JP2005245409A - パン製造用の米粉及び米粉を用いたパンの製造方法 - Google Patents

パン製造用の米粉及び米粉を用いたパンの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、グルテンを使用せず、従来から行われている小麦粉パンの製造工程と同一の製造工程によりスポンジ状のパンを製造することが可能で、その上、香味に秀れ、更に秀れた保存性を有する商品価値の高い製品を安定して製造することができ、しかも、コスト安に製造することが可能で、更に、アレルギー患者でも安心して食することができるパンを製造できるパン製造用の米粉を提供するものである。
【解決手段】 パンの製造に用いられるパン製造用の米粉であって、グルテンが配合されていない米粉を主材とし、増粘多糖類が配合されているパン製造用の米粉。
【選択図】 図4

Description

本発明は、パン製造用の米粉及び米粉を用いたパンの製造方法に関するものである。
近年、米の消費量の減少に伴って、米を原料とする食品についての製造方法が種々提案されており、その中に、小麦粉や卵等のアレルギー患者でも食することができる米(米粉)を用いたパンの製造方法がある。
この米(米粉)を用いたパンの製造方法は、米を主材とし、パン生地をスポンジ状に形成するためグルテンを加え、更に塩や砂糖といった添加物を加えてパンを製造するものである。
ところで、グルテンとは、小麦粉等の穀類に含まれる物質で、通常は小麦粉に水を加えて十分に練り、この練ったものを専用の洗浄装置で洗浄して該小麦粉中に含まれる澱粉を洗い流し、乾燥,粉砕工程を経ることで製造されるものである(グルテンはアレルゲン物質ではない。)。尚、米には、このグルテンが含まれていない。
しかしながら、米粉にグルテンを加えたパン生地は非常に脆い性質を有し、例えば、イースト菌を加えた後の発酵,焼成段階において、素材に断裂がおきたり穴があいてしまうという問題点を有している。
また、米粉にグルテンを配合して製造されるパンは、小麦粉を原料として製造されるパンに比して、生地の粘弾性の安定時間が非常に短く、また、発酵時間の延長に伴う劣化が著しく、賞味期限も2日程度と短いといった問題点を有しており、このため、米粉を原料とするパンにおいては、製品を安定して生産することが難しいとされていた。
また、前述のように、米粉にグルテンを加えたパン生地は非常に脆い性質を有する為、小麦粉パンと同一の製造工程によって製造することは非常に困難であり、よって、特別の製造工程を導入しており、このことが、米粉を原料とするパンの普及に障害となっていた。
ところで、米粉を原料とし且つグルテンを使用しないパンの製造方法として、特開2003−189786号公報(以下、従来例という。)が提案されている。
この従来例は、米粉,酵母及び水とから成る主原料に、必要に応じて糖類,油脂類,卵等を加えて焼成することで、グルテンを用いることなくスポンジ状のパンの製造を可能とするものである。
この従来例によれば、卵白の熱凝固性を利用することで、グルテンを用いずともスポンジ状の組織形成を可能としている。
しかしながら、従来例は、パンをスポンジ状で製造する為に、卵白を非常に多量に使用しなければならないという問題点を有する。
そのため、従来例により製造されたパンは、卵白のにおいが強いものとなり、これによりパン独特の香味が不足してしまい、商品価値の高いパンを製造できない。
また、卵白を多量に使用して製造されたパンは、すぐに硬くなってしまい、翌日にはトーストしないと食べれない等の品質上の不都合も生ずる。
更に、従来例は、当然ながら、卵アレルギー患者は食することができない。
よって、従来例は、グルテンを使用せずともスポンジ状のパンを製造できるものの、種々の問題点を有し、まだまだ改善の余地があるといえる。
本発明は、グルテンを使用せず、従来から行われている小麦粉パンの製造工程と同一の製造工程によりスポンジ状のパンを製造することが可能で、その上、香味に秀れ、更に秀れた保存性を有する商品価値の高い製品を安定して製造することができ、しかも、コスト安に製造することが可能で、更に、アレルギー患者でも安心して食することができるパンを製造できるパン製造用の米粉を提供するものである。
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
パンの製造に用いられるパン製造用の米粉であって、グルテンが配合されていない米粉を主材とし、増粘多糖類が配合されていることを特徴とするパン製造用の米粉に係るものである。
また、請求項1記載のパン製造用の米粉において、米粉には完全にα化した米粉が配合されていることを特徴とするパン製造用の米粉に係るものである。
また、請求項1,2記載いずれか1項に記載のパン製造用の米粉において、米粉として粳米粉が採用されていることを特徴とするパン製造用の米粉に係るものである。
また、請求項1〜3いずれか1項に記載のパン製造用の米粉において、増粘多糖類としてグアーガム,キサンタンガム,ローカストビーンガム若しくはペクチンが採用されていることを特徴とするパン製造用の米粉に係るものである。
また、請求項1〜4いずれか1項に記載のパン製造用の米粉において、乳化剤が配合されていることを特徴とするパン製造用の米粉に係るものである。
また、請求項1〜5いずれか1項に記載のパン製造用の米粉において、βアミラーゼが配合されていることを特徴とするパン製造用の米粉に係るものである。
また、請求項1〜6いずれか1項に記載のパン製造用の米粉において、野菜類,イモ類,果実類,キノコ類,豆類,海藻類等の栄養素材が配合されていることを特徴とするパン製造用の米粉に係るものである。
また、請求項2〜7いずれか1項に記載のパン製造用の米粉において、α化しない米粉と、α化した米粉との混合割合は、99部〜90部:1部〜10部に設定されていることを特徴とするパン製造用の米粉に係るものである。
また、請求項2〜8いずれか1項に記載のパン製造用の米粉において、α化しない米粉とα化した米粉とから成る米粉混合物100部に対して、増粘多糖類が0.1部〜3.0部配合されていることを特徴とするパン製造用の米粉に係るものである。
また、米粉を用いたパンの製造方法であって、米粉と増粘多糖類とを混合してパン生地を形成し、このパン生地を発酵させ、該発酵させたパン生地を焼成することを特徴とする米粉を用いたパンの製造方法に係るものである。
また、米粉を用いたパンの製造方法であって、米粉と増粘多糖類とを混合してパン生地を形成し、このパン生地を発酵させ、該発酵させたパン生地を蒸すことを特徴とする米粉を用いたパンの製造方法に係るものである。
また、請求項10,11いずれか1項に記載の米粉を用いたパンの製造方法において、米粉には完全にα化した米粉が配合されていることを特徴とする米粉を用いたパンの製造方法に係るものである。
また、請求項10〜12いずれか1項に記載の米粉を用いたパンの製造方法において、米粉として粳米粉を採用することを特徴とする米粉を用いたパンの製造方法に係るものである。
また、請求項10〜13いずれか1項に記載の米粉を用いたパンの製造方法において、増粘多糖類としてグアーガム,キサンタンガム,ローカストビーンガム若しくはペクチンを採用することを特徴とする米粉を用いたパンの製造方法に係るものである。
また、請求項10〜14いずれか1項に記載の米粉を用いたパンの製造方法において、乳化剤を配合してパン生地を形成することを特徴とする米粉を用いたパンの製造方法に係るものである。
また、請求項10〜15いずれか1項に記載の米粉を用いたパンの製造方法において、βアミラーゼを配合してパン生地を形成することを特徴とする米粉を用いたパンの製造方法に係るものである。
また、請求項10〜16いずれか1項に記載の米粉を用いたパンの製造方法において、野菜類,イモ類,果実類,キノコ類,豆類,海藻類等の栄養素材を配合してパン生地を形成することを特徴とする米粉を用いたパンの製造方法に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、グルテンを使用せず、従来から行われている小麦粉パンの製造工程と同一の製造工程によりスポンジ状のパンを製造することが可能で、その上、香味に秀れ、更に秀れた保存性を有する商品価値の高い製品を安定して製造することができ、しかも、コスト安に製造することが可能で、更に、アレルギー患者でも安心して食することができるパンを製造できるパン製造用の米粉となる。
本発明の米粉を用いてパン生地を形成すると、該米粉に配合されている増粘多糖類が高い粘性を有する為、該パン生地に皮膜が形成される。
そして、前記パン生地を発酵させることで、該パン生地内に発生した炭酸ガスは、パン生地内に保持されることになる。
従って、この炭酸ガスが内部に保持されたパン生地を焼成するから、スポンジ状のパンが製造される。
また、増粘多糖類は、パン生地の物性を安定的に維持できる特性を備えており、よって、該パン生地の撹拌の繰り返しや発酵による膨張,ガス抜き,焼き型への充填によっても、パン生地に断裂を発生させたり穴があいたりする懸念がない。
また、増粘多糖類はグルテンよりも安価である為、コスト安にパンを製造することが可能となる。
また、本発明の米粉には、従来用いられているような、小麦粉から分離したグルテンが配合されていない為、パン生地が脆くなることがなく、これにより、発酵段階若しくは焼成段階において、パン生地に断裂が発生したりや穴があいたりすることがない。
また、前記グルテンが配合されないことで、パン生地の粘弾性の安定時間が短くならず、また、発酵時間の延長に伴う劣化もほとんど発生しない為、賞味期限を長期間とすることができる。
また、本発明の米粉には、アレルゲン物質が含まれていない為、例えば小麦粉や卵アレルギー患者でも食することができるパンが製造される。
従って、本発明の米粉を用いることで、商品価値の高いパンを製造することができる。
以上、本発明は、グルテンを使用せずとも、スポンジ状のパンを製造することができ、その上、香味に秀れ、更に保存性にも秀れ、しかも、コスト安に製造することができ、更に、アレルギー患者でも安心して食することができるパンを製造できる画期的なパン製造用の米粉となる。
本発明の実施例を説明する。
本実施例は、パンの製造に用いられるパン製造用の米粉に関するもので、米粉を主材とし、増粘多糖類,βアミラーゼ,乳化剤が配合され、更にグルテンが配合されていないパン製造用の米粉に係るものである。
米粉としては、粳米粉が採用されている。
粳米粉を採用したのは、粳米粉中の澱粉が、パン生地を焼成することで形成されるスポンジ状組織を固定維持する作用を有する為である。
即ち、パン生地を焼成する際の熱によって粳米粉中の澱粉が糊化し、該糊化した澱粉がスポンジ状組織を固定し維持する。
また、粳米粉には、完全にα化した粳米粉が配合されている。
即ち、本実施例の粳米粉は、α化しない粳米粉に、完全にα化した粳米粉を適量配合したものを採用している。
このα化した粳米粉は、水洗,水浸漬した粳精白米を蒸器で蒸して糊化させた後、ホットロールを用いて高温と焙焼と水分の急速蒸発を同時に行ってから粉砕することで得られる。
α化した粳米粉を配合したのは、パン生地の吸水性を上昇させて前記粳米粉の焼成時の加熱により粳米粉中の澱粉が糊化することを促進させる為である。これにより、スポンジ状組織が一層良好に固定維持される。また、α化した粳米粉を配合することで、このα化した粳米粉に対する後述のβアミラーゼの作用を低温域から焼成時の品温上昇による失活温度までの広い温度帯において発揮させることが可能となる。
増粘多糖類とは、グアーガム,キサンタンガム,ローカストビーンガム若しくはペクチン等の、自重の数十倍の水を吸水保持でき高い粘性を発揮し得る物質のことであり、本実施例においては、パン生地のつなぎ材としての役割を担うと共に、発酵中及び焼成後のスポンジ状組織を形成、維持する為に配合されている。
また、この増粘多糖類は高い粘性を有する為、パン生地に皮膜を形成し、これにより、発酵時にパン生地内に発生した炭酸ガスを閉じ込めることができ、これにより、該パン生地を焼成することでスポンジ状組織を形成できる。
また、増粘多糖類は、パン生地の物性を安定的に維持できる特性を備えており、該パン生地の撹拌の繰り返しや発酵による膨張,ガス抜き,焼き型への充填によりパン生地に断裂や穴あきが発生することを抑制する性質を有する。
また、増粘多糖類は、前述のように、吸水性に秀れる為、パン生地中の含水率を高めることができ、粳米粉中の澱粉の糊化を促進させる性質を有する。
βアミラーゼは、生澱粉(β澱粉)のミセルが、加熱により膨潤崩壊した澱粉(α澱粉)に特異的に作用する性質を有する澱粉分解酵素である。
即ち、βアミラーゼは、大豆の抽出液からαアミラーゼを除去したものを採用する(天野エンザイム株式会社製の「ビオザイムM5」)。
このβアミラーゼは、焼成後の物性保持の為に配合されている。
また、βアミラーゼは、前記α化した粳米粉中の澱粉分子の一部を分解してマルトース,オリゴ糖若しくはデキストリン等の多種類の糖類を生成させる性質を有し、これにより、生成された糖類は、パン生地中に残存する低分子化された澱粉と共に、加熱前の粳米粉中の澱粉(生澱粉)が加熱により糊化した後の該澱粉の老化(硬化)を抑制する性質を有する。
即ち、粳米粉中(α化しない粳米粉中)の澱粉(生澱粉)の加熱による糊化開始温度は、62℃〜63℃であり、当該温度では、蛋白質から成るアミラーゼはいわゆる失活状態となる為、生澱粉単独に対してβアミラーゼを配合しても、前述のような効果を得ることができない。
この点、本実施例は、α化した粳米粉を適度な比率で配合することで、βアミラーゼを積極的に作用でき、老化防止効果の高い中間分解物を生成したり、品質保持の面でより重要な意味を持つ低分子物質の生成を行うことができる。
また、βアミラーゼとしては、大豆由来等のαアミラーゼが混在しないものを厳選することが好ましい。即ち、モルト,水飴,米飴等の糖化製品を製造する際に広く利用されている大麦麦芽等の麦類由来のアミラーゼは、液化型(α),糖化型(β)が混在しており、パン生地に配合した場合、パン生地中の澱粉が液化されて組織形成を妨げる為、利用は困難である。更に、製パンに一般的な酵素製剤であるαアミラーゼの単独製剤を配合した場合は、α化した澱粉が速やかに液化され、その影響が著しく発現される為、本実施例の製パンには不適である。
また、本実施例の増粘多糖類は、例えば蛋白質分解酵素を含有するキノコ類や果実類等をそのまま利用したり、若しくはL−システインのような還元物質を添加しても何ら問題なくパンを製造することができ、これにより、副資材の汎用性が極めて高いという特徴を有している。
乳化剤は、パン組織を更に改善する為に配合されるもので、水中に油脂を均一且つ乳化状態で分散させる機能を有するものが採用されている。即ち、水中油滴型のエマルジョンを形成させる機能を持つものが採用されている。
具体的には、乳化剤は、パンの湿潤性の向上,分散相の安定化,油脂の分散性向上,乳化剤−脂質間の相互作用,乳化剤−澱粉の表面間の相互作用,乳化剤−蛋白質間の相互作用及び乳化剤−澱粉の複合体形成を目的として添加されるものであり、それらの作用が互いに関連し合ってパンの製造工程において夫々の効果を発現する(製パン材料の科学、p219。株式会社光琳。)。
本実施例の乳化剤は、グルテンを全く使用せず、製品の含水率を45%以上とすることを特徴とするものであり、多量の水を含むパン生地中で油脂の均一分散を図ることに主眼をおいてその目的を達成できる乳化剤を選択利用するものである。
即ち、本実施例の粳米粉100%のパンの加水率は、粳米粉混合物(α化しない粳米粉及びα化した粳米粉)に対し100%前後であり、小麦粉の65%前後,グルテンミックス米粉パンの75%〜80%に比べて著しく高い。
そのため、本実施例により製造されるパンの含水率は45%以上で、小麦粉パンの34%〜36%,グルテンミックス米粉パンの38%〜40%と格段に高くなるという性質を有する。
よって、本実施例のパン生地は水分を多く含んでいる為、油脂を加えた際に該油脂をパン生地中に均一に分散することが難しく、これにより、焼成後のパンは形状が不良となり、また、十分なボリュームが得られず、また、内相のキメが粗く不揃いとなる等の問題点を引き起こすことが考えられるが、乳化剤を添加することで前記問題点の発生を防止している。
本実施例の粳米粉には、野菜類,イモ類,果実類,キノコ類,豆類,海藻類等の栄養素材が加えられている。
この野菜類等の栄養素材は、生の状態,乾燥状態若しくは加熱処理した状態で加える。 また、野菜類等の栄養素材は、破砕,磨砕,粉砕等の処理を施すか若しくは前記処理を施さないそのままの状態で加える。
この栄養素材は、異なる種類,状態のものを任意の量で組み合わせて使用することが好ましい。また、当然ながら、栄養素材を単独で加えても良い。
この野菜類等の栄養素材が加えられることで、製品の多様化,健康機能性の付与,スポンジ状組織の強度向上及び物性改善を行うことができる。
即ち、米は、その75%が澱粉という澱粉主体の物質である為、米粉で製造されるパンは、蛋白質,ビタミン類,ミネラル,食物繊維等、健康維持に不可欠な栄養成分が不足しがちな状態となる。
そのため、米粉等と共に野菜類等の栄養素材を加えてパンを製造することで、栄養成分をバランス良く含有したパンを提供することができることになり、更には、生活習慣病等の疾病の改善を目的とした健康機能成分を取り込んだ製品を提供することも可能となる。
また、例えば、野菜類(ヨモギ,オヤマボクチ,その他の自生種及び栽培品も含む)等の食物繊維が含まれた素材を加えることで、パンを高水分化(例えば含水率50%程度)して表皮の割れを防止でき、更に、ボリュームアップ等の外観,形状の改善効果、内相のキメの均一化等のパン組織の改善効果、更には食味の向上等、高い効果が得られる。
尚、本実施例では、粳米粉として酵素処理米粉を採用したが、これ以外にも、二段階製粉で得た米粉,水挽粉,上新粉としては胴搗き製粉機,ロール製粉機,衝撃式製粉機を用いて製造されたもの等、単独または適宜の比率で組み合わせて利用できる。
次に、本実施例の配合量について説明する。
本実施例の粳米粉は、α化しない粳米粉と、α化した粳米粉との混合割合が、99部〜90部:1部〜10部に設定されている。
また、α化しない米粉とα化した米粉との混合物100部に対して、増粘多糖類が0.1部〜3.0部配合されている。この配合割合で増粘多糖類を配合することで、増粘多糖類による作用効果、即ち、パン生地内に気泡膜を形成してスポンジ状のパンを製造できることを出願人は確認している。尚、最も望ましい配合割合は、1.5部〜2.0部である。
また、乳化剤の配合割合は、米粉混合物100部に対して0.5部〜5.0部配合されている。この配合割合で乳化剤を配合することで、乳化剤による作用効果、即ち、パン生地に形成される気泡膜をきめ細かくすることができ、焼成後のパンのボリュームを確保することができることを出願人は確認している。尚、最も望ましい配合割合は、3.0部程度である。
また、βアミラーゼの配合割合は、米粉混合物100部に対して0.01部〜0.10部(糖化力4000IU/g)配合されている。このβアミラーゼの配合量は、気温の高い夏と、気温の低い冬とで異なり、夏を1とした場合、冬は1.5倍〜2.0倍に設定される。この配合割合でβアミラーゼを配合することで、βアミラーゼによる作用効果、即ち、良好な物性特性が得られ、焼成後のパンの柔らかさを保持することができる。尚、最も望ましいのは、0.03部〜0.05部である。
また、野菜類等の栄養素材の配合量は、どのようなパンを製造するのかにより適宜設定変更される。
本実施例は上述のように構成したから、グルテンを使用せず、従来から行われている小麦粉パンの製造工程と同一の製造工程によりスポンジ状のパンを製造することが可能で、その上、香味に秀れ、更に秀れた保存性を有する商品価値の高い製品を安定して製造することができ、しかも、コスト安に製造することが可能で、更に、アレルギー患者でも安心して食することができるパンを製造できるパン製造用の米粉となる。
即ち、増粘多糖類が配合されている為、パン生地に皮膜が形成され、この状態でパン生地が発酵することで、該発酵により発生する炭酸ガスをパン生地中に保持でき、焼成することでスポンジ状のパンを製造することが可能となる。
また、増粘多糖類は、従来使用されていたグルテンに比してパン生地の物性を安定的に維持できる為、パン生地の撹拌を繰り返したり、発酵により膨張したり、ガス抜き,焼き型への充填を行っても、パンに断裂を発生させたり穴がありたりする懸念がない。
また、増粘多糖類は、グルテンに比して安価であるため、コスト安でパンを製造することができる。具体的には、増粘多糖類は、従来における米粉に対してグルテンを15%〜17%ミックスしたものに比してコストが1/3程度となり、その分、製造コストが低減される。
また、本実施例の米粉には、グルテンが配合されていない為、パン生地が脆くなることがなく、これにより、発酵段階若しくは焼成段階において、パン生地に断裂が発生したり穴があいたりすることがない。
また、グルテンが配合されないことで、パン生地の粘弾性の安定時間が短くならず、また、発酵時間の延長に伴う劣化もほとんど発生しない為、賞味期限を長期間とすることができる。
また、本実施例で製造されるパンは、米粉100%使用であり、グルテンを配合した米パンに比べ含水率を5%以上高めることができ、これにより、日持ちが良好で流通安定性の高い製品を得ることができる。
また、増粘多糖類の中では、特に例えば気泡膜形成能の高いグアーガムを専用使用すると共に、水中油滴型の乳化剤を配合することにより、加えた油脂が生地中に乳化状態で分散され、生地分子のスムーズな滑り効果が発生し、生地の伸展性を一段と向上させることができ、膨化が良好となり十分なボリュームの製品が得られる。尚、低蛋白質パン等の製造において増粘多糖類を添加する方法がみられるが、単に組織内に炭酸ガスを保持させることを中心とした技術であり、パン生地の伸展性が劣り、膨化が不良で十分なボリュームのパンを得ることは難しい。
また、βアミラーゼをα化した粳米粉に作用させることにより、澱粉が低分子化され、その結果としてα化が保持してした水の一部を放出し、生澱粉の加熱糊化時に十分な水分を供給する働きをする。同時に、分解性生物が糊化した澱粉の老化防止効果をもたらし、日持ちが良好となる。尚、α化アミラーゼを添加する技術においては、米粉製造の際の発熱により熱損傷を受けた部分を分解するのみで、ベタツキを低減させることを主目的に添加されており、従って、日持ちが不良な製品しか得られない。
また、野菜類等の栄養素材を任意に選択して利用することで、食物アレルギー対応、栄養補充,健康機能向上,高含水率化によってもたらされる低カロリー化,難咀嚼者の対応等を目的とする、バラエティに富んだパンを製造することができる。
また、本実施例のパン製造用の米粉は、米加工産業、製パン業界、関連業界の振興、並びに、地産地消の推進、米の消費拡大が期待される。
即ち、現在、国民一人当たりの年間米消費量は62kg程度となり、低下の一途を辿っている。そのため、国内では150万トンを超える在庫をかかえ、米農家にあっては生産調整のための35%に及ぶ減反を余儀なくされるとともに、平成16年度からは量的制限を基本とした新たな米政策が展開されようとしている今日、その解消が緊急且つ重要な政治問題に発展している。
一方、小麦、卵、乳製品、ソバ、ピーナッツなどにアレルギー症状を発症する患者が増加の速度を速めており、深刻な社会問題となったことから、これらの原材料並びにそれらを由来とする加工品、添加物を使用した食品は全て表示義務が課せられるに至っている。
しかし、前述の食物アレルギーに対応した食品の提供、地産地消の推進、コンビニエンスストアなどの新たな商品展開、更には米粉の飛躍的な消費拡大を図るため、米の特長を最大現に発揮した新製品開発が今日的課題として強く求められている。
本実施例は上述したような課題を解決すべく成されたもので、これまでの米粉ミックス100部のうち5〜30部を構成するグルテンを一切添加することなく、米粉100%且つ日持ちに秀れ、多様な副素材を組み合わせたバラエティに富んだ米パンを提供できるものである。
使用する原材料は一般に市販され入手が容易であるとともに、既存の設備を何ら改良することなく使用することができる。
また、原材料の組合せの幅が広く、技術的な面での難易度は高くないことから、製パン業界での受け入れが容易となる。
また、食物アレルギーに対する社会的ニーズが高いことから、実用化の可能性は極めて高いと判断される。
以下、本実施例の作用効果を具体的に示す実験例を示す。
実験例1:増粘多糖類(以下、ガムという。)の選択
実験例1は、増粘多糖類としてクアーガム,キサンタンガム,ローカストビーンガムの各々を使用した場合に、どのようなパンが製造されるかを確認したものである。
本実施例は、酵素処理米粉(α化しない粳米粉)100部に対しグアーガムを2部混合したもの、酵素処理米粉100部に対してキサンタンガムを2部混合したもの、酵素処理米粉に100部に対しローカストビーンガムを2部混合したものの3種類を用意し、各々に食塩2部、砂糖10部、脱脂粉乳3部、ショートニング10部、ドライイースト2部、水90〜95部を配合した。尚、実際の製造においては米粉500部相当を用いた。
製造工程は、ステンレスボウルに米粉、ガム、ショートニングを計り入れて手で十分にもみ混ぜた後、その他の原料を水に分散・溶解させたものを加え、ボウル容量5リットルの株式会社品川工業所製ツインサーボミキサーを利用し、1速1分間で原材料を混ぜ合わせ、続いて3速で5分間ミキシングを行って生地を調製した。
この際、生地の適正な硬さは、僅かに流動性がありゆっくりと流れ落ちる程度と判断された。続いて、別の容器に移し変えて27℃で2時間発酵を行った後、竹ベラで十分に撹拌してガス抜きを行い、それぞれ900gを1.5斤用食パン型に入れてゴムベラで上面を平らにならした後、35℃・湿度80%のホイロで60分間程度発酵させ、蓋をしない状態で上火200℃、下火220℃のオーブンで35分間焼成し、型から取り出して金網に載せ室温中で放冷し、パンを製造した。
その結果、いずれのガムも一時発酵及びホイロでの発酵中は十分なボリュームが得られたものの、焼成中の窯伸びや放冷後の中心部の陥没(ケービング)や、気泡幕の形成状態、均一性、食味などに大きな差が認められ(図1参照)、総合的にはグアーガムが最も利用適性が高いと判断された(下記表1参照)。更に、グアーガムは他の2種類に比べkg単価は1/4.6〜5.2と安価であり、尚且つグルテン15〜17%ミックスと比べるとガムコストは1/3程度となり、製造コストを低減させる面においてもその有効性が示唆された。
Figure 2005245409
しかし、物性面ではいずれのガムを用いた場合でも数日後にはソフトさが失われてボソボソした状態となり、米粉とガムのみの組み合わせでは品質的に満足できるものは得られないことが確認された。
よって、使用するガムとしてはグアーガムが好ましいといえるが、米粉とガムのみの組み合わせでは、品質面で改良の余地があるといえる。
実験例2:乳化剤の利用による形状の改善
実験例2は、実験例1の結果に基づき、形状や気泡膜のより一層の改善を目的として乳化剤を配合した場合の品質面の変化を確認したものである。
即ち、実験例2は、実験例1においてグアーガムを2部配合した原料配合物に日本リーバ株式会社製の乳化剤スプレンダーGを3部上乗せ配合し、実験例1と同様の製造工程によりパンを製造した。尚、本実施例においてはパン型にパン生地を900g充填したものと、1kg充填したものの2種類を用意し、各々の焼き上がりの形状比較も併せて行った。
その結果、パン生地を900g充填したもの及び1kg充填したもの共に、中心部の陥没は全くなく勢いよく盛り上がった形状となり(図2参照)、内相は薄い気泡膜が均一に分散しており、それによりソフトさや口当りが一段と向上し、乳化剤を配合したことの極めて高い品質向上効果が認められた(表2,表3参照)。
また、製品の水分は45.2%となり、グルテンを用いた米粉パンに比べ大幅に上昇した。
Figure 2005245409
Figure 2005245409
また、生地充填量の比較では、900gに比べ1kgの方が縦横のバランスが優れた形状のものが得られた。
また、ガム類を添加した生地はミキシング終了後並びに発酵後のガス抜き工程における粘弾性は殆ど変化が認められず、グルテンをミックスした場合のような、グルテンの損傷による品質劣化を問題視する必要のないことの優位性が確認された。
よって、乳化剤を原料配合物に配合することで、形状、食味等を向上させて優れた品質のパンを製造でき、且つ、含水率が上がるため、保存性を向上できるといえる。
また、生地の充填量を多めに設定することで、良い形状のパンを製造できるといえる。
実験例3:α化した米粉(以下、粳α粉という。)、乳化剤、βアミラーゼの添加による物性保持
実験例3は、実験例1における酵素処理米粉100部のうち5部を粳α粉(株式会社松屋商店製ライスミール)に代替し(即ち、α化しない粳米粉とα化した粳米粉とを95:5で混合し)、更に天野エンザイム株式会社製βアミラーゼ・ビオザイムM5を0.05部、及び実施例2で使用した乳化剤も併用し、実験例1と同様の製造工程によりパンを製造した。
加水量は105部となり、酵素処理米粉単独に比べ10部上昇することが認められた。尚、本実施例においては焼成後の形状バランスの更なる向上を目的に、生地充填量を1.1kgとした。
その結果、実施例2に比べボリューム感に優れた形状となるとともに、水分が1.5%上昇し、内相のキメは実施例2に比べ一段と細かく均一となり、ソフトで口溶けに優れ、冬場の室温放置で5日間はボソツキの発生はみられず、食感の向上と物性安定性に優れたパンが得られた(上記表2,表3参照)。
よって、粳α粉、乳化剤、βアミラーゼを原料配合物に配合することで、一層秀れた品質のパンが製造できるといえる。
実験例4:酵素処理をしない微細米粉を用いたパン品質
実験例4は、前記酵素処理米粉に代えて酵素処理しない米粉を採用した場合のパンの品質について実験を行ったものである。
即ち、実験例1及び実験例2で用いた酵素処理米粉との比較を行うため、発明者の所属する施設の実験設備を利用して粳精白米を水洗、中間乾燥を行った後、気流粉砕機を用いて前記酵素処理米粉の粒度と略同様となる粒度の酵素処理をしない微細米粉を調製した。
原料配合比率及び製造工程は実施例2に準じたが(但し、βアミラーゼ併用)、加水量は135部を必要とし、酵素処理米粉を用いたものに比べ大幅に上昇することが認められた。尚、本実施例では加水量が大幅に上昇したことから、固形物含量を実施例3に近付けるため生地充填量を1.2kgとした。
その結果、ホイロ発酵工程では良好な発酵経過が観察されたが、焼成中に焼き縮みが発生し(酵素処理米粉で製造した生地900gに匹敵)ボリューム不足となった(上記表2,表3,図3参照)。
また、内相は気泡膜が形成されず軟らかい団子状となるとともに、上半分が空洞となった。
切断時はベタツキが著しく、包丁に付着して切断が困難であり、非常に糊っぽい食感となりパンの品質から大きくかけ離れるものとなった。その理由として、製品水分が53.0%で固形物含量を上回ったことから、スポンジ状の組織を維持できなかったものと推察される。
よって、実験例4においては、加水量が多くなってしまうことにより、品質の良いパンを製造することが難しいといえる。
実験例5: 加熱大豆粉末を添加したパンの品質
実験例5は、栄養素材となる加熱大豆粉末を配合した場合のパンの品質について実験を行ったものである。
実験例5は、酵素処理米粉85部、粳α粉5部、加熱大豆粉末(齊藤製粉株式会社製まめまる)10部、水110部、その他の原材料を配合し、実施例3の製造工程に準じて製造した。
その結果、表皮の焼け色は米粉を用いたものに比べやや濃厚であったが、水分が高くなったにも関らず浮きがよく、実験例1〜4に比べてボリュームに優れたものが得られた(図4参照)。
また、内相のキメは均一で細かく、食味の面ではコクと旨味に優れ、ソフトさの保持とふわふわ感(復元性)の向上など、高い品質向上効果が認められた。
更には、蛋白質含量が高いことによる栄養バランスの改善、蛋白質のアミノ酸スコアの高さがもたらす栄養価の向上、大豆に含まれる健康機能成分を併せ持つ米粉パンが得られた。
よって、加熱大豆粉末を配合することで、形状,食味,食感,栄養バランス等に秀れたパンを製造できるといえる。
実験例6:ヨモギ、大豆粉末の利用適性
実験例6は、栄養素材となるヨモギを配合したパン、並びに、ヨモギ及び大豆粉末を配合したパンの品質について実験を行ったものである。
先ず、ヨモギを配合したパンについては、酵素処理米粉95部、粳α粉5部をミックスした米粉100部に対し冷凍ヨモギ30部を用い、原料配合物に加える水のうち60部をヨモギと共にジューサーミキサーで破砕した。その他の原料は実施例3と同様とし、加水量は105部とした。
その結果、ボリュームは実験例の中では最も大きく(図4参照)、前記実験例5を上回るものが得られた。また、内相のキメは最も良好で、食味の面では非常になめらかな口当たりとヨモギの風味が生かされた特徴ある製品となった(上記表2,表3参照)。
次いで、ヨモギ及び大豆粉末を配合したパンについては、実験例5の加熱大豆粉末を加えたものに更にヨモギを30部上乗せして同様の製造工程によりパンを製造し、該パンについては、ヨモギ単独使用以上の製品が得られた。即ち、水分が51.7%と固形物含量を上回ったものの、組織は良好で、旨味となめらかさに優れ、室温放置3日後の硬度は実施例の中では最も軟らかく復元性にも優れ、冬場の室温放置で7日間はボソツキの発生はみられず物性保持の面でも優れ、高い利用適性を有することが認められ、本実施例の製パン法は多様な副素材の組合せに対応できることが確認された。
よって、栄養素材であるヨモギや大豆粉末を配合することで、一層品質に秀れ、保存性にも秀れるパンを製造することができるといえる。
実験例7:野菜類、キノコ、芋類等の利用適性
実験例7は、栄養素材である野菜類,キノコ、芋類等を配合したパンの品質について実験を行ったものである。
実験例7では、米粉混合物100部に対してホウレンソウを沸騰水中で2分間ゆでた後、水にさらしてから軽く絞ったものを20部配合したもの、同じく米粉混合物100部に対してニンジンを剥皮後スライスしたものを20部配合したもの、シイタケを20部配合したもの、マイタケを10部配合したものを各々用意した。尚、この際、野菜等の各々は、原料配合物に加える水の一部と共にジューサーミキサーで破砕して配合した。
また、マイタケ10部を破砕したものと大豆粉末10部を併用したもの、大和芋フリーズドライ粉末5部を配合したものについても、その製パン適性について検討した。
その他の原材料及び配合比率、製造工程は実施例3と同様とした。但し、大和芋FD粉末は粘性の高い成分が含まれていることから、グアーガムは1.5部とした。
その結果、いずれも焼成後の形状や内相の質は良好で、ほうれん草を添加したものは冴えた緑色を、ニンジンを添加したものは橙黄色を呈し、それぞれの素材の特徴を発揮した製品となった。シイタケを添加したものは香りが強すぎる感があったが、添加量を少なくすることで良品が得られると判断された。また、マイタケ単用区、及び大豆粉末との併用区、大和芋FD 粉末を添加したものはいずれもくせがなく、ソフトで口当りの優れた製品が得られた(下記表4参照)。
特に、キノコ類の中で最も蛋白分解活性が高いとされているマイタケを添加した場合にあっても、生地の軟化やボリュームの低下は全く認められなかったことから、本発明で生地のつなぎ剤として使用するガム類は蛋白分解酵素の影響を受けないことが証明された。
Figure 2005245409
よって、実験例7と同様、栄養素材であるホウレン草等を配合することで、一層品質に秀れるパンを製造できるといえる。
また、種々ある栄養素材から任意のものを選択して配合することで、その栄養素材の特徴を発揮したパンを得ることができ、これにより、様々な目的に対応し得るパンを製造できるといえる。
実験例8:既存の製粉方法による米粉の製パン適性
実験例8は、酵素処理米粉並びに気流粉砕を行った酵素処理しない米粉(以下、気流粉砕米粉という。)は、200メッシュの篩を95%程度通過する微細米粉であるのに対し、既存の米粉は製粉方法によって粒度が大きく異なることが知られている。最も細かいとされている胴搗米粉の200メッシュ通過量は60%程度であり、乾式ロール製粉ではその半分程度の通過量であり、酵素処理米粉、気流粉砕米粉に比べ粒度の粗い米粉であるため、それぞれを単独で用いた場合の製パン適性の比較を行った。米粉以外の原料配合比率(粳α粉無添加)及び製造工程は実施例3と同様とした。
その結果、焼成後のボリューム、形状、内相の質などはいずれも良好であったが、粒度の最も粗い乾式ロール製粉及び湿式ロール製粉の米粉を用いたものはザラツキが感じられ、食感が劣る傾向が認められた(下記表5参照)。その改善のためには胴搗製粉などの粒度の細かい米粉と混合することが適切と判断された。逆に、胴搗製粉は吸水性が非常に高く底部が餅状となり糊っぽい食感となるなど、生地の水分が過剰となる米粉ではロール製粉のような粒度が粗く吸水性の低い米粉を混合することが適切と判断された。
Figure 2005245409
よって、既存の製粉方法により得られる米粉を用いる場合には、粒度の粗いものと粒度の細かいものとを適宜混合して配合することで、本実施例の効果が得られるといえる。
実験例9:グアーガムの適正添加量の検討
実験例9は、グアーガムの配合適性量について実験したものである。
即ち、実験例1の結果に基づき、高品質な米粉100%パンを製造するためのグアーガムの適正比率の確認が重要と考えられた。そこで、酵素処理米粉95部、粳α粉5部の米粉混合物に対し、0.5部間隔で0.5〜2.0部添加し、実施例3と同様の原料配合、製造工程によりパンを製造した。
その結果、グアーガムの添加量の増加に伴って吸水率、パン水分の上昇と形状、内相の質、食味ともに順次良好となり、1.5部の添加で略満足できるものが得られ、2.0部添加区が最も良好なものが得られた(下記表6参照)。
Figure 2005245409
よって、本実施例におけるグアーガムの適正添加量は1.5〜2.0部の範囲であると判断された。
実験例10:蒸しパンの製造
実験例3の原料配合に基づき、使用する酵素処理米粉95部のうち20部を加熱大豆粉末に代替したもの、及び、それに冷凍ヨモギ20部を添加した2試験区を設定し、加水量を焼成パンを製造するものに比べ10部低くしてやや硬めの生地を調製し、1時間発酵後、アルミ箔カップに絞り出し、ホイロで発酵させてから蒸し器で20分間蒸気加熱を行った。
その結果、加熱大豆粉末を用いたものは蒸し器から取り出す際の形状の収縮は僅かであった(中には収縮しないものもあり)が、ヨモギを併用したものは蓋を開けると同時に著しい収縮により餅状となった。
よって、大豆粉末とヨモギとを併用した場合には、蒸しパンを良好に製造できず、故に、改善の余地があるといえるが、加熱大豆粉末のみを用いた場合には蒸しパンを良好に製造できるといえる。
異なるガムを配合して製造した米粉100%パンを示す説明図である。 パン型へのパン生地の充填量を変えて製造した米粉100%パンを示す説明図である。 酵素処理した米粉を用いて製造したパン及び酵素処理しない米粉を用いて製造したパンを示す説明図である。 加熱大豆粉末を配合して製造したパン並びに加熱大豆粉末及びヨモギを配合して製造したパンを示す説明図である。

Claims (17)

  1. パンの製造に用いられるパン製造用の米粉であって、グルテンが配合されていない米粉を主材とし、増粘多糖類が配合されていることを特徴とするパン製造用の米粉。
  2. 請求項1記載のパン製造用の米粉において、米粉には完全にα化した米粉が配合されていることを特徴とするパン製造用の米粉。
  3. 請求項1,2記載いずれか1項に記載のパン製造用の米粉において、米粉として粳米粉が採用されていることを特徴とするパン製造用の米粉。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載のパン製造用の米粉において、増粘多糖類としてグアーガム,キサンタンガム,ローカストビーンガム若しくはペクチンが採用されていることを特徴とするパン製造用の米粉。
  5. 請求項1〜4いずれか1項に記載のパン製造用の米粉において、乳化剤が配合されていることを特徴とするパン製造用の米粉。
  6. 請求項1〜5いずれか1項に記載のパン製造用の米粉において、βアミラーゼが配合されていることを特徴とするパン製造用の米粉。
  7. 請求項1〜6いずれか1項に記載のパン製造用の米粉において、野菜類,イモ類,果実類,キノコ類,豆類,海藻類等の栄養素材が配合されていることを特徴とするパン製造用の米粉。
  8. 請求項2〜7いずれか1項に記載のパン製造用の米粉において、α化しない米粉と、α化した米粉との混合割合は、99部〜90部:1部〜10部に設定されていることを特徴とするパン製造用の米粉。
  9. 請求項2〜8いずれか1項に記載のパン製造用の米粉において、α化しない米粉とα化した米粉とから成る米粉混合物100部に対して、増粘多糖類が0.1部〜3.0部配合されていることを特徴とするパン製造用の米粉。
  10. 米粉を用いたパンの製造方法であって、米粉と増粘多糖類とを混合してパン生地を形成し、このパン生地を発酵させ、該発酵させたパン生地を焼成することを特徴とする米粉を用いたパンの製造方法。
  11. 米粉を用いたパンの製造方法であって、米粉と増粘多糖類とを混合してパン生地を形成し、このパン生地を発酵させ、該発酵させたパン生地を蒸すことを特徴とする米粉を用いたパンの製造方法。
  12. 請求項10,11いずれか1項に記載の米粉を用いたパンの製造方法において、米粉には完全にα化した米粉が配合されていることを特徴とする米粉を用いたパンの製造方法。
  13. 請求項10〜12いずれか1項に記載の米粉を用いたパンの製造方法において、米粉として粳米粉を採用することを特徴とする米粉を用いたパンの製造方法。
  14. 請求項10〜13いずれか1項に記載の米粉を用いたパンの製造方法において、増粘多糖類としてグアーガム,キサンタンガム,ローカストビーンガム若しくはペクチンを採用することを特徴とする米粉を用いたパンの製造方法。
  15. 請求項10〜14いずれか1項に記載の米粉を用いたパンの製造方法において、乳化剤を配合してパン生地を形成することを特徴とする米粉を用いたパンの製造方法。
  16. 請求項10〜15いずれか1項に記載の米粉を用いたパンの製造方法において、βアミラーゼを配合してパン生地を形成することを特徴とする米粉を用いたパンの製造方法。
  17. 請求項10〜16いずれか1項に記載の米粉を用いたパンの製造方法において、野菜類,イモ類,果実類,キノコ類,豆類,海藻類等の栄養素材を配合してパン生地を形成することを特徴とする米粉を用いたパンの製造方法。
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