JP2005219726A - 車両用ガラス - Google Patents

車両用ガラス Download PDF

Info

Publication number
JP2005219726A
JP2005219726A JP2004146981A JP2004146981A JP2005219726A JP 2005219726 A JP2005219726 A JP 2005219726A JP 2004146981 A JP2004146981 A JP 2004146981A JP 2004146981 A JP2004146981 A JP 2004146981A JP 2005219726 A JP2005219726 A JP 2005219726A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
laminated glass
laminated
vehicle
interlayer film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004146981A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4644440B2 (ja
Inventor
Takeshi Hasegawa
剛 長谷川
Masaki Matsudo
真樹 松堂
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP2004146981A priority Critical patent/JP4644440B2/ja
Publication of JP2005219726A publication Critical patent/JP2005219726A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4644440B2 publication Critical patent/JP4644440B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)

Abstract

【課題】外部から加えられた衝撃を緩和する性能に優れ、事故発生時に歩行者の頭部が衝突する確率の高い外周部付近において特に高い衝撃緩和性能を発揮できる車両用ガラス、及び、該車両用ガラスに好適な合わせガラスを提供する。
【解決手段】少なくとも合わせガラス用中間膜とガラス板とが積層され一体化されている合わせガラスからなる車両用ガラスであって、いずれの部位においても、エコノミック・コミッション・フォー・ヨーロッパ(Economic Commission for Europe;ECE−Regulation No.43 Annex3)の規定に準拠して測定した頭部衝撃指数(Head Injury Criteria;HIC)値が1000以下であり、かつ、全ての外周部又は少なくとも一辺の辺縁部における前記頭部衝撃指数が中央部分における前記頭部衝撃指数よりも50以上低い車両用ガラス。
【選択図】なし

Description

本発明は、外部から加えられた衝撃を緩和する性能に優れ、事故発生時に歩行者の頭部が衝突する確率の高い外周部付近において特に高い衝撃緩和性能を発揮できる車両用ガラス、及び、該車両用ガラスに好適な合わせガラスに関する。
近年、先進国では車対歩行者の衝突時における車の歩行者保護性能の評価システムが開発研究されている。車との衝突時に歩行者が致命傷を負う部位のうち最も多いのが頭部である。このため、頭部の衝撃保護評価を行うための頭部衝撃テスト法についても、国際規格(ISO/SC10/WG2)やEU規格(EEVC/WG10、ECE-Regulation No.43 Annex3)が定められている。
例えば、ヨーロピアン・エンハンスド・ビークル−セーフティ・コミッティー(European Enhanced Vehicle−safety Committee;EEVC/WG17)は、歩行者保護試験の1つとして頭部保護試験を提案しており、この頭部保護試験に準拠した方法により求められた頭部衝撃指数(Head Injury Criteria;HIC値)が1000を超えないことが車の安全性についての性能基準として提案されている。なお、HIC値が1000とは重傷を負う閾値であり、HIC値が1000を超えると通常の人間の生存確率は低くなると言われている。
近年の自動車のフロントノーズは短くなる傾向にあり、最近の事故では大人歩行者の頭部が自動車と衝突する位置はボンネットに加えてフロントガラスも多い。
しかし、EEVC/WG17の頭部保護試験は、試験範囲を自動車のボンネット上のみと規定しているため、現在進められている国際研究調和活動(IHRA)では、大人頭部保護試験の範囲にフロントガラスも含めることを検討している。
現在、自動車、電車等の車両に用いる車両用ガラスとしては、外部衝撃を受けて破損しても、ガラスの破片が飛散することが少なく安全であるため、合わせガラスが広く用いられている。このような合わせガラスとしては、少なくとも一対のガラス板間に、可塑剤により可塑化されたポリビニルブチラール樹脂等のポリビニルアセタール樹脂からなる合わせガラス用中間膜を介在させ、一体化させて得られるもの等が挙げられる。
車両用ガラスには運転者を守る観点から耐貫通性能等の性能が定められているが、衝撃緩和性能に関してはほとんど考慮されていないのが現状である。一般に、耐貫通性能と衝撃緩和性能とは両立が難いものであったことから、現在用いられている車両用ガラスのほとんどは、HIC値が1000を超えている。とりわけ、自動車のフロントガラスでは、固定されている外周部付近において特にHIC値が高く、場合によっては2000を超えることもあった。このような車両用ガラスの外周部付近は、事故発生時に歩行者の頭部が衝突する確率の高い箇所であり、歩行者が車両と衝突した際の頭部障害を回避するための対策が求められていた。
これに対して、特許文献1には、車両の外部にエアバックを装着して、歩行者が車両と衝突した際にはこのエアバックを起動させることにより歩行者保護を図る方法が開示されている。しかしながら、歩行者がフロントガラスのどの部分に衝突するかは予測できないことから、充分な成果を挙げるためには極めて大型のエアバックが必要となるところ、このような大型のエアバックは高価であり、また、車体重量を重くして燃費の悪化を招いたり、車体のデザインを著しく制限してしまったりするという問題があり、実用的ではなかった。
特開平2003−182485号公報
本発明は、上記現状に鑑み、外部から加えられた衝撃を緩和する性能に優れ、事故発生時に歩行者の頭部が衝突する確率の高い外周部付近において特に高い衝撃緩和性能を発揮できる車両用ガラス、及び、該車両用ガラスに好適な合わせガラスを提供することを目的とする。
本発明は、少なくとも合わせガラス用中間膜とガラス板とが積層され一体化されている合わせガラスからなる車両用ガラスであって、いずれの部位においても、エコノミック・コミッション・フォー・ヨーロッパ(Economic Commission for Europe;ECE−Regulation No.43 Annex3)の規定に準拠して測定した頭部衝撃指数(Head Injury Criteria;以下、HICともいう)値が1000以下であり、かつ、全ての外周部又は少なくとも一辺の辺縁部における前記頭部衝撃指数が中央部分における前記頭部衝撃指数よりも50以上低い車両用ガラスである。
なお、本明細書において車両用ガラスとは、自動車、汽車、電車等の車両の窓等に用いるガラスのことを意味し、例えば、自動車においては、自動車用フロントガラス、自動車用サイドガラス、自動車用リアガラス等が挙げられる。
以下に本発明を詳述する。
本発明者らは、鋭意検討の結果、全体としてのHIC値が1000以下であり、かつ、全ての外周部又は少なくとも一辺の辺縁部におけるHIC値が中央部分におけるHIC値よりも50以上低い車両用ガラスは、車両用ガラスとして必要な耐貫通性能等の諸性能を維持したうえで、衝撃緩和性能にも優れ、歩行者が車両と衝突した際にも頭部障害を有効に回避することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の車両用ガラスは、全ての部位において、ECE−Regulation No.43 Annex3の規定に準拠して測定したHIC値が1000以下である。1000を超えると、本発明の車両用ガラスを用いた車両に歩行者が衝突した際に、頭部障害を回避することができず、生存確率が低くなる。好ましくは600以下、より好ましくは300以下である。
本発明の車両用ガラスは、全ての外周部又は少なくとも一辺の辺縁部におけるHIC値が中央部分におけるHIC値よりも50以上低い。このように部位によってHIC値が異なる車両用ガラスにおいて、HIC値の比較的高い部位が中央部に、HIC値の比較的低い部位が外周部になるようにすることにより、車両用ガラスに要求される耐貫通性能等の諸性能を確保する一方で、事故発生時に歩行者の頭部が衝突する確率の高い箇所である車両用ガラスの外周部の衝撃吸収性能を向上させることができる。
本発明の車両用ガラスにおいては、全ての外周部又は少なくとも一辺の辺縁部におけるHIC値が250以下であることが好ましい。250を超えると、充分な衝撃吸収性能を発揮できないことがある。
本明細書における車両用ガラスの外周部又は辺縁部の意味について図1を用いて説明する。図1は自動車用のフロントガラスの1例を示す模式図である。
本発明の車両用ガラスが図1に示した自動車のフロントガラス1である場合、辺縁部とは天井側辺縁部2、ボンネット側辺縁部3及びAピラー側辺縁部4のそれぞれ部位を指し、これらの全てが外周部に該当する。
なお、外周部又は辺縁部の範囲としては特に限定されないが、車両用ガラスが車両本体に装着されたときの固定位置から50mm以上であることが好ましい。本発明の合わせガラスにおいては、上記HIC値が50以上異なる部分の面積が、全体の面積の50%以下であることが好ましい。
本発明の車両用ガラスが自動車用フロントガラスである場合においては、天井側辺縁部2、ボンネット側辺縁部3及びAピラー側辺縁部4の全ての部位においてHIC値が低いことが好ましいが、とりわけボンネット側辺縁部3のHIC値が低いことが重要である。フロントガラス1においてボンネット側辺縁部3は、事故発生時に特に歩行者の頭部が衝突する確率の最も高い箇所である。
上記HIC値は、ECE-Regulation No.43 Annex3 paragraph3.2の規定に従い、大きさが500×1100mmの合わせガラスを開口部が470×1070mmの枠に固定したときに、その中央部に4mの高さからインパクタヘッド(重量10.0+0.2/−0.0kg)を衝突させることにより測定される。
図2は、本発明の合わせガラスのHIC値を測定する際に使用するHIC値測定装置の一例を模式的に示す分解斜視図である。
図2に示すように、HIC値測定装置10は、主に、上端に合わせガラスの外周部分を載置するための鍔部12が形成された箱状の支持部11と、鍔部12と略同形状の固定部13と、人間の頭部を模した形状のインパクタヘッド14とから構成されている。
支持部11の鍔部12と固定部13とには、それぞれ対応する位置に複数の貫通孔(図示せず)が形成されており、鍔部12上にHIC値を測定する合わせガラスを載置し、該合わせガラス上に固定部13を配設した後、貫通孔にネジ等の固定部材を螺合することで、合わせガラスをその外周部分で保持固定できるようになっている。
すなわち、図2に示したHIC値測定装置では、鍔部12及び固定部13の内周部分の大きさが470×1070mmとなっている。
インパクタヘッド14は、金属製のコアに半球状の樹脂製ヘッドスキンが取り付けられており、上記コア内部の中心には、3軸方向の加速度を測定する加速度センサが備えられている。
このようなインパクタヘッド14は、上記のように保持固定させた合わせガラスの上方に配置されており、合わせガラスの表面に上述の条件で衝突させた際の衝撃を上記加速度センサが感知して合わせガラスのHIC値を測定する。
HIC値は、上記のように配設した後、ECE−Regulation No.43 Annex3 paragraph3の規定に準拠して、下記式(1)により算出することができる。
Figure 2005219726
式(1)中、arは、インパクタヘッドの合成加速度(G)を表し、aIは、インパクタヘッドの進行方向の加速度(G)を表し、aFは、インパクタヘッドの前後方向の加速度(G)を表し、aSは、インパクタヘッドの横方向の加速度(G)を表し、t2−t1は、HIC値が最大になる時間間隔(最大0.015s)を表す。
少なくとも合わせガラス用中間膜とガラス板とが積層され一体化されている合わせガラスであって、いずれの部位においても、エコノミック・コミッション・フォー・ヨーロッパ(Economic Commission for Europe;ECE−Regulation No.43 Annex3)の規定に準拠して測定した頭部衝撃指数(Head Injury Criteria;HIC)値が1000以下であり、かつ、前記頭部衝撃指数が50以上異なる部分を有する合わせガラスもまた、本発明の1つである。
また、本発明の合わせガラスにおいては、合わせガラスの全ての外周部又は少なくとも一辺の辺縁部において、ガラス板と積層されている合わせガラス用中間膜が、合わせガラスの中央部においてガラス板と積層されている合わせガラス用中間膜とは異なる合わせガラス用中間膜を使用していることが好ましく、合わせガラスの全ての外周部又は少なくとも一辺の辺縁部におけるHIC値が、合わせガラスの中央部分における前記頭部衝撃指数よりも50以上低いことが更に好ましい。
上記構成の合わせガラスを自動車用のフロントガラスに用いることにより、フロントガラスが固定されている外周部においてもHIC値を小さくすることができ、衝突事故時の歩行者安全性が向上する。
合わせガラスの外周部の一部又は全部において積層されている合わせガラス用中間膜の最外周からの幅としては50mm以上であることが好ましい。
本発明の合わせガラスにおいては、上記HIC値が50以上異なる部分の面積が、全体の面積の50%以下であることが好ましい。
このような合わせガラスを用い、HIC値が低い部分が外周部又は少なくとも一辺の辺縁部になるように加工すれば、本発明の車両用ガラスを得ることができる。
本発明の合わせガラスにおいては、HIC値が低い部分におけるHIC値が250以下であることが好ましい。
各部位のHIC値の測定方法としては、合わせガラスの全ての外周部又は少なくとも一辺の辺縁部において、ガラス板と積層されている合わせガラス用中間膜が、合わせガラスの中央部においてガラス板と積層されている合わせガラス用中間膜とは異なる合わせガラス用中間膜を使用している場合には、それぞれの部位で使用する中間膜を用いて別々に作成した合わせガラスの中央部を評価する方法等が用いられる。
本発明によれば、外部から加えられた衝撃を緩和する性能に優れ、事故発生時に歩行者の頭部が衝突する確率の高い外周部付近において特に高い衝撃緩和性能を発揮できる車両用ガラス、及び、該車両用ガラスに好適な合わせガラスを提供することができる。
以下に本発明の車両用ガラス及び合わせガラスについて具体的に説明する。
合わせガラスにおいて低HIC値を達成する方法としては特に限定されないが、例えば、(1)合わせガラス用中間膜により衝撃を吸収する方法、(2)ガラス部分を薄くし、衝突時に容易にガラスが変形及び/又は割れることで衝撃を吸収する方法、(3)合わせガラスの一方の側(車両用ガラスとして用いたときに内側となる側)をガラスの代わりに樹脂板とする方法等が挙げられる。上述のHIC値を示す本発明の車両用ガラスを得るためには、これらの方法又はこれらの方法を組み合わせて全体としてのHIC値を低減するとともに、特に外周部又は少なくとも一辺の辺縁部に集中的にこれらの方法又はこれらの方法の組み合わせを施すことにより、中央部と外周部とのHIC値の差を発現させる。
まず、(1)合わせガラス用中間膜により衝撃を吸収する場合について説明する。
このような本発明の車両用ガラス又は合わせガラスとしては、例えば、合わせガラス用中間膜として貯蔵弾性率G’が一定以下のものや、tanδが一定以上のものを用いたものが考えられる。
貯蔵弾性率G’は合わせガラス用中間膜の軟らかさを表す値である。充分に軟らかい合わせガラス用中間膜を用いることにより、得られる車両用ガラス又は合わせガラスはHIC値の低いものとなる。とりわけ、温度20℃、周波数50〜100Hz以上の領域で周波数を変えながら測定した粘弾性試験における貯蔵弾性率G’が1.0×106Pa以下、より好ましくは5.0×105Pa以下である部分が合わせガラス用中間膜の車両用ガラスの外周部に対応する部位に含まれるようにすれば、その部位におけるHIC値を250以下とすることができる。
また、tanδは、貯蔵弾性率G’と損失弾性率G”との比(G”/G’)であり、合わせガラス用中間膜の動的粘弾性、ひいては衝撃エネルギー吸収性を示す値である。充分に衝撃エネルギー吸収性の高い合わせガラス用中間膜を用いることにより、得られる車両用ガラス又は合わせガラスはHIC値の低いものとなる。とりわけ、温度20℃、周波数50〜100Hz以上で少なくとも一点のtanδが0.7以上である部分が合わせガラス用中間膜の車両用ガラスの外周部に対応する部位に含まれるようにすれば、その部位におけるHIC値を250以下とすることができる。
貯蔵弾性率G’、tanδが上述の条件を満たす合わせガラス用中間膜としては、具体的には、ポリビニルアセタール樹脂を主成分とし、ポリビニルアセタール樹脂100重量部に対して可塑剤を35重量部以上含有するものが挙げられる。大量の可塑剤を配合することにより、上述の貯蔵弾性率G’、tanδを満たす合わせガラス用中間膜とすることができる。可塑剤の配合量としては45重量部以上が更に好ましく、60重量部以上が特に好ましい。
しかしながら、このような大量の可塑剤を含有する合わせガラス用中間膜を用いると、可塑剤がブリードアウトしてしまったり、得られる車両用ガラスの耐貫通性等が劣ってしまったりすることがある。従って、合わせガラス用中間膜全体に一律にこのような大量の可塑剤を含有させるのではなく、特に低HIC値が求められる部位の可塑剤の含有量を多くするようにする。即ち、求められるHIC値に合わせて可塑剤の含有量を調整し、特に車両用ガラスの全ての外周部又は少なくとも一辺の辺縁部に対応する部位における可塑剤の含有量を高くした合わせガラス用中間膜を用いる。
また、合わせガラス用中間膜による衝撃の吸収には、合わせガラス用中間膜の厚さも影響し、一般に薄い合わせガラス用中間膜のほうが、厚い合わせガラス用中間膜よりも衝撃吸収能力が高い。従って、求められるHIC値に合わせて合わせガラス用中間膜の厚さを調整し、特に車両用ガラスの全ての外周部又は少なくとも一辺の辺縁部に対応する部位における合わせガラス用中間膜の厚さが薄くなるようにした合わせガラス用中間膜を用いる。例えば、合わせガラス用中間膜が一方の端から他方の端に向かって順次厚くなっている楔形状であるものや、外周部の厚さが中央部よりも薄くなっている形状とすることが考えられる。
このような合わせガラス用中間膜としては、単層のものであってもよいが、多層構造として、外周部に特に大量の可塑剤を含有する層を配置させたり、特に厚さが薄くなるようにしたりすることが好ましい。例えば、3層以上の多層構造であって、各々の層が楔形状であり、貯蔵弾性率G’が小さい楔形状の層を中間層として楔形状の層を交互に重ねて、全体の厚が一定となっている合わせガラス用中間膜が挙げられる。このような多層構造の合わせガラス用中間膜を用いた合わせガラスからなるフロントガラスを、貯蔵弾性率G’が小さい中間層の楔形状の基部がボンネット側にくるようして配置すれば、衝突の恐れが高いフロントガラス下端部のHIC値を低くして、しかも、衝突の危険性の少ない上部は強度を確保できる。
上記合わせガラス用中間膜の厚さとしては特に限定されないが、耐貫通性能の観点から、700μm以上とすることが好ましい。
上記合わせガラス用中間膜を多層構造として、上述の貯蔵弾性率G’、tanδを満たす層を一部に配置する場合には、このような層の厚さが合わせガラス用中間膜全体の厚さの10%以上となるようにすることが好ましい。10%未満であると、充分な衝撃吸収性能を発揮できないことがある。
上記ポリビニルアセタール樹脂としては特に限定されないが、アセタール化度が60〜85mol%のものが好適である。より好ましくは65〜80mol%である。
なお、本明細書において、「アセタール化度」とは、ポリビニルアセタール樹脂のアセタール基が原料となるポリアルコール樹脂の2つの水酸基をアセタール化して形成されていることから、アセタール化された2つの水酸基を数える方法により算出したものをいう。
上記ポリビニルアセタール樹脂としては、赤外吸収スペクトルを測定したときの水酸基のピークの半値幅が250cm-1以下であるポリビニルアセタール樹脂が好適である。より好ましくは200cm-1以下である。
なお、上記ポリビニルアセタール樹脂の赤外吸収スペクトルの測定方法としては、例えば、HORIBA社製「FT−IR」を用いて、赤外吸収スペクトルを求め、得られたピークのうち水酸基に対応するピークから測定することができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、従来公知の方法により製造することができる。例えば、ポリビニルアルコールを温水に溶解し、得られた水溶液を所定の温度、例えば0〜90℃、好ましくは10〜20℃に保持しておいて、所要の酸触媒及びアルデヒドを加え、攪拌しながらアセタール化反応を進行させる。次いで、反応温度を70℃に上げて熟成し反応を完結させ、その後、中和、水洗及び乾燥を行ってポリビニルアセタール樹脂の粉末を得る方法等が挙げられる。
上記アルデヒドとしては特に限定されず、例えば、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド等の脂肪族、芳香族、脂環族アルデヒド等が挙げられる。好ましくは、炭素数4〜8のn−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒドである。炭素数4のn−ブチルアルデヒドは、得られるポリビニルアセタール樹脂の使用により、各樹脂膜の接着強度が強くなり、また耐候性にも優れ、しかも樹脂の製造も容易となるので、より好ましい。これらは、単独で使用されてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ポリビニルアセタール樹脂は、架橋されたものであってもよい。架橋されたポリビニルアセタール樹脂を用いることにより、可塑剤のブリードアウトを抑制することができる。
上記ポリビニルアセタール樹脂を架橋する方法としては、例えば、ポリビニルアルコールをブチルアルデヒド等のアルデヒドによりアセタール化する際に、グルタルアルデヒドのようなジアルデヒドを用いて、分子間をジアセタール結合により軽度に架橋させる方法;ポリビニルアルコールのアセタール化反応において目的のアセタール化度の少なくとも90%に達した後、これに酸触媒を追加して60〜95℃で反応させることにより、ポリビニルアセタール分子間をモノブチラール結合によって架橋する方法;得られたポリビニルアセタール樹脂に残存する水酸基と反応する架橋剤を添加し、水酸基を架橋する方法;ジイソシアネート、多価エポキシによりポリビニルアセタール樹脂に残存する水酸基を架橋する方法等が挙げられる。
上記水酸基と反応する架橋剤としては、例えば、グリオキサザール、硫黄原子を分子鎖中に含むジアルデヒド、グリオキサザール−エチレングリコール反応物、両末端がアルデヒドで変性されたポリビニルアルコール、ジアルデヒドデンプン、ポリアクロレイン等のジアルデヒド類、N−メチロール尿素、N−メチロールメラミン、トリメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン等のメチロール類、α−ヒドロキシエチルスルホン酸、エピクロルヒドリン、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル化されたビスフェノールA型エポキシ樹脂、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジグリシジルエーテル化されたグリセリン、分子鎖中に3つ以上のグリシジルエーテル基を有するポリエチレングリコール、トリメチロールプロパンのポリグリシジルエーテル変性物、ソルビトールのポリグリシジルエーテル変性物、ソルビタンのポリグリシジルエーテル変性物、ポリグリセロールのポリグリシジルエーテル変性物等のエポキシ類、ジカルボン酸、トリエチレングリコールとアクリル酸メチルとのマイケル付加物、ポリアクリル酸、メチルビニルエーテル−マレイン酸共重合体とイソブチレンー無水マレイン酸共重合体との混合物等の多価カルボン酸、トリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、4,4’−ジッシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、ポリフェノール、アセチルアセトン、マロン酸ジエチルエステル、ラクタム、オキシム、アミド、3級アルコール等でブロックされたポリイソシアネート等が挙げられる。
上記可塑剤としては通常ポリビニルアセタール樹脂に使用されるものであれば特に限定されず、中間膜用の可塑剤として一般的に用いられている公知の可塑剤が挙げられ、例えば、一塩基酸エステル、多塩基酸エステル等の有機エステル系可塑剤;有機リン酸系、有機亜リン酸系等のリン酸系可塑剤等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよく、樹脂との相溶性等を考慮して、ポリビニルアセタール樹脂の種類に応じて使い分けられる。
上記一塩基酸エステル系可塑剤としては特に限定されず、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール又はトリプロピレングリコール等のグリコールと、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)又はデシル酸等の有機酸との反応によって得られるグリコール系エステルが挙げられる。なかでも、トリエチレングリコール−ジカプロン酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチル酪酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−n−オクチル酸エステル、トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキシル酸エステル等のトリエチレングリコールの一塩基性有機酸エステルが好適に用いられる。
上記多塩基酸エステル系可塑剤としては特に限定されず、例えば、アジピン酸、セバシン酸又はアゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖状又は分枝状アルコールとのエステル等が挙げられる。なかでも、ジブチルセバシン酸エステル、ジオクチルアゼライン酸エステル、ジブチルカルビトールアジピン酸エステル等が好適に用いられる。
上記有機エステル系可塑剤としては特に限定されないが、例えば、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキソエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクトエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプトエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプトエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート等が好適に用いられる。
その他、例えば、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ2−エチルブチレート、1,2−ブチレングリコールジ−2−エチレンブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキソエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペントエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート等も上記可塑剤として用いることができる。
上記リン酸系可塑剤としては特に限定されないが、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスファイト等が好適である。
また、上記可塑剤のなかで、ジカルボン酸と1価アルコールとからなるか、又は、モノカルボン酸と2価アルコールとからなるジエステル系化合物が配合されていることが好ましい。
また、上記合わせガラス用中間膜としては、ゴム粒子が分散されているものも好適である。このようなゴム粒子を分散させた場合にも、合わせガラス用中間膜に力が加わった際に衝撃を吸収することができる。
上記ゴム粒子としては特に限定されないが、例えば、周りの樹脂と屈折率が近く得られる合わせガラス用中間膜の可視光線透過率等を悪化させにくいことから、ポリビニルアセタール架橋体等が好適である。また、上記ゴム粒子の粒径としては特に限定されないが、1.0μm以下であることが好ましく、上記ゴム粒子の配合量としては特に限定されず、ポリビニルアセタール樹脂等の樹脂100重量部に対して好ましい下限は0.01重量部、好ましい上限は10重量部である。
上記合わせガラス用中間膜の製造方法としては特に限定されず、例えば、上述したポリビニルアセタール樹脂等の樹脂成分、可塑剤及び必要に応じて他の添加剤を配合し、均一に混練りした後、押出し法、カレンダー法、プレス法、キャスティング法、インフレーション法等従来公知の方法によりシート状に製膜する方法等が挙げられる。
また、多層構造の合わせガラス用中間膜の製造方法としては特に限定されず、例えば、上述したポリビニルアセタール樹脂等の樹脂成分、可塑剤及び必要に応じて他の添加剤を配合し、均一に混練りした後、各層を一括で押出し成型する方法、上述の方法により作成した2つ以上の樹脂膜をプレス法、ラミネート法等により積層する方法が挙げられる。プレス法、ラミネート法等により積層する方法に用いる積層前の樹脂膜は単層構造でも多層構造でもよい。
また、上述の楔形状の層を交互に重ねた多層構造の合わせガラス用中間膜は、異形押し出し成形できる金型を用い、いずれの層も楔形状になるように多層押し出し成形することにより製造することができる。
次に、(2)ガラス部分を薄くし、衝突時に容易にガラスが割れることで衝撃を吸収する場合について説明する。この場合、少なくとも一方のガラス板の厚さを1.8mm以下にしたものが好ましく用いられる。このような車両用ガラスは、衝突時に容易にガラスが変形及び/又は割れることで衝撃を吸収することができる。なお、車両用ガラスのHIC値は衝突時の変形と強い関係を有しており、衝突時の変形量が増加する程減少する。すなわち、車両用ガラスの変形が大きい程、HIC値が下がることとなる。また、もう一方のガラス板の厚みを1.8mmより厚くすることにより、車両用ガラスとしての耐久性とHIC値とを両立することが可能となる。
なお、このような厚さの異なるガラス板を用いた構造の車両用のガラスでは、厚さの厚い方を車外側、車内側のいずれに用いてもよいが、耐久性の観点からは厚さの厚い方を車外側とすることが好ましい。
次に、(3)合わせガラスの一方の側(車両用ガラスの内側となる側)をガラスの代わりに樹脂板とすることにより全体の衝撃吸収性を向上させる場合について説明する。このような合わせガラスとしては、例えば、合わせガラス用中間膜がガラス板と透明樹脂板との間に挟着されているものが好ましい。また、合わせガラスとした時にヘイズが2.0%以下、落球高さが4m以上であることが好ましい。このような車両用ガラス又は合わせガラスは、両面がガラス板からなるものに比べて衝撃吸収性能が充分に高く、HIC値を大幅に低減することができる。
上記透明樹脂板としては特に限定されないが、例えば、可視光線透過率、ヘイズ等に優れることから、ポリカーボネート、アクリル樹脂、アクリル共重合性樹脂又はポリエステル樹脂からなるものが好ましく、また落球高さが4m以上になるような厚さを有することが好ましい。
また、上記透明樹脂板は一般に傷が付きやすいことから、車両用ガラスとして用いるためには、透明エラストマー等により被覆されていることが好ましい。
上記透明エラストマーとしては特に限定されず、例えば、ウレタン系エラストマー、ナイロン系エラストマー、直鎖低密度ポリエチレン等が挙げられる。
本発明の車両用ガラス又は合わせガラスを製造する方法としては特に限定されず、従来公知の合わせガラスの製造方法を採用することができる。例えば、本発明の車両用ガラス又は合わせガラスが、2枚のガラス板の間に合わせガラス用中間膜が挟着された構造である場合、上記合わせガラス用中間膜を2枚のガラス板の間に挟み、これをゴムバッグに入れ、減圧吸引しながら約70〜110℃で予備接着し、次いで、オートクレーブを用いるか、又は、プレスを行い、約120〜150℃の温度、約1〜1.5MPaの圧力で本接着を行うことで製造することができる。
また、上記車両用ガラス又は合わせガラスの製造方法において、少なくとも一対のガラス板間に、可塑化されたポリビニルブチラール樹脂からなる合わせガラス用中間膜を介在させ、減圧下で吸引脱気すると同時に、温度60〜100℃で加熱圧着してもよい。より具体的には、ガラス板/中間膜/ガラス板の積層体をゴムバッグに入れ、例えばオートクレーブ中で、−66.7〜−99.3MPa程度の減圧下で吸引脱気しながら約60〜100℃の温度及び1〜10MPa程度の圧力で10〜30分間程度加熱圧着し、脱気と接着とを同時に行うことにより実施される。
この製造方法においては、上述のように、加熱圧着する時の温度を60〜100℃の範囲に限定し、圧着圧力、圧着時間及び吸引脱気する時の減圧度等の諸条件を上記程度の範囲内で適宜設定することにより、合わせガラス用中間膜とガラス板との接着力を所望の適性範囲内に収まるように調整することができる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
(合わせガラス用中間膜の製造)
(製造例1)
ポリビニルブチラール樹脂(アセタール化度68.0モル%、ビニルアセテート成分の割合0.6モル%)100重量部と、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)38重量部とを混合し、これをミキシングロールで充分に溶融混練した後、プレス成形機で150℃、30分間プレス成形して、厚さ750μmの樹脂膜を得、これを合わせガラス用中間膜(1)とした。
(製造例2)
ポリビニルブチラール樹脂(アセタール化度68.0モル%、ビニルアセテート成分の割合0.6モル%)100重量部と、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)38重量部とを混合し、これをミキシングロールで充分に溶融混練した後、プレス成形機で150℃、30分間プレス成形して、厚さ250μmの樹脂膜(1)を得た。
次いで、ポリビニルブチラール樹脂(アセタール化度65.0モル%、ビニルアセテート成分の割合14モル%)100重量部と、可塑剤としてトリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)60重量部とを混合し、これをミキシングロールで充分に溶融混練した後、プレス成形機で150℃、30分間プレス成形して、厚さ250μmの樹脂膜(2)を得た。
得られた樹脂膜について上述の方法により、貯蔵弾性率G’及びtanδを測定した。結果を表2に示した。
得られた樹脂膜(2)を2枚の樹脂膜(1)で挟み、加熱プレスを行い熱圧着して3層構造の合わせガラス用中間膜(2)を得た。
(合わせガラスの製造)
得られた合わせガラス用中間膜(1)及び(2)を厚さ2mmの透明な2枚のフロートガラスで挟み込み、これをゴムバック内に入れ、2660Paの真空度で20分間脱気した後、脱気したままオーブンに移し、更に90℃で30分間保持しつつ真空プレスした。このようにして予備圧着された合わせガラスをオートクレーブ中で135℃、圧力118N/cm2の条件で20分間圧着を行い、合わせガラス(1)及び(2)を得た。
(HIC値の測定)
ECE−Regulation No.43 Annex3に準拠した方法に基づき、図2に示した構造のHIC測定装置を用いて、合わせガラス表面より4mの高さからインパクタヘッドを落下させて合わせガラスに衝突させ、合わせガラス(1)及び(2)のHIC値を測定した。
HIC値は合わせガラス(1)が275、合わせガラス(2)が180であった。
(実施例1)
厚さ2mm、縦500mm、横1100mmの透明なフロートガラス上の中央部に、縦300mm、横900mmの合わせガラス用中間膜(1)を置き、その周囲の、縦方向の両側に縦500mm、横100mmの合わせガラス用中間膜(2)と、横方向の両側に縦100mm、横900mmの合わせガラス用中間膜(2)を置き、それらの上に厚さ2mm、縦500mm、横1100mmの透明なフロートガラスを重ねて、これをゴムバック内に入れ、2660Paの真空度で20分間脱気した後、脱気したままオーブンに移し、更に90℃で30分間保持しつつ真空プレスした。このようにして予備圧着された合わせガラスをオートクレーブ中で135℃、圧力118N/cm2の条件で20分間圧着を行い、HIC値が異なる部分を有する合わせガラス(3)を得た。
本発明によれば、外部から加えられた衝撃を緩和する性能に優れ、事故発生時に歩行者の頭部が衝突する確率の高い外周部付近において特に高い衝撃緩和性能を発揮できる車両用ガラス、及び、該車両用ガラスに好適な合わせガラスを提供することができる。
自動車用のフロントガラスの1例を示す模式図である。 本発明の車両用ガラスのHIC値を測定するHIC測定装置の一例を模式的に示す分解斜視図である。
符号の説明
1 自動車用フロントガラス
2 天井側辺縁部
3 ボンネット側辺縁部
4 Aピラー側辺縁部
10 HIC値測定装置
11 支持部
12 鍔部
13 固定部
14 インパクタヘッド

Claims (6)

  1. 少なくとも合わせガラス用中間膜とガラス板とが積層され一体化されている合わせガラスからなる車両用ガラスであって、いずれの部位においても、エコノミック・コミッション・フォー・ヨーロッパ(Economic Commission for Europe;ECE−Regulation No.43 Annex3)の規定に準拠して測定した頭部衝撃指数(Head Injury Criteria;HIC)値が1000以下であり、かつ、全ての外周部又は少なくとも一辺の辺縁部における前記頭部衝撃指数が中央部分における前記頭部衝撃指数よりも50以上低いことを特徴とする車両用ガラス。
  2. 全ての外周部又は少なくとも一辺の辺縁部における頭部衝撃指数が250以下であることを特徴とする請求項1記載の車両用ガラス。
  3. 自動車用フロントガラス、自動車用サイドガラス又は自動車用リアガラスであることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用ガラス。
  4. 少なくとも合わせガラス用中間膜とガラス板とが積層され一体化されている合わせガラスであって、いずれの部位においても、エコノミック・コミッション・フォー・ヨーロッパ(Economic Commission for Europe;ECE−Regulation No.43 Annex3)の規定に準拠して測定した頭部衝撃指数(Head Injury Criteria;HIC)値が1000以下であり、かつ、前記頭部衝撃指数が50以上異なる部分を有することを特徴とする合わせガラス。
  5. 合わせガラスの全ての外周部又は少なくとも一辺の辺縁部において、ガラス板と積層されている合わせガラス用中間膜が、合わせガラスの中央部においてガラス板と積層されている合わせガラス用中間膜とは異なる合わせガラス用中間膜を使用していることを特徴とする請求項4記載の合わせガラス。
  6. 合わせガラスの全ての外周部又は少なくとも一辺の辺縁部における頭部衝撃指数(Head Injury Criteria;HIC)値が、合わせガラスの中央部分における前記頭部衝撃指数よりも50以上低いことを特徴とする請求項4又は5記載の合わせガラス。

JP2004146981A 2004-01-09 2004-05-17 車両用ガラス Expired - Lifetime JP4644440B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004146981A JP4644440B2 (ja) 2004-01-09 2004-05-17 車両用ガラス

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004004686 2004-01-09
JP2004146981A JP4644440B2 (ja) 2004-01-09 2004-05-17 車両用ガラス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005219726A true JP2005219726A (ja) 2005-08-18
JP4644440B2 JP4644440B2 (ja) 2011-03-02

Family

ID=34995686

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004146981A Expired - Lifetime JP4644440B2 (ja) 2004-01-09 2004-05-17 車両用ガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4644440B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012026393A1 (ja) * 2010-08-23 2012-03-01 株式会社クラレ 太陽電池用封止材および合わせガラス用中間膜
WO2015108119A1 (ja) * 2014-01-15 2015-07-23 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2018047688A (ja) * 2016-08-19 2018-03-29 クラレイ ユーロップ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングKuraray Europe GmbH ポリカーボネートシートを積層するための可塑剤不含ポリビニルアセタールの使用
CN115448583A (zh) * 2022-10-14 2022-12-09 福耀玻璃工业集团股份有限公司 玻璃组件及其制备方法、车辆

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4841423A (ja) * 1971-10-01 1973-06-18
JP2001316140A (ja) * 2000-03-02 2001-11-13 Sekisui Chem Co Ltd 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2003146710A (ja) * 2001-11-13 2003-05-21 Sekisui Chem Co Ltd 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス並びに合わせガラスの製造方法
JP2003182485A (ja) * 2001-12-03 2003-07-03 Trw Occupant Restraint Syst Gmbh & Co Kg 歩行者用安全装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4841423A (ja) * 1971-10-01 1973-06-18
JP2001316140A (ja) * 2000-03-02 2001-11-13 Sekisui Chem Co Ltd 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2003146710A (ja) * 2001-11-13 2003-05-21 Sekisui Chem Co Ltd 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス並びに合わせガラスの製造方法
JP2003182485A (ja) * 2001-12-03 2003-07-03 Trw Occupant Restraint Syst Gmbh & Co Kg 歩行者用安全装置

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5793498B2 (ja) * 2010-08-23 2015-10-14 株式会社クラレ 太陽電池用封止材および合わせガラス用中間膜
CN103080035A (zh) * 2010-08-23 2013-05-01 株式会社可乐丽 太阳能电池用封装材料和夹层玻璃用中间膜
JPWO2012026393A1 (ja) * 2010-08-23 2013-10-28 株式会社クラレ 太陽電池用封止材および合わせガラス用中間膜
WO2012026393A1 (ja) * 2010-08-23 2012-03-01 株式会社クラレ 太陽電池用封止材および合わせガラス用中間膜
US9475262B2 (en) 2010-08-23 2016-10-25 Kuraray Co., Ltd. Solar-cell sealant and laminated-glass interlayer
WO2015108119A1 (ja) * 2014-01-15 2015-07-23 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP5793261B1 (ja) * 2014-01-15 2015-10-14 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2015155376A (ja) * 2014-01-15 2015-08-27 積水化学工業株式会社 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
US10946620B2 (en) 2014-01-15 2021-03-16 Sekisui Chemical Co., Ltd. Interlayer film for laminated glass, and laminated glass
US11826988B2 (en) 2014-01-15 2023-11-28 Sekisui Chemical Co., Ltd. Interlayer film for laminated glass, and laminated glass
JP2018047688A (ja) * 2016-08-19 2018-03-29 クラレイ ユーロップ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングKuraray Europe GmbH ポリカーボネートシートを積層するための可塑剤不含ポリビニルアセタールの使用
CN115448583A (zh) * 2022-10-14 2022-12-09 福耀玻璃工业集团股份有限公司 玻璃组件及其制备方法、车辆
CN115448583B (zh) * 2022-10-14 2024-01-23 福耀玻璃工业集团股份有限公司 玻璃组件及其制备方法、车辆

Also Published As

Publication number Publication date
JP4644440B2 (ja) 2011-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4339745B2 (ja) 合わせガラス及び合わせガラス用中間膜
JP4956491B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
CN107074643B (zh) 夹层玻璃用中间膜及夹层玻璃
KR101189898B1 (ko) 열가소성 수지 시트 및 적층체
JP4636904B2 (ja) 熱可塑性樹脂シ−ト及び積層体
JP6476133B2 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2021035904A (ja) ガラス板貼り合わせ用樹脂膜、ガラス板含有積層体及びガラス板貼り合わせ用樹脂膜の製造方法
JP5830197B1 (ja) 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2006264289A (ja) 熱可塑性樹脂シート及び積層体
JP4644440B2 (ja) 車両用ガラス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100128

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100303

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100427

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101206

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4644440

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131210

Year of fee payment: 3