化して粒界を増加させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によるアルミニウム−セラミックス接合基板は、アルミニウム−シリコン系合金からなるアルミニウム合金部材がセラミックス基板に接合したアルミニウム−セラミックス接合基板において、アルミニウム−シリコン系合金がホウ素を含有することを特徴とする。このアルミニウム−セラミックス接合基板において、アルミニウム−シリコン系合金は、好ましくは0.1〜1.5重量%、さらに好ましくは0.2〜1.0重量%のシリコンを含有し、好ましくは0.02重量%以上、さらに好ましくは0.03〜0.10重量%のホウ素を含有する。このアルミニウム−セラミックス接合基板において、アルミニウム合金部材の表面の全部または一部にNiまたはNi合金めっきを施してもよい。
また、本発明によるアルミニウム−セラミックス接合基板の製造方法は、鋳型内にセラミックス基板を設置した後、このセラミックス基板の少なくとも一方の面に接触するようにアルミニウム−シリコン系合金の溶湯を鋳型内に注湯し、冷却してアルミニウム−シリコン系合金の溶湯を固化させることにより、セラミックス基板にアルミニウム合金部材を直接接触させて接合するアルミニウム−セラミックス接合基板の製造方法において、アルミニウム−シリコン系合金がホウ素を含有することを特徴とする。このアルミニウム−セラミックス接合基板の製造方法において、アルミニウム−シリコン系合金は、好ましくは0.1〜1.5重量%、さらに好ましくは0.2〜1.0重量%のシリコンを含有し、好ましくは0.02重量%以上、さらに好ましくは0.03〜0.10重量%のホウ素を含有する。
さらに、本発明によるパワーモジュールは、上記のアルミニウム−セラミックス接合基板を用いたことを特徴とする。
本発明によれば、セラミックス基板に接合したアルミニウム合金部材のアルミニウム−シリコン系合金の結晶粒を微細化して粒界を増加させ、Siを分散させて、セラミックス基板の表面へのSiの残留を防止し、アルミニウム合金部材の熱間割れを防止するとともに、アルミニウム−セラミックス接合基板の絶縁特性を向上させ、歩留を向上させることができる。また、放熱板を半田付けした場合にも、ヒートサイクルによる半田クラックの発生を防止して放熱性の低下を防止し、さらにセラミックス基板にクラックが発生するのを防止し、ヒートサイクル性(信頼性)を向上させることができる。
本発明によるアルミニウム−セラミックス接合基板の製造方法の一実施の形態では、アルミニウム−シリコン系合金からなるアルミニウム合金部材をセラミックス基板に接合したアルミニウム−セラミックス接合基板を溶湯接合法により製造する際に、アルミニウム−シリコン系合金(Al−Si)にホウ素(B)を添加することにより、アルミニウム合金部材の結晶粒を微細化し、アルミニウム合金部材の熱間割れを抑制するとともに、Siを分散させる。また、結晶粒を微細化することにより、ヒートサイクルによってアルミニウム合金部材表面の粒界に局部的なうねりが発生するのを抑制する。これにより、アルミニウム合金部材に放熱板や半導体チップなどを半田付けした場合にヒートサイクルによる半田クラックの発生が抑えられ、信頼性が向上すると考えられる。また、従来では、冷却速度などの冷却条件がSiの析出(濃縮)に非常に大きな影響を与えているため、冷却条件を制御しながら生産している。しかし、例えば、結晶粒を微細化するために急冷などを行うように冷却条件を制御しようとしても、鋳型の熱容量が大きい等の問題により、その制御が困難である。一方、本発明によるアルミニウム−セラミックス接合基板の製造方法の実施の形態では、ホウ素の添加によりSiを分散させることができるため、比較的広範囲の冷却条件で冷却することができるようになり、生産性を向上させることができる。すなわち、アルミニウム−シリコン系合金の本来の特性を維持しつつ、アルミニウム−セラミックス接合基板の信頼性、生産性および歩留を向上させることができる。
アルミニウム−シリコン系合金は、好ましくは0.1〜1.5重量%、さらに好ましくは0.2〜1.0重量%、最も好ましくは0.2〜0.6重量%のシリコンを含有する。この範囲では、アルミニウム−シリコン系合金がアルミニウム−セラミックス接合基板として所望の高い熱伝導率と適当な硬さを有するからである。すなわち、アルミニウム−セラミックス接合基板に実装したチップなどの放熱のため、アルミニウム−シリコン系合金は、170W/m・K以上の高い熱伝導率を有するのが好ましく、200W/m・K以上の高い熱伝導率を有するのがさらに好ましい。また、アルミニウム−シリコン系合金の硬さは、軟らか過ぎると放熱板やチップとアルミニウム−セラミックス接合基板を半田付けした場合にヒートサイクルなどの熱衝撃により半田クラックが発生するおそれがあり、一方、硬過ぎるとヒートサイクルなどの熱衝撃によりセラミックス基板が割れる場合があるので、表面のビッカース硬度がHv25〜40であるのが好ましい。アルミニウム−シリコン系合金がこのような高い熱伝導率と適当な硬さを有するには、アルミニウム−シリコン系合金が上記の範囲のシリコンを含有するのが好ましい。
B(ホウ素)は、アルミニウム−シリコン合金の結晶粒を小さくしてSiを分散させる効果を有し、アルミニウム−シリコン合金の熱間割れを防止する。Bの添加量は、好ましくは0.02重量%以上、さらに好ましくは0.02〜0.10重量%である。Bの添加量が0.02重量%未満であると結晶粒の微細化効果が小さく、0.02重量%以上であれば充分な効果が得られる。さらに、Bの添加量が0.02〜0.10重量%であれば、Bの過剰添加によってアルミニウム−シリコン系合金の熱伝導率が低下したりアルミニウム−シリコン系合金が必要以上に硬くなることを防止することができるとともに、高価なBを必要以上に添加することを防止することができる。また、Bの添加量が上記の範囲内であれば、Bの添加による熱伝導率の劣化や硬度の上昇を防止することができる。
セラミックス基板とアルミニウム合金板の接合は、溶湯接合法によって行うのが好ましく、本発明によるアルミニウム−セラミックス接合基板の製造方法の実施の形態では、特別な冷却条件の制御や特別な設備を必要とせずに、良好なアルミニウム−セラミックス接合基板を得ることができる。通常、溶湯接合法では、アルミニウム合金板をセラミックス基板に接合した後に冷却する際に、例えば、冷却条件を制御する場合には設備的な面から冷却速度を大きくすることが難しく、そのため、例えば、数cm以上の粗大な結晶粒になり、粒界の面積が小さいために粒界にSiが濃縮し易いと考えられる。さらに、エッチングの際にもそのSiを除去することができず、電気的絶縁に問題が生じる場合があることがわかった。本発明によるアルミニウム−セラミックス接合基板の製造方法の実施の形態では、適量のBを添加することにより、結晶粒経を1mm以下、さらには0.5mm以下にして結晶を微細化することができ、また、Siをマクロ的に分散させることができ、アルミニウム合金板の不要な部分を問題なく除去することができる。すなわち、結晶粒が微細化されても粒界にSiの濃度が高い部分が生じるのは変わらないが、粒界が網目状に存在するために、全体としてSiが分散されて、極端に濃度が高いSiの濃縮部が形成されないと考えられる。また、セラミックス基板上にSiが付着して残留している場合に、専用の薬液の使用によりSiを除去することも考えられるが、量産性に優れた塩化鉄や塩化銅によっては、基板に付着したSiの濃縮部分を除去することができないという問題があり、本発明によるアルミニウム−セラミックス接合基板の製造方法の実施の形態では、この問題を解決することができる。
さらに、本発明によるアルミニウム−セラミックス接合基板の製造方法では、アルミニウム−シリコン系合金の硬さを上述した範囲にするとともに、結晶粒を微細化することにより、ヒートサイクル後の半田クラックの発生を抑えることができる。従来では、ヒートサイクル試験において、アルミニウム−シリコン合金と半田の熱膨張差が原因と考えられる応力の発生により、半田クラックが発生する現象が見られる場合があった。ヒートサイクルによりアルミニウム−シリコン合金の表面の粒界に大きな「うねり(しわ)」が発生し、このうねりにより半田クラックが発生すると考えられ、このうねりを小さくする必要がある。本発明によるアルミニウム−セラミックス接合基板の製造方法の実施の形態では、結晶粒を小さくすることによって、うねりが発生する粒界が多く存在するために、うねりが発生する部分が分散され、それによって、うねりを小さくすることができ、半田クラックの発生を抑えることができると考えられる。
上述したように、アルミニウム−セラミックス接合基板に放熱板やチップを半田付けした場合に、半田クラックの発生を防止する効果が大きく、半田クラックの発生を防止して放熱性の低下を防止することができる。この場合、アルミニウム合金板は半田濡れ性が悪いため、アルミニウム合金板の表面の全部または所定の部分にNiまたはNi合金めっきなどを施した後に放熱板やチップを半田付けするのが好ましい。
また、溶湯接合法によりアルミニウム合金板とセラミックス基板を接合する場合には、例えば、上述した特許文献1に記載された従来の製造装置をそのまま適用することができ、製造設備を新設あるいは大きく改良することなく、本発明によるアルミニウム−セラミックス接合基板を製造することができる。
また、本発明によるアルミニウム−セラミックス接合基板を用いて、通常のアセンブリ工程、例えば、放熱板およびチップなどの半田付け、ワイヤボンディングなどによる配線、プラスチックパッケージの接着、絶縁ゲルの注入などの工程を経て、パワーモジュールが完成する。
以下、添付図面を参照して、本発明によるアルミニウム−セラミックス接合基板およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
窒化アルミニウム基板を収容した鋳型を炉内に入れ、炉内を窒素雰囲気にした状態で740℃まで加熱し、0.5重量%のシリコンと0.04重量%のホウ素を含有するアルミニウム合金を、酸化被膜を取り除きながら、鋳型内に流し込んだ。その後、鋳型を冷却して溶湯を凝固させ、さらに室温まで冷却した。このようにして、セラミックス基板10の両面にそれぞれ厚さ0.15mmおよび0.4mmのアルミニウム合金板12が直接接触して接合した接合体を製造し、この接合体を鋳型から取り出した。その後、アルミニウム合金板12の表面を研磨し、その上に所定の形状のエッチングレジストを印刷し、塩化第二鉄溶液によってエッチング処理を行って、図1に示すような回路パターンを形成した。
このようにして得られた接合体のアルミニウム合金板12の表面の合金の平均結晶粒径を測定したところ、約200〜300μmであり、セラミックス基板10の表面にSiの析出(残留)はなかった。
また、アルミニウム合金板12のビッカース硬度はHv29.4、体積抵抗率は2.89μΩcm、レーザーフラッシュ法により測定した熱伝導率は191W/mKであった。
また、得られた接合体について、アルミニウム合金板12とセラミックス基板10との間の接合界面を超音波探傷装置によって調べたところ、接合欠陥が認められず、セラミックス基板10にクラックが認められなかった。
さらに、得られた接合体について、アルミニウム合金板12上に厚さ3μmのNi−Pの無電解めっきを施し、−40℃で30分間保持、25℃で10分間保持、125℃で30分間保持、25℃で10分間保持を1サイクルとするヒートサイクルを3000回行った後、上記の接合界面を超音波探傷装置によって調べたところ、接合欠陥が認められず、セラミックス基板10にクラックが認められなかった。また、アルミニウム合金板12に細かいうねりが均一に発生した。このような細かいうねりが新たに均一に発生したことにより、放熱板を半田付けしたときに半田に加わる応力が小さくなった。
[実施例2〜5]
ホウ素の添加量を0.03重量%(実施例2)、0.06重量%(実施例3)、0.08重量%(実施例4)、0.10重量%(実施例5)とした以外は実施例1と同様の方法により得られた接合体について、実施例1と同様の評価を行った。その結果、Bの添加量が0.03重量%以上で合金の結晶粒が極端に微細化し、0.06重量%以上では、実施例1および実施例2と比べて合金の結晶粒の微細化の程度は特に変わらなかった。
[実施例6]
0.1重量%のシリコンと0.05重量%のホウ素を含有するアルミニウム合金を用いた以外は実施例1と同様の方法により得られた接合体について、実施例1と同様の評価を行った。その結果、アルミニウム合金板12の表面の合金の平均結晶粒径は約200〜300μmであり、セラミックス基板10の表面にSiの析出(残留)はなかった。また、アルミニウム合金板12のビッカース硬度はHv22.0であった。
[実施例7]
0.2重量%のシリコンと0.05重量%のホウ素を含有するアルミニウム合金を用いた以外は実施例1と同様の方法により得られた接合体について、実施例1と同様の評価を行った。その結果、アルミニウム合金板12の表面の合金の平均結晶粒径は約200〜300μmであり、セラミックス基板10の表面にSiの析出(残留)はなかった。また、アルミニウム合金板12のビッカース硬度はHv25.4であった。
[実施例8]
1.0重量%のシリコンと0.05重量%のホウ素を含有するアルミニウム合金を用いた以外は実施例1と同様の方法により得られた接合体について、実施例1と同様の評価を行った。その結果、アルミニウム合金板12の表面の合金の平均結晶粒径は約200〜300μmであり、セラミックス基板10の表面にSiの析出(残留)はなかった。また、アルミニウム合金板12のビッカース硬度はHv37.2であった。
[比較例1]
ホウ素を添加しなかった以外は実施例1と同様の方法により得られた接合体について、実施例1と同様の評価を行った。その結果、アルミニウム合金板12の表面の平均結晶粒経は約3cmと非常に大きく、結晶粒内にデンドライトが発生していた。
また、ビッカース硬度はHv29.0、体積抵抗率は2.94μΩcm、熱伝導率は196W/mKであった。さらに、ヒートサイクル3000回後にアルミニウム合金板に局部的な大きなうねりあった。このような局部的な大きなうねりは、半田付けした場合に半田クラックの発生原因になる。また、Siが線状に析出した部分が多く、それらの部分に割れの発生率が高かった。
この比較例1と実施例とを比較すると、実施例では、アルミニウム−シリコン系合金にホウ素を添加することにより、合金の結晶粒を大幅に微細化して粒界の数を増大させることができるので、それらの多くの結晶粒界にSiを均一に拡散させ、比較例1のようなSiが線状に析出(濃縮)する部分が発生するのを抑制することができる。また、ビッカース硬度、体積抵抗率および熱伝導率はそれ程変化がなく、実施例のアルミニウム−シリコン系合金も比較例1と同様の特性を維持していることがわかる。
[比較例2]
ホウ素の添加量を0.01重量%とした以外は実施例1と同様の方法により得られた接合体について、実施例1と同様の評価を行った。その結果、ホウ素の添加量が少な過ぎるため、合金の結晶粒が大きく、ヒートサイクル1000回後に大きなうねりが発生した。このような大きなうねりは、半田付けした場合に半田クラックの発生原因になる。したがって、ホウ素の添加量が0.01重量%では、合金の結晶粒を微細化するには不十分であることがわかる。
本発明によるアルミニウム−セラミックス基板の実施例の平面図である。 図1のII−II線断面図である。
符号の説明
10 セラミックス基板
12 アルミニウム合金板

Claims (12)

  1. アルミニウム−シリコン系合金からなるアルミニウム合金部材がセラミックス基板に接合したアルミニウム−セラミックス接合基板において、アルミニウム−シリコン系合金がホウ素を含有することを特徴とする、アルミニウム−セラミックス接合基板。
  2. 前記アルミニウム−シリコン系合金が0.1〜1.5重量%のシリコンを含有することを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウム−セラミックス接合基板。
  3. 前記アルミニウム−シリコン系合金が0.2〜1.0重量%のシリコンを含有することを特徴とする、請求項1に記載のアルミニウム−セラミックス接合基板。
  4. 前記アルミニウム−シリコン系合金が0.02重量%以上のホウ素を含有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のアルミニウム−セラミックス接合基板。
  5. 前記アルミニウム−シリコン系合金が0.03〜0.10重量%のホウ素を含有することを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載のアルミニウム−セラミックス接合基板。
  6. 前記アルミニウム合金部材の表面の全部または一部にNiまたはNi合金めっきを施したことを特徴とする、請求項1乃至5のいずれかに記載のアルミニウム−セラミックス接合基板。
  7. 鋳型内にセラミックス基板を設置した後、このセラミックス基板の少なくとも一方の面に接触するようにアルミニウム−シリコン系合金の溶湯を鋳型内に注湯し、冷却してアルミニウム−シリコン系合金の溶湯を固化させることにより、セラミックス基板にアルミニウム合金部材を直接接触させて接合するアルミニウム−セラミックス接合基板の製造方法において、アルミニウム−シリコン系合金がホウ素を含有することを特徴とする、アルミニウム−セラミックス接合基板の製造方法。
  8. 前記アルミニウム−シリコン系合金が0.1〜1.5重量%のシリコンを含有することを特徴とする、請求項7に記載のアルミニウム−セラミックス接合基板の製造方法。
  9. 前記アルミニウム−シリコン系合金が0.2〜1.0重量%のシリコンを含有することを特徴とする、請求項7に記載のアルミニウム−セラミックス接合基板の製造方法。
  10. 前記アルミニウム−シリコン系合金が0.02重量%以上のホウ素を含有することを特徴とする、請求項7乃至9のいずれかに記載のアルミニウム−セラミックス接合基板の製造方法。
  11. 前記アルミニウム−シリコン系合金が0.03〜0.10重量%のホウ素を含有することを特徴とする、請求項7乃至9のいずれかに記載のアルミニウム−セラミックス接合基板の製造方法。
  12. 請求項1乃至6のいずれかに記載のアルミニウム−セラミックス接合基板を用いたパワーモジュール。

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