JP2005237171A - 熱電変換装置 - Google Patents

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Hitoshi Tauchi
比登志 田内
Seishi Moriyama
誠士 森山
Tsutomu Sakakibara
務 榊原
Yasufumi Shibata
靖文 柴田
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Abstract

【課題】熱電変換装置1が熱的に厳しい環境で使用されたとしても、電極層5とバリア層6との間におけるワレの生成及び/または成長を抑制することができ、ひいては抵抗値の変化を抑制でき、信頼性を更に向上させることができる熱電変換装置1を提供することを課題とする。
【解決手段】熱電変換装置1は、相対的に高温側に配置される第1基部2と、相対的に低温側に配置される第2基部3と、第1基部2と第2基部3との間に配置され熱電材料を母材とする熱電体4と、第1基部2及び第2基部3のそれぞれから熱電体4に向けて順に配置された電極層5及びバリア層6とを備える。第1基部2側及び第2基部3側のうち少なくとも第1基部2側について、電極層5及びバリア層6は、電極層5とバリア層6との間における熱膨張による引張応力の発生を抑える材料の組み合わせで形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は熱電材料を母材とする熱電体を搭載する熱電変換装置に関する。
従来、特許文献1には、高温側接合部と低温側接合部との温度差によりゼーベック効果により熱電発電を行う熱電発電装置が開示されている。また特許文献2には、集熱板と、放熱板と、集熱板と放熱板との間に配置された熱電材料を母材とする熱電体とをもつ熱電発電モジュールが開示されている。高温側の電極と集熱板との間に超塑性材料が介在している。このものによれば、高温側から低温側に熱流が流れるとき、熱電体は熱膨張するが、超塑性材料は、自身の超塑性効果により厚みが薄くなり、密着性を確保しつつ良好な熱伝達を図ることができると記載されている。
特開平5−167104号公報 特開平6−275871号公報
上記した技術によれば、熱電変換装置が熱的に厳しい環境で長期にわたり使用されるとき、電極層とバリア層との間においてワレが生成及び/または成長するおそれがある。この場合、熱電変換装置の目標性能を確保するためには不利である。
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、熱電変換装置が熱的に厳しい環境で長期にわたり使用されたとしても、電極層とバリア層との間におけるワレの生成及び/または成長を抑制することができ、ひいては抵抗値の変化を抑制でき、信頼性を更に向上させることができる熱電変換装置を提供することを課題とする。
本発明に係る熱電変換装置は、相対的に高温側に配置される第1基部と、第1基部よりも相対的に低温側に配置される第2基部と、第1基部と第2基部との間に配置され熱電材料を母材とする熱電体と、第1基部及び第2基部のそれぞれから熱電体に向けて順に配置された電極層及びバリア層とを具備する熱電変換装置において、
第1基部側及び第2基部側のうち少なくとも第1基部側について、
電極層及びバリア層は、電極層とバリア層との間における熱膨張による引張応力の発生を抑える材料の組み合わせで形成されていることを特徴とするものである。
このように電極層及びバリア層は、電極層とバリア層との間における熱膨張による引張応力の発生を抑える材料の組み合わせで形成されている。このため、熱電変換装置が熱的に厳しい環境で使用されたとしても、電極層とバリア層との間におけるワレの生成及び/または成長が抑制される。
本発明に係る熱電変換装置によれば、電極層及びバリア層は、電極層とバリア層との間における熱膨張による引張応力の発生を抑える材料で形成されている。このため熱電変換装置が熱的に厳しい環境で使用されたとしても、電極層とバリア層との間におけるワレの生成が抑制される。このため使用期間が長期化したとしても、熱電変換装置の端子の抵抗値の変化が抑制され、信頼性が向上する。
本発明に係る熱電材料としては、第1基部と第2基部との間の温度差に基づくゼーベック効果により熱エネルギを電気エネルギに変換する熱電発電材料とすることができる。あるいは、本発明に係る熱電材料としては、電気エネルギにより、第1基部と第2基部との間に温度差を形成するペルチェ効果を有する熱電材料とすることもできる。
第1基部は、他の熱源により形成された高温側の雰囲気に対面するように、または、発熱作用により高温側となるように配置される。第2基部は、第1基部よりも相対的に低温側の雰囲気に対面するように、または、吸熱作用により低温側となるように配置される。ここで『高温』及び『低温』は相対的な温度であり、高温側は低温側よりも相対的に高い温度であれば良く、低温側は高温側よりも相対的に低い温度であれば良い。第1基部及び第2基部は熱電体を搭載するものであり、形状及び構造を問わないが、基板形状とすることができる。第1基部及び第2基部の材質としては、無機系、有機系等の電気絶縁性をもつ材料が好ましい。無機系としては特に限定されるものではなく、窒化珪素、アルミナ、窒化アルミ、炭化珪素等を例示することができる。第1基部及び第2基部に電気絶縁処理を施せば、金属とすることもできる。
本発明によれば、熱電材料としては、使用温度領域におけるゼーベック係数等を考慮すると、クラスレート化合物(包接化合物)を採用することができる。クラスレート化合物としては、ゲルマニウム系のクラスレート化合物、バリウム−ガリウム−ゲルマニウム系のクラスレート化合物とすることができる。この場合、P型半導体としてはBa8Ga22Ge28を例示することができる。N型半導体としてはBa8Ga16Ge31を例示することができる。場合によってはクラスレート化合物としては、シリコン系のクラスレート化合物でも良い。本発明によれば、線膨張係数が(11〜15)×10-6/Kのクラスレート化合物を例示することができる。
本発明によれば、バリア層は、熱電体の材質等にもよるが、鉄系、タングステン系、モリブデン系、銀系のうちの何れかを例示することができる。電極層としては、熱電体及びバリア層の材質等にもよるが、鉄系、モリデブン系、タングステン系、銀系、銅系を例示することができる。
従って本発明によれば、電極層の母材−バリア層の母材の組み合わせとしては、双方共に同系材料(同一材料も含む)とすることができる。従って電極層の母材−バリア層の母材としては、鉄系−鉄系、タングステン系−タングステン系、モリブデン系−モリブデン系のいずれかの組み合わせで形成されている形態を採用することができる。更に、電極層の母材−バリア層の母材の組み合わせとしては、タングステン系−モリブデン系、モリブデン系−タングステン系、銅系−銀系、銀系−銅系のいずれかの組み合わせで形成されている形態を採用することができる。
『系』は純金属でも、合金でも良いという意味である。従って、電極層の母材−バリア層の母材としては、純金属として、鉄−鉄、タングステン−モリブデン、モリブデン−タングステン、モリブデン−モリブデン、タングステン−タングステン、銅−銀、銀−銅のうちのいずれかの組み合わせで形成されている形態を採用することができる。
また電極層の母材−バリア層の母材としては、鉄合金−鉄合金、タングステン合金−モリブデン合金、モリブデン合金−タングステン合金、モリブデン合金−モリブデン合金、タングステン合金−タングステン合金、銅合金−銀合金、銀合金−銅合金のうちのいずれかの組み合わせで形成されている形態を採用することもできる。
上記したように電極層の母材−バリア層の母材としては双方共に同系材料(同一材料も含む)としたときには、基本的には、バリヤ層及び電極層の双方の本来の機能を確保しつつ、電極層とバリア層との間の熱膨張差を低減または解消するのに有利である。このため、電極層の厚み及びバリア層の厚みを、用途に適合した製法に応じて選択する自由度を高めることができる。故に電極層の厚み>バリア層の厚み、電極層の厚み<バリア層の厚み、電極層の厚み≒バリア層の厚み、電極層の厚み=バリア層の厚みとする形態を適宜採用することができる。バリア層がメッキで形成されるときには、一般的にはバリア層の厚みは相対的に薄い。バリア層が焼結体で形成されるときには、一般的にはバリア層の厚みは相対的に厚い。
文献によれば、線膨張係数は鉄が12.6×10-6/K、モリブデンが4.9×10-6/K、タングステンが4.6×10-6/K、銅が16.4×10-6/K、銀が19.7×10-6/Kである。熱電材料がクラスレート化合物である場合には、その線膨張係数に鉄または鉄系合金が対処し易いといえる。
表1及び表2は上記した組み合わせについての評価を示す。表1に示すように、電極層の母材−バリア層の母材としては、銀−銅の組み合わせ、銅−銀の組み合わせは良好(評価:○)である。更に電極層の母材−バリア層の母材としては、鉄−鉄の組み合わせ、モリブデン−タングステンの組み合わせ、タングステン−モリブデンの組み合わせは、更に良好(評価:◎)である。
Figure 2005237171
Figure 2005237171
熱電材料がバリウム−ガリウム−ゲルマニウム系のクラスレート化合物である場合には、その線膨張係数は一般的には(11〜15)×10-6/K、殊に(12〜14)×10-6/Kである。従って、熱電材料がバリウム−ガリウム−ゲルマニウム系のクラスレート化合物である場合には、熱電材料の線膨張係数とバリア層の線膨張係数とを対応させるべく、バリア層としては鉄系とすることができる。バリア層として鉄系が選択されると、バリア層と電極層との間の熱膨張差を低減させるためには、電極層として鉄系を選択することが好ましい。電極層が鉄系であれば、電極層自体の高温強度が高くなり、電極層の耐久性の向上に有利である。
本発明によれば、(電極層の線膨張係数/バリア層の線膨張係数)をαとしたとき、0.80≦α≦1.25の関係に設定されている形態を採用することができる。この場合、0.80≦α≦1.20の関係、0.90≦α≦1.10の関係、0.95≦α≦1.05の関係に設定されている形態を採用することができる。
本発明によれば、一般的には、電極層とバリア層との間には、両者を接合する接合層が介在している。接合層の母材としては、銀ろう、アルミろう等のろう材、半田、伝導性接着材等が例示される。バリア層の厚みはその目的を達成すれば電極層の厚みよりも薄くすることができる。
本発明によれば、少なくとも電極層及びバリア層の露出部分はシール材で覆われている形態を採用することができる。この場合、使用環境が厳しいときであっても、あるいは、電極層及びバリア層の耐食性が必ずしも充分でないときであっても、電極層及びバリア層の腐食劣化が抑制される。シール材としては無機系を採用することができる。この場合、無機系のスラリーに所定時間浸漬させた後に乾燥または焼成させることができる。
以下、本発明の実施例1を図1〜図3を参照して具体的に説明する。図1は熱電変換装置1の全体の側面図を示す。図2は熱電変換装置1の要部の拡大側面図を示す。図1に示すように、本実施例に係る本実施例に係る熱電変換装置1は、相対的に高温側に配置される第1基部としての第1基板2と、相対的に低温側に配置される第2基部としての第2基板3と、第1基板2の搭載面20と第2基板3の搭載面30との間に複数個配置された熱電材料を母材とする熱電体4と、第1基板2及び第2基板3の厚み方向において第1基板2及び第2基板3の搭載面20,30のそれぞれから熱電体4の搭載面40a,40bに向けて順に配置された電極層5及びバリア層6とを備えている。熱電体4は熱エネルギを電気エネルギに変換する。
第1基板2は窒化珪素を母材として形成されている。第2基板3は窒化珪素を母材として形成されている。使用の際に、一般的には、相対的に高温側の第1基板2は400〜700℃、450〜600℃の雰囲気に設置される。相対的に低温側の第2基板3は200〜380℃、300〜350℃の雰囲気に設置される。
本実施例によれば、電極層5とバリア層6との間には、両者を接合するための接合層7が介在している。この熱電変換装置1は、複数個の熱電体4を搭載している熱電モジュールとされている。
熱電体4を構成する熱電材料はバリウム−ガリウム−ゲルマニウム系のクラスレート化合物とされている。高温側に設置される第1基板2の使用温度領域を考慮したものである。このクラスレート化合物の線膨張係数は一般的には(11〜15)×10-6/K、殊に(12〜14)×10-6/Kとされている。熱電体4を構成する熱電材料としては、P型半導体とN型半導体とがある。そしてP型半導体とN型半導体とが交互に直列に電極層5を介して電気的に接続されている。P型半導体はBa8Ga22Ge28とされている。N型半導体はBa8Ga16Ge31とされている。上記した熱電材料で形成された熱電体4は、相対的に高温側に曝される第1基板2と相対的に低温側に曝される第2基板3との間の温度差に基づくゼーベック効果により熱エネルギを電気エネルギに変換する。
本実施例によれば、(電極層5の線膨張係数/バリア層6の線膨張係数)をαとしたとき、0.80≦α≦1.25の関係、殊に0.80≦α≦1.20の関係を満たすように設定されている。線膨張係数は熱膨張係数を意味する。
更に説明を加える。バリア層6は接合層7の成分が熱電体4へ拡散することを防止したり、熱電体4の構成成分が接合層7に拡散したりすることを防止するバリア機能を有するものである。バリア層6は鉄で形成されている。バリア層6を鉄とした主な理由としては、上記した拡散を防止するバリア能力を考慮する他に、上記したクラスレート化合物の線膨張係数とバリア層6の線膨張係数とを近づけることを考慮したためである。
第1基板2及び第2基板3に積層されている電極層5は、鉄で形成されている。電極層5を鉄で形成した主な理由としては、上記した鉄で形成したバリア層6の線膨張係数に電極層5の線膨張係数を近づけることを考慮したためである。
従って本実施例によれば、電極層5の母材−バリア層6の母材は、鉄−鉄の組み合わせとされている。よって、(電極層5の線膨張係数/バリア層6の線膨張係数)をαとしたとき、α=1またはα≒1の関係とされている。換言すると本実施例によれば、電極層5及びバリア層6は、電極層5とバリア層6との間における熱膨張による引張応力の発生を抑える材料の組み合わせで形成されている。このため本実施例に係る熱電変換装置1が熱的に厳しい環境で長期にわたり使用されるときであっても、電極層5とバリア層6との間におけるワレの生成及び/または成長が抑制される。このため本実施例に係る熱電変換装置1が熱的に厳しい環境で長期にわたり使用されるときであっても、熱電変換装置1の電気抵抗値の変化が抑制され、信頼性が向上する。
熱電変換装置1を組み付けるときには、図3に示すように、熱電体4の搭載面40a、40bに鉄のバリア層6を無電解メッキを用いて形成する。また第1基板2の搭載面20及び第2基板3の搭載面30に鉄の電極層5をろう付けを用いて積層しておく。その後、バリア層6と電極層5との間に、接合材料(銀ろう)を介在させる。この状態で不活性雰囲気の電気炉により、接合材料(銀ろう)を約750〜850℃で溶融させた後に凝固させ、ろう材を基材とする接合層7をバリア層6と電極層5との間に形成する。この結果、複数個の熱電体4が第1基板2及び第2基板3間に接合される。
以上説明したように本実施例によれば、相対的に高温側となる第1基板2側及び相対的に低温側となる第2基板3側の双方について、電極層5及びバリア層6は、電極層5とバリア層6との間における熱膨張による引張応力の発生を抑える材料の組み合わせ(鉄−鉄の組み合わせ)で形成されている。このため熱電変換装置1が熱的に厳しい環境で使用されたとしても、電極層5とバリア層6との間におけるワレの生成及び/または成長が抑制される。このため長期にわたり使用されたとしても、熱電変換装置1の電気抵抗値の変化が抑制され、信頼性が向上する。
(試験例)
上記した実施例に基づいた試験例として、熱電変換装置1を作製し、試験を行った。この場合、熱電体4のチップのサイズとしては、高さ寸法H1が4mm、幅L1が4mm、奥行き寸法が4mmとした。図3に示すように、熱電体4の搭載面40a、40bの双方に、厚み10μm以下の鉄の薄膜状をなすバリア層6(平均厚み3μm)を無電解メッキにより形成した。
また第1基板2(平均厚み635μm)の搭載面20及び第2基板3(平均厚み635μm)の搭載面30に鉄の膜状をなす電極層5(平均厚み350μm)をろう付けにより積層した。バリア層6の厚みは電極層5の厚みよりも薄い。
その後、バリア層6と電極層5との間に、接合材料(銀ろう)を介在させた。この状態で、不活性雰囲気の電気炉により接合材料(銀ろう)を約750〜850℃で溶融させて凝固させ、ろう材を基材とする接合層7(平均厚み10μm)を形成した。第1基板2と第2基板3との間の高さH2としては5.5mmとした。
比較例も同様に作製した。比較例は、上記した試験例と基本的には同様に作製した。即ち、熱電体4の搭載面40a、40bに鉄のバリア層6を無電解メッキにより積層すると共に、第1基板2及び第2基板3に銅の電極層5をろう付けにより積層した。その後、バリア層6と電極層5との間に、接合材料(銀ろう)を介在させた。この状態で実施例と同様に接合材料(銀ろう)を溶融凝固させて接合層7を形成した。
実施例1に相当する試験例に係る熱電変換装置1を用い、作動前の電気抵抗を測定した後、高温側の第1基板2の温度を200℃から600℃まで変化させ、約1時間作動させた後、熱電変換装置1の端子間の電気抵抗を測定した。相対的に低温となる第2基板3の温度は約200℃程度とした。測定条件としては室温(約25℃)とした。比較例に係る熱電変換装置1についても同様に測定した。
図4は測定結果を示す。図4の横軸は作動時の第1基板2が配置される高温側の温度を示し、縦軸は作動前後での抵抗変化率(作動後の抵抗/作動前の抵抗−1)×100%)を示す。図4の特性線W1に示すように、実施例1によれば、作動時の第1基板2の温度が上昇したとしても、抵抗変化率の増加は小さい。高温側が600℃であっても、抵抗変化率は1.5%以下と小さかった。
これに対して比較例によれば、図4の特性線W2に示すように、作動時の第1基板2の温度が上昇するにつれて、抵抗変化率はかなり増加する。殊に450℃〜500℃を越えた温度領域において、抵抗変化率はかなり大きく増加する。具体的には比較例によれば、高温側の温度が600℃のとき、抵抗変化率は3.5%であり、実施例1に相当する試験例の抵抗変化率に対して250%であった(3.5/1.4×100%≒250%)。
実施例2は実施例1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏するため、図1及び図2を準用することができる。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明する。バリア層6はタングステンで形成されている。電極層5はモリブデンで形成されている。従って、(電極層5の線膨張係数/バリア層6の線膨張係数)をαとしたとき、α≒1.07の関係とされている。このように電極層5及びバリア層6は、電極層5とバリア層6との間における熱膨張による引張応力の発生を抑える材料の組み合わせで形成されている。このため熱電変換装置1が熱的に厳しい環境で長期にわたり使用されたとしても、電極層5とバリア層6との間におけるワレの生成及び/または成長が抑制される。このため熱電変換装置1の抵抗値の変化が抑制され、信頼性が向上する。
実施例3は実施例1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏するため、図1及び図2を準用することができる。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明する。バリア層6はモリブデンで形成されている。電極層5はタングステンで形成されている。従って、(電極層5の線膨張係数/バリア層6の線膨張係数)をαとしたとき、α≒0.94の関係とされている。このように電極層5及びバリア層6は、電極層5とバリア層6との間における熱膨張による引張応力の発生を抑える材料の組み合わせで形成されている。このため熱電変換装置1が熱的に厳しい環境で長期にわたり使用されたとしても、電極層5とバリア層6との間におけるワレの生成及び/または成長が抑制される。このため抵抗値の変化が抑制され、信頼性が向上する。
図5は実施例4を示す。実施例4は実施例1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。共通する機能を奏する部位には共通の符号を付する。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明する。本実施例によれば、この熱電体4は、バリウム−ガリウム−ゲルマニウム系のクラスレート化合物の粉末を固めた圧粉成形体を焼結して形成されている。バリア層6は鉄の焼結体で形成されている。この場合、熱電体4の圧粉成形体を成形するとき、鉄粉末を熱電体4の圧粉成形体と一体的に圧縮成形し、熱電体4の焼結と同時に鉄粉末を焼結することにより、バリア層6は鉄の焼結体として熱電体4と一体的に形成されている。なお、バリア層6の平均厚みは1mmとされている。電極層5の平均厚みは300〜400μmとされている。熱電体4のチップのサイズとしては、高さ寸法H1が2mm、幅L1が4mm、奥行き寸法が4mmとされている。第1基板2と第2基板3との間の高さH2としては5.5mmとされている。
電極層5はろう付けを用いて鉄で形成されている。従って、(電極層5の線膨張係数/バリア層6の線膨張係数)をαとしたとき、基本的には、α=1またはα≒1の関係とされている。このように電極層5及びバリア層6は、電極層5とバリア層6との間における熱膨張による引張応力の発生を抑える材料の組み合わせで形成されている。このため熱電変換装置1が熱的に厳しい環境で長期にわたり使用されたとしても、電極層5とバリア層6との間におけるワレの生成及び/または成長が抑制される。このため抵抗値の変化が抑制され、信頼性が向上する。
実施例5は実施例1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏するため、図1及び図2を準用することができる。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明する。熱電体4を構成する熱電材料はビスマス−テルル系とされている。この場合、P型半導体はBi0.5Sb1.5Te3.0とされている。N型半導体はBi12Te2.85Se0.15とされている。
上記した熱電材料で形成された熱電体4は、第1基板2と第2基板3との間の温度差に基づくゼーベック効果により熱エネルギを電気エネルギに変換する。この熱電体4の線膨張係数は22.2×10-6/Kである。電極層5は銀で形成されている。バリア層6は銅で形成されている。従って、電極層5の線膨張係数/バリア層6の線膨張係数をαとしたとき、α≒1.20の関係とされている。このように電極層5及びバリア層6は、電極層5とバリア層6との間における熱膨張による引張応力の発生を抑える材料の組み合わせで形成されている。このため係る熱電変換装置1が熱的に厳しい環境で使用されたとしても、電極層5とバリア層6との間にはワレの生成及び/または成長が抑制される。このため抵抗値の変化が抑制され、信頼性が向上する。
図6は実施例6を示す。実施例6は実施例1と基本的には同様の構成であり、同様の作用効果を奏する。共通する機能を奏する部位には共通の符号を付する。以下、実施例1と相違する部分を中心として説明する。図6に示すように、熱電体4、電極層5及びバリア層6の露出部分は、シール材8で覆われてシールされている。電極層5及びバリア層6は、鉄−鉄の組み合わせとされている。
シール材8は無機系(ガラスを含む)の薄膜状をなすコート材で形成されている。第1基板2及び第2基板3は、マスキングを施して必要部分のみシール材8で被覆するようにしている。この場合、熱電体4、電極層5及びバリア層6等を搭載する熱電変換装置1を、無機系のスラリーに所定時間浸漬させた後に乾燥または焼成させて形成されている。上記したように鉄系の電極層5及び鉄系のバリア層6の露出部分はシール材8で覆われてシールされているため、耐食劣化が抑制されている。
(他の例)
上記した実施例によれば、熱電体4は熱エネルギを電気エネルギに変換するが、電気エネルギを熱エネルギに変換する形態に使用することもできる。上記した実施例によれば、高温側の第1基板2側及び低温側の第2基板3側の双方について、電極層5及びバリア層6は、熱膨張による引張応力の発生を抑える材料の組み合わせで形成されているが、これに限らず、高温側の第1基板2側のみとすることもできる。上記した熱電体4、第1基板2、第2基板3等の各要素のサイズは上記した値に限定されるものではない。更に、熱電体4、第1基板2、第2基板3等の材質等は上記したものに限定されるものではない。その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
本発明は熱電材料を母材とする熱電体を搭載する熱電変換装置に利用することができる。
実施例1に係る全体の概念を示す側面図である。 実施例1に係る組み付け後の要部の概念を示す拡大側面図である。 実施例1に係る組み付け前の要部の概念を示す拡大側面図である。 試験例に係り、高温側温度と抵抗変化率との関係を示すグラフである。 実施例4に係る組み付け後の要部の概念を示す拡大側面図である。 実施例6に係る組み付け後の要部の概念を示す拡大側面図である。
符号の説明
図中、1は熱電変換装置、2は第1基板(第1基部)、3は第2基板(第2基部)、4は熱電体、5は電極層、6はバリア層、7は接合層、8はシール材を示す。

Claims (5)

  1. 相対的に高温側に配置される第1基部と、
    前記第1基部よりも相対的に低温側に配置される第2基部と、
    前記第1基部と前記第2基部との間に配置され熱電材料を母材とする熱電体と、
    前記第1基部及び前記第2基部のそれぞれから前記熱電体に向けて順に配置された電極層及びバリア層とを具備する熱電変換装置において、
    前記第1基部側及び前記第2基部側のうち少なくとも前記第1基部側について、
    前記電極層及び前記バリア層は、前記電極層と前記バリア層との間における熱膨張による引張応力の発生を抑える材料の組み合わせで形成されていることを特徴とする熱電変換装置。
  2. 請求項1において、前記熱電材料はバリウム−ガリウム−ゲルマニウム系のクラスレート化合物であることを特徴とする熱電変換装置。
  3. 請求項1または請求項2において、前記電極層の母材−前記バリア層の母材は、鉄系−鉄系、タングステン系−モリブデン系、モリブデン系−タングステン系、モリブデン系−モリブデン系、タングステン系−タングステン系、銅系−銀系、銀系−銅系のいずれかの組み合わせで形成されており、且つ、
    前記熱電材料は、前記第1基部と前記第2基部との間の温度差に基づくゼーベック効果により熱エネルギを電気エネルギに変換する材料であることを特徴とする熱電変換装置。
  4. 請求項1〜請求項3のうちのいずれか一項において、(前記電極層の線膨張係数/前記バリア層の線膨張係数)をαとしたとき、0.80≦α≦1.25の関係に設定されていることを特徴とする熱電変換装置。
  5. 請求項1〜請求項4のうちのいずれか一項において、少なくとも前記電極層及び前記バリア層の露出部分はシール材で覆われていることを特徴とする熱電変換装置。
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