JP2005071697A - 非水電解質二次電池の初充電方法 - Google Patents

非水電解質二次電池の初充電方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電池特性を劣化させること無く初充電時間を短縮することができる非水電解質二次電池の初充電方法を提供することを目的とする。
【解決手段】正極と負極と非水電解質とを備える非水電解質二次電池の初充電方法であって、定格容量の90〜110%の範囲の充電を施す第一の充電工程と、休止工程と、定格容量の10〜30%の範囲の充電を施す第二の充電工程とを具備することを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、非水電解質二次電池の初充電方法に関するものである。
近年、移動体通信機、ノートブック型パソコン、パームトップ型パソコン、一体型ビデオカメラ、ポータブルCD(MD)プレーヤー、コードレス電話等の電子機器の小形化、軽量化を図る上で、これらの電子機器の電源として、小型で、かつ大容量を有する電池が求められている。
このような電子機器の電源として普及している電池には、アルカリマンガン電池のような一次電池や、ニッケルカドミウム電池、鉛蓄電池等といった二次電池が挙げられる。二次電池の中でも、特に、正極にリチウム複合酸化物を用い、かつ負極にリチウムイオンを吸蔵・放出できる炭素質材料を用いた非水電解質二次電池は、小型軽量で単電池電圧が高く、高エネルギー密度を得られることから注目されている。
かかる構成を有する非水電解質二次電池は、電池の組み立て後に電池特性を活性化させるために初充電を行う必要がある。十分に活性化されていない電池は、大電流で充電を施すと電池特性が劣化することから初充電では電流を比較的小さくする必要があり、このため、初充電時間が長くなって生産性が低下するという問題がある。
このことから、電池特性を劣化させずに初充電時間を短縮することが可能な充電方法が検討されている。例えば、特開2003−7349号公開公報(特許文献1)には、4.0V以上、4.15V以下の範囲となる充電電圧まで充電する第一の充電工程を行なった後、4.15Vよりも大となる充電電圧まで充電する時に電池の充電電流を電池の定格容量の0.2CmA以上、0.5CmA以下の範囲にすることによって、充電電流が適切に制御されて正極が高電位な状態で充電される時間を短縮し、正極より正極活物質が溶出することを防止することが開示されている。
この特許文献1では、正極が高電位な状態に晒されるのをできるだけ避けることを目的としているため、段落[0068]及び[0069]に示されている通り、第一の充電工程と第二の充電工程の間に休止時間を設けていない。
また、特開平6−98472号公開公報(特許文献2)は、製品に対する充電方法に関するもので、第1の電圧に達するまでの定電流充電または準定電流充電と、電池電圧が第2の電圧に低下するまでの充電休止とを繰り返し、充電休止の期間が所定値以上になると、第2の電圧で定電圧充電を行なう充電方法である。
特許文献2のように電圧を制御しながらの充電と休止とを繰り返す方法は、制御が複雑であるために電流電圧特性が安定し難い。一方、初充電では、製品に対して行なう充電と異なり、電気エネルギーの供給の他に負極表面へのSEI(solid electrolyte interface)と呼ばれる皮膜の形成等の活性化が行われ、活性化の進度は電位変化の影響を受けやすいことから、特許文献2の充電方法を初充電に適用すると、電流電圧特性の不安定さに起因して活性化が不十分になる可能性がある。
さらに、特開2002−280082号公開公報(特許文献3)に記載された充電方法では、充電の途中に炭素材料の表面に積極的にリチウムを析出させ、析出したリチウムを放電エネルギーとして利用しているが、この析出したリチウムは非水電解質との反応により失活しやすいため、長い充放電サイクル寿命を得られない。
特開2003−7349号公開公報 特開平6−98472号公開公報 特開2002−280082号公開公報
本発明は、電池特性を劣化させること無く初充電時間を短縮することができる非水電解質二次電池の初充電方法を提供することを目的とする。
本発明に係る非水電解質二次電池の初充電方法は、正極と負極と非水電解質とを備える非水電解質二次電池の初充電方法であって、
定格容量の90〜110%の範囲の充電を施す第一の充電工程と、
休止工程と、
定格容量の10〜30%の範囲の充電を施す第二の充電工程と
を具備することを特徴とする。
本発明によれば、電池特性を劣化させること無く初充電時間を短縮することができる非水電解質二次電池の初充電方法を提供することができる。
以下、本発明に係る非水電解質二次電池の初充電方法の一実施形態について説明する。
本発明では、初充電工程を定格容量の90〜110%の範囲の充電を施す第一の充電工程と、定格容量の10〜30%の範囲の充電を施す第二の充電工程とに分け、前記第一の充電工程と前記第二の充電工程の間に休止時間を設ける。
ここで、定格容量とは、公称容量とも呼ばれ、以下に説明するように定義することができる。
製造メーカーが規定する充放電条件で電池を充放電した時に得られる放電容量の保証値として定義される。
第一の充電工程での充電率(充電量)を前記範囲に規定する理由を説明する。
第一の充電工程での充電率(充電量)を定格容量の90%未満にすると、第一の充電工程での充電レートを高くしても充電時間が短いために負極表面にリチウムが析出しないものの、初充電で必要な電気量の確保と初充電時間の短縮のために、第二の充電工程での充電レートを大きくし、かつ充電率を高くする必要が生じる。その結果、第二の充電工程において大きな充電レートで充電される時間が長くなるため、第二の充電工程において負極表面にリチウムが析出する。第二の充電工程で析出したリチウムは、負極内部にほとんど拡散されることがなく負極表面に留まって非水電解質と反応して失活するため、二次電池の放電容量と充放電サイクル寿命が低下する。一方、第一の充電工程での充電率が定格容量の110%を超えると、第一の充電工程において負極表面に析出するリチウム量が多くなるため、休止時間を設けても析出リチウムを十分に負極内部に拡散させることができず、放電容量と充放電サイクル寿命が低下する。第一の充電工程での充電率のより好ましい範囲は、95〜105%である。
第一の充電工程後、休止時間を設けることによって、第一の充電工程で負極表面に析出したリチウムを負極内部に拡散させることができるため、析出リチウムと非水電解質との反応を抑制することができる。この際、雰囲気温度を高くすると、リチウムの非水電解質への溶解を促すことができるため、負極内部へのリチウムの拡散を促進させることが可能である。
休止時間を前記範囲に規定する理由を説明する。休止時間を10分未満とすると、析出リチウムを十分に拡散させることができない恐れがある。析出リチウムの拡散には最長60分の休止時間で十分であることが多く、60分を超える休止時間を設けるのは、初充電時間が無駄に長くなる可能性がある。休止時間のより好ましい範囲は、15〜45分である。
休止工程後、第二の充電工程を行なうが、第二の充電工程での充電率(充電量)を前記範囲に規定するのは以下に説明する理由によるものである。第二の充電工程での充電率を定格容量の10%未満とすると、初充電で必要な充電電気量を確保できないため、十分な放電容量が得られない。一方、第二の充電工程での充電率が定格容量の30%を超えると、高い充電レートでの充電時間が長くなるため、第二の充電工程で負極表面にリチウムが析出して放電容量及び充放電サイクル寿命が低下する。第二の充電工程での充電率のより好ましい範囲は、15〜25%である。
前記第二の充電工程の充電レートは、前記第一の充電工程の充電レートと等しくするか、または、前記第一の充電工程の充電レートよりも小さくすることが好ましい。これは、第二の充電工程の充電レートを第一の充電工程の充電レートよりも大きくすると、第一の充電工程がなされて充電率が高い状態にある時に大きなレートで充電されることとなるため、第二の充電工程において負極表面にリチウムが析出する恐れがあるからである。
第一の充電工程においては、いかなる充電方法を用いてもよいが、充電時間を短縮できることから定電流・定電圧充電を適用することが好ましい。
第二の充電工程においては、いかなる充電方法を用いてもよいが、初期段階に大きなレートで充電されてリチウムが析出するのを防止するため、定電流・定電圧充電を適用することが好ましい。
本発明の初充電方法が施される非水電解質二次電池について以下に説明する。
かかる非水電解質二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極と、非水電解質と、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な負極とを含み、以下、正極、負極および非水電解質について説明する。
1)正極
この正極は、集電体と、集電体の片面もしくは両面に担持され、かつ正極活物質を含有する正極層とを含む。
前記正極活物質としては、種々の酸化物、例えば、二酸化マンガン、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物、リチウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウム含有鉄酸化物、リチウムを含むバナジウム酸化物、二硫化チタンや二硫化モリブデンなどのカルコゲン化合物などを挙げることができる。中でも、リチウム含有コバルト酸化物(例えば、LiCoO2)、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物(例えば、LiNi0.8Co0.22)、リチウムマンガン複合酸化物(例えば、LiMn24、LiMnO2)を用いると、高電圧が得られるために好ましい。なお、正極活物質としては、1種類の酸化物を単独で使用しても、あるいは2種類以上の酸化物を混合して使用しても良い。
正極層には導電剤を含有させても良い。前記導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。
また、正極層には結着剤を含有させることができる。前記結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエーテルサルフォン、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等を用いることができる。
前記正極活物質、導電剤および結着剤の配合割合は、正極活物質80〜95重量%、導電剤3〜20重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ましい。
前記集電体としては、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いることができる。かかる導電性基板は、例えば、アルミニウム、ステンレス、またはニッケルから形成することができる。
前記正極は、例えば、正極活物質、導電剤および結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を集電体に塗布し、乾燥して薄板状にすることにより作製される。
2)負極
この負極は、集電体と、集電体の片面もしくは両面に担持され、かつリチウムイオンを吸蔵・放出する負極活物質を含有する負極層とを含む。
前記負極活物質としては、例えば、黒鉛、コークス、炭素繊維、球状炭素、熱分解気相炭素質物、樹脂焼成体などの黒鉛質材料もしくは炭素質材料;熱硬化性樹脂、等方性ピッチ、メソフェーズピッチ系炭素、メソフェーズピッチ系炭素繊維、メソフェーズ小球体など(特に、メソフェーズピッチ系炭素繊維が容量や充放電サイクル特性が高くなり好ましい)に500〜3000℃で熱処理を施すことにより得られる黒鉛質材料または炭素質材料;二硫化チタン、二硫化モリブデン、セレン化ニオブ等のカルコゲン化合物;アルミニウム、アルミニウム合金、マグネシウム合金、リチウム、リチウム合金等の軽金属;等を挙げることができる。中でも、(002)面の面間隔d002が0.34nm以下である黒鉛結晶を有する黒鉛質材料を用いるのが好ましい。このような黒鉛質材料を負極活物質として含む負極を備えた非水電解質二次電池は、電池容量および大電流放電特性を大幅に向上することができる。前記面間隔d002は、0.337nm以下であることが更に好ましい。
負極層には結着剤を含有させることができる。前記結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いることができる。
前記負極活物質及び前記結着剤の配合割合は、負極活物質90〜98重量%、結着剤2〜10重量%の範囲にすることが好ましい。
前記集電体としては、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板を用いることができる。かかる導電性基板は、例えば、銅、ステンレス、またはニッケルから形成することができる。
前記負極は、例えば、負極活物質と結着剤とを溶媒の存在下で混練し、得られた懸濁物を集電体に塗布し、乾燥した後、所望の圧力で1回プレスもしくは2〜5回多段階プレスすることにより作製される。
上記正極と負極とを組み合せて電極群が構成されるが、この電極群は、例えば、正極と負極の間にセパレータを介在させることにより形成される。
前記セパレータとしては、微多孔性の膜、織布、不織布、およびこれらのうち同一材または異種材の積層物等を用いることができる。中でも、微多孔性の膜は、過充電等による発熱で電極群の温度が異常に上昇すると、セパレータを構成する樹脂が塑性変形して微細な孔が塞がる、いわゆるシャットダウン現象を生じ、これによりリチウムイオンの流れを遮断し、それ以上の発熱を防止し、過充電状態を安全に終了させることができるので好ましい。セパレータを形成する材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合ポリマー、エチレン−ブテン共重合ポリマー等を挙げることができる。セパレータの形成材料としては、前述した種類の中から選ばれる1種類または2種類以上を用いることができる。
前記電極群の具体的な作製方法として、例えば、以下の(i)〜(iv)を挙げることができる。すなわち、
(i)正極及び負極をその間にセパレータを介在させて偏平形状または渦巻き状に捲回することにより電極群を得る、
(ii)正極及び負極をその間にセパレータを介在させて渦巻き状に捲回した後、径方向に圧縮することにより電極群を得る、
(iii)正極及び負極をその間にセパレータを介在させて1回以上折り曲げることにより電極群を得る、あるいは、
(iv)正極と負極とをその間にセパレータを介在させながら積層することにより電極群を得る。
電極群には、プレスを施さなくても良いが、正極、負極及びセパレータの一体化強度を高めるためにプレスを施しても良い。また、プレス時に加熱を施すことも可能である。
電極群には、正極、負極及びセパレータの一体化強度を高めるために、接着性高分子を含有させることができる。前記接着性高分子は、非水電解質を保持した状態で高い接着性を維持できるものであることが望ましい。さらに、かかる高分子は、リチウムイオン伝導性が高いとなお好ましい。具体的には、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリアクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはポリエチレンオキサイド(PEO)等を挙げることができる。
3)非水電解質
非水電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解される電解質(例えば、リチウム塩)とを含むものである。この非水電解質の形態は、液体状(非水電解液)やゲル状にすることができる。
前記非水溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、カテコールカーボネート、γ−ブチロラクトン(GBL)、γ−バレロラクトン、スルホラン、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン、2−メチルフラン、フラン、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、チオフェン、エチレンサルファイト、12−クラウン−4等を挙げることができる。前記非水溶媒は、単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。
前記電解質としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ過リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3SO3)等のリチウム塩を挙げることができる。前記電解質は単独で使用しても、2種以上混合して使用してもよい。前記電解質の前記非水溶媒に対する溶解量は、0.2〜2mol/Lの範囲とすることが望ましい。
前記非水溶媒中には、塩化トルエン(CT)及びオルトフッ化トルエン(o−FT)よりなる群から選択される少なくとも1種類のハロゲン化トルエンを含有させることができる。ハロゲン化トルエンは、前記セパレータのシャットダウン現象をより確実に進めることができる。
前記非水溶媒中には、セパレータとの濡れ性を良くするために、トリオクチルフォスフェート(TOP)のような界面活性剤を含有させることができる。前記界面活性剤の添加量は、3%以下にすることが好ましく、さらには0.1〜1%の範囲内にすることがより好ましい。
前記非水電解質の量は、電池単位容量100mAh当たり0.2〜0.6gの範囲にすることが好ましい。非水電解質量のより好ましい範囲は、0.25〜0.55g/100mAhの範囲である。
本発明に係る初充電方法が施される非水電解質二次電池の形態は、特に限定されるものではなく、例えば、薄型、円筒形、角形、コイン型等にすることができる。このうちの薄型リチウムイオン二次電池の一例を図1及び図2に、角形リチウムイオン二次電池の一例を図3に示す。
図1,図2に示すように、矩形のカップ状をなす容器本体1内には、電極群2が収納されている。電極群2は、正極3と、負極4と、正極3と負極4の間に配置されるセパレータ5を含む積層物が偏平形状に捲回された構造を有する。非水電解質は、電極群2に保持されている。容器本体1の縁の一部は幅広になっており、蓋板6として機能する。容器本体1と蓋板6は、それぞれ、ラミネートフィルムから構成される。このラミネートフィルムは、外部保護層7と、熱可塑性樹脂を含有する内部保護層8と、外部保護層7と内部保護層8の間に配置される金属層9とを含む。容器本体1には蓋板6が内部保護層8の熱可塑性樹脂を用いてヒートシールによって固定され、それにより容器内に電極群2が密封される。正極3には正極タブ10が接続され、負極4には負極タブ11が接続され、それぞれ容器の外部に引き出されて、正極端子及び負極端子の役割を果たす。
一方、図3に示すように、金属、例えばアルミニウムからなる有底矩形筒状の外装缶21は、例えば正極端子を兼ね、底部内面に絶縁体22が配置されている。前記外装缶21内には、電極群23が収納されている。前記電極群23は、負極24と、セパレータ25と、正極26とを前記正極26が最外周に位置するように渦巻き状に捲回した後、扁平状にプレス成形することにより作製したものである。前記正極26の集電体には、正極リード(図示せず)が接続され、かつこの正極リードの他端は前記外装缶21に接続されている。
中心付近にリード取出穴を有する例えば合成樹脂からなるスペーサ27は、前記外装缶21内の前記電極群23上に配置されている。金属製の蓋体28は、前記外装缶21の上端開口部に、例えばレーザ溶接により気密に接合されている。前記蓋体28の中心付近には、負極端子30の取出穴29が開口されている。前記蓋体28には、前記外装缶21内の内圧が極端に上昇したような場合に破れて内圧を開放する安全弁機構(図示せず)が設けられている。負極端子30は、前記蓋体28の取出穴29にガラス製または樹脂製の絶縁材31を介してハーメティックシールされている。前記負極端子30の下端面には、負極リード32が接続され、かつこの負極リード32の他端は前記電極群23の負極24の集電体に接続されている。絶縁封口板33は、蓋体28の上面に配置されている。絶縁性の外装チューブ34は、外装缶21の側面並びに底面周縁と、絶縁封口板33の周縁を被覆している。
以上説明したような本発明に係る非水電解質二次電池の初充電方法では、定格容量の90〜110%の範囲の充電を施す第一の充電工程の後に休止工程を行なうため、第一の充電工程で負極表面に析出したリチウムを負極内部に拡散させることができる。したがって、析出リチウムの問題にとらわれることなく第一の充電工程での充電レートを高くすることができるため、初充電時間の短縮を図ることができる。また、休止工程の後に行う第二の充電工程での充電率を定格容量の10〜30%の範囲にすることによって、第二の充電工程で負極表面にリチウムを析出させることなく、初充電に必要な電気量を確保することができる。さらに、本発明によると、多数の繰り返し工程と複雑な制御系を必要としないため、組み立て後の不活性な状態にある二次電池に安定した初充電を施すことができる。
これらの結果、高い放電容量と長い充放電サイクル寿命を確保しつつ、初充電時間の短縮を図ることができる。
なお、この発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1)
<正極の作製>
まず、リチウムコバルト酸化物(LixCoO2;但し、モル比xは0<x≦1である)粉末90重量%に、アセチレンブラック5重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%のジメチルフォルムアミド(DMF)溶液とを加えて混合し、スラリーを調製した。前記スラリーを厚さが15μmのアルミニウム箔からなる集電体の両面に塗布した後、乾燥し、プレスすることにより、正極層が集電体の両面に担持された構造の正極を作製した。なお、正極層の厚さは、片面当り60μmであった。
<負極の作製>
炭素質材料として3000℃で熱処理したメソフェーズピッチ系炭素繊維(粉末X線回折により求められる(002)面の面間隔d002が0.336nm)の粉末を95重量%と、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%のジメチルフォルムアミド(DMF)溶液とを混合し、スラリーを調製した。前記スラリーを厚さが12μmの銅箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥し、プレスすることにより、負極層が集電体に担持された構造の負極を作製した。負極層の厚さは、片面当り55μmであった。
なお、炭素質物の(002)面の面間隔d002は、粉末X線回折スペクトルから半値幅中点法により求めた。この際、ローレンツ散乱等の散乱補正は、行わなかった。
<セパレータ>
厚さが25μm、多孔度45%の微多孔性ポリエチレン膜からなるセパレータを用意した。
<電極群の作製>
前記正極の集電体に帯状アルミニウム箔(厚さ100μm)からなる正極リードを超音波溶接し、前記負極の集電体に帯状ニッケル箔(厚さ100μm)からなる負極リードを超音波溶接した後、前記正極及び前記負極をその間に前記セパレータを介して渦巻き状に捲回し、電極群を作製した。この電極群を加熱しながらプレス機で加圧することにより、偏平状に成形した。
アルミニウム箔の両面をポリエチレンで覆った厚さ100μmのラミネートフィルムを、プレス機により矩形のカップ状に成形し、得られた容器内に前記電極群を収納した。
次いで、容器内の電極群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより電極群及びラミネートフィルムに含まれる水分を除去した。
<非水電解液の調製>
エチレンカーボネート(EC)、γ−ブチロラクトン(GBL)およびオルト塩化トルエン(o−CT)を重量比率(EC:GBL:o−CT)が35:60:5になるように混合して非水溶媒を調製した。得られた非水溶媒に四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)をその濃度が1.5モル/Lになるように溶解させて、非水電解液を調製した。
<電池の組み立て>
容器内の電極群に前記非水電解液を電池容量1Ah当たりの量が4.8gとなるように注入し、ヒートシールにより封止した後、前述した図1および図2に示す構造を有し、厚さが3.6mm、幅が35mm、高さが62mmで、定格容量(公称容量)が0.65Ahの非水電解質二次電池を組み立てた。
この非水電解質二次電池に対し、初充電工程として以下の処置を施した。
まず、第一の充電工程として、45℃で、0.3Cで4.2Vまで定電流・定電圧充電を3.75時間行うことにより定格容量の110%の充電を施した。その後、45℃で、1時間充電を休止した後、第二の充電工程として、45℃で、0.2Cで4.2Vまで定電流・定電圧充電を1.25時間行うことにより定格容量の10%の充電を施し、非水電解質二次電池を製造した。
ここで、1Cとは定格容量(公称容量)(Ah)を1時間で放電するために必要な電流値である。よって、0.2Cは、定格容量(公称容量)(Ah)を5時間で放電するために必要な電流値である。
(実施例2)
第一の充電工程の充電時間を3.5時間とすることにより充電率を定格容量の90%にし、第二の充電工程の充電時間を1.5時間とすることにより充電率を定格容量の30%にすること以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を製造した。
(実施例3)
休止時間を10分間にすること以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を製造した。
(実施例4〜7)
第一,第二の充電工程における充電レート及び充電時間を下記表1に示すように変更すること以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を製造した。
(実施例8〜9)
休止時間を下記表1に示すように変更すること以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を製造した。
(実施例10〜11)
第一,第二の充電工程及び休止工程の温度を下記表1に示すように変更すること以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を製造した。
(比較例1)
実施例1と同様にして組み立てた非水電解質二次電池に対して、初充電工程として以下の処置を施した。
45℃で、0.2Cで4.2Vまで定電流・定電圧充電を8時間行うことにより定格容量の120%の充電を施して、非水電解質二次電池を製造した。
(比較例2)
第一の充電工程を行った後、休止時間を設けることなく続けて第二の充電工程を行うこと以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を製造した。
(比較例3〜4)
第一の充電工程及び第二の充電工程において、充電時間を下記表1に示すように変更することにより充電率を下記表1に示す値に設定すること以外は、実施例1と同様にして非水電解質二次電池を製造した。
<電池特性試験>
得られた実施例1〜11および比較例1〜4の非水電解質二次電池の各10個ずつについて、1Cで4.2Vまで定電流・定電圧充電を3時間、1Cで3.0Vまで放電する充放電サイクル試験を50サイクル行った。5サイクル目の放電容量と50サイクル目の容量維持率を表1に示す。なお、50サイクル目の容量維持率は、5サイクル目の容量を100%として表わしたものである。
Figure 2005071697
表1から明らかなように、第一の充電工程の充電率を定格容量の90〜110%の範囲とし、第二の充電工程での充電率を定格容量の10〜30%の範囲とし、かつ第一の充電工程と第二の充電工程との間に休止時間を設けた実施例1〜11の非水電解質二次電池は、優れた放電容量を有し、高い容量維持率を示した。さらに、初充電工程を単ステップとした比較例1の二次電池と比較して、初充電時間を大幅に短縮することができた。
また、実施例1,8,9の結果を比較することにより、休止時間が10分に満たない(実施例9)と50サイクル目の容量維持率がやや低下し、また、休止時間が60分を超えても(実施例8)、放電容量と50サイクル目の容量維持率に改善が見られないことがわかる。一方、実施例1,10,11の結果から、初充電工程の温度が30〜50℃の範囲で高容量と長寿命を得られることと、また、実施例1,4〜7の結果から、第一の充電工程でのレートが0.3〜0.6Cで、第二の充電工程のレートが0.05〜0.3Cで十分な特性が得られることを確認することができた。但し、第一,第二の充電工程のレートを等しくした実施例7の二次電池は、実施例1の二次電池に比較して50サイクル目の容量維持率がやや低かった。
これに対して、休止時間を設けなかった比較例2の二次電池、第一の充電工程での充電率が定格容量の90%未満で、かつ第二の充電工程での充電率が定格容量の30%を超えた比較例3の二次電池、および、第一の充電工程での充電率が110%を超えた比較例4の二次電池は、実施例1〜11の二次電池と比較して放電容量が減少し、50サイクル目の容量維持率も低下した。
なお、本発明の初充電方法は、上記の実施例に限定されるものではなく、他の種類の正極・負極・セパレータ・非水電解質の組み合せにおいても同様に適用可能である。
本発明に係る初充電方法が施される非水電解質二次電池の一例である薄型リチウムイオン二次電池を示す斜視図。 図1の薄型リチウムイオン二次電池を短辺方向に沿って切断した部分断面図。 本発明に係る初充電方法が施される非水電解質二次電池の一例である角型リチウムイオン二次電池を示す部分切欠斜視図。
符号の説明
1…容器本体、2,23…電極群、3,26…正極、4,24…負極、5,25…セパレータ、6…蓋板、7…外部保護層、8…内部保護層、9…金属層、10…正極タブ、11…負極タブ、21…外装缶、22…絶縁体、27…スペーサ、28…蓋体、29…取出穴、30…負極端子、31…絶縁材、32…負極リード、33…絶縁封口板、34…外装チューブ。

Claims (2)

  1. 正極と負極と非水電解質とを備える非水電解質二次電池の初充電方法であって、
    定格容量の90〜110%の範囲の充電を施す第一の充電工程と、
    休止工程と、
    定格容量の10〜30%の範囲の充電を施す第二の充電工程と
    を具備することを特徴とする非水電解質二次電池の初充電方法。
  2. 前記休止工程における休止時間は、10〜60分の範囲にあることを特徴とする請求項1記載の非水電解質二次電池の初充電方法。
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