JP2005243490A - 非水電解質および非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質および非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 過充電時の安全性がさらに向上した非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】 容器本体2と蓋板4とによって密閉された内部に、正極10と、負極11と、セパレータ12とを含む電極群3を配置し、電極群3に非水電解質を注入する非水電解質二次電池において、非水電解質として、ハロゲン化ベンゼン類を含みかつ不純物であるアミノ化ベンゼン類の含有量が100ppm未満である非水溶媒に電解質を溶解させた非水電解質を用いる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、非水電解質および非水電解質二次電池に関する。
近年、移動体通信機、ノートブック型パソコン、パームトップ型パソコン、一体型ビデオカメラ、ポータブルCD(MD)プレーヤー、コードレス電話などの電子機器の小形化、軽量化を図る上で、これらの電子機器の電源として、特に小型で大容量の電池が求められる。
これら電子機器の電源として普及している電池としては、アルカリマンガン電池のような一次電池、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池などの二次電池が挙げられる。その中でも、正極にリチウム複合酸化物を用い、かつ負極にリチウムイオンを吸蔵・放出できる炭素質材料を用いた非水電解質二次電池が、小型軽量で単電池電圧が高く、高エネルギー密度を得られることから注目されている。
ところで、最近の電池においては、高エネルギー密度化にともない、過充電時における安全性を保ち、電池温度の著しい上昇ひいては電池の熱暴走を防止することが一層困難になりつつある。過充電時の安全化に係る先行文献および特許文献はこれまでに多く知られており、電池の構造を改良して安全化するもの、非水電解質に過充電添加剤を加えて安全性向上を図るものなどが主である。中でも、非水電解質に過充電添加剤を加える場合には、構造上の制約も少ないことから、種々の提案がなされている。
過充電添加剤としては、4−メトキシトルエン、2,6−メトキシトルエン、3,4,5−トリメトキシトルエンなどの、メチル基とメトキシ基とを有するベンゼン類であって、酸化還元電位が4.8〜4.9V程度であるレドックスシャトルが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
さらに、2−クロロ−p−キシレン、4−ブロモ−m−キシレンなどの、アルキル基とハロゲン原子とを有するベンゼン類が知られている(たとえば、特許文献2参照)。特許文献2の実施例には、このようなベンゼン類を非水電解液に添加した電池の発熱開始電圧が4.45〜4.75Vの範囲内にあることが記載される。
さらに、1,2−ジメトキシベンゼン、1,2−ジメトキシ−4−フルオロベンゼンなどの、ハロゲン原子およびアルコキシ基が置換したベンゼン類が知られている(たとえば、特許文献3参照)。
特許文献1〜3に記載のベンゼン類は、いずれも、非水電解液電池の満充電時の正極電位よりも貴な電池電位に可逆性酸化還元電位を有するものであり、これらを非水電解質に添加することによって、過充電状態の際に生じる非水溶媒の酸化分解反応が促進され、この酸化分解反応による発熱を利用して過充電電流が遮断される。
また、フッ素原子と炭素数1〜10の炭化水素基とを有するベンゼン類を、非水電解液に含有させることが提案されている(たとえば、特許文献4参照)。特許文献4は、該ベンゼン類が正極と非水電解液との反応速度を抑えて発熱反応を抑制することを記載する。
さらに、電解質であるリチウム塩と、エチレンカーボネート20〜60体積%、ジアルキルカーボネート20〜70体積%およびフッ素化されたトルエン(2−フルオロトルエン、3−フルオロトルエン、4−フルオロトルエンなど)5〜30体積%を含む有機溶媒とを含有する有機電解液が提案されている(たとえば、特許文献5参照)。特許文献5によれば、該有機電解液を用いることにより、高温で長時間放置する際の電池の内圧上昇が抑制され、電池、特にベント部分の破損が防止され、電池の安定性が向上する。
このように、特許文献1〜5には、ベンゼン環上にメチル基、メトキシ基、ハロゲン原子などを有するベンゼン類を非水電解質(または非水電解液)に添加することにより、電池の安全性、安定性などが向上することが記載される。しかしながら、過充電時の安全性が一層向上した電池が切望されている。
なお、特許文献1〜5のいずれにも、非水電解質に含まれる不純物成分について言及する記載はない。
特開平7−302614号公報 特開平9−50822号公報 特開2000−156243号公報 特開平11−329496号公報公報 特開2001−256996号公報
本発明の目的は、過充電時の安全性が顕著に高い非水電解質および非水電解質二次電池を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するための研究過程で、電池の充電がそれ以上進行することを防止する作用のある過充電添加剤として、メチル基およびハロゲン原子を有するベンゼン類を含む非水電解質においては、該ベンゼン類の製造原料であるアミノ化ベンゼン類が不純物として存在し、電池の過充電時の安全性に悪影響を及ぼすことを見出した。
このような知見に基づいてさらに研究を重ねた結果、非水電解質中のアミノ化ベンゼン類の含有量が非水電解質二次電池の過充電時の安全性に特に大きな影響を与えることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、非水溶媒および電解質を含有する非水電解質において、非水溶媒がハロゲン化ベンゼン類を含み、かつ非水溶媒中に不純物として含まれるアミノ化ベンゼン類の含有量が100ppm未満であることを特徴とする非水電解質である。
また本発明の非水電解質は、前述の非水溶媒が、ハロゲン化ベンゼン類とともに、カーボネート類および/またはγ−ブチロラクトンを含有することを特徴とする。
さらに本発明の非水電解質は、前述のハロゲン化ベンゼン類が、塩素原子および/またはフッ素原子を1または2以上有するハロゲン化トルエンおよびハロゲン化キシレンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
さらに本発明の非水電解質は、前述のハロゲン化ベンゼン類が、o−クロロトルエン、p−クロロトルエンおよびo−フルオロトルエンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
さらに本発明の非水電解質は、前述のアミノ化ベンゼン類が、アミノ化トルエンおよびアミノ化キシレンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
さらに本発明の非水電解質は、前述のアミノ化ベンゼン類が、2−アミノトルエン、4−アミノトルエンおよびアミノキシレンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする。
また本発明は、正極と、負極と、前述のいずれか1つの非水電解質とを含むことを特徴とする非水電解質二次電池である。
本発明の非水電解質および非水電解質二次電池は、過充電時の異常発熱発生率が著しく低く、非常に高い安全性を有する。
〔非水電解質〕
本発明の非水電解質は、非水溶媒と電解質とを含み、非水溶媒がハロゲン化ベンゼン類および不純物としてアミノ化ベンゼン類を含み、非水溶媒におけるアミノ化ベンゼン類の含有量が100ppm未満であることを特徴とする。
本発明の非水電解質は、好ましくは、非水溶媒が、ハロゲン化ベンゼン類とともにカーボネート類および/またはγ−ブチロラクトンを含有する。カーボネート類およびγ−ブチロラクトンは、非水電解質のイオン伝導性、酸化還元安定性などを向上させることができる。
本発明の非水電解質は、過充電時の正極との反応性が比較的低いため、電流遮断後、正極と非水電解質との反応が速やかに終了する。したがって、非水電解質二次電池が熱暴走に至るのを回避することができる。
本発明の非水電解質において、非水溶媒に含まれるハロゲン化ベンゼン類としては公知のものを使用でき、その中でも、ベンゼン環上に置換基としてハロゲン原子およびメチル基をそれぞれ1または2以上有するハロゲン化ベンゼン類が好ましい。このようなハロゲン化ベンゼン類の中でも、ハロゲン化トルエン、ハロゲン化キシレンなどが好ましい。なお、ハロゲン原子としては、塩素およびフッ素が好ましい。ヨウ素および臭素は、電池中で分解しやすいので好ましくない。
ハロゲン化トルエンの具体例としては、o−クロロトルエン、m−クロロトルエン、p−クロロトルエン、o−フルオロトルエン、m−フルオロトルエン、2,3−ジクロロトルエン、2,4−ジクロロトルエン、2,5−ジクロロトルエン、2,6−ジクロロトルエン、3,4−ジクロロトルエン、2,3−ジフルオロトルエン、2,4−ジフルオロトルエン、2,5−ジフルオロトルエン、2,6−ジフルオロトルエン、2−クロロ−4−フルオロトルエン、2−クロロ−6−フルオロトルエンなどの、ベンゼン環上に1種または2種のハロゲン原子が1または2以上置換したハロゲン化トルエンが挙げられる。
ハロゲン化キシレンの具体例としては、2−クロロ−p−キシレン、2−クロロ−m−キシレン、3−クロロ−o−キシレン、4−クロロ−o−キシレン、2,5−ジクロロ−p−キシレン、2−フルオロ−p−キシレン、2−フルオロ−m−キシレン、3−フルオロ−o−キシレン、4−フルオロ−o−キシレン、2,5−ジフルオロ−p−キシレンなどの、ベンゼン環上に1種または2種以上のハロゲン原子が1または2以上置換したハロゲン化キシレンが挙げられる。
ハロゲン化ベンゼン類は、1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
ハロゲン化ベンゼン類の非水溶媒における含有量は特に制限されないけれども、好ましくは非水溶媒全量の0.1〜15重量%、さらに好ましくは0.5〜10重量%、特に好ましくは1〜8重量%である。
ハロゲン化ベンゼン類とともに用いられるカーボネート類としては公知のものでよく、たとえば、環状カーボネート、鎖状カーボネートなどが挙げられる。
環状カーボネートとしては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどが好ましく用いられる。また、鎖状カーボネートとしては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどが好ましく用いられる。
カーボネート類は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
カーボネート類の非水溶媒における含有量は特に制限されないけれども、好ましくはエチレンカーボネートの含有量が非水溶媒全量の19.9〜59.9重量%、さらに好ましくは25〜50重量%、特に好ましくは25〜45重量%である。19.9重量%を大きく下回ると、本発明の非水電解質を含む二次電池において、特に高温環境下での負極と非水電解質との反応を抑えられなくなる虞がある。また、59.9重量%を大幅に超えると、低温で固化しやすくなるなどの問題が起こる虞がある。
また、ハロゲン化ベンゼン類とともに用いられるγ−ブチロラクトンの非水溶媒における含有量は特に制限されないけれども、好ましくは非水溶媒全量の40〜80重量%、さらに好ましくは50〜80重量%、特に好ましくは55〜75重量%である。
本発明では、カーボネート類の1種またはγ−ブチロラクトンをそれぞれ単独で用いることができるけれども、2種以上のカーボネート類の併用またはカーボネート類とγ−ブチロラクトンとの併用が好ましい。
特に、本発明の非水電解質を含む二次電池において、高温保存時の容量維持率を向上させるという面からは、環状カーボネートと鎖状カーボネートとの組み合わせ、2種以上の環状カーボネートの組み合わせなどが好ましい。高温保存時のガス発生抑制の面からは、環状カーボネートとγ−ブチロラクトンとの組み合わせ、2種以上の環状カーボネートの組み合わせなどが好ましい。安全性向上の面からは、環状カーボネートとγ−ブチロラクトンとの組み合わせが好ましい。さらに、高温保存特性と安全性の両立の面からは、エチレンカーボネートとγ−ブチロラクトンとの組み合わせ、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネートとの組み合わせ、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの組み合わせ、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジエチルカーボネートとの組み合わせなどが好ましい。
本発明の非水電解質において、非水溶媒に、不純物として含まれるアミノ化ベンゼン類は、ベンゼン環上に置換基としてアミノ基を有するベンゼン類である。このようなベンゼン類は多くのものが知られているけれども、その中でも、アミノ化トルエン、アミノ化キシレンなどの、ベンゼン環上に置換基としてアミノ基および1または2以上のメチル基を有するベンゼン類が、本発明の非水電解質を含む二次電池における過充電時の安全性に、特に悪い影響を及ぼすことが、本発明者の研究により判明した。
アミノ化トルエンおよびアミノ化キシレンは、いずれも、ハロゲン化ベンゼン類の原料化合物として用いられるものであり、反応条件、精製度合いなどによって、ハロゲン化トルエンおよびハロゲン化キシレン中に未反応のまま残留し易い。商業的に入手できるハロゲン化ベンゼン類には、一般に、アミノ化トルエンおよび/またはアミノ化キシレンが含まれる。たとえば、和光純薬工業社製のo−フルオロトルエン中には、2−アミノトルエン(o−トルイジン)が1000ppm残留していた。
アミノ化トルエンの具体例としては、2−アミノトルエン、3−アミノトルエン、4−アミノトルエン、2,3−ジアミノトルエン、2,4−ジアミノトルエン、2,5−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3.4−ジアミノトルエンなどが挙げられる。
また、アミノ化キシレンの具体例としては、2−アミノ−p−キシレン、2−アミノ−m−キシレン、3−アミノ−o−キシレン、4−アミノ−o−キシレン、2,5−ジアミノ−p−キシレンなどが挙げられる。
アミノ化トルエンおよびアミノ化キシレンは、それぞれ、1種または2種以上が非水溶媒中に含まれることがある。また、1種または2種以上のアミノ化トルエンと、1種または2種以上のアミノ化キシレンとが同時に非水溶媒中に含まれることがある。
アミノ化ベンゼン類の非水溶媒における含有量は、その合計量として100ppm未満であることが必須であり、さらに好ましくは50ppm以下である。非水溶媒中に100ppm以上含まれると、本発明の非水電解質を含む二次電池において、過充電時に異常発熱が発生する頻度が高くなり、安全性が低下する虞がある。
アミノ化ベンゼン類の非水溶媒における含有量を100ppm未満にするためには、たとえば、ハロゲン化ベンゼン類に高度精製を施せばよい。高度精製の方法として、融点が50℃未満のハロゲン化ベンゼン類については、蒸留精製が適用できる。その際、蒸留段数5段以上の蒸留能力を有する設備を使用することが好ましい。また、融点50℃以上のハロゲン化ベンゼン類については、晶析法による精製が適用できる。
本発明の非水電解質における非水溶媒は、ハロゲン化ベンゼン類を必須成分として含有し、好ましくはハロゲン化ベンゼン類と共に、カーボネート類および/またはγ−ブチロラクトンを含有する。
本発明の非水電解質においては、非水溶媒と共に、副成分として、非水溶媒以外の溶媒を用いることができる。副成分としては、二次電池用の非水電解質に用いられるものをいずれも使用でき、たとえば、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、γ−バレロラクトン、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、2―メチルフラン、フラン、チオフェン、カテコールカーボネート、エチレンサルファイト、12−クラウン−4、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、1,3−プロパンスルトン、無水スルホ安息香酸、ジビニルスルホン、3−ヒドロキシ−1−プロペンスルホン酸−γ−スルトン、トリス(トリオクチル)ホスフェートなどが挙げられる。
このような副成分の中でも、ビニレンカーボネート、1,3−プロパンスルトン、無水スルホ安息香酸、ジビニルスルホン、3−ヒドロキシ−1−プロペンスルホン酸−γ−スルトンなどは、本発明の非水電解質を含む二次電池において、負極表面に緻密な保護皮膜を生成するため、負極と非水電解質との反応性をさらに低くすることが可能になり、放置放電特性や高温保存時の安定性を改善することができるので好ましい。副成分は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
副成分の使用量は特に制限されないけれども、好ましくは非水溶媒全重量に対して10重量%以下、さらに好ましくは0.01〜5重量%、特に好ましくは0.1〜3重量%の範囲内から選択することが望ましい。副成分を10重量%よりも多く使用すると、負極表面の保護皮膜のイオン透過性が低下して低温放電特性が大幅に損なわれる虞がある。
非水溶媒に溶解される電解質としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、過塩素酸リチウム(LiClO)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF)、トリフルオロメタスルホン酸リチウム(LiCFSO)、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CFSO)、ビスペンタフルオロエチルスルホニルイミドリチウム(LiN(CSO)などのリチウム塩が挙げられる。電解質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。特にLiBFとLiPFとを含有する混合塩を用いると、本発明の非水電解質を含む二次電池において、高温でのサイクル寿命を一層向上させることができる。
電解質の非水溶媒に対する溶解量は特に制限されず広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは0.5〜2.5モル/L、さらに好ましくは1〜2.5モル/Lの範囲とすることが望ましい。
本発明の非水電解質は、たとえば、ハロゲン化ベンゼン類に必要に応じてカーボネート類および/またはγ−ブチロラクトンを加えて非水溶媒を調製し、これに電解質を溶解させることによって製造できる。非水電解質は、たとえば、液状(非水電解液)、ゲル状などの所望の形態にすることができる。
非水電解液の使用量は特に制限されないけれども、好ましくは電池単位容量100mAh当たり0.2〜0.6g、さらに好ましくは0.25〜0.55gである。
〔非水電解質二次電池〕
本発明の非水電解質二次電池は、正極と、負極と、本発明の非水電解質とを含むことを特徴とする。
すなわち、本発明の非水電解質二次電池は、非水電解質として本発明の非水電解質を使用する以外は、従来から知られる非水電解質電池と同様の構造を採ることができる。
本発明の非水電解質二次電池によれば、これを内蔵する携帯機器の充電器の故障などにより過充電状態となって正極の電位が上昇した際に、セパレータによるシャットダウンを確実に生じさせることができるため、過充電状態を安全に終了させることができる。すなわち、過充電状態において、ハロゲン化ベンゼン類の酸化反応による発熱反応を生じさせることによって、電池温度をセパレータのシャットダウン温度まで速やかに上昇させることができるため、過充電電流を早期に遮断することができる。そのためにアミノ化ベンゼン類の含有量を100ppm未満にして円滑な酸化反応を行い、それによって熱暴走を回避することができる。
非水溶媒中にアミノ化ベンゼン類が100ppm以上含まれると、ハロゲン化ベンゼン類よりも早く酸化反応を起こし始めるので、ハロゲン化ベンゼン化合物単独よりも全体の発熱反応が緩慢となる。このような状況では、電池温度がセパレータのシャットダウン温度まで速やかに上昇せず、セパレータシャットダウンが不完全な状態となり、過充電電流を完全に遮断することができず、さらに、過充電電流が流れつづけると、熱暴走に至る危険がある。
以下、図面を参照しつつ、本発明の非水電解質二次電池について説明する。図1は、本発明の実施の第1形態である非水電解質二次電池1の構成を概略的に示す斜視図である。図2は、図1に示す切断面線II−IIから見た部分断面図である。
非水電解質二次電池1は、矩形のカップ状に形成される容器本体2と、容器本体2内に収納される電極群3と、容器本体2を密閉する蓋板4と、容器本体2と蓋板4との間に挿入され、電極群3内の正極10に接続される正極タブ5と、容器本体2と蓋板4との間に挿入され、電極群3内の負極11に接続される負極タブ6とを含んで構成される。
容器本体2は、外部保護層7と、内部保護層8と、外部保護層7と内部保護層8との間に配置される金属層9とを含むラミネートフィルムにより形成される。外部保護層7および内部保護層8は、熱可塑性樹脂、好ましくは耐熱性熱可塑性樹脂を主成分とする樹脂フィルムである。熱可塑性樹脂の具体例としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン、環状ポリオレフィンなどのポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、結晶性ポリエステル、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。樹脂フィルムは2種以上の異なる熱可塑性樹脂を含む樹脂フィルムの積層体であってもよい。金属層9を構成する金属としては、たとえば、アルミニウム、ステンレス鋼、鉄、銅、ニッケル、チタン、モリブデン、金などの金属、酸化珪素、酸化アルミニウムなどの金属酸化物などが挙げられる。また、ラミネートフィルムの厚さは広い範囲から適宜選択できるけれども、好ましくは50〜300μmである。なお、容器本体2の縁部2aは幅広になっており、この縁部2aによって、容器本体2と蓋板4とが接着される。
電極群3は、正極10、負極11およびセパレータ12を組合せて形成される。具体的には、電極群3は、正極10と、負極11と、正極10と負極11の間に配置されるセパレータ12とを含む積層物が偏平形状に捲回された構造に形成される。
正極10は、集電体と、集電体の片面または両面に担持され、活物質を含む正極層とを含む。
集電体としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、導電性基板などが挙げられる。導電性基板を構成する金属としては、たとえば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルなどが挙げられる。導電性基板は、多孔質構造でもよくまたは無孔のものでもよい。
正極層は、正極活物質、導電剤および結着剤を含む。
正極活物質としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、二酸化マンガン、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウム含有鉄酸化物、リチウムを含むバナジウム酸化物などの金属酸化物、二硫化チタン、二硫化モリブデンなどのカルコゲン化合物などが挙げられる。中でも、リチウム含有コバルト酸化物(たとえばLiCoO)、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物(たとえばLiNi0.8Co0.2)、リチウムマンガン複合酸化物(たとえばLiMn、LiMnO)を用いると、高電圧が得られるために好ましい。正極活物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
導電剤としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などが挙げられる。導電剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。
結着剤としてもこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエーテルサルフォン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、スチレン−ブタジエンゴムなどが挙げられる。結着剤は1種を単独で使用できまたは必要に応じて2種以上を併用できる。
正極活物質、導電剤および結着剤の配合割合は、正極活物質80〜95重量%、導電剤3〜20重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ましい。
正極10は、たとえば、正極活物質、導電剤および結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を集電体に塗布、乾燥して薄板状にすることにより作製される。
負極11は、集電体と、集電体の片面もしくは両面に担持される負極層とを含む。
集電体としては、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、導電性基板などが挙げられる。導電性基板を構成する金属としては、たとえば、銅、ステンレス鋼、ニッケルなどが挙げられる。導電性基板は、多孔質構造でもよくまたは無孔のものでもよい。
負極層は、負極活物質および結着剤を含む。
負極活物質としては、リチウムイオンを吸蔵・放出する材料を使用でき、たとえば、黒鉛、コークス、炭素繊維、球状炭素、熱分解気相炭素質物、樹脂焼成体などの黒鉛質材料もしくは炭素質材料、熱硬化性樹脂、等方性ピッチ、メソフェーズピッチ系炭素、メソフェーズピッチ系炭素繊維、メソフェーズ小球体など(特に、メソフェーズピッチ系炭素繊維が容量や充放電サイクル特性が高くなり好ましい)を500〜3000℃で熱処理することにより得られる黒鉛質材料もしくは炭素質材料、二硫化チタン、二硫化モリブデン、セレン化ニオブなどのカルコゲン化合物、アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、リチウム、リチウム合金などの軽金属もしくはその合金などが挙げられる。中でも、(002)面の面間隔d002が好ましくは0.34nm以下、さらに好ましくは0.337nm以下である黒鉛結晶を含む黒鉛質材料が望ましい。このような黒鉛質材料を負極活物質として含む負極を備える非水電解質二次電池は、電池容量および大電流放電特性が大幅に向上する。負極活物質は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
結着剤としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられる。結着剤は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
負極活物質および結着剤の配合割合は、炭素質物80〜98重量%、結着剤2〜20重量%の範囲であることが好ましい。
負極11は、たとえば、負極活物質と結着剤とを適当な溶媒の存在下で混合し、得られる懸濁物を集電体に塗布し、乾燥した後、所望の圧力で1回プレスまたは2〜5回多段階プレスすることにより作製される。
セパレータ12としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、微多孔性膜、織布、不織布、これらのうち同一材または異種材の積層物などが挙げられる。中でも、微多孔性膜は、過充電などによる発熱により電極群3の温度が異常に上昇すると、構成樹脂が塑性変形して微細な孔が塞がる、いわゆるシャットダウン現象を起こし、リチウムイオンの流れを遮断し、それ以上の発熱を防止し、過充電状態を安全に終了させることができるので好ましい。セパレータ12を形成する材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−ブテン共重合ポリマーなどが挙げられる。これらの材料は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
電極群3は、たとえば、(1)正極10および負極11をその間にセパレータ12を介在させて偏平形状または渦巻き状に捲回するか、(2)正極10および負極11をその間にセパレータ12を介在させて渦巻き状に捲回した後、径方向に圧縮するか、(3)正極10および負極11をその間にセパレータ12を介在させて1回以上折り曲げるか、あるいは(4)正極10と負極11とをその間にセパレータ12を介在させながら積層する方法により作製される。
電極群3には、プレスを施さなくても良いが、正極10、負極11およびセパレータ12の一体化強度を高めるためにプレスを施しても良い。また、プレス時に加熱を施すことも可能である。
電極群3は、正極10、負極11およびセパレータ12の一体化強度を高めるために、接着性高分子化合物を含有することができる。接着性高分子化合物は、非水電解質を保持した状態で高い接着性を維持できるものであることが望ましく、リチウムイオン伝導性が高いものがより好ましい。具体的には、ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、またはポリエチレンオキサイドなどが挙げられる。
電極群3は、本発明の非水電解質が含浸され、保持される。
蓋板4は、外部保護層7、内部保護層8および、外部保護層7と内部保護層8との間に配置される金属層9とを含むラミネートフィルムにより形成される。ラミネートフィルムとしては、容器本体2のラミネートフィルムと同様のものを使用できる。
正極タブ5は、一端が正極10に接続され、容器本体2と蓋板4との間を通過して、容器本体2の外部に他端5aが引き出され、正極端子として機能する。正極タブ5を構成する材料としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、アルミニウム、ニッケル、チタンなどが挙げられる。
負極タブ6は、一端が負極11に接続され、容器本体2と蓋板4との間を通過して、容器本体2の外部に他端6aが引き出され、負極端子として機能する。負極タブ6を構成する材料としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、銅、ニッケル、銅箔にめっきなどによりニッケル層を形成した積層体などが挙げられる。
非水電解質二次電池1は、従来の電池製造法と同様にして製造できる。たとえば、電極群3に正極タブ5および負極タブ6を接続し、正極タブ5および負極タブ6のそれぞれ一部が容器本体2の外部に出るように電極群3を容器本体2内に載置する。さらに蓋板4の内部保護層8と容器本体2の縁部2aの内部保護層8とが接するように、蓋板4と容器本体2に重ね合せ、その部分をヒートシールなどにより接着し、固定化することによって、容器本体2内に電極群3が密閉され、非水電解質電池1が得られる。
なお、本発明の非電解質二次電池は、非電解質電池1のような形態に限定されるものではなく、たとえば、円筒形、角形、コイン型などの、種々の形態の電池とすることができる。
本発明の非水電解質二次電池は、従来から非水電解質二次電池が適用されるのと同様の用途に用いることができる。その一例としては、たとえば、各種の電子機器類、その中でも特に携帯用電子機器類、たとえば、携帯電話、モバイルなどの移動体通信機、ノートブック型パソコン、パームトップ型パソコンなどの携帯可能なパソコン、カメラ、デジタルカメラ、一体型ビデオカメラ、ポータブルCD(MD)プレーヤーなどの電源として好適に使用できる。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明をさらに具体的に説明する。
(実施例1)
<正極の作製>
リチウムコバルト酸化物(LiCoO;但し、Xは0<X≦1である)粉末90重量部に、アセチレンブラック5重量部と、ポリフッ化ビニリデン5重量部のジメチルホルムアミド溶液とを加えて混合し、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布し、乾燥し、プレスすることにより、厚さ60μmの正極層が集電体の両面に担持された構造の正極を作製した。
<負極の作製>
炭素質材料として3000℃で熱処理したメソフェーズピッチ系炭素繊維(粉末X線回折により求められる(002)面の面間隔(d002)が0.336nm)の粉末を95重量部と、ポリフッ化ビニリデン5重量部のジメチルホルムアミド溶液とを混合し、スラリーを調製した。このスラリーを厚さ12μmの銅箔(負極集電体)の両面に塗布し、乾燥し、プレスすることにより、厚さ55μmの負極層が集電体の両面に担持された構造の負極を作製した。
なお、炭素質物の(002)面の面間隔d002は、粉末X線回折スペクトルから半値幅中点法により求めた。この際、ローレンツ散乱などの散乱補正は、行わなかった。
<セパレータ>
厚さ25μm、多孔度45%の微多孔性ポリエチレン膜を使用した。
<電極群の作製>
正極集電体に帯状アルミニウム箔(厚さ100μm)からなる正極リードを超音波溶接し、負極集電体に帯状ニッケル箔(厚さ100μm)からなる負極リードを超音波溶接した後、正極および負極をその間にセパレータを介して渦巻き状に捲回し、電極群を作製した。この電極群を加熱下にプレス機で加圧することにより、偏平状に成形した。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、o−クロロトルエン(o−CT;対金属リチウムでの酸化電位4.8V)およびトリス(トリオクチル)ホスフェートを重量比率(EC:GBL:o−CT:TOP)が35:59.5:5:0.5になるように混合して非水溶媒を調製した。得られた非水溶媒に四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)をその濃度が1.5モル/Lになるように溶解させて、本発明の非水電解液を調製した。なお、ガスクロマトグラフ分析の結果から、非水溶媒は、アミノ化ベンゼン類として2−アミノトルエンを含有し、その含有量は30ppm以下であった。
<非水電解質二次電池の製造>
アルミニウム箔の両面をポリエチレンで覆った厚さ100μmのラミネートフィルムを、プレス機により矩形のカップ状に成形し、得られた容器内に電極群を収納した。
次いで、容器内の電極群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより、電極群およびラミネートフィルムに含まれる水分を除去した。
容器内の電極群に非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が4.8gとなるように注入した後、容器の上面に前記と同様のラミネートフィルムを載せ、ヒートシールにより封止し、図1、2に示す構造を有し、厚さ3.6mm、幅35mm、高さ62mm、公称容量0.65Ahの非水電解質二次電池を組み立てた。
この非水電解質二次電池に対し、初充放電工程として、室温下0.2Cで4.2Vまで定電流・定電圧充電を15時間行い、その後、室温下0.2Cで3.0Vまで放電し、非水電解質二次電池を製造した。
ここで、1Cとは公称容量(Ah)を1時間で放電するために必要な電流値である。よって、0.2Cは、公称容量(Ah)を5時間で放電するために必要な電流値である。
(実施例2〜22)
非水溶媒の組成およびアミノ化ベンゼン類の含有量を、表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を製造した。
なお、表1中、o−FTはo−フルオロトルエン(対金属リチウムでの酸化電位4.9V)、p−CTはp−クロロトルエン(対金属リチウムでの酸化電位4.8V)、2FPXは2−フルオロ−p−キシレン(対金属リチウムでの酸化電位4.7V)である。
また表1中、副成分のTOPは、トリス(トリオクチル)ホスフェート、VCはビニレンカーボネート、PSは1,3−プロパンスルトン、SBAHは無水スルホ安息香酸、DVSUはジビニルスルホン、PRSは3−ヒドロキシ−1−プロペンスルホン酸−γ−スルトンを示す。
また表1中、アミノ化ベンゼンの2−ATは2−アミノトルエン、2−APXは2−アミノ−p−キシレンを示す。
(比較例1〜11)
非水溶媒の組成およびアミノ化ベンゼン類の含有量を表1に示すように変更する以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を製造した。
(試験例1)
実施例1〜22および比較例1〜11で得られた非水電解質二次電池の各10個ずつについて、過充電試験を行った。過充電試験は、電流値2Cで充電を続け、その際に異常な発熱または発火を生じた非水電解質二次電池の数を記録するものである。異常な発熱または発火を生じた電池個数の全体に占める割合(異常発熱発生率、%)を表1に示す。
Figure 2005243490
表1から明らかなように、ハロゲン化ベンゼン類を含みかつアミノ化ベンゼン類の含有量が100ppm未満の非水溶媒を用いた実施例1〜22の二次電池は、過充電試験を行った10個のうち異常な発熱を生じたものはほとんどなく、多くても2個(20%以下)で、過充電状態を安全に終了させる効果が大きい。特に、アミノ化ベンゼン類の含有量が50ppm以下のo−CT、p−CT、o−FTを添加した実施例1〜4の二次電池は、アミノ化ベンゼン類の含有量が90ppmの実施例5の二次電池に比べて、さらに過充電状態を安全に終了させる効果が大きい。
これに対し、ハロゲン化ベンゼン類を含みかつアミノ化ベンゼン類の含有量が100ppm以上の非水溶媒を用いる比較例1〜11の非水電解質二次電池は、いずれも、10個のうち3個以上が異常な発熱を生じた。
移動体通信機、ノートブック型パソコン、パームトップ型パソコン、一体型ビデオカメラ、ポータブルCD(MD)プレーヤー、コードレス電話などの電子機器の、安全に使用可能な電源として利用できる。
本発明の実施の第1形態である非水電解質二次電池の構成を概略的に示す斜視図である。 図1に示す切断面線II−IIから見た部分断面図である。
符号の説明
1 非水電解質二次電池
2 容器本体
2a 容器本体縁部
3 電極群
4 蓋板
5 正極タブ
5a,6a 他端
6 負極タブ
7 外部保護層
8 内部保護層
9 金属層
10 正極
11 負極
12 セパレータ

Claims (7)

  1. 非水溶媒および電解質を含有する非水電解質において、
    非水溶媒がハロゲン化ベンゼン類を含み、かつ非水溶媒中に不純物として含まれるアミノ化ベンゼン類の含有量が100ppm未満であることを特徴とする非水電解質。
  2. 非水溶媒が、ハロゲン化ベンゼン類とともに、カーボネート類および/またはγ−ブチロラクトンを含有することを特徴とする請求項1記載の非水電解質。
  3. ハロゲン化ベンゼン類が、塩素原子および/またはフッ素原子を1または2以上有するハロゲン化トルエンおよびハロゲン化キシレンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2記載の非水電解質。
  4. ハロゲン化ベンゼン類が、o−クロロトルエン、p−クロロトルエンおよびo−フルオロトルエンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の非水電解質。
  5. アミノ化ベンゼン類が、アミノ化トルエンおよびアミノ化キシレンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の非水電解質。
  6. アミノ化ベンゼン類が、2−アミノトルエン、4−アミノトルエンおよびアミノキシレンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の非水電解質。
  7. 正極と、負極と、請求項1〜6のいずれか1つの非水電解質とを含むことを特徴とする非水電解質二次電池。
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