JP2005245117A - 電力用アクティブフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】配電系統の回路定数が変化したときに制御ゲインを自動調節して、常に的確な制御ゲインで系統電圧に含まれる高調波成分の補償を行うことができるようにしたアクティブフィルタを提供する。
【解決手段】系統電圧検出部2により検出した3相の系統電圧Vu,Vv,Vwをdq変換部3により2相交流電圧Vd,Vqに変換した後直流分を抽出して系統電圧に含まれるn次(nは3以上の奇数)高調波電圧成分Vnd,Vnqを求める。補償電流検出部7により検出した3相の高調波補償電流Iau,Iav,Iawをdq変換部8により2相の交流電流Id,Iqに変換した後直流分を抽出して高調波補償電流に含まれるn次高調波電流成分Ind,Inqを求める。制御ゲイン決定部10でn次高調波電流成分の変動幅を検出して、その変動幅を系統電圧に影響を及ぼさない範囲に保つように制御ゲインKを決定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、系統電圧の高調波歪みを抑制するために配電系統に接続される電力用アクティブフィルタに関するものである。
配電系統では、高調波発生源から発生した高調波が進相コンデンサと配電線インピーダンスによる共振により拡大する現象が発生することがある。高調波の拡大現象が発生すると、高調波電圧の影響で進相コンデンサが過負荷となって焼損する等の事故が発生することがある。
系統電圧の高調波歪みを抑制するために配電系統に設置される電力用アクティブフィルタとして、特許文献1に示されているような電圧検出形のアクティブフィルタが知られている。電圧検出形のアクティブフィルタは、配電系統の系統電圧を検出する系統電圧検出部と、系統電圧検出部により検出された系統電圧に含まれるn次(nは3以上の奇数)の高調波成分Vafを検出する高調波電圧成分検出部と、制御ゲインKを設定する制御ゲイン設定部と、下記の(1)式に示すように、制御ゲイン設定部により設定された制御ゲインKを高調波電圧成分検出部により検出されたn次高調波電圧成分Vafに乗じて求めた高調波補償電流Iafを出力する補償電流出力部とを備えていて、補償電流出力部が出力する高調波補償電流Iafを配電系統に注入することにより系統電圧の高調波歪みを抑制する。
Iaf=K×Vaf(ベクトル演算) …(1)
このアクティブフィルタは、高調波電圧に対してのみ作用する1/K[Ω]の抵抗として動作する。
高調波成分の検出を迅速に行わせるため、上記高調波電圧成分検出部においては、3相の系統電圧検出信号を、検出しようとする高調波成分の角速度と同じ角速度で回転する回転座標系の2相交流信号に変換して、該2相交流信号から高調波成分を検出する方法がとられている。3相の系統電圧検出信号を、高調波成分の角速度と同じ角速度で回転する回転座標系の信号に変換すると、該回転座標系においては、高調波成分が静止して直流成分として検出されるため、座標変換部の出力に平均化処理を施して直流分を抽出することにより、高調波成分を求めることができる。
この場合、高調波電圧成分検出部は、系統電圧検出部から得られる3相の交流電圧検出信号を、d軸とq軸との2軸を有してn次高調波成分の角速度と同じ角速度nωtで回転する回転座標系の2相交流電圧信号に変換するdq変換部と、このdq変換部から得られる2相交流電圧信号から直流分を抽出するローパスフィルタとにより構成される。高調波電圧成分検出部をマイクロプロセッサにより構成する場合、上記フィルタは、dq変換部から得られる2相交流電圧信号の平均値(2相交流電圧信号に含まれる直流分)を求める平均値演算手段により構成される。平均値演算手段としては、dq変換部から得られる2相交流電圧信号のデジタル値に系統電圧の基本波成分の1周期の期間に亘って移動平均演算を施す手段がよく用いられる。
高調波電圧成分検出部が上記のように構成される場合、補償電流出力部は、直流分抽出部から得られる高調波電圧成分にそれぞれ制御ゲインKを乗じることにより、2相の高調波補償電流指令を発生する乗算手段と、該2相の高調波補償電流指令にdq変換部による変換と逆の変換を施すことにより3相の高調波補償電流指令を出力するdq逆変換部と、インバータと、dq逆変換部が出力した高調波補償電流指令により指令される大きさと位相とを有する高調波補償電流をインバータから出力させるように3相の高調波補償電流指令に応じてインバータを制御するインバータ制御部とにより構成される。
特開2002−320329号公報
アクティブフィルタAFの設置点の系統電圧Vaは、重ね合わせの定理より、アクティブフィルタAFが出力する高調波補償電流Iaf以外の要因による電圧Va1と、アクティブフィルタが出力する高調波補償電流Iafとアクティブフィルタから見た系統インピーダンスとにより決まる電圧Va2とのベクトル和となる。そのため、アクティブフィルタによる高調波電圧補償制御には、図5に示したような制御ループが存在する。
アクティブフィルタにおいては、限界ゲイン(アクティブフィルタを安定に動作させる制御ゲインKの最大値で、配電系統の負荷状況により異なる)を超えない範囲で、制御ゲインKを大きくすればするほど高調波補償効果が高くなる。しかし、制御ゲインKを大きくしていくと、配電系統の負荷状況が変化せず、限界ゲインが変化しない場合であっても、高調波電圧成分Vafの検出遅れ等に起因して生じる制御遅れにより制御系が不安定になり、かえって高調波成分が増幅されることがある。特に図5に示した制御ループに、アクティブフィルタAFが出力する高調波補償電流Iafにより設置点の系統電圧Vaが上昇するモードが存在すると、高調波補償電流Iafが無限に(実際には定格電流を超えないように制限されるが)大きくなり、系統電圧の高調波歪みが増大する。
また配電系統の負荷状況が変化する状態では、限界ゲインが時々刻々変化するため、制御ゲインKを大きくすると、制御ゲインが限界ゲインを超える状態が生じ易くなって、制御系が不安定になり、高調波成分を増加させるおそれがある。
上記のように、制御ゲインが大きすぎて、アクティブフィルタの制御が不安定になると、系統電圧に含まれる高調波成分をかえって増加させることがあるため、アクティブフィルタが系統に悪影響を与えることになり、好ましくない。
特許文献1に示されたような従来のアクティブフィルタでは、上記のような問題点について配慮されていないため、制御ゲインを大きくして高い高調波抑制効果を得ることが難しかった。
また従来技術によった場合には、制御を不安定にすることがない範囲で、最大の高調波抑制効果を得るための最適の制御ゲインを決定するために、詳細な事前検討や、煩雑な現地調整試験を行う必要があったため、アクティブフィルタを設置する際の前準備が面倒になり、設置に要するコストが高くなるという問題があった。
本発明の目的は、配電系統に悪影響を与えない範囲で、制御ゲインをできるだけ大きくして高い高調波補償効果を得ることができるようにした電力用アクティブフィルタを提供することにある。
本発明の他の目的は、制御ゲインを設定するための煩雑な前準備を行うことなく配電系統に設置することができるようにした電力用アクティブフィルタを提供することにある。
本発明は、配電系統の系統電圧を検出する系統電圧検出部と、系統電圧検出部により検出された系統電圧に含まれるn次(nは3以上の奇数)の高調波成分を検出する高調波電圧成分検出部と、制御ゲイン設定部と、制御ゲイン設定部により設定された制御ゲインを高調波電圧成分検出部により検出されたn次高調波電圧成分に乗じて求めた高調波補償電流を出力する補償電流出力部とを備えて、高調波補償電流を配電系統に注入することにより系統電圧の高調波歪みを抑制する電力用アクティブフィルタに係わるものである。
本発明においては、制御ゲイン設定部が、補償電流出力部から出力される高調波補償電流を検出する補償電流検出部と、この補償電流検出部により検出された高調波補償電流のn次(nは3以上の奇数)高調波電流成分を検出する高調波電流成分検出器と、この高調波電流成分検出器により検出されたn次高調波電流成分の変動幅を系統電圧に影響を及ぼさない範囲に保つように制御ゲインを決定する制御ゲイン決定部とを備えている。
本発明の好ましい態様では、上記制御ゲイン決定部が、系統電圧の基本波成分の1周期の期間に補償電流検出部により検出される高調波補償電流に含まれるn次高調波電流成分の最大値と最小値との差を高調波電流成分の変動幅として演算する高調波電流成分変動幅演算手段と、演算された高調波電流成分の変動幅が系統電圧に影響を及ぼさない範囲の上限値に設定された第1の判定値以上であるときに制御ゲインを高調波電流成分の変動幅に第1の定数を乗じた分だけ減少させ、高調波電流成分の変動幅が上記第1の判定値よりも小さい値に設定された第2の判定値以下であるときに制御ゲインを高調波電流成分の変動幅に第2の定数を乗じた分だけ増加させることにより制御ゲインを演算する制御ゲイン演算部とにより構成される。
上記の構成では、制御ゲイン決定部が、補償電流出力部から出力される高調波補償電流に含まれるn次高調波電流成分の変動幅を系統電圧に影響を及ぼさない範囲に保つように制御ゲインを決定するとしたが、制御ゲイン決定部は、高調波電圧成分検出部により検出されるn次高調波電圧成分の変動幅を系統電圧に影響を及ぼさない範囲に保つように制御ゲインを決定するものであってもよい。
この場合、制御ゲイン決定部は、系統電圧の基本波成分の1周期の期間に高調波電圧成分検出部により検出されたn次高調波電圧成分の最大値と最小値との差を高調波電圧成分の変動幅として演算する高調波電圧成分変動幅演算手段と、演算された高調波電圧成分の変動幅が系統電圧に影響を及ぼさない範囲の上限値に設定された第1の判定値以上であるときに制御ゲインを高調波電圧成分の変動幅に第1の定数を乗じた分だけ減少させ、高調波電圧成分の変動幅が第1の判定値よりも小さい値に設定された第2の判定値以下であるときに制御ゲインを高調波電圧成分の変動幅に第2の定数を乗じた分だけ増加させることにより制御ゲインを演算する制御ゲイン演算部とにより構成するのが好ましい。
上記高調波電圧成分検出部は、系統電圧検出部により検出された3相の交流電圧を、d軸及びq軸を有してn次高調波成分の角速度と同じ角速度で回転する回転座標系の2相の交流電圧に変換する第1のdq変換部(3相/2相変換部)と、この第1のdq変換部から得られる2相の交流電圧のデジタル値に系統電圧の基本波成分の1周期の期間に亘って移動平均演算を施して2相の交流電圧にそれぞれ含まれる直流分を抽出することにより2相の交流電圧にそれぞれ含まれる2相のn次高調波成分を求める第1の直流分抽出部とにより構成することができる。このように高調波電圧成分検出部を構成する場合、前記高調波電圧成分変動幅演算手段は、系統電圧の基本波成分の1周期の期間に求められた2相のn次高調波電圧成分の最大値と最小値との差のうちの大きい方を高調波電圧成分の変動幅として採用するように構成する。
また高調波電流成分検出部は、系統電流検出部により検出される3相の交流電流を、d軸及びq軸を有してn次高調波成分の角速度と同じ角速度で回転する回転座標系の2相交流電流に変換する第2のdq変換部(3相/2相変換部)と、この第2のdq変換部から得られる2相交流電流のデジタル値に系統電圧の基本波成分の1周期の期間に亘って移動平均演算を施して2相の交流電流にそれぞれ含まれる直流分を抽出することにより2相の交流電流にそれぞれ含まれる2相のn次高調波電流成分を求める第2の直流分抽出部とにより構成することができる。このように高調波電流成分検出部を構成する場合、前記高調波電流成分変動幅演算手段は、系統電圧の基本波成分の1周期の期間に求められた2相のn次高調波電流成分のそれぞれの最大値と最小値との差のうちの大きい方を高調波電流成分の変動幅として採用するように構成する。
また補償電流出力部は、直流分抽出部により求められた2相の高調波電圧成分にそれぞれ制御ゲインを乗じて2相の高調波補償電流を求める乗算手段と、2相の高調波補償電流にdq変換部による変換と逆の変換を施すことにより、系統電流に含まれる高調波電圧成分を低減するために配電系統に注入する3相の高調波補償電流の大きさと位相とを与える3相の高調波補償電流指令を発生するdq逆変換部(2相/3相変換部)と、インバータと、dq逆変換部が発生した3相の高調波補償電流指令により指令される大きさと位相とを有する3相の高調波補償電流をインバータから出力させるように3相の高調波補償電流指令に応じてインバータを制御するインバータ制御部とを備えた構成とすることができる。
ここで、「系統電圧に影響を及ぼさない範囲」とは、系統電圧の変動範囲及び波形の歪み率が規格から外れることがない範囲を意味する。即ち、高調波補償電流に含まれるn次高調波電流成分の変動幅または系統電圧に含まれるn次高調波電圧成分の変動幅が「系統電圧に影響を及ぼさない範囲」にあるときに、配電系統に注入される高調波補償電流の変動によって、系統電圧の変動幅が規格から外れたり、系統電圧の波形の歪み率が規格から外れたりすることがないように、「系統電圧に影響を及ぼさない範囲」を設定するものとする。
上記のように、高調波補償電流に含まれるn次高調波電流成分または系統電圧に含まれるn次高調波電圧成分の変動幅を系統電圧に影響を及ぼさない範囲に保つように制御ゲインを決定すると、配電系統の回路定数が変化した時に、制御ゲインが、制御を安定に保つことができる範囲の値に自動調節されるため、制御を不安定にすることがない範囲で制御ゲインを適値に調節して、常に最大の高調波補償効果を得ることができる。
また上記のように構成すると、系統条件に応じて制御ゲインを適当な値に設定するための詳細な事前検討や、煩雑な現地調整試験を行う必要がなくなるので、アクティブフィルタの設置を容易にすることができる。
以上のように、本発明によれば、高調波補償電流に含まれるn次高調波電流成分または系統電圧に含まれるn次高調波電圧成分の変動幅を系統電圧に影響を及ぼさない範囲に保つように制御ゲインを決定するので、配電系統の回路定数が変化した時に、制御ゲインを、制御を安定に行わせる範囲の値に自動調節して、常に最大の高調波補償効果を得ることができる。
また本発明によれば、系統条件に応じて制御ゲインを適当な値に設定するための詳細な事前検討や、煩雑な現地調整試験を行う必要がなくなるため、アクティブフィルタの設置を容易にすることができる。
以下図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
第1の実施形態
図1は本発明の第1の実施形態の全体的な構成を示したもので、同図において、1uないし1wは配電系統に設けられたU,V,W3相の配電線、2は配電線1uないし1wの電圧を検出する系統電圧検出部、3は系統電圧検出部2により検出された3相の系統電圧Vu,Vv,Vwを2相交流電圧Vd,Vqに変換する第1のdq変換部(3相/2相変換部)、4は第1のdq変換部から得られる2相の交流電圧Vd,Vqにそれぞれ含まれる直流分を抽出して2相の交流電圧Vd,Vqにそれぞれ含まれる2相のn次(nは3以上の奇数)高調波電圧成分Vnd,Vnqを求める第1の直流分抽出部、5及び6は第1の直流分抽出部から得られる2相のn次高調波電圧成分Vnd及びVnqに制御ゲインKを乗じることにより2相の高調波補償電流Iad及びIaqを演算する乗算手段である。
また7は後記する補償電流出力部から出力される高調波補償電流Iau,Iav,Iawを検出する補償電流検出部、8は補償電流検出部7により検出された3相の高調波補償電流Iau,Iav,Iawを2相の交流電流Id,Iqに変換する第2のdq変換部、9は第2のdq変換部から得られる2相の交流電流Id,Iqにそれぞれ含まれる直流分を抽出して2相の交流電流Id及びIqにそれぞれ含まれるn次高調波電流のd軸成分Ind及びq軸成分Inqを求める第2の直流分抽出部、10は第2の直流分抽出部から得られるn次高調波電流成分Ind及びInqに演算処理を施すことにより制御ゲインKを決定する制御ゲイン決定部で、補償電流検出部7と、第2のdq変換部8と、第2の直流分抽出部9と、制御ゲイン決定部10とにより制御ゲイン設定部11が構成されている。
更に12は高調波補償電流指令値Iad,Iaqを3相の高調波補償電流指令値Iau´ないしIaw´に変換するdq逆変換部、13はインバータ制御部、14はインバータで、乗算手段5,6と、dq逆変換部12と、インバータ制御部13と、インバータ制御部13により制御されて所定の補償電流IauなしIawを出力するインバータ14とにより補償電流出力部15が構成されている。
図1に示したアクティブフィルタにおいて、系統電圧検出部2及び補償電流検出部7は電圧及び電流をそれぞれ検出するセンサを含むハードウェアにより構成され、インバータ14は半導体スイッチ素子のブリッジ回路により構成されている。またインバータ制御部13は、インバータ14を構成するスイッチ素子のオンオフ指令を発生するオンオフ指令発生手段と、該オンオフ指令に応じてインバータを構成するスイッチ素子に駆動信号を与えるドライバ回路とにより構成されている。
第1のdq変換部3、第1の直流分抽出部4、乗算手段5,6、第2のdq変換部8、第2の直流分抽出部9、制御ゲイン決定部10及びdq逆変換部12と、インバータ制御部13のオンオフ指令発生手段とは、マイクロプロセッサに所定のプログラムを実行させることにより構成される。
更に詳細に説明すると、系統電圧検出部2は、3相の配電線1uないし1wに接続されて3相の系統電圧に比例した系統電圧検出信号Vu,Vv及びVwを出力するPT(計器用電圧変成器)と、該PTの出力をデジタル値に変換するA/D変換器とにより構成されている。系統電圧検出部2から得られる系統電圧検出信号Vu,Vv及びVwのデジタル値は、第1のdq変換部3に与えられる。
第1のdq変換部3は、下記の変換式(数1)を用いて、系統電圧検出部2により検出された3相の交流電圧Vu,Vv,Vwを、d軸及びq軸を有してn次高調波成分の角速度と同じ角速度nωtで回転する回転座標系の2相交流電圧Vd,Vqに変換する演算処理を行う。n次高調波成分の角速度と同じ角速度nωtで回転する回転座標系の2相交流電圧Vd,Vqには、n次高調波成分が直流分として含まれているため、2相の交流電圧Vd,Vqから直流分を抽出することにより、n次高調波成分を検出することができる。
Figure 2005245117
第1のdq変換部3から得られる信号は第1の直流分抽出部4に与えられている。第1の直流分抽出部4は、dq変換部3から得られる2相の交流電圧Vd,Vqから直流分を抽出するローパスフィルタ(LPF)である。本実施形態の直流分抽出部4は、第1のdq変換部3から得られる2相の交流電圧のデジタル値を一定のサンプリング周波数(本実施形態では6[kHz])でサンプリングして、系統電圧の基本波成分の1周期の期間(系統電圧の周波数が50[Hz]の場合20[msec])に亘ってサンプリング値の移動平均演算を施す平均値演算手段からなっていて、2相交流電圧Vd,Vqの平均値を演算することにより両信号から直流分を抽出して系統電圧に含まれるn次高調波電圧成分Vnd及びVnqを求める。n次高調波電圧成分Vnd及びVnqはそれぞれ後記する制御ゲイン設定部から与えられる制御ゲインKとともに乗算手段5及び6に与えられる。本実施形態では、第1のdq変換部3と、第1の直流分抽出部4とにより、高調波電圧成分検出部が構成されている。
補償電流検出部7は、補償電流出力部15の出力電流を検出するCT(変流器)と、該CTの出力をデジタル値に変換するA/D変換器とにより構成されている。補償電流検出部7により検出された補償電流Iau,Iav及びIawのデジタル値は、第2のdq変換部8に与えられる。第2のdq変換部8は、前記の変換式(数1)の電圧を電流で置き換えた変換式を用いて、補償電流検出部7により検出された3相の高調波補償電流Iau,Iav,Iawを、d軸及びq軸を有してn次高調波成分の角速度と同じ角速度nωtで回転する回転座標系の2相交流電流Id,Iqに変換する。
第2のdq変換部8の出力は第2の直流分抽出部9に与えられている。第2の直流分抽出部9は、第2のdq変換部8から得られる2相の交流電流のデジタル値を一定のサンプリング周波数(本実施形態では6[kHz])でサンプリングして、高調波補償電流の基本波成分の1周期の期間に亘ってサンプリング値の移動平均演算を施す平均値演算手段からなっていて、2相の交流電流Id及びIqの平均値を演算することにより両交流電流信号にそれぞれ含まれるn次高調波電流成分Ind及びInqを求める。本実施形態では、第2のdq変換部8と、第2の直流分抽出部9とにより、補償電流検出部7が検出した高調波補償電流に含まれるn次高調波成分を検出する高調波電流成分検出部が構成されている。
第2の直流分抽出部9から得られる高調波電流成分Ind及びInqは、制御ゲイン決定部10に与えられる。制御ゲイン決定部10は、後記するように、高調波電流成分Ind及びInqに所定の演算処理を施すことにより、高調波補償電流のn次高調波成分の変動幅を、系統電圧に影響を及ぼさない範囲に保つように制御ゲインKを決定する。制御ゲイン決定部10により決定された制御ゲインKは、乗算手段5及び6に与えられる。
乗算手段5及び6は、高調波電圧成分Vnd及びVnqに制御ゲインKを乗じるベクトル演算を行って、2相の高調波補償電流Iad及びIaqを求め、これらをdq逆変換部12に与える。dq逆変換部12は、下記の演算式(数2)を用いて、dq変換部で行った変換と逆の変換を行うことにより、2相の高調波補償電流Iad及びIaqを3相の高調波補償電流指令Iau´,Iav´及びIaw´に変換する。
Figure 2005245117
dq逆変換部12から得られる3相の高調波補償電流指令Iau´ないしIaw´は、インバータ制御部13に与えられる。インバータ制御部13は、3相の高調波補償電流指令Iau´ないしIaw´により指令される大きさと位相とを有する高調波補償電流Iau,Iav及びIawをインバータ14から出力させるようにインバータ14を制御する。インバータ14から出力される3相の高調波補償電流IauないしIawは、配電線1u,1v及び1wに注入される。この補償電流により系統電圧に含まれるn次高調波成分が低減され、系統電圧の波形歪みが改善される。
本実施形態において、アクティブフィルタの基本的な動作は従来のものと同様であるが、本発明においては、制御ゲイン決定部10が、高調波補償電流出力部から出力されるn次高調波電流成分の変動幅を系統電圧に影響を及ぼさない範囲に保つように制御ゲインを決定する。本実施形態では、この制御ゲイン決定部10が、系統電圧の基本波成分の1周期の期間に検出されたn次高調波電流成分のd軸成分Indの最大値と最小値との差ΔIndをn次高調波電流成分の変動幅ΔIとして演算する高調波電流変動幅演算手段と、演算されたn次高調波電流の変動幅ΔIが系統電圧に影響を及ぼさない値の上限値に設定された第1の判定値以上であるときにn次高調波電流成分の変動幅に第1の定数を乗じた分だけ制御ゲインを減少させ、n次高調波電流成分の変動幅ΔIが上記第1の判定値よりも小さい値に設定された第2の判定値以下であるときにn次高調波電流成分の変動幅ΔIに第2の定数を乗じた分だけ制御ゲインを増加させることにより制御ゲインを演算する制御ゲイン演算部とにより構成されている。上記第2の判定値は、高調波補償電流に含まれるn次高調波電流成分の変動幅が、系統電圧に影響を及ぼさない範囲でとり得る値の下限値に設定するのが好ましい。
上記制御ゲイン決定部を構成するためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートを図2に示した。図2に示した例では、第5次高調波成分を補償する場合を例にとっている。マイクロプロセッサは、一定の制御周期で図2のルーチンを実行する。本実施形態では、第1の直流分抽出部4が第1のdq変換部3の出力をサンプリングする際のサンプリング周期と同じ周期で図2のルーチンを実行するようにしている。
図2に示したアルゴリズムによる場合には、先ずステップ1において、第2の直流分抽出部9から得られる2相の第5次高調波電流成分I5d及びI5qを読み込む。次いでステップ2において2相の第5次高調波電流のd軸成分I5d及びq軸成分I5qのそれぞれの最大値(I5dmax,I5qmax)及び最小値(I5dmin,I5qmin)を求めて、新たに求めた最大値及び最小値を既に求められている最大値及び最小値と置き換える(最大値及び最小値を更新する)。
次いでステップ3において、系統電圧(この例では50Hz)の1周期の期間(20ms)が経過したか否かを判定する。その結果1周期の期間が経過しているときにはステップ4に移行して第5次高調波電流のd軸成分の最大値と最小値との差I5dmax−I5dminの絶対値を演算して、第5次高調波電流のd軸成分の変動幅ΔIdを演算し、第5次高調波電流のq軸成分の最大値と最小値との差I5qmax−I5qminの絶対値を演算して、第5次高調波電流のq軸成分の変動幅ΔIqを演算する。その後ステップ5で第5次高調波電流のd軸成分の変動幅ΔId及びq軸成分の変動幅ΔIqのうちの大きい方を高調波電流成分の変動幅ΔIとして採用する。このようにして高調波電流成分の変動幅ΔIを求めた後、ステップ6で高調波電流成分の変動幅ΔIが、系統電圧に影響を及ぼさない値の上限値に設定された第1の判定値以上であるか否かを判定し、高調波電流成分の変動幅ΔIが第1の判定値以上である場合には、ステップ7に進んで制御ゲインKを第5次高調波電流成分の変動幅に第1の定数G1を乗じた値ΔI×G1だけ減少させる。第1の判定値は、例えばアクティブフィルタの第5次高調波補償電流の定格値の1.0%に設定される。
またステップ6で第5次高調波電流成分の変動幅ΔIが第1の判定値よりも小さいと判定されたときには、ステップ8に進んで、第5次高調波電流成分の変動幅ΔIが、第1の判定値よりも小さい値に設定された第2の判定値以下であるか否かを判定し、第5次高調波電流成分の変動幅ΔIが第2の判定値以下であるときに、ステップ9に進んで制御ゲインKを第5次高調波電流成分の変動幅ΔIに第2の定数G2を乗じた値ΔI×G2だけ増加させる。ここで、第2の判定値は、系統電圧に影響を及ぼさない範囲の下限値(零でない値)で、例えばアクティブフィルタの第5次高調波補償電流の定格値の0.3%に設定される。
ステップ7またはステップ9で制御ゲインを減少または増加させた後、ステップ10に移行して、第5次高調波電流成分の最大値(I5dmax,I5qmax)及び最小値(I5dmin,I5qmin)をクリアし、ステップ11で新たな制御ゲインKを出力した後このルーチンを終了する。
上記ステップ3において、系統電圧の1周期の期間が経過していないと判定されたときには、ステップ11に移行して、元の制御ゲインKを出力した後、このルーチンを終了する。
上記のように、補償電流出力部から出力される高調波補償電流に含まれるn次高調波電流成分の変動幅ΔIが系統電圧に影響を与えない範囲の上限値以上になったときに制御ゲインKを減少させ、n次高調波電流成分の変動幅ΔIが系統電圧に影響を与えない範囲の下限値以下になったときに制御ゲインを増加させるように制御ゲイン設定部を構成すると、配電系統の回路定数が変化したときに、制御が安定に行われる範囲の適値に制御ゲインを自動調節して、常に最大の高調波補償効果を得ることができる。
また上記のように構成すると、系統条件に応じて制御ゲインを適当な値に設定するための詳細な事前検討や、煩雑な現地調整試験を行う必要がなくなるので、アクティブフィルタの設置を容易にすることができる。
第1の定数G1及び第2の定数G2は、例えば、G1=5,G2=0.1に設定される。これらの定数は、制御のレスポンスを調整するためのもので、第1の定数G1を大きくすると、高調波電流成分の変動幅ΔIが上限値を超えたときに、該変動幅ΔIを上限値以下に戻す制御を迅速に行わせることができる。また第2の定数G2を大きくすると、高調波電流成分の変動幅が下限値よりも小さくなったときに、該変動幅ΔIを下限値以上に戻す制御を迅速に行わせることができる。
なお上記第1の判定値と第2の判定値との間は不感帯となり、n次高調波電流成分の変動幅ΔIが第1の判定値と第2の判定値との間にあるときには制御ゲインの調節は行われない。
図2に示したアルゴリズムによる場合には、ステップ2ないし5により、系統電圧の基本波成分の1周期の期間に検出されるn次高調波電流成分の最大値と最小値との差を高調波電流成分の変動幅として演算する高調波電流成分変動幅演算手段が構成される。またステップ6ないし9により、演算された高調波電流成分の変動幅が系統電圧に影響を及ぼさない範囲の上限値に設定された第1の判定値以上であるときに高調波電流成分の変動幅に第1の定数を乗じた分だけ制御ゲインを減少させ、高調波電流成分の変動幅が第1の判定値よりも小さい値に設定された第2の判定値以下であるときに高調波電流成分の変動幅に第2の定数を乗じた分だけ制御ゲインを増加させることにより制御ゲインを演算する制御ゲイン演算部が構成される。
第2の実施形態
図3は本発明の第2の実施形態の構成を示したもので、同図において、dq変換部3及び直流分抽出部4はそれぞれ図1に示した第1のdq変換部3及び第1の直流分抽出部4と同じものであり、dq変換部3と、直流分抽出部4とにより、高調波電圧成分検出部が構成されている。
本実施形態では、高調波電圧成分検出部により検出されるn次高調波電圧成分Vnd及びVnqの変動幅を系統電圧に影響を及ぼさない範囲に保つように制御ゲインを決定する制御ゲイン決定部10´が設けられて、この制御ゲイン決定部10´により、制御ゲイン設定部11´が構成されている。その他の構成は図1に示した実施形態と同様である。
図3に示した実施形態において、制御ゲイン決定部10´は、系統電圧の基本波成分の1周期の期間に高調波電圧成分検出部により検出されたn次高調波電圧成分のd軸成分Vndの最大値と最小値との差ΔVndと、基本波成分の1周期の期間に高調波電圧成分検出部により検出されたn次高調波電圧成分のq軸成分Vndの最大値と最小値との差ΔVnqとを演算して、ΔVnd及びΔVnqのうちの大きい方を高調波電圧成分の変動幅ΔVとして採用する高調波電圧成分変動幅演算手段と、演算された高調波電圧成分の変動幅が系統電圧に影響を及ぼさない範囲の上限値に設定された第1の判定値以上であるときに制御ゲインを高調波電圧成分の変動幅に第1の定数を乗じた分だけ減少させ、高調波電圧成分の変動幅が第1の判定値よりも小さい値に設定された第2の判定値以下であるときに制御ゲインを高調波電圧成分の変動幅に第2の定数を乗じた分だけ増加させることにより制御ゲインを演算する制御ゲイン演算部とにより構成されている。上記第2の判定値は、系統電圧に含まれるn次高調波電流成分の変動幅が系統電圧に影響を及ぼさない範囲でとり得る値の下限値に設定するのが好ましい。
制御ゲイン決定部10´を構成するために所定の制御周期でマイクロプロセッサに実行させるプログラムのアルゴリズムを示すフローチャートを図4に示した。図4に示したアルゴリズムによる場合には、先ずステップ1において、第2の直流分抽出部9から得られる2相の第5次高調波電圧成分V5d及びV5qを読み込む。次いでステップ2において第5次高調波電圧のd軸成分V5d及びq軸成分V5qのそれぞれの最大値(V5dmax,V5qmax)及び最小値(V5dmin,V5qmin)を求めて、新たに求めた最大値及び最小値を既に求められている最大値及び最小値と置き換える(最大値及び最小値を更新する)。
次いでステップ3において、系統電圧(この例では50Hz)の1周期の期間(20ms)が経過したか否かを判定する。その結果1周期の期間が経過しているときにはステップ4に移行して第5次高調波電圧のd軸成分の最大値と最小値との差V5dmax−V5dminの絶対値を演算して、第5次高調波電圧のd軸成分の変動幅ΔVdを演算し、第5次高調波電圧のq軸成分の最大値と最小値との差V5qmax−V5qminの絶対値を演算して、第5次高調波電圧のq軸成分の変動幅ΔVqを演算する。その後ステップ5で第5次高調波電圧のd軸成分の変動幅ΔVd及びq軸成分の変動幅ΔVqのうちの大きい方を高調波電圧成分の変動幅ΔVとして採用する。このようにして高調波電圧成分の変動幅ΔVを求めた後、ステップ6で高調波電圧成分の変動幅ΔVが、系統電圧に影響を及ぼさない値の上限値に設定された第1の判定値以上であるか否かを判定し、高調波電圧成分の変動幅ΔVが第1の判定値以上である場合には、ステップ7に進んで制御ゲインKを第5次高調波電圧成分の変動幅に第1の定数G1を乗じた値ΔV×G1だけ減少させる。第1の判定値は、例えばアクティブフィルタの第5次高調波補償電流の定格値の0.1%に設定される。
またステップ6で第5次高調波電圧成分の変動幅ΔVが第1の判定値よりも小さいと判定されたときには、ステップ8に進んで、第5次高調波電圧成分の変動幅ΔVが、第1の判定値よりも小さい値に設定された第2の判定値以下であるか否かを判定し、第5次高調波電圧成分の変動幅ΔVが第2の判定値以下であるときに、ステップ9に進んで制御ゲインKを第5次高調波電圧成分の変動幅ΔVに第2の定数G2を乗じた値ΔV×G2だけ増加させる。第2の判定値は、系統電圧に影響を及ぼさない範囲の下限値(零でない値)で、例えばアクティブフィルタの第5次高調波補償電圧の定格値の0.03%に設定される。
ステップ7またはステップ9で制御ゲインを減少または増加させた後、ステップ10に移行して、第5次高調波電圧成分の最大値(V5dmax,V5qmax)及び最小値(V5dmin,V5qmin)をクリアし、ステップ11で新たな制御ゲインKを出力した後このルーチンを終了する。
上記ステップ3において、系統電圧の1周期の期間が経過していないと判定されたときには、ステップ11に移行して、元の制御ゲインKを出力した後、このルーチンを終了する。
上記のように、系統電圧に含まれるn次高調波電圧成分の変動幅ΔVが系統電圧に影響を与えない範囲の上限値以上になったときに制御ゲインKを減少させ、高調波電圧成分の変動幅ΔVが系統電圧に影響を与えない範囲の下限値以下になったときに制御ゲインを増加させるように制御ゲイン設定部を構成した場合にも、配電系統の回路定数が変化したときに、制御が安定に行われる範囲の適値に制御ゲインを自動調節して、常に最大の高調波補償効果を得ることができる。また系統条件に応じて制御ゲインを適当な値に設定するための詳細な事前検討や、煩雑な現地調整試験を行う必要がなくなるので、アクティブフィルタの設置を容易にすることができる。
図3に示した実施形態において、第1の定数G1及び第2の定数G2は制御のレスポンスを調整するための定数で、例えば、G1=1,G2=0.02に設定される。
図4に示したアルゴリズムによる場合には、ステップ2ないし5により、系統電圧の基本波成分の1周期の期間に検出されるn次高調波電圧成分の最大値と最小値との差を高調波電圧成分の変動幅として演算する高調波電圧成分変動幅演算手段が構成される。またステップ6ないし9により、演算された高調波電圧成分の変動幅が系統電圧に影響を及ぼさない範囲の上限値に設定された第1の判定値以上であるときに高調波電圧成分の変動幅に第1の定数を乗じた分だけ制御ゲインを減少させ、高調波電圧成分の変動幅が第1の判定値よりも小さい値に設定された第2の判定値以下であるときに高調波電圧成分の変動幅に第2の定数を乗じた分だけ制御ゲインを増加させることにより制御ゲインを演算する制御ゲイン演算部が構成される。
系統電圧検出部2により検出される系統電圧には、高調波と基本波とが含まれているため、図3に示すように構成した場合には、基本波の存在により、系統電圧の検出値Vu,Vv及びVwをA/D変換する際に、n次高調波成分のデジタル値に誤差が生じやすい。これに対し、図1に示したように構成した場合には、補償電流検出部7がn次高調波電流成分のみを検出するため、該検出部の出力をA/D変換する際に、n次高調波成分のデジタル値に生じる誤差を少なくすることができる。
上記の実施形態では、第5次高調波成分を補償するとしたが、本発明は、一般に配電系統の系統電圧に含まれるn次(nは3以上の奇数)高調波成分を補償する場合に適用することができる。
本発明の第1の実施形態の構成を示したブロック図である。 図1の実施形態で用いる制御ゲイン決定部を構成するためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。 本発明の第2の実施形態の構成を示したブロック図である。 図3の実施形態で用いる制御ゲイン決定部を構成するためにマイクロプロセッサに実行させるプログラムのアルゴリズムの一例を示したフローチャートである。 アクティブフィルタの制御系の構成を説明するためのブロック図である。
符号の説明
1u〜1w 配電線
2 系統電圧検出部
3 第1のdq変換部
4 第1の直流分抽出部
5 乗算手段
6 乗算手段
7 補償電流検出部
8 第2のdq変換部
9 第2の直流分抽出部
10 制御ゲイン決定部
11 制御ゲイン設定部
12 dq逆変換部
13 インバータ制御部
14 インバータ
15 補償電流出力部

Claims (4)

  1. 配電系統の系統電圧を検出する系統電圧検出部と、前記系統電圧検出部により検出された系統電圧に含まれるn次(nは3以上の奇数)の高調波電圧成分を検出する高調波電圧成分検出部と、制御ゲイン設定部と、前記制御ゲイン設定部により設定された制御ゲインを前記高調波電圧成分検出部により検出されたn次高調波電圧成分に乗じて求めた高調波補償電流を出力する補償電流出力部とを備え、前記高調波補償電流を前記配電系統に注入することにより前記系統電圧の高調波歪みを抑制する電力用アクティブフィルタにおいて、
    前記制御ゲイン設定部は、前記補償電流出力部から出力される高調波補償電流を検出する補償電流検出部と、前記補償電流検出部により検出された高調波補償電流のn次高調波電流成分を検出する高調波電流成分検出部と、前記高調波電流成分検出部により検出されたn次高調波電流成分の変動幅を、系統電圧に影響を及ぼさない範囲に保つように前記制御ゲインを決定する制御ゲイン決定部とを具備していること、
    を特徴とする電力用アクティブフィルタ。
  2. 前記制御ゲイン決定部は、前記系統電圧の基本波成分の1周期の期間に前記補償電流検出部により検出される高調波補償電流に含まれるn次高調波電流成分の最大値と最小値との差を高調波電流成分の変動幅として演算する高調波電流成分変動幅演算手段と、演算された高調波電流成分の変動幅が前記系統電圧に影響を及ぼさない範囲の上限値に設定された第1の判定値以上であるときに前記高調波電流成分の変動幅に第1の定数を乗じた分だけ前記制御ゲインを減少させ、前記高調波電流成分の変動幅が前記第1の判定値よりも小さい値に設定された第2の判定値以下であるときに前記高調波電流成分の変動幅に第2の定数を乗じた分だけ前記制御ゲインを増加させることにより前記制御ゲインを演算する制御ゲイン演算部とにより構成されている請求項1に記載の電力用アクティブフィルタ。
  3. 配電系統の系統電圧を検出する系統電圧検出部と、前記系統電圧検出部により検出された系統電圧に含まれるn次(nは3以上の奇数)の高調波電圧成分を検出する高調波電圧成分検出部と、制御ゲイン設定部と、前記制御ゲイン設定部により設定された制御ゲインを前記高調波電圧成分検出部により検出されたn次高調波電圧成分に乗じて求めた高調波補償電流を出力する補償電流出力部とを備え、前記高調波補償電流を前記配電系統に注入することにより前記系統電圧の高調波歪みを抑制する電力用アクティブフィルタにおいて、
    前記制御ゲイン設定部は、前記高調波電圧成分検出部により検出されたn次高調波電圧成分の変動幅を、系統電圧に影響を及ぼさない範囲に保つように前記制御ゲインを決定する制御ゲイン決定部を備えていること、
    を特徴とする電力用アクティブフィルタ。
  4. 前記制御ゲイン決定部は、前記系統電圧の基本波成分の1周期の期間に前記高調波電圧成分検出部により検出されるn次高調波電圧成分の最大値と最小値との差を高調波電圧成分の変動幅として演算する高調波電圧成分変動幅演算手段と、演算された前記高調波電圧成分の変動幅が前記系統電圧に影響を及ぼさない範囲の上限値に設定された第1の判定値以上であるときに前記高調波電圧成分の変動幅に第1の定数を乗じた分だけ前記制御ゲインを減少させ、前記高調波電圧成分の変動幅が前記第1の判定値よりも小さい値に設定された第2の判定値以下であるときに前記高調波電圧成分の変動幅に第2の定数を乗じた分だけ前記制御ゲインを増加させることにより前記制御ゲインを演算する制御ゲイン演算部とにより構成されている請求項3に記載の電力用アクティブフィルタ。
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