JP2005246371A - 気体混合装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 気体混合装置の構成に工夫を凝らし、気体混合装置に気体供給手段を内蔵させて、気体流路方向の長さを短縮可能な気体混合装置を提供する。
【解決手段】 円形状の通路22にフィン23を挿入固定して形成される混合要素2Aを複数個平行且つ環状に配置してスタティックミキサ2を形成し、且つ第2気体である空気をスタティックミキサ2に供給するための送風機3のほぼ全体を、スタティックミキサ2の内周空間内に収容固定した。これにより、従来の気体混合装置においては気体混合装置と直列に配置されている気体供給手段である送風機3をスタティックミキサ2と並列に配置して、混合気体生成装置1の全長Lを短縮することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 円形状の通路22にフィン23を挿入固定して形成される混合要素2Aを複数個平行且つ環状に配置してスタティックミキサ2を形成し、且つ第2気体である空気をスタティックミキサ2に供給するための送風機3のほぼ全体を、スタティックミキサ2の内周空間内に収容固定した。これにより、従来の気体混合装置においては気体混合装置と直列に配置されている気体供給手段である送風機3をスタティックミキサ2と並列に配置して、混合気体生成装置1の全長Lを短縮することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、2種類の気体を均一に混合させるための気体混合装置に関するものであり、たとえば、燃料気体を燃焼させる燃焼装置において燃料気体と空気の混合気体の生成用途に用いて好適である。
従来、このような分野の気体混合装置としては、たとえば、無数の旋回羽根を円錐面持つ両円錐コマの頂点より、円錐の円周曲面を通り反対側の円錐頂点に達する流路構成による気体混合装置がある(特許文献1参照)。
これにより、複数種類の気体が気体混合装置を通過する際における、剪断箇所および剪断回数を多数として、より均一な混合気体の生成を図っている。
特開平05−212259号公報
しかしながら、上述の従来の気体混合装置では、両円錐コマの頂点に気体を供給する必要があり、気体混合装置入口付近において気体供給通路径が絞られるため、圧力損失が大きくなるという問題がある。
また、一般に、気体混合装置に気体を供給する気体供給手段、たとえば送風機等は、気体混合装置の上流側に気体混合装置と直列に配置されているため、気体供給手段を含めた気体混合装置の体格、特に気体流路方向の長さが長くなる。この結果、気体混合装置が搭載される装置、たとえば燃焼装置等の体格が大きくなってしまうという問題がある。
本発明は、上記の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的は、気体混合装置の構成に工夫を凝らし、気体混合装置に気体供給手段を内蔵させて、気体流路方向の長さを短縮可能な気体混合装置を提供することである。
本発明は、上記目的を達成する為に以下の技術的手段を採用する。
本発明の請求項1に記載の気体混合装置は、円形状の通路に固定羽根を配列して形成された混合要素を複数個平行且つ環状に配置してなる混合手段を備え、混合手段は、その一端側に気体入口を備えるとともに他端側に気体出口を備え、第1気体供給手段により気体入口の外周側から第1気体を、第2気体供給手段により気体入口の内周側から第2気体をそれぞれ混合手段に流入させ、気体出口から第1気体および第2気体の混合気体を流出させる気体混合装置であって、第1気体供給手段は、混合手段の外側に配置され、第2気体供給手段は、その全体あるいは一部が混合手段の内周空間内に収容される構成とした。
従来の気体混合装置においては、その気体通過方向断面全体が混合手段により占められている。言い換えると、従来の気体混合装置の気体通過方向断面全体が気体通路となっている。このため、混合手段に気体を供給するための気体供給手段は、気体通過方向において混合手段と直列に配置しなくてはならず、このために、気体混合装置の全長が長くなるという問題があった。
これに対して、本発明の請求項1に記載の気体混合装置では、混合手段を、円形状の通路に固定羽根を配列して形成された混合要素を複数個平行且つ環状に配置して形成しているので、混合手段の内周部に空間が形成される。この空間内に、第2気体供給手段の全体あるいは一部を収容することにより、混合手段と第2気体供給手段とは気体通過方向において完全にあるいは部分的に重なるので、気体混合装置の全長を短縮することが可能となる。
なお、第2気体は、混合手段へは、その入口の内周側から流入するので、混合手段の内周部の空間内に第2気体供給手段の全体あるいは一部を収容することで、第2気体供給手段から混合手段の入口へ容易に第2気体を流入させることができる。
本発明の請求項2に記載の気体混合装置は、第2気体供給手段は、電動機駆動式送風機である構成とした。
電動機駆動式送風機は回転翼を備えており、その外形は一般的には円形を成しているので、混合手段の内周部の空間、すなわち円筒形の空間に容易且つ高い空間利用効率で収容することができる。
本発明の請求項3に記載の気体混合装置は、混合手段の入口に第1気体の導入通路と第2気体の導入通路とを分離する仕切り板を備える構成とした。
これにより、混合手段よりも上流側において、第1気体が第2気体供給手段内に逆流する、あるいは第2気体が第1気体供給手段内へ逆流することを防止できる。
本発明の請求項4に記載の気体混合装置は、混合手段の出口の下流部に多数の微細通路を備える整流板を設け、該整流板を通過させて混合気体を気体混合装置の外へ流出させる構成とした。
本発明による気体混合装置の混合手段の出口はドーナツ形状となっているので、第1気体および第2気体の混合気体はドーナツ状流れとして流出する。一方、気体混合装置から流出する混合気体を利用する装置、たとえば燃焼器等においては、混合気体が円柱状の流れとして供給され且つ混合気体の流速が円柱の断面内において均一であること望ましい。
しかしながら、混合手段からのドーナツ状の混合気体流れを単純に円柱状に変換すると、円柱状流れの流速が円柱の断面内において不均一となってしまう。
そこで、本発明の請求項4に記載の気体混合装置のような構成にすると、整流板が混合気体流に対して一種のダンパーとして作用する。すなわち、流速の小さい流れにとっては通気抵抗が小さく、流速の大きい流れにとっては通気抵抗が大きく作用する。
これにより、整流板通過後の円柱状の混合気体の流速を円柱の断面内において均一化することができる。
本発明の請求項5に記載の気体混合装置は、整流板は多孔質通気性固体である構成とした。
これにより、容易に整流板通過後の円柱状の混合気体の流速を円柱の断面内において均一化することができる。
また、多孔質通気性固体は、一般には、セラミックス、焼結金属等から形成され、微細な通気孔が固定内部で複雑に連通し合っている。このため、混合手段を通過した混合気体が多孔質通気性固体を通過する際に、第1気体および第2気体がさらに撹拌されて、両者の混合がより促進されるので、より均質な混合気体を作ることができる。
本発明の請求項6に記載の気体混合装置は、第1気体は水素ガスであり、第2気体は空気である構成とした。
これにより、水素を燃料とする燃焼装置、たとえば触媒燃焼ヒータ等に本発明による気体混合装置を適用すれば、触媒燃焼ヒータの体格を小型化することができる。
本発明の請求項7に記載の気体混合装置は、通路および固定羽根の少なくとも一方の表面は撥水性を備えることを特徴としている。
第1気体および第2気体の少なくとも一方に水分、特に水滴が含まれている場合、第1気体あるいは第2気体が混合手段を通過する際に、気体に含まれる水滴が通路および固定羽根の少なくとも一方に付着する。通路および固定羽根の少なくとも一方に付着し滞留する水滴が増えると、通路の有効断面積が減少し通路の通気抵抗が増大する。このため、所定の混合気体流量が得られなくなるという問題が生じる。
ここで、上述したような構成とすれば、気体に含まれる水滴が通路および固定羽根の少なくとも一方の撥水性を有する表面に衝突しても、そこに付着せずに表面に沿って転がる、あるいは再度気体とともに流れる等により通路外へ流出する。
これにより、気体に含まれる水滴が通路内に滞留して通路の通気抵抗が増大することを阻止できる。
本発明の請求項8に記載の気体混合装置は、混合手段の出口の近傍に設けられた捕水手段と、捕水手段に捕集された水を外部へ排出する排出手段を備えたことを特徴としている。
一般に、気体混合装置は、それにより生成された混合気体を利用する装置に混合気体を供給可能に接続されて使用されている。ここで、第1気体および第2気体の少なくとも一方に含まれる水滴、言い換えると、気体混合装置により生成された混合気体中に含まれる水滴は、この混合気体を利用する装置に対しては異物あるいは不純物として作用することが多い。
気体混合装置を上述したような構成とすれば、通路および固定羽根に付着せずに通路中から流出した水滴を捕水手段によって捕捉することができるので、気体混合装置から流出する混合気体中に含まれる水滴を確実に除去することができる。
また、上述の構成においては捕水手段に捕集された水を外部へ排出する排出手段を備えている。したがって、捕水手段における貯留水量が増加した際に排出手段により捕集した水を外部へ排出することで、捕水手段の捕水機能を気体混合装置の運転中において常に安定して維持することができる。
以下、本発明の第1実施形態による気体混合装置を、水素ガスを燃料とする触媒燃焼ヒータ100に取り付けられて水素ガスと空気の混合気を形成する混合気体生成装置1に適用した場合を例にとり、図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1の全体断面図である。
図1は、本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1の全体断面図である。
図2は、図1のII矢視図である。
図3は、本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1が搭載される触媒燃焼ヒータ100の構成を説明する模式図である。
図4は、図1中のIV矢視図である。
図5は、図1中のV矢視図であり、フィン23の斜視外観図である。
触媒燃焼ヒータ100は、水素ガスを燃焼させその発生熱を暖房用に利用するためのものである。触媒燃焼ヒータ100は、図3に示すように、第1気体である水素ガスと第2気体である空気との混合気を生成し外部へ供給する混合気体生成装置1と、酸化触媒を備えて水素ガスと空気、詳しくは酸素とを触媒反応させ且つその発生熱を熱媒体、たとえば水等に熱交換する触媒燃焼熱交換器101と、熱媒体を介して運ばれた触媒燃焼熱交換器101における発生熱を外部に放散するヒータコア103と、触媒燃焼熱交換器101およびヒータコア103間に熱媒体を循環させるための熱媒体配管102およびポンプ104とから構成されている。
本発明の第1実施形態による気体混合装置である混合気体生成装置1は、触媒燃焼ヒータ100において、図3に示すように、触媒燃焼熱交換器101の上流側に配置され、水素ガスと空気との混合気を生成し、その混合気を触媒燃焼熱交換器101へ供給する機能を果たしている。
以下に、本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1の構成について説明する。
本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1は、大きくは、図1に示すように、水素ガスおよび空気を通過させることにより水素ガスおよび空気の均質な混合気を生成するスタティックミキサ2と、スタティックミキサ2の上流側へ第1気体である水素ガスを供給する第1気体供給手段である水素ガス供給装置4と、スタティックミキサ2の上流側へ第2気体である空気を供給する第2気体供給手段である送風機3とから構成されている。
混合手段であるスタティックミキサ2は、有底円筒状に形成されたボディ21の円筒壁部にボディ21の軸方向貫通孔である円形状の通路22を複数個平行且つ環状に設けるとともに、各通路22内に固定羽根であるフィン23をそれぞれ挿入固定して形成されている。すなわち、一組の通路22およびフィン23が1個の混合要素2Aを形成し、図2に示すように、複数(本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1では20個)の混合要素2Aを平行且つ環状に配置してスタティックミキサ2が形成されている。また、スタティックミキサ2において、有底円筒の開口端側、つまり図1の上側が気体入口、底側、つまり図1の下側が気体出口となっている。また、スタティックミキサ2においては、混合要素2Aを環状に配置しているため、スタティックミキサ2の内周側には空間が形成されている。この空間内には、図1に示すように、第2気体である空気をスタティックミキサ2へ供給する送風機3が配置されている。
フィン23は、本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1においては、図1および図2に示すように、2個のフィンエレメント23a、23bを直列配置して形成されている。各フィンエレメント23a、23bは、図5に示すように、それぞれ両端間で180度捩れている一枚の曲面から成るとともに各両端は通路22をその直径位置で二分している。なお、各フィンエレメントの捩れ方向は、フィンエレメント23aが時計回り、フィンエレメント23bが反時計回りとなっている。これにより、空気および水素ガスの混合気体は、各フィンエレメント23a、23bを通過する毎に回転方向が替わり、急激な慣性力の反転を受け乱流攪拌される。また、直列配置された2個のフィンエレメント23a、23bは、図1および図4に示すように、互いに90度だけ回転させて配置されている。これにより、空気および水素ガスは、各フィンエレメント23a、23bを通過する毎に2分割される。以上により、個別に供給された空気および水素ガスは、混合要素2Aを通過する過程において攪拌混合され均一な混合気が生成される。
なお、図1においては、分り易さのためにフィンエレメント23a、23bを一個づつとしているが、これに限る必要はなく、フィンエレメント23a、23bを交互に3個以上直列配置してもよい。
第2気体供給手段である送風機3は、本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1においては、電動機駆動式送風機が用いられている。送風機3は、翼車32を、モータ31の駆動軸であるシャフト31aを介して回転させて、吸入ダクト34から空気を吸い込んで第2気体導入通路である吐出通路35へ吐出する構成となっている。すなわち、図1中において矢印で示すように、吸入ダクト34を経て吸入された空気は、翼車32により加圧されて吐出通路35へ流出する。また、送風機3は、そのほぼ全体が、図1に示すように、スタティックミキサ2の内周側空間内に収容固定されている。つまり、吐出通路35の先端付近がスタティックミキサ2の内周側空間より突出している。なお、本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1においては、送風機3として、図1に示すように、遠心式送風機が用いられている。
第1気体である水素をスタティックミキサ2へ供給する第1気体供給手段である水素ガス供給装置4は、図1に示すように、スタティックミキサ2の外周側に配置されている。水素ガス供給装置4は、詳しい説明は省略するが、スタティックミキサ2に供給する水素ガスの、圧力、流量、温度等を必要に応じて所定値に制御可能な装置である。水素ガス供給装置4への水素供給源としては、たとえば、燃料電池システムにおけるFCスタックからのOFFガスの利用、あるいは、FCスタックへ供給する水素ガスの一部を抽出する等がある。
送風機3からの空気は、図1に示すように、吐出通路35を介してスタティックミキサ2の気体入口24の内周側へ、また水素ガス供給装置4からの水素ガスは水素供給通路41を介してスタティックミキサ2の気体入口24の外周側へ、それぞれ供給される。スタティックミキサ2の気体入口24には、図1に示すように、吐出通路35と水素供給通路41とを分離する仕切り板であるセパレータ5が設けられている。セパレータ5は、スタティックミキサ2の気体入口24において吐出通路35と水素供給通路41とを分離し、さらに、図1に示すように、通路22内へも延長されている。すなわち、セパレータの先端は通路22内において、フィン23近傍まで延設されているので、水素ガスおよび空気は、スタティックミキサ2の通路22内において初めて接触、混合する。これにより、混合気体生成装置1内において、水素ガスと空気の混合気が存在する領域(予混合領域)を必要最小限度に小さくすることができる。
スタティックミキサ2の気体出口25の下流側(図1において下側)には、図1に示すように、整流板6が配置されている。整流板6は、多孔質通気性固体、たとえば、セラミックス、焼結金属等から円盤状に形成されている。整流板6の内部においては多数の微細な通気孔が内部で複雑に連通し合っている。また、整流板6は、図1に示すように、スタティックミキサ2の外側を覆うケース26に保持固定されている。したがって、スタティックミキサ2により生成され、スタティックミキサ2の気体出口25から流出した水素ガスと空気の混合気は、図1中において矢印で示すように、ケース26により整流板6へ導かれ、整流板6を通過して、混合気体生成装置1の外部、本発明の第1実施形態においては、触媒燃焼熱交換器101へ供給される。
以上説明した、本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1においては、円形状の通路22にフィン23を挿入固定して形成される混合要素2Aを複数個平行且つ環状に配置してスタティックミキサ2を形成し、且つ第2気体である空気をスタティックミキサ2に供給するための送風機3のほぼ全体を、スタティックミキサ2の内周空間内に収容固定した。ここで、送風機3のほぼ全体とは、モータ31、翼車32、吸入ダクト34等全ての主要部がスタティックミキサ2の内周空間内に収容固定され、吐出通路35の一部分のみがスタティックミキサ2の気体入口24の外側(図1の上側)へ突出していることを指す。
従来の気体混合装置においては、第2気体供給手段とスタティックミキサとは直列配置せざるを得ず、気体混合装置の全長、すなわち気体流れ方向長さが長くなり大型化するという問題があった。
これに対して、本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1においては、第2気体供給手段である送風機3をスタティックミキサ2の内周空間内に収容固定した。言い換えると、送風機3をスタティックミキサ2とを並列配置したので、混合気体生成装置1の全長L(図1参照)を短縮することができる。
また、送風機3から吐出された空気は、スタティックミキサ2の気体入口24の内周側からスタティックミキサ2に流入する構成としているので、送風機3からスタティックミキサ2への空気通路、すなわち吐出通路35を短縮して送風機3とスタティックミキサ2の気体入口24間における圧力損失を低減することができる。
なお、第1気体供給手段である水素ガス供給装置4は、スタティックミキサ2の外周側に配置されているが、本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1が搭載される触媒燃焼ヒータ100において、水素ガスは燃料であり、その供給源である水素ガス供給装置4の配置場所は、十分な安全性が確保できることが必要であり、混合気体生成装置1が搭載される機器(本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1においては触媒燃焼ヒータ100)により個別に選定される。しかし、第2気体供給手段である送風機3とスタティックミキサ2とを並列配置して混合気体生成装置1の全長Lを短縮することは、混合気体生成装置1が組み込まれる機器への搭載性の向上、混合気体生成装置1が組み込まれる機器の小型化に大きな効果がある。
また、以上説明した、本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1においては、第2気体である空気供給手段として、電動機駆動式の送風機3を採用している。電動機の場合、回転数を容易に制御することが可能であるので、スタティックミキサ2に供給する空気流量を容易に制御することができる。これによって、触媒燃焼ヒータ100の温度を容易に制御することができる。
また、以上説明した、本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1においては、スタティックミキサ2の気体入口24に、吐出通路35と水素供給通路41とを分離する仕切り板であるセパレータ5を設けている。さらに、セパレータ5は、スタティックミキサ2の気体入口24から通路22内へフィン23近傍まで延長されている。
これにより、空気が水素ガス供給装置4内へ流入する、あるいは水素ガスが送風機3内を経由して外部へ放散されることを防止することができる。
また、セパレータ5を設けたことにより、水素ガスと空気の混合気が存在する領域(予混合領域)を必要最小限度に小さくすることができる。水素ガスと空気の混合気は活性が高く反応がおき易い。したがって、スタティックミキサ2から水素ガスと空気の混合気を必要とする部分である触媒燃焼熱交換器101までの水素ガスと空気の混合気の通過距離を短くすることは、触媒燃焼ヒータ100の安全性を高める効果がある。
また、以上説明した、本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1においては、スタティックミキサ2の気体出口25の下流側に、整流板6を配置している。整流板6は、多孔質通気性固体、たとえば、セラミックス、焼結金属等から円盤状に形成され、その内部には複雑に連通し合う多数の微細な通気孔が形成されている。
ところで、スタティックミキサ2は環状に形成されているので、スタティックミキサ2の気体出口25からは水素ガスと空気の混合気がドーナツ状流れとして流出する。この混合気は、円柱状流れに変換されて触媒燃焼熱交換器101へ供給される。ドーナツ状流れを単純に円柱状流れに変換すると、円柱状流れの流速が円柱の断面内において不均一となってしまう。一方、触媒燃焼熱交換器101における安定した触媒反応を実現するためには、混合気の流速が円柱の断面内において均一であること望ましい。
そこで、本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1のような整流板6を設けると、整流板6が混合気流れに対して一種のダンパーとして作用する。すなわち、流れの流速の小さい部分にとっては通気抵抗が小さく作用し、流れの流速の大きい部分にとっては通気抵抗が大きく作用するので、整流板6通過後の混合気流れの流速を円柱の断面内において均一化することができる。
さらに、水素ガスと空気の混合気が整流板6を通過することにより、水素ガスと空気がさらに撹拌されて、両者の混合がより促進されるので、より均質な混合気体を作ることができる。
(第2実施形態)
図6に、本発明の第2実施形態による混合気体生成装置1の全体断面図を示す。図6の上方が、混合気体生成装置1の使用状態における上方である。
図6に、本発明の第2実施形態による混合気体生成装置1の全体断面図を示す。図6の上方が、混合気体生成装置1の使用状態における上方である。
本発明の第2実施形態による混合気体生成装置1は、本発明の第1実施形態による混合気体生成装置1に対して、つぎの2点が異なっている。
すなわち、第1点は、スタティックミキサ2における混合要素2Aの通路22の内壁表面およびフィン23の表面に撥水性を具備させたこと、第2点は、スタティックミキサ2のケース26において混合要素2Aの出口近傍に捕水手段である集水溝27aを設け、且つ集水溝27に集水溝27aに溜まった水を外部へ排出する排出手段としての排水管7および排水管7の連通・遮断を切り替える電磁弁8を接続したことである。
本発明の第2実施形態による混合気体生成装置1においては、通路22の内壁表面およびフィン23の表面に撥水性を具備させるために、通路22の内壁表面およびフィン23の表面に、たとえばフッ素樹脂を不燃性フッ素系溶剤に溶解した溶液を塗布してフッ素樹脂皮膜を形成している。
混合気体生成装置1に供給される空気中には、雨滴等の水滴が含まれることがある。空気が混合要素2Aを通過する際に上述の水滴が通路22の内壁表面およびフィン23の表面に付着すると、混合要素2Aの断面積が減少して所定の空気流量を得ることが困難となる可能性がある。
また、混合気体生成装置1に接続された触媒燃焼ヒータ100においては、上述した空気中に含まれる水滴が触媒表面に付着すると(排出手段)触媒機能が低下するという問題が生じる。
本発明の第2実施形態による混合気体生成装置1においては、混合要素2Aの通路22の内壁表面およびフィン23の表面に撥水性を具備させることにより、通路22の内壁表面およびフィン23の表面に水滴が付着することを阻止できる。さらに、空気とともに混合要素2Aを通過した水滴を集水溝27により捕集することにより、水滴が触媒燃焼ヒータ100へ流入することを阻止することができる。
これにより、空気中に含まれる水滴付着により混合要素2Aの断面積が減少して所定の空気流量を得られなくなる問題、および空気中の水滴が触媒表面に付着して触媒機能が低下するという問題を解決することができる。
ここで、本発明の第2実施形態による混合気体生成装置1における、集水溝27および排水管7の構成、それらによる排水動作について説明する。
先ず、集水溝27および排水管7の構成について説明する。
集水溝27は、ケース26に、図6に示すように、出口25に対向する環状の凹部として形成されている。集水溝27は、その深さ寸法dが、図6に示すように、徐々に大きくなるように形成されている。そして、集水溝27の深さ寸法dが最大である位置に排水管7が接続されている。これにより、集水溝27に捕集された水のほとんどすべてを確実に排水管7に導き且つ流入させることができる。
排水管7には、図6に示すように、2つの折曲部71、72が設けられている。排水管7の折曲部72の下流側には、電磁弁8が取り付けられている。電磁弁8は、排水管7の連通・遮断を切り替えるためのものである。また、排水管7の折曲部72の下流側且つ電磁弁8よりも上方には、水面を検出する水面センサ9が排水管7内の水面位置を検出可能に取り付けられている。
電磁弁8および水面センサ9は制御回路11に電気的に接続されている。制御回路11は、たとえばマイクロコンピュータ等から構成され、バッテリ12からの電力供給を受けて作動する。制御回路11は、水面センサ9からの検出信号に基づいて電磁弁8を駆動し排水管7の連通・遮断を切り替える。
次に、集水溝27および排水管7による排水作動について説明する。
空気が混合要素2Aを通過すると、空気中の水滴10は、通路22の内壁表面およびフィン23の表面の撥水作用にはじかれて落下し、図6に示すように、集水溝27に捕集される。集水溝27に捕集された水滴10は、集水溝27内を排水管7へ向かって移動し、排水管7内に流入し、排水管7の折曲部71内に溜まる。折曲部71内に溜まる水の量が増加すると、やがて、図6に示す水面位置10aに達する。
さらに、水10が集水溝27から排水管7へ流入すると、排水管7の折曲部71内の水10の一部が折曲部72を乗り越えて排水管7の下流側へ流れて、図6に示すように、電磁弁8の上流側に溜まる。すなわち、折曲部71内の水面位置が水面位置10aに達した後は、集水溝27から排水管7へ流入する水10は、水面位置10aを維持しつつ電磁弁8の上流側に溜まる。
電磁弁8の上流側に溜まる水の量が増加して、その水面位置が水面位置10bに達すると、制御回路11は水面センサ9からの検出信号によりそのことを感知して電磁弁8を駆動して排水管7を連通させる。これにより、排水管7内の電磁弁8の上流側に溜まっていた水は外部へ排出される。このとき、折曲部71内の水はそのまま滞留しているために、混合要素2Aにより生成された空気と水素ガスの混合気体が排水管7を経て外部へ流出することが確実に阻止される。このように、排水管7の途中に2つの折曲部71、72を設けるという容易な構造により、捕集した空気中の水滴の排出作動中に空気と水素ガスの混合気体が触媒燃焼ヒータ100以外の部位に流出することを確実に防止できる。
制御回路11は、所定時間(電磁弁8の上流側に溜まっていた水が全部排出されるのに要する時間)経過後に、再び電磁弁8を駆動して排水管7を遮断する。
これ以降、制御回路11は水面センサ9の検出信号に基づいて上述したように電磁弁8を駆動して排水管7の連通・遮断を交互に繰り返す。これにより、混合気体生成装置1の作動と同時に、混合気体生成装置1に供給される空気中に含まれる水滴の排出動作を行うことができる。
図7には、本発明の第2実施形態による混合気体生成装置1の変形例の部分断面図示す。
この変形例では、本発明の第2実施形態による混合気体生成装置1に対して、排水管7の構成を変更している。
すなわち、図7に示すように、排水管7の途中に貯水部73を設けるとともに貯水部73の上流側および下流側に電磁弁13、14をそれぞれ設けている。さらに、貯水部73の上方には、水面センサ9が貯水部73内の水面位置を検出可能に取り付けられている。電磁弁13、14および水面センサ9は、制御回路11へ電気的に接続されている。
次に、本発明の第2実施形態による混合気体生成装置1の変形例における排水動作について説明する。
混合気体生成装置1の運転が開始時には、電磁弁13は連通状態に、電磁弁14は遮断状態にそれぞれ駆動されている。また、貯水部73は空状態である。
混合気体生成装置1の運転時間が経過するに連れて、集水溝27に捕捉された空気中の水滴10が排水管7を経て貯水部73に流入する。
貯水部73に貯留する水量が増加し、その水面位置が図7中の水面位置10cに達すると、制御回路11は、電磁弁13を遮断状態に駆動し、続いて電磁弁14を連通状態に駆動して貯水部73内の水を外部へ流出させる。このとき、電磁弁14の駆動は、電磁弁13が確実に遮断状態になるのに要する時間よりわずかに長い時間が経過後に行われる。これにより、空気と水素ガスの混合気体が排水管7を介して外部へ流出することを確実に阻止できる。
電磁弁14を連通状態に駆動した後所定時間経過後(所定時間とは、貯水部73内の水が全部外部へ流出するのに要する時間よりわずかに長い時間)、制御回路11は電磁弁14を遮断状態に駆動し続いて電磁弁13を連通状態に駆動して、集水溝27に捕捉された空気中の水滴10を貯水部73に流入させる。このとき、電磁弁13の駆動は、電磁弁14が確実に遮断状態になるのに要する時間よりわずかに長い時間が経過後に行われる。これにより、空気と水素ガスの混合気体が排水管7を介して外部へ流出することを確実に阻止できる。
なお、以上説明した、本発明の第2実施形態およびその変形例による混合気体生成装置1においては、通路22の内壁表面およびフィン23の表面にフッ素樹脂皮膜を塗布により形成しているが、通路22の内壁表面およびフィン23の表面に撥水性を具備せしめる方法はこれに限定する必要はない。たとえば、通路22およびフィン23の少なくとも一方を、高い撥水性を具備する材質、たとえばフッソ樹脂等から直接形成してもよい。この場合、ボディ21全体を高い撥水性を具備する材質から形成する、あるいは通路22のみを高い撥水性を具備する材質から形成してボディ21に嵌合固定してもよい。
また、以上説明した、本発明の第2実施形態およびその変形例による混合気体生成装置1においては、通路22の内壁表面およびフィン23の表面の両方にフッ素樹脂皮膜を塗布により形成して高撥水性を具備させているが、通路22の内壁表面およびフィン23の表面のどちらか一方にだけフッ素樹脂皮膜を塗布により形成して高撥水性を具備させてもよい。このような構成によっても、空気中に含まれる水滴が付着することによってスタティックミキサ2の混合要素2Aの通路22の断面積が減少して所定の空気流量を得ることが困難になるという不具合を防止することができる。
また、以上説明した、本発明の第1実施形態、第2実施形態およびその変形例による混合気体生成装置1においては、スタティックミキサ2のボディ21を有底円筒状に形成しているが、有底円筒状に限る必要はなく、他の形状、たとえば、円筒状に形成するとともに、ボディ21の底部の替わりを送風機3のカバー33が果たす構成としてもよい。
また、以上説明した、本発明の第1実施形態、第2実施形態およびその変形例による混合気体生成装置1においては、送風機3として、遠心式送風機を用いているが、この形式の送風機に限定する必要はなく、他の形式の送風機、たとえば軸流式送風機、あるいは斜流式送風機等を用いてもよい。また、送風機3の駆動源を電気モータとしているが、他の動力源を用いてもよい。たとえば油圧モータ等を用いてもよい。
また、以上説明した、本発明の第1実施形態、第2実施形態およびその変形例による混合気体生成装置1においては、セパレータ5および整流板6を備えているが、セパレータ5および整流板6の少なくとも一方を状況に応じて廃止してもよい。この場合でも、送風機3とスタティックミキサ2とを並列配置することによる、混合気体生成装置1の全長L短縮化の効果を得ることができる。
また、以上説明した、本発明の第1実施形態、第2実施形態およびその変形例による混合気体生成装置1においては、第1気体を水素ガスとし第2気体を空気としているが、この組み合わせに限定する必要はなく、第1気体および第2気体の少なくとも一方を他の種類の気体に置き換えてもよい。
また、以上説明した、本発明の第1実施形態、第2実施形態およびその変形例は、気体混合装置を、水素ガスを燃料とする触媒燃焼ヒータ100に取り付けられて水素ガスと空気の混合気を形成する混合気体生成装置1に適用した場合を例に説明したが、本発明による気体混合装置の用途を触媒燃焼ヒータ100に搭載される混合気体生成装置1に限定する必要はなく、他の用途に適用してもよい。
1 混合気体生成装置(気体混合装置)
2 スタティックミキサ(混合手段)
2A 混合要素
21 ボディ
22 通路(混合要素)
23 フィン(固定羽根、混合要素)
23a フィンエレメント
23b フィンエレメント
24 入口(気体入口)
25 出口(気体出口)
26 ケース
27 集水溝(捕水手段)
3 送風機(第2気体供給手段、電動機駆動式送風機)
31 モータ
31a シャフト
32 翼車
33 ケース
34 吸入ダクト
35 第2気体導入通路である吐出通路35
4 水素ガス供給装置(第1気体供給手段)
41 ダクト(第1気体導入通路)
5 セパレータ(仕切り板)
6 整流板(多孔質通気性固体)
7 排水管(排出手段)
71 折曲部
72 折曲部
73 貯水部
8 電磁弁(排出手段)
9 水面センサ
10 水滴、水
10a 水面位置
10b 水面位置
10c 水面位置
11 制御回路
12 バッテリ
13 電磁弁(排出手段)
14 電磁弁(排出手段)
100 触媒燃焼ヒータ
101 触媒燃焼熱交換器
102 熱媒体配管
103 ヒータコア
104 ポンプ
d 深さ寸法
L 全長
2 スタティックミキサ(混合手段)
2A 混合要素
21 ボディ
22 通路(混合要素)
23 フィン(固定羽根、混合要素)
23a フィンエレメント
23b フィンエレメント
24 入口(気体入口)
25 出口(気体出口)
26 ケース
27 集水溝(捕水手段)
3 送風機(第2気体供給手段、電動機駆動式送風機)
31 モータ
31a シャフト
32 翼車
33 ケース
34 吸入ダクト
35 第2気体導入通路である吐出通路35
4 水素ガス供給装置(第1気体供給手段)
41 ダクト(第1気体導入通路)
5 セパレータ(仕切り板)
6 整流板(多孔質通気性固体)
7 排水管(排出手段)
71 折曲部
72 折曲部
73 貯水部
8 電磁弁(排出手段)
9 水面センサ
10 水滴、水
10a 水面位置
10b 水面位置
10c 水面位置
11 制御回路
12 バッテリ
13 電磁弁(排出手段)
14 電磁弁(排出手段)
100 触媒燃焼ヒータ
101 触媒燃焼熱交換器
102 熱媒体配管
103 ヒータコア
104 ポンプ
d 深さ寸法
L 全長
Claims (8)
- 円形状の通路に固定羽根を配列して形成された混合要素を複数個平行且つ環状に配置してなる混合手段を備え、
前記混合手段は、その一端側に気体入口を備えるとともに他端側に気体出口を備え、
第1気体供給手段により前記気体入口の外周側から第1気体を、第2気体供給手段により前記気体入口の内周側から第2気体をそれぞれ流入させ、前記気体出口から前記第1気体および前記第2気体の混合気体を流出させる気体混合装置であって、
前記第1気体供給手段は、前記混合手段の外側に配置され、
前記第2気体供給手段は、その全体あるいは一部が前記混合手段の内周空間内に収容されることを特徴とする気体混合装置。 - 前記第2気体供給手段は、電動機駆動式送風機であることを特徴とする請求項1に記載の気体混合装置。
- 前記混合手段の前記入口に前記第1気体の導入通路と前記第2気体の導入通路とを分離する仕切り板を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の気体混合装置。
- 前記混合手段の前記出口の下流部に多数の微細通路を備える整流板を設け、該整流板を通過させて前記混合気体を気体混合装置の外へ流出させることを特徴とする請求項1ないし請求項3記載の気体混合装置。
- 前記整流板は多孔質通気性固体であることを特徴とする請求項4に記載の気体混合装置。
- 前記第1気体は水素ガスであり、前記第2気体は空気であることを特徴とする請求項1ないし請求項5に記載の気体混合装置。
- 前記通路および前記固定羽根の少なくとも一方の表面は撥水性を備えることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の気体混合装置。
- 前記混合手段の前記出口の近傍に設けられた捕水手段と、
前記捕水手段に捕集された水を外部へ排出する排出手段を備えたことを特徴とする請求項7に記載の気体混合装置。
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2004
- 2004-12-07 JP JP2004354636A patent/JP2005246371A/ja not_active Withdrawn
-
2005
- 2005-02-02 US US11/047,612 patent/US7338543B2/en not_active Expired - Fee Related
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