JP2005232036A - 多置換オレフィン及びその選択的製造方法 - Google Patents

多置換オレフィン及びその選択的製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 発光材料等に好適な多置換オレフィンの選択的製造方法の提供。
【解決手段】 アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第二の炭素原子に、Si等の原子を含む有機基が該原子を介して結合してなるアルケン化合物における、前記第一の炭素原子に対し、第一アリール基を含む第一のアリール化合物を反応させて該第一アリール基を結合させ、第二アリール基を含む第二のアリール化合物を反応させて該第二アリール基を結合させた後、前記第二の炭素原子に対し、第三アリール基を含む第三のアリール化合物を反応させて該第三アリール基を結合させる多置換オレフィンの選択的製造方法である。第一の炭素原子に対し第一アリール基及び第二アリール基を結合させる反応が、ミゾロキ−へック反応であり、第二の炭素原子に対し第三アリール基を結合させる反応が、クロスカップリング反応である態様が好ましい。
【選択図】 なし


Description

本発明は、発光材料等をはじめとする各種分野に好適な多置換オレフィン及び効率的なその選択的製造方法、並びに、前記多置換オレフィンを含む発光材料に関する。
オレフィン結合を形成する炭素原子に多数の置換基(好ましくはアリール基)が置換してなる多置換オレフィンは、各種分野において好適に使用可能であり、特に発光材料として有望であることから、その効率的な合成方法の開発が望まれている。従来においては、前記多置換オレフィンの合成は、公知の各種の化学合成法を組み合わせることにより行われてきたが、収率が悪い上に、所望の置換基を所望の位置に導入することができず、所望の構造の多置換オレフィンを合成するのは難しく、それを効率的かつ選択的に合成することができないという問題があった(非特許文献1参照)。
C.Zhou,D.E.Emrich,R.C.Larock,Org.Lett.2003,5,1579
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、発光材料等をはじめとする各種分野に好適な多置換オレフィン及び効率的なその選択的製造方法、並びに、前記多置換オレフィンを含み、各種分野において好適な発光材料を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、原料として特定のアルケニル化合物(例えば、アルケニルシランなど)を用い、所望のアリール基をオレフィン結合を形成する炭素原子に対して所望の箇所に導入させることにより、所望の多置換オレフィンを効率的かつ選択的に合成可能であること、前記アルケニル化合物がアルケニルスルフィドである場合には、所望のアリール基を導入する際の温度条件を制御することにより、所望の多置換オレフィンを効率的にかつ選択的に合成可能であること、等の知見を得た。本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第二の炭素原子に、元素の長周期型周期表における第13族〜第16族から選択される原子を含む有機基が該原子を介して結合してなるアルケン化合物における、
前記第一の炭素原子に対し、第一アリール基を含む第一のアリール化合物を反応させて該第一アリール基を結合させ、第二アリール基を含む第二のアリール化合物を反応させて該第二アリール基を結合させた後、
前記第二の炭素原子に対し、第三アリール基を含む第三のアリール化合物を反応させて該第三アリール基を結合させることを特徴とする多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<2> 原子が、Si原子、Se原子、O原子、Ge原子、Sn原子、Pb原子及びB原子のいずれかである前記<1>に記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<3> 原子が、Si原子である前記<1>に記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<4> 第一の炭素原子に対し、第一アリール基を結合させた後、該第一アリール基を結合させた時よりも高い温度で、第二アリール基を結合させる前記<1>から<3>のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<5> アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第二の炭素原子に、S原子にピリミジン環が結合してなる有機基が該S原子を介して結合してなるアルケン化合物における、
前記第一の炭素原子に対し、第一アリール基を含む第一のアリール化合物を反応させて該第一アリール基を結合させた後、該第一アリール基を結合させた時よりも高い温度で、第二アリール基を含む第二のアリール化合物を反応させて該第二アリール基を結合させた後、
前記第二の炭素原子に対し、第三アリール基を含む第三のアリール化合物を反応させて該第三アリール基を結合させることを特徴とする多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<6> 第一の炭素原子に対し、第一アリール基を結合させた時よりも5〜100℃高い温度で第二アリール基を結合させる前記<4>から<5>のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<7> 第一の炭素原子に対し、第一アリール基を結合させた時よりも20〜40℃高い温度で第二アリール基を結合させる前記<4>から<5>のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<8> 第一の炭素原子に対し、第一アリール基を結合させる反応の温度が、45℃以上75℃未満であり、第二アリール基を結合させる反応の温度が、75℃以上105℃未満である前記<4>から<7>のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<9> 第一の炭素原子に対し、第一アリール基を結合させる反応、及び、第二アリール基を結合させる反応が、ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応である前記<1>から<8>のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<10> 第二の炭素原子に対し、第三アリール基を結合させる反応が、クロスカップリング(Cross−Coupling)反応である前記<1>から<9>のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<11> 第二の炭素原子に結合した有機基を第三アリール基と置換させて該第二の炭素原子に該第三アリール基を結合させる前記<1>から<10>のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<12> アルケン化合物として、第一アリール基を結合させる前に第二の炭素原子に第四アリール基が結合しているものを使用する前記<1>から<11>のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<13> 第二の炭素原子に第三アリール基を結合させた後、該第二の炭素原子に結合した有機基を第五アリール基と置換させて該第二の炭素原子に該第五アリール基を結合させる前記<1>から<12>のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<14> 第二の炭素原子に第五アリール基を結合させる反応が、クロスカップリング(Cross−Coupling)反応である前記<13>に記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<15> ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応が、遷移金属触媒及び塩基の存在下で行われる前記<9>に記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<16> クロスカップリング(Cross−Coupling)反応が、遷移金属触媒の存在下で行われる前記<10>及び<14>のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<17> 遷移金属触媒がパラジウム触媒である前記<15>から<16>のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<18> パラジウム触媒がPd[P(t−ブチル)である前記<17>に記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<19> 第一の炭素原子に第二アリール基を結合させる反応が、該第一の炭素原子に第一アリール基を結合させる反応の際に用いた遷移金属触媒、塩基及び反応容器を用いて行われる前記<15>に記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<20> 第一のアリール化合物、第二のアリール化合物及び第三のアリール化合物が、ハロゲン化アリール化合物から選択される前記<1>から<19>のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<21> 第三のアリール化合物及び第五のアリール化合物が、マグネシウム含有アリール化合物から選択される前記<13>に記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<22> 第一のアリール化合物、第二のアリール化合物、第三のアリール化合物、第四のアリール化合物及び第五のアリール化合物の少なくともいずれかにおけるアリール基が、下記構造式a〜qのいずれかで表されるものから選択される前記<20>から<21>のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<23> 多置換オレフィンが、
アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第一の炭素原子に第一アリール基及び第二アリール基が結合し、前記第二の炭素原子に第三アリール基が結合してなる三置換体、及び、
アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第一の炭素原子に、第一アリール基及び第二アリール基が結合し、前記第二の炭素原子に、第三アリール基と、第四アリール基及び第五アリール基のいずれかとが結合してなる四置換体、の少なくともいずれかである前記<1>から<22>のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法である。
<24> 前記<1>から<23>のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法により製造されることを特徴とする多置換オレフィンである。
<25> アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第一の炭素原子に第一アリール基及び第二アリール基が結合し、前記第二の炭素原子に第三アリール基が結合してなる三置換体、及び、
アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第一の炭素原子に、第一アリール基及び第二アリール基が結合し、前記第二の炭素原子に、第三アリール基と、第四アリール基及び第五アリール基のいずれかとが結合してなる四置換体、の少なくともいずれかである前記<24>に記載の多置換オレフィンである。
<26> 下記構造式(4jab,4cgb,4iib,4mmn,4ggj,4ijp,4icq,4igd及び11cjo)で表される前記<24>から<25>のいずれかに記載の多置換オレフィンである。
ただし、上記各構造式中、Meは、メチル基を表す。
<27> 下記構造式で表されることを特徴とする多置換オレフィンである。
ただし、上記各構造式中、Meは、メチル基を表す。
<28> 下記構造式で表されることを特徴とする多置換オレフィンである。
ただし、該構造式においては、
Ar及びArが共に、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、及び1−ナフチル基のいずれかであるか、
Arがフェニル基で、Arが2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基又は4−メトキシフェニル基であるか、
Arが4−メチルフェニル基で、Arがフェニル基又は4−メトキシフェニル基であるか、
Arが4−メトキシフェニル基で、Arがフェニル基、4−メチルフェニル基又は1−ナフチル基であるか、
Arが3−チエニル基で、Arが4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基又は1−ナフチル基である。
ただし、該構造式中、Phは、フェニル基を表し、p−Anisは、4−メトキシフェニル基を表し、Tol−pは、4−メチルフェニル基を表す。
<29> 発光材料として用いられる前記<24>に記載の多置換オレフィンである。
<30> 前記<24>から<25>のいずれかに記載の多置換オレフィンを少なくとも含有することを特徴とする発光材料である。
<31> 下記構造式で表される多置換オレフィンの少なくとも1つを含有する前記<30>に記載の発光材料である。
ただし、上記各構造式中、Meは、メチル基を表す。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、発光材料等をはじめとする各種分野に好適な多置換オレフィン及び効率的なその選択的製造方法、並びに、前記多置換オレフィンを含み、各種分野において好適な発光材料を提供することができる。
(多置換オレフィン及びその選択的製造方法、並びに、発光材料)
本発明の多置換オレフィンの選択的製造方法は、アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子を含むアルケン化合物における、前記第一の炭素原子に対し、第一アリール基を結合させ(第一アリール基結合工程)、第二アリール基を結合させた後(第二アリール基結合工程)、前記第二の炭素原子に対し、第三アリール基を結合させること(第三アリール基結合工程)を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
本発明の多置換オレフィンは、前記第一アリール基結合工程及び第二アリール基結合工程により、好ましくは本発明の前記多置換オレフィンの選択的製造方法により製造することができる。
本発明の発光材料は、本発明の前記多置換オレフィンを少なくとも含有してなり、さらに必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなる。
以下、本発明の多置換オレフィンの選択的製造方法の説明を通じて本発明の前記多置換オレフィン及び前記発光材料の内容も明らかにする。
−アルケン化合物−
前記アルケン化合物としては、アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、以下に説明する第一のアルケン化合物及び第二のアルケン化合物が特に好適に挙げられる。
−−第一のアルケン化合物−−
前記第一のアルケン化合物は、アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第二の炭素原子に、元素の長周期型周期表における第13族〜第16族から選択される原子を含む有機基が該原子を介して結合してなる構造を有する。
前記原子としては、例えば、Si原子、Se原子、O原子、Ge原子、Sn原子、Pb原子及びB原子のいずれかから選択されるものが好ましく、これらの中でも、Si原子が特に好ましい。前記原子がSi原子である場合の前記第一のアルケン化合物は、アルケニルシランと称されることがある。
−−第二のアルケン化合物−−
前記第二のアルケン化合物は、アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第二の炭素原子に、S原子にピリミジン環が結合してなる有機基が該S原子を介して結合してなる構造を有する。該第二のアルケン化合物は、アルケニルスルフィドと称されることがある。
−第一アリール基結合工程−
前記第一アリール基結合工程は、前記アルケン化合物における前記第一の炭素原子に対し、第一アリール基を含む第一のアリール化合物を反応させて該第一アリール基を結合させる工程である。
前記第一のアリール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ハロゲン化アリールが特に好適に挙げられる。
前記ハロゲン化アリールにおけるハロゲンとしては、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、ヨウ素(I)、臭素(Br)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ヨウ素(I)、臭素(Br)などが特に好ましい。
前記ハロゲン化アリールにおけるアリールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ヘテロ原子を含有していてもよく、また、公知の置換基で置換されていてよい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、下記構造式a〜qのいずれかで表されるものが好ましい。
−−反応−−
前記第一の炭素原子に前記第一のアリール化合物を反応させる際の該反応としては、例えば、ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応が特に好適に挙げられる。
前記ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応は、例えば、(a) Mizoroki, T.; Mori, K.; Ozaki, A. Bull. Chem. Soc. Jpn. 1971, 44, 581. 、(b) Heck, R. F.; Nolley, J. P. J. Org. Chem. 1972, 14, 2320. 、(c) Beletskaya, I. P.; Cheprakov, A. V. Chem. Rev. 2000, 100, 3009. 、(d) Cabri, W.; Candiani, I. Acc. Chem. Res. 1995, 28, 2. 、(e) de Meijere, A.; Meyer, F. E. Angew. Chem., Int. Ed. Engl. 1994, 33, 2379. 、(f) Heck, R. F. In Comprehensive Organic Synthesis; Trost, B. M., Ed.; Pergamon: New York, 1991; Vol. 4, Chapter 4.3.、などの文献に記載されている通りである。
前記ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、遷移金属触媒及び塩基の存在下で行われるのが好ましい。
前記遷移金属触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、パラジウム触媒が好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記パラジウム触媒の中でも、Pd[P(t−ブチル)が特に好ましい。
前記遷移金属触媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、通常20質量%以下であり、10質量%以下が好ましく、3〜7質量%がより好ましい。
前記塩基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミン化合物が好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記アミン化合物の中でも、トリエチルアミンが特に好ましい。
前記塩基の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記遷移金触媒に対して、通常10当量以下であり、0.5〜5当量が好ましく、1.5〜3.5当量がより好ましい。
前記第一アリール基結合工程におけるミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記第一のアルケン化合物を使用する場合には、通常40〜120℃程度であり、50〜100℃が好ましく、45℃以上75℃未満がより好ましく、前記第二のアルケン化合物(アルケニルスルフィド)を使用する場合には、40〜80℃が好ましく、45℃以上75℃未満がより好ましい。
なお、該反応は、公知のものの中から適宜選択した反応容器中で混合乃至攪拌等することにより行うことができ、前記アルケン化合物を有機溶媒に溶解させた状態で好適に行うことができる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの有機溶媒の中でも、ジオキサン、トルエンなどが好ましい。
前記第一アリール基結合工程により、前記アルケン化合物における前記第一の炭素原子に、前記第一アリール基が選択的に結合(導入)される。
−第二アリール基結合工程−
前記第二アリール基結合工程は、前記アルケン化合物における前記第一の炭素原子に対し、第二アリール基を含む第二のアリール化合物を反応させて該第二アリール基を結合させる工程である。
前記第二のアリール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記第一のアリール化合物と同様のものが挙げられ、その中でもハロゲン化アリールが特に好適に挙げられる。
前記ハロゲン化アリールにおけるハロゲン及びアリールは、上述したものが好適に挙げられる。なお、これらのハロゲン及びアリールは、前記第一アリール基結合工程におけるものと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
−−反応−−
前記第一の炭素原子に前記第二のアリール化合物を反応させる際の該反応としては、前記第一アリール基結合工程と同様に、上述したミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応が特に好適に挙げられる。
前記ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応の条件としては、前記第一アリール基結合工程と同様に、上述した遷移金属触媒及び塩基の存在下で行われるのが好ましく、前記第一アリール基結合工程において使用した遷移金属触媒及び塩基とは別の遷移金属触媒及び塩基を使用してもよいし、前記第一アリール基結合工程において使用した遷移金属触媒及び塩基をそのまま該第二アリール基結合工程において好適に使用することができる。更に、該反応を、前記第一アリール基結合工程を行ったのと同じ反応容器中で行うことができる。この場合、反応容器、触媒、有機溶媒等を前記第一アリール基結合工程と該第二アリール基結合工程との間で交換等する手間が不要で効率的であり、この場合をワンポット(ONE−POT)処理と称することがある。
前記第二アリール基結合工程におけるミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記第一のアルケン化合物を使用する場合には、通常40〜120℃程度であり、70〜110℃が好ましく、75℃以上105℃未満がより好ましく、前記第二のアルケン化合物(アルケニルスルフィド)を使用する場合には、70〜110℃が好ましく、75℃以上105℃未満がより好ましい。
また、該温度としては、前記第一のアルケン化合物を使用する場合には、前記第一アリール基結合工程において、前記第一の炭素原子に前記第一アリール基を結合させた時よりも高い温度で前記第二アリール基を結合させるのが好ましく、前記第一の炭素原子に前記第一アリール基を結合させた時よりも5〜100℃高い温度で前記第二アリール基を結合させるのがより好ましく、前記第一の炭素原子に前記第一アリール基を結合させた時よりも20〜40℃高い温度で前記第二アリール基を結合させるのが特に好ましく、前記第二のアルケン化合物を使用する場合には、前記第一アリール基結合工程において、前記第一の炭素原子に前記第一アリール基を結合させた時よりも高い温度で前記第二アリール基を結合させる必要があり、前記第一の炭素原子に前記第一アリール基を結合させた時よりも5〜100℃高い温度で前記第二アリール基を結合させるのが好ましく、前記第一の炭素原子に前記第一アリール基を結合させた時よりも20〜40℃高い温度で前記第二アリール基を結合させるのがより好ましい。
前記第二アリール基結合工程により、前記アルケン化合物における、前記第一アリール基が選択的に結合(導入)された前記第一の炭素原子に、更に、前記第二アリール基が選択的に結合(導入)される。
以上の第一アリール基結合工程及び第二アリール基結合工程により、アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の、該第二の炭素原子に前記第一アリール基及び前記第二アリール基が選択的に結合し、前記第一の炭素原子には前記有機基が結合したままの三置換アルケニル(三置換体)が得られる。
このような三置換アルケニル(三置換体)の中でも、新規化合物であり、前記第三アリール基結合工程にそのまま使用可能なものとしては、例えば、以下に示すアルケニルシラン、アルケニルスルフィド、などが好適に挙げられる。
前記アルケニルシランとしては、例えば、以下に示す構造を有する化合物が好適に挙げられる。
ただし、上記各構造式中、Meは、メチル基を表す。
前記アルケニルスルフィドとしては、例えば、以下に示す構造を有する化合物が好適に挙げられる。
ただし、該構造式においては、
Ar及びArが共に、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、及び1−ナフチル基のいずれかであるか、
Arがフェニル基で、Arが2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基又は4−メトキシフェニル基であるか、
Arが4−メチルフェニル基で、Arがフェニル基又は4−メトキシフェニル基であるか、
Arが4−メトキシフェニル基で、Arがフェニル基、4−メチルフェニル基又は1−ナフチル基であるか、
Arが3−チエニル基で、Arが4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基又は1−ナフチル基である。
ただし、該構造式中、Phは、フェニル基を表し、p−Anisは、4−メトキシフェニル基を表し、Tol−pは、4−メチルフェニル基を表す。
−第三アリール基結合工程−
前記第三アリール基結合工程は、前記アルケン化合物における前記第二の炭素原子に対し、第三アリール基を含む第三のアリール化合物を反応させて該第三アリール基を結合させる工程である。
前記第三のアリール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記第一のアリール化合物と同様のハロゲン化アリールや、マグネシウム含有アリール化合物などが特に好適に挙げられる。
なお、前記マグネシウム含有アリール化合物としては、例えば、Ar−MgXの式で表される化合物などが好適に挙げられる。該式中、Arは、アリールを表し、上述したものが好適に挙げられ、Mgはマグネシウム原子を表し、Xはハロゲンを表し、上述したものが好適に挙げられる。前記アリール及びハロゲンは、前記第一アリール基結合工程におけるものと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
−−反応−−
前記第二の炭素原子に前記第三のアリール化合物を反応させる際の該反応としては、例えば、クロスカップリング(Cross−Coupling)反応が特に好適に挙げられる。
該クロスカップリング(Cross−Coupling)反応によると、前記第一アリール基結合工程及び前記第二アリール基結合工程により、前記アルケン化合物における前記第一の炭素原子に結合(置換)した第一アリール基及び第二アリール基を攻撃することなく、該アルケン化合物における前記第二の炭素原子に結合した前記有機基(シラン誘導基、スルフィド誘導基など)を前記第三アリール基と置換させて該第二の炭素原子に該第三アリール基を結合させることができる。
前記クロスカップリング(Cross−Coupling)反応は、例えば、(a)Yoshida, J.; Tamao, K.; Yamamoto, H.; Kakui, T.; Uchida, T.; Kumada, M.Organometallics 1982, 1, 542.、(b)Hatanaka, Y.; Hiyama, T. J. Org. Chem 1988, 53, 918. 、(c)Tamao, K.; Kobayashi, K.; Ito, Y. Tetrahedron Lett. 1989, 30, 6051.、(d)Hatanaka, Y.; Hiyama, T. Synlett 1991, 845.、(e)Hiyama, T.; Shirakawa, E. Top. Curr. Chem. 2002, 219, 61.、などの文献に記載されている通りである。
前記クロスカップリング(Cross−Coupling)反応の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、遷移金属触媒の存在下で行われるのが好ましい。
前記遷移金属触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、パラジウム触媒が好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記パラジウム触媒の中でも、Pd[P(t−ブチル)が特に好ましい。
前記遷移金属触媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、通常20質量%以下であり、10質量%以下が好ましく、3〜7質量%がより好ましい。
前記第三アリール基結合工程におけるクロスカップリング(Cross−Coupling)反応の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、通常40〜120℃程度であり、50〜100℃が好ましく、45℃以上75℃未満がより好ましい。
なお、該反応は、公知のものの中から適宜選択した反応容器中で混合乃至攪拌等することにより行うことができ、前記第二アリール基結合工程を行った反応液中で好適に行うことができる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの有機溶媒の中でも、トルエン、テトラヒドロフランなどが好ましい。
前記第三アリール基結合工程により、前記アルケン化合物における、前記第一アリール基及び前記第二アリール基が選択的に結合(導入)された前記第一の炭素原子ではなく、前記第二の炭素原子に、前記第三アリール基が、更には後述する第五アリール基までもが選択的に結合(導入)される。
本発明においては、該第三アリール基結合工程により、アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の、該第二の炭素原子に前記第一アリール基及び前記第二アリール基が選択的に結合し、前記第一の炭素原子に前記第三アリール基が選択的に結合した三置換アルケニル(三置換体)、あるいは以下に説明する四置換アルケニル(四置換体)が得られる。
アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の、該第二の炭素原子に前記第一アリール基及び前記第二アリール基が選択的に結合し、前記第一の炭素原子に前記第三アリール基及び第四アリール基が選択的に結合した四置換アルケニル(四置換体)を得るには、以下の2つの方法が好適に挙げられる。
一の方法は、前記アルケン化合物として、前記第二の炭素原子に予め前記第四アリール基が結合している(導入されている)ものを使用する方法である。なお、該第四アリール基としては、上述したアリールが好適に挙げられ、これらは、前記第一アリール基、前記第二アリール基、第三アリール基等と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
他の方法は、前記アルケン化合物における前記第二の炭素原子に前記第三アリール基を結合させた後、該第二の炭素原子に結合した前記有機基を第五アリール基と置換させて該第二の炭素原子に該第五アリール基を結合させる方法である。
なお、この場合、前記第二の炭素原子に前記第三アリール基を結合させる前記クロスカップリング(Cross−Coupling)反応における条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機金属を用いて処理(前処理)を行った後、遷移金属触媒、ハロゲン化金属等の存在下で行われるのが好ましい。
前記有機金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、有機リチウム化合物などが挙げられ、t−BuLiなどが好ましい(t−Buは、ターシャリーブチル基を表す)。なお、前記処理(前処理)の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、−78〜25℃が好適に挙げられる。
前記遷移金属触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、パラジウム触媒が好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記パラジウム触媒の中でも、Pd[P(PPh)が特に好ましい(Phはフェニル基を表す)。
前記遷移金属触媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、通常20質量%以下であり、10質量%以下が好ましく、3〜7質量%がより好ましい。
前記反応の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、通常0〜50℃程度であり、10〜40℃が好ましく、20〜30℃がより好ましい。なお、該反応は、公知のものの中から適宜選択した反応容器中で混合乃至攪拌等することにより行うことができ、前記第二アリール基結合工程を行った反応液中で好適に行うことができる。該反応に用いる有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの有機溶媒の中でも、テトラヒドロフランなどが好ましい。
前記第五アリール基を結合させるには、第五のアリール化合物を使用することができ、該第五のアリール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記第三のアリール化合物と同様のハロゲン化アリールやマグネシウム含有アリール化合物などが特に好適に挙げられる。また、この場合の反応には、前記第三アリール結合工程と同様に、クロスカップリング(Cross−Coupling)反応を好適に使用することができ、その好ましい条件等も前記第三アリール基結合工程と同様である。
本発明の多置換オレフィンの選択的製造方法により、(1)アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第一の炭素原子に第一アリール基及び第二アリール基が結合し、前記第二の炭素原子に第三アリール基が結合してなる多置換オレフィン(三置換体)、(2)アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第一の炭素原子に、第一アリール基及び第二アリール基が結合し、前記第二の炭素原子に、第三アリール基と、第四アリール基及び第五アリール基のいずれかとが結合してなる多置換オレフィン(四置換体)、が選択的に製造される。
これらの多置換オレフィンの中でも新規化合物であるものとしては、例えば、下記構造式(4jab,4cgb,4iib,4mmn,4ggj,4ijp,4icq,4igd及び11cjo)で表される化合物が好適に挙げられる。
ただし、上記各構造式中、Meは、メチル基を表す。
本発明の前記多置換オレフィンの選択的製造方法によれば、前記ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応により、前記第一アリール基及び前記第二アリール基を、アルケニル結合(二重結合)を形成する2つの炭素原子における一方の炭素原子に選択的かつ効率的に結合(導入)させることができ、前記クロスカップリング(Cross−Coupling)反応により、前記第三アリール基を、更には必要に応じて前記第五アリール基を、前記2つの炭素原子における他方の炭素原子に選択的かつ効率的に結合(導入)させることができる。このため、所望の構造を有する多置換オレフィンを選択的かつ効率的に製造することができる。
本発明の前記多置換オレフィンの選択的製造方法により製造された本発明の前記多置換オレフィンは、各種分野において好適に使用可能であるが、発光材料として特に好適に使用することができる。
本発明の発光材料は、本発明の前記多置換オレフィンを少なくとも含有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有してなるが、前記多置換オレフィンとしては、下記構造式で表される化合物の少なくとも1つを含有するのが特に好ましい。
なお、この多置換オレフィン(化合物)は、青色発光を示す。
なお、この多置換オレフィンは、緑色発光を示す。
上記各構造式中、Meは、メチル基を表す。
ここで、本発明の前記多置換オレフィンの選択的製造方法をより具体的に説明する。
以下の反応スキーム(1)から(3)に示す通り、前記遷移金属触媒及び前記塩基の存在下、前記アルケン化合物としてのアルケニルシラン又はアルケニルスルフィドに対し、前記第一のアリール化合物及び前記第二のアリール化合物としての有機ハロゲン化物(ハロゲン化アリール)を反応させると、オレフィン結合を形成する2つの炭素原子の内の、シランやスルフィドが結合した炭素原子ではない炭素原子に2つのアリール基を選択的に結合(導入)させることができ、多置換アルケニルシラン又は多置換アルケニルスルフィドを得ることができる。得られた多置換アルケニルシラン又は多置換アルケニルスルフィドに対し、前記第三のアリール化合物としての有機ハロゲン化物(ハロゲン化アリール)又は有機マグネシウム化合物(Ar−MgX)を前記遷移金属触媒の存在下で反応させると、多置換オレフィンを高収率かつ高立体選択的に得ることができる。
また、以下の反応スキーム(4)に示す通り、得られた多置換アルケニルスルフィドに対してt-BuLiを作用させると、硫黄のα炭素上のプロトンをリチオ化することができ、ここで、前記第三のアリール化合物としての有機ハロゲン化物(ハロゲン化アリール)、前記第五のアリール化合物としての有機マグネシウム化合物(Ar−MgX)を反応させることにより、ビニルスルフィドから多置換オレフィン(四置換体)を選択的に得ることができる。
なお、ここでのアリール基Ar、Ar、Ar、Ar及びArは、上述した構造式a〜qのいずれかで表されるものから選択される。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
前記アルケン化合物であるアルケニルシランとしてビニル(2−ピリミジル)シラン又はビニル(2−ピリジル)シランを用いた多置換オレフィンの選択的製造方法を実施した。
−第一アリール基結合工程及び第二アリール基結合工程−
ビニル(2−ピリミジル)シラン又はビニル(2−ピリジル)シランと、4−メトキシフェニル・ヨウ素とを、下記反応スキームに示す、ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応にてワンポット(ONE−POT)処理で2回反応させた。
上記反応において、前記ビニル(2−ピリミジル)シラン又はビニル(2−ピリジル)シランの添加量は1当量、前記4−メトキシフェニル・ヨウ素の添加量は2当量、トリエチルアミンの添加量は2.5当量、Pd[P(t−Bu) の添加量は5%、及び下記表1に示す溶媒、反応条件とした。以上により、下記に示すアルケニルシランを合成した。なお、上記表1中に収率(%)を示した。
表1に示す通り、前記アルケン化合物としてのビニル(2−ピリジル)シランと、ビニル(2−ピリミジル)シランとを比較した結果、前記アルケン化合物におけるSi原子に結合するヘテロ芳香環としては、2−ピリジル基よりも2−ピリミジル基の方が良い結果が得られた。また、前記パラジウム触媒としては、使用したPd[P(t−Bu)により良好な結果が得られた。
−ビニル(2−ピリミジル)シランの合成−
上記比較実験により、良好な結果が得られたビニル(2−ピリミジル)シランを以下のように合成した。即ち、トリブチル(2−ピリミジル)スタンナン19.0g(51.4mmol)のテトラヒドロフラン(THF)50mL溶液が、アルゴン雰囲気下、−78℃で、n−ブチルリチウム(51.5mmol)のn−ヘキサン溶液に滴下された。この混合物を−78℃で2時間攪拌した。得られた2−ピリミジルリチウム溶液を−78℃でクロロジメチルビニルシラン6.63g(54.9mmol)のテトラヒドロフラン(THF)20mL溶液に加えた。室温で2.5時間攪拌した後、水100mLを混合物に加えた。そして、この混合物をジエチルエーテル3×100mLで抽出し、有機溶媒相をMgSOにて水分を除去させた。減圧下(96〜98℃/22.6mmHg)で有機溶媒を留去して、ビニル(2−ピリミジル)シラン4.06g(48質量%)の無色透明の溶液が得られた。ビニル(2−ピリミジル)シランのH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。0.44(s,6H), 5.86(dd, J = 20.1, 3.6 Hz, 1H), 6.11(dd, J = 14.4, 3.6 Hz, 1H), 6.37 (dd, J = 20.1, 14.4 Hz, 1H), 7.17(t, J = 5.1 Hz, 1H), 8.75(d, J = 5.1 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3)d−3.9, 119.8, 133.8, 136.0, 155.2, 180.0. IR(neat) 1547, 1393, 1248 cm-1. HRMS (EI) m/z calcd for C8H12N2Si: 164.0770, found 164.0773 。
−第一アリール基結合工程及び第二アリール基結合工程−
先に得たビニル(2−ピリミジル)シランと、下記表2中に示すハロゲン化アリール(ArX)とを、下記反応スキームに示す、ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応にてワンポット(ONE−POT)処理で2回反応させた。具体的には、ジメチル(2−ピリミジル)ビニルシラン173.5mg(1.06mmol)、ヨードベンゼン421.6mg(2.07mmol)、トリエチルアミン253.0mg(2.50mmol)、及びPd[P(t−Bu) 25.6mg(50.1mol) の乾燥ジオキサン(3.0mL)溶液を、アルゴン雰囲気下で80℃で8時間攪拌した。反応後、溶液を室温まで冷却し、触媒及び塩をシリカゲルパッド(酢酸エチル)を通して濾過して除去した。例えば、表2に示すアルケニルシラン(表2中の3aa)の粗生成物の収率をH NMRにより>99%と評価した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(CHCl)では、アルケニルシラン(表2中の3aa)330.6mgの収率は99%であった。なお、表2に示す他のアルケニルシランについてもアルケニルシラン(表2中の3aa)と同様に処理した。
上記反応において、前記ビニル(2−ピリミジル)シランの添加量は0.50mmol、前記ハロゲン化アリール(ArX)の添加量は1.25mmol、トリメチルアミンの添加量は1.25mmol(2.5当量)、Pd[P(t−Bu) の添加量は25μmol(5%)、及びジオキサンの添加量は2mLである。反応条件は、80℃、3〜12時間とした。反応は、Pd(dba) 2.5mol%及びPd[P(t−Bu) の代わりにトリス(2,4−ジ−ターシャリー−ブチルフェニル)ホスファイト5molの存在下で行われた。以上により、表2中に示した新規なアルケニルシランを合成した。なお、表2中の収率(%)は、NMR分析による(% in parentheses refer to isolated yields)。
アルケニルシラン(表2中の3aa)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。0.21(s,6H),6.59 (s, 1H), 7.12−7.16 (m, 3H), 7.23−7.34 (m, 8H), 8.72 (d, J = 5.1 Hz, 2H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d −2.2, 119.4, 125.6, 127.40, 127.44, 127.81, 127.83, 127.9, 129.5, 142.2, 142.8, 154.9, 159.0, 180.8. IR (neat) 1736, 1559, 1393 cm-1. HRMS (EI) m/z calcd for C20H20N2Si: 316.1396, found 316.1398。
アルケニルシラン(表2中の3bb)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。0.25 (s, 6H), 2.58 (s, 3H), 2.62 (s, 3H), 6.77 (s, 1H), 7.16 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.35 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.85 (d, J = 8.1 Hz, 4H), 8.70 (d, J = 5.1 Hz, 2H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d −2.3, 26.6 (two carbons), 119.6, 127.4, 128.0, 128.1, 129.7, 129.8, 136.24, 136.22, 146.36, 146.40, 155.0, 156.6, 179.8, 197.47, 197.48. IR (neat) 1682, 1603 cm-1. HRMS (EI) m/z calcd for C24H24N2O2Si: 400.1607, found 400.1605。
アルケニルシラン(表2中の3cc)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。0.22 (s, 6H), 3.79 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 6.40 (s, 1H), 6.75−6.80 (m, 4H), 7.06 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.14 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 8.71 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d −2.1, 54.98, 55.05, 113.00, 113.05, 119.3, 122.6, 128.7, 130.6, 134.8, 135.7, 154.8, 158.2, 158.9, 159.3, 181.0. IR (neat) 1547, 1248 cm-1. HRMS (EI) m/z calcd for C22H24N2O2Si: 376.1607, found 376.1606。
アルケニルシラン(表2中の3dd)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。0.24 (s, 6H), 3.71 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 6.56 (s, 1H), 6.67 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.79 (dt, J = 8.4, 2.4 Hz, 2H), 6.88 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 6.91 (dm, J = 7.4 Hz, 1H), 7.11−7.20 (m, 3H), 8.70 (d, J = 6.0 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) d −2.0, 55.0, 55.2, 113.0, 113.1, 113.3, 114.6, 119.3, 119.9, 121.9, 125.5, 128.66, 128.68, 143.2, 143.9, 154.7, 158.4, 158.8, 159.0, 180.4. IR (neat) 1738, 1559, 1547 cm-1. HRMS (EI) m/z calcd for C22H24N2O2Si: 376.1607, found 376.1605。
アルケニルシラン(表2中の3ee)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。0.23 (s, 6H), 2.93 (s, 6H), 2.95 (s, 6H), 6.27 (s, 1H), 6.58 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.60 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 7.02 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.11 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 8.71 (d, J = 4.8 Hz, 2H)。
アルケニルシラン(表2中の3ff)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。0.26 (s, 6H), 6.78 (s, 1H), 7.18 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.34 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.55 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 7.57 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 8.69 (d, J = 4.8 Hz, 2H)。
アルケニルシラン(表2中の3gg)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。0.19 (s, 6H), 6.69 (s, 1H), 6.92 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.1−7.24 (m, 3H), 7.30−7.35 (m, 1H), 7.39−7.62 (m, 4H), 7.68−7.74 (m, 3H), 7.82 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.87 (dd, J = 8.1, 1.8 Hz, 1H), 8.49 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 8.83 (d, J = 8.1 Hz, 1H)。アルケニルシラン(表2中の3gg)のH NMR(125MHz, CDCl)の分析データを示す。2.4, 119.0, 124.7, 124.9, 125.47, 125.52, 125.6, 125.8, 126.0, 126.2, 126.3, 127.7, 127.8, 127.9, 128.0, 128.5, 130.8, 131.8, 133.5, 134.4, 134.9, 141.1, 142.2, 154.4, 155.5, 180.0. IR (KBr) 1391, 1246 cm-1. HRMS (EI) m/z calcd for C28H24N2Si: 416.1709, found 416.1709。
アルケニルシラン(表2中の3hh)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。0.28 (s, 6H), 6.61 (s, 1H), 6.85−6.95 (m, 4H), 7.17 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 7.20−7.30 (m, 2H), 8.73 (d, J = 6.4 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d −2.5, 119.5, 125.8, 126.1, 126.3, 126.6, 127.2, 127.3, 128.0, 141.9, 144.3, 147.9, 155.0, 180.3. IR (neat) 1559, 1547, 1393 cm-1. HRMS (EI) m/z calcd for C16H16N2SiS2: 328.0524, found 328.0522。
アルケニルシラン(表2中の3ii)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。0.25 (s, 6H), 6.50 (s, 1H), 6.85−6.93 (m, 2H), 7.15−7.25 (m, 4H), 7.31 (dd, J = 5.1, 1.2 Hz, 1H), 8.73 (d, J = 5.1 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d −2.4, 119.4, 123.7, 124.0, 124.5, 124.9, 125.3, 126.0, 128.8, 142.4, 144.7, 148.1, 154.9, 180.7. IR (neat) 1547, 1393 cm-1. HRMS (EI) m/z calcd for C16H16N2SiS2: 328.0524, found 328.0519。
−第一アリール基結合工程及び第二アリール基結合工程−
次に、ビニル(2−ピリミジル)シランと、下記表3中に示す、2種の異なるハロゲン化アリール(なお、表3中の番号は表2中に示す化合物に対応する)とを、下記反応スキームに示す、ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応にてワンポット(ONE−POT)処理で2回反応させた。そして、表3に示す新規なアルケニルシランを合成した。具体的には、ジメチル(2−ピリミジル)ビニルシラン(1b; 171.4mg、1.04mmol)、4−ヨードアセトフェノン(2b; 246.4mg, 1.00mmol)、トリエチルアミン(253.0mg, 2.50mmol)及びPd[P(t−Bu) (25.6mg, 50.1mol)の乾燥ジオキサン(2.0mL)をアルゴン雰囲気下で80℃で5時間攪拌した。この混合物が2−ヨードアニソール(2c; 286.1mg, 1.22mmol)に添加され、更に反応物が80℃で19時間反応させられた。室温まで冷却後、触媒及び塩が、ショート・シリカゲルパッド(酢酸エチル)により濾過されて除去された。アルケニルシラン(3bc)の収率は、粗生成物のH NMRにより測定し、>99%(3bc/3cb = 98/2)であった。アルケニルシラン(3bc)の収率は、318.5mg(79%)であった。なお、表3中の収率(%)は、NMR分析による(% in parentheses refer to isolated yields)。
a NMR yields. b Isolated yield was 79%. c Isolated yield was 84%. d Isolated yield was 80%.
アルケニルシラン(表3中の3bc)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。0.20 (s, 6H), 2.59 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 6.51 (s, 1H), 6.77 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 7.11 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.81 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 8.66 (d, J = 5.4 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d −2.1, 26.5, 55.2, 113.3, 119.4, 124.2, 127.9, 128.6, 129.8, 134.7, 136.0, 147.5, 154.9, 157.2, 159.6, 180.4, 197.6. IR (neat) 1682, 1252 cm-1. HRMS (EI) m/z calcd for C23H24N2O2Si: 388.1607, found 388.1604。
アルケニルシラン(表3中の3cb)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。0.26 (s, 6H), 2.57 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 6.63 (s, 1H), 6.78 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.05 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.16 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.85 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.72 (d, J = 5.1 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d −2.2, 26.6, 55.2, 113.3, 119.3, 127.7, 128.0, 128.3, 130.7, 133.9, 136.1, 147.7, 155.0, 157.7, 159.2, 180.5, 197.7. IR (neat) 1682, 1246 cm-1. HRMS (EI) m/z calcd for C23H24N2O2Si: 388.1607, found 388.1606。
アルケニルシラン(表3中の3ja)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。0.24 (s, 6H), 2.35 (s, 3H), 6.54 (s, 1H), 7.00−7.05 (m, 4H), 7.14 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.21−7.29 (m, 3H), 7.30−7.35 (m, 2H), 8.75 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d −1.9, 21.3, 119.1, 125.2, 127.3, 127.5, 127.7, 128.3, 129.3, 136.8, 139.1, 142.8, 154.6, 158.9, 180.6. IR (neat) 3023, 1393 cm-1. HRMS (EI) m/z calcd for C21H22N2Si: 330.1552, found 330.1551。
−第三アリール基結合工程−
表3に示すアルケニルシランと、表4に示すハロゲン化アリールとを、下記反応スキームに示す、クロスカップリング(Cross−Coupling)反応させた。そして、表4に示す新規なアルケニル三置換体を選択的に合成した。上記反応において、前記ハロゲン化アリール(ArX)の添加量は1.0当量、前記アルケニルシランの添加量は1.5当量、テトラブチルフッ化アンモニウム(BuNF)の添加量は1.5当量、PdCl(PhCN)及びテトラヒドロフラン(THF)を用い、反応温度は60℃とした。以上により、表4中に示した5種のアルケニル三置換体(4aak,4cca,4jab,4cbg,4iib)を合成した。具体的には、アルケニルシラン(表4中の3aaで表される化合物)47.0mg(0.15mmol)、ハロゲン化アリール(表4中で2kで表される化合物)27.5mg(0.10mmol)及びPdCl(PhCN) 2.0mg(5.2mol)の、乾燥させたテトラヒドロフラン溶液(THF)0.5mLが、BuNF0.15mmol(1.0Mのテトラヒドロフラン(THF)溶液に室温で加えられた。この混合物が、アルゴン雰囲気下、60℃で3時間攪拌された。混合物が室温まで冷却され、触媒及び塩がショートシリカゲル(酢酸エチル)を通して濾過されて除去された。粗生成物のゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、白色結晶としてのアルケニル三置換体(表4中で4aakで表される化合物)31.5mg(収率96%)が得られた。同様にして他のアルケニル三置換体も得た。
a Reaction conditions: 2 (1.0 equiv), 3 (1.5 equiv), Bu4NF (1.5 equiv), PdCl2(PhCN)2 (5 mol%), THF, 60 °C.
アルケニル三置換体(表4中の4aak)のH NMR(400MHz, CDCl)の分析データを示す。1.37 (t, J = 7.2 Hz, 3H), 4.33 (q, J = 7.2 Hz, 2H), 6.99 (s, 1H), 7.07 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.17−7.19 (m, 2H), 7.31−7.34 (m, 8H), 7.80 (d, J = 8.4 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) d 14.5, 60.8, 127.0, 127.59, 127.62, 127.8, 128.1, 128.2, 128.6, 129.1, 129.2, 130.1, 139.7, 141.8, 142.8, 144.8, 166.1. IR (neat) 1715, 1605, 1275 cm-1. HRMS (EI) m/z calcd for C23H20O2: 328.1463, found 328.1463。
アルケニル三置換体(表4中の4cca)のH NMR(400MHz, CDCl)の分析データを示す。3.84 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 6.85 (s, 1H), 6.86 (d, J = 9.2 Hz, 2H), 6.87 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.05−7.17 (m, 7H), 7.27 (d, J = 8.8 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d 55.2, 55.3, 113.5, 114.0, 126.2, 126.3, 127.9, 128.9, 129.4, 131.6, 132.7, 136.4, 137.9, 141.8, 158.9, 159.2. IR (neat) 1605, 1509, 1246 cm-1. HRMS (EI) m/z calcd for C22H20O2: 316.1463, found 316.1463。
アルケニル三置換体(表4中の4jab)のH NMR(400MHz, CDCl)の分析データを示す。2.41 (s, 3H), 2.55 (s, 3H), 6.95 (s, 1H), 7.07 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.12 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.15 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.30−7.36 (m, 5H), 7.73 (d, J = 8.4 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) d 21.5, 26.6, 126.6, 127.7, 127.8, 127.9, 128.1, 129.3, 129.4, 130.0, 134.8, 136.6, 137.5, 142.4, 143.0, 145.1, 197.2. IR (neat) 1682, 1599, 1267 cm-1. HRMS (EI) m/z calcd for C23H20O: 312.1514, found 312.1515。
アルケニル三置換体(表4中の4cbg)のH NMR(500MHz, CDCl)の分析データを示す。2.55 (s, 3H), 3.87 (s, 3H), 6.93 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.01 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.17 (t, J = 8.0 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.33 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.46 (s, 1H), 7.47-7.51 (m, 2H), 7.67 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.80−7.85 (m, 1H), 8.12−8.16 (m, 1H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 26.5, 55.3, 113.7, 124.5, 125.3, 125.8, 126.06, 126.08, 127.3, 127.7, 128.1, 128.5, 129.3, 130.9, 132.4, 133.4, 134.8, 135.1, 135.6, 143.3, 145.7, 159.5, 197.7. IR (KBr) 1603, 1508 cm-1. HRMS (EI) m/z calcd for C27H22O2: 378.1620, found 378.1616。
アルケニル三置換体(表4中の4iib)のH NMR(400MHz, CDCl)の分析データを示す。2.55 (s, 3H), 6.93 (dd, J = 4.8, 1.2 Hz, 1H), 7.03 (s, 1H), 7.07 (dd, J = 2.8, 1.2 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.13 (dd, J = 2.8, 1.6 Hz, 1H), 7.30 (dd, J = 5.2, 1.6 Hz, 1H), 7.33 (dd, J = 4.8, 2.8 Hz, 1H), 7.35 (dd, J = 5.2, 2.8 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 8.8 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) d 26.6, 123.7, 124.5, 125.7, 125.77, 125.85, 126.0, 127.9, 128.8, 129.0, 134.2, 134.8, 139.3, 141.9, 144.0, 197.2. IR (neat) 1678, 1597 cm-1. HRMS (EI) m/z calcd for C18H14OS2: 310.0486, found 310.0483。
(実施例2)
まず、以下の実験を行った。即ち、前記アルケン化合物であるアルケニルスルフィドとして、表5に示す構造の化合物を用い、下記表5に示す反応スキーム(実施例1におけるのと同様)に従って多置換オレフィンの選択的製造方法を実施した。なお、ハロゲン化アリールの種類及び当量、トリエチルアミンの当量、反応温度、反応時間、反応収率、などは表5に示した通りである。
表5に示す結果から、前記アルケニルスルフィドのS原子に結合するアリール基がピリミジル基(表5中の5d)である場合が、他の基(表5中の5a〜5c)の場合(比較実験)よりも、前記第一アリール基結合工程及び前記第二アリール基結合工程後のアルケニルスルフィド(第一アリール基及び第二アリール基が導入された)の収率に優れることが判った。
次に、S原子に結合するアリール基がピリミジル基(表5中の5d)であるアルケニルスルフィドに対し、前記第一アリール基結合工程を60℃にて、前記第二アリール基結合工程を90℃にて、この順にワンポット(ONE−POT)処理で行った。反応スキームは、下記に示す通りであり、反応条件、用いた前記第一のアリール化合物、前記第二のアリール化合物、反応収率等は、表6に示した通りである。2−ピリミジルビニルスルフィド(表6中に5dで表される化合物)41.4mg(0.30mmol)、2−ヨードトルエン(表6中に2lで表される化合物)131.1mg(0.60mmol)、トリエチルアミン119mg(0.92mmol)及びPd[P(t−Bu) 7.6mg(14.9mol)の乾燥トルエン(1.5mL)溶液を、アルゴン雰囲気下、80℃で14時間攪拌した。混合物を室温まで冷却した後、触媒及び塩をショートシリカゲル(酢酸エチル)を用いて濾過して除去した。濾過物が留去され、生成物がシリカゲル上でクロマトグラフィーにて分析され(ヘキサン/酢酸エチル=10/1〜5/1)、第一のアリール基及び第二のアリール基が導入されたアルケニルスルフィド(表6中に7llで表される化合物、pale yellow solid)85.4mg(収率90%)が合成されたことを確認した。表6中における「7」の欄に示す、他の新規なアルケニルスルフィドも同様に合成した。以上の第一アリール基結合工程及び第二アリール基結合工程により、新規なアルケニルスルフィド(表6中の「7」の欄に示す化合物)が得られた。
アルケニルスルフィド(表6中の7aa)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。7.01 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.22−7.50 (m, 10H), 7.79 (s, 1H), 8.56 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d 117.1, 119.1, 127.3, 127.4, 127.9, 128.2, 128.4, 129.6, 139.3, 140.8, 141.2, 157.4, 170.3. HRMS (EI) m/z calcd for C18H14N2S: 290.0878, found 290.0881。
アルケニルスルフィド(表6中の7ll)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.16 (s, 3H), 2.35 (s, 3H), 7.00 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.10−7.35 (m, 8H), 7.53 (s, 1H), 8.53 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 20.0, 21.2, 117.0, 122.8, 125.64, 125.65, 127.1, 127.9, 129.7, 130.1, 130.6, 130.9, 135.7, 136.1, 139.4, 140.4, 140.9, 157.4, 170.6. HRMS (EI) m/z calcd for C20H18N2S: 318.1191, found 318.1190。
アルケニルスルフィド(表6中の7mm)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.34 (s, 3H), 2.37 (s, 3H), 7.02 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.07−7.35 (m, 8H), 7.73 (s, 1H), 8.57 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 21.46, 21.47, 117.0, 118.7, 124.6, 126.7, 127.9, 128.1, 128.2, 128.3, 128.6, 130.2, 137.8, 138.0, 139.3, 141.2, 141.4, 157.4, 170.6. HRMS (EI) m/z calcd for C20H18N2S: 318.1191, found 318.1191。
アルケニルスルフィド(表6中の7jj)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.35 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 7.00 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.18−7.30 (m, 6H), 7.67 (s, 1H), 8.55 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d 21.1, 21.2, 116.9, 117.6, 127.2, 128.9, 129.0, 129.5, 136.4, 137.1, 137.5, 138.7, 140.8, 157.3, 170.5. HRMS (EI) m/z calcd for C20H18N2S: 318.1191, found 318.1191。
アルケニルスルフィド(表6中の7cc)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。3.82 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 6.85 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.94 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.01 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.25-7.32 (m, 4H), 7.55 (s, 1H), 8.56 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d 55.1, 55.2, 113.5, 113.6, 116.2, 116.9, 128.5, 130.9, 131.7, 134.3, 140.4, 157.3, 159.0, 159.1, 170.7. HRMS (EI) m/z calcd for C20H18N2O2S: 350.1089, found 350.1089。
アルケニルスルフィド(表6中の7gg)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。6.99 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.30−7.60 (m, 8H), 7.75−7.80 (m, 1H), 7.82−7.90 (m, 3H), 7.93 (s, 1H), 8.03 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.52 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 8.63−8.70 (m, 1H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d 117.0, 125.1, 125.3, 125.6, 125.7, 125.80, 125.83 (two carbons), 126.36, 126.41, 126.6, 127.7, 127.8, 128.50 (two carbons), 128.55, 130.7, 131.3, 134.0, 134.3, 137.6, 138.1, 140.0, 157.3, 170.4. HRMS (EI) m/z calcd for C26H18N2S: 390.1191, found 390.1191。
アルケニルスルフィド(表6中の7al)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.09 (s, 3H), 7.02 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.15−7.40 (m, 9H), 7.43 (s, 1H), 8.55 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 20.5, 117.1, 120.1, 125.7, 127.5, 127.6, 128.2, 128.8, 130.32, 130.34, 136.4, 139.4, 140.8, 142.4, 157.4, 170.2. HRMS (EI) m/z calcd for C19H16N2S: 304.1034, found 304.1034。
アルケニルスルフィド(表6中の7aj)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.41 (s, 3H), 7.02 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.22−7.40 (m, 9H), 7.74 (s, 1H), 8.57 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 21.1, 117.0, 118.1, 127.2, 127.9, 128.4, 129.0, 129.6, 137.3, 138.5, 139.5, 140.9, 157.4, 170.6. HRMS (EI) m/z calcd for C19H16N2S: 304.1034, found 304.1034。
アルケニルスルフィド(表6中の7ac)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。3.81 (s, 3H), 6.85 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.01 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.30−7.43 (m, 5H), 7.64 (s, 1H), 8.56 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 55.3, 113.6, 116.96, 117.02, 127.9, 128.4, 128.6, 129.7, 134.1, 139.5, 140.8, 157.4, 159.2, 170.8. HRMS (EI) m/z calcd for C19H16N2OS: 320.0983, found 320.0984。
アルケニルスルフィド(表6中の7ja)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.41 (s, 3H), 7.02 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.22−7.40 (m, 9H), 7.74 (s, 1H), 8.57 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 21.3, 117.1, 118.7, 127.3, 127.4, 128.2, 129.1, 129.5, 136.3, 137.7, 140.9, 141.5, 157.4, 170.5. HRMS (EI) m/z calcd for C19H16N2S: 304.1034, found 304.1034。

7jc: Stereochemistry was determined to be 97% E. 1H NMR (300 MHz, CDCl3) d 2.40 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 6.85 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.00 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.20−7.30 (m, 6H), 7.59 (s, 1H), 8.55 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d 21.3, 55.2, 113.5, 116.5, 116.9, 128.5, 129.1, 129.5, 134.2, 136.5, 137.6, 140.7, 157.3, 159.1, 170.7. HRMS (EI) m/z calcd for C20H18N2OS: 334.1140, found 334.1142.
アルケニルスルフィド(表6中の7ca)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。3.86 (s, 3H), 6.95 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.02 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.20−7.40 (m, 7H), 7.70 (s, 1H), 8.57 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 55.1, 113.7, 117.0, 118.4, 127.26, 127.29, 128.1, 130.8, 131.5, 140.4, 141.5, 157.3, 159.0, 170.3. HRMS (EI) m/z calcd for C19H16N2OS: 320.0983, found 320.0983。
アルケニルスルフィド(表6中の7cj)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.35 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 6.94 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.01 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.25 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.64 (s, 1H), 8.56 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d 21.1, 55.2, 113.7, 116.9, 117.4, 127.3, 128.9, 130.9, 131.7, 137.2, 138.8, 140.6, 157.3, 159.1, 170.6. HRMS (EI) m/z calcd for C20H18N2OS: 334.1140, found 334.1140。
アルケニルスルフィド(表6中の7cg)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。3.80 (s, 3H), 6.86 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.01 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.33−7.47 (m, 4H), 7.49−7.53 (m, 3H), 7.83−7.86 (m, 2H), 7.94 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.54 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d 55.2, 113.6, 117.1, 119.8, 125.3, 125.6, 125.9, 126.3, 127.7, 128.0, 128.1, 130.1, 131.9, 132.5, 133.8, 139.1, 140.7, 157.4, 158.9, 170.3. HRMS (EI) m/z calcd for C23H18N2OS2: 370.1140, found 370.1141。
アルケニルスルフィド(表6中の7ij)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.36 (s, 3H), 7.03 (t, J = 4.5 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.35 (dd, J = 4.8, 3.0 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.64 (s, 1H), 8.57 (d, J = 4.5 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d 21.0, 117.0, 118.3, 125.1, 125.4, 127.2, 128.6, 128.8, 135.4, 137.2, 138.5, 139.5, 157.3, 170.1. HRMS (EI) m/z calcd for C17H14N2S2: 310.0598, found 310.0600。
アルケニルスルフィド(表6中の7ic)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。3.83 (s, 3H), 6.87 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.03 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.09 (dd, J = 4.8, 1.5 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.37 (dd, J = 4.8, 3.3 Hz, 1H), 7.40 (dd, J = 3.3, 1.5 Hz, 1H), 7.56 (s, 1H), 8.57 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d 55.2, 113.5, 117.0, 117.3, 125.2, 125.5, 128.6, 128.7, 134.1, 135.4, 139.6, 157.4, 159.1, 170.4. HRMS (EI) m/z calcd for C17H14N2OS2: 326.0548, found 326.0543。
アルケニルスルフィド(表6中の7ig)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。7.03 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.14 (dd, J = 5.4, 1.5 Hz, 1H), 7.26 (dd, J = 5.4, 3.0 Hz, 1H), 7.30−7.60 (m, 6H), 7.84−7.90 (m, 3H), 8.55 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 117.3, 120.0, 125.0, 125.1, 125.4, 125.7, 126.0, 126.2, 127.2, 128.10, 128.11, 128.2, 132.0, 133.7, 133.9, 140.5, 140.7, 157.5, 169.8. HRMS (EI) m/z calcd for C20H14N2S2: 346.0598, found 346.0601。
ここで、S原子に結合するアリール基がピリミジル基であるアルケニルスルフィドに対し、前記第一アリール基結合工程を60℃にて、前記第二アリール基結合工程を90℃にて、この順にワンポット(ONE−POT)処理で行った場合(実施例)と、前記第一アリール基結合工程及び前記第二アリール基結合工程が共に80℃にて行った場合(比較例)とを比較した。反応スキームは、下記に示す通りであり、反応条件、用いた前記第一のアリール化合物、前記第二のアリール化合物、反応収率等は、表7に示した通りである。表7に示す通り、前記第一アリール基結合工程を60℃にて、前記第二アリール基結合工程を90℃にて、この順にワンポット(ONE−POT)処理で行った場合(実施例)には、前記第一アリール基結合工程及び前記第二アリール基結合工程が共に80℃にて行った場合(比較例)に比べて、収率が高くなった(30%向上した)。
表7に示す、アルケニルシランと臭化アリール・マグネシウム化合物(第3のアリール化合物)とを、下記反応スキームに示す、クロスカップリング(Cross−Coupling)反応させた。そして、表8に示す新規なアルケニル三置換体を選択的に合成した。上記反応において、前記臭化アリール・マグネシウム化合物(ArMgBr)の添加量は3.0当量、Pd[P(t−Bu)5%及びトルエンを用い、反応温度は60℃、15時間反応させた。以上により、表7中に示した12種のアルケニル三置換体(4mmm,4cco,4ggj,4ijp,4ijp,4icq,4igd,4ajc,4acj,4jac,4jca,4caj,4cja)を合成した。
次に、ここで、クロスカップリング(Cross−Coupling)反応における温度と触媒当量との関係を検討した。結果は、表8に示す通りである。
次に、下記反応スキームにてアルケニル三置換体を合成した。なお、ここでは、同一の触媒を用いて前記第一アリール基結合工程〜前記第三アリール基結合工程までを行った。具体的には、p−トルイルマグネシウムブロマイド(8j; 1.50 mmol, 1.5 M, 1.0 mL)のトルエン溶液が、アルゴン雰囲気下、アルケニルスルフィド(7ac;160.2 mg, 0.50 mmol)、Pd[P(t-Bu)3]2 (12.8 mg, 0.025 mmol)及び乾燥トルエン(1.0 mL)に室温で加えられた。混合物が60℃で15時間攪拌された。室温まで冷却後、水(ca. 5 mL) が加えられた。シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=50/1)にて、白色結晶のアルケニル三置換体(4acj、105.2 mg, 89%)を得た。
同様に、下記反応スキームにてアルケニル四置換体を合成した。なお、ここでは、同一の触媒を用いて前記第一アリール基結合工程〜前記第三アリール基結合工程までを行った。
アルケニルスルフィド(10cjで表される化合物)のH NMR(400MHz, CDCl)の分析データを示す。2.32 (s, 3H), 3.71 (s, 3H), 6.59 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 6.82 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 6.90 (d, J = 8.8 Hz, 2H), 7.00−7.07 (m, 5H), 7.23−7.25 (m, 2H), 7.44 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.36 (d, J = 4.8 Hz, 2H). 13C NMR (100 MHz, CDCl3) d 21.4, 55.1, 112.9, 116.5, 126.4, 127.2, 127.9, 128.5, 129.3, 130.9, 132.1, 132.2, 134.6, 137.1, 141.0, 149.7, 156.9, 158.3, 172.2. HRMS (EI) m/z calcd for C26H22N2OS: 410.1453, found 410.1457。
以上により、下記のアルケニル三置換体を合成した。
アルケニル三置換体(4mmnで表される化合物)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.30 (s, 3H), 2.36 (s, 3H), 7.00−7.25 (m, 10H), 7.35−7.42 (m, 2H), 7.52 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.56−7.74 (m, 3H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 21.4, 21.5, 124.9, 125.7, 125.8, 127.0, 127.1, 127.4, 127.6, 127.92, 127.94, 128.1, 128.21, 128.26, 128.31, 128.5, 129.1, 130.9, 132.2, 133.3, 135.2, 137.7, 138.2, 140.3, 143.1, 143.5. HRMS (EI) m/z calcd for C26H22: 334.1721, found 334.1721。
アルケニル三置換体(4ccoで表される化合物)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。3.82 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 6.78-6.87 (m, 7H), 6.97−7.02 (m, 2H), 7.08−7.11 (m, 2H), 7.23−7.26 (m, 2H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 55.2, 55.3, 113.5, 114.0, 114.8 (d, JC-F = 21.1 Hz), 124.9, 128.8, 130.9 (d, JC-F = 7.5 Hz), 131.5, 132.4, 133.9 (d, JC-F = 3.6 Hz), 136.2, 141.5, 158.9, 159.2, 161.1 (d, JC-F = 246.4 Hz). HRMS (EI) m/z calcd for C22H19FO2: 334.1369, found 334.1368。
アルケニル三置換体(4ggjで表される化合物)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.20 (s, 3H), 6.83 (s, 3H), 7.08 (s, 1H), 7.24−7.33 (m, 3H), 7.36−7.52 (m, 6H), 7.72−7.75 (m, 1H), 7.81−8.01 (m, 3H), 8.02 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.60−8.70 (m, 1H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 21.1, 125.1, 125.6, 125.77, 125.80, 125.9, 126.0, 126.1, 126.2, 126.3, 127.5, 127.8, 127.9, 128.3, 128.6, 128.7, 129.0, 131.4, 131.5, 134.1, 134.4, 134.85, 134.87, 136.8, 137.3, 139.5, 142.1. UV/Vis (CHCl3): labs (e) = 238.0 (4.8 ´ 104), 306.5 (2.6 ´ 104) nm. FL (CHCl3): lem = 395.5 nm. HRMS (EI) m/z calcd for C29H22: 370.1721, found 370.1724。
アルケニル三置換体(4ijpで表される化合物)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.43 (s, 3H), 6.75 (dd, J = 4.8, 1.2 Hz, 1H), 6.97 (dd, J = 3.0, 1.2 Hz, 1H), 7.03 (dd, J = 4.8, 3.0 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.30 (s, 1H), 7.40−7.70 (m, 8H), 8.19 (dd, J = 8.1, 1.2 Hz, 1H), 8.66 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.73 (d, J = 8.1 Hz, 1H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 21.2, 122.4, 122.9, 124.5, 125.3, 125.5, 125.9, 126.37, 126.45, 126.52, 126.57, 127.7, 128.0, 128.6, 129.5, 129.7, 130.3, 131.4, 131.6, 134.1, 134.1, 137.7, 139.5, 140.35, 140.39. HRMS (EI) m/z calcd for C27H20S: 376.1286, found 376.1287。
アルケニル三置換体(4icqで表される化合物)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。3.82 (s, 3H), 5.90 (s, 2H), 6.45 (s, 1H), 6.66 (s, 2H), 6.77−6.90 (m, 4H), 7.06−7.07 (m, 1H), 7.25−7.28 (m, 2H), 7.31−7.34 (m, 1H). 13C NMR (75 MHz, CDCl3) d 55.3, 100.8, 107.9, 108.7, 113.5, 123.7, 124.6, 125.6, 126.8, 128.4, 129.4, 131.9, 135.3, 135.7, 140.5, 146.2, 147.2, 159.2. HRMS (EI) m/z calcd for C20H16O3S: 336.0820, found 336.0820。
アルケニル三置換体(4igdで表される化合物)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。3.70 (s, 3H), 6.73 (s, 1H), 6.80 (dm, J = 8.4 Hz, 1H), 6.85 (s, 1H), 6.89−6.95 (m, 2H), 7.15−7.24 (m, 2H), 7.30−7.50 (m, 5H), 7.80−7.90 (m, 2H), 7.97 (dm, J = 8.7 Hz, 1H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 55.0, 113.4, 113.8, 121.9, 124.8, 125.0, 125.3, 125.6, 125.9, 126.0, 126.9, 127.9, 128.2, 128.7, 129.2, 131.0, 131.8, 133.9, 136.4, 138.8, 141.3, 141.8, 159.3. HRMS (EI) m/z calcd for C23H18OS: 342.1078, found 342.1078。
アルケニル三置換体(4ajcで表される化合物)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.35 (s, 3H), 3.75 (s, 3H), 6.67 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.89 (s, 1H), 6.94 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.11 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.15−7.25 (m, 5H), 7.30-7.40 (m, 2H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 21.1, 55.1, 113.3, 126.8, 127.2, 127.3, 128.6, 128.9, 130.1, 130.4, 130.7, 137.0, 140.4, 140.74, 140.75, 158.2. HRMS (EI) m/z calcd for C22H20O: 300.1514, found 300.1514。
アルケニル三置換体(4acjで表される化合物)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.26 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 6.80−7.00 (m, 7H), 7.20−7.40 (m, 7H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 21.1, 55.2, 113.5, 126.4, 127.2, 128.57, 128.61, 128.63, 129.3, 130.3, 134.7, 136.1, 136.2, 140.7, 141.1, 159.0. HRMS (EI) m/z calcd for C22H20O: 300.1514, found 300.1514。
アルケニル三置換体(4jacで表される化合物)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.39 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 6.68 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 6.88 (s, 1H), 6.98 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.05−7.20 (m, 4H), 7.20−7.35 (m, 5H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 21.3, 55.1, 113.3, 127.1, 127.40, 127.41, 128.1, 129.4, 130.19, 130.23, 130.7, 136.9, 137.5, 140.5, 143.8, 158.2. HRMS (EI) m/z calcd for C22H20O: 300.1514, found 300.1513。
アルケニル三置換体(4jcaで表される化合物)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.38 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 6.80−6.90 (m, 3H), 7.00−7.20 (m, 7H), 7.25−7.30 (m, 4H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 21.3, 55.2, 113.5, 126.25, 126.32, 127.9, 128.8, 129.3, 129.4, 130.2, 136.3, 137.0, 137.4, 137.7, 142.1, 159.1. HRMS (EI) m/z calcd for C22H20O: 300.1514, found 300.1515。
アルケニル三置換体(4cajで表される化合物)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.27 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 6.87 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.88 (s, 1H), 6.96 (s, 4H), 7.13 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.25−7.35 (m, 5H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 21.2, 55.2, 114.0, 127.3, 127.6, 127.8, 128.1, 128.7, 129.4, 131.6, 132.7, 134.7, 136.4, 141.3, 143.9, 158.8. HRMS (EI) m/z calcd for C22H20O: 300.1514, found 300.1512。
アルケニル三置換体(4cjaで表される化合物)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.36 (s, 3H), 3.83 (s, 3H), 6.85 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.87 (s, 1H), 7.00−7.20 (m, 8H), 7.20−7.30 (m, 3H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 21.1, 55.1, 113.9, 126.4, 127.0, 127.6, 127.9, 128.8, 129.4, 131.6, 132.6, 137.3, 137.7, 141.0, 142.1, 158.8. HRMS (EI) m/z calcd for C22H20O: 300.1514, found 300.1518。
アルケニル三置換体(11cjoで表される化合物)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データを示す。2.26 (s, 3H), 3.72 (s, 3H), 6.61 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 6.77 (dd, J = 8.4, 8.0 Hz, 2H), 6.87−7.01 (m, 9H), 7.02−7.10 (m, 4H). 13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 21.2, 55.5, 113.0, 114.5 (d, JC-F = 21.4 Hz), 126.2, 127.7, 128.4, 131.2, 131.3, 132.5, 132.8 (d, JC-F = 7.1 Hz), 136.1 (d, JC-F = 3.1 Hz), 138.4, 140.07, 140.10, 140.6, 140.8, 144.0, 158.0, 161.2 (d, JC-F = 244.1 Hz). HRMS (EI) m/z calcd for C28H23FO: 394.1733, found 394.1732。
本発明の多置換オレフィンは、例えば、各種分野において使用可能であり、発光材料等として好適に使用することができ、本発明の発光材料に特に好適に使用することができる。
本発明の多置換オレフィンの選択的製造方法は、例えば、アルケニル三置換体、アルケニル四置換体等の所望の構造を有するものを選択的かつ効率的に合成可能であり、発光材料等の製造に好適に使用可能である。
本発明の発光材料は、例えば、フォトルミネッセンス材料等として使用可能である。

Claims (31)

  1. アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第二の炭素原子に、元素の長周期型周期表における第13族〜第16族から選択される原子を含む有機基が該原子を介して結合してなるアルケン化合物における、
    前記第一の炭素原子に対し、第一アリール基を含む第一のアリール化合物を反応させて該第一アリール基を結合させ、第二アリール基を含む第二のアリール化合物を反応させて該第二アリール基を結合させた後、
    前記第二の炭素原子に対し、第三アリール基を含む第三のアリール化合物を反応させて該第三アリール基を結合させることを特徴とする多置換オレフィンの選択的製造方法。
  2. 原子が、Si原子、Se原子、O原子、Ge原子、Sn原子、Pb原子及びB原子のいずれかである請求項1に記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  3. 原子が、Si原子である請求項1に記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  4. 第一の炭素原子に対し、第一アリール基を結合させた後、該第一アリール基を結合させた時よりも高い温度で、第二アリール基を結合させる請求項1から3のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  5. アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第二の炭素原子に、S原子にピリミジン環が結合してなる有機基が該S原子を介して結合してなるアルケン化合物における、
    前記第一の炭素原子に対し、第一アリール基を含む第一のアリール化合物を反応させて該第一アリール基を結合させた後、該第一アリール基を結合させた時よりも高い温度で、第二アリール基を含む第二のアリール化合物を反応させて該第二アリール基を結合させた後、
    前記第二の炭素原子に対し、第三アリール基を含む第三のアリール化合物を反応させて該第三アリール基を結合させることを特徴とする多置換オレフィンの選択的製造方法。
  6. 第一の炭素原子に対し、第一アリール基を結合させた時よりも5〜100℃高い温度で第二アリール基を結合させる請求項4から5のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  7. 第一の炭素原子に対し、第一アリール基を結合させた時よりも20〜40℃高い温度で第二アリール基を結合させる請求項4から5のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  8. 第一の炭素原子に対し、第一アリール基を結合させる反応の温度が、45℃以上75℃未満であり、第二アリール基を結合させる反応の温度が、75℃以上105℃未満である請求項4から7のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  9. 第一の炭素原子に対し、第一アリール基を結合させる反応、及び、第二アリール基を結合させる反応が、ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応である請求項1から8のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  10. 第二の炭素原子に対し、第三アリール基を結合させる反応が、クロスカップリング(Cross−Coupling)反応である請求項1から9のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  11. 第二の炭素原子に結合した有機基を第三アリール基と置換させて該第二の炭素原子に該第三アリール基を結合させる請求項1から10のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  12. アルケン化合物として、第一アリール基を結合させる前に第二の炭素原子に第四アリール基が結合しているものを使用する請求項1から11のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  13. 第二の炭素原子に第三アリール基を結合させた後、該第二の炭素原子に結合した有機基を第五アリール基と置換させて該第二の炭素原子に該第五アリール基を結合させる請求項1から12のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  14. 第二の炭素原子に第五アリール基を結合させる反応が、クロスカップリング(Cross−Coupling)反応である請求項13に記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  15. ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応が、遷移金属触媒及び塩基の存在下で行われる請求項9に記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  16. クロスカップリング(Cross−Coupling)反応が、遷移金属触媒の存在下で行われる請求項10及び14のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  17. 遷移金属触媒がパラジウム触媒である請求項15から16のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  18. パラジウム触媒がPd[P(t−ブチル)である請求項17に記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  19. 第一の炭素原子に第二アリール基を結合させる反応が、該第一の炭素原子に第一アリール基を結合させる反応の際に用いた遷移金属触媒、塩基及び反応容器を用いて行われる請求項15に記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  20. 第一のアリール化合物、第二のアリール化合物及び第三のアリール化合物が、ハロゲン化アリール化合物から選択される請求項1から19のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  21. 第三のアリール化合物及び第五のアリール化合物が、マグネシウム含有アリール化合物から選択される請求項13に記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  22. 第一のアリール化合物、第二のアリール化合物、第三のアリール化合物、第四のアリール化合物及び第五のアリール化合物の少なくともいずれかにおけるアリール基が、下記構造式a〜qのいずれかで表されるものから選択される請求項20から21のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  23. 多置換オレフィンが、
    アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第一の炭素原子に第一アリール基及び第二アリール基が結合し、前記第二の炭素原子に第三アリール基が結合してなる三置換体、及び、
    アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第一の炭素原子に、第一アリール基及び第二アリール基が結合し、前記第二の炭素原子に、第三アリール基と、第四アリール基及び第五アリール基のいずれかとが結合してなる四置換体、の少なくともいずれかである請求項1から22のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法。
  24. 請求項1から23のいずれかに記載の多置換オレフィンの選択的製造方法により製造されることを特徴とする多置換オレフィン。
  25. アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第一の炭素原子に第一アリール基及び第二アリール基が結合し、前記第二の炭素原子に第三アリール基が結合してなる三置換体、及び、
    アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第一の炭素原子に、第一アリール基及び第二アリール基が結合し、前記第二の炭素原子に、第三アリール基と、第四アリール基及び第五アリール基のいずれかとが結合してなる四置換体、の少なくともいずれかである請求項24に記載の多置換オレフィン。
  26. 下記構造式(4jab,4cgb,4iib,4mmn,4ggj,4ijp,4icq,4igd及び11cjo)で表される請求項24から25のいずれかに記載の多置換オレフィン。
    ただし、上記各構造式中、Meは、メチル基を表す。
  27. 下記構造式で表されることを特徴とする多置換オレフィン。
    ただし、上記各構造式中、Meは、メチル基を表す。
  28. 下記構造式のいずれかで表されることを特徴とする多置換オレフィン。
    ただし、該構造式においては、
    Ar及びArが共に、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、及び1−ナフチル基のいずれかであるか、
    Arがフェニル基で、Arが2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基又は4−メトキシフェニル基であるか、
    Arが4−メチルフェニル基で、Arがフェニル基又は4−メトキシフェニル基であるか、
    Arが4−メトキシフェニル基で、Arがフェニル基、4−メチルフェニル基又は1−ナフチル基であるか、
    Arが3−チエニル基で、Arが4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基又は1−ナフチル基である。
    ただし、該構造式中、Phは、フェニル基を表し、p−Anisは、4−メトキシフェニル基を表し、Tol−pは、4−メチルフェニル基を表す。
  29. 発光材料として用いられる請求項24に記載の多置換オレフィン。
  30. 請求項24から25のいずれかに記載の多置換オレフィンを少なくとも含有することを特徴とする発光材料。
  31. 下記構造式で表される多置換オレフィンの少なくとも1つを含有する請求項30に記載の発光材料。
    ただし、上記各構造式中、Meは、メチル基を表す。
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