JP2005230754A - 電子線照射方法および装置 - Google Patents

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嘉伸 金子
Kunihiko Ozaki
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Abstract

【課題】 本発明の目的は、電子線を効率よく被照射物に照射できる電子線照射方法および装置であり、しかもスペースをとらず、消費電力や不活性ガスの使用量等のランニングコストでも有利な方法および装置を提供する。
【解決手段】 回転している被照射物に対し、被照射物の大きさよりも電子線照射範囲が小さい電子線発生装置の中心が、被照射物の回転中心を通るように、電子線発生装置およびもしくは被照射物の搬送装置を相対的に移動させ、[数式1]を満たすように、電子線発生装置と被照射物の回転中心との相対移動速度と、被照射物の1分間あたりの回転数とを、いずれか一つまたは両方を制御し、被照射物に電子線を照射する電子線照射方法および装置。
[数式1] VL/(n・σ)≦3
(VL:電子線発生装置と被照射物の回転中心との相対移動速度(m/min)、n:被照射物の1分間あたりの回転数(rpm)、σ:電子線発生装置における静止状態での被照射物に与えるDynamic Dose量分布の標準偏差、を示す。)

Description

本発明は、CD、DVDまたは、MDのディスクや、テレホンカード、プリペイドカード、メンバーズカードまたはICカードのカード等の、四角形平板状、円形平板状またはその他形状の平板状の基板(被印刷物)への単色または多色の印刷、あるいは塗料、接着剤、粘着剤等のコーティングにおいて、印刷部またはコーティング部を電子線により効率的に硬化、架橋、乾燥または定着させると共に、照射時に発生する放射線の遮蔽を効率的に行ない、また不活性ガスの使用量も最小限に抑える事のできる電子線照射方法および装置を提供する。
四角形平板状または円形平板状等の基板、主にCD、DVDまたは、MDのディスクや、テレホンカード、プリペイドカード、メンバーズカードまたはICカードのカード等の基板(被印刷物)への単色または多色の印刷およびコーティングに関し、オフセット印刷、シルクスクリーン印刷、フレキソ印刷、スピンコーター等により印刷部(印刷層)または塗装部(塗料層)が形成された後、乾燥装置により、印刷部または塗装部の乾燥が行なわれている。乾燥装置として、熱風、紫外線等を利用した装置が知られている。
光デイスク等の光学記録媒体における印刷および乾燥装置技術として、特許文献1〜5に開示されているように、保護層の形成された基板に、印刷インキや塗料として紫外線硬化型インキや塗料を使用し、スクリーン印刷、平版印刷等の印刷装置、あるいはコーティング装置等により、印刷またはコーティングがほどこされ、紫外線照射により、印刷部またはコーティング部を乾燥している事が記載されている。
電子線照射の方法も知られている。電子線照射装置として、従来から知られている装置は、小型にすることが難しい。照射室が大きいために、使用する不活性ガスの無駄な使用量が多く、電子線照射による消費電力量が大きくなり、ランニングコストが高くなる。
さらに、特許文献6に開示されているとおり、真空管型の電子線発生装置が記載されている。従来のドラム型の電子線発生装置のごとく、電子線発生部であるドラム内を常に真空ポンプ等により脱気(真空引き)しながら、電子線を照射するタイプの装置と異なり、電子線発生部を真空引きする必要がないため、小型で、移動可能とする事ができる装置である。なお、電子線照射装置としては、通常、円形状の形状を有する照射管を用いるものであり、例えば、一本ないし複数本の照射管を使用した装置である。
このような構成の照射管を有する装置は、Ushio international Technologies社によりMin−EB装置として知られている。この装置においては、低加速電圧でも、有効に電子線を取り出すことができる。低加速電圧のため、低い透過深度で電子線を作用させることが可能となり、基板を劣化させることなく、基板に設けられた印刷層、接着層、粘着層、ニス層を効率よく硬化、架橋、乾燥させ、また、基板の表面層を改質させることができる。また、低加速電圧、低エネルギーにより2次電子線の発生量を低下させる事ができるようになり、大がかりなシールド構造を必要としない特徴を有する。
さらに、真空管型電子線照射装置は小型としやすいが、照射領域を広げるため、複数の電子線発生装置を用いた装置が知られている。しかし、複数の電子線発生装置を使用しているため、小型とはいえ、消費電力、不活性ガス量の増加につながりやすく、装置の大きさがそれなりに必要となってしまう。
特開昭61−246944号公報 特開昭62−275752号公報 特許第2789608号公報 特開平11-39733公報 特開平6-325413公報 米国特許第5,414,267号
これらの乾燥方法における問題点として、熱風による乾燥方式の場合、乾燥時間が長い、または、印刷部または塗装部の基板への定着不足等がある。紫外線による乾燥方法の場合、熱風による乾燥方式と同様に、印刷部の基板への定着不足または発生する熱による基材の変形の恐れがある。また、従来の電子線(EB)照射装置でも、110kV以上の中および高加速電圧での電子線照射を使用すると、基板へのダメージが大きく、変形が起こる場合がある。さらに、紫外線を使用する場合には、材料面から考慮すると、開始剤が不可欠であり、乾燥後の開始剤残りによる環境または人体への影響が懸念される。また、EB照射による乾燥方式では、開始剤抜きでも、硬化および乾燥ができる利点がある。しかし、従来のEB装置は、チャンバー内や、照射室内を真空にするために真空ポンプが必要になるなど、小型の電子線発生装置がないため、電子線照射装置全体が大きくなってしまう。そのため、電子線照射により発生するX線を遮蔽するために、大掛かりな外装が必要となり、また、照射室内を不活性ガスで充満させて電子線照射する方式では、照射室が大きいために、使用する不活性ガスの無駄な使用量が多く、電子線照射による消費電力量が大きくなり、ランニングコストが高くなる。
このように、EB装置を活用する上で、装置のコンパクト化およびランニングコストの削減が求められている。
この課題に対し、電子線発生装置の電子線照射範囲よりも大きい被照射物を電子線照射する場合、被照射物に、未照射部分を残すことなく電子線を照射することが重要になる。そこで、被照射物の電子線照射が必要な領域に電子線を照射するために、被照射物を回転させる手段を用いる。具体的には、ある吸収線量(kGy)で被照射物に電子線を照射するためには、フィラメントの電流量を制御して、Dynamic Dose量を制御する方法と、被照射物の回転中心と電子線発生装置の中心との相対移動速度を制御する方法、および、被照射物の1分間あたりの回転数を制御する方法、もしくはそれらの組み合わせで制御する方法がある。以下に、被照射物への電子線照射が必要な領域範囲において、未照射部分を残すことなく、吸収線量を与えることを目的とした電子線照射方法および装置に関する本発明を記述する。
第1の発明は、回転している被照射物に対し、被照射物の大きさよりも電子線照射範囲が小さい電子線発生装置の中心が、被照射物の回転中心を通るように、電子線発生装置およびもしくは被照射物の搬送装置を相対的に移動させ、[数式1]を満たすように、電子線発生装置と被照射物の回転中心との相対移動速度と、被照射物の1分間あたりの回転数とを、いずれか一つまたは両方を制御し、被照射物に電子線を照射することを特徴とする電子線照射方法である。
[数式1] VL/(n・σ)≦3
(VL:電子線発生装置と被照射物の回転中心との相対移動速度(m/min)、n:被照射物の1分間あたりの回転数(rpm)、σ:電子線発生装置における静止状態での被照射物に与えるDynamic Dose量分布の標準偏差、を示す。)
ここで、[数式1]に関する説明を記述する。図1は、本発明に係る、電子線発生装置と回転する被照射物16との関係を示す模式図である。図2は、真空管型電子線発生装置1本における静止状態での被照射物に与えるDynamic Dose量分布である。
第2の発明は、電子線発生装置が1つである上記電子線照射方法である。電子線発生装置が1本であることにより、装置のコンパクト化、不活性カ゛スの使用量低減や電力量の低減等のランニングコストの削減、が図りやすいため、望ましい。
図1のように、被照射物(ディスク基板)16上で、電子線発生装置1本から電子線照射されるある瞬間の電子線照射領域5は、図2に示されているようなDynamic Dose量分布8となり、下記[数式3]の正規分布(ガウス分布)の式に近似できる。
[数式3] Q(r)=P1exp(−(r−P2)2/2σ2)
(Q:Dynamic Dose量(kGy・m/min)、P1:Dynamic Dose量のピーク高さ(kGy)、P2:被照射物の回転中心からDynamic Dose量のピーク高さ位置までの距離(m)、σ:電子線発生装置1本における静止状態での被照射物に与えるDynamic Dose量分布の標準偏差、r:被照射物の回転中心から半径方向への距離(m)、を示す。)
図3は、Dynamic Dose量分布の合成関数を示すグラフである。図3は、被照射物の回転中心3を通る直線6(図1)上での、正規分布(ガウス分布)で近似された複数のDynamic Dose量分布8(図2)の合成関数13の一例である。個々のDynamic Dose量分布8を、各Dynamic Dose量分布8のピーク位置での回転速度2π・n・r(n:被照射物の回転数(rpm)、r:被照射物の回転中心から照射位置までの距離)および電子線発生装置の中心7と被照射物の回転中心3との相対移動速度VLの合成速度で割ることにより、各Dynamic Dose量分布に対応する吸収線量分布が導かれ、それらの合成吸収線量から、被照射物の全面または一部における吸収線量および、吸収線量の均一性が求められる。また、Dynamic Dose量の合成関数13の形状は、各Dynamic Dose量分布のピーク高さピッチVL/n(被照射物が1回転する間に電子線発生装置が移動する距離)と、各Dynamic Dose量分布の広がりを示す標準偏差σの逆数1/σとの積で決まる。
[数式1]を満たすように、被照射物の電子線照射領域面上の任意の位置で、電子線発生装置と被照射物の回転中心との相対移動速度VL(m/min)および1分間あたりの回転数n(rpm)の初期設定をし、[数式1]を満たすように、VLとnのどちらか、または、両方とも制御することにより、少なくとも未照射部分を残すことなく照射を行なう事ができる。このとき、[数式1]の範囲において、VL/(n・σ)<2では、被照射物の回転中心付近が過照射になる場合があるので、2≦VL/(n・σ)<3の範囲でVLとnを設定した方が好ましい。
本発明により、電子線発生装置1本による電子線照射において、静止した状態での電子線照射範囲よりも大きい被照射物に対し、未照射部分を残すことなく照射させることができる。
第3の発明は、回転している被照射物に対し、被照射物の大きさよりも電子線照射範囲が小さい電子線発生装置の中心が、被照射物の回転中心を通るように、電子線発生装置およびもしくは被照射物の搬送装置を相対的に移動させ、電子線発生装置における電子線照射領域の中心が、被照射物の回転中心から距離rの地点に位置するときに、[数式2]を満たすように、Dynamic Dose量、電子線発生装置と被照射物の回転中心との相対移動速度および被照射物の1分間あたりの回転数、の少なくとも一つを制御しながら、被照射物に電子線を照射することを特徴とする第1の発明に係る電子線照射方法である。
[数式2] Q(r)=q・(VL 2+(2π・n・r)21/2
(Q:Dynamic Dose量(kGy・m/min)、q:電子線発生装置が被照射物に与える吸収線量(kGy)、VL:電子線発生装置と被照射物の回転中心との相対移動速度(m/min)、n:被照射物の1分間あたりの回転数(rpm)、r:被照射物の回転中心から半径方向への距離(m)、を示す。)
ここで、[数式2]に関する説明を記述する。Dynamic Dose量Q(kGy・m/min)とは、吸収線量q(kGy)と、電子線発生装置の中心7と被照射物の回転中心3との相対移動速度VLおよび回転速度2π・n・r(n:被照射物の回転数(rpm)、r:被照射物の回転中心から照射位置までの距離)の合成速度Vとの積からなり、下記の[数式4]が成り立つ。
[数式4] Q=q・V
電子線発生装置の中心7が、回転している被照射物の回転中心3を通るように、電子線発生装置を移動させた場合、被照射物の電子線照射領域における電子線発生装置の中心7の軌跡は、図4に示すような軌跡になる。この軌跡において、電子線発生装置の中心7と被照射物の回転中心との相対移動速度VLおよび被照射物の回転速度2π・n・r(m/min)の合成速度は、下記の[数式5]のようになる。
[数式5] V=(VL 2+(2π・n・r)21/2
[数式4]および[数式5]から、[数式2]が導かれる。
制御方法として、 [数式1]の範囲において、電子線発生装置の中心7と該被照射物の回転中心3との相対移動速度VL、および被照射物の1分間あたりの回転数nを設定し、[数式2]を満たすように、Dynamic Dose量を制御するか、または、同じく[数式1]を満たす範囲において、被照射物の任意の電子線照射領域面上における位置で、Dynamic Dose量と、電子線発生装置の中心7と被照射物の回転中心3との相対移動速度VL、および被照射物の1分間あたりの回転数nの初期値を設定し、[数式2]を満たすように、VLとnをそれぞれVL/nの比が一定になるように制御することにより、未照射部分を残すことなく、被照射物に対して照射させることができる。また、[数式1]を満たす範囲か、または、[数式1]が含まれる範囲で、電子線発生装置の中心7と被照射物の回転中心3との相対移動速度VLか、または、該被照射物の1分間あたりの回転数nのどちらか一方を制御してもよい。
第4の発明は、搬送方向に沿った被照射物のガイド部材(ラック等)と、該ガイド部材に沿って回転運動を行なう部材(ピニオン等)を備え、搬送速度を制御できる搬送装置を有し、該搬送装置により、被照射物を回転させながら任意の搬送速度で搬送させ、電子線照射する上記電子線照射方法を提供する。
この発明により、被照射物を搬送させるだけで、回転させながら電子線を照射させることができる。
第5の発明は、被照射物の搬送速度制御部材(コンベア等)と回転制御部材(モータ−およびコンピューター等)からなる搬送装置を有し、該搬送装置により、被照射物の搬送速度および回転制御をそれぞれ独立に行ない、電子線照射する上記電子線照射方法を提供する。
第6の発明は、連続搬送されている被照射物に対し、被照射物に電子線を照射する上記電子線照射方法を提供する。
この発明により、連続的に搬送されている被照射物に対し、効率よく照射を行なうことができる。
第7の発明は、間欠搬送されている被照射物に対し、被照射物の搬送が停止したときに、電子線照射装置を移動させながら被照射物を電子線照射し、電子線照射終了後、再度搬送させる上記電子線照射方法を提供する。
この発明により、間欠的に搬送されている被照射物に対し、効率よく照射を行なうことができる。
第8の発明は、回転している被照射物に対し、被照射物の大きさよりも電子線照射範囲が小さい電子線発生装置の中心が、被照射物の回転中心を通るように、電子線発生装置およびもしくは被照射物の搬送装置を相対的に移動させ、[数式1]を満たすように、電子線発生装置と被照射物の回転中心との相対移動速度と、被照射物の1分間あたりの回転数とを、いずれか一つまたは両方を制御することを特徴とする電子線照射装置である。
[数式1] VL/(n・σ)≦3
(VL:電子線発生装置と被照射物の回転中心との相対移動速度(m/min)、n:被照射物の1分間あたりの回転数(rpm)、σ:電子線発生装置における静止状態での被照射物に与えるDynamic Dose量分布の標準偏差、を示す。)
第9の発明は、電子線発生装置が1つである上記電子線照射装置である。
本発明において、真空管型電子線発生装置を1本のみ用いた方法ではなく、複数本組み合わせた電子線照射装置で被照射物に対し、電子線を照射させてもよいが、望ましくは真空管型電子線発生装置(望ましくはMin−EBチューブ)を1本用いた方法および装置である。
本発明により、被照射物の領域より小さい照射領域の電子線発生装置、好ましくは1本使用する電子線照射装置を用いて、被照射物に対し、電子線を効率よく照射することができる。また、電子線発生装置を1本で照射することができるため、電子線照射装置の大きさを小さくでき、省スペース化が可能になると同時に、消費電力や、不活性ガスの使用量などのランニングコスト削減を図ることができる。
本発明の実施例について、電子線照射による硬化または乾燥装置を備えたディスク印刷またはコーティング装置において、電子線照射方法に関する一実施例を挙げ、図面を用いて説明する。
本発明において、電子線発生装置として、移動が容易で、コンパクトな真空管型のものが望ましい。真空管型電子線発生装置は、米国特許第5、414、267号に開示されており、Ushio international Technologies社によりMin−EB装置として知られているとおり、電子線発生部を真空引きする必要がないため、小型で移動可能とする事ができる装置である。この装置においては、低加速電圧でも電子線の透過力の低下が小さく、有効に電子線を取り出すことができる。
この真空管型電子線発生装置1本を用い、該電子線発生装置が静止した状態での電子線照射範囲よりも面積が大きいディスクに対し、電子線照射方法の一例を下記に記す。
静止状態で真空管型電子線発生装置1本から電子線が照射されたときにディスク基板16上の一部分に与えるDynamic Dose量分布は、図2に示すように、正規分布に従うように分布し、このデータから、ピーク高さ11および、標準偏差9(σ)を算出することができる。回転しているディスク基板16に対し、電子線発生装置の中心が、ディスク基板の回転中心3を通るように、直線的に真空管型電子線発生装置または搬送装置を移動させた場合、ディスク基板の回転中心3を通る直線上のDynamic Dose量分布は図3のようになる。個々のDynamic Dose量分布8を、各Dynamic Dose量分布8のピーク位置での回転速度2π・n・r(n:被照射物の回転数(rpm)、r:被照射物の回転中心から各Dynamic Dose量分布のピーク位置までの距離)および、真空管型電子線発生装置の中心7と被照射物の回転中心3との相対移動速度VLの合成速度で割ることにより、各Dynamic Dose量分布に対応するそれぞれの吸収線量分布が導かれ、それらの吸収線量を合成し、合成吸収線量を得る。
まず、Dynamic Dose量Qを制御して、回転しているディスク基板16に対し、電子線41を照射する方法の一例を記述する。
吸収線量qと、真空管型電子線発生装置の中心7とディスク基板の回転中心3との相対移動速度VLおよび、ディスク基板16の回転数nをディスクの電子線照射領域面上の任意の位置で初期設定し、ディスク基板の回転中心からの距離rに対し、[数式2]Q(r)=q・(VL 2+(2π・n・r)21/2を満たすように、真空管型発生装置内部にあるフィラメントの電流量を変化させてDynamic Dose量Qを変化させる。
このとき、請求項1に記載した[数式1] VL/(n・σ)≦3を満たすように、真空管型電子線発生装置の中心7とディスク基板の回転中心3との相対移動速度VLおよび、ディスク基板の回転数nを設定することもできる。さらに好ましくは、ディスク基板の回転中心が過照射になるのを避けるために、2≦VL/(n・σ)≦3を満たすように、真空管型電子線発生装置の中心7とディスク基板の回転中心3との相対移動速度VL及び、ディスク基板の回転数nを設定した方が好ましい。
次に、ディスク基板16の回転数n及び、真空管型電子線発生装置の中心7とディスク基板の回転中心3との相対移動速度VLを制御して、回転しているディスク基板16における電子線照射が必要な領域にある吸収線量を与える方法を記述する。
ディスク基板の回転中心3から半径方向への任意の距離rに対し、Dynamic Dose量Qと、吸収線量qを設定し、[数式1]VL/(n・σ)≦3と、[数式2]Q(r)=q・(VL 2+(2π・n・r)21/2を同時に満たすように、ディスクの1分間あたりの回転数n及び、真空管型電子線発生装置の中心7とディスク基板の回転中心3との相対移動速度VLを初期設定する。その後、[数式2]Q(r)=q・(VL 2+(2π・n・r)21/2を満たすように、VLとnをそれぞれVL/nの比が一定になるように制御することにより、未照射部分を残すことなく、被照射物に対して電子線41を照射させることができる。このとき、ディスク基板の回転中心3付近で過照射になるのを避けるためには、2≦VL/(n・σ)≦3を満たすように、真空管型電子線発生装置の中心7とディスク基板の回転中心3との相対移動速度VL、およびディスク基板16の回転数nを設定した方が好ましい。
次に、連続搬送電子線照射方式における電子線照射方法の一実施例について説明する。図5は、連続搬送電子線照射方式での印刷またはコーティング装置、および電子線照射装置の構成を上から見た模式図である。図5において、18〜22は印刷機またはコーティング装置を示し、23〜27は電子線照射装置を示す。このとき、電子線照射装置23〜27は固定されている。図5に示す方法は、多数の被照射物を、連続して処理できる方法および装置である。
ディスク基板28が供給ステージ32によりディスク基板取り入れ装置30を経由して、搬送装置34に移動され、該搬送装置34により、時計回りに連続的に搬送される。ディスク基板28は、印刷機またはコーティング装置18によって印刷あるいはコーティングされ、回転しながら電子線照射装置23に至り、電子線照射される。多色印刷またはラミネートなどのコーティングの場合は、印刷機またはコーティング装置19〜22及び、電子線照射装置24〜27により、必要な工程数だけ行なえばよい。ディスク基板28に、印刷またはコーティングを施し、硬化、架橋または乾燥を行った後、ディスク基板取り出し装置31を経て、排出ステージ33へ移動する。
図6および図7は、連続搬送電子線照射方式において、印刷されたディスク基板16が図5における電子線照射装置23〜27により電子線照射される様子を示したものであり、真空管型電子線発生装置38は、水平方向の移動は固定されているが、垂直方向に移動できる装置を備えており、任意に被照射物までの照射距離を変更することができる。X線遮蔽カバー37とX線遮蔽プレート44も取り外し可能となっている。また、不活性ガス供給ノズル45から、電子線照射室36内に不活性ガス、例えば窒素、ヘリウム、アルゴンなどが送られ、電子線照射室36内を充満させる。
連続搬送電子線照射方式の搬送方法として、図6のように、搬送装置の全経路または、一部分の中央にラック46が取り付けられており、また、ディスク基板16を乗せる回転軸に、ピニオン47が取り付けられている。ディスク基板移動装置(コンベア等)49により、ディスク基板16を搬送方向に移動させると、ピニオン47とラック46により、ディスク基板16に回転動作をさせることができる。このように、連続搬送電子線照射方式において、搬送動作と回転動作を連動させることにより、ディスク基板28を搬送方向に移動させるだけで、ディスク基板16を回転させながら搬送し、電子線41を照射する。
同じく、連続搬送電子線照射方式において、図7のように、ディスク基板16を載せる装置に回転モーター51及び、回転テーブル48が取り付けられており、ディスク基板移動装置(コンベア等)53と回転モーター51はそれぞれ独立して動作させることができる。これにより、ディスク基板16の移動および回転制御を独立して行ない、電子線41を照射する。
次に、間欠搬送電子線照射方式における電子線照射方法の一実施例について説明する。図8は、電子線照射装置を備えたディスク基板28への印刷またはコーティング装置の構成を上から見た模式図である。18〜22は印刷機またはコーティング装置を示し、23〜27は電子線照射装置を示す。ディスク基板28が回転供給ステージ32からディスク取り入れ装置30を経て、搬送装置34に移動され、時計回りに間欠搬送される。ディスク基板28は、印刷機またはコーティング装置18〜22を通過するときは、連続的に移動されるが、電子線照射装置23〜27のいずれかに到達したときに、移動が停止され、図9における回転モーター51により、ディスク基板28が回転を始め、ディスク基板28が存在する電子線照射装置23〜27のいづれかが電子線41を照射しながら水平に移動し、印刷またはコーティングされたディスク基板28の印刷面またはコーティング面が硬化、架橋または乾燥される。一連の印刷またはコーティング及び、硬化、乾燥を経た後、ディスク取り出し装置31を経て、排出ステージ33にディスク基板28が移動される。
図9は、間欠搬送電子線照射方式において、ディスク基板16が電子線照射装置35により電子線照射される様子を示したものである。ディスク基板16を載せる装置に回転モーター51および、回転テーブル48が取り付けられており、ディスク基板移動装置53と回転モーター51はそれぞれ独立して動作させることができる。電子線照射装置35は、水平方向に移動可能な機構を備えており、X線遮蔽カバー37とX線遮蔽プレート44も取り外し可能となっている。また、真空管型電子線発生装置38には、垂直方向に移動できる装置を備えており、任意に、ディスク基板16までの照射距離を変更することができる。ガス噴射ノズル45から不活性ガス、例えば窒素、ヘリウム、アルゴンなどにより、電子線照射室36内を充満させる。ディスク基板移動装置53が停止している間、回転モーター51により、ディスク基板16を回転させ、電子線照射装置35を水平方向に移動させながら、回転しているディスク基板16に電子線41を照射する。
本発明に係る、電子線発生装置と回転する被照射物16との関係を示す模式図である。 真空管型電子線発生装置1本における静止状態での被照射物に与えるDynamic Dose量分布である。 Dynamic Dose量分布の合成関数を示すグラフである。 被照射物(ディスク基板)上における電子線発生装置の中心の軌跡を示す模式図である。 連続搬送電子線照射方式での印刷またはコーティング装置、および電子線照射装置の構成を上から見た模式図である。 連続搬送電子線照射方式において、印刷された被照射物(ディスク基板)が図5における電子線照射装置により電子線照射される様子を示す模式側面図である。 連続搬送電子線照射方式において、印刷された被照射物(ディスク基板)が図5における電子線照射装置により電子線照射される様子を示す模式側面図である。 電子線照射装置を備えた被照射物(ディスク基板)への印刷またはコーティング装置の構成を上から見た模式図である。 間欠搬送電子線照射方式において、被照射物(ディスク基板)が電子線照射装置により電子線照射される様子を示す模式側面図である。 図中の符号1・・・ディスク基板の回転方向2・・・ディスク基板の回転中心と電子線発生装置の移動方向3・・・ディスク基盤の回転中心4・・・ディスク基板の回転中心から電子線発生装置における電子線照射領域のピーク高さ位置までの距離5・・・電子線発生装置における電子線照射領域6・・・ディスク基板の回転中心と電子線発生装置の中心を通る直線7・・・電子線発生装置の中心8・・・真空管型電子線発生装置1本における静止状態での被照射物に与えるDynamic Dose量分布9・・・Dynamic Dose量分布の標準偏差10・・・Dynamic Dose量分布の変曲点11・・・Dynamic Dose量分布のピーク高さ(kGy・m/min)12・・・被照射物が1回転する間に電子線発生装置が移動する距離(m)13・・・Dynamic Dose量分布の合成関数14・・・ディスク基板の回転速度(m/min)15・・・ディスク基板の回転中心と電子線発生装置の移動速度との相対速度と、ディスク基板の回転速度の合成速度16・・・ディスク基板17・・・ディスク基板上における電子線発生装置の中心の軌跡18〜22・・・印刷機またはコーティング装置23〜27・・・電子線照射装置28・・・ディスク基板29・・・搬送装置の中心線または、ガイド部材30・・・ディスク基板28を供給ステージ32から搬送装置34に取り入れるディスク基板取り入れ装置31・・・ディスク基板28を搬送装置34から排出ステージ33に取り出すディスク取り出し装置32・・・供給ステージ33・・・排出ステージ34・・・搬送装置35・・・電子線照射装置36・・・照射室内37・・・X線遮蔽カバー38・・・真空管型電子線発生装置39・・・ガス供給配管40・・・配管コネクター41・・・電子線42・・・真空管型電子線発生装置の可動方向43・・・ディスク基板の可動方向44・・・X線遮蔽プレート45・・・ガス噴射ノズル46・・・ラック47・・・ピニオン48・・・回転テーブル49・・・ディスク基板移動装置50・・・ディスク基盤の回転51・・・回転モーター52・・・電子線照射装置の可動方向53・・・ディスク基板移動装置

Claims (9)

  1. 回転している被照射物に対し、被照射物の大きさよりも電子線照射範囲が小さい電子線発生装置の中心が、被照射物の回転中心を通るように、電子線発生装置およびもしくは被照射物の搬送装置を相対的に移動させ、[数式1]を満たすように、電子線発生装置と被照射物の回転中心との相対移動速度と、被照射物の1分間あたりの回転数とを、いずれか一つまたは両方を制御し、被照射物に電子線を照射することを特徴とする電子線照射方法。
    [数式1] VL/(n・σ)≦3
    (VL:電子線発生装置と被照射物の回転中心との相対移動速度(m/min)、n:被照射物の1分間あたりの回転数(rpm)、σ:電子線発生装置における静止状態での被照射物に与えるDynamic Dose量分布の標準偏差、を示す。)
  2. 電子線発生装置が1つである請求項1記載の電子線照射方法。
  3. 回転している被照射物に対し、被照射物の大きさよりも電子線照射範囲が小さい電子線発生装置の中心が、被照射物の回転中心を通るように、電子線発生装置およびもしくは被照射物の搬送装置を相対的に移動させ、電子線発生装置における電子線照射領域の中心が、被照射物の回転中心から距離rの地点に位置するときに、[数式2]を満たすように、Dynamic Dose量、電子線発生装置と被照射物の回転中心との相対移動速度および被照射物の1分間あたりの回転数、の少なくとも一つを制御しながら、被照射物に電子線を照射することを特徴とする請求項1または2記載の電子線照射方法。
    [数式2] Q(r)=q・(VL 2+(2π・n・r)21/2
    (Q:Dynamic Dose量(kGy・m/min)、q:電子線発生装置が被照射物に与える吸収線量(kGy)、VL:電子線発生装置と被照射物の回転中心との相対移動速度(m/min)、n:被照射物の1分間あたりの回転数(rpm)、r:被照射物の回転中心から半径方向への距離(m)、を示す。)
  4. 搬送方向に沿った被照射物のガイド部材と、該ガイド部材に沿って回転運動を行なう部材を備え、搬送速度を制御できる搬送装置を有し、該搬送装置により、被照射物を回転させながら任意の搬送速度で搬送させ、電子線照射する請求項1ないし3いずれか記載の電子線照射方法。
  5. 被照射物の搬送速度制御部材と回転制御部材からなる搬送装置を有し、該搬送装置により、被照射物の搬送速度およびもしくは回転制御を行ない、電子線照射する請求項1ないし3いずれか記載の電子線照射方法。
  6. 連続搬送されている複数の被照射物に対し、電子線を照射する請求項1ないし5いずれか記載の電子線照射方法。
  7. 間欠搬送されている複数の被照射物に対し、被照射物の搬送が停止したときに、電子線照射装置を移動させながら被照射物を電子線照射し、電子線照射終了後、再度搬送させる請求項1ないし5いずれか記載の電子線照射方法。
  8. 回転している被照射物に対し、被照射物の大きさよりも電子線照射範囲が小さい電子線発生装置の中心が、被照射物の回転中心を通るように、電子線発生装置およびもしくは被照射物の搬送装置を相対的に移動させ、[数式1]を満たすように、電子線発生装置と被照射物の回転中心との相対移動速度と、被照射物の1分間あたりの回転数とを、いずれか一つまたは両方を制御することを特徴とする電子線照射装置。
    [数式1] VL/(n・σ)≦3
    (VL:電子線発生装置と被照射物の回転中心との相対移動速度(m/min)、n:被照射物の1分間あたりの回転数(rpm)、σ:電子線発生装置における静止状態での被照射物に与えるDynamic Dose量分布の標準偏差、を示す。)
  9. 電子線発生装置が1つである請求項8記載の電子線照射装置。
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